JP2006015679A - インクジェット式プリント装置及び吐出タイミング補正方法 - Google Patents

インクジェット式プリント装置及び吐出タイミング補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】主走査方向に往復走査しながらインクを吐出するプリントヘッドHを備えたインクジェット式プリント装置において、インクの吐出タイミングの補正手法を工夫することによって、プリント領域の異なる複数種のプリントペーパP1、P2それぞれについて、安定した高画質化を実現する。
【解決手段】往復走査間で主走査方向に対するインクの着弾位置を一致させるための補正値を、複数のプリント領域毎に設定すると共に、プリント対象として選択されたプリントペーパP1,P2のプリント領域に対応する補正値に基づいて、プリントヘッドHのインク吐出タイミングを補正する。
【選択図】図8

Description

本発明は、インクジェット式プリント装置、及びその装置におけるインクの吐出タイミング補正方法に関する。
主走査方向(プリントペーパの幅方向)に往復動するプリントヘッドからそのプリントペーパ上にインクを吐出するインクジェット式プリント装置が知られている。こうしたプリント装置では、往走査時と復走査時との双方でインクを吐出する双方向プリントを行うことによって、プリントの高速化を図ることが行われている(例えば特許文献1参照)。こうした双方向プリントを行うプリント装置では、プリントの高画質化を図る上で、往走査時のインクの着弾位置と復走査時のインクの着弾位置とを主走査方向に一致させる必要がある。そこで、上記特許文献1に開示されたプリント装置では、プリントペーパ上にテストパターンを作成し、そのパターンに基づいて復走査時におけるインクの吐出タイミングの補正を行っている。
具体的には、プリントヘッドを往走査しながら、一定の基準タイミングでインクを吐出して複数の縦罫線をプリントペーパ上に形成する。次いで、上記プリントヘッドを復走査しながら、上記基準タイミングに対して位相をずらしながらインクを吐出して同じく複数の縦罫線をプリントペーパ上に形成する。それによって、往走査時の縦罫線と復走査時の縦罫線との相対位置を所定ピッチずつずらした複数組の縦罫線対が、プリントペーパの幅方向に並んだテストパターンを作成する。そうして、上記特許文献1に開示されたプリント装置では、作成したテストパターンに基づいて往走査時の縦罫線と復走査時の縦罫線との主走査方向の位置が最も一致する対を選択し、その選択した対におけるインク吐出タイミングに基づいて、復走査時におけるインクの吐出タイミングを補正している。
特開2000−296609号公報
ところで、プリントペーパの幅方向の各位置で、往走査時のインク着弾位置と復走査時のインク着弾位置とのずれ量が異なる場合がある。それは、例えばプリントヘッドを主走査方向に移動させるときにプリントヘッドが振動したり、プリントペーパの浮き上がりが紙幅方向にばらついたりすること、等に起因する。
ところが、上記特許文献1に開示されているインクの吐出タイミングの補正手法では、作成するテストパターンが、相対位置を所定ピッチずつずらした複数組の縦罫線対をプリントペーパの幅方向に並べたパターンである。このため、往走査時の縦罫線と復走査時の縦罫線との主走査方向の位置が最も一致する対を選択したとしても、その対が作成されたプリントペーパの幅方向位置では、往復走査間のインクの着弾位置は一致するが、他の位置ではそのインクの吐出タイミングでインクの着弾位置が一致するとは限らない。
つまり、上記特許文献1に開示されているインクの吐出タイミングの補正手法では、プリントペーパの幅方向に対するインク着弾位置のずれ量がばらつくことを考慮していないため、上記の補正手法によって補正した吐出タイミングでインクを吐出しても、プリントペーパの幅方向のある特定の位置では、往走査時のインク着弾位置と復走査時のインク着弾位置とがずれてしまうことが起こり得る。
また、プリント装置が、プリント領域の異なる複数種のプリントペーパ(例えばペーパ幅の異なる複数種のプリントペーパ)にプリント行う装置であるときに、往復走査間のインク着弾位置のずれ量がばらついていると、例えば特定のプリントペーパにプリントを行うときには、往復走査間のインク着弾位置のずれが小さく、所望の画質が得られるのに対し、他のプリントペーパにプリントを行うときには、プリント領域が異なることによって往復走査間のインク着弾位置のずれが大きくなり、画質が低下してしまうことも起こり得る。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、主走査方向に往復走査しながらインクを吐出するプリントヘッドを備えたインクジェット式プリント装置において、インクの吐出タイミングの補正手法を工夫することによって、プリント領域の異なる複数種のプリント部材それぞれについて、安定した高画質化を実現することにある。
本発明のインクジェット式プリント装置は、主走査方向に往復走査しながらインクを吐出するプリントヘッドと、プリント部材上に作成されたテストパターンから得られるデータに基づいて補正値を設定すると共に、設定した補正値に基づいて上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを、往復走査間で主走査方向に対するインクの着弾位置が一致するように補正する補正手段と、を備える。
そして、上記プリント部材は、上記主走査方向のプリント領域が互いに異なる複数種のプリント部材を含み、上記補正手段は、上記複数のプリント領域毎に上記補正値を設定すると共に、プリント対象として選択されたプリント部材のプリント領域に対応する補正値に基づいて、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正するものである。
この構成によると、補正手段は、プリント部材上に作成されたテストパターンから得られるデータに基づいて、プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正するための補正値を設定するが、上記補正手段は、複数種のプリント部材毎に、そのプリント領域に対応した補正値を設定する。そうして、プリント対象として選択されたプリント部材のプリント領域に対応する補正値に基づいて、インク吐出タイミングを補正する。
その結果、各プリント部材に最適化された補正値でもって、インク吐出タイミングが補正されるため、プリント領域の異なる複数種のプリント部材それぞれについて、安定した高画質化が実現される。
上記プリント装置は、上記テストパターンを、プリント部材上に作成するパターン作成手段をさらに備え、上記パターン作成手段は、上記各プリント領域内の主走査方向に離れた複数のサンプル位置それぞれにおける、往復走査間の主走査方向に対するインク着弾位置のずれ量が得られるテストパターンを作成し、上記補正手段は、上記テストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記各サンプル位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定する、としてもよい。
この構成によると、パターン作成手段は、各プリント領域内の主走査方向に離れた複数のサンプル位置それぞれにおける、往復走査間の主走査方向に対するインク着弾位置のずれ量が得られるテストパターンを作成する。このテストパターンは、複数のプリント領域毎に作成してもよいし、複数のプリント領域の内の最大プリント領域について作成してもよい。
こうして作成したテストパターンに基づいて、上記補正手段は、プリント領域内の各サンプル位置におけるずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定する。つまり、複数のプリント領域毎にテストパターンを作成したときには、その各テストパターンに基づいて補正値を設定すればよく、最大プリント領域についてテストパターンを作成したときには、対象とするプリント領域内に含まれるサンプル位置を抽出して、そのサンプル位置それぞれにおけるずれ量を平均した値に基づいて補正値を設定すればよい。
