[I 概要]
図1は、医療および外科用器具を滅菌するのに使用される滅菌装置50を示している。滅菌装置50は、1つまたは複数の滅菌容器58を保持する滅菌チャンバ52を備えている。各々の容器58は、滅菌することが望まれる1つまたは複数の外科用器具を保持することができる。滅菌チャンバ52は、ドア56が閉鎖された後密閉することができる格納容器54を含んでいる。格納容器54は、1つまたは複数の棚60を有している。容器58は、棚60の上に配列されている。
滅菌チャンバ52はさらに、真空ポンプ64を含んでいる。真空ポンプ62は、格納容器54内の圧力を大気圧を下回るように下げることができる。滅菌薬剤または滅菌剤が、格納容器54内に噴射される。種々の滅菌剤を使用することができ、これにはガス状の水蒸気または蒸気(H2O)70、過酸化水素ガス(H2O2)74またはガス状のエチレンオキシド(C2H4O)74が含まれている。少なくとも1つの滅菌薬剤が、滅菌サイクルにおいて格納容器54内に取り込まれる。
滅菌サイクルにおいて、滅菌剤は、外科用器具の滅菌に影響を与えるのに必要な時間にわたって必要な濃度で格納容器54内の全ての外科用器具に接触する必要がある。滅菌サイクルが完了した後、滅菌チャンバは、いずれの残留したまたは凝縮した滅菌剤も一掃する必要がある。チャンバからの滅菌剤の除去の速度は、真空ポンプ64の利用によって上昇する。格納容器54内に真空を取り込むことによっていずれの凝縮した滅菌剤も気体状態に気化され除去される。
滅菌チャンバ52は、一セットのチャンバプロセスパラメータ(CPP)66を使用して作動される。CPP66は、滅菌装置50によって格納容器54内に生じた環境の作動条件である。一例の実施形態において、CPP66には、温度、圧力、湿度、過酸化水素蒸気および時間が含まれる。
[II 第1の容器の実施形態]
図2に注目すると、本発明の第1の実施形態の容器組立体90が示されている。容器組立体90は、容器100を含み、これは、概ね矩形の形状であり、対向するように離間した平面の前方パネル102、平面の後方パネル103、および一対の対向するように離間した平面の側部パネル104によって画定されている。パネル102および103は、パネル104に直交するように配向されている。平面の底面パネル106は、パネル102、103および104に対して垂直であり、容器100の底部を形成している。内部空洞120が、パネル102、103、104および106によって容器100内に画定されている。容器100は、外側面110と、内側面112と、上部の周辺の縁113とを有している。容器100は、型打ちされたまたは深絞り加工されたアルミニウム、ステンレス鋼、プラスチックまたは他の好適な材料から形成することができる。
前方パネル102は、中に形成された窓または開口114を有している。開口114は、アクリルまたはガラスなどの透明な材料から形成されたパネル116によって覆われている。透明パネル116によって、ユーザが容器100の内容物を視覚的に見ることが可能になる。パネル116は、隣接するパネル102に対して密閉されている。パネル116は、前方パネル102上に位置決めされるが、後方パネル103または側部パネル104上に位置決めされる場合もある。
側部パネル104の各々は、底部パネル106のすぐ上から縁113のすぐ下まで延在する外側面110内に画定された凹部122を有している。一連の穴124が、凹部122を貫通するように形成され、空洞120に中へと延びている。旋回ハンドル126が、各々の側部パネル104に装着され、凹部122の幅を横切るように延びている。ハンドル126は、ハンドル126が凹部122に隣接している格納位置(図2に示される)と、ハンドル126が側部パネル104に対して垂直に延びる搬送位置との間を旋回するようになっている。ハンドル126によってユーザが容器100を掴み持ち上げることが可能になる。
旋回ラッチ128が、ヒンジ130によって各々の側部パネル104に縁113の下で装着されている。ラッチ128は、カバー150の一部と合致するU字形の取っ手部分132を有している。ラッチ128によってユーザが、カバー150を容器100に解放可能にロックすることが可能になる。一対の離間したL字形の側部レール136が、凹部122の対向する側部において内側面112に設置され、空洞120に向かって内側面112から離れるように垂直に延びている。L字形の底部レール137が、凹部122の底部においてレール136の端部の間に設置される。バーコードまたはRFIDタグ135(図3)が、側部パネル104の外側面110に設置されている。バーコードまたはRFIDタグ135は、容器のタイプまたは容器100の内容物など容器組立体90に関する情報を含むことができる。
フィルタ組立体140が、側部パネル104の内側面112に隣接して空洞120内に設置されている。各々のフィルタ組立体140は、L字形のレール136および137によって支持され保持されている。フィルタ組立体140は穴124を覆っている。フィルタ組立体140は、概ね正方形の形状であり、正方形のフレーム142と、フレーム142内に設置されたフィルタ材144とを有している。フィルタ材144は、滅菌剤に対して透過性の微生物バリア材である。ここで「滅菌剤」は、微生物を含む生物学的な汚染を無害にする能力を有するガス、蒸気またはエアロゾルであると理解される。フィルタ材144によって、容器100の外から滅菌剤が穴124を通り、フィルタ材144を通り抜けて通過し、内部空洞120に進入することが可能になり、ここで滅菌剤が外科用器具180と接触することができる。フィルタ材144はまた、容器100が滅菌プロセスを介して処理された後に、微生物が容器100内に進入することを阻止する微生物バリアを形成している。
フィルタ組立体140は、ユーザがフレーム142を底部レール137に当接するまで側部レール136に沿って挿入し摺動させることによって配置されるようになっている。レール136および137は、フィルタ組立体140がレール136および137に挿入される際、側部パネル104の内側面112に当たって強制的に圧縮されるように寸法が決められている。レール136、137およびフレーム142は、フィルタ組立体142が容器100内に設置される際、フレーム142の外側周辺部と内側面112の間にシールが形成されるように寸法が決められる。フィルタ組立体140は、容器90の内側面112に対して密閉式に設置されることで、隣接するパネルの内側面112と共に切れ目のない微生物バリアを形成している。
カバー150を使用して、容器100を覆い封鎖する。カバー150は、透明な窓パネル154を囲む概ね矩形形状のフレーム152を含んでいる。カバー150は、頂部面155と、底部面156とを有している。フレーム152は、型打ちされたアルミニウムまたは他の好適な材料から形成することができる。透明パネル154は、アクリルまたはガラスなどの透明な材料から形成されている。透明パネル154によってユーザが容器100の内容物を視覚的に見ることが可能になる。一対のブロック157が、フレーム152の対向する側部に設置されている。各々のブロック157は、ブロック157の長さに延在する直線の溝158がその中に形成されている。ラッチ128の取っ手部分132が溝158と合致することでカバー150を容器100に対して保持している。取っ手部分132は、溝158の中に配置され、ラッチ128はロック位置に向かって下方に旋回され、この位置でカバー150が取り外し可能にかつ密閉式に容器100に対してロックされるようになっている。エラストマーシール(図示せず)が、カバーフレーム152に設置される。カバー150が容器100に据え付けられる際、エラストマーシールが、カバーと容器100の上部の周辺の縁113の間の隙間を密閉することによってカバーおよび容器100の内部に微生物が進入するのを阻止し、これにより、外科用器具180が位置決めされる内部に微生物が進入しないように閉鎖容器を完成させている。
ラックまたは挿入トレイ160を使用して滅菌処理の間医療/外科用器具180を容器100内に保持している。ラック160は、概ね矩形の基部162を含み、この基部は、基部162から垂直方向に上向きに延びる4つの壁164を備えている。一対の離間したハンドル165が対向する壁164に設置されることで、ユーザがラック180を持ち上げることが可能になる。開口部166が基部162内に形成されている。複数の支持部材168が基部162から上向きに延びている。
医療/外科用器具180は、支持部材168上に載せられ、またはこれによって支持されている。支持部材168は、医療/外科用器具180が、滅菌処理のために好ましい配向で保持されるように寸法が決められ成形されている。一実施形態において、医療/外科用器具180は、メス、鉗子および骨刀などの手で扱う器具であってよい。別の実施形態において、医療/外科用器具180は、回転式ハンドピース、ドリルまたは内視鏡などの電動式の器具であってよい。再利用可能な医療/外科用器具は、存在し得る微生物を駆除するために再利用する前に清浄および滅菌する必要がある。行き止まりになった内腔を有する医療/外科用器具180は、滅菌剤が内腔に進入しそこから出て行くことができるように、液体が内腔の中に蓄積しないために自動洗浄および滅菌処理において内腔を水平にまたは下向きに配向する必要がある。
電気センサ組立体またはモジュール200が前方パネル102に窓114の下で設置されている。電気センサモジュール200は、容器100内の環境条件を測定する電子要素およびセンサを収容している。これらの要素はまた、容器100の内容物の滅菌性を保証するために必要な条件が満たされているか判定する。電子センサ組立体200は、後方パネル103、側部パネル104などの他の容器パネルあるいはカバー150に設置される場合もある。
図3を参照すると、容器100および電子センサモジュール200のさらなる詳細が示されている。容器100はさらに、窓114の底部から上向きに延びる隆起した部分190を備えている。傾斜路部分192が、窓114の底部と、隆起した部分190の間に延在している。一対の離間した穴194がパネル16内に形成されている。開口196が透明パネル116内に隆起した部分190より上で穴194と穴194との間に形成されている。
電子センサモジュール200は、前方側204、後方側205、頂部側208、底部側210および角度の付いた側部212と有する概ね台形の筐体202を含んでいる。筐体202は、射出成型プラスチック、アルミニウムまたはステンレス鋼などの任意の好適な材料から形成することができる。一対の植込みボルト220が後方側206から離れるように垂直に延びている。
電子センサモジュール200は、筐体202を隆起した部分190より上に配置し、穴194を貫通するように植込みボルト220を挿入することによって、容器100に設置されている。ワッシャ224が植込みボルト220を覆うように配置され、ナットなどの締め具224が植込みボルト220に対してねじ込まれ、電子モジュール200を容器100に対して固定している。ガスケット、シールまたは硬化性の密閉材214がセンサモジュール200と容器100の間に使用されることで、微生物が設置穴194または開口196を通って容器の内部に侵入するのを阻止している。この位置において、電子モジュール200の後方側206は、透明パネル116に当接し開口196を覆うように延在している。電子モジュール200は、既存の容器を穴194および開口196を含むように修正することによって種々の既存のタイプの容器に適合させることができる。
緑色発光ダイオード(LED)230、赤色LED232および黄色LED233が筐体202内に設置され、これらは前方側204にある開口を介して見ることができる。別の実施形態において、LEDは別の視覚的タイプの指示器ペインまたはディスプレイによって置き換えられる。このような代替の実施形態は、消毒または滅菌プロセスにおいてこれらのシステムを利用する操作者にとって有益な視覚的な指標である設備負荷、センサモジュールまたは他の要素の視覚的状態を提供している。液晶ディスプレイなどのディスプレイ234が筐体202にLED230〜233より上に設置され、前方側204にある開口から見ることができる。LED230〜233およびLCD234は、容器100を利用するスタッフに視覚的情報を提供している。
バーコード、UPCコードまたはRFIDタグ135が、前方側124に設置されている。バーコードまたはRFIDタグ135は、電子モジュールのタイプおよび/または容器100に内容物などの電子モジュール200に関する情報を含むことができる。バーコードまたはRFIDタグ135は、任意選択で容器100の他の外側パネルまたはセンサモジュール200に配置される場合もある。
図4A、図4Bおよび図4Cを参照すると、電子モジュール200のさらなる詳細が示されている。電池室215が後方側206に配置されている。電池室215は、端子217と218の間に設置される蓄電池216を収容している。カバー219が、筐体202にスナップ嵌合され、電池室215を覆っている。電池216によって電子モジュール200に電力を供給する。コネクタ端子243および244を使用して電子モジュール200の外部のデバイスに接続している。例えばコネクタ端子244は、電池216に接続され、電池216を充電するために電源に接続させることができる。コネクタ端子243は、電子モジュール200と外部デバイス間でデータを送受信するのに使用することができる。
開口226が筐体202の後方側206に位置決めされている。複数のセンサ240が筐体202内に設置されたプリント回路基板242に結合されている。センサ240が開口226を介して見ることができ、または開口226を介して露出されている。センサ240は、温度、圧力、湿度および化学的濃度レベルなどの環境の特徴を測定するものである。筐体202が容器100に設置される際、センサ240は、内部空洞120内の環境条件に曝されるべく、開口196を覆うように位置決めされる。一実施形態において、センサ240は、開口196を通り抜けて内部空洞120へと延出する場合もある。
他の電子構成要素が図4Cに見られるようにプリント回路基板242に設置されることで、電子モジュールが容器100内の環境の特徴を監視することが可能になる。プロセッサ250およびメモリ252がプリント回路基板242に設置されている。無線モジュール254および受動要素256がプリント回路基板242に設置されている。無線モジュール254によって電子モジュール200が他の外部デバイスと通信することが可能になる。これらのデバイスには、トランシーバヘッドおよびコンピュータシステムが含まれている。一実施形態において無線モジュール254は、他の外部のコンピュータシステムおよびネットワークからデータおよび指示を送受信することができる。
緑色発光ダイオード(LED)230、赤色LED232および黄色LED233が、プリント回路基板242に設置されている。あるいはこれらの3つのLEDは、多色LED組立体によって置き換えられることで1つまたは複数の区別された異なる色を生成することができる。このような区別された異なる色は、ユーザに容器の状態に関する情報を提供する。例えば赤色LED232は、設備の容器が滅菌されていないことを示すことができる。黄色LED233は、設備の容器が滅菌される準備ができたことを示すことができる。緑色LED230は、設備の容器が適切に滅菌されたことを示すことができる。液晶ディスプレイなどのディスプレイ234をプリント回路基板242に設置することができる。LED230、232、233およびLCD234は、容器100を使用する操作者に視覚的情報を提供している。
[III 第2の容器の環境]
図5は、本発明の第2の実施形態の容器組立体300を示している。図5において、図2における同様の要素に対する共通の参照番号は、同一の参照番号が与えられている。容器組立体300は、概ね矩形の形状の容器302を含んでいる。容器302は、容器100と同様であるが、いくつかの容器100の特徴は省略されており、他の特徴が加えられている。例えば容器302は、穴124またはフィルタ組立体140を全く含まない。
電子モジュール200が前方パネル102に設置されている。電子センサモジュール200は、容器302内の環境の特徴を測定し、容器302の内容物の滅菌性を保証するために、必要な条件が満たされているかを判定する電子構成要素およびセンサを収容している。
容器302はさらに、4つの丸みが付けられた肩部304を含んでいる。各々の肩部304は、容器302の内側の角306に位置決めされ、底部パネル106と縁113の間を角306の長さに沿って延在している。孔308が各々の肩部304に形成され、これは内部区画310へと延出している。線形アクチュエータ312が各々の区画310に設置されている。各々の線形アクチュエータ312は、電気ケーブル314を介して電子モジュール200と連通している。
カバー350を使用して容器302を覆い封鎖している。カバー350は、透明の窓パネル354を囲む概ね矩形形状のフレーム352を含んでいる。カバー350は、頂部面355と、底部面356とを有している。エラストマーガスケット357が底部面356に設置され、カバー350が閉鎖位置にあるとき、縁113と合致する際にシールを形成している。制御ボタン358および359がフレーム352の前方頂部面に設置され、無線通信手段(図示せず)を介して電子モジュール200と連通している。制御ボタン358は、カバー350を閉鎖し、制御ボタン359はカバー350を開放するようになっている。
4つのロッド360がカバー350と線形アクチュエータ312の間に結合されている。ロッド360は、近位端362と、遠位端364とを有している。近位端362は、区画310内に位置決めされ、線形アクチュエータ312に接続されている。ロッド360は、孔308を貫通するように延出し遠位端364において終端している。遠位端364は、フレーム352に取り外し可能に結合されている。電子モジュール200が線形アクチュエータ312を始動させ、ロッド360およびカバー350を直線方向で容器302に向かっておよび容器302から離れるように移動させるようになっている。
カバー350は、容器302の装填および取り出しを容易にするために、ロッド360に装着されたりロッド360から切り離したりすることができる。4つのクイック解放ピン372が、フレーム352の内側の角の各々に位置決めされた開口部374を通るように挿入されるようになっている。クイック解放ピン372は、フレーム352を遠位端364に対して保持するためにロッド360の遠位端364にある孔(図示せず)と合致している。各々のクイック解放ピン372は、内側ばねによって外向きに付勢される1つまたは複数の玉軸受(図示せず)を有している。全ての4つのクイック解放ピン372が取り外されたとき、カバー350をロッド360から取り外し内部空洞120にアクセスすることが可能になる。医療スタッフは、手を使ってトレイ160および滅菌すべき外科用器具を空洞120の中に配置することができる。
開放位置において、図5に示されるように、カバー350は、ロッド360によって支持され、縁113から離間されている。フレーム352と縁113との間には、隙間または開口370が形成されている。開放位置において、滅菌剤が滅菌処理中に開口370を通って内部空洞120に出入りすることができる。
図6に注目すると、カバー350が閉鎖位置で示されており、容器302および容器302の内容物(すなわちラック160および外科用器具180)を密閉している。電子モジュール200が、滅菌処理中の容器302内の作動条件が必要な一セットの作動条件を満たすまたはそれを超えるのに十分であることを判定した後、電子モジュール200は、線形アクチュエータ312にカバー350を閉鎖して緑色LED230をつけるように命じるようになっている。カバー350の閉鎖および密閉ならびに緑色LED230が「オン」であることは、容器の内容物が適切に滅菌され、容器が適切に密閉されたことを示している。継続して「オン」である緑色LED230は代替として、点滅する「オン」の緑色LED230である場合もあり、その結果電池の放電速度を遅らせて電池の寿命を延ばすことができる。
閉鎖位置において、ガスケット357が縁113に当たるように保持されフレーム352と容器302との間にシールを形成している。容器が密閉されることによって、処理後、容器302内の滅菌環境を維持しながら容器の中の滅菌器具を滅菌器50から取り出すことが可能になる。閉鎖された容器302の中の外科用器具180が外科処置のために必要とされる際、ユーザは、開放ボタン359を押し下げ、これにより電子センサモジュール200がアクチュエータ312にカバー350を開放位置まで開放するように命じている。ユーザはその後、手を使ってクイック解放ピン372およびカバー350を取り外すことで、内部空洞120にアクセスして滅菌された外科用器具180を取り出すことを可能にしている。
カバー350が開放された後、容器組立体300内の環境はもはや滅菌されていない可能性がある。電子センサモジュール200が、カバー350を開放する際、電子センサモジュールはまた緑色LED230を消して、赤色LED232をつける。赤色LED232の照明は、容器の密閉が破られたことをユーザに指摘するものである。推理によると、これは容器の内容物がもはや滅菌されていないことの指標である。カバー350が開放されその後閉鎖されたならば、赤色LED232は点灯されたままであり、容器の内容物がもはや滅菌されていないことをユーザに知らせる。
容器組立体300はさらに任意選択で、タンパーセンサ380(図5)の他に1つまたは複数のタンパーシール376(図6)を含んでいる。タンパーシール376およびタンパーセンサ380は、容器組立体300が保管中に開放され容器組立体300の内容物の滅菌性が損なわれているかを示すのに使用される。タンパーシール376は、容器302とカバー350の間に設置されるテープまたはシールである。カバー350の取り外しまたは開放によってタンパーシール376が破られ、容器組立体300の内容物の滅菌性が損なわれたことをユーザに示している。
図5に戻ると、タンパーセンサ380は、ホール効果センサ382と、磁石384と備える場合がある。ホール効果センサ382は、孔308に隣接して肩部304の頂部に設置されている。磁石384は、フレーム352の底部側に設置されている。ホール効果センサは、容器302内に設置されたケーブル386を介して電子モジュール200と連通している。カバー350が閉鎖位置にあるとき、磁石384は、ホール効果センサ382に対して並置されることになる。ホール効果センサ382は、磁石384によって生成される磁場を感知し、磁石384の存在を示す電気信号を電子センサモジュール200に送信する。電子モジュール200は、緑色LED230を照明されたまま維持することで容器組立体300の内容物が滅菌されたことをユーザに示す。カバー350が容器302から離れるように移動され容器組立体300によって形成された滅菌バリアを破壊する際、ホール効果センサ382は電子モジュール200に電気信号を送信し、磁石384によって生成された磁場が縮小したことを示す。電子モジュールはその後、緑色LED230を消して、赤色LED232をつける。赤色LED232の照明は、容器組立体300の内容物がもはや滅菌されていないことをユーザに示す。電池216の充電を延長させるために、LEDは上記に記載したように点滅することでユーザに指示を与える場合もある。
[IV 第3の容器の実施形態]
図7Aから図7Dを参照すると、本発明の第3の実施形態の容器組立体400が示されている。図7Aのカバーを特に参照すると、容器組立体400は、概ね矩形形状であり、平面の前方パネル403、対向する平面の後方パネル404ならびに一対の対向する離間した平面の側部パネル405および406によって画定される容器402を備えている。パネル403および404は、パネル405および406に直交するように配向されている。平面の底部パネル407が、パネル403〜406に対して垂直に設置され容器402の底部を形成している。内部空洞420が、容器402内に画定されている。容器402は、外側面410と、内側面412とを有している。上部の周辺の縁413がパネル403〜406の上縁部によって画定されている。容器402は、型打ちされたアルミニウムまたは他の好適な材料から形成することができる。
側部パネル406は、可視光には透過性であるが、赤外線(IR)および/または紫外線(UV)光の周波数は通さないパネル416によって覆われる開口414を有している。パネル416は、外側または内側のUVおよび/またはIR光がパネル416を通過するのを阻止する。透明パネル416によって、ユーザが容器402内の内容物を視覚的に見ることが可能になる。エラストマーガスケット415が、パネル416を側部パネル406に対して密閉している。ガスケット415およびパネル416は、接着剤を使用して側部パネル406に装着されている。
別の開口418が側部パネル406内に形成され、底部パネル406のすぐ上から開口414の下まで延びている。開口418は開口414より小さい。開口418は、窓421を収容するように寸法が決められている。窓421は、透明または不透明のいずれであってもよく、プラスチック材料から形成することができる。ガスケットまたは気密シール422が窓421を側部パネル406に対して密閉している。ガスケット422およびパネル421は、接着剤を使用して側部パネル406に装着されている。
旋回式のハンドル426が側部パネル405および406の各々に装着されている。ハンドル426は、円形のバンド426によって側部パネル405および406に対して保持される端部425を有している。2つのバンド426は、側部パネル405に剛性に装着されそれに対して密閉されている。2つのバンド426は、側部パネル406に剛性に装着されそれに対して密閉されている。端部425は、バンド426によって受けられ、バンド426内を回転することができる。ハンドル424は、ハンドル424が側部パネル405、406に隣接する格納位置と、ハンドル424が側部パネル405、406に対して垂直に延在する搬送位置の間で旋回するようになっている。側部パネル405、406はさらに、容器402の対向する端部に設置された一対の対向するL字形の段差496を含んでいる。より詳細には、段差496は、フランジ453の対向する部分から離れるように概ね垂直に延在し、わずかに下方に角度を成している。段差496は、カバー450に設置されたロック式の蓋ラッチ446と併せて使用されることで、カバー450を容器402に対して固定している。ロック式の蓋ラッチ446は、ユーザによって段差496を覆うようにロック位置まで回転され下方に回転され、この位置でカバー450と容器402との間でカバーガスケット456を圧縮しつつカバー450が容器402に対して保持されロックされるようになっている。この圧縮によって微生物が容器内に進入するのを阻止している。
さらに図7Bを参照すると、カバー450を使用して容器402を覆い封鎖するようになっている。カバー450は、概ね矩形形状のパネル452を含んでいる。カバー450は、型打ちされたアルミニウムまたは他の好適な材料から形成することができる。2列の穴459がパネル452内に形成されパネル452を貫通するように延在している。穴459は、パネル452の端部の各々に向かって位置決めされている。穴459によって滅菌処理中に滅菌剤が容器402に出入りすることが可能になる。外側の周辺フランジ453が、パネル452の外縁部から下向きに延びている。矩形の内壁454が、パネル452から下方に延びており、フランジ453の全長に沿ってフランジ453から内向きに離間されている。フランジ453および壁454がそれらの間にU字型の溝455を画定している。エラストマーガスケット456が溝455の中に設置されている。カバー450は、パネル403、404、405および406を覆うように嵌合することで、縁413がフランジ453と壁454の間にもたれ、ガスケット456と接触している。ガスケット456がカバー450と容器402との間にシールを形成する。壁454はさらに、パネル452の下に内側のくぼみ457を画定している。一対の離間した対向するL字型のレール458が、パネル452の底部面から離れるように垂直に延在し、くぼみ457の中に進入している。L字型レール458の終端リップ451は互いに面している。
2つのフィルタ440がくぼみ457内に設置されている。各々のフィルタ440は、フィルタ支持部材442によって支持されている。フィルタ支持部材442は、フィルタ支持部材442の各端部から延出する外向きに延びる肩部443を有している。肩部443はレール458の終端リップ451によって保持されている。フィルタ支持部材442はさらに一列の開口部445を含んでいる。フィルタ440は、穴459を覆っている。フィルタ440およびフィルタクリップ442は概ね矩形の形状である。
肩部443が終端リップ451の下で摺動することができ、フィルタ440およびフィルタ支持部材442を曲げることができるように、フィルタ440およびフィルタ支持部材442は可撓性材料から形成されている。あるいはフィルタ440は、ユーザによってフィルタ支持体442上に配置することができ、この組み合わせがレール458に沿って挿入されている。レール458は、フィルタ440およびクリップ442がレール458に挿入されるように寸法が決められており、フィルタ440はカバー450の内側面に当たるように圧縮されるまたは押し込まれるようになっている。
フィルタ440は、滅菌剤に対して透過性の微生物バリア材料から形成されている。フィルタ440によって滅菌剤がカバー450の外から、穴459を通り、フィルタ440を通り抜け、開口部445を通って通過し内部空洞420に進入することが可能になり、ここで滅菌剤が外科用器具と接触している。フィルタ440はまた、微生物バリアを形成し、容器組立体400が滅菌プロセスを介して処理された後に、微生物が容器組立体400に進入するのを阻止している。
ロック式の蓋ラッチ446がカバー450の端部の各々に装着されている。ロック式の蓋ラッチ446の一端は、各々のカバー端部に回転可能に装着されている。ロック式の蓋ラッチ446は、上下に回転させることができる。ロック式の蓋ラッチ446が下向きに回転されL字型の段差496と係合する際、カバー450は、取り外し可能に容器402にロックされるようになっている。磁石448がロック式の蓋ラッチ446の内側に向いている面に設置され、後に記載するようにホール効果センサ480と共に作用するようになっている。
電子センサ組立体またはモジュール460が容器402内に設置されている。電子センサモジュール460は、滅菌処理中の容器402内の環境の特徴を測定し、容器402の内容物の滅菌性を保証するために、必要な条件が満たされたかをどうかを判定する電子構成要素と、センサとを収容している。
図7Aを参照すると、電子センサモジュール460は、矩形形状のプリント回路基板(PCB)462を有している。PCB462は、電子センサモジュール460の構成要素を電気的に接続するプリント回路線(図示せず)を含んでいる。PCB462は、底部パネル407より上に設置され、2つ以上の絶縁したスペーサまたはスタンドオフ463によって底部パネル407から離間されている。ねじなどの締め具464が、PCB462およびスタンドオフ463を底部パネル407に対して保持している。
センサがPCB462に設置されており、容器402の内部の1つまたは複数の環境の特徴を監視している。これらのセンサには、水蒸気の濃度を監視するセンサ472が含まれている。これは、湿度または蒸気センサと呼ばれる場合もある。センサ473は、容器の内部の流体(ガス)圧を監視している。センサ484は、容器内の温度を監視する。またプロセッサ479およびメモリ471も存在している。またPCB462の頂部側には光学センサ465が設置され、これは容器402内の光学距離の長さ466を介して伝達される赤外線(IR)または紫外線(UV)光の量を感知している。一実施形態において、光学センサ465は、過酸化水素ガス(H2O2)の濃度を検出している。別の実施形態において、光学センサ465は、エチレンオキシドガス(C2H4O)の濃度を検出している。別の実施形態において、光学センサ465は、水または水蒸気(H2O)の濃度を検出している。別の実施形態において、光学センサ465は、過酸化水素蒸気(H2O2)と水蒸気(H2O)の両方を検出している。
光学センサ465は、PCB462の頂部側に設置されたIRまたはUV源またはエミッター467と、IRまたはUV受光器または検出器468とを含んでいる。光フィルタ(図示せず)をIR検出器468および/または光源467の周りに設置することで、望ましくない波長を除去することができる。過酸化水素ガスは2.93ミクロンの波長において赤外線を吸収するため、過酸化水素ガスを含んだ既知の距離の長さ466を通って伝達されるその周波数における光の量は、過酸化水素ガスの濃度に比例している。過酸化水素ガスはまた、240ナノメータ付近の波長において紫外線を吸収している。ガスを介する光の吸収は、ベール−ランベルト法によって記述されている。
半円の集光器469がPCB462に設置されている。一方の集光器469はエミッター467を囲むように位置決めされ、他方の集光器は検出器468を囲むように位置決めされている。集光器469は、検出器468に対して同軸ではない光線を反射するようになっている。細長い光シールド470が光学距離の長さ466ならびにエミッター467、検出器468および両方の集光器469を覆うように設置されている。光シールド470はPCB462に装着されている。光シールド470によって迷光線が光学センサ465を出て内部空洞420に進入するのを阻止している。集光器469およびシールド470は、例えば磨かれたステンレス鋼などの光を反射する材料から形成されている。集光器469およびシールド470は、協働してエミッター467からの放射を反射し、このような放射を集中させ検出器468によって検出されたエネルギーを増大させている。
電池497がPCB462に設置され、電子モジュール460の構成要素に電力を供給している。電池497は、1つまたは複数の電池セルから形成され電子センサモジュール460の電圧および電力要件に応じて電池パックを形成することができる。一実施形態において、電池497は充填式電池である。別の実施形態において、電池497は、放電後新しい電池と交換される。例えば緑色、赤色および黄色LEDなどの発光ダイオード(LED)487が、PCB462に設置されている。LED487は、容器組立体400を使用するスタッフに視覚的情報を提供している。
図7Cは、窓421の中に収容される追加の構成要素を示している。図7Cにおける窓421は、プラスチックなどの透明な材料から形成されている。気密式に密閉されたコネクタ485が窓421内に設置され、コネクタ485を貫通して延びPCB462に電気的に接続される複数の端子486を収容している。気密式コネクタ485は、容器組立体400とデータを送受信するために外部コネクタ475およびケーブル476(図7A)に接続されている。PCB462上のLED487はユーザによって窓421から見られるようになっている。光シールド477が、LED487によって生成された光が光学センサ465に到達しないように阻止している。
図7Dは、窓421の中に収容される別の実施形態を示している。図7Dにおける窓421は、プラスチックなどの不透明な材料から形成されている。気密式に密閉されたコネクタ485が窓421内に設置され、コネクタ485を貫通して延びPCB462に電気的に接続される複数の端子486を収容している。気密式コネクタ485は、容器組立体400とデータを送受信するために外部コネクタ475およびケーブル476(図7A)に接続されている。図7Dの実施形態では、LED487はPCB462に設置されていない。LED487は、窓421の外側に設置され、窓421を通り抜けて延びる電線または端子478によってPCB462に接続されている。窓421は、シール、ガスケットまたは硬化性の密閉材422によって容器の壁406に密閉式に設置されている。
図7Aに戻ると、ホール効果センサ480が側壁406の内側面412に縁413の下で設置され、別のホール効果センサ480が、側壁405の内側面412に縁413の下で設置されている。ホール効果センサ480は、電線481によってPCB462に接続されている。カバー450が容器402を覆うように配置される際、磁石448がホール効果センサ480に対して並置されるようになっている。ホール効果センサ480は、磁石448によって生成される磁場を感知し、感知した磁場の存在を示す電気信号を出力するようになっている。カバー450を容器402から取り外すためにラッチ446が開放される際、ホール効果センサ480は、磁場がないことを感知し、磁場を検出しないことを示す電気信号を出力するようになっている。電気センサモジュール460はホール効果センサ480からの信号を利用して、ラッチ446が滅菌後に適切に維持されたか、または不正に開放されたかを監視することができる。あるいは、ロック式の蓋ラッチ446がL字型の段差496から脱落するのを阻止する一方向のロック式ジップストリップ(図示せず)などの機械的要素が、ロック式の蓋ラッチ446が正確な位置に維持されていることを視覚的に示す1つの方法としての役割を果たす場合もある。これらの機械的な一方向のロック式ジップストリップを典型的には壊して取り外すことで、ロック式の蓋ラッチ446をL字型の段差496から外すことができる。
仮底プレート490が、電子モジュール460および底部パネル407の上に設置されている。仮底プレート490は、矩形の形状であり、プレート490を貫通して延びる一連の穴491を有している。仮底プレート490は、スタンドオフ492によって電子モジュール460より上に支持されている。スタンドオフ492は、底部パネル407の上に載せられている。締め具494が、プレート490を底部パネル407に対して保持している。ねじなどの締め具494は、仮底プレート490、スタンドオフ492を貫通して延出し、底部パネル407へとねじ込まれている。穴に491によって、滅菌剤が仮底プレート490の下を流れ、電子センサモジュール460へと進入することが可能になっている。これによりモジュール内のセンサが容器400の内部環境の特徴の測定を行なうことが可能になっている。
