JP6700677B2 - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は記録装置および記録方法に関するものである。
インクジェット記録装置は、高密度・高速な記録動作が可能であり、ランニングコストが安く静かな記録方式であるなどの優位点を有しており、様々な形態の出力機器として製品化されている。また、近年は、普通紙を用いるオフィス文書の印刷だけではなく、銀塩写真の画質に迫る高画質な写真画像の印刷にも利用されるようになっている。インクの小滴化や複数の濃度の色材の利用などによって、画像の粒状性を低減させたことがインクジェット記録による画質向上の大きな要因といえる。
近年、記録媒体上に記録を行っても記録媒体の色相を変化させない特色(例えば、透明や白色等)の付与材等(特色記録用組成物)を用いて記録を行う記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。色相を変化させない特色を用いることで、記録画像の発色性の向上や、光沢感を付与することによる写真画質の向上を実現している。
ところで、ノズルから吐出されたインクの吐出速度はインク毎の物性や、記録素子の特性によって異なる。このインク毎の吐出速度のばらつきは、インクの付与位置のばらつきになり、画質劣化につながる。またインク色毎の吐出速度にバラつきがなく一定だとしても、ノズル列間距離や、ノズル列の傾きなどによって、インク色またはノズル列毎の着弾位置のバラつきは生じてしまう。付与位置の補正を行う手段として、後述するレジ調整が一般的に行われており、高精細な画像記録を実現する上で、重要な制御となっている。さらには、光学センサによって読み取られたパターンの位置情報を元に、付与位置の補正を行う自動レジ調整も提案されている。しかしながら、上述した、記録媒体の色相を変化させない特色の付与材は、記録媒体上に付与されたとしても視認しにくく、光学センサによる検出も困難である。そのために、自動レジ調整を実施することが困難であり、対策が求められている。
特許文献1では、先に色材を含む色記録用組成物によるパターン記録を行い、その後に特色記録用組成物によるパターン記録を行って、色記録用組成物の記録位置に対する特色記録用組成物の記録位置の相対的な位置を検出する。そして特色記録用組成物の記録前後の平滑度の変化又は平滑度の変化により生ずる反射光量の変化を容易に検出して、記録位置ずれを容易に検出することができ、記録位置ずれを生じている場合にはこれを解消するように記録部の調整を行うことができる、とある。
特開2008−143044号公報
付与位置の調整項目としては、往復間調整、色間調整が挙げられる。往復間調整は1色のインクを往路および復路で記録媒体に付与して、その結果に基づいて調整を行う。この場合にはある1色のみを使用しその他の色の吐出特性に依存せずに調整を行うことが可能である。しかし、色間調整は、基準となる色(基準色)と、基準色に対して調整量を決定したい他の色との、2色の付与位置の相対関係を知るために、それぞれのパターンを検出する必要がある。
有色インクは濃度センサを用いて着弾位置の検出が可能であり、例えば有色インク同士の色間調整を行う場合には、濃度センサの検出結果をもとに調整を行うことができるが、上述したような透明、白のような付与材のパターンを濃度センサで検出することは難しい。そこで、このような濃度検出が難しい付与材には、そのパターンを含む領域へ照射した光の正反射光を測定するなどパターンとその周囲の平滑度の違いを検出することでパターンを検出して付与位置の調整を実施することは可能である。ここで、先述したような色間調整のごとく、有色インクと濃度センサによる検出が簡単でない付与材との間の付与位置の調整を行う場合を考える。この場合、濃度センサによる検出が簡単でない付与材のパターンは平滑性でもって検出し、方や有色インクは濃度で検出するというのは好ましくない。例えば、光源からの光に対して、一方のパターンは乱反射光の検知で濃度を、他方のパターンは正反射光の検知で平滑性を、それぞれ測定して位置検出を行うとすると、乱反射、正反射それぞれ光の検知に係る光軸のずれに起因する検出誤差が生じてしまう畏れがある。このように、種類が異なる付与材については、互いのパターンの検出方式を揃えることが誤差を生まないという点で好ましい。
そこで、種類の異なる付与材についての相対的な付与位置の調整を行う際、調整対象が濃度センサによる検出が簡単でないものを含む場合、調整対象のパターンをそれぞれパターンの平滑度でもって検出しようとすることが考えられる。
しかしながら、有色インクの種類によっては、記録媒体上に形成されたパターンの表面の平滑性が高く、光沢系記録媒体の表面などとは平滑性の差が付きにくく、平滑度の違いでもって高い検出感度でパターンの検出を行うことが難しい場合があることが分かった。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、有色インクのパターンとそれと別の付与材のパターンの検出を行う際の検出誤差を抑制し、それぞれの検出パターンの検出感度の低下を抑え、精度よく両付与材間の相対的な付与位置の調整を行うことを目的とする。
本発明は顔料色材を含む第1のインクを吐出するための第1のノズルと前記第1のインクと種類が異なる第1の付与材を吐出するための第2のノズルとを有する記録手段と、前記第1のノズルと前記第2のノズルとの間の記録媒体上における相対的な記録位置の調整に用いられる第1の検出パッチおよび第2の検出パッチを前記記録手段に記録媒体へ形成させる制御手段と、前記記録手段によって記録媒体に形成された検出パッチ領域に光を照射する発光部と、前記発光部から照射した光が反射した反射光を受光する受光部とを有し、発光部から照射した光の正反射光と乱反射光とを測定することが可能な測定手段と、前記測定手段が測定した測定結果に基づいて所定方向における前記第1の検出パッチと前記第2の検出パッチとの相対的な位置を示す情報を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記第1のノズルと前記第2のノズルとの間での前記所定方向における付与材の付与位置の相対的な調整量を決定する決定手段と、を有する記録装置であって、前記制御手段は、前記記録手段に、前記第1のノズルを用いて前記第1のインクによる前記第1の検出パッチを記録媒体に形成させ、前記第1の検出パッチの表層の平滑度と記録媒体上の前記第1の検出パッチの周囲の領域の平滑度との差よりも前記周囲の領域との平滑度との差が大きい層を前記第1の検出パッチの上に前記第1のインクと別の付与材を付与して形成し前記第1の検出パッチが形成された領域とは異なる領域に前記第2のノズルを用いて前記第1の付与材による第2の検出パッチを記録媒体に形成させ、前記測定手段は、前記別の付与材が付与された前記第1の検出パッチと、前記第2の検出パッチとのそれぞれについて、順次、検出パッチの領域に照射した光の正反射光を測定し、前記検出手段は前記測定手段の測定結果に基づいて前記情報を検出することを特徴とする。
本発明によれば、有色インクとそれと別の付与材とのそれぞれのパターンの検出を行う際の検出誤差を抑制しつつ、それぞれの検出パターンの検出感度の低下を抑え、精度よく両付与材間の記録媒体における相対的な付与位置の調整を行うことができる。
第1の実施形態に係る記録装置の斜視図である。 第1の実施形態に係る記録ヘッドを説明する模式図である。 第1の実施形態に係る光学センサを説明するための模式図である。 第1の実施形態に係る記録装置の制御の構成を説明するためのブロック図である。 第1の実施形態に係る画像処理の流れを説明する図である。 光沢度および写像性の測定方法を説明する図である。 光沢度を説明する図である。 記録媒体に顔料インクや画質向上液を記録した状態を説明する図である。 第1の実施形態に係る色変換処理の説明図である。 第1の実施形態に係るマルチパス記録方法を説明する図である。 第1の実施形態に係るマスクパターンの模式図である。 第1の実施形態に係るマスクパターンを用いたマルチパス記録の説明図である。 第1の実施形態に係る記録物の光沢度と写像性の説明のための模式図である。 第1の実施形態に係る記録物の光沢度と写像性の説明のための表を示す図である。 第1の実施形態に係る調整パターンおよびパターンの検出の様子を説明するための模式図である。 第1の実施形態に係る調整パターンを示す模式図である。 第1の実施形態に係る調整パターンおよびパターンの検出の様子を説明するための模式図である。 第1の実施形態に係る調整パターンを示す模式図である。 第1の実施形態に係る記録位置の調整の処理の流れを説明するためのフローチャートを示す図である。 第2の実施形態に係る調整パターンを示す模式図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に用いるインクジェット記録装置の内部構成を示す斜視図である。CRモータ12を駆動源としたタイミングベルト13の移動に伴い、記録ヘッドを搭載したキャリッジ11が、ガイドシャフト14に案内支持されながら、図の主走査方向に往復移動する。フレキシブルケーブル15は、キャリッジ11の移動に追従しながら、装置本体の基板と記録ヘッドを電気的に接続している。搬送ローラ対16は、記録媒体17を挟持するとともに、その回転に伴って記録媒体17を、主走査方向と交差する所定方向(副走査方向)に搬送する。記録データに従って記録ヘッドがインクを吐出しながらキャリッジ11が主走査方向に移動する主走査と、搬送ローラ対16の回転に伴う搬送動作と、を交互に繰り返すことにより、段階的に記録媒体上に画像が形成される。また、キャリッジ11には光学センサ18を付けてあり、キャリッジ11を主走査方向に走査させることで、主走査方向の読み取りが可能である。
