JP2017217891A - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 インクの吐出量ばらつきに対し、記録したパッチの光学濃度を測定することにより吐出量を推定する方法が知られているが、色材を含まない透明インクについては濃度測定が困難であり、ノイズの影響を受けやすいため、吐出量検出が困難である。また、パッチを目視で観察する方法も知られているが、記録媒体の反射強度が高いとパッチが視認しづらいという課題がある。【解決手段】 記録媒体上に、色材を含むインクを用いて第1の層を形成し、第1の層の上に、透明インクを用いて第2の層を形成することにより、パッチを記録する。そして、パッチの干渉色を測定することによって透明インクの吐出量を推定することができる。【選択図】 図9
Description
本発明は、記録ヘッドからインクを吐出することにより、記録媒体上に画像を記録するための画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
記録ヘッドから微小なインク滴を吐出して記録媒体上にインクを定着させる事により画像を形成するインクジェット記録装置が広く利用されている。これらのインクジェット記録装置で用いられるインクは、黒(以下K)やシアン(以下C)、マゼンタ(以下M)、イエロー(以下Y)の三原色を基本とする。また、CMYKのインクの他に、画像における粒状性の低減などの画質向上を目的として、CインクやMインクよりも色材濃度の低い淡Cインクや淡Mインク、Kインクより濃度の低いグレイインクを追加した機種がある。さらに、耐候性や耐水性向上の目的や、特にインクの色材として顔料を用いた機種において光沢紙における光沢一様性を制御する目的で、色材が入っていない透明インクを追加した機種もある。
ここで、インクジェット記録装置における課題として、記録ヘッドの製造ばらつきや経時変化などの理由により、記録ヘッドからのインク吐出量が本来の設計値の吐出量からばらつくことや変動することが知られている。このような吐出量のばらつきや変動への対策として、特許文献1には、キャリブレーション機能が記載されている。具体的には、カラーインクを用いて所定のドット密度で印刷されたパッチの濃度を光学センサで検出し、検出したパッチ濃度と予め取得した特性データ等に基づいてインク吐出量を換算する。このインク吐出量を、画像形成時の吐出量やドット数にフィードバックすることにより、画像濃度を補正する。
一方、透明インクの場合は、インク量が増減しても濃度がほとんど変わらないため、光学センサによる光学濃度の検出による吐出量の推定が困難である。これに対し、特許文献2には、透明インクが付与された記録媒体に光を照射し、その正反射光に基づいて複数の色成分ごとの反射光量を検出し、検出された反射光量から透明インクの量を算出することが記載されている。記録媒体上に付与された透明インクは、通常、その厚みが数ミクロン以下(多くは1ミクロン以下)と極めて薄い。また、画像の光沢一様性の制御を目的として透明インクを用いる場合は、記録媒体上にカラーインクを付与し、カラーインク層の上に透明インクの層を形成する。このため、透明インク層の上面、すなわち空気との境界面で反射した光と、透明インク層の下面、すなわち記録媒体との境界面で反射した光とが干渉する。このとき、透明インク層の膜厚により特定の色を呈する。
ここで、透明インク層の厚さをd、屈折率をnとすると、記録媒体を垂直に観察した時に干渉によって強度が増す、すなわち干渉色を呈する中心になる波長λの関係は、下記の式1で表わされる。
mλ=2nd(m:自然数)…(式1)
mλ=2nd(m:自然数)…(式1)
例えばn=1.4、d=200nmとすると、m=1のときλ=560nmとなり、緑色の干渉色成分が強くなるので、それを色成分ごとの反射光量から検出することで透明インク層の厚さdを検出できる。尚、mが2以上のときは干渉色の波長が1120nm以上の赤外領域となるため、人間の眼には見ることができない。
また、特許文献3には、2種類以上の熱可塑性樹脂を厚み方向に50層以上に積層して形成された積層構造体からなる情報記録媒体が記載されている。この情報記録媒体上には、光干渉によって生じる反射光の反射波長および反射率の分布が形成されており、反射光が所定の条件を満たす光学情報を含んでいる。そして、情報が記録された表面からの反射光を際立たせるために、裏面には黒色の層が隣接されていることが好ましい。例えば、カーボンブラックなどの黒を裏面に塗布、あるいは最下層の樹脂層に添加、または、貼り合わせる支持体が黒色であることで達成される。すなわち、干渉色の視認性を向上させるために、黒色の層を用いることで、干渉が発生している膜構造の裏面からの光を遮断する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、記録媒体上の透明インク層が発する干渉色が微弱であるという課題がある。一般に光源が単波長λの場合、I1及びI2の強度を持つ2つの光の干渉強度は、式2で表わされる。(Δz:2つの光の光路差)
干渉色が最大強度になる膜厚と波長の関係の条件では、式2中のcos成分が1となるため、式3のようになる。
図12は、特許文献2に記載の方法を用いて形成された記録媒体上の透明インク層を示す図である。ここで干渉するのは、透明インク層の上面(透明インク層と空気との界面)での反射光R1と、透明インク層の下面(透明インク層と記録媒体との界面)での反射光R2の2つの光であり、その強度は式4及び式5で表わされる。尚、nは、垂直入射のときの透明インク層の屈折率であり、n0は、垂直入射のときの記録媒体の屈折率である。透明インク層では、照射光の吸収はほとんど無いので吸収は無視する。
R1=((n−1)/(n+1))2…(式4)
R2=((n0−n)/(n0+n))2…(式5)
R1=((n−1)/(n+1))2…(式4)
R2=((n0−n)/(n0+n))2…(式5)
例えば前記の条件に加えてn0=1.3とすると、R1≒0.028、R2≒0.001となるので、反射光が最大となる条件における反射光強度Rは、式6のようになる。
すなわち、反射光が最大となる反射光強度Rは4%である。
さらに、観察光が白色光で光源の波長分布がS(λ)の場合、反射光強度は各波長の反射光強度の足し合わせになり、式7のようになる。
IWLI=∫I(λ)S(λ)dλ…(式7)
IWLI=∫I(λ)S(λ)dλ…(式7)
仮に、S(λ)が一定とすると、干渉光の反射光強度は約3.5%となる。つまり、4%よりもさらに小さくなる。これに対し、通常白色である記録媒体の反射強度は90%前後と高く、約3.5%の反射光強度と比べて強度差が大きい。このため、干渉光を検出する際に記録媒体の反射光の照度ムラ等のノイズの影響を受けやすい。
