JP2711011B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2711011B2
JP2711011B2 JP2134096A JP13409690A JP2711011B2 JP 2711011 B2 JP2711011 B2 JP 2711011B2 JP 2134096 A JP2134096 A JP 2134096A JP 13409690 A JP13409690 A JP 13409690A JP 2711011 B2 JP2711011 B2 JP 2711011B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、画像形成装置に関し、特に複数の記録素子
を配列してなる記録ヘッドを用いて画像形成を行う画像
形成装置に関するものである。
特に、本発明はインクジェット記録装置の記録ヘッド
の印字特性を自動調整する機構を備えた装置に関し、カ
ラー画像をインク滴の重ねによって高階調に形成する装
置に特に有効なものである。
[背景技術] 複写装置や、ワードプロセッサ,コンピュータ等の情
報処理機器、さらには通信機器の普及に伴い、それら機
器の画像形成(記録)装置としてインクジェット方式や
熱転写方式等による記録ヘッドを用いてデジタル画像記
録を行うものが急速に普及している。そのような記録装
置においては、記録速度の向上のため、複数の記録素子
を集積配列してなる記録ヘッド(以下この項においてマ
ルチヘッドという)を用いるのが一般的である。
例えば、インクジェット記録ヘッドにおいては、イン
ク吐出口および液路を複数集積した所謂マルチノズルヘ
ッドが一般的であり、熱転写方式,感熱方式のサーマル
ヘッドでも複数のヒータが集積されているのが普通であ
る。
しかしながら、製造プロセスによる特性ばらつきやヘ
ッド構成材料の特性ばらつき等に起因して、マルチヘッ
ドの記録素子を均一に製造するのは困難であり、各記録
素子の特性にある程度のばらつきが生じる。例えば、上
記マルチノズルヘッドにおいては、吐出口や液路等の形
状等にばらつきが生じ、サーマルヘッドにおいてもヒー
タの形状や抵抗等にばらつきが生じる。そしてそのよう
な記録素子間の特性の不均一は、各記録素子によって記
録されるドットの大きさや濃度の不均一となって現れ、
結局記録画像に濃度むらを生じさせることになる。
この問題に対して、濃度むらを視覚で発見し、または
調整された画像を視覚で検査して、各記録素子に与える
信号を手動で補正し、均一な画像を得る方法が種々提案
されている。
例えば第33A図のように記録素子31が並んだマルチヘ
ッド330において、各記録素子への入力信号を第33B図の
ように均一にしたときに、第33C図のような濃度むらが
視覚で発見された場合、第33D図のように、入力信号を
補正し濃度の低い部分の記録素子には大きい入力信号
を、濃度の高い部分の記録素子には小さい入力信号を与
えることが一般的手動補正として知られている。
ドット径またはドット濃度の変調が可能な記録方式の
場合は各記録素子で記録するドット径を入力に応じて変
調することで階調記録を達成することが知られている。
例えばピエゾ方式やバブルジェット方式によるインクジ
ェット記録ヘッドでは、各ピエゾ素子や電気熱変換素子
等の吐出エネルギ発生素子に印加する駆動電圧またはパ
ルス幅を、サーマルヘッドでは各ヒータに印加する駆動
電圧またはパルス幅を入力信号に応じて変調することを
利用すれば、各記録素子によるドット径またはドット濃
度を均一にし、濃度分布を第32E図のように均一化する
ことが可能であると考えられる。また駆動電圧またはパ
ルス幅の変調が不可能もしくは困難な場合、あるいはそ
れらを変調しても広い範囲での濃度調整が困難な場合、
例えば1画素を複数ドットで構成する場合においては、
入力信号に応じて記録するドットの数を変調し、濃度の
低い部分に対しては多数のドットを、濃度の高い部分に
対しては少ない数のドットを記録することができる。ま
た、1画素を1ドットで構成する場合においては、イン
クジェット記録装置では1画素に対するインク吐出数
(打込み回数)を変調することによりドット径を変化さ
せることもできる。これらにより、濃度分布を第32E図
のように均一化することができるわけである。
本願出願人が出願した特開昭57−41965号公開公報に
は、カラー画像を光学センサで自動的に読み取り、各色
インクジェット記録ヘッドに補正信号を与えて所望カラ
ー画像を形成することが開示されている。この公報に
は、基本的な自動調整が開示されており、重要な技術開
示がなされている。しかし、実用化を進めていく中で種
々の装置構成に適用するためには種々の課題が顕在化し
てくるが、この公報中には本発明の技術課題の認識は見
られない。
一方、濃度検知方式以外では、特開昭60−206660号公
開公報、米国特許第4,328,504号明細書、特開昭50−147
241号公報および特開昭54−27728号公報に開示されるよ
うな、液滴の着弾位置を自動的に読み取り、補正して正
確な位置へ着弾するようにしたものが知られている。こ
れらの方式も、自動調整の技術としては共通するもの
の、本発明の技術課題の認識は見られない。
[発明が解決しようとする課題] かかる問題点に対処するためには、画像形成装置内に
濃度むら読取部を設け、定期的に記録素子配列範囲にお
ける濃度むら分布を読取って濃度むら補正データを作成
しなおすことが有効である。これによれば、ヘッドの濃
度むら分布が変化しても、それに応じて補正データを作
成しなおすため、常にむらのない均一な画像を保つこと
ができるようになる。
第37A図は濃度むらを読取りユニットの例であり、520
はCCD等でなるラインセンサ、521はラインセンサ520の
読取画素、524は記録素子がy方向にdの幅だけ形成さ
れたむら補正用テストパターンである。そして、記録媒
体に対しラインセンサ520をx方向に相対的に走査しな
がら、記録ヘッドで形成したテストパターンの濃度を読
み取る。従って、ラインセンサ520の各画素521で読み取
ったデータが記録ヘッドの各記録素子で形成したデータ
の濃度に対応することになり、これを基にむら補正デー
タを作成しなおすことができる。
しかし、各画素のデータをそのまま用いてむら補正デ
ータを作成すると、非常にノイズの多い画像になってし
まうおそれがある。それは次の理由による。
第37B図示の濃度むら補正パターンにおいてDのよう
にドットが打たれていたとする。図中x方向にドットサ
イズがばらついているのは、マルチヘッドの1つの記録
素子で記録されるドット径がゆらぐためである。従っ
て、どの時点で測定した濃度かによって、結果が大きく
ばらついてしまうことがある。また、y方向にドットが
等間隔に並んでいないのはドットの記録位置精度がばら
つくからである。読取素子521a,521b,…を有するライン
センサ520でこのようなときに測定を行うと、読取素子5
21bに対応する濃度は濃く、読取素子521cに対応する濃
度は薄く読取られてしまう。
このため、読取ったデータをx,y方向に所定の広がり
を有する領域分だけ平均化して、その結果をその領域の
中心にある読取画素のデータとすることが考えられる。
このときに平均する領域を、以後平均化領域と呼ぶ。
このときの平均化領域の大きさは、むらの読取りの重
要な因子である。これが大きすぎては微妙なむらパター
ンが読みとれなくなるし、小さすぎては印字したむらパ
ターン上のドットの着弾精度のばらつき等のノイズ成分
を拾いやすくなり、正確なむら補正が行えないからであ
る。
このため平均化領域は適正な値に設定されていること
が強く望ましい。
ところが、画像形成装置では、用いられる記録媒体の
種類によって記録したときのドットのざらつきかたや濃
度均一性が異なる。例えば、インクジェット記録装置に
おいて厚めのコート層を持つものはドットのざらつきも
少なく、濃度も比較的均一であるが、コート層を薄くし
てコストダウンをはかったものはドットのざらつきは少
ないものの、均一パターンを形成したときに吸収が不均
一になり、まだら状のパターンがうすく目につく場合が
ある。このような場合に、平均化領域が適正でない状態
で濃度むらの読取りを行うと、まだら状のパターンを記
録ヘッドの濃度むらとして読取ってしまい、不適当なむ
ら補正をしてしまうおそれがある。また、OHP用フィル
ムに記録を行った場合には、ドットのざらつきが目立
ち、ノイズの多い読取りしかできないことになる。
従って、一種類の記録媒体に形成されたテストパター
ンの読取りについて適切に平均化領域を定めたとして
も、これが他の種類の記録媒体に対しても適当であると
は限らないことになる。
また、同様な問題はテストパターンの印字デューテ
ィ,色の違い等の記録条件の差異によっても生じる。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、記
録媒体の種類その他の記録条件によらず正確な濃度むら
の読取りないし補正が可能な画像形成装置を提供するこ
とを目的とする。
[課題を解決するための手段] そのために、本発明画像形成装置は、記録媒体上に画
像形成を行うために複数の記録素子を配列した記録ヘッ
ドと、前記記録ヘッドにより形成したテストパターン上
における複数の異なる位置およびその周辺の濃度を読取
る濃度読取り手段と、前記位置を含む所定領域の濃度を
平均し、その結果に基づいて画像形成時の濃度を均一化
するために前記複数の記録素子の駆動条件を補正する濃
度むら補正手段と、記録条件に応じて前記所定領域の大
きさを変更する制御手段とを具えたことを特徴とする。
また、本発明画像形成装置は、記録媒体上に画像形成
を行うために複数の記録素子を配列した記録ヘッドと、
前記記録ヘッドにより形成したテストパターン上におけ
る複数の異なる位置およびその周辺の濃度を読取る濃度
読取り手段と、前記位置を含む所定領域の濃度を平均
し、その結果に基づいて画像形成時の濃度を均一化する
ために前記複数の記録素子の駆動条件を補正する濃度む
ら補正手段と、記録媒体の種類に応じて前記所定領域の
大きさを変更する制御手段とを具えたことを特徴とす
る。
また、本発明は、複数の記録素子を配列した記録ヘッ
ドを用いて記録媒体上に画像形成を行う画像形成装置に
おいて、前記記録ヘッドにより形成したテストパターン
上における複数の異なる位置およびその周辺の濃度を読
取る濃度読取り手段と、前記位置を含む所定領域の濃度
を平均し、その結果に基づいて画像形成時の濃度を均一
化するために前記複数の記録素子の駆動条件を補正する
濃度むら補正手段と、記録媒体の種類に応じて前記所定
領域の大きさを変更する制御手段とを具えたことを特徴
とする。
[作用] 本発明によれば、濃度読取り手段によって読取った複
数のデータの平均値を用いてむら補正データを作成する
際に、記録媒体の種類その他の記録条件に応じて平均値
を求める際の平均化領域を変化させることにより、記録
媒体が変化しても安定した読取りを行い、適切なむら補
正のデータを作成することが可能となる。
[実施例] 以下、図面を参照し、次の手順にて本発明の実施例を
詳細に説明する。
(1)概要(第1図) (2)装置の機械的構成(第2図) (3)読取り系(第3図〜第12図) (4)制御系(第13図〜第15図) (5)むら補正のシーケンス(第16図〜第26図) (6)他の実施例(第27図〜第32図) (7)その他 (1)概要 第1図は本実施例の主要部の概略図である。
ここで、1001は画像形成装置の形態に応じて1または