図2は、本実施形態で用いる記録ヘッド21のノズルの開口側を示す模式図である。記録ヘッド21は、1インチ当たり1200個の密度で1280個のノズルが副走査方向に並ぶノズル列を、インク色毎に備えている。シアンインク(C)を吐出するノズル列21C、マゼンタインク(M)を吐出するノズル列21M、イエローインク(Y)を吐出するノズル列21Y、およびブラックインク(K)を吐出するノズル列21Kが記録ヘッド21の主走査方向に並んでいる。また、無色透明で画質向上液(CL)として用いるインクを吐出するノズル列21CLも並んでいる。ノズル列21C、21M、21Y、21K、21CLのそれぞれは、1インチ当たり600個の密度でノズルが並ぶ2列のノズル列が、1/1200インチずれて千鳥状に配置されたものである。この2つの列(以降、Even列とOdd列)を1つのノズル列と見なして用いることで、記録媒体上に1インチ当たり1200個のドットを形成することができる。これらのノズル列はそれぞれ別々のチップCに設けられ、それぞれのチップは支持部材に接着固定されている。しかし、複数ノズル列あるいは全部のノズル列が同一のチップに設けられていても差し支えない。各ノズルから吐出されるインク滴の量(吐出量)は約4.5plである。ただし、ブラックインクは高濃度を実現するため、他色のインクよりも吐出量を多く設定してもよい。本実施形態の記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出する記録ヘッドであり、ノズル内に熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備える。尚、インクを吐出する方式は熱エネルギーを利用する方法に限るものではなく、圧電素子によってインクを吐出する方法等、他の方式であっても良い。
記録ヘッド21を主走査方向に走査しながらインクを吐出することにより、主走査方向に2400dpi(dot/inch)、副走査方向に1200dpiの記録密度でドットを形成することができる。また、C、M、Y、K、CLの5色のインクを吐出する記録ヘッド21は、各色で独立に構成されていても良いし、一体的に構成されていても良い。また、上記5色のインクの他に、粒状性向上を目的として淡シアンインクや淡マゼンタインクを追加してもよく、発色向上を目的としてレッドインク、グリーンインク、ブルーインクを追加してもよい。
(インク処方)
以下、本実施形態におけるインク処方について、詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施形態によって何ら限定されるものではない。なお、文中「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(ブラック顔料分散液の調製)
先ず、顔料20.0部、樹脂水溶液60.0部、及び水20.0部を、0.3mm径のジルコニアビーズの充填率を80%としたビーズミル(LMZ2;アシザワファインテック製)に入れ、回転数1,800rpmで5時間分散した。なお、顔料としては、カーボンブラック(商品名:プリンテックス90;デグサ製)を用いた。また、樹脂水溶液としては、スチレン−アクリル酸共重合体であるジョンクリル678(ジョンソンポリマー製)を、酸価と当量の水酸化カリウムで中和したものを含む、樹脂(固形分)の含有量が20.0%である水溶液として用いた。その後、回転数5,000rpmで30分間遠心分離を行うことにより凝集成分を除去し、さらにイオン交換水で希釈することで、顔料の含有量が15.0%、水溶性樹脂(分散剤)の含有量が9.0%であるブラック顔料分散液を得た。
(マゼンタ顔料分散液の調製)
顔料をC.I.ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタE02;クラリアント製)に変更した。それ以外は、上記のブラック顔料分散液の調製と同様の手順により、顔料の含有量が15.0%、水溶性樹脂(分散剤)の含有量が9.0%であるマゼンタ顔料分散液を得た。
(シアン顔料分散液の調製)
顔料をC.I.ピグメントブルー15:3(商品名:トナーシアンBG;クラリアント製)に変更した。それ以外は、上記のブラック顔料分散液の調製と同様の手順により、顔料の含有量が15.0%、水溶性樹脂(分散剤)の含有量が9.0%であるシアン顔料分散液を得た。
(イエロー顔料分散液の調製)
顔料をC.I.ピグメントイエロー74(商品名:Hansa Brilliant Yellow 5GX;クラリアント製)に変更した。それ以外は、上記のブラック顔料分散液の調製と同様の手順により、顔料の含有量が15.0%、水溶性樹脂(分散剤)の含有量が9.0%であるイエロー顔料分散液を得た。
<インクの調整>
表1の上段に示す各成分(単位:%)を混合した後、ポアサイズが1.2μmであるメンブレンフィルター(HDCIIフィルター;ポール製)にて加圧ろ過することで、顔料インク1〜6をそれぞれ調製した。イオン交換水の使用量は、成分の合計量が100.0%となる含有量とした。なお、アセチレノールE100は川研ファインケミカル製の界面活性剤である。表1の下段には、顔料インク中の顔料の含有量(単位:%)を示した。このようにして得られたインクをそれぞれカートリッジに充填した。
Figure 0006700677
画質向上液の調整
<樹脂水溶液の調整>
樹脂水溶液としては、スチレン−アクリル酸共重合体であるジョンクリル678(ジョンソンポリマー製)を、酸価と当量の水酸化カリウムで中和したものを含む、樹脂(固形分)の含有量が20.0%であるものを用いた。
<インクの調整>
表2に示す各成分(単位:%)を混合した後、ポアサイズが1.2μmであるメンブレンフィルター(HDCIIフィルター;ポール製)にて加圧ろ過することで、樹脂を含有するクリアインクCLを調製した。イオン交換水の使用量は、成分の合計量が100.0%となる含有量とした。なお、アセチレノールE100は川研ファインケミカル製の界面活性剤である。このようにして得られた画質向上液をカートリッジに充填した。
Figure 0006700677
本実施形態において特徴となる、画質向上液を有色インクの上に記録することで、有色インクのみよりも記録物表面の光沢度を下げる効果は、樹脂の屈折率によって変わる。後述するように、屈折率が小さいほど、表面の光沢度は下がる。なお、画質向上液はその含有材料により若干の色味を帯びることもあったり、調整のために多少の色材を含有することもあるが、他の有色インクと比較して実質的には無色透明である。
(光学センサ)
図3は図1の記録装置に取り付けた光学センサ18の構成を示している。光学センサ18は、測定領域が記録ヘッド21の記録面に対し下流側に位置し、また、光学センサ18の下面は、記録ヘッド21の下面と同位置もしくはそれよりも高くなるように配置されている。図3(a)は光学センサ18の断面図を示している。
光学センサ18には、R、G、B3つの可視LEDで実現される2つの発光部302、304と、フォトダイオードで実現される受光部303が設けられている。2つの発光部302、304は、発光部302、304と受光部303の位置関係から、照射光と反射光の角度関係を規定している。発光部302において照射された光の反射光を受光する場合は、入射光と反射光の角度は同一であるため、紙面上での正反射光を検知することができ、正反射センサ310として機能する。正反射光は、後述するように表面の凹凸や屈折率の影響を受けて反射光量が変化するため、正反射センサ310は光沢度の検出に利用できる。また、発光部304において照射された光の反射光を受光する場合には、紙面上の乱反射光を検知する乱反射センサ311(以降、濃度センサ)として機能する。正反射光を含まない乱反射光を検出することで、検出面の色濃度を検出することができる。
後述する自動レジ調整用の調整パターンの記録濃度測定に際しては、副走査方向への記録媒体301の搬送と、光学センサ18が取り付けられたキャリッジ11の主走査方向への移動とが交互に実施される。これにより、光学センサ18は、記録媒体上に記録された調整パターンの濃度を光学反射率として検出する。紙面に形成したパッチ上に光を照射した場合、パッチの濃度を反映した反射強度のレベルを検知することができる。白い紙面上では反射強度は強くなり、濃度の濃いパッチほど、反射強度は弱くなる。
本実施形態では、発光素子から測定面に対して照射された照射光の照射範囲の中心点と発光素子の中心とを結ぶ直線を、発光素子の光軸と称する。この発光素子の光軸は、照射光の光束の中心でもある。また、測定面(測定対象表面)において、受光素子が受光可能である領域(範囲)の中心点と受光素子の中心とを結ぶ線を、受光素子の光軸、または受光軸と称する。この受光軸は、測定面で反射し、受光素子に受光される反射光の光束の中心でもある。
図3(b)は光学センサ18によって検出エリアを表している。照射光の照射エリアと受光側の検出エリアは反射面で重なるように構成された検出スポット309であり、大きさは3mm×3mmとしている。また照射光の照射エリアと受光側の検出エリアは反射面で重なるように構成された検出スポット312、大きさは3mm×3mmとしている。
(画像処理システムの構成例)
次に、インクジェット記録装置の記録制御を実行するための制御構成について説明する。図4は、図1に示したインクジェット記録装置の制御系の構成を説明するためのブロック図である。まず、スキャナやデジタルカメラ等の画像入力機器401やハードディスク等の各種記憶媒体に保存されている多値画像データが、画像入力部402に入力される。画像入力部402は、記録装置外部に接続されたホストコンピュータであり、インターフェイス回路403を介して、記録装置である画像出力部404に対して記録すべき画像情報を転送する。画像入力部402には、画像データを転送する際に必要なCPU405や、記憶素子(ROM410)が配置されている。ホストコンピュータの形態としては、情報処理装置としてのコンピュータとするほか、イメージリーダなどの形態とすることもできる。
記録制御部407の内部には、CPU408、入出力ポート409を含んだASIC412や、制御プログラムなどを記憶した記憶素子(ROM410)や、各種画像処理を実施する際のワークエリアとなるRAM411が配置されている。ROM410は、CPU408の制御プログラムや記録動作に必要なパラメータなどの各種データを格納している。RAM411は、CPU408のワークエリアとして使用されると共に、画像入力部402から受信した画像データや生成した記録データなどの各種データの一時保管等を行う。また、ROM410には、図5を用いて後述するテーブルとしてのLUT(ルックアップテーブル)502、504が格納されている。RAM411には、パッチを記録するためのパッチデータが格納されている。尚、502、504のルックアップテーブルをRAM411に格納してもよく、パッチデータをROM410に格納してもよい。
録制御部407は、画像入力部402より転送された多値の入力画像データを、後述する画像処理を施して2値画像データへと変換する。また、記録制御部407は入出力ポート409を備えており、CRモータ12、搬送ユニットにおけるLFモータ416、記録ヘッド21の各駆動回路413、414、415が接続される。
