JP5511324B2 - 補償光学装置、補償光学方法、撮像装置、撮像方法 - Google Patents
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Description
特に、被検眼の収差を測定して補正する機能を有し、複数の分解能で撮像することが可能な補償光学装置、補償光学方法、撮像装置、撮像方法に関する。
この低コヒーレンス光の干渉を利用したイメージング装置は、OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層装置あるいは光干渉断層法)と呼ばれ、特に、眼底あるいはその近傍の断層像を得る目的で用いられている。
OCTの種類としては、TD−OCT(Time Domain OCT:タイムドメイン法)や、SD−OCT(Spectral Domain OCT:スペクトラルドメイン法)等を含め、種々のものが開発されてきている。
しかしながら、眼底を撮像する場合には、角膜や水晶体等の眼の光学組織を通して撮像をしなければならない。
高解像度化が進むに連れて、これら角膜や水晶体の収差の影響が撮像画像の画質に大きく影響するようになってきた。
そこで、眼の収差を測定し、その収差を補正する補償光学系であるAO(Adaptive Optics)を光学系に組み込んだ、AO−SLOやAO−OCTの研究が進められている。
例えば、非特許文献1に、AO−OCTの例が示されている。これらAO−SLOやAO−OCTは、一般的にはシャックハルトマン波面センサー方式によって眼の波面を測定する。
シャックハルトマン波面センサー方式とは、眼に測定光を入射し、その反射光をマイクロレンズアレイを通してCCDカメラに受光することによって波面を測定するものである。
測定した波面を補正するように可変形状ミラーや、空間位相変調器を駆動し、それらを通して眼底の撮像を行うことにより、AO−SLOやAO−OCTは高分解能な撮像が可能となる。
上記したAOによってこの収差を補正するのであるが、波面を補正する可変形状ミラーや空間位相変調器の補正量には限界があるため、被検眼によっては収差の補正を十分行うことが出来ない。
十分な補正が出来ないと、高い分解能が達成できないだけでなく、センサーに受光する信号光の強度が低下し、低い分解能で撮像したときよりも撮像感度が低下してしまうこととなる。
また、従来においては、撮像している分解能で適切な収差補正が行われているか否かを撮影者が知ることができなかったことから、撮影者は撮像している画像から補正状態を判断するしかなく、技能が要求された。
また、被検眼に適した分解能を選択することが困難であった。
本発明の補償光学装置は、測定対象からの戻り光に基づいて、該測定対象により生じる収差を測定する収差測定手段と、
前記収差測定手段により測定した収差に応じて、前記測定対象により生じる収差を補正する収差補正手段と、
前記収差測定手段により測定した収差に基づいて、光源からの光の径を変更する変更手段と、
前記変更手段により変更した径の光を前記測定対象に照射する照射手段と、
を有することを特徴とする。
また、本発明の補償光学方法は、測定対象からの戻り光に基づいて、該測定対象により生じる収差を測定する工程と、
前記測定した収差に応じて、前記測定対象により生じる収差を補正する工程と、
前記測定した収差に基づいて、光源からの光の径を変更する工程と、
前記変更した径の光を前記測定対象に照射する工程と、
を有することを特徴とする。
また、本発明の撮像装置は、測定光を照射した測定対象からの戻り光の収差を測定する収差測定手段と、
前記収差測定手段の測定結果に基づいて、前記測定光と前記戻り光とのうち少なくとも1つの収差を補正する収差補正手段と、
前記測定光の合焦位置を第1の位置から前記第1の位置とは深さ方向に異なる第2の位置に変更する位置変更手段と、
前記収差測定手段により測定した収差量が所定値以下である場合に、前記第1及び第2の位置で前記測定対象の複数の画像が取得されるように、前記位置変更手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする。
また、本発明の撮像方法は、上記した補償光学方法の各工程を含む撮像方法であって、
前記照射した光による前記測定対象からの戻り光に基づいて該測定対象の画像を取得する工程を有することを特徴とする。
また、本発明の撮像方法は、測定光を照射した測定対象からの戻り光の収差を測定する工程と、
前記測定した収差に応じて、前記測定光と前記戻り光とのうち少なくとも1つの収差を補正する工程と、
