図1〜図9を参照して、図1に示すホース10の締結を行うホース自動締結装置20について説明する。
ホース10は、流体を移送するための配管である。図2に示すホース10は、自動車用、二輪車用、または住宅設備用などである。ホース10は、制動用、空調用、操舵用、または給水用などである。ホース10は、液圧用(油圧用、水圧用など)または空圧用などである。ホース10は、ホース本体11と、口金具(13・17)と、を備える。
ホース本体11は、可撓性の管である。ホース本体11が真っ直ぐに(直線状に)のばされた状態のときの、ホース本体11の軸方向をホース軸方向Hとする。
口金具(13・17)は、ホース本体11の両側の端部に締結(固定)される(ホース本体11の「端部」は、ホース軸方向Hにおける端部である)。口金具(13・17)には、第1口金具13と、第2口金具17と、がある。
第1口金具13は、ホース本体11の一端部に固定される、口金具である。第1口金具13は、ホース本体11のホース軸方向H外側両端部のうち一方に固定される。第1口金具13は、ソケット14と、パイプ15と、を備える。
ソケット14は、ホース本体11に差し込まれる。ソケット14の軸方向は、ホース軸方向Hである。図1に示すように、加締め(下記)前のソケット14は、ほぼ有底円筒状である。図2に示すように、加締め後のソケット14は、ソケット14の外周に形成された複数本(例えば3本や2本など)の溝(周方向に延びる溝)を備える。ソケット14は、ソケット先端部14aを備える。ソケット先端部14aは、ソケット14のホース軸方向H外側(パイプ15側)の端部である。ソケット先端部14aは、ソケット14の底部(ほぼ有底円筒状であるソケット14の底部)である。
パイプ15は、ソケット14から突出する。パイプ15は、ソケット14から、ホース軸方向H外側に突出する。パイプ15は、管状である。パイプ15は、直線状の部分と、曲線状の部分(曲げ部)と、を有する。パイプ15の直径は、ソケット14の直径よりも小さい。パイプ15は、パイプ付け根部15aと、パイプ被保持部15b(図6参照)と、を備える。パイプ付け根部15aは、パイプ15のソケット14側の基端部である。パイプ付け根部15a(の外周)は、ソケット先端部14aと接触し、ソケット先端部14aに固定される。パイプ付け根部15aは、ソケット14とパイプ15との境界(基端)、および、その近傍の部分である。パイプ付け根部15aにおけるパイプ15は、直線状である。パイプ付け根部15aにおけるパイプ15の軸方向は、ホース軸方向Hである。パイプ被保持部15bは、ヤトイ(70・80)(図8参照)に挟まれる部分である(詳細は下記)。
第2口金具17は、ホース本体11の他端部に固定される。第2口金具17は、ホース本体11のホース軸方向H外側の両端部のうち、第1口金具13が固定されていない側の端部に固定される、口金具である。第2口金具17は、第1口金具13と同様に、ソケット18と、パイプ19と、を備える。
パイプ19は、第1口金具13のパイプ15とは形状(長さ、曲げ角度、曲げ位置など)が異なる(同一でもよい)。パイプ15に対するパイプ19の相対角度(ホース本体11の中心軸まわりの角度)は、予め定められている。以下では、第1口金具13および第2口金具17に関する「角度」(「相対角度」の「角度」を含む、曲げ角度の「角度」を除く)は、ホース本体11の中心軸まわり(ソケット14およびソケット18の中心軸まわり)の角度を意味することとする。
ホース自動締結装置20は、図1に示すように、ホース10を自動で組み立てる装置である。ホース自動締結装置20は、ホース本体11に、口金具(13・17)(図2参照)を自動で締結する装置である。ホース自動締結装置20は、ロボットハンド(下記)を用いて、上記の締結を行う装置(角度決めロボット締結装置)である。ホース自動締結装置20は、口金具用ハンド21と、ホース本体用ハンド23と、テーブル30と、加締機40と、差込用治具50と、保持用治具60と、を備える。
口金具用ハンド21は、口金具(13・17)(図2参照)の保持などを行う。口金具用ハンド21は、ロボットハンドである。口金具用ハンド21は、ロボットアーム(図示なし)に取り付けられる。口金具用ハンド21による、第1口金具13の保持などと、第2口金具17(図2参照)の保持などとは、同様に行われる。以下では、特に断らない限り、口金具用ハンド21が第1口金具13の保持などを行う場合ついて説明する。口金具用ハンド21は、第1口金具13の、保持と、移動と、解放と、を行う。
[保持]口金具用ハンド21は、口金具用ハンド21に対して第1口金具13が動かないように(回転しないように、ずれないように)、第1口金具13を保持する(チャックする)。口金具用ハンド21は、パイプ15を保持する。口金具用ハンド21は、パイプ15の例えば1か所(2か所以上でもよい)を保持する。
[移動]口金具用ハンド21は、第1口金具13を保持した状態で、第1口金具13を移動させる。口金具用ハンド21は、第1口金具13を第1所定位置(下記)に移動させる。
[解放]口金具用ハンド21は、第1口金具13(パイプ15)を保持していない状態になる(離す、解放する)ことが可能である。
