JP6472300B2 - 画像処理装置および情報処理装置、並びに、それらの方法 - Google Patents

画像処理装置および情報処理装置、並びに、それらの方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置が形成する画像の鮮鋭性の回復処理に関する。
画像形成装置が出力する画像において、インクの着弾位置のずれ、インクの滲み、光学的な暈け(光学ドットゲイン)などにより、画像の鮮鋭性が低下することが知られている。出力画像の鮮鋭性低下の周波数特性(以下、鮮鋭性の低下特性)を取得することができれば、その逆特性をもつ回復フィルタ処理により、鮮鋭性低下を打ち消すことができる。
ただし、鮮鋭性の低下特性は、画像形成装置の種類(インクジェット方式、電子写真方式など)、機種、記録媒体(記録紙)の種類、出力条件、画像観察時の光源分布(角度、方位)などによって異なる。例えばインクジェット方式の画像形成装置の場合、インクの種類(染料、顔料)によるインクの滲み、観察時の光学ドットゲイン、記録媒体などの違いによって鮮鋭性の低下特性が変化する。
特許文献1には、記録媒体、インクの種類、入力機器、被写体の部位によって異なる鮮鋭性の回復フィルタを用いて鮮鋭性の回復処理を行う技術が記述されている。当該技術において、出力画像の鮮鋭性の低下特性と鮮鋭性の回復フィルタは一対一に対応する。その結果、記録媒体、インクの種類、パス数、キャリッジ速度、走査方向(双方向または単方向印刷)、ハーフトーン処理など、出力条件のすべての項目の組み合せについて鮮鋭性の回復フィルタを保持する必要があり、現実的ではない。
また、特許文献1の技術は、未知の記録媒体(未登録の記録媒体)については、全く対応することができない。さらに、画像の観察時の照明位置によっても出力画像の鮮鋭性の見え(低下特性)が異なるが、この点ついて特許文献1の技術は考慮しない。
特開2013-61925号公報
本発明は、出力条件のすべての項目の組み合せについて回復処理パラメータを保持する場合に比べて保持量を低減することを目的とする。
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
本発明にかかる画像処理装置は、画像形成装置が形成する画像の鮮鋭性の低下特性を判定するための、前記画像処理装置の出力条件を取得する取得手段と、前記出力条件に基づき、画像の鮮鋭性を回復するための、特性が異なる複数の回復処理パラメータの一つの回復処理パラメータを選択する選択手段と、前記選択された回復処理パラメータを用いて鮮鋭性の回復処理を画像データに施す回復手段とを有し、前記鮮鋭性の低下特性が視覚的に略同一と見做せる複数の出力条件に対して、同一の回復処理パラメータが選択される。
本発明によれば、出力条件のすべての項目の組み合せについて回復処理パラメータを保持する必要がなくなる。
実施例の画像処理装置の構成例を示すブロック図。 画像処理装置における処理の概要を説明するフローチャート。 連係LUTの一例を示す図。 ある出力条件で画像を出力した場合の空間周波数特性の一例を示す図。 連係LUTの作成処理を説明するフローチャート。 計測チャートの一例を示す図。 公知の方法で計算された視覚特性を示す図。 略同一の判断を行う前の連係LUTの一例を示す図。 回復フィルタの作成処理を説明するフローチャート。 実施例2の連係LUTの一例を示す図。 階層構造を有する連係LUTに好適なUIの一例を示す図。 画像に対する光源の角度と方向を変化させた場合の鮮鋭性低下の変化例を示す図。 実施例3の画像処理装置における処理の概要を説明するフローチャート。 光源の方向Ldを指定するためのUIの一例を示す図。 光源の角度Laを指定するためのUIの一例を示す図。 実施例3における連係LUTの一例を示す図。 実施例4の画像処理装置における処理を説明するフローチャート。 特定周波数パターンの計測チャートの一例を示す図。 回復フィルタの選択と回復処理後の周波数応答値を説明する図。 実施例5の画像処理装置における処理を説明するフローチャート。 矩形パターンの計測チャートおよびドットゲインの影響範囲の一例を示す図。 光源条件が異なる場合の滲みの異方性を示す図。
以下、本発明にかかる実施例の画像処理および情報処理を図面を参照して詳細に説明する。なお、実施例は特許請求の範囲にかかる本発明を限定するものではなく、また、実施例において説明する構成の組み合わせのすべてが本発明の解決手段に必須とは限らない。
図7により公知の方法(Dooleyの近似式)で計算された視覚特性を示す。ただし、観察距離は300mmとする。図7に示すように、空間周波数の上昇に伴い人間の視覚の感度特性(以下、視覚特性)は低下する。例えば4サイクル/mmを超える空間周波数域(以下、周波数域)において視覚特性は0.25以下になり、鮮鋭性の低下が発生したとしても、その認識は難しい。以下では、鮮鋭性低下の認識が難しくなる空間周波数(例えば4サイクル/mm)を「視覚限界周波数」と呼ぶことにする。また、以下では、空間周波数を単に「周波数」と記載する場合がある。
実施例1においては、出力条件と、出力条件に対応する回復フィルタを連係するテーブルを備え、視覚限界周波数以下の周波数域の鮮鋭性の低下特性が略同一と見做せる場合は、共通化した回復フィルタを用いて鮮鋭性の回復処理を行う例を説明する。
[装置の構成と処理の概要]
図1のブロック図により実施例の画像処理装置100の構成例を示し、図2のフローチャートにより画像処理装置100における処理の概要を説明する。回復処理部107は、データ入出力部(i/o)104を介して、情報処理装置150などから画像形成対象の画像データiを入力し、入力した画像データiを例えばRAMなどのメモリ部101に格納する(S201)。
条件取得部103は、ユーザインタフェイス(UI)部102を介して、あるいは、情報処理装置150から画像形成部108の出力条件Oiを取得する(S202)。出力条件Oiの項目には、パス数、キャリッジ速度、印刷方向(双方向または単方向)、ハーフトーンパターン、印刷ヘッドと記録媒体の間の距離、クリアインク使用の有無、色設定、サイレント設定の有無、記録媒体の種類などが含まれる。なお、クリアインク(以下、CLインクとは、無色透明または実質的に無色透明の顔料を含むインクである。
次に、フィルタ選択部106は、パラメータ保持部105にアクセスして、出力条件Oiに対応する回復フィルタRiを取得する(S203)。回復処理部107は、入力画像データiに、回復フィルタRiによる鮮鋭性の回復処理を実行し、回復処理後の画像データi'をメモリ部101に格納する(S204)。そして、画像形成部108は、出力条件Oiに基づき、回復処理後の画像データi'が表す画像を記録媒体208上に形成する(S205)。
●画像形成部
画像形成部108の色分解部201は、色分解テーブルを参照して、例えばRGB形式の画像データi'を画像形成部108が備えるインク色(および、必要ならCLインク)に対応する材量データに色分解する。ハーフトーン(HT)処理部202は、ハーフトーンパターン(以下、HTパターン)を用いて、色分解部201が出力する材量データを量子化した量子化データをHT処理後の記録データ(以下、HTデータ)として出力する。
画像形成部108は、熱転写方式、インクジェット方式などの記録装置であり、記録ヘッド205を記録媒体208に対して相対的に縦横に移動して、バンド単位に入力されるHTデータが示す画像を記録媒体208上に形成する。その際、インク色選択部203は、入力されるHTデータに対応するインク色を、記録ヘッド205に搭載されたインク色の中から選択する。
記録ヘッド205は、一つ以上の記録素子(インクジェット方式であればノズル)を有する。記録ヘッド205の相対的な縦横の移動は、ヘッド制御部204が移動部206を制御して記録ヘッド205をX方向(主走査方向)に移動し、ヘッド制御部204が搬送部207を制御して記録媒体208をY方向(副走査方向)に搬送することで実現される。
