JP4427494B2 - パイプ曲げ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属からなる直管状のパイプ素材に曲げ加工を施して、曲がり部の曲率半径が小さい曲げパイプを製作するためのパイプ曲げ加工装置に関するものである。
金属からなる直管状のパイプ素材に曲げ加工、例えば引き曲げ加工を施して、曲がり部の曲率半径が小さい(すなわち小Rの)曲げパイプを製作するパイプ曲げ加工装置は従来知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
図6(a)、(b)に示すように、従来のこの種のパイプ曲げ加工装置は、一般に、ローラ101と、ワイパ102と、圧力型103と、クランパ104と、ブースタ105と、後方マンドレル106と、前方マンドレル107とを備えている。なお、本明細書では、便宜上、図6(a)、(b)中の位置関係において、右側を「前」といい、左側を「後」ということにする。
この従来のパイプ曲げ加工装置で曲げパイプを製作する場合、まず、圧力型103とワイパ102とで直管状のパイプ素材108の後部をクランプする一方、ローラ101とクランパ104とでパイプ素材108の前部をクランプする。そして、ローラ101及びクランプ104を、点Oを回転中心として矢印Xで示す方向に回転(回動)させ、パイプ素材108に曲げ加工を施す。その際、後方マンドレル106及び前方マンドレル107の先端部がパイプ素材108の内面の形状変化を規制ないしは拘束し、該パイプ素材108に扁平変形が生じるのを抑制する。また、ローラ101の回転角の変化すなわちパイプ素材108の曲げ角度の変化に伴って、ブースタ105でパイプ素材108を前方に押し出すことにより、パイプ素材108に割れや肉厚減少が生じるのを抑制する。
特開2001−24983号公報(段落[0013]〜[0021]、図1) 特開平6−540号公報(段落[0002]〜[0003]、図3〜図5)
図6(a)、(b)に示す従来のパイプ曲げ加工装置では、前記のとおり、パイプ素材108に曲げ加工を施す際に、ローラ101の回転角の変化に伴って、ブースタ105ひいてはパイプ素材108が前方に押し出される。そして、ブースタ105及びパイプ素材108の移動量ないしは移動速度は、一般に、油圧機構によって制御ないしは調整されるが、かかる油圧機構は大型かつ複雑であり、このためパイプ曲げ加工装置の製作コストが高くつくといった問題がある。
また、ブースタ105を押し出すのに必要かつ適切な押圧力は、圧力型103の締め加減に起因する摩擦抵抗のバラツキ、パイプ素材108の抗張力、パイプ素材の外径寸法のバラツキ、ワイパ102及び圧力型103の磨耗(とくにワイパ102の摩耗)等により大きく左右される。このため、ブースタ105の移動量の制御ないしは調整が非常に困難であるといった問題がある。
なお、従来のパイプ曲げ加工装置では、圧力型103の締め加減が製品(曲げパイプ)に与える影響が非常に大きく、締め過ぎると、パイプ素材108と圧力型103ないしはワイパ102との間の摩擦抵抗が増加し、パイプ素材108の移動が曲げ角度に追随できず、パイプ素材108に割れが発生することがある。逆に、圧力型103の締め加減がゆるいと、パイプ素材108と圧力型103ないしワイパ102との間のクリアランスが大きくなり、パイプ素材108の曲がり部の内側が座屈してしわが発生したり、真円度が悪化したりすることがある。
また、従来のパイプ曲げ加工装置では、後方マンドレル106は固定され、その前端部は曲げパイプの曲げR(曲率半径)に合わせて形成され、曲げ加工時にはこの前端部がパイプ素材108の内面の形状変化を規制するようになっている。このため、曲げ加工時には、後方マンドレル106とパイプ素材108の内面との間に摩擦が生じ、パイプ素材108の伸びが妨げられる。その結果、後方マンドレル106の前端部がパイプ素材108の内面の形状変形を十分に規制することができず、扁平変形が生じるのを完全に抑制することができないといった問題がある。