ホース本体用ハンド23は、ホース本体11の保持などを行う。ホース本体用ハンド23は、ロボットハンドである。ホース本体用ハンド23は、ロボットアーム(図示なし、口金具用ハンド21が取り付けられるものとは別のロボットアーム)に取り付けられる。図2に示すようにホース本体11に口金具(13・17)が固定されている場合は、図1に示すホース本体用ハンド23は、ホース本体11の保持などを行う結果、ホース本体11および口金具(13・17)の保持などを行う。ホース本体用ハンド23は、ホース本体11の、保持と、移動と、解放と、を行う。ホース本体用ハンド23によるホース本体11の保持、移動、および解放と、口金具用ハンド21による第1口金具13の保持、移動、および解放とは、ほぼ同様に行われる。これらの相違点は次の通りである。
[保持]ホース本体用ハンド23は、ホース本体11の例えば2か所を保持する(3か所以上を保持してもよい)。
[移動]ホース本体用ハンド23は、ホース本体11を第2所定位置(下記)に移動させる。
テーブル30は、加締機40などが取り付けられる台である。テーブル30は、例えば、本体部30aと、第1突出部30bと、第2突出部30cと、を備える。第1突出部30bおよび第2突出部30cそれぞれは、本体部30aからZ2側(下記)に突出する。第2突出部30cは、第1突出部30bよりもY2側(下記)に配置される。
加締機40(締結機)は、ホース本体11にソケット14を加締める。以下では、加締機40による、ホース本体11とソケット14との加締めを、単に「加締め」ともいう。加締機40は、テーブル30(本体部30a)のZ2側(下記)に配置される。加締機40は、半割れ状(半割れ加締機、半割れ締結機)である。加締機40は、固定側加締機41と、可動側加締機42と、を備える。固定側加締機41と可動側加締機42とが閉じる(接触する)(図示なし)ことで、加締機40は、加締めを行う(加締め状態になる)。固定側加締機41と可動側加締機42とが開いた状態(互いに離れた状態)になることで、加締機40は、加締めを行わない状態(非加締め状態)になる。
固定側加締機41は、テーブル30に対して固定される。固定側加締機41は、本体部30a(Z2側(下記)の面)に固定される。固定側加締機41は、第1突出部30b(Y2側(下記)の面)に固定される。図8に示すように、固定側加締機41(の凹部)には、ホース10(ソケット14およびホース本体11)が差し込まれる。
可動側加締機42は、図1に示すテーブル30に取り付けられる。可動側加締機42は、本体部30a(Z2側(下記))に配置される。可動側加締機42は、第2突出部30cのY1側(下記)に配置される。可動側加締機42は、テーブル30に対してスライド(直線移動)可能である。可動側加締機42は、アクチュエータ(図示なし)によりスライドする。このアクチュエータは、例えば油圧を用いたもの(油圧シリンダ)である。このアクチュエータは、電力を用いたもの(電動シリンダなど)や、空気圧を用いたもの(エアシリンダ)でもよい。
(方向の定義)このホース自動締結装置20に関する方向には、X方向と、Y方向と、Z方向と、がある。X方向は、図8に示す加締機40により加締めが行われるときにホース軸方向Hと一致する方向である。X方向は、例えば水平方向である。X方向において、加締機40に加締められる第1口金具13の、パイプ付け根部15aからソケット14に向かう側(向き)を、X1側とする。X1側は、X方向において、下記のヤトイ(70・80)から加締機40に向かう側である。X方向におけるX1側とは逆側を、X2側とする。Y方向は、可動側加締機42のスライドの方向である。Y方向は、例えば水平方向である。Y方向において、可動側加締機42から固定側加締機41に向かう側を、Y1側とする。Y1側は、加締機40が非加締め状態から加締め状態になるときの、可動側加締機42のスライドの向きである。Y方向におけるY1側とは逆側を、Y2側とする。Z方向は、X方向およびY方向に直交する方向である。図1に示すように、Z方向は、テーブル30(本体部30a)と加締機40とが対向する方向である。Z方向は、例えば鉛直方向である。Z方向において、加締機40からテーブル30(本体部30a)に向かう側を、Z1側とする。Z1側は、例えば下側である。Z方向におけるZ1側とは逆側を、Z2側とする。
差込用治具50(姿彫り治具)は、ソケット14にホース本体11が適切に(適切な位置に、適切な深さで)差し込まれるようにするための治具(ガイド)である。差込用治具50は、例えば加締機40よりもZ2側に配置される。差込用治具50は、第1差込用治具51と、第2差込用治具52と、を備える。第1差込用治具51と第2差込用治具52とが閉じた状態(接触した状態)(図示なし)になることで、差込用治具50は、ソケット14を支持(ホールド)する(ソケット支持状態になる)。第1差込用治具51と第2差込用治具52とが開いた状態(互いに離れた状態)になることで、差込用治具50は、ソケット14を支持しない状態(ソケット解放状態)になる。
第1差込用治具51は、テーブル30(第1突出部30bのZ2側の面)に取り付けられる。第1差込用治具51は、ソケット14を支持可能な形状(例えば、凹部、突起、および溝など)を備える。第1差込用治具51は、ホース本体11をガイド可能な形状(例えば傾斜を有する凹部など)を備える。第1差込用治具51は、テーブル30に対してY方向にスライド(進退)する。第1差込用治具51は、Y2側に進出し、Y1側に退避する。第1差込用治具51は、アクチュエータによりスライドする。このアクチュエータは、例えば空圧を用いたものであり、油圧や空気圧を用いたものでもよい。
第2差込用治具52は、第1差込用治具51と同様に構成される。第1差込用治具51に対する第2差込用治具52の相違点は次の通りである。第2差込用治具52は、テーブル30(第2突出部30cのZ2側の面)に取り付けられる。第2差込用治具52は、第1差込用治具51よりもY2側(第1差込用治具51とY方向に対向する位置)に配置される。第2差込用治具52は、Y1側に進出し、Y2側に退避する。
