JP6494198B2 - 眼底撮像装置、収差補正方法及びプログラム - Google Patents

眼底撮像装置、収差補正方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、眼底撮像装置、収差補正方法及びプログラムに関する。
近年、眼科用の撮像装置として、SLO(Scanning Laser Ophthalmoscope:走査レーザ検眼鏡)や、低コヒーレンス光の干渉を利用したイメージング装置が開発されている。これらの撮像装置は、眼底に2次元的にレーザ光を照射し、その反射光を受光して画像化する。
低コヒーレンス光の干渉を利用したイメージング装置は、OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層装置又は光干渉断層法)と呼ばれ、特に、眼底又はその近傍の断層像を得る目的で用いられている。OCTの種類としては、TD−OCT(Time Domain OCT:タイムドメイン法)や、SD−OCT(Spectral Domain OCT:スペクトラルドメイン法)等を含め、種々のものが開発されてきている。このような眼科用の撮像装置は、近年において、照射レーザの高NA化等によってさらなる高解像度化が進められている。
しかしながら、眼底を撮像する場合には、角膜や水晶体等の眼の光学組織を通して撮像をしなければならない。そのため、高解像度化が進むに連れて、これら角膜や水晶体の収差が撮像画像の画質に大きく影響するようになってきた。
そこで、眼の収差を測定し、その収差を補正する補償光学(Adaptive Optics:AO)機能を光学系に組み込んだ、AO−SLOやAO−OCTの研究が進められている。非特許文献1に、AO−OCTの例が示されている。これらAO−SLOやAO−OCTは、一般的にはシャックハルトマン波面センサー方式によって眼の波面を測定する。シャックハルトマン波面センサー方式とは、眼に測定光を入射し、その反射光を、マイクロレンズアレイを通してCCDカメラに受光することによって波面を測定するものである。測定した波面を補正するように可変形状ミラーや、空間位相変調器を駆動し、それらを通して眼底の撮像を行うことにより、AO−SLOやAO−OCTは高解像度な撮像が可能となる。
眼科装置に用いるAOにおいては、一般的に波面センサーで測定した収差をZernike関数のような関数でモデル化し、その関数を用いて波面補正器の補正量を計算する。複雑な形状を補正するためには、多くの次数を持つ関数で収差をモデル化して補正量を算出し、波面補正器を制御する必要がある。
しかし、補正量を算出することは非常に計算負荷が高く、計算時間の増大が大きな問題となっている。この問題を解決する技術として、特許文献1には、病気の経過観察を行うために定期的に患部の観察を行う際に、過去の撮影時の補正値を利用する技術が開示されている。
また、特許文献2には、診断等に必要な撮影画像を過不足なく取得すべく、被検眼の眼底の複数の領域を順番に撮影する技術が開示されている。
特開2012−235834号公報 特開2012−213513号公報
Y.Zhang et al,Optics Express,Vol.14,No.10,15May2006
ここで、AOを用いる眼科撮像装置において、被検眼の撮像対象の複数の領域を順番に撮影する場合には、撮影を複数回行う必要がある。このとき、撮影する領域が異なると収差も異なるため、撮影毎に収差補正を行う必要がある。このため、眼科医療の効率を向上させるためには、収差補正に要する時間を少しでも短縮することが求められている。
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、AOを用いる眼底撮像装置において、眼の収差補正に要する時間を短縮することを目的とする。
そこで、本発明に係る眼底撮像装置の一つは、被検眼の眼底に対して測定光を走査する走査光学系と、前記眼底を撮像するための複数の撮像モードであって、前記眼底の第1の領域群の設定情報に対応する第1の撮影モードと、前記眼底の第2の領域群の設定情報に対応する第2の撮影モードとを含む前記複数の撮影モードの何れかを設定する設定手段と、前記設定された撮像モードに対応する設定情報を用いて前記走査光学系が制御されることにより、前記眼底の複数の領域を順番に連続して撮像する撮像手段と、前記複数の領域のうち収差補正値が既に算出されている算出済領域であって、かつ前記複数の領域のうち収差補正値の算出の対象となる対象領域を基準として定まる近接領域内に存在する算出済領域を、参照領域として決定する領域決定手段と、前記近接領域内に前記参照領域が存在する場合に、前記参照領域の収差補正値を、前記対象領域の収差補正値の初期値として決定し、前記近接領域内に前記参照領域が存在しない場合に、予め定められた値を、前記対象領域の収差補正値の初期値として決定する初期値決定手段と、前記対象領域の収差を測定する測定手段と、前記対象領域の収差補正を行う収差補正手段と、前記収差補正手段に収差補正を行わせる第1の制御及び第2の制御であって、前記初期値に関する情報を用いて前記収差補正手段の前記第1の制御を実行し、前記第1の制御を実行した後に前記測定された収差に関する情報を用いて前記収差補正手段の前記第2の制御を実行する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、AOを用いる眼底撮像装置において、眼の収差補正に要する時間を短縮することができる。