また、油圧機構に代えてサーボモータを用いてブースタ105の移動量を同期制御するようにしたパイプ曲げ加工装置も従来知られている。しかしながら、この場合、油圧機構を用いる場合と同様の条件ないしは環境で適切にブースタ105を制御しようとすれば、曲げ角度とブースタ105とを同期させるために、普通のパイプ曲げ加工装置に比べて数倍の出力ないしは規模のモータを使用しなければならず、パイプ曲げ加工装置が大型化するとともにその製作コストが高くつくといった問題がある。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、複雑な制御装置を用いることなく、パイプ素材に扁平変形、割れ、座屈、しわ等が発生するのを有効に防止ないしは抑制することができる、構造が簡素でコンパクトなパイプ曲げ加工装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明に係るパイプ曲げ加工装置は、(i)金属からなる直管状のパイプ素材に曲げ加工を施して、曲がり部の曲率半径が小さい曲げパイプを製作するパイプ曲げ加工装置において、(ii)パイプ素材の後部を保持するダイスと、パイプ素材の前部をクランプする一方回転動力源によって回転駆動されてパイプ素材が曲がる方向に回転するクランプ回転部と、曲げ加工時にパイプ素材を前方に押し出すブースタと、パイプ素材の中空部に挿入されて曲げ加工時におけるパイプ素材の形状を規制するマンドレルとを有する曲げ加工部と、(iii)回転動力源とブースタとの間に介設され、回転動力源の回転を機械的に前後方向の直線運動に変換してブースタに伝達するブースタ駆動機構と、(iv)回転動力源とマンドレルとの間に介設され、回転動力源の回転を機械的に前後方向の直線運動に変換してマンドレルに伝達するマンドレル駆動機構とが設けられ、(v)ブースタ駆動機構が、ブースタの前後方向の移動量を機械的に調整するブースタ移動量調整手段を備える一方、マンドレル駆動機構が、マンドレルの前後方向の移動量を機械的に調整するマンドレル移動量調整手段を備えていて、(vi)ブースタ移動量調整手段が、平面状のカム面を有するブースタカムと、上記カム面と係合するブースタ回動レバーとを備えていて、上記カム面の傾斜角を変えることによりブースタの前後方向の移動量を調整するようになっている一方、マンドレル移動量調整手段が、平面状のカム面を有するマンドレルカムと、上記カム面と係合するマンドレル回動レバーとを備えていて、上記カム面の傾斜角を変えることによりマンドレルの前後方向の移動量を調整するようになっていることを特徴とするものである。
また、本発明に係るパイプ曲げ加工装置においては、マンドレル駆動機構が、パイプ素材の曲げ加工時に、パイプ素材又は製作すべき曲げパイプの態様に応じた移動量でマンドレルを前方又は後方に移動させるようになっているのが好ましい。
本発明に係るパイプ曲げ加工装置によれば、簡素な機械的な連結機構により、ブースタとマンドレルとを、クランプ回転部の回転すなわちパイプ素材の曲げ角度の変化と同期させて前後方向に移動させることができる。したがって、油圧機構やサーボ機構などといった複雑な制御装置を用いることなく、パイプ素材に扁平変形、割れ、座屈、しわ等が発生するのを有効に防止ないしは抑制しつつ、高品質な曲げパイプを安価に製作することができる。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施の形態(発明を実施するための最良の形態)を具体的に説明する。
