JPWO2015046374A1 - 液晶配向処理剤およびそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

下記の(A)成分および(B)成分を含有する液晶配向処理剤。(A)成分:窒素原子を有する構造を有するポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる少なくともいずれか一種を含有する重合体。(B)成分:ウレア構造若しくはチオウレア構造を有するポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる少なくともいずれか一種を含有する重合体。但し(A)成分及び(B)成分の重合体の少なくとも一方には、特定の側鎖構造を含有する。

Description

本発明は、液晶表示素子の製造において用いられる液晶配向処理剤、この液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜およびこの液晶配向膜を使用した液晶表示素子に関するものである。
液晶表示素子は、薄型・軽量を実現する表示デバイスとして、現在、広く使用されている。通常、この液晶表示素子には、液晶の配向状態を決定づけるために液晶配向膜が使用されている。
液晶配向膜に求められる特性の一つとして、基板面に対する液晶分子の配向傾斜角を任意の値に保つ、いわゆる液晶のプレチルト角の制御がある。このプレチルト角の大きさは、液晶配向膜を構成しているポリイミドの構造を選択することで変更できることが知られている。ポリイミドの構造によってプレチルト角を制御する技術の中でも、側鎖を有するジアミンをポリイミド原料の一部として用いる方法は、このジアミンの使用割合に応じてプレチルト角が制御できるので、目的のプレチルト角を得ることが比較的容易であり、プレチルト角を大きくする手段として有用である(例えば特許文献1参照)。また、このように液晶のプレチルト角を大きくするためのジアミン成分は、プレチルト角の安定性やプロセス依存性を改善するための構造検討もされており、ここで用いられる側鎖構造としては、フェニル基やシクロヘキシル基などの環構造を含むものが提案されている(例えば特許文献2参照)。
また、液晶表示素子の高精細化に伴い、液晶表示素子のコントラスト低下の抑制や残像現象の低減といった観点から、そこに使用される液晶配向膜においても電圧保持率が高いことや、直流電圧を印加した際の蓄積電荷が少ないまたは直流電圧により蓄積した電荷の緩和が早いといった特性が次第に重要となっていた。
ポリイミド系の液晶配向膜において、直流電圧によって発生した残像が消えるまでの時間が短いものとして、ポリアミド酸やイミド基含有ポリアミド酸に加えて特定構造の3級アミンを含有する液晶配向処理剤を使用したもの(例えば特許文献3参照)や、ピリジン骨格などを有する特定ジアミンを原料に使用した可溶性ポリイミドを含有する液晶配向処理剤を使用したもの(例えば特許文献4参照)などが知られている。また、電圧保持率が高く、かつ直流電圧によって発生した残像が消えるまでの時間が短いものとして、ポリアミド酸やそのイミド化重合体などに加えて分子内に1個のカルボン酸基を含有する化合物、分子内に1個のカルボン酸無水物基を含有する化合物および分子内に1個の3級アミノ基を含有する化合物から選ばれる化合物を極少量含有する液晶配向処理剤を使用したもの(例えば特許文献5参照)が知られている。
特開平2−282726号公報 特開平9−278724号公報 特開平9−316200号公報 特開平10−104633号公報 特開平8−76128号公報
液晶配向膜は、基板に対する液晶の角度、すなわち液晶のプレチルト角の制御を行うためにも用いられている。特に、VA(Vertical Alignment)モードやPSA(Polymer Sustained Alignment)モードなどでは、液晶を垂直に配向させる必要があるため、液晶配向膜には、液晶を垂直に配向させる能力(垂直配向性や高いプレチルト角ともいう)が求められる。さらに、液晶配向膜には、高い垂直配向性だけではなく、その安定性に対しても重要となってきている。特に、高輝度を得るために発熱量が大きく、光の照射量が多いバックライトを使用している液晶表示素子、例えば、カーナビゲーションシステムや大型テレビでは、長時間高温および光の照射に曝された環境下で使用あるいは放置される場合がある。そのような過酷条件において、垂直配向性が低下した場合、初期の表示特性が得られない、あるいは、表示にムラが発生するなどの問題が起こる。
さらに、液晶表示素子の電気特性の1つである電圧保持率に関しても、上記のような過酷条件下での高い安定性も求められている。すなわち、電圧保持率が、バックライトからの光照射によって低下してしまうと、液晶表示素子の表示不良の1つである焼き付き不良(線焼き付きともいわれる)が発生しやすくなってしまい、信頼性の高い液晶表示素子を得ることができない。したがって、液晶配向膜においては、初期特性が良好なことに加え、例えば、長時間、光の照射に曝された後であっても、電圧保持率が低下しにくいことが求められている。さらに、もう1つの焼き付き不良である面焼付きに対しても、バックライトからの光照射によって、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜が求められている。
そこで本発明は、上記特性を兼ね備えた液晶配向処理剤を提供することを目的とする。すなわち、本発明の目的は、長時間高温および光の照射に曝された後でも、安定なプレチルト角が発現できる液晶配向膜を提供することを目的とする。加えて、長時間光の照射に曝された後でも、電圧保持率の低下を抑制し、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜を提供することを目的とする。
加えて、上記の液晶配向膜を有する液晶表示素子、上記の液晶配向膜を提供することのできる液晶配向処理剤を提供することにある。
さらに本発明は、上述の要求に対応した液晶配向膜を備えた液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、特定構造を有する2つの重合体を有する液晶配向処理剤が、上記の目的を達成するために極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の要旨を有するものである。
(1)下記の(A)成分および(B)成分を含有する液晶配向処理剤。
(A)成分:窒素原子を含む構造を有するポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる少なくともいずれか一種を含有する重合体。
(B)成分:下記の式[2]で示される構造を有するポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる少なくともいずれか一種を含有する重合体。
なお、(A)成分および(B)成分の重合体の少なくともいずれか一方には、下記の式[3]で示される構造を含有する。
Figure 2015046374
(式[2]中、YおよびYはそれぞれ独立して、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、−O−、−N(R)−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−CON(R)−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−N(R)CO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−CHO−、−COO−および−OCO−から選ばれる少なくとも1種の有機基を示し、YおよびYはそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキレン基を示し、YおよびYはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキレン基を示し、Yは酸素原子または硫黄原子を示す)。
Figure 2015046374
(式[3]中、Bは単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示し、Bは単結合または−(CH−(bは1〜15の整数である)を示し、Bは単結合、−(CH−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示し、Bはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基、またはステロイド骨格を有する炭素数17〜51の2価の有機基を示し、前記環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、Bはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を示し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、nは0〜4の整数を示し、Bは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基または炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基を示す)。
(2)前記(B)成分における窒素原子を有する構造が、下記の式[1a]〜式[1c]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造である上記(1)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2015046374
(式[1a]中、Xはベンゼン環または窒素含有芳香族複素環を示し、Xは水素原子または炭素数1〜12の脂肪族基で置換されたジ置換アミノ基を示し、式[1b]中、XおよびXはそれぞれ独立して、炭素原子を6〜15個有し、かつベンゼン環を1〜2個有する芳香族基を示し、XおよびXはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示し、Xは炭素数2〜5のアルキレン基またはビフェニル基を示し、mは0または1の整数を示し、式[1c]中、XおよびX10はそれぞれ独立して、下記の式[1c−a]および式[1c−b]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造を示し、Xは炭素数1〜5のアルキレン基またはベンゼン環を示す)。
Figure 2015046374
(3)前記(A)成分の重合体が、下記の式[1−1]で示されるジアミン化合物を原料の一部に用いて得られる重合体である上記(1)または上記(2)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2015046374
(式[1−1]中、Xは前記式[1a]〜式[1c]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造を有する有機基を示し、AおよびAはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す)。
(4)前記ジアミン化合物が、下記の式[1a−1]〜式[1c−1]で示されるジアミン化合物を原料の一部に用いて得られる重合体である上記(3)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2015046374
(式[1a−1]中、Xはベンゼン環または窒素含有芳香族複素環を示し、Xは水素原子または炭素数1〜12の脂肪族基で置換されたジ置換アミノ基を示し、式[1b−1]中、XおよびXはそれぞれ独立して、炭素原子を6〜15個有し、かつベンゼン環を1〜2個有する芳香族基を示し、XおよびXはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示し、Xは炭素数2〜5のアルキレン基またはビフェニル基を示し、mは0または1の整数を示し、式[1c−1]中、XおよびX10はそれぞれ独立して、前記式[1c−a]および式[1c−b]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造を示し、Xは炭素数1〜5のアルキレン基またはベンゼン環を示し、式[1a−1]〜式[1c−1]中、A〜Aはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す)。
(5)前記ジアミン化合物が、下記の式[1−1a]〜式[1−4a]で示されるジアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物である上記(4)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2015046374
(式[1−3a]中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示し、式[1−4a]中、nは1〜10の整数を示し、式[1−1a]〜式[1−4a]中、A〜Aはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す)。
(6)前記(B)成分の重合体が、下記の式[2−1]で示されるジアミン化合物を原料の一部に用いて得られる重合体である上記(1)〜上記(5)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
Figure 2015046374
(式[2−1]中、Yは前記式[2]で示される構造を有する有機基を示し、AおよびAはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す)。
(7)前記ジアミン化合物が、下記の式[2a]で示されるジアミン化合物を原料の一部に用いて得られる重合体である上記(6)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2015046374
(式[2a]中、YおよびYはそれぞれ独立して、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、−O−、−N(R)−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−CON(R)−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−N(R)CO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−CHO−、−COO−および−OCO−から選ばれる少なくとも1種の有機基を示し、YおよびYはそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキレン基を示し、YおよびYはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキレン基を示し、Yは酸素原子または硫黄原子を示し、AおよびAはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す)。
(8)前記ジアミン化合物が、下記の式[2−1a]〜式[2−3a]で示されるジアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物である上記(7)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 2015046374
(式[2−1a]〜式[2−3a]中、A〜Aはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す)。
(9)前記(A)成分および(B)成分の少なくともいずれか一方の重合体に、下記の式[3a]で示されるジアミン化合物を原料の一部に用いた上記(1)〜上記(8)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
Figure 2015046374
(式[3a]中、Bは前記式[3]を示し、AおよびAはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示し、mは1〜4の整数を示す)。
(10)前記(A)成分の重合体および(B)成分の重合体が、下記の式[4]で示されるテトラカルボン酸成分を用いて得られるポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる少なくとも1種の重合体である上記(1)〜上記(9)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
Figure 2015046374
(式[4]中、Zは下記の式[4a]〜式[4k]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造を示す)。
Figure 2015046374
(式[4a]中、Z〜Zは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、塩素原子またはベンゼン環を示し、それぞれ同じであっても異なってもよく、式[4g]中、ZおよびZは水素原子またはメチル基を示し、それぞれ同じであっても異なってもよい)。
(11)前記テトラカルボン酸成分が、前記式[4]中のZが前記式[4a]および式[4e]〜式[4g]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造のテトラカルボン酸成分である上記(10)に記載の液晶配向処理剤。
(12)前記(A)成分の重合体において、前記式[1a−1]〜式[1c−1]で示されるジアミン化合物が、すべてのジアミン成分100モル%中、5モル%〜95モル%である上記(4)〜上記(11)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(13)前記(B)成分の重合体において、前記式[2a]で示されるジアミン化合物が、すべてのジアミン成分100モル%中、5モル%〜95モル%である上記(7)〜上記(12)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(14)前記(B)成分の重合体が、前記(A)成分の重合体100質量部に対して、0.5質量部〜950質量部である上記(1)〜上記(13)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(15)液晶配向処理剤の溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンおよびγ−ブチロラクトンから選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する上記(1)〜上記(14)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(16)液晶配向処理剤の溶媒として、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールジメチルエーテルから選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する上記(1)〜上記(15)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(17)液晶配向処理剤中に、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基またはシクロカーボネート基を有する架橋性化合物、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基または低級アルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物、および重合性不飽和結合を有する架橋性化合物から選ばれる少なくとも1種の架橋性化合物を含む上記(1)〜上記(16)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(18)上記(1)〜上記(17)のいずれかに記載の液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜。
(19)上記(1)〜上記(17)のいずれかに記載の液晶配向処理剤を用いて、インクジェット法にて得られる液晶配向膜。
(20)上記(18)または上記(19)に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
(21)電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられることを特徴とする上記(18)または上記(19)に記載の液晶配向膜。
(22)上記(21)に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
(23)電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性基を含む液晶配向膜を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性基を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられることを特徴とする上記(18)または上記(19)に記載の液晶配向膜。
(24)上記(23)に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
本発明の特定構造を有するポリイミド前駆体またはポリイミドから選ばれる少なくとも1種の重合体を2種類含む液晶配向処理剤は、長時間高温および光の照射に曝された後でも、安定なプレチルト角が発現できる液晶配向膜を得ることができる。加えて、長時間光の照射に曝された後でも、電圧保持率の低下を抑制し、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜となる。よって、本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜を有する液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用できる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明は、下記の(A)成分および(B)成分を含有する液晶配向処理剤、該液晶配向処理剤を用いて得られる液晶配向膜、さらには、該液晶配向膜を有する液晶表示素子である。
