以下、図面を参照しながら、本発明の実施の一形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、本実施形態に係るプリンタシステム1の概念図である。本実施形態に係るプリンタシステム1は、被印刷物5(図3参照)に吐出されたインクの色濃度を検出可能な1つのセンサユニット70(図5参照)を使用して、複数のプリンタ100A~100Cのそれぞれから被印刷物5に吐出されたインクの色濃度を検出し、色濃度を補正する補正値を算出するシステムである。まず、プリンタシステム1の概要について説明する。
図1に示すように、プリンタシステム1は、複数のプリンタ100A、100B、100Cと、センサユニット70と、端末200とを備えている。本実施形態に係るプリンタ100A~100Cの数は、複数であるが、その具体的な数は特に限定されない。ここでは、プリンタ100A~100Cの数は3である。センサユニット70は、各プリンタ100A~100Cに着脱可能に取り付けられるものである。本実施形態では、センサユニット70の数は1つである。1つのセンサユニット70を使用して、複数のプリンタ100A~100Cのそれぞれから被印刷物5に吐出されたインクの色濃度を検出する。
端末200は、作業者が操作するものである。端末200の数は特に限定されず、1つであってもよいし複数であってもよい。ここでは、端末200の数は1つである。端末200は、複数のプリンタ100A~100Cと通信可能に接続されている。また端末200は、センサユニット70に通信可能に接続されている。以下、プリンタ100A~100C、センサユニット70および端末200について詳しく説明する。
まず、プリンタ100A~100Cについて説明する。複数のプリンタ100A~100Cは、機種が異なることがあり得る。しかしながら、複数のプリンタ100A~100Cの基本的な構成は同じである。本実施形態では、プリンタ100A~100Cは同じ構成であり、それぞれいわゆるフラットベッドタイプのプリンタである。しかしながら、プリンタ100A~100Cは、いわゆるロールtoロールタイプのプリンタであってもよい。以下、プリンタ100Aの構成について説明し、プリンタ100B、100Cの構成の説明は、省略する。
図2は、本実施形態に係るプリンタ100A~100Cを示す斜視図である。図3は、フロントカバー20を開けた状態のプリンタ100A~100Cを示す正面図である。以下の説明では、プリンタ100A~100Cを正面から見たときに、プリンタ100A~100Cから遠ざかる方を前方、プリンタ100A~100Cに近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、プリンタ100A~100Cを正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。符号Xは、副走査方向を示している。ここでは、副走査方向Xは前後方向である。主走査方向Yと副走査方向Xとは平面視において直交している。符号Zは、高さ方向、すなわち、上下方向を示している。ただし、これら方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ100A~100Cの設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
本実施形態では、プリンタ100Aは、インクジェット方式のプリンタである。本実施形態において、「インクジェット方式」とは、二値偏向方式または連続偏向方式などの各種の連続方式、および、サーマル方式または圧電素子方式などの各種のオンデマンド方式を含む従来公知の各種の手法によるインクジェット式のことをいう。
プリンタ100Aは、被印刷物5(図3参照)にインクを吐出して、被印刷物5に印刷を行う装置である。被印刷物5は、例えば紙によって形成された記録紙である。しかしながら、被印刷物5は、記録紙に限定されず、例えば所定の厚みを有する立体物であってもよい。また、被印刷物5の材質も紙に限定されず、例えばプラスチックなどであってもよい。
プリンタ100Aは、図2に示すように、箱状に形成されている。本実施形態では、プリンタ100Aは、ケース10と、フロントカバー20と、操作パネル25を備えている。ケース10は、ベース部11と、前壁部12と、後壁部13と、左壁部14と、右壁部15と、天面部16とを有している。ベース部11は、板状の部材である。前壁部12は、ベース部11の前端の右部に接続され、ベース部11の前端の右部から上方に延びている。図示は省略するが、後壁部13は、ベース部11の後端に接続され、ベース部11の後端から上方に延びている。
左壁部14は、ベース部11の左端に接続され、ベース部11の左端から上方に延びている。左壁部14の後端は、後壁部13の左端に接続されている。右壁部15は、ベース部11の右端に接続され、ベース部11の右端から上方に延びている。ここでは、右壁部15の前端は、前壁部12の右端に接続され、右壁部15の後端は、後壁部13の右端に接続されている。天面部16は、前壁部12の上端、後壁部13の上端、左壁部14の上端、および、右壁部15の上端にそれぞれ接続されている。図3に示すように、ケース10の前部には、開口17が形成されている。
フロントカバー20は、ケース10の開口17を開閉自在に設けられている。ここでは、フロントカバー20は、後端を軸に回転可能なように、ケース10に支持されている。
本実施形態では、ベース部11、前壁部12、後壁部13(図2参照)、左壁部14、右壁部15、天面部16(図2参照)およびフロントカバー20に囲まれることによって、内部空間18(図3参照)が形成されている。ここでは、フロントカバー20の後端を軸にして、フロントカバー20を上方に回転させることによって、内部空間18と外部空間とが連通される。内部空間18は、プリンタ100Aによる印刷が行われる空間である。このように、印刷が行われる内部空間18がケース10およびフロントカバー20によって囲まれていることによって、印刷中、外部空間の塵および埃が内部空間18に入り込み難い。
本実施形態では、図2に示すように、フロントカバー20には、窓部21が設けられている。窓部21は、例えば、透明のアクリル板によって形成されている。作業者は、窓部21を通じて内部空間18を視認することが可能である。
操作パネル25は、ケース10の右前部に設けられている。ここでは、操作パネル25は、天面部16の右前部に設けられている。操作パネル25は、作業者が印刷に関する操作を行うパネルである。図示は省略するが、操作パネル25には、例えば、印刷の種類、解像度、印刷の状況などの印刷に関する情報が表示される表示部、および、印刷に関する情報を入力するための入力部などが備えられている。
次に、プリンタ100Aの内部構成について説明する。図4は、プリンタ100A~100Cの要部を模式的に示した平面図である。なお、図4では、前壁部12、後壁部13、左壁部14、右壁部15、天面部16およびフロントカバー20の図示が省略されている。図5は、キャリッジ34、インクヘッド36、紫外線照射ランプ38およびセンサユニット70を模式的に示す正面図である。図6は、キャリッジ34、インクヘッド36および紫外線照射ランプ38を示す底面図である。図7は、プリンタシステム1のブロック図である。
図4に示すように、プリンタ100Aは、ガイドレール32と、キャリッジ34と、インクヘッド36と、紫外線照射ランプ38(図5参照)と、テーブル50と、制御装置110(図7参照)を備えている。
図4に示すように、ガイドレール32は、キャリッジ34およびインクヘッド36を主走査方向Yにガイドするものである。図3に示すように、ガイドレール32は、主走査方向Yに延びている。本実施形態では、ケース10内には、主走査方向Yおよび高さ方向Zに広がった内壁41が設けられている。内壁41の左端は、左壁部14に接続され、内壁41の右端は、右壁部15に接続されている。ここでは、ガイドレール32は、内壁41に配設されており、内壁41を介して、ベース部11に固定されている。
キャリッジ34は、ガイドレール32に摺動自在に設けられている。キャリッジ34は、ガイドレール32に係合している。キャリッジ34は、ガイドレール32に沿って主走査方向Yへの移動が可能である。図5に示すように、キャリッジ34には、インクヘッド36が設けられている。
本実施形態では、複数のインクヘッド36がキャリッジ34に設けられている。インクヘッド36の数は特に限定されない。本実施形態では、インクヘッド36の数は4つである。複数のインクヘッド36は主走査方向Yに並んで配置されている。インクヘッド36は、被印刷物5に向かってインクを吐出するものである。