図1に示すように、本発明に係るパイプ曲げ加工装置BSは、金属からなるパイプ素材1に曲げ加工を施して曲げパイプを製作する曲げ加工部Pと、曲げ加工部Pの構成要素であるブースタ2を動作させるブースタ駆動部Bと、曲げ加工部Pの構成要素である後方マンドレル3を動作させるマンドレル駆動部Mと、該パイプ曲げ加工装置BSの回転動力源であるギヤモータ4と、ギヤモータ4の動力を曲げ加工部Pとブースタ駆動部Bとマンドレル駆動部Mとに伝達する動力伝達部Dとを備えている。なお、以下では、便宜上、図1〜図5中の位置関係において、右側を「前」といい、左側を「後」ということにする。
動力伝達部Dには、1つの共通回転軸5に同軸に取り付けられて一体回転する、第1プーリ6と第2プーリ7とピニオン8(ギヤ)とが設けられている。さらに、動力伝達部Dには、ギヤモータ4の駆動軸9に同軸に取り付けられたモータプーリ10と、該モータプーリ10と第1プーリ6とに巻き掛けられた第1タイミングベルト11と、曲げ加工部Pの構成部分であるクランプ回転部12と一体回転する第3プーリ13と、第2プーリ7と第3プーリ13とに巻き掛けられた第2タイミングベルト14と、ピニオン8と噛み合うラック15とが設けられている。
ここで、ギヤモータ4の駆動軸9ひいてはモータプーリ10が反時計回り(矢印A1で示す方向)に回転すると、まず第1プーリ6と第2プーリ7とピニオン8とが反時計回り(矢印A2で示す方向)に一体的に回転し、その結果、第3プーリ13が反時計回り(矢印A3で示す方向)に回転する一方、ラック15が前方(矢印A4で示す方向)に直線移動する。なお、駆動軸9ひいてはモータプーリ10が時計回り(矢印A5で示す方向)に回転すると、第1プーリ6、第2プーリ7、ピニオン8、第3プーリ13及びラック15は、前記の場合とは逆方向に回転又は直線移動する。
図2及び図3(a)、(b)に示すように、曲げ加工部Pには、前記のブースタ2、後方マンドレル3及びクランプ回転部12に加えて、ダイス17(ローラ)が設けられている。また、クランプ回転部12は、クランプ基部18と、前後シリンダ19と、上側クランプシリンダ20と、下側クランプシリンダ21と、上側クランパ22と、下側クランパ23と、前方マンドレル24とを備えている。ここで、前後シリンダ19は、クランプ回転部12を、ダイス17に対して相対的に、前後方向に移動させることができる。また、上側クランプシリンダ20及び下側クランプシリンダ21は、それぞれ、上側クランパ22及び下側クランパ23を、上下方向に移動させることができる。つまり、上側クランプシリンダ20及び下側クランプシリンダ21を動作させることにより、上側クランパ22と下側クランパ23とで、パイプ素材1の前部をクランプ(把持)し、又はクランプ状態を解除することができる。
パイプ曲げ加工装置BSは、直管状のパイプ素材1に曲げ加工を施して曲げパイプを製作する際に、クランプ回転部12の回転角度すなわちパイプ素材1の曲げ角度の変化に同期して、ブースタ2ひいてはパイプ素材1を前方に移動させるとともに、後方マンドレル3を前方(場合によっては後方)に移動させる。なお、図3(a)、(b)から明らかなとおり、通常は、曲げ加工時における前方への移動量は、後方マンドレル3の方がブースタ2よりも多い。以下、ブースタ2ひいてはパイプ素材1を前後方向に移動させるためのブースタ駆動機構B及び後方マンドリル3を前後方向に移動させるためのマンドレル駆動機構Mの具体的な構成及び機能を説明する。
まず、図4を参照しつつ、ブースタ駆動機構Bの具体的な構成及び機能を説明する。図4に示すように、ブースタ駆動機構Bには、ラック15の後端部に連結された駆動基部25が設けられている。ここで、ラック15及び駆動基部25は、複数のスライダ26を介して、前後方向に直線状に伸びるレール27と係合している。これにより、駆動基部25は、レール27に沿ってラック15と一体的に前後方向に円滑に直線移動することができる。