下記の(A)成分および(B)成分を含有する液晶配向処理剤。
(A)成分:窒素原子を含む構造を有するポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる少なくともいずれか一種を含有する重合体(特定重合体(A)ともいう)。
(B)成分:下記の式[2]で示される構造(特定構造(2)ともいう)を有するポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる少なくともいずれか一種を含有する重合体(特定重合体(B)ともいう)。
なお、(A)成分および(B)成分の重合体の少なくともいずれか一方には、下記の式[3]で示される構造(特定側鎖構造ともいう)を含有する。
Figure 2015046374
(式[2]中、YおよびYはそれぞれ独立して、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、−O−、−N(R)−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−CON(R)−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−N(R)CO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−CHO−、−COO−および−OCO−から選ばれる少なくとも1種の有機基を示し、YおよびYはそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキレン基を示し、YおよびYはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキレン基を示し、Yは酸素原子または硫黄原子を示す)。
Figure 2015046374
(式[3]中、Bは単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示し、Bは単結合または−(CH−(bは1〜15の整数である)を示し、Bは単結合、−(CH−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示し、Bはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基、またはステロイド骨格を有する炭素数17〜51の2価の有機基を示し、前記環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、Bはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を示し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、nは0〜4の整数を示し、Bは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基または炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基を示す)。
本発明の液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜において、何故に本発明の課題が解決されるかについては、必ずしも明らかではないが、ほぼ次のように考えられる。
すなわち、本発明の特定重合体(A)および特定重合体(B)の少なくともいずれか一方に含有される前記式[3]で示される特定側鎖構造は、側鎖部位にベンゼン環、シクロヘキシル環または複素環、またはステロイド骨格を有する炭素数17〜51の2価の有機基を有する。これら環および有機基の側鎖構造は、液晶を垂直に配向させる従来技術である長鎖アルキル基の側鎖構造に比べて剛直な構造を示す。これにより、本発明の特定側鎖構造を有する液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜は、従来の長鎖アルキル基の側鎖構造のものに比べて、高くて安定な液晶の垂直配向性を得ることができる。
また、本発明の特定側鎖構造は、従来の長鎖アルキル基の側鎖構造に比べて、紫外線などの光に対して安定である。そのため、本発明の特定側鎖構造は、長時間光の照射に曝されても、電圧保持率を低下させ、かつ直流電圧による残留電荷を蓄積させる側鎖成分の分解物を抑制することができる。
さらには、本発明の特定重合体(A)中に含まれる窒素原子を含む構造中の窒素原子と特定重合体(B)中のカルボキシル基(COOH基)との相互作用と、特定重合体(B)における前記式[2]中の窒素原子と特定重合体(A)中のカルボキシル基との相互作用により、これらの間で電荷の移動が起こると考えられる。それに伴い、蓄積された残留電荷が、効率的に重合体の分子内または分子間を移動することができる。すなわち、直流電圧による残留電荷の抜けを促進させることができると考えられる。
加えて、本発明の特定重合体(A)中の窒素原子を有する構造は、電圧保持率を低下させる要因であるイオン性不純物成分をトラップすることができると考えられる。すなわち、液晶表示素子が、長時間光の照射に曝されることで発生するイオン性不純物をトラップすることができ、それに伴い電圧保持率の低下を抑制することができる。
以上の点から、本発明の特定構造を有するポリイミド前駆体またはポリイミドから選ばれる少なくとも1種の重合体を2種類含む液晶配向処理剤は、長時間高温および光の照射に曝された後でも、安定なプレチルト角が発現できる液晶配向膜を得ることができる。加えて、長時間光の照射に曝された後でも、電圧保持率の低下を抑制し、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜となる。
<窒素原子を有する構造>
本発明の特定重合体(A)は、窒素原子を含む構造を有するポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる少なくともいずれか一種を含有する重合体である。
窒素原子を含む構造の具体的な構造としては、下記の式[1a]〜式[1c]で示される構造が挙げられる。
Figure 2015046374
式[1a]中、Xはベンゼン環または窒素含有芳香族複素環を示す。
式[1a]中、Xは水素原子または炭素数1〜12の脂肪族基で置換されたジ置換アミノ基を示す。
なお、式[1a]中、Xが水素原子の場合、Xは窒素含有芳香族複素環を示し、Xが炭素数1〜12の脂肪族基で置換されたジ置換アミノ基の場合、Xはベンゼン環を示す。
式[1b]中、XおよびXはそれぞれ独立して、炭素原子を6〜15個有し、かつベンゼン環を1〜2個有する芳香族基を示す。
式[1b]中、XおよびXはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
式[1b]中、Xは炭素数2〜5のアルキレン基またはビフェニル基を示す。
式[1b]中、mは0または1の整数を示す。
式[1c]中、XおよびX10はそれぞれ独立して、下記の式[1c−a]および式[1c−b]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。
Figure 2015046374
式[1c]中、Xは炭素数1〜5のアルキレン基またはベンゼン環を示す。
<特定構造(2)>
本発明の特定重合体(B)は、下記の式[2]で示される特定構造を有するポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる少なくともいずれか一種を含有する重合体である。
Figure 2015046374
式[2]中、YおよびYはそれぞれ独立して、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、−O−、−S−、−N(R)−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−CON(R)−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−N(R)CO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−CHO−、−COO−および−OCO−から選ばれる少なくとも1種の有機基を示す。なかでも、単結合、−O−、−S−、−OCO−または−COO−が好ましい。より好ましいのは、液晶配向性と液晶配向膜の膜硬度の点から、単結合、−O−または−S−である。
式[2]中、YおよびYはそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキレン基を示す。なかでも、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、その構造は直鎖または分岐鎖のいずれでもよい。具体的には、液晶配向性と液晶配向膜の膜硬度の点から、自由回転部位を持ち、かつ立体障害の小さい構造であるメチレン基(−CH−)、エチレン基(−CHCH−)、プロピレン基(−(CH−)またはイソプロピル基(−C(CH−)が好ましい。
式[2]中、YおよびYはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。なかでも、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。特に好ましいのは、水素原子である。
式[2]中、Yは酸素原子または硫黄原子を示す。なかでも、液晶配向膜の膜硬度の点から、酸素原子が好ましい。
<特定側鎖構造>
本発明の特定重合体(A)および特定重合体(B)の少なくともいずれか一方に含有される前記式[3]で示される特定側鎖構造は、下記の式[3]で示される構造である。
Figure 2015046374
式[3]中、Bは単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示す。なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点から、単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−または−COO−が好ましい。より好ましいのは、単結合、−(CH−(aは1〜10の整数である)、−O−、−CHO−または−COO−である。
式[3]中、Bは単結合または−(CH−(bは1〜15の整数である)を示す。なかでも、単結合または−(CH−(bは1〜10の整数である)が好ましい。
式[3]中、Bは単結合、−(CH−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示す。なかでも、合成の容易さの点から、単結合、−(CH−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−または−COO−が好ましい。より好ましいのは、単結合、−(CH−(cは1〜10の整数である)、−O−、−CHO−または−COO−である。
式[3]中、Bはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基であり、これらの環状基上の任意の水素原子は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよい。さらに、Bは、ステロイド骨格を有する炭素数17〜51の有機基から選ばれる2価の有機基であってもよい。なかでも、合成の容易さの点から、ベンゼン環、シクロへキサン環またはステロイド骨格を有する炭素数17〜51の有機基が好ましい。
式[3]中、Bはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を示し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよい。なかでも、ベンゼン環またはシクロへキサン環が好ましい。
式[3]中、nは0〜4の整数を示す。なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点から、0〜3が好ましい。より好ましいのは、0〜2である。
式[3]中、Bは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基または炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基を示す。なかでも、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基または炭素数1〜10のフッ素含有アルコキシル基が好ましい。より好ましくは、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1〜12のアルコキシル基である。特に好ましくは、炭素数1〜9のアルキル基または炭素数1〜9のアルコキシル基である。
式[3]におけるB〜Bおよびnの好ましい組み合わせとしては、国際公開公報WO2011/132751(2011.10.27公開)の13頁〜34頁の表6〜表47に掲載される(2−1)〜(2−629)と同じ組み合わせが挙げられる。なお、国際公開公報の各表では、本発明におけるB〜Bが、Y1〜Y6として示されているが、Y1〜Y6は、B〜Bと読み替えるものとする。また、国際公開公報の各表に掲載される(2−605)〜(2−629)では、本発明におけるステロイド骨格を有する炭素数17〜51の有機基が、ステロイド骨格を有する炭素数12〜25の有機基と示されているが、ステロイド骨格を有する炭素数12〜25の有機基は、ステロイド骨格を有する炭素数17〜51の有機基と読み替えるものとする。
<特定重合体(A)・特定重合体(B)>
本発明の特定重合体(A)および特定重合体(B)は、ポリイミド前駆体およびポリイミド(総称してポリイミド系重合体ともいう)から選ばれる少なくとも1種の重合体である。なかでも、本発明のポリイミド系重合体は、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体またはポリイミドであることが好ましい。
ポリイミド前駆体とは、下記の式[A]で示される構造である。
Figure 2015046374
(式[A]中、Rは4価の有機基であり、Rは2価の有機基であり、AおよびAはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示し、AおよびAはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキレン基またはアセチル基を示し、nは正の整数を示す)。
前記ジアミン成分としては、分子内に1級または2級のアミノ基を2個有するジアミン化合物が挙げられる。
また、前記テトラカルボン酸成分としては、テトラカルボン酸化合物、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジハライド化合物、テトラカルボン酸ジアルキルエステル化合物またはテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライド化合物が挙げられる。
式[A]中のAおよびAが水素原子であるポリアミド酸を得るためには、前記分子内に1級または2級のアミノ基を2個有するジアミン化合物と、テトラカルボン酸化合物またはテトラカルボン酸無水物とを反応させることで得ることができる。
式[A]中のAおよびAが炭素数1〜5のアルキレン基であるポリアミド酸アルキルエステルを得るためには、前記ジアミン化合物と、テトラカルボン酸ジハライド化合物、テトラカルボン酸ジアルキルエステル化合物またはテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライド化合物とを反応させることで得ることができる。また、前記方法で得られたポリアミド酸に、式[A]で示されるAおよびAの炭素数1〜5のアルキレン基を導入することもできる。
本発明の特定重合体(A)は、窒素原子を含む構造を有する重合体である。なかでも、前記式[1a]〜式[1c]で示される構造であることが好ましい。
窒素原子を含む構造を特定重合体(A)中に導入する方法に、特に制限は無いが、前記式[1a]〜式[1c]で示される構造を有するジアミン化合物を原料の一部に用いることが好ましい。
具体的には、下記の式[1−1]で示されるジアミン化合物(特定ジアミン化合物(1)ともいう)を用いることが好ましい。
Figure 2015046374
式[1−1]中、Xは前記式[1a]〜式[1c]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造を有する炭素数5〜50の有機基を示す。
式[1−1]中、AおよびAはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
より具体的には、下記の式[1a−1]〜式[1c−1]で示されるジアミン化合物を用いることが好ましい。
Figure 2015046374
式[1a−1]中、Xはベンゼン環または窒素含有芳香族複素環を示す。
式[1a−1]中、Xは水素原子または炭素数1〜12の脂肪族基で置換されたジ置換アミノ基を示す。
なお、式[1a−1]中、Xが水素原子の場合、Xは窒素含有芳香族複素環を示し、Xが炭素数1〜12の脂肪族基で置換されたジ置換アミノ基の場合、Xはベンゼン環を示す。
式[1b−1]中、XおよびXはそれぞれ独立して、炭素原子を6〜15個有し、かつベンゼン環を1〜2個有する芳香族基を示す。
式[1b−1]中、XおよびXはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
式[1b−1]中、Xは炭素数2〜5のアルキレン基またはビフェニル基を示す。
式[1b−1]中、mは0または1の整数を示す。
式[1c−1]中、XおよびX10はそれぞれ独立して、下記の式[1c−a]および式[1c−b]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。
Figure 2015046374
式[1c−1]中、Xは炭素数1〜5のアルキレン基またはベンゼン環を示す。
本発明の特定ジアミン化合物(1)の具体的なジアミン化合物としては、下記の式[1−1a]〜式[1−4a]で示されるジアミン化合物が挙げられる。
Figure 2015046374
式[1−3a]中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
式[1−4a]中、nは1〜10の整数を示す。
式[1−1a]〜式[1−4a]中、A〜Aはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
なかでも、前記式[1−3a]または式[1−4a]で示されるジアミン化合物を用いることが好ましい。
本発明の特定重合体(A)における特定ジアミン化合物(1)は、すべてのジアミン成分100モル%中、1モル%〜95モル%であることが好ましい。なかでも、5モル%〜95モル%が好ましい。より好ましいのは、20モル%〜80モル%である。
本発明の特定ジアミン化合物(1)は、本発明の特定重合体(A)の溶媒への溶解性や液晶配向処理剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することもできる。
本発明の特定重合体(B)は、特定構造(2)を有する重合体である。
本発明の特定構造(2)を特定重合体(B)中に導入する方法に、特に制限は無いが、特定構造(2)を有するジアミン化合物をジアミン成分に用いることが好ましい。特に好ましいのは、前記式[2]で示される構造を有するジアミン化合物を用いることである。
具体的には、下記の式[2−1]で示されるジアミン化合物(特定ジアミン化合物(2)ともいう)を用いることが好ましい。
Figure 2015046374
式[2−1]中、Yは前記式[2]で示される構造を有する有機基を示す。
式[2−1]中、AおよびAはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
より具体的には、下記の式[2a]で示されるジアミン化合物を用いることが好ましい。
Figure 2015046374
式[2a]中、YおよびYはそれぞれ独立して、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、−O−、−S−、−N(R)−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−CON(R)−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−N(R)CO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−CHO−、−COO−および−OCO−から選ばれる少なくとも1種の有機基を示す。なかでも、単結合、−O−、−S−、−OCO−または−COO−が好ましい。より好ましくは、液晶配向性と膜硬度の点から、できるだけ柔軟、かつ立体障害の小さい構造である単結合、−O−または−S−である。
式[2a]中、YおよびYはそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキレン基を示す。なかでも、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、その構造は直鎖または分岐鎖のいずれでもよい。具体的には、液晶配向性と液晶配向膜の膜硬度の点から、自由回転部位を持ち、かつ立体障害の小さい構造であるメチレン基(−CH−)、エチレン基(−CHCH−)、プロピレン基(−(CH−)またはイソプロピル基(−C(CH−)が好ましい。
式[2a]中、YおよびYはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。なかでも、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。特に好ましいのは、水素原子である。
式[2a]中、Yは酸素原子または硫黄原子を示す。なかでも、液晶配向膜の膜硬度の点から、酸素原子が好ましい。
式[2a]における好ましいY、Y、Y、Y、Y、YおよびYの組み合わせは、下記の表1に示す通りである。
