JP6440069B2 - 脱水素化装置 - Google Patents
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Description
芳香族炭化水素化合物であるベンゼン、トルエン、ビフェニル、ナフタレン、1−メチルナフタレン、2−エチルナフタレンを水素化すると、それぞれ、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ビシクロヘキシル、デカリン、1−メチルデカリン及び2−エチルデカリンが得られる。上記のような被水素化物(例えばベンゼン)を用いることにより、水素を水素化物(例えばシクロヘキサン)の形で貯蔵することができる。また、アセトンを水素化すると、2−プロパノールが得られる。したがって、アセトンを用いて水素を2−プロパノールの形で貯蔵することが可能である。本明細書では、上記に例示したようなベンゼン、アセトン等の水素化により得られる水素化物(シクロヘキサン、2−プロパノール等)を有機ハイドライドと称する。
従来、有機ハイドライドの脱水素化方法として、パラジウム膜等、水素を選択的に透過する水素透過膜を用いる方法が知られている。ここで、水素透過膜の一方の主面上には、有機ハイドライド等の水素を有する供給物の脱水素化のための触媒が形成されており、その主面側から有機ハイドライドを供給することにより、他方の主面側から水素が取り出される。水素透過膜の主面のうち、触媒を有しない側(水素が発生する側)の主面上に、水素を発生させるための触媒が形成されていることもある。
(a) 脱水素化によって水素を発生させる脱水素化装置を用意する工程、ここで、
前記脱水素化装置は、
脱水素化触媒を含有するアノード、
プロトンを還元するカソード、および
前記アノードおよび前記カソードの間に位置するプロトン伝導体
を具備し、
前記プロトン伝導体は、組成式AaB1-xB'xO3-δで表されるペロブスカイト型結晶構造を有し、
前記Aは、アルカリ土類金属から選択される少なくとも1つであり、
前記Bは、4価の4族の遷移金属又はCeであり、
前記B'は、3価の3族又は13族の元素であり、
0.4<a<0.9、かつ、0.2<x<0.6を満たし、
前記脱水素化装置は、前記アノードを含むアノード側反応容器および前記カソードを含むカソード側反応容器を具備し、
前記アノード側反応容器および前記カソード側反応容器は、前記プロトン伝導体により互いに分離されており、
(b) 前記アノード側反応容器の圧力が前記カソード側反応容器の圧力よりも高くしながら、前記有機ハイドライドを前記アノードに接触させることによって、前記有機ハイドライドを脱水素化して前記カソード側反応容器内で前記水素ガスを発生させる工程。
まず、図1を参照しながら、ペロブスカイト構造の基本構成を簡単に説明する。一般的なペロブスカイト構造は、図1に例示されるように、元素A、B、Oによって構成され、組成式ABO3によって表される。ここで、Aは2価のカチオンとなり得る元素、Bは4価のカチオンとなり得る元素、Oは酸素である。ペロブスカイト構造を有する結晶の単位格子は、典型的には立方体に近い形を有している。図示されるように、単位格子の8個の頂点には元素Aのイオンが位置する。一方、単位格子の6個の面の中心には酸素Oのイオンが位置する。また、単位格子の中央付近には元素Bのイオンが位置する。元素A、B、Oが占める位置を、それぞれ、Aサイト、Bサイト、Oサイトと呼んでもよい。
って表されるペロブスカイト結晶である。ここで、xは、B'の組成比率(mole fraction)であり、置換率と呼んでもよい。このような元素の置換、欠損、または過剰が生じると、単位格子の構造は立方体から歪んだり、変形したりし得る。ペロブスカイト結晶は、「立方晶」に限定されず、より対称性の低い「斜方晶」や「正方晶」に相転移した結晶を広く含む。
ペロブスカイト構造を有する従来のプロトン伝導性酸化物では、4価の元素であるBを、3価の元素であるB'で置換すると、プロトン伝導性酸化物に酸素欠損が生じる。すなわち、4価のカチオンの一部が3価のカチオンで置換されると、カチオンが有するプラス電荷の合計が減るため、電気的中性を維持する電荷補償の作用により、2価のアニオンである酸素イオンの組成比率が低下し、酸素欠損が生じると考えられている。このような組成を有するプロトン伝導性酸化物では、酸素欠損の位置(Oサイト)に水分子(H2O)が導入されることにより、プロトン伝導性酸化物にプロトン伝導のキャリアが導入されると考えられている。
以下、本開示の実施形態による脱水素化装置に用いられるプロトン伝導性酸化物を説明する。