保持用治具60(口金具保持治具)は、加締機40に加締められる口金具(13・17)(第1口金具13)を保持する。保持用治具60は、加締機40に隣接するように配置される。保持用治具60は、フレーム61と、第1シリンダ装置63と、第2シリンダ装置67と、ヤトイ(70・80)と、を備える。
フレーム61は、テーブル30に対してヤトイ(70・80)を支持する。フレーム61は、テーブル30に対して、第1シリンダ装置63および第2シリンダ装置67を支持する。フレーム61は、例えば金属板などを組み合わせたものである。フレーム61は、テーブル固定部61aと、シリンダ取付部61bと、を備える。
テーブル固定部61aは、テーブル30(第1突出部30bのX2側の面)に固定される。この固定は、例えば連結部材など(例えばボルトなど)により着脱可能に行われ、また例えば、溶接などにより着脱不能に行われてもよい(以下の「固定」についても同様)。
シリンダ取付部61bは、第1シリンダ装置63および第2シリンダ装置67が取り付けられる部分である。シリンダ取付部61bは、テーブル固定部61aに対するX方向の位置を調整可能に、テーブル固定部61aに取り付けられる。シリンダ取付部61bは、X方向におけるヤトイ(70・80)の位置を調整できるように、テーブル固定部61aに取り付けられる。
第1シリンダ装置63は、図3および図4に示すように、第1ヤトイ70(下記)をスライドさせる。第1シリンダ装置63は、フレーム61に対して第1ヤトイ70をY方向にスライドさせる。第1シリンダ装置63は、加締機40(図3参照)が加締め状態のときに、第1ヤトイ70のクッションとして機能する(詳細は下記)。第1シリンダ装置63は、空圧を用いたアクチュエータ(エアシリンダ)であり、油圧や電力を用いたアクチュエータでもよい(第2シリンダ装置67も同様)。第1シリンダ装置63は、第1シリンダ基部63aと、第1シリンダロッド63bと、第1シリンダテーブル63cと、を備える。第1シリンダ基部63aは、フレーム61(シリンダ取付部61b)に固定される。
第1シリンダロッド63bは、第1シリンダ基部63aからY方向(Y2側)に突出する。第1シリンダロッド63bは、第1シリンダ基部63aに対してY方向に進退する。第1シリンダロッド63bは、Y2側に進出し、Y1側に退避する。第1シリンダロッド63bは、2本設けられる(1本のみ、または3本以上設けられてもよい)。
第1シリンダテーブル63cは、第1シリンダ基部63aに対してY方向にスライド可能に、第1シリンダ基部63aに取り付けられる。第1シリンダテーブル63cは、第1シリンダロッド63bが進退する結果、第1シリンダ基部63aに対してスライドする。図4に示すように、第1シリンダテーブル63cは、Z方向から見てL字状に形成される。第1シリンダテーブル63cは、ガイド部63c1と、ロッド取付部63c2と、を備える。ガイド部63c1は、第1シリンダ基部63a(X1側の面)にスライド可能に取り付けられる。ガイド部63c1は、Y方向に延びる。ロッド取付部63c2は、第1シリンダロッド63b(Y2側の先端部)が取り付けられる部分である。ロッド取付部63c2は、ガイド部63c1(Y2側端部)からX方向(X2側)に突出する。なお、第1シリンダテーブル63cの形状は変更してもよい。また、第1シリンダテーブル63cは、第1シリンダ装置63の構成要素であることに代えて、第1連結部71(下記)の構成要素であってもよい。
第2シリンダ装置67は、図3に示すように、ヤトイ(70・80)を開閉させる。図3および図5に示すように、第2シリンダ装置67は、第2ヤトイ80(下記)をスライドさせる。第2シリンダ装置67は、フレーム61に対して第2ヤトイ80をY方向にスライドさせる。例えば、第1ヤトイ70が進出状態(下記)で保持されているときに、第2シリンダ装置67が第2ヤトイ80をスライドさせる結果、第2シリンダ装置67が、ヤトイ(70・80)を開閉させる。第2シリンダ装置67は、第1シリンダ装置63よりもZ1側に配置される(Z2側などに配置されてもよい)。第2シリンダ装置67は、第1シリンダ装置63(図3参照)と同様に構成される。第2シリンダ装置67は、第2シリンダ基部67aと、第2シリンダロッド67bと、第2シリンダテーブル67cと、を備える。図5に示すように、第2シリンダテーブル67cは、ガイド部67c1と、ロッド取付部67c2と、を備える。図3に示すように、第1シリンダ装置63に対する第2シリンダ装置67の相違点は次の通りである。第2シリンダロッド67bは、1本設けられる(2本以上設けられてもよい)。第2シリンダテーブル67cは、第2シリンダ装置67の構成要素であることに代えて、第2連結部81(下記)の構成要素であってもよい。
ヤトイ(70・80)は、図9に示すように、パイプ15を保持する。ヤトイ(70・80)は、加締機40と隣り合うように配置される。ヤトイ(70・80)は、ヤトイ(70・80)がパイプ15(パイプ被保持部15b)を保持した状態で、加締機40が加締めを行えるような位置に配置される。ヤトイ(70・80)は、ヤトイ(70・80)に対して第1口金具13が動かないように(回転しないように、ずれないように)、第1口金具13を保持する(チャックする)。ヤトイ(70・80)は、加締め時に、第1口金具13と第2口金具17(図2参照)との相対角度を保証する治具(相対角度合わせ用の治具)である。ヤトイ(70・80)は、第1ヤトイ70と、第2ヤトイ80と、を備える。