●パラメータ保持部
パラメータ保持部105は、例えばEEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、前述した出力条件の組み合わせと、回復フィルタを連係するルックアップテーブル(以下、連係LUT)を保持する。図3により連係LUTの一例を示し、図4によりある出力条件で画像を出力した場合の空間周波数特性の一例を示す。
図4において、周波数特性f1-f5、fa、fb、fcは図3に示す出力条件O1-O5、Oa、Ob、Ocにそれぞれ対応する。例えば出力条件O1-O5、Obのように、視覚特性上重要な(感度が高い)低周波域(以下、重要域)において周波数特性fが略同一と見做せる出力条件には、同一の回復フィルタを使用することが可能である。なお、出力条件に対応する周波数特性の算出方法の詳細は後述する。
●情報処理装置
画像処理装置100は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ機器である情報処理装置150に接続される。画像処理装置100と情報処理装置150の接続には、USBなどのシリアルバス、有線または無線ネットワークなどを利用することができる。
情報処理装置150のCPU151は、RAM154をワークメモリとして、ROM153や記憶部155に格納されたOSや各種プログラムを実行し、情報処理装置150の動作を制御する。HDDやSSDなどの記憶部155には、プリンタドライバや、連係LUTおよび回復フィルタの作成機能を実現する作成プログラムなどが格納されている。プリンタドライバを実行するCPU151により、USBなどの汎用インタフェイス152や有線または無線ネットワークを介して、画像データが画像処理装置100へ供給される。また、作成プログラムを実行するCPU151により、汎用インタフェイス152や有線または無線ネットワークを介して、パラメータ保持部105が保持する連係LUTと回復フィルタの作成が行われる。
また、画像処理装置100がスキャナを備える複合機の場合など、画像処理装置100の図示しないCPUに連係LUTおよび回復フィルタを作成するための作成プログラムを実行させて、連係LUTおよび回復フィルタの作成を行うことも可能である。
[鮮鋭性低下の要因]
画像形成部108が出力する画像は、インクの着弾位置ずれ、インクの滲み、光学ドットゲイン、HTパターンの周波数特性の影響により鮮鋭性が変化する。そして、インクの着弾位置ずれ、インクの滲み、光学ドットゲイン、HTパターンの周波数特性は、画像形成部108の出力条件により変化する。従って、画像形成部108の出力条件により、出力画像の鮮鋭性が異なる。つまり、図3に示す出力条件O1-O5、Oa、Ob、Ocを用いると、各周波数特性は、図4に示すように異なる周波数特性f1-f5、fa、fb、fcになる。
例えば出力条件O1、O2のようにパス数が異なる場合、1パスで吐出するインク量が変化して、パス数が少ない場合はドットの付着率や定着に要する時間が相対的に大きくなる結果、インクが滲む量が増加する。また、パス数が少ないと、吐出ノズルごとの位置ずれにより、条状の濃度むらが発生するが、周波数特性上は位相ずれになるため暈けは少ない(鮮鋭性の低下は少ない)。逆に、パス数を増やすと、吐出ノズルごと位置ずれによる影響が緩和されて条状の濃度むらは減少するが、鮮鋭性が低下する(暈けが増える)。このように、パス数を変更するだけでも、出力画像の周波数特性は、例えばf1とf2のように変化する。
また、出力条件O1、O3のようにキャリッジ速度を変更すると、主滴(濃度を形成する液滴)と主滴以外の液滴(以下、サテライト)の相対位置がずれる。主滴とサテライトの吐出速度が違うため、キャリッジ速度が速くなると主滴とサテライトの相対的な位置ずれ(以下、主従ずれ)が大きくなる。さらに、インクの滲みも変わる。例えば、キャリッジの移動が速い場合、パス間のインターバルが少ないため、インクの乾燥前に次のインクが着弾し易く、インクが滲み易くなる。このように、キャリッジ速度を変更すると、主従ずれと滲みが変化する結果、出力画像の周波数特性が、例えばf1とf3のように変化する。
同様に、出力条件O1、O4のように、記録ヘッド205の往路のみで印刷を行う単方向印刷と、記録ヘッド205の往路と復路で印刷を行う双方向印刷の点で異なる場合も、レジストレーションのずれ量、パス間のインターバルが異なる。その結果、出力画像の周波数特性が、例えばf1とf4のように変化する。
さらに、出力条件O1、O5のように、パス内で隣接するドットが多いHTパターンの場合は、ドット同士の連結が発生し易く、滲みが大きくなり易い。また、HTパターン自体が周波数特性を有し、画像形成部107が出力する画像はHTパターンによって量子化されるため、出力画像の周波数特性は、HTパターンの周波数特性によって、例えばf1とf5のように変化する。
さらに、記録ヘッド205と記録媒体208の間の距離(以下、ヘッド距離)が短いと、着弾位置のずれが少なくなる。また、顔料系インクを用いる場合は、光沢むらや色付きを低減するために、CLインクによるオーバコートを行う場合があり、出力画像表面の屈折率が変化して、光学ドットゲインが変化する。また、省インクモードや、モノクロモード、彩度などの色設定が変更されると、各インクの吐出量が変化する。そのため、省インクモードや色設定によって滲みが異なる。従って、出力条件O1、Oaのように、ヘッド距離、CLインク使用の有無、色設定によっても、出力画像の周波数特性は、例えばf1とfaのように変化する。
また、出力画像の鮮鋭性の低下特性は、記録媒体208に依存するインクの滲み、光学ドットゲインによって変化する。とくに、記録媒体208の受容層の厚さと受容層を形成する材料の粒径(以下、受容材粒径)によって周波数特性が変化する。受容材粒径が大きい場合、記録媒体208に入射した光が拡散し難い結果、光学ドットゲインによる暈けは小さくなる。また、記録媒体208の受容層と支持層は、材質、構造の違いから光の拡散率が異なる結果、受容層の厚さによっても光学ドットゲインが異なる。また、受容層の厚さや受容材粒径は、インクの浸透速度およびインクの吸収限界にも関わる。従って、出力条件O1、Ob、Ocのように、記録媒体208の種類が異なると、出力画像の周波数特性は、例えばf1、fb、fcのように変化する。
このように、画像形成部107による出力画像の周波数特性が出力条件Oiにより変化する。従って、人間の目が識別可能な周波数領域(重要域)において最良な回復処理を行うには、パラメータ保持部104が、上述した出力条件Oのすべての組み合わせに対応する回復フィルタのパラメータを保持する必要がある。組み合わせの数Ncは、例えば、次のようになる。
Nc = パス数の数×キャリッジ速度数×双方向印刷のオンオフ×HTパターン数×ヘッド距離数×CLインク使用のオンオフ×サイレントモードのオンオフ×省インクモードのオンオフ×モノクロモードのオンオフ×記録媒体の種類数
図3においてNcは2(パス数)×2(キャリッジ速度)×2(双方向印刷)×2(HTパターン)×2(ヘッド距離)×2(CLインク使用)×2(サイレントモード)×2(省インクモード)×2(モノクロモード)×3(記録媒体の種類)=384である。言い替えれば、パラメータ保持部104は、組み合わせの数(例えば384)に等しい数の回復フィルタを回復処理パラメータとして保持する必要があり、多大なメモリ量を必要とする。
実施例1においては、出力条件ごとに周波数特性fを取得し、重要域において鮮鋭性の低下特性が略同一の出力条件に、同一のフィルタ番号を割り当てる連係LUTを作成することで、パラメータ保持部105のメモリ量を抑制する。