このように、光学センサを用いて、記録媒体に付与された透明インク層の反射光量を検出しようとしても、ノイズの影響を受け易く、高精度に検出することが困難であるという課題がある。また、目視の場合でも、白色の記録媒体上に形成された透明インク層は非常に見えづらい。
尚、特許文献3には、積層構造体からなる情報記録媒体において、裏面に黒色の層を形成することにより裏面からの光を遮断する方法が記載されているものの、透明インクについての記載はない。
このような課題を鑑み、本願発明は、色材を含む第1のインクを吐出するための吐出口および色材を含まない第2のインクを吐出するための吐出口を備える記録ヘッドを用いて記録媒体上に画像を記録するためのデータを処理する画像処理装置であって、前記記録媒体上に記録されたパッチであって、前記前記第1のインクを用いて形成された第1の層と、前記第1のインクを用いずに前記第2のインクを用いて前記第1の層の上に形成された第2の層と、を備える前記パッチを測定した測定結果を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記測定結果に基づいて、前記第2のインクを付与するためのデータを補正するための補正データを決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記補正データを用いて、前記第2のインクを付与するためのデータを補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
上記構成を備えることにより、記録媒体上に形成された透明インク用のパッチを測定する際に、透明インク層の下地層に起因するノイズ成分を低減して測定精度を高めることができる。これにより、透明インクのキャリブレーションを高精度に行うことが可能となる。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の記録システムの構成を示すブロック図である。図1において、ホスト装置100は、パーソナルコンピュータなどであり、情報処理装置として機能する。ホスト装置100は、記録装置200に接続されており、CPU10、メモリ11、記憶部13、キーボードやマウス等の入力部12、記録装置200との間の通信のためのインターフェース14を備える。CPU10は、メモリ11に格納されたプログラムに従い、以下で説明される処理など種々の処理を実行する。ホスト装置100と記録装置200は、インターフェースを介して接続され、後述する画像処理における、R′、G′、B′で表される画像データや、キャリブレーションに関連するパラメータ情報などの受け渡しを行う。
図1は、本実施形態の記録システムの構成を示すブロック図である。図1において、ホスト装置100は、パーソナルコンピュータなどであり、情報処理装置として機能する。ホスト装置100は、記録装置200に接続されており、CPU10、メモリ11、記憶部13、キーボードやマウス等の入力部12、記録装置200との間の通信のためのインターフェース14を備える。CPU10は、メモリ11に格納されたプログラムに従い、以下で説明される処理など種々の処理を実行する。ホスト装置100と記録装置200は、インターフェースを介して接続され、後述する画像処理における、R′、G′、B′で表される画像データや、キャリブレーションに関連するパラメータ情報などの受け渡しを行う。
図2は、本実施形態の記録装置の機械的構成の概略を示す斜視図である。本実施形態の記録装置200はインクジェット記録装置であり、ホスト装置から送信された画像処理情報に基づき、特に、後述の色処理、2値化処理や、本発明の実施形態に関する記録特性の補正処理などの画像処理を実行する。また、画像処理によって得られる記録データに基づいて画像を記録する。
インクタンク208〜214は記録材としてのインクを収納する。色材を含むインクである、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、フォトシアン(PC)、フォトマゼンタ(PM)のインクと、色材を含まない透明なインクであるクリア(CL)のインクをそれぞれ収容する。これら7色のインクは、記録ヘッド5に備えられた不図示の7列の吐出口列201〜207にそれぞれ対応し、各インクタンクから対応するインクが供給される。
搬送ローラ215および216は、補助ローラ217および218とともに記録媒体219を挟持しながら回転する。これにより、記録ヘッド5が走査する主走査方向と交差する副走査方向に記録媒体219を搬送するとともに、記録媒体219を保持する役割も担っている。キャリッジ220は、インクタンク208〜214および記録ヘッド5、光学センサ221を搭載しており、図中X方向に沿って往復移動可能に構成されている。このキャリッジ220の往復移動中に、記録ヘッド5の各吐出口から記録媒体219上にインクを吐出する。主走査方向への記録走査の後、搬送ローラ215および216が回転して副走査方向(図中Y方向)へと記録媒体が搬送される。このような記録ヘッド5の主走査方向における記録走査と、記録媒体219の副走査方向における搬送と、を繰り返すことにより、画像が記録される。また、キャリッジ220の主走査方向における往復移動中に、光学センサ221を用いて、記録媒体上に記録された階調パターン等の濃度測定を行うことができる。
図3は、本実施形態の記録装置200の制御構成を示すブロック図である。この制御系の制御部20は、マイクロプロセッサ等のCPU20a、ROM20cおよびRAM20b等をメモリとして備える。ROM20cは、CPU20aの制御プログラムや記録動作に必要なパラメータなどの各種データを格納する。RAM20bは、CPU20aのワークエリアとして使用されると共に、ホスト装置から受信した画像データや生成した記録データなどの各種データの一時保管等を行う。また、RAM20bには、図5を用いて後述する画像処理やキャリブレーション機能に係る処理プログラムや、キャリブレーションに用いられるターゲット値などのパラメータや、階調パターンなどのパッチを記録するためのパッチデータが格納されている。
制御部20は、インターフェース21を介してホスト装置100との間で画像データ等の記録に用いられるデータ、パラメータを入出力する処理を行う。また、の操作パネル22から各種情報(例えば文字ピッチ、文字種類等)の入力を受け付ける処理を行う。また、制御部20は、インターフェース21を介してモータ23およびモータ25を駆動させるためのON、OFF信号を出力する。さらに、吐出信号等をドライバ28に出力して記録ヘッド5からインクを吐出するための駆動を制御する。また、RAM20bに記憶されたプログラムを制御部20が読み出すことにより、各処理が実行される。