詳しくは、図6に示すように、インクヘッド36の下面には、複数のノズル37aが形成されたノズル面37が設けられている。図示は省略するが、例えば1つのインクヘッド36には、複数のノズル37aが副走査方向Xに並んで配置されている。ノズル37aから下方に向かってインクが吐出される。
本実施形態では、各インクヘッド36から異なる色のインクが吐出される。ここでは、インクヘッド36から吐出されるインクは、例えばシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、および、ブラックインクの何れかである。
以下の説明において、シアンインクを吐出するインクヘッド36を、第1インクヘッド36aと称し、マゼンタインクを吐出するインクヘッド36を、第2インクヘッド36bと称する。イエローインクを吐出するインクヘッド36を、第3インクヘッド36cと称し、ブラックインクを吐出するインクヘッド36を、第4インクヘッド36dと称する。インクヘッド36は、インクヘッド36a~36dの総称である。
複数のインクヘッド36には、インクチューブ(図示せず)を介してそれぞれインクカートリッジ39(図3参照)が接続されている。図3に示すように、インクカートリッジ39は、複数設けられており、それぞれ色が異なるインクを収容している。そのため、複数のインクヘッド36からそれぞれ異なるインクが吐出される。本実施形態では、ケース10の内部であって、ベース部11の左後部には、インクカートリッジ収容部42が設けられている。インクカートリッジ39は、インクカートリッジ収容部42に収容されている。
本実施形態では、図5に示すように、キャリッジ34には、紫外線照射ランプ38が設けられている。紫外線照射ランプ38は、インクヘッド36から吐出されたインクを硬化させる紫外線を発するものである。紫外線照射ランプ38は、被印刷物5に吐出されたインクを硬化させる。ここでは、紫外線照射ランプ38は、キャリッジ34の右部であって、インクヘッド36よりも右方に配置されている。しかしながら、紫外線照射ランプ38は、キャリッジ34の左部であって、インクヘッド36よりも左方に配置されていてもよい。また、紫外線照射ランプ38は、キャリッジ34の左部および右部にそれぞれ設けられていてもよい。紫外線照射ランプ38、および、複数のインクヘッド36は、主走査方向Yに並ぶように配置されている。
本実施形態では、図4に示すように、キャリッジ34には、ヘッド移動機構44が接続されている。ヘッド移動機構44は、キャリッジ34およびインクヘッド36をガイドレール32に沿って主走査方向Yに移動させる機構である。ヘッド移動機構44が駆動することによって、キャリッジ34、インクヘッド36、紫外線照射ランプ38、および、センサユニット70(図5参照)は、主走査方向Yに移動する。ヘッド移動機構44の構成は特に限定されないが、例えば、ヘッド移動機構44は、モータなどによって構成されている。
次に、テーブル50について説明する。テーブル50は、被印刷物5(図3参照)を支持し、被印刷物5を副走査方向Xに搬送するものである。図3に示すように、テーブル50は、ケース10内の内部空間18に配置されている。テーブル50は、ガイドレール32およびインクヘッド36(図5参照)よりも下方に配置されている。図4に示すように、テーブル50は、平面視において、ベース部11における主走査方向Yの中央部分に配置されている。なお、テーブル50は、支持台の一例である。
本実施形態では、テーブル50は、被印刷物5を支持する支持面50aを有する。支持面50aは、テーブル50の上面を構成しており、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がった面である。テーブル50の支持面50aに支持された被印刷物5(図3参照)に向かって、インクヘッド36はインクを吐出する。そして、紫外線照射ランプ38(図5参照)は、支持面50aに支持された被印刷物5に吐出されたインクに向かって紫外線を照射することによって、被印刷物5に吐出されたインクを硬化させる。
本実施形態では、図示は省略するが、テーブル50には、複数の微小な孔が形成されている。テーブル50の下方には、吸引装置55(図7参照)が配置されている。吸引装置55は、テーブル50に形成された上記微小な孔を通じて、テーブル50の上方の空気をテーブル50の下方に向かって吸引することで、テーブル50に支持された被印刷物5をテーブル50に向かって吸引する。このことによって、被印刷物5をテーブル50に密着させることができる。よって、被印刷物5がテーブル50から浮き上がることに起因して、印刷が歪むことを抑制することができる。
テーブル50は、副走査方向X(前後方向)、および、高さ方向Z(上下方向)に移動可能に構成されている。本実施形態では、図3に示すように、テーブル移動機構51によって、テーブル50が副走査方向Xに移動する。また、昇降機構52によって、テーブル50が高さ方向Zに移動する。以下、テーブル移動機構51および昇降機構52について説明する。
本実施形態では、図4に示すように、ベース部11の主走査方向Yの中央部分には、開口11aが形成されている。テーブル移動機構51および昇降機構52は、平面視において、開口11a内および開口11aの周辺に設けられている。
テーブル移動機構51の構成は特に限定されない。テーブル移動機構51は、第1テーブルガイドレール61と、第2テーブルガイドレール62と、搬送部材64と、前後移動用駆動モータ67(図7参照)とを備えている。第1テーブルガイドレール61および第2テーブルガイドレール62は、副走査方向Xに延びている。第1テーブルガイドレール61と第2テーブルガイドレール62とは平行に配置されている。第1テーブルガイドレール61および第2テーブルガイドレール62は、ベース部11に支持されている。
搬送部材64は、第1テーブルガイドレール61および第2テーブルガイドレール62に対して摺動自在に設けられている。本実施形態では、搬送部材64は、平板64aと、第1筒状部64bと、第2筒状部64cとを有している。平板64aは、ベース部11の開口11aの下方に位置されている。平板64aは、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がったものである。図3に示すように、平板64aには、他の部材(例えば、高さ調整部材68)を介して、テーブル50が載置される。
図4に示すように、第1筒状部64bおよび第2筒状部64cは、中空の筒状のものである。第1筒状部64bは、平板64aの左端に設けられ、第2筒状部64cは、平板64aの右端に設けられている。第1筒状部64bには、第1テーブルガイドレール61が摺動自在に挿入されている。第2筒状部64cには、第2テーブルガイドレール62が摺動自在に挿入されている。
図7に示す前後移動用駆動モータ67は、テーブル50を副走査方向Xに移動させる駆動源である。前後移動用駆動モータ67は、テーブル50に接続されている。図4に示すように、テーブル50は、前後移動用駆動モータ67の駆動によって、第1テーブルガイドレール61および第2テーブルガイドレール62に沿って、搬送部材64が移動することで、副走査方向Xに移動する。
図3に示すように、昇降機構52は、ホルダ99に取り付けられたセンサユニット70(図5参照)と、テーブル50との高さ方向Zの相対的な位置を変更させる機構である。昇降機構52は、位置変更機構の一例である。本実施形態では、昇降機構52は、テーブル50を高さ方向Z(上下方向)に移動させる機構である。昇降機構52における、テーブル50を高さ方向Zに移動させる具体的な構成は、特に限定されない。
例えば昇降機構52は、高さ調整部材68と、昇降モータ69(図7参照)とを備えている。テーブル50は、高さ調整部材68を介して、昇降モータ69に接続されている。高さ調整部材68は、テーブル50の底面に設けられており、高さが可変な部材である。例えば高さ調整部材68は、複数の部材から構成され、一方の部材に対して他方の部材を上下にスライドさせることで高さを調整することができる。
昇降モータ69は、高さ調整部材68に接続されており、駆動することで、高さ調整部材68の高さを調整する。その結果、高さ調整部材68の高さが変更されることによって、テーブル50の高さが調整される。