前記測定した収差量が所定値以下である場合に、深さ方向に異なる第1及び第2の位置で前記測定対象の複数の画像が取得されるように、前記測定光の合焦位置を前記第1の位置から前記第2の位置に変更する位置変更手段を制御する工程と、
を有することを特徴とする。
実施例1として、図1を用いて本発明を適用した補償光学系装置(補償光学系と記す。)を備えたSLOによる被検査物の光画像を取得する撮像装置および補償光学方法の構成例について説明する。
なお、本実施例は、測定対象である被検査物を眼とし、眼で発生する収差を補償光学系で補正し、眼底を撮像するようにした一例について説明する。
図1においては、101は光源であり、本実施例では波長840nmのSLD光源(Super Luminescent Diode)を用いた。
光源101の波長は特に制限されるものではないが、眼底撮像用としては被検者の眩しさの軽減と分解能維持のために、800〜1500nm程度が好適に用いられる。
本実施例においてはSLD光源を用いたが、その他にレーザ等も用いられる。
また、本実施例では眼底撮像と波面測定のための光源を共用しているが、それぞれを別光源とし、途中で合波する構成としても良い。
照射された測定光105は光分割部104を透過し、分解能設定部117に入射する。分解能設定部117は入射したビーム径を変化させて出射することにより、撮像分解能を変更する。
分解能設定部117は制御部118からの分解能の変更指示により制御される。
ここで、光分割部104としては、ビームスプリッタ等を、分解能設定部117としては複数のレンズを用いてその位置関係を調整する構成等を用いれば良い。分解能設定部117を透過した測定光は、補償光学系に導光される。
補償光学系は、光分割部106、波面センサー115、波面補正デバイス108および、それらに導光するための反射ミラー107−1〜4から構成される。
ここで、反射ミラー107−1〜4は、少なくとも眼の瞳と波面センサー115、波面補正デバイス108とが光学的に共役関係になるように設置されている。また、光分割部106としてはビームスプリッタ等を用いる。
可変形状ミラーとは、局所的に光の反射方向を変えることができるものであり、様々な方式のものが実用化されている。
例えば、その断面を図3(a)に示すようなデバイスである。
入射光を反射する変形可能な膜状のミラー面127と、ベース部126と、これらに挟まれて配置されたアクチュエータ128と、ミラー面127を周囲から支持する不図示の支持部から構成されている。
アクチュエータ128の動作原理としては、静電力や磁気力、圧電効果を利用したものがあり、動作原理によってアクチュエータ128の構成は異なる。
アクチュエータ128はベース部126上に二次元的に複数配列されていて、それらを選択的に駆動することにより、ミラー面127を自在に変形できるようになっている。
図3(b)に反射型液晶光変調器の模式図を示す。
この空間位相変調器はベース部129とカバー130に挟まれた空間に液晶分子132が封入されている構造となっている。ベース部129には複数の画素電極131を有し、カバー130には不図示の透明な対向電極を有している。
電極間に電圧を印加していない場合には、液晶分子は132−1のような配向をしており、電圧を印加すると132−2のような配向状態に遷移し、入射光に対する屈折率が変化する。
各画素電極の電圧を制御して各画素の屈折率を変化させることにより、空間的な位相変調が可能となる。
例えば、入射光133が素子に入射した場合、液晶分子132−2を通過する光は液晶分子132−1を通過する光よりも位相が遅れ、結果として図中134で示すような波面を形成する。
但し、液晶素子は偏光特性を有するため、入射光の偏光を調整するための偏光素子を具備することが多い。
本実施例では走査光学系109に主走査用(眼底水平方向)と副走査用(眼底垂直方向)として2つのガルバノスキャナーを用いた。
より高速な撮像のために、走査光学系109の主走査側に共振スキャナーを用いることもある。
構成によっては、走査光学系109内の各スキャナーを光学的な共役状態にするために、各スキャナーの間にミラーやレンズといった光学素子を用いる場合もある。
走査光学系109で走査された測定光は、接眼レンズ110−1および110−2を通して眼111に照射される。
眼111に照射された測定光は眼底で反射もしくは散乱される。接眼レンズ110−1および110−2の位置を調整することによって、眼111の視度にあわせて最適な照射を行うことが可能となる。
ここでは、接眼部にレンズを用いたが、球面ミラー等で構成しても良い。
本実施例では、波面センサー115として、図3(c−1)、(c−2)に示すようなシャックハルトマンセンサーを用いた。