このヤトイ(70・80)は、パイプ保持状態とパイプ解放状態とに切り替え可能に構成される。
[パイプ保持状態]図9に示すように、ヤトイ(70・80)は、パイプ15を保持するパイプ保持状態になることが可能に構成される。第1ヤトイ70と第2ヤトイ80とが閉じた状態(近づいた状態)になることで、ヤトイ(70・80)は、パイプ保持状態になる。パイプ保持状態のとき、ヤトイ(70・80)は、パイプ15の径方向にパイプ15を挟む。パイプ保持状態のとき、ヤトイ(70・80)は、例えばY方向にパイプ15を挟む。
[パイプ解放状態]図8に示すように、ヤトイ(70・80)は、パイプ15を保持しない(解放する)パイプ解放状態になることが可能に構成される。第1ヤトイ70と第2ヤトイ80とが開いた状態(離れた状態)になることで、ヤトイ(70・80)は、パイプ解放状態になる。
第1ヤトイ70は、図3および図4に示すように、フレーム61(シリンダ取付部61b)に、Y方向にスライド可能に取り付けられる。第1ヤトイ70は、第1シリンダ装置63を介して、フレーム61(シリンダ取付部61b)に取り付けられる。第1ヤトイ70には、進出状態と退避状態とがある。「進出状態」は、所定位置(予め定められた位置)に第1ヤトイ70が配置された状態である。「退避状態」は、進出状態の第1ヤトイ70の位置よりも、Y1側に第1ヤトイ70が配置された状態である。第1ヤトイ70は、第1連結部71と、第1保持部73と、を備える。
第1連結部71は、第1シリンダ装置63(第1シリンダテーブル63c)と第1保持部73とを連結する。第1連結部71は、例えば金属板を組み合わせたものなどである。第1連結部71は、部分71aと、部分71bと、部分71cと、を備える。部分71aは、第1シリンダテーブル63c(X1側の面)に固定される。部分71bは、部分71a(Y2側端部)からX方向(X1側)に突出する。部分71cは、部分71b(X1側端部)からY2側に突出する。なお、第1連結部71の形状は変更してもよい。
第1保持部73は、パイプ15(パイプ被保持部15b)(図9参照)を保持する部分である。第1保持部73は、第1連結部71(部分71cのY2側先端部、部分71cのX1側の面)に固定される。図4に示すように、第1保持部73は、パイプ15(パイプ被保持部15b)の形状(直径)に応じて、第1保持部73を交換可能に構成される。第1保持部73は、連結部材(例えばボルト)により着脱可能に、第1連結部71に固定される。図3および図7に示すように、第1保持部73は、U字状凹部73aを備える。
U字状凹部73aは、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態のときに、パイプ被保持部15bに接触する。なお、図7では、線が重ならないようにするために、U字状凹部73aに対してパイプ被保持部15bを離して記載した(下記のV字状凹部83aに対しても同様)。図7に示すように、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態のときに、パイプ被保持部15bの軸方向(パイプ被保持部15bにおけるパイプ15の軸方向(X方向))から、U字状凹部73aを見るとする。このとき、U字状凹部73aは、パイプ被保持部15bの外周に沿うようにU字状(半円と2本の直線とで構成される形状)に凹む。U字状凹部73aの半円状部分の半径を半径R73aとする。半径R73aは、U字状凹部73aにパイプ被保持部15bがはまり込むことが可能となるように設定される。半径R73aは、パイプ被保持部15bの外周の半径とほぼ同じであり、パイプ被保持部15bの外周の半径よりもわずかに大きい。半径R73aは、U字状凹部73aにソケット先端部14aがはまり込むことが不可能となるように設定される。半径R73aは、ソケット14(加締め前のソケット14)の外周の半径よりも小さい。
第2ヤトイ80は、図3および図5に示すように、フレーム61(シリンダ取付部61b)に、Y方向にスライド可能に取り付けられる。第2ヤトイ80は、第2シリンダ装置67を介して、フレーム61に取り付けられる。第2ヤトイ80は、第2連結部81と、第2保持部83と、を備える。
第2連結部81は、第2シリンダ装置67(第2シリンダテーブル67c)と第2保持部83とを連結する。第2連結部81は、例えば金属板を組み合わせたものなどである。第2連結部81は、部分81aと、部分81bと、部分81cと、を備える。部分81aは、第2シリンダテーブル67c(X1側の面)に固定される。部分81bは、部分81a(X1側の面)から、Y2側に突出する(延びる)。図3に示すように、部分81cは、部分81b(Y方向端部、Y2側端部)から、Z方向(Z2側)に突出する(延びる)。部分81cは、第1保持部73よりもY2側に配置される。なお、第2連結部81の形状は変更してもよい。
第2保持部83は、パイプ15(パイプ被保持部15b)(図9参照)を保持する部分である。第2保持部83は、第2連結部81(部分81cのZ2側先端部、部分81cのX1側の面)に固定される。図5に示すように、第2保持部83は、パイプ15(パイプ被保持部15b)の形状(直径)に応じて、第2保持部83を交換可能に構成される。第2保持部83は、連結部材(例えばボルト)により着脱可能に、第2連結部81に固定される。図3および図7に示すように、第2保持部83は、V字状凹部83aを備える。