Figure 2015046374
なかでも、式[2−1a]、式[2−2a]、式[2−4a]、式[2−5a]、式[2−7a]および式[2−8a]で示される組み合わせが好ましい。
式[2a]中、AおよびAはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す。
本発明の特定ジアミン化合物(2)の具体的なジアミン化合物としては、下記の式[2−1a]〜式[2−3a]で示されるジアミン化合物が挙げられる。
Figure 2015046374
(式[2−1a]〜式[2−3a]中、A〜Aはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す)。
本発明の特定重合体(B)における特定ジアミン化合物(2)は、すべてのジアミン成分100モル%中、1モル%〜95モル%であることが好ましい。なかでも、5モル%〜95モル%が好ましい。より好ましいのは、20モル%〜80モル%である。
本発明の特定ジアミン化合物(2)は、本発明の特定重合体(B)の溶媒への溶解性や液晶配向処理剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することもできる。
本発明の特定重合体(A)および特定重合体(B)の少なくともいずれか一方には、特定側鎖構造を含有する。
本発明の特定側鎖構造を特定重合体(A)または特定重合体(B)中に導入する方法に、特に制限は無いが、特定側鎖構造を有するジアミン化合物をジアミン成分に用いることが好ましい。
具体的には、下記の式[3a]で示されるジアミン化合物(特定側鎖型ジアミン化合物ともいう)を用いることが好ましい。
Figure 2015046374
式[3a]中、Bは前記式[3]を示す。なお、式[3]中のB〜Bおよびnの好ましい組み合わせは、前記の通りである。
式[3a]中、AおよびAはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す。なかでも、水素原子または炭素数1または2のアルキレン基が好ましい。
式[3a]中、mは1〜4の整数を示す。なかでも、1が好ましい。
本発明の特定側鎖型ジアミン化合物の具体的には、例えば下記の式[3a−1]〜式[3a−31]で示されるジアミン化合物、さらに、これらのアミノ基が2級のアミノ基であるジアミン化合物が挙げられる。
Figure 2015046374
(式[3a−1]〜式[3a−3]中、R、RおよびRはそれぞれ独立して、−O−、−OCH−、−CHO−、−COOCH−または−CHOCO−を示し、式[3a−1]〜式[3a−3]中、R、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素数1〜22の直鎖状または分岐状アルキレン基、炭素数1〜22の直鎖状または分岐状アルコキシル基、炭素数1〜22の直鎖状または分岐状フッ素含有アルキレン基またはフッ素含有アルコキシル基を示す)。
Figure 2015046374
(式[3a−4]〜式[3a−6]中、R、RおよびRはそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−COOCH−、−CHOCO−、−CHO−、−OCH−または−CH−を示し、式[3a−4]〜式[3a−6]中、R、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素数1〜22の直鎖状または分岐状アルキレン基、炭素数1〜22の直鎖状または分岐状アルコキシル基、炭素数1〜22の直鎖状または分岐状フッ素含有アルキレン基またはフッ素含有アルコキシル基を示す)。
Figure 2015046374
(式[3a−7]および式[3a−8]中、RおよびRはそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−COOCH−、−CHOCO−、−CHO−、−OCH−、−CH−、−O−または−NH−を示し、RおよびRはそれぞれ独立して、フッ素基、シアノ基、トリフルオロメタン基、ニトロ基、アゾ基、ホルミル基、アセチル基、アセトキシ基または水酸基を示す)。
Figure 2015046374
(式[3a−9]および式[3a−10]中、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素数3〜12の直鎖状または分岐状アルキレン基を示し、1,4-シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体である)。
Figure 2015046374
(式[3a−11]および式[3a−12]中、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素数3〜12の直鎖状または分岐状アルキレン基を示し、1,4-シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体である)。
Figure 2015046374
(式[1a−13]中、Aはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20の直鎖状または分岐状アルキル基であり、Aは1,4−シクロへキシレン基または1,4−フェニレン基であり、Aは酸素原子または−COO−*(ただし、「*」を付した結合手がAと結合する)であり、Aは酸素原子または−COO−*(ただし、「*」を付した結合手が(CH)a)と結合する)である。また、aは0または1の整数であり、aは2〜10の整数であり、aは0または1の整数である)。
Figure 2015046374
Figure 2015046374
Figure 2015046374
Figure 2015046374
Figure 2015046374
上記式[3a−1]〜[3a−31]中、特に好ましい構造のジアミン化合物は、式[3a−1]〜式[3a−6]、式[3a−9]〜式[3a−13]または式[3a−22]〜式[3a−31]である。
本発明の特定側鎖型ジアミン化合物は、特定重合体(A)および特定重合体(B)の少なくともいずれか一方に用いても、両方の特定重合体に用いても良い。なかでも、特定重合体(A)に用いることが好ましい。
本発明の特定重合体(A)および/または特定重合体(B)における特定側鎖型ジアミン化合物は、ジアミン成分全体の10モル%以上80モル%以下であることが好ましい。特に好ましいのは、10モル%以上70モル%以下である。
本発明の特定側鎖型ジアミン化合物は、本発明の特定重合体(A)および特定重合体(B)の溶媒への溶解性や液晶配向処理剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することもできる。
本発明の特定重合体(A)および特定重合体(B)のジアミン成分としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、特定ジアミン化合物(1)、特定ジアミン化合物(2)および特定側鎖型ジアミン化合物以外のその他のジアミン化合物(その他ジアミン化合物ともいう)を用いることもできる。
具体的には、2,4−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェニル、3,3’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジアミノビフェニル、2,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、2,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルエーテル、2,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−スルホニルジアニリン、3,3’−スルホニルジアニリン、ビス(4−アミノフェニル)シラン、ビス(3−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(4−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(3−アミノフェニル)シラン、4,4’−チオジアニリン、3,3’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルアミン、3,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ジアミノジフェニルアミン、2,3’−ジアミノジフェニルアミン、N−メチル(4,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,3’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,2’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,3’−ジアミノジフェニル)アミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ジアミノナフタレン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、2,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,8−ジアミノナフタレン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、1,2−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、1,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4-アミノベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、1,4−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,4−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(3−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(4−アミノフェニル)イソフタレート、ビス(3−アミノフェニル)イソフタレート、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)イソフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)イソフタルアミド、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,5−ビス(3−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(4−アミノフェノキシ)へキサン、1,6−ビス(3−アミノフェノキシ)へキサン、1,7−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,7−(3−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、1,8−ビス(3−アミノフェノキシ)オクタン、1,9−ビス(4−アミノフェノキシ)ノナン、1,9−ビス(3−アミノフェノキシ)ノナン、1,10−(4−アミノフェノキシ)デカン、1,10−(3−アミノフェノキシ)デカン、1,11−(4−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,11−(3−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,12−(4−アミノフェノキシ)ドデカン、1,12−(3−アミノフェノキシ)ドデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカンまたは1,12−ジアミノドデカン、さらには、これらのアミノ基が2級のアミノ基であるジアミン化合物が挙げられる。
さらには、ジアミン化合物中に、カルボキシル基(COOH基)や水酸基(OH基)を有するジアミン化合物を用いることもできる。
具体的には、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール、2,4−ジアミノベンジルアルコール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸または3,5−ジアミノ安息香酸を挙げることができる。なかでも、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸または3,5−ジアミノ安息香酸が好ましい。また、下記の式[3b−1]〜式[3b−4]で示されるジアミン化合物およびこれらのアミノ基が2級のアミノ基であるジアミン化合物を用いることもできる。
Figure 2015046374
(式[3b−1]中、Aは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−を示し、mおよびmはそれぞれ独立して、0〜4の整数を示し、かつm+mは1〜4の整数を示し、式[3b−2]中、mおよびmはそれぞれ独立して、1〜5の整数を示し、式[3b−3]中、Aは炭素数1〜5の直鎖または分岐アルキレン基を示し、mは1〜5の整数を示し、式[3b−4]中、AおよびAはそれぞれ独立して、単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−を示し、mは1〜4の整数を示す)。
加えて、ジアミン化合物中に、下記の式[3c]で示される窒素含有複素環を有するジアミン化合物およびこれらのアミノ基が2級のアミノ基であるジアミン化合物を用いることもできる。
Figure 2015046374
式[3c]中、Dは−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−を示す。なかでも、−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−は、ジアミン化合物を合成し易いので好ましい。より好ましいのは、−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCO−または−CON(CH)−である。特に好ましいのは、−O−、−CONH−または−CHO−である。
式[3c]中、Dは単結合、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基または芳香族炭化水素基を示す。
炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、直鎖状でも良いし、分岐していても良い。また、不飽和結合を有していても良い。なかでも、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましい。
非芳香族炭化水素基の具体例としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、シクロペンタデカン環、シクロヘキサデカン環、シクロヘプタデカン環、シクロオクタデカン環、シクロノナデカン環、シクロイコサン環、トリシクロエイコサン環、トリシクロデコサン環、ビシクロヘプタン環、デカヒドロナフタレン環、ノルボルネン環またはアダマンタン環などが挙げられる。なかでも、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ノルボルネン環またはアダマンタン環が好ましい。
芳香族炭化水素基の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アズレン環、インデン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環またはフェナレン環などが挙げられる。なかでも、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、フルオレン環またはアントラセン環が好ましい。
式[3c]における好ましいDとしては、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、フルオレン環またはアントラセン環である。なかでも、単結合、炭素数1〜5のアルキレン基、シクロヘキサン環またはベンゼン環が好ましい。
式[3c]中、Dは単結合、−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−、−O(CH−(mは1〜5の整数である)を示す。なかでも、単結合、−O−、−COO−、−OCO−または−O(CH−(mは1〜5の整数である)が好ましい。より好ましいのは、単結合、−O−、−OCO−または−O(CH−(mは1〜5の整数である)である。
式[3c]中、Dは窒素含有芳香族複素環であり、下記の式[a]、式[b]および式[c]から選ばれる少なくとも1個の構造を含有する芳香族複素環である。
Figure 2015046374
(式[c]中、Zは炭素数1〜5のアルキレン基を示す)。
より具体的には、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環またはアクリジン環などを挙げることができる。なかでも、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環またはベンゾイミダゾール環が好ましい。より好ましいのは、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環またはピリミジン環である。
また、式[3c]におけるDは、Dに含まれる式[a]、式[b]および式[c]と隣り合わない置換基と結合していることが好ましい。
式[3c]中、nは1〜4の整数であり、好ましくはテトラカルボン酸成分との反応性の点から、1または2である。
式[3c]における特に好ましいD〜Dおよびnの組み合わせは、Dが−CONH−を示し、Dが炭素数1〜5のアルキル基を示し、Dが単結合を示し、Dがイミダゾール環またはピリジン環を示し、nが1を示すジアミン化合物である。
式[3c]における二つのアミノ基(−NH)の結合位置は限定されない。具体的には、側鎖の結合基(B)に対して、ベンゼン環上の2,3の位置、2,4の位置、2,5の位置、2,6の位置、3,4の位置または3,5の位置が挙げられる。なかでも、ポリアミック酸を合成する際の反応性の観点から、2,4の位置、2,5の位置または3,5の位置が好ましい。ジアミン化合物を合成する際の容易性も加味すると、2,4の位置または2,5の位置がより好ましい。
さらには、その他ジアミン化合物としては、下記の式[3d−1]〜式[3d−13]で示されるジアミン化合物およびこれらのアミノ基が2級のアミノ基であるジアミン化合物を用いることもできる。
Figure 2015046374
(式[3d−1]〜式[3d−4]中、A〜Aはそれぞれ独立して、炭素数1〜22のアルキレン基またはフッ素含有アルキレン基を示す)。
Figure 2015046374
(式[3d−5]中、AおよびAはそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH−、−O−、−CO−または−NH−を示し、Aは炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基または炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のフッ素含有アルキレン基を示し、式[3d−6]中、AおよびAはそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH−、−O−、−CO−または−NH−を示し、Aは炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基または炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のフッ素含有アルキレン基を示す)。
Figure 2015046374
(式[3d−7]中、AおよびAはそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH−、−O−、−CO−または−NH−を示し、Aは炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基または炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のフッ素含有アルキレン基を示し、式[3d−8]中、AおよびAはそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH−、−O−、−CO−または−NH−を示し、Aは炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基または炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のフッ素含有アルキレン基を示す)。
Figure 2015046374
(式[3d−9]中、AおよびAはそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH−、−O−、−CO−または−NH−を示し、Aは炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基または炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のフッ素含有アルキレン基を示し、式[3d−10]中、AおよびAはそれぞれ独立して、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH−、−O−、−CO−または−NH−を示し、Aは炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基または炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のフッ素含有アルキレン基を示す)。
Figure 2015046374
(式[3d−11]中、pは1〜10の整数を示す)。
Figure 2015046374
