JP2008302521A - 記録装置、記録方法および濃度補正方法 - Google Patents
記録装置、記録方法および濃度補正方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】高精度かつ高効率なキャリブレーションを実施することができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】複数の色材を用いて画像を形成するための記録ヘッドと、画像の濃度を読取るための濃度測定手段とを備える。記録ヘッドを用いて複数のパッチが配列されたパターンを記録し、前記パターンにおける濃度を前記濃度測定手段で読取ることにより、キャリブレーションを行う。このとき、濃度が安定しにくいインクによりパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、濃度が安定しやすいインクよりも長くなるように記録、濃度測定を制御する。
【選択図】図9
【解決手段】複数の色材を用いて画像を形成するための記録ヘッドと、画像の濃度を読取るための濃度測定手段とを備える。記録ヘッドを用いて複数のパッチが配列されたパターンを記録し、前記パターンにおける濃度を前記濃度測定手段で読取ることにより、キャリブレーションを行う。このとき、濃度が安定しにくいインクによりパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、濃度が安定しやすいインクよりも長くなるように記録、濃度測定を制御する。
【選択図】図9
Description
本発明は、記録装置および記録方法に関し、特に、記録媒体に記録した画像の色を較正する較正処理機能を備えた記録装置、記録方法および濃度測定方法に関するものである。
従来、紙など各種の記録媒体に対して画像の記録を行う出力機器の1つとして、インクジェット方式の記録装置が知られている。インクジェット記録装置では、近年比較的高画質な画像の出力が行われるようになり、個人の利用のためのみならず、記録物の生産財としての役割も担うようになってきている。このため、記録装置により記録される画像品位だけでなく記録画像の再現性に対する要求も年々高くなっており、記録画像の僅かな色調の違いや僅かな濃度ムラに対しても改善が求められている。
インクジェット記録装置における色調の違いが生じる原因として、記録ヘッドの吐出特性の違いがあげられる。インクジェット記録装置では、一般にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の色材(インク)それぞれの単位面積あたりに付与する量(記録比率)を変えることによってフルカラー画像の記録を行う。各色のインクを吐出する記録ヘッドには個体差があり吐出特性がそれぞれ僅かに異なるので、その記録ヘッドを備える記録装置を用いて記録された画像は、全ての記録装置において同じ記録特性(反射濃度や明度、彩度、色相など)とならない可能性がある。つまり、標準的な吐出特性を有する記録ヘッドと同じように画像を記録したときに、どの記録装置においても記録特性のバランスが適正になっているとは限らない。
記録ヘッドの吐出特性が異なる要因として、インクを吐出させる発熱ヒータの発熱量(膜厚)のばらつきや、インクを吐出するノズル(吐出口)の口径のばらつきなどがあげられる。これらの原因により、記録ヘッドごとのインク吐出量に個体差が生じてしまう。記録ヘッドから吐出されるインク吐出量が想定と異なることにより、記録媒体に形成された画像の記録特性が意図した特性を得られないことがある。さらに、インクの色ごとに異なる記録ヘッドを用いている場合には、この個体差により各カラー記録部分の色ずれ(濃度ずれ)が生じる可能性があり、この色ずれにより所望の画像品質が得られないおそれがある。また、経年変化による発熱ヒータの発熱量の変動や、使用環境の違いによるインクの粘性の変動により、インク吐出量に差が生じ、記録媒体に形成された記録特性に変化が生じることも考えられる。
以上のような記録ヘッド毎の吐出特性の違いや経年変化は、ヘッド構造に起因する場合もあるが、インク吐出量の差を無くすように記録ヘッドを製造することは困難である。このため、従来より記録ヘッドの吐出特性に起因する色調の違いを補正するために、γ補正などをはじめとする種々の色ずれを補正する機能や、補正量を最適化するためのキャリブレーション機能が記録装置に設けられている。
キャリブレーション機能とは、記録媒体に所定のパターン(カラーパッチ)を記録し、カラーパッチのデータの値(期待値)と記録結果により得られる値との色ずれを検出し、色ずれが低減するように色の補正量を最適化するものである。この色ずれを検出する方法として、記録したパターンをスキャナなどの入力機器を用いて検出する方法と、目視によって検出(検査)する方法がある。
スキャナなどの入力機器を用いる方法では、まず、C,M,Y,Kの色材毎にパターンを記録し、それぞれのパターンをスキャナや測色計、濃度計などで読み取る。そして、読み取り値とパターンの期待値とのずれを検出し、そのずれに基づいてγ値などの値を変更することにより色味を補正する方法が知られている(特許文献1参照)。この色ずれを検出するためのパターンとしては、C,M,Y,Kのべたパターンとグラデーションパターンを記録することでキャリブレーション精度を向上させる方法がある。また、C,M,Y,Kをそれぞれ組み合わせた2次色、3次色のパターンを記録することでキャリブレーション精度を向上させる方法がある。
また、目視による方法では、C,M,Yの3色材を混ぜ合わせた3次色のパターンを記録し、このパターンから色ずれを検査する方法が知られている。この方法では、無彩色になると予測される比率で混合されたC,M,Yの3次色によって形成される記録パターンを中心に記録し、さらに、各色材の付与量を僅かずつ変えた略灰色のパターンを複数記録する。そして、複数のパターンの中から最も無彩色に近いパターンを目視で選択することにより、C,M,Yそれぞれの色材の記録特性を検査する(特許文献2参照)。
ここで、スキャナなどの入力機器を用いる方法は、記録装置の一般的な使用環境を考慮した場合、ユーザなどが入力機器を所持していることが前提となる。しかしながら、全てのユーザが必ずしも入力機器を所持しているとは限らず、また、入力機器によって取得できる色データの形式や画素数などの能力が異なる。
これに対し、目視による方法では、入力機器を必要としないため、特別な機器を有さない場合であっても、色ずれ検出を行うことができる。しかしながら、C,M,Yそれぞれの付与量を僅かに変えた複数のパッチの中から無彩色に最も近いパッチを選び出すことは困難である。さらに目視である以上、ユーザ個人の主観が入り込むことを完全に排除することはできない。また、目視による較正作業はユーザに身体的な負荷を与えることにもなる。
これに対し、プリンタ本体側(キャリッジ)にパターンを読取るためのスキャナもしくは光センサを設け、記録したパターンの濃度測定をプリンタ本体内で実行し、色ずれの補正(キャリブレーション)を自動で行う方法が知られている(特許文献3参照)。このプリンタでは、画像を読み取るスキャナヘッドを複数のインク色の記録ヘッドとともにキャリッジに搭載している。そして、キャリブレーション指示に応じて、記録ヘッドにより記録媒体上にパターンを記録して、そのパターンの濃度測定を行い、各インク色の各階調の濃度の目標値と測定値との濃度差を算出する。これにより、各インク色の各階調の濃度補正値を求めている。
この方法では、テストパターンを記録した後、その記録用紙を排出することなく、そのままスキャナヘッドでテストパターンの各部の濃度を読み取ることができる。よって、スキャナ等の入力装置を別途用意せずに高精度な色ずれ補正を行うことができる。また、目視による方法のようなユーザへの身体的負荷も生じない。
上述したキャリブレーション方法では、いずれの方法でも十分な精度を得るためにはインクの濃度が十分に安定した状態でパッチの濃度測定を行う必要がある。しかしながら、記録直後のインクは一般に不安定であり、安定するまでに濃度変動が起こる。そのため、インクが安定し、濃度が安定するまでにある程度の時間を要することがある。
図1は、記録したパッチの濃度が記録直後からの時間経過に応じて変化する様子を示す図である。インクの種類や組成によってインクの濃度安定性(インクが安定するまでの時間で示すことが可能である)は様々である。図1において、インクAは濃度が安定まで長時間を要するインクであり、インクBは短時間で濃度が安定するインクである。
一般的な自動キャリブレーションプロセスでは、キャリッジの主走査方向には同一インクのカラーパッチを記録し、副走査方向への記録媒体の搬送後にインクの種類を変更してカラーパッチを記録する。キャリブレーションを行うインクの種類にあわせて、カラーパッチの記録と記録媒体の搬送を繰り返し、全ての記録終了後に、記録媒体を逆方向に搬送して最後の記録したカラーパッチから順次濃度測定を行う。そのため、カラーパッチの副走査方向における記録位置によって記録されてから濃度測定されるまでの時間(インクの乾燥時間)に差が生じる。
そのため、濃度安定化の速いインクによるパッチが濃度安定化の遅いインクによるパッチよりも先に記録された場合には、濃度安定化の遅いインクによるパッチから先に濃度測定が行われ、その後で濃度安定化の速いインクによるパッチの濃度測定が行われる。その結果、濃度安定化の遅いインクによるカラーパッチにおいては十分に乾燥する前の濃度変動が生じているときに濃度測定が行われてしまう恐れがあった。また、濃度安定化の遅いインクによるパッチの濃度変動が収まるまで乾燥時間を設けた場合には、安定化の速いインクによるパッチは記録後に濃度測定されるまでの時間が実際に必要な乾燥時間以上となり、キャリブレーション処理に要する時間が多くなってしまう。このように、濃度安定化の状況を考慮せずにキャリブレーション処理を行った場合には、キャリブレーション精度の低下や、非効率なキャリブレーション処理が実施されることがあった。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、高精度かつ高効率なキャリブレーションを実施することができる記録装置および記録方法、濃度補正方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、複数のインクを吐出する記録ヘッドを用い、画像データに基づいて記録する記録装置において、前記記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体にパターンを記録する記録手段と、前記記録媒体に記録されたパターンの濃度を測定する測定手段と、前記複数のインクのうち記録媒体に記録されてから相対的に濃度が安定しにくいインクのパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、相対的に濃度が安定しやすいインクの前記時間よりも長くなるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、複数のインクを吐出する記録ヘッドを用い、画像データに基づいて記録する記録方法において、前記記録媒体にパターンを記録する記録工程と、前記記録媒体に記録されたパターンの濃度を測定する測定工程と、前記複数のインクのうち記録媒体に記録されてから相対的に濃度が安定しにくいインクのパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、相対的に濃度が安定しやすいインクの前記時間よりも長くなるように制御する制御工程と、を有することを特徴とする。