そして、駆動基部25にはブースタカム28が取り付けられている。このブースタカム28は、その前端部近傍で回動軸29によって、両矢印B1方向に回動可能に支持されている。そして、ブースタカム28の後端部近傍において係合面28a(下面)は、ブースタシフト調整部材30に付設された偏心ピン30aと当接している。このブースタシフト調整部材30は、駆動基部25に、両矢印B2方向に回動可能に取り付けられている。ここで、ブースタシフト調整部材30を両矢印B2方向に回動させると、偏心ピン30aの上下方向の位置が変化し、その変化に伴ってブースタカム28が回動し、そのカム面28b(上面)の水平方向に対する角度θ1(以下、「ブースタカム面傾斜角θ1」という。)が変化する。図4は、偏心ピン30aが最も高い位置にあり、したがってブースタカム面傾斜角θ1(後方に向かっての仰角)が最大である状態を示している。なお、偏心ピン30aの位置を低くすれば、ブースタカム面傾斜角θ1を負の値とすることができる(カム面28bが後方に向かって下がるように傾斜する)。
また、ブースタ駆動機構Bには、パイプ曲げ加工装置BSの本体に固定された回動軸31まわりに両矢印B3方向に回動可能なブースタ回動レバー32が設けられている。このブースタ回動レバー32の下端部32aの近傍にはローラ33が取り付けられている。このローラ33は、ブースタ回動レバー32に固定された回転軸34のまわりに自在に回転できるようになっている。そして、ローラ33は、ブースタカム28のカム面28bと当接している。つまり、ローラ33は、カム面28b上で転がることができる。また、ブースタ回動レバー32の上端部32bは、リンク機構35を介して、ブースタ2の後端部に連結されたブースタロッド36に連結されている。
かくして、ブースタ駆動機構Bは、ラック15の前後方向の移動に伴ってブースタ2を前後方向に移動させる。すなわち、ギヤモータ4の駆動軸9(図1参照)が反時計回り(矢印A1方向)に回転すると、ラック15は前方(矢印A4方向)に直線移動し、これに伴って駆動基部25ひいてはブースタカム28が前方に直線移動する。その結果、後方に向かって上がるように傾斜しているカム面28bと当接しているローラ33が、回転しつつ上向きに移動させられ、その結果ブースタ回動レバー32は、回動軸31のまわりに時計回りに回動する。これにより、ブースタ回動レバー32の上端部32bが右下がりに回動し、その結果、リンク機構35を介して上端部32bに連結されているブースタロッド36ひいてはブースタ2が前方に直線移動する。また、ギヤモータ4の駆動軸9(図1参照)が時計回りに回転すると、上記の場合とは逆に、ブースタロッド36及びブースタ2が後方に直線移動する。なお、ブースタカム面傾斜角θ1が負の値であれば、ブースタロッド36及びブースタ2の直線移動の方向は、前記の場合とは逆になる。
次に、図5を参照しつつ、マンドレル駆動機構Mの具体的な構成及び機能を説明する。図5に示すように、マンドレル駆動機構Mにおいては、ラック15の後端部に連結された駆動基部25にマンドレルカム40が取り付けられている。このマンドレルカム40は、その前端部近傍を回動中心として、両矢印C1方向に回動可能に支持されている。そして、マンドレルカム40の後端部近傍にはマンドレルカム固定手段41が設けられている。このマンドレルカム固定手段41は、詳しくは図示していないが、ボルト、ナット等で構成され、マンドレルカム40の後端部を任意の高さの位置で駆動基部25に固定し、かつこの固定を解除することができる。つまり、マンドレルカム固定手段41は、マンドレルカム40を任意の回動角位置に固定することができる。
ここで、マンドレルカム固定手段41による固定を解除し、マンドレルカム40を両矢印C1方向に回動させてその回動角を変化させると、この変化に伴ってマンドレルカム40のカム面40aの水平方向に対する角度θ2(以下、「マンドレルカム面傾斜角θ2」という。)が変化する。図5は、マンドレルカム40の後端部が最も高い位置にあり、したがってマンドレルカム面傾斜角θ2(後方に向かっての仰角)が最大である状態を示している。なお、マンドレルカム40の後端部の位置を低くすれば、マンドレルカム面傾斜角θ2を負の値とすることができる(カム面40aが後方に向かって下がるように傾斜する)。