第1の実施形態に係る眼底撮像装置を示す図である。 反射型液晶光変調器の模式図である。 波面補正デバイスの断面図である。 撮像する様子を示す図である。 液晶ディスプレイの拡大図である。 ガルバノスキャナーを示す図である。 波面センサーの模式図である。 CCDセンサーを示す図である。 球面収差を持つ波面の測定結果の模式図である。 制御部を示す図である。 撮像処理を示すフローチャートである。 被検眼の撮像領域を示す図である。 収差補正処理における詳細な処理を示すフローチャートである。 収差補正回数と収差量の関係を示す図である。 第2の実施形態にかかる撮像処理を示すフローチャートである。 撮像領域を示す図である。 撮像モード毎の撮像領域を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。但し、本発明は、以下の実施形態の構成によって何ら限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る眼底撮像装置を示す図である。なお、本実施形態に係る眼底撮像装置は、検査対象である被検査物を眼とし、眼で発生する収差を補償光学系で補正し、眼底を撮像するものである。
図1において、101は光源であり、波長840nmのSLD光源(Super Luminescent Diode)を用いた。光源101の波長は特に制限されるものではないが、眼底撮像用としては被検者の眩しさの軽減と解像度維持のために、800〜1500nm程度が好適に用いられる。本実施形態においてはSLD光源を用いたが、その他にレーザ等も用いられる。本実施形態では眼底撮像と波面測定のための光源を共用しているが、それぞれを別光源とし、光路の途中で合波する構成としても良い。
光源101から照射された光は、単一モード光ファイバー102を通って、コリメータ103により、平行光線(測定光105)として照射される。照射された測定光105はビームスプリッタからなる光分割部104を透過し、補償光学の光学系に導光される。
補償光学系は、光分割部106、波面センサー115、波面補正デバイス108及び、それらに導光するための反射ミラー107−1〜4から構成される。ここで、反射ミラー107−1〜4は、少なくとも眼111の瞳と波面センサー115、波面補正デバイス108とが光学的に共役関係になるように設置されている。また、光分割部106として、本実施形態ではビームスプリッタを用いた。
光分割部106を透過した測定光105は、反射ミラー107−1と107−2で反射されて波面補正デバイス108に入射する。波面補正デバイス108で反射された測定光105は、反射ミラー107−3に出射される。
本実施形態では、波面補正デバイス108として液晶素子を用いた空間位相変調器を用いた。図2は、反射型液晶光変調器の模式図である。本変調器は、ベース部122とカバー123に挟まれた空間に液晶分子125が封入されている構造となっている。ベース部122は、複数の画素電極124を有し、カバー123は、不図示の透明な対向電極を有している。電極間に電圧を印加していない場合には、液晶分子は125−1のような配向をしており、電圧を印加すると125−2のような配向状態に遷移し、入射光に対する屈折率が変化する。
各画素電極の電圧を制御して各画素の屈折率を変化させることにより、空間的な位相変調が可能となる。例えば入射光126が本変調器に入射した場合、液晶分子125−2を通過する光は液晶分子125−1を通過する光よりも位相が遅れ、結果として図中127で示すような波面を形成する。
一般的に反射型液晶光変調器は、数万〜数十万個の画素から構成されている。また、液晶光変調器は偏光特性を有するため、入射光の偏光を調整するための偏光素子を具備することもある。
波面補正デバイス108の他の例としては、可変形状ミラーがある。可変形状ミラーとは、局所的に光の反射方向を変えることができるものであり、様々な方式のものが実用化されている。その一例として、他の波面補正デバイス108の断面を図3に示す。波面補正デバイス108は、入射光を反射する変形可能な膜状のミラー面129と、ベース部128と、これらに挟まれて配置されたアクチュエータ130と、ミラー面129を周囲から支持する不図示の支持部から構成されている。
アクチュエータ130の動作原理としては、静電力や磁気力、圧電効果を利用したものがあり、動作原理によってアクチュエータ130の構成は異なる。アクチュエータ130はベース部128上に二次元的に複数配列されていて、それらを選択的に駆動することにより、ミラー面129を自在に変形できるようになっている。一般的に可変形状ミラーは数十〜数百のアクチュエータで構成されている。
図1において、反射ミラー107−3、4で反射された光は、走査光学系109によって、1次元又は2次元に走査される。本実施形態では走査光学系109に主走査用(眼底水平方向)と副走査用(眼底垂直方向)として2つのガルバノスキャナーを用いた。より高速な撮像のために、走査光学系109の主走査用に共振スキャナーを用いることもある。走査光学系109内の各スキャナーを光学的な共役状態にするために、各スキャナーの間にミラーやレンズといった光学素子を用いる装置構成の場合もある。