使用する際、医療/外科用器具180(図2)を滅菌するのに望ましい配向で収容するラックまたはトレイ160(図2)を容器402の中に配置することができる。ラック160はプレート490上に配置され、その上に載せられている。電子モジュールおよびセンサ460はプレート490の下に隠されている。トレイ160が容器402内に配置された後、カバー450が容器402を覆うように配置され、ロック式の蓋ラッチ496がロック位置に移動され、カバー450を容器402に対してロックし密閉するようになっている。コネクタ475およびケーブル476がコネクタ485に装着され、メモリ471は、実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)によってプログラムされるようになっている。プログラム後、容器組立体400は、滅菌プロセスサイクルを介して処理するための準備が整うことになる。
[V 第4の容器の実施形態]
図8は、本発明の第4の実施形態の容器組立体500を描いている。容器組立体500は、概ね矩形形状であり、平面の前方パネル503、対向する平面の後方パネル504ならびに一対の対向する離間した平面の側部パネル505および506によって画定される容器502を備えている。パネル503および504は、パネル505および506に直交するように配向されている。平面の底部パネル507が、パネル503、504、505および506に対して垂直に設置され容器502の底部を形成している。内部空洞520が、容器502内に画定される。容器502は、外側面510と、内側面512とを有している。上部の周辺の縁513がパネル503から506の上縁部によって画定されている。容器502は、型打ちされたアルミニウムまたは他の好適な材料から形成することができる。
側部パネル506は、可視光には透過性であるが、赤外線(IR)および/または紫外線(UV)光の周波数は通さないパネル516によって覆われる矩形の開口514を有している。パネル516は、容器502の外側または内側のUVおよび/またはIR光がパネル516を通過するのを阻止している。透明パネル516によって、ユーザが容器502内の内容物を視覚的に見ることが可能になる。エラストマーガスケット515が、パネル516を側部パネル506に対して密閉するようになっている。ガスケット515およびパネル516は、接着剤または好適な機械的締め具(図示せず)を使用して側部パネル506に装着されている。別の矩形の開口518が、側部パネル506内に開口514より上で縁513より下に形成されている。開口518は、気密式に密閉されたスイッチ521を収容するように寸法が決められている。複数の設置ブロック519が、パネル506の内側面512に装着され空洞520内へと延出している。2つの設置ブロック519は、縁513より下に位置決めされ、2つの設置ブロック519は、パネル506の底部に位置決めされている。
旋回式のハンドル524が側部パネル505および506の各々に装着されている。ハンドル524は、円形のバンド526によって側部パネル505および506に対して保持される端部525を有している。2つのバンド526は、側部パネル505にはんだ付けされ、2つのバンド526は、側部パネル506にはんだ付けされている。端部525は、バン526によって受けられ、バンド526内で回転することができる。ハンドル524は、ハンドル524が側部パネル505、506に隣接する格納位置と、ハンドル524が側部パネル505、506に対して垂直に延在する搬送位置との間を旋回するようになっている。
カバー550を使用して容器502を覆い封鎖するようになっている。カバー550は、概ね矩形形状のパネル552を含んでいる。カバー550は、型打ちされたアルミニウムまたは他の好適な材料から形成することができる。1列の穴559がパネル552内に形成されパネル552を貫通するように延在している。穴559によって滅菌処理中に滅菌剤が容器502に出入りするのが可能になる。外側の周辺フランジ553が、パネル552の外縁部から下向きに延びている。内壁554が、パネル552から下方に延びており、フランジ553から内向きに離間されている。フランジ553およびフランジ554がそれらの間にU字型の溝555を画定する。エラストマーガスケット556が溝555の中に設置されている。カバー550がパネル503〜506を覆うように嵌合することで、縁513がフランジ553と壁554の間にもたれ、ガスケット556と接触するようになっている。ガスケット556がカバー550と容器502との間にシールを形成している。4つの概ねC字型の保持クリップ558が、パネル552の底部面から下方に延びている。クリップ558が、パネル552の中心に向かって最も外側の穴559の周りに位置決めされている。
一回利用または複数回利用のフィルタ540が、穴559を覆うように設置されている。フィルタ540は、フィルタ支持材542によって支持されている。フィルタ支持材542は、保持クリップ558によってパネル552に対して保持されている。フィルタ支持材542は、可撓性の材料から形成されるため、支持材542の端部を保持クリップ558の下で曲げることでフィルタ540および支持材542を保持クリップ558に対して保持することができる。フィルタ540は、穴559を覆っている。支持材542および保持クリップ558は、フィルタ540を、穴559を覆うパネル552の底部側に当てて圧縮している。フィルタ540は、滅菌剤に対して透過性の微生物バリア材料から形成されている。フィルタ540によって、滅菌剤が容器502の外から穴559を通って、フィルタ540を通り抜けて通過し、内部空洞に進入することが可能になり、ここで滅菌剤が外科用器具に接触するようになっている。フィルタ540はまた、容器組立体500が滅菌プロセスを介して処理された後、微生物が容器組立体500に進入するのを阻止する微生物バリアを形成している。
容器組立体500はさらに、リフトオフヒンジ545を備えている。リフトオフヒンジ545は、側部パネル505の縁513から離れるように延びるC字型フランジ546と、カバー550の一端から離れるように延びる別のC字型フランジ547とを有している。フランジ546および547は、互いに合致してヒンジ545を形成する。フランジ546および547は、カバー550がフランジ546および547が互いに係合した状態で閉鎖位置に向けて回転される際に、カバー550の一端が容器502に対して保持されるように寸法が決められている。
枢動式のラッチロック548が、カバー550の他端に設置されている。ラッチロック548は、ユーザによって下向きにスイッチ521を覆うようにロック位置まで回転され、この位置でカバー550は容器502に対して保持されかつロックされるようになっている。ラッチロック548のスイッチ521に対する動きがスイッチ521を開放回路から閉鎖回路へと切り換えている。容器組立体500は、ユーザがラッチロック548をスイッチ521から離すように移動させ、容器550をヒンジ545を中心として回転させることによって解錠され開放されるようになっている。ラッチロック548のスイッチ521から離れる動きが、スイッチ521を閉鎖回路から開放回路に切り換えている。
電子センサ組立体またはモジュール560が容器502内に設置されている。電子モジュール560は滅菌処理中の容器502内の環境の特徴を測定し、容器502の内容物の滅菌性を保証するために必要な条件が満たされたかをどうかを判定する電子構成要素と、センサとを収容している。
電子センサモジュール560は、矩形のプリント回路基板(PCB)562を有している。PCB562は、電子センサモジュール560の構成要素を電気的に接続するプリント回路線(図示せず)を含んでいる。種々の電子構成要素およびセンサがPCB562に設置されることで、電子モジュール560が容器502の内部の環境を監視することが可能になる。プロセッサ570、メモリ571、水蒸気または蒸気センサ572および隔絶された温度センサ574がPCB562の頂部側に設置されている。振動板式の圧力センサ573および/またはキャパシタンス・マノメータが内部空洞520に設置され、ケーブル575を経由してPCB562に接続されている。
また、容器502内の光学距離の長さ566を介して伝達されるIRまたはUV光の量を感知する光学センサ565もPCB562に設置されている。一実施形態において、光学センサ565は過酸化水素(H2O2)の濃度を検出している。別の実施形態において、光学センサ565は水(H2O)の濃度を検出している。
光学センサ565は、PCB562に設置された光源またはエミッター567と、受光器または検出器568とを含んでいる。光フィルタ(図示せず)が、検出器568の周りに設置されることでいずれの望ましくない波長も除去することができる。半円形の集光器569がPCB562に設置されている。これらの集光器は、放物線状、楕円形またはエミッター567に面する光検出器に光を集中させる他の形状を有する場合がある。一方の集光器569がエミッター567を囲むように位置決めされ、別のIR集光器は、検出器568を囲むように位置決めされるようになっている。
交換式および/または充電式電池580が電池室582の開口581に収容されている。電池室582は、PCB562の裏側に設置される。電池580は、PCB562内のプリント回路線(図示せず)を介して電子モジュール560の構成要素に電力を供給している。電池580は、個別のセルである、または電池パック構成になるように包装される場合がある。
例えば緑色、赤色および黄色LEDなどの発光ダイオード(LED)584がPCB562の頂部側に設置されている。透明カバー585がLED584を覆うようにPCB562に設置されている。LED584は、カバー585および窓516を介してユーザによって見られるようになっている。LED584によって容器組立体500を使用するスタッフに視覚的情報を提供している。コネクタ594がPCB562に設置され、電池室582の底部を貫通して延びている。電子センサモジュール560が外部システムおよびデバイスからデータまたは指示を送受信するために、コネクタ594を使用して外部コネクタおよびケーブルを接続している。
電池室582およびPCB562の一部は、絶縁筐体586の中に収容されている。筐体586は、プラスチックなどの絶縁材料から形成されている。筐体586は概ね矩形形状であり、内部チャンバ587と、カバー588とを含んでいる。設置フランジ589が筐体586から離れるように垂直に、かつ側部パネル506に平行して延在している。電池室582およびPCB562の一部は、チャンバ587内に設置されている。カバー588が電池室582を覆うように閉鎖位置まで回転されるようになっている。スイッチ521もまた、電線588を介してPCB562と連通している。
筐体586は、パネル506の内側面512に設置されている。筐体586は、絶縁スペーサまたはスタンドオフ590によって底部パネル507から離間されている。ねじなどの締め具591が設置フランジ589を貫通して延出し、設置ブロック519内にねじ込まれている。
使用する際、医療/外科用器具180(図2)を滅菌するのに望ましい配向で収容するラックまたはトレイ160(図2)を容器502の中に配置することができる。ラック160は、底部パネル507に配置され、その上に載せられるようになっている。
実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)をメモリ571に記憶するために、外部ケーブル(図示せず)がコネクタ594に装着されている。器具が容器502内に配置された後、カバー550が容器502を覆うように配置されヒンジ545を係合させ、ラッチロック548がスイッチ521と係合するようにロック位置まで移動され、カバー550を容器502に対してロックするようになっている。容器組立体500はこのとき、滅菌プロセスサイクルを介して処理するための準備が整うことになる。
[VI 第5の容器の実施形態]
図9Aを参照すると、本発明の第5の実施形態の容器組立体600が示されている。容器組立体600は、容器402の変型を含む。図9Aの容器402の変型は、開口418がないことを除いて先に記載した図7Aの容器402と同様である。また磁石624が、側部パネル405および406の内側に向く垂直の側面に縁413のわずかに下で設置されている。
図9Bをさらに参照すると、カバー650を使用して容器402を覆い封鎖するようになっている。カバー650は、概ね矩形のパネル652を含んでいる。カバー650は、型打ちされたアルミニウムまたは他の好適な材料から形成することができる。カバー650は、内側面651、外側面654および対向する端部653を有している。一列の穴655がパネル652内に形成されパネル652を貫通するように延在している。穴655によって滅菌処理中に滅菌剤が容器402に出入りすることが可能になる。外側の周辺の壁656がパネル652の外縁部から下方に延びている。別の矩形の壁657が、パネル652から下向きに延び壁656の全長に沿って壁656から内向きに離間されている。壁656および657は、それらの間にU字型の溝658を画定している。エラストマーガスケット659が溝658の中に設置されている。
カバー650がパネル403、404、405および406を覆うように嵌まることで、縁413が壁656と657との間にもたれ、エラストマーガスケット659と接触するようになっている。ガスケット659は、カバー650と容器402の間にシールを形成している。
カバー650はさらに、一端653に形成された開口648を含んでいる。開口648は、窓621を収容するように寸法が決められている。窓461は、透明でありプラスチック材料から形成されている。気密式シール622が窓621を端部653に対して密閉するようになっている。窓621および気密式シール622が接着剤を使用して端部653に装着されている。
側部パネル405、406はさらに、容器402の対向する端部に設置された一対の対向するL字型の段差496を含んでいる。より詳細には、段差496は側部パネル405、406から離れるように概ね垂直に延びており、上向きのアーチ形状を有して下方にわずかに角度を成している。段差496は、カバー650を容器402に固定するために、カバー650に設置されたロック式の蓋ラッチ646と併せて使用されるものである。ロック式の蓋ラッチ646は、ユーザによってカバー650が容器402に対して保持されロックされるロック位置まで段差496を覆うように下方に回転され、その一方でカバーガスケット659をカバー650と容器402との間で圧縮してシールを形成している。ロック式の蓋ラッチ646は、カバー650の各々の端部に装着されている。ロック式の蓋ラッチ646の一端は、各々のカバー端部に回転可能に装着されている。ロック式の蓋ラッチ646は、上下に回転させることができる。ロック式の蓋ラッチ646が下方に回転されL字型の段差496と係合する際に、カバー650は容器402に対してロックされるようになっている。磁石686がロック式の蓋ラッチ646の内側に向く面に設置され、後に記載するようにホール効果センサ680と共に作用するようになっている。
単一利用または複数利用のフィルタ640が穴655を覆うようにカバー650の底面651に装着されている。フィルタ640は、フィルタ640の長さに延在するフィルタ支持部材642によって支持されている。フィルタ支持部材642は、一列の開口部643と、フィルタ支持部材642の端部から離れるように延びる対向する一対の肩部644とを含んでいる。一対の離間したC字型クリップ645(図9B)が底面651から離れるように延在している。フィルタ640およびフィルタ支持部材642がカバー650の底面651に設置される際に、クリップ645の一部が、フィルタ支持部材642の肩部644を覆うように延在することでフィルタ640をカバー650に対して保持するようになっている。フィルタ640は穴655を覆っている。フィルタ支持体がフィルタ640をカバーに対して保持することで、穴655を通って進入する全ての物質がフィルタを通過しなければならなくなる。
肩部644がクリップ644の下で摺動することができ、フィルタ640およびフィルタ支持部材642を曲げることができるように、フィルタ640およびフィルタ支持部材642は、可撓性の材料から形成されている。フィルタ640は、滅菌剤に対して透過性である微生物バリア材から形成されている。フィルタ640によって滅菌剤がカバー650の外から穴655を通り、フィルタ640、開口部643を通り抜けて通過し、内部空洞420に進入することが可能になり、ここで滅菌剤が外科用器具に接触するようになっている。フィルタ640はまた、容器組立体600が滅菌プロセスを介して処理された後、微生物が容器組立体600に進入するのを阻止する微生物バリアを形成している。
カバー650はさらに、筐体630を含んでいる。筐体630は、U字型の断面を備えた概ね矩形形状を有している。筐体630は、型打ちされたアルミニウムまたは他の好適な材料から形成することができる。筐体630は、底壁631と、側壁632とを備えている。側壁632は、底壁631によって離間され、底壁631に対して垂直に配向されている。フランジ633が各々の側壁632の遠位端から離れるように垂直に延びている。設置穴635が、筐体630の対向する端部においてフランジ633を貫通して延在している。底壁631および側壁632は、筐体630内に空洞または閉鎖容器638を画定している。一列の穴634が底壁631および側壁632内に形成されている。穴634によって滅菌剤が空洞638に出入りすることが可能になる。筐体630は、端部653に隣接してパネル652の内側面651に設置され、ねじなどの締め具636を使用して壁657からわずかに離間されるようになっている。締め具636は、設置穴635を貫通して延び、内側面651へとねじ込まれるようになっている。
電子センサ組立体またはモジュール660が、カバー650に対して保持される筐体630内に設置されている。電子センサモジュール660ならびに以下に記載するモジュール760および850は、モジュール560と同一の機能を果たす構成要素を収容している。
図9Aを参照すると、電子センサモジュール660は、矩形プリント回路基板(PCB)662を有している。PCB662は、電子モジュール660の構成要素を電気的に接続するプリント回路線(図示せず)を収容している。PCB662は筐体の空洞638内に設置され、その中に収容されている。絶縁スペーサ618がPCB662を覆うように設置され、カバーの内側面651とPCB662との間に位置決めされている。
種々の電子構成要素およびセンサがPCB662に設置されることで、電子センサモジュール660が容器402内の作動条件を監視することが可能になる。プロセッサ670、メモリ671、湿度または蒸気センサ672、圧力センサ673および隔絶された温度センサ674がPCB662の頂部側に設置されている。PCB662の底部側には、空洞638内で光学距離の長さ666を介して伝達されるIRおよび/またはUV光の量を感知する光学センサ665が設置されている。一実施形態において光学センサ665は、過酸化水素ガス(H2O2)の濃度を検出している。
光学センサ665は、PCB662の底部側に設置された光源またはエミッター667および受光器または検出器668を含んでいる。光エミッター667は、IRまたはUV光を生成するものである。光フィルタ(図示せず)が、エミッター667または検出器568の周りに設置されることで、いずれの望ましくない波長も除去することができる。
充電式電池697がPCB662の底部側に設置され、PCB662内のプリント回路線(図示せず)を介して電子モジュール660の構成要素に電力を供給している。例えば緑色、赤色および黄色LEDなどの発光ダイオード(LED)687がPCB662の一端に設置されている。LED687は、容器組立体600を使用するスタッフに視覚的情報を提供している。カバー650の中のLED687は、窓621からユーザによって見られるようになっている。
気密式コネクタ685が窓621の中に設置され、カバー650の外部とカバー650の内部の間に延在している。気密式コネクタ685は、PCB662に電気的に接続される複数の端子を収容している。気密式コネクタ685は、容器組立体600とデータを送受信するために、外部コネクタ610およびケーブル612を使用して接続することができる。気密式コネクタ685によって、容器組立体600が密閉状態にあるとき、電子センサモジュール660と通信することが可能になる。
追加として図9Bを参照すると、ホール効果センサ680が各々の端部653において壁657の内側部分に設置されている。ホール効果センサ680は、電線681によってPCB662に接続されている。カバー650が容器402を覆うように配置される際に、磁石624は、ホール効果センサ680に対して並置されるようになっている。ホール効果センサ680は、磁石624によって生成される磁場を感知し、感知した磁場の存在を示す電気信号をプロセッサ670に対して出力するようになっている。カバー650が容器402から取り外される際に、ホール効果センサ680は、磁場がないことを感知し、磁場を検出しないことを示す電気信号をプロセッサ670に対して出力するようになっている。
使用する際、医療/外科用器具180(図2)を滅菌するのに望ましい配向で収容するラックまたはトレイ160(図2)を容器402の中に配置することができる。ラック160は底部パネル407に配置され、その上に載せられている。トレイ160が容器402内に配置された後、カバー650が容器402を覆うように配置され、ロック式の蓋ラッチ496がロック位置まで段差646を覆うように移動され、カバー650を容器402に対してロックするようになっている。外部コネクタ610およびケーブル612が気密式コネクタ685に装着され、メモリ671に実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)がロードされるようになっている。プログラミング後、容器組立体600は、滅菌プロセスサイクルを介して処理するための準備が整うことになる。
[VII 第6の容器の実施形態]
図10を参照すると、本発明の第6の実施形態の容器組立体700が示されている。容器組立体700は、容器402を備えている。図10の容器402、フィルタ440およびカバー450は、開口418が容器402から省略されていること以外は、先に記載した図7Aの容器402、フィルタ440およびカバー450と同一である。
容器組立体700は、電子センサ組立体またはモジュール760を収容するラックまたはトレイ720を含んでいる。トレイ720は、ステンレス鋼またはアルミニウムなどの好適な材料から形成することができる。トレイ720は、一列の穴726が穿孔された概ね平面の矩形の基部722を備えている。基部722は、上部面723と、底部面724とを有している。周辺フランジ728が、基部722の縁部から下方に垂直に延び、基部722を取り囲んでいる。フランジ728および基部722は、基部722の下に空洞730を画定している。穴726によって、滅菌剤が空洞730に出入りすることが可能になる。
トレイ720は、医療/外科用器具180を滅菌処理の間容器402内に保持するのに使用されている。トレイ720は、基部722の対向する端部に設置された一対の離間したハンドル732を含んでいる。ハンドル732によってユーザがトレイ720を掴み持ち上げることが可能になる。ハンドル732は、基部722に装着された一対の垂直方向のロッド734と、ロッド734の間に延在する水平方向の把持用のバー736とを含んでいる。
複数の支持部材738が基部722に設置され、そこから上向きに延びている。医療/外科用器具180は、支持部材738上に載せられ、支持部材738によって支持されている。支持部材738は、医療/外科用器具180が滅菌処理に好ましい配向で保持され維持されるように寸法が決められ成形されている。一部の医療/外科用器具180には、滅菌剤が外科用器具に出入りしやすいように、滅菌処理において特定の幾何学的な向きで配向されることが重要である。
底部プレート714が基部722の底部面724に設置され、空洞730を取り囲んでいる。プレート714は頂部面716と、底部面718とを有している。4つのスペーサまたはスタンドオフ706が、プレート714の角に配置されている。スペーサ706は、プレート714を基部722から固定された距離に位置決めするものである。ねじなどの締め具708が、プレート714の角およびスペーサ706を貫通するように延び、基部722にねじ込まれることによって、プレート714を基部722に対して保持している。
電子センサモジュール760が空洞730内に設置されている。より具体的には、モジュール760は、プレート714の頂部側716に設置されている。
電子センサモジュール760は、矩形のプリント回路基板(PCB)762を有している。PCB762は、電子モジュール760の構成要素を電気的に接続するプリント回路線(図示せず)を収容している。PCB762は、プレート714の側部716に設置されている。
種々の電子構成要素およびセンサがPCB762に設置されることで、容器402内の作動条件を監視することが可能になる。プロセッサ770、メモリ771、湿度または蒸気センサ772、圧力センサ773および隔絶された温度センサ774がPCB762の頂部側に設置されている。
またPCB762の頂部側には、空洞730内で光学距離の長さ766を介して伝達されるIRおよび/またはUV光の量を感知する光学センサ765が設置されている。一実施形態において光学センサ765は、過酸化水素ガス(H2O2)の濃度を検出している。
光学センサ765は、PCB762の頂部側に設置された光源またはエミッター767および受光器または検出器768を含んでいる。光源767は、IRまたはUV光を生成するものである。光フィルタ(図示せず)が、検出器768の周りに設置されることでいずれの望ましくない波長も除去することができる。
交換式または充電式電池797がPCB762の頂部側に設置され、PCB762内のプリント回路線(図示せず)を介して電子モジュール760の構成要素に電力を供給している。例えば緑色、赤色および黄色LEDなどの発光ダイオード(LED)787がPCB762の一端に設置されている。LED787は、容器組立体700を使用するスタッフに視覚的情報を提供している。トレイ720が容器402内に配置される場合、LED787は透明パネル416を介してユーザが見ることができる。
コネクタ785がPCB762の他端に設置されている。コネクタ785は、電子モジュール760とデータを送受信するために外部コネクタ710およびケーブル712に装着することができる。コネクタ785を使用して実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)をメモリ771にロードするようになっている。
トレイ720は、VSPMによってプログラムされている。外部コネクタ710がコネクタ785に装着されている。VSPMは、外部ソースからメモリ771にダウンロードされるようになっている。各々のトレイ720は、固有の医療/外科用器具180を収容するように設計されるため、トレイ720はVSPMによって1回だけプログラムされる必要がある。VSPMは、後の滅菌処理サイクルで使用するためにメモリ771に記憶されるようになっている。
医療/外科用器具180を滅菌するのに所望の配向で収容するトレイ720が、容器402内に配置されている。トレイ720は、底部パネル407上に配置され、その上に載せられている。トレイ720が容器402内に配置された後、カバー450が容器402を覆うように配置され、ロック式の蓋ラッチ446がロック位置まで段差496を覆うように移動され、カバー450を容器402に対してロックし密閉するようになっている。
保護タグまたは壊れやすいシール792が、ロック式の蓋ラッチ496と段差446の間に装着されている。タグ792の両端は、段差446の中の開口444を通り抜けてラッチ496を通り抜けて延び、合致されて切れ目のないループを形成している。タグ792は、容器組立体700内に何らかの不正の変更が生じた、または容器組立体700内の滅菌バリアが滅菌処理の後に損なわれたかどうかをユーザに示している。タグ792は、1回のみの利用でき、容器組立体700の内容物へのアクセスを得るために切断されるようになっている。保護タグ792が装着された後、容器組立体700は、滅菌プロセスサイクルを介して処理するための準備が整うことになる。
[VIII 第7の容器の実施形態]
図11Aを参照すると、本発明の第7の実施形態の容器組立体800が示されている。容器組立体800は、概ね矩形の形状であり、平面の前方パネル803、対向する平面の後方パネル804ならびに一対の対向する離間した平面の側部パネル805および806によって画定される容器802を備えている。パネル803および804は、パネル805および806に直交するように配向されている。平面の底部パネル807が、パネル803、804、805および806に対して垂直に設置され容器802の底部を形成している。内部空洞820が、容器802内に画定されている。容器802は、外側面810と、内側面812とを有している。上部の周辺の縁813がパネル803から806の上縁部によって画定されている。容器802は、型打ちされたアルミニウムまたは他の好適な材料から形成することができる。
側部パネル806は、可視光には透過性であるが、IRおよび/またはUV光の周波数は通さないパネル816によって覆われる開口814を有している。パネル816は、IRおよび/またはUV光が内部空洞820に進入するのを阻止している。透明パネル816によって、ユーザが容器802内の内容物を視覚的に見ることが可能になる。エラストマーガスケット815が、パネル816を側部パネル806の外側面に対して密閉するようになっている。ガスケット815およびパネル816は接着剤を使用して側部パネル806に装着されている。
容器802はさらに、開口814の下で側部パネル806の底部に位置するほぼU字型の切欠き830を含んでいる。切欠き830は、側部パネル806から空洞820内に垂直に延在する水平方向の棚832、および棚832から下向きに垂直に延び底部パネル807において終端するU字型の壁834によって画定されている。U字型の壁834は、中央部分835と、2つの正反対に対向する外側部分836とを有している。
正反対に対向する窓837が、外側セクション836の各々に形成されている。窓837は、内部空洞820の一部分によって互いから隔てられている。窓837は、プラスチックなどの透明材料から形成され、接着剤によって外側セクション836に装着されている。
気密式コネクタ838が、中央セクション835の中心に向けて設置されている。気密式コネクタ838は、側部パネル838を貫通して内部空洞820へと延びる複数の端子を収容している。気密式コネクタ838によって、容器802内の電子構成要素と連通することが可能になる。ラッチ式のロック受け器839が、縁813の下で側部パネル806の中心に向かって設置されている。
カバー550は、磁石840が枢動式のラッチロック548の内側面に追加されていることを除いて、図8に先に記載したものと概ね同様である。穴559によって滅菌処理において滅菌剤が容器802に出入りすることが可能になる。ガスケット556が、カバー550と容器802との間にシールを形成している。使い捨てフィルタ540が、穴559を覆うように設置されている。フィルタ540は、フィルタ支持部材542によって支持されている。フィルタ支持部材は、保持クリップ558によってパネル552に対して保持されている。フィルタ540は、穴559を覆っている。
支持部材542および保持クリップ558が、フィルタ540を、穴559を覆うように、パネル552の底部側に当てて圧縮している。フィルタ540は、滅菌剤に対して透過性の微生物バリア材から形成されている。フィルタ540によって滅菌剤がカバー550の外から穴559を通って、フィルタ540を通り抜けて通過し内部空洞820に進入することが可能になり、そこで滅菌剤は外科用器具と接触することができる。フィルタ540はまた、容器組立体800が滅菌プロセスを介して処理された後、容器組立体800に微生物が進入するのを阻止する微生物バリアを形成している。
容器組立体800はさらに、リフトオフヒンジ545を備えている。リフトオフヒンジ545は、側部パネル805の縁813から離れるように延びるC字型フランジ846と、カバー550の一端から延びる別のC字型フランジ547とを有している。フランジ846および547は、互いに合致してヒンジ545を形成している。フランジ846および547は、カバー550がフランジ846および547が互いに係合した状態で閉鎖位置に向けて回転される際に、カバー550の一端が容器802に対して保持されるように寸法が決められている。
旋回式のラッチロック548が、カバー550の他端に設置されている。ラッチロック548は、図11Cに示されるように、ユーザによってラッチロック548がラッチロック受け器839と合致する位置まで下方に回転させることができる。ラッチロック548がラッチロック受け器839と完全に係合する際に、カバー550は、容器802に対して密閉式にロックされるようになっている。カバー550は、ラッチロック548をラッチロック受け器839から解錠することによって容器802から取り外されるようになっている。
固定式のセンサモジュール850が容器502内に設置されている。固定式のセンサモジュール850の電子構成要素は、比較的少ない量の電力を使用している。
固定式のセンサモジュール850は、矩形のプリント回路基板(PCB)852を有している。PCB852は、電子センサモジュール850の構成要素を電気的に接続するプリント回路線(図示せず)を収容している。ホール効果センサ854、プロセッサ870、メモリ871、湿度または蒸気センサ872、圧力センサ873および隔絶された温度センサ874がPCB852の前方側に設置されている。
交換式および/または充電式電池855がPCB852の裏側に設置されている。一実施形態において、PCB852に設置された構成要素は比較的少ない量の電力を消費するため、電池855は、ウォッチ電池である。電池855は、電子センサモジュール850の構成要素に電力を供給している。
例えば緑色、赤色および黄色LEDなどの発光ダイオード(LED)856がPCB852の前方側に設置されている。透明カバー857がLED856を覆うようにPCB852に設置されている。容器802内のLED856は、カバー857および透明パネル816を介してユーザによって見られるようになっている。LED856によって容器組立体800を使用するスタッフに視覚的情報を提供している。
PCB852は、閉鎖容器860内に設置されその中に収容されている。閉鎖容器860は、プラスチックなどの電気的絶縁材料から形成されている。閉鎖容器860は、2つの概ね矩形のセクションを有し、上方セクション862および下方セクション863である。上方セクション862は、貯蔵所864を画定し、下方セクション863は、貯蔵所865を画定している。PCB852は、閉鎖容器860に設置されることで、PCB852の端部セクションは、貯蔵所864および865の中に収容されている。
PCB852を備えた閉鎖容器860は、内部空洞820の中に設置されている。閉鎖容器860は、棚832の上に載せられ、パネル806の内側面812に装着されている。ねじなどの締め具866が、閉鎖容器860を内側面512に装着している。PCB852はさらに、PCB852から延び気密式コネクタ838と接続する端子879を介して気密式コネクタ838に装着され、気密式コネクタ838と連通している。
取り外し可能な光学センサ組立体またはモジュール900が容器502に接続可能であり、そこから取り外すことも可能である。取り外し可能な光学センサモジュール900は、固定式センサモジュール850の電子構成要素より相対的に多量の電力を消費する電子構成要素を収容している。取り外し可能な光学センサモジュール900において使用される電子構成要素はまた、固定式センサモジュール850において使用される電子構成要素よりコストがかかることになる。取り外し可能な光学センサモジュール900は、滅菌処理において容器802内の環境の1つまたは複数の特徴を測定するものである。
図11A、図11Bおよび図11Cを参照すると、取り外し可能な光学センサモジュール900は、概ねU字型の筐体902と、少なくとも1つの光学センサ950とを備えている。筐体902は、プラスチックなどの電気的絶縁材料から形成されている。筐体902は、概ねU字型の外壁904と、U字型の内壁910とを含んでいる。中空の空洞920が、外壁904と内壁910との間に画定されている。外壁904は、中央セクション905と、中央セクション905の対向する端部から離れるように垂直に延在する端部セクション906とを有している。矩形の開口908が、中央セクション905の頂部に向けて形成されている。
内壁910は、中央セクション912と、中央セクション912の対向する端部から離れるように垂直に延在する端部セクション913とを有している。段差914が、各々の端部セクション913の遠位端から離れるように垂直に延在している。段差914は、中央セクション912に平行である。矩形の透明窓916が外側セクション913の各々に配置されている。窓916は、互いに正反対に対向している。コネクタ経路918が、中央セクション912に形成されている。コネクタ経路918によってセンサ950に装着されたコネクタが、経路918を通って延びることが可能になる。ねじなどの締め具919を使用して内壁910を外壁904に対して保持している。