複数個数設けた記録ヘッドであり、以下に述べるより具
体的な実施例においては記録媒体1002の幅に対応した範
囲にわたって複数の吐出口を整列させてなるいわゆるフ
ルマルチ型のインクジェット記録ヘッドである。1040は
記録媒体1002の搬送手段であり、記録ヘッド1001による
記録位置に関して記録媒体1002を搬送する。
1014は記録ヘッド1001による記録の濃度むらを補正す
るために、記録ヘッド1001によって記録媒体1002上に形
成されたテストパターンを読取る濃度むら読取り手段で
あり、記録媒体表面に光を照射する光源、その反射光を
受容するセンサ、および適宜の変換回路等を有する。10
20は濃度むら補正手段であり、テストパターンから読取
られた濃度むらに応じて記録ヘッドの駆動条件を補正す
る。1017はテストパターン読取り位置において記録媒体
を平坦に規制するプラテンである。
1101は制御手段であり、記録媒体の種類等の記録条件
に応じて平均化領域の変更設定を行うものである。これ
によって、テストパターンが形成される記録媒体の種類
によらず、正確な濃度むらの読取りないし補正が可能と
なる。
(2)装置の機械的構成の概要 第2A図は本発明の一実施例に係るインクジェット記録
装置の概略構成を示す。
ここで、1C,1M,1Yおよび1BKは、それぞれシアン,マ
ゼンタ,イエローおよびブラックの各インクに対応した
記録ヘッドであり、記録媒体搬送方向に関しての幅、本
例ではA3サイズの記録媒体の短辺の長さ(297mm)に対
応した範囲にわたり、400dpi(ドット/インチ)の密度
で吐出口を配列してなるフルライン1ヘッドである。3
はこれら記録ヘッド1C〜1BKを一体に保持するヘッドホ
ルダであり、ヘッドホルダ移動機構5により図中の記録
位置へ向うA方向および記録位置から離れるB方向への
移動が可能である。ヘッドホルダ移動機構5は、例えば
モータ等の駆動源と、その駆動力をヘッドホルダ3に伝
達する伝動機構と、ヘッドホルダ3の移動を案内する案
内部材等を有し、ヘッドホルダ3を適宜AおよびB方向
に移動させることにより、記録ヘッド1C〜1BKの吐出口
が記録媒体と所定の間隔をおいて対向した記録時位置、
次に述べるキャップユニットの侵入を受容するための退
避位置、および各ヘッドにキャッピングを施すための位
置等にヘッドホルダ3を設定可能である。
7はインク供給/循環系ユニットであり、各記録ヘッ
ドに各色インクを供給するための供給路、インクリフレ
ッシュを行うための循環路、および適宜のポンプ等を有
している。また、次に述べる吐出回復処理に際してその
ポンプを駆動することによりインク供給路を加圧し、各
記録ヘッドよりインクを強制的に排出させることが可能
である。
9はキャップユニットであり、記録ヘッド1C,1M,1Yお
よび1BKとそれぞれ対向ないし接合可能で接合時の密着
性を高めるためにゴム等の弾性部材で形成したキャップ
9C,9M,9Yおよび9BKと、吐出回復処理に際して記録ヘッ
ドより受容したインク(廃インク)を吸収する吸収体
と、不図示の廃インクタンクに廃インクを導入するため
の廃インク路等を有している。11はキャップユニット移
動機構であり、モータ,伝動機構,案内部材等を有し、
キャップユニット9を図中のC方向およびD方向に適宜
移動させることにより、退避位置にあるヘッドホルダ3
の直下の位置と記録に際してのヘッドホルダ3の下降を
阻害しない位置とにキャップユニット9を設定可能であ
る。
吐出回復処理に際しては、ヘッドユニット3をキャッ
プユニット9の進入が阻げられない位置までB方向に上
昇させ、これによって生じた空間内にキャップユニット
9を進入させて対応するヘッドとキャップとが対向する
位置にキャップユニット9を設定する。この状態、また
はヘッドホルダ3を下降させて記録ヘッドの吐出口形成
部分とキャップとが所定間隔をおいて対向させた状態も
しくは接合した状態で、インク供給/循環系ユニット7
のポンプ等を駆動することにより、インクを強制排出し
てこれとともに塵埃,気泡,増粘インク等の吐出不良発
生要因を除去し、以て記録時のインク吐出状態を安定化
することができる。また、上記状態において記録ヘッド
を記録時と同様に駆動してインク吐出(予備吐出)を行
わせ、これに伴って吐出不良発生要因を除去するように
することもできる。なお記録終了時,中断時等において
は、ヘッドにキャッピングを施した状態とし、吐出口を
乾燥から保護するようにしてもよい。
38は紙,OHP用フィルム等の記録媒体2を収容したカセ
ットであり、ここに収容された記録媒体2はF方向に回
転するピックアップローラ39により1枚ずつ分離されて
給送される。40は当該給送された記録媒体2を記録ヘッ
ド1C〜1BKによる記録位置に関してE方向に搬送する搬
送ベルトであり、ローラ41間に巻回されている。なお、
このベルト40への記録媒体2の密着性を高めて、円滑な
搬送を確保するとともに適正なヘッド・記録媒体間距離
(ヘッドギャップ)を得るために、静電吸着もしくはエ
ア吸着を行わせる手段、または、記録媒体の押えローラ
等の部材が配置されていてもよい。
42は記録の終了した記録媒体2を排出するための排出
ローラ、43は当該排出された記録媒体を積載するための
トレーである。
14は濃度むら読取りユニットであり、記録ヘッド1C〜
1BKによる記録位置と排出ローラ42との間に、記録媒体
2の被記録面に対向して配置され、濃度均一化補正のた
めの処理等に際して記録媒体2に形成されたテストパタ
ーンを読取る。そして、本例では読取りセンサとしてヘ
ッドの吐出口数分の記録素子(CCD等)を吐出口群と等
しい密度で配列してなるラインセンサを用いる。16は記
録媒体2の搬送に係る各部、すなわち給送ローラ39,ロ
ーラ41および排出ローラ42を駆動するための駆動部であ
る。
濃度むら補正に際しては、カセット38内に収納されて
いる記録媒体(本例では特に専用の特定紙が用いられる
が、これについては後述する)が通常記録時と同様にピ
ックアップローラ39を矢印F方向へと回転させることに
より搬送ベルト40上へと給送される。そしてローラ41が
回転することにより、記録媒体2が搬送ベルト40ととも
に矢印E方向へと搬送され、その際に各記録ヘッドが駆
動され、記録媒体2上にテストパターンが記録される。
その後、このテストパターンの記録された記録媒体2
は、濃度むら読取りユニット14のところまで搬送され、
当該搬送の過程で、記録素子の配列範囲に対応した範囲
にわたって読取り素子を有してなる読取りセンサ等によ
り記録されたテストパターンが読取られた後、トレー43
に排出される。
第2B図は記録ヘッド1(記録ヘッド1C,1M,1Y,1BKを総
括的に示す)とインク供給/循環系ユニット7とから成
るインク系を模式的に示す。
記録ヘッドにおいて、1aは共通液室であり、インク供
給源からのインク管が接続されるとともに、液路を介し
てインク吐出口1bに連通している。各液路には電気熱交
換素子等の吐出エネルギ発生素子が配置され、その通電
に応じて対応する吐出口よりインクが吐出される。
701はインク供給源をなすインクタンクであり、イン
ク路703および705を介して記録ヘッド1の共通液室1aに
接続される。707はインク路703の途中に設けたポンプ、
710はインク路705の途中に設けた弁である。
このようにインク系を構成することにより、ポンプ70
7の運転状態および弁710の開閉状態を適切に切換えれ
ば、以下の各モードにインク系を設定することができ
る。
プリントモード 記録に必要なインクをインクタンク701側からヘッド
1に供給する。なお、本実施例は、オンデマンド方式の
インクジェットプリンタに適用するので、記録に際して
インクに圧力をかけず、従ってポンプ56を駆動しない。
また、弁710を開とする。
このモードにおいては、ヘッド1からのインクの吐出
に応じ、インクはインク路705を介してヘッド1に供給
される。
循環モード インクを循環させることにより、装置の初期使用時に
各ヘッド等にインクを供給するとき、またはヘッドまた
は供給路内の気泡を除去し、同時にそれらの内部のイン
クをリフレッシュするときに用いるモードであり、イン
クジェットプリンタを長時間放置した場合等に設定す
る。
このモードでは、弁710は開放され、ポンプ56が運転
されるので、インクは、インクタンク701、インク路70
3、ヘッド1、およびインク路705を経てインクタンク70
1に還流する。
加圧モード ヘッド1の吐出口内方のインクが増粘した場合、ある
いは吐出口ないし液路に目詰まりが生じた場合等に、イ
ンクに圧力をかけ、吐出口1bからインクを押し出してそ
れらを除去するモードである。
このモードでは、弁710が閉であり、ポンプ707が運転
され、インクは、インクタンク701からインク路703を介
して記録ヘッド1に供給される。
(3)読取り系 読取りユニット14により読取られた画像信号は、像形
成部に送られ、後述のように記録ヘッドの駆動条件補正
に供されることになる。
本発明において、画像形成時に濃度むらが発生しない
ように調整することの意味は、記録ヘッドの複数の液吐
出口からの液滴による画像濃度を記録ヘッド自体で均一
化すること、または複数ヘッドごとの画像濃度を均一化
すること、または複数液混合による所望カラー色が所望
カラーに得られるようにするか或は所望濃度に得られる
ようにするかのために均一化を行うことの少なくとも1
つ含むものであり、好ましくはこれらの複数を満足する
ことが含まれる。
そのための濃度均一化補正手段としては、補正条件を
与える基準印字を自動的に読み取り自動的に補正条件が
決定されることが好ましく、微調整用、ユーザ調整用の
手動調整装置をこれに付加することを拒むものではな
い。
補正条件によって求められる補正目的は、最適印字条
件はもとより、許容範囲を含む所定範囲内へ調整するも
のや、所望画像に応じて変化する基準濃度でも良く、補
正の趣旨に含まれるものすべてが適用できるものであ
る。
例として、補正目的として平均濃度値へ各素子の印字
出力を収束させることとした記録素子数Nのマルチヘッ
ドの濃度むら補正の場合を説明する。
ある均一画像信号Sで各素子(1〜N)を駆動して印
字した時の濃度分布が第34図のようになっているとす
る。まず各記録素子に対応する部分の濃度OD1〜ODNを求
め、補正目的としての平均濃度 を求める。この平均濃度は、各素子ごとに限られず、反
射光量を積分して平均値を求める方法や周知の方法によ
って行われても良い。
画像信号の値とある素子あるいはある素子群の出力濃
度との関係が第35図のようであれば、この素子あるいは
この素子群に実際に与える信号は、信号Sを補正して目
的濃度▲▼をもたらす補正係数αを定めれば良い。
即ち、信号Sをα×S=(▲▼/ODn)×Sに補正
した補正信号のSを入力信号Sに応じてこの素子あるい
は群に与えれば良い。具体的には入力画像信号に対して
第36図のようなテーブル変換を施すことで実行される。
第36図において、直線Aは傾きが1.0の直線であり、入
力信号を全く変換しないで出力するテーブルであるが、
直線Bは、傾きがα=▲▼/ODnの直線であり入力
信号Sに対して出力信号をα・Sに変換するテーブルで
ある。従って、n番目の記録素子に対応する画像信号に
対して第36図の直線Bのような各テーブルごとの補正係
数αnを決定したテーブル変換を施してからヘッドを駆
動すれば、N個の記録素子で記録される部分の各濃度は
▲▼と等しくなる。このような処理を全記録素子に
対して行えば、濃度むらが補正され、均一な画像が得ら