さらに、本発明は、複数のインクを吐出する記録ヘッドにより記録される画像の濃度を補正する濃度補正方法において、記録媒体にパターンを記録する記録工程と、前記記録媒体に記録されたパターンの濃度を測定する測定工程と、測定した前記パターンの濃度に基づいて、前記記録ヘッドによる記録のための記録データを生成するときに用いられるパラメータを補正する補正工程と、前記複数のインクのうち記録媒体に記録されてから相対的に濃度が安定しにくいインクのパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、相対的に濃度が安定しやすいインクの前記時間よりも長くなるように制御する制御工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、複数のインクを吐出する記録ヘッドを用い、画像データに基づいて記録する記録装置において、前記記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体にパターンを記録する記録手段と、前記記録媒体に記録されたパターンの濃度を測定する測定手段と、前記複数のインクのうち、記録された画像への影響度が相対的に大きいインクのパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、前記影響度が相対的に小さいインクの前記時間よりも長くなるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
さらに、本発明は、複数のインクを吐出する記録ヘッドを用い、画像データに基づいて記録する記録方法において、記録媒体にパターンを記録する記録工程と、前記記録媒体に記録されたパターンの濃度を測定する測定工程と、前記複数のインクのうち、記録された画像への影響度が相対的に大きいインクのパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、前記影響度が相対的に小さいインクの前記時間よりも長くなるように制御する制御工程と、を有することを特徴とする。
さらにまた、本発明は、複数のインクを吐出する記録ヘッドにより記録される画像の濃度を補正する濃度補正方法において、記録媒体にパターンを記録する記録工程と、前記記録媒体に記録されたパターンの濃度を測定する測定工程と、測定した前記パターンの濃度に基づいて、前記記録ヘッドによる記録のための記録データを生成するときに用いられるパラメータを補正する補正工程と、前記複数のインクのうち、記録された画像への影響度が相対的に大きいインクのパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、前記影響度が相対的に小さいインクの前記時間よりも長くなるように制御する制御工程と、を有することを特徴とする。
記録したパターンを読み取ってキャリブレーションを行うときに、インクの濃度安定性に応じてパターンの形成、読み取りを行うので、高精度かつ高効率なキャリブレーションを実施することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図2は本発明を適用可能な記録システムの構成を示すブロック図である。ホスト装置100は情報処理装置であり、例えばパーソナルコンピュータとして実現されるものである。ホスト装置100は、CPU10、メモリ11、外部記憶部13、キーボードやマウス等の入力部12、プリンタ200と通信するためのインターフェース14を備えている。CPU10は、メモリ11に格納されたプログラムに従い、種々の処理を実行するものである。これらのプログラムは、記憶部13が記憶するためにCD−ROMなどの外部装置から供給されたり、予め記憶部13に記憶されている。
(第1の実施形態)
図2は本発明を適用可能な記録システムの構成を示すブロック図である。ホスト装置100は情報処理装置であり、例えばパーソナルコンピュータとして実現されるものである。ホスト装置100は、CPU10、メモリ11、外部記憶部13、キーボードやマウス等の入力部12、プリンタ200と通信するためのインターフェース14を備えている。CPU10は、メモリ11に格納されたプログラムに従い、種々の処理を実行するものである。これらのプログラムは、記憶部13が記憶するためにCD−ROMなどの外部装置から供給されたり、予め記憶部13に記憶されている。
ホスト装置100はインターフェースを介して記録装置としてのプリンタ200と接続されており、後述する画像処理工程におけるR′,G′,B′で表される記録データと、その後の画像処理用のテーブルをプリンタ200に送信する。
プリンタ200は、送信された画像処理情報を基に、特に後述の色処理、量子化処理等の画像処理や、本実施形態に関する記録特性の補正処理を実行する。また、画像処理を施した記録データの記録を行うことができる。
図3は、上述したプリンタ200の機械的構成を示す概略斜視図である。図3において、記録用紙やプラスチックシート等の記録媒体1は、カセット等に複数枚が積層されることにより、記録時には給紙ローラ(不図示)によって1枚ずつ分離されて供給される。そして、給紙された記録媒体は、一定間隔を隔てて配置される第1搬送ローラ3および第2搬送ローラ4により、記録ヘッドの走査に応じたタイミングで矢印A方向(搬送方向、副走査方向とも称する)に所定量ずつ搬送される。なお、第1搬送ローラ3は、ステッピングモータ(不図示)によって駆動される駆動ローラと駆動ローラの回転にともなって回転する従動ローラの1対のローラからなり、同様に、第2搬送ローラも1対のローラからなる。なお、プリンタ(記録装置)200では、カセットに積層された所定の大きさにカットされた記録媒体以外に、ロール状の記録媒体に記録することも可能である。
記録ヘッド5は、YMCK各色のインクを吐出して記録を行なうインクジェット方式の記録ヘッド5a、5b、5cおよび5dを供えている。記録ヘッド5には、不図示のインクカートリッジからインクが供給される。そして、記録ヘッド5は、吐出信号に応じて駆動されることによりインク吐出口より各色のインクを吐出する。すなわち、記録ヘッド5aから5dのインクを吐出するそれぞれの吐出口(ノズル)内には、電気熱変換素子(ヒーター)が設けられている。そして、吐出信号に応じた電気熱変換素子の駆動により発生する熱エネルギーを利用してインクに気泡を発生させ、この気泡の圧力によってインクを吐出する。この記録ヘッド5およびインクカートリッジはキャリッジ6に搭載されている。キャリッジ6にはベルト7およびプーリ8a,8bを介してキャリッジモータ23の駆動力が伝達され、これにより、キャリッジ6はガイドシャフト9に沿って往復運動でき、記録ヘッド5の主走査方向への走査を行うことが可能となる。また、キャリッジ6の側面には多目的センサ102が搭載されている。
以上の構成において、記録ヘッド5は、矢印B方向に往復走査しながら吐出信号に応じて記録ヘッドからインクを吐出することで、記録媒体1上にインクのドットを形成して記録を行うことができる。記録ヘッド5は、必要に応じてホームポジションに移動し、ホームポジション位置に設けられた吐出回復装置による回復動作を行うことにより、吐出口の目詰まり等による吐出不良の状態から回復する。記録ヘッド5による記録走査(インクを吐出しながらの走査)の後、搬送ローラ対3,4が駆動されて記録媒体1は矢印A方向に所定量搬送される。この記録ヘッド5の記録走査と記録媒体の搬送動作とを交互に繰り返すことにより、記録媒体1に画像等の記録を行うことができる。
図4は、上述したプリンタ200の制御構成を示すブロック図である。この制御系の制御部20は、図4に示すように、マイクロプロセッサ等のCPU20a、ROM20cおよびRAM20b等をメモリとして備えている。ROM20cは、CPU20aの制御プログラムや記録動作に必要なパラメータなどの各種データを格納している。RAM20bは、CPU20aのワークエリアとして使用されると共に、ホスト装置から受信した画像データや生成した記録データなどの各種データの一時保管等を行う。また、ROM20cには図5にて説明するLUT(ルックアップテーブル)が、RAM20bにはパッチを記録するためのパッチデータがそれぞれ格納されている。なお、LUTはRAM20bに格納してもよく、同様に、パッチデータはROM20cに格納してもよい。
この制御部20は、インターフェース21を介してホスト100との間で画像データ等の記録に用いられるデータ、パラメータを入出力する処理や、操作パネル22から各種情報(例えば文字ピッチ、文字種類等)を入力する処理を行う。また、制御部20は、インターフェース21を介して各モータ23〜26を駆動させるためのON,OFF信号を出力する。さらに、吐出信号等をドライバ28に出力して記録ヘッドにおけるインク吐出のための駆動を制御する。
また、この制御系は、インターフェース21、操作パネル22、ドライバ27および28を有している。ドライバ27は、CPU20aからの指示に従ってキャリッジ駆動用のモータ23、給紙ローラ駆動用のモータ24、第1搬送ローラ対駆動用のモータ25、第2搬送ローラ対駆動用のモータ26を駆動する。ドライバ28は記録ヘッド5それぞれを駆動する。
次に、プリンタ200で用いる記録データを、ホスト装置100とプリンタ200で生成するための画像処理について説明する。
図5は、本実施形態の画像処理の構成を示すブロック図である。本実施形態の画像処理では、レッド(R),グリーン(G),ブルー(B)各色8ビット(それぞれ256階調)の画像データ(輝度データ)が入力される。そして、最終的にシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)各色1ビット、または2ビット、あるいは4ビットのビットイメージデータ(記録データ)として出力する処理を行う。なお、色の種類や、色の階調はこの値に限るものではない。
