JP2016036588A - 撮像装置および撮像方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】AO−SLO装置等において、被検眼で生じる収差を補正する工程を短時間化する。【解決手段】被検査体の撮像位置からの反射光の波面を測定する波面測定手段と波面の測定結果に応じて波面を補正する波面補正手段と、を有する撮像装置において、更に、被検査体において画像を得る撮像範囲の指定、および指定の後に行われる波面を測定する撮影範囲内の波面測定領域の設定と、設定された波面測定領域についての波面の測定と、波面測定領域の変更と、の繰り返し、を実行させる制御手段と、撮影範囲内の波面測定領域の位置情報と前記波面に関する情報とを対応付けて記録する記録手段と、被検査体からの反射光を受光して前記画像を取得する画像取得手段と、配する。該制御手段は、対応付けられた波面の情報を記録手段が記録した後に、被検査体の撮像位置を変更する際に、撮像位置に対応する波面測定領域について記録手段で記録された波面に基づいて、波面補正手段で補正する波面形状を指令する。【選択図】図7
Description
本発明は、撮像装置及び撮像方法に関する。特に、補償光学機能を有して被検眼の収差を測定して補正する眼底撮像装置、および、眼底撮像方法に関する。
近年、眼科用の撮像装置として、眼底へ照射したレーザ光を2次元的に走査し、その反射光を受光して画像化するSLO(Scanning Laser Ophthalmoscope:走査レーザ検眼鏡)が開発されている。また、このような撮像装置には、低コヒーレンス光の干渉を利用したイメージング装置であるOCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層装置あるいは光干渉断層法)と呼ばれるものもある。当該装置は、特に眼底あるいはその近傍の断層像を得る目的で用いられている。
このような眼科用の撮像装置では、近年、照射レーザの高NA化等によって、高解像度化が進められている。
しかしながら、眼底を撮像する場合には、角膜や水晶体等の眼の光学組織を通して得られる眼底からの反射光を用いて撮像をしなければならない。そのため、高解像度化が進むに連れて、これら角膜や水晶体により生じる収差がおよぼす撮像画像の画質への影響が顕著になってきた。
そこで、眼で生じる収差を測定し、且つその収差を補正する補償光学(Adaptive Optics:AO)機能を光学系に組み込んだ、AO−SLOやAO−OCTの研究が進められている。例えば、非特許文献1に、AO−OCTの例が示されている。これらAO−SLOやAO−OCTは、一般的にはシャックハルトマン方式の波面センサーによって、眼で生じる収差が表現される波面分布を測定している。シャックハルトマン方式とは、眼に測定光を入射させ、マイクロレンズアレイを通したその反射光を分光かつ集光してCCDカメラで受光し、複数の集光位置から波面分布を測定するものである。AO−SLO等では、このように測定した波面分布を補正するように、可変形状ミラーや空間位相変調器といった波面補正装置を駆動する。このような補償光学系を通して眼底の撮像を行うことにより、AO−SLOやAO−OCTは、眼の収差の影響を低減した高分解能な撮像を可能としている。
また、これらの眼科用の撮像装置では、被検者の負担を軽減するために、撮像時間の短縮化が大きな課題となっている。特に、眼で生じる収差を補正する工程では、波面分布の測定と補正を繰り返しながら残存する収差量を低減させて収束させていくため、波面補正の収束制御に時間がかかっている。これを改善する手段として、特許文献1に開示する方法がある。当該方法では、前回の撮像の時に取得した、撮像領域の位置情報に対応させた波面分布の測定結果を記録している。そして、波面補正の収束制御工程の初期値としてこの測定結果を用いることによって、収束制御の短時間化を実現している。
Y.Zhang et al,Optics Express,Vol.14,No.10,15May2006
しかしながら、被検者の眼の収差の状態は、被検日の体調によって大きく変わってしまう。例えば、睡眠時間によって影響される眼の渇き具合も、収差の状態を大きく変化させる。また、疾患をもっている眼では、疾患の進行や治療の経過によっても、収差の状態が大きく変化する。先に述べた、前回の撮像時の波面分布の測定結果を用いる場合では、前回の撮像から長い期間が経った際、被検日の体調や疾患が関わる収差の変化に対応することが困難という問題がある。また、初めて撮像を行う被検者では、参照する収差の情報が無いという問題もある。
本発明では、これらの問題を解決するものであって、波面補正工程を高速化することで被験者の負担を低減する撮像装置および撮像方法の提供を目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る撮像装置は、
被検査体の撮像位置からの光の波面を測定する波面測定手段と、
前記波面の測定結果に応じて波面を補正する波面補正手段と、
前記被検査体において画像を得る撮像範囲の指定、および前記指定の後に行われる前記波面を測定する前記撮影範囲内の前記波面測定領域の設定と、設定された前記波面測定領域についての前記波面の測定と、前記波面測定領域の変更と、の繰り返し、を実行させる制御手段と、
前記撮影範囲内の前記波面測定領域の位置情報と前記波面に関する情報とを対応付けて記録する記録手段と、
前記被検査体からの前記反射光を受光して前記画像を取得する画像取得手段と、を有し、