本発明のその他ジアミン化合物は、本発明の特定重合体(A)および特定重合体(B)の溶媒への溶解性や液晶配向処理剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することもできる。
本発明の特定重合体(A)および特定重合体(B)、すなわち、これらポリイミド系重合体を作製するためのテトラカルボン酸成分としては、下記の式[4]で示されるテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。その際、式[4]で示されるテトラカルボン酸二無水物だけでなく、そのテトラカルボン酸誘導体であるテトラカルボン酸、テトラカルボン酸ジハライド化合物、テトラカルボン酸ジアルキルエステル化合物またはテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライド化合物を用いることもできる(式[4]で示されるテトラカルボン酸二無水物およびその誘導体を総称して特定テトラカルボン酸成分ともいう)。
Figure 2015046374
(式[4]中、Zは下記の式[4a]〜式[4k]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造を示す)。
Figure 2015046374
式[4a]中、Z〜Zは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、塩素原子またはベンゼン環を示し、それぞれ同じであっても異なってもよい。
式[4g]中、ZおよびZは水素原子またはメチル基を示し、それぞれ同じであっても異なってもよい。
式[4]中のZのなかで、合成の容易さやポリマーを製造する際の重合反応性のし易さの点から、式[4a]、式[4c]〜式[4g]または式[4k]で示される構造のテトラカルボン酸二無水物およびそのテトラカルボン酸誘導体が好ましい。より好ましいのは、式[4a]または式[4e]〜式[4g]で示される構造のものである。特に好ましいのは、[4a]、式[4e]または式[4f]で示される構造のテトラカルボン酸二無水物およびそのテトラカルボン酸誘導体である。
本発明の特定重合体(A)および特定重合体(B)における特定テトラカルボン酸成分は、すべてのテトラカルボン酸成分100モル%中、1モル%〜100モル%であることが好ましい。なかでも、5モル%〜95モル%が好ましい。より好ましいのは、20モル%〜80モル%である。
本発明の特定テトラカルボン酸成分は、本発明の特定重合体(A)および特定重合体(B)の溶媒への溶解性や液晶配向処理剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することもできる。
本発明の特定重合体(A)および特定重合体(B)のポリイミド系重合体には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、特定テトラカルボン酸成分以外のその他のテトラカルボン酸成分を用いることもできる。
その他のテトラカルボン酸成分としては、以下に示すテトラカルボン酸化合物、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジハライド化合物、テトラカルボン酸ジアルキルエステル化合物またはテトラカルボン酸ジアルキルエステルジハライド化合物が挙げられる。
すなわち、その他のテトラカルボン酸成分としては、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸または1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸などが挙げられる。
本発明のその他のテトラカルボン酸成分は、本発明の特定重合体(A)および特定重合体(B)の溶媒への溶解性や液晶配向処理剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することもできる。
<特定重合体(A)・特定重合体(B)の作製方法>
本発明において、特定重合体(A)および特定重合体(B)、すなわち、これらのポリイミド系重合体を作製するための方法は特に限定されない。通常、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られる。一般的には、テトラカルボン酸二無水物およびそのテトラカルボン酸の誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸成分と、1種または複数種のジアミン化合物からなるジアミン成分とを反応させて、ポリアミド酸を得る方法が挙げられる。具体的には、テトラカルボン酸二無水物と1級または2級のジアミン化合物とを重縮合させてポリアミド酸を得る方法、テトラカルボン酸と1級または2級のジアミン化合物とを脱水重縮合反応させてポリアミド酸を得る方法またはテトラカルボン酸ジハライドと1級または2級のジアミン化合物とを重縮合させてポリアミド酸を得る方法が用いられる。
ポリアミド酸アルキルエステルを得るためには、カルボン酸基をジアルキルエステル化したテトラカルボン酸と1級または2級のジアミン化合物とを重縮合させる方法、カルボン酸基をジアルキルエステル化したテトラカルボン酸ジハライドと1級または2級のジアミン化合物とを重縮合させる方法またはポリアミド酸のカルボキシル基をエステルに変換する方法が用いられる。
ポリイミドを得るには、前記のポリアミド酸またはポリアミド酸アルキルエステルを閉環させてポリイミドとする方法が用いられる。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応は、通常、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを溶媒中で行う。その際に用いる溶媒としては、生成したポリイミド前駆体が溶解するものであれば特に限定されない。下記に、反応に用いる溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンまたはγ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドまたは1,3−ジメチル−イミダゾリジノンが挙げられる。また、ポリイミド前駆体の溶媒溶解性が高い場合は、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンまたは下記の式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒を用いることができる。
Figure 2015046374
(式[D−1]中、Dは炭素数1〜3のアルキレン基を示し、式[D−2]中、Dは炭素数1〜3のアルキレン基を示し、式[D−3]中、Dは炭素数1〜4のアルキレン基を示す)。
これら溶媒は単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、ポリイミド前駆体を溶解させない溶媒であっても、生成したポリイミド前駆体が析出しない範囲で、前記溶媒に混合して使用してもよい。また、溶媒中の水分は重合反応を阻害し、さらには生成したポリイミド前駆体を加水分解させる原因となるので、溶媒は脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを溶媒中で反応させる際には、ジアミン成分を溶媒に分散あるいは溶解させた溶液を攪拌させ、テトラカルボン酸成分をそのまま、または溶媒に分散あるいは溶解させて添加する方法、逆にテトラカルボン酸成分を溶媒に分散、あるいは溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを交互に添加する方法などが挙げられ、これらのいずれの方法を用いてもよい。また、ジアミン成分またはテトラカルボン酸成分を、それぞれ複数種用いて反応させる場合は、あらかじめ混合した状態で反応させてもよく、個別に順次反応させてもよく、さらに個別に反応させた低分子量体を混合反応させ重合体としてもよい。その際の重合温度は−20℃〜150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5℃〜100℃の範囲である。また、反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な攪拌が困難となる。そのため、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。反応初期は高濃度で行い、その後、溶媒を追加することができる。
ポリイミド前駆体の重合反応においては、ジアミン成分の合計モル数とテトラカルボン酸成分の合計モル数の比は0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1.0に近いほど生成するポリイミド前駆体の分子量は大きくなる。
本発明のポリイミドは前記のポリイミド前駆体を閉環させて得られるポリイミドであり、このポリイミドにおいては、アミド酸基の閉環率(イミド化率ともいう)は必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調整することができる。
ポリイミド前駆体をイミド化させる方法としては、ポリイミド前駆体の溶液をそのまま加熱する熱イミド化またはポリイミド前駆体の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。
ポリイミド前駆体を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は、100℃〜400℃、好ましくは120℃〜250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行う方が好ましい。
ポリイミド前駆体の触媒イミド化は、ポリイミド前駆体の溶液に、塩基性触媒と酸無水物とを添加し、−20℃〜250℃、好ましくは0℃〜180℃で攪拌することにより行うことができる。塩基性触媒の量はアミド酸基の0.5モル倍〜30モル倍、好ましくは2モル倍〜20モル倍であり、酸無水物の量はアミド酸基の1モル倍〜50モル倍、好ましくは3モル倍〜30モル倍である。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミンまたはトリオクチルアミンなどを挙げることができ、なかでも、ピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸または無水ピロメリット酸などを挙げることができ、中でも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。
ポリイミド前駆体またはポリイミドの反応溶液から、生成したポリイミド前駆体またはポリイミドを回収する場合には、反応溶液を溶媒に投入して沈殿させればよい。沈殿に用いる溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、ベンゼン、水などを挙げることができる。溶媒に投入して沈殿させたポリマーは濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した重合体を、溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2回〜10回繰り返すと、重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の溶媒として、例えば、アルコール類、ケトン類または炭化水素などが挙げられ、これらの内から選ばれる3種類以上の溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
<液晶配向処理剤>
本発明の液晶配向処理剤は、液晶配向膜(樹脂被膜ともいう)を形成するための塗布溶液であり、特定重合体(A)、特定重合体(B)および溶媒を含有する液晶配向膜を形成するための塗布溶液である。
本発明の特定重合体(A)は、ポリアミド酸、ポリアミド酸アルキルエステルおよびポリイミドのいずれのポリイミド系重合体を用いても良い。なかでも、ポリアミド酸アルキルエステルまたはポリイミドが好ましい。より好ましくは、ポリイミドである。
本発明の特定重合体(B)は、ポリアミド酸、ポリアミド酸アルキルエステルおよびポリイミドのいずれのポリイミド系重合体を用いても良い。なかでも、ポリアミド酸またはポリアミド酸アルキルエステルが好ましい。より好ましくは、ポリアミド酸である。
本発明の液晶配向処理剤における特定重合体(A)と特定重合体(B)の割合は、特定重合体(A)100質量部に対して、特定重合体(B)は、0.5質量部〜950質量部が好ましい。なかでも、10質量部〜900質量部が好ましく、より好ましいのは、10質量部〜400質量部である。
本発明の液晶配向処理剤におけるすべての重合体成分は、すべてが本発明の特定重合体(A)および特定重合体(B)であってもよく、それ以外の他の重合体が混合されていても良い。それ以外の重合体としては、本発明の3級窒素原子を有する構造を持たないポリイミド系重合体および特定構造(2)を持たないポリイミド系重合体が挙げられる。さらには、セルロース系重合体、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ポリスチレン、ポリアミドまたはポリシロキサンなども挙げられる。その際、それ以外の他の重合体の含有量は、本発明の特定重合体(A)および特定重合体(B)とを合わせた特定重合体100質量部に対して、0.5質量部〜30質量部である。なかでも、1質量部〜20質量部が好ましい。
また、本発明の液晶配向処理剤中の溶媒の含有量は、70質量%〜99.9質量%であることが好ましい。この含有量は、液晶配向処理剤の塗布方法や目的とする液晶配向膜の膜厚によって、適宜変更することができる。
本発明の液晶配向処理剤に用いる溶媒は、特定重合体(A)および特定重合体(B)を溶解させる溶媒(良溶媒ともいう)であれば特に限定されない。下記に、良溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンまたは4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどを挙げることができる。
なかでも、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンを用いることが好ましい。
さらに、特定重合体(A)および特定重合体(B)の溶媒への溶解性が高い場合は、前記式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒を用いることが好ましい。
本発明の液晶配向処理剤における良溶媒は、液晶配向処理剤に含まれる溶媒全体の20質量%〜99質量%であることが好ましい。なかでも、20質量%〜90質量%が好ましい。より好ましいのは、30質量%〜80質量%である。
本発明の液晶配向処理剤は、本発明の効果を損なわない限り、液晶配向処理剤を塗布した際の液晶配向膜の塗膜性や表面平滑性を向上させる溶媒(貧溶媒ともいう)を用いることができる。下記に、貧溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2−ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、3−エトキシブチルアセタート、1−メチルペンチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、2−(メトキシメトキシ)エタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−(ブトキシエトキシ)プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルまたは前記式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒などを挙げることができる。
なかでも、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルまたはジプロピレングリコールジメチルエーテルを用いることが好ましい。
これら貧溶媒は、液晶配向処理剤に含まれる溶媒全体の1質量%〜80質量%であることが好ましい。なかでも、10質量%〜80質量%が好ましい。より好ましいのは20質量%〜70質量%である。
本発明の液晶配向処理剤には、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基またはシクロカーボネート基を有する架橋性化合物、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基および低級アルコキシアルキル基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物、または重合性不飽和結合を有する架橋性化合物を導入することが好ましい。これら置換基や重合性不飽和結合は、架橋性化合物中に2個以上有する必要がある。
エポキシ基またはイソシアネート基を有する架橋性化合物としては、例えば、ビスフェノールアセトングリシジルエーテル、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルアミノジフェニレン、テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビス(アミノエチル)シクロヘキサン、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン、トリフェニルグリシジルエーテルエタン、ビスフェノールヘキサフルオロアセトジグリシジルエーテル、1,3−ビス(1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロメチル)ベンゼン、4,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)オクタフルオロビフェニル、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、2−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−2−(4−(1,1−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)エチル)フェニル)プロパンまたは1,3−ビス(4−(1−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−1−(4−(1−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチル)フェノキシ)−2−プロパノールなどが挙げられる。
オキセタン基を有する架橋性化合物は、下記の式[4A]で示すオキセタン基を少なくとも2個有する架橋性化合物である。
Figure 2015046374
具体的には、国際公開公報WO2011/132751(2011.10.27公開)の58頁〜59頁に掲載される式[4a]〜式[4k]で示される架橋性化合物が挙げられる。
シクロカーボネート基を有する架橋性化合物としては、下記の式[5A]で示されるシクロカーボネート基を少なくとも2個有する架橋性化合物である。
Figure 2015046374
具体的には、国際公開公報WO2012/014898(2012.2.2公開)の76頁〜82頁に掲載される式[5−1]〜式[5−42]で示される架橋性化合物が挙げられる。
ヒドロキシル基およびアルコキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物としては、例えば、ヒドロキシル基またはアルコキシル基を有するアミノ樹脂、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂またはエチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。具体的には、アミノ基の水素原子がメチロール基またはアルコキシメチル基またはその両方で置換されたメラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体、またはグリコールウリルを用いることができる。このメラミン誘導体またはベンゾグアナミン誘導体は、2量体または3量体として存在することも可能である。これらはトリアジン環1個当たり、メチロール基またはアルコキシメチル基を平均3個以上6個以下有するものが好ましい。
このようなメラミン誘導体またはベンゾグアナミン誘導体の例としては、市販品のトリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均3.7個置換されているMX−750、トリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均5.8個置換されているMW−30(以上、三和ケミカル社製)やサイメル300、301、303、350、370、771、325、327、703、712などのメトキシメチル化メラミン、サイメル235、236、238、212、253、254などのメトキシメチル化ブトキシメチル化メラミン、サイメル506、508などのブトキシメチル化メラミン、サイメル1141のようなカルボキシル基含有メトキシメチル化イソブトキシメチル化メラミン、サイメル1123のようなメトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1123−10のようなメトキシメチル化ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1128のようなブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1125−80のようなカルボキシル基含有メトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン(以上、三井サイアナミド社製)が挙げられる。また、グリコールウリルの例として、サイメル1170のようなブトキシメチル化グリコールウリル、サイメル1172のようなメチロール化グリコールウリルなど、パウダーリンク1174のようなメトキシメチロール化グリコールウリル等が挙げられる。
