JP2014217451A - 天ぷら用未油調食材調製器、天ぷら用油調補助器、天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との組み合わせ、および、天ぷらの製造装置、ならびに、天ぷらの製造方法 - Google Patents

天ぷら用未油調食材調製器、天ぷら用油調補助器、天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との組み合わせ、および、天ぷらの製造装置、ならびに、天ぷらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】味覚・食感・香気などが良好なかき揚げ天ぷらを安定かつ容易に製造することのできる天ぷら用未油調食材調製器や天ぷら用油調補助器を提供する。さらに高品質のかき揚げ天ぷらが高歩留まりで得られる天ぷらの製造装置や製造方法も提供する。【解決手段】天ぷら用の未油調食材調製器41は筒管状の保持部材51と支持網61とを備えている。保持部材51内について、支持網61上には食材調製空間52があり、支持網61下にはバッター液入出用空間53がある。天ぷら用の油調補助器71は筒管状の保持部材81と多孔支持棚91とを備えている。保持部材81内について、多孔支持棚91上には食材保持空間82があり、多孔支持棚91下には油導入空間83がある。【選択図】図3

Description

本発明は食品の製造分野に属する技術に関するものである。さらにいうと、本発明は美味で食感の良好なかき揚げ天ぷらを安定かつ容易につくるのに好適な技術に関するものである。より具体的には、本発明は、天ぷら用未油調食材調製器、天ぷら用油調補助器、天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との組み合わせ、および、天ぷらの製造装置、ならびに、天ぷらの製造方法に関するするものである。
周知のとおり、かき揚げ天ぷらは野菜や魚介類を一種または数種組み合わせて衣と共に揚げた天ぷらの一種である。これは日常の副食として供されるほか、蕎麦やうどんに載せて食されたり、丼種として食されたりする。
かき揚げ天ぷらについていうと、一般家庭でつくる場合でも、製造業者が量産する場合でも、基本的な事項はほとんど変わらない。その基本的事項は、粉付けされたカッティング食材にバッター液(天ぷら衣用の液体)を含ませて未油調食材をつくり、その未油調食材を高温の油で揚げるというものである。
かき揚げ天ぷらで多い失敗例の一つは、カッティング食材が高温油の中でバラバラに散ることである。多い失敗例の他の一つは、かき揚げ天ぷらがベタ付いて油っぽいものに仕上がることである。前者の場合はかき揚げ天ぷらの態をなさず、後者の場合は不味い上にサクサク感やカリカリ感のような食感(クリスピー感)が欠落してしまう。このような失敗をきたすことなく、かき揚げ天ぷらを安定してつくるというとき、家庭人であれ、職業的調理人(作業員)であれ、皆一様に応分の経験を積み重ねて所要の調理技能を習得しなければならない。
下記の特許文献1に開示された天ぷらの製造技術は、主にかき揚げ天ぷらの業務用(製造業者向け)に開発されたものである。この特許文献1を参照すると、そこには、衣がこんもりと盛り上がり、また、凹凸や空洞空間をもつかき揚げ天ぷらが得られるという記載がある。したがって当該文献技術の場合、良好なかき揚げ天ぷらの製造に貢献することのできる技術の一つといえる。
しかしながら特許文献1に開示された天ぷら製造技術の場合、筒状の囲い部材内において攪拌装置で具材攪拌するというのである。しかもそれを、フライヤ内(高温油中)で行うというのである。この場合に高温油中で行われる具材攪拌は、具材を傷付けたり具材が囲い部材外に飛び出したりするおそれがある。加えて、高温油中での具材攪拌すなわち具材成形時間は4秒程度ときわめて短い。したがって当該文献技術の場合、良好なかき揚げ天ぷらが得られるとはいえ、高品質のかき揚げ天ぷらを歩留まりよく製造する点で技術難度が高いものになる。また、筒状の囲い部材内で具材攪拌する当該文献技術には、攪拌装置の代わりに攪拌棒を用い、その攪拌を作業員が行うという実施形態もみられる。しかしこれは、作業員の熟練度という個人的な技能に属する事項であるから、技術的な視点からみた天ぷらの安定製造には直結しない。
特開2004−097073号公報
本発明は上記のような技術課題に鑑みなされたものである。したがって、本発明の一つは、味覚・食感・香気などがいずれも良好なかき揚げ天ぷらを安定かつ容易に製造することのできる天ぷら用未油調食材調製器を提供しようとするものである。本発明の他の一つは、味覚と食感が共に良好なかき揚げ天ぷらを安定かつ容易に製造することのできる天ぷら用油調補助器を提供しようとするものである。本発明のさらに他の一つは、本発明未油調食材調製器や本発明油調補助器を用いることによって、高品質のかき揚げ天ぷらを高歩留まりで得ることのできる天ぷらの製造装置や天ぷらの製造方法を提供しようとするものである。
本発明に係る天ぷら用未油調食材調製器、本発明に係る天ぷら用油調補助器、本発明に係る天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との組み合わせ、および、本発明に係る天ぷらの製造装置、ならびに、本発明に係る天ぷらの製造方法は、所期の目的を達成するための課題解決手段として、下記第1項〜第8項に記載された技術内容を特徴とするものである。
<第1項>
上下両面が開放された筒管状の保持部材と、その保持部材の内部を上下に区画している粗い網目構造の支持網とを備えていること、および、
保持部材内の支持網上には天ぷら用の材料を入れるための食材調製空間があるとともに保持部材内の支持網下には余剰物排出用の排出空間があり、かつ、食材調製空間と排出空間とが支持網の網目を介して互いに連通していること
を特徴とする天ぷら用未油調食材調製器。
<第2項>
上記第1項に記載された天ぷら用未油調食材調製器が、縦・横・縦横のいずれかに列をなして一体化されていること
を特徴とする列型の天ぷら用未油調食材調製器。
<第3項>
上下両面が開放された筒管状の保持部材と、その保持部材の内部を上下に区画している多孔支持板とを備えていること、および、
多孔支持板にはこれを上下に貫通する多数の縦孔が形成されており、かつ、各縦孔の上端が多孔支持板の上面に拡散分布しているとともに縦孔の下端が多孔支持板の下面に拡散分布していること、および、
保持部材内の多孔支持板上には天ぷら用の被覆食材を保持するための食材保持空間があるとともに保持部材内の多孔支持板下には天ぷら用の高温油を導入するための油導入空間があり、かつ、食材保持空間と油導入空間とが多数の縦孔を介して互いに連通していること
を特徴とする天ぷら用油調補助器。
<第4項>
上記第3項に記載された天ぷら用油調補助器が、縦・横・縦横のいずれかに列をなして一体化されていること
を特徴とする列型の天ぷら用油調補助器。
<第5項>
上記第1項に記載された天ぷら用未油調食材調製器と、上記第3項に記載された天ぷら用油調補助器とを備えていること、および、
天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との相対関係において、天ぷら用未油調食材調製器は天ぷら用油調補助器内に収まる外形を有するものであり、かつ、天ぷら用油調補助器が天ぷら用未油調食材調製器を受け入れることのできる内径を有するものであること、および、
上位に配された天ぷら用未油調食材調製器と下位に配された天ぷら用油調補助器とが、天ぷら用未油調食材調製器の上下反転状態において互いに嵌め合わされたときに、天ぷら用未油調食材調製器内の内容物が天ぷら用油調補助器内に移し替えられるものであること
を特徴とする天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との組み合わせ。
<第6項>
上記第2項に記載された列型の天ぷら用未油調食材調製器と上記第4項に記載された列型の天ぷら用油調補助器とを備えていること、および、
列型天ぷら用未油調食材調製器と列型天ぷら用油調補助器との相対関係において、列型天ぷら用未油調食材調製器における個々の油調食材調製器と列型天ぷら用油調補助器における個々の油調補助器とが1:1で上下合体自在に対応していること
を特徴とする天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との組み合わせ。
<第7項>
請求項5または請求項6に記載された天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との組み合わせ物を備えていること、および、
上記未油調食材調製器の食材調製空間内に粉付きカッティング食材を供給するための手段を備えていること、および、
上記未油調食材調製器の食材調製空間内にある粉付きカッティング食材にバッター液を供与して当該食材を未油調食材に調製するための手段を備えていること、および、
上記未油調食材調製器における食材調製空間の開放面と上記油調補助器における食材保持空間の開放面とを対面状態にして上記未油調食材調製器の食材調製空間内にある未油調食材を上記油調補助器の食材保持空間内に移し替えるための手段を備えていること、および、
上記油調補助器の食材保持空間内にある未油調食材を高温の油と接触させて当該未油調食材を油調食材に仕上げて揚げ物するための手段を備えていること
を特徴とする天ぷらの製造装置。
<第8項>
請求項7に記載された天ぷらの製造装置を用いる天ぷらの製造方法において、
未油調食材調製器の食材調製空間内において支持網上に粉付きカッティング食材を保持すること、および、
未油調食材調製器の食材調製空間内で支持網上に保持されている粉付きカッティング食材にバッター液を供与してその粉付きカッティング食材をバッター液の含んだ未油調食材となし、かつ、当該未油調食材における余剰バッター液を未油調食材調製器の支持網で液切りしてその余剰バッター液を未油調食材調製器の下部からその外に排出すること、および、
油食材調製器の食材調製空間内にある未油調食材をそこから油調補助器の食材保持空間内へと移し替えて当該未油調食材を食材保持空間内で多孔支持板上に保持すること、および、
油調補助器の食材保持空間内で多孔支持板上に保持されている未油調食材を油調補助器と共に高温の油中に入れて高温油と未油調食材と接触させ、この高温油との接触によって未油調食材を揚げ物に加工しながらその揚げ物を油調補助器の食材保持空間内からその外へ浮上脱出させて油調補助器上にある高温油上層側へ変位させること
を特徴とする天ぷらの製造方法。
本発明に係る天ぷら用未油調食材調製器、本発明に係る天ぷら用油調補助器、本発明に係る天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との組み合わせ、および、本発明に係る天ぷらの製造装置、ならびに、本発明に係る天ぷらの製造方法は、つぎに記載するところの<01>〜<16>のような効果を有する。
[第1項に係る天ぷら用未油調食材調製器の効果]