本実施形態では、図5に示すように、キャリッジ34には、ホルダ99が設けられている。ホルダ99には、センサユニット70が着脱可能に設けられる。図6では、ホルダ99からセンサユニット70が取り外された状態が図示されている。なお、キャリッジ34に対するホルダ99の位置は特に限定されない。本実施形態では、ホルダ99は、キャリッジ34の左部であって、インクヘッド36よりも左方に配置されている。しかしながら、ホルダ99は、キャリッジ34の右部であって、インクヘッド36よりも右方に配置されていてもよい。ここでは、センサユニット70およびホルダ99は、複数のインクヘッド36および紫外線照射ランプ38と主走査方向Yに並ぶように配置されている。
なお、ホルダ99にセンサユニット70を取り付ける構成は特に限定されない。本実施形態では、図6に示すように、ホルダ99は、リング状に形成されており、上下に貫通した貫通孔99aを有している。この貫通孔99aにセンサユニット70を挿入し、図示しない締結部材によってホルダ99を締め付ける。このことで、センサユニット70における、キャリッジ34およびホルダ99に対する高さ方向Zの位置が固定される。本実施形態では、ホルダ99は、センサユニット70を高さ方向Zの所定の位置に固定するように構成されている。ここでの所定の位置とは、図5に示すように、センサユニット70の後述する検出面72がインクヘッド36のノズル面37よりも下方の位置、言い換えるとテーブル50に近い位置に配置されるようなセンサユニット70の位置のことをいう。
本実施形態では、図7に示すように、プリンタ100Aは、着脱センサ80を備えている。着脱センサ80は、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられたか否かを検出することが可能なセンサである。図示は省略するが、着脱センサ80は、キャリッジ34に設けられ、かつ、ホルダ99の周囲に配置されている。ただし、着脱センサ80の位置は、ホルダ99に対するセンサユニット70の着脱を検出することができれば、特に限定されない。また、ホルダ99に対するセンサユニット70の着脱を検出することができるものであれば、着脱センサ80の種類は特に限定されない。着脱センサ80には、例えばマイクロスイッチセンサ、光学式センサなどの各種センサが採用される。
次に、図7に示す制御装置110について説明する。制御装置110は、印刷に関する制御、および、被印刷物5に吐出されたインクの色濃度を補正する制御をする装置である。制御装置110の構成は特に限定されない。例えば、制御装置110は、コンピュータであり、中央演算処理装置(以下、CPUという。)と、CPUが実行するプログラムなどが格納されたROMと、RAMなどを備えていてもよい。
図7に示すように、制御装置110は、操作パネル25に通信可能に接続されている。操作パネル25を作業者が操作することで、操作パネル25から制御装置110に信号が送信される。制御装置110は、例えば操作パネル25から受信した信号に基づいて印刷の制御を行う。制御装置110は、キャリッジ34に接続されたヘッド移動機構44に通信可能に接続されている。制御装置110は、ヘッド移動機構44の駆動を制御することで、キャリッジ34、インクヘッド36、紫外線照射ランプ38およびセンサユニット70における主走査方向Yへの移動を制御する。また、制御装置110は、複数のインクヘッド36および紫外線照射ランプ38に通信可能に接続されている。制御装置110は、テーブル50に支持された被印刷物5(図3参照)に、複数のインクヘッド36がインクを吐出するそれぞれのタイミングなどを制御する。また、制御装置110は、被印刷物5に吐出されたインクに対して、紫外線照射ランプ38が紫外線を照射するタイミングなどを制御する。
制御装置110は、テーブル移動機構51の前後移動用駆動モータ67、昇降機構52の昇降モータ69、および、吸引装置55に通信可能に接続されている。制御装置110は、テーブル移動機構51の前後移動用駆動モータ67を制御することによって、テーブル50の副走査方向Xへの移動を制御する。制御装置110は、昇降機構52の昇降モータ69を制御することによって、テーブル50の高さ方向Zへの移動を制御する。また、制御装置110は、吸引装置55の駆動を制御することによって、テーブル50に支持された被印刷物5(図3参照)をテーブル50に吸着させるタイミングなどを制御する。
また、制御装置110は、着脱センサ80に通信可能に接続されている。制御装置110は、着脱センサ80から、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられているか否かに関する情報を受信する。
以上、プリンタ100Aの構成について説明した。次に、図1に示すセンサユニット70について説明する。センサユニット70は、プリンタ100A~100Cに対して着脱可能に設けられるものであり、プリンタ100A~100Cに対して使用されるものである。
図8は、キャリッジ34、インクヘッド36、紫外線照射ランプ38の正面図であり、プリンタ100A~100Cにおける印刷時の状態を示す図である。図9は、キャリッジ34、インクヘッド36、紫外線照射ランプ38およびセンサユニット70の正面図であり、プリンタ100A~100Cにおける色濃度を検出する状態を示す図である。図8および図9に示すように、センサユニット70は、プリンタ100A~100Cにおいて、テーブル50に支持された被印刷物5に吐出されたインクの色濃度を検出することが可能である。センサユニット70は、プリンタ100A~100Cのそれぞれのキャリッジ34に設けられたホルダ99に対して着脱可能に設けられている。
本実施形態において、センサユニット70の構成は特に限定されない。図10は、センサユニット70の斜視図である。図11は、センサユニット70の縦断面図である。ここでは、図11に示すように、センサユニット70は、棒状のセンサケース71と、センサケース71に固定されたセンサハウジング75と、基板76と、光源77a、77bと、センサ78とを有している。
センサケース71は、高さ方向Zに延びた円柱状であり、かつ、中空のものである。図10に示すように、センサケース71の下部は、テーパ状であり、下方に向かうほど細くなる先細り形状である。本実施形態では、図11に示すように、センサケース71の下面は、検出面72を構成している。図9に示すように、ホルダ99にセンサユニット70を取り付けたとき、検出面72は、テーブル50の支持面50aと対向しており、テーブル50の支持面50aと平行である。図11に示すように、検出面72には、検出孔73が形成されている。
本実施形態では、図10に示すように、センサケース71の下部の周囲には、高さ方向Zに延びた複数のリブ74が形成されている。複数のリブ74は、センサケース71の下部の周囲を囲むように配置されている。これら複数のリブ74によって、センサケース71の下部は補強されている。本実施形態では、検出面72には、複数のリブ74の下面が含まれる。
図11に示すように、センサハウジング75は、センサケース71の下部の内部に配置されている。基板76は、センサハウジング75の上方に配置され、センサハウジング75に支持されている。光源77a、77bおよびセンサ78は、センサハウジング75の上部に配置されており、基板76に固定されている。本実施形態では、光源77a、77bおよびセンサ78は、センサユニット70がホルダ99に設けられたときにおける水平方向に並んで配置されている。光源77aと光源77bとの間に、センサ78が配置されている。
本実施形態では、センサハウジング75には、光源77aと検出面72の検出孔73とを繋ぐ光通路75aと、光源77bと検出孔73とを繋ぐ光通路75bと、センサ78と検出孔73とを繋ぐ反射通路75cとが形成されている。光通路75a、75bは、検出孔73に向かって斜めに延びている。反射通路75cは、光通路75aと光通路75bとの間に配置され、高さ方向Zに延びている。
基板76は、例えば光源77a、77bの点滅の切り替えを行い、センサ78が検出した情報を受信する。基板76は、例えばガラス製のプリント基板によって構成されているが、ガラス製に限定されない。
本実施形態では、センサユニット70は、記憶装置76aを備えている。記憶装置76aは、例えばROMやRAMによって構成されている。記憶装置76aは、センサケース71内に配置されている。記憶装置76aは、基板76に組み込まれている。
光源77aから発せられた光は、光通路75aを通じて検出孔73に到達する。光源77bから発せられた光は、光通路75bを通じて検出孔73に到達する。テーブル50に支持された被印刷物5に吐出されたインクの色濃度を検出する場合、検出孔73に到達した光は、被印刷物5を照射する。光源77a、77bは、例えばLEDによって構成されている。光源77a、77bは例えば白色を発光する。光源77a、77bの種類は特に限定されない。しかしながら、光源77a、77bは、LEDに限定されず、光源77a、77bが発光する光の色は、白色に限定されない。