また、この制御系は、操作パネル22、ドライバ27、ドライバ28、ドライバ29を有する。ドライバ27は、CPU20aからの指示に従ってキャリッジ駆動用のモータ23および搬送ローラ駆動用のモータ25を駆動する。ドライバ28は、記録ヘッド5を駆動する。ドライバ29は、光学センサ221を駆動する。
図4は、本実施形態の光学センサ221を示す構成図である。光学センサ221は、キャリッジ220に搭載され、測定領域が記録ヘッド5の記録面に対し下流側に位置し、下面が記録ヘッドの吐出口が設けられた面と同位置もしくはそれよりも高くなるように配置されている。光学センサ221は、受光素子として2つのフォトトランジスタと、光源として3つの可視LEDを備えており、それぞれの素子は不図示の外部回路によって駆動される。
3つの可視LED605、606、607は、基板601上に3イン1チップとしてまとめて配置される。各LEDが発した光はレンズ602を介して平行光となり、記録媒体219の表面(測定面)に対して45度の照射角を持つ。LED605〜607は、それぞれ単色可視LEDである。LED605は、緑色の発光波長(約510〜530nm)を持ち、LED606は、青色の発光波長(約460〜480nm)を持ち、LED607は赤色の発光波長(約620〜640nm)を持つ。
2つのフォトトランジスタ603および604は、どちらも可視光に感度を持つ。フォトトランジスタ603は、記録媒体上のLEDの照射点の上方に配置され、LEDからの光が記録媒体219上で拡散される拡散光を検出する。フォトトランジスタ604は、LEDの反対側で記録媒体219の表面に対して45度の角度を持つ位置に配置され、LEDからの光が記録媒体219を反射面として正反射する正反射光を検出する。
図5は、光学センサ221のそれぞれのセンサの入出力信号を処理する制御回路を示す概略図である。CPU301は、可視LED605〜607のオン/オフの制御信号の出力やフォトトランジスタ603および604の受光量に応じて得られる出力信号の演算などを行う。駆動回路302は、CPU301から送られるオン信号を受けてそれぞれの発光素子へ定電流を供給し発光させたり、受光素子の受光量が所定量となるようにそれぞれの発光素子の発光量を調整したりする。I/V変換回路303は、フォトトランジスタ603および604から電流値として送られてきた出力信号を電圧値に変換する。増幅回路304は、微小信号である電圧値に変換後の出力信号を、A/D変換において最適なレベルまで増幅する働きをする。A/D変換回路305は、増幅回路304で増幅された出力信号を10bitデジタル値に変換してCPU301に入力する。不揮発性メモリなどのメモリ306は、CPU301の演算結果から所望の測定値を導き出すための参照テーブルの記録や出力値の一時的な記憶に用いられる。なお、このCPU301やメモリ306は、インクジェット記録装置のCPU20aやRAM20bを用いてもよい。
図6は、図1〜図3にて上述した本実施形態の記録システムにおける記録データを生成するための画像処理の手順を示す図である。本実施形態の画像処理は、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の各色8ビット、それぞれ256階調の画像データ(輝度データ)を入力とする。そして、最終的にK、C、M、Y、PC、PM、CLそれぞれの、インク滴の吐出の有無を示す1ビットのビットイメージデータ(記録データ)を出力とする。
まず、ホスト装置100において、R、G、B各色8ビットの輝度信号で表現される画像データを、3次元のLUT401を用いて、各色8ビットまたは10ビットのR′、G′、B′のデータに変換する、色空間変換前処理を行う。この色空間変換前処理は、記録対象におけるR、G、Bの画像データが表わす色空間と、記録装置200で再現可能な色空間との間の差を補正するために行われる。
色空間変換前処理が施されたR′、G′、B′各色のデータは、記録装置200に送信される。記録装置200は、この色空間前変換処理を施されたR′、G′、B′各色のデータを、3次元LUT402を用いて、K、C、M、Y、PC、PM、CLの各色10ビットのデータに変換する色変換処理を行う。この色変換処理は、輝度信号で表現される入力系のRGB系画像データを、インクジェット記録装置200で用いるK、C、M、Y、PC、PM、CLの画像データに色変換するものである。
次に、色変換処理が施されたK、C、M、Y、PC、PM、CLの各色10ビットのデータに対して、それぞれの色に対応した1次元LUT403を用いて、出力γ補正処理を行う。通常、記録媒体の単位面積当たりに付与されるインク滴(ドット)の数と、記録された画像を測定して得られる反射濃度などの記録特性との関係は、線形関係にはならない。そのため、K、C、M、Y、PC、PM、CLの各10ビットの入力階調レベルと、それによって記録される画像の濃度レベルが線形関係となるように、7色それぞれの入力階調レベルを補正する必要がある。
次に、本実施形態では、出力γ補正処理が施されたK、C、M、Y、PC、PM、CLの各色10ビットのデータに対して、それぞれの色に対応した補正データである色ずれ補正用1次元LUT404を用いて、色ずれ補正処理を行う。例えば、インクジェット記録装置で用いる記録ヘッドに設けられた個々のノズルから吐出されるインク滴の量、すなわち吐出量には個体差がある。これにより、インク滴が付与されることによって記録媒体上に形成されるドットの大きさにはばらつきが生じる。このため、上記1次元LUT403を用いた出力γ補正によって付与するドット数を調整したとしても、吐出量ばらつきによって得られる光学濃度が異なり、色ずれを生じることがある。これに対し、本実施形態では、補正テーブルである色ずれ補正用1次元LUT404を用いて、K、C、M、Y、PC、PM、CLの各色のデータに対する色ずれ補正処理を行う。この色ずれ補正用1次元LUT404は、図7を用いて後述するキャリブレーション処理によって更新される画像処理パラメータである。
尚、本実施形態では、色ずれ補正用1次元LUT404の候補となる複数のテーブルを、予めRAM20bに格納しておく。そして、後述するキャリブレーション処理によって、RAM20bに格納されたテーブルの中から、パッチの測定結果に対応した1つのテーブルを今後の色ずれ補正処理に用いるテーブルとして決定する。尚、複数のテーブルの中から1つを決定する形態であってもよく、複数のテーブルに基づいて新たに1つのテーブルを生成する形態であってもよい。