前記制御手段は、前記位置情報と対応付けられた前記波面の情報を前記記録手段が記録した後に、
前記被検査体の撮像位置を変更する際に、撮像位置に対応する前記波面測定領域について前記記録手段で記録された前記波面に基づいて、前記波面補正手段で補正する波面形状を指令する、ことを特徴とする。
被検査体の撮像位置からの光の波面を測定する波面測定手段と、
前記波面の測定結果に応じて波面を補正する波面補正手段と、
前記被検査体において画像を得る撮像範囲の指定、および前記指定の後に行われる前記波面を測定する前記撮影範囲内の前記波面測定領域の設定と、設定された前記波面測定領域についての前記波面の測定と、前記波面測定領域の変更と、の繰り返し、を実行させる制御手段と、
前記撮影範囲内の前記波面測定領域の位置情報と前記波面に関する情報とを対応付けて記録する記録手段と、
前記被検査体からの前記反射光を受光して前記画像を取得する画像取得手段と、を有し、
前記制御手段は、前記位置情報と対応付けられた前記波面の情報を前記記録手段が記録した後に、
前記被検査体の撮像位置を変更する際に、撮像位置に対応する前記波面測定領域について前記記録手段で記録された前記波面に基づいて、前記波面補正手段で補正する波面形状を指令する、ことを特徴とする。
本発明によれば、被検眼からの反射光の波面を補正する工程を高速化することができ、撮像時間を短時間化して、被検者の負担を軽減することが可能である。
[実施例1]
実施例1は、撮像対象である被検査物を眼底とし、眼で生じた収差を補償光学系で補正し、眼底を撮像する眼底撮像装置である。当該眼底撮像装置の構成を示す模式図である図1を用いて、実施例1の説明をする。
実施例1は、撮像対象である被検査物を眼底とし、眼で生じた収差を補償光学系で補正し、眼底を撮像する眼底撮像装置である。当該眼底撮像装置の構成を示す模式図である図1を用いて、実施例1の説明をする。
図1において、光源101としては、中心波長840nmの測定光を発するSLD光源(Super Luminescent Diode)を用いた。光源101の波長は特に制限されるものではないが、眼底撮像用としては被検者の眩しさの軽減と分解能維持のために、800〜1500nm程度の波長域の光が好適に用いられる。なお、本実施例においては測定光の光源としてSLD光源を用いたが、その他の光源をこれに用いる事も可能である。また、本実施例では眼底撮像のための光源と波面測定のための光源とを共用しているが、それぞれを別光源とし、光路の途中で両光源からの光束を合波する構成としても良い。
光源101から照射された光は、単一モード光ファイバー102を通って、コリメータ103により、平行光線(測定光105)として照射される。
照射された測定光105は、ビームスプリッターからなる光分割部104を透過し、補償光学系として収差を補正するための光学系に導光される。
補償光学系は、光分割部106、波面測定装置115、波面補正装置108、およびそれらに導光するための反射ミラー107−1〜4から構成される。波面測定装置115は、被検体である眼の撮像位置からの反射光の波面分布を測定する。より詳細には、該波面測定装置115は、後述する撮像範囲の指定がなされた範囲内に含まれる波面測定領域からの反射光の波面分布即ち波面を測定する。また、波面補正装置108は、波面分布の測定結果に応じて反射光における波面を補正するが、当該補正は反射光に対して行っても良くまた測定光に対して行っても良い。
ここで、反射ミラー107−1〜4は、少なくとも眼111の瞳と波面測定装置115、および波面補正装置108とが光学的に共役関係になるように設置されている。また、光分割部106として、本実施例ではビームスプリッターを用いている。
光分割部106を透過した測定光105は、反射ミラー107−1および107−2で反射されて波面補正装置108に入射する。波面補正装置108は光の収差を補正する。すなわち、波面補正装置108は波面形状(波面分布)を補正する。波面補正装置108で反射された測定光105は、反射ミラー107−3に出射される。
本実施例では、波面補正装置108として液晶素子を用いた反射型液晶空間位相変調器を用いた。図2に反射型液晶空間位相変調器の模式図を示す。本変調器は、ベース部122とカバー123に挟まれた空間に、液晶分子125(125−1および125−2)が封入されている構造となっている。ベース部122は複数の画素電極124を有し、カバー123には、画素電極124に対向するように対向電極が配されている。該対向電極は透明であり、不図示である。画素電極124と対向電極との電極間に電圧を印加していない場合には液晶分子は参照番号125−1で示されるような配向をしており、電圧を印加すると125−2で示されるような配向状態に遷移し、入射光に対する屈折率が変化する。各々の画素電極に印加される電圧を制御して屈折率を変化させることにより、該波面補正装置108に入射した光の波面について空間的な位相変調が可能となる。例えば入射光126が本変調器に入射した場合、液晶分子125−2を通過する光は液晶分子125−1を通過する光よりも位相が遅れ、結果として図中127で示すような波面を形成する。一般的に反射型液晶空間位相変調器は、数万〜数十万個の画素で構成されている。また、反射型液晶空間位相変調器は偏光特性を有するため、入射光の偏光を調整するための偏光素子を付加することもある。