図4は、眼底撮像装置が、被検眼の眼底を分割して撮像する様子を示す図である。161は眼底の2次元画像であり、162は黄斑、163は視神経乳頭である。164は眼底161を格子状に分割した状態を表したもので、水平方向、垂直方向にはそれぞれa〜p、1〜16のアドレスが割り振られており、眼底は16×16の256個に分割されて領域毎に撮像される。更に、格子一つは、走査光学系109により、主走査方向、副走査方向それぞれに、3μm角の画素256×256に分割されて読み取られる。撮像領域の指定は、後述するコントローラに接続されたマウスやキーボードを用いて行うことになる。
図1に戻り、走査光学系109で走査された測定光105は、接眼レンズ110−1及び110−2を通して眼111に照射される。122は、眼のレンズに相当する水晶体である。眼111に照射された測定光は眼底で反射又は散乱される。接眼レンズ110−1及び110−2の位置を調整することによって、眼111の視度にあわせて最適な照射を行うことが可能となる。ここでは、接眼部にレンズを用いたが、球面ミラー等で構成しても良い。
119はビームスプリッタである光分光器、120は固視灯である。ビームスプリッタ119は、被検眼に対して固視灯120からの光を、測定光105と共に被検眼に導くものである。固視灯120は、被検者に対して視線をどこに向けるかを指示するためのもので、液晶ディスプレイ、LEDを平面に格子状に並べたもの等で構成される。
図5は、固視灯120を構成する液晶ディスプレイ141の拡大図である。図5(a)に示すように、液晶ディスプレイ141上には142で示されるような十字形が点灯される。被検者に、十字形142の交点を見てもらうことにより、被検眼の動きを停止させることができる。また、十字形142の点灯位置を、液晶ディスプレイ141上で上下左右に移動させることにより、被検者の視線をコントロールし、被検眼の所望の領域を観察することが可能となる。固視灯120の液晶ディスプレイ141上には、眼底の撮像したい領域対して対象の位置に十字形142が点灯されることになる。図5(a)は眼底の中央上側領域を撮像したい場合に点灯された十字形142の状態を示している。
また、他の例としては、固視灯120は、図5(b)に示すように中心に十字形142を表示する。そして、被検者が常に正面を固視した状態で、主走査用ガルバノスキャナー、副走査用ガルバノスキャナーの回転角度の中心を変更することにより、眼111の中心から外れた領域を撮像することも可能である。
図6は、ガルバノスキャナーを示す図である。図6(a)及び図6(b)に示すように、ガルバノスキャナーのミラー1091の回転範囲を変更することにより、入射光1092に対する反射光1093のスキャン角度が変更され、眼底の撮像領域が変更されることになる。
眼111の網膜から反射又は散乱された反射光は、入射した時の経路を逆向きに進行し、光分割部106によって一部は波面センサー115に反射され、光線の波面を測定するために用いられる。
図7は、波面センサー115の模式図である。波面センサー115としてシャックハルトマンセンサーを用いた。131は波面を測定する光線であり、マイクロレンズアレイ132を通して、CCDセンサー133上の焦点面134に集光される。図7(b)は、図7(a)のA−A'で示す位置から見た様子を示す図である。図7(b)は、マイクロレンズアレイ132が、複数のマイクロレンズ135から構成されている様子を示したものである。光線131は、各マイクロレンズ135を通してCCDセンサー133上に集光される。このため、光線131は、マイクロレンズ135の個数分のスポットに分割されて集光される。
図8は、CCDセンサー133を示す図である。各マイクロレンズを通過した光線はスポット136に集光される。そして、この各スポット136の位置から、入射した光線の波面が計算される。
図9(a)は、球面収差を持つ波面の測定結果の模式図である。光線131は、137で示すような波面で形成されている。光線131はマイクロレンズアレイ132によって、波面の局所的な垂線方向の位置に集光される。この場合のCCDセンサー133の集光状態を図9(b)に示す。光線131が球面収差を持つため、スポット136は中央部に偏った状態で集光される。この位置を計算することによって、光線131の波面が検出できる。本実施形態では波面センサーにシャックハルトマンセンサーを用いたが、それに限定されるものではなく、曲率センサーのような他の波面測定手段や、結像させた点像から逆計算で求めるような方法を用いても良い。
図1において、光分割部106を透過した反射光は光分割部104によって一部が反射され、コリメータ112、光ファイバー113を通して光強度センサー114に導光される。光強度センサー114で光は電気信号に変換され、制御部117によって眼底画像として画像に構成されて、ディスプレイ118に表示される。
波面センサー115は、補償光学制御部116に接続され、受光した波面を補償光学制御部116に伝える。波面補正デバイス108も補償光学制御部116に接続されており、補償光学制御部116から指示された変調を行う。補償光学制御部116は、波面センサー115によって取得された波面を、収差のない波面へと補正するような変調量(補正量)を計算し、波面補正デバイス108に波面を補正するように変調するように指令する。波面の測定と波面補正デバイスへの指示は繰り返し処理され、常に最適な波面となるようにフィードバック制御が行われる。