また、マンドレル駆動機構Mには、パイプ曲げ加工装置BSの本体に固定された回動軸42まわりに両矢印C2で示すように回動可能なマンドレル回動レバー43が設けられている。このマンドレル回動レバー43の後端部43aの近傍には摺動部材44が設けられている。この摺動部材44は、マンドレルカム40のカム面40aと摺接している。つまり、摺動部材44は、カム面40a上を摺動することができる。また、マンドレル回動レバー43に連結された連結部43bには連結部材45が連結されている。この連結部材45の上端部は、後方マンドレル3の後端部に連結されたマンドレル連結具46に連結されている。
かくして、マンドレル駆動機構Mは、ラック15の前後方向の移動に伴って後方マンドレル3を前後方向に移動させる。すなわち、ギヤモータ4の駆動軸9(図1参照)が反時計回り(矢印A1方向)に回転すると、ラック15は前方(矢印A4方向)に直線移動し、これに伴って駆動基部25ひいてはマンドレルカム40も前方に直線移動する。その結果、後方に向かって上がるように傾斜しているカム面40aと摺接している摺動部材44が、摺接しつつ上向きに移動させられ、マンドレル回動レバー43は、回動軸42のまわりに時計回りに回動する。これにより、マンドレル回動レバー43の連結部43b(上端部)が右下がりに回動し、連結部材45を介して連結部43bに連結されているマンドレル連結具46ひいては後方マンドレル3が前方に直線移動する。また、ギヤモータ4の駆動軸9(図1参照)が時計回りに回転すると、上記の場合とは逆に、マンドレル連結具46及び後方マンドレル3が後方に直線移動する。なお、マンドレルカム面傾斜角θ2が負の値であれば、後方マンドレル3の直線移動の方向は、前記の場合とは逆になる。
以下、図1〜図5を参照しつつ、パイプ曲げ加工装置BSで曲げパイプを製作する際の手順を説明する。曲げパイプを製作する際には、まず、曲げ加工部Pのダイス17の孔部17aに、金属(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、銅、銅合金等)からなる直管状のパイプ素材1を挿入する。このとき、ダイス17に対して、クランプ回転部12は前方に位置し、上側クランパ22は上方に位置し、下側クランパ23は下方に位置している(非クランプ状態)。また、パイプ素材1の後端部は、ダイス17の孔部17a内でブースタ2の前端部と当接し、パイプ素材1の中空部には後方マンドレル3が挿入されている。なお、ブースタ2及び後方マンドレル3は、それぞれ後退した位置(図4及び図5に示す位置)にある。
次に、前後シリンダ19でクランプ回転部12を矢印A6で示すように後方に移動させ、上側クランプシリンダ20で上側クランパ22を矢印A7で示すように下降させるとともに下側クランプシリンダ21で下側クランパ23を矢印A8で示すように上昇させ、両クランパ22、23でパイプ素材1をクランプする(クランプ状態)。さらに、パイプ素材1の中空部に、前側から前方マンドレル24を挿入する。図3(a)は、この状態を示している。
このように、曲げ加工部Pにパイプ素材1をセットした後、ギヤモータ4を駆動し、その駆動軸9を、所定の回転速度で反時計回り(図1中の矢印A1)に回転させる。その結果、曲げ加工部Pでは、動力伝達部Dを構成する第3プーリ13によってクランプ回転部12が反時計まわりに90°回転させられる。このクランプ回転部12の回転により、パイプ素材1に曲げ加工が施され、ベント角が90°の曲げパイプが製作される。なお、クランプ回転部12の回転角を90°以下の範囲内で調整することにより、90〜180°の範囲内で任意のベント角(例えば、120°、150°等)の曲げパイプを製作することができることはいうまでもない。