ヒドロキシル基またはアルコキシル基を有するベンゼンまたはフェノール性化合物としては、例えば、1,3,5−トリス(メトキシメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(イソプロポキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(sec−ブトキシメチル)ベンゼンまたは2,6−ジヒドロキシメチル−p−tert−ブチルフェノールなどが挙げられる。
より具体的には、国際公開公報WO2011/132751(2011.10.27公開)の62頁〜66頁に掲載される、式[6−1]〜式[6−48]で示される架橋性化合物が挙げられる。
重合性不飽和結合を有する架橋性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパンまたはグリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和基を分子内に3個有する架橋性化合物、さらに、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレートまたはヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和基を分子内に2個有する架橋性化合物、加えて、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルリン酸エステルまたはN−メチロール(メタ)アクリルアミド等の重合性不飽和基を分子内に1個有する架橋性化合物などが挙げられる。
加えて、下記の式[7A]で示される化合物を用いることもできる。
Figure 2015046374
(式[7A]中、Eはシクロヘキサン環、ビシクロヘキサン環、ベンゼン環、ビフェニル環、ターフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環およびフェナントレン環から選ばれる少なくとも1種を示し、Eは下記の式[7a]または式[7b]から選ばれる基を示し、nは1〜4の整数を示す)。
Figure 2015046374
上記化合物は架橋性化合物の一例であり、これらに限定されるものではない。また、本発明の液晶配向処理剤に用いる架橋性化合物は、1種類であってもよく、2種類以上組み合わせてもよい。
本発明の液晶配向処理剤における、架橋性化合物の含有量は、すべての重合体成分100質量部に対して、0.1質量部〜150質量部であることが好ましい。なかでも、架橋反応が進行し目的の効果を発現させるためには、すべての重合体成分100質量部に対して0.1質量部〜100質量部が好ましい。より好ましいのは、1質量部〜50質量部である。
本発明の液晶配向処理剤は、本発明の効果を損なわない限り、液晶配向処理剤を塗布した際の液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物を用いることができる。
液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤などが挙げられる。
より具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(以上、トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171、F173、R−30(以上、大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431(以上、住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(以上、旭硝子社製)などが挙げられる。
これらの界面活性剤の使用割合は、液晶配向処理剤に含有されるすべての重合体成分100質量部に対して、好ましくは0.01質量部〜2質量部、より好ましくは0.01質量部〜1質量部である。
さらに、本発明の液晶配向処理剤には、液晶配向膜中の電荷移動を促進して素子の電荷抜けを促進させる化合物として、国際公開公報WO2011/132751(2011.10.27公開)の69頁〜73頁に掲載される、式[M1]〜式[M156]で示される窒素含有複素環アミン化合物を添加することもできる。このアミン化合物は、液晶配向処理剤に直接添加しても構わないが、適当な溶媒で濃度0.1質量%〜10質量%、好ましくは1質量%〜7質量%の溶液にしてから添加することが好ましい。この溶媒としては、上述した特定重合体(A)および特定重合体(B)を溶解させる溶媒であれば特に限定されない。
本発明の液晶配向処理剤には、上記の貧溶媒、架橋性化合物、樹脂被膜または液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物および電荷抜けを促進させる化合物の他に、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、液晶配向膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的の誘電体や導電物質を添加してもよい。
<液晶配向膜・液晶表示素子>
本発明の液晶配向処理剤は、基板上に塗布、焼成した後、ラビング処理や光照射などで配向処理をして、液晶配向膜として用いることができる。また、垂直配向用途などの場合では配向処理なしでも液晶配向膜として用いることができる。この際に用いる基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板の他、アクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板なども用いることができる。プロセスの簡素化の観点からは、液晶駆動のためのITO電極などが形成された基板を用いることが好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウェハなどの不透明な基板も使用でき、この場合の電極としてはアルミなどの光を反射する材料も使用できる。
液晶配向処理剤の塗布方法は、特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷またはインクジェット法などで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ法、ロールコータ法、スリットコータ法、スピンナー法またはスプレー法などがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
液晶配向処理剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブンまたはIR(赤外線)型オーブンなどの加熱手段により、液晶配向処理剤に用いる溶媒に応じて、30〜300℃、好ましくは30〜250℃の温度で溶媒を蒸発させて液晶配向膜とすることができる。焼成後の液晶配向膜の厚みは、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、好ましくは5〜300nm、より好ましくは10〜100nmである。液晶を水平配向や傾斜配向させる場合は、焼成後の液晶配向膜をラビングまたは偏光紫外線照射などで処理する。
本発明の液晶表示素子は、上記した手法により、本発明の液晶配向処理剤から液晶配向膜付き基板を得た後、公知の方法で液晶セルを作製して液晶表示素子としたものである。
液晶セルの作製方法としては、液晶配向膜の形成された一対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、または、スペーサを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に基板を貼り合わせて封止を行う方法などが例示できる。
さらに、本発明の液晶配向処理剤は、電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、電極間に電圧を印加しつつ、活性エネルギー線の照射および加熱の少なくとも一方により重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子にも好ましく用いられる。ここで、活性エネルギー線としては、紫外線が好適である。紫外線としては、波長が300〜400nm、好ましくは310〜360nmである。加熱による重合の場合、加熱温度は40〜120℃、好ましくは60〜80℃である。また、紫外線と加熱を同時に行ってもよい。
上記の液晶表示素子は、PSA(Polymer Sustained Alignment)方式により、液晶分子のプレチルトを制御するものである。PSA方式では、液晶材料中に少量の光重合性化合物、例えば光重合性モノマーを混入しておき、液晶セルを組み立てた後、液晶層に所定の電圧を印加した状態で光重合性化合物に紫外線などを照射し、生成した重合体によって液晶分子のプレチルトを制御する。重合体が生成するときの液晶分子の配向状態が電圧を取り去った後においても記憶されるので、液晶層に形成される電界などを制御することにより、液晶分子のプレチルトを調整することができる。また、PSA方式では、ラビング処理を必要としないので、ラビング処理によってプレチルトを制御することが難しい垂直配向型の液晶層の形成に適している。
すなわち、本発明の液晶表示素子は、上記した手法により本発明の液晶配向処理剤から液晶配向膜付き基板を得た後、液晶セルを作製し、紫外線の照射および加熱の少なくとも一方により重合性化合物を重合することで液晶分子の配向を制御するものとすることができる。
PSA方式の液晶セル作製の一例を挙げるならば、液晶配向膜の形成された一対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、または、スペーサを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に基板を貼り合わせて封止を行う方法などが挙げられる。
液晶には、熱や紫外線照射により重合する重合性化合物が混合される。重合性化合物としては、アクリレート基やメタクリレート基等の重合性不飽和基を分子内に1個以上有する化合物が挙げられる。その際、重合性化合物は、液晶成分の100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。重合性化合物が0.01質量部未満であると、重合性化合物が重合せずに液晶の配向制御できなくなり、10質量部よりも多くなると、未反応の重合性化合物が多くなって液晶表示素子の焼き付き特性が低下する。
液晶セルを作製した後は、液晶セルに交流または直流の電圧を印加しながら、熱や紫外線を照射して重合性化合物を重合する。これにより、液晶分子の配向を制御することができる。
加えて、本発明の液晶配向処理剤は、電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性基を含む液晶配向膜を配置し、電極間に電圧を印加する工程を経て製造される液晶表示素子、すなわち、SC−PVAモードにも用いることが好ましい。ここで、活性エネルギー線としては、紫外線が好適である。紫外線としては、波長が300〜400nm、好ましくは310〜360nmである。加熱による重合の場合、加熱温度は40〜120℃、好ましくは60〜80℃である。また、紫外線と加熱を同時に行ってもよい。
活性エネルギー線および熱の少なくとも一方より重合する重合性基を含む液晶配向膜を得るためには、この重合性基を含む化合物を液晶配向処理剤中に添加する方法や、重合性基を含む重合体成分を用いる方法が挙げられる。
SC−PVAモードの液晶セル作製の一例を挙げるならば、本発明の液晶配向膜の形成された一対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、または、スペーサを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に基板を貼り合わせて封止を行う方法などが挙げられる。
液晶セルを作製した後は、液晶セルに交流または直流の電圧を印加しながら、熱や紫外線を照射することで、液晶分子の配向を制御することができる。
以上のようにして、本発明の液晶配向処理剤は、長時間高温および光の照射に曝された後でも、安定なプレチルト角が発現できる液晶配向膜を得ることができる。加えて、長時間光の照射に曝された後でも、電圧保持率の低下を抑制し、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜となる。よって、本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜を有する液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビや中小型のカーナビゲーションシステムやスマートフォンなどに好適に利用することができる。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、これらに限定されるものではない。
「本発明の合成例、実施例および比較例で用いる略語」
合成例、実施例および比較例で用いる略語は、以下の通りである。
<本発明のポリイミド系重合体を作製するためのモノマー>
(本発明の特定ジアミン化合物(1))
A1:下記の式[A1]で示されるジアミン化合物
A2:下記の式[A2]で示されるジアミン化合物
A3:下記の式[A3]で示されるジアミン化合物
Figure 2015046374
(本発明の特定ジアミン化合物(2))
B1:下記の式[B1]で示されるジアミン化合物
Figure 2015046374
(本発明の特定側鎖型ジアミン化合物)
C1:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシ〕ベンゼン
C2:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシメチル〕ベンゼン
C3:1,3−ジアミノ−4−{4−〔トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロへキシル)シクロへキシル〕フェノキシ}ベンゼン
C4:下記の式[C4]で示されるジアミン化合物
Figure 2015046374
Figure 2015046374
(その他ジアミン化合物)
D1:p−フェニレンジアミン
D2:3,5−ジアミノ安息香酸
D3:1,3−ジアミノ−4−オクタデシルオキシベンゼン
Figure 2015046374
(本発明の特定テトラカルボン酸成分)
E1:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
E2:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
E3:下記の式[E3]で示されるテトラカルボン酸二無水物
E4:下記の式[E4]で示されるテトラカルボン酸二無水物
E5:下記の式[E5]で示されるテトラカルボン酸二無水物
Figure 2015046374
「本発明に用いる架橋性化合物」
K1:下記の式[K1]で示される架橋性化合物
Figure 2015046374
<本発明に用いる溶媒>
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
NEP:N−エチル−2−ピロリドン
γ−BL:γ−ブチロラクトン
BCS:エチレングリコールモノブチルエーテル
PB:プロピレングリコールモノブチルエーテル
EC:ジエチレングリコールモノエチルエーテル
DME:ジプロピレングリコールジメチルエーテル
「本発明のポリイミド系重合体の分子量の測定」
合成例におけるポリイミド前駆体およびポリイミドの分子量は、常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)(昭和電工社製)、カラム(KD−803,KD−805)(Shodex社製)を用いて、以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・HO)が30mmol/L(リットル)、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量;約900,000、150,000、100,000および30,000)(東ソー社製)およびポリエチレングリコール(分子量;約12,000、4,000および1,000)(ポリマーラボラトリー社製)。
「本発明のポリイミドのイミド化率の測定」
合成例におけるポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMR(核磁気共鳴)サンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6,0.05質量%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500)(日本電子データム社製)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5ppm〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
「本発明のポリイミド系重合体の合成」
<合成例1>
E1(4.50g,23.0mmol)、A1(1.85g,9.30mmol)、C1(0.88g,2.32mmol)およびD1(1.26g,11.6mmol)をNMP(25.5g)中で混合し、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(1)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、24,200、重量平均分子量は、86,500であった。
<合成例2>
E1(4.10g,20.9mmol)、B1(3.16g,10.6mmol)、D1(0.46g,4.24mmol)およびD2(0.97g,6.35mmol)をNMP(26.1g)中で混合し、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(2)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、25,200、重量平均分子量は、89,100であった。
<合成例3>
E2(3.96g,15.8mmol)、A1(1.91g,9.61mmol)、C1(6.09g,16.0mmol)およびD2(0.97g,6.41mmol)をNEP(32.1g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(3.10g,15.8mmol)とNEP(16.0g)を加え、40℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液(3)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、20,100、重量平均分子量は、64,100であった。
<合成例4>
合成例3の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(3)(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.45g)およびピリジン(2.50g)を加え、60℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(4)を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は18,500、重量平均分子量は49,300であった。
<合成例5>
E2(4.47g,17.9mmol)、B1(3.24g,10.9mmol)、C1(2.75g,7.23mmol)およびD2(2.75g,18.1mmol)をNEP(33.4g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(3.50g,17.9mmol)とNEP(16.7g)を加え、40℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液(5)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、22,100、重量平均分子量は、68,500であった。
<合成例6>
合成例5の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(5)(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.40g)およびピリジン(2.65g)を加え、60℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(6)を得た。このポリイミドのイミド化率は58%であり、数平均分子量は19,800、重量平均分子量は52,900であった。
<合成例7>
E2(1.37g,5.46mmol)、A2(1.18g,5.53mmol)、C2(2.91g,7.38mmol)、D1(0.20g,1.84mmol)およびD2(0.56g,3.69mmol)をNMP(17.4g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(2.50g,12.8mmol)とNMP(8.72g)を加え、40℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.45g)およびピリジン(3.30g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(7)を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、数平均分子量は17,100、重量平均分子量は47,800であった。
<合成例8>
E2(1.37g,5.46mmol)、B1(1.38g,4.61mmol)、C2(1.09g,2.77mmol)およびD2(1.68g,11.1mmol)をNMP(16.0g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(2.50g,12.8mmol)とNMP(8.02g)を加え、40℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)およびピリジン(3.35g)を加え、80℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(8)を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、数平均分子量は18,800、重量平均分子量は49,800であった。