V字状凹部83aは、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態のときに、パイプ15(パイプ被保持部15b)に接触する。図7に示すように、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態のときに、パイプ被保持部15bの軸方向(X方向)から、V字状凹部83aを見るとする。このとき、V字状凹部83aは、パイプ15の外周の2か所の部位に接触するようにV字状(2本の直線を有する形状)に凹む。V字状凹部83aは、パイプ被保持部15bの外周にほぼ沿うようにV字状に凹む。V字状凹部83aを構成する2本の直線がなす角は、例えば90°である(約90°でもよい、90°未満でもよい、90°を超えてもよい)。V字状凹部83aは、U字状凹部73aの内側に入り込むことが可能に構成される。具体的には、Z方向におけるV字状凹部83aの寸法は、Z方向におけるU字状凹部73aの寸法に対し、ほぼ同じであり、わずかに小さい。なお、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態のときに、パイプ15(パイプ被保持部15b)に接触する凹部は、U字状(U字状凹部73a)およびV字状(V字状凹部83a)でなくてもよい。例えば、2つのU字でもよく、2つのV字でもよく、U字やV字以外の形状(例えば半円状、半多角形状など)でもよい。
(パイプ被保持部15bの位置について)
図6に示すように、ヤトイ(70・80)は、パイプ15のパイプ被保持部15bを保持する。パイプ被保持部15bは、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態のときに、第1ヤトイ70(U字状凹部73a)と第2ヤトイ80(V字状凹部83a)とに挟まれる位置(間の位置)である。パイプ被保持部15bは、例えば次の位置である。
[位置の例1]パイプ被保持部15bは、パイプ15の任意の位置でもよい。
[位置の例2]パイプ被保持部15bは、パイプ付け根部15aである。この場合、パイプ被保持部15bは、例えば次の位置である。
[位置の例2−1]パイプ被保持部15bは、パイプ15のうち、ソケット14の中心軸と同軸の部分である。
[位置の例2−2]パイプ被保持部15bは、パイプ15のうち、ソケット14に隣接する部分である。「ソケット14に隣接する部分」の範囲は、例えば次の範囲である。ホース軸方向Hにおけるソケット14の寸法を長さL1とする。ホース軸方向Hにおいて、ソケット先端部14aから、パイプ被保持部15bの先端部(ソケット14とは逆側の端部)までの長さを長さL2とする。ホース軸方向Hにおいて、ソケット先端部14aから、パイプ被保持部15bの基端部(ソケット14側の端部)までの長さを長さL3とする。
[長さL2の例]長さL2は、例えば長さL1以下であり、例えば長さL1の2/3以下であり、例えば長さL1の1/2以下であり(図示なし)、例えば長さL1の1/3以下などである(図示なし)。
[長さL3の例1]長さL3は、例えば長さL1の1/2以下であり、例えば長さL1の1/3以下であり、例えば長さL1の1/5以下であり、例えば長さL1の1/10以下などである。
[長さL3の例2]長さL3は、0(ほぼ0を含む)である(図4および図5参照)。この場合、ソケット先端部14aは、第1保持部73(X1側の面)および第2保持部83(X1側の面)の少なくとも一方に接触する(突き当たる)。
(作動)
図1に示すホース自動締結装置20は、次のように作動する。ホース自動締結装置20の作動には、第1口金具13搬入工程と、ホース本体11搬入工程と、第1口金具13締結工程と、第2口金具17搬入工程(以下、第2口金具17については図2参照)と、ホース10反転工程と、第2口金具17締結工程と、がある。以下、各工程が行われる順序にほぼ沿って説明する(各工程の順序は適宜変更してもよい)。
第1口金具13搬入工程は、口金具用ハンド21が、加締機40の近傍に第1口金具13を搬入する工程である。第1口金具13搬入工程は、次のように行われる。[工程a−1]図2に示す口金具(13・17)は、受け治具(図示なし)に置かれる。この作業は、例えば人手(作業者の手作業)により行われる。[工程a−2]図1に示す口金具用ハンド21は、受け治具(図示なし)から差込用治具50の近傍(第1差込用治具51と第2差込用治具52との間、加締機40のZ2側)に、第1口金具13を移動させる。
ホース本体11搬入工程は、ホース本体用ハンド23が、加締機40の近傍にホース本体11を搬入する工程である。ホース本体11搬入工程は、次のように行われる。[工程b−1]ホース本体11は、所定の位置(図示なし)に置かれる。この作業は、例えば人手により行われる。[工程b−2]ホース本体用ハンド23は、所定の位置(図示なし)から差込用治具50の近傍(上記[工程a−2]参照)に、ホース本体11を移動させる。ホース本体用ハンド23は、第1口金具13のX1側の位置に、ホース本体11を移動させる。
第1口金具13締結工程は、第1口金具13がホース本体11に締結される工程である。第1口金具13締結工程は、差込工程と、位置決め工程と、保持工程と、加締め工程と、解放工程と、を備える。