そして、曲げ加工部Pでパイプ素材1に曲げ加工を施す際に、クランプ回転部12の回転と同期して、すなわちクランプ回転部12の回転角度(パイプ素材1の曲げ角度)の変化と同期して、ブースタ2と後方マンドレル3とが前方に移動させられる。すなわち、ギヤモータ4の駆動軸9が上記のとおり所定の回転速度で反時計回りに回転したときに、ラック15が前方(図4中の矢印A4方向)に直線移動させられる。このラック15の直線移動に伴って、前記のとおり、ブースタ駆動機構Bによってブースタ2が所定の距離だけ前方に移動させられるとともに、マンドレル駆動機構Mによって後方マンドレル3が前方に所定の距離だけ移動させられる。
ここで、ブースタ2及び後方マンドレル3の前方への移動量は、それぞれ、ブースタカム面傾斜角θ1及びマンドレルカム面傾斜角θ2を調節することにより、製作すべき曲げパイプの形態あるいはパイプ素材の材料特性等に応じて個別に好ましく設定される。この前方への移動量は、通常は後方マンドレル3の方がブースタ2よりも多い。なお、製作すべき曲げパイプの形態あるいはパイプ素材の材料特性に等よっては、曲げ加工時に後方マンドレル3を後方に移動させることもある。
パイプ曲げ加工装置BSにより曲げパイプを製作する際に、後方マンドレル3及び前方マンドレル24の先端部は、パイプ素材1の内面の形状変化を規制ないしは拘束し、製品である曲げパイプが扁平化するのを防止ないしは抑制する。また、ブースト2はパイプ素材1を前方に押し出すことにより、該パイプ素材1に割れや肉厚の減少が生じるのを防止ないしは抑制する。
かくして、このパイプ曲げ加工装置BSでは、ブースタ駆動機構Bにおいてブースタカム28のブースタシフト調整部材30を両矢印B2方向に回動させてブースタカム面傾斜角θ1を調節することにより、ブースタ2の前後方向の移動量ないしは移動速度を任意に設定することができる。また、マンドレル駆動機構Mにおいてマンドレルカム40を両矢印C1方向に回動させてマンドレルカム面傾斜角θ2を調節することにより、マンドレル3の前後方向の移動量ないしは移動速度を任意に設定することができる。
したがって、パイプ素材1の曲げ角度と、ブースタ2及び後方マンドレル3の移動量との関係を自在に調整することができる。すなわち、油圧機構やサーボ機構などによる複雑な制御を行うことなく、ブースタカム面傾斜角θ1及びマンドレルカム面傾斜角θ2を調節するだけの簡単な物理的操作により、製作すべき曲げパイプの形態あるいは使用するパイプ素材1の特性等に応じて、ブースタ2及び後方マンドレル3の前後方向の移動量ないしは移動速度を最適なものとすることができる。
本発明に係るパイプ曲げ加工装置BSによれば、パイプ素材1の曲げ角度と、ブースタ2の移動量の関係を自在に調整することができ、従来のパイプ曲げ加工装置における油圧制御あるいはサーボ制御(電気制御)では困難であった、パイプ素材1の曲げ角度と、ブースタ2及び後方マンドレル3の移動量との同期制御を容易に行うことができる。したがって、パイプ素材1の抗張力や摩擦係数にかかわりなく、適切にブースタ2を移動させることができる。また、ブースタ2と同様に、後方マンドレル3をパイプ素材1の曲げ角度と同期させて、前方又は後方に移動させることができ、後方マンドレル3の移動をパイプ素材1の伸びあるいは曲げRなどに追従させることができる。
以上、本発明に係るパイプ曲げ加工装置BSによれば、製作された曲げパイプの後方側の真円度が飛躍的に良くなり、小R曲げの特徴を生かしたL形あるいはI形の配管継ぎ手等の圧入部位の精度を向上させることができる。また、曲げパイプの後方側にクランプ傷が生じないので、圧入あるいはホース挿入後に漏れが生じない。さらに、パイプ素材1の伸びや移動を妨げる要因を最小限に抑えることができ、扁平化や肉厚の減少が生じるのを有効に防止ないしは抑制することができ、例えば1D以下の曲げ加工も容易に行うことができる。また、カム駆動の採用により、加工エネルギ以外のエネルギロスを極限まで低減することができる。これらの相乗効果により、小R曲げを、従来技術に比べて極めて容易に行うことができ、曲げパイプの製造コストを低減することができる。