本実施形態では、測定した波面をZernike関数にモデル化して各次数にかかる係数を算出し、その係数を元に波面補正デバイス108の変調量を算出する。変調量の算出において、補償光学制御部116は、波面補正デバイスがZernike各次数の形状を形成するための基準変調量を元に、測定された全てのZernike次数の係数に関して基準変調量を乗算する。補償光学制御部116は、さらにそれらすべてを積算することによって最終的な変調量を得る。
また、本実施形態では波面補正デバイス108として画素数600×600の反射型液晶空間位相変調器を用いたので、360000画素それぞれの変調量を上記の算出方法に従って算出する。例えばZernike関数の1次〜4次までの係数を用いた計算を行う場合には、Z1−1,Z1+1,Z2−2,Z2−0,Z2+2,Z3−3,Z3−1,Z3+1,Z3+3,Z4−4,Z4−2,Z4−0,Z4+2,Z4+4の14の係数に関して基準変調量との乗算を、上記360000画素に対して行う。
また、Zernike関数の1次〜6次までの係数を用いた計算を行う場合には、Z1−1,Z1+1,Z2−2,Z2−0,Z2+2,Z3−3,Z3−1,Z3+1,Z3+3,Z4−4,Z4−2,Z4−0,Z4+2,Z4+4,Z5−5,Z5−3,Z5−1,5+1,Z5+3,Z5+5,Z6−6,Z6−4,Z6−2,Z6−0,Z6+2,Z6+4,Z6+6の27の係数に関して基準変調量との乗算を、上記360000画素に対して行う。
眼の収差の大部分を占めるのは、近視や遠視、乱視といった低次の収差であるが、それ以外に眼の光学系の微小な凹凸や涙液層の乱れに起因するより高次の収差が存在する。眼の収差をZernike関数系で表現する場合、近視、遠視や乱視であるZernike2次関数が大部分を占め、Zernike3次関数やZernike4次関数が若干含まれ、さらにはZernike5次や6次といった高次の関数がわずかに含まれる。光学系の一部に被検眼が含まれていることで光学系が不確定な状態であるため、一般的に1回の収差測定と補正では低い収差の波面に到達することは困難で、収差測定と補正を繰り返して撮像可能な収差まで補正が行われる。
眼底撮像装置は、制御部117で制御される。図10は、制御部117を示す図である。図10に示すように、制御部117は、CPU152、I/O制御部153、メモリ154で構成されている。CPU152、プログラムに従って、眼底撮像装置を制御する。メモリ154には、眼底撮像装置で撮像した被検者の眼の収差情報が、被検眼の撮像領域毎に格納されている。具体的には、図4の165で示したような撮像領域のアドレス(f,6)、更にその領域を撮像した時の補正値が格納される。I/O制御部153は、CPU152からの命令に従って、不図示のマウス、キーボード、バーコードリーダ、走査光学系109、補償光学制御部116、制御部117等を駆動する。また、I/O制御部153は、通信制御する。
なお、後述する眼底撮像装置の機能や処理は、CPU152がメモリ154に格納されているプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより実現されるものである。
図11は、眼底撮像装置による撮像処理を示すフローチャートである。まず、検者は、図示しないマウス、キーボード、更にはバーコードリーダ等を用い、被検者に対する被検眼の複数の撮像領域と、各撮像領域の撮像順番と、各撮像領域の繰り返し撮像枚数と、を指定する。これに対し、S101において、CPU152は、撮像対象の撮像領域、撮像順番及び撮像枚数の指定を受け付ける。
眼底撮像装置は、同一領域を複数回撮像し、画像を重ね合わせることにより鮮明な画像を形成すべく、指定された撮像枚数に対応する回数の撮像が終了するまで、同一領域を連続で撮像する。図12は、被検眼の撮像領域を示す図である。図12は、1番から8番まで撮像順番の、8か所の撮像領域が指定されたことを示している。撮像が開始されると順次1番から8番の領域が自動的に撮像される。
図11に戻り、S101の後、S102において、補償光学制御部116は、収差補正を行う。図13は、収差補正処理(S102)における詳細な処理を示すフローチャートである。S201において、補償光学制御部116は、S101において指定された複数の撮影領域の中の1つの撮影領域を収差補正処理の対象領域として選択する。次に、S202において、補償光学制御部116は、Zernike関数にモデル化して各次数にかかる係数、すなわち初期値を、対象領域の収差補正値としてセットする。初期補正値は「0」とするが、波面補正デバイス108、その他光学系部材に固有の収差が存在する場合は、それらの収差を補正する値でもよい。
次に、S203において、補償光学制御部116は、S201でセットされた収差補正値に応じて波面補正デバイス108を駆動し、対象領域の収差を補正する。次に、S204において、補償光学制御部116は、波面センサー115で収差量を測定する。次に、S205において、補償光学制御部116は、測定された収差量が基準値未満か否かを判断する。ここで、基準値は、メモリ154等に予め設定されているものとする。
補償光学制御部116は、収差量が基準値以上の場合には(S205でNo)、処理をS206へ進める。S206において、補償光学制御部116は、収差量を補正するような変調量(補正量)を算出する。次に、S207において、補償光学制御部116は、Zernike関数にモデル化して各次数にかかる係数を、収差補正値として算出し、これを補償光学制御部116にセットする。補償光学制御部116は、収差量が基準値よりも小さくなるまで、S203〜S207の工程を繰り返す。補償光学制御部116は、収差量が基準値よりも小さくなると(S205でYes)、処理をS208へ進める。