図3(c−1)において、135が波面を測定する光線であり、マイクロレンズアレイ136を通して、CCDセンサー137上の焦点面138に集光される。図3(c−2)は、図3(c−1)のA−A’で示す位置の断面を示す図であり、マイクロレンズアレイ136が、複数のマイクロレンズ139から構成されている様子を示したものである。
光線135は各マイクロレンズ139を通してCCDセンサー137上に集光されるため、光線135はマイクロレンズ139の個数分のスポットに分割されて集光される。
図3(d)に、波面を測定する光線がCCDセンサー137上に集光された状態を示す。各マイクロレンズを通過した光線はスポット140に集光される。
光線135は141で示すような波面で形成されている。光線135はマイクロレンズアレイ136によって、波面の局所的な垂線方向の位置に集光される。
この場合のCCDセンサー137の集光状態を図3(e−2)に示す。
光線135が球面収差を持つため、スポット140は中央部に偏った状態で集光される。この位置を計算することによって、光線135の波面が分かる。
本実施例では波面センサーにシャックハルトマンセンサーを用いたが、それに限定されるものではなく、曲率センサーのような他の波面測定手段や、結像させた点像から逆計算で求めるような方法を用いても良い。
光強度センサー114で光は電気信号に変換され、制御部118によって眼底画像として画像に構成される。
波面センサー115は補償光学制御部116に接続され、受光した光線の波面を補償光学制御部116に伝える。
波面補正デバイス(可変形状ミラー)108も補償光学制御部116に接続されており、補償光学制御部116から指示された形状に変形する。
補償光学制御部116は波面センサー115から取得した波面を基に、収差のない波面へと補正するような形状を計算し、可変形状ミラー108にその形状に変形するように指令する。
波面の測定と可変形状ミラーへの指示は繰り返し処理され、常に最適な波面となるようにフィードバック制御が行われる。また、他の例においては、波面の測定に続いて可変形状ミラーへの指示が一回だけ行われるオープンループ制御を行う場合もある。
報知部119としてはディスプレイによって表示画面に表示し、報知する内容としては、シャックハルトマンセンサー115で測定した測定結果である波面収差の情報を表示する。
また、他の報知内容としては、光強度センサー114での受光強度でも良いし、補正デバイスの駆動量を報知しても良い。さらに、これらの現在値だけではなく、時間的な遷移を報知することも出来るし、予め設定されている閾値に達したかどうかを報知することも出来る。
また、本実施例においては、制御システム118が補正結果に応じて分解能設定部117を制御して分解能を変更する。
分解能を変更することによって、測定される収差は変化し、その収差を補正するように可変形状ミラー108がフィードバック制御される。
まず、ステップS101で制御を開始し、S102で分解能を設定する。
具体的には、制御部118が分解能設定部117を制御して測定光のビーム径を変更することにより設定する。
ここで、分解能は装置最高の分解能や最低の分解能を設定しても良いし、ちょうど中間程度の分解能を設定しても良い。
補償光学系の基本的なフローは、光源101からの測定光を眼111に照射した状態において、ステップS103で波面センサー115により収差を測定し、測定した結果を元にステップS105で補償光学制御部116により補正量を計算する。
そして、ステップS106で補償光学制御部116の制御に基づき補正デバイス108を駆動するというものが繰り返し行われる。
ここで、ステップS103で収差を測定した後に、ステップS104で収差量が予め設定された基準値を下回っており適正に収差補正が行われているかを制御部118により確認する。
基準値は装置固有の値でも良いし、撮影者が設定しても良い。
ステップ107において、制御部118は波面補正デバイス108の収差補正能力の限界であるかを確認する。
具体的には収差の変化率がある基準値以下になった場合もしくは、補正デバイスの駆動量が最大になっている場合に能力の限界であると判断する。
ステップS107で補正能力が限界でなければステップS103に戻り、上記処理が繰り返される。
この場合には補正能力が現状の分解能では補正能力が不足している旨の報知を行う。
そして、ステップS113において、設定されている分解能が装置の最低分解能かどうかを確認する。
設定されている分解能が最低の分解能ならば、ステップS110に進んで制御部118の制御の下で眼底画像の撮像を行い、ステップS111で終了する。
この場合には、装置の一番低い分解能で撮像することとなる。
