JP6439974B2 - ボンド磁石及びボンド磁石の製造方法 - Google Patents

ボンド磁石及びボンド磁石の製造方法 Download PDF

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本発明は、ボンド磁石及びボンド磁石の製造方法に関する。特に、磁気特性が高く、生産性及び再利用性に優れるボンド磁石に関する。
磁石粉末とバインダ樹脂とを混合して成形固化し、磁石粉末をバインダ樹脂で結合したボンド磁石(樹脂結合型ボンド磁石)が知られている。磁石粉末には、フェライト磁石などの酸化物系磁石、Fe−Al−Ni−Co系磁石などの金属系磁石、Sm−Co系(SmCo、SmCo17など)磁石、Nd−Fe−B系(NdFe14B)磁石、Sm−Fe−N系(SmFe17)磁石などの希土類磁石が使用されている。一般に、バインダ樹脂には、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とが使用されている。熱可塑性樹脂は、加熱すると軟化し、溶融して流動性を示し、冷却すると硬化(固化)する。熱硬化性樹脂は、加熱すると樹脂に含まれる有機化合物が重合し、硬化(固化)する。熱硬化性樹脂は、一度硬化すると、有機化合物の分子鎖を切断して元の状態に戻すことは困難である。ボンド磁石に関する技術が、例えば特許文献1、2に開示されている。
従来のボンド磁石の製造は、基本的に次のようにして行われている。熱可塑性樹脂を使用する場合は、磁石粉末と熱可塑性樹脂との混合物を加熱して樹脂を軟化させ、圧力を加えて成形した後、冷却して樹脂を硬化させることにより行う。一方、熱硬化性樹脂を使用する場合は、磁石粉末と熱硬化性樹脂との混合物を加圧して成形した後、加熱処理(キュア処理)することで樹脂を硬化させることにより行う。更に、ボンド磁石の製造において、異方性の磁石粉末を使用する場合は、磁場を印加しながら成形(磁場中成形)して、磁石粉末を配向させることによって磁石に異方性を付与して、磁気特性(特に、残留磁化)を高めることが行われている。
特許文献3には、超硬合金又はサーメットの凝集体を製造する方法に関し、硬質から軟質への圧力誘起変態を有するバロプラスチックを結合剤として使用する技術が提案されている。バロプラスチックは、加圧下で固相(相分離)状態から溶融(相溶)状態に転移する高分子多相系材料であり、常温・常圧において固体である。バロプラスチックは、一定以上の圧力を印加すると相転移して相溶状態となり、熱を加えない常温でも軟化して流動性を示し、圧力を常圧に戻すと相分離状態となり、流動性を失って固体となる。
特開2004−349337号公報 特開2006−128170号公報 特開2008−31552号公報
従来のボンド磁石では、バインダ樹脂に熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用しているため、次のような問題点がある。
・磁気特性の低下
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のいずれの樹脂を使用する場合も、製造工程において加熱する必要があるため、磁石粉末が高温に曝される。一般に、磁石粉末は高温になると磁気特性が低下することから、磁石が所定の磁気特性を発揮できない可能性がある。特に、希土類磁石は高温に弱く、加熱すると磁気特性が劣化し易いため、磁気特性の低下を招き易い。また、磁石粉末は高温になると酸化が促進され、磁気特性の低下を招く虞がある。
更に、熱可塑性樹脂を使用する場合は、加熱成形時に磁場を印加して磁石粉末を配向させようとすると、加熱により磁石粉末の磁力が低下するため、磁石粉末を十分に配向させることができない。よって、配向度が低下して、十分な磁気特性が得られない可能性がある。
・生産性が劣る
上述したように、いずれの樹脂を使用する場合も加熱する必要があるため、加熱装置が必要であったり、加熱のためのエネルギー消費が大きいなど、製造コストの増大を招く虞がある。また、加熱による磁石粉末の酸化が原因で、磁石の磁気特性が低下する虞がある。そこで、酸化を抑制するため、磁石粉末に表面処理を施したり、非酸化性雰囲気中で加熱処理することが考えられるが、それによる生産性の低下やコストの増大を招く虞がある。特に、熱硬化性樹脂を使用する場合は、キュア処理が必要であり、熱硬化に時間がかかるため、生産性が低い。
・再利用性が劣る
