JP4492789B2 - プリント装置及びその調整方法 - Google Patents

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本発明はインクジェット式のプリント装置に関する。
従来より、プリントヘッドを主走査方向に往復走査させながら、インク滴を吐出させるとともに、このインク滴を受けるプリントペーパを前記主走査方向と直交する副走査方向に搬送することによって、画像を形成(印刷)するようにしたインクジェット式のプリント装置は周知である。こうしたプリント装置では、一般に、プリント画像の品質(画質)を向上させながら、プリント速度を高めることが求められており、そのために種々の工夫がなされている。
例えば特許文献1には、プリントペーパを幅方向に往復走査するプリントヘッドの往路と復路とでそれぞれインク滴を吐出させることにより、プリントの高速化を図るとともに、往路で吐出させたインク滴と復路で吐出させたインク滴とがプリントペーパ上でずれないよう、インク滴の吐出タイミングを調整する技術が開示されている。
また、特許文献2には、予め基準濃度のエリアを記録したチェックシートを準備し、このチェックシートの基準濃度エリアの近傍にプリント装置によってテスト画像を印刷して、この画像の濃度と基準濃度とを比較対照することにより、プリント装置毎の画像の特性を求め、そうして求めた特性に応じてプリント条件を補正する技術が開示されている。
すなわち、一般に、プリント装置にて使用されるプリントヘッドには、同一の仕様のものであってもそれぞれ機械的な個体ばらつきがあり、さらに、これをプリント装置に組み込んだ状態では、該プリント装置から供給される駆動電圧等のばらつきが加わるため、本来、同じはずのインク滴の大きさがプリントヘッド毎に微妙に異なるものとなり、このことで、プリント画像の品質に機差ばらつきが生じるのである。
より詳しくは、例えばインク滴が比較的大きな場合は画像の濃度が高くなり、反対にインク滴が小さな場合は濃度は低くなるから、同じ画像を印刷してもプリント装置によって画像の印象が異なるものとなる。特にカラー印刷の場合は、各色のインク毎に粘性や密度が異なることから、前記のようなインク滴の大きさのばらつきが各色毎に異なるものとなり、この結果としてプリント装置毎に画像の濃度変化だけでなく、色相の変化も生じることになる。
そこで、このようなプリント画質の機差ばらつきを解消するために、前記従来例(特許文献2)のものでは、個々のプリント装置毎にテスト画像を印刷して、これを目視により基準濃度と比較したり、或いはフラットベッドスキャナ等を用いて画像の濃度を測定し、この測定値を基準濃度値と比較したりして、各プリント装置毎の画像の特性を求め、これに応じて、プリント装置毎にプリントヘッドへの供給電圧等を調整するようにしている。
特開2003−112414号公報 特開2003−094782号公報
ところが、一般的に目視検査には所要の精度を安定的に確保し難いという問題があり、一方、別途スキャナ等の機器を用いる方法では、そのような機器やその設置環境が必要になって運用性が悪いという問題がある。また、その両者ともに、印刷されたチェックシートをオペレータが一旦、プリント装置から取り出して検査を行い、この検査結果に基づいて補正値を求めた上で、プリント装置のコントローラなどに補正値を入力する必要があり、非常に手間がかかるものであった。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インクジェット式のプリント装置において、プリントヘッドのインク吐出特性の誤差を検出し、これに応じて装置毎の画質のばらつきを精度よく且つ容易に補正できるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、画像の光学濃度を検出するセンサをプリント装置に配設するとともに、このプリント装置によりテスト画像(調整用画像)を印刷して、その濃度を前記のセンサにより検出し、この検出濃度を基準濃度と比較することで、濃度偏差を自動で検出できるようにした。こうして定量的に求められた濃度偏差に応じて、プリントヘッドからのインク吐出状態を正確に且つ容易に補正することができる。
より具体的に、請求項1の発明は、複数のインク吐出ノズルが設けられたプリントヘッドを主走査方向に走査しながら、インク滴の吐出作動を行わせて、プリント部材上に画像を印刷するようにしたインクジェット式のプリント装置を対象とする。
そして、前記プリント部材上に印刷された画像の光学濃度を検出するためのセンサと、予め設定された調整用画像データに基づいて、前記プリント部材上に調整用画像を印刷させる調整用画像作成手段と、前記調整用画像の濃度を前記センサにより検出し、この検出濃度を予め設定してある基準濃度と比較して、濃度偏差を求める濃度偏差検出手段と、該濃度偏差検出手段により求められた濃度偏差に基づいて、前記プリントヘッドのインク吐出特性の誤差を検出する特性差検出手段と、該特性差検出手段によって求められたインク吐出特性の誤差に応じて、この誤差が小さくなるように前記プリントヘッドによるインク滴の吐出状態を補正するインク吐出状態補正手段と、を備え、前記調整用画像データは、前記プリント部材の一方向に徐々に濃度が変化するとともに、そのうちの設定位置の濃度が前記基準濃度とされた濃淡のグラデーションパターンを有し、前記調整用画像作成手段は、前記調整用画像データに基づいて前記グラデーションパターンを印刷させるものであり、前記濃度偏差検出手段は、前記印刷されたグラデーションパターンにおいて前記基準濃度と濃度の一致する位置を特定し、この濃度一致位置の前記設定位置からのずれに基づいて前記濃度偏差を検出する構成とする。
前記の構成により、プリント装置の調整を行うときには、調整用画像作成手段による該プリント装置の作動制御が行われ、予め設定された調整用画像データに基づいて、前記プリントヘッドによりプリント部材上に調整用画像が印刷される。この調整用画像の光学濃度がセンサにより検出されるとともに、濃度偏差検出手段によって基準濃度と比較され、これにより前記調整用画像の濃度偏差が求められる。
