JP6440957B2 - フライ食品の製造方法及び装置 - Google Patents
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Description
これらのフライ食品を食品産業において多数製造するには、当該製造方法として、バッターとの具材等と混合物である生地や、バッターを付着させた魚介類や野菜、畜肉等の揚げ種をリテーナと称される型枠に流し込み等を行い、所定時間フライを行い、フライ後にリテーナからフライ食品を遊離させる手順を経る場合が多い。
その他、フライ食品の連続生産について言及のある先行技術文献もある。(特許文献2)。当該文献では筒状体にバッター及び具材を入れて、筒状物中のかき揚げの形状が固定し、その後筒状物は油面より上に移動し、かき揚げを筒状物から抜き出す方法が開示されている。しかし、具体的なライン構成が開示されておらず、また、効率性の面では改良の余地があった。
しかし、麺線を対象とする即席麺の製造ラインをかき揚げ等のフライ食品に適用した場合、フライの対象物であるフライ食品のリテーナからの遊離性が問題となることが予想される。
すなわち、本願第一の発明は、
「フライ食品の生地をリテーナに収納し、フライ槽に浸漬してフライするフライ食品の製造方法において、フライ食品の生地をリテーナに収納した状態で所定時間フライし、前記リテーナを反転させてフライ食品をリテーナからの遊離させる工程を含む、フライ食品の製造方法。」、である。
すなわち、本願第二の発明は、
「無端状の2本の並行するチェーンに架け渡しされ、該チェーンに支持されたリテーナにフライ食品の生地を投入し、該チェーンの移送によって前記フライ食品の生地が収納されたリテーナをフライ槽に浸漬してフライし、さらに該チェーンの移送によってフライ処理を所定時間行った後、前記フライ槽内で前記リテーナを反転させることによって、該リテーナからフライ中のフライ食品を遊離させる工程を含む、フライ食品の製造方法。」、である。
フライ用の油を溜めるフライ槽と、互いに同一高さで並行に配設され、一部が前記フライ槽内に配設さら、他の部分がフライ槽外部の空間に配設された2本の無端状のチェーンと、前記2本のチェーンの間に架け渡しされた回転中心軸と、前記回転中心軸に回転可能に軸支されたリテーナと、前記フライ槽内においてリテーナを前記回転中心軸のまわりに回転させて反転させる機構と、を備えたフライ処理装置。も意図している。
「請求項2に記載のフライ食品の製造方法において用いられるフライ処理装置であって、
フライ用の油を溜めるフライ槽と、
互いに同一高さで並行に配設され、一部が前記フライ槽内に配設さら、他の部分がフライ槽外部の空間に配設された2本の無端状のチェーンと、
前記2本のチェーンの間に架け渡しされた回転中心軸と、
前記回転中心軸に回転可能に軸支されたリテーナと、
前記フライ槽内においてリテーナを前記回転中心軸のまわりに回転させて反転させる機構と、を備えたフライ処理装置。」、である。
88 チェーン
90 リテーナ(本体部)
100 リテーナ
105 枠体
110 突起部1
120 突起部2
130 突出部
150 ガイドレール
310 爪部1
320 爪部2
500 回転中心軸
599 生地供給機
600 スプロケット
780 フライオイル供給装置
800 フライ槽
本発明は、かき揚げや天ぷら等のフライ食品の生地をリテーナに収納し、フライ槽に浸漬してフライ処理するフライ食品の製造方法において、フライ食品をリテーナに収納した状態で所定時間フライ処理し、前記リテーナを反転させてフライ食品をリテーナから遊離させる工程を含む、フライ食品の製造方法、
である。
本発明にいうフライ食品とは、小麦粉に卵又は水を合わせたバッターに、野菜及び/又は魚介類をカットした所定の具材(揚げだね)を混ぜ合わせ生地を調製し、これをフライ処理した“かき揚げ” や、上述のバッターをエビ等の魚介類や野菜、畜肉に付着させて製造する天ぷら等が含まれる。尚、かき揚げや天ぷらの名称には該当しなくても小麦粉等のバッターを用いてフライ処理する食品は、本発明にいうフライ食品に含まれるものとする。
すなわち、本発明いうフライ食品とは、いわゆるバッターに所定の具材を混合したり、当該バッターを付着させて生地とし、これを所定の型枠に投入してからフライすることによって完成するフライ物の全般をいう。
揚げだね(具材)については、種々の具材を選択することができる。具体的には、野菜系統のものとして、たまねぎ、にんじん、いんげん、三つ葉、ししとう、じゃがいも、長いも、しめじ、まいたけ等を利用することができる。また、エビ、タコ、イカ、帆立貝などの魚介類や牛や豚等の畜肉類も使用可能である。
その他、ちくわ等の動物性材料や、白ゴマなど種々の素材を利用することができる。また、桜えびやシラス等を加えてもよいことはもちろんである。