そして、記録制御部407において変換された2値画像データに基づき、記録ヘッド21の各記録素子から記録媒体にインクを付与するにより画像を形成する。
さらに、入出力ポート409には、カラーパッチの測定や記録媒体の検出に用いる光学センサ18、周辺環境の温湿度を検出する温湿度センサ417などのセンサ類が接続される。
記録制御部407に含まれるASIC412は、光学センサ18の動作を制御する。発光部302、304にそれぞれ設けられているLED420はR(赤)、G(緑)、B(青)の三原色を選択的に発光することができ、検出対象のパッチ色などに基づいて、LEDドライバ419によって制御される。受光部303に設けられているフォトダイオード421からの受光信号はアナログ処理部(AFE:アナログフロントエンド)422で信号増幅処理・ノイズ除去のためのローパスフィルタ処理などが行われる。
アナログ処理部422で処理されたアナログ信号は、A/D変換器(ADC)423を介してデジタル信号としてASIC412に入力される。また、アナログ信号はコンパレータ424に入力され、コンパレータ出力が割込み信号として、ASIC412の割り込みポート425へ入力される。また、キャリッジ11の位置を検出するエンコーダ15からの信号もASIC412に入力される。
ASIC412は光学センサ18からの出力信号とエンコーダ15からの位置信号の同期をとり、キャリッジ11の位置に対応した濃度検出信号として光学センサ18からの信号を処理する。読取ったパッチのデータやエンコーダから出力されるカウント値等は、RAM411に記憶される。
また、記録制御部407は後述するレジ調整処理に際して、調整パターンの測定結果に基づいてレジ調整値(以下、調整値と呼ぶ場合もある)の算出を行なう。この調整値は、例えば、RAM411等に格納される。また、例えば、RAM411等に格納された調整値に基づいて各ノズルから吐出されるインクの吐出タイミングを調整し、記録媒体上に形成されるドットの着弾位置(付着位置)を補正する。
図5は、図4に示した記録制御部407内の処理を説明するフローチャートである。記録制御部407において、画像データの画素ごとにどのノズルを使用するのかが決定される。ステップS501において、各色8bitで構成される入力画像データを、C、M、Y、K、および、CLの濃度信号に変換する色変換処理が行われる。具体的には、3次元の色変換ルックアップテーブル(3D−LUT)502を参照し、画素ごとに、入力画像データを、プリンタが利用可能な複数のインク色の多階調データ(CMYKCLデータ)に変換する。
3D−LUT502の次元数は、ステップS501の色変換処理に入力する入力画像データの成分(要素)の数を示している。ただし、この3D−LUT502には、特定且つ離散的なRGB信号に対する濃度信号しか保持されておらず、各色256段階で表現されるRGBの全ての組み合わせに対応していない。従って、保持されていない領域のRGB信号に対しては、保持している複数のデータを用いて、補間処理で求める。ここでは公知の補間処理方法を用いるため、詳細な説明は省略する。ステップS501の色変換処理によって変換された多階調データ(CMYKCLデータ)の値は、入力値である入力画像データと同様に8bitで表現され、256段階の階調値を有する濃度値として出力される。
ここで、無色透明で光沢制御に用いる画質向上液として用いるCLを説明する。本明細書においては、視覚的に感知される光沢性の程度を示す基準として、「光沢度」と「写像性」を利用する。ここではまず、光沢度と写像性の評価方法について説明する。
図6(a)〜(d)は、光沢度および写像性の測定方法を説明する図である。図6(a)を参照するに、20°鏡面光沢度(以下、光沢度と記載する)では、印刷物表面に対し入射角θ=20°で入射した光の反射光を検出する。検出器としては、例えば、BYK−Gardner社製のB−4632(日本名;マイクロ−ヘイズ プラス)などを採用することが出来る。検出部は図6(a)に示すように、正反射光の軸を中心とした開口幅1.8°の範囲での光強度を検出し、その結果、図6(d)のよう正反射角をピークとした強度分布が得られる。このとき、入射光強度に対する正反射光の強度が光沢度となり、その単位は無次元である。このような光沢度および測定方法はJIS規格のK5600に準拠している。
写像性とは、対象物に映る像の鮮明さを表し、例えば、JIS H8686『アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の写像性測定方法』やJIS K7105『プラスチックの光学的特性試験方法』を用いて測定される。写像性を測定する装置としては、写像性測定器ICM−1T(スガ試験機製)や、写像性測定装置GP−1S(オプテック製)が、JIS規格に準拠したものとして市販されている。対象物となる記録媒体の表面の凹凸が少ない場合、図6(b)のように記録媒体の表面で拡散される光の量は少なく、拡散光に比べ正反射光が強くなる。つまり、表面で反射される光が平行になりやすく、比較的鮮明な像が写り、写像性の値は高くなる。一方、図6(c)のように、記録媒体の表面の凹凸が多い場合、反射光は様々な方向へ拡散され、正反射光が弱くなる。つまり、表面で反射される光の進路は様々で、ぼやけた像が写り、写像性の値は低くなる。以上、説明したように、光沢度や写像性は、反射面の表面粗さよって変化する。
また、光沢度については記録媒体の表面粗さだけでなく、材料や層構造起因の屈折率によって変化することも知られている。図7は屈折率による光沢度の変化を説明するための図である。図7(a)はある屈折率を有したインク層704表面での入射光702の進み方(光路)を示している。記録媒体701上に入射した入射光702は空気層とインク層704の界面において、反射光703と、屈折してインク層704内へ入射する透過光705に分かれる。反射光703と透過光705に分かれる比率はインク層704の屈折率によって決まる。
一方、図7(b)はインク層704よりも相対的に屈折率の大きいインク層706表面での入射光702の入射・反射の様子を示している。入射光702は、インク層706の屈折率が大きいため、インク層706内にあまり入っていくことができない。よって、透過光708は図7(a)で示したインク層704に透過する透過光705よりも光強度が弱い。反対に反射光707は反射光703よりも大きくなる。つまり、入射光があたる領域の屈折率が大きいほど、光沢度としては大きくなる。例えば、CL内に含有され、インク層上に主に残る成分である樹脂の屈折率が低いほど、CLを有色インクで記録された領域の上からオーバーコートした際の光沢度は下がる。
なお、説明を簡単にするため、インク層704、706の表面に凹凸はないものとして説明を行っている。実際には、上述の表面の凹凸による散乱度合いと屈折率の両方から、記録物の光沢度は決まる。
ところで、記録物については、その光沢度や写像性が高いほど好ましいというものではなく、観察のしやすい範囲がある。本発明者らが検討したところ、そのような光沢度の範囲は、20°鏡面光沢度において30〜60であると判断した。したがって、本発明では、記録画像によらず、記録物の光沢度を30〜60の範囲に収めるような記録制御を行う。より具体的には、使用するインクの種類やその記録密度(階調)に応じて光沢度や写像性は変化するので、画像に応じて画質向上液の記録量や記録タイミングを調整して、画像全体の光沢度を上記範囲に統一するようにする。
図8(a)〜(f)は、記録媒体801にカラーインク802やクリアインク803を記録した状態を、濃度領域ごとに説明する図である。ハイライト部のようにドットの記録密度が低い場合、記録されるドットは図8(a)のように疎らで、記録面の光沢性は記録媒体そのものの光沢性に依存する。一般に、白紙部分の光沢度は、顔料インクを記録した領域よりも低い傾向にある。よって、ハイライト部の光沢度はより多くのドットを記録する中濃度領域や高濃度領域の光沢度よりも低く感知されやすい。そこで、本実施形態では、ハイライト部の光沢度を30〜60程度まで高めるため、図8(d)のように、顔料インクが記録されない領域の所々に、画質向上液を記録する。
一方、中濃度領域のように、より多くのドットが記録される階調では、記録媒体の表面は図8(b)のように、広がった顔料インクによって略埋め尽くされる。この際、記録面は平滑で、その光沢度は100を超えるなど、好適な範囲30〜60に比べて高くなってしまう。このため、本実施形態では、記録面の平滑度をあえて乱すために、適量の画質向上液を記録する。但し、記録媒体には吸収可能な液体量の上限があるので、既に形成された平滑層の上に上限まで画質向上液を記録しても、高すぎる光沢度を十分に下げることは出来ない。そこで、本実施形態では、顔料インクと画質向上液を混在させながら略同じタイミングで記録することにより、図8(e)のように記録面に凹凸を形成し、高すぎる光沢度を抑制する。
高濃度領域のように、更に多くのドットが互いに重複して記録される場合には、顔料インクの色材や分散樹脂等の固形分量が多くなり、図8(c)のように、全体に多くの凹凸が形成される。特に、異なる複数の顔料インクが重なった場合、このような凹凸はより顕著になる。よって、高濃度領域の光沢度は中濃度領域よりは下がる傾向がある。ただし、本発明者らの検討によればその光沢度は60〜80の範囲であり、好適な範囲である30〜60よりは上回っている。よって、高濃度領域についても光沢度を下げるためにある程度の画質向上液を付与する必要がある。
しかしながら、高濃度領域では図8(c)に見るように既に多くの凹凸が形成されているため、中濃度と同じ方法で画質向上液を付与すると、写像性がさらに低下することが懸念される。よって、本実施形態では、図8(f)のように、顔料インクが既に記録された上に画質向上液をオーバーコートする。これにより、光沢度を好適な範囲に抑えることが出来るようになる。
以上説明したように、本実施形態においては、濃度領域ごとに適切な量の画質向上液を適切なタイミングで付与する。具体的には、入力画像データに基づいて、4種類の有色インクC、M、Y、Kのそれぞれに対応する4つの多値データのほか、画質向上液に対応する第1の多値データCL1と第2の多値データCL2を生成する。ここで、第1の多値データCL1は、図8(d)で説明したように、有色インクと略同じタイミングで記録される画質向上液のための多値データである。また、第2の多値データCL2は、図8(f)で説明したように、有色インクを記録した後に記録される画質向上液のための多値データである。