そうして求められた濃度偏差に基づいて、特性差検出手段によりプリントヘッドのインク吐出特性の誤差が求められ、この誤差が小さくなるように当該プリントヘッドによるインク滴の吐出状態がインク吐出状態補正手段によって補正される。これにより、前記プリントヘッドから吐出されるインク滴のプリント部材上への記録密度のばらつきが小さくなり、画像の濃度が基準濃度に近づくとともに、色相の変化が抑えられる。
こうして、調整用画像の作成から、その濃度の検出結果に基づくインク吐出特性誤差の検出、さらには、その特性誤差に応じたインク吐出状態の補正までが全て自動で行われ、目視検査のような不安定要因もないことから、プリント装置毎の画質のばらつき(機差ばらつき)を精度よく且つ極めて容易に補正することができる。
そして、前記調整用画像としてグラデーションパターンを用いることで、この画像の全体的な濃淡の度合いを基準濃度との濃度一致位置のずれに変換することができるので、センサからの信号により特定した濃度一致位置のずれ量に基づいて、調整用画像の濃度偏差を定量的に求めることができ、これにより、プリントヘッドのインク吐出特性の誤差を自動で検出することができる。
ここで、前記基準濃度の値は、例えば、所定の光学濃度に対応するセンサの出力信号のデータを予め準備して、このデータを入力すればよいが(請求項2の発明)、好ましくは、予め調整済みのプリント装置を用いて所定の画像データを印刷し、この印刷した画像(予め準備した基準画像)の濃度を前記プリント装置のセンサによって検出すればよい(請求項3の発明)。すなわち、調整用画像の濃度を検出する同じセンサによって、基準画像の濃度を検出するようにすれば、該センサや信号処理回路の機差ばらつきも吸収することができるからである。
また、前記インク滴の吐出状態の補正については、例えば、プリント部材上に形成される画像ドットの大きさが変化するように、プリントヘッドのインク吐出ノズルから吐出されるインク滴の大きさを調整すればよく(請求項の発明)、或いは、プリント部材上の単位面積当たりに形成される画像ドットの個数が変化するように、プリントヘッドのインク吐出ノズルから吐出されるインク滴の数を調整するようにしてもよい(請求項の発明)。
すなわち、例えばプリントヘッドから吐出されるインク滴の大きさが小さめで、画像濃度が相対的に低くなるようなインク吐出特性であれば、インク滴が大きくなるように補正するか、或いはインク滴の吐出数を増やして、プリント部材上の単位面積当たりの記録密度を高めることにより、画像の濃度を高めることができる。反対に画像濃度の高くなる特性であれば、インク滴を小さくするか、或いはインク滴の数を減らせばよい。
上述の如き構成のプリント装置において、前記プリントヘッドが、それぞれ異なる色のインク滴を吐出する各色毎のノズル群を複数個、有するものである場合には、前記基準濃度を前記各色毎にそれぞれ設定し、前記調整用画像作成手段は、調整用画像を前記各色毎にそれぞれ印刷させるものとするのが好ましい(請求項の発明)。また、前記プリントヘッドが、それぞれ異なる大きさのインク滴をインク吐出ノズルから吐出させて、プリント部材上に互いに異なる大きさの複数種類の画像ドットを形成可能なものであれば、前記基準濃度を前記各画像ドットの種類毎にそれぞれ設定し、前記調整用画像作成手段は、前記画像ドットの種類毎にそれぞれ調整用画像を印刷させるものとするのが好ましい(請求項の発明)。
こうすれば、プリントヘッドのインク吐出特性を全体として調整するだけでなく、そのうちの各色毎に、また、大きさの異なる画像ドットの種類毎に、よりきめ細かく調整することができるので、機差ばらつきの解消とともに、画質の向上が図られる。
さらに、前記画像の濃度を検出するためのセンサは、プリント装置のプリントヘッドに配設し、調整用画像のグラデーションパターンは、前記プリントヘッドの主走査方向に徐々に濃度が変化するものとするのが好ましい(請求項の発明)。こうすれば、プリントヘッドによりプリント部材上に画像を印刷するための機構を利用して、そのプリントヘッドによりグラデーションパターンを1回、走査するだけで、基準濃度と濃度の一致する位置を検出可能になる。
次に、本願の請求項の発明は、複数のインク吐出ノズルが設けられたプリントヘッドを主走査方向に走査しながら、インク滴の吐出作動を行わせて、プリント部材上に画像を印刷するようにしたインクジェット式プリント装置の調整方法を対象として、まず、所定の基準濃度データと、一方向に徐々に濃度が変化するとともにそのうちの設定位置の濃度が前記基準濃度とされた濃淡のグラデーションパターンを有する調整用画像データとを準備する。
そして、未調整のプリント装置に前記基準濃度データを入力設定する基準濃度設定工程と、前記未調整のプリント装置を用いて、前記調整用画像データに基づいて調整用画像を作成する調整用画像作成工程と、
前記調整用画像のグラデーションパターンの濃度を前記未調整のプリント装置に配設されたセンサにより検出し、このセンサからの信号に基づいて、前記グラデーションパターンにおいて前記基準濃度と濃度の一致する位置を特定して、この濃度一致位置の前記設定位置からのずれに基づいて、前記調整用画像の濃度偏差を検出する濃度偏差検出工程と、
前記濃度偏差検出工程で検出した濃度偏差に基づいて、前記プリントヘッドのインク吐出特性の誤差を求める特性差検出工程と、該特性差検出工程で求めたインク吐出特性の誤差に応じて、この誤差が小さくなるように前記プリントヘッドによるインク滴の吐出状態を補正するインク吐出状態補正工程と、を備えるものとする。
また、請求項10の発明は、前記請求項の発明と同じプリント装置の調整方法であって、まず、所定の基準濃度を有する基準画像のデータと、一方向に徐々に濃度が変化するとともにそのうちの設定位置の濃度が前記基準濃度とされた濃淡のグラデーションパターンを有する調整用画像データとを準備する。
そして、予め調整済みのプリント装置を用い、前記基準画像データに基づいて基準画像を作成する基準画像作成工程と、未調整のプリント装置を用い、前記調整用画像データに基づいて調整用画像を作成する調整用画像作成工程と、