差込工程は、ホース本体11が第1口金具13に差し込まれる工程である。差込工程は次のように行われる。[工程c−1]差込用治具50は、ソケット支持状態(上記)になり、ソケット14を支持する。[工程c−2]ホース本体用ハンド23は、ホース本体11を差込用治具50に差し込む(X2側に移動させる)。その結果、ホース本体用ハンド23は、ホース本体11をソケット14に差し込む。[工程c−3]差込用治具50は、ソケット解放状態(上記)になる。[工程c−4]口金具用ハンド21およびホース本体用ハンド23は、第1口金具13およびホース本体11を、ヤトイ(70・80)の近傍に移動させる。[工程c−5]上記[工程c−4]のとき、口金具用ハンド21およびホース本体用ハンド23は、ホース本体11と第1口金具13との相対位置(相対配置、相対角度)を保持したまま、ホース本体11および第1口金具13を移動(平行移動)させる。
位置決め工程は、図8に示すように、第1口金具13が第1所定位置に配置され、ホース本体11が第2所定位置に配置される工程である。位置決め工程などは、次のように行われる。[工程d−0]位置決め工程が行われる際には、第1シリンダ装置63は、第1ヤトイ70を進出状態に保持する。さらに詳しくは、第1ヤトイ70が所定位置に配置された状態が維持されるように、第1シリンダ装置63は、第1ヤトイ70を保持する。[工程d−1]上記[工程c−4]の移動により、ソケット14およびホース本体11は、固定側加締機41の凹部の内側に移動する。[工程d−2]このとき、パイプ被保持部15bは、第1ヤトイ70(第1保持部73、U字状凹部73a)と、第2ヤトイ80(第2保持部83、V字状凹部83a)と、の間に配置される。[工程d−3]このとき、パイプ被保持部15bは、U字状凹部73aの内面に押し付けられる(例えばY1側に押し付けられる)。[工程d−4]このとき、図6に示す長さL3が0の場合は、ソケット先端部14aは、第1保持部73に突き当てられる(例えばX2側に突き当てられる)。[工程d−5]例えば上記[工程d−1]〜[工程d−4]の結果、図8に示すように、第1口金具13は第1所定位置に配置され、ホース本体11は第2所定位置に配置される。
第1所定位置および第2所定位置の詳細は次の通りである。第1所定位置および第2所定位置は、予め定められる(ティーチングされる)。第1所定位置は、加締機40に対する第1口金具13の位置(配置、角度)である。第1所定位置は、ヤトイ(70・80)に対する第1口金具13の位置である。第1所定位置は、少なくとも上記[工程d−1]および[工程d−2]を経た第1口金具13の位置である。好ましくは、第1所定位置は、[工程d−1]と、[工程d−2]と、[工程d−3]および[工程d−4]の少なくとも一方と、を経た第1口金具13の位置である。さらに好ましくは、第1所定位置は、[工程d−1]〜[工程d−4]の全てを経た第1口金具13の位置である。第2所定位置は、加締機40に対するホース本体11の位置(配置、角度)である。第2所定位置は、第1口金具13が第1所定位置に配置されたときの、ホース本体11の位置である。
保持工程は、ヤトイ(70・80)が第1口金具13を保持する工程である。保持工程では、ヤトイ(70・80)は、口金具用ハンド21(図1参照)が第1口金具13を第1所定位置で保持しているときに、パイプ保持状態(上記)になる。さらに詳しくは、保持工程は次のように行われる。[工程e−1]図3に示す第2シリンダロッド67bは、Y方向(Y1側)に退避する。その結果、第2シリンダテーブル67cは、Y方向(Y1側)にスライドする。その結果、第2ヤトイ80は、Y方向(Y1側)にスライドする。その結果、ヤトイ(70・80)は、パイプ解放状態(図8参照)からパイプ保持状態(図9参照)になる。[工程e−2]信号出力部(図示なし)は、図1に示す口金具用ハンド21に信号を出力する。この信号は、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態になったことを、口金具用ハンド21に通知するための信号である。[工程e−3]口金具用ハンド21は、図9に示す第1口金具13(パイプ15)を解放する。
加締め工程は、加締機40により加締めが行われる工程である。加締め工程は、ホース本体用ハンド23(図1参照)がホース本体11を第2所定位置で保持しているときに、加締機40が加締めを行う工程である。加締め工程は、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態のとき(上記[工程e−1]参照)に行われる。加締め工程は、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態のとき(上記[工程e−1]参照)に行われる。さらに詳しくは、加締め工程は、次のように行われる。[工程f−1]可動側加締機42は、Y1側にスライドする。その結果、加締機40は、非加締め状態(上記)から、加締め状態(上記)(図示なし)になる。その結果、第1口金具13(ソケット14)とホース本体11とが加締められる。[工程f−2]この加締めは、ホース本体11および第1口金具13が適切な位置(配置、角度)に保持された状態で行われる。さらに詳しくは、この加締めは、ヤトイ(70・80)により第1口金具13が第1所定位置に保持された状態で行われる。この加締めは、ホース本体用ハンド23(図1参照)によりホース本体11が第2所定位置に保持された状態で行われる。[工程f−3]この加締めにより、ソケット14の直径が小さくなる。その結果、ソケット14およびパイプ付け根部15a(図4参照)の中心軸が、Y方向に(Y1側に)移動する。この移動の距離は、例えば10[mm]などである。[工程f−4]上記[工程f−3]での中心軸の移動に伴い、フレーム61に対して第1ヤトイ70および第2ヤトイ80がY方向(Y1側)に移動する。