JP6463559B2 - 操作機器 - Google Patents

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Description

本発明は、操作機器に関する。
建物内の設備を遠隔操作するための操作機器であって壁に取り付けられるものが提案されている(例えば特許文献1参照)。この操作機器は、背面側ケースと正面側ケースとを備え、まず、背面側ケースが壁に取り付けられた後、電装基板を収納した正面側ケースを背面側ケースに固定することにより、壁に取り付けられる。ここで、背面側ケースは、その後板に設けられた開口に挿通される螺子を介して壁に取り付けられる。
特開2010−266117号公報
特許文献1に記載された操作機器では、背面側ケースと正面側ケースとで囲まれる空間内に、背面側ケースを壁に取り付けるための螺子の頭部が露出している。従って、例えば、冬期のように壁の内部と建物内との間で温度差がある場合、螺子から壁の内部へ放熱され螺子が冷却される。そして、空気中に含まれる水分が冷却された螺子の頭部に結露してしまう。この場合、螺子の頭部に生じた水が電装基板を収納する正面側ケース側へ入することにより電装基板が腐食し、操作機器の動作不良が生じる虞がある。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、操作機器本体を壁に取り付けるための螺子の結露に起因した動作不良が抑制される操作機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る操作機器は、制御基板と筐体とベース部材と保護カバーとを備える。制御基板は、電子部品が実装されている。筐体は、制御基板を収納する。ベース部材は、造営材に取り付けるための螺子が挿通される取付孔と取付孔を囲繞する環状のリブとが設けられ、筐体が固定される。保護カバーは、筐体内に配置され、ベース部材と筐体とで囲まれる空間を、筐体内の制御基板が配置される第1空間と、一部がベース部材で囲まれる第2空間と、に分離することにより制御基板を保護する。保護カバーは、ベース部材に対向する面のリブに対応する位置に凹部が設けられている。リブは、リブの先端部が凹部の底部に当接した状態で凹部に嵌入され、取付孔に螺子が挿通された状態でリブと保護カバーとで囲まれた第3空間に螺子の一部が配置される。
本発明によれば、保護カバーが、筐体内に配置され、ベース部材と筐体とで囲まれる空間を、筐体内の制御基板が配置される第1空間と、一部がベース部材で囲まれる第2空間と、に分離することにより制御基板を保護する。保護カバーは、ベース部材に対向する面のリブに対応する位置に凹部が設けられている。リブは、リブの先端部が凹部の底部に当接した状態で凹部に嵌入され、取付孔に螺子が挿通された状態でリブと保護カバーとで囲まれた第3空間に螺子の一部が配置される。これにより、第3空間内に配置される螺子の一部が結露することにより生じた水の第2空間への入も防止される。従って、ベース部材が螺子により壁に取り付けられた状態で、操作機器本体内部での結露および螺子の一部が結露することにより生じた水の第2空間への入に起因した操作機器の動作不良を抑制することができる。また、螺子を介して壁へ伝熱することにより冷却された第3空間内の空気の第2空間への流入が低減されるので、操作機器本体内部での結露が抑制される。
本発明の実施の形態1に係る操作機器を前面側から見た場合の外観を示す斜視図 実施の形態1に係る操作機器を後面側から見た場合の外観を示す斜視図 実施の形態1に係る操作機器が壁に取り付けられた状態の一例を示す図 実施の形態1に係る制御基板を前面側から見た場合の斜視図 実施の形態1に係る制御基板を後面側から見た場合の斜視図 実施の形態1に係る操作機器本体のベース部材を取り外した状態を示す斜視図 実施の形態1に係る筐体についてフロントパネルを外した状態で前面側から見た場合の一部を示す斜視図 実施の形態1に係る制御基板を筐体内に配置した状態を示す斜視図 実施の形態1に係る操作機器について、図2のA−A線における断面矢視図 実施の形態1に係る操作機器のベース部材を示す斜視図 実施の形態1に係る操作機器を後面側から見た場合の平面図 実施の形態1に係る操作機器について、壁に取り付けられた状態での図2のB−B線における断面矢視図 実施の形態1に係る操作機器について、中空の壁に取り付けられた状態での図2のB−B線における断面矢視図 実施の形態1に係る操作機器本体に信号線が取り付けられた状態を示す斜視図 実施の形態1に係る操作機器の取り付け方法を説明するための模式図 実施の形態1に係る操作機器の取り付け方法を説明するための模式図 実施の形態1に係る操作機器の取り付け方法を説明するための模式図 実施の形態2に係る操作機器を後面側から見た場合の平面図 実施の形態2に係る操作機器について、壁に取り付けられた状態での図18のC−C線における断面矢視図 実施の形態3に係る操作機器の壁に取り付けられた状態での断面図 実施の形態3に係る操作機器のベース部材の斜視図 変形例に係る操作機器の壁に取り付けられた状態での断面図 変形例に係る操作機器を後面側から見た場合の平面図 変形例に係る操作機器について、壁に取り付けられた状態での図23のD−D線における断面矢視図
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態に係る操作機器について、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る操作機器は、例えば建物の壁に設置され、信号線を介して空気調和機(図示せず)のような操作対象機器と接続される。この操作機器は、ユーザによる操作に応じた制御信号を操作対象機器へ送信することにより操作対象機器を制御する。図1および図2に示すように、操作機器100は、操作機器本体1と、操作機器本体1を壁(造営材)に取り付けるためのベース部材18と、を備える。操作機器100は、図3に示すように、壁Wに固定され、上方に空気調和機と通信するための信号線Lが接続された状態で設置される。以下、本明細書では、適宜、操作機器100が図3に示すように壁Wに取り付けられたときの鉛直上向きを+Z方向、鉛直下向きを−Z方向として説明する。また、壁Wに平行であり且つ鉛直方向に直交する方向をX方向とし、壁Wに対して垂直な方向をY方向として説明する。また、以下の説明において、適宜+Y方向を前面側、−Y方向を後面側として説明する。