波面補正装置108の他の例としては、可変形状ミラーがある。可変形状ミラーとは、局所的にミラーの形状を変えて、光の反射方向を局所的に変えることができる光学部材であり、様々な方式のものが実用化されている。例えば、断面構造が概略図3に示されるものとなっている可変形状ミラーがある。該ミラーは、入射光を反射する変形可能な膜状のミラー面129と、ベース部128と、これらに挟まれて配置されたアクチュエータ130と、ミラー面129を周囲から支持する不図示の支持部から構成されている。アクチュエータ130の動作原理としては、静電力や電磁力、逆圧電効果を利用したものがあり、動作原理によってアクチュエータ130の構成は異なる。アクチュエータ130はベース部128上に二次元的に複数配列されていて、それらを選択的に駆動することにより、ミラー面129を自在に変形できるようになっている。一般的に一つの可変形状ミラーは数十〜数百のアクチュエータを有している。
図1において、反射ミラー107−3および107−4で反射された測定光105は、走査光学系109によって、眼111の眼底上で1次元もしくは2次元に走査される。本実施例では、走査光学系109に主走査用(眼底水平方向)と副走査用(眼底垂直方向)として2つのガルバノスキャナーを用いた。なお、より高速な撮像を行うために、走査光学系109の主走査用に、ガルバノスキャナーに換えて共振スキャナーを用いることもある。さらに、走査光学系109内の各スキャナーを光学的な共役状態にするために、各スキャナーの間にミラーやレンズといった光学素子を用いる構成とする場合もある。
走査光学系109を経た測定光105は、接眼レンズ110−1および110−2を通して眼111に照射される。眼111に照射された測定光105は、眼底で反射、或いは散乱される。接眼レンズ110−1および110−2の位置を調整することによって、眼111の視度にあわせて最適な照射を行うことが可能となる。なお、本実施例では接眼部にレンズを用いたが、球面ミラー等で当該レンズ等に対応する光学部材を構成しても良い。
眼111の眼底の網膜から反射もしくは散乱された反射光は、入射した時の経路を逆向きに進行する。当該反射光は、光分割部106によって一部は波面測定装置115に反射され、反射光線の波面分布を測定するために用いられる。
本実施例では、波面測定装置115としてシャックハルトマンセンサーを用いた。図4にシャックハルトマンセンサーの模式図を示す。波面分布を測定する光線131は、マイクロレンズアレイ132を通して、CCDセンサー133上の焦点面134に集光される。図4a)のA-A‘で示す位置からシャックハルトマンセンサーを見た様子が図4b)で、マイクロレンズアレイ132が複数のマイクロレンズ135から構成されている。光線131は各々のマイクロレンズ135を通してCCDセンサー133上に集光され、その際に光線131はマイクロレンズ135の個数分のスポットに分割されて集光される。
図5にCCDセンサー133上に各々の光が集光された状態を示す。各々のマイクロレンズを通過した光線はスポット136に集光される。そして、各々のスポット136の位置から、入射した光線の波面を計算する。例えば、図6に球面収差を持つ波面分布を測定した場合の模式図を示す。光線131は参照番号137で示すような波面分布で形成されている。光線131はマイクロレンズアレイ132によって、波面分布の局所的な法線方向の位置に集光される。この場合のCCDセンサー133の集光状態を図6b)に示す。光線131が球面収差を持つため、スポット136は中央部に偏った状態で集光される。この位置を計算することによって、光線131の波面分布が分かる。
なお、本実施例では波面測定装置115にシャックハルトマンセンサーを用いたが、それに限定されるものではない。該シャックハルトマンセンサーに換えて、曲率センサーのような他の波面測定手段等を用いても良く、結像させた点像から逆計算で求めるような方法を用いても良い。
図1において、光分割部106を透過した反射光は光分割部104によって一部が反射され、コリメータ112および光ファイバー113を通して光強度センサー114に導光される。光強度センサー114で受光された光は電気信号に変換され、該電気信号はさらに制御部117によって画像に構成されて、眼底画像としてディスプレイ118に表示される。
波面測定装置115は補償光学制御部116に接続され、受光した光の波面分布を補償光学制御部116に伝える。波面補正装置108も補償光学制御部116に接続されており、補償光学制御部116から指示に応じて測定光或いは反射光の空間的な位相変調を行う。
より詳細には、補償光学制御部116は波面測定装置115で測定された反射光の波面分布を基に、収差のない波面分布へと補正するような補正量を計算する。そして、該補正量を加味して波面補正装置108が保持すべき補正状態を指令する。ただし、被検眼を含めたすべての構成からなる光学系を考えた場合、光学系の一部に被検眼が含まれていることで光学系全体としては不確定な状態となる。このため、一般的に1回の波面分布の測定とこれに対処した補正とでは、許容し得る収差量の波面分布に到達することは困難である。従って、波面分布の測定とその補正とを繰り返して、撮像可能な収差量に収束させながら補正することが必要となる。
ここで、本実施例での波面分布の測定方法と補正の詳細な方法を述べる。