本発明に用いるバッター原料(衣材原料)としては、小麦粉、片栗粉、卵液、卵白、大豆蛋白、ベーキングパウダー、乳アルブミン等の一種類以上の粉体原料及び水などの原料からなり、その他の原料を適宜混合することができる。尚、その比率及びその他の原料については特に限定されるものではないが、一般的には上記の粉体原料と水を概ね、粉体:水が1:1〜2:3程度の重量比に混合したものを用いるのが一般的である。
上述の具材とバッターを混合することによってフライ食品の生地を調製する。具材と混合するバッターの量は対象とする具材によっても異なり、限定されるものではないが、概ね具材:バッターが2:1〜4:1程度の重量比となるように混合してフライ食品の生地とするのが一般的である。
本発明においては、前述の所定の具材とバッターと混合したフライ食品の生地について、当該生地をリテーナに投入した後、フライ処理するという工程を経る。本発明に利用するリテーナについては、例えば図1に示すようなタイプを用いることができる。
リテーナ90の材質としては、加熱された油中に浸漬することができる素材であれば、使用可能である。一般的には、ステンレス、鉄が好ましい。
さらに、底板や型枠等の表面にはセラミックコーティングやフッ素加工を施すようにしてもよい。このようにすることでフライ後のフライ食品のリテーナ90からの遊離を行い易くすることができる。
上述のリテーナ90については、上部が開放されており、図1(a)に示すような略円筒形状や(b)に示すような略方形状の型枠を用いる。リテーナ90の底部については、有底であることが好ましい。
また、通常、連続的なラインでは当該カップ状のリテーナ90を複数連続して配置した図2のようなリテーナ100を用いるのが好適である。当該リテーナ100はチェーン88に繋がれて搬送されるのが一般的である。
リテーナ100を構成するリテーナ90のサイズは特に限定されるものではないが、円形であれば、一般的には概ね内径70〜120mmの範囲内の程度である。また、深さは5〜20mmの範囲内の程度であり、フライ食品のサイズ等により適宜調整することができる。
リテーナ100においてはリテーナ(本体部)90と枠体105を脱着可能とする態様が好ましい。このようにしてリテーナ(本体部)90のみを交換することで種々のサイズのかき揚げの製造に迅速に対応することができる。リテーナ100においてリテーナ本体部90と枠体105が一体化しているとチェーン88に繋がれたリテーナ100自体を交換することが必要となるため煩雑さ作業を伴うことが多い。
また、リテーナ100においてリテーナ(本体部)90を枠体105から脱着可能とすることで、リテーナ(本体部)90の洗浄を容易にすることができる。また、リテーナ90のストックや交換を容易に行うことができるため、製造ラインやリテーナの汎用性を高めることもできる。
以下に、具体的な本発明のフライ食品のうち、かき揚げの製造ラインの実施態様について図3に示す。本実施態様は一例でありこれに限定されないことはもちろんである。
図3に示すように本実施態様のフライ処理装置は、フライ槽800と、コンベアチェーン88(無端状)、チェーン88に架け渡しされたリテーナ100、かき揚げ生地供給機599、スプロケット600、フライ槽800で遊離後のかき揚げ30を回収するためのコンベア等を備えている。図において紙面左→右への移動は“往動”、紙面右→左の移動は“復動”とする。
リテーナ100は回転中心軸500においてチェーン88と接続しており、回転可能となっている。また、リテーナ100の回転を促すためのチェーン88の方向に突出する突起部110及び120、並びに回転中心軸500の下方に一個設けられリテーナ100複合体と共に回転し、チェーン88方向と直行する方向に突出する突出部130を有している。尚、上記の突起部110及び突起部120と突出部130の態様は一例であり限定されるものではない、これと同機能を有する構造とすればよいことは勿論である。
図3に示すようにフライ槽800から退出したリテーナ100はコンベアチェーン88によって往動において水平で所定区間移送された後、斜め上方向に移送され、水平状態の移動に移る。水平状態の移動が進行している際に、上部よりかき揚げ生地を投入する。かき揚げ生地が投入されたリテーナ100は当該水平状態を維持しつつ移送され、チェーン88がスプロケット600に巻きかけられて回転している状態においても水平状態を保ちつつ、復動に移る。水平状態に維持されかき揚げ生地が収納されたリテーナ100はそのまま、所定区間を水平状態で移送された後、斜め下方向に移送され、フライ槽800に進入し、フライ処理が開始される。
フライ開始後、フライオイル中で水平方向に移送されつつフライが進行する。概ね20秒〜1分20秒程度のフライを行う、好ましくは40秒〜1分10秒、さらに好ましくは、50秒〜1分程度のフライ処理である。
かき揚げ30のフライ温度は特に限定されないが概ね150℃〜190℃、また好ましくは160℃〜180℃程度が一般的である。