これによって、主走査方向(プリント部材の幅方向)の複数位置における往復走査間のインクの着弾位置のずれ量がばらつくときでも、そのばらつきを最小にすることが可能になる。つまり、主走査方向の各位置における往復走査間のインクの着弾位置のずれ量が比較的小さくなる。その結果、プリント部材の幅方向の特定位置において、白筋等が発生することが防止されて、プリント画質が向上する。
そして、上記補正手段は、上記複数のプリント領域毎に補正値を設定するため、プリント領域の異なる複数種のプリント部材それぞれについて、往復走査間のインクの着弾位置のずれ量を小さくする補正が実現する。
尚、主走査方向の各位置におけるインク着弾位置のずれ量のばらつき傾向は、個々のプリント装置によって異なり、主走査方向のある一点におけるインク着弾位置のずれに基づいてインク吐出タイミングを補正する場合は、そのばらつき傾向に応じてプリント装置間のプリント品質にばらつきが生じる。これに対し、主走査方向の複数位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなるように、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正することによって、プリント装置間の機差が小さくなり、プリント品質を平均化することもできる。
上記パターン作成手段は、上記プリント部材上の主走査方向の各位置における、往復走査間の主走査方向に対するインク着弾位置のずれ量が得られるテストパターンを、上記複数のプリント領域の内で最大のプリント領域の略全幅に亘って作成し、上記補正手段は、上記テストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記主走査方向の各位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定する、としてもよい。
この構成によると、パターン作成手段は、最大プリント領域の略全幅に亘ってテストパターンを作成する。このテストパターンによって、プリント部材上の主走査方向の各位置における、往走査時のインク着弾位置と復走査時のインク着弾位置との主走査方向に対するずれ量が得られる。
こうして作成したテストパターンに基づいて、上記補正手段は、上記主走査方向の各位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなるように、各補正値を設定する。
これによって、上述したように、主走査方向の各位置における往復走査間のインクの着弾位置のずれ量がばらつくときでも、そのばらつきを最小にすることが可能になり、プリント画質が向上すると共に、プリント領域の異なる複数種のプリント部材それぞれについて、往復走査間のインクの着弾位置のずれ量を小さくする補正が実現する。
また、テストパターンを、最大プリント領域の略全幅に亘って作成することによって、そのテストパターンに基づいて複数のプリント領域毎の補正値をそれぞれ設定することが可能であり、各プリント領域に対応するテストパターンを作成する必要がなくなる。
また、テストパターンをプリント領域の略全幅に亘って作成することによって、各プリント領域毎の補正値を設定する際の、ずれ量が得られるサンプル位置が増えることになるため、インクの吐出タイミングの補正精度がさらに高まる。その結果、プリント画質の更なる向上が図られる。
尚、ここでいう「略全幅」とは、テストパターンの幅が最大プリント領域の全幅に厳密に一致することのほか、最大プリント領域の全幅よりも所定量だけ狭い又は所定量だけ広いことを含む。
本発明の他のインクジェット式プリント装置は、そのプリントヘッドが副走査方向に並んで配置された複数のヘッドユニットを有する装置である。
そして、上記パターン作成手段は、上記各プリント領域内の主走査方向に離れた複数のサンプル位置それぞれにおける、上記複数のヘッドユニット間のインク着弾位置のずれ量が得られるUniテストパターンを作成し、上記補正手段は、上記Uniテストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記各サンプル位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定すると共に、プリント対象として選択されたプリント部材のプリント領域に対応する補正値に基づいて、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正するものである。
このプリント装置は、そのプリントヘッドに複数のヘッドユニットが副走査方向に並べて配置されているため、プリントの更なる高速化及び高画質化が図られるが、こうしたプリント装置では、複数のヘッドユニット間のインクの着弾位置を一致させる必要性が生じる。
そこで、パターン作成手段は、複数のヘッドユニット間の主走査方向に対するインク着弾位置を一致させるためのUniテストパターンを作成する。このときに、Uniテストパターンは、各プリント領域内の主走査方向に離れた複数のサンプル位置それぞれにおけるインク着弾位置のずれ量が得られるように作成される。このUniテストパターンも、複数のプリント領域毎に作成してもよいし、複数のプリント領域の内の最大プリント領域について作成してもよい。
上記補正手段は、上記Uniテストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記各サンプル位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値(Uni補正値)を設定し、プリント対象として選択されたプリント部材に対応するUni補正値に基づいて、インク吐出タイミングを補正する。このことによって、上述したように、プリント領域の異なる複数種のプリント部材それぞれについて、安定した高画質化が実現される。
本発明のさらに他のインクジェット式プリント装置は、そのパターン作成手段が、上記プリント部材上の主走査方向の各位置における、上記複数のヘッドユニット間のインク着弾位置のずれ量が得られるUniテストパターンを、上記複数のプリント領域の内で最大のプリント領域の略全幅に亘って作成し、その補正手段が、上記Uniテストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記主走査方向の各位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定すると共に、プリント対象として選択されたプリント部材のプリント領域に対応する補正値に基づいて、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正するものである。
この構成によると、パターン作成手段が作成するUniテストパターンは、最大プリント領域の全幅に亘って作成される。
上記補正手段は、上記Uniテストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の主走査方向の各位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値(Uni補正値)を設定する。このことによって、上述したように、プリント領域の異なる複数種のプリント部材それぞれについて、安定した高画質化が実現される。
上記パターン作成手段は、上記各プリント領域内の主走査方向に離れた複数のサンプル位置それぞれにおける、上記各ヘッドユニットにおける往復走査間のインク着弾位置のずれ量が得られるBiテストパターンを作成し、上記補正手段は、上記Biテストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記各サンプル位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定すると共に、プリント対象として選択されたプリント部材のプリント領域に対応する補正値に基づいて、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正する、としてもよい。