<合成例9>
E3(7.20g,32.1mmol)、A2(2.78g,13.0mmol)、C2(5.14g,13.0mmol)およびD2(0.99g,6.51mmol)をNEP(48.3g)中で混合し、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液(9)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、21,200、重量平均分子量は、65,400であった。
<合成例10>
合成例9の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(9)(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.40g)およびピリジン(2.63g)を加え、60℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(10)を得た。このポリイミドのイミド化率は57%であり、数平均分子量は18,200、重量平均分子量は48,300であった。
<合成例11>
E3(3.85g,17.2mmol)、A3(0.53g,2.61mmol)、C4(2.14g,4.35mmol)およびD2(1.59g,10.4mmol)をNMP(24.3g)中で混合し、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)にNMPを加え、6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.90g)およびピリジン(2.65g)を加え、60℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(11)を得た。このポリイミドのイミド化率は68%であり、数平均分子量は17,500、重量平均分子量は47,900であった。
<合成例12>
E4(1.64g,5.46mmol)、B1(1.65g,5.53mmol)、C1(1.40g,3.69mmol)、D1(0.20g,1.84mmol)およびD2(1.12g,7.38mmol)をNMP(17.0g)中で混合し、80℃で6時間反応させた後、E1(2.50g,12.8mmol)とNMP(8.52g)を加え、40℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.15g)およびピリジン(2.95g)を加え、70℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(12)を得た。このポリイミドのイミド化率は64%であり、数平均分子量は18,100、重量平均分子量は49,600であった。
<合成例13>
E4(2.87g,9.56mmol)、A3(0.98g,4.84mmol)、C3(2.44g,5.65mmol)、D1(0.26g,2.42mmol)およびD2(0.49g,3.23mmol)をNEP(16.6g)中で混合し、80℃で6時間反応させた後、E1(1.25g,6.37mmol)とNEP(8.30g)を加え、40℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.55g)およびピリジン(3.35g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(13)を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、数平均分子量は16,300、重量平均分子量は45,100であった。
<合成例14>
E4(3.57g,11.9mmol)、A1(1.37g,6.89mmol)、C4(1.70g,3.44mmol)およびD2(1.05g,6.89mmol)をNMP(17.4g)中で混合し、80℃で6時間反応させた後、E1(1.00g,5.10mmol)とNMP(8.69g)を加え、40℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.75g)およびピリジン(2.35g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(14)を得た。このポリイミドのイミド化率は53%であり、数平均分子量は17,800、重量平均分子量は48,900であった。
<合成例15>
E2(1.73g,6.91mmol)、A1(0.70g,3.50mmol)、A2(0.75g,3.50mmol)、C2(2.76g,7.00mmol)およびD2(0.53g,3.50mmol)をNMP(17.3g)中で混合し、80℃で6時間反応させた後、E5(2.20g,10.4mmol)とNMP(8.67g)を加え、80℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液(15)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、20,100、重量平均分子量は、62,600であった。
<合成例16>
E2(0.88g,3.54mmol)、B1(1.60g,5.37mmol)、C1(1.36g,3.58mmol)およびD2(1.36g,8.95mmol)をNMP(16.4g)中で混合し、80℃で6時間反応させた後、E5(3.00g,14.1mmol)とNMP(8.21g)を加え、80℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液(16)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、21,600、重量平均分子量は、65,100であった。
<合成例17>
合成例16の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(16)(30.0g)に、NMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)およびピリジン(3.30g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(17)を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、数平均分子量は18,800、重量平均分子量は52,200であった。
<合成例18>
E2(1.73g,6.91mmol)、A3(0.89g,4.38mmol)、C3(2.65g,6.13mmol)およびD2(1.07g,7.00mmol)をNEP(17.1g)中で混合し、80℃で6時間反応させた後、E5(2.20g,10.4mmol)とNEP(8.54g)を加え、80℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.10g)およびピリジン(3.05g)を加え、70℃で2.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(18)を得た。このポリイミドのイミド化率は74%であり、数平均分子量は17,900、重量平均分子量は48,300であった。
<合成例19>
E2(0.80g,3.18mmol)、A1(0.96g,4.83mmol)、C1(3.37g,8.86mmol)およびD2(0.37g,2.42mmol)をNMP(16.4g)中で混合し、80℃で6時間反応させた後、E5(2.70g,12.7mmol)とNMP(8.20g)を加え、80℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.75g)およびピリジン(2.55g)を加え、60℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(19)を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は16,800、重量平均分子量は46,200であった。
<合成例20>
E1(5.00g,25.5mmol)、C1(0.98g,2.58mmol)およびD1(2.51g,23.2mmol)をNMP(25.5g)中で混合し、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(20)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、25,800、重量平均分子量は、88,900であった。
<合成例21>
E1(5.00g,25.5mmol)、D1(1.96g,18.1mmol)およびD2(1.18g,7.75mmol)をNMP(24.4g)中で混合し、40℃で8時間反応させ、樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(21)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、27,100、重量平均分子量は、90,100であった。
<合成例22>
E2(4.08g,16.3mmol)、C1(6.29g,16.5mmol)、D1(1.07g,9.92mmol)およびD2(1.01g,6.61mmol)をNEP(31.3g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(3.20g,16.3mmol)とNEP(15.7g)を加え、40℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液(22)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、22,500、重量平均分子量は、66,900であった。
<合成例23>
合成例22の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(22)(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.40g)およびピリジン(2.50g)を加え、60℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(23)を得た。このポリイミドのイミド化率は55%であり、数平均分子量は19,200、重量平均分子量は50,600であった。
<合成例24>
E2(4.72g,18.9mmol)、C1(2.91g,7.64mmol)、D1(1.24g,11.5mmol)およびD2(2.91g,19.1mmol)をNEP(31.0g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(3.70g,18.9mmol)とNEP(15.5g)を加え、40℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液(24)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は、23,000、重量平均分子量は、68,800であった。
<合成例25>
合成例24の合成手法で得られたポリアミド酸溶液(24)(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.40g)およびピリジン(2.65g)を加え、60℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(25)を得た。このポリイミドのイミド化率は57%であり、数平均分子量は20,100、重量平均分子量は54,100であった。
<合成例26>
E2(2.04g,8.16mmol)、A1(0.99g,4.96mmol)、D2(0.50g,3.31mmol)およびD3(3.11g,8.26mmol)をNEP(16.5g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(1.60g,8.16mmol)とNEP(8.25g)を加え、40℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.45g)およびピリジン(2.65g)を加え、60℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(26)を得た。このポリイミドのイミド化率は54%であり、数平均分子量は17,600、重量平均分子量は49,200であった。
<合成例27>
E2(2.23g,8.92mmol)、B1(1.62g,5.42mmol)、D2(1.38g,9.04mmol)およびD3(1.36g,3.62mmol)をNEP(16.7g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(1.75g,8.92mmol)とNEP(8.34g)を加え、40℃で6時間反応させ、樹脂固形分濃度が25質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NEPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.45g)およびピリジン(2.65g)を加え、60℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(27)を得た。このポリイミドのイミド化率は57%であり、数平均分子量は18,600、重量平均分子量は51,500であった。
本発明のポリイミド系重合体を表2〜表4に示す。
Figure 2015046374
*1:ポリアミド酸。
Figure 2015046374
*1:ポリアミド酸。
Figure 2015046374
*1:ポリアミド酸。
「本発明の液晶配向処理剤の製造」
下記する実施例1〜実施例19および比較例1〜比較例8では、液晶配向処理剤の製造例を記載する。また、この液晶配向処理剤は、評価のためにも使用される。
本発明の液晶配向処理剤を表5〜表7に示す。
本発明の実施例および比較例で得られた液晶配向処理剤を用い、「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」、「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」および「液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)」を行った。
「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」
本発明の実施例4で得られた液晶配向処理剤(4)、実施例9で得られた液晶配向処理剤(9)および実施例15で得られた液晶配向処理剤(15)を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、インクジェット塗布性の評価を行った。インクジェット塗布機には、HIS−200(日立プラントテクノロジー社製)を用いた。塗布は、純水およびIPAにて洗浄を行ったITO(酸化インジウムスズ)蒸着基板上に、ノズルピッチが0.423mm、スキャンピッチが0.5mm、塗布速度が40mm/秒、塗布から仮乾燥までの時間が60秒、仮乾燥がホットプレート上にて70℃で5分間の条件で行った。
得られた液晶配向膜付き基板の塗膜性を確認した。具体的には、塗膜をナトリウムランプの下で目視観察することで行い、ピンホールの有無を確認した。その結果、いずれの実施例で得られた液晶配向膜とも、塗膜上にピンホールは見られず、塗膜性に優れた液晶配向膜が得られた。
「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」
本発明の実施例および比較例で得られた液晶配向処理剤を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、液晶セルの作製(通常セル)を行った。この溶液を純水およびIPAにて洗浄を行った40×30mmITO電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)のITO面にスピンコートし、ホットプレート上にて100℃で5分間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして、膜厚が100nmのポリイミド液晶配向膜付きのITO基板を得た。なお、本発明の実施例4で得られた液晶配向処理剤(4)、実施例9で得られた液晶配向処理剤(9)および実施例15で得られた液晶配向処理剤(15)は、上記の「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」と同様の条件で、液晶配向膜付き基板を作製し、その後、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして、膜厚が100nmのポリイミド液晶配向膜付きのITO基板を得た。
このITO基板の塗膜面をロール径が120mmのラビング装置でレーヨン布を用いて、ロール回転数が1000rpm、ロール進行速度が50mm/sec、押し込み量が0.1mmの条件でラビング処理した。
得られた液晶配向膜付きのITO基板を2枚用意し、液晶配向膜面を内側にして6μmのスペーサー挟んで組み合わせ、シール剤で周囲を接着して空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、ネマチック液晶を注入し、注入口を封止して液晶セル(通常セル)を得た。
なお、実施例1で得られた液晶配向処理剤(1)および比較例(1)で得られた液晶配向処理剤(21)を用いた液晶セルには、液晶にMLC−2003(メルク・ジャパン社製)を用いた。また、それ以外の実施例および比較例で得られた液晶配向処理剤を用いたセルには、液晶にMLC−6608(メルク・ジャパン社製)を用いた。
次に、この液晶セル(通常セル)のプレチルト角の測定を行った。プレチルト角は、液晶のアイソトロピック処理(95℃で5分間加熱処理)を行った後、それを加熱処理(120℃で5時間加熱処理)した後の液晶セルを測定した。
さらに、上記と同様の条件で作製した液晶セルにアイソトロピック処理を行った後に、365nm換算で10J/cmの紫外線を照射した後の液晶セルも測定した。なお、プレチルト角は、PAS−301(ELSICON製)を用いて室温で測定した。さらに、紫外線の照射は、卓上型UV硬化装置(HCT3B28HEX−1)(センライト製)を用いて行った。
評価は、液晶のアイソトロピック処理した後(Iso処理後ともいう)のプレチルト角に対して、加熱処理した後(高温処理後ともいう)および紫外線を照射した後(紫外線照射後ともいう)のプレチルト角の変化が小さいものほど、良好とした(表8〜表10に、Iso処理後、高温処理後および紫外線照射後のプレチルト角の値を示す)。
表8〜表10に、実施例および比較例で得られた結果を示す。
「電圧保持率の評価(通常セル)」
上記の「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」と同様の条件で作製した液晶セル(通常セル)を用いて、電圧保持率の評価を行った。具体的には、上記の手法で得られた液晶セル(通常セル)に、80℃の温度下で1Vの電圧を60μs印加し、50ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率(VHRともいう)として計算した。なお、測定は、電圧保持率測定装置(VHR−1)(東陽テクニカ社製)を使用し、Voltage:±1V、Pulse Width:60μs、Flame Period:50msの設定で行った。
さらに、上記の液晶セル作製直後の電圧保持率の測定が終わった液晶セルに、卓上型UV硬化装置(HCT3B28HEX−1)(センライト社製)を用いて、365nm換算で50J/cmの紫外線を照射し、上記と同様の条件で電圧保持率の測定を行った。
評価は、液晶セル作製直後の電圧保持率の値が高く、さらに、液晶セル作製直後の電圧保持率の値に対して、紫外線照射後の値の低下が小さいものほど、良好とした(表11〜表13に、液晶セル作製直後および紫外線照射後のVHRの値を示す)。
表11〜表13に、実施例および比較例で得られた結果を示す。
「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」
上記の「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」と同様の条件で作製した液晶セル(通常セル)を用いて、残留電荷の緩和の評価を行った。具体的には、液晶セルに、直流電圧10Vを30分印加し、1秒間短絡させた後、液晶セル内に発生している電位を1800秒間測定した。そのなかで、50秒後の残留電荷の値を用いて、残留電荷の緩和の評価とした。なお、測定は、6254型液晶物性評価装置(東陽テクニカ社製)を用いた。
さらに、上記の液晶セル作製直後の残留電荷の測定が終わった液晶セルに、卓上型UV硬化装置(HCT3B28HEX−1)(センライト社製)を用いて、365nm換算で30J/cmの紫外線を照射し、上記と同様の条件で残留電荷の測定を行った。
評価は、液晶セル作製直後および紫外線照射後の残留電荷の値が小さいものほど、良好とした(表11〜表13に、液晶セル作製直後および紫外線照射後の残留電荷の値を示す)。
表11〜表13に、実施例および比較例で得られた結果を示す。
「液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)」
実施例3で得られた液晶配向処理剤(3)、実施例5で得られた液晶配向処理剤(5)、実施例6で得られた液晶配向処理剤(6)、実施例8で得られた液晶配向処理剤(8)および実施例16で得られた液晶配向処理剤(16)を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)を行った。この溶液を、純水およびIPAにて洗浄した中心に10×10mmのパターン間隔20μmのITO電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)と中心に10×40mmのITO電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)のITO面にスピンコートし、ホットプレート上にて100℃で5分間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして膜厚が100nmのポリイミド塗膜を得た。