操作機器本体1は、図1に示すように、扁平な矩形箱状の筐体10と、筐体10の前面に固定されるフロントパネル14と、を備える。また、操作機器本体1は、図4および図5に示すような操作機器を制御する制御基板8と操作用の画面を表示する表示用モジュール11とを備える。制御基板8および表示用モジュール11は、筐体10内に収納されている。更に、操作機器本体1は、図6に示すように、筐体10に制御基板8が収納された状態で筐体10の開放部分から制御基板8を覆うことにより制御基板8を保護する保護カバー2を備える。
筐体10は、後面側(図6の−Y方向側)が開放されており、周壁102の上側に信号線Lを導入するための導入口である導入用切欠部102cが設けられている。ここにおいて、筐体10は、例えば、出荷時において、その周壁102の上側における導入用切欠部102cが形成される予定の部分が他の部分に比べて薄肉の薄肉部を有する構成である。そして、操作機器100を設置する作業者は、筐体10の薄肉部を信号線Lの太さに応じて適宜切除することにより導入用切欠部102cを形成する。また、筐体10の開放部分である開口部10aは、操作機器100が壁Wに設置された状態で、ベース部材18で覆われる。
また、図7に示すように、筐体10の底壁101には、表示用モジュール11が表示する画像を筐体10の前方から視認することができるように平面視矩形状の開口部101aが設けられている。なお、図7は、筐体10からフロントパネル14を外した状態で筐体10を前面側から見た場合を示している。また、筐体10の前面には、空気調和機を操作する際にユーザにより押下されるファンクションキー15、操作キー17および電源釦16が配置されている。操作キー17は、例えば空気調和機の操作コマンドのメニューの選択または操作コマンドの決定を行う際に用いられる。底壁101には、台座部101b、101c、101dが設けられている。台座部101b、101c、101dには、図1に示したファンクションキー15、操作キー17および電源釦16が固定される。台座部101b、101c、101dは、それぞれ底壁101に形成された開口部101e、101f、101gの外周部に可撓部101h、101i、101jを介して連結されている。これにより、台座部101b、101c、101dに固定されたファンクションキー15、操作キー17および電源釦16は、可撓部101h、101i、101jが撓むことにより、前後方向へ移動可能となっている。
また、筐体10の周壁102には、図1に示すように、筺体10の外部に接するスリット102aと、筐体10をベース部材18に係合させるための係合孔102bと、が設けられている。スリット102aは、例えば、筺体10の外部の空気を取り込んで筐体10の外部の温度を測定するために設けられている。更に、図6に示すように、周壁102の上側には、−Z方向に突出しベース部材18に係合する係合片102dが設けられている。また、周壁102の下側には、筐体10内の水を排出するための排出用切欠部102eが設けられている。
図1に戻って、フロントパネル14は、矩形板状であり筐体10の底壁101の前面側に重ねて配置されている。フロントパネル14における筐体10の開口部101aと重なる部分には、平面視矩形状の透明部14aが設けられている。開口部14b、14c、14dは、それぞれ筐体10の底壁101におけるファンクションキー15、操作キー17および電源釦16が配置される部分に形成されている。ここで、ファンクションキー15、操作キー17および電源釦16の平面視での外形寸法は、フロントパネル14の開口部14b、14c、14dの寸法よりも大きい。そして、フロントパネル14は、ファンクションキー15、操作キー17および電源釦16が筐体10の台座部101b、101c、101dに固定された後、筐体10の前面側に被せられる。これにより、ファンクションキー15、操作キー17および電源釦16は、それらの周縁部が図7に示す筐体10の台座部101b、101c、101dとフロントパネル14とで挟持される形で配置される。
制御基板8は、筐体10内に収納され、図4および図5に示すように、導電パターン(図示せず)が形成された回路基板80と、回路基板80に実装されたコンデンサ41、制御用集積回路42および整流素子43を含む各種電子部品と、を有する。この制御基板8は、ユーザによるファンクションキー15、操作キー17または電源釦16を押下する操作に応じた制御信号を生成する。そして、制御基板8は、生成した制御信号を、信号線Lを通じて空気調和機へ送信する。また、回路基板80には、複数(図4では8つ)のプッシュスイッチ9と、操作画像を表示するための表示用モジュール11と、操作機器100が設置される場所の温度を検知するサーミスタ91と、が実装されている。ここにおいて、ユーザがファンクションキー15、操作キー17または電源釦16を押下すると、それらが固定された台座部101b、101c、101dが制御基板8に近づく方向へ変位し、台座部101b、101c、101dが対応するプッシュスイッチ9に当接して押し込まれる。