このように、色ずれ補正用1次元LUT404を用いて色ずれ補正処理を行うことにより、各インク色に吐出量ばらつきがあった場合であっても、それぞれ適切にインク付与量を定めたデータを生成することができる。
その後、ディザもしくはEDのような2値化処理用データ405を用いて量子化処理を行う。本実施形態では、K、C、M、Y、PC、PM、CLの各色10ビットのデータを、インクの吐出または非吐出を示す、各色1ビットの2値データに変換する。
尚、本実施形態において、クリアインクを付与するためのデータは、3次元LUT402を用いた色変換処理において多値データとして生成したが、生成するタイミングはこれに限るものではない。例えば、量子化処理を行った後にクリアインクデータを生成する方法でもよい。多値データで生成することにより処理量を減らすことが可能となる一方、量子化処理時のインデックス展開によっては、カラーインクにクリアインクが重ならない画素が生じる可能性がある。これに対し、量子化後のカラーインクデータに基づいてクリアインクデータを生成することで、確実にカラーインクとクリアインクが重なるような画像データを生成することが可能となる。
次に、本実施形態におけるキャリブレーションについて説明する。ホスト装置100の入力部12を介したユーザの入力、あるいは、CPU10による処理の一環として、キャリブレーション開始命令が入力されることにより、キャリブレーションが実行される。または、インクジェット記録装置200の操作パネル22を介したユーザの入力、あるいは、CPU20aによる処理の一環として、キャリブレーション開始命令が入力されることにより、キャリブレーションが実行される。
図7は、本実施形態のキャリブレーション処理の手順を示すフローチャートである。ステップS511において、記録媒体にキャリブレーション用のカラーパッチを印刷する。ここで使用される記録媒体219は、後述のようにクリアインク層が干渉しやすいような、できるだけ平滑なものが望ましく、特に光沢紙を用いることが望まれる。
図8は、本実施形態のキャリブレーション用のパッチを示す概略図である。ここではクリアインク以外のパッチ同士が間を空けずに並んで記録されているが、間を空けていても良い。クリアインク以外のK、C、M、Y、PC、PMのパッチはインクの色ごとに横に並んでおり、また、パッチの階調を識別する数字ごとに縦に並んでいる。パッチK1〜K8はブラックインク、パッチC1〜C8はシアンインク、パッチM1〜M8はマゼンタインク、パッチY1〜Y8はイエローインク、PC1〜PC8はフォトシアンインク、PM1〜PM8はフォトマゼンタインクで記録される。また、図においてパッチを識別する1〜8の数字は、記録するパッチの濃度階調(単位面積当たりのインク記録量)の順に対応し、10ビットデータでは階調1から順に、51、102、153、205、307、512、767、1023である。すなわち各色において1が一番薄く、8は一番濃いフルベタの状態である。なお、本実施形態では各色8階調のパッチの例を示したが、本発明はこれに限るものではない。また、本実施形態では濃度階調の順にパッチが配置された例を示したが、配置はこれに限るものではない。
そして、K、C、M、Y、PC、PMの階調パッチとは独立した場所に、クリアインク(CL)のパッチが配置される。クリアインクのパッチは、黒(K)のパッチ上に形成され、他のパッチよりも大きなエリアを占めている。カラーパッチは複数階調のパッチを配置したのに対して、クリアインクのパッチは1つだけである。これは、キャリブレーションを行う際にクリアインクの吐出量制御はカラーインクの吐出量制御に比べて精度が高くないことと、後述するように、クリアインクのパッチはカラーインクのパッチとは測定原理が異なり、1パッチあたりの測定時間が長いことによる。
図9は、クリアインクのパッチを説明するための図である。図9において、記録媒体219の上に、第1の層として黒インク層901が形成され、さらにその上に第2の層としてクリアインク層902が形成されている。黒インク層901は、記録媒体の単位面積当たりに、400nmから700nmの可視光域の全域における反射率が10%以下となるように調整された量のインクが付与されたものである。
ここで、黒インク層の反射率を10%以下にすべき根拠について説明する。図10は、反射率と視認性の関係をプロットしたグラフである。このグラフから反射率が0.1、すなわち10%以下であれば、90%以上の視認性を確保することができることがわかる。この条件を満たせば、黒インク層は、黒インクを使用せずにC、M、Yのインクを用いたコンポジットブラック等で形成しても構わない。また、黒インクでなく、無彩色インクであり黒インクよりも色材濃度の低いグレーインクを用いて第1の層を形成するものであってもよい。なお、一般には記録媒体に付与できるインク量に制限があるため、黒インクを用いて形成するのが望ましい。
図9に戻り、クリアインク層は、クリアインクの屈折率を前述のようにn0としたとき、1ドットの標準吐出量q0(pl:ピコリットル)の場合に厚みd(nm)=270/n0になるようなドット数で形成する。
この単位面積当たりのドット数m(個/mm2)は下記の式8で表わされる。
m=270/(n0・q0・(1−A)・B)…(式8)
m=270/(n0・q0・(1−A)・B)…(式8)
ここで、Aは、打ち込んだクリアインク量のうち、下地(本実施例では黒インク層901)に吸収されてしまう、すなわち打ち込んでも層の形成に寄与しないクリアインク量の比率である。そして、Bは、クリアインクの樹脂比率、すなわち液体のクリアインク量に対して固体のクリアインク層として形成される体積の割合である。
一例として、n0=1.3、q0=4(pl)、A=0.2、B=0.03(3%)の場合、m≒2163(個/mm2)となる。これを、インクジェット記録装置で一般に用いられる長さの尺度であるdpi(dot per inch:1インチに付与されるドット数)の単位系に換算する。ここでは、1200dpi格子に2発のインク滴が打ち込まれるときのインク打ち込み量を100%と定義した場合に、約48%のインク打ち込み量に相当する。
再び図7を参照して、ステップS511のカラーパッチの記録後、ステップS512において、上記クリアインクパッチを形成するため、一旦搬送ローラ215および216を所定量逆回転させて記録媒体219をバックフィードする。そして、ステップS513において、黒インク層を形成する記録を行う。この黒インク層は、ステップS511のカラーパッチの記録と同時に記録しても良い。その場合、同時記録であることと、バックフィードの必要がなくなることから、処理時間が短くなる。