光学センサモジュール900が、図11Cに示されるように容器802の切欠き830内に設置され、これによって受けられるようになっている。保持クリップ924が開口908内に設置されている。光学センサモジュール900が切欠き830内に配置され、その中へと水平方向に摺動する際に、保持クリップ924が容器802にある保持タブ925と係合しこれと合致するようになっている。保持タブ925は、棚832の底部から下方に切欠き930に向かって延びている。保持クリップ924およびタブ925は、光学センサモジュール900を容器802に対して保持している。保持クリップ924およびタブ925は、ユーザが保持クリップ924を側部パネル806から離すように引っ張り、保持クリップ924を保持タブ925との係合状態から解放することによって、光学センサモジュール900を容器802から取り外されることになる。光学センサモジュール900は、その後、側部パネル806から離れるように水平方向に摺動させることができる。
光学センサ950が空洞920内で筐体902に設置されている。光学センサ950は、外壁904と内壁910の間に設置されている。光学センサ950は、容器802内の光学距離の長さ966(図11B)を介して伝達されるIRまたはUV光の量を感知するものである。光学センサ950は、過酸化水素ガス(H2O2)またはエチレンオキシドガス(C2H4O)などのガスの濃度を検出している。
光学センサ950は、プリント回路基板(PCB)952を有している。IRまたはUV光源またはエミッター967および受光器または検出器968が、PCB952の片側に設置されている。光フィルタ(図示せず)が、光源968の周りに設置されることでいずれの望ましくない波長も除去することができる。
コネクタ958がPCB952の片側に設置されている。コネクタ958は、コネクタ経路918(図11B)を通って延びている。コネクタ958は、筐体902が切欠き830に挿入され容器802に装着される際に、容器802のコネクタ838と合致するようになっている。装着される際に、コネクタ958および838によって、光学センサ950と固定式のセンサモジュール850の間に連通が生じることが可能になる。光学的な一実施形態において、光学センサ950は、固定式センサモジュール850内の別の送受信機と通信する無線送受信機を含んでいる。
電池954がPCB952の第2の側に設置され光学センサ950に電力を供給している。電池954は、コネクタ958を介して充電することができる。信号調整および伝達デバイス956もまたPCB952の第2の側に設置されている。信号調整および伝達デバイス956は、論理回路、増幅器、フィルタおよび/または入/出力インターフェースを含むことで、エミッター967、受光器968および固定式センサモジュール850の間で電気信号を調整して送信するようになっている。
光学センサモジュール900が容器902に装着される際に、エミッター967によって生成される光は、第1の窓916、第2の窓837を通って、内部空洞920内の光学距離の長さ966に沿って、第3の窓837、第4の窓916を通って伝送され、検出器967によって受信されるようになっている。窓は、窓を通って伝送される光エネルギーの波長に対して透過性である。
検出器967は、容器802内の滅菌剤の濃度に比例する受信したIRまたはUV光の量に比例する電気信号を生成している。電気信号は、信号調整および伝達デバイス956によって調整され、容器組立体800の内容物の滅菌性を判定するのに使用するために、コネクタ958および838を介してプロセッサ870に伝送されるようになっている。
使用する際に、医療/外科用器具180(図2)を滅菌するのに望ましい配向で収容するラックまたはトレイ160(図2)を容器802の中に配置することができる。ラック160は底部パネル807に配置され、その上に載せられている。
実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)をメモリ871にロードするために、外部ケーブルおよびコネクタ(図示せず)が、コネクタ838に装着されている。トレイ160が容器802内に配置された後、カバー550は、容器802を覆うように配置され、ヒンジ545を係合させ、ラッチロック548が、ラッチロック受け器839に係合するようにロック位置まで移動され、カバー550を容器802に対してロックするようになっている。容器組立体800はこのとき、滅菌サイクルを介して処理するための準備が整うことになる。
取り外し可能な光学センサモジュール900は、容器802に装着可能であり、そこから着脱可能であることで複数の利点を有している。取り外し可能な光学センサモジュール900は、より多量の電力を消費する可能性のあるより高いコストの電子センサ構成要素を収容するため、滅菌システムの全体のコストを下げるために相対的に少ない数の取り外し可能な光学センサモジュール900を、固定式センサモジュール850を収容する相対的に多い数の容器802によって再充電し、再利用することが望ましい。滅菌センサ電子機器を2つの別個の組立体850および950に分割することで、より少ない数の取り外し可能な光学センサモジュールを使用することが可能になる。
[IX 電子センサプリント回路基板]
図12A、図12Bおよび図12Cは、センサモジュール200、460、560、660および760の設計のさらなる詳細を示している。特に図12Aを参照すると、蒸気感知モジュール1000が示されている。蒸気感知モジュールは、蒸気滅菌プロセス測定値を監視し記録するように特化されている。蒸気感知モジュール1000は、頂部側1012と、底部側1014とを有する概ね矩形の多層プリント回路基板(PCB)1010を備えている。プリント回路線1016が、各々の側およびPCB1010の層にパターン形成されることで、蒸気感知モジュール1000の構成要素を電気的に接続している。
プロセッサ1020およびメモリ1022が、頂部側1012に設置されている。湿度または水蒸気センサ1024が頂部側1012に設置されている。湿度または水蒸気センサ1024は、湿度計タイプの湿度センサまたは容量式の湿度センサであってもよい。湿度センサ1024は、蒸気感知モジュール1000を取り囲む水蒸気の濃度に比例する電気信号(電圧)を出力するようになっている。別の実施形態において、水蒸気センサは、光学センサを取り囲む水蒸気濃度を監視し読み取るために、固有の波長において作動するエミッターおよび検出器を備えた光学センサである。水蒸気光学センサの作動は、ここでは詳細に記載しないが、後に記載するように、過酸化水素蒸気に対する光学センサ1052として異なる波長で行なわれている。
圧力センサ1026が、頂部側1012に設置されている。圧力センサ1026は、印加される圧力に起因する歪みを検出するために結合されたまたは形成された歪みゲージのピエゾ効果を利用する半導体ピエゾ歪みゲージであってもよい。圧力センサ1026は、電気出力を最大限にし、誤差に対する感度を低下させるホイートストーンブリッジ回路を形成するように接続された歪みゲージを利用している。圧力センサ1026は、大気(atm)またはバールで絶対圧力を測定している。圧力センサ1026は、蒸気感知モジュール1000を取り囲む絶対圧力に比例する電気信号(電圧)を出力するようになっている。
温度センサ1028が、頂部側1012に設置されている。温度センサ1028の構造は、本発明の一部ではない。温度センサ1028は、蒸気感知モジュール1000を取り囲む温度に比例する電気信号(典型的には電圧)を出力するようになっている。温度センサ1028は、取り付け台および設置場所からの影響が最小限の状態で環境の温度を測定するために、設置法の熱特性がセンサの能力を最大限に発揮するように隔絶されたやり方で取り付けられかつ配置されている。
緑色、赤色および黄色LEDなどの発光ダイオード(LED)1030が頂部側1012に設置されている。コネクタ1032が、頂部側1012に設置されている。コネクタ1032は、プロセッサ1020が外部システムおよびデバイスとデータを送受信するために、外部コネクタおよびケーブルに接続するのに使用されている。交換式および/または充電式電池または電池パック1034が底部側1014に設置されている。電池1034は、蒸気感知モジュール1000に電力を供給している。プロセッサ1020およびメモリ1022は互いに連通している。プロセッサ1020はさらに各々のセンサ1024、1026、1028、LED1030、コネクタ1032および電池1034とも連通している。
図12Bに注目すると、過酸化水素感知モジュール1050が示されている。過酸化水素感知モジュール1050は、器具を滅菌するのに過酸化水素が使用される場合に、使用されるものである。過酸化水素感知モジュール1050は、蒸気感知モジュール1000に関して先に記載した同一のセンサおよび構成要素を収容している。加えて、過酸化水素感知モジュール1050はさらに、光学距離の長さ1054を介して伝送されるIRおよび/またはUV光の量を感知する1つまたは複数の光学センサ1052を含んでいる。
1つまたは複数の光学センサ1052は、IRまたはUV光源またはエミッター1056を含んでいる。エミッター1056は、電球またはLEDであってもよい。センサ1052はまたエミッター1055によって放出された光の波長の強度に比例して信号を出力することが可能な検出器1058も含んでいる。センサ1052は、頂部側1012に設置されている。光フィルタ1060が、検出器1058に向けて設置されることで、いずれの望ましくない波長も取り除かれている。半円形の集光器1062が頂部側1012に設置されている。一方の集光器1062はエミッター1054を囲むように位置決めされ、他方の集光器1062は検出器1058を囲むように位置決めされている。集光器1062は、検出器1058に対して同軸でない光線を反射している。集光器1062は、磨かれたステンレス鋼など、検出器1058に向けてエミッター1054エネルギーを有効に反射する材料から形成されている。プロセッサ1020はさらに、エミッター1056および検出器1058と連通している。
光学センサ1052は、過酸化水素(H2O2)蒸気を検出するように構成されている。過酸化水素蒸気は、2.93ミクロンの波長における赤外線と、240ナノメータの波長におけるUV光とを吸収するため、過酸化水素蒸気の既知の経路長(1054)を介して伝達される光の量は、過酸化水素蒸気の濃度に比例している。過酸化水素ガスの濃度が高くなると、検出器1058に到達する光が少なくなる。過酸化水素ガスの濃度が低くなると、検出器1058に到達する光が多くなる。一実施形態において光学センサは、典型的に滅菌に使用される0.05mg/lから25mg/lまでの濃度を計測することが可能である。
ガスを介する光の伝達は、ベール−ランベルト法によって記載される。ベール−ランベルト法は、物質を透過した光の伝達Tと、この物質の吸収係数の成果α、および材料を通り抜けて進む光の距離(すなわち経路の長さ)lの積との間に対数依存性が存在することを述べている。吸収係数は次いで、吸収体のモル吸収力(吸光係数)εおよび材料における吸収種のモル濃度cまたは吸収断面σおよび吸収体の(数)密度Nのいずれかの積として記述することもできる。過酸化水素ガスの場合、
ここで、I0およびIはそれぞれ吸光ガスがない状態で伝達される光の強度、および伝達される光の強度であり、σは、過酸化水素モル吸収係数であり、Nは、過酸化水素濃度である。光検出器1058は、過酸化水素感知モジュール1050を取り囲む過酸化水素ガスの濃度に比例する電気信号(電圧)を出力するようになっている。
図12Cは、過酸化水素感知モジュール1080の別の実施形態を示している。過酸化水素感知モジュール1080は、集光器1062が異なるタイプの集光器によって置き換えられていることを除いて過酸化水素感知モジュール1050に関して先に記載した同一のセンサと構成要素とを収容している。楕円形状の集光器組立体1082が、PCB1010の頂部側1012に設置されている。
集光器組立体1082は、一対のアーチ型またはU字型の集光器1084と、一対の細長い平行な光シールド1086とを含んでいる。一方の集光器1084はエミッター1056を取り囲み、別の集光器1084は検出器1058を取り囲んでいる。光シールド1086が集光器1084の間に延在し、光路1054に平行しそこから離間されている。一列の穴1088が、光シールド1086に形成されている。穴1088によって過酸化水素ガスが光路1054に沿って循環することが可能になる。集光器1084および光シールド1086は、磨かれたステンレス鋼などエミッターエネルギーを反射する材料から形成されている。一実施形態において、一方のセンサモジュールは、蒸気センサモジュール1000と、過酸化水素センサモジュール1050の両方からのセンサおよび電子構成要素を組み合わせることで、1つのセンサモジュールを使用して、蒸気と過酸化水素滅菌プロセスの両方において監視および記録することができる。蒸気センサモジュールと過酸化水素センサモジュールを1つのセンサモジュールに組み合わせる際、上記に記載したようにセンサモジュール1000と1050の両方からの全ての構成要素およびセンサを、1つのセンサモジュールシステムに取り込むことができる、または重複する構成要素をなくすことで、コストを削減し組み合わせたセンサモジュールのサイズを縮小することができる。
[X 電気の概略図]
図13に注目すると、一例の電子センサモジュールのブロック図1100が示されている。図13の概略図は、電子センサモジュール200、460、560、660、760、1000、1050および1080の機能を示すことが意図されている。図13は電子センサモジュール1050を参照して概ね述べることにする。
電子センサモジュール1050は、制御装置1120を含んでいる。制御装置1120は、プロセッサ1020、メモリ1022、電力モニター1122および入/出力インターフェース1124を備えている。プロセッサ1020は、1つまたは複数の通信バス1126を介してメモリ1022、電力モニター1122および入/出力インターフェース1124と連通している。
プロセッサ1020は、好適なマイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイまたは特定用途向けの集積回路である。1つまたは複数のセットの指示またはソフトウェアが、本明細書に記載される方法または機能の任意の1つまたは複数を具現化する機械読み取り可能媒体またはメモリ1022に記憶されている。メモリ1022はランダムアクセスメモリ(RAM)またはNANDフラッシュメモリなどの不揮発性ランダムアクセスメモリまたは任意の他の好適なメモリである。プロセッサ1020はまた、その実行時にプロセッサ1020内にプログラムを少なくとも一部記憶するメモリを収容することができる。メモリ1022は、容器組立体90、300、400、500、600、700および800の作動を少なくとも一部制御するソフトウェアまたはプログラムを記憶するようになっている。
用語「メモリまたは機械読み取り可能媒体」はまた、プロセッサによって実施するための一セットの指示を記憶し、エンコードするまたは実行することが可能であり、本発明の種々の実施形態に示される方法体系の任意の1つまたは複数をプロセッサに実行させる何らかの媒体を含むように解釈すべきである。機械読み取り可能媒体またはメモリはしたがって、但しこれに限定するものではないがソリッドステートメモリ、光学および磁気媒体ならびに搬送波信号を含むように解釈すべきである。
電力モニター1122は、電源1034からの電力を調整し制御している。入/出力インターフェース1124は、要求されるタイミング、信号レベルおよびプロトコルを提供することで、プロセッサ1020が制御装置1120の外にある構成要素と通信することを可能にする。
電子センサモジュール1050はさらに、タイマー1132、LED/ディスプレイ1030、電源1034、無線送受信機1138および1つまたは複数のセンサを含んでいる。タイマー1132は、クロック信号およびリアルタイムクロックをプロセッサ1020に提供する。タイマー1132はまた、プロセッサ1020に対する日付および時刻情報などの追加の時間情報を含む場合もある。LED/ディスプレイ1030は、ユーザに視覚的情報を提供する。電源1034は電子センサモジュール1050に電力を供給していする。電源1034は、電池または他の好適な電源である。
I/Oインターフェース1124は、コネクタ1032および無線送受信機1138と連通している。無線送受信機1138は、データおよび指示を含む無線信号1140を電子センサモジュール1050と他の構成要素およびデバイスとの間で送受信することができる無線送信機および受信機を含んでいる。一実施形態において、電子センサモジュール1050は、滅菌チャンバ52(図1)と無線通信する。別の実施形態において、電子センサモジュール1050は、開放ボタン359および閉鎖ボタン358(図5)と無線通信する。別の実施形態において、電子センサモジュール1050は、後に記載するようにドッキングステーションと無線通信している。
プロセッサ1020はさらに、I/Oインターフェース1124を介して電子センサモジュール1050のセンサと連通している。一実施形態において、センサは、共通の閉鎖容器の中で電子センサモジュール1050に対して設置されている。別の実施形態において、センサは、電子センサモジュール1050から離れて配置され、信号ケーブルまたは無線通信手段を介して電子センサモジュール1050と連通している。
湿度または水蒸気センサ1024、圧力センサ1026、温度センサ1028および過酸化水素ガスセンサ1052は、1つまたは複数の通信バス1142を介してI/インターフェース1124と連通している。アクチュエータ312(図5)、ホール効果センサ382(図5)およびスイッチ521(図8)もまた、1つまたは複数の外部ケーブル314(図5)、588(図8)を介してI/Oインターフェース1124と連通している。プロセッサ1020は、I/Oインターフェース1124を介して、滅菌処理を受けている容器内の環境の特徴を示すデータをセンサから受信するようになっている。
図13および図14ならびに付随する考察は、記載される実施形態を実施するように適合された一例の制御装置またはプロセッサの包括的な記載を提供することが意図されている。実施形態は、制御装置内に記憶されたメモリ上にある指示の包括的なコンテキストを記載するが、当業者は、実施形態は、作動システムにおいて稼働するプログラムモジュールの組み合わせにおいて実施される場合もあることを理解するであろう。一般に、プログラムモジュールは、ルーチン、プログラム、コンポーネントおよびデータ構造を含み、特定のタスクを果たすまたは特定の抽象データ型を実施している。
図14を参照すると、メモリ1022のコンテンツの詳細が示されている。メモリ1022は、プロセッサ1020によって実施するためのおよびプロセッサ1020に本明細書に記載される方法の任意の1つまたは複数を実行させる多様なデータ、指示のセット、ソフトウェア、ファームウェア、プログラムまたはユーティリティを記憶することができる。メモリ1022は、実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)1150、滅菌検証ソフトウェア1152、センサ較正ソフトウェア1154、データ記録ソフトウェア1155、データ1156および滅菌監視ソフトウェア1158を備えている。
実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)1150は、滅菌プロセスにおいて容器内で満たされる際に、設備負荷の滅菌を保証する測定値、最小の値または限界値である。滅菌検証ソフトウェア1152は、VSPM1150を使用して、容器内の環境がVSPM測定値、最小の値またはVSPMの限界値を満たすかどうかを判定している。
センサ較正ソフトウェア1154は、センサを較正するために、センサ較正プロセスにおいて使用されている。センサ較正ソフトウェア1154は、センサが容器内の滅菌プロセス測定値を監視するのに使用される前にセンサを較正するまたは精度を検証するのに使用されている。センサの較正は、図16におけるドッキングステーション1300と併せて行なうことができ、またはセンサ較正ソフトウェアを使用して、ドッキングステーション1300とは無関係にセンサを較正する場合もある。
一例として、センサ較正ソフトウェア1154は、固有の光の波長が吸収される範囲を測定することによって環境の特徴を測定するセンサを較正するものである。このような1つのセンサは、気化した過酸化水素のセンサである。具体的にこのような較正は、チャンバが完全な真空に近い、例えばおおよそ0.2トールの際に行なわれている。このとき、チャンバ内にはガス(気体)が事実上存在しない。チャンバおよび容器の環境がこのような状態にあるとき、全く拡大解釈せずに放出される光は基本的に全く吸収されない。データ記録ソフトウェア1155は、測定値すなわち、容器がこのような状態にあるとき、容器にガスがないことを示す信号レベルとして、センサ検出器からの信号を記録している。測定されたガスを表すその後の信号がこの基本信号に対して比較されることになる。この比較およびベール−ランベルト法に基づいて開発された定数に基づき、測定されたガスの濃度が計算されている。
[XI ドッキングステーション]
図15は、容器組立体90、300、400、500、600、700および800と併せて使用されるドッキングステーション1200の一実施形態を示している。ドッキングステーション1200は、外科用器具が容器内に装填される際に、および本明細書に記載される容器の実施形態の電池を充電するために使用されている。図15を参照すると、ドッキングステーション1200は、フレーム1202と、ディスプレイ1230とを備えている。フレーム1202は、互いから90度離間された4本の脚1206と、支持部材1208とを有する基部1204を含んでいる。脚1206は、支持部材1208の底部から外向きに延出している。車輪1210が、脚1206の遠位端に設置されることでドッキングステーション1200を医療設備内で移動させることが可能になる。
棚または容器ホルダー1212が支持部材1208の上端部に設置されている。容器、例えば図2の容器100が、棚1212に載せられ棚によって支持されている。ディスプレイ1230が、1つまたは複数の旋回継手1234を有する連節されたアーム1232によって基部1202に設置されている。アーム1232は、旋回継手1234を移動させ回転させることによってユーザによって複数の異なる角度および位置まで移動させることができる。アーム1232によってディスプレイ1230を医療スタッフによって、最適に見られるように位置決めすることが可能になる。
ドッキングステーション1200はさらに、手持ち式のリーダー1240と、コネクタプラグ1250とを含んでいる。手持ち式リーダー1240は、ケーブル1242を介してコネクタプラグ1250と連通している。手持ち式リーダー1240は、バーコードスキャナまたはRFIDリーダーのいずれであってもよい。一実施形態において、手持ち式リーダー1240は、容器組立体90〜800に配置されたバーコード135、235(図3)をスキャンすることができるバーコードスキャナである。バーコードリーダーはまた、容器内に配置され得る器具のトレイまたはラック160および720上のバーコードを読み取るのにも使用されている。別の実施形態において、手持ち式リーダー1240は、容器組立体90〜800に配置されたRFIDタグ135、235(図3)を読み取ることができるRFIDリーダーである。手持ち式リーダー1240は、スキャンしたデータをドッキングステーション1200に送信するようになっている。手持ち式リーダー1240を使用して容器および/またはその内容物に関するデータおよび情報を取得するものである。このような読み取られたデータは、ドッキングステーションによって処理され、ユーザに情報を戻すように提供している。例えばドッキングステーションは、容器内に装填されるべき設備セットおよび設備ラックの画像を生成することができる。ドッキングステーションは、何をどの方向で装填し、どのように容器の滅菌バリアを完璧にするかについての指示を与えることができる。
上記で考察したように、各々の器具トレイまたはラックは、固有のセットの器具を保持するように設計されている。特定のラック/トレイおよび関連する器具に関して一セットの実証された滅菌プロセス測定値が分かっている。手持ち式リーダーが、トレイまたはラックからトレイまたはラック識別データを取り込んでいる。これらのトレイまたはラック識別データに基づいて、ドッキングステーションは、ドッキングステーションメモリからVSPMデータを取り込んでいる。これらのデータは、滅菌すべき器具のセットに関してセンサモジュールメモリにロードされるようになっている。読み取られたデータはまた、容器組立体の場所および内容物を追跡するために病院内の他の資産(アセット)追跡システムおよびワークフロー追跡システムと共に使用される場合もある。
コネクタプラグ1250が、棚1212の近位部分に設置されている。コネクタプラグ1250は、ケーブルおよびコネクタを使用してデバイスをドッキングステーション1200に接続するのに使用されている。電子センサモジュール200を備えた容器100が、ケーブル1246を介してドッキングステーション1200に接続されている。ケーブル1246の一端はコネクタ244に接続され、ケーブル1246の他端はコネクタプラグ1250の1つのプラグに接続されている。ケーブル1246は、電子センサモジュール200の電池を充電し、電子モジュール200とドッキングステーション1200の間でデータを送受信するのに使用されている。例えばケーブル1246を介して実証された滅菌プロセス測定値をドッキングステーション1200から送信し、電子センサモジュール200内で記憶することができる。別の実施形態において、ドッキングステーション1200は、無線手段によって電子センサモジュール200と通信することができる。
ディスプレイ1230は、ドッキングステーション1230の内部にある制御装置1402(図17)と連通している。ディスプレイ1230は、ユーザがドッキングステーションに対して入力を提供することを可能にする液晶、LEDまたはプラズマディスプレイなどのタッチスクリーンディスプレイである。他の入力デバイス、例えばキーボードなどがドッキングステーション1200に接続される場合もある。制御装置1402は、種々の画像やスクリーン1260をディスプレイ1230上に示すことができる。例えば図15において、スクリーン1260は、ユーザが容器100のトレイ160の中に配置すべき外科用器具180を表示している。スクリーン1260は、ユーザに、トレイ160上に配置すべき器具180の種類、名前または数ならびにトレイ160上での各々の器具180の正確な位置および配向を例示している。図15において、示される外科用器具180は、電動外科用ドリルまたはハンドピースである。
一実施形態において、手持ち式リーダー1240は、滅菌すべき外科用器具180のバーコードを読み取っている。手持ち式リーダーは、ケーブル1242を介してバーコード情報を制御装置1402に送信するようになっている。制御装置1402は、トレイ構成のデータベースをサーチし、ユーザにスクリーン1260を表示し、特定された外科用器具180と共に使用すべき正確なトレイ160ならびにトレイ160内に配置されるように特定された外科用器具180の数、位置および配向を特定している。外科用器具、器具ラック160および一緒に実証された他の要素の組み合わせは、滅菌バリアの内側に設備負荷を有している。この設備負荷は、内容物ID1610として図19に記載されている。ユーザは、スクリーン1260を見ながらトレイ160に正確な位置で正確な外科用器具180を入れることができる。スクリーン1260は、誤った外科用器具180が誤ったトレイ160と共に配置されるのを阻止するのを助けている。スクリーン1260はまた、ユーザがトレイ160内で外科用器具180を誤って配向するのを阻止する助けてもいる。
図16を参照すると、ドッキングステーション1300の別の実施形態が示されている。ドッキングステーション1300は、容器組立体90、300、400、500、600、700および800と併せて使用されている。ドッキングステーション1300は、外科用器具を容器内に装填する際にセンサを較正するために、および電池を充電するのに利用されている。ドッキングステーション1300は、フレーム1302と、ディスプレイ1230とを備えている。フレーム1302は、4つの車輪1306が基部1304の角に設置された概ね矩形の基部1304を含んでいる。
パネル1308が、フレーム1302の側部および後部を覆っている。一対のドア1310がフレーム1302の前方に設置されて、フレーム1302の内部区画1312へのアクセスを可能にしている。矩形の較正チャンバ1320が、ドア1310より上でフレーム1302の上半分に設置されている。較正チャンバ1320は、ドア1310の上に延在する近位端部と、後方パネル1308に当接する遠位端部とを有している。較正チャンバ1320は、内側、頂部、底部および後方パネルまたは壁1322を有している。パネル1322は、内部空洞1324を画定している。較正チャンバ1320は、容器組立体、例えば容器組立体400などを較正プロセスにおいて保持することで、容器組立体400の中に収容されるセンサを較正している。
ドア1326が、ヒンジ1328によって較正チャンバ1320の前方に設置されている。ドア1326は、較正チャンバ1320を開閉するように移動されることになる。ドアロック1330がロック受け器1332と合致してドア1326を閉鎖位置に維持している。エラストマーガスケット1334が、ドア1326の周辺縁部を囲むように設置され、ドア1326が閉鎖される際にシールを形成している。
コネクタ1336が、側部内壁1322に設置されている。コネクタ1336は、容器組立体400が内部空洞1324に配置される際に、コネクタ合致部1338およびケーブル1340と合致するようになっている。ケーブル1340の他端は、容器402に設置されたコネクタ485に接続可能である。コネクタ485、1336、1338およびケーブル485によって、較正プロセスにおいてドッキングステーション1300が容器402内の電子センサモジュール460(図7A)と連通することが可能になる。コネクタ1336は、図16において容器組立体400に接続されるように示されているが、容器組立体90、400、500、600、700および800のいずれかをコネクタ1336に接続し較正チャンバ1320を使用して較正することもできる。
平面の棚1342が、較正チャンバ1320の頂部を覆うように設置され、角度付きの部分1344を有している。ユーザは、容器を棚1342の上に置くことができる。手持ち式リーダー1240は、使用されないとき、角度付きの部分1344内のホルダー1345内に格納されている。
複数の充電受け口1346が、角度付きの部分1344に設置されている。充電受け口1346は、電子センサモジュール200内の電池を充電するために、そのそれぞれの容器から取り外された電子センサモジュール200(図1)を受けるように成形されている。充電受け口1346はまた、充電するために電池1034(図12B)などの取り外し可能な電池パックを受けることもできる。充電受け口1346は、ドッキングステーション1300の内側で電池充電器に接続される端子(図示せず)を収容している。
ディスプレイ1230が、1つまたは複数の枢動継手1234を有する連節されたアーム1232によってフレーム1302に設置されている。アーム1232は、枢動継手1234を移動させ回転させることによってユーザによって複数の異なる角度および位置まで移動させることができる。アーム1232によってディスプレイ1230を医療スタッフによって、最適に見られるように位置決めすることが可能になる。ディスプレイ1230は、図15と併せて先に記載したようにスクリーン1260を示すことができる。
図17に注目すると、ドッキングステーション1200および/または1300の電気的ブロック図1400が描かれている。ドッキングステーション制御装置1402は、ドッキングステーション1200および1300の作動を制御するものである。ドッキングステーション制御装置1402は、プロセッサ1410、メモリ1412および入/出力インターフェース1414を備えている。プロセッサ1410は、1つまたは複数の通信バス1416を介してメモリ1412および入/出力(I/O)インターフェース1414と連通している。制御装置1402の構成要素は、プリント回路基板(図示せず)に設置されている。
プロセッサ1410は、好適なマイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイまたは特定用途向けの集積回路である。1つまたは複数のセットの指示またはソフトウェアが、本明細書に記載される方法または機能のいずれか1つまたは複数を具現化する機械読み取り可能媒体またはメモリ1412に記憶されている。メモリ1412は、ランダムアクセスメモリ(RAM)またはNANDフラッシュメモリなどの不揮発性ランダムアクセスメモリまたは任意の他の好適なメモリである。プロセッサ1410はまた、その実行時にプロセッサ1410内にプログラムを少なくとも一部記憶するメモリを収容することができる。メモリ1412は、ドッキングステーション1200および1300の作動を少なくとも一部制御するソフトウェアまたはプログラムを記憶している。
電源1418が、制御装置1402の構成要素とドッキングステーション1200および1300の他の構成要素に電力を供給するようになっている。電源1418は、公共電源に接続されている。I/Oインターフェース1414は、要求されるタイミング、信号レベルおよびプロトコルを提供することで、制御装置1402の内外にある構成要素と通信することを可能にしている。
I/Oインターフェース1414は、電池充電器1420および無線送受信機1422と連通している。電池充電器1420は、ドッキングステーションに接続された電子センサモジュール内に収容された電池を充電するのに使用されている。無線送受信機1422は、無線信号1424を介してデータおよび指示を送受信することができる無線送信機と、受信機とを含んでいる。一実施形態において、ドッキングステーション1200および/または1300は、無線信号1424を介して容器組立体90〜800と通信するようになっている。
I/Oインターフェース1414はまた、他の外部構成要素、例えばキーボード1426、ディスプレイ1230および手持ち式リーダー1240などと連通している。キーボード1426は、ドッキングステーション1200および1300に情報を入力するのに使用されている。プロセッサ1410は、ディスプレイ1230上に示すべきビデオディスプレイデータ、例えばスクリーン1260などを送信している。手持ち式リーダー1240は、データをプロセッサ1410に送信している。
I/Oインターフェース1414はさらに、ドッキングステーション1300によって較正処理において複数の構成要素と連通している。I/Oインターフェースは、通信バス1416を介して蒸気生成器1430、過酸化水素生成器1432、圧力ポンプ1434、真空ポンプ1436およびヒーター1438と連通している。全ての較正構成要素は、較正チャンバ1320(図16)の下で内部区画1312(図16)の中に設置されている。
蒸気生成器1430は、較正チャンバ1320まで配管することによって接続されている。蒸気生成器1430は、較正処理において較正チャンバ1320内に既知の蒸気の濃度を生成するのに使用されている。過酸化水素生成器1432は、較正チャンバ1320まで配管することによって接続されている。過酸化水素生成器1432は、較正処理において較正チャンバ1320内に既知の過酸化水素の濃度を生成するのに使用されている。圧力ポンプ1434は、較正チャンバ1320まで配管することによって接続されている。圧力ポンプ1434は、較正処理において較正チャンバ1320内に既知の圧力レベルを生成するのに使用されている。
真空ポンプ1436は、較正チャンバ1320まで配管することによって接続されている。真空ポンプ1436は、較正処理において較正チャンバ1320内に既知の真空レベルを生成するのに使用されている。ヒーター1438は、較正チャンバ1320の内壁1322(図16)の外側面に設置されている。ヒーター1438は、較正処理において較正チャンバ1320内に既知の温度を生成するのに使用されている。プロセッサ1410は、較正処理における蒸気生成器1430、過酸化水素生成器1432、圧力ポンプ1434、真空ポンプ1436およびヒーター1438の作動を制御するものである。
プロセッサ1410は、ネットワーク通信ファブリック1452を介してネットワーク1450と連通している。一実施形態において、ネットワーク1450は、ネットワーク通信ファブリック1458を介して医療施設または病院データ処理システムまたはコンピュータシステム1454と連通している。ドッキングステーション1200および1300は、コンピュータシステム1454と情報を送受信することができる。例えば病院コンピュータシステム1454は、医療施設内で使用される外科用器具および用具のデータベース1456を維持することができる。ドッキングステーション1200および1300は、容器内に収容される滅菌されたまたは滅菌されない外科用器具の数および種類に関する情報を病院コンピュータシステム1454に送信することでデータベース1456を更新することができる。種々のコンピュータシステムとデータソース間で送受信されたデータは、認証されないアクセスやまたは不正な改竄を防ぐために安全性の目的で暗号化される場合もある。
メモリ1412は、プロセッサ1410によって実施され、プロセッサ1410に本明細書に記載される方法のいずれか1つまたは複数を実行させる多様なデータ、指示のセット、ソフトウェア、プログラムまたはユーティリティを記憶することができる。メモリ1412に記憶される事項は、安全性の目的で記憶される前に暗号化される場合もある。