S208において、補償光学制御部116は、撮像許可状態とする。次に、S209において、補償光学制御部116は、対象領域の領域IDに対応付けて、撮像領域の位置を示す位置情報と、収差補正値とをメモリ154等に記録する。
次に、S210において、補償光学制御部116は、指定されたすべての撮像領域に対する収差補正値の記録が終了したか否かを判断する。補償光学制御部116は、すべての撮像領域に対する収差補正値の記録が終了した場合には(S210でYes)、収差補正処理(S102)を終了する。
補償光学制御部116は、未処理の撮像領域が存在する場合には(S210でNo)、処理をS211へ進める。S211において、補償光学制御部116は、撮像許可を解除する。次に、S212において、補償光学制御部116は、ユーザから収差量の再測定指示を受け付けたか否かを判断する。補償光学制御部116は、再測定指示を受け付けなかった場合には(S212でNo)、処理をS213へ進める。補償光学制御部116は、撮像領域の再測定指示を受け付けた場合には(S212でYes)、処理をS203に進める。この場合、補償光学制御部116は、再度収差測定を行い、より適切な収差補正値を得る。
S213において、補償光学制御部116は、対象領域を未処理の撮像領域に変更する。このとき、補償光学制御部116は、メモリ154等に収差補正値が記録されていない撮像領域を未処理の撮像領域として特定する。次に、S214において、補償光学制御部116は、新たな対象領域の近接領域内に、既に収差補正値が算出されている撮像領域が存在するか否かを判定する。ここで、近接領域は、対象領域の位置を基準として定める領域である。本実施形態においては、対象領域を中心とし、上下左右に5×5領域分の領域を近接領域とする。例えば、図4に示すように指定された領域165のアドレスが(f,6)の場合、近接領域は、アドレス(d,4),(h,4),(d,8),(h,8)の領域で囲まれた領域166となる。なお、近接領域は、例えばメモリ154に予め設定されているものとする。以降において、既に収差補正値が算出されている撮像領域を算出済領域と称することとする。
補償光学制御部116は、メモリ154において、近接領域内のアドレスに対応付けられている収差補正値が記録されている場合に、算出済領域が存在すると判断する。補償光学制御部116は、近接領域内に算出済領域が存在する場合には(S214でYes)、処理をS215へ進める。補償光学制御部116は、近接領域内に算出済領域が存在しない場合には(S214でNo)、処理をS203へ進める。
S215において、補償光学制御部116は、近接領域内に存在する算出済領域のうち、処理対象の撮像領域に最も近い位置に存在する算出済領域を参照領域として決定する。そして、補償光学制御部116は、参照領域の収差補正値を、対象領域の収差補正値の初期値として決定し、これを対象領域の収差補正値としてセットする。ここで、S215の処理は、算出済領域と対象領域の間の距離に基づいて、参照領域を決定する参照領域決定処理の一例であり、また、対象領域の収差補正値の初期値を決定する初期値決定処理の一例である。
次に、S216において、補償光学制御部116は、撮像領域の変更、即ち主走査用ガルバノスキャナー、副走査用ガルバノスキャナーの回転角度の中心の変更が終了したか否かを判断する。補償光学制御部116は、対象領域の変更が終了するまで待機し(S216,S217)、対象領域の変更が終了した場合には(S216でYes)、処理をS203へ進める。
このように、本実施形態の補償光学制御部116は、対象領域の変更が終了するまで収差補正動作を行わない。これは、領域移動中に測定される収差量と次に処理対象となる撮像領域の収差量に著しい差異がある場合、撮像領域変更中に収差補動作を実施すると、収差補正に要する時間が長くなってしまう可能性があるからである。
以上のように、S203〜S217の処理を繰り返すことにより、指定されたすべての撮像領域の収差補正が完了する。なお、S215、S215の処理の後のS203〜S207の処理は、算出済領域の収差補正値に基づいて、対象領域の収差補正値を算出する、補償光学制御部116による処理は、算出処理の一例である。
図11に戻り、S102の処理の後、S103において、CPU152は、S101において指定された、第1の撮像領域を処理対象の撮像領域、すなわち対象領域として選択する。ここで、第1の撮像領域は、S101において指定された撮像領域のうち、1番目の撮像順番が指定された撮像領域である。次に、S104において、CPU152は、対象領域の撮像準備を行う。CPU152は、具体的には、図5(b)のように固視灯120を構成する液晶ディスプレイ141の中央に十字形142を点灯させる。被検者が十字形142を固視することにより、図12の1番の領域の撮像準備が完了する。
本実施形態では、眼底撮像装置は、前述したように固視灯120に点灯する十字形142の位置を中央に固定する。そして、眼底撮像装置は、被検者が撮像期間中ずっと正面を固視した状態において、主走査用ガルバノスキャナー、副走査用ガルバノスキャナーの回転角度の中心を変更することにより、指定された撮像領域を順次撮像する。