この液晶配向膜付き基板を、液晶配向膜面を内側にして、6μmのスペーサー挟んで組み合わせ、シール剤で周囲を接着して空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、ネマティック液晶(MLC−6608)(メルク・ジャパン社製)に、下記の式で示される重合性化合物(1)を、ネマティック液晶(MLC−6608)の100質量%に対して重合性化合物(1)を0.3質量%混合した液晶を注入し、注入口を封止して、液晶セルを得た。
Figure 2015046374
得られた液晶セルに、交流5Vの電圧を印加しながら、照度60mWのメタルハライドランプを用いて、350nm以下の波長をカットし、365nm換算で20J/cmの紫外線照射を行い、液晶の配向方向が制御された液晶セル(PSAセル)を得た。液晶セルに紫外線を照射している際の照射装置内の温度は、50℃であった。
この液晶セルの紫外線照射前と紫外線照射後の液晶の応答速度を測定した。応答速度は、透過率90%から透過率10%までのT90→T10を測定した。
いずれの実施例で得られたPSAセルは、紫外線照射前の液晶セルに比べて、紫外線照射後の液晶セルの応答速度が速くなったことから、液晶の配向方向が制御されたことを確認した。また、いずれの液晶セルとも、偏光顕微鏡(ECLIPSE E600WPOL)(ニコン社製)での観察により、液晶は均一に配向していることを確認した。
<実施例1>
合成例1の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(1)(5.00g)および合成例2の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(2)(3.33g)に、NMP(18.2g)およびBCS(8.16g)を加え、25℃で6時間攪拌して、液晶配向処理剤(1)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(1)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例2>
合成例3の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(3)(4.50g)および合成例5の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(5)(4.50g)に、NEP(14.4g)およびPB(14.1g)を加え、25℃で6時間攪拌して、液晶配向処理剤(2)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(2)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例3>
合成例4の合成手法で得られたポリイミド粉末(4)(1.15g)および合成例6の合成手法で得られたポリイミド粉末(6)(1.15g)に、NEP(21.6g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(14.4g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(3)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(3)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」、「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」および「液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)」を行った。
<実施例4>
合成例4の合成手法で得られたポリイミド粉末(4)(0.65g)および合成例6の合成手法で得られたポリイミド粉末(6)(0.43g)に、NEP(14.9g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(5.97g)、PB(8.96g)およびK1(0.032g)を加え、40℃で6時間攪拌して、液晶配向処理剤(4)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(4)を用いて、「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例5>
合成例7の合成手法で得られたポリイミド粉末(7)(1.65g)および合成例8の合成手法で得られたポリイミド粉末(8)(0.71g)に、NMP(20.3g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(12.9g)およびDME(3.69g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(5)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(5)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」、「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」および「液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)」を行った。
<実施例6>
合成例9の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(9)(3.50g)および合成例5の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(5)(5.25g)に、NEP(14.0g)、PB(10.3g)およびEC(3.43g)を加え、25℃で6時間攪拌して、液晶配向処理剤(6)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(6)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」、「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」および「液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)」を行った。
<実施例7>
合成例10の合成手法で得られたポリイミド粉末(10)(1.75g)に、NEP(15.0g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(11.0g)およびDME(1.37g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
一方、合成例6の合成手法で得られたポリイミド粉末(6)(0.44g)に、NEP(3.80g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(2.70g)およびDME(0.34g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた2つの溶液を混合し、さらにK1(0.153g)を加え、40℃で6時間攪拌して、液晶配配向処理剤(7)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(7)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例8>
合成例11の合成手法で得られたポリイミド粉末(11)(0.75g)および合成例8の合成手法で得られたポリイミド粉末(8)(1.39g)に、NMP(6.71g)およびNEP(13.4g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(13.4g)およびK1(0.107g)を加え、40℃で6時間攪拌して、液晶配向処理剤(8)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(8)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」、「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」および「液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)」を行った。
<実施例9>
合成例11の合成手法で得られたポリイミド粉末(11)(0.55g)および合成例8の合成手法で得られたポリイミド粉末(8)(0.83g)に、NEP(15.2g)およびγ−BL(3.79g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(15.2g)およびDME(3.79g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(9)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(9)を用いて、「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例10>
合成例4の合成手法で得られたポリイミド粉末(4)(1.10g)に、NMP(1.73g)およびNEP(6.90g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(1.73g)およびPB(6.90g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
一方、合成例12の合成手法で得られたポリイミド粉末(12)(1.10g)に、NMP(1.73g)およびNEP(6.90g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(1.73g)およびPB(6.90g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた2つの溶液を混合し、25℃で6時間攪拌して、液晶配向処理剤(10)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(10)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例11>
合成例13の合成手法で得られたポリイミド粉末(13)(1.25g)および合成例8の合成手法で得られたポリイミド粉末(8)(0.83g)に、NEP(13.1g)およびγ−BL(3.26g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(13.1g)およびEC(3.26g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(11)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(11)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例12>
合成例10の合成手法で得られたポリイミド粉末(10)(0.65g)および合成例8の合成手法で得られたポリイミド粉末(8)(1.52g)に、NMP(17.0g)およびγ−BL(1.70g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(6.79g)およびPB(8.49g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(12)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(12)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例13>
合成例15の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(15)(4.50g)および合成例16の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(16)(4.50g)に、NMP(14.4g)、BCS(3.53g)、PB(10.6g)およびK1(0.225g)を加え、40℃で6時間攪拌して、液晶配向処理剤(13)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(13)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例14>
合成例7の合成手法で得られたポリイミド粉末(7)(0.90g)および合成例17の合成手法で得られたポリイミド粉末(17)(1.35g)に、NEP(15.9g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(5.29g)およびPB(14.1g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(14)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(14)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例15>
合成例7の合成手法で得られたポリイミド粉末(7)(0.55g)および合成例17の合成手法で得られたポリイミド粉末(17)(0.83g)に、NMP(3.79g)およびNEP(15.2g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(19.0g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(15)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(15)を用いて、「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例16>
合成例18の合成手法で得られたポリイミド粉末(18)(1.25g)に、NMP(8.82g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.94g)およびPB(7.86g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
一方、合成例17の合成手法で得られたポリイミド粉末(17)(0.83g)に、NMP(5.88g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(1.96g)およびPB(5.24g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた2つの溶液を混合し、25℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(16)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(16)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」、「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」および「液晶セルの作製および液晶配向性の評価(PSAセル)」を行った。
<実施例17>
実施例16の調整手法で得られた液晶配向処理剤(16)(20.0g)に、K1(0.06g)を加え、40℃で6時間攪拌して、液晶配向処理剤(17)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(17)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例18>
合成例19の合成手法で得られたポリイミド粉末(19)(0.45g)および合成例6の合成手法で得られたポリイミド粉末(6)(1.80g)に、NEP(21.2g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(3.53g)およびPB(10.6g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(18)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(18)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<実施例19>
合成例19の合成手法で得られたポリイミド粉末(19)(1.63g)および合成例5の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(5)(6.50g)に、NEP(19.4g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(6.47g)およびPB(6.47g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(19)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(19)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例1>
合成例20の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(20)(4.95g)および合成例21の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(21)(3.30g)に、NMP(18.0g)およびBCS(8.08g)を加え、25℃で6時間攪拌して、液晶配向処理剤(20)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(20)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例2>
合成例3の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(3)(4.50g)および合成例24の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(24)(4.50g)に、NEP(14.4g)およびPB(14.1g)を加え、25℃で6時間攪拌して、液晶配向処理剤(21)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(21)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例3>
合成例22の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(22)(4.50g)および合成例5の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(5)(4.50g)に、NEP(14.4g)およびPB(14.1g)を加え、25℃で6時間攪拌して、液晶配向処理剤(22)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(22)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例4>
合成例22の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(22)(4.50g)および合成例24の合成手法で得られた樹脂固形分濃度25質量%のポリアミド酸溶液(24)(4.50g)に、NEP(14.4g)およびPB(14.1g)を加え、25℃で6時間攪拌して、液晶配向処理剤(23)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(23)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例5>
合成例4の合成手法で得られたポリイミド粉末(4)(1.10g)および合成例25の合成手法で得られたポリイミド粉末(25)(1.10g)に、NEP(20.7g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(13.8g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(24)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(24)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例6>
合成例23の合成手法で得られたポリイミド粉末(23)(1.10g)および合成例6の合成手法で得られたポリイミド粉末(6)(1.10g)に、NEP(20.7g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(13.8g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(25)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(25)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例7>
合成例23の合成手法で得られたポリイミド粉末(23)(1.10g)および合成例25の合成手法で得られたポリイミド粉末(25)(1.10g)に、NEP(20.7g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(13.8g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(26)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(26)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