検出孔73に到達した光源77a、77bの光は、被印刷物5によって反射される。被印刷物5によって反射された光は、反射通路75cを通ってセンサ78に到達する。センサ78は、反射通路75cを通った光を受ける。ここでの詳しい説明は省略するが、センサユニット70は、光源77a、77bから発せられた光と、センサ78が受けた光とに基づいて、被印刷物5に吐出されたインクの色の濃度を検出する。
センサ78は、インクの色の濃度を検出することができるのであれば、その種類は特に限定されない。本実施形態では、センサ78は、例えばフォトダイオード、CCDイメージセンサ、または、CMOSイメージセンサである。
本実施形態において、図9に示すように、ホルダ99にセンサユニット70を取り付けたとき、上述のように、センサユニット70の検出面72は、インクヘッド36のノズル面37よりも下方に位置する。ここでは、図8および図9に示すように、昇降機構52は、テーブル50の支持面50aが検出面72よりも上方に位置するように、テーブル50を上昇させることが可能である。すなわち、テーブル50の支持面50aは、検出面72よりも上方に位置することが可能である。ただし、昇降機構52は、検出面72と同じ上下方向の位置に、テーブル50の支持面50aが位置するまで、テーブル50を上昇させることが可能に構成されていてもよい。
なお、本実施形態では、図7に示すように、各プリンタ100A~100Cにおいて、制御装置110は、センサユニット70の基板76および記憶装置76aに通信可能に接続されている。ここでは、制御装置110は、無線によって基板76および記憶装置76aに接続されているが、基板76および記憶装置76aと有線で接続されてもよい。制御装置110は、基板76を介してセンサユニット70の光源77a、77bおよびセンサ78に通信可能に接続されている。制御装置110は、被印刷物5に吐出されたインクの色濃度をセンサユニット70に検出させる際、光源77a、77bを点灯させるタイミングを制御し、センサ78からインクの色濃度に関する情報(例えば反射光量)を受信する。
次に、図1に示す端末200について説明する。端末200は、プリンタ100A~100Cに信号を送ることで、プリンタ100A~100Cを操作することが可能である。端末200は、例えばパーソナルコンピュータによって実現されるものである。端末200は、汎用のコンピュータによって実現されるものであってもよいし、専用のコンピュータによって実現されるものであってもよい。
図示は省略するが、端末200は、ディスプレイを一例とする表示画面と、キーボードやマウスなどの操作部と、端末制御装置とを備えている。この端末制御装置には、プリンタ100A~100Cを操作するための専用のアプリケーションがインストールされている。作業者は、上記アプリケーションを起動し、上記アプリケーションを操作することで、プリンタ100A~100Cに、印刷データや各種信号を送信する。プリンタ100A~100Cは、受信した印刷データに基づいて被印刷物5に印刷を行ったり、センサユニット70を使用して、被印刷物5に吐出されたインクの色濃度を検出したりする。
ところで、各プリンタ100A~100Cにおいて、各色のインクは、所定の濃度(以下、基準濃度N1(図7参照)という。)となるように被印刷物5に吐出される。しかしながら、被印刷物5に実際に吐出されたインクの色濃度は、基準濃度N1よりも濃かったり薄かったりすることがあり得る。そのため、本実施形態に係るプリンタ100A~100Cでは、被印刷物5に実際に吐出されたインクの色濃度が基準濃度N1となるように、インクの色濃度を調整する補正値V1を算出する。そして、被印刷物5に対して、基準濃度N1となるようにインクを吐出する際、補正値V1に基づいてインクを吐出する。
上記のように、インクの色濃度を調整する補正値V1を算出する処理のことを色濃度調整処理という。この色濃度調整処理は、例えばプリンタ100A~100Cをユーザに納品する前、プリンタ100A~100Cを設置する場所を変更して、変更前後でプリンタ100A~100Cの周囲の温度変化が大きい場合、インクヘッド36から吐出されるインクを変更し、インクの成分が変わった場合、被印刷物5の種類が変わった場合、インクヘッド36が交換されたときに行われるとよい。
色濃度調整処理は、いわゆる色濃度に対するキャリブレーションのことである。色濃度調整処理は、センサユニット70を使用して行われる。従来では、複数のプリンタ100A~100Cのそれぞれに対してセンサユニット70が設けられていた。すなわち、プリンタ100A~100Cの数と、センサユニット70の数は同じであった。センサユニット70の光源77a、77bおよびセンサ78には、分光特性などの個体差が存在する。そのため、異なるセンサユニット70を使用する場合、上記個体差を吸収するために、従来では、全てのセンサユニット70に対して、いわゆるセンサキャリブレーションを実行して、各センサユニット70に対するセンサ補正情報を設定する必要があった。
また、プリンタ100A~100Cを設置する場所を変更して、変更前後でプリンタ100A~100Cの周囲の温度変化が大きい場合にもセンサユニット70に対するセンサキャリブレーションを実行した方がよい。このように、従来では、センサユニット70に対してセンサキャリブレーションを実行する場合、各プリンタ100A~100Cに設けられていた全てのセンサユニット70にセンサキャリブレーションを実行する必要があり、時間を要していた。
そこで、本実施形態では、各プリンタ100A~100Cにおいて、ホルダ99に対してセンサユニット70を着脱可能にし、1つのセンサユニット70で各プリンタ100A~100Cに対する色濃度調整処理を実行する。
本実施形態では、色濃度調整処理は、各プリンタ100A~100Cの制御装置110による制御によって実行される。図7に示すように、各プリンタ100A~100Cにおいて、制御装置110は、記憶部111と、着脱判定部113と、警告通知部115とを備えている。制御装置110は、更に、基準チャート印刷部121と、色濃度検出部123と、補正値算出部125と、を備えている。色濃度検出部123は、移動制御部131と、上昇制御部132と、検出制御部133と、下降制御部134とを有している。制御装置110は、更に、センサキャリブレーション実行部140を備えている。なお、上述した制御装置110の各部は、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。例えば制御装置110の各部は、プロセッサによって行われるものであってもよいし、回路に組み込まれるものであってもよい。なお、制御装置110の各部の具体的な制御については、後述する。
次に、センサユニット70に対するセンサキャリブレーション、および、各プリンタ100A~100Cに対する色濃度調整処理の具体的な手順について図12のフローチャートに沿って説明する。センサキャリブレーションは、色濃度調整処理の前に1回行われる。ここでは、色濃度調整処理は、プリンタ100A、プリンタ100B、プリンタ100Cの順に行われるものとする。
図12に示すように、まずステップS101では、取付工程が行われる。図13および図14は、キャリッジ34、インクヘッド36、紫外線照射ランプ38およびセンサユニット70の正面図であり、センサキャリブレーションを実行している状態を示す図である。本実施形態では、センサキャリブレーションは、色濃度調整処理が最初に行われるプリンタ100Aを使用して行われる。そのため、取付工程では、作業者は、図13に示すように、センサユニット70のセンサキャリブレーションを実行するプリンタ100Aのホルダ99に、センサユニット70を取り付ける。
取付工程では、作業者は、プリンタ100Aのホルダ99の貫通孔99a(図6参照)にセンサユニット70のセンサケース71を挿入する。その後、ホルダ99を図示しない締結部材で締め付ける。このことで、プリンタ100Aのホルダ99にセンサユニット70を取り付けることができる。
次に、図12のステップS102では、センサキャリブレーション工程が行われる。センサキャリブレーション工程では、センサユニット70のセンサキャリブレーションを実行し、センサユニット70に対するセンサ補正情報SC1(図7参照)を記憶する。なお、センサ補正情報SC1の具体的な内容は特に限定されない。図15は、センサ補正情報SC1の補正線形式F1を示すグラフである。本実施形態では、図15に示すように、センサ補正情報SC1は、補正線形式F1を有する。ステップS102のセンサキャリブレーション工程では、センサキャリブレーションを実行し、センサユニット70に対する補正線形式F1を算出する。