次に、S105において、CPU152は、補償光学制御部116により撮像許可状態とされているか否かを確認し、撮像許可状態となるまで待機する(S105,S106)。CPU152は、撮像許可状態となると(S105でYes)、処理をS107へ進める。S107において、CPU152は、対象領域の撮像制御を行う。これにより、S101において指定された枚数分の、対象領域の眼底画像が得られる。
次に、S108において、CPU152は、撮像が行われていない未処理の撮像領域が存在するか否かを確認する。CPU152は、未処理の撮像領域が存在する場合には(S108でYes)、処理をS109へ進める。CPU152は、すべての撮像領域の撮像が完了した場合には(S108でNo)、処理を終了する。
S109において、CPU152は、対象領域を、次の撮像順番の撮像領域に変更する。具体的には、CPU152は、主走査用ガルバノスキャナー、副走査用ガルバノスキャナーの回転角度の中心を変更することにより、指定された撮像領域の撮像準備を行う。このとき、上述したように、撮像領域の変更中は、収差補正動作を停止する。そして、CPU152は、S109の処理の後、処理をS104へ進める。以上のように、S104〜S109の処理を繰り返すことにより、指定されたすべての撮像領域の撮像が完了する。
例えば、図12に示す1〜8番の撮像領域が指定されたとする。この場合、眼底撮像装置は、2番目の領域については、1番目の領域の収差補正値を初期値として収差補正を開始する。眼底撮像装置はまた、3番目の領域については、1番目の領域の収差補正値を初期値として収差補正を開始し、4番目の領域については、3番目の領域の収差補正値を初期値として収差補正を開始する。
眼底撮像装置はまた、5番目の領域については、1番目の領域の収差補正値を初期値として収差補正を開始し、6番目の領域については、2番目の領域の収差補正値を初期値として収差補正を開始する。眼底撮像装置はまた、7番目の領域については、1番目の領域の収差補正値を初期値として収差補正を開始し、8番目の領域については、7番目の領域の収差補正値を初期値として収差補正を開始する。
図14は、収差補正回数と収差量の関係を表したグラフである。横軸が収差補正回数、すなわち図12のフローチャートのS203〜S207のループの回数であり、収差補正に要する時間を表している。縦軸は、収差量を表している。173は、従来の方法で収差補正の状態を表す曲線であり、172は、本実施形態の差眼底撮像装置による収差補正の状態を表す曲線である。また、171は、S205で収差量の大きさを比較する基準値である。図14に示すように、従来の方法では、補正処理の開始から補正時間bが経過した時点で撮像が開始されるのに対し、本実施形態にかかる収差補正においては、補正時間aで撮像を開始することができる。
また、一般に制御量を目標値に収束させるクローズド制御では、制御ゲインを上げることで残差を小さくすることができ、また収束までの時間を短縮することができる。特に、制御を開始する際には、目標値に対しての残差が大きいため、この期間の制御ゲインを高くすることが収束の短時間化には有効である。これは残差の推移を急峻にすることに相当する。残差の推移が急峻とは、その推移に高い周波数成分を多く含むことを意味する。
一般にデバイスの応答性では、高い周波数成分は応答の遅れが大きく、これが180°を超えてしまうと、残差を減らすべき際に、逆に増やしてしまい、残差を収束させることができなくなってしまう。これに対し、本実施形態の眼底撮像装置は、初期の残差が小さい状態で収束制御を開始できるので、ここで述べた残差の推移の高周波成分での遅れの影響を受けにくく、制御ゲインを上げても発振しにくい状態が実現できる。さらに、眼底撮像装置は、この制御ゲインを大きくできることによって、収束までの時間を短時間化できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態にかかる眼底撮像装置は、撮像領域毎に収差補正と撮像とを連続して行う。図15は、第2の実施形態にかかる眼底撮像装置による、撮像処理を示すフローチャートである。S301において、CPU152は、撮像領域、撮像順番及び撮像枚数の指定を受け付ける。次に、S302において、CPU152は、S301において指定された1番目の撮影領域を対象領域として選択する。次に、S303において、CPU152は、対象領域の撮像準備を行う。次に、S304において、補償光学制御部116は、初期値を対象領域の収差補正値としてセットする。
なお、S301,S302,S303,S304の処理は、それぞれ第1の実施形態におけるS101,S103,S104,S202の処理と同様の処理である。
次に、S305において、補償光学制御部116は、S304でセットされた補正値に応じて波面補正デバイス108を駆動し、収差を補正する。次に、S306において、補償光学制御部116は、波面センサー115で収差量を測定する。次に、S307において、補償光学制御部116は、測定された収差量が基準値未満か否かを判断する。ここで、基準値は、メモリ154等に予め設定されているものとする。
補償光学制御部116は、収差量が基準値以上の場合には(S307でNo)、処理をS308へ進める。S308において、補償光学制御部116は、収差量を補正するような変調量(補正量)を算出する。次に、S309において、補償光学制御部116は、Zernike関数にモデル化して各次数にかかる係数を、収差補正値として算出し、これを補償光学制御部116にセットする。