複数のヘッドユニットを備えたプリントヘッドにおいても、各ヘッドユニットにおける往復走査間のインクの着弾位置を一致させることは必要となる。
そこで、上記パターン作成手段は、上記各ヘッドユニットにおける往復走査間の主走査方向に対するインク着弾位置を一致させるためのBiテストパターンを、上記各プリント領域内の主走査方向に離れた複数のサンプル位置それぞれにおけるインク着弾位置のずれ量が得られるように作成する。このBiテストパターンも、複数のプリント領域毎に作成してもよいし、複数のプリント領域の内の最大プリント領域について作成してもよい。
そうして、補正手段は、上記Biテストパターンに基づいて、上記プリント領域毎に、その領域内の上記各サンプル位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値(Bi補正値)を設定し、プリント対象として選択されたプリント部材に対応するBi補正値に基づいて、インク吐出タイミングを補正する。このことによって、複数のヘッドユニット間のインクの着弾位置のずれ量が小さくなることと相俟って、プリント領域の異なる複数種のプリント部材それぞれについて、さらに安定した高画質化が実現される。
上記パターン作成手段は、上記プリント部材上の主走査方向の各位置における、上記各ヘッドユニットにおける往復走査間のインク着弾位置のずれ量が得られるBiテストパターンを、上記最大プリント領域の略全幅に亘って作成し、上記補正手段は、上記Biテストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記主走査方向の各位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定すると共に、プリント対象として選択されたプリント部材のプリント領域に対応する補正値に基づいて、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正する、としてもよい。
この構成により、複数のヘッドユニット間のインクの着弾位置のずれ量が小さくなることと相俟って、プリント領域の異なる複数種のプリント部材それぞれについて、さらに安定した高画質化が実現される。
上記プリント装置は、上記プリントヘッドと一体的に主走査方向に走査されかつ、上記パターン作成手段によって作成されたテストパターンの濃度を検出する反射型センサをさらに備え、上記パターン作成手段は、上記テストパターンとして、上記プリントヘッドを主走査方向に走査しながら基準タイミングでインクを吐出して形成した基準ピッチパターンに、上記基準タイミングに対し位相を所定量ずらしたタイミングでインクを吐出して形成したずらしパターンを重ね合わせた重合パターンを作成すると共に、該重合パターンを、そのずらしパターンの位相のずれ量を変えながら、上記副走査方向に複数並べて作成し、上記反射型センサは、上記重合パターン毎にその濃度を主走査方向に検出し、上記補正手段は、上記複数のプリント領域毎に、上記反射型センサが検出した各重合パターンの濃度の、そのプリント領域内での平均値を算出すると共に、上記位相のずれ量に対する平均濃度の関係を求め、その関係に基づいて、最も平均濃度が淡くなる位相のずれ量を、当該プリント領域の補正値に設定する、としてもよい。
パターン作成手段が、ずらしパターンの位相のずれ量を変えながら上記副走査方向に重合パターンを複数並べて、2次元のグラデーションパターンを作成することによって、テストパターンに基づくヘッドユニットのインク吐出タイミングの補正精度がさらに高まると共に、吐出タイミング補正の容易化が図られる。
つまり、上記重合パターンは、上記プリントヘッドを主走査方向に走査しながら基準タイミングでインクを吐出して形成した基準ピッチパターンに、その基準タイミングに対し位相を所定量ずらしたタイミングでインクを吐出して形成したずらしパターンを重ね合わせたパターンである。このパターンでは、インクの着弾位置が一致した部分は濃淡が淡くなり、インクの着弾位置がずれた部分は濃淡が濃くなる。
こうした重合パターンを、最大プリント領域の略全幅に亘って作成すると共に、そのずらしパターンの位相のずれ量を変えながら上記副走査方向に複数並べた2次元のグラデーションパターンを作成した場合、その2次元のグラデーションパターンの主走査方向の特定の一点において、その副走査方向の濃度変化を検出すれば、位相のずれ量に対する濃度変化が得られる。この濃度変化において最も濃淡が淡い部分に対応する位相のずれ量によってインク吐出タイミングの補正量、つまり、インク着弾位置のずれ量が得られる。従って、上記2次元のグラデーションパターンは、その主走査方向の各位置において最も濃淡の淡い部分を検出することによって、主走査方向の各位置におけるインク着弾位置のずれ量が得られることになる。
そして、最大プリント領域の略全幅に亘って作成した2次元のグラデーションパターンにおいて、上記プリント領域毎に、各重合パターンの濃度をその領域内で平均した値を算出することによって、位相のずれ量に対する平均濃度の関係が求まり、その関係において、最も平均濃度が淡くなる位相のずれ量は、当該プリント領域における、上記主走査方向の各位置におけるインク着弾位置のずれ量の平均値の最小値に対応する。このため、その位相のずれ量を補正値に設定することで、当該プリント領域において主走査方向の各位置におけるインク着弾位置のずれ量を平均した値が最も小さくなるインク吐出タイミングの補正が実現する。
このように2次元のグラデーションパターンを作成することによって、プリント部材の主走査方向に対するインク着弾位置のずれ量のばらつきを考慮したインク吐出タイミングの補正が、容易に実現すると共に、各重合パターンの濃度は、反射型センサによって検出されるため、インク吐出タイミングの補正を自動的に行い得る。
また、テストパターンを濃淡によって形成することで、基準ピッチパターンやずらしパターンのピッチ、及び隣り合う重合パターン間の位相のずれ量よりも高い解像度で、補正値を算出することが可能になる。その結果、プリントヘッドのインク吐出タイミングの補正精度がさらに高まる。
尚、上記重合パターンを、最大プリント領域の略全幅について、主走査方向に離れた複数のサンプル位置で所定の幅を有するように作成すると共に、ずらしパターンの位相のずれ量を変えながら上記副走査方向に複数並べることによって離散的なグラデーションパターンを作成すれば、複数のサンプル位置それぞれにおけるインク着弾位置のずれ量が得られることになる。このテストパターンにおいても、複数のプリント領域毎に、補正値を設定可能になる。
ここで、上記Uniテストパターンは、複数のヘッドユニットのいずれか1のヘッドユニットを基準ヘッドユニットとし、その他のヘッドユニットを調整ヘッドユニットとして、上記基準ヘッドユニットを主走査方向の一方向に走査しながら作成した基準ピッチパターンに、上記調整ヘッドユニットを主走査方向の一方向に走査しながら作成したずらしパターンを重ね合わせることによって作成すればよい。
また、上記Biテストパターン(ヘッドユニットが1つであるプリントヘッドにおける往復走査間のテストパターンを含む)は、上記基準ヘッドユニットを主走査方向の一方向に走査しながら作成した基準ピッチパターンに、上記基準ヘッドユニット及び調整ヘッドユニットをそれぞれ主走査方向の他方向に走査しながら作成したずらしパターンを重ね合わせることによって作成すればよい。
本発明の吐出タイミング補正方法は、プリントヘッドを、主走査方向に往復走査しながらプリント部材上にインクを吐出するインクジェット式プリント装置の吐出タイミング補正方法である。
上記プリント部材には、主走査方向のプリント領域が互いに異なる複数種のプリント部材が含まれ、上記吐出タイミング補正方法は、上記プリント部材上に作成されたテストパターンから得られるデータに基づいて、上記複数のプリント領域毎に吐出タイミングの補正値を設定する設定工程と、上記複数種のプリント部材の内から、プリント対象となるプリント部材を選択する選択工程と、上記選択工程で選択されたプリント部材のプリント領域に対応する補正値に基づいて、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正する補正工程と、を含む。