更に、制御基板8は、回路基板80に設けられ信号線Lに接続される2つの信号端子83を有する。また、回路基板80の周部における4箇所には、後述の制御基板8を筐体10に固定するための螺子5が挿通される貫通孔81が設けられている。更に、回路基板80には、2つの平面視矩形状の開口部84aと、切欠部84b、84cとが形成されている。そして、コンデンサ41は、開口部84aの内側に配置され、制御用集積回路42は、切欠部84bの内側に配置され、整流素子43は、切欠部84cの内側に配置されている。これにより、制御基板8は、例えばコンデンサ41、制御用集積回路42および整流素子43が回路基板80の一面上に実装された構成に比べて、回路基板80の厚さ分だけ薄くなっている。また、図5に示すように、回路基板80の+Z方向側の端部の2箇所には、回路基板80に対する表示用モジュール11の位置決めを行うための突起85および貫通穴86が設けられている。図5において、−Y方向に表示モジュール11が装着され、表示モジュール11のフック112が貫通穴86に係合している。
表示用モジュール11は、例えば操作機器100が設置されている場所の温度および空気調和機を操作するのに必要な操作情報を表示する。表示用モジュール11は、フレキシブル配線板から構成される信号ケーブル13の先端部に設けられたコネクタ12を介して制御基板8に接続されている。そして、制御基板8で生成される画像情報は、コネクタ12および信号ケーブル13を介して表示用モジュール11へ出力され、表示用モジュール11は、制御基板8で生成される画像情報に応じた画像を表示する。また、表示用モジュール11は、+Z方向側の端部の2箇所に−Y方向側に突出する突出片111を有する。2つの突出片111には、それぞれ厚さ方向に貫通する貫通孔111aが設けられている。また、表示用モジュール11は、−Y方向側に突出するフック112を有する。表示用モジュール11は、制御基板8の突起85を突出片111の貫通孔111aに嵌入させ、かつ、制御基板8の貫通穴86にフック112を係合させて位置決めされた状態で制御基板8に実装される。これにより、表示用モジュール11を制御基板8に実装する際に、表示用モジュール11の実装位置を比較的容易に決めることができるので、操作機器100の組立作業性が向上するという利点がある。なお、制御基板8は、図8に示すように、表示用モジュール11が実装された状態で筐体10内に収納される。
保護カバー2は、図9に示すように、筐体10内に配置され、筐体10内の制御基板8が配置される第1空間S1と、筐体10内の導入用切欠部102cを通じて筐体10外に連通する第2空間S2とを分離することにより制御基板8を保護する。保護カバー2は、図6に示すように、矩形板状であり、回路基板80の導電パターンに電気的に接続された信号端子83を有する。また、保護カバー2における第2空間S2側の+X+Z方向(図6の左上方向)の角部には、平面視略矩形状の窪み部25が設けられている。そして、窪み部25の底部における制御基板8の2つの信号端子83には、信号線Lを信号端子83に電気的に接続するための端子螺子(図示せず)が螺合する螺子孔83aが形成されている。また、保護カバー2における制御基板8の貫通孔81と重なる部分それぞれには、螺子5を挿通するための貫通孔(図示せず)が設けられている。そして、これらの貫通孔と制御基板8に設けられた貫通孔81とに挿通された螺子5が筐体10に設けられた螺子孔(図示せず)に螺着されることにより、保護カバー2は、制御基板8とともに筐体10に固定されている。
また、保護カバー2には、内側に信号線Lが嵌入される信号線用溝21、22が設けられている。信号線用溝21は、+Z方向側の端部で筐体10の導入用切欠部102cを通じて筐体10外に連通し、−Z方向側の端部が保護カバー2の導入用切欠部102c側とは反対側、即ち、−Z方向側に延在している。信号線用溝21の−Z方向側の端部は、−Z方向側に凸となる形で湾曲している。信号線用溝22は、一方の端部で信号線用溝21に連通し、他方の端部で窪み部25に連通している。信号線用溝21、22の内側には、信号線Lが配置される。
更に、保護カバー2は、信号線用溝21の−Z方向側の端部の外周部から保護カバー2の後面側に突出する平面視U字状のリブ24を有する。信号線用溝21には、信号線用溝21の幅方向における両側から信号線用溝21の内側に張り出し信号線用溝21内に配置される信号線Lを係止する一対の係止片23aが設けられている。また、信号線用溝22には、信号線用溝22の幅方向における両側から信号線用溝22の内側に張り出し信号線用溝22内に配置される信号線Lを係止する2対の係止片23bが設けられている。
また、保護カバー2における制御基板8に実装されたコンデンサ41と重なる部位には、平面視矩形状の開口部27aが設けられ、コンデンサ41の一部が開口部27aに嵌入されている。また、保護カバー2における制御基板8に実装された制御用集積回路42および整流素子43と重なる部位には、それぞれ切欠部27b、27cが設けられ、制御用集積回路42および整流素子43の一部が切欠部27b、27cの内側に配置されている。これにより、保護カバー2は、コンデンサ41、制御用集積回路42および整流素子43と干渉することなく、制御基板8に近接して配置することが可能となっている。また、保護カバー2には、複数(図6では5つ)の凹部26が設けられている。複数の凹部26は、後述のベース部材18に対向する面のリブ186に対応する位置に設けられている。
ベース部材18は、図10に示すように、壁Wに取り付けるための螺子19が挿通される複数の取付孔185と、取付孔185を囲繞する環状のリブ186と、が設けられている。そして、筐体10は、ベース部材18におけるリブが設けられている面とベース部材18の周縁部とを覆った状態でベース部材18に固定されている。ベース部材18は、矩形板状の底壁181と、底壁181の周縁部に立設する矩形枠状の周壁182と、を有する。取付孔185は、底壁181の5箇所に設けられている。各取付孔185の周囲には、取付孔185を囲繞する環状のリブ186が設けられている。ベース部材18の上端部には、底壁181から周壁182に渡って形成され筐体10の係合片102dに係合する2つの係合孔183が設けられている。また、ベース部材18の下端部の2箇所には、筐体10の係合孔102bに係合する2つのフック187が設けられている。周壁182における筐体10の導入用切欠部102cに対応する部分には、切欠部184が設けられている。なお、図10は、2つの螺子19によりベース部材18を壁Wに取り付ける場合の一例を示している。5つの取付孔185のいずれに螺子19を挿通させるかは、操作機器100の設置場所に応じて適宜選択される。また、ベース部材18は、操作機器100以外の他の機器(例えばスイッチボックス)を壁Wに固定することも可能である。また、取付孔185は、図11に示すように、コンデンサ41、制御用集積回路42および整流素子43のような比較的厚さの厚い部品が配置される領域と重ならない領域に配置されている。これにより、操作機器100の薄型化を図ることができる。