なお、S305〜S309の処理は、それぞれ第1の実施形態に係るS203〜S207の処理と同様である。そして、第2の実施形態においては、補償光学制御部116は、S307において、収差量が基準値未満となった場合に処理をS310へ進める。
S310において、CPU152は、対象領域の撮像制御を行う。これにより、S101において指定された枚数分の、対象領域の眼底画像が得られる。次に、S311において、補償光学制御部116は、対象領域の領域IDに対応付けて、撮像領域の位置を示す位置情報と、収差補正値とをメモリ154に記録する。
次に、S312において、CPU152は、撮像が行われていない未処理の撮像領域が存在するか否かを確認する。CPU152は、未処理の撮像領域が存在する場合には(S312でYes)、処理をS313へ進める。CPU152は、すべての撮像領域の撮像が完了した場合には(S312でNo)、処理を終了する。S313において、CPU152は、対象領域を、次の撮像順番の撮像領域に変更する。次に、S314において、CPU152は、変更後の撮像領域の撮像準備を行う。S310、S311、S313、S314の処理は、それぞれ第1の実施形態にかかるS107、S209、S108、S109の処理と同様である。
次に、S315において、補償光学制御部116は、新たな対象領域の近接領域内に、算出済領域が存在するか否かを判定する。補償光学制御部116は、近接領域内に算出済領域が存在する場合には(S315でYes)、処理をS316へ進める。補償光学制御部116は、近接領域内に算出済領域が存在しない場合には(S315でNo)、処理をS304へ進める。S316において、補償光学制御部116は、近接領域内に存在する算出済領域のうち、処理対象の撮像領域に最も近い位置に存在する算出済領域(対象領域との距離が最小となる算出済領域)を参照領域として決定する。そして、補償光学制御部116は、参照領域の収差補正値を、対象領域の収差補正値の初期値として決定し、これを対象領域の収差補正値としてセットする。
次に、S317において、補償光学制御部116は、撮像領域の変更が終了したか否かを判断する。補償光学制御部116は、対象領域の変更が終了するまで待機し(S317,S318)、対象領域の変更が終了した場合には(S317でYes)、処理をS305へ進める。S315〜S318の処理は、それぞれ第1の実施形態にかかるS214〜S217の処理と同様である。
以上のように、S305〜S317の処理を繰り返すことにより、指定されたすべての撮像領域の収差補正及び撮像を順次行うことができる。なお、第2の実施形態に係る眼底撮像装置のこれ以外の構成及び処理は、第1の実施形態に係る眼底撮像装置の構成及び処理と同様である。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る眼底撮像装置は、複数の算出済領域の収差補正値と、複数の算出済領域それぞれと対象領域の間の距離とに基づいて、対象領域の収差補正値の初期値を決定する。具体的には、眼底撮像装置は、各算出領域の収差補正値に距離に応じた重みを付与する。そして、眼底撮像装置は、距離に応じて重み付けされた、各算出済領域の収差補正値の和を、対象領域の収差補正値の初期値として算出する。
例えば、図16(a)に示すように、対象領域が領域Aであり、近接領域内に算出済領域として領域B、C、Dが存在するとする。ここで、領域A、B、C、Dの収差補正値をa、b、c、dとし、領域B、C、Dの領域Aとの距離をそれぞれ、2、4、2とする。この場合、眼底撮像装置は、(式1)により領域Aの収差補正値aを算出する。
a=b/2+c/4+d/2 (式1)
また、眼底撮像装置は、図16(b)に示すように、領域B、C、Dが領域Aに重なっている場合も距離に応じて補正値を算出すれば良い。
なお、第3の実施形態にかかる眼底撮像装置のこれ以外の構成及び処理は、他の実施形態に係る眼底撮像装置の構成及び処理と同様である。
また、他の例としては、眼底撮像装置は、直前に得られた算出済領域と対象領域の距離が閾値以上の場合には、複数の算出済領域それぞれの収差補正値に基づいて、対象領域の収差補正値の初期値を決定することとしてもよい。さらに、眼底撮像装置は、距離が閾値未満の場合には、直前の算出済領域の収差補正値を対象領域の収差補正値の初期値として決定し、これを対象領域の収差補正値の初期値として決定することとしてもよい。
なお、実施形態に係る眼底撮像装置は、マウス等により複数の撮像領域の指定を個々に受け付けることとしたが、これに限定されるものではない。他の例としては、図17に示すように、眼底撮像装置は、予め設定された撮像モードに応じて、撮像領域を自動的に設定してもよい。図17(a)、図17(b)、図17(c)は、それぞれ異なる撮像モードにおいて設定されている撮像領域を示す図である。このように、眼底撮像装置は、例えばメモリ154等に図17に示す撮像モード毎の撮像領域の設定情報を記憶しているものとする。
また、他の例としては、制御部117は、補償光学制御部116として機能してもよい。すなわち、実施形態において説明した補償光学制御部116の処理を制御部117のCPU152が行ってもよい。
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