前記基準画像の濃度及び調整用画像のグラデーションパターンの濃度をそれぞれ前記未調整のプリント装置に配設されたセンサにより検出し、このセンサからの信号に基づいて、前記グラデーションパターンにおいて前記基準濃度と濃度の一致する位置を特定して、この濃度一致位置の前記設定位置からのずれに基づいて、前記調整用画像の基準画像に対する濃度偏差を検出する濃度偏差検出工程と、
前記濃度偏差検出工程で検出した濃度偏差に基づいて、前記プリントヘッドのインク吐出特性の誤差を求める特性差検出工程と、該特性差検出工程で求めたインク吐出特性の誤差に応じて、この誤差が小さくなるように前記プリントヘッドによるインク滴の吐出状態を補正するインク吐出状態補正工程と、を備えるものとする。
前記請求項10の調整方法によれば、上述した請求項1〜の発明と同様に、調整用画像の濃度偏差を自動で正確に検出することができ、これによりプリント装置毎の画質のばらつき(機差ばらつき)を精度よく且つ極めて容易に補正することができる。
以上、説明したように、本発明に係プリント装置及びその調整方法によると、画像の濃度偏差が位置のずれとして現れるようなグラデーションパターンからなる調整用画像を用いて、プリント装置毎の印刷画像の濃度偏差を容易に且つ正確に検出できるようにし、この濃度偏差を該プリント装置に配設したセンサからの信号によって自動で検出して、これに基づいてインク吐出特性の誤差を検出し、さらにはプリントヘッドのインク吐出状態を補正するようにしたので、画質の機差ばらつきを容易に解消することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[全体構成]
図1に示すように、本発明の実施形態に係るインクジェット型のプリント装置は、画像データの取得及びオーダ情報の取得を行い必要な補正処理等を行う受付ブロックAと、その受付ブロックAから通信ケーブル1を介して伝送される画像データをオーダ情報に基づきプリントペーパPに対して印刷を行うプリントブロックBとを備えている。
[受付ブロック]
受付ブロックAは、ワゴン型のフレーム5の上部に設けられた受付装置6と、表示画面がタッチパネル7によって構成されている液晶型のディスプレイ8と、フレーム5の上下方向の中間位置に設けられたフラットベッドスキャナFSとを備えている。受付装置6の前面部には、フラッシュメモリから成る記録媒体Msに保存された画像データを読み出すための半導体ドライブ9と、CD−RやDVD等のディスク型の記録媒体Mdに保存された画像データを読み出すためのディスクドライブ10とが配設されている。
フラットベッドスキャナFSは、透明ガラス製のスキャニングデーブル13とそのスキャニングテーブル13の下側に配置されたスキャニングヘッド14とを有する本体部11と、その本体部11に開閉自在に取り付けられたプラテンカバー12とを備えている。スキャニングヘッド14は主走査方向に配設された複数の光電変換素子(例えば、CCD等)と光源とを備えていて、主走査方向と直交する副走査方向に移動することによりスキャニングテーブル13に載せられたスキャニング対象物の画像をR(赤)・G(緑)・B(青)の三原色に色分解した画像データとして取り込むように構成されている。
[プリントブロック]
図1及び図2に示すように、プリントブロックBは、筐体15と、その筐体15の下部に配置された2つのマガジン収容部Ba,Baと、筐体15の上部に配置され且つプリントペーパPに対して画像データの記録を行うプリント部Bbと、筐体15の側部に配置されたインク貯留部Bcとを備えている。筐体15の上面部には、横送りベルト16によって送り出された、小サイズのプリントペーパPを受け止める仕分け部17と、大サイズのプリントペーパPを受け止めるラック板18とが配設されている。
マガジン収容部Baは、前壁体15Aのスライド移動に伴いスライド移動するドロワー20を備えていて、そのドロワー20にペーパマガジン21によって保持されたロール状のプリントペーパPを収容するよう構成されている。なお、下側のマガジン収容部Baに収容されたプリントペーパPの幅は、上側のマガジン収容部Baに収容されたプリントペーパPよりも大きい(図2を参照)。
プリント部Bbは、壁体15B内に設けられ且つプリントペーパPに対して微小なインク滴を吹き付けて画像を印刷するためのプリントヘッドHを備えている。このプリントヘッドHの構造については後述するが、吹き付けられたインク滴はそれぞれプリントペーパP上に微小な画像ドットを形成し、このドットの集合として画像が構成される。
インク貯留部Bcは、壁体15C内に挿抜可能に収容され且つ色相が互いに異なる7つのインクカートリッジ23,…を備えている。これらのインクカートリッジ23,…は、挿抜することにより新しいインクカートリッジ23に交換することができる。これらのインクカートリッジ23,…には夫々、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、レッド(R)、バイオレット(V)及びクリア(CL:透明インク)のインクが封入されている。なお、壁体15Cは、鉛直方向に延びる軸芯周りに揺動開閉自在に構成されている。
[ペーパ搬送機構]
図3に示すように、ペーパ搬送機構は、供給ユニットU1、プリントユニットU2、ループ形成ユニットU3、カッターユニットU4、反転ユニットU5及び排出ユニットU6を備えている。そして、ペーパ搬送機構では、プリントペーパPに対して画像データのプリントを行う際には、2つのマガジン収容部Ba,Baのうちいずれか一方に収容されたプリントペーパPを供給ユニットU1によってプリント部Bbに対して供給し、それから、供給されたプリントペーパPをプリントユニットU2によって搬送しながらプリントヘッドHによって画像データのプリントを行い、その後、プリントされたプリントペーパPをループ形成ユニットU3からカッターユニットU4に送ってプリントサイズに切断した後、反転ユニットU5及び排出ユニットU6によって横送りベルト16又はラック板18に対して送り出す。
具体的に説明すると、供給ユニットU1は、ペーパマガジン21に収容されたプリントペーパPに回転力を付与する支持ローラ25と、プリントペーパPをペーパマガジン21からプリントユニットU2に搬送するための圧着型の供給ローラ26と、その供給ローラ26によって搬送されるプリントペーパPを案内するガイド部材(図示せず)とを備えている。支持ローラ25と供給ローラ26とは供給搬送用の電動モータによって駆動される。