まず、ホスト装置100において、3次元のLUT401を用いてR,G,B各色8ビットの輝度データはR′,G′,B′各色8ビットまたは10ビットのデータに変換される。この色空間変換前処理(前段色処理とも称する)は、R,G,Bの輝度データが表わす入力画像の色空間とプリンタ200で再現可能な色空間の差を補正するために行なわれる。
前段色処理を施されたR′,G′,B′各色のデータは、プリンタ200に送信される。プリンタ200は、3次元LUT402を用いてホスト装置より受信した前段色処理を施されたR′,G′,B′各色のデータをC,M,Y,K各色10ビットのデータに変換する。この色変換処理(後段処理とも称する)は、輝度信号で表現される入力系のRGB系データを、濃度信号で表現するための出力系のCMYK系データに色変換するために行なわれる。入力データはディスプレイなど発光体の加法混色の3原色(RGB)で作成されている場合が多く、一方、プリンタなどでは光の反射で色を表現する減法混色の3原色(CMY)が用いられているため、このような色変換処理が行なわれる。
なお、上述した前段色処理や後段色処理に用いられる3次元LUTは、各色の組み合わせによって表わされる、例えば3次元空間上の点のうち所定間隔にある点(代表点)に対するデータのみが用意されている。各色10ビットのデータの組み合わせ全てに対応してテーブルデータを用意すると3次元LUTの容量が大きくなってしまうため、必要となるメモリ容量を節約するために代表点に対応するデータが用意されている。従って、所定間隔にある代表点以外の点の10ビットデータへの変換は、補間処理を用いて行われる。なお、この補間処理は公知の技術により行なわれている。
次に、後段色処理が施されたC,M,Y,K各色10ビットのデータは、それぞれの色の1次元LUT403により出力γ補正が行なわれる。通常、記録媒体の単位面積当たりに記録されるドットの数と、記録された画像を測定して得られる反射濃度などの記録特性は、線形関係にならない。そのため、C,M,Y,K各10ビットの入力階調レベルとそれによって記録される画像の濃度レベルが線形関係となるように、C,M,Y,K各10ビットの入力階調レベルを補正する出力γ補正処理が行なわれる。
一般に、出力γ補正テーブル(1次元LUT403)は、標準的な記録特性を示す記録ヘッド用に作成されたものが用いられることが多い。しかし、前述したように、記録ヘッドには吐出特性に関して個体差があるため、標準的な吐出特性を示す記録ヘッドを用いた記録装置による記録特性を補正する出力γ補正テーブルだけでは、全ての記録装置に対して適切な出力結果を得ることができない。
このため、一般的には、出力γ補正が施されたC,M,Y,K各色10ビットのデータについて、それぞれの色の色ずれ補正用1次元LUT404によって色ずれ補正出力γ補正が施される。すなわち、C,M,Y3色の記録特性の組み合わせによって生ずる色ずれに関する情報を取得して、その情報に基づいて最適な色ずれ補正用1次元LUT404を用いるよう設定し、設定されたLUTによって色ずれ出力γ補正補正を行う。
例えば、記録ヘッドのC,M,Yの吐出特性のバランスが、標準的な吐出特性を示す記録ヘッドのバランスと比較して、Cの色材を吐出する記録ヘッドの吐出特性が大きくなる場合がある。このとき、それぞれ補正値が異なる複数の色ずれ補正用1次元LUT404のうち、C成分の出力値が入力値に対して低めの値となるような1次元LUTテーブルを選択、設定する。これにより、この色ずれ補正用の出力γ補正により、Cの色材が多めに付与される記録ヘッドを用いても、標準的な記録特性を示す記録ヘッドと同じ色味が再現されるようにCの色材を吐出するための出力値が小さめになる補正がなされる。
なお、1次元LUT403と1次元LUT404を組み合わせて1つのLUTを生成し、使用してもよい。すなわち、標準的な吐出特性を示す記録ヘッド用の出力γ補正テーブルに対して色ずれ補正を施し、キャリブレーション対象の記録ヘッド用の出力γ補正テーブル(1次元LUT403´)を作成する。その後、後段色処理が施されたC,M,Y,K各色10ビットのデータは、それぞれの色の1次元LUT403´によって出力γ補正が施される。この場合、出力γ補正ステップは403のみとなり、404は省略される。
出力γ補正を行った後、誤差拡散などの量子化処理405を行う。本実施形態のプリンタ200は2値記録装置であるので、量子化処理405として、上記のように得られたC,M,Y,K各色8ビットのデータをC,M,Y,K各色1ビットのデータに2値化する2値化処理を行っている。なお、本実施形態では、2値化の手法として誤差拡散法を用いているが、2値化の方法は誤差拡散法の他にディザ法を用いてもよい。
本実施形態において、LUT402、403および404はプリンタ200に保持されているが、予めROM20cに格納しておいても、RAM20bに格納しておいてもよい。また、ROM20cに格納しておく場合には、ひとつの目的のために複数のLUTを予め用意しておき、そのうちから適当なLUTを選択して利用できるように構成されていることが望ましい。
次に、キャリッジ6に搭載された多目的センサ102について説明する。
図6(a)および(b)は、多目的センサ102を示す構成図である。図6(a)は平面図を、図6(b)は側面図を、それぞれ示している。
図6(a)および(b)は、多目的センサ102を示す構成図である。図6(a)は平面図を、図6(b)は側面図を、それぞれ示している。
多目的センサ102は、測定領域が記録ヘッド5の記録面に対し下流側に位置し、センサ102の下面が記録ヘッド5の下面と同位置もしくはそれよりも高くなるように配置されている。多目的センサ102は、光学素子として2つのフォトトランジスタと3つの可視LED、1つの赤外LEDを備えており、それぞれの素子の駆動は不図示の外部回路によって行われる。これらの素子は全て直径が最大部分で約4mmの砲弾型素子(一般的なφ3.0〜3.1サイズの量産型タイプ)である。
赤外LED201は、XY平面と平行な記録媒体の表面(測定面)に対して45度の照射角を持ち、その照射光中心(照射光の光軸であり、照射軸と称する)は測定面の法線(Z軸)と平行なセンサ中心軸202と所定の位置で交差するように配置されている。この交差する位置(交点)のZ軸上における位置を基準位置とし、センサから基準位置までの距離を基準距離とする。赤外LED201の照射光は開口部によって照射光の幅が調整され、基準位置にある測定面に直径約4〜5mmの照射面(照射領域)を形成するように最適化される。なお、本実施形態においては、発光素子から測定面に対して照射された照射光の照射範囲の中心点と発光素子の中心とを結ぶ直線を発光素子の光軸(照射軸)と称する。この照射軸は、照射光の光束の中心でもある。
2つのフォトトランジスタ203、204は可視光から赤外光までの波長の光に対し感度を持つ。測定面が基準位置にあるとき、フォトトランジスタ203、204の受光軸が赤外LED201の反射軸と平行となるようにフォトトランジスタ203、204は設置されている。すなわち、反射軸に対しフォトトランジスタ203の受光軸はX方向に+2mm、Z方向に+2mm移動した位置となるように配置されている。また、フォトトランジスタ204の受光軸はX方向に−2mm、Z方向に−2mm移動した位置となるように配置されている。測定面が基準位置にあるとき、測定面と赤外LED201と可視LFD205の照射軸の交点が一致するが、この位置における2つのフォトトランジスタ203、204の受光領域はこの交点を挟むように形成される。2つの素子の間には厚さ約1mmのスペーサーがはさまれており、互いに受光した光が回り込まないような構造となっている。フォトトランジスタ側にも入光範囲を制限するために開口部が設けられており、その大きさは基準位置にある測定面の直径3〜4mmの範囲の反射光のみを受光可能となるように最適化される。なお、本実施形態においては、測定面(測定対象表面)において、受光素子が受光可能である領域(範囲)の中心点と受光素子の中心とを結ぶ線を受光素子の光軸(または受光軸)と称する。この受光軸は、測定面で反射し、受光素子に受光される反射光の光束の中心でもある。
図6(a)および(b)において、LED205は、緑色の発光波長(約510〜530nm)を持つ単色可視LEDであり、センサ中心軸202と一致するように設置される。
また、LED206は、青色の発光波長(約460〜480nm)を持つ単色可視LEDであり、図6(a)に示すように可視LED205に対しX方向に+2mm、Y方向に−2mm移動した位置にある。そして、測定面が基準位置にあるとき、可視LED206の照射軸と測定面との交点位置においてフォトトランジスタ203の受光軸と交差するように配置される。
さらに、LED207、は赤色の発光波長(約620〜640nm)を持つ単色可視LEDであって、図6(a)に示すように可視LED205に対しX方向に−2mm、Y方向に+2mm移動した位置にある。そして、測定面が基準位置にあるとき、可視LED207の照射軸と測定面との交点位置においてフォトトランジスタ204の受光軸と交差するように配置される。
図7は、本実施形態に係るセンサの入出力信号を処理する外部回路の概略図を示す。CPU301は、赤外LED201および可視LED205〜207のオン/オフの制御信号の出力やフォトトランジスタ203、204の受光量に応じて得られる出力信号の演算などを行う。駆動回路302は、CPU301から送られるオン信号を受けてそれぞれの発光素子へ定電流を供給し発光させたり、受光素子の受光量が所定量となるようにそれぞれの発光素子の発光量を調整したりする。I/V変換回路303は、フォトトランジスタ203、204から電流値として送られてきた出力信号を電圧値に変換する。増幅回路304は、微小信号である電圧値に変換後の出力信号を、A/D変換において最適なレベルまで増幅する働きをする。A/D変換回路305は、増幅回路304で増幅された出力信号を10bitディジタル値に変換してCPU301に入力する。メモリ(不揮発性メモリなど)306は、CPU301の演算結果から所望の測定値を導き出すための参照テーブルの記録や出力値の一時的な記憶に用いられる。なお、このCPU301やメモリ306は、記録装置のCPU20aやRAM20bを用いてもよい。
次に、インクの濃度安定性についての定義をする。本実施形態において、インク毎に濃度安定性を示す指標を定義し、これを「濃度安定性判定値」と称する。「濃度安定性判定値」の決め方は1通りではなく、以下のように複数の定義方法により決めることができる。なお、濃度安定性とは、所定のインクにより記録媒体上にパターンを記録してからのパターンの濃度変動の状況に応じて評価し、濃度変動が収束するまでの時間が短いときは濃度安定性が良いと、収束するまでの時間が長いときは濃度安定性が悪いと評価できる。