Aの元素の例は、アルカリ土類金属である。ペロブスカイト構造が安定である。Aの元素の具体的な例は、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、及びマグネシウム(Mg)から選ばれる少なくとも1種類以上の元素である。Aの元素がバリウム(Ba)及びストロンチウム(Sr)から選択させる少なくとも1種類であるプロトン伝導性酸化物は、高いプロトン伝導性を有するので望ましい。また、Aの元素は、少なくともバリウム(Ba)を含み、かつ、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、及びマグネシウム(Mg)から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を含んでいてもよい。例えば、Aの元素は、BayA'1-y(0<y≦1)である。
Bの元素の例は、4族の元素である。Bの元素の具体的な例は、ジルコニウム(Zr)、セリウム(Ce)、チタン(Ti)、又はハフニウム(Hf)である。Bの元素がジルコニウム(Zr)の場合、ペロブスカイト構造が安定になるので、プロトン伝導性を有しない組織成分の生成が少なくなる。その結果、高いプロトン伝導性を有するプロトン伝導性酸化物が得られるので望ましい。
B'の元素は、3族の元素、13族の元素、又は3価のランタノイドである。B'の元素は、イオン半径が0.5Åより大きく1.02Åより小さいイオン半径を有する3族の元素、13族の元素、及び3価のランタノイドが望ましい。これにより、xの値が0.2より大きい場合でも、ペロブスカイト構造を安定に保ち、高いプロトン伝導性を有するプロトン伝導性酸化物が得られる。B'の元素がイットリウム(Y)又はインジウム(In)であるプロトン伝導性酸化物は、ペロブスカイト構造が安定であり、高いプロトン伝導性も有するので、より望ましい。
Aの元素の組成比率を示すaの値は、0.4<a<0.9の範囲である。0.4より小さいaの値を有する酸化物は、ペロブスカイト構造が不安定になり、プロトン伝導性酸化物に、プロトン伝導性を有しない相が生成されるため望ましくない。
プロトン伝導性酸化物は、スパッタ法、プラズマレーザーデポジション法(PLD法)、ケミカルベイパーデポジション法(CVD法)等の膜形成方法によって形成出来る。膜の形成方法には、特に限定されない。
プロトン伝導性酸化物を、プロトン伝導体とも表記する。プロトン伝導性酸化物の形状の例は膜である。プロトン伝導性酸化物はプロトン伝導性固体電解質として機能すれば良く、連続体の膜でなくてかまわない。
御したバッファ層が形成されたシリコン(Si)基板上に、結晶成長の方位を制御することにより配向された結晶組織を有するプロトン伝導性酸化物は、より高いプロトン伝導性を有するので望ましい。また、基板に対してエピタキシャル成長した単結晶の結晶組織を有するプロトン伝導性酸化物は、より高いプロトン伝導性を有するので望ましい。なお、基板の面方位、温度、圧力、雰囲気等の成膜条件の制御により、単結晶の結晶組織にすることができるが、薄膜形成条件および薄膜の結晶系は特に限定されない。
基材(10mm×10mm、厚さ0.5mm)を、真空チャンバー内部の加熱機構を有する基板ホルダーにセットし、真空チャンバー内を10-3Pa程度の真空度に排気した。基材の材料は、酸化マグネシウム(MgO)単結晶であった。
Ba:Zr:Y=1:1:1の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
Ba:Zr:Y=9:4:6の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
Ba:Zr:In=5:8:2の元素比率になる焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
Ba:Zr:Y=8:6:4の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
基材の材料がチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)単結晶であることと、Ba:Sr:Zr:Y=3:4:7:3の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
Ba:Sr:Zr:Y=1:1:2:2の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例6と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
Ba:Sr:Zr:Y=2:7:4:6の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例6と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
Ba:Sr:Zr:In=4:1:8:2の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例6と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