<01> 未油調食材調製器の食材調製空間は、筒管状の保持部材と支持網とで囲われた上面開放型の空間であり、所定の空間容積を有している。この食材調製空間は一定量の食材を集合状態にしたりその集合食材の形状を調えたりするための成形空間でもある。したがって、被覆食材(粉付きカッティング食材)が食材調製空間内の支持網上に定量投入されて保持された場合、それは、当該食材調製空間の内部形状や容積で定まるほぼ一定形状の大きさに仕上がる。この場合にとくに望ましいのは、食材調製空間内に投入されて積層状態を呈する各被覆食材の隣接部間に多数の気孔(小さな空間)が生じることや、それら各気孔が互いに通じ合った連続気孔(ポーラス)型の食材積層構造になることである。この連続気孔のある積層被覆食材の場合、これにバッター液を供与したときに該バッター液が連続気孔を通じて積層粉付きカッティング食材の各部によく行きわたるようになり、かつ、積層被覆食材に生じた余剰バッター液の離脱も良好となる。したがって、積層被覆食材にバッター液を供与するとき、ミキシングなど格別の処理を施さずとも、適量のバッター液が積層被覆食材の各部にほぼ均等に含浸するようになり、積層被覆食材のグルテン強度が高まることもない。さらに、余剰バッター液が離脱することによって、積層被覆食材における連続気孔の気孔残存率が高まるようにもなる。積層被覆食材のグルテン強度が高まらないこと、また、余剰バッター液離脱が良好であることは、未油調食材(バッター液含浸被覆食材)を良好なものにする上での重要な要素であり、それがクリスピー感ある油調食材の製造に貢献する。その理由については後述する。
<02> 未油調食材調製器は粗い網目構造の支持網を有する。この支持網付き未油調食材調製器を用いて行う他の処理は、当該調製器の食材調製空間内で支持網上に保持された積層被覆食材にバッター液を供与してこれを未油調食材することである。かかるバッター液供与については、たとえば、積層被覆食材を内部保持した未油調食材調製器をバッター液に浸漬したりそこから引き上げたりすることで行われる。この場合に粗い網目構造の上記支持網は、積層被覆食材へのバッター液浸透を助長するばかりか、その積層被覆食材における余剰バッター液や食材調製空間内に残存する残存バッター液の未油調食材調製器外への自然流出(器外排出)も速やかにする。この際のバッター液排除が速やかなのは、上記支持網が液体透過性の優れた粗い網目構造を有しているからである。すなわち目の粗い当該支持網の場合、自明のように目が粗くて液体の透過性が格段によいのであるから、たとえバッター液が粘性液であっても、これを難なく通過させて上記余剰残存バッター液の器外排出を確実かつ速やかに終えさせる。また、積層被覆食材へのバッター液浸透がスムーズである理由について、その一つは、バッター液が支持網の粗い目を容易に通過すること、他の一つは、その通過したバッター液がポーラスな積層被覆食材の各孔を通じて当該被覆食材内へ積極的に浸透することである。ゆえに、この未油調食材調製器によるときは、上記各事項の相乗効果として良好な未油調食材をつくることができる。
<03> カッティング食材に付与する粉とバッター液とを掻き混ぜたりすると、積層被覆食材のグルテンが強くなり、その強いグルテンが積層被覆食材の水分を放さなくなるので、クリスピー感のある油調食材に仕上がりがたい。これに対し、ミキシング処理を施さなくてよい上記の場合は、積層被覆食材のグルテン強度を高めるようなことがない。これは未油調食材をクリスピー感のあるものに仕上げることのできる一つである。また、余剰バッター液を除去した後の積層被覆食材は、自明のとおり含水量が少なく、衣のベトツキが生じがたいものである。これもクリスピー感のある油調食材の仕上がりに貢献することのできる一つである。さらに、未油調食材は積層被覆食材をも含め、全体的にポーラスなものである。こうしたポーラス未油調食材の場合は、その外部だけでなく、その内部にも高温油の熱がスムーズに伝わり、積層被覆食材などからの水分蒸発が促進されるので、これもクリスピー感のある油調食材の仕上がりに貢献することのできる一つとなる。
<04> 支持網を具備する未油調食材調製器については、その支持網の粗い網目構造に基づく上記の効果がある。とはいえ、かかる未油調食材調製器を天ぷらを揚げるための器具として使用するには、大きな難点がある。それは未油調食材をその食材調製器内(食材調製空間内)の支持網上に保持し、この状態で当該調製器を油調槽内に入れて高温油中に浸した場合に、未油調食材の表層部(衣部)が支持網の構成材料(細い線材)に絡み付いたまま揚がってしまい、油調食材が上記食材調製空間内から外出することなく停留するからである。この絡み付きの原因は、支持網の有効支持面積が小さいために未油調食材の接地圧が大きくなることである。もちろんこれについては、把持具などを用いて強引に引き剥がすことで取り出すこともできるが、このような乱暴な取り扱いでは油調食材が崩壊してしまう。それにこの種食材の場合、油調完了時の浮力で器内から器外へと自然脱出するのが通常であるから、把持具を用いた強引な引き剥がしなどは論外の手段ということになる。したがって上記未油調食材を油調処理にかける際には、これを未油調食材調製器から適当な他器内へ移し替えることを要す(この移し替え用の器具に適しているのが本発明に係る油調補助器である/その理由については後記参照)。それゆえ、未油調食材調製器(本発明品の一つ)内にある未油調食材は、これを油調処理するときに油調補助器(本発明品の他の一つ)内へと移し替えられる。かかる移し替えに着眼するとき、粗い網目構造の支持網を具備する未油調食材調製器には、さらなる利点がある。その一つは、粗い網目構造をした支持網の場合、未油調食材との実質的な接触面が各線材(支持網の構成材料)の細い上面のみにとどまるので、粘性のある未油調食材が支持網から簡単に遊離すること、他の一つは、未油調食材の一部が破片となって支持網に付着残存するという事態も起こりがたいことである。その結果、未油調食材調製器から油調補助器への未油調食材の移し替えがトラブルなく円滑に行えるのである。
<05> 未油調食材調製器については、筒管状保持部材や支持網というように、わずか二つの構成要素を主体にして構成されるものであるから、簡潔にして安価という条件を満たすことができる。
[第2項に係る天ぷら用未油調食材調製器の効果]
<06> 上記天ぷら用未油調食材調製器が縦・横・縦横のいずれかに列をなしたものは、ライン生産などにおいて、かき揚げ天ぷらを量産するのに適している。
[第3項に係る天ぷら用油調補助器の効果]
<07> 油調補助器の食材保持空間も、筒管状の保持部材と多孔支持板とで囲われた上面開放型の空間であり、所定の空間容積を有している。この食材保持空間は未油調食材が揚がるまでの間、当該未油調食材の形状を保持するための空間でもある。油調補助器は既述の移し替えにおいて、未油調食材調製器からの未油調食材を食材保持空間内に受け入れる。この際、未油調食材調製器の食材調製空間内にあるポーラス状態の未油調食材は、これを単純に油調補助器の食材保持空間内へと移し替えるだけであり、その食材保持空間内の多孔支持板上に留まるだけである。すなわち、この移し替えのとき、未油調食材には特段大きな外力が作用するわけではない。したがってポーラス状態の未油調食材は、油調補助器の食材保持空間内に至った後もポーラス状態を維持する。このようにして未油調食材を食材保持空間内の多孔支持板上に保持した油調補助器は、未油調食材の油調に際し、たとえば、高温の油中に浸漬される。この場合にとくに都合よいのは、油調補助器の多孔支持板が自明の板からなることである。ちなみに、これが網からなるときは、未油調食材の表層部(衣部)が網に絡み付いたまま揚がってしまうという既述の難点があったが、多孔支持板の場合は、孔があるとはいえ、未油調食材を面で支持するので、その種の絡み付きが生じないのである。
<08> 未油調食材の油調効率のみに局限するならば、油調補助器など使用せずに未油調食材を直接高温油に浸して直に油調すればよい。けれどもこの直接油調の場合は、未油調食材が分解したり型崩れしたりして高率の油調ミスが発生する。それゆえ、未油調食材を油調補助器内(食材保持空間内)に入れて形状保持しながら油調するのである。その反面、油調補助器を使用する場合は、未油調食材に対する高効率の油熱供とか、油調補助器内面への食材絡み付き防止とか、油調完了食材の自然な補助器外脱出とか、新たな克服課題もを生じる。より具体的には、つぎの[a]〜[c]に掲げるような技術課題が新たに発生するので、その解決が必要になる。[a] 油調補助器内(食材保持空間内)に入れた未油調食材の場合、自重で多孔支持板に乗るだけであるから、これに絡み付くようなことはないが、その際、多孔支持板の各縦孔を塞ぐいでしまうことが食材保持空間内への高温油の進入を阻む抵抗要因になる。したがって、かかる対策が必要である。[b] 未油調食材に高温の油熱を効率よく伝えて油調するときには、食材保持空間内への高温油の導入を積極的かつ強力なものにしたり、未油調食材内部へ高温油を十分に浸透させたりすることが欠かせない。したがって、その対策も必要になる。[c] 油調が完了したときには、その油調食材を速やかに食材保持空間外へ浮上脱出させて過剰な油調を回避することが重要である。したがって、これも満足させなければならない。当該油調補助器の場合は、筒管状の保持部材と多孔支持板とを主体にして構成されているので、上記[a]〜[c]で述べた技術上の各要請について、下記に述べるとおり応えることができる。
<09> 高温油に浸漬される油調補助器は、多孔支持板の上面と食材保持空間の内周面とで未油調食材の形状を保持している。高温油に浸漬されたときの当該油調補助器において、その下端側から油導入空間内へと進入してくる高温油は、多孔支持板の各縦孔より縦軸状に湧昇して未油調食材の下面に強く噴射衝突する。このようにして噴射衝突する湧昇高温油は、各縦孔の上面(多孔支持板の上面)を覆っている未油調食材をその強い噴射衝突力で浮上させる。これで多孔支持板上面と未油調食材下面との間には空間が生じるので、食材保持空間内には、その空間を通じて高温油が円滑かつ連続的に進入する。すなわち、油調補助器(油導入空間)の下端→油導入空間内への流入→多孔支持板にある多数の各縦孔を通過→未油調食材の下面と衝突→未油調食材の浮上→多孔支持板上面と未油調食材下面との間の空間発生など、この一連の経緯で食材保持空間内には多量の高温油が進入するのである。これは、多孔支持板の各縦孔上面を覆う未油調食材がたとえ高温油の進入を阻む抵抗要因になるとしても、各縦孔を湧昇して未油調食材の下面に噴射衝突する高温油の強い流動性で未油調食材が持ち上げられ、多量の当該高温油が食材保持空間内へと円滑に進入するから、この種の抵抗に起因した問題が発生しないのである。これは高品質のかき揚げ天ぷらを安定製造する上で大いに貢献する。
<10> 上記のようにして食材保持空間内に進入した高温油は、その一部が未油調食材の周囲を包被し、かつ、他の一部が未油調食材の連続気孔を貫通するなど、未油調食材をその内外の双方から積極的に流動接触する。したがって未油調食材には高温の油熱が効率よく伝えられる。その結果、当該未油調食材の油調が早期に完了するのである。
<11> 油調補助器は上記のように、未油調食材を内部保持した状態で高温油に浸漬されるものである。この際の未油調食材は、油調補助器(油導入空間)内で多孔支持板上に乗っているだけであるから、当該支持板には絡み付いていない。とはいえ、含水していて油よりも比重の大きい未油調食材の場合、油調初期(高温油への浸漬当初)から油調中期までの間、ほとんど高温油の液面下に沈みがちである。より具体的にいうと、未油調食材は、多孔支持板上面と高温油液面下との間にあって油調補助器(油導入空間)内に留まっている。これに対し、時間の経過で未油調食材が油調完了に至ったときは、当該食材が油調補助器(油導入空間)内から脱して高温油に液面上に難なく浮上するようになる。その理由の一つは、未油調食材に含まれていた水分が油調完了にともなってほとんど蒸発し、比重が高温油よりも小さくなったことである。他の理由の一つは、油調補助器内で上下方向の拘束を受けずに介在する当該食材が浮上自在な自由状態にあること、そして油調完了にともなって浮力が生じたときに当該食材が自然に浮上することである。これら以外の理由の一つは、多孔支持板の各縦孔から噴射する高温油の湧昇力によって、当該食材の浮揚が加勢されることである。