(定義1)
テストパターンの記録1分後から10分後までのそれぞれのパッチの濃度値(O.D)を1分間隔でX−Rite社の分光測色濃度計「X−Rite504」または「X−Rite508」を用いて測定する。そして、それらの最大値と最小値の差を「濃度安定性判定値」として定義する。なお、複数の異なるインクによりテストパターンを記録した結果、この濃度安定性判定値の差が0.03以下である場合、これらのインクの濃度安定性は等しいとみなす。
テストパターンの記録1分後から10分後までのそれぞれのパッチの濃度値(O.D)を1分間隔でX−Rite社の分光測色濃度計「X−Rite504」または「X−Rite508」を用いて測定する。そして、それらの最大値と最小値の差を「濃度安定性判定値」として定義する。なお、複数の異なるインクによりテストパターンを記録した結果、この濃度安定性判定値の差が0.03以下である場合、これらのインクの濃度安定性は等しいとみなす。
(定義2)
テストパターンの記録1分後から1分間隔でカラーパッチの濃度値(O.D)をX−Rite社の分光測色濃度計「X−Rite504」または「X−Rite508」を用いて測定する。O.Dの振幅が5回連続で0.02以下になる時点まで測定を続ける。そして、O.Dの振幅が0.02以下となった連続5回の測定結果のうち、最初の測定値を得た時刻を「濃度安定性判定値」として定義する。なお、複数のインクによりテストパターンを記録した結果、この濃度安定性判定値の差が5分以下である場合、これらのインクの濃度安定性は等しいとみなす。
テストパターンの記録1分後から1分間隔でカラーパッチの濃度値(O.D)をX−Rite社の分光測色濃度計「X−Rite504」または「X−Rite508」を用いて測定する。O.Dの振幅が5回連続で0.02以下になる時点まで測定を続ける。そして、O.Dの振幅が0.02以下となった連続5回の測定結果のうち、最初の測定値を得た時刻を「濃度安定性判定値」として定義する。なお、複数のインクによりテストパターンを記録した結果、この濃度安定性判定値の差が5分以下である場合、これらのインクの濃度安定性は等しいとみなす。
なお、定義1において、インクの濃度安定性が比較的悪いインクを使用する場合には、テストパターンを記録してからの計測時間を20分にするなど、10分より長くしても良い。また、インクの濃度安定性が等しいとみなす、濃度安定性判定値の差も0.03に限らず、0.03未満の値である場合にインク濃度安定性が等しいとみなしても良い。
さらにまた、定義2は、O.Dの振幅が5回連続して0.02以下となったときに測定を終了させるものであるが、このO.Dの振幅は変更してもよく、0.02未満の値としてもよい。また、濃度安定性が等しいとみなす濃度安定性判定値の時間差も5分に限らず、5分未満の値としても良い。
上記で定義する「濃度安定性判定値」は、濃度階調、記録媒体、使用環境等の条件により変化し、同一のインクの組(複数色のインクの同一セット)を使用してもこれらの条件の変化に伴ってインク相互の「濃度安定性判定値」の順位が逆転してしまう可能性もある。このため、記録媒体、使用環境の条件の変化に対応するために、条件毎に「濃度安定性判定値」を決めてメモリに格納しておいてもよい。一方、1つの条件における「濃度安定性判定値」のみを採用し、それを複数条件の代表としてメモリに格納してもよい。
さらに、インクの種類によっては、低濃度領域、中濃度領域、高濃度領域のそれぞれの異なる濃度階調において、濃度安定が異なる挙動を示すものがある。このような場合、記録媒体の種類、記録装置の使用環境等の他条件が同じであっても、対象とする濃度領域によって、濃度安定性が逆転することも起こりえる。そのため、それぞれの濃度領域毎にパッチを記録して濃度安定性を測定してもよい。一方、全ての濃度領域の安定性を測定するために、様々な濃度階調のパターンを記録するには記録媒体、インクを消費してしまうので、全ての濃度階調のパッチを記録せずに、濃度階調の異なるいくつかのパッチを記録しそのパッチから濃度安定性を測定しても良い。さらには、所定の濃度領域におけるパッチを測定して得られる濃度安定性から、他の濃度領域における濃度安定性を求めることができるなら、所定の濃度領域におけるパッチのみ記録することも可能である。また、全条件の代表を1つに決める場合には、全条件の中から1条件を任意に選択してもよく、最悪条件(例えば、濃度階調では高濃度パッチ、使用環境では高温多湿)を機械的に選択してもよい。ただし、ある1種類のインクに対して採用する条件を1つに決めた場合、他の全てのインクに対しても同一条件を採用するほうが好ましい。
次に、多目的センサ102を用いて実行する濃度補正(キャリブレーション)について説明する。
以下では、記録ヘッド5から吐出するYMCK4種類のインクを、濃度安定性判定値の大きい順、つまり濃度が安定しにくい順に、インクA、インクB、インクC、インクDとして説明する。ただし、濃度安定性判定値同士が等しい場合は順不同とする。また、記録媒体毎もしくは使用環境毎に濃度安定性判定値を個別に定義した場合、これらの条件毎に使用する4種類のインクとインクA、インクB、インクC、インクDとの対応関係を変更してもよい。この濃度安定性判定値(パラメータ)は、予め測定した値をメモリに格納しておくことができる。メモリに格納された濃度安定性判定値に基づいてキャリブレーションを実行したり、キャリブレーション結果に応じて濃度安定性判定値のパラメータを変更することができる。なお、この濃度安定性はインクの色材や溶剤によって異なってくるが、本実施形態の一例として、高濃度領域の濃度階調において、インクAがマゼンタインク、インクBがイエローインク、インクCがシアンインク、インクDがブラックインクとする。
また、本実施形態においては、2種類の記録モードそれぞれでキャリブレーションを実施する。この2種類の記録モードは、解像度が異なる記録モードであり、それぞれ記録モード1、記録モード2とする。このそれぞれの異なる記録モードで記録したパッチを測定して得られた濃度安定性に基づいてその後の記録パラメータが変更される。なお、複数の記録モードで画像形成可能な装置において、所定の記録モードで記録したパッチから得られる濃度安定性に基づいて、所定の記録モードとは異なる記録モードにおける濃度安定性が算出可能であれば、所定の記録モードでのみパッチを記録してもよい。
ホスト装置または記録装置の操作パネルより、キャリブレーション開始命令が入力されると、記録装置のCPU20aは給紙モータ24を駆動して給紙トレイから記録媒体の給送を開始する。記録ヘッドによる記録が可能な領域まで記録媒体を搬送したあとは、記録媒体の副走査方向への搬送動作と、キャリッジモータ23を駆動したキャリッジ6の主走査方向への記録走査とを交互に行う。この記録走査においては、テストパターン(所定のパターンであり、パッチとも称する)を記録するので、記録走査と搬送動作とを繰り返すことにより、記録媒体上にキャリブレーションに必要なテストパターンが形成される。
図8はテストパターンを示す概略図である。テストパターンを構成する各カラーパッチに記載されているA〜Dまでの英字はそれぞれ、インクA〜Dによって記録されたパターンである。また、1〜16までの数字は、記録するカラーパッチの濃度階調をランク付けしたものであり、数字が大きくなるほど階調が高いことを示している。ただし、各数字に対応する階調値は、キャリブレーションに使用する記録媒体の種類によって異なる。これは、記録媒体の種類によって付与されたインクの浸透性やインクの受容量、さらにはインクのにじみ方が異なるため、同じ量のインクを付与しても記録媒体の種類に応じて濃度(エリアファクター)が異なる。そのため、パターンの階調値を記録媒体の種類に応じて異ならせている。同じなお、各カラーパッチは所定の大きさのパターンになるように、また、それぞれのパッチ内は一様にインクが付与されるように、記録される。
本実施形態におけるテストパターンは、図8に示すa部分には、パッチA16、B16、C16、D16が配置されている。これらのa部分のパッチは、後述するプリンタ200の動作状況を確認するために使用されるものである。図8に示すbおよびc部分には、インクAによって記録されるパッチが配列されている。b部分では記録モード1により、また、c部分では記録モード2により記録されたパッチである。b部分およびc部分には、Aインクによる15段階に濃度階調を変えたパッチが予め定められた順番により配列されている。なお、本実施形態では、左方向には階調差が大きいパッチが隣り合っており、右方向には階調差が少ないパッチが隣り合うように配置されている。このように配置することで、隣接する2つのパッチにおける記録デューティの平均がテストパターン全体で略均等な値にすることができ、テストパターン全体で略均一なコックリングを生じさせることができる。しかし、本発明のテストパターンはこのようなものに限定されない。すなわち、左方向に階調が低いパッチを配置し、右方向に向かって階調を高くしたパッチを配置してもよく、また、その逆であってもよく、パッチの配列方法に限定されるものではない。同様に、d、e部分にはBインクを用いてそれぞれの記録モードで記録したパッチが、f、g部分にはCインクを用いてそれぞれの記録モードで記録したパッチが、h、i部分にはDインクを用いてそれぞれの記録モードで記録したパッチが配置されている。
図9は、テストパターンの記録開始から濃度測定までプリンタ200の動作の流れを説明するフローチャートである。