この移動は、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態を維持したまま行われる。さらに詳しくは、図3に示す第1シリンダ基部63aに対して、第1シリンダロッド63bおよび第1シリンダテーブル63cが、Y方向(Y1側)に移動する。これと同時に、第2シリンダ基部67aに対して、第2シリンダロッド67bおよび第2シリンダテーブル67cが、Y方向(Y1側)に移動する。このように、上記[工程f−3]での中心軸の移動に対して、第1シリンダ装置63が、クッションとして機能(作動)する。また、上記[工程f−3]での中心軸の移動に対して、第2シリンダ装置67も、クッションとして機能する。[工程f−5]図9に示す加締機40は、加締め完了後に、加締め状態から非加締め状態になる。[工程f−6]ヤトイ(70・80)は、パイプ保持状態(図9参照)から、パイプ解放状態(図8参照)になる。第2ヤトイ80は、Y2側にスライドする(第1ヤトイ70から離れる)。[工程f−7]第1ヤトイ70は、加締めが行われる前の状態(上記[工程f−4]のクッションとしての作動が行われる前の状態)に戻る。
第2口金具17搬入工程(第2口金具17については図2参照)は、図1に示す口金具用ハンド21により、加締機40の近傍に第2口金具17が搬入される工程である。第2口金具17搬入工程は、次のように行われる。[工程g−1]上記の第1口金具13搬入工程([工程a−1]〜[工程a−2])と同様に、口金具用ハンド21は、差込用治具50の近傍に第2口金具17を移動させる。[工程g−2]上記[工程g−1]は、加締め工程とほぼ同時(同時でもよい)に行われる。上記[工程g−1]は、下記のホース10反転工程とほぼ同時(同時でもよい)に行われてもよい。
ホース10反転工程は、加締め工程を経た第1口金具13およびホース本体11(ワーク)を反転させる工程である。ホース10反転工程は、次のように行われる。[工程h−1]ホース本体用ハンド23は、図8に示す加締機40(固定側加締機41)から、第1口金具13およびホース本体11(ワーク)を、抜き取る(Y2側に移動させる)。[工程h−2]図1に示すホース本体用ハンド23は、第1口金具13およびホース本体11を、X方向における逆向きに反転(回転)させる。さらに詳しくは、ホース本体用ハンド23は、ホース本体11よりもX2側に第1口金具13がある状態から、ホース本体11よりもX1側に第1口金具13がある状態にする。
第2口金具17締結工程は、上記の第1口金具13締結工程と同様に、第2口金具17をホース本体11(第1口金具13が締結されたホース本体11)に締結する工程である。第2口金具17締結工程は、第1口金具13締結工程と同様に、差込工程と、位置決め工程と、保持工程と、加締め工程と、解放工程と、を備える。第1口金具13締結工程に対する、第2口金具17締結工程の相違点は次の通りである。[相違1]例えば上記[工程d−1]〜[工程d−4]と同様の工程により、第2口金具17は第1所定位置に配置され、ホース本体11(第1口金具13が締結されたホース本体11)は第2所定位置に配置される。このとき、第1口金具13(パイプ15)に対する第2口金具17(パイプ19)の相対角度が、予め定められた相対角度となるように、第2口金具17(パイプ19)が配置される(相対角度が保証される)。なお、第1口金具13の第1所定位置(パイプ15の角度など)と、第2口金具17の第1所定位置(パイプ19の角度など)とは、同一である必要はない。[相違2]加締め工程の完了後、ホース本体用ハンド23は、ホース10(ホース本体11、第1口金具13、および第2口金具17)を、ホース自動締結装置20の外部に排出する。
(効果1)
図1に示すホース自動締結装置20による効果を説明する。ホース自動締結装置20は、図2に示すホース本体11と口金具(13・17)とを備えるホース10を自動で組み立てる装置である。第1口金具13は、ホース本体11に差し込まれるソケット14と、ソケット14から突出するパイプ15と、を備える。図1に示すように、ホース自動締結装置20は、加締機40と、加締機40と隣り合うように配置されるヤトイ(70・80)と、を備える。
[構成1−1]ヤトイ(70・80)は、図9に示すようにパイプ15の径方向にパイプ15を挟むことによりパイプ15を保持するパイプ保持状態になることが可能に構成される。
[構成1−2]図9に示す加締機40は、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態のときに、ホース本体11へのソケット14の加締めを行う。
ホース自動締結装置20は、上記[構成1−1]および[構成1−2]を備える。上記[構成1−1]により、ヤトイ(70・80)は、様々な形状(長さ、曲げ角度、曲げ位置など)の第1口金具13(および図2に示す第2口金具17)を保持できる。上記[構成1−1]により、ヤトイ(70・80)は、パイプ15を所定の角度で保持できる。この状態で、上記[構成1−2]のように、加締めが行われる。よって、様々な形状の第1口金具13を、適切な角度でホース本体11に締結できる(この作用を[作用A]とする)。
ホース自動締結装置20は、上記[構成1−2]を備える。よって、加締め時のホース本体11に対するパイプ15の角度は、ヤトイ(70・80)により保持される(角度が保証される)。よって、ホース本体11に対するパイプ15の角度を保持するための、仮締結を行う必要がない。よって、仮締結の作業を省略できる(工数の削減ができる)(この作用を[作用B]とする)。