本実施形態では、センサキャリブレーション工程において、作業者は、端末200を操作することで、端末200からプリンタ100Aの制御装置110へ、センサキャリブレーション信号を送信する。プリンタ100Aの制御装置110がセンサキャリブレーション信号を受信した後、プリンタ100Aのセンサキャリブレーション実行部140が、センサユニット70に対するセンサキャリブレーションを実行する。
なお、センサキャリブレーションの手順は特に限定されない。本実施形態では、第1反射率R1を有する第1反射物B1(図13参照)、および、第2反射率R2を有する第2反射物B2(図14参照)を使用して、センサキャリブレーションを行う。ここでは、センサユニット70によって、第1反射物B1および第2反射物B2の反射光量を検出する。第1反射率R1と第2反射率R2とは異なる値である。例えば第1反射率R1は0%であり、第1反射物B1は、表面が黒色のものである。例えば第2反射率R2は100%であり、第2反射物B2は、表面が白色のものである。
本実施形態では、センサキャリブレーションは、図16に示すフローチャートに沿って行われる。図16のステップS201では、センサキャリブレーション実行部140は、第1反射物B1から第1反射光量LV1を取得する。ここでは、図13に示すように、作業者は、プリンタ100Aのテーブル50に第1反射物B1を載置する。センサキャリブレーション実行部140は、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられている状態で、テーブル50に支持された第1反射物B1にセンサユニット70の検出面72を接触させるように、ヘッド移動機構44、テーブル移動機構51および昇降機構52(図7参照)を制御する。
そして、第1反射物B1に検出面72が接触したとき、センサキャリブレーション実行部140は、センサユニット70の光源77a、77bを点灯させる(図11参照)。このとき、光源77a、77bから発せられた光は、第1反射物B1の表面を反射して、センサ78に到達する。センサ78は、第1反射物B1を反射した光の反射光量である第1反射光量LV1を取得する。センサ78によって取得された第1反射光量LV1は、センサキャリブレーション実行部140に送信される。
このように第1反射光量LV1を取得した後、図16のステップS202では、センサキャリブレーション実行部140は、第2反射物B2から第2反射光量LV2を取得する。ここでは、図14に示すように、作業者は、プリンタ100Aのテーブル50に第2反射物B2を載置する。センサキャリブレーション実行部140は、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられている状態で、テーブル50に支持された第2反射物B2にセンサユニット70の検出面72を接触させるように、ヘッド移動機構44、テーブル移動機構51および昇降機構52を制御する。
そして、第2反射物B2に検出面72が接触したときに、センサキャリブレーション実行部140は、センサユニット70の光源77a、77bを点灯させる。センサ78は、光源77a、77bから発せられて、第2反射物B2の表面を反射した光の第2反射光量LV2を取得する。センサ78は、第2反射光量LV2をセンサキャリブレーション実行部140に送信する。なお、図15に示すように、第2反射光量LV2は、第1反射光量LV1よりも値が大きい。
このように第2反射光量LV2を取得した後、図16のステップS203では、センサキャリブレーション実行部140は、センサ補正情報SC1の補正線形式F1を算出する。センサキャリブレーション実行部140は、第1反射率R1、第2反射率R2、センサユニット70のセンサ78から受信した第1反射光量LV1、第2反射光量LV2に基づいて、図15に示す補正線形式F1を算出する。図15に示すように、横軸が反射率であり、かつ、縦軸が反射光量であるグラフにおいて、補正線形式F1は、反射光量をy、反射率をxとすると、補正線形式F1は、下記の式(1)となる。
y=((LV1-LV2)/(R1-R2))×x+(LV1-((LV1-LV2)/(R1-R2))×R1)・・・(1)
センサキャリブレーション実行部140は、補正線形式F1をセンサ補正情報SC1として、センサユニット70の記憶装置76a(図7参照)に記憶させる。ここでは、センサキャリブレーション実行部140は、センサユニット70にセンサ補正情報SC1を送信する。センサユニット70によって受信されたセンサ補正情報SC1は、記憶装置76aに記憶される。以上のようにして、図12のステップS102のセンサキャリブレーション工程が終了する。
次に、図12のステップS103では、プリンタ100Aに対する色濃度調整処理を行う。なお、ステップS103の色濃度調整処理は、ステップS1030、S1031、S1032の工程を順に実行することで行われる。
図17は、基準チャートC1を示す図である。図12のステップS1030では、プリンタ100Aに対する基準チャート工程が行われる。ステップS1030の基準チャート工程では、プリンタ100Aで、被印刷物5に基準チャートC1(図17参照)を印刷する。ステップS1030の基準チャート工程では、プリンタ100Aの基準チャート印刷部121は、テーブル50に支持された被印刷物5に基準チャートC1(図17参照)を印刷する。
図17に示すように、基準チャートC1は、被印刷物5に吐出されたインクの色濃度を補正するための補正値V1を算出するために使用される印刷物である。基準チャートC1は、パッチPを有する。パッチPとは、所定の色のインク、および、所定の基準濃度N1で形成されたものである。このパッチPの色濃度をセンサユニット70で検出する。そして、パッチPの色濃度に関する補正値V1を算出する。そのため、本実施形態では、パッチP毎に補正値V1が算出される。
本実施形態では、基準チャートC1は、第1パッチP100~P110と、第2パッチP200~P210と、第3パッチP300~P310と、第4パッチP400~P410とを有する。本実施形態では、基準チャートC1は、44個のパッチPによって構成されているが、基準チャートC1を構成するパッチPの数は特に限定されない。
第1パッチP100~P110は、第1インクヘッド36aから吐出されたシアンインクによって形成されたパッチである。第1パッチP100~P110のそれぞれの色濃度の基準濃度N1は、0%~100%の間で、第1パッチP100~P110の順に所定の割合(ここでは10%)の間隔で大きくなっている。例えば第1パッチP100の基準濃度N1は0%であり、第1パッチP110の基準濃度N1は100%である。第1パッチP150の基準濃度N1は50%である。
第2パッチP200~P210は、第2インクヘッド36bから吐出されたマゼンタインクによって形成されたパッチである。第2パッチP200~P210のそれぞれの色濃度の基準濃度N1は、0%~100%の間で、第2パッチP200~P210の順に10%の間隔で大きくなっている。第3パッチP300~P310は、第3インクヘッド36cから吐出されたイエローインクによって形成されたパッチである。第3パッチP300~P310のそれぞれの色濃度の基準濃度N1は、0%~100%の間で、第3パッチP300~P310の順に10%の間隔で大きくなっている。第4パッチP400~P410は、第4インクヘッド36dから吐出されたブラックインクによって形成されたパッチである。第4パッチP400~P410のそれぞれの色濃度の基準濃度N1は、0%~100%の間で、第4パッチP400~P410の順に10%の間隔で大きくなっている。
以下の説明において、第1パッチP100~P110、第2パッチP200~P210、第3パッチP300~P310、および、第4パッチP400~P410を総称して、パッチPという。
本実施形態では、第1パッチP100~P110は、主走査方向Yに並んで配置されており、第1パッチP100~P110の列のことを第1パッチ列P1という。同様に、第2パッチP200~P210は、主走査方向Yに並んで配置されており、第2パッチP200~P210の列のことを第2パッチ列P2という。第3パッチP300~P310は、主走査方向Yに並んで配置されており、第3パッチP300~P310の列のことを第3パッチ列P3という。第4パッチP400~P410は、主走査方向Yに並んで配置されており、第4パッチP400~P410の列のことを第4パッチ列P4という。パッチ列P1~P4は、副走査方向Xに並んで配置されている。