本フライ処理工程において、かき揚げ30の外形を保形させ、リテーナ100からかき揚げ30を遊離させることができる。この状態で遊離させることによりかき揚げ30の外形が崩れることなく、リテーナ100から遊離させた状態でフライを継続することができる状態とすることができる。
フライ処理工程におけるフライ油中でのリテーナ100の上面のフライ油面からの位置については、フライ液面から5mm〜30mm程度であることが好ましい。また、10mm〜20mm程度に維持しておくことがさらに好ましい。
上述のフライ時間の経過後に、リテーナ100を反転させる。リテーナ100の反転方法については種々の方法が採用可能である。
リテーナ100の反転に要する時間は、特に限定されるものではないが、反転に伴いリテーナ100内部のフライ食品がリテーナ100から滑り落ちない程度の時間で行うのが好ましい。具体的には0.5秒〜3秒程度が一般的である。
反転はフライ油中でもフライ油中で行う方法でよい。すなわち、一旦、フライ油から引き上げることなく、フライオイル中をリテーナ100が進行している際に回転させる態様が可能である。
リテーナ100の姿勢を反転させる機構としては、具体的には図5に示すような構造を採用することができる。
すなわち、先に説明したように2本の並行する無端状のチェーン88間に架け渡しされたリテーナ100には、その回転中心軸500に、リテーナ100すなわち、本実施態様の場合、リテーナ100におけるリテーナを固定する枠体105が回転可能に軸支され、該リテーナ100(枠体105)には、チェーン88側に向かって突起する突起部110及び120と、リテーナ100(枠体105)の両端部より下方側に向かって伸びる突出部130が設けられている。この突起部110及び突出部130を、チェーン88近傍に設置された2つの爪部310及び爪部320に引っ掛けて、リテーナ100を回転する構成とすることができる。
前記回転中心を中心にリテーナ100を回転させて反転させることができる。尚、このようにすることで構造が簡単なだけでなく、爪を外すことで、リテーナ100を回転させない従来方式のフライ装置との兼用も可能となる。
尚、前記突起部110はリテーナ100(枠体105)の長手方向の両端ともに必要となるものではない、一端のみであっても、回転機構は可能である。
さらに、リテーナ100を反転させた後においては、反転させたリテーナ100を上部に遊離させる。図3の態様では、チェーン88がスプロケット600に巻きかけられて回転するとともにリテーナ100も上部に遊離させている。
また、リテーナ100の回転を制御するために、コンベアチェーン88の特定の領域においては、リテーナ100が所定の向き(角度)を採るように、先の図4に示すようなガイドレール150によりリテーナ100の向きを規制してもよい。
上述の方法によりリテーナ100からかき揚げ30を遊離させることで、その後の工程好適に行うことができる。すなわち、かき揚げ30の外形は保持されているため、種々の処理が可能となる。
本方法により遊離したかき揚げ30はそのまま、回収する方法が挙げられる。この場合、フライしたかき揚げ30を回収して、一端冷凍して、必要に応じて二次フライ処理する方法が挙げられる。二次フライには、常圧でのフライ処理の他、減圧フライ等のフライ処理をすることも可能である。さらに、浮遊させてフライを継続することもできる。この場合、一次フライ後のかき揚げ30を強制的にフライオイル中に浸漬させて、フライを継続することも可能である。リテーナ100からかき揚げ30が遊離していることより、その後の工程でリテーナ100等を必要とせず、効率的なフライが可能となる。
具体的には、図6に示すように、リテーナ100からかき揚げ30を遊離させた後に、コンベア88で浮遊しているかき揚げ30をフライ槽800中に設けたコンベアを利用することで強制的にフライオイル中に浸漬させてかき揚げ30のフライ処理を継続させる態様も可能である。このような態様によって、所定時間のフライ処理を継続してフライ処理を完了することができる。
Claims (1)
- かき揚げの製造方法において用いられるフライ処理装置であって、
フライ用の油を溜めるフライ槽と、
互いに同一高さで並行に配設され、一部が前記フライ槽内に配設され、他の部分がフライ槽外部の空間に配設された2本の無端状のチェーンと、
前記2本のチェーンの間に架け渡しされた回転中心軸と、
当該回転中心軸に回転可能に軸支され、上部が開放されたリテーナと、
前記フライ槽内においてリテーナを前記回転中心軸のまわりに回転させて反転させる機構であって、
当該リテーナのチェーン側の端部より下方側に向かって伸びる突出部、
当該リテーナのチェーン側の端部において、チェーン側に向かって突起する突起部、
前記チェーン近傍に設置された2つの爪部からなり、当該突起部及び当該突出部を2つの爪部に順次引っ掛けることにより当該リテーナを反転させる機構と、
を備えたかき揚げのフライ処理装置。
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