補償光学制御部116では、測定した波面をZernike関数にモデル化して各次数にかかる係数を算出し、その係数を元に波面補正装置108の補正量を算出する。補正量の算出においては、波面補正装置108がZernike各次数の形状を形成するための基準補正量を元に、測定された全てのZernike次数の係数に関して基準補正量を乗算し、さらにそれらをすべて積算することによって最終的な補正量を得る。本実施例では波面補正装置108として画素数600×600の反射型液晶空間位相変調器を用いており、360000画素それぞれの変調量を上記の算出方法に従って算出する。例えばZernike関数の1次〜4次までの係数を用いた計算を行う場合には、Z1-1、Z1+1、Z2-2、Z2-0、Z2+2、Z3-3、Z3-1、Z3+1、Z3+3、Z4-4、Z4-2、Z4-0、Z4+2、Z4+4の14の係数に関して基準補正量との乗算を、上記360000画素に対して行う。また、Zernike関数の1次〜6次までの係数を用いた計算を行う場合には、Z1-1、Z1+1、Z2-2、Z2-0、Z2+2、Z3-3、Z3-1、Z3+1、Z3+3、Z4-4、Z4-2、Z4-0、Z4+2、Z4+4、Z5-5、Z5-3、Z5-1、Z5+1、Z5+3、Z5+5、Z6-6、Z6-4、Z6-2、Z6-0、Z6+2、Z6+4、Z6+6の27の係数に関して基準補正量との乗算を、上記360000画素に対して行う。この測定と補正を繰り返して、撮像可能な収差量まで収差を収束させながら波面を補正する。この手順を波面補正の収束制御工程とする。
補償光学制御部116では、測定した波面をZernike関数にモデル化して各次数にかかる係数を算出し、その係数を元に波面補正装置108の補正量を算出する。補正量の算出においては、波面補正装置108がZernike各次数の形状を形成するための基準補正量を元に、測定された全てのZernike次数の係数に関して基準補正量を乗算し、さらにそれらをすべて積算することによって最終的な補正量を得る。本実施例では波面補正装置108として画素数600×600の反射型液晶空間位相変調器を用いており、360000画素それぞれの変調量を上記の算出方法に従って算出する。例えばZernike関数の1次〜4次までの係数を用いた計算を行う場合には、Z1-1、Z1+1、Z2-2、Z2-0、Z2+2、Z3-3、Z3-1、Z3+1、Z3+3、Z4-4、Z4-2、Z4-0、Z4+2、Z4+4の14の係数に関して基準補正量との乗算を、上記360000画素に対して行う。また、Zernike関数の1次〜6次までの係数を用いた計算を行う場合には、Z1-1、Z1+1、Z2-2、Z2-0、Z2+2、Z3-3、Z3-1、Z3+1、Z3+3、Z4-4、Z4-2、Z4-0、Z4+2、Z4+4、Z5-5、Z5-3、Z5-1、Z5+1、Z5+3、Z5+5、Z6-6、Z6-4、Z6-2、Z6-0、Z6+2、Z6+4、Z6+6の27の係数に関して基準補正量との乗算を、上記360000画素に対して行う。この測定と補正を繰り返して、撮像可能な収差量まで収差を収束させながら波面を補正する。この手順を波面補正の収束制御工程とする。
ここで、改めて、本発明の課題について述べる。
被検者の眼の収差の状態は、被検日の体調によって大きく変わってしまう。例えば、睡眠時間によって影響される眼の渇き具合も、収差の状態を大きく変化させる。また、疾患をもっている眼では、疾患の進行や治療の過程によっても、収差の状態が大きく変化する。先に述べた、特許文献2に開示された収差補正工程の短時間化の手法では、前回の撮像時の情報を用いるために、被検日の体調や疾患が関わる収差の変化に対応することが困難という問題がある。また、初めて撮像を行う被検者では、参照するべく収差の情報が無いという問題もある。本発明では、これらの問題を解決し、収差補正工程を高速化することを課題としている。
被検者の眼の収差の状態は、被検日の体調によって大きく変わってしまう。例えば、睡眠時間によって影響される眼の渇き具合も、収差の状態を大きく変化させる。また、疾患をもっている眼では、疾患の進行や治療の過程によっても、収差の状態が大きく変化する。先に述べた、特許文献2に開示された収差補正工程の短時間化の手法では、前回の撮像時の情報を用いるために、被検日の体調や疾患が関わる収差の変化に対応することが困難という問題がある。また、初めて撮像を行う被検者では、参照するべく収差の情報が無いという問題もある。本発明では、これらの問題を解決し、収差補正工程を高速化することを課題としている。
ここで、本発明の特徴部分である位置情報に対応付いた波面分布の情報の取得方法について述べる。図7は、本発明の一実施例である撮像方法を行う際になされる各構成要素の制御に関するフローチャートである。
眼111の眼底の撮像の制御が開始されると、ステップS101の撮像範囲の指定が行われる。指定に際し、該撮像範囲は、予め設定されているテンプレートから選択される。なお、診断しようとする疾患によって異なるが、本実施例では、例えば図8に示すように眼底上の領域166を撮像予定の領域である撮像範囲としている。ここで、測定光を照射した眼底からの反射光に基づいて該眼底における画像を撮像する際の撮像予定となる撮像範囲を指定するステップS101の操作は、制御部117において範囲指定手段として機能するモジュール領域により実行される。
ステップS102は波面分布の測定範囲を設定するステップであり、本実施例では撮像範囲166と同じ範囲が全ての測定範囲と一致することとしている。