図9は、本実施形態の色変換処理S501で実行する信号値変換の例を説明する図である。横軸は、(R、G、B)=(255、255、255)であるホワイト(白)から(R、G、B)=(0、255、255)であるシアンを経て(R、G、B)=(0、0、0)であるブラック(黒)へ向かうシアンラインの入力信号値を示している。縦軸は、個々の入力信号値に対応するC(シアン)901、K(ブラック)902、CL1(画像向上液の第1の多値データ)903、CL2(画像向上液の第2多値データ)904、夫々の出力信号値を示している。
シアンラインにおいて、シアンインク用の出力信号C901は、0から徐々に増加し、シアン(0、255、255)でピークとなり、更にブラックに向けて徐々に減少し、ブラックで0となる。一方、ブラックインクの出力信号902は、シアン(0、255、255)までは0で、これを過ぎた辺りから徐々に増加し、ブラックでMAXとなる。このように、C901およびK902夫々の出力信号値や総和および割合は、入力信号値に応じて変化する。そして、出力信号値は単位領域あたりのインクの付与量に相関するので、有色インクによって表現される記録面の光沢度や写像性も、入力信号値に応じて変化する。
本実施形態では、有色インクと同じタイミングで記録される画像向上液の第1の多値データCL1と、有色インクよりも後で記録される画像向上液の第2多値データCL2を、有色インクの出力値に応じて調整し光沢度や写像性を図8で説明したように制御する。図8で示したように、本実施形態では、相対的にドットの記録密度が低いハイライトから中濃度であるシアンにおいて、CL1(第1の多値データ)を主に使用する。そして、相対的にドットの記録密度が高いシアンからブラックにおいては、CL1を徐々に減少させながら最終的に0とし、この減少とともにCL2(第2の多値データ)を徐々に増加している。すなわち、ハイライトからシアンにおいては、シアンインクと同じタイミングで画像向上液が付与され、図8(d)あるいは図8(e)のような記録状態を得る。一方、ブラックに近い領域においては、シアンインクとブラックインクが記録された後から画質向上液が付与され、図8(f)のような記録状態を得る。いずれにしても、好適な範囲の光沢度および写像性が得られ、光沢むらを抑えることが可能となる。
なお、ここでは、CL1(第1の多値データ)が減少を開始するタイミング(信号値)とKが0より大きくなるタイミングをほぼ等しくしているが、本実施形態はこのような信号値変換に限定されるものではない。よりハイライトに近いKが0の領域であっても、紙面がインクで埋め尽くされてしまうような状態になる場合には、光沢度に応じて、CL1の信号値を下げ、CL2を0より大きくするようにしてもよい。
以上、図9ではシアンラインを例に説明しているが、このような調整は、全ての有色インクについて全ての階調で適正化することが出来る。この場合、個々の入力信号値(R、G、B)から変換される多値データ(C、M、Y、K)に適したCLが、色変換処理S501が参照する3D−LUT502において対応付けられていればよい。尚、3D−LUT502のテーブルの格子点に適応しないデータは、補間演算を併用して変換を行ってもよい。
次に、ステップS503において、色変換が施されたCMYK+CLデータを補正する、出力γ補正処理が行われる。ここでは、最終的に記録媒体で表現される光学濃度が入力される濃度信号に対し線形性を保つように、1次元の補正テーブルである1D−LUT504を参照してインク色毎にデータを補正する。ここで出力されるC’M’Y’K’CL’データは、入力画像データと同様に8bitの濃度値である。
次に、ステップS508において、記録ヘッド21が記録可能なドットの記録位置を定めた1bitの2値画像データへと変換する2値化処理を行う。この2値化処理は、一般的な多値誤差拡散処理を採用することが出来る。ステップS509において、2値画像データを元に、後述するマスクパターン処理において使用するマスクパターンを選択し、走査毎の出力画像データを生成する。
尚、ステップS501の色変換処理、ステップS503の出力γ補正処理、およびステップS508の2値化処理における最適な変換方法は、記録媒体の種類や記録する画像の種類等によって異なる。特に、色変換処理で用いられる3D−LUT502は、記録媒体の種類ごとに用意される。
図10を用いて、ステップS509のマスクパターン処理について具体的に説明する。マスクパターンは、記録制御部407内のROM410に格納されている。ステップS509のマスクパターン処理では、マスクパターンを用いて各色の画像データを記録走査毎に分割し、記録走査毎且つインク色毎のドットデータを生成する。
画像データ101は、記録画像における単位画素の記録密度を表しており、ここでは50%である。この記録密度50%の画像画素に対して2値化処理が行われ、また同時に行った解像度変換によって4×2の記録画素となったものが、2値画像データ102に示されている。2値画像データ72において、ドットの記録を示す黒の画素が4画素、ドットの非記録を示す白の画素が4画素であり、記録密度が50%となる。本実施形態において、記録密度とは、1200dpi×1200dpiで配列する記録媒体上の画素のうち、実際にドットが記録される画素の割合を示す。すなわち、記録密度が50%とは、全ての画素のうち半分の画素にドットが記録されることを示す。
図中、103は、4回の記録走査によって画像を記録する4パスのマルチパス記録に用いられるマスクパターンの一例である。ドットの記録の許容または非許容を示す複数の画素領域によって構成されている。黒く示した領域がドットの記録を許容する記録許容画素を示しており、白く示した領域がドットの記録を許容しない非記録許容画素を示している。個々のマスクパターン103a〜103dは、記録許容率が均等な25%ずつである。互いに補完の関係を保っており、合計100%である。
ノズル列内のノズルは縦方向に4つの領域に区分される。各領域に含まれるノズルは、マスクパターン103のうち各領域に対応するマスクパターン103a〜103dと画像データに従ってドットを記録する。各走査について、マスクパターン103a〜103dと2値化処理後の2値画像データ102との論理積をとることにより、各走査で実際に記録する画素が決定される。104は、論理積の結果を示しており、各記録走査で記録される画素の位置を示したものを縦に並べている。これにより、記録走査ごとに1画素ずつ記録されることがわかる。例えば、2値画像データ102とマスクパターン103bとの論理積から、2回目の記録走査によって記録される出力画像データ74bが導き出される。つまり、2値画像データにおいて記録される画素データがあり、かつマスクパターンにおいて記録を許容された場合にのみドットを記録する。ここでは説明を簡単にするため4画素×8画素の領域を有するマスクパターンを示したが、マスクパターンは、主走査方向にも副走査方向にも更に大きな領域を有している。特に、副走査方向において、記録ヘッドのノズル列のノズル数とマスクパターンの画素数とを同一にするのが一般的である。
以上、説明したマルチパス記録では、用意するマスクパターンに特徴を持たせることによって、様々な記録制御を行うことが出来る。そこで、本実施形態では、CL1およびCL2を記録するタイミングを互いに異ならせるために、マスクパターン処理S509では、以下に説明するような特徴的なマスクパターンを使用する。
図11(a)および(b)は、マスクパターン処理S509で使用するマスクパターンをそれぞれ示した図である。図11(a)は、マスクパターン処理S509で使用する、4色の有色インクとCL1のためのマスクパターンである。ノズル列の第1ブロックおよび第2ブロックには互いに補完関係にある記録許容率が50%のマスクパターンが宛がわれ、ノズル列の第3ブロックおよび第4ブロックの記録許容率は0%となっている。一方、図11(b)は、マスクパターン処理S509で使用する、CL2のためのマスクパターンである。ノズル列の第1ブロックおよび第2ブロックの記録許容率は0%であり、第3ブロックおよびノズル列の第4ブロックには互いに補完関係にある記録許容率が50%のマスクパターンが宛がわれている。
図12(a)および(b)は、図11(a)および(b)で示したマスクパターンを用いて4パスのマルチパス記録を行った場合の、それぞれの記録状態を示す図である。ノズル列の1ブロック分に相当する記録媒体の同一画像領域は、N+1パス目とN+2パス目において図11(a)で示したマスクパターンによる記録が完了し、その後のN+3パス目とN+4パス目で図11(b)に示したマスクパターンによる記録が行われる。すなわち、N+1パス目とN+2パス目で有色インクおよび画質向上液のCL1データの記録が完了し、その後のN+3パス目とN+4パス目で画質向上液のCL2データが記録される。
以上説明した画像処理の結果、個々のノズル列において実際に記録に使用されるノズル領域は、インク毎に異なる。有色インクを吐出するノズル列は、図11(b)のマスクパターンを使用するので、実際に吐出動作を行うノズル領域は下半分である。一方、画質向上液用のノズル列は、図11(a)および(b)の両方のマスクパターンの論理和を使用するので、全ノズル領域を用いて吐出動作を行うことになる。この際、下半分の領域は第1の多値データCL1から変換された2値データCL1´に基づく吐出動作が行われ、画質向上液は有色インクと同じタイミングで記録媒体に付与される。一方、上半分の領域は第2の多値データCL2から変換された2値データCL2´に基づく吐出動作が行われ、既に記録されている有色インクや画質向上液の層上から、画質向上液を付与することになる。
図13(a)および(b)は、本実施形態の信号値変換および記録動作を行った場合の、光沢度および写像性を説明するための図である。両図において横軸は図9と同じシアンラインの信号値を示す。また、破線は画質向上液を使用しないで記録した場合の光沢度および写像性を、実線は上述した方法で画質向上液を記録した場合の光沢度および写像性をそれぞれ示している。
有色インクのみを使用した場合、ホワイトからのハイライト部において、写像性は目標範囲内であるが、光沢度は目標範囲を下回っている。これは図8(a)で説明したように、記録されるドットが疎らで、記録面の光沢性が記録媒体そのものの光沢性に依存するからである。これに対し、本実施形態の方法で画質向上液を記録した場合、図8(d)のように白紙領域の所々に画質向上液が記録されるので、光沢度は目標範囲内まで上昇している。また、写像性についても目標範囲内を維持している。