メモリ1412は、公称のチャンバ処理パラメータ(CPP)66、センサ較正ソフトウェア1460、容器プログラミングソフトウェア1461、容器装填ソフトウェア1464、容器構成データ1465、設備負荷データ、実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)1150、プロセス測定限界値判定ソフトウェア1466、利用データ1470および利用ソフトウェア1472を有している。
CPP66は、CPP66を滅菌チャンバ52に関する公称滅菌プロセスに対してプログラムすることで滅菌プロセスサイクルを制御するために医療従事者によって使用される公称の処理設定値である。センサ較正ソフトウェア1460は、各々の容器に関連するセンサの較正においてドッキングステーション1300によって使用されるものである。センサ較正ソフトウェア1460は、較正処理において蒸気生成器1430、過酸化水素生成器1432、圧力ポンプ1434、真空ポンプ1436およびヒーター1438の作動を少なくとも一部制御するようになっている。
容器プログラミングソフトウェア1461は、容器メモリ1022にVSPM1150をロードするのに利用されるものである。容器装填ソフトウェア1464は、正確な外科用器具が適切なトレイおよび容器の中に装填されたことを検証するために容器/トレイ構成データ1465と共に使用されるものである。
VSPM1150は、設備負荷に関して容器内で満たされた際、容器の内容物の滅菌を保証する設備負荷に関連付けられた滅菌プロセス測定値の値である。容器およびトレイ構成1464は、容器の種類、必要ならばトレイおよびラックの種類、ならびに外科用器具のデータベースであり、固有の外科用器具と共に使用されるトレイおよびトレイ内の外科用器具の配置および配向を列記するものである。VSPM1150は、本明細書に記載される方法を利用して外科用設備に相関連されるものである。容器装填ソフトウェアは、医療従事者が滅菌のために容器を装填し準備をする際、医療従事者を助けるために外科用設備負荷構成を抜き出す。容器装填ソフトウェアはまた、誰が容器を準備するか、いつ彼らが容器の準備をするか、何が容器に装填されるか、および規制により必要とされる、または容器装填プロセスの特性を記録する、追跡する、または改善させるための優れたビジネス手法である他の関係情報を記録するためのデータ入力を容易にすることができる。容器およびトレイ構成データは、書面のテキスト、器具ラック、器具構成および/もしくは器具配向の画像またはテキストと画像の両方を組み合わせたものであってもよい。
プロセス測定限界値判定ソフトウェア1466は、VSPM1150データに関する値を判定し生成するのに使用されるものである。典型的には、プロセス測定限界値判定ソフトウェア1466は、滅菌実証に対する設備の組み合わせのVSPMデータを確立し相関させるために、器具セットのOEMによって使用されるものである。病院またはVSPMデータのユーザは、典型的にはプロセス測定限界値判定ソフトウェア1466を利用しない。病院は、病院側が、OEMによって提供されたものと異なる外科用器具を実証し相関させたい場合にプロセス測定限界値判定ソフトウェア1466を利用する場合がある。利用データ1470は、それぞれの容器の各々が受ける滅菌処理サイクルの数を追跡するデータを含み、またはそれぞれの容器の各々使用中の時間を追跡するものである。利用ソフトウェア1472は、それぞれの容器の各々が受ける滅菌処理サイクルの回数を監視し、またはそれぞれの容器の各々使用中の時間を追跡し、利用データ1470を生成するソフトウェアプログラムである。利用データは、電子センサモジュールまたは容器の請求、滅菌処理もしくはワークフロー状態、較正状態のために、または予防的メンテナンスのために使用することができる。
本発明の一部の変型において、手持ち式リーダーは、どの固有の器具が容器内に置かれたかを識別するのに使用されている。滅菌サイクルの後、容器に関してセンサモジュールによって記録された滅菌プロセス測定値を容器内の器具を識別するデータと突き合わせている。よって、器具が受け、プロセスにおいて環境測定値が形成される滅菌プロセスの回数の各々の器具に関して特定のログが維持されることになる。これらのデータは、在庫表および請求の管理のために使用される場合もある。
[XII 容器の利用を追跡し利用ベースで料金を請求するコンピュータ化された方法]
図18を参照すると、容器の利用および請求を追跡するためのネットワーク化されたコンピュータシステム1500の線図が示されている。ネットワーク化されたコンピュータシステム1500は、通信ネットワーク1450によって全て相互に接続され互いに連通しているドッキングステーション1200、1300の一方と、製造元コンピュータシステム1510と、病院コンピュータシステム1454とを備えている。通信ネットワーク1450は、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワークまたは無線通信ネットワークなどの多様なネットワークを包含することができる。
製造元コンピュータシステム1510および病院コンピュータシステム1454は、コンピュータシステムおよびサーバーだけではなく、ルーターおよびスイッチなどのデバイス、メインフレームコンピュータおよび端末なども含めたソフトウェア製品を収容し、記憶し稼働させることが可能な任意のタイプのコンピュータデバイスまたは機械を含んでいる。製造元コンピュータシステム1510および病院コンピュータシステム1454の作動は、サーバーコンピュータ内のハードウェア上に常駐する指示の一般的な文脈において記載されている。当業者は、実施形態が作動システムにおいて稼働中のプログラムモジュールを組み合わせて実施され得ることを認識するであろう。プログラムモジュールには、ソフトウェア、ルーチン、プログラム、コンポーネントおよびデータ構造が含まれ、これらは特定のタスクを実行するまたは特定のデータタイプを実装するものである。本発明はまた、タスクが、通信ネットワークを介してつながれた離れた処理デバイスによって実行される分散型のコンピュータ環境において実施される場合もある。分散型のコンピュータ環境において、ソフトウェアプログラムモジュールは、ローカルおよびリモートの両方のメモリ記憶デバイス内に配置される場合がある。
製造元コンピュータシステム1510は、通信ファブリック1552を介してネットワーク1450と連通している。製造元コンピュータシステム1510は、プロセッサ1520と、メモリ1522とを含んでいる。メモリ1512は、プロセッサ1520によって実行するための多様なデータ、指示のセット、ソフトウェア、プログラムまたはユーティリティを記憶することができる。メモリ1522は、インボイスソフトウェア1530、インボイス1532および利用データ1472を含んでいる。利用データ1472は、病院の名前、口座番号、請求期間、契約価格および設備の利用および請求を適切に追跡するための他の関連する情報などの病院の会計情報を含むことができる。
ドッキングステーション1200、1300は、利用データ1472を製造元コンピュータシステム1510に送信するものである。インボイスソフトウェア1530は、プロセッサ1520によって実行される際に、ドッキングステーション1200、1300から受信した利用データ1472に基づいてインボイス1532を作成している。プロセッサ1520は、メモリ1532にインボイスを記憶し、病院コンピュータシステム1454にインボイス1532を送信している。
病院コンピュータシステム1510は、通信ファブリック1458を介してネットワーク1450と連通している。病院コンピュータシステム1454は、プロセッサ1570と、メモリ1572とを含んでいる。メモリ1572は、プロセッサ1570によって実行するための多様なデータ、指示のセット、ソフトウェア、プログラムまたはユーティリティを記憶することができる。メモリ1572は、製造元コンピュータシステム1510から受信したインボイス1532と、データベース1456とを含んでいる。
ネットワーク化されたコンピュータシステム1500は、ドッキングステーション1200、1300および容器90〜800が医療施設または病院にリースされるまたは貸し出されるビジネスモデルと併せて使用されている。医療施設または病院は、ドッキングステーションおよび容器を使用するために利用ベース当たりの料金を支払うことになる。一実施形態において、ドッキングステーション1200、1300は、滅菌処理における容器90〜800の利用の頻度を追跡し、製造元コンピュータシステム1510に送信される利用データ1472を生成している。製造元コンピュータシステム1510は、容器90〜800の利用量に基づいてインボイス1532を形成し、病院コンピュータシステム1454にインボイスを送信し、ここでインボイスは、支払いとして処理されることになる。
[XIII 実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)]
図19A−1および図19A−2は、横並びに配置されると、実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)1150の表を形成する。VSPM1150は、メモリ1412、メモリ1522またはメモリ1572(図17)に記憶される。いくつかの実施形態において、VSPM1150は、センサモジュールメモリ1022に記憶される。VSPM1150は、他の実施形態では、安全なやり方でメモリ1412またはメモリ1522またはメモリ1572に記憶されることで、相関するまたは関連するVSPMデータは、本明細書に記載される実証および相関プロセスの後に修正されなくなる。VSPM1150は、後に詳細に記載するように、実証および相関プロセスにおいて判定される。一般に、実証および相関プロセスは、滅菌実証プロセスにおいて容器内でセンサによって測定される滅菌プロセス測定値を所与のセットの外科用設備または設備負荷に関する望ましい微生物殺傷結果に相関させるまたは関連付けるために使用される。実証において電子センサシステムによって測定され記録されたデータはその後、VSPM測定値、閾値またはVSPM限界値データセットを確立するのに利用される。VSPMデータセットが実証され相関された後、このようなVSPMデータセットを利用して、容器組立体の中でセンサによって監視された医療施設における滅菌プロセス測定値を比較し、設備負荷に関するプロセス測定値がVSPMデータセットを満たす、これを超える、または範囲内かどうかを判定する。この比較方法は、医療従事者が本明細書に記載される方法およびシステムを使用して外科用設備負荷またはセットを滅菌する度に好適なセンサシステムおよび容器組立体と共に使用することができる検証方法とみなされる。VSPMデータが、一実施形態において、滅菌プロセスにおいて関連付けられた外科用設備のセットに関して達成される際、滅菌プロセス想定値が検証されたことを確認し、これにより実証プロセスにおいて達成されたのと同じ結果を保証する、すなわち設備負荷の同一レベルの滅菌または消毒を保証する実証および相関方法に基づいた時間ベースの滅菌プロセス測定値または限界値である。VSPM1150は、内容物識別子(ID)1610に関連付けられた1つまたは複数のデータセット(VSPM1150−蒸気1、VSPM−150−HPV)を含んでいる。内容物識別子1610は、滅菌バリアまたは容器の内部の外科用設備負荷を識別する。内容物ID1610は、実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)データセットと相関されたまたは関連付けられた、時には外科用設備負荷とも呼ばれる容器または滅菌バリア内の外科用器具、外科用ツール180(図2)および器具ラック160、720を記載する。例えば内容物CID1160−3は、回転式外科用ハンドピース180の充電式電池で構成されるStryker電池外科用設備負荷を特定することができる。CID1160−3は、VSPMデータに関連付けられた設備負荷の構成を記載する文面、電子または両方のタイプのテキスト、画像または写真である場合がある。例えば内容物識別子は、外科用設備の種類、部品番号、シリアル番号、数量および滅菌実証および相関プロセスにおいて併せて実証された他の固有の設備負荷識別子を含むことができる。一実施形態において、容器識別子1610は、図22から24における方法を使用して滅菌実証プロセスにおいて取得された設備負荷の電子写真であってもよい。別の実施形態において、容器識別子1610は、滅菌実証プロセスにおいて使用された器具のラック(160、720)に関するトレイまたはラック識別子モデル番号のリストならびにそこに収容される設備の全てのリストを含む場合がある。例えば、設備負荷識別子CID−1610−1は、図19(a)にリストアップされた器具および用具180−1と、Stryker7102−450−010として特定された器具ラック(160、720)とを含んでいる。トレイまたはラック720に関して、特定は、それが回転式の外科用ハンドピース内で概ね下向きにカニューラを配向して空気の除去および排水をしやすくし、これにより滅菌を容易にするために重要である。
VSPM1150はさらに、1つまたは複数の滅菌プロセス実証が行なわれ、内容物識別子1610または設備負荷と関連付けられたとき、実証された滅菌プロセス測定値の1つまたは複数のデータセットを含んでいる。例えば実証された蒸気滅菌プロセスに関する1つのデータセット(VSPM−1150−1)は、内容物識別子CID1610−1に関する水蒸気測定値、温度測定値および時間制限ならびに絶対圧力測定値および時間制限を含むことができる。別の実施形態において、過酸化水素滅菌プロセスに関する別のデータセット(VSPM−1150−H−1)は、同一の内容物識別子CID1160−1に関連付けられた温度制限、圧力制限、水蒸気濃度、および時間ベースの過酸化水素蒸気濃度の曲線下面積で構成することができる。蒸気滅菌の場合、温度は、VSPMデータ測定値が満たされることを保証するために、容器組立体90〜4600内の内部環境および設備負荷が滅菌プロセスにおいて体験する必要がある最小限の期間の時間において保持される閾値または最低温度である。例えばラック番号が7102−450−010である場合の容器番号7102−450−040に関する実証された滅菌プロセス測定値は、図19A−1および図19A−2の表の最初の列に含まれる。より詳細には、これらのデータは、ラックおよびラック上に配置された器具(集合的に負荷)が、蒸気滅菌プロセスを受ける際のVSPMデータである。表のセルによって特定されるように、滅菌すべきトレイ上の器具は、容器の内部が、華氏270°の最低温度で飽和蒸気に曝され、その温度が少なくとも3分55秒の間維持された場合、滅菌されたとみなされる。
飽和蒸気の温度は、圧力測定値から計算され蒸気が飽和されたことを検証するために温度測定値に対して比較することができる。測定された蒸気温度の計算された飽和温度とのこのような比較はまた、滅菌効果に悪影響を与えるのに十分な量の空気が存在しないことを検証するのにも利用することができる。
実証された滅菌プロセス測定データ1150は、個々の測定値が同時に、時間に応じた範囲内または同一の時間間隔の間に留まる必要がある閾値または限界値を有する場合がある。例えばまさに提供されるように、蒸気の温度、絶対圧力および飽和レベルは、3分55秒の時間の間に確立された限界値を有する場合がある。あるいはこれらの測定されたプロセス測定値は、時間に応じて変動する固有の限界値を有する場合もある。例えば、蒸気滅菌サイクルの最初の2分の間、温度は、131℃以上の最小閾値を有する場合があり、次の2分間では、温度は、133℃以上の異なる閾値を有する場合がある。器具が、2種類以上の滅菌サイクル用に設計され実証される場合、VSPMは、2つ以上のVSPMデータセットを含むことができる。OEMがその設備を蒸気および過酸化水素滅菌プロセス両方で滅菌されるように設計し実証するならば、VSPMの表は、両方の滅菌プロセスに関するVSPMデータを含んでいる。図19A−1および図19A−2の表において、別個の滅菌プロセスに関するVSPMデータは別個の欄に示されている。この表において、蒸気滅菌プロセスに関するVSPM測定値は、最初の列に示されている。列2は、器具が気化した過酸化水素滅菌プロセスを受ける場合の同一の負荷に関するVSPMデータを含んでいる。表は、両方のVSPMデータセットを有し、一方のデータのセットは、蒸気滅菌用(VSPM−1150−S−1)であり、一方のデータのセットは同一の内容物CID1610−1を有する過酸化水素滅菌(VSPM−1150−H−2)である。より具体的には、内容物CID1610−1は、蒸気滅菌に関する温度、絶対圧力および蒸気飽和VSPM 1150−S−1データセットと、過酸化水素滅菌に関する温度、絶対温度、過酸化水素濃度および水の濃度VSPM−H−1データセットに関連付けることができる。これにより、所与の設備負荷または内容物IDに加えるべきVSPMデータセットに、それらが本明細書に記載されるように実証され相関された後、特有の滅菌様式のための追加のVSPMデータを含めるような能力が与えられる。センサモジュールは、単一の滅菌様式において使用するように設計され、蒸気の場合SM0000XSによってまたは過酸化水素の場合SM0000XHによって表示することができ、この場合0000Xは、センサモジュールの種類を特定する。別の実施形態において、センサモジュールはまた、2つ以上の滅菌様式で使用されるように設計することもできる。例えば、SM0000XSHによって表示されるセンサモジュールは、蒸気滅菌と過酸化水素滅菌様式の両方で使用することができ、この場合0000Xは、センサモジュールに割り当てられたシリアル番号である。図19は、独自のセンサモジュールが一列で配列されている。センサモジュールは、任意の適合可能な内容物ID1610と共に使用される場合もある。例えばStrykerセンサモジュールSM00001Sは、内容物識別CID1610−1、CID1610−2またはCID1610−5と共に使用される場合もある。
一部の滅菌プロセスに関して、実証された滅菌プロセス測定値は、経時的に生成される測定値である。最も簡素な形態において、このような測定値は、容器の内部の環境が所定の最小限の一定の期間にわたって最小限の濃度の特定の滅菌剤を有することを示す測定値である。1つの簡単な例は、容器の環境が少なくとも5分間の間飽和蒸気を含むことを示す一セットの測定値である。
より複雑な一セットの測定値は、曲線下面積を形成するのに使用される。この曲線が座標で示されるX軸は、時間であり、Y軸は、滅菌剤の濃度である。典型的には時間は秒であり、濃度はmg/lである。よって容器内の1セットの器具に関して、実証された滅菌プロセスは、この曲線下面積が、5000(mg/l)(秒)の気化した過酸化水素濃度であるプロセスであってよい。これは、第1の滅菌サイクルに関して、実証された滅菌プロセス測定値は、25mg/lの濃度の気化した過酸化水素が少なくとも200秒間測定された場合に満たされる。第2の滅菌サイクルに関して、実証された滅菌プロセス測定値は、20mg/l濃度の過酸化水素の濃度が、少なくとも100秒間測定された場合に満たされる。当然のことながら、この曲線下面積は典型的には、最低限の濃度の滅菌剤に関するものであることをさらに理解されたい。よって上記の例において、容器の環境が18mg/l未満の気化した過酸化水素の濃度を有する期間は、目標とする測定値には組み込まれない。
時間ベースの過酸化水素濃度の曲線下面積は、容器の内容物が滅菌されたことを保証するために、容器の1つの内部が曝される過酸化水素の閾値または最小値(mg/リットル)(秒)である。例えば容器Stryker7102−450−040の内部は、内容物ID CID1610−1の設備が、図19Aのライン2に記載されるように提示される際、滅菌プロセスサイクルにおいて2500mg−s/lの過酸化水素の最小値に曝される必要がある。暴露においていかなるときも100%の飽和状態であるものに比べて水蒸気の含有量が低い場合、それが時間ベースの濃度の曲線下面積に加えられるそのときに有効濃度を低下させることができる。例えば有効濃度は、水蒸気の濃度が飽和濃度の80%未満である場合、半分にすることができる。水蒸気の飽和濃度は、蒸気の温度と、存在する過酸化水素蒸気の濃度の両方に左右される。
図19Aに記載される他の実施形態における追加情報は任意選択で、CID1610もしくはVSPM1150データセットのいずれかまたはその両方に関連付けることができる。例えば容器ID1605は、予め滅菌実証プロセスを受けさせた特有の種類の容器90−4600を特定し記載している。滅菌プロセス結果は、設備負荷に対して使用される容器の種類または滅菌バリアの種類によって影響を受けることが分かっている、またはそれが疑われる場合、容器IDは、内容物IDもしくはVSPMデータセットのいずれかまたはその両方に関連付けられる場合がある。滅菌プロセスにおいて使用される容器または滅菌バリアの種類が、滅菌結果に影響を及ぼさないことが分かっている場合、容器IDは、内容物IDまたはVSPMデータセットと関連付けられない場合がある。後者の方の実施形態によって、プロセス測定値が、本明細書に記載されるセンサモジュールおよび方法を使用してVSPM1150と適合するように適切に検証される限り、滅菌結果を変えずに医療施設において滅菌に使用される滅菌バリアまたは容器の種類を設備の負荷に対して変更することが可能になる。例えば特定された容器は、OEMによってまたは医療施設内で提供される固有の容器シリアル番号を特定する。容器IDは、容器の種類、使用される滅菌バリア、電子センサモジュール200、460、560、660、760、1000、1050、1080の種類またはセンサモジュール構成を特定し、翻訳することができる。内容物ID1610もしくはVSPM1150データに関連付けられた他のデータまたは図19においてリストアップされた両方のデータは有益であり得るが、本発明の異なる実施形態を使用する際、必須ではない。例えば、ドッキングステーションによって公称プロセスパラメータを出力することができ、そのように滅菌器の操作者は、滅菌器をプログラミングするために公称プロセスパラメータを設定することができる。この例におけるこのような公称プロセスパラメータは、VSPM1150データの内容物ID1610に対する実証および相関において使用される公称プロセスパラメータを超えるか、それと等しくなる。他の実施形態において、データ表はさらに、センサモジュール利用を含む場合がある。滅菌サイクルの総数は、センサモジュール利用データから取得することができ、自動化されたインボイス作成、予防的メンテナンスなどのビジネス目的で、ならびに容器およびセンサ構成要素の周期的交換のために利用することができる。滅菌された負荷に関するデータ、内容物識別子、容器識別子は、在庫表の追跡、請求および管理目的で中央処理部門によって利用される。
ドッキングステーションを利用する容器の装填およびプログラミングにおいて、VSPM1150の少なくとも一部は、ドッキングステーションから電子センサモジュールに送信され、モジュールメモリ1022(図14)に記憶される。例えば容器に内容物ID1610−1およびトレイID Stryker7102−450−010がロードされ、これによってプログラムされる場合、内容物ID1610−1および関連付けられた滅菌プロセスに関連付けられたVSPM1150−S−1のみが、メモリ1412からメモリ1022に送信される。
[XIV 自動閉鎖式容器ベント]
図20Aから図20Cは、容器カバー1710に設置された自動閉鎖式リップキャップ組立体1720を有する容器組立体1700を示している。容器組立体1700は、電子センサモジュールから閉鎖信号を受信した後、自動的に閉鎖する容器に既存の滅菌容器をレトロフィットさせることができる。自動閉鎖式容器ベントは、滅菌プロセスにおいて開放状態に位置決めされる際、滅菌薬剤が制限されずに容器の中に通過することが可能になり、容器の内容物にアクセスしやすくし滅菌に影響を与えることができる。
容器組立体1700は、容器の貫通開口を覆うようにフィルタが存在する結果として、滅菌プロセスの効果が低下し、または効果がなくなる場合に採用されている。フィルタが滅菌プロセスに対してこのような影響を有する可能性がある1つの理由は、フィルタの構成および滅菌剤の組成により、フィルタが存在することでフィルタを通り抜ける滅菌剤の流れを阻止するためである。フィルタの存在はまた、滅菌剤がフィルタを形成する材料に曝されたとき、滅菌剤の効果を低下させる化学反応を受けるため滅菌に悪影響を与える場合もある。
したがって、フィルタの存在のこのような望ましくない作用を回避するために、容器組立体1700は典型的にはフィルタを含まない。ベントが開放され、ベントを通る流れは、容器およびその中の内容物が滅菌サイクルを受けている少なくとも所定の期間の間制限されない。
容器カバー1710は、図7Aのカバー450と概ね同様であるが、カバー1710は、いかなる穴459もフィルタ組立体440も持たない。カバー1710は、平面の頂部パネル1712を有している。頂部パネル1712は、上部面1714と、底部面1716を有する。円形の中央開口1718が頂部パネル1712に形成されている。カバー1710が、容器402を覆うように配置されることで容器402を封鎖している。
容器カバー1710および容器ベント組立体1720は、先に記載したいずれかの容器100、402、502および802にレトロフィットさせることで、容器は、滅菌プロセスサイクルが完了した後自動的に閉鎖するカバーを備えることができる。容器ベント組立体1720は、カバー1710に設置されて示されるが、容器ベント組立体1720は代替として、容器402の側部パネルのいずれかに設置される場合もある。容器ベントを異なるパネルに移すことによって、滅菌剤がより効率的に出入りすることで容器の内容物の滅菌に影響を与えることが可能になる。また1つまたは複数のパネルに位置決めされた2つ以上の容器ベント1720が単一の容器上で使用される場合もある。
自動閉鎖式容器ベント組立体1720は、頂部パネル1712に設置されている。より具体的には、容器ベント組立体1720は、開口1718によって受けられるようになっている。容器ベント組立体1720は、円形キャリッジ1722、キャップ1760、回路基板1770および線形ソレノイド1780を備えている。キャリッジ1722は、横材1724によって中央ドラム1734に接続された外側リング1728を含んでいる。外側リング1728は、横材1724に垂直である。周辺の縁1726が、リング1728から離れるように垂直に延在し、リング1728を囲んでいる。リング1728と横材1724の間に凹部1730が画定されている。キャリッジ1722および容器ベント1760は、射出成型プラスチックから形成されている。
キャリッジ1722は、開口1718内に設置されている。縁1726は、キャリッジ1722を支持する頂面1714に載せられる。リング1728の外側面は、開口1718によって画定されるパネル1712の環状部分に当接している。一実施形態においてキャリッジ1722は、開口1718にプレス嵌めされている。別の実施形態において、キャリッジ1722は、接着剤または密閉式の機械的な締め具を使用してパネル1712に密閉式に取り付けられている。
中央ドラム1734は、円筒形の形状であり、基部1736を有している。外壁1738および内側ハブ1740が、基部1736から離れるように垂直に延びている。基部1736、外壁1738および内側ハブ1840は、中に溝1742を画定している。中央の孔1744が、基部1736および内側ハブ1740を完全に貫通して延在している。別の孔1746は、内側ハブ1740を通って垂直に内側ハブ1740の長さに沿っておおよそ中程に延在している。孔1746は、溝1742と孔1744の間に延在している。複数の設置ボス1748が壁1738に隣接して基部1736に取り付けられている。設置ボス1748は、基部1736から離れて溝1742に入るように垂直に延びている。設置ボス1748は、回路基板1770をキャリッジ1722に装着するのに使用されている。
キャップ1760は、円筒形のシャフト1765に装着される円形ディスク1761を含んでいる。ディスク1761は、外側の環状の側部1762を有している。環状の溝1763が側部1762に形成されている。溝1763は、円形のエラストマーOリング1764を収容するように寸法が決められている。円筒形のシャフト1765が、ディスク1761の底部側から離れるように垂直に延びている。シャフト1765は、シャフト1765の軸に平行にシャフト1765内に部分的に延在する中央の孔1766を有している。シャフト1765はまた、シャフト1876の軸に垂直にシャフト1765内に部分的に延在する2つの孔1767および1768を有している。孔1767および1768は、シャフト1765の直径のおおよそ半分の長さを有している。孔1767は、ディスク1761の底部側から離間され、孔1768は、中央の孔1766の終端部から離間されている。
プリント回路基板1770が、締め具1771によって溝1742の中に取り付けられている。溝1742は、プリント回路基板1770を収容するように寸法が決められている。締め1771が、回路基板1770を貫通して延び、設置ボス1748にねじ込まれている。複数の電気構成要素が回路基板1770に設置されている。電池1772、無線送受信機1773、ソレノイド筐体1774およびソレノイドドライバ1775が、回路基板1770に設置されている。線形ソレノイド1780が、ソレノイド筐体1774の中に設置され、これにより保持されている。電池1772は、充電式または交換式電池のいずれか、あるいは回路基板1770の構成要素に電力を供給している。プリント回路基板1770は、電子センサモジュール200、460、560、660、760および850の1つと連通している。一実施形態において無線送受信機1773は、電子センサモジュール200〜850の1つから無線通信を受信するようになっている。別の実施形態において、電気ケーブル1779が、回路基板1770と電子センサモジュール200〜850の1つの間に接続されている。ソレノイドドライバ1775は、線形ソレノイド1780と連通しており、線形ソレノイド1780に装着されたロッド1782を移動させるようになっている。ロッド1782は、伸張位置と後退位置の間で直線的に移動可能である。
コイルばね1790がシャフト1765を取り囲んでいる。ばね保持器1792が、コイルばね1790を覆うように設置され、孔1766の中へと延びるボス1793を含んでいる。ばね保持器1792は、コイルばね1790をシャフト1765に対して保持している。ばね保持器1792は、ばね1790の遠位端を覆うように延び、これに当接する環状リップ1794を有している。ばね1790の近位端は、内側ハブ1740の終端部に当接している。ばね保持器1792は、孔1766へとプレス嵌めされ、または接着剤を使用して孔1766の中に取り付けられている。コイルばね1790は、容器ベント1760をキャッリッジ1722に向かって移動するように付勢している。開放位置において、図20Bに示されるように、キャリッジ1722とディスク1761の底部との間に通路1996が形成されている。
容器ベント1760は、内側ハブの孔1746を貫通して延び、容器ベントの孔1768に進入するソレノイドロッド1782によって開放位置に保持されている。この位置において、コイルばね1790は、圧縮されるようになっている。容器ベント1760は、閉鎖位置から2つのステップのプロセスにおいて開放されるようになっている。まず、ユーザは、入力デバイスを利用してソレノイド1780によって孔1767から出るようなソレノイドロッド1782の後退を誘発させることになる。一実施形態において、入力デバイスは、ドッキングステーション1200のタッチスクリーン(図15)である。第2に、ユーザは手を使って容器ベント1760を掴み、容器ベント1760を上向きに引っ張り、容器ベント1760をキャリッジ1722から離すように移動させている。ソレノイドロッド1782が、ばね(図示せず)によって外向きに付勢されることで、容器ベントの孔1768が内側ハブの孔1746と軸方向に整列するように移動する際に、ロッド1782が自動的に容器ベント孔1768の中に延び、これにより容器ベント1760を開放位置に保持している。
使用中、リップキャップ組立体1720および容器カバー1710は、滅菌チャンバ内で滅菌プロセスサイクルを受ける容器組立体の一部である。滅菌されている外科用器具の滅菌性を保証するために、電子センサモジュール200〜850が滅菌処理中の容器402内の環境が必要なセットの環境特徴(VSPM1150)を十分に満たし、またはこれを超えたことを判定した後、センサモジュール200〜850は、電気信号を無線送受信機1773または電気ケーブル1779を介してソレノイドドライバ1775に送信して、容器ベント1760を閉鎖するようにソレノイドドライバ1772に指示している。
ソレノイドドライバ1775によってソレノイド1780がソレノイドロッド1782を後退させるようにしている。ロッド1782が孔1768との係合から外れて移動する際に、ばね1790は、容器ベント1760を凹部1730に入るように付勢することにより通路1796を閉鎖している。容器ベント1760の進行は、ディスク1761の底部が横材1724に対して当接することによって制限されている。同時にOリング1764が、ディスクの外側1762とリング1728の内側面の間で圧縮されシールを形成している。
一実施形態において、容器ベントの孔1767が、内側ハブの孔1746と軸方向に整列するように移動する際に、ロッド1782は自動的に容器ベントの孔1767の中に延び、これにより容器ベント1760を閉鎖位置に保持している。別の実施形態において、容器ベント1760が閉鎖された後、センサモジュール200〜850は、無線送受信機1773または電気ケーブル1779を介してソレノイドドライバ1775に電気信号を送信し、ソレノイドドライバ1772にソレノイド1780がソレノイドロッド1782を延ばすように指示している。伸張位置において、ロッド1782の遠位端は、孔1767によって受けられ、これと係合することによって、容器ベント1760をキャリッジ1722に対してロックするようになっている。
自動閉鎖式容器組立体1700および自動閉鎖式リップキャップ組立体1720を使用することによって、既存の容器をフィルタまたはフィルタ組立体の必要性をなくす自動閉鎖式デバイスにレトロフィットさせることが可能になる。通路1796が開放する際、滅菌剤が、邪魔されずに容器402に容易に進入し浸透することができる。
容器およびその内容物が、滅菌剤が容器内に取り込まれる滅菌サイクルの1つまたは複数の段階を受けた後、通路1796は、追加の時間のために開放したまま保持されることになる。これにより容器内に存在し得る残りの滅菌剤が容器から蒸発し逃げることが可能になる。この滅菌剤のベント作用を可能にすることの利点は、滅菌剤が場合によって組織に対して有害である場合、残りの滅菌剤が、患者または病院スタッフに接触する可能性がほぼなくなる点である。
本発明の一部の変形において、センサ測定値が、容器の環境が選択された期間にわたって選択温度または圧力であることを示す場合、センサモジュールと一体式のプロセッサが、通路1796を覆うようにキャップ1760を閉鎖している。本発明の他の変形において、センサ測定値が、容器が設定された数の圧力設定地点を経て繰り返されたことを示す場合、プロセッサはキャップを閉鎖している。
[XV 容器内の実証された滅菌プロセス測定値が滅菌プロセスにおいて検証されたかどうかを判定するための操作方法]
図21を参照すると、容器内の実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)が滅菌または消毒プロセスにおいて達成されたかどうかを検証するための方法2100のフローチャートが示されている。方法2100は、先行する図面に提示される容器組立体90、300、400、500、600、700、800、2900および4600(90−4600)ならびに電子センサモジュール200、460、560、660、760、850、950、1000、1050、1080および3500(200−3500)が本開示の1つまたは複数の実施形態を可能にするプロセスの異なる態様を行なう一例の方法を示している。方法2100は、具体的に容器組立体400(図7A)およびセンサモジュール1050(図12B)を使用して行なわれるように記載されている。しかしながら、方法2100は、任意の容器組立体90〜800および電子センサモジュール200〜3500を使用して行なうことができる。方法の記載は、先行する図面において示された固有の構成要素を概ね参照して提供されるものである。図21の考察において、図1〜20からの構成要素も参照される。
方法2100は、外科用器具180の設備負荷が、操作者によって滅菌処理のために準備されるステップ2102において始まる。ステップ2102は、容器402をドッキングステーション1200または1300上に位置決めすることを含み、容器がコネクタを有する場合、対応するコネクタ485、1032をドッキングステーションに接続することを含んでいる。代替の一実施形態において、センサモジュールのドッキングステーションへの接続は、無線通信システムを介して行なわれる場合もある。ステップ2102において、手持ち式リーダー1240を使用して滅菌すべき設備をスキャンする。代替の一実施形態において、設備負荷または内容物IDを、ドッキングステーションに入れる、または関連付けられたVSPMデータを有する全ての設備負荷または内容物IDを含むリストまたはメニューから選択することができる。ステップ2102はさらに、設備負荷を容器402内に配置しカバー450によって容器を封鎖することを含んでいる。外科用器具180の装填中、操作者は、正しい設備負荷要素および器具装填配向をとらえるためにドッキングステーション1200または1300によって示されるディスプレイスクリーン1260を参照する。このディスプレイは、操作者が、関連付けられたVSPMデータを設備負荷に対して実証する際に使用されたのと同一の設備負荷および配向を設定するのを助けることができる。任意選択のステップ2104において、電子センサモジュール460、1050のセンサは、使用する前に較正される。電子センサモジュール460、1050は、ドッキングステーション1300を利用して較正される。別の任意選択のステップ2106において、外科用器具180および/またはトレイ160および/または容器402は、滅菌処理の前に滅菌バリア材の中に包まれる。