リブ186は、図12に示すように、操作機器本体1がベース部材18に固定された状態で保護カバー2の凹部26に嵌合する。そして、リブ186の先端部は、凹部26の底部に当接している。これにより、リブ186と保護カバー2とで囲まれた第3空間S3が、信号線Lが配置される第2空間S2から分離される。そして、螺子19を介して壁Wへ伝熱することにより(図12中の矢印AR17参照)冷却された第3空間S3空間内の空気の第2空間S2への流入が低減されることにより、操作機器本体1内部での結露が抑制される。また、第3空間S3内に配置される螺子19の頭部が結露することにより生じた水の第2空間S2への入も防止される。なお、図13に示すように、操作機器100が中空の壁W2に取り付けられる場合、螺子19の長さが壁W2を構成する壁板WPの厚さよりも長いと螺子19の先端部が壁W2内部の空間S5に到達する。このような壁W2に取り付けられた状態では、壁W2内部の空間S5に存在する冷気によって、第3空間S3内の空気が冷却される。このような場合でも、冷却された第3空間S3内の空気の第2空間S2への流入が低減されるので、操作機器本体1内部での結露が抑制される。
ところで、壁Wに取り付けられたベース部材18に筐体10を取り付ける際、筐体10の係合片102dに係合する2つの係合孔183を支点として筐体10を旋回させることにより、筐体10の係合孔102bをフック187に係合させる。そこで、リブ186のZ軸方向の寸法は、リブ186が凹部26に嵌合した状態で、Z軸方向においてリブ186の外壁と凹部26の内壁との間に隙間G1が生じるように設定されている。この隙間G1の幅は、例えば1mm程度に設定される。これにより、ベース部材18に筐体10を取り付ける際、リブ186を凹部26の内側に円滑に嵌入させることができる。また、この隙間G1が存在することにより、リブ186および凹部26の寸法の製造誤差と筐体10のベース部材18への取付態様のばらつきとがある程度許容される。
また、ベース部材18には、図2、図9および図10に示すように、平面視U字状に形成され、保護カバー2の信号線用溝21内に生じた水を筐体10外へ排出するための貫通孔である排出孔181aが設けられている。この排出孔181aは、図2に示すように、筐体10の開口部10aを覆う部分に設けられている。そして、保護カバー2のリブ24の先端部が、排出孔181aに嵌入されている。
更に、ベース部材18は、その制御基板8側とは反対側、即ち、−Y方向側における取付孔185の周囲に設けられた窪み部181dと、第1溝181bと、第2溝181cと、を有する。取付孔185と窪み部181dとの間には、環状の座部181eが形成されている。第1溝181bは、排出孔181aの外周部から−Z方向(第1方向)へ延在し、−Z方向側の端縁がベース部材18の−Z方向側の端縁に位置する。第2溝181cは、一端部で第1溝181bに連通し、他端部で窪み部181dに連通する。第2溝181cの他端部は、図3に示すように、ベース部材18における−Z方向が鉛直下方を向く姿勢で壁Wに取り付けられた状態において、第2溝181cの一端部よりも+Z方向(第2方向)側に位置する。即ち、第2溝181cは、いずれもそれらの中心軸J41、J42、J43、J44、J45が第1溝181bに近づくほど下側、即ち、−Z方向側に位置するかたちで傾斜している。そして、第1溝181bの中心軸J3と各第2溝181cの中心軸J41、J42、J43、J44、J45とのなす角度φ1、φ2、φ3、φ4、φ5はいずれも90度未満となっている。
ところで、窪み部181d、第1溝181bおよび第2溝181cは、ベース部材18の基となる板材をプレス加工することにより形成されている。従って、窪み部181d、第1溝181bおよび第2溝181cの底部の厚さと、底壁181における窪み部181d、第1溝181bおよび第2溝181c以外の部分の厚さと、は等しい。第1溝181bおよび第2溝181cの幅は、特に限定されるものではない。第1溝181bおよび第2溝181cの幅が狭いほど、底壁181における第1溝181bおよび第2溝181c以外の部分の面積が増加するので、その分、ベース部材18と壁Wとの接触面積が増加する。そうすると、操作機器本体1からベース部材18に伝達した熱の壁Wへの伝熱経路が大きくなるので、放熱特性が向上する。
次に、本実施の形態に係る操作機器100の組立方法について説明する。まず、図14に示すように、信号線Lを、筐体10の導入用切欠部102cを通じて筐体10内部に導入する。そして、導入した信号線Lを、信号線用溝21、22内に配置する。このとき、信号線Lを信号線用溝21の幅方向で対向する1対の係止片23aの間に押し込むことにより信号線Lを信号線用溝21内に配置する。また、信号線Lを信号線用溝22の幅方向で対向する2対の係止片23bの間に押し込むことにより信号線Lを信号線用溝22内に配置する。そして、信号線Lの先端部における分岐線L11、L12それぞれを、信号端子83の螺子孔83aに螺着した端子螺子7により信号端子83に接続する。