中濃度領域においては、有色インクのみを記録した場合、写像性は目標範囲内であるが、光沢度は目標範囲を大きく超えてしまっている。これは、図8(b)で説明したように、記録媒体の表面が、広がった顔料インクによって略埋め尽くされ、顔料インクそのものの高い光沢度が現れるからである。これに対し、本実施形態の方法で画質向上液を使用した場合、図8(e)のように適度な凹凸が形成されるので、光沢度は目標範囲内に収まっている。また、写像性については、その値は下がるものの目標範囲内を維持している。
高濃度領域においては、有色インクのみを使用した場合、写像性は目標範囲内ではあるがハイライト部や中濃度領域に比べるとかなり低くなっている。これは、図8(c)で説明したように、顔料インクの色材や分散樹脂等の固形分量が多くなるため、全体に多くの凹凸が形成されるからである。そして、光沢度については目標範囲を超えてしまっている。これに対し、本実施形態では、図8(f)のように画質向上液を顔料インクの層上からにオーバーコートしている。よって、必要以上の凹凸を形成して写像性を更に低下させることなく、光沢度を目標の範囲まで下げている。
図14は、図13(a)および(b)で説明した効果を、図8(a)〜(f)の記録状態に対応させながら示した図である。顔料インクのみで記録した図8(a)〜(c)では濃度領域によって光沢度がばらついているが、本実施形態のように画質向上液を追加で記録した図8(d)〜(f)では、いずれの濃度領域も光沢度が中程度(30〜60)に揃っている。その一方で、写像性は目標範囲(中程度)に維持されている。このように、本実施形態によれば、写像性と光沢度の双方を鑑みた光沢性において、濃度領域ごとの光沢性のばらつきを抑え、光沢むらを回避することが出来る。
なお、本実施形態の色変換処理S501において、図9で説明したようなCL1やCL2の生成は、シアンラインに限らず全てのRGB空間で行うことが出来る。すなわち、本実施形態によれば、全ての有色インクの全ての階調について、適量の画像向上液を適切なタイミングで付与することが出来、その結果、全色空間において色相ごとの光沢性を目標範囲内に収束させ、画像全体の光沢性を一様にすることが可能となる。
ここで、既に述べてきたように、有色インクと画質向上液のドット配置や着弾順序に応じて光沢性は異なる。しかしながら、画質向上液の記録媒体上での付与位置がずれていると、有色インクと画質向上液のドットの位置関係がくずれ、狙い通りの光沢性を得ることができない。よって、有色インクと同様に画質向上液の配置の調整も重要であるといえる。
以下、本実施形態において特徴的な、記録媒体へ付与する有色のインク、画質向上液の付与位置の調整方法(レジ調整)について説明を行う。
(自動レジ調整方法)
本実施形態では付与位置の調整項目として、主走査方向の付与位置のズレの調整を目的とした以下の3つを採用する。もちろん、記録装置の特性に合わせて、その他の調整項目を採用して調整しても良い。例えば、ノズル列毎の縦方向のずれを調整するための、縦方向調整がある。
1.Even−Odd列間調整
図2には、同じCLについて、Even列(eで符号された破線枠のノズル列)と、それとノズル列のピッチの半分の距離ずれて配置されたOdd列(oで符号された破線枠のノズル列)とが示されている。このEven列とOdd列とは、それぞれの色についても同様に設けられている。Even−Odd列間調整では、同じ色についてのEven−Odd列間のノズル列に交差する主走査方向における記録位置を調整する。Even列と同じカラムを記録するためのデータに基づいてOdd列から吐出した液滴がEven列で吐出した液滴と記録用紙上で一致するように、Even列を基準にしてOdd列の駆動タイミングを補正する。この補正は各色について行う。Even列とOdd列でインク吐出速度が異なる場合には、液滴の記録用紙上での位置は、記録ヘッドの吐出面と記録用紙との間の距離の影響を受ける。以下、Even−Odd列間調整を実現するための調整量を示す調整値を、Even−Odd列間レジ値と呼ぶ。
2.往復間調整
キャリッジ11の主走査方向における往方向記録と復方向記録(図1参照)の間での記録位置のずれを調整する。各色について行い、Even列(図2参照)の主走査方向における往方向記録による記録位置と、同じインク色のEven列の復方向記録による記録位置とのずれを調整することによって行う。吐出されたインク滴はキャリッジの移動速度による慣性を受けて飛翔するため、ずれ量はキャリッジ速度及び飛翔時間の影響を受ける。以下、往復間調整を実現するための調整量を示す調整値を、往復間レジ値と呼ぶ。
3.色間調整
主走査方向において、一つの色を基準として他の色の記録位置のずれを調整する(図1、2参照)。本実施形態においては、ブラックインクを記録する記録ヘッドの記録位置を基準とし、このEven列の往方向記録による記録位置と、調整対象色のEven列の往方向記録による記録位置とを調整する。以下、色間調整を実現するための調整量を示す調整値を、色間レジ値と呼ぶ。
以下に、本実施形態において適用される、着弾位置の調整に用いられる検出パッチ1504(以下単にパッチとも称する)について図15を用いて説明する。図15のX方向は図1、2における主走査方向、Y方向は副走査方向に対応する。なおこれについては、以降のレジ調整のためのパターンの説明のため図16〜図18にて示すX、Y矢印に関しても同様である。
パッチ1504は四角い形状の濃度均一のパッチである。パッチの主走査方向の長さは少なくとも光学センサ18のうち、濃度センサ311の検出スポット312よりも長くする。副走査方向の長さも検出スポット312より長く、余裕があったほうが好ましい。パッチの形状は、検出した際の信号立ち上がりをシャープにするためにキャリッジの走査方向に直交するエッジを持つように四角にする。検出濃度が高い方が信号のコントラストを高められるため、濃度均一の高濃度パターンとしている。
図15(a)に示すように、パッチ1504は、濃度センサ311による主走査方向の狙い位置1502がパッチ中心と一致するようにインクを吐出するが、一般にはレジストレーションによってX方向にずれた位置にパッチが形成される。この想定されるずれが生じたとしても隣接するパッチ1513と重ならない間隔1503をもって配置する。パッチ位置検出の際は、狙い位置1502を中心にした検出範囲1501の中でパッチ位置を検出する。
図15(b1)〜(b4)は、パッチ1504を濃度センサ311で検出した際の検出信号の主走査方向(X方向)に関する変化を示す図である。図15(b1)には、パッチ1504と検出スポット1505の真上からの位置関係を示しており、検出スポットは矢印方向(主走査方向)に移動する。図15(b2)には、パッチ1504と記録媒体1507の真横からの位置関係を示している。
図15(b3)には、検出スポット1505の中心位置を基準に検出信号1508の変化が示されており、検出信号が上にあるほど、反射光量が大きいことを示している。検出信号1508の変化によれば、パッチ1504が検出スポット1505にかかることで検出した検出信号1508の強度は低下し、検出スポット1505の全領域がパッチ1504に重なると均一なレベルで安定する。この際、コンパレータ424において検出信号1508を閾値1509と比較し、検出信号1508の強度が閾値1509を下回った時点と、上回った時点で割り込み信号1510、1511(図15(b4))を発生させる。なお、閾値1509はパッチ濃度の測定を行い、その測定結果に応じて演算することで、あらかじめ算出しておく。最も簡単な演算は、測定結果1508の最大値と最小値の平均とすれば良い。
ASIC412は割り込み信号1510、1511に従い、その時点のエンコーダ15によるキャリッジ11の位置を取得する。キャリッジ11が移動しながらパッチ1504を検出するので、パッチ1504の両側のX方向における端のエッジ位置2点を検出することができる。位置の検出における分解能は、エンコーダからの信号を時間的に分割し解像度を逓倍するため、エンコーダの解像度の数倍となる。検出されたエッジ位置2点の中心位置1512をX方向におけるパッチ1504の位置として定める。どちらか片方のエッジ位置だけでなく2点の中心位置からパッチ1504の位置を決定することで、検出信号が閾値を上回った場合と下回った場合による位置ずれ影響を避けることができる。
図16は図15において示したパッチ1504を複数個並べることで構成されるレジ調整パターン群の配置を示す図である。パターンの形成条件は行ごとに異ならせている。パターン161foはKを記録するノズル列のうち、Odd列によりX方向の往方向記録で5つのパッチをX方向に並べて記録する。パターン161foはKを記録するノズル列のうち、Even列によりX方向の往方向記録、パターン161beはKのEven列を用いてX方向についての復方向で記録している。ASIC412は、検出信号に基づいてパターン161feとパターン161foそれぞれのX方向の位置を決定し、2つのパターンのX方向における相対的な位置ズレを検出する。パターン161feを基準にした場合のパターン161foの位置ズレ量を元に、KのEven−Odd列間レジ値を決定する。主走査方向(X方向)に5つ配置されたパッチは、それぞれの位置を検出し、検出した5つのズレ量を元に演算を施して1つのズレ量を決定する。本実施形態では、ズレ量の最大値および最小値を棄却した残り3つを平均して求めることにする。無論、各パターンについてパッチは一つでも構わない。次に、以下ASIC412は同様にして、パターン161feとパターン161beのX方向の位置ズレを検出し、KのEven列を用いて往方向で記録した場合の着弾位置を基準にした場合のEven列の往方向記録と復方向記録のズレ量を決定し、Kの双方向レジ値を決定する。同様に、パターン161fo、161fe、161beはCを用いた記録したパッチ群であり、パターン161fo、161fe、161beはMを用いて、パターン161fo、161fe、161beはYを用いて記録を行う。C、M、Yについても、上記調整パターンの検出結果をもとに、Kと同様にインク色毎のEven−Odd列間レジ値、往復間レジ値の算出を行う。また、パターン161feとパターン162feの位置ズレを検出し、パターン161feを基準にした場合のCの色間レジ値が決定される。