最低分解能でなければステップS114で分解能が低くなるように制御部118によって分解能設定部117を制御する。そして、ステップ103に戻り、収差補正の繰り返し処理が再度行われる。
ステップS104において収差量が基準値を下回った場合には、ステップS108で収差量が基準値を下回った旨の報知を行い、ステップS109に進む。
ステップS109では、設定されている分解能が装置の最高分解能かを確認し、最高分解能ならばステップS110で眼底画像の撮像を行い、ステップS111で終了する。
この場合には、装置の一番高い分解能で撮像することとなる。
ステップS115では、既に分解能の変更が行われたことがあるかを確認し、前回の分解能の変更が分解能を低下させる変更であったかどうかを確認する。
この所定の条件に合致しなければ、ステップS116で分解能を向上させてステップS103に戻り、収差補正の処理が繰り返される。
ステップS115の条件に合致した場合、すなわち測定している収差に対して最適な分解能となった場合には、ステップS110で眼底画像の撮像を行い、ステップS111で終了する。
最初にステップS102で最低分解能に設定し、ステップS103で収差を測定する。この時点ではまだ収差の補正はされていないので、ステップS104では基準値に達していない。
ステップS105、S106で補正量の計算および波面補正デバイス108を駆動し、実際の補正を行う。ステップS107においては、まだ所定の条件には合致しないので、ステップS103に戻り、処理が繰り返される。
ある程度の繰り返しが行われると収差は十分小さくなり、ステップS104において基準値を下回ると判断される。その結果が報知され、ステップS109に進む。
最高分解能には設定されていないので、ステップS109からステップS115に進み、さらにステップS116に進む。ステップS116においては、任意の量だけ分解能が高く変更され、ステップS103に戻る。
ステップS103〜S107を数回繰り返すとまたS104で収差量が基準値を下回り、再度ステップS108〜S116の処理が行われて、分解能がさらに高く変更されてステップ103に戻る。
このような繰り返しを数回経ることによって、波面補正デバイス108の補正量の限界に達し、ステップS107の条件に合致する。
ここで、ステップS115の判断条件に合致するので、ステップS110で撮像が行われ、ステップS111で終了する。
ここでは最初に低い分解能を設定して処理を開始したが、高い分解能を設定して処理を開始しても良いし、より好ましくは装置の中間程度の分解能から処理を開始するのが良い。
本実施例では、ステップS110の撮像後にステップS111で終了しているが、眼底の連続撮像を行うような場合には、ステップS110からS103に戻り、分解能設定と撮像を繰り返しても良い。
このように、本実施例によれば、被検眼の収差と装置の性能に応じた適切な分解能で撮像することが可能となる。
実施例2として、図2を用いて本発明を適用した補償光学系を備えたOCTによる光画像撮像装置およびその制御方法について説明する。
図2において、101は光源であり、波長840nmのSLD光源を用いた。光源101は低干渉性のものであれば良く、波長幅30nm以上のSLDが好適に用いられる。
また、チタンサファイアレーザなどの超短パルスレーザなどを光源に用いることもできる。
光源101から照射された光は、単一モード光ファイバー102を通って、ファイバーカプラー120まで導光される。
ファイバーカプラー120によって、信号光経路121と参照光経路122に分岐される。ファイバーカプラーは10:90の分岐比のものを使用し、投入光量の10%が信号光経路121に行くように構成する。
信号光経路121を通った光は、コリメータ103により、平行光線として照射される。
コリメータ103以降の構成は実施例1と同様であり、補償光学系や走査光学系を通して眼111に照射し、眼111からの反射散乱光は再度同様の経路をたどって光ファイバー121に導光されてファイバーカプラー120に到達する。
ファイバーカプラー120に到達した信号光と参照光は合波され、光ファイバー125を通して分光器142に導光される。
分光器142によって分光された干渉光情報をもとに、制御部118によって眼底の断層像が構成される。制御部118は光路長可変部124を制御し、所望の深さ位置の画像を取得できる。
実施例1と同様に波面センサー115で波面を測定し、その波面収差をキャンセルするように波面補正デバイス108を駆動する。
また、補正結果の報知、分解能の変更を実施例1と同様の処理によって行うことにより、被検眼の収差と装置の性能に応じた適切な分解能で撮像することが可能となる。