次に、ステップS514において、所定時間待機し、カラーパッチが色安定し、且つ黒インク層が乾燥したら、ステップS515において、再び記録媒体219をバックフィードする。そして、ステップS516において、図9のように、黒インク層の上にクリアインク層を形成する。
次に、ステップS517において、カラーインクのパッチ、および記録媒体の未記録部分(以下「紙白」)の反射強度測定を開始する。紙白の測定結果はパッチの濃度算出を行う際の基準として用いられる。そのため、紙白の測定はLEDごとに行われる。カラーインクのパッチの反射強度測定は、光学センサ221に搭載されるLED605から607のうち、濃度測定するインク色に適したLEDを点灯し、パッチ濃度を測定する測定手段としてのフォトトランジスタ603が拡散光を読み取ることにより行う。緑色LED605は、例えば、M、PMインクにより記録されたパッチ、および、記録媒体の紙白を測定する時に点灯する。青色LED606は、例えば、K、Yインクにより記録されたパッチ、および、記録媒体の紙白を測定する時に点灯する。赤色LED607は、例えば、C、PCインクにより記録されたパッチ、および、記録媒体の紙白を測定する時に点灯する。
続いて、ステップS518において、それぞれのパッチと未記録部分(白色)の双方からの出力値に基づいてパッチの濃度値を算出する。次に、ステップS519において、クリアインクのパッチを測定する。このとき、上述したカラーパッチの測定の間にクリアインク層が乾燥していなければ、クリアインクのパッチを測定する前に所定時間待機する。
クリアインクのパッチの反射強度測定は、光学センサ221に搭載されているLED605から607のすべてを順次点灯し、フォトトランジスタ604によりそれぞれのLEDからの正反射光を順次読み取ることによって行う。再び図9を参照すると、クリアインクのドットが基準値のq0=4plにぴったりであれば、光学的膜厚n0*d=270nmの2倍の540nmを中心とする、緑色の波長が干渉色として強調される。クリアインクの屈折率n0と膜厚dの目標値は、このようにn0*d=270nm±15nm、すなわち、255nm以上285nm以下となるように設定することが望ましい。これは、干渉色のばらつきの中心が3つのLEDのうち真ん中の波長であり、かつ、人間の目の感度も一番高い緑色の領域に一致するためである。
ここで、q0が4plよりも10%多い4.4plである場合、同じドット数を打ち込むと、光学的膜厚n0*dが10%増えて297nmとなり、その2倍の594nmを中心とするオレンジ色の干渉色となる。また、q0が4plよりも10%少ない3.6plである場合、同じドット数を打ち込むと、光学的膜厚n0*dが10%減って243nmとなり、その2倍の486nmを中心とする青色の干渉色となる。このようにq0のばらつきによってクリアインク層の光学的膜厚が変動し、その膜厚による干渉の影響で、緑色、青色、赤色の3色のLEDからの光の強度が変動する。図11は、その挙動を示す図である。ここで、LEDの光強度は、紙白の測定値に対して規格化したものである。なお、光源にLEDを用いているので、他の光源、例えばハロゲンランプにRGBの3色のフィルタをかけたものと比べると、波長幅が発光の段階で十分に狭い。このため、干渉光強度が高く、フィルタをかける必要も無くスペースやコスト上有利である。また、点光源に近いため、レンズ602によりほぼ平行光に制御できるのでフレア等が少なく、熱の発生も少ない等の様々な利点がある。
例えば、R:G:Bの比率が0:0.2:0.8であれば、図11からクリアインクの吐出量が約3.8plと推定される。このようにLED605から607、すなわち緑色、青色、赤色の3色のLEDを順次点灯することによって、その3色の強度比率からクリアインクの吐出量を知ることができる(ステップS520)。
次に、ステップS521において、ステップS518におけるカラーパッチの濃度値算出結果と、ステップS520におけるクリアインクの吐出量算定結果とから、前述の図6の色ずれ補正処理に用いる色ずれ補正用1次元LUT404を更新する。
カラーインクおよびクリアインクのいずれについても、以下のような手順で色ずれ補正用1次元LUTを決定する。まず、予め複数の吐出量範囲に応じた吐出量ランクを定義し、各吐出量ランクに対応した色ずれ補正用1次元LUTをRAM20bに格納しておく。例えば標準吐出量が4plで製造誤差が±0.5plの場合、吐出量ランクを1〜5として下記のように振り分ける。
吐出量ランク1:吐出量3.5〜3.7pl(中心値3.6pl)
吐出量ランク2:吐出量3.7〜3.9pl(中心値3.8pl)
吐出量ランク3:吐出量3.9〜4.1pl(中心値4.0pl)
吐出量ランク4:吐出量4.1〜4.3pl(中心値4.2pl)
吐出量ランク5:吐出量4.3〜4.5pl(中心値4.4pl)
吐出量ランク1:吐出量3.5〜3.7pl(中心値3.6pl)
吐出量ランク2:吐出量3.7〜3.9pl(中心値3.8pl)
吐出量ランク3:吐出量3.9〜4.1pl(中心値4.0pl)
吐出量ランク4:吐出量4.1〜4.3pl(中心値4.2pl)
吐出量ランク5:吐出量4.3〜4.5pl(中心値4.4pl)
この場合、これら各ランクの上記の中心値の吐出量に適した5つの色ずれ補正用1次元LUTを予めRAM20bに格納しておく。この色ずれ補正用1次元LUTは、入力値に対して単位面積当たりに打ち込むインク滴の数が定められたテーブルである。ステップS521では、ステップS519およびステップS520で測定および算出した吐出量が含まれる吐出量ランクに基づいて、複数の色ずれ補正用1次元LUTの中から1つを決定し、更新する。このように、このステップS521で決定した色ずれ補正用1次元LUTを、図6の色ずれ補正処理で用いることにより、各色の吐出量ばらつきに対応したインクの付与量を決定することができる。尚、上述した例では予め用意した複数の色ずれ補正用1次元LUTの中から1つを選んだが、複数の色ずれ補正用1次元LUTの候補のうちの少なくとも1つに基づいて、新たに色ずれ補正用1次元LUTを生成する形態であってもよい。