次に、図15に示すように、ベース部材18を螺子19により壁Wに取り付ける。続いて、図15の矢印AR1に示すように、筐体10の係合片102dを、ベース部材18の係合孔183に係合させる。これにより、図16に示すように、操作機器本体1が、ベース部材18に懸架された状態となる。その後、図16の矢印AR2に示すように、筐体10を、ベース部材18の係合孔183に係合された係合片102dを基点として旋回させると、筐体10の周壁102の下側がベース部材18のフック187の一部に当接する。それから更に筐体10を同矢印AR2の方向へ旋回させると、矢印AR3に示すように、ベース部材18のフック187の先端部187aが上方へ撓む。そして、図17に示すように、筐体10の係合孔102bにベース部材18のフック187の先端部187aが係合すると、操作機器本体1がベース部材18に固定される。なお、図13で説明したのと同様に、螺子19の長さが、壁W2を構成する壁板WPの厚さよりも長い場合、螺子19の先端部が壁W2内の空間S5に到達する。
次に、本実施の形態に係る操作機器100について、筐体10の外部から信号線Lを伝って筐体10の内部に入した水が筐体10外へ排出される経路について説明する。信号線Lの表面が結露することにより生じた水は、図9の矢印AR11に示すように、信号線Lを伝って筐体10の内部における保護カバー2の信号線用溝21とベース部材18とで囲まれた第2空間S2に入する。そして、第2空間S2に入した水は、矢印AR12に示すように、信号線用溝21に沿って下方(−Z方向)へ流れ、リブ24が設けられた信号線用溝21の下端部に至る。信号線用溝21の下端部にまで流れた水は、矢印AR13に示すように、リブ24に沿ってベース部材18の排出孔181aからベース部材18の外側に設けられた第1溝181bへ流れる。第1溝181bに流れ出た水は、図2の矢印AR14に示すように、第1溝181bに沿ってベース部材18の下端部まで流れる。そして、ベース部材18の下端部まで流れた水は、矢印AR15に示すように、筐体10の排出用切欠部102eを通って筐体10外へ排出される。
次に、本実施の形態に係る操作機器100について、ベース部材18の窪み部181dに入した水が筐体10外へ排出される経路について説明する。例えば螺子19が結露することにより生じた水は、ベース部材18の座部181eと壁Wとの間に生じた隙間を通じて窪み部181dに流れ出る場合がある。そして、窪み部181dに流れ出た水は、図2の矢印AR16に示すように、第2溝181cに沿って第1溝181bまで流れていく。第1溝181b内へ流れ出た水は、矢印AR14に示すように、第1溝181bに沿って下方へ流れていく。そして、第1溝181bの下端部まで流れた水は、筐体10の排出用切欠部102eを通じて筐体10外へ排出される。
以上説明したように、本実施の形態に係る操作機器100では、保護カバー2が、ベース部材18と筐体10とで囲まれる空間を、筐体10内の制御基板8が配置される第1空間S1と、ベース部材18に接する第2空間S2と、に分離することにより制御基板8を保護する。ベース部材18は、筐体10を壁Wに取り付けるための螺子19が挿通される取付孔185が設けられ、取付孔185を囲繞する環状のリブ186を有する。保護カバー2は、ベース部材18に対向する面のリブ186に対応する位置に凹部26が設けられている。リブ186は、リブ186の先端部が凹部26の底部に当接した状態で凹部26に嵌入され、取付孔185に螺子19が挿通された状態でリブ186と保護カバー2とで囲まれた第3空間S3に螺子19の頭部19aが配置される。これにより、ベース部材18が螺子19により壁Wに取り付けられた状態で、螺子19を介して壁Wへ伝熱することにより冷却された第3空間S3内の空気の第2空間S2への流入が低減されるので、操作機器本体1内部での結露が抑制される。また、第3空間S3内に配置される螺子19の頭部19aが結露することにより生じた水の第2空間S2への入も防止される。従って、操作機器本体1内部での結露および螺子19の頭部19aが結露することにより生じた水の第2空間S2への入に起因した操作機器100の動作不良を抑制することができる。また、操作機器100の外部から取付孔185を通って第3空間S3に入した空気の第2空間S2への流入が低減されるので、操作機器本体1内部での結露が抑制されるという利点がある。
また、本実施の形態に係るベース部材18は、取付孔185の周囲に設けられた窪み部181dと、第1溝181bと、第2溝181cと、を有する。ここで、取付孔185には、ベース部材18を壁Wに取り付けるための螺子19が挿通される。第1溝181bは、−Z方向へ延在している。第2溝181cは、第2溝181b側の一端部で第1溝181bに連通し他端部で窪み部181dに連通している。そして、第2溝181cの他端部は、第2溝181cの一端部よりも+Z方向側に位置している。これにより、窪み部181dに排出された水は、それに作用する重力により第2溝181cに沿って第1溝181bへ流れ出て、第1溝181bを通って操作機器100の下方へ放出されるので、ベース部材18と壁Wとの間に水が溜まることに起因したベース部材18の劣化が抑制される。
また、筐体10は、ベース部材18で覆われる開口部10aを有する。ベース部材18は、筐体10の開口部10aを覆う部分に設けられた排出孔181aを有する。保護カバー2は、信号線用溝21の−Z方向側の端部の外周部から突出し先端部がベース部材18の排出孔181aに嵌入されるリブ24を有する。これにより、信号線用溝21内に入した水をリブ24に沿ってベース部材18の第1溝181b内へ確実に排出することが可能となる。更に、本実施の形態に係る信号線用溝21の−Z方向側の端部は、−Z方向側に凸となる形で湾曲している。そして、リブ24は、平面視U字状であり、信号線用溝21の−Z方向側の端部の外周部に沿って設けられている。これにより、信号線用溝21内に入した水をリブ24に沿ってベース部材18の第1溝181b内へ円滑に排出することができる。