本実施形態では、パッチP毎に、基準濃度N1が設定されている。基準チャート印刷部121は、基準濃度N1になるようにパッチPを被印刷物5に印刷する。なお、ここでは、インクの色毎、かつ、インクの濃度毎、言い換えると、基準チャートC1を構成するパッチPの数の基準濃度N1が存在する。なお、図7に示すように、基準濃度N1は、記憶部111に予め記憶されている。
基準チャート印刷部121によって基準チャートC1(図17参照)が被印刷物5に印刷されているとき、図8に示すように、ホルダ99には、センサユニット70が取り付けられていない。基準チャート印刷部121による基準チャートC1の印刷が開始される際、着脱判定部113は、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられているか否かを判定する。ここでは、着脱センサ80の検出結果に基づいて、着脱判定部113は、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられているか否かを判定する。
詳しくは、まず着脱判定部113は、着脱センサ80に検出要求信号を送信する。着脱センサ80は、検出要求信号を受信した後、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられたか否かを示した検出結果信号を着脱判定部113に送信する。そして、着脱判定部113は、検出結果信号を受信し、検出結果信号に基づいて、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられているか否かを判定する。
本実施形態では、印刷開始前(ここでは、基準チャートC1の印刷前)において、着脱判定部113によってホルダ99にセンサユニット70が取り付けられていると判定された場合、警告通知部115は、センサユニット70がホルダ99に取り付けられている旨の警告を作業者に対して行う。本実施形態では、警告通知部115は、操作パネル25の表示部(図示せず)に警告メッセージを表示する。ただし、この警告の通知の具体的な方法は特に限定されない。警告通知部115は、例えば図示しないランプを点滅または点灯させることで警告を通知してもよいし、図示しないブザーを鳴らすことで、音で警告を通知してもよい。なお、印刷開始前において、警告通知部115によって警告されたとき、印刷は停止する。
一方、印刷開始前において、着脱判定部113によって、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられていないと判定された場合、基準チャート印刷部121は、テーブル50の支持面50aに支持された被印刷物5に基準チャートC1(図17参照)を印刷する。ここでは、基準チャート印刷部121は、基準チャートC1を構成する第1パッチP100~P110と、第2パッチP200~P210と、第3パッチP300~P310と、第4パッチP400~P410とを被印刷物5に印刷する。
ここでは、基準チャート印刷部121は、ヘッド移動機構44を制御して、インクヘッド36を主走査方向Yに移動させる。インクヘッド36が主走査方向Yに移動している間、基準チャート印刷部121は、インクヘッド36から、テーブル50に支持さされた被印刷物5に対してインクを吐出する。このことで、1スキャン分の印刷が完了する。1スキャン分の印刷が完了した後、基準チャート印刷部121は、被印刷物5を支持するテーブル50を副走査方向Xに所定の距離移動させるように、テーブル移動機構51を制御する。被印刷物5の副走査方向Xへの移動が完了した後、次のスキャン分の印刷を行うため、インクヘッド36を主走査方向Yに移動させる。このように、インクヘッド36の主走査方向Yへの移動と、テーブル50の副走査方向Xへの移動とを繰り返し行うことで、基準チャートC1が被印刷物5に印刷される。
このように図12に示すステップS1030において、プリンタ100Aによる基準チャートC1の印刷が行われた後、次に、ステップS1031では、プリンタ100Aにする色濃度検出工程が行われる。ステップS1031の色濃度検出工程では、プリンタ100Aにおいて、センサユニット70を使用して、センサユニット70に記憶されたセンサ補正情報SC1(図15参照)に基づいて、基準チャートC1の各パッチPの検出濃度DC1を検出する。
ステップS1031の色濃度検出工程では、プリンタ100Aの色濃度検出部123は、被印刷物5に印刷された基準チャートC1の各パッチPのインクの実際の色濃度である検出濃度DC1を検出する。本実施形態では、図17に示すように、基準チャートC1は、44個のパッチPによって構成されており、色濃度検出部123は、それぞれのパッチPの実際の検出濃度DC1を検出する。
本実施形態では、色濃度検出部123による検出濃度DC1を検出するとき、図9に示すように、ホルダ99には、センサユニット70が取り付けられた状態である。基準チャートC1の印刷の後、作業者は、ホルダ99にセンサユニット70を取り付ける。色濃度検出部123による制御が開始される際、着脱判定部113(図7参照)は、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられているか否かを判定する。ここでは、着脱センサ80の検出結果に基づいて、着脱判定部113は、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられているか否かを判定する。
詳しくは、まず着脱判定部113は、着脱センサ80に検出要求信号を送信する。着脱センサ80は、検出要求信号を受信した後、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられたか否かを示した検出結果信号を着脱判定部113に送信する。そして、着脱判定部113は、検出結果信号を受信し、検出結果信号に基づいて、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられているか否かを判定する。
本実施形態では、色濃度検出部123による制御の前において、着脱判定部113によってホルダ99にセンサユニット70が取り付けられていないと判定された場合、警告通知部115は、センサユニット70が取り付けられていない旨の警告を作業者に対して行う。本実施形態では、警告通知部115は、例えば上述のように、操作パネル25の表示部(図示せず)に警告メッセージを表示する。なお、色濃度検出部123による制御が開始される前において、警告通知部115によって警告されたとき、センサユニット70をホルダ99に取り付けた後に、色濃度検出部123よる制御が行われる。
一方、色濃度検出部123による制御を開始する前において、着脱判定部113によって、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられていると判定された場合、色濃度検出部123は、パッチPの実際の検出濃度DC1を検出する。なお、本実施形態では、第1パッチP100~P110、第2パッチP200~P210、第3パッチP300~P310、および、第4パッチP400~P410におけるそれぞれの検出濃度DC1を検出する手順は同じである。そこで、以下、検出濃度DC1を検出する手順の一例として、シアンインクで形成され、かつ、基準濃度N1が50%である第1パッチP105の検出濃度DC1を検出する制御について説明する。
色濃度検出部123は、ホルダ99にセンサユニット70が取り付けられた状態で、被印刷物5に印刷された第1パッチP105に、センサユニット70の検出面72を接触させるように、昇降機構52によってテーブル50を昇降させて、センサユニット70によって、第1パッチP105の検出濃度DC1を検出する。ここでは、色濃度検出部123を構成する移動制御部131と、上昇制御部132と、検出制御部133と、下降制御部134とによって、第1パッチP105の検出濃度DC1の検出が行われる。
まず移動制御部131は、平面視においてセンサユニット70の検出面72と、テーブル50に支持された被印刷物5に印刷された第1パッチP105の少なくとも一部とが重なるように、ヘッド移動機構44およびテーブル移動機構51を制御する。ここでは、被印刷物5に印刷された第1パッチP105の真上に検出面72が位置するように、キャリッジ34およびテーブル50の位置を調整する。
このように、第1パッチP105の真上に検出面72が位置している状態で、上昇制御部132は、第1パッチP105に検出面72を接触させるように昇降機構52を制御する。ここでは、上昇制御部132は、テーブル50を上昇させて、被印刷物5に印刷された第1パッチP105に検出面72を接触させる。すなわち、上昇制御部132は、図9に示すように、昇降機構52を制御してテーブル50を上昇させて、テーブル50に支持された被印刷物5に検出面72を接触させる。