れることになる。すなわち、どの記録素子に対応する画
像信号にどのようなテーブル変換を行えばよいかという
データをあらかじめ求めておけば、むらの補正が可能と
なるわけである。
この目的補正を各ノズル群(3本〜5本単位)の濃度
比較で行い近似的均一化処理としても良いことはいうま
でもない。
このような方法で濃度むらを補正することが可能であ
るが、装置の使用状態や環境変化によっては、または補
正前の濃度むら事態の変化や補正回路の経時的変化によ
ってその後濃度むらが発生することも予想されるので、
このような事態に対処するためには、入力信号の補正量
を変える必要がある。この原因としては、インクジェッ
ト記録ヘッドの場合には使用につれて、インク吐出口付
近にインク中からの析出物が付着したり、外部からの異
物が付着したりして濃度分布が変化することが考えられ
る。このことは、サーマルヘッドで、各ヒータの劣化や
変質が生じて、濃度分布が変化する場合があることから
も予測される。このような場合には、例えば製造時等の
初期に設定した入力補正量では濃度むら補正が十分に行
われなくなってくるため、使用につれて濃度むらが徐々
に目立ってくるという課題も長期使用においては解決す
べき課題となる。
なお、本例では読取りユニット14として記録媒体の幅
方向に延在するラインセンサを用いたが、当該方向に走
査されて読取りを行うセンサを用いたものでもよい。
第3図は、そのような読取りユニットおよびその走査
機構の構成例を示す。
読取りヘッド60の走査部分の下にはプラテンをなす平
坦な記録媒体案内部(第24A図において符号17に示した
部分)が置かれており、記録媒体2はこの案内部上に搬
送され、その位置で読取りヘッド60で記録媒体上に形成
された画像が読取られる構成になっている。なお第3図
に示した読取りヘッド60の位置が読取りヘッド60のホー
ムポジションである。このホームポジションは、記録媒
体搬送範囲から側方へ離れた位置にあることが望まし
い。これは、読取り各機器がインク蒸発により水滴付着
等の危険から逸れるためである。
第3図において、60は読取りヘッドであり、一対のガ
イドレール61,61′上をスライドして画像を読み取る。
読取りヘッド60は原稿照明用の光源62、及び原稿像をCC
D等の光電変換素子群に結像させるレンズ63等により構
成されている。64は可撓性の導線束で、光源62や光電変
換素子への電力供給ならびに光電変換素子よりの画像信
号等の伝達を行なう。
読取りヘッド60は記録媒体搬送方向に対して交差する
方向の主走査(G,H方向)用のワイヤ等の駆動力伝達部6
5に固定されている。主走査方向の駆動力伝達部65はプ
ーリ66,66′の間に張架されており、主走査用のパルス
モータ67の回転により移動する。パルスモータ67の矢印
I方向への回転により、読取りヘッド60は矢印G方向へ
移動しながら、主走査G方向に直交する画像の行情報を
光電変換素子群に対応するビット数で読取る。
画像の所定幅だけ読取りが行なわれたのち、主走査パ
ルスモータ67は矢印Iとは逆方向に回転する。これによ
り読取りヘッド60はH方向へ移動して初期位置に復帰す
る。なお、68,68′は支持部材である。
濃度むら読取りのために1回の主走査のみを行う場合
には以上で読取り動作が完了するが、複数色のそれぞれ
について濃度むらを読取る場合や、または1色について
複数回の読取りを行って平均値をとるような場合には、
ある色についての、または1回の主走査Gが終わった
後、搬送ベルト40もしくは排出ローラ42により記録媒体
2がE方向に搬送されて所定距離(各色パターン間のピ
ッチ分または1回の主走査G方向時の読取り画像幅と同
一の距離d)移動し、停止する。ここで再び主走査Gが
開始される。そして、この主走査G、主走査方向の戻り
H、および記録媒体の移動(副走査)の繰返しにより各
色パターンの濃度むらまたは1色について複数回の濃度
むらを読取ることができる。なお、この過程で記録媒体
2の搬送を行うかわりに、読取りユニットについて副走
査を行うようにしてもよい。
ところで、読取りユニットとテストパターンを記録し
た記録媒体との間隔は読み取り精度によって異なるが一
定に保たれることが望ましい。そこでその間隔を保持す
るべく、第4図ないし第6図のような構成を採用でき
る。
第4図はその一例を模式的に示すもので、読取りユニ
ット14(第3図のような構成を用いる場合にはさらにそ
の走査機構)が収納される筐体76に、記録媒体2に係合
する押えころ78a,78bを設けたものである。これらのこ
ろ78a,78bは、記録媒体搬送方向に回転するものである
ため、記録媒体の搬送に支障が生じない。これにより、
記録媒体2の浮上りが防止されるとともに筐体76は記録
媒体2の厚みに応じて変位し、上記間隔が一定に保たれ
ることになる。
なお、第4図において74は光源62の出射光を平行光と
するためのレンズである。73はラインセンサであり、光
電変換素子群を第2A図の例では図面に直交する方向に記
録素子と同範囲にわたって配列したもの、第3図の例で
は同図中d方向に配列したものである。63は反射光を収
束するためのレンズ、77は適宜の寸法の口径の開口を有
した絞り部材である。なお、読取りユニットはレンズ63
を有さないものでもよい。
なお、第3図の構成を採用する場合において、レン
ズ,センサ,光源等を含む読取りユニット自体が走査機
構15に対して第3図における上下方向に変位可能であれ
ば、読取りユニット自体に押え部材としてのころを設け
てもよい。この場合にはそのころをキャスタ構造とすれ
ば、記録媒体の搬送および読取りユニットの移動を円滑
に行うことができる。また、記録媒体を移動させながら
読み取る構成とする場合には、走査方向を斜め方向とす
ることでころの負荷を減少して読み取りを行うこともで
きる。
第5図は第3図のように読取りユニット自体を走査さ
せて読取りを行う構成に適用して好適で、読取りユニッ
トと記録媒体との間隔を一定に保持するための他の構成
例を示し、本例では筐体下部に透明なプラスチック等で
なる押え部材80を設けてある。
本例において、読取りユニットおよび走査機構を収容
した筐体76を最初プラテン17から10mmほど離隔させてお
き、テストパターンが記録された記録媒体2が読取りユ
ニットの下に来たときに筐体を下降させ、透明プラスチ
ック80で記録媒体2を押さえる。そして、上記読取りヘ
ッド60を走査することにより、その過程で濃度むらを検
知する。ただし、この場合は、画像が定着完了している
ことが好ましい。
このような構成によっても、紙浮きが防止され、正確
な読取りを行うことができる。また、筐体下部を覆う透
明プラスチック80により、光源62およびセンサ73等の汚
れを防止できる効果もある。
第6図は、第3図の構成に適用して好適で、読取りユ
ニットと記録媒体との間隔を保持するためのさらに他の
構成例を示す。第6図において、筐体76は上下方向に関
して固定されているが、透明プラスチック等で形成した
円筒状のローラ81を軸82を中心に回動可能としている。
記録媒体2は透明ローラ81におさえられ、紙浮きが防止
された状態で透明ローラ81の内側から濃度むらを読取る
ことができる。本例によっても、正確な濃度むらの検知
を行うことができる。
なお、透明プラスチック80または透明ローラ81によっ
て押さえられた状態でも記録媒体2の搬送が可能であれ
ば、第2A図の読取りユニットに対しても第5図または第
6図の構成は適用できるものである。
上記実施例以外に、装置本体が上流側,下流側それぞ
れに記録媒体挟持手段を有しており、上,下流の挟持手
段の間の記録媒体を読み取るように構成したものでも上
記高精度読取りが可能である。
ところで、シアン(C),マゼンタ(M)およびイエ
ロー(Y)の3色、またはこれにブラック(Bk)を加え
た4色のヘッドでカラー画像記録を行う場合に、むら補
正データの書換えを行うためには、それぞれのヘッドで
補正用のテストパターンを記録し、そのむらをそれぞれ
読取り、それぞれのヘッドに対するむら補正のデータの
書換えを行うのが強く望ましい。
その際C,M,Y,特にYのむら読取りに際しては、白色光
をYのテストパターンに照射し、その反射光をフィルタ
なしで受光した場合にはセンサ73の受光光量は第7A図中
の曲線Aに示すようにダイナミックレンジがせまく、む
ら(光学濃度の差は小さく0.02〜0.15の程度)を正確に
読み取ることが難しい。そこで第7B図のようなBL(ブル
ー)フィルタを通した光を用いると、第7A図中の曲線B
に示したように、全体に受光光量は小さくなるがダイナ
ミックレンジが広がり、むらの読取精度が上がることに
なる。C,MについてもそれぞれR(レッド)、G(グリ
ーン)フィルタを用いれば、同様である。
第8図はそのような色フィルタを切換るための構成例
を示し、第3図のように読取りユニット自体を走査させ
る形態に適用されるものである。ここで、79は色フィル
タ切替え部であり、軸79Aを中心に回動して、センサ73
への光路上にRフィルタ77R、Gフィルタ77G、BLフィル
タ77BLまたはBK用の開口(フィルタなし)77BKを、各色
のテストパターン読取時に、適宜選択的に位置づけ可能
である。
かくすることによって、単一のむら読取センサ73およ
び光源62で各色のむら補正を正確に行うことが可能とな
る。
なお、フィルタの配置位置は、光源62からセンサ73ま
での光路L上であればどこであってもよい。また、各フ
ィルタおよびその切換え部を適切に構成すれば、第2A図
について述べた読取りユニットに対しても本例を適用で
きるのは勿論である。さらに、フィルタを通した分だけ
低下する受光光量を補正するために、ランプ光源の発光
光量を低下分だけ大とすれば、上記ダイナミックレンジ
を第7C図に示したように広げることができる。また、後
述のように、色に応じて適切な定数の乗算あるいは信号
の増幅を行うようにしてもよい。
さらに、以上のような色フィルタの切換えを行う代り
に、光源切換えを行うようにすることもできる。
第9図はその構成例を示すもので、それぞれR,G,BLお
よび白色の分光特性を持った4つの光源62R,62G,62BLお
よび62Wを上例と同様に切換え得るような構成としたも
のである。これによっても上記と同様の効果が得られ
る。なお、各光源およびその切替え部を適切に構成すれ
ば、第2A図について述べた読取りユニットに対しても本
例を適用できるのは勿論である。
ところで、上述した記録媒体2の浮上りを防止するた
めの機構と、色に応じてダイナミックレンジを拡張する
ための構成とを一体化することもできる。
第10図はそのための構成例を示す。ここで、85は周方
向に4分割した押え用の透明ローラであり、そのうち85
Aは無色透明の部分、85Rはレッドのフィルタをなす部
分、85Gはグリーンのフィルタをなす部分、85BLはブル
ーのフィルタをなす部分である。記録媒体2上の84BKは
ブラック用ヘッド1BKによるテストパターン、84Cはシア
ン用ヘッド1Cによるテストパターン、84Mはマゼンタ用
ヘッド1Mによるテストパターン、84Yはイエロー用ヘッ
ド1Yによるテストパターンである。
透明ローラ85の内側に進入可能な読取りユニット14
は、支持棒15′によって支持され、支持棒15′は矢印方
向に移動可能になっている。
ブラックヘッド1BKによってテストパターン84BKのむ
らを読取るときは、ローラ85を回転させ、85Aの部分で
記録媒体を押えた状態でユニット14を進入させ移動させ
る。同様に、シアンヘッド1Cのテストパターン84Cを読