ステップS103は、測定光の照射位置を変更するステップであって、照射位置の変更は二つのガルバノミラーを駆動させることで行われる。ステップS104は、波面分布を測定するステップであって、波面測定装置115による反射光の波面分布の測定が行われる。ステップS105では、測定光の照射位置となる領域と対応付いた領域での波面分布の情報を、制御部117が有する記録領域に記録する。該照射位置は、ガルバノスキャナーが有する角度センサーの値を基に算出される。具体的には、波面分布の測定位置が、眼底を表す図8における領域165であった場合に、図中の左右方向の位置と、上下方向の位置を組み合わせた(f、6)番地という情報と、更にその領域を測定した時の波面分布が関連付けられて格納される。ステップS105で記録される波面分布の情報に代えて得られた波面分布波を補正するための波面補正装置108の駆動条件であってもよい。この場合、後述するステップS112では、波面補正装置108の駆動条件を直ちに設定することが可能となる。
ステップS106では、撮像範囲としての領域166内に対応する範囲に含まれる波面分布の測定範囲全ての測定が完了したかを判定する。完了していなければ、ステップS103に戻る。全ての測定範囲での測定が完了するまで、測定光の照射位置の変更(ステップS103)と、波面分布の測定(ステップS104)と記録(ステップS105)とが繰り返される。ステップS107の直前には、全ての測定範囲で波面分布の測定が完了され、眼底上の撮像範囲内の各位置に対応付いた波面分布の情報が得られている。
ステップS107では、ステップS101で指定された撮像範囲のいずれかの位置に、撮像位置の設定が行われる。ステップS109では、撮像位置の波面分布の情報が有るか否かが、判定される。波面分布の情報があれば、フローはステップS110に進み、該当する波面分布の情報が記録領域から呼び出される。波面分布の情報が無ければ、フローはステップS111に進み、撮像位置に隣接する領域の波面分布の情報が記録領域から呼び出される。この際、隣接する領域の波面分布の情報そのものでなくとも、近い領域の波面分布の情報から補間した値を得てこれを撮像位置での波面分布の情報として用いる事も可能である。
なお、以上のステップS109での判定は、制御部117において、撮像位置に対応して記録領域に記録された波面分布に関する情報の有無を判定する判定手段として機能するモジュール領域により実行される。また、ステップS110およびS111の、波面分布に関する情報として撮像位置に近い箇所の波面分布に関する情報から補間して得られる波面分布に関する情報を用いる操作は、制御部117により実行される。
ステップS112では、呼び出された波面分布の情報を基に、波面補正装置108の駆動条件を設定する。即ち、波面補正装置108は、記録領域に記録された波面分布に関する情報を、眼底の撮像位置を変更した際の波面形状を補正するための初期値の決定に用いる。
また、ステップS109からステップS113の操作と並行して、ステップS108では、測定光の照射位置を撮像位置に変更する操作が行われる。
ステップS114の直前には、撮像位置に測定光が照射されており、また、波面補正装置108の駆動が一時的に終わっている。即ち、眼を含む光学系の収差の補正がすでに開始されており、収差は本来の初期の値より減少している状態となっている。ステップS114では、波面測定装置115によって、この状態での反射光の波面分布の測定が行われる。
ステップS115では、ステップS114で得られた波面分布の大きさが収束判定基準となる所定値を下回っているか否かが、判定される。下回っていなければ、フローはステップS112に戻り、更に波面分布の大きさを減じる様に、波面補正装置108の駆動条件の設定が更新される。このように、波面分布の大きさが、収束判定基準を下回るまで繰り返される。その後、ステップS116で眼底の撮像が行われる。ステップS117では、設定された撮像範囲の撮像が完了したかが判定される。完了してなければ、ステップS107に戻り、他の箇所の撮像が行われる。以上のステップS107〜S117の操作を繰り返し、全ての撮像範囲の撮像が完了すると、撮像の制御が終了する。
以上述べたフローでは、補償光学系で為される波面補正の収束制御工程が開始されるステップS112の時点で、撮像位置の波面分布の情報が既に得られており、従って補正装置を駆動するための波面分布の初期値が得られている。
なお、前述した該制御部117が有する記録領域は、撮影範囲内の波面測定領域の位置情報と波面分布に関する情報とを対応付けて、或いは波面測定領域と該領域より得られた波面分布に関する情報とを対応付けて記録する記録手段に対応する。また、光強度センサー114および該光強度センサー114から得られる電気信号を画像に変換する制御部117内のモジュール領域等は眼からの反射光を受光して画像を取得する画像取得手段を構成する。
また、以上のフローにおいて為された、眼或いは眼底において画像を得る撮像範囲の指定、および波面分布を測定する撮影範囲内の波面測定領域の設定と、設定された波面測定領域についての波面分布の測定と、波面測定領域の変更と、の繰り返しは、制御手段たる制御部117により実行される。該制御部117は、以上のフローにおいて、対応付けられた波面分布の情報を記録手段が記録した後に、波面補正装置による反射光の波面の補正および画像取得による画像の取得を実行させる。更に、該制御部117は、眼底での撮像位置を変更する際に、撮像位置に対応する波面測定領域について記録手段で記録された波面分布に基づいて、波面補正装置で補正する波面形状を指令する。