その後、第1パッチP105に検出面72に接触させた状態で、検出制御部133は、センサユニット70によって検出濃度DC1を検出する。ここでは、検出制御部133は、センサユニット70の基板76に濃度要求信号を送信する。センサユニット70は、濃度要求信号を受信した後、光源77a、77bを点灯させる。センサ78は、光源77a、77bから発せられて、反射した光を受け、第1パッチP105に対する反射光量を取得する。センサユニット70は、センサ78によって取得された第1パッチP105の反射光量を検出制御部133に送信する。検出制御部133は、第1パッチP105の反射光量を受信する。検出制御部133は、センサ補正情報SC1の補正線形式F1(図15参照)に、受信した第1パッチP105の反射光量を代入して、受信した第1パッチP105の反射光量に対応した反射率を算出して、算出した反射率から第1パッチP105に対する検出濃度DC1を検出する。
このように第1パッチP105の検出濃度DC1を検出した後、下降制御部134は、第1パッチP105(言い換えると被印刷物5)から検出面72を離間させるように昇降機構52を制御する。ここでは、下降制御部134は、テーブル50を下降させて、被印刷物5に印刷された第1パッチP105から検出面72を離す。
以上のようにして、第1パッチP105に対する検出濃度DC1が検出される。同様の手順で、色濃度検出部123は、他のパッチPに対する検出濃度DC1を検出する。なお、色濃度検出部123によって検出された各パッチPの検出濃度DC1は、記憶部111に記憶される。
このように各パッチPの検出濃度DC1を検出した後、図12のステップS1032では、プリンタ100Aに対する補正値算出工程が行われる。ステップS1032の補正値算出工程では、プリンタ100Aにおいて、各パッチPの検出濃度DC1と基準濃度N1とに基づいて、被印刷物5に吐出されたインクの色濃度を補正する補正値V1を算出する。
ステップS1032の補正値算出工程では、プリンタ100Aの補正値算出部125は、インクの色毎、および、インクの濃度毎に基準濃度N1に対する補正値V1を算出する。上述のように、基準濃度N1は、インクの色毎、および、インクの濃度毎に設定されている。本実施形態では、インクは4色であり、インクの色濃度は、10%間隔で設定されているため11段階である。そのため、基準濃度N1は、44個存在する。補正値算出部125によって算出される補正値V1は、インクの色毎、および、インクの濃度毎に存在する。そのため、本実施形態では、補正値V1は、44個存在する。
本実施形態では、すべての補正値V1の算出手順は同じである。そのため、以下では、シアンインクの濃度が50%における基準濃度N1に対する補正値V1を算出する手順について説明する。本実施形態では、補正値算出部125は、色濃度検出部123によって検出された第1パッチP105の検出濃度DC1と、第1パッチP105の基準濃度N1とに基づいて、シアンインクの濃度が50%における色濃度を補正する補正値V1を算出する。ここでは、補正値算出部125は、第1パッチP105における基準濃度N1と検出濃度DC1との差を、シアンインクの濃度が50%における補正値V1とする。なお、補正値算出部125によって算出された補正値V1は、記憶部111に記憶される。
以上のようにして、図12のステップS103におけるプリンタ100Aに対する色濃度調整処理が行われる。プリンタ100Aにおいて、被印刷物5に印刷物を印刷する際、補正値算出部125によって算出された補正値V1で、各インクの各色濃度を補正しながら、インクヘッド36からインクを吐出させる。このことで、被印刷物5に実際に吐出されたインクの濃度が基準濃度N1となるため、色濃度の誤差が発生し難くなる。
図12のステップS103におけるプリンタ100Aに対する色濃度調整処理の後、ステップS104では、プリンタ100Aに対する取外工程が行われる。ステップS104の取外工程では、作業者は、色濃度調整処理が行われたプリンタ100Aのホルダ99からセンサユニット70を取り外す。取外工程では、作業者は、プリンタ100Aにおいて、ホルダ99の上記の締結部材を緩めた後、ホルダ99の貫通孔99aからセンサユニット70のセンサケース71を引き抜く。
次に、図12のステップS105の取付工程では、プリンタ100Bのホルダ99にセンサユニット70を取り付ける。
その後、ステップS106では、プリンタ100Bに対する色濃度調整処理が行われる。ステップS106のプリンタ100Bの色濃度調整処理は、ステップS1060の基準チャート工程と、ステップS1061の色濃度調整工程と、ステップS1062の補正値算出工程とを順に実行することで行われる。なお、ステップS1060の基準チャート工程、ステップS1061の色濃度調整工程、および、ステップS1062の補正値算出工程は、それぞれステップS1030の基準チャート工程、ステップS1031の色濃度調整工程、ステップS1032の補正値算出工程に対応しており、ステップS1030、S1031、S1032において、プリンタ100Aをプリンタ100Bに置き換えた工程である。そのため、ステップS1060、ステップS1061およびステップS1062の説明は省略する。
本実施形態では、ステップS106のプリンタ100Bに対する色濃度調整処理を実行することで、プリンタ100Bにおいて、被印刷物5に吐出されたインクの色濃度を補正する補正値V1が算出される。プリンタ100Bにおいて、被印刷物5に印刷物を印刷する際、補正値算出部125によって算出された補正値V1で、各インクの各色濃度を補正しながら、インクヘッド36からインクを吐出させる。このことで、被印刷物5に実際に吐出されたインクの濃度が基準濃度N1となるため、色濃度の誤差が発生し難くなる。
次に、図12のステップS107では、作業者は、色濃度調整処理が行われたプリンタ100Bのホルダ99からセンサユニット70を取り外す。
その後、ステップS108の取付工程では、プリンタ100Cのホルダ99にセンサユニット70を取り付ける。
次に、ステップS109では、プリンタ100Cに対する色濃度調整処理が行われる。ステップS109のプリンタ100Cの色濃度調整処理は、ステップS1090の基準チャート工程と、ステップS1091の色濃度調整工程と、ステップS1092の補正値算出工程とを順に実行することで行われる。なお、ステップS1090の基準チャート工程、ステップS1091の色濃度調整工程、および、ステップS1092の補正値算出工程は、それぞれステップS1030の基準チャート工程、ステップS1031の色濃度調整工程、ステップS1032の補正値算出工程に対応しており、ステップS1030、S1031、S1032において、プリンタ100Aをプリンタ100Cに置き換えた工程である。そのため、ステップS1090、ステップS1091およびステップS1092の説明は省略する。
本実施形態では、ステップS109のプリンタ100Cの色濃度調整処理を実行することで、プリンタ100Cにおいて、被印刷物5に吐出されたインクの色濃度を補正する補正値V1が算出される。プリンタ100Cにおいて、被印刷物5に印刷物を印刷する際、補正値算出部125によって算出された補正値V1で、各インクの各色濃度を補正しながら、インクヘッド36からインクを吐出させる。このことで、被印刷物5に実際に吐出されたインクの濃度が基準濃度N1となるため、色濃度の誤差が発生し難くなる。
次に、図12のステップS110では、作業者は、色濃度調整処理が行われたプリンタ100Cのホルダ99からセンサユニット70を取り外す。このように、本実施形態では、プリンタ100A、100B、100Cにおいて、1つのセンサユニット70を使用して、色濃度調整処理を実行することができる。
なお、本実施形態に係るプリンタ100A~100Cにおいて、基準チャートC1の各パッチPの基準濃度N1であって、記憶部111に記憶された各パッチPの基準濃度N1には、プリンタ100A~100Cのうちの基準となるプリンタ(例えばプリンタ100A)によって印刷された基準チャートC1の各パッチPの検出濃度DC1が設定されていてもよい。すなわち、プリンタ100Aによって印刷された基準チャートC1の各パッチPの検出濃度DC1を基準濃度N1として、プリンタ100B、100Cの色濃度調整処理を行ってもよい。このことによって、例えばプリンタ100A、100B、100Cとの間で、同じ印刷物を印刷した場合、同じ色合い、言い換えると色濃度が同じ印刷物を印刷することができる。