OCTでは、複数の断層画像(Bスキャン)や平面画像(Cスキャン)を連続撮像する場合や、3次元画像の取得を行う場合があるが、そのような場合には本実施例の処理を繰り返し行っても良い。
OCTでは断層画像が得られるが、入射光のNAを大きくして分解能を高めると被写界深度が浅くなり、一つの断層画像中に合焦している部分と合焦していない部分が出来てしまう。
そこで、深さ方向の撮像範囲を被写界深度程度の幅に分割して撮像した後に、個々の深さの画像を結合し、全範囲でフォーカスが合った断層画像を得るという方法を取ることも可能である。
この場合、図4のステップS114やS116で変更された分解能に応じて1回の撮像で取得する深さ方向の範囲を変更することにより、合焦範囲の広い画像を速く容易に撮像することが可能となる。
実施例3として、図5のフローチャートを用いて、本発明を適用した補償光学系を備えたSLOによる実施例1とは異なる形態の光画像撮像装置の制御方法の構成例について説明する。
本実施例において、基本的な構成は実施例1とほぼ同様である。
まず、ステップS101で制御を開始する。そして、S102で分解能を設定するが、装置の最高の分解能すなわち、最大の入射ビーム径に設定する。
ここで、最大の入射ビームに設定するのは、瞳全域の収差を測定するためである。
次に、ステップS117で波面センサー115により収差を測定する。
上記したとおり瞳全域での収差を測定する。本ステップで測定した収差から、制御部118によりステップS118で補正量を計算し、ステップS119において補正量と波面補正デバイス108の最大駆動量とを比較する。
補正量が最大駆動量以下ならば、設定された分解能で補正可能であり、ステップS121−1でその旨を報知部119により報知してステップS103に進む。一方で、補正量が最大駆動量よりも大きい場合には、その分解能では補正能力が不足していることとなり、ステップS120に進む。
上記条件判断で用いる最大駆動量には、デバイス自体の駆動最大値を用いても良いが、好ましくは補正制御の誤差を含めてある程度余裕がある数値を用いるのが良い。
算出した結果をステップS121−2で報知し、算出した瞳径に応じてステップS122で分解能を変更する。その後、ステップS103に進む。
実施例1と同様に、ステップS103で収差を測定し、測定した結果を元にステップS105で補正量を計算し、ステップS106で補正デバイスを駆動するという処理が繰り返し行われる。
ステップS103で収差を測定した後に、ステップS104で収差量が予め設定された基準値を下回っているかを確認する。
収差量が基準値を上回っている場合には、ステップS105以降の処理が実行された後にステップS103に戻り、上記処理が繰り返される。
ステップS104において収差量が基準値を下回った場合には、ステップS110で眼底画像の撮像を行い、ステップS111で終了する。
このように、本提案の処理を行うことにより、非常に容易に適切な分解能で撮像することが可能となる。
実施例4として、図6のフローチャートを用いて、本発明を適用した補償光学系を備えたSLOによる実施例1及び実施例3とは異なる形態の光画像撮像装置の制御方法の構成例について説明する。
本実施例は、収差補正の結果として撮像光の強度(撮像信号強度)を報知し、この撮像光の強度を分解能変更の判断に用いる点に特徴を有している。
本実施例において、基本的な構成は実施例1とほぼ同様である。
まず、ステップS101で制御を開始し、S102で分解能を設定する。
ここで、分解能は装置最高の分解能や最低の分解能を設定しても良いし、ちょうど中間程度の分解能を設定しても良い。
次に、ステップS123で撮像光の強度を測定する。
本実施例において、撮像光の強度とは図1の光強度センサー114によって測定される光の強度のことを意味している。
測定した強度を元に、ステップS124で制御部118により基準値以上かを判断する。
この判断には上記光強度をそのまま使用しても良いし、値が安定するように単位時間での平均を用いても良い。また、網膜中の一点からの反射光の測定光でも良いし、光走査系を動作させることにより網膜中における任意の範囲の平均値を測定しても良い。
ステップS103で収差を測定し、測定した結果を元にステップS105で補正量を計算し、ステップS106で補正デバイスを駆動する。
ステップS126におい測定光の強度変化率が基準値よりも低い場合もしくは、補正デバイスの駆動量が最大の場合にはステップS127で補正の結果を報知する。
このようなケースとして、収差量が大きくて補正デバイスの限界性能を超えている場合や、例えば白内障のような収差以外の要因で撮像光強度が低下している場合と考えられる。