取るときは、85Rの位置で、マゼンタヘッド1Mのテスト
パターン84Mに対しては85Gの位置で、イエローヘッド1Y
のテストパターン84Yに対しては85BLの位置で記録媒体
を押えるように設定する。
このように本例によれば、フィルタ通して各色ヘッド
の濃度むらを精度高く読取ることができるとともに、紙
浮きを防止できるため、正確な読取りが可能となる。本
例の場合にも、色フィルタ兼押え部材およびその切替え
手段を適切に構成すれば、第2A図について述べた読取り
ユニットに対して適用できるのは勿論である。
次に、第3図示の構成における読取ヘッドの走査につ
いて説明する。
前述したように、テストパターンの記録された記録媒
体は、その搬送方向に対して記録ヘッドより下流側で記
録媒体2の被記録面側に配置された読取りユニット14の
部位まで搬送される。その後、第3図におけるパルスモ
ータ67が駆動され、パルスモータに連結されたワイヤ或
いはタイミングベルト等の駆動力伝達部65に固定された
読取りユニット14すなわち読取ヘッド60が第3図におけ
るG方向へと主走査されながら、読取りセンサ73により
記録媒体2上に記録されたテストパターンを読取るよう
にしている。
ここで本実施例においては、後述の制御回路によりパ
ルスモータ67を駆動して読取りユニット14を搬送する際
に、パルスモータ67の駆動をこの読取りユニット搬送系
の共振周波数と異なる周波数で行なうようにしている。
つまり、パルスモータ67を駆動して読取りユニット搬
送系を搬送すると、第11図に示したように共振周波数f
ω,fω,fω…で読取りユニット搬送系の振動が非
常に大きくなる。従って、このような系の振動の大きい
共振周波数で読取りユニット14を搬送すると、第12A図
に示したように、記録媒体2上に記録されたテストパタ
ーン記録濃度がたとえ均一な場合であっても、第12B図
に示したように読取りユニット14の搬送速度Vωが変化
してしまう場合もある。このような場合、結果的に読取
りユニット14からの読取り出力は第12C図のkωのよう
にピッチむらを持った出力特性になってしまい、記録媒
体2上に記録されたテストパターンの記録濃度を正しく
読取ることができなくなってしまう。
そこで、本実施例においては、このような場合にも対
応できるように読取りユニット14を読取りユニット搬送
系の共振周波数以外の周波数f1で駆動し、一定の読取り
速度vでテストパターンを読取ることにより、テストパ
ターンの記録濃度を搬送系の振動の影響を受けないで正
確に読取ることができるようになる。
(4)制御系の構成 次に、第2A図に係る本例装置の制御系について説明す
る。
第13図はその制御系の一構成例を示す。ここで、Hは
本例装置に対して記録に係る画像データや各種指令を供
給するホスト装置であり、コンピュータ,イメージリー
ダその他の形態を有する。1は本例装置の主制御部をな
すCPUであり、マイクロコンピュータの形態を有し、後
述する処理手順等に従って各部を制御する。102はその
処理手順に対応したプログラムその他の固定データを格
納したROM、104は画像データの一時保存領域や各種制御
の過程で作業用に用いられる領域を有するRAMである。
106はホスト装置とのオンラインスイッチや、記録開
始の指令入力,濃度むら補正のためのテストパターン記
録等の指令入力,さらには記録媒体の種類の情報入力等
を与えるための指示入力部である。108は記録媒体の有
無や搬送状態、インク残量の有無、その他の動作状態を
検知するセンサ類である。110は表示部であり、装置の
動作状態や設定状態、異常発生の有無を報知するのに用
いられる。111は記録に係る画像データに対し、対数変
換,マスキング,UCR,色バランス調整を行うための画像
処理部である。
112は記録ヘッド1(上記ヘッド1Y,1M,1Cおよび1BKを
総括して示す)のインク吐出エネルギ発生素子を駆動す
るためのヘッドドライバである。113は記録ヘッド1の
温度調整を行うための温度調整部であり、具体的には、
例えばヘッド1に対して配設された加熱用ヒータおよび
冷却用ファンを含むものとすることができる。115は読
取りセンサに至る光路上に位置づけられてY,M,C,Bkに対
する読取りを行うのに供される色フィルタ、114はその
色フィルタ切換え駆動部、116は記録媒体搬送系を駆動
する各部モータの駆動部である。
第14図は以上の構成のうち特に濃度むらを補正する系
を詳細に示すものである。ここで、121C,121M,121Yおよ
び121BKは画像処理部111にて処理されたそれぞれシア
ン、マゼンタ、イエローおよびブラックの画像信号であ
る。122C,122M,122Yおよび122BKはそれぞれ各色用のむ
ら補正テーブルであり、ROM102のエリアに設けておくこ
とができる。123C,123M,123Yおよび123BKは当該補正後
の画像信号である。130C〜130BKは各色用の階調補正テ
ーブル、131C〜131BKはディザ法,誤差拡散法等を用い
た2値化回路であり、当該2値化信号がドライバ112
(第14図中に図示せず)を介して各色ヘッド1C〜1BKに
供給される。
126C,126M,126Yおよび126BKは、第8図に示した各色
フィルタおよび開口を介して読取りユニット14で読取ら
れた各色信号であり、A/D変換器127に入力される。119
はそのディジタル出力信号を一時記憶するRAM領域であ
り、RAM104のエリアを用いることができる。128C,128M,
128Yおよび128BKは当該記憶された信号に基づいてCPU10
1が演算した補正データである。129C〜129BKは各色用の
むら補正RAMであり、RAM104の領域を用いることができ
る。そして、その出力である各色用のむら補正信号130C
〜130BKは、それぞれ、むら補正テーブル122C〜122BKに
供給され、画像信号121C〜121BKはヘッド1C〜1BKのむら
を補正するように変換される。
第15図はむら補正テーブルの一例を示し、本例ではY
=0.70XからY=1.30Xまでの傾きが0.01ずつ異なる補正
直線を61本有しており、むら補正信号130C〜130BKに応
じて、補正直線を切換える。例えばドット径が大きい吐
出口で記録する画素の信号が入力したときには、傾きの
小さい補正直線を選択し、逆にドット径の小さい吐出口
のときには傾きの大きい補正直線を選択することにより
画像信号を補正する。
むらが補正RAM129C〜129BKはそれぞれのヘッドのむら
を補正するのに必要な補正直線の選択信号を記憶してい
る。すなわち、0〜60の61種類の値を持つむら補正信号
を吐出口数分記憶しており、入力する画像信号と同期し
てむら補正信号130C〜130BKを出力する。そして、むら
補正信号によって選択されたγ直線によりむらが補正さ
れた信号123C〜123BKは、階調補正テーブル130C〜130BK
に入力され、ここで各ヘッドの階調特性が補正されて出
力される。信号はその後2値化回路131C〜131BKにより
2値化され、ヘッドドライバを介してヘッド1C〜1BKを
駆動することにより、カラー画像が形成される。
(5)むら補正のシーケンス 以上の構成の下、本例では次に述べるような処理を行
ってむら補正をより正確に行い得るようにする。
むら補正処理を行うことにより、ヘッドの濃度の濃い
部分の吐出口に対応した吐出エネルギ発生素子は駆動エ
ネルギ(例えば駆動デューティ)を下げ、逆にうすい部
分の吐出口に対応した吐出エネルギ発生素子は駆動エネ
ルギを上げる。その結果記録ヘッド濃度むらが補正され
均一な画像が得られることになるが、使用につれてヘッ
ドの濃度むらパターンが変化した場合には、用いられて
いたむら補正信号が不適当になり、画像上にむらが発生
する。このようなときには、指示入力部106に配設した
むら補正信号書換えモード指示スイッチを操作してむら
補正データの書換えを行うよう指示することにより、次
の手順が起動される。
第16図は本例に係るむら補正処理手順の一例を示す。
本手順が起動されると、まずステップS1にて記録媒体
の種類の入力を受付ける。これにあたっては、例えば液
晶パネル等の表示部110上に、「現在使用している記録
紙の種類を入力して下さい」という表示を行う。これを
見て、操作者は、指示入力部106に配設したスイッチ等
により、現在使用している記録媒体の種類を指定する。
ステップS3ではこの記録媒体の種類に関する情報を記憶
する。
なお、本実施例では、むら補正データ書換モードに入
るたびに記録媒体の種類をあらためて入力し、その結果
で、むら補正データの書換を行うかどうかを判断した。
しかし、使用している記録媒体の種類の情報は、通常、
記録時にすでに指定されている場合が多い。たとえば、
記録媒体の種類によって記録出力の色味が異なる場合が
多いため、使用する記録媒体の種類によってマスキング
係数等の画像処理を変更するものが知られている。
そこで、本実施例の変形例においては、通常記録時に
使用している記録媒体の種類を入力し、これに応じた最
適な画像処理を行い、むら補正データ書換モードに入っ
たときは、あらかじめ入力されている記録媒体の種類に
応じたむら補正のための平均化領域設定が行われるよう
にする。このため、あらためて記録媒体の種類を入力す
る必要がないという効果がある。
また、本実施例で記録媒体の指定は、スイッチを押下
して指定する必要があったが、本実施例のさらに他の変
形例ではそれを不用とする。
第17図はその例に使用する記録媒体2′を示す。ここ
で、20は記録されたむら補正用パターン、25は記録媒体
識別マークであり、記録媒体の先端余白,左端余白等の
適宜野部位(図では先端余白)にその種類に応じた濃度
の識別マークが設けられている。そして、濃度むら読取
りの際、むら補正用パターンの読取りに先立ってその濃
度を濃度むら読取りユニット14で読取るようにすればよ
い。
こうすることによって、記録媒体の種類を入力する手
間を省くことができる。
本実施例のさらに他の変形例では、識別マークを用い
ずに同様の効果を得るようにする。そのために、濃度む
ら読取りユニット14とは別に記録媒体の種類検知用のセ
ンサユニットを設けることができる。そして、ランプに
は紫外線ランプを、センサには紫外線域に感度を持つも
のを用いる。そして、記録媒体の余白そのものの反射光
量から記録媒体の種類を判別する。一般にインクジェッ
ト記録用のコート紙には、より白く見せるために蛍光剤
が添加されているものが多い。このため、ランプに紫外
線ランプを用いれば、その反射光から記録媒体の種類を
判別することができる。すなわち、反射光量が大である
ときにはコート層の厚い紙であることが、中程度のとき
にはコート層のうすい紙であることが、ほとんどないと
きにはOHPフィルムであることが判断できる。これによ
り、特に記録媒体の種類を操作者が入力したり、識別マ
ークを設けなくても、上記と同様な効果を得ることがで
きる。
再び第16図を参照するに、記録媒体がむら補正処理に
適合する場合にはステップS7に進んで温度調整を行う。
これは次のような理由によるものである。
インクジェット記録装置においては、通常画像濃度の
変動抑制、吐出安定化等のために、記録ヘッドを所定の
温度範囲(例えば第1の温度調整基準たる40℃程度)に
保つことが行われる。従って例えば本手順が起動されて
テストパターンを記録する場合、第18図のa領域に示す
ように、記録ヘッド温度が第1の温度調整基準である40
℃における状態で記録が行われることになる。一方、実
際に連続して画像を記録する場合、第18図のb領域に示