また、上記吐出タイミング補正方法は、上記テストパターンを、プリント部材上に作成する作成工程をさらに含み、上記作成工程は、上記各プリント領域内の主走査方向に離れた複数のサンプル位置それぞれにおける、往復走査間の主走査方向に対するインク着弾位置のずれ量が得られるテストパターンを作成する工程とし、上記設定工程は、上記テストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記各サンプル位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定する工程としてもよい。
また、上記作成工程は、上記プリント部材上の主走査方向の各位置における、往復走査間の主走査方向に対するインク着弾位置のずれ量が得られるテストパターンを、上記複数のプリント領域の内で最大のプリント領域の略全幅に亘って作成する工程とし、上記設定工程は、上記テストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記主走査方向の各位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定する工程としてもよい。
本発明のインクジェット式プリント装置及び吐出タイミング補正方法によれば、主走査方向のプリント領域が互いに異なる複数種のプリント部材が含まれるときに、その複数のプリント領域毎に、プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正するための補正値を設定すると共に、プリント対象として選択されたプリント部材のプリント領域に対応する補正値に基づいて、インク吐出タイミングを補正することによって、各プリント部材に最適化された補正値でもって、インク吐出タイミングが補正されるから、プリント領域の異なる複数種のプリント部材それぞれについて、安定した高画質化を実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[全体構成]
図1に示すように、本発明の実施形態に係るインクジェット型のプリント装置は、画像データの取得及びオーダ情報の取得を行い必要な補正処理等を行う受付ブロックAと、その受付ブロックAから通信ケーブル1を介して伝送される画像データをオーダ情報に基づきプリントペーパPに対して印刷を行うプリントブロックBとを備えている。
[受付ブロック]
受付ブロックAは、ワゴン型のフレーム5の上部に設けられた受付装置6と、表示画面がタッチパネル7によって構成されている液晶型のディスプレイ8と、フレーム5の上下方向の中間位置に設けられたフラットベッドスキャナFSと、を備えている。受付装置6の前面部には、フラッシュメモリから成る記録媒体Msに保存された画像データを読み出すための半導体ドライブ9と、CD−RやDVD等のディスク型の記録媒体Mdに保存された画像データを読み出すためのディスクドライブ10とが配設されている。
フラットベッドスキャナFSは、透明ガラス製のスキャニングテーブル13とそのスキャニングテーブル13の下側に配置されたスキャニングヘッド14とを有する本体部11と、その本体部11に開閉自在に取り付けられたプラテンカバー12とを備えている。スキャニングヘッド14は主走査方向に配設された複数の光電変換素子(例えば、CCD等)と光源とを備えていて、主走査方向と直交する副走査方向に移動することによりスキャニングテーブル13に載せられたスキャニング対象物の画像をR(赤)・G(緑)・B(青)の三原色に色分解した画像データとして取り込むように構成されている。
[プリントブロック]
図1及び図2に示すように、プリントブロックBは、サイズの異なる2種類のプリントペーパP1,P2それぞれにプリント可能であり、筐体15と、その筐体15の下部に配置された2つのマガジン収容部Ba,Baと、筐体15の上部に配置され且つプリントペーパPに対して画像データの記録を行うプリント部Bbと、筐体15の側部に配置されたインク貯留部Bcとを備えている。筐体15の上面部には、横送りベルト16によって送り出された、小サイズのプリントペーパPを受け止める仕分け部17と、大サイズのプリントペーパPを受け止めるラック板18とが配設されている。
マガジン収容部Baは、前壁体15Aのスライド移動に伴いスライド移動するドロワー20を備えていて、そのドロワー20にペーパマガジン21によって保持されたロール状のプリントペーパPを収容するよう構成されている。なお、下側のマガジン収容部Baに収容されたプリントペーパP2の幅は、上側のマガジン収容部Baに収容されたプリントペーパP1よりも大きい(図2を参照)。
プリント部Bbは、壁体15B内に設けられ且つプリントペーパPに対してインクを吹き付けて画像を形成するプリントヘッドHを備えている。
インク貯留部Bcは、壁体15C内に挿抜可能に収容され且つ色相が互いに異なる7つのインクカートリッジ23,…を備えている。これらのインクカートリッジ23,…は、挿抜することにより新しいインクカートリッジ23に交換することができる。これらのインクカートリッジ23,…には夫々、ブラック(K)、ライトブラック(LK)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンダ(LM)及びイエロー(Y)のインクが封入されている。なお、壁体15Cは、鉛直方向に延びる軸芯周りに揺動開閉自在に構成されている。
[ペーパ搬送機構]
図3に示すように、ペーパ搬送機構は、供給ユニットU1、プリントユニットU2、ループ形成ユニットU3、カッターユニットU4、反転ユニットU5及び排出ユニットU6を備えている。そして、ペーパ搬送機構では、プリントペーパPに対して画像データのプリントを行う際には、2つのマガジン収容部Ba,Baのうちいずれか一方に収容されたプリントペーパPを供給ユニットU1によってプリント部Bbに対して供給し、それから、供給されたプリントペーパPをプリントユニットU2によって搬送しながらプリントヘッドHによって画像データのプリントを行い、その後、プリントされたプリントペーパPをループ形成ユニットU3からカッターユニットU4に送ってプリントサイズに切断した後、反転ユニットU5及び排出ユニットU6によって横送りベルト16又はラック板18に対して送り出す。
具体的に説明すると、供給ユニットU1は、ペーパマガジン21に収容されたプリントペーパPに回転力を付与する支持ローラ25と、プリントペーパPをペーパマガジン21からプリントユニットU2に搬送するための圧着型の供給ローラ26と、その供給ローラ26によって搬送されるプリントペーパPを案内するガイド部材(図示せず)とを備えている。支持ローラ25と供給ローラ26とは供給搬送用の電動モータによって駆動される。
プリントユニットU2は、プリントヘッドHを主走査方向に案内するガイドレール28と、プーリ29に巻かれ且つプリントヘッドHをガイドレール28に沿って往復移動させるための駆動ベルト30と、プリンタペーパPをプリントヘッドHがプリントを行うことが可能な位置に吸着保持するペーパ保持部Dと、そのペーパ保持部Dの上流側と下流側とに配置された圧着型のプリント搬送ローラ31,31とを備えている。ペーパ保持部Dは、厚み方向に複数の孔が形成された案内プレート32と、筐体33内に設けられ且つプリントペーパPに対して案内プレート32の孔を介して負圧を与えるためのファン34とを備えている。そして、プリントユニットU2(プリント部Bb)では、プリントペーパPに対してプリントを行う際には、所定の間隔を空けて画像のプリントを行うと共に、その隣り合う画像の間の領域に切断マークを形成する。