ホスト装置または記録装置の操作パネルより、テストパターンを記録して濃度を測定するキャリブレーション動作の実行の指示が入力されると、まず、テストパターンの記録のために、図8に示すaまで記録媒体を搬送する(S901)。そして、aの部分のパッチ(パッチA16、B16、C16、D16、十字のマーク)を記録モード1により記録する(S902)。なお、A16〜D16の両脇に位置している十字のマークは、光学センサによりパッチの濃度測定のための動作テストを行うために記録されている。記録ヘッドを走査しながら光学センサによりパッチの測定をするときに、十字のマークとA16〜D16が同じ記録ヘッドの走査で検出することができれば、記録媒体の搬送ならびに記録ヘッドの走査が正しく行われていると分かる。次に、S902において記録したa部分のパッチを乾燥させるために、所定時間(本実施形態においてはα秒)待機する(S903)。α秒経過したら、多目的センサ102を用いてa部分のパッチA16、B16、C16、D16、およびa部分のパッチが記録されていない空白部分(記録媒体の地色)それぞれの濃度測定を開始する(S904)。ここで、パッチが記録されていない記録媒体の空白部分の濃度は、記録媒体の地色が測定され、白い記録媒体であれば地色は白色である。本実施形態においては、白い地色の記録媒体を用いる例を説明する。濃度測定は、多目的センサ102に搭載されているLED205から207のうち、濃度測定するインク色に適したLEDを点灯し、フォトトランジスタ203および204により反射光を読取ることにより行なう。緑色LED205は、例えば、顔料ブラック、染料ブラック、マゼンタ等により記録されたパッチ、およびパッチが記録されていない空白部分(白色)を測定する時に点灯する。また、青色LED206は、例えば、イエローにより記録されたパッチ、およびパッチが記録されていない空白部分(白色)を測定する時に点灯する。さらに、赤色LED207は、例えば、シアンにより記録されたパッチおよびパッチが記録されていない空白部分(白色)を測定する時に点灯する。
a部分の濃度測定が終了すると、それぞれのパッチと空白部分(白色)の双方からの出力値を比較し、インクの吐出状況および多目的センサ102の動作状況を確認する(S905)。出力値に基づいて動作エラーを起こしているか判断し(S906)、出力値と所定の基準とを比較した結果、所定の基準を満たしていないと判断された場合、動作エラーが起きている旨を表示してキャリブレーションを中断し(S914)、終了する。なお、a部分の濃度測定結果は、動作確認のみに用いられ、実際のキャリブレーションには反映されない。
S906において、出力値が所定の基準を満たすと判断された場合、場合、記録媒体をb部分まで搬送する(S907)。記録媒体をb部分まで搬送すると、まず、パッチを記録する前の記録媒体の空白部分(白色)の濃度測定を行う(S908)。濃度測定は、多目的センサ200の緑色LED205、青色LED206、赤色LED207を順次点灯させて、それぞれのLEDが点灯されているときの受光素子の出力値に基づいて行なわれる。空白部分(白色)の濃度、すなわち記録媒体の表面レベル(白レベル)を測定し、記録媒体表面の状態(傷や汚れ等の有無)を確認する。濃度測定結果が所定の基準に満たない場合(S909)、エラーを表示して(S914)、キャリブレーションを中断する。 濃度測定結果が所定の基準を満たす場合(S909)、白レベルの測定結果はこの後に記録するパッチの濃度測定を行う際の、基準白として利用される。このため、白レベルの値はLED毎にそれぞれ保持される。白レベルの判定を行なった後、記録ヘッドの回復動作および予備吐出を行い、b部分からi部分のパッチを記録する(S911)。
b部分のパッチは、インクAを用いて記録モード1により記録される。b部分のパッチが記録されると、c部分まで記録媒体を搬送する。そして、c部分のパッチは、インクAを用いて記録モード2により記録される。続いて、d部分まで記録媒体を搬送する。そして、d部分のパッチは、インクBを用いて記録モード1により記録される。
このように、インクA,B,C,Dを用いて、記録モード1および2を交互に使用してパッチを記録する動作と、所定の位置まで記録媒体を搬送する動作とを交互に繰り返すことにより、テストパターンを記録媒体に形成する。
i部分のパッチを記録した後、パッチ乾燥時間としてβ秒間待機する(S912)。なお、パッチ乾燥時間β秒は任意の値とし、インクDのパッチの濃度安定に要する時間に基づいて決定すればよい。
次に、i部分のパッチからb部分のパッチまで濃度測定を行う(S913)。まず、緑色LED205、青色LED206、赤色LED207のうち、インクDに対応するものを点灯し、i部分のパッチの濃度測定を行う。i部分の測定後、i部分のパッチの測定に用いたLEDを点灯したまま、多目的センサ102によりh部分のパッチの濃度が測定可能な位置まで記録媒体を副走査方向と逆の方向に搬送する。そして、h部分のパッチの濃度測定を行なう。
次に、記録媒体をg部分まで搬送し、緑色LED205、青色LED206、赤色LED207のうち、インクCに対応するものを点灯し、g部分のパッチの濃度測定を行う。g部分の測定後、g部分のパッチの測定に用いたLEDを点灯したまま、多目的センサ102によりf部分のパッチ濃度が測定可能な位置まで記録媒体を副走査方向と逆の方向に搬送する。そして、f部分のパッチの濃度測定を行なう。このとき、インクDにより記録されたh部分のパッチの濃度測定後のインクCにより記録されたg部分のパッチを濃度測定するときに、インクCの濃度が安定していないことが分かっているときにはg部分の濃度測定前に待機時間を設けてもよい。所定時間待機した後の、インクCの濃度が安定してからg部分の濃度を測定することがより好ましい。同様に、e、d、c、b部分のそれぞれのパッチの濃度を測定する。
以上の測定で得られた濃度の値は、記録装置本体内のメモリ306またはRAM20bに保存される。
最後に、上述した濃度測定値に基づき、補正処理を行う。ここでは、濃度測定により得られた各パッチの濃度測定値と、ターゲット値と称する予め定められている所定の目標濃度とを比較し、記録したときのパッチの濃度がターゲット値に近づくように濃度補正値を較正する。ターゲット値は、予め精度の良好なインクジェット記録装置および記録ヘッドを用いてテストパターンを記録し、濃度測定した際に得られた値を採用することもできる。このように、ターゲット値は極めて理想値に近い値である。パッチの濃度測定後の補正処理においては、パッチの濃度測定値およびターゲット値を用いて補正LUTを作成する。補正LUTは記録媒体の種類や解像度ごとに作成し、作成された補正LUTは記録装置本体のメモリに保存される。また、使用環境毎に別々の補正LUTを作成してもよい。
通常の記録時には、ホストコンピュータから転送されてきた出力γテーブルに補正LUTを合成し、合成されたテーブルを出力γテーブルとして適用する。
上述のように、テストパターンの記録時には、複数のインクのうち、相対的に濃度が安定しにくいインクを相対的に濃度が安定しやすいインクよりも先にパターンを記録する。一方、濃度の測定時には、相対的に濃度が安定しにくいインクにより記録されたパターンを、相対的に濃度が安定しやすいインクにより記録されたパターンよりも後に測定する。このようにテストパターンの記録、ならびにそれぞれのパッチの濃度測定を行うことにより、パッチを記録してから濃度測定を開始するまでの時間である乾燥時間は、インクA、インクB、インクC、インクDの順に短くなる。したがって、インクAの乾燥時間が一番長く、インクDの乾燥時間が一番短く、濃度安定性判定値の大きさの順番と一致する。すなわち、濃度安定化が遅いインクほど乾燥時間が長く、濃度安定化が速いインクほど乾燥時間が短くなり、あらゆるインクに対して最適な状態で濃度測定を行うことができる。さらに、濃度が安定するまでに必要以上に乾燥時間を設けないので、必要以上にキャリブレーション動作に要する時間を長くせず、効率よくキャリブレーション動作を行うことが可能となる。
記録装置において、記録に用いるインクが4種類以上あるとき、例えば6種類や12種類のとき、全種類のインクについてキャリブレーションを行うのではなく、任意のインクについてキャリブレーションを行ってもよい。例えば、12種類のインクを用いる記録装置において、任意の5種類のインクについてキャリブレーションを行う構成としてもよい。もちろん、全種類のインクについてキャリブレーションを行う構成としてもよい。キャリブレーションを行うインクの種類に応じて、記録されるパターンの数が増えることは言うまでもない。
また、上述の説明では、テストパターンを記録する記録モードが2種類あるが、テストパターンを記録する記録モードは1種類であっても、3種類以上でもよい。記録モードの種類が少ないとキャリブレーションに要する時間を短くすることができる。一方、記録モードの種類が多いと、それぞれの記録モードにおける補正LUTを生成することができ、様々な記録モードにおいても、目標濃度に近く精度の良い記録物を出力することが可能となる。つまり、これにより記録装置による記録特性を向上することが可能となる。
さらにまた、本実施形態において、インクの種類は特に規定しなかったが、染料インクのみ使用するインクセット、顔料インクのみ使用するインクセット、染料インク、顔料インクをともに使用するインクセットのいずれでもよい。いずれのインクを用いたときにも、濃度安定性判定値に基づいて、テストパターンを記録する順番を決めればよい。
さらにまた、パターンの形成後や濃度測定時の所定時間待機するときに、インクの吐出状態を良好に保つための回復機構としてインクジェット方式の記録装置に設けられているキャップにより記録ヘッドの吐出口面をキャッピングしてもよい。
また、図9のフローチャートにおいて、S901〜S906を省略し、S907からスタートしてもよい。さらにまた、S908では記録媒体の空白部分の濃度(白レベル)を測定するに限定し、S909及びS914を省略してもよい。S908を白レベル測定に限定した場合、S908及びS910を実施するタイミングは必ずしもS911の前でなくてもよく、S913のパッチの濃度測定・保存の前であればいつ実施しても構わない。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、インクの種類にかかわらず、濃度安定性判定値に基づいて記録媒体にパターンを形成する順番を決めていた。記録装置の一形態として、記録ヘッドによる記録位置(記録領域)から排紙方向(搬送方向下流側)に一定距離離れた位置の搬送部材として、下方は第1の実施形態と同様に搬送ローラを、上方には拍車を用いたものがある。搬送方向下流側の搬送ローラの従動ローラが、ローラではなく拍車である装置もある。かかるプリンタでは、記録媒体が一定量排紙されると拍車が記録媒体に接するように降下して、記録媒体を押さえ付けることで記録媒体の前方が浮き上がることを防止している。しかしながら、定着性および擦過性の悪いインクにより記録されたパッチが拍車の下を通過すると、拍車によりパッチのインク(記録媒体上のインク)を削り取ってしまい、結果として正確な濃度測定が行えないことがある。なお、一般に、顔料インクの定着性および擦過性は、染料インクに比べて悪く、記録シート上に付着したインクが何らかの物理的摩擦によって剥がれるという現象が起こりやすい。これは、記録媒体に染料インクが吐出されたときには、染料インクの色材も記録媒体中に染み込み易いのに対して、顔料インクの色材は記録媒体表面に残る割合が大きいためである。記録媒体上に残りやすい顔料インクの色材は、物理的摩擦が生じると剥れやすい。