以上のように、本実施形態では、記録媒体上に黒インク層を形成し、さらに黒インク層の上にクリアインク層を形成したパッチを測定する。そして、パッチの測定結果に基づいてクリアインクの吐出量を推定することで、クリアインクの吐出量ばらつきに対するインク打ち込み数を変更する。このような方法により、クリアインクでもカラーインクと同様に精度の高いキャリブレーションを行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、第2の層であるクリアインク層の下に、第1の層として黒インクを用いた黒インク層を形成したパッチの例を示したが、本発明はこれに限るものではない。前述のように、第1の層の反射率が0.1以下、すなわち10%以下であればよく、これを満たしているものであれば視認性を確保できるため、黒色、すなわち無彩色でなくてもよい。例えば、濃い青色のような有彩色であってもよい。また、無彩色の色材ではなく有彩色の色材を用いて無彩色を表現したものであってもよい。この場合、有彩色の色調が干渉色の色となるべく異なることが視認性の低下を招かないので望ましい。さらに、下地層は、反射率10%以下ではなく、明度L*が37.8以下のものであってもよい。CIE−LAB空間の表記では、反射率10%は、明度L*≒37.8に相当する。このため、反射率10%以下という条件の替わりに、CIE−LAB空間の明度L*が37.8以下であれば視認性が確保できると言うことができる。
また、本実施形態では、色空間変換前処理をホスト装置100で行い、その後の画像処理を記録装置200で行うが、これに限るものではない。例えば、画像処理全体をホスト100で行ってもよく、また、画像処理全体を記録装置200で行うものであってもよい。また、ホスト装置100で画像処理の一部を行い、その他の画像処理を記録装置200で行うものであってもよい。また、キャリブレーション処理を行うためのプログラムを格納する場所に制限はなく、ホスト装置100および記録装置200のいずれの装置に格納してもよい。本実施形態では記録装置200において色ずれ補正用1次元LUT404を決定する例を示したが、記録装置200で記録したパッチの測定結果をホスト装置100に転送し、ホスト装置に100において色ずれ補正用1次元LUT404を決定する構成でもよい。
(第2の実施形態)
前述した第1の実施形態は、光学センサでクリアインクの干渉光のRGBの色の強度比率を検出していたが、十分な視認性があったとしても干渉光自体が非常に微弱な場合があり、光学センサではS/N等の問題で十分な精度で検出できないことがある。そのような場合の対応として、本実施形態では、第1の実施形態の図7に代えて、図13に示すフローによりユーザが目視で干渉色を見ることによってキャリブレーションを行う。尚、クリアインク層の下に黒インク層を形成したパッチを記録する構成や、黒インク層の反射率が10%以下もしくは明度L*が37.8以下である構成などは、第1の実施形態と同様である。
前述した第1の実施形態は、光学センサでクリアインクの干渉光のRGBの色の強度比率を検出していたが、十分な視認性があったとしても干渉光自体が非常に微弱な場合があり、光学センサではS/N等の問題で十分な精度で検出できないことがある。そのような場合の対応として、本実施形態では、第1の実施形態の図7に代えて、図13に示すフローによりユーザが目視で干渉色を見ることによってキャリブレーションを行う。尚、クリアインク層の下に黒インク層を形成したパッチを記録する構成や、黒インク層の反射率が10%以下もしくは明度L*が37.8以下である構成などは、第1の実施形態と同様である。
ここで、クリアインクの補正処理に関しては第1の実施形態と同様に、予め複数の吐出量ランクを定義し、それらに応じた複数の色ずれ補正用1次元LUTを用意しておく。このフローにおいてレファランスシートというものを使用するので説明する。図14は、レファランスシートを示す図である。第1の実施形態で説明したように、クリアインクのパッチが呈する干渉色は記録ヘッドのインク吐出量に依存するため、予め各吐出量ランクの中心値において計算される干渉色とそれに対応する吐出量ランクの値を対応させてある。例えば、干渉色が青色であった場合は吐出量ランク1、干渉色が緑色であった場合は吐出量ランク3である。
図13において、ステップS518までは第1の実施形態の図7と同じであるため、ここでの説明は省略する。ステップS518のカラーパッチの測定後、ステップS522において、クリアインクパッチを目視観察するために、記録媒体をバックフィード等して、ユーザがクリアインクのパッチを目視し易い位置まで移動する。次に、ステップS523において、操作パネル22上に、ユーザに、パッチを観察してその干渉色から吐出量ランクを入力するように促すメッセージを表示する。例えば、「クリアインクパッチの干渉色を観察して下さい。レファランスシート上でその干渉色に最も近い色の吐出量ランク値を選び、その吐出量ランク値を入力してください。」と表示する。ユーザはそのメッセージに従って、クリアインクパッチとレファランスシートを目視で比較し、レファランスシートに対応する吐出量ランク値を操作パネル22を用いて入力する。ステップS524において、記録装置200はその入力された吐出量ランク値を取得し、ステップS521において、その結果選択されるクリアインクの色ずれ補正用LUTが決定され、更新される。このようにして、光学センサでの検出が困難な微弱な光の場合であっても、ユーザによる目視と入力により、クリアインクのキャリブレーションが可能になる。
(その他の実施形態)
前述の実施形態では、クリアインク層の干渉色の測定に3色のLEDを用いているが、回折格子などを用いた分光的なデバイスで検出することもでき、そのデバイスの性能によっては、より精度が高くできる可能性がある。また、前述の実施形態では、クリアインクの測定は1つのパッチのみを使い、補正は5つの吐出量ランクに振り分けているが、クリアインク層の厚さの異なる複数のパッチを使う事も可能である。この場合、下地の黒インク層は、第1の実施形態と同じように反射率が十分に低くなるように形成し、その上のクリアインク層の打込み量を異ならせて複数のパッチを形成する。これらの複数のパッチ間で呈する干渉色が異なるため、図11に示した吐出量とLEDのRGB出力比率との相関はパッチ毎に計算しておく必要がある。複数のパッチを用いることにより、クリアインクの複数の階調に対して補正が可能になるため、より高い精度でクリアインクのキャリブレーションを行うことが可能となる。また、第1および第2の実施形態では、キャリブレーションのために色ずれ補正LUTを更新したが、出力γ処理のLUTを直接変更してもよい。あるいは、記録ヘッドの駆動条件を変更して、インク吐出量そのものを補正してもよい。