図3に示すように、ループ形成ユニットU3は、下流側のプリント搬送ローラ31の下流側に配置されたガイド板36と、そのガイド板36によって案内されたプリントペーパPを搬送するための圧着型の中間ローラ37とを備えている。ガイド板36は、ほぼ水平方向に延びる水平姿勢(図3の一点鎖線)と鉛直方向に延びる開放姿勢(図3の実線)とに切換自在に構成されている。そして、ループ形成ユニットU3では、長尺のプリントペーパPをプリントする際には、プリントペーパPの先端部を水平姿勢のガイド板36を介して中間ローラ37に受け渡した後、中間ローラ37によるプリントペーパPの搬送を停止し、それから、ガイド板36を水平姿勢から開放姿勢に切り換え、プリントペーパPを垂れ下がった状態にしてループを形成する。
カッターユニットU4は、固定刃39と、可動刃40と、反射型のセンサを有するカット位置センサ41と、プリントペーパPを送り出すための圧着型の送り出しローラ42とを備えている。そして、カッターユニットU4では、切断を行う際には、カット位置センサ41の検出結果に基づき切断マークを基準にして隣り合う画像の間隔よりも僅かに広い間隔になるようその領域を取り除くことにより、縁なしプリントでは画像の周囲に余白を残さないように切断作動が行われる。
図3に示すように、反転ユニットU5は、プリンタペーパPを圧着する圧着型の反転ローラ43と、その反転ローラ43を正・逆回転させる搬送駆動機構(図示せず)と、この一対の反転ローラ43をローラの軸芯周りに90度回転させる反転機構とを備えている。そして、反転ユニットU5では、カッターユニットU4によって先端側から送り込まれたプリントペーパPを、その後端部が反転ローラ43の位置まで来るように該反転ローラ43によって搬送した後、図3の矢印で示すように反転ユニットU5を軸芯周りに90度回転させ、それから、反転ローラ43を逆回転させることによりプリントペーパPをその後端部から排出ユニットU6に送り出す。
排出ユニットU6は、プリントペーパPを搬送するための複数の圧着型搬出ローラ44,…と、それら搬出ローラ44,…によって搬送されたプリントペーパPを横送りベルト16及びラック板18のうちいずれか一方に送り出すための経路切換機構(図示せず)とを備えている。
尚、上側のマガジン収容部Baに収容されたプリントペーパP1は、2つのプリントペーパP1,P1が主走査方向に並んだ状態で搬送され、プリントヘッドHによって2つのプリントペーパP1,P1それぞれに、同時にプリントが行われる(図4参照)。
[プリントヘッド]
図3,4に示すように、プリントヘッドHは、その底部側に多数のインク吐出ノズルを配列して備えたヘッドユニット51が3段に取り付けられている。便宜上、3段に備えられるヘッドユニット51のうち、上段(プリントペーパPの搬送方向前側)のものを第1ヘッドユニット51a、中段のものを第2ヘッドユニット51b、下段(プリントペーパPの搬送方向後側)のものを第3ヘッドユニット51cと称する。
本実施の形態では、ヘッドユニット51は全て同一構成のものであり、各ヘッドユニット51は、図4に示すように、ブラック(K)、ライトブラック(LK)、シアン(C)、マゼンダ(M)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンダ(LM)及びイエロー(Y)のインクを吐出する7つのノズルアレイ54から構成されている。各ノズルアレイ54には、インク吐出ノズルが、プリントヘッドHの走査方向である主走査方向と直交する副走査方向に列状に配設されている。こうして、各ヘッドユニット51は、単体でカラー画像を形成可能な構成とされている。
また、上記プリントヘッドHにおけるプリントペーパPの搬送方向前側位置には、反射型センサSが取り付けられている。このセンサSはプリントヘッドHと共に、主走査方向に往復走査して、後述するように、プリントペーパP上に作成されたテストパターン(グラデーションパターン)の濃淡を検出する。
[制御系]
プリント装置の制御系は、図5に示すように構成されている。つまり、受付ブロックAの受付装置6は、マイクロプロセッサ(以下、CPUという)と、データバスを介してそのCPUとの間で情報を送受信する、タッチパネル7、ディスプレイ8、半導体ドライブ9、ディスクドライブ10、半導体メモリRAM/ROM、ハードディスクHD及び通信インタフェース61とを備えている。受付装置6は、CPUの処理を実現するためソフトウェアから成る、オペレーションシステム62、画像処理システム63及びプリンタドライバ64をさらに備えている。また、受付装置6は、フラットベッドスキャナFSとの間で情報を送受信する入出力系を構成し、さらに、通信インタフェース61を介してプリントブロックとの間で情報を送受信する信号系を構成している。
プリントブロックBは、マイクロプロセッサ(以下、CPUという)と、データバスを介してそのCPUとの間で情報を相互に送受信する、搬送制御部66、ヘッド制御部67、半導体メモリRAM/ROM、反射型センサS、カット位置センサ41、インク貯留部Bcにインクカートリッジ23が存在するか否かを判別する着脱センサ65及び通信インタフェース68とを備えている。プリントブロックBは、CPUの処理を実現するためソフトウェアから成る、プリント制御手段69、パターン作成手段71及び補正手段72をさらに備えている。
搬送制御部66は、ペーパ搬送機構の各ユニットU1,U2,U3,U4,U5,U6夫々の制御を行うためのものである。ヘッド制御部67はプリントヘッドHの制御を行うためのものである。プリント制御手段69は、受付ブロックAから送られる画像データに基づきプリントペーパPに対して画像データのプリントを行う際の制御を行うためのものであり、画像データにおけるいずれの部分を、第1〜第3ヘッドユニット51a〜51cの内の何れのヘッドユニット51にて画像形成させるかの割り振りをも行う。
パターン作成手段71は、プリントペーパP上にテストパターンを作成するためのものである。補正手段72は、作成したテストパターンから得られるデータに基づいて各ヘッドユニット51のインク吐出タイミングを補正するためのものである。
[吐出タイミング補正]
次に、各ヘッドユニット51のインク吐出タイミングの補正について説明する。本プリント装置は、そのプリントヘッドHに第1〜第3の複数のヘッドユニット51a〜51cを備えていると共に、往走査時と復走査時との双方においてインクを吐出する双方向プリントを行う。このため、第1〜第3ヘッドユニット51a〜51cの内、第3ヘッドユニット51cを基準ヘッドユニットとして、第1及び第2ヘッドユニット51a,51b(調整ヘッドユニット)の往走査及び復走査の吐出タイミングの補正と、第3ヘッドユニット51cの復走査の吐出タイミングの補正とが行われる。尚、本プリント装置では、ヘッドユニット51単位で吐出タイミングの補正が行われ、各ヘッドユニット51のノズルアレイ54単位では補正を行わない。
インク吐出タイミングの補正処理は、図6に示すフローチャートに従って行われる。先ずステップS1において反射型センサSの感度校正が実行される。そのセンサSの感度校正が正常に終了すれば(ステップS2)、プリントペーパP上にテストパターンが作成されると共に、反射型センサSによって、作成されたテストパターンの濃淡変化が検出される(ステップS3)。
このステップS3においては、第3ヘッドユニット51cの往走査時のインク着弾位置に対して、第1及び第2ヘッドユニット51a,51bの往走査時のインク着弾位置を一致させるためのUniテストパターンと、第3ヘッドユニット51cの往走査時のインク着弾位置に対して、第1〜第3ヘッドユニット51a〜51cの復走査時のインク着弾位置を一致させるためのBiテストパターンと、の2種類が作成される。Uniテストパターン及びBiテストパターンは共に、2次元のグラデーションパターンからなる。
ここで、グラデーションパターンの作成と、そのグラデーションパターンを用いた補正値の設定について、図7を参照しながら説明する。
すなわち、同図に示すように、先ず、プリントヘッドHを往走査しながら、基準ヘッドユニットである第3ヘッドユニット51cから、基準タイミングでインクを吐出して基準ピッチパターン52を形成する。この基準ピッチパターン52は、略等しいピッチのパターンである。また、この基準ピッチパターン52は、所定のプリント領域の全幅に亘って形成される。