例えば、図4に示す周波数特性f1-f5、fa、fb、fcのうち、f1-f5とfbの重要域における鮮鋭性の低下特性が略一致すると判断することができるとする。この場合、連係LUTのf1-f5とfbに対応する出力条件O1-O5とObに同じフィルタ番号(図3の例では「1」)を割り当てる。さらに、メモリ量の削減が要求される場合、例えばfaに対応する出力条件Oaにも同じフィルタ番号を割り当てる。逆に、メモリ量に余裕があれば、回復処理の精度を向上するために、出力条件O1-O5と最も重要域の周波数特性が異なる出力条件Obに対して、異なるフィルタ番号(例えば「4」)を割り当ててもよい。
[連係LUTの作成]
図5のフローチャートにより連係LUTの作成処理を説明する。図5に示す処理により、重要域(とくに視覚限界周波数以下の周波数域)において周波数特性が略同一と見做せる出力条件に同一のフィルタ番号を割り当てた連係LUTが作成される。なお、図5に示す処理は、情報処理装置150において連係LUTの作成プログラムを実行することによって実現される。また、回復フィルタの作成方法の詳細は後述する。
CPU151は、カウンタiを「1」に初期化し(S500)、パラメータ保持部105に格納された連係LUTを参照して出力条件Oiを取得する(S501)。例えば、図3に出力条件O1として示す、記録媒体「A」、パス数「32」、キャリッジ速度「遅」、印刷方向「単方向」、HTパターン-「HT1(誤差拡散)」、ヘッド距離「短」、クリアインク「無」、色設定「カラー」が取得される。
次に、CPU151は、画像形成部108を制御して、出力条件Oiにより鮮鋭性の計測チャートを出力する(S502)。なお、計測チャートの出力時、回復処理を行わないことは言うまでもない。図6により計測チャートの一例を示す。計測チャートは、周波数が異なる複数の正弦波パターンと、左下の均一パターン(例えば白べたと黒べた)を含む画像チャートである。
次に、CPU151は、汎用インタフェイス152に接続された不図示の測定装置を用いて、周波数特性の取得に必要な情報を計測チャートから取得する(S503)。そして、取得した情報に基づき、出力条件Oiに対する周波数応答値fi(u)を算出する(S504)。周波数応答値fi(u)として、例えば下式を用いて算出される光学伝達関数の絶対値MTF(u)を用いることができる。
fi(u) = MTF(u) = C(u)/C' …(1)
ここで、uは正弦波の周波数、
C(u)={Max(u)-Min(u)}/{Max(u)+Min(u)}、
C'=(White-Black)/(White+Black)、
Max(u)は周波数uで変化する正弦波パターンの最大反射率、
Min(u)は周波数uで変化する正弦波パターンの最小反射率、
WhiteとBlackはそれぞれ均一パターンの反射率。
勿論、MTF(u)の算出は式(1)に限定されず、例えば下式を用いてもよい。
fi(u) = MTF(u) = {Max(u)-Min(u)}/(White-Black) …(1')
式(1)は正弦波の周波数uに応じて、出力画像の平均明度が変化するような場合、明部に対して暗部で応答値が過大になる。そのため、出力画像の平均明度が変化するような場合は、式(1)よりも式(1')の使用が好ましい。なお、Max(u)とMin(u)、WhiteとBlackは反射率として記述したが、例えば輝度や濃度、デバイスRGB値を用いてもよい。また、Max(u)とMin(u)、WhiteとBlackなどの周波数特性の取得に必要な情報を取得する測定装置として、例えば、スキャナ、ディジタルカメラ、顕微鏡、マイクロデンシトメータなどを用いることができる。
また、計測チャートとして、正弦波パターンの代わりに矩形波パターンを用いて周波数特性fi(u)を取得してもよい。その場合、矩形波パターンに対して式(1)を適用することにより算出されるコントラスト伝達関数(CTF)の値を周波数特性fi(u)に用いてもよい。もしくは、CTF値を公知のコルトマン補正式を用いて変換したMTF値を周波数特性fi(u)に用いてもよい。あるいは、周波数特性fi(u)として、空間周波数パターンに対する鮮鋭性の主観評価値を用いてもよい。
次に、CPU151は、算出した周波数応答値fi(u)を連結して得られる周波数特性fiに基づき、出力条件Oiに割当可能なフィルタ番号があるか否かを判定する(S505)。判定の結果、出力条件Oiに割当可能なフィルタ番号がある場合は処理をステップS506に進め、出力条件Oiに割当可能なフィルタ番号がない場合は処理をステップS507に進める。
出力条件Oiに割当可能なフィルタ番号とは、取得済みの周波数特性f1からfi-1のうち、fiと略同一と見做せる周波数特性に対応するフィルタ番号である。つまり、取得済みの周波数特性f1からfi-1が、周波数特性fiと略同一と見做せるか否かが判断される。次に、連係LUTに既に格納したフィルタ番号のうち、周波数特性fiと略同一と見做せる周波数特性に対応するフィルタ番号、言い替えれば出力条件Oiに割当可能なフィルタ番号があるか否かが判断される。
略同一の判断には、取得済みの周波数特性をfoとすると、例えば、fiとfoにおける重要域の応答値の差分の最大値(または平均値)を用いればよい。つまり、差分の最大値(または平均値)が所定値よりも小さい場合はfiとfoを略同一と判断する。あるいは、重要域の特定周波数における応答値の差分が所定値よりも小さい場合はfiとfoを略同一と判断してもよい。所定値には、測定誤差、測定誤差の定数倍、あるいは0.05などの定数値を用いることができる。
差分は、視覚的に敏感、かつ、プリンタ出力におけるノイズや明るさ低下の少ない周波数域における周波数特性のパワーの差であることが好ましい。例えば、重要域(視覚限界周波数以下の低周波数域)で差分を判断することが好ましい。
また、図6に示す周波数が同じで縞の方向が異なる空間周波数パターンに対する周波数特性を算出し、縞の方向に関わらず、重要域の差分が所定値以下である場合に略同一と見做すことが好ましい。なお、周波数ごとの差分に視覚系の周波数特性を考慮した重み付けを行い、略同一か否かの判断を行うようにしてもよい。
図8によりステップS505における略同一の判断を行う前の連係LUTの一例を示す。図8に示す連係LUTは、図3に示す連係LUTとは画像形成部107が異なり、フィルタ番号の割り当てが一致していない。図8に示す連係LUTの作成はi=6の段階にあり、ステップS505において、出力条件O6に割り当てるフィルタ番号に関する判断が行われる。つまり、取得済みの周波数特性f1-f5周波数特性f1-f5と出力条件O6の周波数特性f6の略同一の判断が行われ、図8の例は、周波数特性f1、f3、f4と周波数特性f6が略同一と見做せると判断された例を示している。
この場合、フィルタ番号2が割り当てられた出力条件O3、O4の周波数特性f3、f4は、出力条件O6の周波数特性f6と略一致する。従って、フィルタ番号2を出力条件O6に割当可能である。一方、出力条件O1に割り当てられたフィルタ番号1は、周波数特性が略一致と見做せない出力条件O2にも割り当てられているため、フィルタ番号1が出力条件O6に割当可能とは判断されない。勿論、フィルタ番号3は、周波数特性が略一致と見做せない出力条件O5に割り当てられているため、フィルタ番号3が出力条件O6に割当可能とは判断されない。
出力条件Oiに割当可能なフィルタ番号がある場合、CPU151は、連係LUTの出力条件Oiのレコードに割当可能なフィルタ番号を格納する(S506)。なお、二つ以上のフィルタ番号が割当可能な場合は、例えば、より小さいフィルタ番号を割り当てるか、差分の小さい周波数特性に対応するフィルタ番号を割り当てればよい。
他方、出力条件Oiに割当可能なフィルタ番号がない場合、CPU151は、連係LUTの出力条件Oiのレコードに新規のフィルタ番号を格納する(S507)。例えば、連係LUTに格納されたフィルタ番号のうち、最も大きなフィルタ番号に「1」を加えたフィルタ番号を新規のフィルタ番号にすればよい。
次に、CPU151は、フィルタ番号が未決定(未登録)の出力条件があるか否かを判定する(S508)。フィルタ番号が未決定の出力条件がある場合、CPU151は、カウンタiをインクリメントし(S509)、処理をステップS501に戻す。これにより、次の出力条件へのフィルタ番号の割り当てが行われる。また、フィルタ番号が未決定(未登録)の出力条件がない場合、CPU151は、連係LUTの作成を終了する。