前述の実施形態では、クリアインク層の干渉色の測定に3色のLEDを用いているが、回折格子などを用いた分光的なデバイスで検出することもでき、そのデバイスの性能によっては、より精度が高くできる可能性がある。また、前述の実施形態では、クリアインクの測定は1つのパッチのみを使い、補正は5つの吐出量ランクに振り分けているが、クリアインク層の厚さの異なる複数のパッチを使う事も可能である。この場合、下地の黒インク層は、第1の実施形態と同じように反射率が十分に低くなるように形成し、その上のクリアインク層の打込み量を異ならせて複数のパッチを形成する。これらの複数のパッチ間で呈する干渉色が異なるため、図11に示した吐出量とLEDのRGB出力比率との相関はパッチ毎に計算しておく必要がある。複数のパッチを用いることにより、クリアインクの複数の階調に対して補正が可能になるため、より高い精度でクリアインクのキャリブレーションを行うことが可能となる。また、第1および第2の実施形態では、キャリブレーションのために色ずれ補正LUTを更新したが、出力γ処理のLUTを直接変更してもよい。あるいは、記録ヘッドの駆動条件を変更して、インク吐出量そのものを補正してもよい。
100 ホスト装置
200 記録装置
219 記録媒体
901 黒インク層
902 クリアインク層
200 記録装置
219 記録媒体
901 黒インク層
902 クリアインク層
Claims (28)
- 色材を含む第1のインクを吐出するための吐出口および色材を含まない第2のインクを吐出するための吐出口を備える記録ヘッドを用いて記録媒体上に画像を記録するためのデータを処理する画像処理装置であって、
前記記録媒体上に記録されたパッチであって、前記前記第1のインクを用いて形成された第1の層と、前記第1のインクを用いずに前記第2のインクを用いて前記第1の層の上に形成された第2の層と、を備える前記パッチを測定した測定結果を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記測定結果に基づいて、前記第2のインクを付与するためのデータを補正するための補正データを決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された前記補正データを用いて、前記第2のインクを付与するためのデータを補正する補正手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記測定結果は、前記記録ヘッドからの吐出量ランクに対応し、
前記決定手段は、予め用意された複数の吐出量ランクにそれぞれ対応する複数のテーブルの中から、前記測定結果に基づく吐出量ランクに対応するテーブルを前記補正データとして決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 色材を含む第1のインクを吐出するための吐出口および色材を含まない第2のインクを吐出するための吐出口を備える記録ヘッドを用いて記録媒体上に画像を記録するためのデータを処理する画像処理装置であって、
前記記録媒体上に記録されたパッチであって、前記前記第1のインクを用いて形成された第1の層と、前記第1のインクを用いずに前記第2のインクを用いて前記第1の層の上に形成された第2の層と、を備える前記パッチを測定した測定結果を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記測定結果に基づいて、前記第2のインクの付与量を定めたデータを生成する生成手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記生成手段は、前記測定結果に基づいて前記第2のインクの付与量を定めたテーブルを決定し、決定された前記テーブルを用いて、入力される画像データから前記第2のインクの付与量を定めたデータを生成することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
- 前記第1の層は、反射率が10%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記第1の層は、CIE−LAB空間における明度が37.8以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記第1のインクは、無彩色のインクであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記第2のインクの屈折率と前記第2の層の膜厚との積が、255nm以上285nm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記取得手段は、光学センサを用いて前記パッチの反射強度を測定することにより前記測定結果を取得することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記光学センサは、前記記録媒体を反射面として、光源と受光素子が正反射の位置にあることを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
- 前記光学センサは、波長の異なる複数の光源を備え、前記測定結果は、各光源からの反射強度に基づいて取得されることを特徴とする請求項9または10に記載の画像処理装置。
- 前記第2の層は、前記第2のインクのみを用いて形成されることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記測定結果は、前記パッチの干渉色を測定した値であることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記記録ヘッドを用いて前記パッチを記録する記録手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 色材を含む第1のインクを吐出するための吐出口および色材を含まない第2のインクを吐出するための吐出口を備える記録ヘッドを用いて記録媒体上に画像を記録するための画像データを処理する画像処理装置であって、
前記記録媒体上に記録されたパッチであって、前記前記第1のインクを用いて形成された第1の層と、前記第1のインクを用いずに前記第2のインクを用いて前記第1の層の上に形成された第2の層と、を備える前記パッチに関する情報をユーザから取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記情報に基づいて、前記第2のインクを付与するための補正データを決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された前記補正データを用いて、前記第2のインクを付与するためのデータを補正する補正手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記情報は、前記記録ヘッドからの吐出量ランクに対応し、