この基準ピッチパターン52は、プリントペーパPを送りながら、副走査方向に複数(図例では9個)並んで形成される。
次に、Uniテストパターンを作成する場合は、上記プリントヘッドHを同じく往走査しながら、調整ヘッドユニットである第1又は第2ヘッドユニット51a,51bから、基準タイミングに対して位相を所定量だけずらしたタイミングでインクを吐出し、それによって、基準ピッチパターン52にずらしパターン53を重ね合わせる。
このずらしパターン53も略等しいピッチのパターンであると共に、所定のプリント領域の全幅に亘って形成される。
また、このずらしパターン53は、位相のずらし量を、−αから+αに段階的に変化させて、副走査方向に複数作成し、それぞれのずらしパターン53を上記基準ピッチパターン52に重ね合わせる。
こうして、基準ピッチパターン52とずらしパターン53とを重ね合わせた重合パターンが副走査方向に並んだ2次元のグラデーションパターン55(Uniテストパターン)が作成される。
一方、Biテストパターンを作成する場合は、上記プリントヘッドHを復走査しながら、第1、第2又は第3ヘッドユニット51a,51b,51cから、基準タイミングに対して位相を所定量だけずらしたタイミングでインクを吐出し、それによって、基準ピッチパターン52にずらしパターン53を重ね合わせて重合パターンを作成する。そして、その重合パターンを、ずらしパターンの位相のずらし量を−αから+αに段階的に変化させながら、副走査方向に複数並べて形成することによって、2次元のグラデーションパターン55(Biテストパターン)を作成する。
尚、図7では理解容易のために、基準ピッチパターン52とずらしパターン53とを副走査方向にずらしているが、両パターン52,53は、副走査方向に同じ位置に形成すればよい。
この2次元のグラデーションパターン55では、インク着弾位置が一致している部分、つまりグラデーションパターン55における副走査方向の中央付近は濃淡が淡くなり、インク着弾位置がずれている部分、つまりグラデーションパターン55における副走査方向の両端付近は濃淡が濃くなる。
ここで、主走査方向のある一点(X1点)において、その副走査方向にパターンの濃淡を検出したとする。このことによって、図7の下のグラフに示すように、位相(副走査方向)に対する濃淡変化の曲線が得られる。
理想的な場合、言い換えるとインク吐出タイミングの補正値が0の場合は、位相0の位置において濃淡が最も淡くなる。これに対し、濃淡変化曲線において濃淡の最も淡い位置が、位相0の位置に対してずれているときは、そのずれ量Δ1に相当する分だけ吐出タイミングを補正することによって、インクの着弾位置は一致することになる。すなわち、上記2次元のグラデーションパターン55において、上記位相に対する濃淡変化の曲線を主走査方向の各位置において求めれば、その各位置におけるインク着弾位置のずれ量が得られる。
しかし、上記ずれ量Δ1は、X1点におけるずれ量であって、例えばX2点におけるずれ量Δ2が、上記ずれ量Δ1と一致するとは限らない。そのため、上記ずれ量Δ1に基づいてインクの吐出タイミングを補正したとしても、上記X1点においては、インクの着弾位置が一致するものの、X2点においてはインクの着弾位置が一致しないことが起こり得る。つまり、主走査方向の各位置でインク着弾位置のずれ量が互いに同じであれば、上記2次元のグラデーションパターン55において、濃淡の最も淡い部分は主走査方向に延びる直線を形成する。しかし、主走査方向の各位置でインク着弾位置のずれ量がばらついているときは、濃淡の最も淡い部分は、図7に太実線で示すように、蛇行するのである。
そこで、反射型センサSによって、重合パターン毎に、その濃淡を主走査方向に検出し、プリント領域内における各重合パターンの平均濃度を算出する。そうして、図7の右のグラフに示すように、位相に対する平均濃度の曲線を求める。
この平均濃度の曲線において、濃淡の最も淡い位置が、位相0の位置に対してずれているときは、そのずれ量Δaveに相当する分だけ吐出タイミングを補正することによって、主走査方向の各位置におけるインクの着弾位置のずれ量を平均した値を、最も小さくすることができる。そのことによって、プリント領域の主走査方向の特定の位置におけるずれ量だけが小さくなり他の位置のずれ量が大きくなってしまうような偏った補正が防止され、プリント領域の全幅に亘ってインクの着弾位置のずれ量を小さくすることが可能になる。
上記ステップS3では、テストパターンの作成中及び/又は作成後に、反射型センサSを主走査方向に走査して、2次元グラデーションパターンにおける重合パターン毎に、主走査方向に対する濃淡変化を検出する。
上記プリント装置は、上述したように、プリント領域の異なる2種類のプリントペーパP1,P2それぞれにプリントを行う装置であるため、ステップS4では、その2つのプリント領域毎に補正値を設定する。
つまり、図8に示すように、2つのプリント領域の内の最大プリント領域(本実施形態では、下側のマガジン収容部Baに収容されたプリントペーパP2のプリント領域)の全幅に亘って、上述した手順に従って、2次元のグラデーションパターン55を作成する。このとき、プリントペーパP2の全幅がプリント領域であるときには、そのペーパP2の全幅に亘ってグラデーションパターン55が作成される。尚、グラデーションパターン55の幅は、最大プリント領域の全幅に対して厳密に一致しなくてもよい。所定量だけ狭くても、所定量だけ広くてもよい。
そうして、グラデーションパターン55を作成すれば、反射型センサSによって各重合パターンの濃度を主走査方向に検出する。
そうして、プリントペーパP1に対応する第1のプリント領域内で、各重合パターンの平均濃度を算出し、それによって、第1のプリント領域での位相に対する平均濃度の曲線を求める。尚、第1のプリント領域は、2つのプリントペーパP1が主走査方向に並んだ状態でプリントされることから、最大プリント領域における主走査方向の両側それぞれに設定される。そうして、その平均濃度の曲線に基づいて、最も平均濃度の淡い位相の、位相0の位置に対するずれ量Δave1を特定し、それを第1のプリント領域の補正値として記憶する。
同様に、プリントペーパP2に対応する第2のプリント領域内で、各重合パターンの平均濃度を算出し、それによって、第2のプリント領域での位相に対する平均濃度の曲線を求める。そうして、その平均濃度の曲線に基づいて、最も平均濃度の淡い位相の、位相0の位置に対するずれ量Δave2を特定し、それを第2のプリント領域の補正値として記憶する。
上記ステップS3,S4では、第1ヘッドユニット51aについてのUni及びBiテストパターン、第2ヘッドユニット51bについてのUni及びBiテストパターン、並びに第3ヘッドユニット51cについてのBiテストパターンそれぞれが作成されて、第1ヘッドユニット51aの往走査時及び復走査時のインク吐出タイミングの補正値、第2ヘッドユニット51bの往走査時及び復走査時のインク吐出タイミングの補正値、並びに第3ヘッドユニット51cの復走査時のインク吐出タイミングの補正値それぞれが設定されるが、その各補正値には、第1のプリント領域に対応する補正値及び第2のプリント領域に対応する補正値が含まれる。
そうして、ステップS5でマガジンが選択されれば、その選択されたマガジンのプリントペーパP(プリント領域)に対応する補正値を読み込んで、インク吐出タイミングを補正する(ステップS6)。
このように、インク吐出タイミングを、上記主走査方向の各位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなるように補正することによって、プリントの高画質化が図られる。
そのときに、2種類のプリントペーパP1,P2毎に、そのプリント領域に対応した補正値を設定し、プリント対象として選択されたプリントペーパP1,P2のプリント領域に対応する補正値に基づいて、インク吐出タイミングを補正するから、各プリントペーパP1,P2に最適化された補正値でもってインク吐出タイミングを補正することができ、プリント領域の異なる2種類のプリントペーパP1,P2それぞれについて、安定して高画質化を図ることができる。