ステップ2108において、センサモジュール471、1022は、設備負荷または内容物ID1610に関連付けられた実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)データ1150によってプログラムされる。ドッキングステーションプロセス1410(図17)上で作動する容器プログラミングソフトウェア1461(図17)は、ステップ2102から取得したデータを利用して容器の設備負荷に関連する固有のVSPM1150を特定し、VSPM1150をセンサモジュールメモリ471、1022に記憶するためにコネクタ485を介して送信する。先に記載したように、送信されたVSPM1150は、滅菌すべき設備負荷(内容物ID)に固有である。別の実施形態において、VSPM1150は、無線手段を介して記憶するためにドッキングステーションから容器メモリに送信される。別の実施形態において、ステップ2108は、センサメモリに残っている現在のVSPMデータが、容器の設備負荷に適切であり、ドッキングステーションからセンサメモリへの新たなVSPM1150の送信が行なわれないことを確認する。この代替の実施形態は、カスタマイズされた器具ラック720または専用の容器組立体に設置される、例えばセンサモジュール760などの同一の設備負荷に関して繰り返し使用されるセンサモジュールに対して使用される場合もある。
追加の任意選択のステップにおいてブロック2110で、プロセッサ1020上で作動する滅菌検証ソフトウェア1152が、LED1030の黄色の光を放出するダイオード(LED)(図3において黄色のLED233としても示される)をつけて、ユーザに容器組立体が滅菌プロセスサイクルを介してまだ処理されていないことを示している。
容器402は、ステップ2112において滅菌チャンバ52(図1)の中に配置される。容器およびその内容物は、滅菌プロセス、すなわちステップ2114を受ける。滅菌プロセスにおいて、チャンバが加熱され、加圧され、蒸気または過酸化水素蒸気などの滅菌剤が滅菌チャンバ内に入れられる。そしてさらには、容器の内部の環境が加熱され、加圧されるかつ/または滅菌剤で溢れる。滅菌プロセスはいずれの残りの凝縮した滅菌剤も除去するために冷却段階、乾燥段階またはチャンバ内に真空を引き込むことを含む場合がある。滅菌チャンバは、一セットの公称チャンバプロセスパラメータ(CPP)66(図1)を使用して作動するように設定される。
ステップ2114の滅菌プロセスにおいて、プロセッサ上で作動する滅菌実証ソフトウェア1152は、各々の電子センサからの測定値を監視し収集するが、それはこれらの電子センサと滅菌プロセスサイクルにおいて連通している。センサは、容器内の環境の特徴を計測する。プロセッサ1020上で稼働するソフトウェア1152は、これらの環境特徴を表す信号を受信する。これらの測定値は、データ1156としてメモリ1022に記憶される。
滅菌プロセスが完了した後、ソフトウェア1152は、ステップ2116において、滅菌プロセスにおいて収集した測定データ1156をVSPMデータ1150と比較する。判定ステップ2118において、プロセッサ1020上で作動する滅菌検証ソフトウェア1152は、容器の内容物の滅菌性を保証するために、測定データ1156が実行された滅菌プロセスにおいてVSPMデータセットにおけるVSPMデータ1150の値を満たす、またはそれを超えるかどうかを判定する。例えばVSPM1150が、20分間の華氏250度の最小の温度および時間の値を有する場合、滅菌実証ソフトウェア1152は、これらの値をデータ1156における記録された時間および温度の測定値に対して比較する。
測定された容器の特徴は、VSPMデータ1150を満たす、またはこれを超える場合がある。この条件テストが適切であれば、本発明のプロセスは、閉鎖可能な通路またはベントを含む容器に関するステップ2120へと進む。ステップ2120は、ベントまたは通路の閉鎖である。ステップ2120は、ステップ2118の評価が容器の環境が有効な滅菌プロセスに関する要件を満たすことを判定した直後に実施されないことを理解されたい。代わりに、ステップ2120は、プログラムされた期間の後に、または設定されたトリガー事象が検出された後に実行される。これは、滅菌サイクルの実際に滅菌する段階の完了と、弁の閉鎖との間に、容器から残りの滅菌剤を逃がすのに十分な時間があることを保証する。閉鎖可能な通路を含まない容器の場合、ステップ2120は当然のことながら、実行されない。方法2100はステップ2122に進む。
ステップ2118のテストが適切であることの評価に続いて、プロセスはステップ2122に進む。ステップ2122において、プロセッサ1020は、ステップ2122において、緑色のLED、例えばLED230(図3)またはLED1030(図12B)の緑色LEDをつけることによって、容器の内容物が十分に滅菌されたことを示している。
テストが不適切であるというステップ2118の評価は、容器の内容物が、所望のレベルまで滅菌されていないことの指摘として解釈される。行なわれたこの判定に応答して、プロセッサは、ステップ2126に進む。ステップ2126において、プロセッサ1020は、赤色LED、例えばLED232(図3)またはLED1030の赤色LED(図12B)をつけ、または点滅させることによって容器の内容物が十分に滅菌されなかったことの指摘を提示する。選択式に開閉されるキャップを備えた本発明の変型におけるベントまたはポートの開放は示されていない。
ステップ2122またはステップ2126の完了は、1回の滅菌サイクルの終了である。
[XVI 個々の容器の負荷に関する実証された滅菌プロセス測定値の判定]
図22は、単一の規定された容器の負荷に関する実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)1150を判定するための方法2200のフローチャートである。この方法はまた、実証された消毒プロセス測定値を判定するのにも適用することができ、滅菌と消毒の主な違いは、滅菌に関して10^6の有機物の削減、および消毒に関して10^3の有機物の削減である生物学的な課題となる有機物の削減量である。方法2200は、容器組立体400(図7A)およびセンサモジュール1010(図12B)を使用して行なわれるように具体的に考察される。しかしながらいずれの先行する容器組立体90〜800および電子センサモジュール200〜3500を使用して方法2200を行なうこともできる。方法の記載は、先行する図面に示される特有の構成要素を概ね参照して提供される。図22の考察において、図1〜図20からの構成要素も参照される。
方法2200はステップ2202において始まり、ここでは外科用器具180の設備負荷が、操作者によって滅菌実証のために準備される。ステップ2202において、外科用設備負荷は、選択された滅菌様式に対して選択され実証されるように準備される。外科用設備負荷は、滅菌に関して実証されることが望まれる滅菌バリアの内部の全ての要素を含む。設備負荷は、外科用器具180、および所望される場合器具トレイまたはラック160を含む場合がある。ステップ2202はさらに、外科用設備負荷を容器402の中に配置することを含んでいる。ステップ2202において、設備負荷を構成する容器の全ての内容物は、記録される。記録には、材料の書面の請求書、材料の電子請求書、内容物の記述および部品番号、内容物を撮影した写真またはこれらの種類の記録の組み合わせが含まれてよい。記録された設備負荷は、図19に記載される内容物ID1610を割り当てることができる。別の実施形態において、ステップ2202はまた、滅菌保証レベルの実証または消毒の実証のための標準的な実験に従って、生物学的に攻撃性なものを配置し、または設備に生物学的に攻撃的な微生物を植え付けることを含んでいる。蒸気滅菌の場合に設備に微生物を植え付ける1つの標準的な実験は、ANSI/AAMI/ISO TIR17665−2:2009、健康管理用品の滅菌−湿熱−2部:ANSI/AAMI/ISO 17665−1の用途に対するガイダンスに見いだすことができる。ステップ2202は、滅菌バリア材の中に包まれる場合のある容器に関する滅菌バリアを完成させること、新たなフィルタの設置、容器ベントの適切な設置、または容器、滅菌バリアの種類および滅菌様式に関して滅菌バリアを完成する他の適切な方法を含んでいる。容器組立体400に関して、新たなフィルタ440を設置し、蓋組立体450をラッチ係合させて容器402と共に密閉することで滅菌バリアを完成させる。
またステップ2202において、メモリ471、1022上に記憶されるデータ記録ソフトウェア1155が起動されてプロセッサ1020上で作動する。データ記録ソフトウェア1155は、センサモジュールメモリ471、1022に記憶するためのテスト滅菌プロセスサイクルにおいてセンサモジュールによって測定された評価プロセス測定値を監視し記録する。
容器402は、滅菌チャンバ52(図1)内に配置され、滅菌チャンバ52内でテスト滅菌プロセスサイクルが開始される(ステップ2204)。滅菌チャンバは典型的には、一セットの公称チャンバテストプロセスパラメータを利用して作動するように設定される。テスト滅菌プロセスサイクルにおいて、滅菌チャンバは加熱され、加圧され、滅菌剤、例えば蒸気または過酸化水素蒸気が滅菌チャンバ内に取り込まれる。滅菌プロセスサイクルは典型的には、いずれの残りのおよび/または凝縮した滅菌剤も除去するために冷却段階および/または排気段階を含んでいる。
またステップ2204において、プロセッサ1020上で作動するデータ記録ソフトウェア1155は、各々の電子センサモジュールからの測定データを監視し収集するが、それはテスト滅菌プロセスにおいてこれらの電子センサと連通している。センサは、滅菌バリア内の評価プロセス測定値および状況を記録する。収集された測定値は、データ1156としてメモリ1022に記憶される。例えば、プロセッサ1020上で作動するデータ記録ソフトウェア1155は、水蒸気センサ1024からの水蒸気データ、圧力センサ1026からの圧力データ、温度センサ1028からの温度データおよび過酸化水素ガスセンサ1052からの過酸化水素の濃度データを収集する。いくつかの実施形態において、これらのデータは、時間ベースで滅菌バリアの内部で体験される評価プロセス測定値をとらえるために、時間の関数として同時に追跡され記録される。
ステップ2206において、容器402は、滅菌チャンバ52から取り外され、設備負荷が、達成した滅菌レベルに関して評価される。一実施形態において操作者は、生物学的な攻撃性(または接種された微生物)を植込み読み取り、微生物の生存率が事前に決められた所望のレベルを下回るかどうかを判定する。別の実施形態において、微生物0%の生存率は、評価プロセス測定値が、滅菌処理において全ての病原体の消滅を保証するのに適切であることを示している。
滅菌のレベルが許容できない場合、操作者は、設備負荷、公称滅菌プロセスパラメータまたは滅菌バリアを変更することができる。操作者は、1つもしくは複数のこのような要素を変えることができ、またはテスト滅菌プロセス結果に影響を与える可能性のある任意の他の制御可能な要素を変えることができる。例えばチャンバ(52)プロセスパラメータの変更は、滅菌チャンバ52の1つまたは複数のプロセスパラメータを増加させることを含む場合がある。一実施形態において温度レベルおよびテスト滅菌プロセス時間の致死的な部分がステップ2208において増大される。別の実施形態において、ステップ2208は、容器402の内容物の変更を含む。例えばより少ない数の外科用器具180が滅菌バリア内に配置される。方法2200はこのとき、ステップ2202に戻り、ここで容器402および設備負荷が、滅菌チャンバ52内で再処理され、ステップ2206において所望のレベルの滅菌が達成されるまでこれらのステップを繰り返す。
設備負荷の滅菌レベルが許容可能であることに応答して、記録されたセンサ測定値が、センサモジュールメモリ1022から収集され、これらの測定値は、設備負荷に関連する実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)となる。VSPM1150は、設備負荷において汚染物質に対して作用することが機能的に確認された受信した評価測定データ1156に基づいており、この場合評価測定値が実証された測定値となる。一実施形態において、ドッキングステーションプロセッサ1410上で作動するプロセス測定値実証ソフトウェア1466は、ステップ2210においてセンサモジュールメモリ1022から記録された評価測定データ1156を読み取り、ドッキングステーションメモリ1412にこのデータを記憶する。またこの実施形態においてステップ2210で、操作者は、センサモジュールによって記録された評価測定データ1156を利用して、実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)1150に関する値を判定し生成する。VSPM1150が判定された後、操作者は、VSPM1150をドッキングステーション1200、1300に入力し、記憶すべきVSPM1150をメモリ1412に向ける。
別の実施形態において、ドッキングステーションプロセッサ1410上で作動するプロセス測定値実証ソフトウェア1466は、ステップ2210において評価測定データ1156から自動的にVSPM1150を生成し、ドッキングステーションメモリ1412にこのデータを記憶する。全ての実施形態において、設備負荷のVSPMに対する相関が、所望されるレベルの滅菌に関するプロセスステップ2210を完了させる。
任意選択のステップ2212において、操作者は、VSPM1150に関する測定限界値を確立する。測定限界値は、VSPM1150データセットに含まれる1つまたは複数のセンサ読み取り値に関して上限および下限の値を含む場合がある。限界値の読み取りは、上限の限界値のみまたは下限の限界値のみを含む場合もある。例えば一実施形態において、操作者は、テスト滅菌処理中に体験する最小または下限の時間が20分であり、最大または上限の時間が40分であることを決定することができる。別の実施形態において、操作者は、テスト滅菌プロセスにおいて体験する下限の温度限界値が華氏270°であることを決定することができる。測定限界値がこの任意選択のステップにおいて決定された後、操作者は、VSPM1150に関する測定限界値を設定し、記憶すべき測定限界値をメモリ1412に向ける。任意選択のステップ2212は、VSPM1150に関する測定限界値が、所望される滅菌レベルに関する設備負荷に対して相関されたときに完了する。方法2200はその後終了する。
器具の負荷がステップ2206において十分に滅菌されたかどうかを構成するものを判定する定義は、この器具に関する滅菌の許容可能な度合いの働きをすることを理解すべきである。一部の器具は、それらが消毒のみを受ける場合に適切に滅菌されたとみなされる。消毒は、滅菌より低い滅菌性を保証するレベルを有することが理解される。よって方法2200ならびに本発明の滅菌プロセスおよび設備は、滅菌されている器具を提供するが、皮膚の下の組織に適用される器具に典型的に必要とされるほどには滅菌されていない器具を提供するのに使用することができる。
一セットの実証された滅菌プロセス測定値が容器の負荷に関して生成されると、たとえこの負荷に関してVSPMを生成するのに使用された容器と異なる容器の中に負荷が配置されたとしても、これらの測定値を使用して負荷が滅菌されたかどうかを判定する。これは、負荷を取り囲む滅菌バリア(容器)の形態を変えることは基本的に、負荷の周りの環境が滅菌プロセスにおいて変化する割合のみを変えるためである。
例えば2つの容器における違いが単にそれぞれの多孔性である場合、容器内の環境特徴における鍵となる違いは、このような特徴が変わる割合となる。よって滅菌剤が、両方の容器の中に取り込まれる際、より多孔性の容器の中の滅菌剤の濃度は、より多孔性の低い容器の中の滅菌剤の濃度より速い速度で上昇することになる。よって、同一の負荷が、2つの異なる容器の中で滅菌プロセスを受ける場合、主な違いは、負荷を形成する器具に隣接する滅菌剤の濃度が、所望される有効レベルに到達するのにかかる時間である。滅菌剤の濃度が有効な時間にわたって有効な濃度レベルである限り、負荷を形成する器具は、所望される滅菌レベルに到達することになる。
本発明のこのような特徴によって、病院は、常に固有の容器の中に器具を配置することによってそのような器具の特定の負荷を滅菌する必要がなくなる。一セットの器具のために設計された容器が使用するのに入手できない場合、器具を代替の容器の中に配置することもできる。この容器と一体式の感知ユニットが、(1)容器の内部の特徴を測定し、(2)測定された環境特徴を負荷に対するVSPMに対して比較することができることのみが必要とされる。これらの条件が満たされたとき、代替の容器は滅菌中に器具を保持することができ、その感知ユニットは、器具が十分に滅菌されたかどうかに関する指示を提供する。
[XVII 実証された滅菌プロセス測定値を実証および相関させるための操作方法]
図23を参照すると、滅菌プロセス測定値(VSPM)1150を判定、相関および実証する別の方法2300のフローチャートが示されている。方法2300は、容器組立体400(図7A)およびセンサモジュール1050(図12B)を使用して行なわれるように考察される。しかしながら、いずれの先行する容器組立体90〜800および電子センサモジュール200〜1080を使用して方法2300を行なうこともできる。方法の記載は、先行する図面に示される特有の構成要素を概ね参照して提供される。図23の考察において、図1〜図20からの構成要素も参照される。
方法2300は、操作者が滅菌保証レベル実証によって設備負荷を実証するためのステップを記載している。ステップ2302において、外科用設備負荷が、選択され、例えば蒸気、化学物質または過酸化水素などの選択された滅菌様式に関して実証されるように準備される。外科用設備負荷は、滅菌が実証されるように望まれる滅菌バリア内の全ての要素を含む。ステップ2302は、容器402をドッキングステーション1200または1300上に位置決めすることを含み、容器がコネクタを有する場合、対応するコネクタ485、1032をドッキングステーションに接続することを含んでいる。ステップ2302において、設備負荷を構成する容器の全ての内容物が記録される。記録には、材料の書面の請求書、材料の電子請求書、内容物の記述および部品番号、内容物を撮影した写真またはこれらの種類の記録の組み合わせが含まれてよい。ステップ2302において、手持ち式リーダー1240を使用して容器402、トレイ160および外科用器具180をスキャンすることで、設備負荷の記録を助けることができる。
ステップ2304において、生物学的に攻撃性のデバイス、生物学的な指示器または微生物植え付けプロセッサを使用して、滅菌保証レベル実証のための生物学的な攻撃性を生み出す。このような生物学的デバイスまたはプロセスには、使用中の滅菌の態様に対して抵抗性のある既知の数の微生物が含まれる。このような生物学的負荷は、テスト滅菌プロセスによる適切な滅菌レベルが、所与の設備負荷に対して達成されたかどうかを判定するのに利用される。
ステップ2306において、設備負荷が、電子センサモジュール460を含む容器402内に配置され、適切な滅菌バリアフィルタ440を含むカバー450組立体によって封鎖される。ステップ2308において、メモリ471、1022に記憶されたデータ記録ソフトウェア1155が起動され、プロセッサ1020上で作動する。ドッキングステーションプロセッサ1410(図17)上で作動するプロセス測定値実証ソフトウェア1466(図17)が、データ記録ソフトウェア1155に対する指示を送信し、テスト滅菌プロセスサイクルにおいてプロセス測定値を監視し記録し、センサモジュールメモリ471、1022に記憶する。プロセッサ1020上で作動するデータ記録ソフトウェア1155は、テスト滅菌プロセスサイクルにおいてプロセス測定値を監視し記録する。任意選択のステップ2310において、容器および滅菌プロセスの種類に対して適切な滅菌バリアが、容器を滅菌チャンバ52内に配置する前に完成される。
容器402は滅菌チャンバ52(図1)内に配置され、滅菌チャンバ52内でのテスト滅菌プロセスサイクルが開始される(ステップ2312)。滅菌プロセスサイクルにおいて、滅菌チャンバは加熱され、加圧され、滅菌剤、例えば蒸気または過酸化水素蒸気が滅菌チャンバに取り込まれる。滅菌プロセスサイクルは典型的には、いずれの残りのおよび/または凝縮した滅菌剤も除去するために冷却段階および/または排気段階を含んでいる。滅菌チャンバは、公称の一セットのテストプロセスパラメータを使用して作動するように設定される。
またステップ2312において、ソフトウェア1155は、各々の電子センサから時間ベースのデータを監視し収集するが、それは滅菌プロセスサイクルにおいてこれらの電子センサと連通している。センサは、滅菌バリア内の環境特徴を測定する。収集した測定値は、データ1156として記憶される。例えば、プロセッサ1020上で作動するデータ記録ソフトウェア1155は、水蒸気センサ1024からの水蒸気データ、圧力センサ1026からの圧力データ、温度センサ1028からの温度データおよび過酸化水素蒸気センサ1052からの過酸化水素の濃度データを収集する。測定データは、ステップ2320においてドッキングステーションメモリに転送されるまでメモリ1022に記憶させることができる。
テスト滅菌プロセスが完了した後、ステップ2314において、負荷を形成する器具が、許容可能なレベルまで滅菌されたかどうかを判定するために、適切なテストが実施される。これらを行なう手段は、本発明の一部ではない。
判定ステップ2316において、操作者は、ステップ2314の結果が、負荷を形成する器具が許容可能な程に滅菌されたかどうかを示すことを判定する。ステップ2316のテストの評価が不適切である場合、器具に、この後のテスト滅菌プロセスを受けさせ、ステップ2306〜2312が再度選択される。この後の滅菌プロセスは、このプロセスを実施する前に、ステップ2318において変更され、そのため、まさに実施されるテスト滅菌プロセスと、その後のテスト滅菌プロセスの間に少なくとも1つの違いが生じる。このような滅菌プロセスに対する変更は、滅菌チャンバ52の1つまたは複数のプロセスパラメータの増加を含むことができる。一実施形態において、温度レベルまたはプロセスサイクル時間がステップ2318において増加される。別の実施形態において、ステップ2318は、容器402の内容物の変更を含んでいる。例えばより少ない数の外科用器具180が設備負荷のために使用され、または異なる種類の滅菌バリア設計を使用する場合もある。
その後の滅菌プロセスを実施した後、器具の負荷に、先に記載した滅菌テスト、すなわちステップ2314を受けさせる。テストの結果が、容器の負荷を形成する器具が十分に滅菌されたことを示すかどうかを判定するために、ステップ2316が、再度実施される。
滅菌プロセスの後、ステップ2316の評価の結果が適切であることを実証することができる。このような事象が生じたとき、操作者は、値を判定するセンサによって記録されたデータ1156を、この負荷に対する実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)1150として指定する。VSPM1150データは、ステップ2302において負荷に関連付けられる。VSPM1150が判定された後、操作者はVSPM1150および関連する設備負荷を、キーボード1426または電子データ転送方法を利用してドッキングステーション1200、1300に入力し、設備負荷に関連して記憶すべきVSPM1150をメモリ1412に向ける。
別の実施形態において、ドッキングステーションプロセッサ1410上で作動するプロセス測定値実証ソフトウェア1466は、リアルタイム測定データからVSPM1150を自動的に生成し、ステップ2322においてドッキングステーションメモリ1412にそのデータを記憶する。全ての実施形態において、設備負荷のVSPMに対する相関は、所望されるレベルの滅菌に関するプロセスステップ2322を完了させる。
任意選択のステップ2324において、操作者は、VSPM1150に関する測定限界値を確立する。測定限界値は、VSPM1150に含まれる1つまたは複数のプロセス測定値に関して上限および下限の値を含む場合がある。例えば一実施形態において、操作者は、所望される滅菌レベルに関する最低または下限の温度限界値が最初の2分間の間は華氏270°であり、次の3分間は別の最低温度限界値華氏272°であると決定することができる。プロセス限界値の決定は、各々が異なる滅菌処理測定値および条件を有する1つまたは複数の滅菌プロセス実証サイクルから収集したデータを使用して行なわれる。プロセス測定限界値が決定された後、操作者は、VSPM1150に関する測定限界値を設定し、キーボード1426または電子データ転送を使用してそれらを設備負荷に対して相関させ、記憶すべきプロセス測定限界値をメモリ1412に向ける。付加的に、設備負荷に対するVSPMデータセットの相関は、メモリ1412に記憶される。方法2300はその後終了する。
[XVIII オーバーキル法を使用して実証された滅菌プロセス測定値を判定および相関させるための操作方法]
図24を参照すると、実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)1150を判定および相関する追加の方法2400のフローチャートが示されている。方法2400は、容器組立体400(図7)およびセンサモジュール1050(図12B)を使用して行なわれるように考察される。しかしながら、いずれの先行する容器組立体90〜800および電子センサモジュール200〜1080を使用して方法2400を行なうこともできる。方法の記載は、先行する図面に示される特有の構成要素を概ね参照して提供される。図24の考察において、図1〜図20からの構成要素も参照される。
方法2400は、ステップ2402において始まり、ここでは外科用器具180の設備負荷が、滅菌のために選択される。設備負荷は、外科用器具180だけではなく、存在する場合器具ラック160も含めてよい滅菌バリアの内部の全ての要素として定義される。器具ラックは、器具を到達するのが難しい場所に滅菌剤のために好ましい配向で位置決めし、浸透し滅菌を行なうことによって滅菌に作用するのを助けることができる。ステップ2404において、生物学的なテストデバイスまたは生物学的に攻撃的な有機物が、典型的には滅菌するのが難しい場所で設備負荷の中に配置される。例えば、設備負荷が、小さな直径および長い閉鎖した端部の内腔を備えた器具を有する場合、生物学的な攻撃性を閉鎖した端部における最も到達しにくい場所に置く場合がある。生物学的な攻撃性は、外科用器具と併せてテスト滅菌プロセスサイクルを介して処理される。
生物学的な攻撃性は、生物薬剤を担持する。成功した滅菌プロセスサイクルにおいて、生物薬剤は典型的には消滅される。生物学的な攻撃性には、使用する滅菌の態様に対して既知の抵抗性を持つ既知の数の微生物が含まれる。消毒プロセスの実証の場合、生存する微生物の数において最低3ログの減少が必要とされる。10^6の有機物から始まる生物学的な攻撃性の場合、3ログの減少は少なくとも10^3の有機物が消滅する結果となる。設備負荷に対する滅菌プロセスの実証の場合、生存する微生物の数において最低6ログの減少が必要である。
任意選択のステップ2405において、操作者は、使用される生物学的な攻撃性の種類および設備負荷内での生物学的な攻撃性の場所を記録する。操作者は、キーボード1426または電子データ転送(すなわちスキャンまたはドキュメントを取り込む)を利用してこの情報をドッキングステーションに入力することができる。別の実施形態において、ステップ2405は、容器402内の設備負荷に対する生物学的な攻撃性の場所の写真を撮るためのカメラの使用および撮影した画像のドッキングステーションメモリ1412への保存を含んでいる。
設備負荷は記録され、その後ステップ2406において、電子センサモジュール460を含みカバー450によって封鎖される容器402内に配置され、滅菌バリアを完成させる。設備負荷を記録するために、操作者は、外科用器具の種類および数量、トレイおよび滅菌バリア内の他の要素の種類を入力する。容器402は、ドッキングステーション1200または1300上に配置され、コネクタ485を使用してドッキングステーションに接続される。
別の任意選択のステップ2407において、操作者は、滅菌すべき外科用器具の設備負荷、および容器402内のセンサの場所を写真によって記録する。写真は、設備負荷、負荷の中での器具および設備の向きならびに容器の中のセンサの種類および場所を撮影することができる。ステップ2407は、カメラを使用して、容器402内の内容物およびセンサの写真を撮り、ドッキングステーションメモリ1412に撮影した画像を保存することを含む。
ステップ2408において、メモリ471、1022に記憶されたデータ記録ソフトウェア1155が起動されプロセッサ1020上で作動する。ドッキングステーションプロセッサ1410(図17)上で作動するプロセス測定値実証ソフトウェア1466(図7)が、データ記録ソフトウェア1155に対する指示を送信し、テスト滅菌プロセスサイクルにおいてプロセス測定値を監視し記録し、センサモジュールメモリ471、1022に記憶する。プロセッサ1020上で作動するデータ記録ソフトウェア1155は、テスト滅菌プロセスサイクルにおいてプロセス測定値を監視し記録する。
容器402が、操作者(図1)によって滅菌チャンバ52の中に配置され、滅菌チャンバ52内でのテスト滅菌プロセスサイクルが開始される(ステップ2412)。ステップ2412におけるテスト滅菌プロセスサイクルは、滅菌チャンバ52内の1/2のテスト滅菌プロセスを使用して実施される。例えば華氏270°における標準的な4分間のオートクレーブ蒸気サイクルの1/2のテスト滅菌プロセスは、華氏270°での2分間のオートクレーブ蒸気サイクルになる。別の例において、過酸化水素の4パルスサイクルに関する1/2のテスト滅菌プロセスは、2パルスのサイクルになる。滅菌プロセスサイクルにおいて、滅菌チャンバ52は加熱され、加圧され、滅菌剤、例えば蒸気または過酸化水素蒸気が、1/2の致死的なチャンバプロセスパラメータ値に従って滅菌チャンバに取り込まれる。
またステップ2412において、プロセッサ1020上で作動するデータ記録ソフトウェア1155が、各々の電子センサモジュールから時間ベースのデータを監視し収集するが、それは滅菌プロセスサイクルにおいてこれらの電子センサと連通している。センサは、それらが設置される各々の容器内の作動プロセス測定値および状況を監視する。収集した時間ベースの測定データは、データ1156としてメモリ1022に記憶される。例えば、プロセッサ1020上で作動するデータ記録ソフトウェア1155は、水蒸気センサ1024からの水蒸気データ、圧力センサ1026からの圧力データ、温度センサ1028からの温度データおよび過酸化水素ガスセンサ1052からの過酸化水素の濃度データを収集する。これらの測定値は典型的には、時間の関数として同時に取得される。
1/2のテスト滅菌プロセスが完了した後、生物学的な攻撃性は取り出され、一定の期間成長培地内に置かれ培養され、その後微生物の成長に関して分析される。微生物の生存のレベルが、ステップ2414において判定される。一実施形態において、ステップ2414は、生存する微生物の数において6ログの減少より大きなものが起こった場合の判定を含める。
ステップ2416において、操作者は、100パーセントのまたは所望される量の生物学的に攻撃的な微生物が消滅されたかどうかを判定する。ステップ2414において全ての微生物が消滅されはしなかったことに応答して(すなわち一部の量が生存し、滅菌レベルが許容不能である)、ステップ2418において操作者によってテストチャンバプロセスパラメータのセットを変更することができる。テストチャンバプロセス測定値の変更には、滅菌チャンバ52の1つまたは複数のプロセスパラメータの増加を含む場合がある。一実施形態において、温度レベルまたはプロセスサイクル時間がステップ2418において増加される。別の実施形態において、ステップ2418は、容器402の内容物の変更を含む。例えばより少ない数の外科用器具180がトレイ160の中に配置される、または異なる種類の滅菌バリア材が使用される場合もある。
新たな生物学的な攻撃性が負荷の中に配置され、方法2400は図24に示されるようにステップ2404に戻り、ここで容器402は新たな1/2のテスト滅菌チャンバプロセスを使用して滅菌チャンバ52の中で再処理される。
ステップ2414において全ての微生物が消滅した(すなわちゼロパーセントの生存)ことに応答して、容器402がドッキングステーション1200、1300上に配置され、ドッキングステーションは、容器のコネクタ485に接続される。ドッキングステーションプロセッサ1410上で作動するプロセス測定値実証ソフトウェア1466が、容器メモリ1022から記録された測定データを読み取り、ステップ2420においてこのデータ1156をドッキングステーションメモリ1412に記憶する。
ステップ2422において、操作者はセンサによって記録されたデータ1156を使用し、それを設備負荷および滅菌レベルに相関させる。この相関は、生物学的な攻撃性に対して作用することで結果として所望される滅菌レベルとなることが機能的に確認された受信した測定データに基づいている。
別の実施形態において、プロセッサ1410上で作動するプロセス測定値実証ソフトウェア1466は、時間ベースの測定データから1/2のテスト滅菌値を自動的に生成する。
ステップ2424において、VSPM1150を生成するために、テスト滅菌プロセスサイクルの致死的な部分が倍増される。先の例で示されたように、華氏270°のオートクレーブ蒸気サイクルの場合、テスト滅菌プロセスサイクルの華氏270°の部分を超えるテストサイクル時間が倍増される。別の実施例において、過酸化水素に関する1/2のテスト滅菌サイクルの致死的な部分、すなわち過酸化水素パルスの数は、2パルスから4パルスに倍増される。VSPM1150は、プロセス測定値実証ソフトウェア1466によって生成される場合もある。プロセッサ1410上で作動するプロセス測定値実証ソフトウェア1466は、テストプロセス作動時間の致死的な部分を2倍だけ増加させる。一例の実施形態において、20分の致死的なプロセスサイクル時間の後、全ての生物学的有機物が消滅した場合、プロセスサイクル時間は、プロセス測定値実証ソフトウェア1466によって40分まで増加される。増加したサイクル時間を有する新たなVSPM1150がその後、メモリ1412に記憶される。VSPM1150が判定された後、操作者は、キーボード1426または電子データ転送方法を利用してVSPM1150および相関した設備負荷をドッキングステーション1200、1300に入力し、設備負荷に関連して記憶すべきVSPM1150をメモリ1412に向ける。
任意選択のステップ2426において、操作者は、VSPM1150に関するプロセス限界値を確立する。測定限界値は、VSPM1150に含まれる1つまたは複数のプロセス測定値に関して上限および下限の値を含む場合がある。例えば一実施形態において、操作者は、滅菌処理に関する最低または下限の過酸化水素濃度限界値が、8mg/Lであり、最大または上限の過酸化水素濃度限界値が10mg/Lであると決定することができる。プロセス限界値の決定は、各々が異なる滅菌処理測定値および条件を有する複数の滅菌プロセスサイクルから収集したデータを使用して行なわれる場合もある。プロセス測定限界値が決定された後、操作者は、キーボード1426使用してVSPM1150に関するプロセス限界値を設定する、またはプロセス測定値実証ソフトウェア1466が、記憶すべきプロセス測定限界値をメモリ1412に転送し向ける。付加的に、設備負荷に対するVSPMの相関は、メモリ1412に記憶される。方法2400はその後終了する。
[XIX 容器の内容物の滅菌性を監視する操作方法]
図25を参照すると、容器の内容物の滅菌性を監視する方法2500のフローチャートが示されている。方法2500は、特に容器組立体400(図7A)を使用して実施されるように記載されている。しかしながら、方法2500は、先に記載したいずれの容器組立体とも共に利用することができる。方法の記載は、先行する図面に示される特有の構成要素を概ね参照して提供される。図25の考察において、図7A〜図7Dおよび図14からの構成要素ならびにセンサモジュール200も参照される。
方法2500はステップ2502において始まり、ここでプロセッサ1020上で作動する滅菌監視ソフトウェア1158が、ホール効果センサ480から送信される電子信号を監視する。ステップ2504において、滅菌監視ソフトウェア1158は、ホール効果センサ信号が、磁場がもはや検出されないことを示すように変化したことを判定する。
ホール効果センサ信号に変化がないことに応答して、プロセッサ1020上で作動する滅菌監視ソフトウェア1158は、ホール効果センサ480から送信される電子信号を監視し続ける(ステップ2502)。ホール効果センサ信号における変化またはホール効果センサ信号の喪失に応答して、プロセッサ1020上で作動する滅菌監視ソフトウェア1158は、ステップ2506においてLED487の緑色のLEDを消して、LED487の赤色LEDをつけ、容器のラッチが変えられた可能性があり容器内の滅菌に対する侵害が可能になったことを示す。ホール効果センサ信号は、ラッチ446またはカバー450の、容器402から離れるように持ち上げ、または容器402から外されるなどの移動によって変化する。磁石448がホール効果センサ480から離れるように移動される際、センサ480に対する磁場が喪失する。赤色LEDの照明は、容器402の内容物、例えば外科用器具180の滅菌侵害のリスクが高まったこと、またはもはや滅菌されていないことを示す。方法2500はその後終了する。