また、本実施の形態に係る回路基板80には、2つの平面視矩形状の開口部84aと、切欠部84b、84cと、が形成されている。そして、コンデンサ41は、開口部84aの内側に配置され、制御用集積回路42は、切欠部84bの内側に配置され、整流素子43は、切欠部84cの内側に配置されている。これにより、制御基板8は、例えばコンデンサ41、制御用集積回路42および整流素子43が回路基板80の一面上に実装された構成に比べて、回路基板80の厚さ分だけ薄くなっている。更に、保護カバー2は、保護カバー2における回路基板80の開口部84aおよび切欠部84b、84cに対応する部位に、開口部27aおよび切欠部27b、27cが設けられている。そして、コンデンサ41の一部が開口部27aに嵌入されている。また、制御用集積回路42および整流素子43の一部が切欠部27b、27cに嵌入されている。これにより、保護カバー2は、コンデンサ41、制御用集積回路42および整流素子43と干渉することなく、制御基板8に近接して配置することが可能となっている。従って、筐体10の厚さを薄くすることができるので、操作機器100の薄型化が可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態に係る操作機器は、ベース部材が、ベース部材のリブと保護カバーの凹部の底部とで囲まれた第3空間に連通する連通孔を有し、第3空間に溜まった水を、連通孔を通じて操作機器の外へ排出する構成である点が実施の形態1に係る操作機器100と相違する。
図18に示すように、本実施の形態に係る操作機器200は、操作機器本体1とベース部材2018とを備える。なお、図18において、実施の形態1と同様の構成については図2および図11と同一の符号を付している。ベース部材2018は、実施の形態1で説明したベース部材18と同様に、螺子19が挿通される複数の取付孔185が設けられている。そして、図18に示すように、ベース部材2018のリブ2186が設けられる側に筐体10が固定される。ベース部材2018は、実施の形態1で説明したベース部材18と同様に、矩形板状の底壁2181と、底壁181の周縁部に立設する周壁182と、を有する。また、ベース部材2018は、−Y方向側における取付孔185の周囲に設けられた窪み部181dと、第1溝181bと、第2溝181cと、を有する。取付孔185と窪み部181dとの間には、環状の座部2181eが形成されている。
また、図19に示すように、取付孔185の前面側の周囲には、リブ2186が設けられている。リブ2186は、操作機器本体1がベース部材2018に固定された状態で保護カバー2の凹部26に嵌合する。そして、リブ2186の先端部は、凹部26の底部に当接している。これにより、リブ2186と凹部26の底部とで囲まれた第3空間S3が、信号線Lが配置される第2空間S2から分離される。そして、取付孔185に螺子19が挿通された状態で、第3空間S3に螺子19の頭部19aが配置される。また、ベース部材2018は、取付孔185よりも−Z方向側に位置し、ベース部材2018の−Y方向側から第3空間S3に連通する平面視で細長の長方形状の連通孔2188を有する。これにより、第3空間S3で螺子19の頭部19aが結露することにより生じた水は、連通孔2188を通じて操作機器200の外へ排出される。なお、連通孔2188の平面視形状は、長方形に限定されるものではなく、例えば円形、楕円形、正方形その他種々の形状を採用することができる。
また、リブ2186の−Z方向側、即ち、鉛直下方側の内壁2186aおよび連通孔2188の−Z方向側の内壁2188aは、制御基板8側とは反対側、即ち、−Y方向側ほど−Z方向、即ち、鉛直下方に位置する形で傾斜している。ここで、内壁2186a、2188aの傾斜角θ21、θ22は、例えば1度乃至5度の範囲内に設定されている。これにより、第3空間S3で螺子19の頭部19aが結露することにより生じた水の制御基板8側への流入が抑制される。また、第3空間S3で生じた水は、リブ2186の内壁2186aおよび連通孔2188の内壁2188aに沿って操作機器200の外へ排出され易くなるので、第3空間S3に水が溜まることを防止できる。
以上説明したように、本実施の形態に係る操作機器200によれば、ベース部材2018が、壁Wに取り付けられた状態で取付孔185よりも−Z方向側、即ち、鉛直下方に位置し、ベース部材の制御基板8側とは反対側、即ち、−Y方向側から第3空間S3に連通する連通孔2188を有する。これにより、第3空間S3で螺子19の頭部19aが結露して生じた水が連通孔2188を通じて操作機器200の外へ排出されるので、第3空間S3に溜まった水が第2空間S2または第1空間S1に入することに起因した操作機器200の動作不良が抑制される。
また、本実施の形態に係るリブ2186の−Z方向側の内壁2186aおよび連通孔2188の−Z方向側の内壁2188aは、制御基板8側とは反対側、即ち、−Y方向側ほど−Z方向側、即ち、鉛直下方に位置する形で傾斜している。これにより、第3空間S3で螺子19の頭部19aが結露することにより生じた水が操作機器200の外へ円滑に排出されるので、第3空間S3内に水が溜まることを抑制できる。
(実施の形態3)
本実施の形態に係る操作機器は、保護カバーを備えていない点で、実施の形態1および実施の形態2と相違する。本実施の形態に係る操作機器では、保護カバーの代わりに、ベース部材のリブの先端部に取り付けられる蓋体により、筐体内における制御基板が配置される第1空間への水の浸入を防止している。
図20に示すように、本実施の形態に係る操作機器300は、操作機器本体3001とベース部材3018とを備える。なお、図20において、実施の形態1、実施の形態2と同様の構成については図12、図19と同一の符号を付している。操作機器本体3001は、実施の形態1に係る操作機器本体1において保護カバー2を備えない構成である。ベース部材3018は、実施の形態1に係るベース部材18と同様に、矩形板状の底壁3181と、底壁3181の周縁部に立設する周壁182と、を有し、底壁3181における複数箇所に取付孔185が設けられている。また、取付孔185の周囲には、実施の形態1および実施の形態2と同様に、環状のリブ3186が設けられている。そして、リブ3186の先端部は、図21に示すように、蓋体3026により閉塞されている。蓋体3026は、例えばシリコーンゴム、フッ素ゴムのような熱硬化性樹脂系エラストマー、エチレン・プロピレン・ジエンゴムのような加硫ゴムまたはその他のベース部材3018を形成する材料とは異なる樹脂材料等から形成されている。