すようにヘッドが昇温して行き、第2の温度調整基準で
ある最高50℃における状態で記録が行われることもあ
る。
ところで、実験の結果より、第19A図に示すように、
記録ヘッドの温度に応じ、濃度(OD値)のむらの大きさ
も変化していくことがわかっている。従って、この場
合、第19B図に示すように、40℃に対するむら補正を行
った場合には、ヘッド温度が40℃における画像について
はむらのない均一なものを得ることができるが、50℃に
おける画像は依然むらの残ったものとなるおそれがあ
る。
そこで、本例装置では、通常の記録時あるいは記録待
機時においては記録ヘッド1の温度に応じて温度調整部
113(ヒータおよびファン)を適宜オン/オフし、第18
図に示すように所定の温度範囲(40℃程度)に記録ヘッ
ドの温度を保つ。これに対し、濃度むら補正処理におい
ては、設定温度を45℃に上げ、すなわち通常記録時のた
めの温度調整基準に対してテストパターン印字時には温
度調整基準を高めるようにし、ヒータおよびファンを適
切にオン/オフすることで、ほぼ45℃近辺にヘッド温度
を上昇させた後、濃度むらチェック用のテストパターン
を記録し、これに基づいて濃度むら補正を行うようにす
る。これらのように、温度調整による記録ヘッドの記録
動作の安定化を行い、すなわち例えばヘッド温度が45℃
としてテストパターンを形成し、これに基づいて濃度む
ら補正を行うことで、第19C図に示すように、温度制御
範囲全域にわたり、ほぼ均一な濃度むら補正を行うこと
ができるようになる。
なお、本例において、ヘッド温度が本例における第1
温度調整基準である40℃のときと、記録時の最高昇温温
度(第2温度調整基準)である50℃のときとでそれぞれ
テストパターン印字し、これらの2種のテストパターン
の濃度むらを検知し、その濃度むら(第1および第2の
濃度データ)を平均した値を基に補正を行うようにして
もよい。
また、濃度むら補正を行う上で、その全体の所要時間
を短縮するために、ヘッド温度を例えば40℃から45℃ま
であげるべく、温度調整用ヒータの他に記録素子(電気
熱変換素子)にインクが吐出しない程度の電気パルスを
与え、ヘッド温度の立ち上げ時間を短縮化して濃度むら
補正を行うまでの所用時間を短縮化することもできる。
なお、以下に述べるような濃度むら補正用テストパタ
ーンを記録し、補正を行った後に通常記録状態にヘッド
温度を下げる(45℃→40℃)ためには、ファンを駆動す
ると共に、前述のインク循環を行うようにすれば、記録
可能な状態になるまでの時間を短縮化することができ
る。
さらに、テストパターン記録時の調整温度は、通常記
録時の温度調整範囲との関連で適切に定め得るのは勿論
である。
再び第16図を参照するに、本例ではステップS9におい
て吐出安定動作を実行する。これは、インクの増粘,塵
埃や気泡の混入等により記録ヘッドが正常な吐出特性を
持たない状態となっていた場合においてそのまま濃度む
ら補正処理を行うと、忠実なヘッドの特性(濃度むら)
を認識することができなくなるおそれがあるからであ
る。
吐出安定化処理に際しては、記録ヘッド1C〜1BKとキ
ャップユニット9とを対向させ、前述の加圧モードに設
定してインクを吐出口より強制排出させるようにするこ
とができる。また、キャップユニットに配設可能なイン
ク吸収体の吐出口形成面への当接、またはエアー吹付け
やワイピング等によって吐出口形成面を清掃するように
することもできる。また記録ヘッドを通常記録時と同様
に駆動して予備吐出を行わせるようにすることもでき
る。但し予備吐出時の駆動エネルギは記録時と必ずしも
同一でなくてもよい。すなわち、インクジェット記録装
置において行われる所謂吐出回復動作と同様の処理を行
えばよい。
なお、以上のような処理に代えて、もしくはその後
に、吐出安定化のためのパターンを記録媒体上に記録す
ることもできる。そして、その後に濃度むら補正のため
のテストパターン等を記録するようにすればよい。
第20図はそれらパターンの記録例を示すもので、図中
が吐出安定化のためのパターン、が不吐出の有無を
検査するための検査画像パターン(図では記録媒体を搬
送しつつ端部の吐出口より順次に駆動を行うことにより
形成されるパターンとした)、が濃度むらを検出する
ためのテストパターンである。ここで用いた吐出安定化
のためのパターンは全記録ヘッドのすべての吐出口を駆
動して行う記録比率100%デューティのものとした。こ
の吐出安定パターンを記録することによって、ヘッドの
温度が安定する他、インクの供給系も定常な状態とな
り、正常に記録を行なう条件が整い、実際に記録すると
きの状態にて吐出不良の有無や濃度むらを正確に把握す
ることができるようになる。
ところで、本例のように記録ヘッド1がフルマルチ型
のものであり、かつ記録可能幅を画像記録幅より若干大
きいものとしてレジスト調整に備えた装置においては、
テストパターン記録時の記録幅は通常の画像記録幅より
大きくするのが好適である。例えば、最大の記録紙サイ
ズがA3版であり、通常の画像記録幅がA3版の短辺もしく
はA4版の長片の長さである297mmに対して左右の余白を
考慮した約293mmであり、さらに記録ヘッドの記録可能
な幅は295mmである場合を考える。これは、使用する吐
出口の範囲を電気的に調節し、機械的な各ヘッド間およ
び記録媒体との間の相対的位置関係の誤差を補正するた
めのものである。従ってこの場合、吐出口配列範囲であ
る295mmの幅にわたった検査が強く望ましく、295mmの長
さのテストパターン記録を行なうようにする。
第21図はかかる動作を行うための回路の構成例であ
り、141は記録ヘッドの使用吐出口範囲を選択するため
のセレクタ、143および145は、それぞれ記録すべき画像
データおよびテストパターンを格納するメモリ、145は
実際の記録動作時における使用吐出口範囲をセレクタ14
1に選択させるために用いられるカウンタである。
以上のような吐出安定化処理が終了すると、ステップ
S11にて記録ヘッド1C〜1BKにより所定のテストパターン
を記録し、これより濃度むらを読取ることになる。本例
におけるテストパターンの記録ないし濃度むら読取り時
の動作を第22図のタイミングチャートを用いて説明す
る。
第22図は本実施例装置の動作を示したタイミングチャ
ートであり、図中のタイミングaで濃度むら補正処理手
順が起動され、上述の処理を経た後にタイミングbで記
録媒体2が画像記録領域に搬送された後、タイミングc
で主走査モータが駆動され、タイミングd,e,f,gでシア
ン,マゼンタ,イエロー,ブラックの各記録ヘッド1C,1
M,1Y,1BKのドライバが駆動されて記録媒体2上へテスト
パターンが記録される。このテストパターンは、濃度む
ら読取りに供されるもので、このときはむら補正テーブ
ルをすべて傾き1.0の直線とし、むら補正を全く行わな
い状態とする。そしてそのパターンとしては、均一のハ
ーフトーンでよく、印字比率は30〜75%程度のものでよ
い。
ところで、このようにして記録媒体2上へ各記録ヘッ
ドによりテストパターンを記録する場合、記録媒体の種
類によっては各記録ヘッドから記録されたインクが瞬時
に吸収されず、記録媒体2上に記録されたテストパター
ンの濃度むらの状態がすぐに安定しない場合がある。
そこで本実施例においては、各記録ヘッドにより記録
されたテストパターンの濃度むらの状態が安定な状態に
落ちつくまで、濃度むら読取りユニット14でのテストパ
ターンの濃度むらの読取りを行なわないようにするため
に、記録ヘッドによるテストパターンの記録終了後、所
定の時間tの間、記録用紙の搬送をせずに停止させてお
く(第16図のステップS13)。そして、テストパターン
の濃度むらの状態が安定してから、タイミングiで記録
媒体搬送を再開してCのパターンが読取り装置に至った
とき(タイミングj)に読取りセンサ17を駆動して、読
取りユニット14によるC色のテストパターンの濃度むら
の読取りを行なうようにしている。それ以降は同様にし
てタイミングk,l,mにてM,Y,BKの各色の濃度むらの読取
りを行う。
本発明者らの実験によれば、400dpiの解像力の記録ヘ
ッドでインクジェット記録用コート紙に印字比率50%で
テストパターンを記録したところ、上述した記録用紙停
止時間は約3〜10秒程度で十分であった。
第23図は本例装置の他の動作例を示したタイミングチ
ャートである。この動作例においては、記録媒体2を被
記録位置に関して搬送する際の搬送スピードv1に対し
て、記録ヘッドによるテストパターン記録が終了し(時
点g′)、濃度むら読取りユニット14まで記録媒体を搬
送する際の紙搬送スピードv2を減速させてv1>v2となる
ようにしたものであり、これによっても第22図と同様の
効果が得られる。
以上のような定着安定化の後に第16図のステップS15
においてむら読取り処理が行われることになる。すなわ
ち、各色毎に記録されたテストパターンからそれぞれの
むらを読取り、各ヘッドに対するむら補正データの書換
えが行われることになる。
しかし、本例の場合、むら読取りセンサ73は単一のも
のであるが、一般にセンサの読取出力は、色によって変
化する。たとえば、一般によく用いられるような、分光
感度が視感度に近いセンサを用いる場合、読取られる出
力濃度はBKが最も大きくC,M,Yの順に小さくなる。例え
ば、BK:C:M:Yの出力比が1:0.8:0.75:0.25の如くであ
る。
濃度むら補正量が、ヘッド内平均濃度と注目する吐出
口の濃度との比から求められる場合にはこの出力の違い
は問題にならない。たとえば、Cに対する出力が、BKに
対する出力のK1倍になるとする。ヘッド1BK内の平均濃
度が▲▼、注目吐出口の濃度がODBKn、ヘッド1
C内平均濃度が▲▼、ヘッド1Cの注目吐出口の濃
度がODCnであったとする。ヘッド1BKの注目吐出口のむ
らと、ヘッド1Cのそれとが同じだったとすると、センサ
出力は▲▼=K1×▲▼,DCn=K1×ODBKn
である。このときCの補正値は となりBKと一致する。このため、各色間の出力差は問題
にならない。
しかし、濃度むら補正量を注目吐出口の濃度の絶対値
や、平均濃度と注目吐出口濃度との差から求める場合に
は、各色間のセンサ出力の違いが問題になる。
たとえば、平均濃度と注目吐出口濃度との差から補正
値を求める場合、 となり、この値は、Cの方がBKのK1倍となる。この値を
もとに、注目吐出口用の補正データを求めるわけである
が、ヘッドの濃度むらは等しいにもかかわらず、最終的
な補正量は、BKとCとで異なってしまうという問題が発
生する。
そこで、本実施例では、あらかじめ各色間のセンサ出
力の比を求めておき、むら読取り処理に際してCPU101に
よりセンサ出力にこの比の逆数を乗じ、それに基づいて
むら補正を行うようにしてこの問題を解決する。
たとえば、BK,C,M,Yの出力比が1:K1:K2:K3となると
き、BKを読んだときの出力には“1"を乗じ、Cのときは
1/K1を乗じ、Mのときは1/K2を乗じ、Yのときは1/K3
乗じる。
こうすれば、たとえば前述の例において、 となり、各色間のセンサ出力比に影響されず、最適な補
正を施すことができる。
なお、そのようなセンサ出力の補正をCPU101による演
算にて行うのではなく、その前段部分で行うこともでき
る。
これは、例えばA/D変換器127を8bitで構成した場合、
各色の出力値をダイナミックレンジの8bit幅の中でディ
ジタルデータへと変換しなければならなくなるために、
各色の読取りデータの分解能が低下してしまうことに対