<比較例8>
合成例26の合成手法で得られたポリイミド粉末(26)(1.10g)および合成例27の合成手法で得られたポリイミド粉末(27)(1.10g)に、NEP(20.7g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(13.8g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(27)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
得られた液晶配向処理剤(27)を用いて、「液晶セルの作製およびプレチルト角の評価(通常セル)」、「電圧保持率の評価(通常セル)」および「残留電荷の緩和の評価(通常セル)」を行った。
Figure 2015046374
*1:すべての重合体100質量部に対する特定重合体(A)の導入量(質量部)を示す。
*2:すべての重合体100質量部に対する特定重合体(B)の導入量(質量部)を示す。
*3:すべての重合体100質量部に対するその他重合体の導入量(質量部)を示す。
*4:すべての重合体100質量部に対する架橋性化合物の導入量(質量部)を示す。
*5:すべての溶媒100質量部に対する各溶媒の導入量(質量部)を示す。
*6:液晶配向処理剤中のすべての重合体の占める割合を示す。
Figure 2015046374
*1:すべての重合体100質量部に対する特定重合体(A)の導入量(質量部)を示す。
*2:すべての重合体100質量部に対する特定重合体(B)の導入量(質量部)を示す。
*3:すべての重合体100質量部に対するその他重合体の導入量(質量部)を示す。
*4:すべての重合体100質量部に対する架橋性化合物の導入量(質量部)を示す。
*5:すべての溶媒100質量部に対する各溶媒の導入量(質量部)を示す。
*6:液晶配向処理剤中のすべての重合体の占める割合を示す。
Figure 2015046374
*1:すべての重合体100質量部に対する特定重合体(A)の導入量(質量部)を示す。
*2:すべての重合体100質量部に対する特定重合体(B)の導入量(質量部)を示す。
*3:すべての重合体100質量部に対するその他重合体の導入量(質量部)を示す。
*4:すべての重合体100質量部に対する架橋性化合物の導入量(質量部)を示す。
*5:すべての溶媒100質量部に対する各溶媒の導入量(質量部)を示す。
*6:液晶配向処理剤中のすべての重合体の占める割合を示す。
Figure 2015046374
Figure 2015046374
Figure 2015046374
Figure 2015046374
Figure 2015046374
Figure 2015046374
上記の結果からわかるように、本発明の実施例の液晶配向処理剤は、比較例の液晶配向処理剤に比べて、液晶セルに、高温処理および紫外線照射を行っても、安定なプレチルト角を示した。さらには、紫外線照射を行っても、電圧保持率の低下を抑制し、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い結果となった。すなわち、本発明の液晶配考処理剤は、長時間高温および光の照射に曝された後でも、安定なプレチルト角が発現できる液晶配向膜となり、加えて、長時間光の照射に曝された後でも、電圧保持率の低下を抑制し、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜となる。
具体的には、本発明の特定重合体(A)と特定重合体(B)とを用いた液晶配向処理剤の実施例と、それらのどちらか一方しか用いていない液晶配向処理剤の実施例との比較、すなわち、実施例2と比較例2または比較例3との比較、および実施例3と比較例5または比較例6との比較である。これら特定重合体(A)のみを用いた比較例または特定重合体(B)のみを用いた比較例は、対応する実施例に比べて、特に、紫外線照射に対して、電圧保持率が大きく低下し、さらに、残留電荷の値も大きくなった。
また、本発明の特定重合体(A)と特定重合体(B)とを用いた液晶配向処理剤の実施例と、本発明の3級窒素原子を含む構造を持たない重合体と特定構造(2)を持たない重合体とを用いた液晶配向処理剤の比較例、すなわち、実施例1と比較例1との比較、実施例2と比較例4との比較、および実施例3と比較例7との比較である。これら比較例は、対応する実施例に比べて、特に、紫外線照射に対して、電圧保持率が大きく低下し、さらに、残留電荷の値も大きくなった。
加えて、本発明の特定重合体(A)と特定重合体(B)とを用いた液晶配向処理剤の実施例と、従来型の側鎖構造を有する重合体とを用いた液晶配向処理剤の比較例との比較、すなわち、実施例3と比較例8との比較である。この比較例は、対応する実施例に比べて、高温処理および紫外線照射を行った後のプレチルト角の変化幅が大きく、かつ、紫外線照射に対して、電圧保持率が大きく低下し、さらに、残留電荷の値も大きくなった。なかでも、特に、電圧保持率の低下が大きかった。
本発明の液晶配向処理剤は、長時間高温および光の照射に曝された後でも、安定なプレチルト角が発現できる液晶配向膜を提供することができる。加えて、長時間光の照射に曝された後でも、電圧保持率の低下を抑制し、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早い液晶配向膜を提供することができる。加えて、上記の液晶配向膜を有する液晶表示素子、上記の液晶配向膜を提供することのできる液晶配向処理剤を提供することができる。
よって、本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜を有する液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用でき、TN素子、STN素子、TFT液晶素子、特に垂直配向型の液晶表示素子に有用である。
さらに、本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜は、液晶表示素子を作製する際に、紫外線を照射する必要がある液晶表示素子に対しても有用である。すなわち、電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子、さらには、電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方で重合する重合性基を含む液晶配向膜を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性基を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に対しても有用である。

Claims (24)

  1. 下記の(A)成分および(B)成分を含有する液晶配向処理剤。
    (A)成分:窒素原子を有する構造を有するポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる少なくともいずれか一種を含有する重合体。
    (B)成分:下記の式[2]で示される構造を有するポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる少なくともいずれか一種を含有する重合体。
    なお、(A)成分および(B)成分の重合体の少なくともいずれか一方には、下記の式[3]で示される構造を含有する。
    Figure 2015046374
    (式[2]中、YおよびYはそれぞれ独立して、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、−O−、−N(R)−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−CON(R)−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−N(R)CO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−CHO−、−COO−および−OCO−から選ばれる少なくとも1種の有機基を示し、YおよびYはそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキレン基を示し、YおよびYはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキレン基を示し、Yは酸素原子または硫黄原子を示す)。
    Figure 2015046374
    (式[3]中、Bは単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示し、Bは単結合または−(CH−(bは1〜15の整数である)を示し、Bは単結合、−(CH−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示し、Bはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基、またはステロイド骨格を有する炭素数17〜51の2価の有機基を示し、前記環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、Bはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を示し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、nは0〜4の整数を示し、Bは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基または炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基を示す)。
  2. 前記(A)成分における窒素原子を有する構造が、下記の式[1a]〜式[1c]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造である請求項1に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2015046374
    (式[1a]中、Xはベンゼン環または窒素含有芳香族複素環を示し、Xは水素原子または炭素数1〜12の脂肪族基で置換されたジ置換アミノ基を示し、式[1b]中、XおよびXはそれぞれ独立して、炭素原子を6〜15個有し、かつベンゼン環を1〜2個有する芳香族基を示し、XおよびXはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示し、Xは炭素数2〜5のアルキレン基またはビフェニル基を示し、mは0または1の整数を示し、式[1c]中、XおよびX10はそれぞれ独立して、下記の式[1c−a]および式[1c−b]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造を示し、Xは炭素数1〜5のアルキレン基またはベンゼン環を示す)。
    Figure 2015046374
  3. 前記(A)成分の重合体が、下記の式[1−1]で示されるジアミン化合物を原料の一部に用いて得られる重合体である請求項1または請求項2に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2015046374
    (式[1−1]中、Xは前記式[1a]〜式[1c]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造を有する有機基を示し、AおよびAはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す)。
  4. 前記ジアミン化合物が、下記の式[1a−1]〜式[1c−1]で示されるジアミン化合物を原料の一部に用いて得られる重合体である請求項3に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2015046374
    (式[1a−1]中、Xはベンゼン環または窒素含有芳香族複素環を示し、Xは水素原子または炭素数1〜12の脂肪族基で置換されたジ置換アミノ基を示し、式[1b−1]中、XおよびXはそれぞれ独立して、炭素原子を6〜15個有し、かつベンゼン環を1〜2個有する芳香族基を示し、XおよびXはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示し、Xは炭素数2〜5のアルキレン基またはビフェニル基を示し、mは0または1の整数を示し、式[1c−1]中、XおよびX10はそれぞれ独立して、前記式[1c−a]および式[1c−b]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造を示し、Xは炭素数1〜5のアルキレン基またはベンゼン環を示し、式[1a−1]〜式[1c−1]中、A〜Aはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す)。
  5. 前記ジアミン化合物が、下記の式[1−1a]〜式[1−4a]で示されるジアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物である請求項4に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2015046374
    (式[1−3a]中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示し、式[1−4a]中、nは1〜10の整数を示し、式[1−1a]〜式[1−4a]中、A〜Aはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す)。
  6. 前記(B)成分の重合体が、下記の式[2−1]で示されるジアミン化合物を原料の一部に用いて得られる重合体である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2015046374
    (式[2−1]中、Yは前記式[2]で示される構造を有する有機基を示し、AおよびAはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す)。
  7. 前記ジアミン化合物が、下記の式[2a]で示されるジアミン化合物を原料の一部に用いて得られる重合体である請求項6に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2015046374
    (式[2a]中、YおよびYはそれぞれ独立して、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、−O−、−N(R)−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−CON(R)−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−N(R)CO−(Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキレン基を示す)、−CHO−、−COO−および−OCO−から選ばれる少なくとも1種の有機基を示し、YおよびYはそれぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキレン基を示し、YおよびYはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキレン基を示し、Yは酸素原子または硫黄原子を示し、AおよびAはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す)。
  8. 前記ジアミン化合物が、下記の式[2−1a]〜式[2−3a]で示されるジアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物である請求項7に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2015046374
    (式[2−1a]〜式[2−3a]中、A〜Aはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示す)。
  9. 前記(A)成分および(B)成分の少なくともいずれか一方の重合体に、下記の式[3a]で示されるジアミン化合物を原料の一部に用いた請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2015046374
    (式[3a]中、Bは前記式[3]を示し、AおよびAはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜5のアルキレン基を示し、mは1〜4の整数を示す)。
  10. 前記(A)成分の重合体および(B)成分の重合体が、下記の式[4]で示されるテトラカルボン酸成分を用いて得られるポリイミド前駆体およびポリイミドから選ばれる少なくとも1種の重合体である請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 2015046374
    (式[4]中、Zは下記の式[4a]〜式[4k]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造を示す)。
    Figure 2015046374
    (式[4a]中、Z〜Zは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、塩素原子またはベンゼン環を示し、それぞれ同じであっても異なってもよく、式[4g]中、ZおよびZは水素原子またはメチル基を示し、それぞれ同じであっても異なってもよい)。
  11. 前記テトラカルボン酸成分が、前記式[4]中のZが前記式[4a]および式[4e]〜式[4g]で示される構造から選ばれる少なくとも1種の構造のテトラカルボン酸成分である請求項10に記載の液晶配向処理剤。
  12. 前記(A)成分の重合体において、前記式[1a−1]〜式[1c−1]で示されるジアミン化合物が、すべてのジアミン成分100モル%中、5モル%〜95モル%である請求項4〜請求項11のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  13. 前記(B)成分の重合体において、前記式[2a]で示されるジアミン化合物が、すべてのジアミン成分100モル%中、5モル%〜95モル%である請求項7〜請求項12のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  14. 前記(B)成分の重合体が、前記(A)成分の重合体100質量部に対して、0.5質量部〜950質量部である請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  15. 液晶配向処理剤の溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンおよびγ−ブチロラクトンから選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  16. 液晶配向処理剤の溶媒として、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールジメチルエーテルから選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する請求項1〜請求項15のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  17. 液晶配向処理剤中に、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基またはシクロカーボネート基を有する架橋性化合物、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基または低級アルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物、および重合性不飽和結合を有する架橋性化合物から選ばれる少なくとも1種の架橋性化合物を含む請求項1〜請求項16のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
  18. 請求項1〜請求項17のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜。
  19. 請求項1〜請求項17のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤を用いて、インクジェット法にて得られる液晶配向膜。
  20. 請求項18または請求項19に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
  21. 電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられることを特徴とする請求項18または請求項19に記載の液晶配向膜。
  22. 請求項21に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
  23. 電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性基を含む液晶配向膜を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性基を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられることを特徴とする請求項18または請求項19に記載の液晶配向膜。
  24. 請求項23に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
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