上述のレジ調整方法において、基準色Kの基準ノズル列Evenから記録されたドットを基準とした各レジ値が決定する。ASIC412は、決定したレジ値それぞれをROM410に格納する。そして記録制御部407において、画像データに基づく記録を行う際に、レジ値に対応する調整量で有色インクの記録位置の調整を行う。例えばKの往路の走査ではデータをシフトせずに、復路の走査にてメモリに格納されたKの双方向レジ値に対応するカラム分記録用のデータをずらして記録ヘッドに転送する。上述した色間調整、Even−Odd列間調整についても同様に調整値に応じた調整量のデータシフトを行って記録位置の調整を行う。これは以下のCLについても同様である。これによって、有色インク、画質向上液の付与位置が正しく調整される。
なお、濃度センサ311を用いる際には、RGBのLED光源のうち反射光量の多い適切な光源をインク毎に選択し、検出を行う。例えばCインクのパッチの位置を検出する際には、G−LEDやB−LEDの入射光は吸収されやすく反射光量としては小さいので、R−LEDを使用するのが一般的である。
以上が濃度センサ311を用いた有色インクのレジ調整方法である。なお、基準色はかならずしもKである必要はなく、C、M等の他の色でもよい。
しかしながら上述した方法では、濃度センサ311を用いてパターン位置の検出を行っており、透明もしくは白色である画質向上液のパターン位置検出は困難である。
本実施形態は透明もしくは白色であり、濃度センサ311において検出困難なインクの自動レジ調整を、正反射センサ310を用いて行う。以下に、正反射センサ310を用いたレジ調整方法について示す。
正反射センサ310は入射角と反射角が同じであり、表面の凹凸による平滑度や屈折率の大小を反映させた値である反射光の光量を読み取り値として検出する。この光は光沢度に対応し、散乱光の濃度変化を検出することで位置検出を行う濃度センサ311と異なり、正反射センサ310を用いた位置検出では、検出面の光沢度の差を検出することで、位置検出を実現する。なお以下の説明では記録媒体1701に光沢紙等の光沢系媒体を用いた例として説明を行う。
図17(a)は正反射センサ310を用いて、記録媒体1701の表面に形成されたCLのパッチ1702の位置を主走査方向の方向に検出した時(図17(a1))の検出信号1703(縦軸がその強度)を示している。図17(a2)は同(a1)に対応するパッチ形成部位の断面図であり、また、図17(a3)の信号強度は縦軸と交差する横軸上の各位置での信号強度であり、その横軸上の各位置は同図(a2)における各位置と対応する。図17(a)におけるこれらの図の対応関係は、図17(b)、(c)、(d)の中の各図においても同様である。また図17(b1)、(c1)、(d1)に図示する矢印は正反射センサ310の走査方向であり、これについても図17(a1)と同様である。
濃度センサ311の検出信号と同様に、上になるほど検出量が多いことを示しており、検出信号が大きいほど、検出表面の光沢度は高い。CLを記録媒体1701の上に直接付与して1702を形成しようとすると、記録媒体の種類によってはパッチ1702が記録媒体1701の中に少し沈むことも有り得る(図17(a3))。この場合には、記録媒体1701表面の光沢度を大きく変えることがないことも想定されるので、パッチ1702とその周囲の領域(ここでは記録媒体1701の表面)との光沢度の差を考慮し、十分検出できる感度のセンサを用意することが好ましい。
図17(b3)では、図17(b1)の上面、(b2)の断面図で示しているように、記録媒体1701の表面にブラックインクで下地1704を形成し、その上からCLのパッチ1702を形成した場合の検出結果を示している。検出の方向については図17(a)と同様である。検出信号1705(縦軸がその強度)は記録媒体1701の反射光と下地1704のみの反射光と下地1704上のCLのパッチ1702の反射光との3段階に大別される。このうちの記録媒体1701の測定は棄却し、下地1704のみの反射光と下地1704上のCLのパッチ1702の反射光との2つを利用する。検出信号1705で示すように、ブラックインクの下地にCLのパターンを記録してCLのパッチを形成した場合、記録媒体1701の上に直接記録した場合と比べてCLのパッチが形成された領域の光沢度の下がり量が大きい。CLの下に色材を含んだブラックインクの層が形成されていることにより、CLに含まれる樹脂成分がブラックインクの表層にとどまり、光沢度を下げる効果を発揮しているためと考えられる。よって、記録媒体1701の上に下地1704を形成した領域と、下地1704の上からさらにCLインクによるパターン記録で形成したパッチ1702の領域との間は、検出信号1705の最大値と最小値の差が大きく、閾値の算出が容易である。位置検出に用いる閾値1706の算出は、有色の際の検出と同様に、測定結果に応じて演算して行う。連続的に変化しているポイントはパターン間の遷移領域であると捉えてさらに棄却し、測定結果の最大値と最小値の平均とすれば閾値1706が得られる。
上述したようにCLの下にブラックインクを付与しておくことで、高い検出感度で正反射センサ310でパッチの表層、パッチ周囲の領域の表層の光沢度を検出してCLの位置検出を行うことが可能となる。これにより、検知センサ側がそれほど高い感度の素子を持たずとも、精度の良いレジ調整を行うことができる。このようにしてASIC412は位置検出を行い、検出された位置に応じて、ASIC412は、CLのEven−Odd列間レジ値と、往復間レジ値の取得を実現する。
さて、CLの色間レジ値を決定するためには有色インクである基準色と、CLの間の相対的なズレ量を検出する必要がある。前述したように、有色インクである基準色の位置情報は、濃度センサ311で取得している。一方、CLの位置情報は、前述したように濃度センサ311による検出が困難であるため、正反射センサ310で検出した値を用いている。しかし、図3(a)、(b)で示したように、濃度センサ311と正反射センサ310のスポット位置は異なる。基準色とCLとの相対的なズレ量を高い精度で決定するためには、濃度センサ311と正反射センサ310のスポット位置のずれ、すなわち光軸のずれを調整する必要がある。しかし、光軸のずれを何らかの方法で調整したとしても、同じセンサで取得したそれぞれの位置情報(=光軸のずれはない)を用いた方が誤差は少ない。
本実施形態では、正反射センサ310と濃度センサ311の光軸のズレの影響を受けることなく、CLと基準色の色間レジ値を決定する。光軸のズレの影響は排除してCLの色間レジ値を決定する上では、基準色の位置も正反射センサ310を用いて算出する必要があり、以下のような方法を用いる。以下に、基準色とCLの位置検出を共に正反射センサ310によって実施する方法について説明する。
図17(c)は、図17(c1)の上面、(c2)の断面図で示しているように、記録媒体1701の表面に基準色のK(ブラック)のパッチ1710を形成し、正反射センサ310によって検出した場合の検出結果を示している。検出の方向については図17(a)と同様である。検出信号1707(縦軸がその強度)は記録媒体1701の反射光とパッチ1710のみの反射光との2段階に大別される。色材を有するカラーインクはCLのようには記録媒体の中に沈まないが、Kのパッチの位置の検出が可能なほど、検出信号1707の最大値と最小値の間に差がない。Kのパッチの表層の光沢度と記録媒体1701の光沢度に差が小さくなればなるほど、検出は困難になる。つまり、基準色を記録して形成したレジ調整パターンと記録媒体の間の光沢差が小さい場合、正反射センサ310を用いて基準色の位置検出を行うことは困難であり、CLの色間レジ値を正確に決定することができない。
図17(d)は、上述した正反射センサ310を用いて、有色インクであるKのパッチ1711の位置検出を高い精度で実現するための方法を示した図である。図17(d2)に示すように、Kのパッチ1711の表層を覆うようにCLによる上掛け材1712を配置してパターンを形成する。パッチ1711およびその周囲の領域の表層の光沢度を測定した検出信号1708(縦軸がその強度)で示すように、上掛け材1712のKのパッチ1711の上の部分の光沢度と、記録媒体1701に直接形成されている部分との間に光沢度に大きな差が生じる。上述した例と同様にしてASIC412はKのパッチ1711のX方向における両エッジ位置を検出してパッチ1711の位置を検出することができる。このようにしてKのパッチ1711の上をCLで覆うとパッチの形成位置の検出が可能となる。
Kのパッチ1711上に上掛け材1712を設けた領域は、記録媒体上に直接CLのパッチ1702を記録した領域、Kのパッチ1710のみを記録した領域、これら2つと比べても光沢度が小さい。Kのパッチ1711中に含まれる色材や樹脂によって記録媒体表層部に目止め層が形成され、CLに含まれる樹脂成分が目止め層の上に凹凸を形成して残るためだと考えられる。CLの樹脂成分として、屈折率の低い物質を使用するほど、上掛け材1712を形成することによる形成領域の表面の光沢度が低くなる。ここで、Kパッチ1711と上掛け材1712との位置関係については、所定方向における位置検出を行う場合には、その所定方向におけるKのパッチ1711のエッジ位置およびその近傍の表層に上掛け材1712が配置されることが望まれる。図17(d)の例では、X方向の位置を検出するものであり、X方向の一方の端から他方の端にかけ両エッジ部に上掛け材1712が設けられている。上述した説明と同様にパッチ1711の両エッジを検出するには、Kのパッチ1711の両エッジ部の光沢度をそのX方向の隣接領域と異ならせる(ここでは下げる)ことを要するので、X方向のエッジ部に上掛け材1712を形成する。さらに、Kのパッチ1711の両エッジの検出ができればよいので、中央部は上掛け材1712を設けずともよく、その場合には、中央部に相当する領域での光沢度は高くなるが、そのような検出信号は無視すればよい。また、Kのパッチ1711について片方のエッジを検出することでKのパッチ1711の記録媒体1701上の位置を決定しようとする場合には、Kのパッチ1711のX方向の端部の一方のみに上掛け材1712を設けておけばよい。
図17(d1)、(d2)に示した例では、上掛け材1712は、Kのパッチ1711上のみならず、その周囲の記録媒体1701の表面にも設けられている。上述した例では記録媒体1701の光沢度はKのパッチ1711上の上掛け材1712に比べて十分に高く、上掛け材1712はKのパッチ1711と一致するように設けられていて、記録媒体1701の直上の上掛け材1712がなくともKパッチ1711の位置検出は可能である。しかし、パッチ形成前の段階ではCLのノズル列とKのノズル列との間のレジ値は決定していないので、Kのパッチ1711と上掛け材1712との位置を一致させるよう制御することはできない。そのため、K、CL間で多少の位置ずれがあったとしても、上掛け材1712がKのパッチ1711からオーバーしてその周囲にも設けられるような余裕をもった範囲にCLを付与する。