して有効である。
すなわち、例えば第24図に示すように、各色の読取り
信号を増幅する増幅器135C,135M,135Y,135BKを設け、第
25A図のような各色の読取り信号のセンサ出力値を、第2
5B図に示すようにほぼ等しくなるように合せることによ
り、読取り信号をA/D変換する際の読取り信号幅を全体
として狭く設定することができるようになる。従って、
8bit中での読取りデータの分解能を高くすることがで
き、読取り精度をさらに向上させることができるように
なる。
読取りユニット14で読取られたデータは、RAM119に一
旦記憶される。このとき、記憶するデータは、記録媒体
搬送方向E(第37A図で言えば(x方向)に例えば100ド
ット、読取りセンサの読取り素子配列方向(第37A図の
y方向)には画素数(=各記録ヘッドの吐出口数)と同
じNであり、合計100×N個のデータを記憶しておく。
このデータのうち記録媒体に応じた平均化領域のデータ
平均値を、その領域の中心記録素子のデータとする。例
えば、コート層の厚い通常の記録媒体を用いるときに
は、第26図に示すように、5×50ドット分の250ドット
の平均値を、注目画素のデータとして用いる。なお、端
部付近にある画素に対しては、適当範囲のドットの平均
値とすればよい。
なお、以上の平均化領域の大きさはあくまでも例示で
あって、適宜の値を設定できるのは勿論である。実際に
は、精度向上の観点から着目吐出口の周辺の数ドット以
内であるのが好ましい。また、読取りセンサの解像度の
方を記録ヘッドの解像度より高くするのが好ましい。
以上に基づいて、第16図のステップS17にてむら補正
が行われる。すなわち、濃度むらを読取った信号から、
吐出口数分の信号をサンプリングし、これらを各吐出口
に対応するデータとする。これらをR1,R2,…RN(Nは
吐出口数)とすると、これらをRAM119に一旦記憶させた
後、CPU101で次のような演算を行う。
これらのデータは Cn=−log(Rn/Ro) (RoはRo≧Rnとなる定数;1≦n≦N) となる演算を施して濃度信号に変換される。
次に、平均濃度 を演算で求める。
続いて、各吐出口に対応する濃度が、平均濃度に対し
てどの程度ずれているかを次のようにして演算する。
△Cn=/Cn 次に、(△C)に応じた信号補正量(△S)を △Sn=A×△Cn で求める。
ここで、Aは、ヘッドの階調特性によって決定される
係数である。
続いて、△Snに応じて選択すべき補正直線の選択信号
を求め、“0"〜“60"の61種類の値を持つむら補正信号
を吐出口数分むら補正RAM129C〜129BKに記憶させる。こ
のようにして作成したむら補正データによって各吐出口
ごとに異なるγ直線を選択し、濃度むらを補正し、むら
補正データを書換える。
ところで、記録媒体が通常の記録紙でなく、コート層
のうすい記録紙であり、これに対応する記録媒体情報が
提示されているときには、平均化領域を広げ、第26図に
示すように、例えば9×80=720ドットとし、この平均
値を注目画素のデータとする。こうして求めたデータに
対し、上述と同様の演算を行い、データの書換えを行
う。こうすることによって読取りの際のノイズが低減さ
れ、紙の吸収能力不足によるまだら模様があっても適切
なむら補正データを作成することができる。
また、OHPフィルムに対応する記録媒体情報が提示さ
れているときには、第26図に示すように、例えば平均化
領域を13×100=1300ドットとし、この平均値を注目画
素データとする。これにより、ドットのざらつきがあっ
てもそのノイズは低減され、適切なむら補正データを作
成することができる。
以上のように、記録媒体入射応じて平均化領域の大き
さを変えることにより、記録媒体がかわっても常に安定
した読取りを行い、適切なむら補正データを作成するこ
とができる。
そして、第16図の判定ステップS19を経て、この補正
データにより再びテストパターンを各記録ヘッドにより
記録し、この各記録ヘッドのテストパターンを再び濃度
むら読取りユニット14により読取り、濃度むら補正デー
タを算出させ、以下この動作を数回繰り返した後、濃度
むら補正動作を終了させるようにしている。
このように1枚の記録媒体に対し1回の処理において
自動的に複数回以上各記録ヘッドのテストパターン記録
と濃度むら読取りユニット14による読取りおよび濃度む
ら補正データの算出を繰り返し行なえるようにしたこと
により例えば1回の濃度むら補正動作によっても十分に
濃度むらが補正されないような記録ヘッドに対しても各
記録ヘッドの濃度むら補正精度を向上させ、全体として
の補正時間も短縮化することができるようになる。
上述した本発明実施例において、少なくともテストパ
ターン等の濃度検査用印字を行う際には複数ドットで1
画素を構成するものである場合には、印字デューティす
なわち印字の設定は構成ドット数内の記録ヘッド数の変
調によって行うことができる。この場合の印字デューテ
ィは100%ではなく、好ましくは75%以下25%以上が良
く、最適には印字デューティ50%でテストパターンを形
成することが好ましい。これは、光学的に反射濃度を得
る方式に最適であり、微小な濃度変化も記録ヘッドの印
字特性に適したものとして得られるからである。
しかし上記印字比率は駆動電圧および/または駆動パ
ルス幅の変調、あるいは1ドットあたりのインク打込み
数の変調を行うことにより設定することもでき、これら
は1画素を1ドットで構成する場合にも対応できるもの
である。すなわち、印字比率がどのようなものの変調を
行うことによって設定されるものであっても、本発明を
適用できるのは勿論である。
また、本発明上記実施例では得られた補正処理を各吐
出エネルギ発生素子ごとに行うものとしている最適実施
例であるが、実用上は濃度均一化処理の収束状態や処理
時間を考慮すると、所定の隣接複数吐出エネルギ発生素
子に共通の補正を与えるように処理を施す補正が良い。
この観点からの最適構成は、記録ヘッドの多数吐出エネ
ルギ発生素子が複数素子をまとめたブロック駆動グルー
プごとに共通の補正を与えるように構成することが良
い。このブロック駆動自体は周知または公知のものや特
有のブロック駆動方式のいずれでも良いが、本発明の濃
度むらを判定した上での補正された均一化濃度を実施し
得る駆動条件が与えられることが前提であることは言う
までもないことである。
さらに、テストパターンに係るデータは第14図の構成
に対するホスト装置より与えられるものでもよく、第14
図示の構成もしくは記録ヘッド1に一体に組合されたテ
ストパターンデータ発生手段によって与えられるように
してもよい。
また、平均するデータは必ずしも濃度データのもので
ある必要はなく、対数変換前の光量データであってもよ
く、さらにその他別の変換を行ったデータであってもよ
い。これは記録媒体の特性や読取りヘッドの特性に応じ
て定めてもよい。
また、平均化領域の大きさは、記録媒体の種類のみな
らず、これに代えて、もしくはこれとともに、色および
/または印字デューティその他の記録条件に応じて変化
させてもよい。さらに補正データ作成に際して、例えば
印字デューティを異ならせた複数のテストパターンの読
取り結果の平均値を用いるようにしてもよい。
(6)他の実施例 本発明は、以上述べた実施例に限られることなく、本
発明の範囲を逸脱しない限り種々の変形が可能である。
以下では、本発明をシリアルプリンタに適用した実施例
を中心として説明する。なお、以下の諸例においても上
述と同様の制御系および処理手順を採用できるのは勿論
である。
第27図はシリアルプリンタ形態のインクジェット記録
装置の1実施例の概略図を示したもので、記録ヘッド20
1C,201M,201Y,201BKは図示していないインクタンクから
インクチューブを介して、シアン,マゼンタ,イエロ
ー,ブラックの各色のインクが供給される。そして、記
録ヘッド201C,201M,201Y,201BKへと供給されたインク
は、第13図とほぼ同様の主制御部からの記録情報に応じ
た記録信号に対応して、記録ヘッドドライバ等によって
駆動され、各記録ヘッドからインク滴が吐出されて記録
媒体202上へと記録される。
搬送モータ208は記録媒体202を間欠送りするための駆
動源であり、送りローラ204、搬送ローラ205を駆動する
主走査モータ206は主走査キャリッジ203を主走査ベルト
210を介して矢印のA,Bの方向に走査させるための駆動源
である。本実施例では正確な紙送り制御が必要なことか
ら、紙送りモータ208および主走査モータ206にパルスモ
ータを使用している。
記録媒体202が給送ローラ205に到達すると給送ローラ
クラッチ211および搬送モータ208がオンし、記録媒体20
2を搬送ローラ204に至るまでプラテン207上を搬送す
る。記録媒体202はプラテン207上に設けられた検知セン
サ212によって検知され、センサ情報は位置制御、ジャ
ム制御等に利用される。記録媒体202が搬送ローラ204に
到達すると、給送ローラクラッチ211,搬送モータ208を
オフし、プラテン207の内側から図示していない吸引モ
ータにより吸引動作が行なわれ、記録媒体202を画像記
録領域上であるプラテン207上へ密着させる。記録媒体2
02への画像記録動作に先立って、ホームポジションセン
サ209の位置に走査キャリッジ203を移動し、次に、矢印
Aの方向に往路走査を行い、所定の位置よりシアン、マ
ゼンタ、イエロー、ブラックのインクを記録ヘッド201C
〜201BKより吐出し画像記録を行う。所定の長さ分の画
像記録を終えたら走査キャリッジ203を停止し、逆に、
矢印Bの方向に復路走査を開始し、ホームポジションセ
ンサ209の位置まで走査キャリッジ203を戻す。復路走査
の間、記録ヘッド201C〜201BKで記録した長さ分の紙送
りを搬送モータ208により搬送ローラ204を駆動すること
により矢印Cの方向に行う。
本実施例では、記録ヘッド201C〜201BKは熱により気
泡を形成してその圧力でインク滴を吐出する形式のイン
クジェット記録ヘッドであり、256個の吐出口が各々に
アセンブリされたものを4本使用している。
走査キャリッジ203がホームポジションセンサ209で検
知されるホームポジションに停止すると、回復装置220
により記録ヘッド1の回復動作を行う。これは安定した
記録動作を行うための処理であり、記録ヘッド201の吐
出口内に残留しているインクの粘度変化等から生じる吐
出開始時のむらを防止するために、休止時間,装置内温
度,吐出時間等のあらかじめプログラムされた条件によ
り、記録ヘッド201に対する回復装置220による吸引動
作、インクの予備吐出動作等を行う処理である。
以上説明の動作を繰り返すことにより記録媒体上全面
に画像記録が行われる。図中214は、制御回路215によ
り、各記録ヘッド201C〜201BKに均一な画像信号を与え
て記録媒体202上へ印字させたテストパターンを読取っ
て読取り信号を出力する濃度むら読取りユニットであ
り、画像記録領域外へ設けられている。本実施例では記
録媒体202の搬送方向(矢印C方向)に対して記録ヘッ
ドより下手の排紙側方向で、記録媒体の記録面側に面す
るように配置している。そして、前述と同様に、テスト
パターンの記録された記録媒体202を光源218により照明
し、各記録ヘッドにより記録用紙上へ記録されたテスト
パターンの記録濃度を読取りセンサ217C,217M,217Y,217
BKにより読取り、各読取りセンサにより読取られた各記
録ヘッドによるテストパターン記録の読取り信号をA/D