また、該制御部117は、撮影範囲に含まれる全ての波面測定領域について波面分布に関する情報との対応付けが終了したと判定された場合に画像を撮像する撮像領域の設定を許可する許可手段として機能するモジュール領域を有する。当該許可手段が機能することにより、眼底の撮像には、撮影範囲内における直近の波面分布のデータが全て或いは条件に応じたある程度以上の収集が必要となる。
ここで、本発明のごとく、波面分布の初期値を用いた場合の波面収束工程の高速化の効果を述べる。
図9は、収差補正回数と収差量の関係を表したグラフである。横軸が収差補正回数、すなわち図7のフローチャートのステップS112〜S115のループの回数であり、収差補正に要する時間に相当している。縦軸は、収差量を表している。図中参照番号173で示される鎖線は、従来の方法で収差補正を行ったときの収差量の状態を表す曲線である。即ち、波面分布の初期値が、測定光を撮像位置に照射する直前に得られていない場合の収差量の状態を示している。参照番号172で示される実線は、本発明に係る制御方法で収差補正を行ったときの収差量の状態を表す曲線である。また、参照番号171で示される収差量は、ステップS115で用いる収差の収束判定基準となる前述した所定値である。
図9は、収差補正回数と収差量の関係を表したグラフである。横軸が収差補正回数、すなわち図7のフローチャートのステップS112〜S115のループの回数であり、収差補正に要する時間に相当している。縦軸は、収差量を表している。図中参照番号173で示される鎖線は、従来の方法で収差補正を行ったときの収差量の状態を表す曲線である。即ち、波面分布の初期値が、測定光を撮像位置に照射する直前に得られていない場合の収差量の状態を示している。参照番号172で示される実線は、本発明に係る制御方法で収差補正を行ったときの収差量の状態を表す曲線である。また、参照番号171で示される収差量は、ステップS115で用いる収差の収束判定基準となる前述した所定値である。
図9に示すように本発明に係る制御方法で波面収束工程を行った場合には、補正回数aで波面収束工程が完了し、撮像が開始できる。これに対して、従来の方法では、波面収束工程の完了までに補正回数aよりも多い補正回数bが必要である。
このように、本発明によれば、撮像位置への測定光の移動が完了する前に、波面分布の補正を開始できるため、撮影位置に到達した際には、既に眼を含む光学系の収差を小さくできている。これにより、波面収束工程の完了までの時間を短縮でき、撮像時間の短縮が可能となっている。
また、一般に制御量の検出及び補正を繰り返しながら目標値に収束させるクローズド制御では、制御ゲインを上げることで残差の変化量を大きくでき、これによって収束までの時間を短縮する事ができる。特に、制御を開始する際には、目標値に対しての残差が大きく、この期間の制御ゲインを高くすることが収束の短時間化には有効である。
ここで、制御ゲインを高くすることは、残差の推移を急峻にすることに相当する。しかしながら、残差の推移が急峻となると、その推移に高い周波数成分を多く含むこととなる。一般にデバイスの応答性では、高い周波数成分は応答の遅れが大きく、これが180°を超えてしまうと、残差を減らすべき際に逆に増やしてしまい、制御が発振して残差を収束させることができなくなってしまう。
本実施例では、初期の残差が小さい状態で収束制御を開始できる。従って、ここで述べた残差の推移における高周波成分での遅れの影響を受けにくく、制御ゲインを上げても発振しにくい状態が実現できる。この制御ゲインを上げた場合の収差量の収束していく状態を図9では参照番号174で示している。このように、制御ゲインを大きくできることによって、収束までの時間を更に短時間化できる。
以上のように、波面収束工程および眼底撮像に先立って、波面の初期値を取得することによって、波面収束工程の高速化が可能となっている。これにより、撮像時間の短時間化が実現され、被検者の負担を軽減することができている。
また、本実施例では、波面収束工程(図7中のステップS112〜S115)の後に、撮像(ステップS116)を行っている。波面収束工程の完了から撮像までの時間に僅かではあるが収差が変動する。本発明によれば、この収差を補正するために、撮像中も波面収束工程を実行することが可能である。
本実施例では、測定する波面分布の情報を、Zernike関数の1次〜4次としており、その中にデフォーカスの情報を含んでいる。係数としては、先に述べたZ2-0である。撮像時のデフォーカスの量を変化させると、眼底の眼軸方向においての集光位置を変化させることが可能である。眼底の網膜には、眼軸方向に様々な層がある。内境界膜、神経線維層、神経節細胞層、内網状層、内顆粒層、外網状層、外顆粒層、外境界膜、杵体錐体層、網膜色素上皮層といった層である。診断する疾病により着目する層が異なり、撮像時のデフォーカス量を設定することで、撮像する層を変える事が可能である。即ち、前述した記録領域が記録する波面に関する情報には、デフォーカス量が含まれることが好ましい。
更に、本実施例では、波面補正工程で用いる波面分布の情報として、測定したデフォーカスの値にオフセット量を加える事で、撮像する層を切り替える事が可能となっている。この場合、波面補正装置108は、記録領域に記録された波面分布に関する情報に対して所定のオフセット量を加えて得られた情報を用いて波面の補正を行うこととなる。
また、他の波面分布のZernike係数に関しても、オフセットを設ける事で、より良好な撮像が可能と判断した場合などには、オフセット量を設ける事が可能となっている。例えば、波面測定装置に測定誤差として一定のオフセット量がある場合などは、これを相殺するオフセット量を設ける事で、より良好な撮像が可能である。