<12> 上記油調完了後の食材(油調食材)は、油調補助器(油導入空間)内から脱出したことで高温油から早期に引き上げることができる。これが過剰油調による不良品の発生を抑制し、良品の高歩留まりを保証する。それは、この食材浮上脱出が食材の油調完了を報知することに通じるからである。すなわち、かかる食材浮上脱出状況は、目視確認とか光学的手段利用による把握とかで簡易的確に捕らえることができ、その状況把握に基づいて油調食材を高温油から引き上げることができるので、上記過剰油調を簡易に回避することができる。したがってこの点も、高品質のかき揚げ天ぷらを安定製造することに大いに貢献する。
<13> 油調補助器についても、筒管状保持部材や多孔支持板というように、わずか二つの構成要素を主体にして構成されるものであるから、簡潔にして安価という条件を満たすことができる。
[第4項に係る天ぷら用油調補助器の効果]
<14> 上記天ぷら用油調補助器が縦・横・縦横のいずれかに列をなしたものは、ライン生産などにおいて、かき揚げ天ぷらを量産するのに適している。
[第5項に係る組み合わせ物の効果について]
<15> この組み合わせに係る物は、第1項に記載された天ぷら用未油調食材調製器と第3項に記載された天ぷら用油調補助器とが組み合わされたものである。したがって当該組み合わせ物は、上記<01>〜<05>項や上記<07>〜<13>項に記載された効果を有している。
[第6項に係る組み合わせ物の効果について]
<16> この組み合わせに係る物は、第2項に記載された天ぷら用未油調食材調製器と第4項に記載された天ぷら用油調補助器とが組み合わされたものである。したがって当該組み合わせ物は、上記<01>〜<14>項に記載された効果を有している。
[第7項に係る天ぷらの製造装置の効果について]
<17> 天ぷらの製造装置は、第5項または第6項に記載された天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との組み合わせ物を具備し、かつ、その組み合わせ物における両器の各部を有効活用するための手段を具備するものである。したがってこの天ぷらの製造装置も、上記<01>〜<14>項に記載された効果を有している。
<18> 既述の諸効果を有する天ぷらの製造装置について、これの基本は未油調食材を所要時間だけ高温油に浸漬するというのものである。この際に用いられる上記の両器はいずれも低コストのものである。未油調食材を高温油に浸漬するための手段は、これまでと同様の既成フライヤでよく、特別仕様のものを要しない。また、連続して天ぷらをつくるための生産ライン要素もこれまでと同様の既成コンベアでよく、特別仕様のものを要しない。したがって当該装置を設備したり、これを運転状態にして天ぷらを連続製造したりするというとき、イニシャルコストやランニングコストを十分に抑制することができる。
[第8項に係る天ぷらの製造方法の効果について]
<19> この天ぷらの製造方法は、第7項に記載された装置を用い、 未油調食材調製器内に粉付きカッティング食材を保持する工程/その粉付きカッティング食材にバッター液を供与してバッター液の含んだ未油調食材をつくとともに当該未油調食材における余剰バッター液を未油調食材調製器の支持網で液切りする工程/油食材調製器内の未油調食材を油調補助器の食材保持空間内へと移し替える工程/油調補助器内に保持されている未油調食材を高温油と接触させて揚げ物に仕上げ、その揚げ物を油調補助器内から浮上脱出させて高温油の液面上に浮かせる工程など、これら一連の工程を実施するものである。この方法は、イニシャルコストやランニングコストを抑制することのできる上記装置を介して実施されるので、上記<18>に記載されたと同様の効果を有している。
本発明に係る天ぷら用未油調食材調製器の一実施形態を示した斜視図と断面図と一部拡大平面図である。 本発明に係る天ぷら用油調補助器の他の一実施形態を示した斜視図と縦断面図である。 図1に例示された天ぷら用未油調食材調製器と図2に例示された天ぷら用油調補助器とを合体した状態を略示した縦断面図である。 図1に例示された天ぷら用未油調食材調製器と図2に例示された天ぷら用油調補助器とによるかき揚げ天ぷらの製造例について初期工程から途中工程までを略示した縦断面図である。 図1に例示された天ぷら用未油調食材調製器と図2に例示された天ぷら用油調補助器とによるかき揚げ天ぷらの製造例について途中工程から最終工程までを略示した縦断面図である。 本発明に係る天ぷらの製造方法の第一実施例について、各工程の詳細を具体的に示したブロック工程図である。 本発明に係る天ぷらの製造方法の第二実施例について、各工程の詳細を具体的に示したブロック工程図である。 本発明に係る天ぷらの製造方法の第三実施例について、各工程の詳細を具体的に示したブロック工程図である。 本発明に係る天ぷらの製造方法の第四実施例について、各工程の詳細を具体的に示したブロック工程図である。 本発明に係る天ぷらの製造装置の一例について、これを用いる天ぷらの製造方法とともに略示した説明図である。 本発明に係る天ぷら用未油調食材調製器と本発明に係る天ぷら用油調補助器について、これらを連結状態にしたものの一例を略示した平面図である。
本発明に係る天ぷら用未油調食材調製器と、本発明に係る天ぷら用油調補助器と、当該両器の組み合わせ物、および、本発明に係る天ぷらの製造装置、ならびに、本発明に係る天ぷらの製造方法について、これらの各実施形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1に例示された天ぷら用未油調食材調製器41は、上下両面が開放された筒管状の保持部材51と、その保持部材51の内部を上下に区画している支持網61とを構成要素として備えているものである。この場合の保持部材51や支持網61は、ステンレス・銅・アルミニウムなどうちから選択されるいずれかの金属製であったり、耐熱性合成樹脂または耐熱性FRPなどの合成樹脂製であったりする。代表的一例として、保持部材51および支持網61はステンレス製である。筒管状をした保持部材51の形状としては、図示のような円筒状(円管状)のほか、楕円筒状(楕円管状)や、横断面が三角形以上の多角形をした角筒状(円管状)とか、横断面異形の筒管状などがある。これらは仕上げるべき天ぷらの形状に応じて適当なものが採用される。このような形状は、枡状や箱状ということもでき、また、容器の一種ということもできる。保持部材51がその周壁に単数または複数の孔を有することもある。保持部材51周壁に複数の孔が存在するというとき、それが多孔状を呈していることもある。さらに、この種の器具については、この図示例の未油調食材調製器41や油調補助器71などを含め、複数のものが前後および/または左右に連結一体化されたものもある。
図1に例示された天ぷら用未油調食材調製器41において、支持網61は周知の網目をを多数備えた構造のものである。その場合の多数の網目は、自明のとおり、互いに交錯する線状材によって形成されたものである。支持網61は、また、上面が凹形で下面が凸形というように、球体の一部を切り取ったような曲面をなしている。もちろん支持網61については平坦なものであってもよい。支持網61の網目形状は円形(楕円形も含む)・多角形・異形などいずれであってもよく、この図示例での網目群は、六角形の目と四角形の目(菱形の目)とが組み合わされた角形の目で統一されている。
支持網61も、ステンレス・銅・アルミニウムなどうちから選択されるいずれかの金属製であったり、耐熱性合成樹脂または耐熱性FRPなどの合成樹脂製であったりする。支持網61の代表的一例は保持部材51と同材質である。支持網61は、保持部材51内における上下中間部に水平配置されてこの保持部材51に組み付けられている。この場合の組み付けタイプとしては、支持網61を保持部材51から取り外すことができない一体型(完全一体型と準一体化型とを含む)と、支持網61を保持部材51から取り外したり取り付けたりすることのできる脱着型とがある。そのうちで完全一体型の場合は、保持部材51と支持網61とが溶接などで接着一体化されるものであうる。準一体化型の場合は保持部材51と支持網61とがビスなどで取り外し可能に組み付けられるものである。さらに脱着型の場合は、たとえば、保持部材51と支持網61との内外周面に嵌め合い自在な凹部と凸部とが相対形成され、その凹部・凸部が圧入されたり離脱されたりすることで保持部材51と支持網61とが脱着されるものである。ちなみに図示例のものは、保持部材51と支持網61とが完全一体型で組み付けられている。
図1に例示された天ぷら用未油調食材調製器41は、保持部材51と支持網61とが上記のように組み合わされたものである。この場合における保持部材51内の支持網61上には天ぷら用の食材(未油調食材)を保持するための食材保持空間52があり、かつ、保持部材51内の支持網61下には、バッター液を導入させたり、また、余剰食用粉や余剰バッター液を排出させたりするための入出用空間53がある。もちろん、この実施形態における食材保持空間52と入出用空間53とは、支持網61にある多数の網目を介して上下に連通している。
図1に例示された未油調食材調製器41の各構成要素、すなわち、保持部材51や支持網61については、耐熱性や耐薬品性が高くて表面が低摩擦係数のものであることが望ましい。周知のフッ素樹脂はこのような特性を有するものである。それで保持部材51や支持網61が既述の金属からなるとき、それらの表面がフッ素樹脂コーティングされていることがある。その場合のコーティング用フッ素樹脂の代表例としては、ポリテトラフルオロエチレン(四フッ素化樹脂/略号:PTFE)のような完全フッ素化樹脂が採用される。一方において、保持部材51および/または支持網61が合成樹脂からなるときは、その場合の合成樹脂として、ポリクロロトリフルオロエチレン(三フッ素化樹脂/略号:PCTFE,CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(略号:PVDF)、ポリフッ化ビニル(略号:PVF)のような部分フッ素化樹脂が採用されたり、あるいは、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(略号:PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(略号:FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(略号:ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(略号:ECTFE)のようなフッ素化樹脂共重合体が採用されたりする。
図1に例示された未油調食材調製器41の各構成要素(保持部材51や支持網61)については、これらの一部表面または全表面が梨地模様のような微細な凹凸面であることも望ましい。なかでも、保持部材51の内周面や支持網61の表面などが微細凹凸面になっていることは、とくに望ましい。未油調食材調製器41の各構成要素におけるこのような微細凹凸面は、これ単独で採用されてもよいし、また、上記のようなフッ素樹脂コーティングと併用されてもよいものである。そのうちで後者の場合は、その微細凹凸面にフッ素樹脂コーティングが施されることとなる。支持網61を構成している線材の線径(直径)は0.3mm〜1.5mmの範囲内にあり、支持網61における網目の目開きは3mm〜13mmの範囲内にある。