蓋体3026には、ヒダ状の突起部3026aが設けられており、リブ3186の先端部に蓋体3026が圧入されることにより、リブ3186と蓋体3026とで囲まれた第4空間S4が、制御基板8が配置される第1空間S1から分離される。蓋体3026が、特にシリコーンゴムまたはフッ素ゴムのようなエラストマーから形成されている場合、第4空間S4の気密性を高めることができる。そして、取付孔185に螺子19が挿通された状態で、第4空間S4に螺子19の頭部19aが配置される。なお、蓋体の形状について、リブ3186の内側にヒダ状の突起部3026aを配置しているが、例えば、リブ3186の外側にヒダ状の突起物を配置することにより、空間を形成出来るのであれば、構造にはこだわらない。また、ベース部材3018は、実施の形態2に係るベース部材2018と同様に、取付孔185よりも−Z方向側に位置し、ベース部材3018の−Y方向側から第4空間S4に連通する連通孔2188を有する。これにより、第4空間S4で螺子19の頭部19aが結露することにより生じた水は、連通孔2188を通じて操作機器200の外へ排出される。
次に、本実施の形態に係る操作機器300を壁Wに取り付ける方法について説明する。まず、ベース部材3018の取付孔185に螺子19を挿通し、ベース部材3018を螺子19により壁Wに取り付ける。そして、ベース部材3018が壁Wに取付けられた状態で、リブ3186の先端部に蓋体3026を圧入させる。その後、実施の形態1に係る操作機器本体1をベース部材3018に取り付ける方法と同様の方法により、操作機器本体3001をベース部材3018に取り付ける。
以上説明したように、本実施の形態に係る操作機器300によれば、蓋体3026がリブ3186の先端部に取り付けられることにより、リブ186と蓋体3026とで囲まれた第4空間S4が、制御基板8が配置される第1空間S1から分離される。これにより、螺子19の頭部19aが結露することにより生じる水の制御基板8が配置される第1空間S1への入を防止できる。従って、保護カバー2が不要となるので、その分、操作機器300の薄型化を図ることができる。
(変形例)
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は前述の各実施の形態によって限定されるものではない。例えば、保護カバーの少なくとも凹部の底部が弾性材料から形成されている構成であってもよい。この場合、保護カバーは、凹部の底部におけるベース部材のリブの先端部が当接する部分が弾性変形することにより、凹部の底部とリブの先端部との間の密着性を高める構成となっている。
図22に示すように、本変形例に係る操作機器400は、保護カバー4002の凹部4026の底部4261が、弾性材料から形成されている。弾性材料としては、例えばシリコーンゴムまたはフッ素ゴムのような熱硬化性樹脂系エラストマーやエチレン・プロピレン・ジエンゴムのような加硫ゴムを採用することができる。また、底部4261は、例えば保護カバー4002における底部4261以外の他の部分と一体に成形される。なお、底部4261と保護カバー4002における底部4261以外の他の部分とが各別に成形されてもよい。また、底部4261は、保護カバー4002の工場出荷時において予め保護カバー4002の凹部4026に取り付けられていてもよい。この場合、操作機器400の施工時における施工作業者の手間を軽減することができる。
本構成によれば、凹部4026の底部4261とリブ186の先端部との密着性が高まるので、第3空間S3で螺子19の頭部19aで結露することにより生じた水の第2空間S2への入を確実に防止することができる。
実施の形態2では、ベース部材2018が、取付孔185とは別に、ベース部材2018のリブ2186と保護カバー2の凹部26の底部とで囲まれた第3空間S3に連通する連通孔2188を有する構成について説明した。但し、これに限らず、例えば図23および図24に示す操作機器500のように、ベース部材5018に、取付孔5185に連通する連通溝5188が設けられている構成であってもよい。なお、図23において、実施の形態2と同様の構成については図18と同一の符号を付している。ベース部材5018は、実施の形態2に係るベース部材2018と同様に、矩形板状の底壁5181と、底壁5181の周縁部に立設する周壁182と、を有し、底壁5181における複数箇所(図23では5箇所)に取付孔5185が設けられている。そして、ベース部材5018は、図24に示すように、取付孔5185よりも−Z方向側に位置し、ベース部材5018の−Y方向側から第3空間S3に連通する連通溝5188を有する。これにより、第3空間S3で螺子19の頭部19aが結露することにより生じた水は、連通溝5188を通じて操作機器500の外へ排出される。
本構成によれば、ベース部材5018が、取付孔5185よりも−Z方向側に位置し取付孔5185に連通する連通溝5188を有する。これにより、第3空間S3で螺子19の頭部19aが結露して生じた水が連通溝5188を通じて操作機器500の外へ排出されるので、第3空間S3に溜まった水が第2空間S2や第1空間S1に入することに起因した操作機器500の動作不良が抑制される。
実施の形態3では、保護カバーを有しない操作機器本体3001を備える操作機器300の例について説明したが、これに限定されず、保護カバーを有する操作機器本体を備える構成であってもよい。この場合、保護カバーは、例えば実施の形態1に係る保護カバー2のように凹部26が設けられた構造とする必要がないので、保護カバーの成形が簡単になるという利点がある。
実施の形態3に係る操作機器300において、制御基板8とベース部材3018および蓋体3026との間に電気的絶縁性を有する絶縁シートが介在する構成であってもよい。本構成によれば、例えばベース部材3018を壁Wに取り付けた後、操作機器本体3001をベース部材3018に固定する際、作業者の手が制御基板8に直接接触することに起因した制御基板8のサージ破壊が防止される。