なお、Kパッチ1711表層に凹凸形成を行うために上掛けする付与材は必ずしもCLでなくともよい。検出対象はあくまでKパッチであり、上述したCLによる上掛け材はKパッチ検出のためにKパッチの表層の光沢度を変更させるための補助材の一例である。このような機能を発現できるインクあるいは付与材を記録装置によって付与可能となっていればそれを用いて上述のような上掛け材を形成すればよい。例えば、記録ヘッドが無彩色インクとしてGY(グレー)あるいはそれと同一色相でさらに明度が高いLGY(ライトグレー)を吐出可能であればこれらを用いて上掛け材1712を形成することも可能である。例えばこれらのインクの樹脂濃度がC、M、Yのインクのそれよりも高く、正反射センサ310での検出について上述のCLと同様の効果が見込めるのであれば、これらを使用するのは好適である。また、このように例えば有色インクGYを用いて上掛け材1712を形成する場合には、先に濃度センサ311でKと、GYとの色間レジ値を決定しておきこれをKのパッチ1711位置検出に利用できる。詳細には、KとGYとの色間レジ値を用いて、Kのパッチ1711のX方向の中央に合わせて上掛け材1712を形成する。このときには、端には上掛けはしなくてもよい。そして、正反射センサ310が周囲に比べて光沢度が著しく低い部分を検出したらば、そこはGYの上掛け材の部分であるが、そこをKのパッチ1711の中央として決定するのである。KとGYとはレジ値によって相対位置を制御できるのでこのようなことが可能となる。またKのノズル列と同じチップにGYのノズル列が形成されている場合には、KとGYとの間の色間のレジずれが少ないとし、色間のレジ調整を行わず、既定のレジ値を使用してGYの上掛け材をKのパッチ1711の所定部位に設け、検出を行うようにしてもよい。
図18は図17(b1)、(d1)において示したKのパッチとCLのパッチとを複数個複数個並べることで構成されるレジ調整用のパターンの配置を示す図である。正反射センサ310を用いてKとCLのパッチの位置検出をより確実に行うため、パターン181fo、181fe、181beは、有色インクであるKで予め下地形成を行った上にCLを付与して、パターンを形成する。181foは、キャリッジのX方向における往路走査でCLのOdd列を用いて形成されたパッチ1702によるパターンである。181feは、キャリッジのX方向における往路走査でCLのEven列を用いて形成されたパッチ1702によるパターンである。181beは、キャリッジのX方向における往路走査でCLのEven列を用いて形成されたパッチ1702によるパターンである。パターン182feはKのEven列でパッチ1711を5つ形成し、5つのパッチ1711に対して上掛け材1712を共通に設けたものである。
パターン182feとパターン181feとのそれぞれの位置関係よりKのEven列とCLのEven列との間の色間レジ値が求められる。また、パターン181feとパターン181beとのそれぞれの位置関係より、CLの往復間レジ値が求められる。さらに、パターン181feとパターン181foとのそれぞれの位置関係より、CLのEven−Odd列間レジ値が求められる。
上述のKの下地のパターンは濃度の高い均一なパターンとしたが、CLのパッチそれぞれのパターンは、例えば中間調の均一なパターンとする。この中間調の選び方は、Kで形成した下地上でCLのパッチを検出した際に、正反射が最も変化する濃度に設定すれば、より検出精度は高まる。本実施形態では記録密度で30%とする。これは、画素形成可能な位置のうち30%にドットが置かれる状態である。パターン182feは、Kの位置を正反射センサ310で検出するために、形成するパターンである。本実施形態では、有色インクであるKのEven−Odd列間レジ値、往復間レジ値は濃度センサ311による検出結果から決定される。正反射センサ310による検出が必要なのは色間レジ値の基準色として用いるパターン182feのみである。
なお、パターン181fo、181fe、181beにおいて、CLの下に記録するKの下地1704は、CLをKの上にしっかりと残せるようにすることが好ましく、高いドット密度で形成するとよい。CLのレジ調整用パターンの記録はEven列もしくはOdd列のいずれかを用いて行う。そのため、Kのドットを、Even列のみ、あるいはOdd列のみのノズルピッチ間隔に相当するY方向におけるドット密度より高い密度で配置して下地1704を形成するとよい。そのため、1回のキャリッジ11の走査でKのパターンを記録して下地1704の形成を行う場合には、KのEven列とOdd列の両方を用いて記録するほうが望ましい。このようにすれば、例えば181feのパターンにおいてCLのEven列のみで1回のキャリッジ走査でパッチ1702が形成されても、各CLのドットの直下にはKのEven列のドットが配置される。仮にKとCLでY方向のレジ(縦レジ)がEven列のノズルピッチの半分程度ずれることがあったとしても、その場合には、KのOdd列で形成されたドットがCLのドットを支えることとなる。
次に、本発明の特徴構成である、CLと基準色との色間レジ調整の処理について図19に図示するフローチャートを用いて説明する。まず、記録制御部407はS1901として自動レジ調整実行するモードに入る。このモードへは、ユーザーが画像入力部402により記録装置である画像出力部404に指示することで移行したり、画像出力部404にUI(ユーザーインターフェース)が設けられている場合には、これを通じた入力で移行したりする。また装置の定期的メンテナンスとして、画像出力部404が所定の時間間隔で自動実行してもよい。
S1902では記録制御部407は媒体搬送系を制御してユーザーによりセットされた記録媒体を記録ヘッドによる記録位置へ給紙させる。
次いで、記録制御部407はS1903において、例えば図19で説明したような有色インク(ここではK、C、M、Y)の調整パターンを記録ヘッドに記録させる。
S1904では、記録制御部407からの指示に基づきS1903にて記録されたレジ調整パターンを、光学センサ18の濃度センサ311が測定し、ASIC412は各パターンにおけるパッチの位置検出を行う。
次いで、S1905において、ASIC412はS1904での検出結果に基づく各色のノズル列に対応するレジ値を決定し、一旦RAM411にレジ値を記憶させておく。濃度センサを用いた調整による調整値が未決定のノズル列がある場合S1903に戻り、そうでない場合には、S1906に進む。
次に、S1906では、記録制御部407は、図17、18を用いて説明したような正反射センサ310でKのパッチの位置検出を行うためのパターンを記録ヘッドに記録させる。
さらに、S1907で、記録制御部407は、図17、18を用いて説明したような正反射センサでCLのパッチの位置検出を行うためのパターンを記録する。
そして、S1908では、記録制御部407からの指示に基づき、S1906、S1907によって記録されたK、CLのパターンの位置を正反射センサ310が測定し、ASIC412は各パッチの位置検出を行う。
S1909では、ASIC412は、S1908での検出結果に基づいて、KのEven列を基準とするCLのEven列の色間レジ値、CLの往復間レジ値、CLのEven−Odd列間レジ値を決定し、RAM411にこれらレジ値を一旦保管する。
そしてS1910において、RAM411のレジ値(有色、CL)を一緒にROM410に格納する。
以上でレジ調整処理が終了となる。
なお、図19では、濃度センサ311を用いた検出が終了した後に、正反射センサ310で検出する処理となっているが、必ずしもパターンの形成を分けて行う必要はない。濃度センサ311と正反射センサ310で読み取るパターン全てを形成し終えたのちに、濃度センサ311と正反射センサ310で検出しても良い。また、先に正反射センサ310で検出するパターンを記録し、その後から濃度センサで検出するパターンを形成してもよい。
(第2の実施形態)
前述の第1の実施形態においては、主走査方向の速度(以降、CRスピード)と吐出口から記録媒体までの距離(以降、ヘッド・紙間距離)を変えずに調整パターンを記録し、自動レジ調整を実施している。任意のCRスピードとヘッド・紙間距離で記録された調整パターンを元に決定したレジ調整値は、上記任意の条件において最も精度良く位置調整が可能であることが知られている。しかし、主走査方向の速度(以後、CRスピード)や、吐出口から着弾面までの距離(以後、ヘッド紙間距離)によって、適切なレジ値は変化する。実際には、記録装置では、CRスピードを切り替える制御を一般的に行っている。また、記録媒体の厚みや記録ヘッドの高さによって、ヘッド―紙間距離は変わる。
本実施形態は、複数のCRスピード、複数のヘッド高さにおける適切なレジ調整値を、それぞれの条件において決定することを目的とする。
図20は、2つのCRスピード、2つのヘッド紙間距離に応じたレジ調整値を決定するために正反射センサ310によって検出するための調整パターンを示している。図20は、201〜204の4つの領域にわかれている。1つ1つの領域は図18において示したパターンと同様に、CLのEven―Odd列間レジ値(1行目)、往復間レジ値(2行目)、色間レジ値(3行目)を決定するための、正反射センサ310による検出に用いる。4行目は基準の色Kの位置検出のパターンである。201〜204がそれぞれ異なるCRスピードとヘッド―紙間距離の組み合わせで、パターンの記録を行う。図20に示した調整パターンを濃度センサ311、正反射センサ310で検出することで、複数のCRスピードとヘッド紙間距離に応じた適切なレジ調整値を取得することが可能になる。
(その他の実施形態)
前述した実施形態において使用した光学センサ18は受光部が1つと発光部が2つで濃度センサと正反射センサの機能を実現しているが、上記方法に限られるものではない。例えば、受光部2つで光源1つでも同様に2種類の機能を実現することが可能であり、濃度センサと正反射センサを別々に記録装置に搭載する構成であっても良い。
また、前述の実施形態では、正反射センサで検出するための調整パターンを有色インクと画質向上液を重ねた構成としており、Y方向の長さは同一である場合を示しているが、Y方向の長さは異なっても良い。例えば、図18の181fo、181fe、181beでは、Kの下地1704のY方向の長さをCLのパッチ1702の長さよりも長くしておき、182feでは、CL上掛け材1712のY方向の長さをKのパッチ1711の長さよりも長くしても良い。パターンのサイズを工夫することで、より確実に位置検出する付与材と、もう一方の下地あるいは上掛け材を重ねることができる。