プリントユニットU2は、プリントヘッドHを主走査方向に案内するガイドレール28と、プーリ29に巻かれ且つプリンタヘッドHをガイドレール28に沿って往復移動させるための駆動ベルト30と、プリンタペーパPをプリンタヘッドHがプリントを行うことが可能な位置に吸着保持するペーパ保持部Dと、そのペーパ保持部Dの上流側と下流側とに配置された圧着型のプリント搬送ローラ31,31とを備えている。ペーパ保持部Dは、厚み方向に複数の孔が形成された案内プレート32と、筐体33内に設けられ且つプリントペーパPに対して案内プレート32の孔を介して負圧を与えるためのファン34とを備えている。
そして、プリントユニットU2(プリント部Bb)では、プリントペーパPに対してプリントを行う際には、プリントペーパPの幅方向に互いに所定の間隔を開けて画像のプリントを行うと共に、その隣り合う画像の間の領域に切断マークを形成する。
図3に示すように、ループ形成ユニットU3は、下流側のプリント搬送ローラ31の下流側に配置されたガイド板36と、そのガイド板36によって案内されたプリントペーパPを搬送するための圧着型の中間ローラ37とを備えている。ガイド板36は、ほぼ水平方向に延びる水平姿勢(図3の一点鎖線)と鉛直方向に延びる開放姿勢(図3の実線)とに切換自在に構成されている。そして、ループ形成ユニットU3では、長尺のプリントペーパPをプリントする際には、プリントペーパPの先端部を水平姿勢のガイド板36を介して中間ローラ37に受け渡した後、中間ローラ37によるプリントペーパPの搬送を停止し、それから、ガイド板36を水平姿勢から開放姿勢に切り換え、プリントペーパPを垂れ下がった状態にしてループを形成する。
カッターユニットU4は、固定刃39と、可動刃40と、反射型のセンサを有するカット位置センサ41と、プリントペーパPを送り出すための圧着型の送り出しローラ42とを備えている。そして、カッターユニットU4でプリントペーパPを切断する際には、カット位置センサ41の検出結果に基づき、前記の如くプリントユニットU2において形成された切断マークを基準として、プリントペーパPの幅方向に隣り合う画像同士の間隔よりも僅かに広い間隔となるように、その画像間の領域を取ることにより、縁なしプリントでも画像の周囲に余白を残さないように切断することができる。
図3に示すように、反転ユニットU5は、プリンタペーパPを圧着する圧着型の反転ローラ43と、その反転ローラ43を正・逆回転させる搬送駆動機構(図示せず)と、この一対の反転ローラ43をローラの軸芯周りに90度回転させる反転機構とを備えている。そして、反転ユニットU5では、カッターユニットU4によって先端側から送り込まれたプリントペーパPを、その後端部が反転ローラ43の位置まで来るように該反転ローラ43によって搬送した後、図3の矢印で示すように反転ユニットU5を軸芯周りに90度回転させ、それから、反転ローラ43を逆回転させることによりプリントペーパPをその後端部から排出ユニットU6に送り出す。
排出ユニットU6は、プリントペーパPを搬送するための複数の圧着型排出ローラ44,…と、それら搬出ローラ44,…によって搬送されたプリントペーパPを横送りベルト16及びラック板18のうちいずれか一方に送り出すための経路切換機構(図示せず)とを備えている。
[プリントヘッド]
図3,4に示すように、プリントヘッドHは、その底部側に多数のインク吐出ノズルを配列して備えたヘッドユニット51が3段に取り付けられている。便宜上、3段に備えられるヘッドユニット51のうち、下流側(プリントペーパPの搬送方向前側)即ち図の上段に位置するものを第1ヘッドユニット51a、中段のものを第2ヘッドユニット51bと称し、また、上流側(プリントペーパPの搬送方向後側)即ち下段に位置するものを第3ヘッドユニット51cと称する。
本実施の形態では、ヘッドユニット51は全て同じ仕様のものであり、各ヘッドユニット51は、図4に示すように、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、レッド(R)、バイオレット(V)及びクリア(CL)の各色のインク滴をそれぞれ吐出する7つのノズルアレイ54(ノズル群)から構成されている。各ノズルアレイ54には、インク吐出ノズルが、プリントヘッドHの走査方向である主走査方向と直交する副走査方向に列状に配設されている。こうして、各ヘッドユニット51は、担体でカラー画像を形成可能なプリントヘッドとしての構成を有する。
また、ヘッドユニット51は、供給される電圧が変更されることにより、インク吐出ノズルから吐出されるインク滴の大きさが変化するように構成されており、基本的には、供給電圧が3段階に変更されて、大、中、小のそれぞれ異なる大きさのインク滴を吐出するようになっている。こうして吐出されてプリントペーパPに吹き付けられたインク滴は、その大きさに対応して大、中、小の3種類の画像ドットを形成する。
さらに、前記プリントヘッドHにおけるプリントペーパPの搬送方向前側位置には、光源からプリントペーパPの画像に向かって照射された光の反射光を受光し、その受光量に基づいて画像の光学濃度を検出するための反射型のセンサSが取り付けられている。このセンサSはプリントヘッドHと共に主走査方向に往復走査して、後述するように、プリントペーパP上に印刷されたチェックパターンCP1〜CP3(調整用画像)の濃度を検出する。
[制御系]
プリント装置の制御系は、図5に示すように構成されている。つまり、受付ブロックAの受付装置6は、マイクロプロセッサ(以下、CPUという)と、データバスを介してそのCPUとの間で情報を送受信する、タッチパネル7、ディスプレイ8、半導体ドライブ9、ディスクドライブ10、半導体メモリRAM/ROM、ハードディスクHD及び通信インタフェース61とを備えている。受付装置6は、CPUの処理を実現するためのソフトウェアからなる、オペレーションシステム62、画像処理システム63及びプリンタドライバ64をさらに備えている。また、受付装置6は、フラットベッドスキャナFSとの間で情報を送受信する入出力系を構成し、さらに、通信インタフェース61を介してプリントブロックとの間で情報を送受信する信号系を構成している。