[XX 容器内への外科用器具の装填の操作方法]
図26を参照すると、滅菌処理の前に容器内に外科用器具を装填する方法2600のフローチャートが示される。方法2600は、容器組立体100(図2〜図4C)およびドッキングステーション1200(図15)を使用して実施されるように説明される。しかしながら、方法2500は、先に記載したいずれのセンサモジュールを備える容器組立体またはドッキングステーションとも共に利用することができる。方法の記載は、先行する図面に示される特有の構成要素を概ね参照して提供される。図26の考察において、図2〜図4C、図15および図17からの構成要素も参照される。
方法2600はステップ2602において始まり、ここで操作者は、容器100をドッキングステーションの棚1212に載るように位置決めする。任意選択のステップにおいて、電子センサモジュール200が通信するためにケーブル146を介してドッキングステーション1200に接続される。
ステップ2604において、操作者は、手持ち式リーダー1240を使用して容器100上のバーコードまたはRFIDタグ135およびトレイ160上のバーコードまたはRFIDタグ167をスキャンする。ステップ2606において、プロセッサ1410上で作動する容器装填ソフトウェア1464が、容器/トレイ構成データ1465をサーチし、各々のスキャンされたバーコードまたはRFIDタグに対応してデータ1465からディスプレイスクリーン1260を選択し、ディスプレイスクリーン1260がディスプレイ1230上で示されるようにする。ディスプレイスクリーン1260は、トレイ160に装填すべき外科用器具180、装填すべき外科用器具180の正確な位置および配向を示す。
操作者は、手持ち式リーダー1240を使用してステップ2608において第1の外科用器具のバーコードまたはRFIDタグ181をスキャンする。判定ステップ2610において、プロセッサ1410上で作動する容器装填ソフトウェア1464が、容器/トレイデータ1465を利用してスキャンした外科用器具180がトレイ160に装填すべき正確な外科用器具であるかを判定する。
スキャンした外科用器具180が不適切にトレイ160に装填されたことに応答して、プロセッサ1410上で作動する容器装填ソフトウェア1464は、ステップ2612においてビデオスクリーン1260を変更することによって装填するのに間違った外科用器具が選択されたことを示す。一実施形態において、赤色の警告サインがディスプレイ1230上で点滅され、警告音が操作者に彼らが不正確な器具を選んだことを指示する。方法2600はその後、ステップ2608に戻り、そこで装填すべき次に外科用器具180が操作者によってスキャンされる。
ステップ2608においてスキャンした外科用器具180がトレイ160に装填するのに正しいことに応答して、操作者は、ディスプレイスクリーン1260上に示される位置および配向情報を参照して外科用器具180をトレイ160の中に配置する(ステップ2614)。ディスプレイスクリーン1260は、外科用器具をトレイ160の中に配置する際に操作者を誘導する。
別のステップとして示されないが、プロセッサ1410上で稼働する容器装填ソフトウェア1464は、トレイ160に完全に外科用器具180が装填されたかどうかを判定する。この評価が否定的であることを実証した場合、ステップ2608を再度実施中の操作者は、装填すべき次の外科用器具180をスキャンする。評価がステップ2618においてトレイが完全であると判定した場合、プロセッサ1410はステップ2618において、ディスプレイスクリーン1260が全ての外科用器具がトレイ160に装填され容器100がさらなる処理のための準備ができたことを示すようにする。
ステップ2616において、プロセッサ1410上で稼働する容器装填ソフトウェア1464は、病院コンピュータシステム1454に容器/トレイデータ1465を送信して、装填後の容器、トレイおよび外科用器具の現在の場所および状態を利用してデータベース1456を更新する。一例の実施形態において、容器/トレイデータ1465は、容器100の場所、トレイ160内に含まれる固有の外科用器具180およびその容器および内容物が現在滅菌されていないことによってデータベース1456を更新する。
[XXI センサを較正する操作方法]
図27を参照すると、センサを較正するまたはセンサ精度および電子センサモジュールを検証する方法2700のフローチャートが示されている。較正およびセンサ精度の検証は、既知の一セットのシミュレートされたまたは生成された環境条件に対してセンサ反応をチェック(検証)および/または調節(較正)するのに利用される。較正およびセンサ精度検証方法は、センサモジュールによってVSPMデータを生成するまたはVSPMデータを検証するのに使用される場合、センサ測定値が正確であることを保証するのに使用される。方法2700は、容器組立体400(図7A〜7C)、センサモジュール1050(図12B、図14)およびドッキングステーション1300(図16、図17)を使用して実施されるように説明される。しかしながら、方法2700は、先に記載したいずれのセンサモジュールとも共に利用することができる。方法の記載は、先行する図面に示される特有の構成要素を概ね参照して提供される。
方法2700は、ステップ2702において始まり、ここで操作者は、容器組立体400をドッキングステーションの棚1342に載るようにまたは較正チャンバ1320内に入るように位置決めし、ドッキングステーションケーブル1340を容器コネクタ485に接続する。操作者はまた、ドッキングステーション1300がセンサ較正のために容器組立体400と連通するようにドッキングステーションコネクタ1336および1338を合わせて接続する。より具体的には、ドッキングステーション制御装置1402は、電子センサモジュール制御装置1120と連通している。
ステップ2704において、プロセッサ1410上で作動するセンサ較正ソフトウェア1460によって、ディスプレイスクリーン1260がディスプレイ1230上に示されるようにする。センサモジュールが較正を必要とする、またはセンサ性能の検証を必要とするセンサを有する場合、ディスプレイスクリーン1260は、容器402および較正すべきセンサならびに適切な較正またはセンサ検証に影響を及ぼすような操作者の指示を示す。まだ位置決めされていない場合、操作者は、容器組立体400を較正チャンバ1320内に配置し、ドア1326を閉鎖する。
例えばステップ2708において、プロセッサ1410上で作動するセンサ較正ソフトウェア1460によって較正チャンバ1320および電子センサモジュール1050にセンサ較正プロセスまたはセンサ検証サイクルを実行させる。較正または検証を必要とするセンサの種類によって、ドッキングステーション内の多様なシステムが独立してまたは組み合わせて使用されセンサ精度を較正または検証する。ステップ2708におけるセンサ較正プロセスは、蒸気生成器1430、過酸化水素生成器1432、圧力ポンプ1434、真空ポンプ1436およびヒーター1438のスイッチを入れ作動させることを含む場合がある。蒸気生成器1430、過酸化水素生成器1432、圧力ポンプ1434、真空ポンプ1436およびヒーター1438は全て、プロセッサ1410上で作動するセンサ較正ソフトウェア1460によって生成され入/出力インターフェース回路1414を介して送信された事前定義された一セットの較正作動パラメータに従って作動する。
ステップ2708におけるセンサ較正サイクルにおいて、蒸気生成器1430が、標準的な濃度の蒸気を較正チャンバ1320に供給し、かつ過酸化水素生成器1432が、標準的な濃度の過酸化水素ガスを較正チャンバ1320に供給する。圧力ポンプ1434が、較正サイクルの最初の部分において較正チャンバ1320内の圧力を標準的な圧力まで増大させる。真空ポンプ1436は、較正サイクルの後半の部分において標準的な真空レベルを較正チャンバ1320内に引き込む。ヒーター1438は、所定の標準的な温度まで較正チャンバ1320を加熱する。各々の生成器システムの1つまたは複数の状態は、センサ反応を較正または検証するために既知の単一の地点、2つの地点または複数の地点のパラメータ状態に影響を与える目的で生成することができる。
ステップ2708における別の実施形態において、プロセッサ1410上で作動するセンサ較正ソフトウェア1460は、プロセッサ1020上で作動するセンサ較正ソフトウェア1154を起動して、1つまたは複数の生成器システムを作動させ、水蒸気センサ1024、圧力センサ1026、温度センサ1028および過酸化水素センサ1052を較正する。
ステップ2710において、プロセッサ1410上で作動するセンサ較正ソフトウェア1460は、各々のセンサに対する較正プロセスが成功か失敗かについて問い合わせをし、プロセッサ1020上で作動するセンサ較正ソフトウェア1154からフィードバックを受信する。プロセッサ1410上で作動するセンサ較正ソフトウェア1460は、全てのセンサが固有の精度の範囲に正確に較正または検証されたかどうかを判定する。
センサ1024〜1052の1つまたは複数が固有の較正測定値に対して正確に較正されていないことに応答して、ステップ2714において固有のセンサが、検査および修理のために特定され、フラグが立てられる。プロセッサ1410上で作動するセンサ較正ソフトウェア1460によって、ディスプレイスクリーン1260がドッキングステーションステーション1300上に示され、欠陥のあるセンサを示す。別の実施形態において、較正ソフトウェアは、センサモジュールに、例えばLEDの点滅を利用して操作者に較正の失敗が生じたことの視覚的指示を提供するように指示することができる。方法2700はその後終了する。
センサ1024〜1052が固有の測定値に対して正確に較正および/または検証されたことに応答して、センサは、ステップ2712において較正が成功したことが指摘される。プロセッサ1410上で作動するセンサ較正ソフトウェア1460によって、ディスプレイスクリーン1260がドッキングステーションステーション1300上に示され、容器組立体400内の全てのセンサ1024〜1052が正確に較正または検証され、それぞれの適切な滅菌プロセスにおいて使用される準備ができたことを示す。方法2700がその後終了する。
本発明の代替の変形において、センサ較正ソフトウェア1460は、センサが使用される回数に基づいてセンサの較正を必要とするように設定される。
[XXII 容器の利用を監視し利用ベース当たりの料金を請求する方法]
図28に注目すると、容器の利用を監視し利用ベース当たりの料金を請求する方法2800のフローチャートが示されている。方法2800は、ドッキングステーション1200(図18)、製造元コンピュータシステム1510(図18)および病院コンピュータシステム1454(図18)を使用して実行されるように説明される。方法2800は、先に記載した容器90〜800のいずれとも使用される。方法2800は、図18および図28を参照して記載される。
方法2800はステップ2802において始まり、ここでプロセッサ1410上で作動する利用ソフトウェア1470が、医療施設内の容器またはセンサモジュールの利用を監視し追跡する。ドッキングステーション1200が典型的には滅菌の前に容器の装填および/またはセンサのプログラミングにおいて使用される際、利用ソフトウェア1470は、容器またはセンサの利用の頻度を追跡し、利用データ1472を生成し、メモリ1412に利用データを記憶する。別の実施形態において、利用ソフトウェア1472は、センサモジュールメモリを読み取り、処理するための利用データを抜き出す。さらに別の実施形態において、利用ソフトウェア1472は、センサモジュールメモリ内の利用データを消去またはリセットする。プロセッサ1410上で作動する利用ソフトウェア1470は、ステップ2804において周期的に利用データ1472を製造元コンピュータシステム1510に送信する。一実施形態において利用データ1410は、一週間ベースでドッキングステーション1200から製造元コンピュータシステム1510に送信される。
ステップ2806において、製造元コンピュータシステムプロセッサ1520上で作動するインボイスソフトウェア1530が、利用データ1472に基づいてインボイスを周期的に生成する。インボイスは、メモリ1522に記憶される。製造元コンピュータシステムプロセッサ1520上で作動するインボイスソフトウェア1530は、ステップ2808において、周期的に病院コンピュータシステム1454にインボイス1532を送信する。一実施形態において、インボイス1532は、一週間ベースで生成され製造元コンピュータシステム1510から病院コンピュータシステム1454に送信される。ステップ2810において、病院コンピュータシステム1454は、インボイス1532を受け取り、支払い処理のためにメモリ1572にインボイスを記憶する。方法2800はその後終了する。
方法2800は、ドッキングステーション1200、センサモジュールまたは容器90〜800が、医療施設または病院にリースされる、または貸し出されるビジネスモデルと併せて利用される。医療施設または病院は、利用ソフトウェア1470およびインボイスソフトウェア1530によって決定した利用ベース当たりの料金によってドッキングステーション、センサモジュールおよび容器の使用に対して支払う。
[XXIII 取り外し可能なセンサを備えた容器]
図29〜図39は、取り外し可能なセンサを備えた容器組立体2900を示している。特に図29および図30を参照すると、容器組立体2900は、容器2902と、取り外し可能なセンサ装置3000とを備えている。取り外し可能なセンサ装置3000は、不正開封防止機能が付いた滅菌バリア監視システムを含む任意選択の実施形態を含むように以下に記載されている。この任意選択の実施形態の不正開封防止機能付きの滅菌バリア監視システムは、1つまたは複数の磁石と、ホール効果センサを使用するように以下に記載される。壊れやすいプラスチックの機械的なロックなどの他の不正開封防止機能システムを使用して、滅菌バリアが不正に開放されたことを操作者に知らせる場合もあり、このような他の不正開封防止機能システムを取り外し可能なセンサ装置3000と組み合わせる場合もある。
図29および図30の容器29は、側部パネル406内の矩形の開口414および418が省略され、円形形状の開口415が側部パネル406に加えられていることを除いて先に記載した図7Aの容器402と同一である。図29および図30のカバー450は、磁石488がカバー450から取り外され、容器の蓋ラッチ496(図41を参照)の内側に向く面に設置されたことを除いて先に記載した図7Aのカバー450と同一である。カバー450は、フィルタ支持材442によってカバー450に対して保持される使い捨てフィルタ440を含んでいる。
フィルタ440は、滅菌剤に対して透過性の微生物バリア材から形成されている。フィルタ440によって滅菌剤がカバー450の外から穴459を通って、フィルタ440を通り抜け、開口部445を通って通過し容器2902の内部空洞420に進入することが可能になり、そこで滅菌剤は中に収容される外科用器具と接触することができる。フィルタ440はまた、滅菌プロセスを介して処理された後、容器組立体2900に微生物が進入するのを阻止する微生物バリアを形成している。フィルタは、容器組立体2900に示される蓋フィルタの代わりに、またはそれに加えて1つまたは複数の他の容器パネル上にある場合もある。これにより微生物バリアを維持しながら、滅菌薬剤が容器組立体に出入りするための1つまたは複数のフィルタを通る経路が可能になる
滅菌すべき外科用器具180(図2)を収容するトレイ160(図2)が、容器2902内に配置されることで、トレイ160は底部パネル407に載せられている。カバー450は、ロック式の蓋ラッチ496を使用して容器2902に対して保持されている。ロック式の蓋ラッチ496は、ユーザによって上向きにカバーの段差446を覆うように回転され、その後下方にロック位置まで回転され、そこでカバー450は、容器2902に対して保持されロックされるようになっている。
図31、図32および図33を参照すると、取り外し可能なセンサ装置3000の詳細が示されている。取り外し可能なセンサ装置3000は、センサモジュール受け器3100と、取り外し可能なセンサユニット、デバイスまたはモジュール3500とを備えている。取り外し可能なセンサユニットまたはモジュール3500は、センサモジュール受け器3100に挿入し、かつ取り外すことができる。
センサモジュール受け器3100は、受け器筐体3102、保持リング3200、筐体カバー3250、キャリッジ組立体3300およびロック機構3400を含み、それらは全て射出成型プラスチックまたは金属から形成することができる。受け器筐体3102は、一体式に装着された三角形の延長部3105を備えた概ね正方形の中心本体3104を有している。本体3104は前面3106、後面3108および5つの側面3110を有する。2つのスロット3112が側部3110の2つに形成されている。スロットを備えた側部3110は、本体3104の対向する側部上で平行し互いに正反対に対向している。スロット3112の長さは、本体3104の厚さによって規定されている。ねじ山付きの孔3114が、各々のスロット3112の底部に形成されている。孔3114は、各々のスロット3112の底部から一部が本体3104に入るように垂直に延びている。
特に図33を参照すると、円筒形のスリーブ3118が前面3106から離れるように垂直に延びており、遠位端3120において終端している。段差3128がスリーブの外側面に位置しており、遠位端3120と溝3126の間のおおよそ半分のところに位置決めされている。段差3128は、近位の環状の外側面3123と遠位の環状の外側面3124を隔てている。近位の環状の外側面3124は、遠位の環状の外側面3124より大きな直径を有している。外側面3123にねじ山3129が形成されている。スリーブ3118はさらに、貫通孔3125を形成する内側の環状の面3122を含んでいる。環状の溝3126が本体の前面3106に位置しており、スリーブ3118の底部または近位端においてスリーブ3118を囲んでいる。溝3126は、容器Oリング3127(図32)を収容するように寸法が決められている。Oリング3127は、溝3126の中に着座している。組み立て後、容器Oリング3127は、保持リング3200とのねじ込み圧縮によってシール3127をペイン406の内側のパネル面412の間で圧縮することによって、受け器筐体3102と容器パネル406との間にシールを形成している。
遠位端3120の2つの正反対に対向する部分が除去されて正反対に対向する弓形の凹部3132を形成している。遠位端3120の残りの部分は、2つの正反対に対向する弓形の肩部3134を形成している。内側の環状面3122に隣接する肩部3134の最も内側の縁部は、面取りされている。2つのねじ山付きの孔3136が、各々の凹部3132の底部に形成されている。孔3136は、各々の凹部3132の底部から垂直に延び、一部分がスリーブ3118の中に進入するようになっている。
フィンガー3138および3140が、内側の環状面3122から離れるように垂直に延び、部分的に貫通孔3125に進入するようになっている。フィンガー3138および3140は、孔3125の対向する側部上で互いに対して正反対に対向しており、孔3125の近位端に向かって位置決めされている。フィンガー3140は、フィンガー3138より大きな幅を有している。
環状の溝3142が、本体の後面3108内に位置しており、貫通孔3125の開口から離間され、この開口を取り囲んでいる。溝3142は、Oリング3144(図32)を収容するように寸法が決められている。Oリング3144は溝3142の中に着座している。Oリング3144は、受け器筐体3102とプレート3350の間にシールを形成している。本発明の一部の変形において、接着剤を使用してOリング3144が溝3412の中に保持されている。矩形のチャンバ3146が、三角形の延長部3105の中に形成され、前面3106に向かう開口を有している。チャンバ3146は、後に記載するようにプリント回路基板を収容するように寸法が決められている。
端子組立体3150が受け器筐体3102内に設置されている。端子組立体3150は、絶縁体3154によって電気的に隔てられた複数の細長い導電性の端子3152を含んでいる。端子3152は、銅合金などの導電性の材料から形成されている。絶縁体3154は、端子組立体3150を形成するために端子3152を囲むように成型されたポリイミドなどの物質である。
一実施形態において、端子組立体3150は、プラスチックから受け器筐体3102を射出成型するのに使用されるのと同一の金型の中に置かれている。別の実施形態において、端子組立体3150は、受け器筐体3102に対して気密式に密閉されている。成型または密閉作業の後、端子組立体3150は、受け器筐体3102の一体式の部品である。端子組立体3150は、スリーブ3118内に内部経路3155を形成し、そこを通って端子3152が延びている。
別の実施形態において、端子組立体3150は、スリーブ3118内の内部経路3155に挿入されるフレキシブル回路である。フレキシブル回路はこのとき、シリコン接着剤または他の適切な硬化性接着剤もしくはシーラントを使用して所定の場所に保持されている。
端子3152はさらに、孔3125の方に向く同一平面の近位接触端部3156を有している。端子3152はまた、スリーブの外側面3124から離れるように垂直に延びる遠位接触端部3158を有している。接触端部3156および3158は、後に記載するように他の電気構成要素に電気的に接続されている。別の実施形態において、別のセットの端子3160が通路3155の中を通り、延長部3105内に形成された別の通路3162を通って延びる場合がある。端子3160は、チャンバ3146内で終端する端部3164と、スリーブの外側面3124から離れるように垂直方向に延び、接触端部3158に隣接する端部3166とを有している。
追加として図31を参照すると、任意選択の実施形態は、装着されたホール効果センサ3172を有するホール効果プリント回路基板3170を備えた電子滅菌バリア監視システムを含む場合がある。ホール効果プリント回路基板3170は、チャンバ3146内に設置され、好適な方法、例えばはんだ付けまたはボンディングによって端子の端部3164に電気的に接続されている。ホール効果センサ3172は、磁石448(図29)の有無を検出している。カバー450が容器2902に対して設置され、そこにラッチされる際、ホール効果センサ3172は、磁石448によって生成される磁場を検出し、検出した磁場を示す電気信号を送信するようになっている。カバー450が容器2902から取り外される際、蓋ラッチ496がホール効果センサ3172から離れるように旋回され、センサ3172に磁場がないことを検出させ、磁場がないことを示す電気信号を送信するようになっている。
図34に注目すると、保持リング3200およびカバー3250の詳細が示されている。保持リング3200は概ね円形であり、近位面3202、遠位面3204、外側の環状面3206および内側の環状面3208を有している。遠位面3204の外周の縁部は、面取りされる。ねじ山3210が内側の環状面3208に形成されている。保持リングのねじ山3210が受け器筐体のねじ山3129と合致することで、センサモジュール受け器3100を容器2902に対して固定し密閉している。ねじ山付きの孔3212が、遠位面3204から垂直に延び一部分が保持リング3200の中に進入するようになっている。
カバー3250は伸張部分3252を有する概ね円形である。カバー3250は、遠位面3254、近位の縁3255、外側の環状面3256および内側の段差3258を有している。内側の段差3258は、内側の環状面3262を画定している。内側の環状面3262は、近位面3254において終端し、開口3263を形成している。円形スカート3260が近位方向に段差3258から離れるように延びており、縁3255において終端している。スカート3260および環状面3262は貫通孔3264を形成している。遠位面3254の外周の縁部は、面取りされている。
2つの正反対に対向する弓形のリブ3270が、内側の環状面3262から垂直に延び孔3264の中に進入するようになっている。リブ3270の内側縁部は面取りされている。リブ3270の遠位に向く面は、近位面3254と同一平面である。2つの穴3272が、各々のリブ3270に形成されている。穴3272は、リブ3270を完全に貫通して延びている。リブ3270は、各々のリブ3270の間に位置する2つの正反対に対向する弓形の隙間3274を画定している。
伸張部分3252は、矩形の回路基板ホルダー3280を備えるように形成されている。ホルダー3280は、遠位に向く開口3282および底壁3284を含んでいる。ホルダー3280は、遠位面3254において開放している。開口部3286が、底壁3284に形成されている。
追加として図31を参照すると、容器プリント回路基板(PCB)3800がホルダー3280内に設置されその中に保持されている。開口3282はPCB3800を収容するように寸法が決められている。具体的には、PCB3800は、開口部3286にねじ込まれる自動タップねじ3290によって底壁3284に対して締結されている。スタンドオフ3292が底壁3284とPCB3800との間に位置決めされることで、PCB3800を底壁3284から離間させている。ねじ3290はまた、スタンドオフ3292を貫通するように延びている。容器PCB3800の構成要素は、後に記載する。透明レンズ3294が、遠位面3254に設置され開口3282を覆っている。レンズ3294によって、ユーザがPCB3800に設置された発光ダイオードを視覚的に見ることが可能になる。レンズ3294は、超音波はんだ付けによって遠位面3254に装着され、またはヒートステークされている。
PCB3800は、端子組立体3150(図33)に電気的に接続されている。具体的には、PCB3800は、はんだ付けまたはワイヤボンディングなどの好適な方法によって端子の両端3158および3166に接続されている。PCB3800は、端子3160(図33)を介してホール効果PCB3170を含む任意選択の実施形態と連通している。
保持リング3200は、保持リングのねじ山3210を受け器筐体のねじ山3129と合致することによって受け器筐体3102に装着されるようになっている。次に、カバー3250が保持リング3200に設置されることになる。カバー3250は、受け器筐体3102と整列され、近位方向に移動されることで、カバーのリブ3270が受け器筐体の隙間3138の中に摺動または嵌合し、受け器筐体の肩部3134がカバーの隙間3274の中に摺動または嵌合している。
カバー3250が保持リング3200と接触することで、カバーの段差3258がリングの遠位面3204に当接し、スカート3260を覆い、リングの外側の環状面3206を取り囲んでいる。ねじなどの締め具3296が、リブの穴3272を通って延び、ねじ山付きの孔3212の中に保持されることでカバー3250を保持リング3200に装着している。
次に図31および図35を参照すると、センサモジュール受け器3100はさらに、キャリッジ組立体3300を含んでいる。キャリッジ組立体3300は、受け器筐体3102に装着されている。キャリッジ組立体3300は、プレートの開放位置と閉鎖位置との間でプレート3350の移動を誘導するものである。キャリッジ組立体3300は、支持ブラケット3302、プレート3350およびロック機構3400を備えている。
支持ブラケット3302は、基部3304から離れるように延びる4つの直交するアーム3306を備えた基部3304を含んでいる。アーム3306はX形状を形成している。各々のアーム3306は、アーム3306からおおよそ45度の角度に配向された装着された遠位フット3310を有している。各々のフット3310の中心から、円筒形のポスト3312がフット3310から離れるように垂直に延びており、終端部3313を有している。各々のフット3310の外側から、矩形の脚部3314が、フット3310から離れるように垂直に延びており、終端部3315を有している。ポスト3312は、脚部3314に平行である。穴3316が、各々の脚部3314に終端部3315に向かって形成されている。開口部3320が、最も下のアーム3306の各々に形成されている。支持ブラケット3302は、内部領域3322を取り囲んでいる。
プレート3350は、概ね円形の形状であり、ポスト3312に沿って摺動運動するように支持ブラケット3302に設置されている。プレート3350は、近位側3354、遠位側3352および外側の環状面3356を有している。4つの耳3358が、外側の環状面3356から半径方向に離れるように延びている。耳3358は、外側の環状面3356上で互いから90度離間されている。孔3359が各々の耳3358に形成されている。孔3359が、耳3358の厚さ全体を貫通して延在している。孔3359は、ポスト3312に沿ったプレート3350の摺動運動を可能にするように正確に形成されている。
プレート3350はさらに、近位側3354に形成された第1の環状の段差3360と、近位側3354に形成された第2の段差3362とを有している。段差3360は、段差3362より大きな直径を有し、段差3362を囲んでいる。ねじ山付きの孔3364が段差3362の中心に形成されている。孔3364は、段差3362に垂直である。
第3の環状の段差3368が、遠位側3352に形成され、環状チャネル3370を画定している。遠位側3352の残りの部分は、遠位方向に向けられた環状面3355を形成している。組み立て後、環状面3355は、溝3142内に着座したシールOリング3144に面するように並置されるようになっている。円形のドラム3372が、遠位方向に段差3368の中心から垂直方向に離れるように延びている。円筒形のボス3374が、ドラム3372から、遠位方向にドラム3372と平行に延びている。ボス3374は、ドラム3372より小さい直径を有している。一対の正反対に対向するシュー3376が、円材3378によってボス3374に装着されている。シュー3376は、円材3378によってボス3374から離間されている。スロット3377が、シュー3376の対向する面の間に形成されている。受け口3380がシュー3376の近位に向く部分と、ボス3374の遠位に向く部分の間に画定されている。スロット3377および受け口3380は、後に記載するようにケース3502の一部を収容すべく寸法が決められている。
プレート3350がポスト3312に結合されることで、プレート3350はポスト3312に沿って摺動するようになっている。プレート戻しコイルばね3382が、各々のポスト3312の上に設置され、これを取り囲んでいる。コイルばね3382の一端は、フット3310に当接し、コイルばね3382の他端は耳3358の近位面に当接している。孔3359はポスト3312と整列され、プレート3350がポスト3312上を摺動することでポスト3312は孔3359の中を通って延びている。この位置において、プレート戻しコイルばね3382は、フット3310と耳3358の近位面との間で圧縮されるようになっている。プレート戻しコイルばね3382は、受け器筐体3102に向かって遠位方向にプレート3350を付勢している。
キャッリッジ組立体3300はまた、ロック機構3400を含んでいる。ロック機構3400は、プレート3350が閉鎖位置にあるとき、プレート3350が開放されまたは開放位置に移動するのを防ぐように機能している。ロック機構3400は、ハブ3402を備え、ハブ3402から離れるように延びる4つの直交するアーム3406を有している。アーム3406の端部は丸められている。ハブ3402は、楕円器の中心開口3410を囲み、これを画定する遠位に向く楕円形の隆起した壁3408を有している。
ロッド3412が、各々のアーム3406の近位に向く面に設置されている。ロッド3412は、アーム3406に対して垂直に、かつそこから離れるように近位方向に延びている。ロッド3412の終端部は、丸められている。レバー3414が、ハブ3402に接続されている。具体的には、レバー端部3416が、ハブ3402に装着されている。他方のレバー端部3418は、湾曲されまたはフック状に曲げられている。レバー3414は、操作者が手で掴むように構成されている。
ロック機構3400は、ロック機構3400によるプレート3250に対する摺動運動を可能にするようなやり方でプレート3350に保持されている。ねじ山付きのねじ3422などの締め具が、開口3410を通って延在し、プレートのねじ山付きの孔3364の中に収容され、そこに保持されている。ねじ3422は、開口3410の幅より大きな直径を有するように寸法が決められたヘッドを有している。設置する際、ねじ3422のヘッドは、ハブ3402の近位面に当たるように引き込まれ、これによりロック機構3400をプレート3250に対して保持している。
内腔3424が、開口3410の下で楕円形の隆起した壁3408の底部を通るように形成されている。ロック戻しコイルばね3426が、ばね3426の一端がねじ3422に当接し、他端が段差3362の外周の壁に当接するように内腔3424に配置されている。戻しコイルばね3426は、カバー450(図30)に向かって上向きの方向にロック機構3400を付勢している。
キャリッジ組立体3300は、ポスト3312が孔3359を貫通して延びるように、プレート3350を装着されたロック機構3400と共にコイルばね3382によってポスト3312上を摺動させることによって組み立てられている。キャリッジ組立体3300はその後、受け器筐体3102に設置されている。脚部の孔3316が、筐体受け器の孔3114と整列するように、4つの支持ブラケット脚部3314の各々が、筐体受け器のスロット3112内に位置決めされている。ねじ山付き締め具3430が、脚部の孔3316を通って延び、孔3114の中に入っている。キャリッジ組立体3300はこれにより受け器筐体3102に接続されている。
図31および図36を特に参照すると、取り外し可能なセンサモジュール3500の詳細が示されている。取り外し可能なセンサモジュール3500は、センサ受け器3100に挿入され、それによって収容されている。取り外し可能なセンサモジュール3500は、容器2902(図29)内の作動環境を感知するために1つまたは複数のセンサを収容している。取り外し可能なセンサモジュール3500は、センサケース3502に設置された回路基板組立体3700を備えている。センサケース3502は概ね円筒形の形状であり、近位端3504と、遠位端3506とを有している。ケース3502は、外側の環状面3508を有している。ケース3502は、ケース3502を分岐し外側面3508に垂直な中央の分割壁3510をさらに含む。第1の環状スカート3512が、壁3510から遠位方向に延び、遠位端3506で終端している。第2の環状スカート3520は、壁3510から近位方向に延び、近位端3504で終端している。第2のスカート3520および分割壁3510は、環状の空洞3530を画定している。
第1のスカート3512は、第1のスカート3512の直径の端から端まで延在するグリップ3514によって分岐されている。グリップ3514の基部は、分割壁3510の遠位を向く側に接続されている。グリップ3514および第1のスカート3512は、2つの指用の切欠き3516を画定している。操作者が、自分の指を切欠き3516の中に挿入し、グリップ3514をその指の間で強く握ることによって、手動で取り外し可能なセンサモジュール3500を操作または回転させるようになっている。
円筒形のドラム3522が、近位方向に分割壁3510の中心から垂直に延びている。楕円形のヘッド3523が、シャフト3526によってドラム3522に装着されている。ヘッド3523は、シャフト3526によって近位方向にドラム3522から離間されている。ヘッド3523は、ヘッド3523から反対方向に離れるように延在する一対の正反対に対向するフィン3524を含んでいる。フィン3524は、シャフト3526に垂直である。ヘッド3524およびフィン3525は、シュー3376(図35)と合致するように寸法が決められている。フィン3524とドラム3522の近位を向く側の間に隙間3525が画定されている。
フィン3524がシュー3376(図35)と合致することで、ケース3502をプレート3350に結合している。ヘッド3523は、フィン3524がシュー3376(図35)に平行になるようにケース3502が配向される際に、プレートのスロット3377(図35)に嵌合するように寸法が決められている。ケース3502が手を使って近位方向に受け器筐体3102に挿入される際に、ヘッド3523は最終的に、ボス3374の遠位を向く側に接触し当接することになる。この位置において、ケース3502は、90度回転されフィン3524を受け口3380に入るように移動させるようになっている。受け口3380は、フィン3524を収容するように寸法が決められている。ケース3502はこのとき、プレート3350に対して保持されている。
環状の溝3532が、外側の環状面3508に形成されている。溝3532は、円形Oリング3534を収容するように寸法が決められている。Oリング3534は、溝3532の中に着座している。Oリング3534は、内側の環状面3122(スリーブ3118の図33(図33)と共にシールを形成している。