図2に例示された天ぷら用油調補助器71は、上下両面が開放された筒管状の保持部材81と、その保持部材81の内部を上下に区画している多孔支持板91とを構成要素として備えているものである。この場合における保持部材81や多孔支持板91は、前記未油調食材調製器41の各構成要素と同様、ステンレス・銅・アルミニウムなどうちから選択されるいずれかの金属製であったり、耐熱性合成樹脂または耐熱性FRPなどの合成樹脂製であったりする。代表的一例として、保持部材81および多孔支持板91はステンレス製である。筒管状をした保持部材81の形状としては、図示のような円筒状(円管状)のほか、楕円筒状(楕円管状)や、横断面が三角形以上の多角形をした角筒状(円管状)とか、横断面異形の筒管状などがある。これらは仕上げるべき天ぷらの形状に応じて適当なものが採用される。このような形状は、枡状や箱状ということもでき、また、容器の一種ということもできる。一方、この保持部材81も、その周壁に単数または複数の孔を有するものがある。保持部材81の周壁に複数の孔が存在するというときも、それが多孔状を呈していることがある。さらに前述したように、この図示例の油調補助器71には、複数のものが前後および/または左右に連結一体化されたものもある。
図2に例示された天ぷら用油調補助器71において、多孔支持板91は、分厚い板材からなるものであり、かつ、その板面を上下方向に貫通する多数の縦孔92を有するものである。各縦孔92は円形孔(楕円形孔も含む)・多角形孔・異形孔などいずれであってもよく、この図示例での縦孔群は円形孔で統一されている。多孔支持板91については、その上面が平坦状であっても曲面状に凹んでいてもかまわない。もちろん多孔支持板91については、この図示例のように皿状のような断面凹形をしているものもある。
多孔支持板91の場合も、ステンレス・銅・アルミニウムなどうちから選択されるいずれかの金属製であったり、耐熱性合成樹脂または耐熱性FRPなどの合成樹脂製であったりする。その代表的一例では保持部材81と同材質である。多孔支持板91は、保持部材81内における上下中間部に水平配置されてこの保持部材81に組み付けられている。この場合の組み付けタイプとしては、多孔支持板91を保持部材81から取り外すことができない一体型(既述の完全一体型と準一体化型とを含む)と、多孔支持板91を保持部材81から取り外したり取り付けたりすることのできる脱着型とがある。そのうちの一体型は既述の図1の実施形態で述べたと同様の手段が採用され、また、そのうちの脱着型も既述の図1の実施形態で述べたと同様の手段が採用される。
図2に例示された天ぷら用油調補助器71は、保持部材81と多孔支持板91とが上記のように組み合わされたものである。この場合における保持部材81内の多孔支持板91上には天ぷら用の食材(未油調食材)を保持するための食材保持空間82があり、かつ、保持部材81内の多孔支持板91下には、天ぷら用の高温油の導入する油導入空間83がある。もちろん、この実施形態における食材保持空間82油導入空間83とは、多孔支持板91にある多数の縦孔92を介して上下に連通している。多孔支持板91については、その上面および/または下面が平坦状であっても曲面状に凹んでいてもかまわない。さらに多孔支持板91の下面などは、凸面で下向きに膨らんでいることもある。これらのうちの一例として、この図示例の多孔支持板91は皿状のような断面凹形をしている。
このほか、図2に例示された未油調食材調製器41の各構成要素がフッ素樹脂コーティングされる例、これらの一部表面または全表面が微細凹凸面である例、さらに、これらの一部表面または全表面が微細凹凸面とフッ素樹脂コーティング膜との両方を有している例などがある。未油調食材調製器41の各構成要素についての微細凹凸面の適用は、該各構成要素が金属製であるか合成樹脂であるかを問わないものである。
図1の天ぷら用未油調食材調製器41と図2の天ぷら用油調補助器71とは、これらが互いに組み合わされて用いられるものである。そのため、未油調食材調製器41の保持部材51と油調補助器71の保持部材81とは、相似形などの形状で嵌め合い自在に対応するものとなっている。より具体的にいうと、双方の保持部材51・81には、極端なガタツキが生じないない程度の寸法差で嵌め合うことのできる外形差(内外径差)がある。それによって当該両器41・71は、図3(A)(B)に示すように一方の保持部材51を他方の保持部材81内に嵌め込むことができ、かつ、その嵌め合い状態において反転させることができるのである。
図1〜図3に例示された天ぷら用未油調食材調製器41と天ぷら用油調補助器71とを用いて「かき揚げ天ぷら」をつくるときの一例は、図4・図5に示すようなものである。以下、これについて詳述する。
図4・図5の例において、T1はカッティング食材、T2は粉付きカッティング食材、Vは食用粉、Wはバッター液(天ぷら衣用の液体)、Xは未油調食材、Yは油調食材(かき揚げ天ぷら)、Zは油をそれぞれ示す。
カッティング食材T1の代表例は、生野菜と加工野菜とのうちのいずれか一方または両方であるが、これに限定されることはなく、野菜以外の食材が用いられたり、野菜と野菜以外の食材(例:魚介類や食肉など)とによる混合食材(ミックス食材)が用いられたりすることもある。野菜系カッティング食材T1の場合、一種類の野菜だけが用いられる例や、複数種の野菜(ミックス野菜)が用いられる例がある。野菜系カッティング食材T1としては玉葱、葱、人参、牛蒡などが単独または複数で用いられるほか、その他の野菜も用いられることがある。魚介類系のカッティング食材T1としては桜海老、小柱、白魚、烏賊などが単独または複数で用いられるほか、その他の魚介類も用いられることがある。もともと小さい食材の場合、たとえば桜海老、小柱、白魚、豆類(グリンピースを含む)などの場合は、カッティングされない状態で天ぷら食材として用いられるの一般である。したがって本発明の場合、桜海老、小柱、白魚、豆類などの小さな食材は、カッティングされていなくても、カッティング食材T1としてみなして取り扱われることとなる。したがって、本発明における「カッティング食材」という用語は、適当な大きさにカッティングされた食材のほか、カッティングされていない小さな食材をも含む上位概念語である。
食用粉Vの代表例は小麦粉である。食用粉Vとしては、小麦粉に他の食用粉を加えてなる混合食用粉(ミックス粉)が用いられることもある。小麦粉に加えられる他の食用粉としては、でん粉、卵黄粉、卵白粉、ベーキングパウダー、粉末着色料(ビタミンB2)などがあり、これらのうちから選択される一つ以上が小麦粉に加えられる。
バッター液Wの代表例は水である。その水は10℃前後の冷水であることが望ましい。バッター液Wとしては、水に他の液体ないし液状物を加えてなる混合液(ミックス液)が用いられることもある。水に加えられる他の液体ないし液状物については、全卵、卵黄、卵白、ミルク液、調味液などがあり、混合液においては、これらのうちから選択される一つ以上が水に加えられる。このバッター液Wの場合、粉付きカッティング食材の食用粉Vの層に浸みる込むものであればよいのであるから、そのような粘度のものが採用される。たとえば、粘度0.8〜30000mPa・sのバッター液Wであれば、これを十分使用することができる。バッター液Wが多数の気泡を含んでいることもある。
油Zの代表例は植物性油脂である。ベースたる植物性油脂に動物性油脂が加えられたものが油Zとして用いられることがある。植物性油脂としては、菜種油、大豆油、胡麻油、コーンオイル、綿実油、紅花油、落花生油、オリーブオイル、米油、カカオオイル、パームオイル、向日葵油、椰子油、グレープシードオイル、亜麻仁油などがある。そのうちのから選択された任意の一つ、または、二つ以上組み合わされたものが油Zとして用いられる。また、植物性油脂からなる油Zに加えられる動物性油脂としては、ヘット、ラード、羊脂、バター、鰯油、鯨油、肝油などがある。そのうちから選択された任意の一つ、または、二つ以上が植物性油脂に加えられ、その植物性油脂と動物性油脂との混合系が油Zとして用いられる。また、動物性油脂に代えて人造バター(マーガリン)が植物性油脂に加えられることがある。
図1〜図3に示された天ぷら用未油調食材調製器41と天ぷら用油調補助器71とを併用して「かき揚げの天ぷら」を製造するとき、その一例としては、図4・図5に略示するような一連の各工程が採用される。すなわち、この図示例の場合は、図4・図5の両図にわたって略示された(A)〜(H)の各工程を経ることにより、「かき揚げ天ぷら」がつくられる。以下これについて詳述する。
図4(A)において、未油調食材調製器41の食材調製空間52内には、適量の粉付きカッティング食材T2が投入される。この粉付きカッティング食材T2は、周知の下拵えにおいて、所定量のカッティング食材T1に所定量の食用粉Vを振り掛けて軽く混ぜ合わせることによりつくられ、それが食材調製空間52内に投入されるのである。このようにして食材調製空間52内に投入される粉付きカッティング食材T2は、そこに自然と積層しながら食材積層構造を構築する。さらにいうと、この積層構造をなす粉付きカッティング食材層の場合、これを突き固めたりするのでなく自重に任せて軽く積もらせるだけであるから、隙間のきわめて多い連続気孔(ポーラス)型を呈すようになる。したがって、当該食材積層構造物の場合、各粉付きカッティング食材T2が互いに絡まり合りながらも、その内外に通じる多数の気孔を包含するものとなる。
食材調製空間52内にある粉付きカッティング食材T2の層(食材積層構造物)において余剰を生じている食用粉Vなどは、この図4(A)の食材投入工程のときに振るい落とされ、支持網61の各網目を通じて未油調食材調製器41外へ排除される。
図4(B)においては、未油調食材調製器41の食材調製空間52内にある積層構造の粉付きカッティング食材T2にバッター液Wが供与される。このバッター液供与手段については、噴霧方式・シャワー方式・注ぎ掛け方式・浸漬方式などがあり、そのいずれでも採用できる。図4(B)に略示されたバッター液供与工程の場合、積層粉付きカッティング食材T2を内蔵した未油調食材調製器41をバッター液槽内に浸漬するという浸漬方式が採用される。この場合の浸漬時間は、積層粉付きカッティング食材T2の寸法と形状やバッター液Wの種類などによって相違するものである。それは短い浸漬時間の場合に1〜5秒(多くの例:浸漬時間は2〜3秒程度)、中程度の浸漬時間の場合に6〜15秒(多くの例:浸漬時間は8秒前後)、長い時間浸漬の場合に16〜30秒(多くの例:浸漬時間は20秒前後)とかいうものであり、かかる浸漬時間を適切に選択することによって、積層粉付きカッティング食材T2にはバッター液Wが不足のないように与えられる。したがって、バッター液供与のために積層粉付きカッティング食材T2をバッター液Wに浸漬するという時間は、ほとんどの場合、1〜30秒程度の範囲内にある。さらに、バッター液Wの温度としては室温(20℃)以下が望ましい。より具体的には、4〜15℃の液温範囲内にあるバッター液Wが用いられる。