プリントブロックBは、マイクロプロセッサ(以下、CPUという)と、データバスを介してそのCPUとの間で情報を相互に送受信する、搬送制御部66、ヘッド制御部67、半導体メモリRAM/ROM、反射型センサS、カット位置センサ41、インク貯留部Bcにインクカートリッジ23が存在するか否かを判別する着脱センサ65及び通信インタフェース68とを備えている。プリントブロックBは、CPUの処理を実現するためのソフトウェアからなる、プリント制御部69、調整用画像作成部71、特性差検出部72(濃度偏差検出手段、特性差検出手段)及びプリント制御補正部73(インク吐出状態補正手段)をさらに備えている。
搬送制御部66は、ペーパ搬送機構の各ユニットU1,U2,U3,U4,U5,U6夫々の制御を行うためのものである。ヘッド制御部67はプリントヘッドHの作動制御を行うものである。プリント制御部69は、受付ブロックAから送られる画像データに基づいて、前記ヘッド制御部67と協働してプリントペーパPに画像を印刷する際の制御を行うものであり、例えば、画像データにおけるいずれの部分を第1〜第3ヘッドユニット51a〜51cのいずれにて画像形成させるかの割り振りを行う。
また、調整用画像作成部71、特性差検出部72及びプリント制御補正部73は、以下に詳述するインク吐出状態の補正を行うためのものであり、調整用画像作成部71は、予め設定された調整用画像データに基づいて、第1〜第3ヘッドユニット51a〜51cによりそれぞれチェックパターンCP1〜CP3を印刷させる。特性差検出部72は、該各チェックパターンCP1〜CP3の濃度を反射型センサSによって検出し、その検出濃度の基準濃度に対する偏差に基づいて、各ヘッドユニット51a〜51c毎のインク滴の大きさのばらつき、即ちインク吐出特性の誤差を求める。そして、その誤差が小さくなるように、プリント制御補正部73が、該各ヘッドユニット51a〜51cのインク吐出状態(例えば打ち込み量)を補正する。
[インク吐出状態の調整]
次に、インク吐出状態の補正について図6〜8を参照して具体的に説明する。図6は、プリントペーパPに印刷された各ヘッドユニット51a〜51c毎のチェックパターンCP1〜CP3を示し、この実施形態では、該各チェックパターンCP1〜CP3は、いずれもインクの色相及びドットサイズによって区分された18個のエリアからなる。
詳しくは、各チェックパターンCP1〜CP3は、それぞれプリントペーパPの幅方向(図の左右方向)に長い長方形状とされ、それが該プリントペーパPの長手方向(図の上下方向)に6等分されて、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、レッド(R)及びバイオレット(V)の各色に塗られた6つの帯状の領域に分かれている。尚、クリア(CL)についてはチェックしないので、領域は設けない。
さらに、それら6つの帯状の領域がそれぞれペーパ幅方向に3等分されて、大ドットにより描かれたエリア(−L:図の左側エリア)と、小ドットにより描かれたエリア(−S:図の右側エリア)と、中ドットにより描かれたエリア(−M)とに分かれていて、互いに色相及びドットサイズのいずれかが異なる18個のエリアが形成されている。
また、前記各エリアは、それぞれ、図の左側から右側に向かってペーパ幅方向(プリントヘッドの主走査方向)に徐々に濃度の低下する濃淡のグラデーションパターンからなり、図7に示すように、最も濃い図の左端部の濃度が或る設定値(図の例では30%)になる一方、最も薄い図の右端部の濃度が別の設定値(図の例では10%)になり、その間では、同図に実線のグラフで示すように濃度が位置の変化に応じて直線的に変化している。
このグラデーションパターンは、例えばインク滴の打ち込み量、即ちヘッドユニット51a〜51cがそれぞれ一定の走査距離当たりに吐出するインク滴の数を徐々に増大又は減少させることによって、ペーパP上の単位面積当たりに形成される画像ドットの数をペーパ幅方向に徐々に変化させ、これによりインクの記録密度を変化させて、画像の濃度を実質的に無段階に(連続的に)変更したものである。
前記のようなチェックパターンCP1〜CP3の他に、図示しないが、既に調整の済んだプリント装置(以下、基準機ともいう)によって基準画像を印刷したシートが別に準備される。この基準画像は、前記基準機の少なくとも1つのヘッドユニット51によって、前記チェックパターンCP1〜CP3と同様に色相及びドットサイズのいずれかが異なる18個のエリアを印刷したものであるが、その各エリアの濃度はいずれも略一定であり、その濃度は、前記チェックパターンCP1〜CP3の対応する各エリアのグラデーションパターンにおける2つの設定値の中央値(図の例では20%)とされている。
前記基準画像の各エリアの略一定の濃度値が、未調整のプリント装置の第1〜第3ヘッドユニット51a〜51cのインク滴の大きさのばらつきを補正する際の基準となるものであり、その意味で、この濃度を基準濃度と称し、以下では前記基準画像或いはその各エリアを基準濃度パターンともいうものとする(図7参照)。
そして、前記チェックパターンCP1〜CP3の基となる画像データにおいては、グラデーションパターンの中央の基準位置(x=0:設定位置)の濃度が前記基準濃度とされているので、仮に未調整のプリント装置の例えば第1ヘッドユニット51aの特性(供給される電圧と吐出するインク滴の大きさとの関係)が基準機のいずれかのヘッドユニット51と同じであれば、該未調整のプリント装置において印刷されたチェックパターンCP1において、各エリアのグラデーションパターンの中央部(基準位置)の濃度が基準濃度と一致し、図7に模式的に示すように、グラデーションパターンの濃度変化を表す実線のグラフは、前記基準位置において基準濃度を表す一点鎖線と交差することになる。