熱硬化性樹脂は一度硬化すると、二度と元の状態に戻らないため、熱硬化性樹脂を使用したボンド磁石は再利用が不可能である。よって、製品屑や不良品の磁石が発生しても、これを粉砕して再度原料として使用することはできない。また、熱硬化性樹脂の場合、製品屑や不良品から磁石粉末だけでも回収し再利用することが考えられる。しかし、磁石粉末には樹脂が強固に固着しているため、磁石粉末から樹脂を除去して磁石粉末のみを回収することは容易ではない。特許文献2には、磁石から磁石粉末を回収する方法が開示されているが、工程が複雑であり、多大な時間とコストを要することが予想される。一方、熱可塑性樹脂は繰り返し使用でき、熱可塑性樹脂を使用したボンド磁石は再利用が可能である。よって、製品屑や不良品の磁石を粉砕して再度原料として使用し、再び加熱成形することで磁石を製造することが可能である。しかし、繰り返しの加熱によって磁気特性が低下するなど、再利用し難い問題がある。
したがって、磁気特性が高く、生産性及び再利用性に優れるボンド磁石の開発が求められている。
そこで、本発明の目的の一つは、磁気特性が高く、生産性及び再利用性に優れるボンド磁石及を提供することにある。本発明の別の目的は、生産性及び再利用性に優れるボンド磁石を生産できるボンド磁石の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様に係るボンド磁石は、磁石粉末がバインダ樹脂で結合されたボンド磁石である。そして、ボンド磁石は、前記バインダ樹脂がバロプラスチックである。
本発明の一態様に係るボンド磁石の製造方法は、以下の準備工程と、成形工程と、固化工程と、を備える。
準備工程では、磁石粉末とバロプラスチックとを含有する混合物を用意する。
成形工程では、前記混合物に10MPa以上100MPa以下の圧力を印加して、前記バロプラスチックを軟化させ、前記混合物を成形する。
固化工程では、成形後、圧力を常圧に戻して、前記バロプラスチックを硬化させ、前記混合物を固化する。
上記ボンド磁石は、磁気特性が高く、生産性及び再利用性に優れる。上記ボンド磁石の製造方法は、磁気特性が高く、生産性及び再利用性に優れるボンド磁石を生産できる。
実施形態に係るボンド磁石の一例を示す模式図である。 実施形態に係るボンド磁石の製造方法の一例を説明する図である。 実施形態に係るボンド磁石の製造方法の別の一例を説明する図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明者は、ボンド磁石において、バロプラスチックをバインダ樹脂として使用することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。最初に、本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係るボンド磁石は、磁石粉末がバインダ樹脂で結合されたボンド磁石である。そして、ボンド磁石は、前記バインダ樹脂がバロプラスチックである。
上記ボンド磁石によれば、バインダ樹脂がバロプラスチックであることから、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂と異なり、製造工程において加熱する必要がない。具体的には、バインダ樹脂にバロプラスチックが使用されていることから、加圧により樹脂を軟化させ、常温での成形が可能であり、成形後、除圧により樹脂を硬化させ、固化することができる。そのため、製造工程で磁石粉末が高温に曝されることがなく、磁石粉末の酸化も抑制できるため、磁気特性が低下することを回避できる。また、常温での成形が可能であり、磁場中成形する際に、加熱による磁石粉末の磁力の低下がないため、磁石粉末を配向させ易く、配向度を高めることができる。磁石粉末の配向度を上げることで、残留磁化が向上する。したがって、従来のボンド磁石に比較して、磁気特性を向上できる。
更に、製造工程において加熱する必要がないため、加熱装置が不要であり、キュア処理を省略できるなど、製造コストの削減や製造工程のリードタイムの短縮を図ることが可能であり、生産性に優れる。また、バロプラスチックは、圧力を加えることによって溶融状態と固化状態が可逆的に変化し、繰り返し使用できるため、バロプラスチックを使用したボンド磁石は再利用が可能である。よって、製品屑や不良品の磁石を粉砕して再度原料として使用し、再び加圧成形することで磁石を製造することが可能であり、再利用性に優れる。
(2)上記ボンド磁石の一態様として、前記バロプラスチックは、硬質成分と軟質成分との重合体を含有する。そして、前記重合体の硬質成分として、ポリスチレン、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)及びポリ(ヘキシルメタクリレート)から選択される少なくとも1種を含有する。また、前記重合体の軟質成分として、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(エチルアクリレート)、ポリ(エチルヘキシルアクリレート)及びポリ(カプロラクトン)から選択される少なくとも1種を含有することが挙げられる。