図4(C)においては、バッター液供与後の積層粉付きカッティング食材T2から余剰のバッター液Wが取り除かれる。これは上記においてバッター液槽内に浸漬されていた未油調食材調製器41がその液中から引き上げられることにより実施される。すなわち、未油調食材調製器41がバッター液中から引き上げられたときに、積層粉付きカッティング食材T2に付着している余剰のバッター液Wが重力の影響で液切れして滴下する。また、未油調食材調製器41を揺動させたり振動させたりすることで余剰バッター液の滴下を促進させる。未油調食材調製器41において滴下する当該余剰バッター液は、支持網61の各網目を透過して保持部材51の入出用空間53の下部側へと至り、そこから未油調食材調製器41外へと排出される。したがって、未油調食材調製器41をバッター液中から引き上げて一定時間の経過を待つとか、また、その際に振動および/または揺動を付与して余剰バッター液の液切りを積極的に促進させることで、余剰バッター液が未油調食材調製器41外へと排出されるのである。かくて未油調食材調製器41内における未油調食材Xの作製が完了する。この未油調食材Xの場合、バッター液Wを含んだことで前記ポーラス型食材積層構造における気孔残存率の低下がみられるが、そのポーラス型食材積層構造を維持している。
図5(D)〜(F)においては、未油調食材Xが未油調食材調製器41の食材調製空間52内から油調補助器71の食材保持空間82内へと入れ替えられる(この「入れ替え」の語は「移し替え」の語と同義である)。これに際しては図5(D)のように、上下反転状態とした油調補助器71が未油調食材調製器41に被されて両器41・71が合体された後、当該合体状態にある両器41・71が図5(E)のように上下反転される。この二つの操作を経ることによって、未油調食材調製器41が上下反転状態を呈して上側に変位し、これと相対的に油調補助器71が通常姿勢で下側に変位する。その結果、未油調食材調製器41の食材調製空間52内にある粉付きカッティング食材T2が重力落下して油調補助器71の食材保持空間82内に移入するのである。かかる食材入れ替えの完了後、用済みとなった未油調食材調製器41が図5(F)のように油調補助器71から取り除かれるので、両器41・71は再び分離状態になる。かくて油調補助器71の食材調製空間52内に移入して未油調食材Xも、ポーラス型食材積層構造を維持している。
図5(G)において、油調補助器71は食材保持空間82内に未油調食材Xを保持した状態で高温の油Z中に入れられる。この際の油Zは既述の高温域に保持されているものである。この場合の油Zの温度はおおむね140℃〜200℃の範囲内にある。図5(G)の油調工程(油で揚げる工程)における高温の油Zは、油調補助器71の底面開口→油調補助器71の油導入空間83→多孔支持板91の各縦孔92→油調補助器71の食材保持空間82のように各部を滞りなく流動し、かつ、未油調食材Xの内外部と充分に接触してその未油調食材Xに効率よく熱を与えることとなる。この浸漬時間(油調時間)は揚げ天ぷらの大きさや具材の種類などで異なる。また、油調を一度揚げですませるのか、二度揚げの油調を実施するのかによっても浸漬時間は異なる。一例として、「冷凍野菜かき揚げ天ぷら」(食材は玉ねぎと人参)として販売される商品の場合、しかもそれが直径8cm程度かつ厚さ1.5cm程度のサイズである場合、高温油中への浸漬時間は3〜5分程度となる。この分単位の油調時間が経過することで未油調食材Xが油調食材Yとなり、その油調食材Yが油調補助器71の食材保持空間82から浮上脱出して高温油Zの液面上に至るようになる。一方、油調食材Yがこのように浮き上がることで、油調を終えたことが判明する。かかる油調食材Yの場合、カッティング食材T1が蒸し上がり、バッター液Wを含浸した食用粉Vが硬めの皮膜(衣)となるほか、全体的にも水分の蒸発した気孔率の高いものになる。したがって未油調食材Xは、高品質の油調食材Yに仕上がるのである。
図5(H)は油調が完了して油調補助器71の食材保持空間82内から取り出された油調食材Y(かき揚げ天ぷら)を示すものである。もちろんこの「かき揚げ天ぷら」は、気孔率が高くて水分の少ない蒸し上がり状態となっているから、サクサク感やカリカリ感ななどのクリスピー感がある。
図6のブロック工程図は、図1〜図3に示された天ぷら用未油調食材調製器41と天ぷら用油調補助器71とを併用して「かき揚げの天ぷら」を製造するときの一例を実施例1として示すものである。これについて、同図を参照して以下に説明する。
図6に示す実施例1のかき揚げの天ぷら製造例では、食材(具材)として「玉ねぎ」と「人参」とが用いられる。この実施例1で玉ねぎの場合は、RL1工程で用意(準備)された後、RL2工程の皮むき処理、RL3工程の洗浄処理、RL4工程のカッティング処理、RL5工程の洗浄処理、RL6工程の水切り処理をそれぞれ受ける。実施例1で人参の場合も、RR1工程で用意(準備)された後、RR2工程の洗浄処理、RR3工程の皮むき処理、RR4工程の洗浄処理、RR5工程のカッティング処理、RR6工程の洗浄処理、RR7工程の水切り処理をそれぞれ受ける。さらにこの後、両カッティング食材を所定の割合で配合するために、これらがそれぞれ計量される。すなわち実施例1の場合は、一方のカッティング食材(玉ねぎ)がRL7工程の計量手段で所定の配合量を秤取りされるとともに他方のカッティング食材(人参)がRR8工程の計量手段で所定の配合量を秤取りされる。
図6を参照して明らかなように、実施例1のR01工程では、上記計量後の両カッティング食材(玉ねぎと人参)が混合される。これはカッティング玉ねぎとカッティング人参とがほぼ均質に混じり合うように混合処理されるのである。実施例1のR02工程では、混合カッティング食材(カッティング食材T1)に小麦粉(食用粉V)が添加されてそのカッティング食材T1が粉付けされる。これは食材コーティング工程というべきもので、玉ねぎと人参との混合カッティング食材表面に小麦粉が薄く付される。より具体的には、混合食材と食用粉Vとを短時間で軽く混ぜ合わせることで実施され、これで混合カッティング食材と小麦粉とを主材にした所定量の粉付きカッティング食材T2がつくられるのである。一例として、100食分(100個分)を1バッチとした場合、これまでの工程を介して1バッチの粉付きカッティング食材T2がつくられるのである。実施例1のR03工程では、粉付きカッティング食材T2が計量される。これは当該実施例1の場合において、1バッチの粉付きカッティング食材T2を計量対象物とする「天ぷら一つあたりの分の計量」が100回行われるということである。したがってこの場合、周知の計量手段を介して「かき揚げ天ぷら1食分(1個分)」の量が連続的に秤取りされることとなる。
実施例1のR04工程においては、「かき揚げ天ぷら1食分(1個分)」に相当する粉付きカッティング食材T2(上記計量1回分)が、未油調食材調製器41の食材調製空間52内に投入される。これは図4(A)を参照して述べた内容と同様である。したがって実施例1のR04工程については既述の内容を参照することで省略する。このR04工程によって、未油調食材調製器41の食材調製空間52内にはポーラス型の積層構造をなす粉付きカッティング食材層が形成される。
実施例1のR05工程においては、未油調食材調製器41の食材調製空間52内にある積層構造の粉付きカッティング食材T2にバッター液Wが供与される。これは粉付きカッティング食材T2入りの未油調食材調製器41をバッター液W中に浸漬するというものであるから、図4(B)で述べた内容と同様である。したがってR05工程についても既述の内容を参照することで省略する。実施例1の場合、R05工程に引き続いてR06工程が実施される。このR06工程は、未油調食材調製器41をバッター液W中から引き上げて、未油調食材調製器41内の食材から余剰バッター液を取り除くというものである。より具体的には、未油調食材調製器41をバッター液W中から引き上げて一定時間の経過を待つのである。粉付きカッティング食材T2に付着している余剰バッター液は、かかる待機時間において重力の影響を受けて液切れ滴下するので、それが支持網61の各網目を透過して未油調食材調製器41外へと排出される。このR05工程とR06工程とを経ることで、未油調食材調製器41内の粉付きカッティング食材T2は適量のバッター液を含んだ未油調食材Xに仕上がる。
実施例1のR07工程では、未油調食材調製器41内にある余剰バッター液除去後の未油調食材Xが、その未油調食材調製器41内から油調補助器71内へと移し替えられる。これは図5(D)〜(F)の「食材入れ替え・その1」〜「食材入れ替え・その3」で述べた内容と同様である。したがってR07工程についても既述の内容を参照することで省略する。このR07工程によるとき、未油調食材調製器41の食材調製空間52内にあった未油調食材Xが油調補助器71の食材保持空間82内へと移ることとなる。
実施例1での未油調食材Xの油調処理の回数については、「1回のみ」の場合と「複数回」の場合とがある。これについて典型的な一例をあげると、R07工程後に実施される未油調食材Xの油調処理回数は、一次油調(R08工程)と二次油調(R09工程)との2回である。この一次油調・二次油調は図5(G)で述べた内容と基本的に同じであり、食材保持空間82内に未油調食材Xを保持した油調補助器71を高温油Z中に浸漬するというものである。したがって、図6の実施例1において、実線の矢印で工程の流れを示すR08工程・R09工程などは、図5(G)で述べた内容を参照することでその詳細を省略するが、この両工程の実質的な相違は未油調食材Xを油調する際の油調温度(高温油Zの温度)とか油長時間(高温油Zへの浸漬時間)とかをいかに設定するかで定まる。その一例としては、先行する一次油調(R08工程)と後行する二次油調(R09工程)との油調温度を同程度に保持し、かつ、一次油調と二次油調との油調時間に差異をもたせるようにする。他の一例としては、一次油調の場合は相対的低温域で相対的に長時間油調し、二次油調の場合は相対的高温域で相対的に短時間油調するようにする。その具体的一例をあげると、R08工程では未油調食材Xが130〜155℃の高温油Z中に2〜3分程度浸漬されて一次油調される。R09工程では一次油調後の未油調食材Xが130〜155℃の高温油Z中に3〜4分程度浸漬されて二次油調される。このうちで一次油調の場合、未油調食材Xには比較的短い時間でさっと熱が通る。他方で二次油調の場合、未油調食材Xが比較的長く熱せられることで、カラッと揚がることとなる。また、一次油調と二次油調との間において、一次油調後の未油調食材Xをバット(受皿)などに上げて2〜3分置いておくと、余熱で油調熱が浸透するようになる。未油調食材Xはこの一次・二次の両油調処理を受けることで、クリスピー感のある油調食材Y(かき揚げ天ぷら)に仕上がる。
実施例1のR10工程では上記油調食材Yが冷却される。それは空冷式または水冷式の冷却槽内に油調食材Yが搬入され、そこで油調食材Yが積極的に冷却される。この冷却によって4〜20℃(望ましくは4〜10℃)まで温度降下した油調食材Yはライン上で包装され、かつ、出荷に至までの間、冷凍庫または冷凍倉庫などで保管される。
図6の実施例1で示す「かき揚げ天ぷら製造例」については、その一部の工程を変更する例として一台のフライヤで未油調食材Xを始めから終わりまで通して全油調することがある。この場合の未油調食材Xは、図6の仮想線(二点鎖線)の矢印で工程の流れを示すとおり、前記R07工程後のRV08工程で150〜170℃の高温油Z中に5〜6分程度浸漬されて完全油調され、かつ、その後のRV09工程で上記R10工程と同様に油調食材Yが冷凍保管される。