前記決定手段は、予め用意された複数の吐出量ランクにそれぞれ対応する複数のテーブルの中から、前記情報に基づく吐出量ランクに対応するテーブルを前記補正データとして決定することを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。 - 色材を含む第1のインクを吐出するための吐出口および色材を含まない第2のインクを吐出するための吐出口を備える記録ヘッドを用いて記録媒体上に画像を記録するための画像データを処理する画像処理装置であって、
前記記録媒体上に記録されたパッチであって、前記前記第1のインクを用いて形成された第1の層と、前記第1のインクを用いずに前記第2のインクを用いて前記第1の層の上に形成された第2の層と、を備える前記パッチに関する情報をユーザから取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記情報と入力される画像データとに基づいて、前記第2のインクの付与量を定めたデータを生成する生成手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記生成手段は、前記情報に基づいて前記第2のインクの付与量を定めたテーブルを決定し、決定された前記テーブルを用いて、入力される画像データから前記第2のインクの付与量を定めたデータを生成することを特徴とする請求項17に記載の画像処理装置。
- 前記第1の層は、反射率が10%以下であることを特徴とする請求項15から18のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記第1の層は、CIE−LAB空間における明度が37.8以下であることを特徴とする請求項15から18のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記第1のインクは、無彩色のインクであることを特徴とする請求項15から20のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記第2のインクの屈折率と前記第2の層の膜厚との積が、255nm以上285nm以下であることを特徴とする請求項15から21のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記情報は、前記パッチをユーザが目視した干渉色に関する情報であることを特徴とする請求項15から22のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記情報は、前記パッチと比較するためのレファランスシートに対応する情報であることを特徴とする請求項15から23のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記レファランスシートを表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項24に記載の画像処理装置。
- 色材を含む第1のインクを吐出するための吐出口および色材を含まない第2のインクを吐出するための吐出口を備える記録ヘッドを用いて記録媒体上に画像を記録するためのデータを処理する画像処理方法であって、
前記記録媒体上に記録されたパッチであって、前記前記第1のインクを用いて形成された第1の層と、前記第1のインクを用いずに前記第2のインクを用いて前記第1の層の上に形成された第2の層と、を備える前記パッチを測定した測定結果を取得する取得工程と、
前記取得工程において取得された前記測定結果に基づいて、前記第2のインクを付与するためのデータを補正するための補正データを決定する決定工程と、
前記決定工程において決定された前記補正データを用いて、前記第2のインクを付与するためのデータを補正する補正工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。 - 色材を含む第1のインクを吐出するための吐出口および色材を含まない第2のインクを吐出するための吐出口を備える記録ヘッドを用いて記録媒体上に画像を記録するための画像データを処理する画像処理方法であって、
前記記録媒体上に記録されたパッチであって、前記前記第1のインクを用いて形成された第1の層と、前記第1のインクを用いずに前記第2のインクを用いて前記第1の層の上に形成された第2の層と、を備える前記パッチを測定した測定結果を取得する取得工程と、
前記取得工程において取得された前記測定結果に基づいて、前記第2のインクの付与量を定めたデータを生成する生成工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。 - 請求項26または27のいずれかに記載の画像処理方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
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JP2016116293A JP2017217891A (ja) | 2016-06-10 | 2016-06-10 | 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム |
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JP2020049855A (ja) * | 2018-09-27 | 2020-04-02 | 株式会社リコー | 画像処理装置及びプログラム |
US11124005B2 (en) | 2019-02-05 | 2021-09-21 | Canon Kabushiki Kaisha | Image recording apparatus, information processing method, and storage medium |
JP7388953B2 (ja) | 2020-03-05 | 2023-11-30 | ローランドディー.ジー.株式会社 | インクの色濃度調整方法およびプリンタシステム |
-
2016
- 2016-06-10 JP JP2016116293A patent/JP2017217891A/ja active Pending
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