なお、図5に示すフローチャートに従い、周波数特性とフィルタ番号の割り当てを逐次処理する場合、回復フィルタの数が最小とならない場合がある。例えば、出力条件Oe、Of、Og、Ohがあり、OeとOfの周波数特性、OfとOgの周波数特性、OgとOhの周波数特性が略同一と見做せる場合は、処理順によって、フィルタ数が異なる可能性がある。第一の可能性は、出力条件OeとOfにフィルタ番号Eが割り当てられ、出力条件OgとOhにフィルタ番号Gが割り当てられて回復フィルタが二つになる場合である。第二の可能性は、出力条件Oeにフィルタ番号Eが割り当てられ、出力条件OfとOgにフィルタ番号Fが割り当てられ、出力条件Ohにフィルタ番号Hが割り当てられて回復フィルタが三つになる場合である。フィルタ数を最小にするには、出力条件ごとに周波数特性を取得した後、周波数特性に基づき、フィルタ数が最小になるように周波数特性が略同一と見做せる出力条件をグループ化し、グループごとにフィルタ番号を割り当てるなどを行うことが考えられる。
上記では、CPU151がパラメータ保持部105の連係LUTにアクセスしてフィルタ番号の登録処理を行う例を説明した。しかし、CPU151がパラメータ保持部105、記憶部155または図示しないサーバ装置などからフィルタ番号が未登録の連係LUTを取得し、フィルタ番号の登録処理を行った後、登録処理後の連係LUTをパラメータ保持部105に格納することもできる。
[回復フィルタの生成]
回復処理の目的は鮮鋭性の回復であり、回復後の周波数特性が1を超える場合、回復処理ではなく強調処理となる。さらに、過剰な回復処理は、ノイズの強調、明るさの低下、リンギングの発生などの弊害を発生させるが、回復不足による弊害の発生は少ない。これらの理由から、複数の出力条件に対して共通の回復フィルタを用いて回復処理を行う場合、過剰な回復処理にならないように共通の回復フィルタを生成することが好ましい。
従って、連係LUTに登録されたフィルタ番号ごとに異なる回復フィルタを生成する際、過剰な回復処理を防ぐために、回復フィルタを用いる複数の出力条件の周波数特性から鮮鋭性の低下特性が最小の周波数特性(以下、劣化最小特性)を求める。そして、劣化最小特性に基づき当該回復フィルタを生成する。
図9のフローチャートにより回復フィルタの生成処理を説明する。なお、図9に示す処理は、情報処理装置150において回復フィルタの生成プログラムを実行することによって実現される。また、図9には一つのフィルタ番号に対応する回復フィルタを生成する処理を示すが、連係LUTに登録されたフィルタ番号分の回復フィルタの生成処理が繰り返されることは言うまでもない。
CPU151は、パラメータ保持部105の連係LUTにアクセスして、フィルタ番号xを取得し(S701)、フィルタ番号xが複数の出力条件に割り当てられているか否かを判定する(S702)。フィルタ番号xが複数の出力条件に割り当てられている場合、CPU151は、フィルタ番号xが割り当てられた出力条件Ox1、Ox2、…の周波数特性fx1、fx2、…を取得する(S703)。そして、下式により、鮮鋭性の低下特性が最小の周波数特性fx(以下、最小劣化特性fx)を算出する(S704)。
fx(u) = max{fx1(u), fx2(u), …} …(2)
ここで、uは空間周波数、
max( )は最大値を出力する関数。
また、フィルタ番号xが一つの出力条件に割り当てられている場合、CPU151は、当該出力条件の周波数特性を最小劣化特性fxとして取得する(S705)。最小劣化特性fxが得られると、CPU151は、下式により、回復フィルタの周波数特性rxを算出する(S706)。
rx(u) = 1/fx(u) …(3)
次に、CPU151は、回復フィルタの周波数特性rxに逆フーリエ変換を施して、回復フィルタRxを算出し(S707)、算出した回復フィルタRxをフィルタ番号に関連付けてパラメータ保持部105に格納する(S708)。なお、ステップS204の回復処理を周波数空間で行う場合、回復フィルタRxの周波数特性rxをフィルタ番号に関連付けてパラメータ保持部105に格納することになる。
また、高周波数域で回復処理を行うと、ノイズの増加や明るさの低下が発生することが知られている。そこで、例えば、視覚特性上感度が低い視覚限界周波数を超える周波数域は、rx(u)の値を小さく制限して回復量を低下させてもよいし、rx(u)=1として実質的に回復処理を行わないようにしてもよい。
このように、鮮鋭性の回復処理に使用される回復フィルタを、出力画像の周波数特性が略同一と見做せる出力条件について共通に作成する。その際、周波数特性が略同一の判断は、視覚的に重要、かつ、鮮鋭性の低下が視認され易い周波数域(例えば視覚限界周波数以下の重要域)に着目して行われる。
さらに、対応するすべての出力条件において過剰な回復処理にならないように、共通の回復フィルタを作成する。このような回復フィルタの作成方法によれば、出力条件のすべての組み合わせに対して回復フィルタを用意することなく、パラメータ保持部105のメモリ量を抑制して、鮮鋭性の回復処理を適切に行うことができる。言い替えれば、画像の鮮鋭性の低下特性が視覚的に略同一と見做せる場合、鮮鋭性の回復処理に同一の回復処理パラメータを用いることができ、例えば、出力条件のすべての項目の組み合せについて回復処理パラメータを保持する必要がなくなる。
以下、本発明にかかる実施例2の画像処理および情報処理を説明する。なお、実施例2において、実施例1と略同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
実施例2においては、回復フィルタを取得する際に、階層構造を有する連係LUTを用いて、重要域の鮮鋭性低下に影響が大きいと予想される出力条件の項目から順に回復フィルタを探索する例を説明する。
実施例1においては、出力条件と回復フィルタを一つの連係LUTで連係する例を説明した。しかし、パス数、キャリッジ速度、記録媒体など、出力条件の各項目により、重要域の鮮鋭性低下に与える影響の度合いが異なる。例えば、記録媒体が異なると重要域の鮮鋭性低下が大きく変化するが、パス数を変えても重要域の鮮鋭性低下が大きく変化することはないと想定される。従って、重要域の鮮鋭性低下に影響が大きい出力条件(例えば、記録媒体、CLインク使用の有無など)が決まると、他の項目の設定に関わらず、略同一の範囲で重要域の周波数特性が決定する可能性が高い。
実施例1において説明した連係LUTは、重要域の周波数特性が略一致する複数の出力条件それぞれにレコードが存在し、その分、連係LUTのレコード数(図3に示すテーブルの行数、メモリ量に等価)が増える。例えば、図3において、出力条件O1-O6には同じ回復フィルタが対応するが、同じ回復フィルタの連係に六行分のメモリ量を必要とする。言い替えれば、実施例1に示す連係LUTには削減可能な情報が格納され、その分、パラメータ保持部105に必要なメモリ量が増加するか、パラメータ保持部105のメモリ量を消費する。
実施例2においては、連係LUTのレコード数に起因するパラメータ保持部105のメモリ量の増加または消費を抑制する方法を説明する。つまり、出力条件のうち、重要域の鮮鋭性低下に影響が大きい出力条件の項目の順に連係LUTを用意して、複数の連係LUTにより階層化を行うことで、連係LUTのレコード数を抑制する。
近年、300dpiよりも高精細なプリンタが一般化した。このような高精細プリンタは、インクの一滴当りのドット径が30ミクロン以下、着弾精度が10ミクロン以内の性能を有し、メカ的な変動による鮮鋭性低下(メカニカルドットゲイン)の影響が相対的に小さい。一方、記録媒体の種類などによって決まる光学的な鮮鋭性低下(光学ドットゲイン)は、記録媒体内の光の拡散に起因し、比較的、低周波数域の鮮鋭性低下への影響が大きい。言い替えれば、低周波数域においては、プリンタ駆動に起因するメカニカルドットゲインよりも、記録媒体内の光の拡散に起因する光学ドットゲインが支配的である。