また、Uni及びBiテストパターンとして、2次元のグラデーションパターン55を作成することによって、インク吐出タイミングの補正を簡便にかつ高精度に行うことが可能になる。
つまり、図7に示すテストパターンは、基準ピッチパターン52とずらしパターン53とを重ね合わせた重合パターンを、基準タイミングに対して位相のずれ量を段階的に変えながら副走査方向に並べた2次元のグラデーションパターン55であり、各重合パターンの平均濃度を算出することによって、主走査方向に対するずれ量の平均値が最も小さくなるような補正値を精度よく決定することが可能である。さらに、グラデーションパターン55とすることによって、位相に対する平均濃度の曲線を得ることができるため、補正値を高い解像度で算出することが可能になる。
しかもグラデーションパターン55の濃淡は、プリントヘッドHに設けた反射型センサSによって検出するため、テストパターンの作成から、インク吐出タイミングの補正までを、自動的に行うことができる。
さらに、上記グラデーションパターン55を、複数のプリント領域の内の最大のプリント領域の全幅に亘って作成することによって、各プリント領域に対応するテストパターンをそれぞれ作成しなくても、1つのテストパターンに基づいて複数のプリント領域毎の補正値をそれぞれ設定することが可能になる。
尚、上記実施形態では、グラデーションパターン55を、最大プリント領域の略全幅に亘って作成しているが、例えば最大プリント領域内の主走査方向に離れた複数の位置をサンプル位置と設定し、その各サンプル位置において所定幅を有する重合パターンを、副走査方向に並べることによって、グラデーションパターンを作成してもよい。このテストパターンは、各サンプル位置におけるインク着弾位置のずれ量が得られるパターンとなる。この場合、上記と同様に、重合パターン(この重合パターンは主走査方向に離散的になる)毎に、その濃淡を主走査方向に検出すると共に、第1及び第2のプリント領域それぞれに含まれるサンプル位置を抽出して、その平均濃度を算出する。そうして、各プリント領域における位相に対する平均濃度の曲線を求め、濃淡の最も淡い位置と位相0の位置とのずれ量を特定する。このことによって、各プリント領域の補正値が得られる。
また、上記実施形態では、最大プリント領域の略全幅についてテストパターンを作成することで、作成するテストパターンを1つとしているが、プリント領域毎にテストパターンを作成して(このテストパターンは当該プリント領域の略全幅に亘る連続的なグラデーションパターンでもよいし、離散的なグラデーションパターンでもよい)、各プリント領域の補正値を設定してもよい。
また、上記実施形態では、プリントペーパPの種類は2種類であったが、3種類以上であってもよいことは勿論である。また、プリントペーパPは同じであるが、そのプリントペーパP上でプリントする領域を異ならせるような場合にも、その領域に対応する補正値を設定し、プリント領域に応じた補正値で吐出タイミングを補正すればよい。
Uni及びBiテストパターンは、グラデーションパターンに限るものではなく、その他のパターンとしてもよい。また、上記実施形態では、Uni及びBiテストパターンそれぞれを、2次元のグラデーションパターン55によって作成しているが、Uni及びBiテストパターンのいずれか一方のみを、2次元のグラデーションパターン55によって作成してもよい。
上記Uni及びBiテストパターンは、特定の色のインク(例えばブラックインク)によって作成すればよいが、例えば1色のインクで作成するのではなく、2色以上のインクそれぞれによってUni及びBiテストパターンを作成してもよい。そうしてその作成したテストパターンそれぞれから得られるデータに基づいて、インク吐出タイミングを補正してもよい。
さらに、Uni及びBiテストパターンは、特定のドットサイズによって作成すればよいが、上記プリントヘッドHが、互いに異なる複数の大きさのドットを作成可能であるときには、異なる大きさの複数のドットサイズそれぞれによって、Uni及びBiテストパターンを作成し、その複数のテストパターンそれぞれから得られるデータに基づいて、インク吐出タイミングを補正してもよい。
加えて、上記実施形態では、プリントヘッドHに反射型センサSを設けているが、反射型センサSを省略することも可能である。その場合、作成したテストパターンの濃淡を別途検出すればよい。
また、プリントヘッドHに設けるヘッドユニット51の数は3つに限るものではない。インクジェット式プリント装置は、プリントヘッドHにヘッドユニット51を1つのみ備えたものであってもよい。
プリントシステムの全体を示す斜視図である。 プリントブロックの斜視図である。 プリントブロックのプリントペーパの搬送系を示す図である。 プリントユニットの底面図である。 プリントシステムの制御系を示すブロック図である。 吐出タイミング補正処理に係るフローチャートである。 2次元のグラデーションパターンの説明図である。 複数のプリント領域の補正値の設定手法を説明図である。
符号の説明
51 ヘッドユニット
52 基準ピッチパターン
53 ずらしパターン
55 グラデーションパターン
71 パターン作成手段
72 補正手段
H プリントヘッド
P1,P2 プリントペーパ(プリント部材)
S 反射型センサ

Claims (11)

  1. 主走査方向に往復走査しながらインクを吐出するプリントヘッドと、
    プリント部材上に作成されたテストパターンから得られるデータに基づいて補正値を設定すると共に、設定した補正値に基づいて上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを、往復走査間で主走査方向に対するインクの着弾位置が一致するように補正する補正手段と、を備え、
    上記プリント部材は、上記主走査方向のプリント領域が互いに異なる複数種のプリント部材を含み、
    上記補正手段は、上記複数のプリント領域毎に上記補正値を設定すると共に、プリント対象として選択されたプリント部材のプリント領域に対応する補正値に基づいて、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正するインクジェット式プリント装置。
  2. 請求項1に記載のインクジェット式プリント装置において、
    上記テストパターンを、プリント部材上に作成するパターン作成手段をさらに備え、
    上記パターン作成手段は、上記各プリント領域内の主走査方向に離れた複数のサンプル位置それぞれにおける、往復走査間の主走査方向に対するインク着弾位置のずれ量が得られるテストパターンを作成し、
    上記補正手段は、上記テストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記各サンプル位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定するインクジェット式プリント装置。
  3. 請求項1に記載のインクジェット式プリント装置において、
    上記テストパターンを、プリント部材上に作成するパターン作成手段をさらに備え、
    上記パターン作成手段は、上記プリント部材上の主走査方向の各位置における、往復走査間の主走査方向に対するインク着弾位置のずれ量が得られるテストパターンを、上記複数のプリント領域の内で最大のプリント領域の略全幅に亘って作成し、
    上記補正手段は、上記テストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記主走査方向の各位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定するインクジェット式プリント装置。
  4. 副走査方向に並んで配置された複数のヘッドユニットを有しかつ、上記副走査方向に直交する主走査方向に往復走査しながらインクを吐出するプリントヘッドと、
    上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正するためのテストパターンを、プリント部材上に作成するパターン作成手段と、