これに対し、例えば前記未調整のプリント装置の第1ヘッドユニット51aが、基準機に比べてインク滴の大きさが小さい特性を持っていると、その分、グラデーションパターン全体が淡くなって基準濃度パターンとの間に濃度偏差が生じる。すなわち、図7に破線で示すようにグラデーションパターンのグラフが濃度偏差の分だけ図の上側にシフトし、この濃度偏差の大きさに比例して、破線のグラフと基準濃度の一点鎖線とが交差する位置(濃度一致位置)は、基準位置よりもマイナス側(図の左側)にずれることになる。
従って、プリントペーパPに印刷したチェックパターンCP1の各エリアをそれぞれ反射型センサSにより走査し、この各エリアのグラデーションパターンにおいて基準濃度値と濃度が一致するペーパ幅方向の位置xを検出すれば、この検出位置x(濃度一致位置)の基準位置からのずれ量Δxによって、前記各エリア毎にチェックパターンCP1の濃度偏差の大きさが正確に求まり、この濃度偏差の大きさが、当該エリアに対応する色相及びドットサイズに関する第1ヘッドユニット51aのインク滴の大きさばらつきを表すものとなる。
より具体的に説明すると、図7に破線で示す例では、検出した濃度一致位置x=−x1であり、このときの位置ずれ量Δxの大きさは絶対値|−x1|=x1である。そして、このときの濃度の低下割合(濃度偏差)は、 −(x1/x0)×10% となり、これがそのままインク滴の大きさのばらつき(インク滴の重量ばらつきであり、以下、インク重量差ともいう)となる。このように濃度の偏差を位置のずれに変換して求めることによって、単純に2つの画像の濃度を比較するのに比べて正確に濃度偏差を検出することができ、これにより、ヘッドユニット51aのインク吐出特性の誤差に起因するインク滴の重量ばらつきを正確に求めることができる。
こうしてインク滴の重量ばらつき、即ち前記の例ではインク滴の重量の低下割合が定量的に求まれば、これに応じてヘッドユニット51aへの供給電圧を高くなるように補正したり、或いは該ヘッドユニット51aによるインク滴の打ち込み量を増大補正したりすることで、プリントペーパP上へのインクの記録密度を高くして、これによりヘッドユニット51の特性ばらつきに起因する画像濃度の低下を概ね打ち消すことができる。
以下に、プリントヘッドHの第1〜第3ヘッドユニット51a〜51cによるインク滴の吐出状態を、それぞれ基準機に合わせて補正する手順を、図8のフローチャートに従って説明する。
まず、予め前記基準機によってプリントペーパPに基準濃度パターンを印刷しておいて(基準画像作成工程)、図8のフローのスタート後のステップS1でプリント装置のマガジンが選択されれば、反射型センサSの感度校正を実行する(ステップS2)。このセンサSの感度校正が正常に終了すれば(ステップS3でYES)、ステップS4に進んで、前記基準濃度パターンを反射型センサSによって走査し、各色、各ドットサイズ毎に基準濃度を検出する。
続いて、ステップS5において、プリントペーパPにチェックパターンCP1〜CP3をそれぞれ印刷するとともに、このチェックパターンCP1〜CP3画像をそれぞれ反射型センサSによって走査する。この際、各チェックパターンCP1〜CP3の各エリアにおいて、グラデーションパターンの濃度がプリントヘッドHの主走査方向に変化しているので、このパターンの濃度をプリントヘッドHにより検出するには1回の走査で済み、検出に要する時間は非常に短い。
また、その反射型センサSによる走査は、チェックパターンCP1〜CP3の印刷のためのプリントヘッドHの走査を利用して、これと同時に実行することができる。こうすれば、チェックパターンCP1〜CP3の印刷が終了するのと略同時に、それらの濃度を検出することができる。但し、一旦、全てのチェックパターンCP1〜CP3を印刷した後にプリントペーパPを巻き戻して、その後、もう一度、プリントペーパPを搬送しながら走査するようにしてもよい。
前記ステップS5に続いて、ステップS6では、前記各チェックパターンCP1〜CP3のそれぞれについて、各エリア毎に、即ちイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、レッド(R)及びバイオレット(V)の各色につき、また、その各々について大、中、小の各ドットサイズ毎に、基準濃度と濃度の一致するペーパ幅方向の位置xを特定し、この濃度一致位置xの基準位置からのずれΔxに基づいて、上述したように各色、各ドットサイズ毎のインク滴の大きさのばらつき(インク重量差)を求める。
そして、続くステップS7において、第1〜第3ヘッドユニット51a〜51cのそれぞれで各色、各ドットサイズ毎に各々インク重量差に応じてインク打ち込み量の補正値を設定し、これをプリント制御部69による画像データ印刷のための制御マップに各色、各ドットサイズ毎に登録して、しかる後に制御終了となる(エンド)。こうして、印刷に使用する7種類のインクのうち、クリア(CR)を除いた6色のそれぞれについて、また、大、中、小の各ドットサイズ毎に、きめ細かく各ヘッドユニット51a〜51cのインク滴の重量ばらつきを検出して、これが小さくなるようにインクの吐出状態を補正することにより、プリント画質の機差ばらつきを解消できるとともに、それぞれのプリント画質を非常に高くすることができる。
前記図8に示すフローのステップS5において、プリントペーパPにチェックパターンCP1〜CP3をそれぞれ第1〜第3ヘッドユニット51a〜51cによって印刷させる手順が、調整用画像作成部71によって実行される調整用画像作成工程である。
また、前記ステップS4において基準濃度パターンを走査するとともに、前記ステップS5において前記チェックパターンCP1〜CP3をそれぞれ走査し、続くステップS6においてそれぞれ対応するエリアの濃度一致位置xのずれ量Δx(濃度偏差に対応)を求める手順が、特性差検出部72によって実行される濃度偏差検出工程であり、同じステップS6において前記ずれ量Δxから各ヘッドユニット51a〜51cのインク重量差(吐出特性の偏差)を求める手順が、同じく特性差検出部72によって実行される特性差検出工程である。
さらに、前記フローのステップS7において第1〜第3ヘッドユニット51a〜51cによるインクの打ち込み量をそれぞれ補正する手順が、プリント制御補正部73によって実行されるインク吐出状態補正工程である。