Ba:Sr:Zr:Y=5:2:6:4の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例6と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
Ba:Zr:Y=2:2:3の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
Ba:Zr:Y=9:8:2の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
Ba:Zr:Y=3:4:1の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
Ba:Zr:Y=5:4:1の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
Ba:Zr:In=7:9:1の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
Ba:Zr:Y=4:7:3の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
基材の材料がチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)単結晶であり、Sr:Zr:Y=8:3:7の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
イットリウム(Y2O3)も検出された。表1に示すように、この酸化物(AaB1-xB'xO3-δ)は、Aの元素がストロンチウム(Sr)であり、aの値は0.78であった。また、Bの元素がジルコニウム(Zr)であり、B'の元素がイットリウム(Y)であり、xの値が0.68(Zr:0.32、Y:0.68)であった。
Sr:Zr:Y=5:3:2の元素比率を有する焼結体ターゲットを用いて成膜したこと以外は、比較例4と同様に実験を行った。表1に、成膜したプロトン伝導性酸化物の構造、組成比、及びプロトン伝導性を示す。
a≧−0.054x+0.441、及び
a≦−0.027x+0.886
また、実施例1〜13のプロトン伝導性酸化物は、100℃及び500℃での活性化エネルギが、0.1eVよりも低い活性化エネルギを示しているのに対して、比較例1、3〜5の酸化物は、0.1eVよりも高い活性化エネルギを有していた。つまり、組成比率が上述の条件を満たす場合(実施例)に、100℃以上500℃以下の温度域においても、プロトン伝導性酸化物が、10-1S/cm以上の高いプロトン伝導度を維持する。実施例により示したように、a及びxの値が上述した範囲内となるように調整することにより、プロトン伝導度の活性化エネルギを0.1eV以下にすることができるので、温度の低下に伴うプロトン伝導度の低下を抑制できる。さらに、0.4<a<0.9であり、かつ、0.2<x<0.6の条件を満たすプロトン伝導性酸化物は、0.1eV以下のプロトン伝導度の活性化エネルギを有する、比較例2の酸化物よりも高いプロトン伝導度を有する。
また、表1から明らかなように、0.4<a<0.6であり、かつ、0.4<x<0.6のとき、相対的に高いプロトン伝導度が実現し、0.4<a<0.5であり、かつ、0.4<x<0.6のとき、最も高いプロトン伝導度が実現している。
以下、図3を参照しながら、本開示の実施形態による脱水素化装置の構成及び動作を説明する。
方法は、特に限定されない。
有機ハイドライド(ここではメチルシクロヘキサン)の脱水素化物(ここではトルエン)は、第1流体出口106を介して排出される。第1流体出口106を介して排出される脱水素化物は、水素化により、有機ハイドライドとして再利用可能である。第1流体出口106からの排出物には、有機ハイドライドが含有され得る。第1流体出口106を介して排出された有機ハイドライドを回収して第1流体入口105から第1流路109に再度導入してもよい。
上記の反応により、第2流路110内に水素ガスが発生する。上記の反応式からも明らかなように、カソード103においては水が生成されない。また、固体高分子膜をプロトン伝導性固体電解質として用いる場合と異なり、電解質を湿潤した状態に保つ必要がない。そのため、乾燥した水素ガスを得ることが可能である。
101 プロトン伝導体
102 アノード
103 カソード
104 外部電源
105 第1流体入口
106 第1流体出口
108 第2流体出口
109 第1流路
110 第2流路
111 アノード側反応容器
112 カソード側反応容器
Claims (16)
- 脱水素化により水素ガスを発生させる脱水素化装置であって、
脱水素化触媒を含むアノードと、
プロトンを還元する触媒を含むカソードと、