図7のブロック工程図は、図1〜図3に示された天ぷら用未油調食材調製器41と天ぷら用油調補助器71とを併用して「トッピング具材入りのかき揚げの天ぷら」を製造するときの一例を実施例2として示すものである。かかる実施例2において、「TP01」〜「TP04」で示された「トッピング用の各工程」を除く「かき揚げ天ぷら用の各工程」は、前記実施例1のそれと実質的に同じである。したがって当該実施例2の場合、前記実施例1を参照することで「かき揚げ天ぷら用の各工程」についての説明を省略し、かつ、「トッピング用の各工程」を重点的に説明する。
図7の実施例2において、TP01工程ではトッピング具材が選択される。トッピング具材については、ミックス食材で述べたうちの比較的小さな食材、たとえば小柱、白魚、豆類(グリンピースを含む)などがよく選択される。その他のミックス食材も、カッティングして小さくすることにより、トッピング具材として用いることができる。トッピング具材については、一種類の食材でもよいし、複数種の食材を合わせた混合食材でもかまわない。選択されたトッピング具材は、つぎのTP02工程で粉付けされて粉付きトッピング具材となる。この粉付きトッピング具材も、周知の下拵えにおいて、所定量のトッピング具材に所定量の食用粉Vを振り掛けて軽く混ぜ合わせることによりつくられる。粉付きトッピング具材は、つぎのTP03工程で「天ぷら一つあたりの分の計量」が行われる。さらにこの計量後の粉付きトッピング具材は、つぎのTP04工程において、トッピング具材調製器(未油調食材調製器41と同様のもの)の具材調製空間内に投入されて成形される。
実施例2でつくられた粉付きトッピング具材は、図7のR04工程で粉付きカッティング食材T2に添えられる。これは粉付きトッピング具材と粉付きカッティング食材T2ととを合わせるということである。この場合、トッピング具材調製器内にある粉付きトッピング具材を、粉付きカッティング食材T2のある未油調食材調製器41内に投入してもよいし、また逆に、未油調食材調製器41内にある粉付きカッティング食材T2を、粉付きトッピング具材のあるトッピング具材調製器内に投入してもよい。
実施例2におけるR04工程以降の各工程は、前記実施例1で述べた内容と同様であるあるので、それを参照すること省略する。
図8のブロック工程図も、図1〜図3に示された天ぷら用未油調食材調製器41と天ぷら用油調補助器71とを併用して「トッピング具材入りのかき揚げの天ぷら」を製造するときの一例を実施例3として示すものである。かかる実施例3において、「TP01」〜「TP06」で示された「トッピング用の各工程」を除く「かき揚げ天ぷら用の各工程」は、前記実施例1のそれと実質的に同じである。したがって実施例3でも、前記実施例1を参照することで「かき揚げ天ぷら用の各工程」についての説明を省略し、かつ、「トッピング用の各工程」を重点的に説明する。
図8の実施例3では、TP01工程でトッピング具材が選択されたり、TP02工程でトッピング具材が粉付けされたり、TP03工程で粉付きトッピング具材が成形されたりする。この場合において、実施例3のTP01工程は実施例2のTP01工程と、実施例3のTP02工程は実施例2のTP02工程と、また、実施例3のTP03工程は実施例2のTP04工程と、それぞれ同じである。したがって、実施例3でのこれら各工程については、前記実施例2を参照することで省略する。
図8の実施例3においては、TP04工程で粉付きトッピング具材にバッター液を供与したり、TP05工程で余剰バッター液の液切りを行ったりする。この二つの工程は、たとえば、図4(B)(C)で説明した粉付きカッティング食材T2へのバッター液供与工程やその余剰バッター液の液切り工程などと同様にして行うものである。このようにしてバッター液を供与された粉付きトッピング具材は、この後のTP06工程で「天ぷら一つあたりの分の計量」が行われる。
図8の実施例3において、未油調食材X(バッター液供与された粉付きカッティング食材T2)に関する主要工程は、前記実施例1のそれと実質的に異なるところがない。この実施例3ではその未油調食材Xに、バッター液供与かつ計量後の粉付きトッピング具材が添加されるのである。より具体的にいうと、図8のR07工程において、未油調食材Xの入った油調補助器71内に、バッター液供与かつ計量後の粉付きトッピング具材が投入されて所定の食材と具材とが合わされるのである。これで未油調食材Xは、トッピング具材付きとなる。
図8の実施例3におけるその他の事項は、前記実施例1で説明した事項と同じである。したがって、図8の実施例3におけるその他の事項については、前記実施例1を参照することで省略する。
図9の実施例4は、前記実施例1のR04工程とR05工程との間にトッピング具材の添加工程を介在させるというものである。ちなみに、トッピング具材を添加しない通常のケースでは、R04工程・R05工程が実線矢印で直結する。それに対し、「計量済みの粉付きトッピング具材添加工程」をR04工程・R05工程間に介在させるときは、当該両工程間の流れが仮想線(二点鎖線)矢印のように変わる。したがって実施例4の場合、計量済み粉付きトッピング具材が計量済み粉付きカッティング食材T2の入った油調補助器71内に投入されることにより、所定の食材と具材とが合わされるのである。このように合わされて「粉付きトッピング具材+粉付きカッティング食材T2」となったものは、図9のR05工程においてバッター液の供与を受ける。
図9において、「計量済みの粉付きトッピング具材添加工程」に至るまでのトッピング具材は、同図に示すTP01工程・TP02工程・TP03工程を経ることとなる。この場合のTP01工程・TP02工程・TP03工程は、図7の前記実施例2で述べたそれと同じであるので、それを参照することで省略する。
図9の実施例4におけるその他の事項は、前記実施例1で説明した事項と同じである。したがって、図9の実施例4におけるその他の事項については、前記実施例1を参照することで省略する。
本発明に係る天ぷらの製造装置と本発明に係る天ぷらの製造方法とが図10に例示されている。これは本発明の当該製造装置を用いて本発明の当該方法が実施されるというものであるが、かかる天ぷら製造手段の場合、既述の天ぷら用未油調食材調製器41と天ぷら用油調補助器71とが用いられる。以下、この図示例の装置と方法について説明する。
図10に例示された天ぷらの製造装置(製造ライン)は、周知である二つのラインコンベア111・121と、この両ラインコンベア111・121の要所に対応して配置される所定の機器や所定の装置などを主体にして構成されるものである。このうちで両ラインコンベア111・121については、エンドレスチェーン構造とか網目ベルト構造とか格子ベルト構造など周知のコンベア構造を有していて、所定の方向へ連続回転または間欠回転するものである。
上記両ラインコンベア111・121のうちで、その一方のラインコンベア111の搬送面上には、多数の天ぷら用未油調食材調製器41が縦横に列をなして取り付けられている。この場合において、横列状態をなして幅方向に並ぶ複数の未油調食材調製器41については幅方向に一体化されたものがよく用いられ、それがラインコンベア111の長さ方向(回転方向)にわたって等間隔などで取り付けられる。一体型の典型例としては、三個以上の未油調食材調製器41が横列状態をなしていてそれらが横列一体化されている。この例で用いられるそれぞれの未油調食材調製器41(未油調食材調製器群)は、また、食材保持空間52や入出用空間53が平面や底面からみて四角形・六角形などの多角形をしていることが多い。この場合における未油調食材調製器41の装備態様については、その未油調食材調製器41が自重で常に水平状態を維持するゴンドラ状の吊り支え方式のものがよい。そのために未油調食材調製器41は、チェーンコンベアのようなラインコンベア111に支軸を介して揺動自在に取り付けられたりする。横列状未油調食材調製器41と横列状油調補助器71との関係についていうと、これらは後述するように、互いに合体することができるものである。より具体的にいうと、上下反転状態の横列状油調補助器71を横列状未油調食材調製器41に被せることができるものである。この場合の横列状未油調食材調製器41および/または横列状油調補助器71については、両器41・71の重ね合わせ合体を妨げることがないように適所にスリットが形成される。その他について、図10における二基のラインコンベア111・122は、後述するように、同期ないし同調しながら所定の方向へ連続回転運動または間欠回転運動するものである。
図10の例においてラインコンベア111に対応してその所定部に配置されるものは、食材供給コンベア112、食材供給装置113、天ぷら用のバッター液槽(天ぷら用の衣液槽)114、器具供給装置116、ガイド部材117、その他である。
図10の例でラインコンベア111と食材供給コンベア112と食材供給装置113との関係についていうと、それはラインコンベア111上において食材供給コンベア112が粉付きカッティング食材T2を食材供給装置113に供給し、これを受けた食材供給装置113が粉付きカッティング食材T2をラインコンベア111の未油調食材調製器41に定量投入するというものである。それゆえ、この二つの構成要素(112・113)の場合、食材供給コンベア112の供給端部(先端部)が相対的に上位に位置し、食材供給装置113が上端部が食材供給コンベア112の供給端部下に位置するという上下関係を保持してラインコンベア111の一端部寄り(図10の左側)に配置されている。さらにいうと、これらの各構成要素(111・112・113)は、食材供給コンベア112の供給端部と食材供給装置113の上端部とが対面し、かつ、ラインコンベア111のライン上側部(上面部)と食材供給装置113の下端部とが対面するという相対関係を保持してそれぞれ所定位置に配置されている。
食材供給コンベア112の場合は、周知のベルトコンベアを主体にして構成されているものである。これに対する食材供給装置113の場合は、一例としてカッティング食材供給用の計量ホッパ(公知ないし周知)からなる。すなわち、このカッティング食材供給用の計量ホッパは、上面開口型のホッパ部を上部に有するとともに計量機能のある計量供給部を上下中間部に有し、かつ、ラインコンベア111上で横一列状となる各未油調食材調製器41に対応した横一列状の投入口を下部に備えている。したがって、このような構成を具備する食材供給装置113の場合、ラインコンベア111の各未油調食材調製器41内に向けて粉付きカッティング食材T2を定量投入することができるものである。
図10の例でバッター液槽114は、ラインコンベア111における一端部と他端部との間、すなわち、ラインコンベア搬送方向に沿うライン上側部の中間部位をその槽内に潜らせるというものである。この場合におけるライン上側部の中間部位が食材供給装置113よりも後方からはじまることは、図10を参照して明らかである。バッター液槽114について自明のとおり、その槽内に既述のバッター液Wが所定量入れられる。したがってラインコンベア111のライン上側部は、このバッター液槽114中を潜ることとなる。その他の事項に関して、図示はされていないが、バッター液槽114内のバッター液Wは当該液槽114に装備された循環濾過装置(公知ないし周知)を介して循環濾過されるものである。より具体的にいうと、この循環濾過装置は、ポンプや濾過器などを備えた配管流路を主体にして構成される。