したがって、この実施形態のインクジェット式プリント装置においてインクの吐出特性を調整するときには、予め基準機によって印刷しておいた基準濃度パターンの濃度を、プリントヘッドHと一体的に設けた反射型のセンサSにより検出させて、これを記憶させるとともに、所定の操作を行うだけで、該プリントヘッドHの個々のヘッドユニット51a〜51cによりそれぞれチェックパターンCP1〜CP3が印刷され、且つそれらの画像の前記基準濃度に対する濃度偏差が前記センサSからの信号により自動で検出される。そして、その濃度偏差に応じて各ヘッドユニット51a〜51c毎のインクの打ち込み量が自動で補正される。
すなわち、チェックパターンCP1〜CP3を、基準濃度に対する濃度偏差が位置のずれとして現れるグラデーションパターンとして、その濃度偏差をセンサSにより正確に検出できるようにしたので、この検出した濃度偏差に基づいて各ヘッドユニット51a〜51cのインク吐出特性を自動で検出することができ、これにより、該各ヘッドユニット51a〜51cのインクの吐出ばらつきを精度よく補正することができる。
こうして、1つのプリントヘッドHに組み込まれた複数のヘッドユニット51a〜51cのインク吐出特性が概ね一致することにより、それらの間のインクの吐出ばらつきがなくなって、プリント画像のむらや色相の変化がなくなり、画質が向上するとともに、それら各ヘッドユニット51a〜51cのインク吐出特性がいずれも基準機と同じになるので、プリント画像の機差ばらつきが解消される。
しかも、チェックパターンCP1〜CP3の印刷からその濃度検出に基づくヘッドユニット51a〜51cのインクの吐出ばらつきの検出、さらには、これに応じたインク打ち込み量の補正までが全自動で行われることから、全く手間がかからず、極めて容易であるとともに、目視検査のような検出精度のばらつきがないことから、所要の精度を安定的に確保することができる。
加えて、この実施形態では、第1〜第3ヘッドユニット51a〜51cのインク吐出特性を全体として調整するのではなく、各色・各ドットサイズ毎にきめ細かく調整するようにしているので、プリント品質を非常に高くすることができる。
尚、本発明の構成は、前記実施形態の構成に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形態で実施することができる。すなわち、例えば、前記実施形態では、調整用画像であるチェックパターンCP1〜CP3のグラデーションパターンをプリントペーパPの幅方向に濃度の変化するものとしているが、これに限るものではない。
また、前記実施形態では、インクの各色毎に、さらに大、中、小の各ドットサイズ毎に濃度偏差を求めて、補正を行うようにしているが、これに限るものではなく、例えば、ドットサイズは考慮せずに各色毎に濃度偏差の検出及び補正を行うようにしてもよいし、ヘッドユニット51全体で平均的な補正を行うようにしてもよい。
また、前記実施形態では、予め基準機によって印刷した基準濃度パターンを反射型センサSによって走査して、基準濃度を検出するようにしているが、これに限らず、例えば、該センサSからの出力信号に相当する光学濃度値のデータを予め準備しておき、これをプリント装置に入力して設定するようにしてもよい(基準濃度設定工程)。
さらに、前記実施形態では、プリントヘッドHに3つのヘッドユニット51a〜51cを一体的に配設しており、その各ヘッドユニット51a〜51c毎にそれぞれ調整用画像の濃度偏差に基づいて、インク吐出特性を補正するようにしているが、これに限るものではなく、例えば、3つのヘッドユニット51a〜51cにより印刷した1つの調整用画像の濃度偏差に基づいて、平均的な補正を行うこともできる。また、プリントヘッドHは1つのヘッドユニット51からなるものであってもよい。
また、前記実施形態では反射型のセンサSをプリントヘッドHに配設しているが、これをプリントヘッドHとは別に設けてもよいし、センサが反射型に限らないことは勿論である。
また、前記実施形態では、プリントブロックBにソフトウェアからなるプリント制御補正部73を備えて、濃度偏差に応じて自動でヘッドユニット51a,51bによるインクの打ち込み量を補正するようにしているが、これに限らず、ヘッドユニットHへの供給電圧(もしくは電流等)を補正して、インク滴の大きさを調整するようにしてもよいし、ヘッドユニットがインクを加熱して吐出させる方式のものであれば、その加熱量を補正するようにしてもよい。
プリントシステムの全体を示す斜視図である。 プリントブロックの斜視図である。 プリントブロックのプリントペーパの搬送系を示す図である。 プリントユニットの底面図である。 プリントシステムの制御系を示すブロック図である。 チェックパターンが作成されたプリントペーパの平面図である。 グラデーションパターンの説明図である。 インク吐出特性の補正処理に係るフローチャートである。
51 ヘッドユニット
54 ノズルアレイ(ノズル群)
71 調整用画像作成部(調整用画像作成手段)
72 特性差検出部(濃度偏差検出手段、特性差検出手段)
73 プリント制御補正部(インク吐出状態補正手段)
H プリントヘッド
P プリントペーパ(プリント部材)
S 反射型センサ(センサ)
CP1〜CP3 チェックパターン(調整用画像)

Claims (10)

  1. 複数のインク吐出ノズルが設けられたプリントヘッドを主走査方向に走査しながら、インク滴の吐出作動を行わせて、プリント部材上に画像を印刷するようにしたインクジェット式のプリント装置であって、
    前記プリント部材上に印刷された画像の光学濃度を検出するためのセンサと、
    予め設定された調整用画像データに基づいて、前記プリント部材上に調整用画像を印刷させる調整用画像作成手段と、
    前記調整用画像の濃度を前記センサにより検出し、この検出濃度を予め設定してある基準濃度と比較して、濃度偏差を求める濃度偏差検出手段と、
    前記濃度偏差検出手段により求められた濃度偏差に基づいて、前記プリントヘッドのインク吐出特性の誤差を検出する特性差検出手段と、
    前記特性差検出手段によって求められたインク吐出特性の誤差に応じて、この誤差が小さくなるように前記プリントヘッドによるインク滴の吐出状態を補正するインク吐出状態補正手段と、を備え