また、本実施形態に係るプリンタ100A~100Cにおいて、基準チャートC1の各パッチPの基準濃度N1であって、記憶部111に記憶された各パッチPの基準濃度N1には、プリンタ100A~100Cのうちの何れかのプリンタ(例えばプリンタ100A)において、過去(例えば過去の任意の日時)に印刷した基準チャートC1の各パッチPの検出濃度DC1が設定されていてもよい。このことで、プリンタ100Aの過去の検出濃度DC1に基づいて印刷した各パッチPの色濃度を検出して、補正値V1を算出することができる。よって、プリンタ100Aの過去の任意の日時に印刷した印刷物と同じ色合いを、プリンタ100A、100B、100Cで再現することができる。また、プリンタ100Aの過去に印刷した印刷物と同じ印刷物を印刷した場合であっても、同じ色合い、言い換えると色濃度が同じ印刷物を、プリンタ100A、100B、100Cで印刷することができる。
以上、本実施形態では、図1に示すように、プリンタシステム1は、被印刷物5にインクを吐出することで、被印刷物5に印刷を行う複数のプリンタ100A~100Cと、被印刷物5に吐出されたインクの色濃度を検出可能なセンサユニット70と、制御装置110(図7参照)と、記憶装置76a(図7参照)と、を備えている。複数のプリンタ100A~100Cのそれぞれは、図3に示すように、被印刷物5を支持するテーブル50と、ガイドレール32と、キャリッジ34と、インクヘッド36(図5参照)と、ホルダ99(図5参照)と、昇降機構52とを備えている。ガイドレール32は、テーブル50よりも上方に配置され、主走査方向Yに延びている。キャリッジ34は、ガイドレール32に摺動自在に設けられている。図5に示すように、インクヘッド36は、キャリッジ34に設けられ、テーブル50が支持する被印刷物5に向かってインクを吐出する。ホルダ99は、キャリッジ34に設けられ、センサユニット70が着脱可能に取り付けられる。昇降機構52は、ホルダ99に取り付けられたセンサユニット70と、テーブル50との高さ方向Zの相対的な位置を変更させる。
インクの色濃度調整方法は、複数のプリンタ100A~100Cから被印刷物5に吐出されるインクの色濃度を調整する方法である。インクの色濃度調整方法は、センサキャリブレーション工程(図12のステップS102)と、基準チャート工程(図12のステップS1030)と、取付工程(図12のステップS101)と、色濃度検出工程(図12のステップS1031)と、補正値算出工程(図12のステップS1032)と、取外工程(図12のステップS104)とを包含する。センサキャリブレーション工程は、制御装置110のセンサキャリブレーション実行部140(図7参照)によって実行される。センサキャリブレーション工程では、センサユニット70に対するセンサキャリブレーションを実行し、センサユニット70に対するセンサ補正情報SC1(図15参照)を記憶する。
基準チャート工程は、基準チャート印刷部121(図7参照)によって実行される。基準チャート工程では、複数のプリンタ100A~100Cのうちの一のプリンタ100Aで、所定の色のインク、かつ、所定の基準濃度N1で印刷されるパッチPを有する基準チャートC1(図17参照)を被印刷物5に印刷する。取付工程では、一のプリンタ100Aのホルダ99にセンサユニット70を取り付ける。色濃度検出工程は、色濃度検出部123(図7参照)によって実行される。色濃度検出工程では、基準チャート工程、および、取付工程の後、一のプリンタ100Aにおいて、センサユニット70を使用して、センサキャリブレーション工程で記憶したセンサユニット70のセンサ補正情報SC1に基づいて、パッチPの検出濃度DC1(図12のステップS1031参照)を検出する。
補正値算出工程は、補正値算出部125(図7参照)によって実行される。補正値算出工程では、色濃度検出工程の後、検出濃度DC1と基準濃度N1とに基づいて、被印刷物5に吐出されたインクの色濃度を補正する補正値V1(図12のステップS1032参照)を算出する。取外工程では、補正値算出工程の後、一のプリンタ100Aのホルダ99からセンサユニット70を取り外す。インクの色濃度調整方法では、一のプリンタ100A以外の複数のプリンタ100B、100Cのそれぞれにおいて、基準チャート工程(図12のステップS1060、S1090)と、取付工程(図12のステップS105、S108)と、色濃度検出工程(図12のステップS1061、S1091)と、補正値算出工程(図12のステップS1062、S1092)と、取外工程(図12のステップS107、S110)とを行う。
本実施形態では、基準チャート工程(図12のステップS1030)と、色濃度検出工程(図12のステップS1031)と、補正値算出工程(図12のステップS1032)とを行うことで、1つのプリンタ100Aに対する色濃度調整処理(図12のステップS103)を行うことができる。ここでは、1つのセンサユニット70を使用して、複数のプリンタ100A~100Cに対する色濃度調整処理(図12のステップS103、S106、S109)を行うため、センサキャリブレーション工程(図12のステップS102)は、1回のみ行われればよい。よって、複数のプリンタ100A~100Cに対して色濃度調整処理を実行する際に、センサキャリブレーションを実行する回数を減らすことができるため、複数のプリンタ100A~100Cに対して色濃度調整処理を実行するときに要する時間を短縮することができる。
本実施形態では、センサキャリブレーション工程では、センサユニット70における、第1反射率R1を有する第1反射物B1の第1反射光量LV1(図16のステップS201)、および、第1の反射率R1と数値が異なる第2反射率R2を有する第2反射物B2の第2反射光量LV2(図16のステップS202)を測定して、第1反射光量LV1、第2反射光量LV2、第1反射率R1および第2反射率R2に基づいて、センサユニット70の反射光量に対する反射率を示す補正線形式F1(図15参照)を算出し、補正線形式F1をセンサ補正情報SC1とする。このことによって、第1反射光量LV1、第2反射光量LV2、第1反射率R1および第2反射率R2の値から、補正線形式F1を容易に算出することができる。この補正線形式F1に基づいて、検出濃度DC1を検出して、補正値V1を算出することで、複数のプリンタ100A~100Cの間で、基準濃度N1に対する実際の色濃度のばらつきが発生することを抑制することができる。
本実施形態では、図12のステップS102のセンサキャリブレーション工程は、一のプリンタ100Aで行われ、複数のプリンタ100A~100Cのうち一のプリンタ100A以外のプリンタ100B、100Cでは行われない。ここでは、センサキャリブレーション工程は、色濃度調整処理が最初に実行される一のプリンタ100Aで行われる。このことによって、センサキャリブレーション、および、複数のプリンタ100A~100Cに対する色濃度調整処理を効率よく実行することができる。
本実施形態では、例えば図12のステップS1031の色濃度検出工程では、テーブル50に支持された被印刷物5に印刷された基準チャートC1のパッチP(図17参照)をセンサユニット70(詳しくは、検出面72)に接触させて、検出濃度DC1を検出する。このように、図9に示すように、被印刷物5にセンサユニット70を接触させた状態で色濃度を検出することで、光源77a、77bから発せられた光が外部に漏れ難くすることができる。よって、色濃度を検出する精度を高くすることができる。
本実施形態では、図11に示すように、記憶装置76aは、センサユニット70に設けられている。このことによって、記憶装置76aに記憶されたセンサ補正情報SC1は、センサユニット70と共に移動する。そのため、複数のプリンタ100A~100Cに対して色濃度調整処理を行う際に、センサ補正情報SC1を使用して、検出濃度DC1を検出し易い。
本実施形態では、記憶装置76aは、センサユニット70に設けられていたが、各プリンタ100A~100Cの制御装置110のROMやRAMであってもよい。また、記憶装置76aは、いわゆるサーバであってもよい。
本実施形態では、本発明の位置変更機構は、昇降機構52であり、テーブル50を昇降させることで、ホルダ99に取り付けられたセンサユニット70と、テーブル50との高さ方向Zの相対的な位置を変更させていた。しかしながら、本発明の位置変更機構は、キャリッジ34に対してホルダ99を昇降させる機構であってもよい。この場合であっても、キャリッジ34に対してホルダ99を昇降させることで、ホルダ99に取り付けられたセンサユニット70と、テーブル50との高さ方向Zの相対的な位置を変更することができる。