第1の実施形態においては、インクの種類にかかわらず、濃度安定性判定値に基づいて記録媒体にパターンを形成する順番を決めていた。記録装置の一形態として、記録ヘッドによる記録位置(記録領域)から排紙方向(搬送方向下流側)に一定距離離れた位置の搬送部材として、下方は第1の実施形態と同様に搬送ローラを、上方には拍車を用いたものがある。搬送方向下流側の搬送ローラの従動ローラが、ローラではなく拍車である装置もある。かかるプリンタでは、記録媒体が一定量排紙されると拍車が記録媒体に接するように降下して、記録媒体を押さえ付けることで記録媒体の前方が浮き上がることを防止している。しかしながら、定着性および擦過性の悪いインクにより記録されたパッチが拍車の下を通過すると、拍車によりパッチのインク(記録媒体上のインク)を削り取ってしまい、結果として正確な濃度測定が行えないことがある。なお、一般に、顔料インクの定着性および擦過性は、染料インクに比べて悪く、記録シート上に付着したインクが何らかの物理的摩擦によって剥がれるという現象が起こりやすい。これは、記録媒体に染料インクが吐出されたときには、染料インクの色材も記録媒体中に染み込み易いのに対して、顔料インクの色材は記録媒体表面に残る割合が大きいためである。記録媒体上に残りやすい顔料インクの色材は、物理的摩擦が生じると剥れやすい。
そこで、第2の実施形態においては、濃度安定性判定値に加えて、定着性や擦過性をも鑑みて、記録媒体にテストパターンを形成する順番を決める。
本実施形態におけるプリンタは、第1の実施形態のプリンタ200の第2搬送ローラ4に代わり、拍車を搭載したものである。本実施形態のプリンタ200は、記録動作中、記録媒体1の搬送に伴い、図8に示す破線P、破線Q、破線R、または破線Sの位置において拍車が降下して記録媒体を押さえ込み、記録媒体の前方が浮き上がるのを防止する。すなわち、記録媒体1が所定量搬送されると拍車が降下して、記録媒体1を押さえ込むことで、記録媒体1の前方が浮くことを防止する。なお、拍車降下位置がP、Q、R、Sのいずれになるかは記録装置の機種によって異なる。
本実施形態のプリンタでは、記録媒体の搬送中に記録媒体の上流側が浮き上がる前に、記録媒体を拍車で押さえている。したがって、第1の実施形態において図8にて説明したようなテストパターンを記録する場合、既に記録したカラーパッチの上を拍車が通過することになる。このとき、定着性および擦過性の悪いインク(例えば顔料インク)で記録されたパッチが拍車の下を通過する場合、既に記録されたパッチが剥れ、または擦れ、正確な濃度測定を行なうことができないことがある。したがって、本実施形態では、第1の実施形態のテストパターンのパッチの配置の要件に加え、染料インクと顔料インクで記録されるパッチの配置についても要件を加えている。すなわち、本実施形態のテストパターンは、拍車降下位置よりも下流側に染料インクを使用したパッチが配置され、上流側に顔料インクを使用したパッチが配置されたものである。
例えば、拍車降下位置が破線Pの位置である記録装置の場合、図9に示すS911のb〜i領域夫々のパターンを記録していくと、P位置において拍車が降下するので、d〜i領域の記録後のパターンに接触しながら拍車が通過することになる。つまり、a〜c領域に記録されたパターンは拍車と触れることはないが、d〜i領域に記録されたパターンは拍車に触れる。そのため、d〜i領域に定着性および擦過性の悪いインクを用いてパターンを形成した場合には、パターンが削れてしまう恐れがある。なお、本実施形態における記録装置は、記録媒体を逆方向に搬送させたときにおいて、記録媒体の排紙量が所定量以下になったときに拍車が上昇する。つまり、パターンの濃度測定のために記録媒体を逆方向に搬送させるときには、降下していた拍車がP位置において上昇するので、a〜c領域に記録されたパターンは拍車に触れず、d〜i領域に記録されたパターンは拍車に触れる。
そこで、顔料インクが1種類、染料インクが3種類の計4種類のインクを用い、拍車降下、上昇位置がPである記録装置において、定着性、擦過性の悪い顔料インクをインクAとし、顔料インクよりも定着性、擦過性の良い染料インクをインクB〜Dとして使用する。このとき、インクB〜Dは、3種類の染料インクのうち、濃度安定性判定値に基づいて決定する。つまり、濃度安定性判定値が最も大きい染料インクをインクB、2番目に大きい染料インクをインクC、3番目に大きい染料インクをインクDとする。なお、記録媒体毎もしくは使用環境毎に濃度安定性判定値を個別に定義した場合、これらの条件毎に3種類の染料インクとインクB、インクC、インクDとの対応関係を変更してもよい。このように決定したインクA〜Dにより、第1の実施形態と同様にa〜i領域にテストパターンを記録し、キャリブレーション処理を行う。
このように、拍車の降下、上昇位置(破線P)よりも記録媒体の先端側に記録するパターンがある場合には、そのパターンの記録に顔料インクを用いるよう設定し、それ以外のパターンは濃度安定性判定値に基づいて記録順番を設定する。その結果、定着性・擦過性の悪いインクにおいても正確なキャリブレーションを行うことが可能となり、濃度安定性の程度に応じた適度な乾燥時間をおいてキャリブレーションを行うことが可能となる。
同様に、拍車の降下、上昇位置が破線Qの位置である場合、パターンの記録時、キャリブレーションにおける記録媒体の逆方向への搬送時において、a〜e領域のパターンは拍車と接触することがなく、f〜i領域のパターンは拍車と接触する。そのため、定着性・擦過性の悪いインクは、インクAまたはBと設定して、パターンの記録順序を上位にする。定着性・擦過性の悪いインクが1種類である場合には、濃度安定性判定値も加味してパターンの記録順序を決定すればよい。つまり、キャリブレーションを行うインクのうち、最も濃度安定性判定値の高い(濃度安定性の悪い)インクをインクAとし、定着性・擦過性の悪いインクをインクBとすればよい。他のインクC、Dは、濃度安定性判定値に基づいて決定する。なお、当然ながら、定着性・擦過性の悪いインクが最も濃度安定性判定値が高い場合には、このインクがインクAとなる。さらに、定着性・擦過性の悪いインクが2種類あれば、それらがインクA、Bとなる。また、拍車の降下、上昇位置が破線Rの位置である場合にも、同様にしてパターンの記録順序を決定すればよい。
以上のように、拍車の降下、上昇位置により、染料インクおよび顔料インクのパッチの配置を選択することにより、記録媒体の搬送時に、定着性・擦過性の悪い顔料インクで記録されたパッチが拍車と接触しないことになる。このようにすることで、定着性・擦過性の悪いインクで記録されたパッチも、削られたりすることなく正確な濃度測定を行うことが可能となる。
なお、顔料インクによるパターンを記録した後、濃度を測定してから、染料インクそれぞれのインクによるパターンを形成し、全てのパターンを形成し終わってから染料インクのパターンの濃度を測定してもよい。顔料インクは定着性は悪いものの、顔料インクの色材が記録媒体上に付着するため、比較的早い段階で濃度は安定する。そのため、パターンの記録後すぐに濃度を測定することで、摩擦などによりパターンが剥れる前に濃度を測定することができる。
また、本実施形態では拍車を備えた記録装置について説明したが、第1の実施形態のように、第2搬送ローラの従動ローラとしてローラを用いる場合においても、パターンの記録後にローラがパターンに接触することで、ローラにパターンが転写されることがあった。このような場合、記録媒体上のインクが剥がれて正確な濃度測定が行えないばかりでなく、それ以降の記録媒体の搬送時にインクが付着したローラにより、記録媒体が汚れてしまう恐れもある。また、記録したパターンの濃度計測時に、記録媒体を逆方向に搬送するため、搬送方向上流側にある第1搬送ローラ3の従動ローラにも記録されたパターンが転写される恐れがある。これらのようなときにも、本実施形態と同様に、定着性・擦過性の悪いインクによりパターンを搬送ローラに触れない、または触れる可能性の少ない記録媒体の先端側に配置することで、搬送ローラにインクが付着することを低減することができる。
さらにまた、第2搬送ローラを搭載しない記録装置の場合には、パターンの濃度測定時に第1搬送ローラが定着性・擦過性の悪いインクによるパターンに接触しないように、記録媒体の先端側に定着性・擦過性の悪いインクによるパターンを配置する事が好ましい。
(第3の実施形態)
第1の実施形態及び第2の実施形態においては、全色パッチの印字を全て完了し、β秒間待機した後に全色パッチの濃度測定及び保存を行っていた。しかし、この方法ではパターンの濃度測定における逆搬送によって濃度測定を終えたパッチが第1搬送ローラを通過、ローラと接触してしまうおそれがある。特に、キャリブレーションを実施するインクの種類が多い場合、より多くのパッチが第1搬送ローラに接触してしまう。このようなときに、定着性・擦過性の悪い顔料インクによって印字されたパッチが第1搬送ローラと接触すると、ローラによってパッチが剥がされインクがローラに転写してしまう。そして、以降の印字時にローラに転写したインクが搬送されてきた記録媒体に付着、紙汚れの原因となる。顔料インクの使用が全インクのうち1〜2色程度に限られる場合、第2の実施形態によって顔料インクのパッチと第1搬送ローラの接触を回避することができる。しかし、全色に顔料インクが使用されている場合は、顔料インクにより記録されたパッチの一部が第1搬送ローラと接触することは避けられない。
第1の実施形態及び第2の実施形態においては、全色パッチの印字を全て完了し、β秒間待機した後に全色パッチの濃度測定及び保存を行っていた。しかし、この方法ではパターンの濃度測定における逆搬送によって濃度測定を終えたパッチが第1搬送ローラを通過、ローラと接触してしまうおそれがある。特に、キャリブレーションを実施するインクの種類が多い場合、より多くのパッチが第1搬送ローラに接触してしまう。このようなときに、定着性・擦過性の悪い顔料インクによって印字されたパッチが第1搬送ローラと接触すると、ローラによってパッチが剥がされインクがローラに転写してしまう。そして、以降の印字時にローラに転写したインクが搬送されてきた記録媒体に付着、紙汚れの原因となる。顔料インクの使用が全インクのうち1〜2色程度に限られる場合、第2の実施形態によって顔料インクのパッチと第1搬送ローラの接触を回避することができる。しかし、全色に顔料インクが使用されている場合は、顔料インクにより記録されたパッチの一部が第1搬送ローラと接触することは避けられない。
そこで、第3の実施形態においては、複数色の顔料インクの濃度安定性を検出する場合において、2〜3色程度のインクで構成される複数のブロックに分割し、ブロック毎にパッチを印字し、その都度濃度測定及びパラメータの保存を行う。