以上、上述した各実施形態によれば、AOを用いる眼底撮像装置において、眼の収差補正に要する時間を短縮することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
101:光源
102:光ファイバー
104:光分割部
105:測定光
106:光分割部
108:波面補正デバイス
109:走査光学系
110:接眼レンズ
116:補償光学制御部
117:制御部
118:ディスプレイ
119:光分割部
120:固視灯
121:解像度変更部

Claims (8)

  1. 被検眼の眼底に対して測定光を走査する走査光学系と、
    前記眼底を撮像するための複数の撮像モードであって、前記眼底の第1の領域群の設定情報に対応する第1の撮影モードと、前記眼底の第2の領域群の設定情報に対応する第2の撮影モードとを含む前記複数の撮影モードの何れかを設定する設定手段と、
    前記設定された撮像モードに対応する設定情報を用いて前記走査光学系が制御されることにより、前記眼底の複数の領域を順番に連続して撮像する撮像手段と、
    前記複数の領域のうち収差補正値が既に算出されている算出済領域であって、かつ前記複数の領域のうち収差補正値の算出の対象となる対象領域を基準として定まる近接領域内に存在する算出済領域を、参照領域として決定する領域決定手段と、
    前記近接領域内に前記参照領域が存在する場合に、前記参照領域の収差補正値を、前記対象領域の収差補正値の初期値として決定し、前記近接領域内に前記参照領域が存在しない場合に、予め定められた値を、前記対象領域の収差補正値の初期値として決定する初期値決定手段と、
    前記対象領域の収差を測定する測定手段と、
    前記対象領域の収差補正を行う収差補正手段と、
    前記収差補正手段に収差補正を行わせる第1の制御及び第2の制御であって、前記初期値に関する情報を用いて前記収差補正手段の前記第1の制御を実行し、前記第1の制御を実行した後に前記測定された収差に関する情報を用いて前記収差補正手段の前記第2の制御を実行する制御手段と、
    を有することを特徴とする眼底撮像装置。
  2. 前記初期値決定手段は、前記近接領域内に存在する算出済領域のうち、前記対象領域に最も近い位置に存在する算出済領域を、前記参照すべき算出済領域として決定することを特徴とする請求項1に記載の眼底撮像装置。
  3. 前記制御手段は、前記対象領域を変更する期間は前記収差補正を行わないように、前記収差補正手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の眼底撮像装置。
  4. 前記撮像手段は、前記撮像モードに対応する同一の領域の撮像枚数に関する情報を用いて、前記複数の領域を前記順番に連続して撮像することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の眼底撮像装置。
  5. 前記設定された撮像モードが異なる場合には、前記複数の領域の位置又は数が異なることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の眼底撮像装置。
  6. 前記撮像手段は、前記設定手段により設定された撮影モードに対応する領域群に属する複数の領域の収差補正が行われた後で、前記複数の領域それぞれの収差補正の結果を用いて撮像を順に開始することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の眼底撮像装置。
  7. 眼底撮像装置が実行する収差補正方法であって、
    前記眼底撮像装置の走査光学系が被検眼の眼底に対して測定光を走査する走査ステップと、
    前記眼底を撮像するための複数の撮像モードであって、前記眼底の第1の領域群の設定情報に対応する第1の撮影モードと、前記眼底の第2の領域群の設定情報に対応する第2の撮影モードとを含む前記複数の撮影モードの何れかを設定する設定ステップと、
    前記設定された撮像モードに対応する設定情報を用いて前記走査光学系が制御されることにより、前記眼底の複数の領域を順番に連続して撮像する撮像ステップと、
    前記複数の領域のうち収差補正値が既に算出されている算出済領域であって、かつ前記複数の領域のうち収差補正値の算出の対象となる対象領域を基準として定まる近接領域内に存在する算出済領域を、参照領域として決定する領域決定ステップと、
    前記近接領域内に前記参照領域が存在する場合に、前記参照領域の収差補正値を、前記対象領域の収差補正値の初期値として決定し、前記近接領域内に前記参照領域が存在しない場合に、予め定められた値を、前記対象領域の収差補正値の初期値として決定する初期値決定ステップと、
    前記対象領域の収差を測定する測定ステップと、
    収差補正手段に収差補正を行わせる第1の制御及び第2の制御であって、前記初期値に関する情報を用いて前記収差補正手段の前記第1の制御を実行し、前記第1の制御を実行した後に前記測定された収差に関する情報を用いて前記収差補正手段の前記第2の制御を実行する制御ステップと
    を含むことを特徴とする収差補正方法。
  8. コンピュータを、請求項1乃至6の何れか1項に記載の眼底撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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