また、本実施例では、記録した波面分布の情報を、表示手段たるディスプレイ118に表示しており、撮像装置を操作する操作者に、波面分布の情報を提示する事が可能となっている。この情報を基に、操作者が近視や遠視や乱視などの眼の情報を知ることが可能となっている。なお、本実施例では記録し且つ用いる情報は波面分布としているが、波面分布として算出する前の信号等、波面に関する情報をこれに換えて用いることも可能である。
また、本実施例では、波面測定装置115の集光点が存在する範囲を検知する事が可能な演算アルゴリズムを補償光学制御部116が有している。被検者が瞬きを行うと、眼底から反射してくる光の範囲が狭まり、波面測定装置115で認識される集光点の範囲が狭まる事を利用して、瞼の開いている程度を測定する事が可能となっている。測定した値が所定の値を下回った際に、本実施例では、瞬きがあったと判断する。被測定者が瞬きを行うと、眼の渇き具合が変化して収差の状態が変わることがあるため、本実施例では、瞬きがあったと判断した場合に、複数の領域の位置情報と波面分布の情報とを対応付けて記録する記録工程を再び行うようになっている。すなわち、ステップS103〜S105の処理が行われる。これによって、瞬きがあった際にも迅速に、波面収束工程の波面分布の初期値を修正する事が可能となっている。なお、瞬きが検知される以前に既にステップS116で撮像された範囲については改めてステップS103〜S105において波面分布の情報を取得しなくともよい。このようにすれば、瞬きにより再度行われるステップS103〜S105の処理時間を短縮することが可能である。また、瞬きが検知された場合にステップS103〜S105を再度実行するか否かを選択できるようにしてもよい。例えば、病気等により瞬きが頻繁に発生する被測定者の場合にはステップS103〜S105が何度も繰り返されてしまい検査時間の増加を引き起こしてしまう。従って、予め病気等により瞬きが頻繁に発生することが分かっている場合には測定者は瞬きにより再度ステップS103〜S105を行わないように設定してもよい。このようにすれば、検査時間の増加を抑制することが可能である。また、瞬きを一度検知すると再度ステップS103〜S105が実行されることとしてもよいし、所定期間内に所定の閾値以上の回数瞬きを検知した場合に再度ステップS103〜S105を実行することとしてもよい。このようにすれば、瞬き検知する度に再度ステップS103〜S105が実行されることにはならないため、検査時間の増加を抑制することが可能である。
なお、以上の瞼の開いている程度の測定は、制御部117において該測定を行う手段として機能するモジュール領域により実行される。前述したように、制御部117は、瞼の開いている程度が所定の値以上となった場合に、記録領域による対応付けた波面分布に関する情報の記録を停止させ、程度が所定値より下回った場合に記録を再び行わせる。
本実施例では、被検査体を眼の特に眼底とした眼底撮像装置について述べたが、被検査体はこれに限るものでは無い。例えば、水分を含み光学的な収差がある細胞の検体であっても良いし、同じく植物であっても良いし、食品であっても良い。また、大気の揺らぎによって収差が変動する天体でも良く、補償光学が画像の良好化に役立つものであれば、観察装置、顕微鏡、望遠鏡などに本発明を用いる事が可能である。
また、本実施例では、画像を取得する手段として、被検査体に照射する光の照射位置を走査しながら光の強度を記録し、反射光の強度の分布を基に画像を生成する走査型撮像装置について述べたが、これに限るものでは無い。眼底の広い範囲に照明光をあて、その反射光を2次元配列された光電変換機能を有するCCDなどの撮像素子で信号を得て、画像を取得しても良い。他にも、先に述べたOCTに適用しても良い。
さらには、デジタル画像ではなく、被検査体からの光を光学系により拡大して観察するような顕微鏡であっても本発明を適用することが可能である。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
101:光源
102:光ファイバー
103:コリメータ
104:光分割部
105:測定光
106:光分割部
107:反射ミラー
108:波面補正装置
109:走査光学系
110:接眼レンズ
111:眼
112:コリメータ
113:光ファイバー
114:光強度センサー
115:波面測定装置
116:補償光学制御部
117:制御部
118:ディスプレイ
102:光ファイバー
103:コリメータ
104:光分割部
105:測定光
106:光分割部
107:反射ミラー
108:波面補正装置
109:走査光学系
110:接眼レンズ
111:眼
112:コリメータ
113:光ファイバー
114:光強度センサー
115:波面測定装置
116:補償光学制御部
117:制御部
118:ディスプレイ
Claims (13)
- 被検査体の撮像位置からの反射光の波面を測定する波面測定手段と、
前記波面の測定結果に応じて波面を補正する波面補正手段と、
前記被検査体において画像を得る撮像範囲の指定、および前記指定の後に行われる前記波面を測定する前記撮影範囲内の前記波面測定領域の設定と、設定された前記波面測定領域についての前記波面の測定と、前記波面測定領域の変更と、の繰り返し、を実行させる制御手段と、
前記撮影範囲内の前記波面測定領域の位置情報と前記波面に関する情報とを対応付けて記録する記録手段と、