以下では、記録ヘッド5から吐出するPC、C、PM、M、Y、MBk、PBk、Gy、PGy、R、G、Bの12種類の顔料インクを、第1グループ、第2グループ、第3グループ、第4グループに分類する。さらに、第1グループの3種類のインクは濃度安定性判定値の大きい順、つまり濃度が安定しにくい順に、インクA、インクB、インクCとし、第2グループについても同様に、インクD、インクE、インクFとする。第3グループについても同様に、インクG、インクH、インクIとし、第4グループについても同様に、インクJ、インクK、インクLとして説明する。また、第1グループ及び第2グループのインクにより記録されたパッチを測定するときには光学センサの青色LED206を用い、第3グループのパッチは緑色LED205、第4グループのパッチは赤色LED207が用いられる。
本実施形態においては、1種類の記録モードでキャリブレーションを実施する。本実施形態における記録装置においても、異なる画像品位、または異なる記録速度で記録可能な複数の記録モードで画像が記録可能であるが、所定の記録モードでキャリブレーションを行った結果に基づいて、他の記録モードにおける濃度パラメータを設定する。具体的には、所定の記録モードで測定した色濃度キャリブレーションの結果に基づいて、他の記録モードにおける色濃度パラメータを演算により求める。
図10は本実施形態におけるテストパターンを示す概略図である。テストパターンを構成する各カラーパッチに記載されているA〜Lまでの英字はそれぞれ、インクA〜Lによって記録されたパターンである。また、1〜13までの数字は、記録するカラーパッチの濃度階調をランク付けしたものであり、数字が大きくなるほど階調が高いことを示している。ただし、各数字に対応する階調値は、キャリブレーションに使用する記録媒体の種類によって異なる。また、両端に配置したパッチ14及び15は互いに等しい任意の濃度階調のベタまたはハーフトーンで印字されるパッチであり、印字安定を目的として印字され(予備吐用)、補正LUT作成のための濃度測定パッチとしては用いられない。
本実施形態におけるテストパターンは、図10に示すa部分にはインクAによって記録されるパッチが、b部分にはインクBによって記録されるパッチが、c部分にはインクCによって記録されるパッチが配置されている。これらのインクA〜Cにより記録されたパッチは第1ブロックとして他のブロックのパッチから切り離されている。同様に、第2ブロックのd部分にはインクDを用いて記録したパッチが、e部分にはインクEを用いて記録したパッチが、f部分にはインクFを用いて記録したパッチが配置されている。同様に、第3ブロックのg部分にはインクGを用いて記録したパッチが、h部分にはインクHを用いて記録したパッチが、i部分にはインクIを用いて記録したパッチが配置されている。同様に、第4ブロックのj部分にはインクJを用いて記録したパッチが、k部分にはインクKを用いて記録したパッチが、l部分にはインクLを用いて記録したパッチが配置されている。尚、各ブロックの副走査方向の長さは、パッチ濃度測定位置と第1搬送ローラとの距離よりも短くなるようにする。
図11は、テストパターンの記録開始から濃度測定までプリンタ200の動作の流れを説明するフローチャートである。
ホスト装置または記録装置の操作パネルより、テストパターンを記録して濃度を測定するキャリブレーション動作の実行の指示が入力されると、まず、テストパターンの記録のために、図10に示すaまで記録媒体を搬送する(S801)。
そして、記録ヘッドの回復動作及び予備吐出を行い、青色LED206を点灯させ、第1ブロックのa部分からc部分のパッチを同時に記録する(S802)。第1ブロックのパッチを記録した後、パッチ乾燥時間としてβ1秒間待機し、待機している間に青色LED206を用いて所定の位置でコックリング補正係数測定及び白レベル測定を行う(S803)。尚、パッチ乾燥時間β1秒は任意の時間とする。
次に、c部分のパッチからa部分のパッチまで濃度測定を行う(S804)。まず、青色LED206でc部分のパッチの濃度測定を行う。c部分の測定後、青色LED206を点灯したまま、多目的センサ102によりb部分のパッチの濃度が測定可能な位置まで記録媒体を副走査方向と逆の方向に搬送する。そして、b部分のパッチの濃度測定を行う。b部分の測定後、青色LED206を点灯したまま、多目的センサ102によりa部分のパッチの濃度が測定可能な位置まで記録媒体を副走査方向と逆の方向に搬送する。そして、a部分のパッチの濃度測定を行う。
次に、記録媒体をd部分まで搬送する(S805)。そして、記録ヘッドの回復動作及び予備吐出を行い、青色LED206を点灯させ、第2ブロックのd部分からf部分のパッチを同時に記録する(S806)。第2ブロックのパッチを記録した後、パッチ乾燥時間としてβ2秒間待機し、待機している間に青色LED206を用いて所定の位置でコックリング補正係数測定及び白レベル測定を行う(S807)。尚、パッチ乾燥時間β2秒は任意の時間とする。次に、第1ブロックの場合と同様に、青色LED206でf部分、e部分、d部分のそれぞれのパッチの濃度を測定する。(S808)
次に、記録媒体をg部分まで搬送する(S809)。そして、記録ヘッドの回復動作及び予備吐出を行い、緑色LED205を点灯させ、第3ブロックのg部分からi部分のパッチを同時に記録する(S810)。第3ブロックのパッチを記録した後、パッチ乾燥時間としてβ3秒間待機し、待機している間に緑色LED205を用いて所定の位置でコックリング補正係数測定及び白レベル測定を行う(S811)。尚、パッチ乾燥時間β3秒は任意の時間とする。次に、第1ブロックの場合と同様に、緑色LED205でi部分、h部分、g部分のそれぞれのパッチの濃度を測定する(S812)。
次に、記録媒体をg部分まで搬送する(S809)。そして、記録ヘッドの回復動作及び予備吐出を行い、緑色LED205を点灯させ、第3ブロックのg部分からi部分のパッチを同時に記録する(S810)。第3ブロックのパッチを記録した後、パッチ乾燥時間としてβ3秒間待機し、待機している間に緑色LED205を用いて所定の位置でコックリング補正係数測定及び白レベル測定を行う(S811)。尚、パッチ乾燥時間β3秒は任意の時間とする。次に、第1ブロックの場合と同様に、緑色LED205でi部分、h部分、g部分のそれぞれのパッチの濃度を測定する(S812)。
次に、記録媒体をj部分まで搬送する(S813)。そして、記録ヘッドの回復動作及び予備吐出を行い、赤色LED207を点灯させ、第4ブロックのj部分からl部分のパッチを同時に記録する(S814)。第4ブロックのパッチを記録した後、パッチ乾燥時間としてβ4秒間待機し、待機している間に赤色LED207を用いて所定の位置でコックリング補正係数測定及び白レベル測定を行う(S815)。尚、パッチ乾燥時間β4秒は任意の時間とする。次に、第1ブロックの場合と同様に、赤色LED207でl部分、k部分、j部分のそれぞれのパッチの濃度を測定する(S816)。
以上の測定で得られた濃度の値は、記録装置本体内のメモリ306またはRAM20bに保存される。
このように、全インクが定着性・擦過性の悪い顔料インクである場合には、副走査方向の長さがパッチ濃度測定位置と第1搬送ローラとの距離よりも短いブロックに分割し、ブロック毎にパターン印字とパッチ濃度測定を行う。また、同一ブロック内においては、濃度安定性判定値に基づいて濃度測定順番を設定する。その結果、定着性・擦過性の悪いインクにおいても、第1搬送ローラへのパッチの転写及びそれに起因する紙汚れを発生させることなくキャリブレーションを行うことが可能となる。さらに、濃度安定性の程度に応じた適度な乾燥時間をおいてキャリブレーションを行うことが可能となる。
上述の説明では、インクの種類は12種類となっているが、インクの種類はこれに限定される必要はなく、これより多くても少なくてもよい。
また、上述の説明では、各ブロックを構成する色数は3色となっているが、2色であったり4色以上であってもよい。ただし、ブロックの副走査方向の長さはパッチ濃度測定位置と第1搬送ローラとの距離よりも短くなければならない。また、ブロック毎に構成する色数が異なっていてもよい。
また、上述の説明では、第1、2ブロックが青色LED206、第3ブロックが緑色LED205、第4ブロックが赤色LED207にそれぞれ対応しているが、ブロックとLED色の対応関係はこれに限定される必要はなく、異なる組み合わせになっても構わない。
また、上述の説明では、テストパターンを記録するモードは1種類であるが、テストパターンを記録する記録モードは2種類以上でもよい。この場合、全く同じ構成のブロックが複数存在することになる。また、記録モードを変更した2種類以上のキャリブレーション作業を行うことができるようにしてもよい。
また、上述の説明では、パッチを乾燥するための待機中にコックリング補正係数測定を実施しているが、実施しなくてもよく、また、必要な色のLEDのみ実施してもよい。
図10の先頭部分に図8のa部分に相当するパッチを追加し、第1の実施形態におけるS901〜S906及びS914を実施できるようにしてもよい。
また、図11におけるパッチ14及び15はコックリング対策の観点からパッチ1〜13と分離しているが、隣接していてもよい。
(第4の実施形態)
第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態においては、濃度安定性判定値に基づいて記録媒体にパターンを形成する順番又はパッチの濃度測定を行う順番を決めていた。しかし、濃度の安定性と画像形成に対する影響度は一致しているわけではない。濃度が安定しにくいインクでも画像に対する寄与が少ないために高いキャリブレーション精度が必要ではないインクもあれば、逆に濃度は比較的安定しやすいが画像に対する寄与が大きいためにより精度の高いキャリブレーションが求められることもある。
第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態においては、濃度安定性判定値に基づいて記録媒体にパターンを形成する順番又はパッチの濃度測定を行う順番を決めていた。しかし、濃度の安定性と画像形成に対する影響度は一致しているわけではない。濃度が安定しにくいインクでも画像に対する寄与が少ないために高いキャリブレーション精度が必要ではないインクもあれば、逆に濃度は比較的安定しやすいが画像に対する寄与が大きいためにより精度の高いキャリブレーションが求められることもある。