図10の例で器具供給装置116は、ラインコンベア111側にある各横列状未油調食材調製器41に対応させて横列状油調補助器71を上下反転状態で順次繰り出し供給するためのものである。すなわち、器具供給装置116から繰り出し供給された上下反転状態の油調補助器71がラインコンベア111側の未油調食材調製器41に被さるのである。この器具供給装置116については、上下左右前後などの各方向に屈伸自在なアーム型のマニピュレータ(ロボットハンド)に変更されてもよく、そのマニピュレータによっても上下反転状態にした油調補助器71をラインコンベア111側の未油調食材調製器41に被せることができる。
図10の例において、バッター液槽114と器具供給装置116との間は余剰バッター液の除去ゾーンである。これはラインコンベア111を介して搬送される未油調食材調製器41内の食材から余剰バッター液を取り除くためのゾーンである。このゾーンにおいては未油調食材調製器41内から余剰バッター液が自然に滴下することとなり、それがバッター液槽114の上部先端側にある傾斜状の受皿部115で受け止められてバッター液槽114内へと還流する。
図10の例でガイド部材117は金属、合成樹脂、その複合材などのいずれかでつくられるものであり、図示のように倒U字状に弯曲したカバー形状をしている。かかるガイド部材117は、横一列状未油調食材調製器41に被された上下反転状態の横列状油調補助器71が通常の姿勢に戻るまでの間、それを横一列状未油調食材調製器41から離脱することのないように保持するためのものである。これについてはガイド部材117に代え、たとえば、吸着部材(マグネット)を利用した吸着手段とか、挟み付け(挟み爪)式クランプを利用したクランプ手段とかで未油調食材調製器41と油調補助器71との嵌め合い状態を保持してもよい。この後者の手段では、たとえば、横一列状未油調食材調製器41に被された上下反転状態の横列状油調補助器71が通常の姿勢に戻ったとき、操作部材を介して未油調食材調製器41と油調補助器71とを分離させることができる。あるいは、横一列状未油調食材調製器41に被された上下反転状態の横列状油調補助器71が通常の姿勢に戻ったとき、その油調補助器71に作用する自重が吸着部材の吸着力や挟み爪の挟み付け力を上回るようにしておけば、油調補助器71は重力落下で未油調食材調製器41と分離するようになる。
図10の例における両ラインコンベア111・121については、一方のラインコンベア111が前段で、他方のラインコンベア121が後段というもの、しかもそれは、未油調食材X入りの油調補助器71をその一方から他方へと受け渡しするために相互に繋ぎ合わされているものである。この図示例の場合、前段ラインコンベア111側で未油調食材調製器41と合体している上下反転状態の油調補助器71を後段ラインコンベア121側に移乗させるのは、両器41・71の上下関係が逆になった時点(未油調食材調製器41が上側で油調補助器71が下側になった時点)である。このタイミングであれば、油調補助器71を自重により降下させながら未油調食材調製器41から離脱させて後段ラインコンベア121側へと移乗させることができる。それにこの間、未油調食材調製器41内にある未油調食材Xが自重落下して油調補助器71の食材保持空間82内に移入するようにもなる。未油調食材調製器41から離脱した油調補助器71は、吸着部材を介して後段のラインコンベア121に保持されるものである。このような理由から、後段のラインコンベア121には、多数の吸着部材(マグネット)122が等間隔など適当な間隔で取り付けられている。
図10の例において、ラインコンベア121側に装備される主なものは油調装置123や天ぷら引き上げ用の製品収集コンベア124である。
上記の油調装置123は、油槽を主体にし、それに必要な機器や器具が装備されて構成されるものである。油調装置123の主体である油槽内には、もちろん天ぷらを揚げるための必要油量が収容される。そしてその油を加熱したり温度調節したりするために、油調装置123油槽には、電気ヒータ加熱方式やガス燃焼加熱方式など周知の加熱手段が装備されるのである。より具体的にいうと、この油調装置123は、油槽内の油Zを140〜200℃程度(かき揚げ天ぷらを揚げる際の油温)に加熱したり、その高温の油温を保持したりすることができるものである。油調装置123については、フライヤということもできる。一方、ラインコンベア121と油調装置123との相対関係でいうと、油調装置123の油槽内にはラインコンベア121の中間部(ラインコンベア121の両端部間にある部分)が、この油調装置123の油槽内を油Zに浸りながら通過することとなる。また、油調装置123の油槽についても、その内部の油Zが、当該液槽114に装備された循環濾過装置(図示せず/公知ないし周知)を介して循環濾過されるものである。より具体的にいうと、この循環濾過装置は、ポンプや濾過器などを備えた配管流路を主体にして構成される。さらに、当該循環濾過装置については、油調装置123の油槽内における油Zの上層部分に対して、図10の左方向の流動性を付与するものが望ましい。
図10の例における製品収集コンベア124も公知ないし周知のものからなる。その一例は、コンベア部分が網目ベルト構造とか格子ベルト構造とかで構成されているものである。製品収集コンベア124は、また、図示のような傾斜勾配を有している。製品収集コンベア124の下端部(図10の右端部)は油調装置123の上面からその油槽内に介入しており、製品収集コンベア124の上端部(図10の左端部)が油調装置123の上面からその油槽外に突出している。この場合における製品収集コンベア124の下端部は、油調装置123内(油槽内)に所定量の油Zが満たされているとき、その油Zの油面(液面)下に少し没することとなる。
図10において、エンドレス回転式の両ラインコンベア111・121は、これが運転状態になったときに所定方向に向けて連続回転(低速回転)または間欠回転するものである。この両ラインコンベア111・121については、これらを同調回転させたり回転速度に差をもたせたりすることができる。この場合において、後段側に位置するコンベア回転速度(運転速度)は、一例として未油調食材Xの揚げ時間に基づいて設定される。製品収集コンベア124についても両ラインコンベア111・121と同様である。
自明の事項ではあるが、未油調食材Xの揚げ時間は当該食材Xの種類や寸法によって異なったり設備仕様の内容によって異なったりするものである。ゆえに、両ラインコンベア111・121の回転速度や未油調食材Xの揚げ時間(油調時間)などは、一律に定めた値をすべての天ぷら製造例に画一的に適用することができない。しかしながら、一般的に多く採用されている野菜かき揚げ天ぷら(直径8cm前後、厚さ1.5cm前後)の油調時間は、120〜190℃の油調温度において1〜5分の範囲内にある。したがって、このような油調時間を参照しながら両ラインコンベア111・121の回転速度などを設定するのがよい。ここに掲げた油調温度や油調時間に幅があるのは、一次油調のみで野菜かき揚げ天ぷらを仕上げるのか、あるいは、二次油調までを行って野菜かき揚げ天ぷらを仕上げるのか、その実施態様に起因するところが大きい。
本発明に係る天ぷらの製造方法について、その一実施形態は図10に例示された天ぷらの製造装置(製造ライン)を用いて実施されるものである。これによるときは、以下に述べるべるようにして「かき揚げ天ぷら」が製造される。
図10に例示された天ぷら製造ラインの場合、一方のラインコンベア111と食材供給コンベア112と他方のラインコンベア121とが目的物をそれぞれ搬送するために間欠的または連続的に作動する。同図の天ぷら製造ラインにおいては、また、油調装置123の油槽内ある油Zが所定の高温に維持されているとともに製品収集コンベア124が間欠的または連続的に作動して天ぷら収集可能な状態になっている。
図10において、食材供給装置113は食材供給コンベア112を介して間欠的あるいは連続的に粉付きカッティング食材T2の供給を受ける。これは食材供給工程の実施である。すなわち、この食材供給工程のときは、下拵えでつくられた粉付きカッティング食材T2が食材供給コンベア112で搬送され、それが食材供給装置113の計量ホッパ(上面開口型)内に投入されるのである。
上記において粉付きカッティング食材T2を受け入れた食材供給装置113は、ラインコンベア111を介して搬送移動されるそれぞれの未油調食材調製器41が当該装置直下に到来する都度、そのそれぞれの未油調食材調製器41内(食材保持空間52内)に秤取りした粉付きカッティング食材T2を逐次投入する。これは食材配給工程の実施である。この食材配給工程で粉付きカッティング食材T2の定量配給を受けたそれぞれの未油調食材調製器41は、つぎのバッター液槽114内に進入する。
上記においてバッター液槽114内に進入したそれぞれの未油調食材調製器41は、そのバッター液槽114内の液溜まり部分を通過するまでの間、その槽内のバッター液W中を潜るようになる。この間、各未油調食材調製器41の食材保持空間52内にある粉付きカッティング食材T2がバッター液W中に浸漬する状態となる。これはバッター液付与工程の実施である。これによってバッター液Wの含浸付与を受けた粉付きカッティング食材T2は、食材と食用粉と衣液とからなる未油調食材Xに仕上がる。したがって、バッター液W中を通過した後の各未油調食材調製器41内(食材保持空間52内)には未油調食材Xが存することとなる。この未油調食材Xを内蔵した各未油調食材調製器41は、つぎつぎと器具供給装置116側へと向かうが、この器具供給装置116に至る迄の間、各未油調食材Xの余剰バッター液が除去される。すなわちこれは、上記バッター液付与工程に引き続く余剰バッター液除去工程の実施であり、その概要は、当該余剰バッター液を自然滴下で除去するというものである。ここで滴下した余剰バッター液は、支持網61の各網目を透過して保持部材51の入出用空間53の下部側へと至り、そこから未油調食材調製器41外へ出てバッター液槽114の受皿部115内へと流れ込む。
上記において各未油調食材調製器41が器具供給装置116の直下まで順次到来したとき、上下反転状態の油調補助器71が器具供給装置116から未油調食材調製器41に被される。これは器具合体工程の実施である。より具体的にいうと、この器具合体工程のときは、上下反転状態とした横一列状油調補助器71が落下供給されてそれが横一列状未油調食材調製器41に被されるのである。これで両器41・71が合体状態になる。
上記合体状態の両器41・71は、器具供給装置116から両ラインコンベア111・122の渡り部分を通過するまでの間、ガイド部材117でその合体状態が保持されれながら両ラインコンベア111・122の渡り部分を通過し、その通過後、横一列状油調補助器71が横一列状未油調食材調製器41から離脱する。さらにこの離脱後、横一列状油調補助器71は吸着部材122を介して後段のラインコンベア121に保持される。この段階に至ったとき、未油調食材Xは自重落下して未油調食材調製器41内から油調補助器71の食材保持空間82内へとすでに移入している。したがってこの場合は、器具分離工程と食材移し替え工程とがほとんど同時に実施される。この後、未油調食材Xを内蔵したそれぞれの油調補助器71は、油調装置123の油槽内へと進入する。