前記アノード及び前記カソードの間に配置されたプロトン伝導体と
を備え、
前記プロトン伝導体は、組成式AaB1-xB'xO3-δで表されるペロブスカイト型結晶構造を有し、
前記Aは、アルカリ土類金属から選択される少なくとも1つであり、
前記Bは、4価の4族の遷移金属又はCeであり、
前記B'は、3価の3族又は13族の元素であり、
0.4<a<0.9、かつ、0.2<x<0.6を満たす、脱水素化装置。 - 前記Aは、Ba及びSrから選択される少なくとも1つであり、
前記Bは、Zrであり、
前記B'は、Y又はInである、
請求項1に記載の脱水素化装置。 - 前記aの値が、0.4<a<0.8であり、
前記xの値が、0.3<x<0.6である、
請求項1又は2に記載の脱水素化装置。 - 前記aの値が、0.4<a<0.8であり、
前記xの値が、0.4<x<0.6である、
請求項1又は2に記載の脱水素化装置。 - 前記aの値が、0.4<a<0.6であり、
前記xの値が、0.4<x<0.6である、
請求項1又は2に記載の脱水素化装置。 - 前記aの値が、0.4<a<0.5であり、
前記xの値が、0.4<x<0.6である、
請求項1又は2に記載の脱水素化装置。 - 100℃以上500℃以下の温度範囲における、前記プロトン伝導体のプロトン伝導の活性化エネルギが0.1eV以下である、
請求項1から6のいずれかに記載の脱水素化装置。 - 0.21≦x≦0.58、
a≧−0.054x+0.441、及び
a≦−0.027x+0.886
の関係が成立する、
請求項1又は2に記載の脱水素化装置。 - 前記プロトン伝導体は、組成および結晶構造が実質的に均一な単相から構成されている、
請求項1から8のいずれかに記載の脱水素化装置。 - 前記脱水素化触媒は、Ni、Pt及びPdからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む金属又は合金である、
請求項1から9のいずれかに記載の脱水素化装置。 - 前記脱水素化触媒は、Ni、Pt及びPdからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む酸化物である、
請求項1から9のいずれかに記載の脱水素化装置。 - 前記アノードは、担体をさらに含み、
前記担体は、Al2O3、SiO2、又はZrO2から構成されており、
前記脱水素化触媒は、Ni、Pt及びPdからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む金属又は合金であり、前記担体の表面上に担持されている、
請求項1から9のいずれかに記載の脱水素化装置。 - 前記プロトンを還元する触媒は、Ni、Pt、Re及びRhからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む金属又は合金である、
請求項1から9のいずれかに記載の脱水素化装置。 - 前記プロトンを還元する触媒は、Ni、Pt、Re及びRhからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む酸化物である、
請求項1から9のいずれかに記載の脱水素化装置。 - 前記プロトンを還元する触媒は、Ni、Pt、Re及びRhからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む酸化物を含有するサーメットである、
請求項1から9のいずれかに記載の脱水素化装置。 - 有機ハイドライドを脱水素化することによって水素ガスを得る方法であって、以下の工程を具備する:
(a) 脱水素化によって水素を発生させる脱水素化装置を用意する工程、ここで、
前記脱水素化装置は、
脱水素化触媒を含有するアノード、
プロトンを還元する触媒を含有するカソード、および
前記アノードおよび前記カソードの間に位置するプロトン伝導体
を具備し、
前記プロトン伝導体は、組成式AaB1-xB'xO3-δで表されるペロブスカイト型結晶構造を有し、
前記Aは、アルカリ土類金属から選択される少なくとも1つであり、
前記Bは、4価の4族の遷移金属又はCeであり、
前記B'は、3価の3族又は13族の元素であり、
0.4<a<0.9、かつ、0.2<x<0.6を満たし、
前記脱水素化装置は、前記アノードを含むアノード側反応容器および前記カソードを含むカソード側反応容器を具備し、
前記アノード側反応容器および前記カソード側反応容器は、前記プロトン伝導体により互いに分離されており、
(b) 前記アノード側反応容器の圧力を前記カソード側反応容器の圧力よりも高くしながら、前記有機ハイドライドを前記アノードに接触させることによって、前記有機ハイドライドを脱水素化して前記カソード側反応容器内で前記水素ガスを発生させる工程。
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