記録媒体内の光の拡散は、主に、受容層の厚さと受容材粒径、記録媒体表面の屈折率によって決定される。そのため、記録媒体の種類、CLインク使用の有無が重要域の鮮鋭性低下に与える影響が大きい。さらに、記録媒体表面の屈折率よりも、相対的に、受容層の厚さと受容材粒径が鮮鋭性低下に大きく影響するため、CLインク使用の有無よりも、記録媒体の種類にかかわる連係LUTを優先して階層化を行う。
図10により実施例2の連係LUTの一例を示す。図10(A)は記録媒体の種類にかかわる第一層の連係LUTを示し、記録媒体の種類を示す記号A、B、C、…に対して第二層の連係LUTの番号もしくはフィルタ番号が割り当てられている。なお、記録媒体の種類を示す記号には、例えば、記録媒体の商品型番を用いことができる。また、以下では、第一層の連係LUTを「親連係LUT」、第二層以下の連係LUTを「子孫連係LUT」と呼ぶ。
フィルタ番号が割り当てられている記録媒体Cの場合、親連係LUTのみで回復フィルタが確定する。言い替えれば、記録媒体Cは、他の出力条件の項目の設定による重要域の鮮鋭性低下への影響が少ない記録媒体、あるいは、他の出力条件の項目を変更することができない(他の出力条件の項目が固定の)記録媒体を意味する。
なお「重要域の鮮鋭性低下への影響が少ない」とは、ステップS505における略同一の判断が変わらないことを意味する。また、他の出力条件の項目が固定とは、例えば普通紙においてインク溢れを避けるために特定のモードしか設定できないような場合を指す。また、アート紙にCLインクを記録してもCLインクが浸透して光沢効果が得られない。そのため、アート紙に対しては「CLインクを使用する」は設定することができない。
一方、子孫連係LUTの番号が割り当てられている記録媒体AやBの場合は、記録媒体以外の項目の設定により重要域の周波数特性が変化し得るため、親連係LUTのみでは回復フィルタが確定しない。図10(B)は子孫連係LUTの一例を示し、CLインクの使用の有無に対して、子孫連係LUTの番号もしくはフィルタ番号が割り当てられている。つまり、CLインクの使用の有無によって回復フィルタが確定する場合は当該回復フィルタのフィルタ番号が割り当てられ、他の出力条件の項目の設定により低周波数域の周波数特性が変化し得る場合は子孫連係LUTの番号が割り当てられる。
このように、例えば記録媒体から初めてフィルタ番号の割り当てが得られるまで、出力条件の項目ごとに連係LUTを階層的に作成し、それら連係LUTをパラメータ保持部105に格納する。
ステップS203において、フィルタ選択部106は、処理パラメータ保持部104の親連係LUTにアクセスして、出力条件が示す記録媒体の番号に対してフィルタ番号が割り当てられている場合は当該回復フィルタを取得する。また、出力条件が示す記録媒体の番号に対して子孫連係LUTの番号が割り当てられている場合は、子孫連係LUTにアクセスして、フィルタ番号または子孫連係LUTの番号を得る。
連係LUTの階層化を考慮すると、重要域の鮮鋭性低下に影響が大きい出力条件の項目から設定が行われることが好ましい。図11により階層構造を有する連係LUTに好適なUIの一例を示す。図11は、重要域の鮮鋭性低下に影響が大きい出力条件の項目ほどUIの上部に表示したUI例を示す。ユーザが、上部から順に各項目を設定するように、未設定の項目よりも下の項目の設定を不可能にすることで、重要域の鮮鋭性低下に影響が大きい項目順にユーザ設定が行われる。なお、重要域の鮮鋭性低下に影響が大きい項目順の設定を実現すればよく、当該順に一つの項目だけを設定するUIを、順次、提供してもよい。
このように、出力条件の項目の、重要域の鮮鋭性低下への影響度に基づき連係LUTを階層化する。そして、回復フィルタが確定した以降の出力条件の項目に対する連係LUTのレコードを不要にすることで、パラメータ保持部105に必要なメモリ量の抑制またはパラメータ保持部105のメモリの消費の軽減を図ることができる。
以下、本発明にかかる実施例3の画像処理および情報処理を説明する。なお、実施例3において、実施例1、2と略同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
実施例1、2においては、回復フィルタを選定するための情報、言い替えれば、鮮鋭性の低下特性を判定する情報(以下、低下特性の判定情報)として出力条件を用いた。そして、出力条件と回復フィルタを対応付ける連係LUTを用いて、重要域の鮮鋭性の低下特性が略同一と見做せる出力条件に対して共通の回復フィルタを用いる回復処理を行う。
しかし、出力画像の鮮鋭性低下は、出力条件だけではなく、出力画像を観察する際の光の変化にも影響される。例えば、出力画像に対する光源の角度や方向が変化すると、光学ドットゲインの影響範囲の形状、向き、大きさが変化する。出力画像を壁面に貼る場合など観察条件(観察光源の位置や観察者の視点位置など)が決まっている場合、観察条件に合った回復処理を行うことが好ましい。
実施例3では、出力条件に加えて、出力画像に対する観察光源の方向と角度(以下、光源条件)を低下特性の判定情報として連係LUTを作成する処理を説明する。そして、出力条件について重要域の鮮鋭性の低下特性が略同一と見做せ、光源条件についても重要域の鮮鋭性の低下特性が略同一と見做せる場合、共有の回復フィルタの対応付けを行う。
図12により画像に対する光源の角度と方向を変化させた場合の鮮鋭性低下の変化例を示す。出力画像に入射した光は画像の記録媒体内で拡散し、画像の鮮鋭性は光源の位置に応じた影響を受ける。その際、光の入射角度や方向が変わると光の拡散方向が変わるため、鮮鋭性低下に異方性が生じる。図12(A)は光源が画像の正面にある場合の鮮鋭性低下を示す。図12(B)は光の入射方向が画像面の法線に対して上へ45度傾いている場合の鮮鋭性低下を示す。図12(C)は光の入射方向が画像面の法線に対して右へ45度傾いている場合の鮮鋭性低下を示す。このように、光源条件に応じて、鮮鋭性低下に異方性が生じるため、回復フィルタに異方性を与える必要がある。
[画像処理の概要]
図13のフローチャートにより実施例3の画像処理装置100における処理の概要を説明する。回復処理部108は、データi/o 104を介して、情報処理装置150などから画像形成対象の画像データiを入力し、入力した画像データiを例えばRAMなどのメモリ部101に格納する(S1201)。
条件取得部103は、UI部102を介して、あるいは、情報処理装置150から、画像形成部108の出力条件Oiを取得し(S1202)、光源の方向Ldを取得し(S1203)、光源の角度Laを取得する(S1204)。図14により光源の方向Ldを指定するためのUIの一例を示す。また、図15により光源の角度Laを指定するためのUIの一例を示す。なお、図14と図15は、画面上で凡その方向と角度を指定するUIを示すが、方向と角度を数値入力するUIを用いてもよい。
次に、フィルタ選択部106は、パラメータ保持部105が保持する連係LUTにアクセスして、出力条件Oi、光源の方向Ld、光源の角度Laに対応する回復フィルタRiを取得する(S1205)。回復処理部107は、入力画像データiに、回復フィルタRiによる鮮鋭性の回復処理を実行し、回復処理後の画像データi'をメモリ部101に格納する(S1206)。そして、画像形成部108は、出力条件Oiに基づき、回復処理後の画像データi'が表す画像を記録媒体208上に形成する(S1207)。
[光源条件を含む連係LUT]
図16により実施例3における連係LUTの一例を示す。実施例3の連係LUTは、図3に示す出力条件の各項目に加え、光源条件(光源の方位と光源の角度)に対応して、回復フィルタのフィルタ番号を格納する。実施例1と同様に、出力条件に加え、光源の方向と光源の角度ごとに、重要域における周波数応答値を測定し、応答値の差分の最大値(または平均値)が所定値よりも小さい場合は、周波数特性が略一致すると判定して、同一の回復フィルタに対応付ける。なお、実施例3における周波数応答値の測定は、図14、15に示す光源の方向と光源の角度の組み合わせごとに鮮鋭性の評価チャートを撮影することで行われる。