実施の形態2および3並びに各変形例においても、操作機器200,300,400,500が中空の壁(図示せず)に取り付けられる場合、螺子19の長さが壁を構成する壁板の厚さよりも長いと螺子19の先端部が壁内部の空間(図示せず)に到達する。このような壁に取り付けられた状態では、実施の形態1で説明したのと同様に、壁内部の空間に存在する冷気によって、図19、図22および図24における第3空間S3内、図20における第4空間S4内の空気が冷却される。
実施の形態1乃至3では、空気調和機の操作機器の例について説明したが、操作機器の操作対象機器は空気調和機に限定されるものではなく、他の住宅設備機器であってもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、各実施の形態を、組み合わせることも可能である。すなわち、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
本発明は、操作機器を造営材に取り付けるための螺子が結露しうる環境で使用される操作機器に好適である。
1,3001 操作機器本体、2,4002 保護カバー、5,19 螺子、7 端子螺子、8 制御基板、9 プッシュスイッチ、10 筐体、10a,14b,14c,14d,27a,84a,101a,101e,101f,101g 開口部、11 表示用モジュール、12 コネクタ、13 信号ケーブル、14 フロントパネル、14a 透明部、15 ファンクションキー、16 電源釦、17 操作キー、18,2018,3018,5018 ベース部材、19a 頭部、21,22 信号線用溝、23a,23b 係止片、24,186,2186,3186 リブ、25,181d 窪み部、26,4026 凹部、27b,27c,84b,84c,184 切欠部、41 コンデンサ、42 制御用集積回路、43 整流素子、80 回路基板、81,86,111a 貫通孔、83 信号端子、83a 螺子孔、85 突起、91 サーミスタ、100,200,300,400,500 操作機器、101,181,2181,3181,5181 底壁、101b,101c,101d 台座部、101h,101i,101j 可撓部、102,182 周壁、102a スリット、102b,183 係合孔、102c 導入用切欠部、102d 係合片、102e 排出用切欠部、111 突出片、181a 排出孔、181b 第1溝、181c 第2溝、181e,2181e 座部、185,5185 取付孔、187,112 フック、187a 先端部、2186a,2188a 内壁、2188 連通孔、3026 蓋体、3026a 突起部、3186a 雌螺子部、4261 底部、5188 連通溝、G1 隙間、J3,J41,J42,J43,J44,J45 中心軸、L 信号線、L11,L12 分岐線、S1 第1空間、S2 第2空間、S3 第3空間、S4 第4空間、S5 第5空間、W,W2 壁,WP 壁板。

Claims (6)

  1. 電子部品が実装された制御基板と、
    前記制御基板を収納する筐体と、
    造営材に取り付けるための螺子が挿通される取付孔と前記取付孔を囲繞する環状のリブとが設けられ、前記筐体が固定されるベース部材と、
    前記筐体内に配置され、前記ベース部材と前記筐体とで囲まれる空間を、前記筐体内の前記制御基板が配置される第1空間と、一部が前記ベース部材で囲まれる第2空間と、に分離することにより前記制御基板を保護する保護カバーと、を備え、
    前記保護カバーは、前記ベース部材に対向する面の前記リブに対応する位置に凹部が設けられ、
    前記リブは、前記リブの先端部が前記凹部の底部に当接した状態で前記凹部に嵌入され、前記取付孔に前記螺子が挿通された状態で前記リブと前記保護カバーとで囲まれた第3空間に前記螺子の一部が配置される、
    操作機器。
  2. 前記ベース部材は、前記ベース部材が前記造営材に取り付けられた状態で前記取付孔よりも鉛直下方に位置し、前記第3空間に連通する連通孔を有する、
    請求項1に記載の操作機器。
  3. 前記ベース部材が前記造営材に取り付けられた状態における前記リブの鉛直下方の内壁および前記連通孔の鉛直下方の内壁は、前記造営材に近づくほど鉛直下方に位置する形で傾斜している、
    請求項2に記載の操作機器。
  4. 前記保護カバーは、少なくとも前記凹部の底部が弾性材料から形成されている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の操作機器。
  5. 電子部品が実装された制御基板と、
    前記制御基板を収納する筐体と、
    造営材に取り付けるための螺子が挿通される取付孔と、前記取付孔を囲繞し且つベース部材が前記造営材に取り付けられた状態で前記造営材側とは反対側へ突出する複数の環状のリブと、が設けられ、前記筐体が固定されるベース部材と、
    前記リブの数と同じ数だけ存在し、複数の前記リブそれぞれの先端部を各別に閉塞する蓋体と、を備え、
    前記取付孔に前記螺子が挿通された状態で前記リブと前記蓋体とで囲まれた第4空間に前記螺子の一部が配置され、
    前記リブまたは前記蓋体における互いに対向する部位にヒダ状の突起部が設けられている、
    操作機器。
  6. 前記ベース部材は、
    前記取付孔の周囲に設けられた窪み部と、
    第1方向へ延びる第1溝と、
    一端部で前記第1溝に連通し、他端部で前記窪み部に連通する第2溝と、を有し、
    前記第2溝の他端部は、前記第1方向が鉛直下方を向く姿勢で前記造営材に取り付けられた状態において、前記第2溝の一端部よりも前記第1方向とは反対の第2方向に位置する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の操作機器。
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