補正デバイスの限界性能を超えている場合には分解能を低下させて収差量を減らすことが有効であるし、白内障のような要因で光強度が低下している場合にも、細い入射ビームによって透過率の高い部位にビームを通して眼底撮像を行うことが有効である。
この場合には、装置の一番低い分解能で撮像することとなる。最低分解能でなければステップS114で分解能を低く変更する。そして、ステップ123に戻る。
ステップS124で撮像光強度が基準値を上回っていると判断された場合には、S125に進んで撮像光強度が強いことを報知する。
その後、実施例1と同様にステップS109に進み、設定されている分解能が装置の最高分解能かを確認する。
最高分解能ならばステップS110で眼底画像の撮像を行い、ステップS111で終了する。この場合には、装置の一番高い分解能で撮像することとなる。
ステップS109において、設定されている分解能が装置の最高分解能ではないと判断した場合には、ステップS115に進む。ステップS115では、既に分解能の変更が行われたことがあるかを確認し、前回の分解能の変更が分解能を低下させる変更であったかどうかを確認する。
この所定の条件に合致しなければ、ステップS116で分解能を向上させてステップS123に戻り、一連の処理が繰り返される。
ステップS115の条件に合致した場合、すなわち測定している収差に対して最適な分解能となった場合には、ステップS110で眼底画像の撮像を行い、ステップS111で終了する。
このように、本実施例によれば、被検眼の状態と装置の性能に応じた適切な分解能で撮像することが可能となる。
また、以上で説明した各実施例での光画像撮像装置の制御方法において、これらの制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを作製し、このプログラムを記憶媒体に記憶させ、コンピュータに読み取らせるように構成することができる。
102:光ファイバー
103:コリメータ
104:光分割部
105:測定光
106:光分割部
107:反射ミラー
108:波面補正デバイス
109:走査光学系
110:接眼レンズ
111:眼
112:コリメータ
113:光ファイバー
114:光強度センサー
115:波面センサー
116:補償光学制御部
117:分解能設定部
118:制御部
119:報知部
Claims (25)
- 測定対象からの戻り光に基づいて、該測定対象により生じる収差を測定する収差測定手段と、
前記収差測定手段により測定した収差に応じて、前記測定対象により生じる収差を補正する収差補正手段と、
前記収差測定手段により測定した収差に基づいて、光源からの光の径を変更する変更手段と、
前記変更手段により変更した径の光を前記測定対象に照射する照射手段と、
を有することを特徴とする補償光学装置。 - 前記変更手段が、前記収差測定手段により測定した収差量が所定の条件を満たしている場合に、前記光源からの光の径を小さくすることを特徴とする請求項1に記載の補償光学装置。
- 前記変更手段が、前記収差補正手段が補正を開始してから所定時間経過後に前記収差量が所定値より大きい場合に、前記光源からの光の径を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の補償光学装置。
- 前記測定対象が、被検眼であり、
前記被検眼の前眼部の透過率に基づく情報を取得する取得手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の補償光学装置。 - 前記変更手段により変更された径の光を前記前眼部における前記透過率の低い箇所に照射することを特徴とする請求項4に記載の補償光学装置。
- 前記透過率に基づいて前記前眼部の症状を報知する報知手段を有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の補償光学装置。
- 前記収差測定手段により前記収差を測定する際に用いる光と、前記測定対象の画像を取得する際に用いる光とが異なる光源から発生された光であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の補償光学装置。
- 前記収差測定手段が、シャックハルトマンセンサーで構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の補償光学装置。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の補償光学装置を有する撮像装置であって、前記照射手段で照射した光による前記測定対象からの戻り光に基づいて該測定対象の画像を取得する画像取得手段を有することを特徴とする撮像装置。