上記において油調装置123の油槽内につぎつぎと進入した未油調食材X入りの油調補助器71は、その油槽内の高温油Z中に浸りながら所定時間を掛けてここを通過することとなる。この油調装置123内で高温油Z中に浸る未油調食材Xの場合、その高温油Zからの高熱を効率よく受けることで揚げが早期に完了する。これは未油調食材Xを揚げ物に仕上げるという油調工程の実施である。この油調工程で油調補助器71が油中浸漬初期から油中浸漬中期にあるとき、油調補助器71の食材保持空間82内の未油調食材Xは、揚げがまだ不完全で含水量も多いため、その食材保持空間82内に停留しているが、油調補助器71の油中浸漬が後期に至るにしたがい、未油調食材Xの油調が進行して当該食材が浮き上がりはじめる。そしてその後、未油調食材Xが油調食材Yとして仕上がったときには、油調食材Yが食材保持空間82内から脱して高温油Zの油面上(液面上)に浮き上がる。この食材の浮き上がりは、油調完了の報知にもつながるものである。
図10の例においては、上記の油調完了によって「かき揚げ天ぷら」であるところの油調食材Yが順次得られるのである。この後、各油調食材Yは図10の左方へと流動しながら製品収集コンベア124上に乗って油調装置123外にでる。各油調食材Yは、これ以降において「割れ」、「欠け」、「焦げ」などの形状や外観のチェックを受けて良否選別されたり、当該選別後に包装されたりする。さらに、この包装後のものは、冷蔵設備や冷凍設備などの設備を具備するところ、たとえば、冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵室、冷凍室などのいずれかに搬入されたりする。油調食材Yの上記良否選別については、既成の手段(作業員の目視検査および/または光学系機器を利用した自動検査)で行われる。
図10の例で未油調食材調製器41や油調補助器71は、それぞれ周回してスタート位置に戻るものである。そのうちで未油調食材調製器41の場合は、油調補助器71との合体を解かれた後、洗浄装置(例:超音波式の洗浄装置)や乾燥装置(例:熱風式の乾燥装置)などを経由してからスタート位置に戻る。また、油調補助器71の場合も、油調装置123を通過した後、洗浄装置(例:超音波式の洗浄装置)や乾燥装置(例:熱風式の乾燥装置)などを経由してからスタート位置に戻る。これで未油調食材調製器41や油調補助器71は洗浄(汚れ落とし)や殺菌(除菌)を受けるので、衛生状態を定常的に保持することができる。
図10の例において、トッピング具材を有するかき揚げ天ぷらをつくるときの当該トッピング具材供給は、未油調食材Xが油調装置123内に進入する前の段階で行われる。その一例としては、食材供給装置113とバッター液槽114との間で行われ、他の一例としてはバッター液槽114と器具供給装置116との間で行われ、さらに他の一例としては器具供給装置116とガイド部材117との間で行われる。これ以外の一例としてはガイド部材117と油調装置123との間で行われる。このいずれの部位でトッピング具材供給の供給を行う場合でも、そこにトッピング具材用の食材供給装置が配置されることとなる。そのトッピング具材用の食材供給装置は、たとえば、未油調食材調製器41の食材保持空間52内または油調補助器71の食材保持空間82内にトッピング具材を落下供給するという型式のものである。
上記におけるトッピング具材としては任意の食材を採用することができる。その具体的なトッピング具材の例をあげると、魚介類(代表例:とくに海老や小海老など)のほか、牛肉・豚肉・鶏肉・羊肉などの食肉、チクワ・カマボコ・ハンペン・魚肉ソーセージなどの各種加工水産物、ハム・ベーコン・ソーセージなどの各種肉製品がある。
図11は、上述した未油調食材調製器41や油調補助器71について、その連結タイプを例示したものである。未油調食材調製器41の連結タイプは図11(A)で明らかなように、各未油調食材調製器41がそれぞれぞれの保持部材51にわたる連結軸(連結棒)54を介して相互に連結されている。油調補助器71の連結タイプは図11(B)で明らかなように、各油調補助器71がそれぞれぞれの保持部材81にわたる連結軸(連結棒)84を介して相互に連結されている。この場合における各連結軸54・84の材質は、それぞれの保持部材51・81で述べたものと同じである。各未油調食材調製器41や各油調補助器71の連結態様については、連結軸54・84を軸心にして各未油調食材調製器41や各油調補助器71が自由に回転する回転型と、未油調食材調製器41や油調補助器71を各連結軸54・84で回転しないように固定連結した非回転型とがある。
上述のとおり、かき揚げ天ぷら用の用具・道具・器具として用いることのできる未油調食材調製器41、油調補助器71などは、飲食店などで使用する業務用としても用いることができるとともに一般家庭で用いる家庭用としても用いることができるものである。また、工場などでのライン生産において作業員と機械類との協働でかき揚げ天ぷらを製造するときにも、未油調食材調製器41、油調補助器71などは、これらを使用することができるものである。
本発明に係る天ぷら用未油調食材調製器、本発明に係る天ぷら用油調補助器、本発明に係る天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との組み合わせ、本発明に係る天ぷらの製造装置、本発明に係る天ぷらの製造方法などによるときは、味覚と食感が共に良好なかき揚げ天ぷらを安定かつ容易に製造すること、味覚・食感・香気などがいずれも良好なかき揚げ天ぷらを安定かつ容易に製造すること、高品質のかき揚げ天ぷらが高歩留まりで得られることなど、これらを満足させることができる。よって、本発明に係る各技術手段は、産業上の利用可能性が高いものである。
41 天ぷら用未油調食材調製器
51 保持部材
52 食材調製空間
53 バッター液入出用空間
54 連結棒
61 支持網
71 天ぷら用油調補助器
81 保持部材
82 食材保持空間
83 油導入空間
84 連結棒
91 多孔支持板
92 縦孔
111 ラインコンベア
112 食材供給コンベア
113 食材供給装置
114 バッター液槽
115 受皿部
114 ガイド部材
116 器具供給装置
117 ガイド部材
121 ラインコンベア
122 吸着部材
123 油調装置
124 製品収集コンベア124
T1 カッティング食材
T2 粉付きカッティング食材
V 食用粉
W バッター液
X 未油調食材
Y 油調食材(かき揚げ天ぷら)
Z 油

Claims (8)

  1. 上下両面が開放された筒管状の保持部材と、その保持部材の内部を上下に区画している粗い網目構造の支持網とを備えていること、および、
    保持部材内の支持網上には天ぷら用の材料を入れるための食材調製空間があるとともに保持部材内の支持網下には余剰物排出用の排出空間があり、かつ、食材調製空間と排出空間とが支持網の網目を介して互いに連通していること
    を特徴とする
    天ぷら用未油調食材調製器。
  2. 請求項1に記載された天ぷら用未油調食材調製器が、縦・横・縦横のいずれかに列をなして一体化されていること
    を特徴とする列型の天ぷら用未油調食材調製器。
  3. 上下両面が開放された筒管状の保持部材と、その保持部材の内部を上下に区画している多孔支持板とを備えていること、および、
    多孔支持板にはこれを上下に貫通する多数の縦孔が形成されており、かつ、各縦孔の上端が多孔支持板の上面に拡散分布しているとともに縦孔の下端が多孔支持板の下面に拡散分布していること、および、
    保持部材内の多孔支持板上には天ぷら用の被覆食材を保持するための食材保持空間があるとともに保持部材内の多孔支持板下には天ぷら用の高温油を導入するための油導入空間があり、かつ、食材保持空間と油導入空間とが多数の縦孔を介して互いに連通していること
    を特徴とする天ぷら用油調補助器。
  4. 請求項3に記載された天ぷら用油調補助器が、縦・横・縦横のいずれかに列をなして一体化されていること
    を特徴とする列型の天ぷら用油調補助器。
  5. 請求項1に記載された天ぷら用未油調食材調製器と、請求項3に記載された天ぷら用油調補助器とを備えていること、および、
    天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との相対関係において、天ぷら用未油調食材調製器が天ぷら用油調補助器内に収まる外形を有し、かつ、天ぷら用油調補助器が天ぷら用未油調食材調製器を受け入れることのできる内形を有するものであること、および、
    上位に配された天ぷら用未油調食材調製器と下位に配された天ぷら用油調補助器とが、天ぷら用未油調食材調製器の上下反転状態において互いに嵌め合わされたときに、天ぷら用未油調食材調製器内の内容物が天ぷら用油調補助器内に移し替えられるものであること を特徴とする天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との組み合わせ。
  6. 請求項2に記載された列型の天ぷら用未油調食材調製器と請求項4に記載された列型の天ぷら用油調補助器とを備えていること、および、
    列型天ぷら用未油調食材調製器と列型天ぷら用油調補助器との相対関係において、列型天ぷら用未油調食材調製器における個々の油調食材調製器と列型天ぷら用油調補助器における個々の油調補助器とが1:1で上下合体自在に対応していること
    を特徴とする天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との組み合わせ。
  7. 請求項5または請求項6に記載された天ぷら用未油調食材調製器と天ぷら用油調補助器との組み合わせ物を備えていること、および、
    上記未油調食材調製器の食材調製空間内に粉付きカッティング食材を供給するための手段を備えていること、および、
    上記未油調食材調製器の食材調製空間内にある粉付きカッティング食材にバッター液を供与して当該食材を未油調食材に調製するための手段を備えていること、および、
    上記未油調食材調製器における食材調製空間の開放面と上記油調補助器における食材保持空間の開放面とを対面状態にして上記未油調食材調製器の食材調製空間内にある未油調食材を上記油調補助器の食材保持空間内に移し替えるための手段を備えていること、および、
    上記油調補助器の食材保持空間内にある未油調食材を高温の油と接触させて当該未油調食材を油調食材に仕上げて揚げ物するための手段を備えていること
    を特徴とする天ぷらの製造装置。
  8. 請求項7に記載された天ぷらの製造装置を用いる天ぷらの製造方法において、
    未油調食材調製器の食材調製空間内において支持網上に粉付きカッティング食材を保持すること、および、
    未油調食材調製器の食材調製空間内で支持網上に保持されている粉付きカッティング食材にバッター液を供与してその粉付きカッティング食材をバッター液の含んだ未油調食材となし、かつ、当該未油調食材における余剰バッター液を未油調食材調製器の支持網で液切りしてその余剰バッター液を未油調食材調製器の下部からその外に排出すること、および、
    油食材調製器の食材調製空間内にある未油調食材をそこから油調補助器の食材保持空間内へと移し替えて当該未油調食材を食材保持空間内で多孔支持板上に保持すること、および、
    油調補助器の食材保持空間内で多孔支持板上に保持されている未油調食材を油調補助器と共に高温の油中に入れて高温油と未油調食材と接触させ、この高温油との接触によって未油調食材を揚げ物に加工しながらその揚げ物を油調補助器の食材保持空間内からその外へ浮上脱出させて油調補助器上にある高温油上層側へ変位させること
    を特徴とする天ぷらの製造方法。
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