前記被検査体からの前記反射光を受光して前記画像を取得する画像取得手段と、を有し、
前記制御手段は、前記位置情報と対応付けられた前記波面の情報を前記記録手段が記録した後に、
前記被検査体の撮像位置を設定する際に、撮像位置に対応する前記波面測定領域について前記記録手段で記録された前記波面に基づいて、前記波面補正手段で補正する波面形状を指令する、ことを特徴とする撮像装置。 - 前記記録手段が記録する前記波面に関する情報は、デフォーカス量を含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記波面補正手段は、前記記録手段に記録された波面に関する情報を、前記被検体の撮像位置を設定した際の前記波面形状を補正するため初期値の決定に用い、
前記制御手段は、前記波面測定手段による前記波面の測定と、前記波面補正手段による前記波面形状の補正と、を繰り返させることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。 - 前記撮像位置に対応して前記記録手段で記録された前記波面に関する情報の有無を判定する判定手段を更に有し、
前記制御手段は、前記記録された波面に関する情報が無い場合には、前記撮像位置に近い箇所の前記波面に関する情報を用いるか、もしくは、前記撮像位置に近い箇所の波面に関する情報から補間して得られる波面に関する情報を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の撮像装置。 - 前記波面補正手段で用いる前記波面に関する情報は、前記記録手段に記録された前記波面に関する情報に所定のオフセット量を加えて得られた情報であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の撮像装置。
- 前記オフセット量は、デフォーカス量に加えられていることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
- 前記記録手段で記録された前記波面に関する情報を表示する表示手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の撮像装置。
- 測定光を照射した被検体からの反射光に基づいて前記被検体における画像を撮像する際の撮像予定となる撮像範囲を指定する範囲指定手段と、
指定された前記撮影範囲に含まれる波面測定領域からの前記反射光の波面を測定する波面測定手段と、
前記波面の測定結果に応じて前記反射光における波面を補正する波面補正手段と、
前記波面測定領域と前記波面測定領域より得られた前記波面に関する情報とを対応付けて記録する記録手段と、
前記撮影範囲に含まれる全ての前記波面測定領域について前記波面に関する情報との対応付けが終了したと判定された場合に前記画像を撮像する撮像領域の設定を許可する許可手段と、を有することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載した撮像装置を有し、前記被検査体が眼の眼底であることを特徴とする眼底撮像装置。
- 前記眼の瞼の開いている程度を測定する手段を更に有し、
前記制御手段は、前記瞼の開いている程度が所定の値以上となった場合に、前記記録手段による前記対応付けた波面に関する情報の記録を停止させ、前記程度が所定値より下回った場合に前記記録を再び行わせることを特徴とする請求項9に記載の眼底撮像装置。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載した撮像装置を有し、
前記被検査体に照射する前記測定光の照射位置を走査しながら前記反射光の強度を記録し、前記反射光の強度の分布を基に、前記画像取得手段が前記画像を取得することを特徴とする走査型撮像装置。 - 測定光を照射した被検査体の撮像位置からの反射光の波面を測定する波面測定手段と、前記波面の測定結果に応じて前記反射光の波面を補正する波面補正手段と、を有する撮像装置において、
前記被検査体の画像を撮像する際の撮像予定となる撮像範囲の指定の後に、前記撮像範囲内の波面測定領域からの前記反射光の前記波面の測定と前記波面測定領域の変更とを繰り返す事で、複数の領域の、前記波面測定領域の位置情報と前記波面に関する情報とを対応付けて記録する記録工程と、
前記被検査体の前記撮像位置を変更する際に、前記撮像位置に対応する前記波面測定領域について前記記録工程で記録された前記波面に関する情報に基づいて、前記波面補正手段で補正する前記波面の形状を指令する波面補正工程と、
前記被検査体からの光を受光して前記撮像位置における前記画像を取得する画像取得工程と、を有し、
前記記録工程の後に、前記波面補正工程および前記画像取得工程が行われることを特徴とする撮像装置の制御方法。 - 請求項12に記載の制御方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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WO2019021558A1 (ja) * | 2017-07-27 | 2019-01-31 | 三菱重工業株式会社 | 補償光学システムおよび補償光学方法 |
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-
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