- 前記光源からの光を前記収差補正手段に入射される光と参照光とに分離する分離手段を有し、
前記画像取得手段が、前記照射手段で照射した光による前記測定対象からの戻り光と前記参照光とが干渉した干渉光に基づいて、前記画像を断層画像として取得することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。 - 前記収差測定手段により測定した収差が所定の条件を満たしている場合に、前記変更手段により前記光源からの光の径を小さくした後に、前記測定対象の画像の取得を開始する手段を有することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の撮像装置。
- 測定光を照射した測定対象からの戻り光の収差を測定する収差測定手段と、
前記収差測定手段の測定結果に基づいて、前記測定光と前記戻り光とのうち少なくとも1つの収差を補正する収差補正手段と、
前記測定光の合焦位置を第1の位置から前記第1の位置とは深さ方向に異なる第2の位置に変更する位置変更手段と、
前記収差測定手段により測定した収差量が所定値以下である場合に、前記第1及び第2の位置で前記測定対象の複数の画像が取得されるように、前記位置変更手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 前記制御手段は、前記収差測定手段により測定した収差量が所定値以下である場合に、前記第1及び第2の位置で前記複数の画像を複数の断層画像として取得することを開始することを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
- 前記取得された複数の断層画像を結合して1枚の断層画像を形成する形成手段を有することを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
- 測定対象からの戻り光に基づいて、該測定対象により生じる収差を測定する工程と、
前記測定した収差に応じて、前記測定対象により生じる収差を補正する工程と、
前記測定した収差に基づいて、光源からの光の径を変更する工程と、
前記変更した径の光を前記測定対象に照射する工程と、
を有することを特徴とする補償光学方法。 - 前記変更する工程では、前記測定した収差量が所定の条件を満たしている場合に、前記光源からの光の径を小さくすることを特徴とする請求項15に記載の補償光学方法。
- 前記変更する工程では、前記補正を開始してから所定時間経過後に前記収差量が所定値より大きい場合に、前記光源からの光の径を小さくすることを特徴とする請求項16に記載の補償光学方法。
- 請求項15乃至17のいずれか1項に記載の補償光学方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
- 請求項15乃至17のいずれか1項に記載の補償光学方法の各工程を含む撮像方法であって、
前記照射した光による前記測定対象からの戻り光に基づいて該測定対象の画像を取得する工程を有することを特徴とする撮像方法。 - 前記画像を取得する工程では、前記照射した光による前記測定対象からの戻り光と参照光とが干渉した干渉光に基づいて、前記画像を断層画像として取得することを特徴とする請求項19に記載の撮像方法。
- 前記測定した収差が所定の条件を満たしている場合に、前記光源からの光の径を小さくした後に、前記測定対象の画像の取得を開始する工程を有することを特徴とする請求項19または請求項20に記載の撮像方法。
- 測定光を照射した測定対象からの戻り光の収差を測定する工程と、
前記測定した収差に応じて、前記測定光と前記戻り光とのうち少なくとも1つの収差を補正する工程と、
前記測定した収差量が所定値以下である場合に、深さ方向に異なる第1及び第2の位置で前記測定対象の複数の画像が取得されるように、前記測定光の合焦位置を前記第1の位置から前記第2の位置に変更する位置変更手段を制御する工程と、
を有することを特徴とする撮像方法。 - 前記測定した収差量が所定値以下である場合に、前記第1及び第2の位置で前記複数の画像を複数の断層画像として取得することを開始する工程を有することを特徴とする請求項22に記載の撮像方法。
- 前記取得された複数の断層画像を結合して1枚の断層画像を形成する工程を有することを特徴とする請求項23に記載の撮像方法。
- 請求項19乃至24のいずれか1項に記載の撮像方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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