本発明に係るパイプ曲げ加工装置の側面図である。 図1に示すパイプ曲げ加工装置の曲げ加工部を拡大して示す側面図である。 (a)、(b)は、それぞれ、曲げ加工前及び曲げ加工後における図1に示すパイプ曲げ加工装置の要部の側面断面図である。 図1に示すパイプ曲げ加工装置のブースト駆動機構の側面図である。 図1に示すパイプ曲げ加工装置のマンドレル駆動機構の側面図である。 (a)、(b)は、それぞれ、曲げ加工前及び曲げ加工後における従来のパイプ曲げ加工装置の要部の側面断面図である。
符号の説明
BS パイプ曲げ加工装置、B ブースタ駆動機構、D 動力伝達機構、M マンドレル駆動機構、P 曲げ加工部、1 パイプ素材、2 ブースタ、3 後方マンドレル、4 ギヤモータ、5 共通回転軸、6 第1プーリ、7 第2プーリ、8 ピニオン、9 駆動軸、10 モータプーリ、11 第1タイミングベルト、12 クランプ回転部、13 第3プーリ、14 第2タイミングベルト、15 ラック、17 ダイス、18 クランプ基部、19 前後シリンダ、20 上側クランプシリンダ、21 下側クランプシリンダ、22 上側クランパ、23 下側クランパ、24 前側マンドレル、25 駆動基部、26 スライダ、27 レール、28 ブースタカム、29 回動軸、30 ブースタシフト調整部材、30a 偏心ピン、31 回動軸、32 ブースタ回動レバー、33 ローラ、34 回転軸、35 リンク機構、36 ブースタロッド、40 マンドレルカム、41 マンドレルカム固定手段、42 回動軸、43 マンドレル回動レバー、44 摺動部材、45 連結部材、46 マンドレル連結具。

Claims (2)

  1. 金属からなる直管状のパイプ素材に曲げ加工を施して、曲がり部の曲率半径が小さい曲げパイプを製作するパイプ曲げ加工装置であって、
    パイプ素材の後部を保持するダイスと、パイプ素材の前部をクランプする一方回転動力源によって回転駆動されてパイプ素材が曲がる方向に回転するクランプ回転部と、曲げ加工時にパイプ素材を前方に押し出すブースタと、パイプ素材の中空部に挿入されて曲げ加工時におけるパイプ素材の形状を規制するマンドレルとを有する曲げ加工部と、
    回転動力源とブースタとの間に介設され、回転動力源の回転を機械的に前後方向の直線運動に変換してブースタに伝達するブースタ駆動機構と、
    回転動力源とマンドレルとの間に介設され、回転動力源の回転を機械的に前後方向の直線運動に変換してマンドレルに伝達するマンドレル駆動機構とが設けられ
    ブースタ駆動機構が、ブースタの前後方向の移動量を機械的に調整するブースタ移動量調整手段を備える一方、マンドレル駆動機構が、マンドレルの前後方向の移動量を機械的に調整するマンドレル移動量調整手段を備えていて、
    ブースタ移動量調整手段が、平面状のカム面を有するブースタカムと、上記カム面と係合するブースタ回動レバーとを備えていて、上記カム面の傾斜角を変えることによりブースタの前後方向の移動量を調整するようになっている一方、マンドレル移動量調整手段が、平面状のカム面を有するマンドレルカムと、上記カム面と係合するマンドレル回動レバーとを備えていて、上記カム面の傾斜角を変えることによりマンドレルの前後方向の移動量を調整するようになっていることを特徴とするパイプ曲げ加工装置。
  2. マンドレル駆動機構が、パイプ素材の曲げ加工時に、パイプ素材又は製作すべき曲げパイプの態様に応じた移動量でマンドレルを前方又は後方に移動させるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載のパイプ曲げ加工装置。
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