    前記調整用画像データは、前記プリント部材の一方向に徐々に濃度が変化するとともに、そのうちの設定位置の濃度が前記基準濃度とされた濃淡のグラデーションパターンを有し、
    前記調整用画像作成手段は、前記調整用画像データに基づいて前記グラデーションパターンを印刷させるものであり、
    前記濃度偏差検出手段は、前記印刷されたグラデーションパターンにおいて前記基準濃度と濃度の一致する位置を特定し、この濃度一致位置の前記設定位置からのずれに基づいて前記濃度偏差を検出するものである
    ことを特徴とするプリント装置。
  2. 請求項1に記載のプリント装置において、
    基準濃度は、予め準備したデータを入力したものであることを特徴とするプリント装置。
  3. 請求項1に記載のプリント装置において、
    基準濃度は、予め準備した基準画像の濃度をセンサにより検出したものであることを特徴とするプリント装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1つに記載のプリント装置において、
    プリントヘッドは、それぞれ異なる色のインク滴を吐出する各色毎のノズル群を複数個、有するものであり、
    基準濃度が前記各色毎にそれぞれ設定され、
    調整用画像作成手段は、調整用画像を前記各色毎にそれぞれ印刷させるものであることを特徴とするプリント装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1つに記載のプリント装置において、
    プリントヘッドは、それぞれ異なる大きさのインク滴をインク吐出ノズルから吐出させて、プリント部材上に互いに異なる大きさの複数種類の画像ドットを形成可能なものであり、
    基準濃度が前記各画像ドットの種類毎にそれぞれ設定され、
    調整用画像作成手段は、前記画像ドットの種類毎にそれぞれ調整用画像を印刷させるものであることを特徴とするプリント装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1つに記載のプリント装置において、
    インク吐出状態補正手段は、プリント部材上に形成される画像ドットの大きさが変化するように、プリントヘッドのインク吐出ノズルから吐出されるインク滴の大きさを調整するものであることを特徴とするプリント装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1つに記載のプリント装置において、
    インク吐出状態補正手段は、プリント部材上の単位面積当たりに形成される画像ドットの個数が変化するように、プリントヘッドのインク吐出ノズルから時間当たりに吐出されるインク滴の数を調整するものであることを特徴とするプリント装置。
  8. 請求項のいずれか1つに記載のプリント装置において、
    画像の濃度を検出するためのセンサがプリントヘッドに配設されており、
    調整用画像のグラデーションパターンは、前記プリントヘッドの主走査方向に徐々に濃度が変化するものであることを特徴とするプリント装置。
  9. 複数のインク吐出ノズルが設けられたプリントヘッドを主走査方向に走査しながら、インク滴の吐出作動を行わせて、プリント部材上に画像を印刷するようにしたインクジェット式プリント装置の調整方法であって、
    所定の基準濃度データと、一方向に徐々に濃度が変化するとともにそのうちの設定位置の濃度が前記基準濃度とされた濃淡のグラデーションパターンを有する調整用画像データとを準備し、
    未調整のプリント装置に前記基準濃度データを入力設定する基準濃度設定工程と、
    前記未調整のプリント装置を用いて、前記調整用画像データに基づいて調整用画像を作成する調整用画像作成工程と、
    前記調整用画像のグラデーションパターンの濃度を前記未調整のプリント装置に配設されたセンサにより検出し、このセンサからの信号に基づいて、前記グラデーションパターンにおいて前記基準濃度と濃度の一致する位置を特定して、この濃度一致位置の前記設定位置からのずれに基づいて、前記調整用画像の濃度偏差を検出する濃度偏差検出工程と、
    前記濃度偏差検出工程で検出した濃度偏差に基づいて、前記プリントヘッドのインク吐出特性の誤差を求める特性差検出工程と、
    前記特性差検出工程で求めたインク吐出特性の誤差に応じて、この誤差が小さくなるように前記プリントヘッドによるインク滴の吐出状態を補正するインク吐出状態補正工程と、を備えることを特徴とするプリント装置の調整方法。
  10. 複数のインク吐出ノズルが設けられたプリントヘッドを主走査方向に走査しながら、インク滴の吐出作動を行わせて、プリント部材上に画像を印刷するようにしたインクジェット式プリント装置の調整方法であって、
    所定の基準濃度を有する基準画像のデータと、一方向に徐々に濃度が変化するとともにそのうちの設定位置の濃度が前記基準濃度とされた濃淡のグラデーションパターンを有する調整用画像データとを準備し、
    予め調整済みのプリント装置を用いて、前記基準画像データに基づいて基準画像を作成する基準画像作成工程と、
    未調整のプリント装置を用いて、前記調整用画像データに基づいて調整用画像を作成する調整用画像作成工程と、
    前記基準画像の濃度と調整用画像のグラデーションパターンの濃度とをそれぞれ前記未調整のプリント装置に配設されたセンサにより検出し、このセンサからの信号に基づいて、前記グラデーションパターンにおいて前記基準濃度と濃度の一致する位置を特定して、この濃度一致位置の前記設定位置からのずれに基づいて、前記調整用画像の基準画像に対する濃度偏差を検出する濃度偏差検出工程と、
    前記濃度偏差検出工程で検出した濃度偏差に基づいて、前記プリントヘッドのインク吐出特性の誤差を求める特性差検出工程と、
    前記特性差検出工程で求めたインク吐出特性の誤差に応じて、この誤差が小さくなるように前記プリントヘッドによるインク滴の吐出状態を補正するインク吐出状態補正工程と、を備えることを特徴とするプリント装置の調整方法。
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