変換器236によりデジタル信号化した後、その読取り信
号を一時的にRAM219に記憶するようにしてある。
第28図は本例の読取り部を説明するための概略図で、
記録媒体202上に記録された記録ヘッドによるテストパ
ターンの濃度むらの読取り精度を向上させるために、照
明光源18の記録媒体側にカラーフィルタ220R,220G,220B
Lを設け、記録媒体202に記録されたC,M,Yのテストパタ
ーンに対してR,G,B,Lの光を照射するようにしている。
そして、このようにC,M,Yの各色のテストパターンに対
して、その補色の光を照射することにより、各読取りセ
ンサ217C,217M,217Y,217BKの分光感度をテストパターン
の色毎に異なるものにする必要がなく、各センサに同じ
分光感度のセンサを用いたままで各色の濃度むらを読取
ることができるようになる。
なお、かかる構成に対して前述したような平均化領域
の変更設定を行うことができる。
第29図はシリアルプリンタ形態の装置に本発明を適用
した場合の他の実施例の概略図を示し、各記録ヘッド20
1C,201M,201Y,201BKに均一な画像信号を与えて記録媒体
202上へ記録させたテストパターンを読取って、読取り
信号を出力するのは上例と同様である。この例では、画
像記録領域外へ設けられた濃度むら読取りユニット214
をライン状の読取りセンサ232と光源233とから構成する
ようにしている。
つまり、本例のように濃度むら読取りユニット214を
記録媒体202の搬送方向(矢印C方向)に対して記録ヘ
ッドより下手の排紙側方向で、記録媒体の被記録面側に
面するように配置し、前述と同様な押え部材を設けれ
ば、記録媒体202上へと記録されたテストパターンを読
取る場合に記録媒体202と読取りセンサ232との距離を一
定に保つこと容易になる上、読取りセンサも1個で足り
ることから装置構成も小型化することができるようにな
る。また、読取られたデータに対して、平均化領域の変
更設定を行うことができるのは上述と同様である。
また第30図に示したように読取りラインセンサ232の
読取り面側には記録媒体202上に記録された各記録ヘッ
ドによるテストパターンの位置に合わせてR,G,B,Lの各
色のカラーフィルタ234R,234G,234Bを設け、印字パター
ンの各色に対する読取りセンサ232の読取り精度を向上
させることができる。そして、第24図および第25図で述
べたと同様に、読取りセンサ232からの各色の読取り信
号を増幅器235C〜235BKにより増幅すれば、読取りデー
タの分解能を高くして読取り精度をさらに向上すること
ができる。
第31図はシリアルプリンタ形態の装置に本発明を適用
したさらに他の実施例を示したものである。本例では、
各記録ヘッド201C,201M,201Y,201BKを搭載したキャリッ
ジをA,B方向にスキャンさせて記録媒体20上へテストパ
ターン記録を記録する際に、キャリッジ203を1回スキ
ャンさせる毎に1色の記録ヘッドでテストパターン記録
を行なわせ、読取りラインセンサ232が記録媒体202上に
記録されたテストパターンを読取った後に、再びキャリ
ッジ203をスキャンさせ、次の記録ヘッドで記録媒体202
上にテストパターン記録を行なわせるようにしてある。
つまり、本実施例のように各記録ヘッドによって記録
媒体上に記録されたテストパターンの読取りを1色毎に
行なうことにより、テストパターンの読取りデータを格
納するRAM219の容量を1/4にすることができ、装置構成
を小さくすることができるようになる。
第32図はシリアルプリンタ形態の装置に本発明を適用
した別の実施例の概略を示し、本実施例においては、記
録ヘッドによりテストパターンを記録させるためのテス
トパターン記録部とテストパターン読取り部とからなる
濃度むら補正部237を画像記録領域外に設けた場合を示
している。
そして本実施例においても各記録ヘッドによりテスト
パターン記録部のテストパターン記録用シート231上に
テストパターンが記録された後、テストパターンの濃度
むらの状態が安定な状態に落ちついてからテストパター
ン記録用シート213を濃度むら読取り部まで搬送するよ
うにしている。また、そのテストパターン記録用シート
の種類に応じて平均化領域を変更設定するのは上述と同
様である。
なお、以上の第27図〜第32図の実施例では読取り部を
記録ヘッドと離れた部位に設けたが、これをキャリッジ
203に搭載したものでもよい。
(7)その他 なお、本発明は、濃度むらが問題となりうる種々の記
録方式による画像形成装置に適用できるが(例えばサー
マルプリンタ等)、インクジェット記録方式に適用する
場合にはその中でもキヤノン(株)によって提唱されて
いるバブルジェット方式の記録装置において優れた効果
をもたらすものである。かかる方式によれば記録の高密
度化,高精細化が達成できるので、濃度むらの発生を防
止することが一層有効になるからである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この
方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいず
れにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合
には、液体(インク)が保持されているシートや液路に
対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対
応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少な
くとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱
変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用
面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対
一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので
有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に
優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第44
63359号明細書,同第4345262号明細書に記載されている
ようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上
昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載
されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行う
ことができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口,液路,電気熱変換体の組合せ構
成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が
屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許
第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用い
た構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の
電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換
体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−23670号公
報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応
させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた
構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記
録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明に
よれば記録を確実に効率よく行うことができるようにな
るからである。
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対
応した長さを有するフルラインタイプ(フルマルチタイ
プ)の記録ヘッドにおいて、複数記録ヘッドの組合せに
よってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1
個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
加えて、シリアルタイプのものでも、装置本体に固定
された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されること
で装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの
供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッ
ド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが
設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場
合にも本発明は有効である。
また、本発明に記録装置の構成として設けられる、記
録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付
加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ま
しいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッ
ドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加
圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素
子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録と
は別の吐出を行なう予備吐出モードを行なうことも安定
した記録を行なうために有効である。
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数につい
ても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けら
れたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに
対応して複数個数設けられるものであってもよい。すな
わち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主
流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体
的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでも
よいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフル
カラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極め
て有効である。
さらに加えて、以上説明した本発明実施例において
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化
するもの、あるいはインクジェット方式ではインク自体
を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインク
の粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが
一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状
をなすものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギ
による昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変
化のエネルギとして使用せしめることで防止するか、ま
たはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固化する
インクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギの記
録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イク
が吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすで
に固化し始めるもの等のような、熱エネルギによって初
めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適
用可能である。このような場合のインクは、特開昭54−
56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載され
るような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固
形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対
向するような形態としてもよい。本発明においては、上
述した核インクに対して最も有効なものは、上述した膜
沸騰方式を実行するものである。
さらに加えて、画像形成装置の形態としては、コンピ
ュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられ
るものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送
受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等
であってもよい。特に複写装置やファクシミリ等のよう
に画像読取り手段(リーダ)を原稿読取り系として備え
た機器においては、記録した画像の濃度むらを読取るた
めに読取り手段として兼用することができる。
上記実施例には数々の技術課題をとり挙げた各構成を
示してあるが、本発明にとっては、上記各構成のすべて
が必須ではなく、設計された装置構成や所望の濃度均一
化レベルの設定によって任意に必要とされる構成を上記
各構成の中から1または複数を用いて行えばより好まし
いものとなくことを示しているものである。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、濃度読取り手
段により読取った複数のデータの平均値を用いてむら補
正データを作成する際に、記録媒体の種類その他の記録
条件に応じて平均値を求める際の平均化領域を変化させ
ることにより、記録媒体が変化しても安定した読取りを
行い、適切なむら補正データを作成することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の概要を説明するための模式図、 第2A図は本発明画像形成装置の一実施例に係るラインプ
リンタ形態のインクジェット記録装置の模式的側面図、 第2B図はそのインク系を説明するための模式図、 第3図は第2A図における読取りユニットとは異なる読取
りユニットおよびその走査機構の構成例を示す斜視図、 第4図,第5図および第6図は読取りユニットと記録媒
体との間隔を保持するための部分の諸構成例を示す模式
的側面図、 第7A図,第7B図および第7C図は色に応じてセンサ受光量
のダイナミックレンジを拡大する態様を説明するための
説明図、 第8図,第9図および第10図はテストパターンの濃度む
らをその色に応じて読取るための部分の諸構成例を示す
模式図、 第11図は第3図示の例に係る読取りユニットの走査駆動
の態様を説明するための説明図、 第12A図,第12B図および第12C図は読取りユニットの走
査速度の変動に応じた読取り値の変動を説明するための
説明図、 第13図は本例に係るインクジェット記録装置の制御系の
構成例を示すブロック図、 第14図はそのうち濃度むら補正のための系を詳細に示す
ブロック図、 第15図は本例において用いるむら補正テーブルを説明す
るための説明図、 第16図は本例によるむら補正処理手順の一例を示すフロ
ーチャート、 第17図は記録媒体の種類に応じて濃度むら補正を行うた
めに識別マークを記録媒体に付した状態を示す模式図、 第18図は記録ヘッドの温度変化を説明するための説明
図、 第19A図,第19B図および第19C図は温度によらず安定し
た濃度むら補正を行う態様を説明するための説明図、 第20図は吐出安定化のためのパターンと、吐出不良検知
用パターンと、濃度むら補正用テストパターンとを記録
媒体上に記録した例を示す説明図、 第21図は本例に係るフルマルチタイプの記録ヘッドにお
いて全吐出口にわたって濃度むら補正を行うための制御
系の要部構成例を示すブロック図、 第22図および第23図はテストパターンの記録ないし濃度
むら読取りまでの本例装置の2動作例を示すタイミング
チャート、 第24図はむら読取りセンサの色による出力の大きさの差
を補正するための構成例を示すブロック図、 第25A図および第25B図はその補正の態様の説明図、 第26図は本例に係る平均化領域の変更の態様の説明図、 第27図はシリアルプリンタ形態の装置に本発明を適用し
た実施例を示す模式図、 第28図はその読取り系ユニットを示す模式図、 第29図はシリアルプリンタ形態の装置に本発明を適用し
た他の実施例を示す模式図、 第30図はその読取り系ユニットの模式図、 第31図および第32図はシリアルプリンタ形態の装置に本
発明を適用したさらに他の2実施例を示す模式図、 第33A図〜第33E図,第34図,第35図および第36図はマル
チノズルヘッドにおける濃度むら補正の態様を説明する
ための説明図、 第37A図および第37B図は濃度むら補正を行うための読取
りユニットの例およびその読取りの態様を説明するため
の説明図である。 1,1C,1M,1Y,1Bk,201C,201M,201Y,201Bk……記録ヘッ
ド、2,202……記録媒体、3……ヘッドホルダ、5……
ヘッドホルダ移動機構、7……インク供給/循環系ユニ
ット、9……キャップユニット、11……キャップユニッ
ト移動機構、14,214……読取りユニット、15……読取り
ユニット走査機構、16……記録媒体搬送系駆動部、17…
…プラテン、40……搬送ベルト、41……ローラ、42……
排出ローラ、60……読取りヘッド、62……光源、63,74
……レンズ、73,217……読取りセンサ、76……筐体、77
R,77G,77BL……色フィルタ、78a,78b……押えころ、80
……押え部材、81,85……透明ローラ、101……CPU、102
……ROM、104……RAM、106……指示入力部、113……ヘ
ッド温度調整部、114……色フィルタ切換え駆動部、11
9,219……RAM、122C,122M,122Y,122Bk……むら補正テー
ブル、127,236……A/D変換器、129C,129M,129Y,129Bk…
…むら補正RAM、135C,135M,135Y,135Bk,235C,235M,235
Y,235C……増幅器、220……回復装置。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体上に画像形成を行うために複数の
    記録素子を配列した記録ヘッドと、 前記記録ヘッドにより形成したテストパターン上におけ
    る複数の異なる位置およびその周辺の濃度を読取る濃度
    読取り手段と、 前記位置を含む所定領域の濃度を平均し、その結果に基
    づいて画像形成時の濃度を均一化するために前記複数の
    記録素子の駆動条件を補正する濃度むら補正手段と、 記録条件に応じて前記所定領域の大きさを変更する制御
    手段と を具えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】記録媒体上に画像形成を行うために複数の
    記録素子を配列した記録ヘッドと、 前記記録ヘッドにより形成したテストパターン上におけ
    る複数の異なる位置およびその周辺の濃度を読取る濃度
    読取り手段と、 前記位置を含む所定領域の濃度を平均し、その結果に基
    づいて画像形成時の濃度を均一化するために前記複数の
    記録素子の駆動条件を補正する濃度むら補正手段と、 記録媒体の種類に応じて前記所定領域の大きさを変更す
    る制御手段と を具えたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】前記記録ヘッドは多色カラー記録を行うた
    めに色を異にする記録剤に対応して複数設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】前記記録ヘッドはインクジェット記録ヘッ
    ドの形態を有し、該インクジェット記録ヘッドはインク
    に膜沸騰を生じさせてインクを吐出させるために利用さ
    れる電気熱変換素子を前記記録素子として有することを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかの項に記載の画
    像形成装置。
  5. 【請求項5】複数の記録素子を配列した記録ヘッドを用
    いて記録媒体上に画像形成を行う画像形成装置におい
    て、 前記記録ヘッドにより形成したテストパターン上におけ
    る複数の異なる位置およびその周辺の濃度を読取る濃度
    読取り手段と、 前記位置を含む所定領域の濃度を平均し、その結果に基
    づいて画像形成時の濃度を均一化するために前記複数の
    記録素子の駆動条件を補正する濃度むら補正手段と、 記録媒体の種類に応じて前記所定領域の大きさを変更す
    る制御手段と を具えたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】前記記録ヘッドはインクジェット記録ヘッ
    ドの形態を有し、該インクジェット記録ヘッドはインク
    に膜沸騰を生じさせてインクを吐出させるために利用さ
    れる電気熱変換素子を前記記録素子として有することを
    特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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