ただし、図12(B)(C)に示すように、一般的な記録媒体において、光の拡散方向は光源の方向により変化するが、拡散形状は光源の角度が一定であればほとんど変化しない。従って、メモリ量の観点からすれば、パラメータ保持部105に格納する回復フィルタは光源の角度ごとに共通化することが好ましい。その場合、光源の方向による違いは、例えば回復フィルタの取得時や回復処理時にフィルタ係数の配列を所定角度回転して吸収すればよい。
図16において、フィルタ情報1(45°)は、フィルタ情報1(0°)の回復フィルタのフィルタ係数の配列を時計回りに45度回転した回復フィルタの使用を示す。勿論、光源条件が違っても鮮鋭性の低下特性が略一致する場合は、フィルタ係数の配列を回転せずに回復処理を行っても構わない。
なお、周波数特性が略一致するか否かの判断は、図6に示すような鮮鋭性の測定チャートを用いて取得される重要域の周波数応答値に基づいて行われる。出力条件および光源条件が異なる場合も、縞の方向によらずに重要域の応答値の差分の最大値(または平均値)が所定値以下の場合に周波数特性が略同一と見做す。従って、実施例3で用いる鮮鋭性の測定チャートには縞の方向が異なる空間周波数パターンが含まれる。縞の方向が異なる空間周波数パターンとして、同じ空間周波数、かつ、縞の方向が直交するパターンが含まれることが好ましい。
また、光源条件が指定されない場合は、汎用的な観察環境における光源条件を用いて回復処理を行えばよい。その場合、略同一の判断も、汎用的な観察環境における光源条件に基づき行う。汎用的な観察環境においては、異方性が現われないように、例えば、画像の前面に半球状に光源を配置するか、画像面の法線に対して45度方向にリング状に光源を配置するか、画像の上方、かつ、画像面の法線に対して45度方向に点光源を配置する。
このように、出力画像を観察する際の光源条件を考慮した回復フィルタを準備することで、観察時の光源条件による鮮鋭性低下も回復処理することができる。
以下、本発明にかかる実施例4の画像処理および情報処理を説明する。なお、実施例4において、実施例1-3と略同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
実施例1-3においては、連係LUTを用いて、重要域における鮮鋭性の低下特性が略同一と見做せる出力条件や光源条件に対して共通の回復フィルタを回復処理に使用する手法を説明した。しかし、そのような手法によれば、連係LUTに存在しない出力条件、例えば連係LUTに登録されていない記録媒体について適切な回復処理を行うことができない。
また、使用頻度が高い、グレードが最高など厳密に回復フィルタを作成したい出力条件に対応する複数の回復フィルタをパラメータ保持部105に予め保持することで、パラメータ保持部105のメモリ量を抑制することが考えられる。その場合、厳密な作成が必須ではない出力条件については、パラメータ保持部105が保持する回復フィルタから適切な回復フィルタを選定する必要がある。
上記のような課題を解決するには、回復フィルタの選定対象の出力条件で特定周波数パターンを出力し、出力パターンの周波数応答値を取得する。そして、取得した周波数応答値に基づき、過剰な回復処理にならず、回復処理の効果が高い回復フィルタを選定すればよい。以下、回復フィルタを選定する実施例4の処理を説明する。
[装置の構成]
図1に示す周波数応答取得部211は、画像形成部108に、回復フィルタの選定対象の出力条件で特定周波数パターンの計測チャートを形成させる。そして、実施例1と同様の測定装置を用いて、周波数応答値の算出に必要な情報(例えば、輝度値、濃度値、反射率、または、それらに変換可能な情報)を計測チャートから取得して、対象の出力条件に適用する回復フィルタを選定する。
なお、後述する周波数応答取得部211の処理(S1703-S1709)を実行するプログラムを情報処理装置150に供給し、CPU151が当該プログラムを実行することで、周波数応答取得部211が実現されてもよい。
[画像処理]
図17のフローチャートにより実施例4の画像処理装置100における処理を説明する。回復処理部107は、データ入出力部(i/o)104を介して、情報処理装置150などから画像形成対象の画像データiを入力し、入力した画像データiを例えばRAMなどのメモリ部101に格納する(S1701)。
条件取得部103は、UI部102を介して、あるいは、情報処理装置150から画像形成部108の出力条件Oxを取得する(S1702)。周波数応答取得部211は、パラメータ保持部105が保持する連係LUTに出力条件Oxに相当するレコードが存在するか否かを判定する(S1703)。出力条件Oxに相当するレコードが連係LUTに存在する場合、以降の処理は図2のステップS203-S205の処理と同様であり、詳細説明を省略する。以下では、出力条件Oxに相当するレコードが連係LUTに存在しない場合の処理を説明する。
周波数応答取得部211は、パラメータ保持部105から読み出した特定周波数fx[サイクル/mm]の周期パターンを含む計測チャートの画像データを画像形成部108に供給し、出力条件Oxで記録媒体上に計測チャートを形成させる(S1704)。
図18により特定周波数パターンの計測チャートの一例を示す。図18に示す計測チャートは、図6の計測チャートと同様に複数の正弦波パターンと均一パターンを含むが、正弦波パターンの空間周波数は何れも特定周波数fxである。
次に、周波数応答取得部211は、周波数特性の取得に必要な情報を計測チャートから取得する(S1705)。なお、周波数応答取得部211は、情報処理装置150から入力される情報を取得してもよいし、画像処理装置100がスキャナを備える場合はスキャナから当該情報を取得してもよい。
次に、周波数応答取得部211は、計測チャートから取得した情報に基づき、出力条件Oxにおける周波数fxの周期パターンに対する周波数応答値を算出する(S1706)。なお、周波数応答値としては、実施例1で説明したMTF(fx)や、周期パターンに矩形波を用いるCTF値を使用することができる。
次に、周波数応答取得部211は、パラメータ保持部105が保持する各回復フィルタRiの周波数fxにおける回復特性Ri(fx)を取得する(S1707)。例えば、パラメータ保持部105に各回復フィルタRiの周波数fxにおける回復特性Ri(fx)のリストを保持させ、周波数応答取得部211がフィルタ番号と対応付けて回復特性Ri(fx)を読み出せばよい。
次に、周波数応答取得部211は、各回復フィルタRiを用いて回復処理を行った場合の回復処理後の周波数応答値MTFRi(fx)を下式により算出する(S1708)。
MTFRi(fx) = MTF(fx)×Ri(fx) …(4)
計測チャートの測定を行う測定装置において特定周波数fxにおける周波数特性G(fx)が補正されていない場合は、周波数特性G(fx)をキャンセルする下式を用いて周波数応答値MTFRi(fx)を算出する。周波数特性G(fx)は、例えばパラメータ保持部105に予め格納しておくか、情報処理装置150から取得すればよい。
MTFRi(fx) = MTF(fx)×Ri(fx)/G(fx) …(5)
次に、周波数応答取得部211は、MTFRi(fx)の算出結果が1以下、かつ、1に最も近いMTFRi(fx)に対応する回復フィルタRiを回復フィルタRxとして選定する。そして、出力条件Oxと回復フィルタRxの対応を示すレコードを連係LUTに登録する(S1709)。以降の処理は図2のステップS203-S205の処理と同様であり、詳細説明を省略する。
また、出力条件Oxと回復フィルタRxの対応は、連係LUTではない別のテーブルに格納してもよい。その場合、ステップS1703の判定およびフィルタ選択部106によるステップS203の回復フィルタの取得は、連係LUTに加えて当該テーブルを参照することになる。