2つのチャネル3540および3541が、ケースの外側の環状面3508に形成されている。チャネル3540および3541は、ケース3502の円周の対向する部分において互いに正反対に対向している。チャネル3540は、近位端3504に隣接する入口開口3542(図31)を有している。チャネル3541は、近位端3504に隣接する入口開口3543(図示せず)を有している。チャネル3541および入口開口3542は、チャネル3540および入口開口3542より大きく、または幅広の幅を有するように形成されている。チャネル3540は、面3508の円周に沿って遠位方向に開口3542から角度を成し、L字型のトラップ3544において終端している。チャネル3541は、面3508の円周に沿って遠位方向に開口3543から角度を成し、別のL字型のトラップ3544において終端している。チャネル3540は、センサケース3502を受け器筐体3102の中に装填する際に、フィンガー3138と合致し、これを収容するように寸法が決められている。チャネル3541は、センサケース3502を受け器筐体3102の中に装填する際に、フィンガー3140を収容し、これと合致するようになっている。フィンガー3138、3140およびチャネル3540、3541は、受け器3100に対してケース3502を適切に整列させ割り出しするために、それぞれキーおよびキー溝として作用するようになっている。
開口3542は、フィンガー3140の幅より小さいため、ケース3502が、受け器3100と正しく整列されない場合、ケース3502を受け器3100に挿入するのが阻止されることになる。ケース3502は、フィンガー3138がチャネル開口3543と整列され、フィンガー3140がチャネル開口3542と整列されたとき初めて受け器3100に挿入することができる。
ケース3502はまた、トラップ3544の一方と近位端3504の間に位置するコネクタ通路3550を含んでいる。コネクタ通路3550は、第2のスカート3520を垂直方向に貫通して空洞3530の中へと延びている。コネクタ通路3550は、回路基板組立体に装着されたコネクタ3750を受けるように寸法が決められている。
ねじ山付きの孔3554が、空洞3530の底部に位置する分割壁3510の近位面に形成されている。ねじ山付きの孔3554は、壁3510の中へと垂直に延び、PCBスタンドオフ3556の外側のねじ山付きの遠位端3558を収容するように寸法が決められている。PCBスタンドオフ3556もまた内側のねじ山付きの近位端またはヘッド3560を有している。PCBスタンドオフ3556は、孔3554にねじ込まれ、回路基板組立体3700のための支持体を形成している。
図36、図37Aおよび図37Bに注目すると、回路基板組立体3700の詳細が示されている。組立体3700は、概ね平面でありドーナツ形状のプリント回路基板(PCB)3701を有している。PCB3701は、近位を向く側3702と、遠位を向く側3704を含み、円形の開口3706がPCB3701の中心を通るように形成されている。PCB3701は、ケースの空洞3530内に設置されている。具体的にはPCBの遠位側3702が、スタンドオフ3556上に載せられ、これによって支持され、側部3702がヘッド3560に当接している。スカート3520が、PCB3700の外周の縁部を取り囲んでいる。この位置において、ヘッド3523(図36)およびドラム3522(図36)は、中心開口3706を通って延在する。ねじ3710がPCBの穴3712を通って延在し、内側にねじ山が付いたヘッド3560によって受けられ、PCB3701をケース3502に対して保持している。
PCB3701は、PCB3701上に設置された電気構成要素とセンサを相互に接続するために多数のプリント回路線3716を含む多層プリント回路基板である。電池3720、プロセッサ1020、メモリ1022、I/Oインターフェース1124および無線送受信機1138が、PCB3701の遠位を向く側3704に設置されている。電池3720は、回路基板組立体3700の構成要素に電力を供給するものである。プロセッサ1020、メモリ1022、I/Oインターフェース1124および無線送受信機1138は、図12Bおよび図13において先に記載したものと同一である。
1つまたは複数のセンサが、取り外し可能なセンサモジュール3500に設置され、PCB3701に接続されている。示される実施形態において、センサは、PCB3701の近位を向く側3702に設置されている。水蒸気1024、圧力センサ1026および温度センサ1028が側部3702に設置されている。水蒸気センサ1024、圧力センサ1026および温度センサ1028は、図12Bおよび図13において先に記載したものと同一である。任意選択の実施形態において、側部3702には、容器2902内の光路長3770を通って伝達される赤外線(IR)または紫外線(UV)光の量を感知する光学センサ1052も設置されている。一実施形態において、光学センサ1052は、過酸化水素蒸気(H2O2)の濃度を検出し測定するものである。一実施形態において、光学センサ1052は、水蒸気または別のガスまたは蒸気を検出するが、この場合ガスまたは蒸気の吸光度特性は既知である。
光学センサ1052は、側部3702に設置されたIRまたはUV光源またはエミッター1056、光学反射板またはミラー3764およびIRまたはUV受光器または検出器1058を含んでいる。光フィルタ(図示せず)を、光源1056または検出器1058の周りに設置することで、いずれの望ましくない波長も取り除くことができる。ミラー3764は、入射光エネルギーを検出器1058に向けて反射するように位置決めされている。ミラー3764は、エミッターエネルギー1056を検出器1058に戻るように反射する材料、例えばガラス上に真空蒸着したアルミニウムから形成されている。
ミラー3764によって、ミラー3764を利用しない場合に可能である場合より長い光路長3770が可能になる。より長い光路長3770は、検出した過酸化水素蒸気濃度の測定の正確さおよび精度を改善している。
過酸化水素蒸気は、固有の既知の波長における赤外線光または紫外線光を吸収するため、過酸化水素蒸気を含む既知の光路長3770を通って伝達される周波数における光の量は、過酸化水素蒸気の濃度に比例している。既知の波長の吸光特性を備えた他の蒸気またはガスを、適切に選択されたエミッター1056および検出器1058によって検出し測定することができる。
コネクタ3740がPCB3701に設置されている。具体的には、コネクタ3740は、複数の端子3744を収容する絶縁体3742を有している。端子3744は、はんだ付けなどの好適な方法によってPCB3701に装着されている。端子3744の他端は、ボタン接点3746に接続されている。ボタン接点3746は、本体3742から半径方向外向きに向いている。ボタン接点3746は、受け器筐体の近位接触端部3156(図33)と合致して、取り外し可能なセンサ回路基板組立体3700と、容器プリント回路基板3800との間に電気接続を形成している。PCB3701がケース3502内に設置される際に、コネクタ3740は、コネクタ開口3550(図36)によって収容され、その中に配置されるようになっている。ボタン接点3746は、絶縁体3742からわずかに延出し、隣り合う外側の環状面3708(図36)をわずかに超えて延びている。ボタン接点3746のこの伸張部によって、取り外し可能なセンサモジュール2500がセンサ受け器3100に適切に挿入される際に、ボタン接点3746が近位接触端部3156と合致することが可能になる。
図38は、容器プリント回路基板(PCB)3800の詳細を示している。PCB3800は、カバーの回路基板ホルダー3280(図34)内に設置されている。PCB3800は、概ね平面であり矩形の形状である。PCB3800は、近位に向く側3802と、遠位に向く側3804とを含んでいる。PCB3800は、PCB3800上に設置された電気構成要素と、特定の実施形態におけるセンサを相互に接続するために、多数のプリント回路線(図示せず)を含む多層プリント回路基板である。穴3810がPCB3800内に形成されている。ねじ3290(図31)が穴3810の中を通過することで、PCB3800をカバー3250(図31)に対して保持している。
電池3820、制御装置3830、1つまたは複数のLED3842、3844、3846は全て遠位を向く側3804に設置されている。電池3820は、PCB3800の構成要素に電力を供給している。制御装置3830は、指示またはソフトウェアのセットを記憶する内部メモリを含むマイクロコントローラである。PCB3800はまた、滅菌プロセッサからの測定データ、VSPMデータ、利用データまたは他のワークフロープロセスデータ、例えばセンサモジュールをVSPMによってプログラムした操作者または設備負荷を容器内に組み立てた操作者など、または滅菌プロセスの時間および日付などを記憶することができるメモリを含む場合もある。取り外し可能なセンサPCB3700と組み合わされたPCB3800は、蒸気センサモジュール1000、過酸化水素センサモジュール1050、組み合わされた蒸気および過酸化水素センサモジュール、または本明細書に記載される他のセンサモジュール200、460、560、660、760、850のように機能するものである。PCB3800は、取り外し可能なセンサ3500が除去された後、一部が取り外し可能なセンサモジュールPCB3700と重複するいくつかの追加の電子構成要素を有し、PCB3800メモリは、固有の滅菌プロセス、設備負荷、操作者情報、プログラミング情報、およびビジネスプロセスを追跡、記録または監視するのに必要な他の情報、滅菌事象に関する調整プロセスまたは品質管理プロセスに関連する情報を含む場合がある。制御装置3830は、端子3162(図33)を介して任意選択のホール効果回路基板3170(図31)と連通している。取り外し可能なセンサモジュール3500がセンサモジュール受け器3100(図31)に結合される際に、制御装置3830は、I/Oインターフェース1024を介してプロセッサ1020と連通している。制御装置3830によって、データおよび指示をプロセッサ1020に送受信することが可能になる。
赤色LED3842、黄色LED3844および緑色LED3846は、容器組立体2900のユーザに対して視覚的情報を提供するものである。LED3842、3844および3846は、透明レンズ3294(図31)からユーザによって見られるようになっている。一実施形態において赤色LED3842は、容器2902およびその内容物が、滅菌サイクルを介して処理され、先に記載したVSPM1150(図19)などの所定の最小の実証された滅菌プロセス測定値の所定の一セットを上手く満たさなかったことを示している。したがって、容器2902の内容物は滅菌されていないとみなされる。
別の実施形態において、黄色LED3842は、容器2902およびその内容物が、滅菌サイクルを介して処理されていないことを示している。追加の実施形態において、緑色LED3846は、容器2902およびその内容物が、滅菌サイクルを介して処理され、先に記載したVSPM1150(図19)などの所定の最小の実証された滅菌プロセス測定値の所定の一セットを上手く満たしたことを示している。結果として、容器2902の内容物は、滅菌されたとみなされることになる。
[XXIV 取り外し可能なセンサモジュールの挿入および取り外し]
図39から図43は、取り外し可能なセンサモジュール3500のセンサ受け器3100への挿入およびそこからの取り外しのシーケンスを示している。特に図31および図39を参照すると、取り外し可能なセンサモジュール装置3000が、最初の、すなわち第1の位置において示されており、そこではセンサモジュール3500は受け器3100から離れている。この位置において、プレート3350が、ばね3382によって面シールOリング3144に対して圧縮され、遠位方向に向けられた環状面3355(図35)とOリング3144との間にシールを形成している。いくつかの実施形態において、このシールおよびプレートが、容器組立体2900と共に滅菌バリア閉鎖容器を形成している。また第1の位置において、ロック機構3400はロック状態にある。ロック状態において、ロック機構3400は、密閉した位置を維持しながらプレート3350が開放されまたは受け器筐体3102から離れるように移動するのを阻止している。ロック位置において、ロック機構3400は、最も上の位置にあり、ここで隆起した壁3408(図35)が、段差3362(図35)の上方の側壁に当接し、ロッド3412は、ブラケットアーム3306に隣接しそれと当接関係になるように位置決めされ、プレート3350が受け器筐体3102から離れるように近位方向に移動するのを阻止している。
図31および図40に注目すると、センサモジュール3500は、第2の位置で示されており、受け器3100に装填されている。この位置において、蓋450は、容器2902から取り外されており、取り外し可能なセンサモジュール3500は、手を使って開口3263(図34)およびスリーブ3118(図34)の孔3125(図34)に挿入されている。第2の位置において、Oリング3534は、スリーブ3118(図33)の内側の環状面3122(図38)と共にシールを形成している。ケース3502が手を使って受け器筐体3102へと近位方向に挿入される際に、ヘッド3523は最終的に、ボス3374の遠位を向く側に接触しこれに当接し、近位方向の移動を制限するようになっている。またこの位置において、フィンガー3138および3140は、チャネル開口3542(図31)と整列されている。プレート3350はなおも密閉されロックされた位置にある。
センサモジュールを挿入するプロセスの一部として、レバー3414が手を使って下方に押し下げられるようになっている。これによりロック機構3400を非ロック位置に配置することになる。このロック機構の再位置決め作用が、プレート3350を自由に内向きに移動させている。このようにプレート3500が自由に移動することによって、センサモジュール3500を継続的に容器受け器3100に挿入することが可能になる。センサモジュールが受け器に挿入される際に、モジュールは、プレート3350に当接して押しこれを偏位させるようになっている。このプレート3350の偏位が、受け器筐体3102とプレートとの間のシールを一次的に破壊することになる。
非ロック位置において、ロック機構3400は、最も下の位置にあり、ここで隆起した壁3408(図35)が段差3362(図35)の下方の側壁に当接し、レバー端部3418がプレート3350の外側面に当接している。これによりレバー3414がさらに下方に移動するのを阻止されることになる。また非ロック位置において、2つの上方ロッド3412が上方ブラケットアーム3306の下に位置決めされ、2つの下方ロッドは、穴3320(図35)と軸方向に整列することで、プレート3350の受け器筐体3102から離れるように近位方向の移動を可能にする。
次に操作者はケース3502を45度回転させる。この回転によって、フィン3524がプレート受け口3380に入り込み、シュー3376(図35)に隣接するように移動する。受け口3380は、フィン3524を収容するように寸法が決められることになる。ケース3502は、このときプレート3350に対して保持されることになる。
ケース3502はその後さらに45度回転される。この回転の結果として、フィンガー3138および3140がチャネル3540に沿ってたどることになる。よってケース3502がブラケット3302に向かって近位方向に引っ張られることになる。ケース3502は、プレート3350に結合されるため、ケース3502の回転によってプレート3350が受け器筐体3102から離れるように近位方向に移動する同様の移動が生じ、プレート3350を開放するようになっている。プレート3350が近位方向に移動する際、ばね3382は圧縮され、ロッド3412もまた、ブラケットアーム3306を越えて穴3320(図35)を通って近位方向に移動するようになっている。プレート3350は、Oリング3144から離れるように移動し、プレート3350とセンサ回路基板組立体3700との間に通路4110を形成している。通路4110によって回路基板組立体3700上のセンサを容器2902内の作動環境および作動状況に曝すことが可能になる。
図41に示されるように、ケース3502はこのとき、ケース3502の遠位端3506がカバー3250の遠位面3254をわずかに過ぎて孔3264(図34)に入るように移動された位置にある。
図31および図42を参照すると、取り外し可能なセンサモジュール3500が、第4の作動位置で示されている。操作者が手動でケース3502を解放する際、圧縮されたコイルばね3382が、フィンガー3138および3140がトラップ3544(図36に最もよく見られる)内に着座するようにプレート3350およびケース3502を遠位方向に移動させるものである。ケース3502はこのとき、受け器筐体3102に回転可能にロックされる。同時に、ケース3502の遠位方向の移動によって、接触ボタン3746(図37B)が端子の端部3156(図33)に係合し、これに当接して着座することで端子3152(図34)を介してセンサPCB3702と容器PCB3800との間に電気接続を形成する。センサPCB3702の構成要素はこのとき、容器PCB3800と連通している。
滅菌すべき外科用器具180が、手を使って容器2902内に装填され、カバー450が容器2902を覆うように配置される。ロック式の蓋ラッチ496が、ロック位置まで移動され、カバー450を容器2902に対して保持することになる。任意選択の一実施形態において、蓋ラッチ496を枢動させることで、ホール効果センサ3172が磁石448によって生成される磁場を感知するように、磁石448をホール効果センサ3172の近傍に位置決めする。容器組立体2900はこのとき、滅菌チャンバ52(図1)内で滅菌プロセスサイクルを介して処理されるための準備ができている。滅菌プロセスサイクルにおいて、取り外し可能なセンサモジュール3500は、容器2902内の作動環境、状況およびプロセス測定値に関するデータを監視し収集する。
滅菌プロセスサイクルが完了した後、容器組立体2900の内部の滅菌状態を維持しつつ、センサモジュール3500が、センサ受け器3100から取り外される。センサモジュールは、モジュールケース3502を近位方向に押し込み、同時にケースを反時計回りに回転させることによって取り外される。ケース3502の近位方向の移動によってフィンガー3138および3140がトラップ3544から出るように移動する。ケース3502が反時計回りに回転される際に、フィンガー3138および3140は、チャネル3540に沿ってたどり、ケース3502が受け器筐体3102から離れるように遠位方向に引っ張られるようにする。プレート3350は、軸方向に移動するようにケース3502に結合されることが理解される。その結果、ケース3502の長手方向の偏位によってプレート3350の同様の偏位が生じることになる。ケース3502およびプレート3350の遠位方向の移動は、コイルばね3382によって補助される。ケース3502の反時計回りの回転によってまた、接触ボタン3746が端子の端部3156から切り離される。図41のセンサモジュール3500は、この位置において示されている。
最終的に、プレート3350の遠位に向けられた環状面3355(図35)が、Oリング3144に接触する。これによりプレート3350と受け器筐体3102との間にシールを確立することになる。このシールは、通路4110(図42)を閉鎖する。シールが確立された後、ロック機構3400はコイルばね3426(図35)によって付勢されロック状態になるように移動する。コイルばね3426によってロック機構3400が最も上の位置まで移動し、ここでは隆起した壁3408(図35)が段差3362(図35)の上方の側壁に当接することで、ロック機構3400の上向きの移動を制限し、ロッド3412は、ブラケットアーム3306に隣接して位置決めされ、プレート3350の受け器筐体3102から離れるような近位方向の移動を阻止する。
センサモジュールのこのような取り外しにおいて、プレート3350は、外向きに引っ張られる。これによりプレート3350がOリング3144に対して押しつけられることになる。これによりプレートを密閉されたロック位置に保持するために、ばね3382がプレートに加える力を増加させるようになっている。
ケース3502が、さらに反時計回りに回転される際、フィン3524は、シュー3376との係合から外れ、プレート受け口3380から外れるように移動して、ケース3502をプレート3350から分離することを可能にする。ケース3502の操作者による遠位方向の継続した手を使った動作により取り外し可能なセンサモジュール3500が取り外され、受け器筐体の孔3125(図34)および開口3263(図34)から切り離される。取り外し可能なセンサモジュールをセンサ受け器から取り外す間中、シール3534および3144が協働して作用することで、少なくとも1つのシールが常に隣接する面を密閉することになり、取り外しプロセスの間中空気および微生物が容器に進入するのを阻止することになる。この少なくとも1つのシールが維持される実施形態は一時的に取り外しプロセスにおいて滅菌バリア閉鎖容器の一部を形成する。取り外し可能なセンサモジュール3500はこのとき、滅菌処理において他の容器2902と共に再利用するために利用可能である。
センサモジュール3000は、取り外し可能なセンサモジュール3500の位置に関わらず、滅菌シールが、容器2902と受け器3100との間に維持されるように構築される。センサモジュール3500が受け器3100から取り外される際に、プレート3350の環状面3355(図35)および面シールOリング3144が、滅菌シールを形成し、汚染物質が受け器3100を通り容器2902の中に進入するのを阻止している。センサモジュール3500が挿入または取り外される際、プレート3350が開放位置にあり、別の滅菌バリアを形成するときはいつでも、Oリング3534および内側の環状面3122(図33)は、別の滅菌シールを維持するようになっている。
容器が滅菌を受ける際に、取り外し可能なセンサモジュール3500の表面および隣接する受け器ならびにOリング3534の暴露面が滅菌剤に曝されることになる。その結果、これらの面はセンサモジュールを取り外す際にシールを形成するように当接すると、汚染物質がこれらの面の間に閉じ込められる可能性はほとんどない。
ロック機構3400は、プレート3350が、カバー450が開放または取り外された後に始めて開放することができるように設計されている。ロック機構3400は、開放するために容器2902内から手動で作動させる必要がある。容器2902が滅菌され、センサモジュール3500が受け器3100から切り離された後、別の取り外し可能なセンサモジュール3500を受け器3100の中に再び挿入しようとするいずれのその後の試みも、ロック状態にあるロック機構3400によって阻止され、これにより容器2902内の滅菌状態を維持している。第4に、取り外し可能なセンサモジュール3500は容器2902から切り離すことができるため、取り外し可能なセンサモジュール3500は、滅菌処理において他の追加の容器2902と共に再利用するために利用可能である。取り外し可能なセンサモジュール3500が比較的コストの高い製品である場合、より多数の容器2902と共に少数の取り外し可能なセンサモジュール3500を使用することは、滅菌処理においてプロセス測定値を監視するためのよりコスト効果の高い解決策となる。また取り外し可能なセンサモジュール3500上に位置するセンサまたは電子機器は、容器に永久的に設置されたセンサまたは電子機器が体験する可能性のある清掃、自動洗浄および手荒な扱いにより損傷する可能性に曝されることがない。
本発明のこの実施形態の一部において、感知組立体の一部を形成する構成要素の一部が容器に対して設置されている。典型的にはこのような構成要素は受け器に対して設置されている。そのように受け器に取り付けられる可能性のある構成要素には、プロセッサ、メモリ、指示器ライトまたは電池が含まれる。また借りている一部のセンサが、容器に永久的に設置される場合もある。
[XXIV 取り外し可能なセンサモジュールと共に使用するドッキングステーション]
図44を参照すると、ドッキングステーション1300の別の実施形態が示されている。ドッキングステーション4400は、取り外し可能センサ装置3000と併せて利用されるものである。ドッキングステーション4400は、外科用器具を容器2902に装填する際に、取り外し可能なセンサモジュール3500のセンサを較正するために、および電池を充電するために使用される。ドッキングステーション4400は、図16を参照して先に記載したドッキングステーション1300と多くの共通する機能を有している。ドッキングステーション4400は、較正チャンバ1320がドア1325(図16)をなくし、固定式の前方パネル4410を加えるように修正されている点がドッキングステーション1300と異なっている。複数のセンサ受け器3100が前方パネル4410に設置されている。6つのセンサ受け器3100が較正チャンバ1320に設置されて示されているが、より多くのまたはより少ないセンサ受け器3100が使用される場合もある。
取り外し可能なセンサモジュール3500は、センサ受け器3100の各々と装着可能および脱着可能である。ドッキングステーション4400のセンサ受け器3100は、ドッキングステーション制御装置1402(図17)に接続されこれと連通している。センサモジュール3500が受け器3100に挿入される際に、センサプロセッサ1020(図37A)は、ドッキングステーション制御装置1402およびドッキングステーションプロセッサ1410(図17)と連通するようになっている。
ドッキングステーション4400は、蒸気生成器1430、過酸化水素生成器1432、圧力ポンプ1434、真空ポンプ1436およびヒーター1438(図17)を収容し、それらは全て、滅菌処理において較正チャンバ1320内の既知の濃度および値を提供するために必要に応じて使用することができる。
ドッキングステーション4400は、ドッキングステーション1300が容器402と共に使用されるのと同様のやり方で取り外し可能なセンサ装置3000と併せて使用される。ドッキングステーション4400は、図21のステップ2108において先に記載した滅菌プロセスの前に実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)1150によって取り外し可能なセンサモジュール3500をプログラムするために使用される。ドッキングステーション4400は、取り外し可能なセンサモジュール3500内の電池3720(図37A)を充電するのに使用される。ドッキングステーション440は、図27のステップ2704〜2714において先に記載したのと同様のやり方で取り外し可能なセンサモジュール3500内のセンサを較正する。センサ較正ソフトウェア1460(図17)は、各々の取り外し可能なセンサモジュール3500に関連するセンサの較正においてドッキングステーション4400によって使用される。センサ較正ソフトウェア1460は、較正処理において蒸気生成器1430、過酸化水素生成器1432、圧力ポンプ1434、真空ポンプ1436およびヒーター1438の作動を少なくとも部分的に制御するものである。
ドッキングステーション4400は、多数の取り外し可能なセンサモジュール3500を同時にプログラムおよび較正するのに使用することができることに留意されたい。
[XXV 取り外し可能なセンサモジュールを使用する滅菌プロセスにおいて実証された滅菌プロセス測定値が達成されたかどうかを判定するための操作方法]
図45を参照すると、取り外し可能なセンサモジュール3500を使用する滅菌プロセスにおいて容器内の実証された滅菌プロセス測定値が達成されたかどうかを判定するための方法4500のフローチャートが示されている。方法4500は、先の図面において提示された容器組立体300および取り外し可能なセンサモジュール3500が本開示の1つまたは複数の実施形態を可能にする種々の態様のプロセスを行なう一例の方法を示している。図45の考察において、図29〜図44からの構成要素も参照される。
方法4500は、ステップ4502において始まり、ここでは取り外し可能なセンサモジュール3500がVSPM1150によってプログラムされる。取り外し可能なセンサモジュール3500は、プログラミングのためにドッキングステーション4400(図44)に装填される。ステップ4502において、メモリ1022(図37A)が、固有の実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)1150によってプログラムされる。ドッキングステーションプロセッサ1410(図17)上で動作する容器プログラミングソフトウェア1461(図17)が、手持ち式リーダー1240(図44)から取得したデータを使用して容器設備負荷に関連付けられた固有のVSPM1150を特定し、VSPM1150をメモリ1022に記憶するために送信する。送信されたVSPM1150は、滅菌すべき設備負荷に対して固有である。
任意選択でステップ4502において、取り外し可能なセンサモジュール3500のセンサが使用する前に較正される。取り外し可能なセンサモジュール3500は、ドッキングステーション4400を使用して較正される。
取り外し可能なセンサモジュール3500は、ステップ4504においてドッキングステーション4400から取り外され、容器2902(図40)に装着されたセンサ受け器3100(図40)に装填される。ステップ4504は、蓋が開放されケース3502を挿入することが可能になったとき、手を使ってロック機構3400を容器2902の中に押し下げることを含んでいる。センサモジュール3500プロセッサ1020(図37A)はこのとき、容器制御装置3830との連通を確立する。
ステップ4506において、外科用器具180(図2)の設備負荷が、滅菌処理のために操作者によって準備される。ステップ4506において、外科用器具が、トレイ160(図2)内に配置され、トレイ160は、容器2902内に配置される。カバー450(図40)が、容器2902に装着されこれに対して閉鎖される。
任意選択のステップ4508において、外科用器具180および/またはトレイ160および/または容器2902が、滅菌処理の前に滅菌バリア材に包まれる。
追加の任意選択のステップにおけるブロック4510で、プロセッサ1020上で動作する滅菌実証ソフトウェア1152(図14)が、容器の黄色のLED3844(図38)をつけ、容器組立体はまだ滅菌プロセスサイクルを介して処理されていないことをユーザに示している。
容器402が、ステップ4512において滅菌チャンバ52(図1)内に配置され、滅菌チャンバ52内の滅菌プロセスが開始される(ブロック4514)。滅菌プロセスサイクルにおいて、滅菌チャンバは加熱され、加圧され、滅菌剤、例えば蒸気または過酸化水素ガスが、滅菌チャンバに注入される。滅菌プロセスサイクルはまた、冷却段階およびチャンバに対して真空を引き込むことを含んでいる。これらのサブステップは、容器から残りの凝縮した滅菌剤を取り除く。滅菌チャンバは、一セットのチャンバプロセスパラメータ(CPP)66(図1)を使用して作動するように設定される。CPP66は、滅菌チャンバ内のこのセットの公称プロセスパラメータ設定値である。滅菌チャンバはCPP66を使用して作動するように設定される。
またステップ4514において、プロセッサ1020上で動作する滅菌検証ソフトウェア1152は、滅菌プロセスにおけるセンサモジュール3500内の各々の電子センサからのリアルタイムデータを監視し収集する。センサは、その各々の容器内の環境特徴を監視する。収集したリアルタイムの作動データは、データ1156(図14)としてメモリ1022に記憶される。例えばプロセッサ1020上で動作する滅菌検証ソフトウェア1152は、水蒸気センサ1024からの水蒸気データ、圧力センサ1026からの圧力データ、温度センサ1028からの温度データおよび過酸化水素ガスセンサ1052からの過酸化水素濃度データを収集する。滅菌プロセスにおいて記録された全てのデータは、データ1156としてメモリ1022に記憶される。
ステップ4516において、プロセッサ1020は、観察した環境特定値をVSPM1150と比較する。判定ステップ4520において、プロセッサ1020上で動作する滅菌実証ソフトウェア1152は、容器の内容物の滅菌を保証するために、実施された滅菌プロセスにおけるリアルタイムの測定データ1156が、各々の作動パラメータに関する最小のVSPM1150を満たす、またはこれを超えるかどうかを判定する。例えばVSPM1150が、20分間の華氏250度の最低温度および時間の値を有する場合、滅菌実証ソフトウェア1152は、これらの値をデータ1156中の記録された時間および温度の値と比較する。
記録されたデータ1156値が、各々の滅菌作動測定値に関する最小のVSPM1150値を満たし、またはこれを超えることに応答して、方法4500は、ステップ4526に進み、ここでプロセッサ1020上で動作する滅菌検証ソフトウェア1152は、緑色の容器LED3846(図38)をつけることによって容器の内容物の滅菌が成功したことを示している。一実施形態において、滅菌プロセスに関連する追加のデータが、保管、ワークフロープロセスまたは品質管理業務のためにPCB3800の容器メモリに転送される場合もある。例えば一実施形態において、測定データ、VSPMがプログラムされたデータセット、滅菌検証結果、滅菌データおよびVSPMをプログラミングする操作者がPCB3800上の容器メモリに記憶される場合もある。容器組立体は、ステップ4528において滅菌チャンバから取り外され、取り外し可能なセンサモジュール3500が容器2902から分離される。容器2902の内容物は、センサモジュール3500が容器2902から切り離される間、およびその後も密閉された滅菌状態のままである。方法4500はその後終了する。
記録されたデータ1156値が最小VSPM1150を満たさない、またはこれを超えないことに応答して、プロセッサ1020はステップ4524に進む。ステップ4524は、先に記載したステップ2126と同一である。
容器は、ステップ4528において滅菌チャンバから取り外され、取り外し可能なセンサモジュール3500は、容器2902から分離される。容器2902の内容物は使用する前に再処理すべきである。方法4500はその後終了する。
保管中、制御装置3830(図38)は、保管中にホール効果センサ3172(図31)を備えた任意選択の実施形態から受信した電気信号を制御装置3830に監視させる滅菌監視ソフトウェア1158(図14)と同様の一セットの指示を実行する。カバー450が開放された場合、ホール効果センサ3172からの電気信号が変化し、緑色LED3846(図38)を消し、赤色LED3842(図38)をつけるように制御装置3830を起動させる。赤色LED3842の点灯は、容器2902の内容物がもはや滅菌されているとみなされないことの視覚的指示を操作者に与える。
[XXVI シザー上下機構を備えた自動閉鎖式容器]
図46および図47に注目すると、別の自動閉鎖式容器組立体4600が示されている。容器組立体4600は、シザー機構4700を使用して可動フレーム4750を閉鎖するようになっている。フレームは、滅菌プロセスが実行され、残りの滅菌剤が容器から抜き取られた後に閉鎖されるようになっている。
容器組立体4600は、容器4602を備えている。図46の容器4602は、開口414および蓋ラッチ496が容器402から省かれていることを除いて先に記載した図7Aの容器402と同一である。容器組立体4600を記載するために、容器4602は、図7Aから共通の参照番号を使用して言及するものである。
容器組立体4600はさらに、ラックまたはトレイ4620を含んでいる。トレイ4620は、ステンレス鋼またはアルミニウムなどの好適な材料から形成することができる。トレイ4620は、一列の穴4626が穿孔された概ね平面の矩形の基部4622を備えている。穴4626によって滅菌剤が基部4622の下を循環することが可能になる。基部4622は、上方面4623と、下方面4624とを有している。4つの支持脚4628が基部4622に設置され、底面4624から下向きに垂直に延びている。脚4628は、トレイ4620が容器4602内に配置される際に、支持構造4710の上方面に載せられるようになっている。
トレイ4620は、滅菌処理中に医療/外科用器具180を容器4602内に保持するのに使用されるものである。トレイ4620は、基部4622の対向する端部に設置された一対の離間したハンドル4632を含んでいる。ハンドル4632は、ユーザがトレイ4620を掴んで持ち上げることを可能にするものである。
トレイ4620は、基部4622から上向きに延びる複数の支持部材4638を備えるように形成されている。医療/外科用器具180が支持部材4638の上に載せられ、これによって支持されている。支持部材4638は、医療/外科用器具180が滅菌処理に好適な配向で保持され、維持されるように寸法が決められ成形されている。一部の医療/外科用器具180の場合、滅菌剤が外科用器具から容易に出入りすることができるように滅菌処理中に特定の幾何学的配向に向けられることが重要である。
カバー4650を使用して容器4602を覆い密封するようになっている。カバー4650は、隆起した周辺フランジ4654によって囲まれる概ね矩形のパネル4652を含んでいる。カバー4650は、型打ちされたアルミニウムなどの材料または他の好適な材料から形成されている。2つのラッチ4658がカバー4650の対向する側部に設置されている。各々のラッチ4658は、互いに正反対に対向し、フランジ4654に装着される。ラッチ4658は、可動フレーム4750の2つの端部から外向きに延びるクリップ4758と合致するようになっている。カバー4650が下方に移動されて可動フレーム4750と接触するようになったとき、ラッチ4658がわずかに旋回し、クリップ4758と係合し、カバー4650をフレーム4750に対して保持することになる。カバー4650は、溝455(図7Bを参照)の中に保持されるエラストマーガスケット456(図7Bを参照)を有している。ガスケット456は、フレーム4750の周辺リップ4760と合致することでカバー4650と可動フレーム4750の間にシールを形成している。ラッチによって操作者がカバーを解錠し、取り外し、容器の内部の内容物にアクセスすることが可能になるならば、カバーを可動フレームに対して固定し密閉する他のラッチが使用される場合もある。