また、ホース本体11の一端に第1口金具13が締結された状態で、ホース本体11の他端に第2口金具17(図2参照)が締結される場合は、次の効果を奏する。この場合、上記[作用A]と同様に、第1口金具13が締結されたホース本体11に、第2口金具17を、適切な角度で締結できる。その結果、第1口金具13に対する第2口金具17の相対角度を適切な角度にできる(相対角度を保証できる)。また、上記[作用B]と同様に、ホース本体11に第2口金具17を仮締結する作業を省略できる。
(効果2)
[構成2−1]図7に示すように、ヤトイ(70・80)は、U字状凹部73aおよびV字状凹部83aを備える。U字状凹部73aおよびV字状凹部83aは、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態のときに、パイプ15のパイプ被保持部15bに接触する。
[構成2−2]U字状凹部73aは、パイプ被保持部15bの軸方向から見たとき(かつ、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態のとき)に、パイプ被保持部15bの外周に沿うようにU字状に凹む。
[構成2−3]V字状凹部83aは、パイプ被保持部15bの軸方向から見たとき(かつ、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態のとき)に、パイプ被保持部15bの外周の2か所の部位に接触するようにV字状に凹む。
ホース自動締結装置20は、上記[構成2−1]を備える。よって、ヤトイ(70・80)は、簡易な構成でパイプ15を保持できる。
ホース自動締結装置20は、上記[構成2−2]を備える。よって、パイプ被保持部15bの外周に沿わないような凹部によりパイプ15を保持しようとする場合に比べ、確実にパイプ15を保持できる。
ホース自動締結装置20は、上記[構成2−3]を備える。よって、パイプ被保持部15bの軸方向から見たときに、例えばパイプ被保持部15bの外周の1か所のみに接触する凹部などによりパイプ15を保持する場合に比べ、確実にパイプ15を保持できる。
(効果3)
図1に示すように、ホース自動締結装置20は、口金具用ハンド21と、ホース本体用ハンド23と、を備える。口金具用ハンド21は、第1口金具13(および図2に示す第2口金具17)の保持および移動を行うロボットハンドである。ホース本体用ハンド23は、ホース本体11の保持および移動を行うロボットハンドである。
[構成3−1]ヤトイ(70・80)は、口金具用ハンド21が第1口金具13を第1所定位置で保持しているときに、パイプ保持状態(図9参照)になる。
[構成3−2]加締機40は、ホース本体用ハンド23がホース本体11を第2所定位置で保持しているとき(図9参照)に、加締めを行う。
図1に示すホース自動締結装置20は、上記[構成3−1]および[構成3−2]を備える。よって、ホース本体11および第1口金具13の位置は、ロボットハンド(口金具用ハンド21およびホース本体用ハンド23)により決められる(位置決めされる)。よって、ホース本体11および第1口金具13を、確実に適切な位置に配置できる。また、ホース本体11の一端に第1口金具13が締結された状態で、ホース本体11の他端に第2口金具17(図2参照)が締結される場合は、第1口金具13に対する第2口金具17の相対角度を、確実に適切な角度にできる。
ホース自動締結装置20は、上記[構成3−1]を備える。よって、図9に示すように、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態になった後は、図1に示す口金具用ハンド21は、第1口金具13を保持する必要がない。そのため、ヤトイ(70・80)がパイプ保持状態になった後は、口金具用ハンド21は、別の仕事(第1口金具13の保持とは別の仕事)を行える。具体的には例えば、加締機40が加締めを行っている最中に、口金具用ハンド21は、第2口金具17(図2参照)を所定の位置に移動させることなどができる。よって、ヤトイ(70・80)がパイプ15を保持しない場合に比べ、図2に示すホース10の組み立てに要する作業時間(タクト)を短縮できる。
(変形例)
上記実施形態は様々に変形できる。例えば、図1に示すホース自動締結装置20の構成(配置、形状、作動など)は、次のように変更されてもよい。例えば、加締機40の構成は、次のように変更されてもよい。固定側加締機41および可動側加締機42は、Y方向にスライド不可能でもよい(加締機40は、半割れ加締機でなくてもよい)。固定側加締機41および可動側加締機42は、Y方向にスライド可能でもよい。また例えば、第1差込用治具51および第2差込用治具52のうち一方は、テーブル30に対して固定されてもよい。また例えば、フレーム61は、テーブル固定部61aとシリンダ取付部61bとに分かれていなくてもよい。
また例えば、ヤトイ(70・80)の構成は、次のように変更されてもよい。上記実施形態では、パイプ保持状態とパイプ解放状態との切り替えは、第1ヤトイ70および第2ヤトイ80のうち一方(第2ヤトイ80)がY方向にスライドすることにより行われた。しかし、この切り替えは、第1ヤトイ70および第2ヤトイ80の両方がY方向にスライドすることにより行われてもよい。また、上記実施形態では、ヤトイ(70・80)(第2ヤトイ80)のスライド方向は、加締機40(可動側加締機42)のスライド方向と同一であった。しかし、これらのスライド方向は同一でなくてもよい。