前述したように、回復処理後の周波数特性が1を超える場合は回復処理ではなく強調処理となり、過剰な回復処理によりノイズの強調、明るさの低下、リンギングの発生などの弊害が発生する。従って、MTFRi(fx)の算出結果が1を超えず(過剰な回復処理にならず)、かつ、1に最も近い(回復処理の効果が高い)回復フィルタRiが回復フィルタRxとして選定される。
図19により回復フィルタの選択と回復処理後の周波数応答値MTFRi(fx)を説明する。図19において、横軸は空間周波数[サイクル/mm]、縦軸は回復特性を示し、破線は特定周波数線fxを示す。図19(A)はパラメータ保持部105に保持された回復フィルタRiの特性例を示し、破線と各回復フィルタRiの回復特性の交点が、リスト化されてパラメータ保持部105に保持されている各回復フィルタRiの回復特性Ri(fx)である。
図19(B)は回復処理後の周波数応答値MTFRi(fx)の例を示し、応答値が1以下、かつ、1に最も近いMTFRi(fx)は、MTFR4(fx)である。この例においては、MTFR4(fx)に対応する回復フィルタR4が回復フィルタRxとして選定される。
なお、ステップS1707において回復処理後の周波数応答値MTFRi(fx)を算出せずに、ステップS1708において回復特性の逆数1/Ri(fx)と周波数応答値MTF(fx)を比較してもよい。その場合、各回復フィルタRiの特定周波数fxにおける回復特性の逆数1/Ri(fx)のリストがパラメータ保持部105に格納される。そして、MTF(fx)以上、かつ、MTF(fx)に最も近い1/Ri(fx)に対応する回復フィルタRiが回復フィルタRxとして選定される。
図19には七つの回復フィルタR1-R7が存在する例を示す。しかし、実施例4において、パラメータ保持部105が保持する回復フィルタは二つ以上であればよく、使用頻度が高い、グレードが最高など回復フィルタを厳密に作成したい出力条件に対応する回復フィルタをパラメータ保持部105に保持すればよい。あるいは、想定される様々な出力条件に適用した場合に、誤差の総和が最小になるような回復フィルタをパラメータ保持部105に保持してもよい。
また、過剰な回復処理を確実に避けるために、図19(A)に示す回復フィルタR7のように周波数に関わらず回復特性が1の回復フィルタ(中心のフィルタ係数が1で、他のフィルタ係数が0)をパラメータ保持部105に格納することが好ましい。勿論、回復特性が1の回復フィルタを備えずに、すべての回復フィルタRiについてMTFRi(fx)>1の場合は、過剰な回復処理を避けるため、回復処理(S204)を行わないようにしてもよい。
前述したように、視覚的に敏感、かつ、プリンタ出力におけるノイズや明るさ低下の少ない領域において回復フィルタRxを選定するために、特定周波数fxは重要域(視覚限界周波数以下)の空間周波数にする。また、特定周波数fxの周波数応答値MTF(fx)に基づき回復フィルタRxを選定する例を示したが、重要域の複数の周波数fm-fnの周波数応答値MTF(fm)-MTF(fn)に基づき回復フィルタRxを選定してもよい。
周波数特性の取得に必要な情報の入力には、スキャナ、ディジタルカメラ、顕微鏡、マイクロデンシトメータなどが用いられるが、代わりに、ユーザが重要域の鮮鋭性に関連する情報を入力してもよい。例えば、特定周波数fxにおける周波数応答値MTF(fx)を入力してもよいし、低周波数域の周波数特性に影響が大きい記録媒体の情報を入力してもよい。記録媒体の情報としては、記録媒体のカテゴリ(光沢紙やアート紙など)、記録媒体の厚さ、受容層の有無、坪量、白色度などが考えられる。
以下、本発明にかかる実施例5の画像処理および情報処理を説明する。なお、実施例5において、実施例1-4と略同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
実施例4においては、回復フィルタを選定するために特定周波数パターンの計測チャートを形成して、計測チャートの情報に基づき算出される周波数応答値から、対象の出力条件に適用する回復フィルタを選定する例を説明した。しかし、実空間上の情報(メカニカルドットゲインや光学ドットゲイン)を回復フィルタを選定する情報に用いることもできる。つまり、ドットゲインの影響範囲を低下特性の判定情報に使用することができる。そして、ドットゲインの影響範囲を測定し、影響範囲の差が所定値以下である出力条件に対応する回復フィルタを選定する。
[装置の構成]
図1に示す影響範囲取得部212は、画像形成部108に、回復フィルタの選定対象の出力条件でドットパターンを形成させる。そして、実施例1と同様の測定装置を用いて、ドットゲインの影響範囲の取得に必要な情報(例えば、輝度値、濃度値、反射率、または、それらに変換可能な情報)をドットパターンから取得して、対象の出力条件に適用する回復フィルタを選定する。
なお、後述する影響範囲取得部212の処理(S1803-S1811)を実行するプログラムを情報処理装置150に供給し、CPU151が当該プログラムを実行することで、影響範囲取得部212が実現されてもよい。
[画像処理]
図20のフローチャートにより実施例5の画像処理装置100における処理を説明する。回復処理部107は、データ入出力部(i/o)104を介して、情報処理装置150などから画像形成対象の画像データiを入力し、入力した画像データiを例えばRAMなどのメモリ部101に格納する(S1801)。
条件取得部103は、UI部102を介して、あるいは、情報処理装置150から画像形成部108の出力条件Oxを取得する(S1802)。影響範囲取得部212は、パラメータ保持部105が保持する連係LUTに出力条件Oxに相当するレコードが存在するか否かを判定する(S1803)。出力条件Oxに相当するレコードが連係LUTに存在する場合、以降の処理は図2のステップS203-S205の処理と同様であり、詳細説明を省略する。以下では、出力条件Oxに相当するレコードが連係LUTに存在しない場合の処理を説明する。
影響範囲取得部212は、パラメータ保持部105から読み出した矩形パターンを含む計測チャートの画像データを画像形成部108に供給し、出力条件Oxで記録媒体上に計測チャートを形成させる(S1804)。図21により矩形パターンの計測チャートおよびドットゲインの影響範囲の一例を示す。図21(A)に示す計測チャートは、例えば、84×84μm(600dpiであれば2×2ドット、1200dpiであれば4×4ドット)のサイズを有す。
次に、影響範囲取得部212は、計測チャートからドットゲインの影響範囲rw(x)とrh(x)を取得する(S1805)。なお、影響範囲取得部212は、情報処理装置150から入力される影響範囲を取得してもよいし、画像処理装置100がスキャナを備える場合はスキャナから入力される情報に基づき影響範囲を取得してもよい。
影響範囲rw(x)とrh(x)は、図21(C)に示すように、計測チャートの矩形パターンの領域(84×84μm)を除く滲み部分である。つまり、矩形パターンの領域(84×84μm)の端部(または中心)から水平方向に濃度変化がないと見做せる点(または紙白と同濃度と見做せる点)までの距離が影響範囲rw(x)である。なお、濃度変化がないと見做せる点とは、矩形パターンから充分に離れた点の濃度と、測定誤差を考慮した上で同濃度になる点のことである。同様に、影響範囲rh(x)は、矩形パターンの領域の端部(または中心)から垂直方向に濃度変化がないと見做せる点(または紙白と同濃度と見做せる点)までの距離である。
次に、影響範囲取得部212は、パラメータ保持部105が保持する各出力条件Oiにおけるドットゲインの影響範囲rw(i)とrh(i)を取得する(S1806)。各出力条件Oiにおけるドットゲインの影響範囲は、出力条件Oiに対応する回復フィルタRiを適用せずに予め測定されたものである。