容器組立体4600はさらにシザー機構4700を含んでいる。シザー機構4700は、容器4602の内部空洞420によって収容され、底部パネル407上に載せられている。シザー機構4700は、容器組立体4600の滅菌処理においてフレーム4750を上下させるのに利用されるものである。シザー機構4700は、一対の中央の横材4712によって連結された犬の骨状の構造4710を備えている。構造4710は、対向する端部4738および4739を有する。構造4710および横材4712は、3つの空洞4713、4714および4715を構造4710内に画定している。4つの開口4716が、構造4710の対向する端部に形成されている。開口4716は、構造4710の頂面から上向きに向く装着されたスロット付きヘッド4718を有するロックフィンガー4717を収容している。容器の底部パネル407の上に載る構造4710の場合、スロット付きヘッド4718が、スクリュードライバなどの工具を使用して回転され、ロックフィンガー4717を強制的に側壁405および405の内側面にある保持機構(図示せず)と係合させている。ロックフィンガー4717が保持機構と係合することで、構造4710を容器4602に対して固定し、シザー機構4700を容器4602に対して保持している。一実施形態において構造は、容器の底部に解放可能に固定されている。さらに別の実施形態において、構造は、容器の底部に締結される。全ての実施形態において構造は、構造とアクチュエータシステムが微生物の進入を阻止するのに十分な密閉力を可動フレームと容器の間に生むことを可能にするやり方で容器に結合されている。
センサモジュール1050が空洞4713に設置され、保持手段4711によって構造4710に対して保持されている。センサモジュール1050は、アクチュエータドライバ回路4708がモジュール1050に組み込まれていることを除き、図12Bにおいて先に記載したものと同一である。
回転式アクチュエータ4720が空洞4714に設置されている。回転式アクチュエータ4720は、C字クランプ4722によって構造4710の側部セクション4721に装着されている。ねじ山付きシャフト4723が、回転式アクチュエータ4720の一端から離れるように垂直に延びている。回転式アクチュエータ4720は、時計回りまたは反時計回りのいずれかに回転され、ねじ山付きシャフト4723の同様の時計回りまたは反時計回りの回転を生じさせている。ねじ山付きシャフト4723は、アクチュエータ4720に最も近い近位端4724、中心部分4725および遠位端4726を有している。
可動キャリッジ4730が、空洞4715に設置されている。可動キャリッジ4730は、空洞4715内に位置決めされた矩形形状のブロック4731を含んでいる。ブロック4731は、ブロック4731を完全に貫通して延び、シャフト4723に対して垂直なねじ山付きの中央の孔4731を有している。ねじ山付きシャフト4723が、ねじ山付き孔4731にねじ込まれ、ブロック4731の遠位側から外に延びている。シャフト4723の遠位端4726は、構造4710の端部4739内に設置された軸受4732の中に収容されている。
2つの正反対に対向するロッド4734が、ブロック4731の2つの端部に対して固定され、そこから離れるように垂直になるように延びている。ロッド4734は、端部4739に向かって構造4710の側部内に形成された正反対に対向するスロット4719によって収容されている。可動キャリッジ4730のいずれかの方向での進行は、スロット4731の端部に対してロッド4734が当接することによって制限されている。
回転式アクチュエータ4720は構造4710に固定されるため、ねじ山付きシャフト4723の時計回りの回転は、ブロック4731をアクチュエータ4720から離れるように移動させられる。ねじ山付きシャフト4723の反時計回りの回転によって、ブロック4731をアクチュエータ4720に向かって移動させるようになっている。
シザー機構4700はさらに、4つの細長いアーム4770を含んでいる。各々のアーム4770は、近位端4771、中心セクション4772および遠位端4773を有している。開口部4775が各々の近位端4771、中心セクション4772および遠位端4773をそれぞれ貫通するように形成されている。各々の開口部4775は、保持部材4776を収容している。
構造の端部4738において、下方アームの近位端4771の保持部材4776は、構造4710内の穴4778へと延びるピン4777を有している。ピン4777によって下方アームの近位端4771が構造4710に対して回転するのを可能にしている。
フレーム端部4756において、上方アームの近位端4771の保持部材4776は、フレーム4750内へと延びる穴(図示せず)の中に収容されている。保持部材4776によって、上方アーム近位端4772がフレーム4750に対して回転することが可能になる。中央セクション4772において、保持部材4776は、2つの交差するアーム4770を旋回式に装着する。保持部材4776によって、2つのアーム4470が互い対して回転することが可能になる。
構造の端部4739において、下方アームの遠位端4773は開口部4775を有し、そこを通ってロッド4734が延びている。ロッド4734は、遠位端4773を通って延び、スロット4719内で終端している。開口部4775は、下方アームの遠位端4773が構造4710に対して回転するのを可能にするためにロッド4734よりわずかに大きくなるように寸法が決められている。
フレーム端部4757において、上方アームの遠位端4773の保持部材4776は、フレーム4750内に延在するスロット4761によって収容されるピン4777を有している。ピン477は、遠位アーム端部4773から離れるように垂直に延びている。スロット4761は、ピン4777がスロット4761内で摺動することが可能になるようにピン4777よりわずかに大きくなるように寸法が決められている。また開口部4775は、上方アームの遠位端4773が構造フレーム4750に対して回転するのを可能にするためにピン4777よりわずかに大きくなるように寸法が決められている。
可動フレーム4750の周辺部は、中心開口4752を画定する。追加として図48を参照すると、可動フレーム4750の断面図が示されている。可動フレーム4750は、リップ4760において終端する上向きに延びる壁4762を含んでいる。2つの離間した壁4764および4765が、フレーム4750から下向きに延び、その間にチャネル4766を画定している。チャネル4766は、エラストマー分割リップガスケットまたはシール4777を収容している。ガスケットまたはシール4777は、溝4778を画定する2つのリップに分割されている。可動フレーム4750は、シザー機構4700によって容器4602上に下げられる際、ガスケット4777が溝4778内で縁413を受け、これと係合し、フレーム4750と容器4602の間にシールを形成している。
容器組立体4600はさらに、可動フレーム4750の開閉を検出し、またはカバー4650の挿入および取り外しを検出する複数のセンサを含んでいる。閉鎖位置マイクロスイッチまたはリミットスイッチ4810が、構造端部4739に設置され、空洞4715内へと向いている。開放位置マイクロスイッチまたはリミットスイッチ4812が横材4712に設置され、空洞4715内へと向いている。マイクロスイッチ4810および4812は、電気ケーブル4818を介して電子センサモジュール1050と連通している。
可動フレーム4750が閉鎖位置に移動する際に、ブロック4731の片側がマイクロスイッチ4810に接触しこれを閉鎖するようになっている。可動フレーム4750が開放位置に移動する際、ブロック4731の他方の側がマイクロスイッチ4812に接触しこれを閉鎖するようになっている。可動フレーム4750が開放位置にあるとき、容器4602とフレーム4750の間に通路4830が形成されている。プロセッサ1020(図13)は、マイクロスイッチ4810および4812からの信号を解釈し、可動フレーム4750の位置を判定することができる。
ホール効果センサ4820がフレームの壁4762の内側面に設置され、開口4752に面している。ホール効果センサ4820は、電気ケーブル4822を介して電子センサモジュール1050と連通している。磁石4824(図46)が、カバー4650の隆起したフランジ4654にラッチ4658と反対側に装着されている。
カバー4650が、可動フレーム4750を覆うように配置されこれに装着される際に、磁石4824は、ホール効果センサ4820の近傍に位置決めされるようになっている。ホール効果センサ4820は、磁石4824によって生成される磁場を検出し、検出した磁場を示す電気信号をプロセッサ1020(図13)に送信するようになっている。カバー4650が可動フレーム4750から取り外される際に、磁石4824はホール効果センサ4820から離れるような位置に置かれている。ホール効果センサ4820は、磁場がないことを検出し、磁場が検出されないことを示す電気信号をプロセッサ1020に送信している。プロセッサ1020は、電気信号を利用してカバー4650の位置を判定している。
[XXVII シザー上下機構を備えた自動閉鎖式容器を使用する滅菌プロセスにおいて実証された滅菌プロセス測定値が達成されたかどうかを判定するための操作方法]
図49を参照すると、自動閉鎖式容器組立体4600を使用する滅菌プロセスにおいて実証された滅菌プロセス測定値が達成されたかどうかを判定するための方法4900のフローチャートが示されている。方法4900は、先の図面において提示された容器組立体4600および電子センサモジュール1050が本開示の1つまたは複数の実施形態を可能にする種々の態様のプロセスを行なう一例の方法を示している。図49の考察において、図46〜図48からの構成要素も参照される。
方法4900はステップ4902において始まり、ここで可動フレーム4750が開放位置にない場合、プロセッサ1020が、フレーム4750を開放位置に移動させるように起動される。一実施形態において、容器組立体4600が、ドッキングステーション1300(図16)上に配置され、電子センサユニット1050のコネクタ1032に接続されたコネクタ1338(図16)およびケーブル1340(図16)を使用してドッキングステーション1300に連通式に結合される。容器プロセッサ1020と連通するドッキングステーションプロセッサ1410(図17)は、容器プロセッサ1020に可動フレーム4750の位置について尋ねる。可動フレーム4750が開放位置にない場合、プロセッサ1410は、プロセッサ1020を起動する信号を送信して回転式アクチュエータ4720にねじ山付きシャフト4723を時計回りになるように回転させるようにする。
時計回りになるようなねじ山付きシャフト4723の回転によって、ブロック4731の近位方向のアクチュエータ4720に向かう線形移動が生じ、これによりシザーアーム4770が可動フレーム4750を容器4602の縁413から離れるように上向きに移動させる。一実施形態において、ブロック4731の近位側が開放位置マイクロスイッチ4812と接触することで、プロセッサ1020を起動して、回転式アクチュエータ4720のスイッチを切る。フレーム4720はこのとき開放位置にあり、この位置で滅菌剤は、滅菌処理において通路4830を通って容器4602に進入することができる。代替の一実施形態において、容器組立体が、可動フレームが閉鎖された状態で滅菌チャンバ内に配置される。この実施形態において、制御装置1020からの信号が滅菌器52の中で起こる滅菌プロセスにおいてフレームを持ち上げ開放する。
ステップ4904において、センサモジュール1050が、実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)1150によってプログラムされる。メモリ1022(図14)が、固有の実証された滅菌プロセス測定値(VSPM)1150によってプログラムされる。ドッキングステーションプロセッサ1410(図17)上で動作する容器プログラミングソフトウェア1461(図17)が、任意選択で手持ち式リーダー1240(図44)から取得したデータを使用して容器の設備負荷に関連付けられた固有のVSPM1150を特定し、容器メモリ1022に記憶するためにVSPM1150を送信する。送信されたVSPM1150は、滅菌すべき設備負荷に固有である。コネクタ1338およびケーブル1340はこのとき、コネクタ1032から切り離される。
外科用器具180の設備負荷が、操作者によって滅菌処理のために準備される。ステップ4906において、外科用器具180が、トレイ4620内に配置され、トレイ4620は、容器4602内に配置される。器具ラックが内容物IDに従って必要とされない場合、器具は、器具ラックなしで容器の内部に配置される。カバー4650が、ラッチ4658のクリップ4758に対する掛け金作用によって可動フレーム4750に装着されこれに対して閉鎖される(ステップ4908)。カバー4650はこのとき、可動フレーム4750に対して密閉されている。
容器4602は、ステップ4910において滅菌チャンバ52(図1)の中に配置され、滅菌チャンバ52内での滅菌プロセスサイクルが開始される(ブロック4912)。滅菌プロセスサイクルにおいて、滅菌チャンバは、滅菌剤、例えば蒸気または過酸化水素ガスを滅菌チャンバに投入することによって公称の滅菌プロセスを実行する。滅菌薬剤は、可動フレームが、閉鎖され密閉された位置にないときに形成される通路4830を通って出入りする。滅菌プロセスサイクルはまた、冷却段階およびチャンバに真空を引き込むことを含むことで、いずれの残りの凝縮した滅菌剤も取り除くことができる。一実施形態において滅菌薬剤は、滅菌プロセスのこの段階において可動フレームを開放位置に維持することによって通路4830を通って容器の内容物から除去される。滅菌チャンバは、一セットのチャンバプロセスパラメータ(CPP)66(図1)を使用して作動するように設定される。CPP66は、CPP66を使用して作動するための滅菌チャンバに関する公称プロセスパラメータ設定値のセットである。
またステップ4912において、プロセッサ1020上で動作する滅菌検証ソフトウェア1152(図14)が、滅菌プロセスサイクルにおいてセンサモジュール1050中の各々の電子センサからリアルタイムのデータを監視し収集する。センサは、その各々の容器の中の作動プロセス測定値および状況を監視する。収集したリアルタイムの作動データは、データ1156(図14)としてメモリ1022に記憶される。例えば、プロセッサ1020上で動作する滅菌検証ソフトウェア1152は、水蒸気センサ1024からの水蒸気データ、圧力センサ1026からの圧力データ、温度センサ1028からの温度データおよび過酸化水素ガスセンサ1052からの過酸化水素濃度データを収集する。滅菌プロセスにおいて記録された全てのデータは、データ1156としてメモリ1022に記憶される。
プロセッサ1020上で動作する滅菌検証ソフトウェア1152はステップ4914において、滅菌プロセスサイクルにおいて収集した観察したリアルタイムデータ1156をVSPM1150と比較する。判定ステップ4916において、プロセッサ1020上で動作する滅菌検証ソフトウェア1152は、容器の内容物の滅菌を保証するために、実施された滅菌プロセスにおける測定データ1156が、各々の作動パラメータに関する最小のまたは閾値のVSPM1150値を満たす、またはこれを超えるかどうかを判定する。例えばVSPM1150が、20分間の華氏250度の最低温度および時間の値を有する場合、滅菌実証ソフトウェア1152は、これらの値をデータ1156中の記録された時間および温度の値と比較する。
記録されたデータ1156値が、各々の滅菌作動パラメータに関する最小のまたは閾値VSPM1150値を満たし、またはこれを超え、容器の内容物の滅菌を示すことに応答して、方法4900は、ステップ4920に進む。ステップ4920において、プロセッサ1020は、回転式アクチュエータ4720を起動してねじ山付きシャフト4723を時計回りになるように回転させる。代替の一実施形態において、VSPMデータが検証された後、滅菌検証ソフトウェアは、通路4830を開放したまま維持して、可動フレームによって通路が閉鎖される前に容器の内容物から滅菌薬剤を除去するように作用する。この実施形態において、サイクルの致死的な滅菌部分に続く固有の時間間隔に基づいてまたは特定のセンサ監視信号が滅菌薬剤の除去が完了したことを示した後に制御装置から閉鎖信号が送信される場合もある。
ねじ山付きシャフト4723の時計回りの回転によって、ブロック4731の遠位方向の構造端部4739に向かう線形移動が生じ、これによりシザーアーム4770が可動フレーム4750を下方に移動させ容器4602の縁413と係合させる。一実施形態において、ブロック4731の遠位側と閉鎖位置マイクロスイッチ4810との接触によってプロセッサ1020を起動して回転式アクチュエータ4720のスイッチを切る。
可動フレーム4720は、このとき容器4602に対して密閉され閉鎖位置にある。閉鎖状態になる蓋が、容器内の負荷が適切に滅菌されたことの指示として機能する。容器組立体4600の内容物はこのとき、密閉された滅菌状態にあり、保管するための準備ができている。この方法4900の基本的な実施において、残りの滅菌剤は、容器から微生物バリアを介して周辺環境へと逃がされる。
記録されたデータ1156が環境測定値がVSPM1150を満たさなかったことを示すことに応答して、ステップ4922によって表されるようにプロセッサは、フレームを開放位置に保持する。開放状態にあるフレーム4750は、容器の内容物が適切に滅菌されなかったことの指示として機能する。
保管する間、プロセッサ1020は、保管中、プロセッサ1020にホール効果センサ4820(図47)から受信した電気信号を監視させる滅菌監視ソフトウェア1158(図14)などの一セットの指示を実行する。カバー4650が開放されたならば、ホール効果センサ4820からの電気信号は変化し、プロセッサ1020を起動し、可動フレーム4750を開放位置へと移動させる。代替の一実施形態において滅菌監視ソフトウェアは可動フレームを開放する代わりにLEDを点滅させる。可動フレーム4750は、開放位置において、容器2602の内容物がもはや滅菌されているとみなされないことを技術者に指摘する。
本実施形態の代替の変形において、センサモジュールが容器内の環境特徴を測定した後、滅菌プロセスの滅菌部分の後が実行される。この監視作用は、ステップ4916の評価が、容器内の負荷が適切に滅菌されたことを示した後に行なわれる。作用のこの段階において、センサは、残りの滅菌剤がまだ容器内に存在する程度を測定する。プロセッサは、この測定値に基づいて、残りの滅菌剤が許容可能なレベルであるか、またはそれを下回るかを判定する。プロセッサが容器がこのような状態にあると判定した場合、プロセッサはこのときステップ4920を実施し、容器を密閉するためにフレームを閉鎖させる。
[XXVIII 蒸気滅菌プロセスにおいて容器内の滅菌プロセスパラメータを検証するための操作方法]
図50を参照すると、蒸気滅菌プロセスにおいて容器内の実証された滅菌プロセス測定値が達成されたかを判定する方法5000のフローチャートが示されている。方法5000は、先の図面において提示された容器組立体90、300、400、500、600、700および800(90−800)および電子センサモジュール200、460、560、660、760、850、950、1000、1050および1080(200−1080)が本開示の1つまたは複数の実施形態を可能にする種々の態様のプロセスを行なう一例の方法を示している。方法5000は具体的に、容器組立体400(図7A)およびセンサモジュール1050(図12B)を使用して実行されるように記載される。しかしながら、方法5000は、容器組立体90〜800および電子センサモジュール200〜1080のいずれを使用して実行することもできる。方法の記載は、先行する図面に示される特有の構成要素を概ね参照して提供される。図50の考察において、図7A、図12Bおよび図15からの構成要素も参照される。
全体的に方法5000は、容器プロセッサ1020を介して、詳細にはプロセス1020内で作用するソフトウェア/ファームウェアモジュールによって提供されるコードの実行によって履行されるように記載される。しかしながら記載される方法の特定の態様は、他の処理デバイスおよび/または他のコードの実行によって履行される場合もあることを理解されたい。
方法5000は、ステップ5002において始まり、ここでは外科用器具180の設備負荷が、操作者によって滅菌処理のために準備される。ステップ5002は、容器402のドッキングステーション1200または1300上への位置決めを含み、容器がコネクタを有する場合、対応するコネクタ485、1032をドッキングステーションに接続することを含む。ステップ5002において手持ち式リーダー1240を使用して容器402、トレイ160および滅菌すべき外科用器具180をスキャンする。ステップ5006において、外科用器具がトレイ160内に配置され、トレイ160が容器402内に配置され、カバー450が装着され掛け金をかけて閉鎖される。外科用器具180の装填において、操作者は、正確な設備負荷および配向をとらえるために、ドッキングステーション1200または1300によって示されるディスプレイスクリーン1260を参照する。
任意選択のステップ5004において、電子センサモジュール1050のセンサが使用する前に較正される。電子センサモジュール1050は、ドッキングステーション1300を使用して較正される。
ステップ5008において、容器402内のメモリ1022が固有の検証された蒸気滅菌プロセスパラメータ(VSPP)1150によってプログラムされる。ドッキングステーションプロセッサ1410(図17)上で動作する容器プログラミングソフトウェア1461(図17)が、手持ち式リーダー1240から取得したデータを使用して容器の設備負荷に関連付けられた固有のVSPP1150を特定し、容器メモリ1022に記憶するためにVSPM1150をコネクタ485を介して送信する。送信されたVSPP1150は、滅菌すべき容器内の設備負荷に固有である。
図50の蒸気滅菌例において、VSPM1150は、
1.飽和蒸気の指標となる温度範囲:132℃≦Tsat≦135℃
2.飽和蒸気に曝される時間:t≧4分
3.計算された飽和蒸気の温度と測定された温度の許容可能な温度差の範囲:±1.6℃
4.負荷が飽和蒸気によって囲まれたことを示す容器内の離れた位置で測定した温度の温度差の範囲:±1.6℃
追加の任意選択のステップにおいてブロック5010で、プロセッサ1020がLED1030の黄色の発光ダイオード(LED)をつける。これは容器組立体が滅菌プロセスの全体の周期を受けなかったことを示している。
ステップ5102において、容器402が滅菌チャンバ52内に配置される。ステップ5014は、滅菌プロセスの始まりである。滅菌プロセスにおいて、滅菌チャンバは加熱され、加圧され、蒸気滅菌剤が滅菌チャンバ内に取り込まれる。滅菌プロセスサイクルはまた、冷却段階およびチャンバに真空を引き込むことを含むことで、いずれの残りの凝縮した滅菌剤も取り除く。滅菌チャンバは、一セットのチャンバプロセスパラメータ(CPP)66(図1)を使用して作動するように設定される。CPP66は、滅菌チャンバ内のプロセスパラメータ設定値のセットである。滅菌チャンバはCPP66を使用して作動するように設定される。
またステップ5014において、滅菌実証ソフトウェア1152を稼働させるプロセッサ1020は、滅菌プロセスサイクルにおいてそれが連通する各々の電子センサからリアルタイムデータを監視し取得する。センサは、センサが設置される容器内の環境の特徴を監視する。収集した測定値は、時間ベースであり、データ1156としてメモリ1022に記憶される。例えばプロセッサ1020は、湿度センサ1024から湿度データ、圧力センサ1026から圧力データ、温度センサ1028から温度データおよび時間データを収集する。温度データは、進入する蒸気相(T蒸気)における温度、負荷の温度(T代理)および空気検出内腔における蒸気を含む大気の温度(T空気検出器)の記録を含む。負荷の温度は、負荷の温度を監視するセンサを設けることが難しい場合があるため、代理温度と呼ばれる。代わりにセンサは、負荷の付近の隙間を監視する。代理温度はよって、負荷の実際の温度と全く同じではないにせよ、ほぼ等しいとみなすべきである。この隙間の温度は、負荷の温度に関する代用とみなされる。滅菌プロセスにおいて記録された全てのデータは、データ1156としてメモリ1022に記憶される。
ステップ5016において、滅菌検証プロセスソフトウェア1152を稼働するプロセッサ1020は、滅菌プロセスサイクルにおいて収集した観察したリアルタイムデータ1156をVSPM1150限界値と比較する。
判定ステップ5018において、プロセッサ1020は、容器の内容物の滅菌を保証するために、実行された蒸気滅菌プロセスにおけるリアルタイム測定データ1156が、各々の作動パラメータに関するVSPM1150限界値の範囲内かどうかを判定する。
測定された環境特徴がVSPMを満たし、またはこれを超える場合、プロセッサはステップ5024を実施する。ステップ5024は、先に記載したステップ2122と全く同じである。
測定された環境特徴が、負荷に関するVSPMを満たさない場合もある。このような状況が起こった場合、プロセッサはステップ5022を実施する。ステップ5022はステップ2126と同一と理解される。
滅菌プロセスサイクルがステップ5020において完了していないことに応答して、方法5000は、ステップ5016に戻り、そこでプロセッサ1020は、滅菌プロセスサイクルにおいて滅菌プロセス作動パラメータを監視し記録し続ける。
滅菌プロセスサイクルがステップ5020において完了していることに応答して、プロセッサ1020は、容器の内容物の滅菌処理が上手く完了せず、ステップ5022において例えばLED1030の赤色LEDなどの赤色LEDをつけることによって滅菌されていないこと示す。方法5000はその後終了する。
図51は、蒸気滅菌プロセスを使用して処理された器具の容器402の内部のセンサモジュール1050によって取得したプロセスパラメータ測定値の一例のグラフ5100を示す。暴露段階の測定値のみがグラフに示されている。図51は、温度および圧力と、時間のグラフ5100を示す。測定値には、T蒸気(T測定された)またはT負荷5102、T空気検出器5106および圧力5108が含まれる。グラフはまた、容器内の圧力測定値に基づいた飽和蒸気(T飽和5104)に関して計算された温度の重なり合うグラフも含んでいる。
[XXIX 過酸化水素滅菌プロセスにおける容器内の滅菌プロセスパラメータを検証するための操作方法]
図52を参照すると、気化した過酸化水素滅菌プロセスを使用して滅菌された負荷に関して実証された滅菌プロセス測定値を判定するための方法5200のフローチャートが示されている。方法5200は、先の図面において提示された容器組立体400、500、600、700および800(400〜800)および電子センサモジュール460、560、660、760、850、950、1000、1050および1080(460〜1080)が本開示の1つまたは複数の実施形態を可能にする種々の態様のプロセスを行なう一例の方法を示している。方法5200は具体的に、容器組立体400(図7A)およびセンサモジュール1050(図12B)を使用して実行されるように記載される。しかしながら、方法5200は、容器組立体400〜800および電子センサモジュール460〜1080のいずれを使用して実行することもできる。方法の記載は、先行する図面に示される特有の構成要素を概ね参照して提供される。図52の考察において、図7A、図12Bおよび図15からの構成要素も参照される。
全体的に方法5200は、容器プロセッサ1020を介して、詳細にはプロセス1020内で作用するソフトウェア/ファームウェアモジュールによって提供されるコードの実行によって履行されるように記載される。しかしながら、記載される方法の特定の態様は、他の処理デバイスおよび/または他のコードの実行によって履行される場合もあることを理解されたい。
方法5200は、ステップ5202において始まり、ここでは外科用器具180の設備負荷が、操作者によって滅菌処理のために準備される。ステップ5202は、容器402のドッキングステーション1200または1300上への位置決めを含み、容器がコネクタを有する場合、対応するコネクタ485、1032をドッキングステーションに接続することを含む。ステップ5202において手持ち式リーダー1240を使用して容器402、トレイ160および滅菌すべき外科用器具180をスキャンする。ステップ5206において、外科用器具がトレイ160内に配置され、トレイ160が容器402内に配置され、カバー450が装着され掛け金をかけて閉鎖される。外科用器具180の装填において、操作者は、正確な設備負荷および配向を見るために、ドッキングステーション1200または1300によって示されるディスプレイスクリーン1260を参照する。
任意選択のステップ5204において、電子センサモジュール1050のセンサが使用する前に較正される。電子センサモジュール1050は、ドッキングステーション1300を使用して較正される。
ステップ5208において、メモリ1022に検証された過酸化水素滅菌プロセス測定値(VSPM)1150がロードされる。ドッキングステーションプロセッサ1410(図17)上で実行する容器プログラミングソフトウェア1461(図17)が、手持ち式リーダー1240から取得したデータを使用して容器の設備負荷に関連付けられた固有のVSPP1150を特定し、容器メモリ1022に記憶するためにコネクタ485を介してVSPP1150を送信する。送信されたVSPP1150は、滅菌すべき容器内の設備負荷に固有である。
図52の過酸化水素滅菌の例において、VSPM1150は、
1.最小の噴射前の圧力:P噴射前≦0.8トール
2.蒸気圧縮圧:300トール≦PVC≦450トール
3.蒸気温度限界値:20℃≦T蒸気≦50℃
4.時間積分されたH2O2*濃度(領域)限界値:H2O2蒸気領域≧2500mg−s/l
5.暴露中のH2O飽和限界値:H2O実際の/H2O飽和>0.8
追加の任意選択のステップにおいてブロック5210で、プロセッサ1020上で実行する滅菌検証ソフトウェア1152が、LED1030の黄色の発光ダイオード(LED)をつけて、容器組立体がまだ滅菌プロセスサイクルを介して処理されていないことを示している。
次に、容器402がステップ5212において滅菌チャンバ52(図1)内に配置され、滅菌チャンバ52内の滅菌プロセスサイクルが開始される(ステップ5214)。滅菌プロセスサイクルにおいて、滅菌チャンバは加熱され、加圧され、過酸化水素滅菌剤が滅菌チャンバ内に注入される。滅菌プロセスサイクルはまた、冷却段階およびチャンバに真空を引き込むことを含むことで、いずれの残りの凝縮した滅菌剤も取り除く。滅菌チャンバは、一セットのチャンバプロセスパラメータ(CPP)66を使用して作動するように設定される。
またステップ5214において、プロセッサ1020は、センサから受信した環境特徴の時間ベースの測定値を記録する。
記録された温度測定値は、過酸化水素蒸気の温度(T蒸気)を含むように理解される。滅菌プロセスにおいて記録された全てのデータは、データ1156としてメモリ1022に記憶される。
ステップ5216において、滅菌検証ソフトウェア1152を稼働させるプロセッサ1020が、測定した環境特徴をVSPM1150と比較する。気化した過酸化水素プロセスによって滅菌された負荷に関する一例のVSPM1150のセットは、
1.最小の噴射前の圧力:P噴射前≦0.8トール
2.蒸気圧縮圧:300トール≦PVC≦450トール
3.負荷温度:20℃≦T蒸気≦50℃
4.時間積分されたH2O2*濃度(領域)限界値:H2O2蒸気領域≦2500mg−s/l
5.暴露中のH2O飽和:H2O実際の/H2O飽和>0.8
判定ステップ5218において、プロセッサ1020は、測定した環境特徴が負荷に関するVSPM1150を満たす、またはこれを超えるかどうかを判定する。上記の第3の実証された測定値は、濃度の時間ベース曲線の下の領域である。ステップ5218の一部は、経時的に取得した個別のH2O2濃度を積分することで、これらの測定値の積分値を特定することを含んでいる。
測定された環境特徴がVSPMを満たすことに応答して、プロセッサ1020は先に記載したステップ2122と全く同じであるステップ5224を実施する。
あるいはステップ5216において、測定された環境特徴が、負荷に関するVSPM115を満たさなかったことが判定される場合もある。このような状況が起こったとき、プロセッサは、先に記載したステップ2128と全く同じであるステップ5222を実施する。
図53は、過酸化水素によって滅菌された器具の容器402の内部のセンサモジュール1050によって取得されたプロセスパラメータ測定値の一例のグラフ5300を示している。圧力測定値は、蒸気圧縮段階(おおよそ400トールあたりである)における圧力測定値をグラフの目に見える部分から離して置くスケールを利用してグラフ化されている。グラフ5300は、温度および圧力(左の軸)と時間、ならびに過酸化水素および水蒸気濃度(右の軸)と時間である。測定値には、過酸化水素蒸気の温度(T滅菌剤蒸気)5304、蒸気噴射の前の容器内の圧力(事前噴射圧力)5312、過酸化水素濃度5308および水蒸気濃度5310が含まれている。
いくつかの環境特徴の測定値は、滅菌プロセスの期間にわたって繰り返されて作成されるように示される。これらは、過酸化水素曲線の下の積分された領域を特定するためにステップ5216において使用される測定値である。これらの測定値はまた、飽和水蒸気の存在を判定するのにも使用される。
図53の環境測定値は、VSPM1150に対して比較される測定値である。この比較の結果として、プロセッサは、測定された環境特徴のうちの4つが、これらの特徴に関連付けられた実証された測定値を満たすと判定する。具体的には、気化した過酸化水素は、この圧縮に関する実証された測定値が300から450トールの範囲である場合、400トールの圧力まで圧縮された。蒸気の状態の過酸化水素は、この温度に関する実証された測定値が20から50℃である場合、36から38℃の間の温度で変動するように測定された。経時的に積分された気化した過酸化水素は、2846mg−s/lであった。この特徴に関して実証された測定値は、少なくとも2500mg−s/lの値である。5番目の測定された環境特徴は、1.63で計算された水飽和に対して存在する総水蒸気の比率である。この負荷に関するテスト滅菌プロセスは、この特徴に関する最小の実証された測定値が0.8であることを示した。
しかしながらプロセスにおいて測定された噴射前圧力は、1.5トールであった。この負荷に関するVSPMは、この圧力の最大レベルが0.8トールであることを指摘した。その結果、これらのデータを評価する際、ステップ5218において、プロセッサは、必要とされる実証された滅菌測定値の全てが満たされはしなかったと判定する。プロセッサ1020はよって、ステップ5222を実施して、負荷が十分には滅菌されなかったことの指示を提供する。
容器は他の構造的な特徴を有する場合がある。例えば、制御ボタンがセンサモジュールに設置される場合がある。モジュールから延びる導体が、ボタンをボタンによって制御される容器の電気デバイスに接続する。
本発明の一部の変型において、壊れやすい、もろい1回利用の不正開封防止デバイスが本発明の容器に適合される場合がある。このようなデバイスの状態によって、容器を囲むシールが破壊されていない/破壊された状態の視覚的な表示が提供される。このようなデバイスは、破壊されていない/破壊されたシール状態の表示を与える上記に記載した電子デバイスに加えて、またはその代わりに使用される場合がある。
ホールセンサ以外のセンサを利用して容器の蓋の開/閉状態を検出する場合がある。このようなセンサには、機械的なスイッチまたは磁気抵抗性の変換器が含まれる。
同様にガスの濃度を測定するセンサ容器は、容器と一緒に使用される滅菌剤の種類に応じて変化するものである。一部のセンサはよって、オゾンまたはエチレンオキシドなどの滅菌ガスの濃度を監視する。滅菌プロセスが、容器内に複数のガスを取り込むことを伴うならば、容器はガスの各々の濃度を監視することが可能な1つまたは複数のセンサを有することになる。センサ組立体が、滅菌プロセスにおいて採用される複数のガスの濃度を測定し、これを表す信号を出力することができるのであれば、必要とされるのは単一のセンサ組立体だけである。
ガスの濃度を監視するセンサは、選択された波長における光の吸収を監視することによって機能するセンサに限定されないことを理解されたい。センサによって測定されるガスの濃度に応じて変化する信号を出力する代替のセンサは、本発明の代替の変型に組み込まれてよい。これらには、例えば標的ガスの濃度に応じて抵抗またはキャパシタンスが変化する変換器が含まれている。
取り外し可能なセンサモジュールを備えた本発明の変型において、センサモジュールは、例えばモジュールが正確に搭載される際、始動されるスイッチなどの構成要素を含む場合がある。スイッチの始動は、光を点灯させ、ユニットが正確に搭載されたことを示す
同様に本発明の取り外し可能なセンサモジュールは、最初に容器内にセンサモジュールを配置する必要なしに、較正チャンバ内に配置することができる。
したがって、付加されるクレームの目的は、本発明の真の精神および範囲内にあるこのような変形形態および修正形態の全てを包含することである。