また、前述の実施形態では、複数回の走査の間に記録媒体を搬送して画像を記録する所謂マルチパス記録の例で説明したが、複数のノズル列を備える記録ヘッドを用いて1回の走査で画像を記録する、所謂フルライン記録においても本発明を適用できる。また、前述の実施形態では、1色のインクにつき1列のノズル列を備える記録ヘッドを用いる例を示したが、1色につき複数列のノズル列を備える記録ヘッドを用いてもよい。この複数回の相対走査は、必ずしも記録ヘッドもしくは記録媒体を複数回走査させるものに限らない。例えば、複数のノズル列を備えた記録ヘッドと記録媒体との1回の走査で画像を記録する場合には、1つのノズル列と記録媒体との相対走査を1回として、複数のノズル列を備えた記録ヘッドの1回の走査であっても複数回の相対走査とみなして構わない。
また、本発明は、紙や布、不織布、OHPフイルム等の記録媒体を用いる記録装置全てに適用が可能であり、具体的な適用装置としては、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの事務機や大量生産機等を挙げることができる。
また、前述の実施形態では、本発明の特徴的な処理を行う記録制御部407がインクジェット記録装置内部に備えられている形態について説明したが、記録制御部407はインクジェット記録装置内部に備えられている必要はない。例えば、インクジェット記録装置と接続されるホストコンピュータ(画像入力部402)のプリンタドライバに上記記録制御部407の機能を持たせるようにしてもよい。この場合、プリンタドライバが、アプリケーションから受け取った多値の入力画像データに基づいて2値画像データを生成し、これを記録装置に供給することになる。このように、ホストコンピュ−タとインクジェット記録装置を含んで構成されるインクジェット記録システムも本発明の範疇である。この場合、ホストコンピュータは、インクジェット記録装置にデータを供給するデータ供給装置として機能し、また、インクジェット記録装置を制御する制御装置としても機能することになる。
また、本発明の特徴は、記録制御部407にて実行されるデータ処理にある。従って、本発明の特徴的なデータ処理を行う記録制御部407を備えたデータ生成装置も本発明の範疇である。記録制御部407がインクジェット記録装置に備えられている場合、このインクジェット記録装置が本発明のデータ生成装置として機能し、記録制御部407がホストコンピュ−タに備えられている場合、このホストが本発明のデータ生成装置として機能する。
更に、上述した特徴的なデータ処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムや、そのプログラムをコンピュータにより読み出し可能に格納した記憶媒体も本発明の範疇である。

Claims (11)

  1. 顔料色材を含む第1のインクを吐出するための第1のノズルと前記第1のインクと種類が異なる第1の付与材を吐出するための第2のノズルとを有する記録手段と、前記第1のノズルと前記第2のノズルとの間の記録媒体上における相対的な記録位置の調整に用いられる第1の検出パッチおよび第2の検出パッチを前記記録手段に記録媒体へ形成させる制御手段と、
    前記記録手段によって記録媒体に形成された検出パッチの領域に光を照射する発光部と、前記発光部から照射した光が反射した反射光を受光する受光部とを有し、発光部から照射した光の正反射光と乱反射光とを測定することが可能な測定手段と、
    前記測定手段が測定した測定結果に基づいて所定方向における前記第1の検出パッチと前記第2の検出パッチとの相対的な位置を示す情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出結果に基づいて、前記第1のノズルと前記第2のノズルとの間での前記所定方向における付与材の付与位置の相対的な調整量を決定する決定手段と、を有する記録装置であって、
    前記制御手段は、前記記録手段に、前記第1のノズルを用いて前記第1のインクによる前記第1の検出パッチを記録媒体に形成させ、前記第1の検出パッチの表層の平滑度と記録媒体上の前記第1の検出パッチの周囲の領域の平滑度との差よりも前記周囲の領域との平滑度との差が大きい層を前記第1の検出パッチの上に前記第1のインクと別の付与材を付与して形成し、前記第1の検出パッチが形成された領域とは異なる領域に前記第2のノズルを用いて前記第1の付与材による第2の検出パッチを記録媒体に形成させ、前記測定手段は、前記別の付与材が付与された前記第1の検出パッチと、前記第2の検出パッチとのそれぞれについて、順次、検出パッチの領域に照射した光の正反射光を測定し、前記検出手段は前記測定手段の測定結果に基づいて前記情報を検出することを特徴とする記録装置。
  2. 前記記録手段は、記録媒体と、前記所定方向にならぶ前記第1のノズルおよび前記第2のノズルとを、相対的に走査させながら、前記第1のインクおよび前記第1の付与材を吐出することによって記録を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記記録手段は、前記第1のノズルおよび前記第2のノズルを記録媒体に対して走査させつつ、前記第1のインクおよび前記第1の付与材を吐出することによって記録を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記第1の検出パッチの上に付与された前記別の付与材の前記第1の検出パッチの上に残る残りやすさは、前記記録媒体に付与された前記別の付与材の前記記録媒体の表面の上に残る残りやすさより大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 前記第1の付与材は、色材を実質的に含まない透明な液体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記第1のインクはブラック顔料インクであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 前記制御手段は、前記記録手段に、前記第1のノズルを用いて前記第1のインクによる前記第1の検出パッチを記録媒体に形成させ、前記第1の検出パッチの前記所定方向におけるエッジ部の表層の平滑度と記録媒体上の前記第1の検出パッチの周囲の領域の平滑度との差が大きくなるように、前記第1の検出パッチのエッジ部の上に前記別の付与材を付与し、前記検出手段は、前記第1の検出パッチの測定結果に基づいて前記第1の検出パッチの前記エッジ部の位置に関わる情報を検出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 前記制御手段は、前記記録手段に顔料インクによって記録媒体の上に下地を形成させ、形成された下地の上に前記第2のノズルによって前記第1の付与材を付与させることによって前記第2の検出パッチを形成させることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  9. 前記別の付与材は前記第1の付与材であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 前記記録手段は、色材を含み、前記第1のインクとは異なる第2のインクを吐出するための第2のインク用ノズルをさらに有し、
    前記制御手段は、前記記録手段に、前記第1のノズルを用いて前記第1のインクによる第1の検出パッチを記録媒体に形成させ、前記第2のインク用ノズルを用いて前記第2のインクによる第3の検出パッチを記録媒体に形成させ、
    前記測定手段は、前記第1の検出パッチと前記第2の検出パッチとのそれぞれについて、検出パッチを含む領域に光を照射した場合の乱反射光を測定し、
    前記検出手段は前記測定手段による乱反射光の測定結果に基づいて前記所定方向における前記第1の検出パッチと前記第3の検出パッチとの相対的な位置を示す情報を検出し、前記決定手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記第1のノズルと前記第3のノズルとの間での前記所定方向におけるインクの付与位置の相対的な調整量を決定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の記録装置。
  11. 顔料色材を含む第1のインクを吐出するための第1のノズルと前記第1のインクと種類が異なる第1の付与材を吐出するための第2のノズルとを用いて前記第1のノズルと前記第2のノズルとの間の記録媒体の上における相対的な記録位置の調整に用いられる第1の検出パッチおよび第2の検出パッチを記録媒体に形成する形成工程と、
    前記形成工程において記録媒体に形成された検出パッチの領域に正反射光と乱反射光とを測定可能な測定手段の発光部から照射した光の反射光を受光部で受光して検出パッチ測定を行う測定工程と、
    前記測定工程における測定結果に基づいて所定方向における前記第1の検出パッチと前記第2の検出パッチとの相対的な位置を示す情報を検出する検出工程と、
    前記検出工程における検出結果に基づいて、前記第1のノズルと前記第2のノズルとの間での前記所定方向における付与材の付与位置の相対的な調整量を決定する決定工程と、を有する付与材の付与位置の調整方法であって、
    前記形成工程において、前記第1のノズルを用いて前記第1のインクによる前記第1の検出パッチを記録媒体に形成させ、前記第1の検出パッチの表層の平滑度と記録媒体の上の前記第1の検出パッチの周囲の領域の平滑度との差よりも前記周囲の領域との平滑度との差が大きい層を前記第1の検出パッチの上に前記第1のインクと別の付与材を付与して形成し、前記第1の検出パッチが形成された領域とは異なる領域に前記第2のノズルを用いて前記第1の付与材による第2の検出パッチを記録媒体に形成させ、前記測定工程において、前記別の付与材が付与された前記第1の検出パッチと、前記第2の検出パッチとのそれぞれについて、順次、検出パッチの領域に照射した光の正反射光を測定し、前記検出工程は前記測定工程の測定結果に基づいて前記情報を検出することを特徴とする調整方法。
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