次に、影響範囲取得部212は、下式により、出力条件Oxにおける影響範囲と、各出力条件Oiにおける影響範囲の差分Δr(x, i)を算出する(S1807)。
Δr(x, i) = √[{rw(x) - rw(i)}2 + {rh(x) - rh(i)}2] …(6)
次に、影響範囲取得部212は、影響範囲の差分が所定値未満かつ最小の出力条件Oiを探索する(S1808)。つまり、出力条件Oxの鮮鋭性の低下特性と略同一と見做せ、かつ、最も類似する鮮鋭性の低下特性を有する出力条件Oiを探索する。探索に使用する所定値は、重要域の上限である例えば4サイクル/mmの長さの換算値0.25mm(250μm)が好ましいが、この値に限定されるものではない。
次に、影響範囲取得部212は、出力条件Oxの鮮鋭性の低下特性と略同一と見做せる鮮鋭性の低下特性を有する出力条件Oiを検出したか否かを判定しする(S1809)。当該出力条件Oiを検出した場合、影響範囲取得部212は、当該出力条件Oiに対応する回復フィルタRiを回復フィルタRxとして選定する。そして、出力条件Oxと回復フィルタRxの対応を示すレコードを連係LUTに登録する(S1810)。
また、出力条件Oxの鮮鋭性の低下特性と略同一と見做せる鮮鋭性の低下特性を有する出力条件Oiが検出されない場合は過剰な回復処理を避ける必要がある。そこで、影響範囲取得部212は、例えば、その旨をUI部102に表示し、図19(A)に示す回復特性が1の回復フィルタR7を回復フィルタRxとして選定する。そして、出力条件Oxと回復フィルタRxの対応を示すレコードを連係LUTに登録する(S1811)。以降の処理は図2のステップS203-S205の処理と同様であり、詳細説明を省略する。
実施例4と同様に、出力条件Oxと回復フィルタRxの対応は、連係LUTではない別のテーブルに格納してもよい。その場合、ステップS1803の判定およびフィルタ選択部106によるステップS203の回復フィルタの取得は、連係LUTに加えて当該テーブルを参照することになる。
上記では、説明の簡単のために、出力条件が異なる場合の略一致の判断を例に説明したが、光源条件が異なる場合の略一致の判断も可能である。ただし、光源条件が異なると滲みの異方性が発生する。図22により光源条件が異なる場合の滲みの異方性を示す。この異方性を考慮して、ドットゲインの影響範囲として、図22に示すようにrw1(x)、rw2(x)、rh1(x)、rh2(x)を測定する。そして、すべての影響範囲が所定値(例えば0.25mm)よりも小さく、かつ、下式に示す差分Δr(x, i)が所定値未満の出力条件Oiを探索する。
Δr(x, i) = √[{rw1(x) - rw1(i)}2 + {rw2(x) - rw2(i)}2
+ {rh1(x) - rh1(i)}2 + {rh2(x) - rh2(i)}2] …(7)
また、ドットゲインの影響範囲は、細線のチャートやエッジパターンのチャートを用いて取得することができる。また、とくに鮮鋭性低下に影響が大きい記録媒体に起因するドットゲインは、インパルス光、スリット光、エッジ光の拡がりによっても測定可能である。言い替えれば、矩形パターンの計測チャートの使用は、ドットゲインの影響範囲を測定する方法の一例であり、ドットゲインの影響範囲を測定は矩形パターンの計測チャートの使用に限定されるものではない。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の一以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける一以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、一以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
103 … 条件取得部、106 … フィルタ選択部、107 … 回復処理部

Claims (13)

  1. 画像形成装置が形成する画像の鮮鋭性の低下特性を判定するための、前記画像形成装置の出力条件を取得する取得手段と、
    前記出力条件に基づき、画像の鮮鋭性を回復するための、特性が異なる複数の回復処理パラメータから一つの回復処理パラメータを選択する選択手段と、
    前記選択された回復処理パラメータを用いて鮮鋭性の回復処理を画像データに施す回復手段とを有し、
    前記鮮鋭性の低下特性が視覚的に略同一と見做せる複数の出力条件に対して、同一の回復処理パラメータが選択される画像処理装置。
  2. 前記鮮鋭性の低下特性が視覚的に略同一と見做せるか否かは、画像の前記鮮鋭性の認識が難しくなる空間周波数以下の空間周波数特性に基づき判定される請求項1に記載された画像処理装置。
  3. 前記画像形成装置は、前記出力条件に基づき、前記回復処理後の画像データが表す画像を形成する請求項1に記載された画像処理装置。
  4. 前記選択手段は、前記出力条件と前記回復処理パラメータの対応を示すテーブルに基づき前記回復処理パラメータの選択を行う請求項1から請求項3の何れか一項に記載された画像処理装置。
  5. 前記鮮鋭性の低下特性が視覚的に略同一と見做せる、前記テーブルに登録された複数の出力条件に対して共通の回復処理パラメータが割り当てられる請求項4に記載された画像処理装置。
  6. 前記テーブルは、前記出力条件に含まれる各項目の前記鮮鋭性の低下特性への影響度の順に階層構造を有する請求項4または請求項5に記載された画像処理装置。
  7. 前記取得された出力条件が前記テーブルに登録されていない場合、前記出力条件に基づき前記画像形成装置が形成するパターンの空間周波数特性を取得し、前記空間周波数特性に前記回復処理を施す場合、前記回復処理後の周波数応答値が1以下、かつ、1に最も近い回復処理パラメータを前記複数の回復処理パラメータから選定する選定手段を有し、
    前記選択手段は、前記選定された回復処理パラメータを選択する請求項4から請求項6の何れか一項に記載された画像処理装置。
  8. 前記取得された出力条件が前記テーブルに登録されていない場合、前記出力条件に基づき前記画像形成装置が形成するパターンにおけるドットゲインの影響範囲を取得し、前記取得したドットゲインの影響範囲と前記テーブルに登録された出力条件それぞれに対応するドットゲインの影響範囲の間の差分が所定値以下、かつ、前記差分が最小になる前記テーブルに登録された出力条件に対応する回復処理パラメータを選定する選定手段を有し、
    前記選択手段は、前記選定された回復処理パラメータを選択する請求項4から請求項6の何れか一項に記載された画像処理装置。
  9. 前記選定手段は、前記出力条件と前記選定した回復処理パラメータの対応を前記テーブルに登録する請求項7または請求項8に記載された画像処理装置。
  10. 前記取得手段は、前記画像形成装置の出力条件および前記画像形成装置が形成する画像を観察する際の光源条件を取得する請求項1または請求項2に記載された画像処理装置。
  11. 前記光源条件には、前記画像に対する光源の角度、前記画像に対する光源の方向の少なくとも一つが含まれる請求項10に記載された画像処理装置。
  12. 画像形成装置が形成する画像の鮮鋭性の低下特性を判定するための、前記画像形成装置の出力条件を取得し、
    前記出力条件に基づき、画像の鮮鋭性を回復するための、特性が異なる複数の回復処理パラメータから一つの回復処理パラメータを選択し、
    前記選択された回復処理パラメータを用いて鮮鋭性の回復処理を画像データに施し、
    前記鮮鋭性の低下特性が視覚的に略同一と見做せる複数の出力条件に対して、同一の回復処理パラメータが選択される画像処理方法。
  13. コンピュータを請求項1から請求項11の何れか一項に記載された画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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