    上記パターン作成手段によって作成されたテストパターンから得られるデータに基づいて、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正する補正手段と、を備え、
    上記プリント部材は、上記主走査方向のプリント領域が互いに異なる複数種のプリント部材を含み、
    上記パターン作成手段は、上記各プリント領域内の主走査方向に離れた複数のサンプル位置それぞれにおける、上記複数のヘッドユニット間のインク着弾位置のずれ量が得られるUniテストパターンを作成し、
    上記補正手段は、上記Uniテストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記各サンプル位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定すると共に、プリント対象として選択されたプリント部材のプリント領域に対応する補正値に基づいて、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正するインクジェット式プリント装置。
  5. 副走査方向に並んで配置された複数のヘッドユニットを有しかつ、上記副走査方向に直交する主走査方向に往復走査しながらインクを吐出するプリントヘッドと、
    上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正するためのテストパターンを、プリント部材上に作成するパターン作成手段と、
    上記パターン作成手段によって作成されたテストパターンから得られるデータに基づいて、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正する補正手段と、を備え、
    上記プリント部材は、上記主走査方向のプリント領域が互いに異なる複数種のプリント部材を含み、
    上記パターン作成手段は、上記プリント部材上の主走査方向の各位置における、上記複数のヘッドユニット間のインク着弾位置のずれ量が得られるUniテストパターンを、上記複数のプリント領域の内で最大のプリント領域の略全幅に亘って作成し、
    上記補正手段は、上記Uniテストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記主走査方向の各位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定すると共に、プリント対象として選択されたプリント部材のプリント領域に対応する補正値に基づいて、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正するインクジェット式プリント装置。
  6. 請求項4又は5に記載のインクジェット式プリント装置において、
    上記パターン作成手段は、上記各プリント領域内の主走査方向に離れた複数のサンプル位置それぞれにおける、上記各ヘッドユニットにおける往復走査間のインク着弾位置のずれ量が得られるBiテストパターンを作成し、
    上記補正手段は、上記Biテストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記各サンプル位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定すると共に、プリント対象として選択されたプリント部材のプリント領域に対応する補正値に基づいて、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正するインクジェット式プリント装置。
  7. 請求項4又は5に記載のインクジェット式プリント装置において、
    上記パターン作成手段は、上記プリント部材上の主走査方向の各位置における、上記各ヘッドユニットにおける往復走査間のインク着弾位置のずれ量が得られるBiテストパターンを、上記最大プリント領域の略全幅に亘って作成し、
    上記補正手段は、上記Biテストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記主走査方向の各位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定すると共に、プリント対象として選択されたプリント部材のプリント領域に対応する補正値に基づいて、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正するインクジェット式プリント装置。
  8. 請求項2〜7のいずれか1項に記載のインクジェット式プリント装置において、
    上記プリントヘッドと一体的に主走査方向に走査されかつ、上記パターン作成手段によって作成されたテストパターンの濃度を検出する反射型センサをさらに備え、
    上記パターン作成手段は、上記テストパターンとして、上記プリントヘッドを主走査方向に走査しながら基準タイミングでインクを吐出して形成した基準ピッチパターンに、上記基準タイミングに対し位相を所定量ずらしたタイミングでインクを吐出して形成したずらしパターンを重ね合わせた重合パターンを作成すると共に、該重合パターンを、そのずらしパターンの位相のずれ量を変えながら、上記副走査方向に複数並べて作成し、
    上記反射型センサは、上記重合パターン毎にその濃度を主走査方向に検出し、
    上記補正手段は、上記複数のプリント領域毎に、上記反射型センサが検出した各重合パターンの濃度の、そのプリント領域内での平均値を算出すると共に、上記位相のずれ量に対する平均濃度の関係を求め、その関係に基づいて、最も平均濃度が淡くなる位相のずれ量を、当該プリント領域の補正値に設定するインクジェット式プリント装置。
  9. プリントヘッドを、主走査方向に往復走査しながらプリント部材上にインクを吐出するインクジェット式プリント装置の吐出タイミング補正方法であって、
    上記プリント部材には、主走査方向のプリント領域が互いに異なる複数種のプリント部材が含まれ、
    上記プリント部材上に作成されたテストパターンから得られるデータに基づいて、上記複数のプリント領域毎に吐出タイミングの補正値を設定する設定工程と、
    上記複数種のプリント部材の内から、プリント対象となるプリント部材を選択する選択工程と、
    上記選択工程で選択されたプリント部材のプリント領域に対応する補正値に基づいて、上記プリントヘッドのインク吐出タイミングを補正する補正工程と、を含む吐出タイミング補正方法。
  10. 請求項9に記載の吐出タイミング補正方法において、
    上記テストパターンを、プリント部材上に作成する作成工程をさらに含み、
    上記作成工程は、上記各プリント領域内の主走査方向に離れた複数のサンプル位置それぞれにおける、往復走査間の主走査方向に対するインク着弾位置のずれ量が得られるテストパターンを作成する工程であり、
    上記設定工程は、上記テストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記各サンプル位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定する工程である吐出タイミング補正方法。
  11. 請求項9に記載の吐出タイミング補正方法において、
    上記テストパターンを、プリント部材上に作成する作成工程をさらに含み、
    上記作成工程は、上記プリント部材上の主走査方向の各位置における、往復走査間の主走査方向に対するインク着弾位置のずれ量が得られるテストパターンを、上記複数のプリント領域の内で最大のプリント領域の略全幅に亘って作成する工程であり、
    上記設定工程は、上記テストパターンに基づいて、上記複数のプリント領域毎に、その領域内の上記主走査方向の各位置における上記ずれ量を平均した値が最も小さくなる補正値を設定する工程である吐出タイミング補正方法。
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