そこで、第4の実施形態においては、濃度安定性判定値の代わりに、画像への寄与度に基づいて記録媒体にパターンを形成する順番又はパッチの濃度測定を行う順番を決める。特に、顔料インクにおいては、染料インクと比較して異なるインクにおける濃度安定性の差が大きくない。そのため、濃度安定性判定値以外に記録媒体に画像を形成したときの色の重要性、画質への影響度に基づいてパッチを記録する順番を決めている。ここで、色の重要度、影響度の大きいパッチを先に記録しているのは、パッチの記録をしてからセンサにより濃度を測定されるまでの時間をできるだけ多くとって、インクがより安定した状態、つまり記録画像が観察される状態に近づけるためである。このようにすることで、より精度の高いキャリブレーションを行うことができ、結果として画像品位を向上させることができる。
これにより、画像への寄与度の大きいインクほど乾燥時間が長く、画像への寄与度の小さいインクほど乾燥時間が短くなり、あらゆるインクに対して最適な状態で濃度測定を行うことができる。
なお、第3の実施形態における、各ブロックの最初に記録されるパッチの色を、画像形成に対して影響のあるインク色、例えば、Yインク、PMインク、PCインクにすると、より精度の高いキャリブレーションを行うことができる。なお画像形成に影響のある色として、人肌の色を再現するのに用いられるインクがあげられる。
1 記録媒体
3 第1搬送ローラ
4 第2搬送ローラ
5 記録ヘッド
6 キャリッジ
23 キャリッジモータ
24 給紙モータ
25 第1搬送ローラ駆動モータ
26 第2搬送ローラ駆動モータ
100 ホスト装置
102 多目的センサ
200 プリンタ
201 赤外LED
202 センサ中心軸
205 可視LED(緑)
206 可視LED(青)
207 可視LED(赤)
3 第1搬送ローラ
4 第2搬送ローラ
5 記録ヘッド
6 キャリッジ
23 キャリッジモータ
24 給紙モータ
25 第1搬送ローラ駆動モータ
26 第2搬送ローラ駆動モータ
100 ホスト装置
102 多目的センサ
200 プリンタ
201 赤外LED
202 センサ中心軸
205 可視LED(緑)
206 可視LED(青)
207 可視LED(赤)
Claims (20)
- 複数のインクを吐出する記録ヘッドを用い、画像データに基づいて記録する記録装置において、
前記記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体にパターンを記録する記録手段と、
前記記録媒体に記録されたパターンの濃度を測定する測定手段と、
前記複数のインクのうち記録媒体に記録されてから相対的に濃度が安定しにくいインクのパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、相対的に濃度が安定しやすいインクの前記時間よりも長くなるように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする記録装置。 - 前記制御手段は、前記相対的に濃度が安定しにくいインクによるパターンを前記相対的に濃度が安定しやすいインクによるパターンより先に記録し、前記相対的に濃度が安定しにくいインクによるパターンの濃度を前記相対的に濃度が安定しやすいインクによるパターンよりも後に測定するよう、制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記制御手段は、記録媒体にパターンが記録されてから濃度が安定するまでの時間に基づいて、前記濃度が安定しやすいインクであるか、濃度が安定しにくいインクであるか判断することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
- 前記制御手段は、記録媒体にパターンを記録したときのパターンの濃度と、時間が経過して濃度が安定したときのパターンの濃度との差に基づいて、前記濃度が安定しやすいインクであるか、濃度が安定しにくいインクであるか判断することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
- 前記制御手段は、前記複数のインクのうち、前記記録媒体上に付着したインクが剥れやすいインクが含まれている場合には、前記相対的に濃度が安定しやすいインクによるパターンよりも先に記録するよう制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の記録装置。
- 前記制御手段は、前記剥れやすいインクによるパターンを、前記相対的に濃度が安定しにくいインクによるパターンよりも先に記録するよう制御することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
- 前記記録媒体を搬送するために、記録ヘッドの記録領域の搬送方向上流、および下流に搬送部材を備える搬送手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記パターンの濃度を測定するときに、前記剥れやすいインクによるパターンが前記搬送部材に接触しないよう、前記記録手段によるパターンの記録位置を設定することを特徴とする請求項5または6に記載の記録装置。 - 前記制御手段は、前記記録媒体を搬送方向の逆方向に搬送してそれぞれのパターンの濃度を測定するよう制御することを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
- 前記制御手段は、前記複数のインクそれぞれにより記録媒体にパターンを記録するときに、前記剥れやすいインクによるパターンを最初に記録することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の記録装置。
- 前記剥れやすいインクの色材は、顔料であることを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載の記録装置。
- 前記記録手段は、所定のインクについて複数の記録モードでパターンを記録することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の記録装置。
- 前記記録手段は、所定のインクについて異なる階調のパターンを記録することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の記録装置。
- 測定した前記パターンの濃度に基づいて、画像データから記録データを生成するときに用いられるパラメータを補正する補正手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の記録装置。
- 複数のインクを吐出する記録ヘッドを用い、画像データに基づいて記録する記録方法において、
記録媒体にパターンを記録する記録工程と、
前記記録媒体に記録されたパターンの濃度を測定する測定工程と、
前記複数のインクのうち記録媒体に記録されてから相対的に濃度が安定しにくいインクのパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、相対的に濃度が安定しやすいインクの前記時間よりも長くなるように制御する制御工程と、
を有することを特徴とする記録方法。 - 複数のインクを吐出する記録ヘッドにより記録される画像の濃度を補正する濃度補正方法において、
記録媒体にパターンを記録する記録工程と、
前記記録媒体に記録されたパターンの濃度を測定する測定工程と、
測定した前記パターンの濃度に基づいて、前記記録ヘッドによる記録のための記録データを生成するときに用いられるパラメータを補正する補正工程と、
前記複数のインクのうち記録媒体に記録されてから相対的に濃度が安定しにくいインクのパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、相対的に濃度が安定しやすいインクの前記時間よりも長くなるように制御する制御工程と、
を有することを特徴とする濃度補正方法。 - 複数のインクを吐出する記録ヘッドを用い、画像データに基づいて記録する記録装置において、
前記記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体にパターンを記録する記録手段と、
前記記録媒体に記録されたパターンの濃度を測定する測定手段と、
前記複数のインクのうち、記録された画像への影響度が相対的に大きいインクのパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、前記影響度が相対的に小さいインクの前記時間よりも長くなるように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする記録装置。 - 前記制御手段は、さらに、前記複数のインクのうち記録媒体に記録されてから相対的に濃度が安定しにくいインクのパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、相対的に濃度が安定しやすいインクの前記時間よりも長くなるように制御することを特徴とする請求項16に記載の記録装置。
- 前記制御手段は、複数のインクの少なくとも1つのインクによるパターンの記録と濃度測定を行い、さらに前記少なくとも1つのインクと異なるインクの少なくとも1つのインクによるパターンの記録と濃度測定とを行うことを特徴とする請求項16または17に記載の記録装置。
- 複数のインクを吐出する記録ヘッドを用い、画像データに基づいて記録する記録方法において、
記録媒体にパターンを記録する記録工程と、
前記記録媒体に記録されたパターンの濃度を測定する測定工程と、
前記複数のインクのうち、記録された画像への影響度が相対的に大きいインクのパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、前記影響度が相対的に小さいインクの前記時間よりも長くなるように制御する制御工程と、
を有することを特徴とする記録方法。 - 複数のインクを吐出する記録ヘッドにより記録される画像の濃度を補正する濃度補正方法において、
記録媒体にパターンを記録する記録工程と、
前記記録媒体に記録されたパターンの濃度を測定する測定工程と、
測定した前記パターンの濃度に基づいて、前記記録ヘッドによる記録のための記録データを生成するときに用いられるパラメータを補正する補正工程と、
前記複数のインクのうち、記録された画像への影響度が相対的に大きいインクのパターンを記録してから濃度を測定するまでの時間が、前記影響度が相対的に小さいインクの前記時間よりも長くなるように制御する制御工程と、
を有することを特徴とする濃度補正方法。
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-
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