上記したバロプラスチックは、ボンド磁石のバインダ樹脂として好適に使用できる。バロプラスチックを構成する硬質成分と軟質成分の組み合わせとしては、例えば、ポリスチレンとポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)とポリ(エチルアクリレート)、ポリスチレンとポリ(エチルヘキシルアクリレート)などの組み合わせが挙げられる。硬質成分は軟質成分よりもガラス転移温度が高く、ガラス転移温度の差が20℃以上であることが好ましい。
(3)上記ボンド磁石の一態様として、前記バロプラスチックの含有量が、0.5質量%超2.0質量%以下であることが挙げられる。
バロプラスチックの含有量が0.5質量%超であることで、磁石粉末同士を十分に結合して形状を保持し易く、磁石の成形が容易である。一方、バロプラスチックの含有量が2.0質量%以下であることで、磁石中のバロプラスチックの体積比率(樹脂比率)を低減し、磁石粉末の体積比率(磁粉比率)を高めることができる。磁粉比率を上げることで、磁気特性の向上を図ることができる。
(4)上記ボンド磁石の一態様として、潤滑剤が添加されており、前記潤滑剤の添加量が、0.1質量%以下であることが挙げられる。
潤滑剤は成形性及び磁気特性の向上に寄与する。潤滑剤が添加されていることで、加圧成形時における磁石粉末とバインダ樹脂(バロプラスチック)間、及び磁石粉末間の摩擦を低減でき、磁石の密度(磁粉比率)が向上して磁気特性が向上する。また、潤滑剤によって、金型との焼き付きを低減したり、成形後に磁石を金型から取り出す際に金型との摩擦を低減でき、成形性が向上する。更に、潤滑剤が添加されていることで、製造工程において磁場を印加して磁石粉末を配向させる際に、磁石粉末が回転して配向し易く、配向度を高めることができる。
潤滑剤の添加量が0.1質量%以下であることで、磁粉比率の低減を抑制でき、磁気特性の向上を図ることができる。潤滑剤の添加量の下限は、潤滑剤としての機能を発揮できれば特に限定されないが、例えば0.01質量%以上である。
(5)本発明の一態様に係るボンド磁石の製造方法は、以下の準備工程と、成形工程と、固化工程と、を備える。
準備工程では、磁石粉末とバロプラスチックとを含有する混合物を用意する。
成形工程では、前記混合物に10MPa以上100MPa以下の圧力を印加して、前記バロプラスチックを軟化させ、前記混合物を成形する。
固化工程では、成形後、圧力を常圧に戻して、前記バロプラスチックを硬化させ、前記混合物を固化する。
上記ボンド磁石の製造方法によれば、バインダ樹脂にバロプラスチックを使用していることから、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂と異なり、製造工程において加熱処理が不要である。そして、加熱せずに常温で成形固化することにより、磁石粉末の磁気特性の低下や磁石粉末の酸化を抑止できるため、磁気特性の低下を回避できる。したがって、従来のボンド磁石に比較して、磁気特性を向上できる。更に、製造工程において加熱処理を行わないことから、加熱装置が不要であり、キュア処理を省略できるなど、製造コストの削減や製造工程のリードタイムの短縮を図ることが可能であり、生産性に優れる。また、製造した磁石や製造時に出た不良品は、再度原料として使用することが可能である。具体的には、原料となる磁石粉末とバロプラスチックとの混合物として、一度製造した磁石(製品屑や不良品も含まれる)を粉砕した粉砕粉を用いることができ、これを再び加圧成形することで磁石を製造することが可能である。したがって、上記ボンド磁石の製造方法により製造した磁石は、再利用性に優れる。
成形圧力を10MPa以上とすることで、バロプラスチックが相転移して相溶状態となり、常温での成形が容易である。また、磁石の密度(磁粉比率)を高めることができ、磁気特性の向上を図ることができる。成形圧力を100MPa以下とすることで、成形後の除圧による体積膨張によって磁石にクラックが発生することを抑制したり、成形後に磁石を金型から取り出す際の引抜抵抗を小さくでき、型抜きが容易となる。
(6)上記ボンド磁石の製造方法の一態様として、成形前及び成形中の少なくとも一方において、前記混合物に0.5T以上の磁場を印加する磁場配向処理を施すことが挙げられる。
磁場を印加することで、磁石粉末を配向させることができ、磁石に異方性を付与して、磁気特性(特に、残留磁化)を高めることができる。特に、上記ボンド磁石の製造方法では、加圧成形を加熱せずに常温で行うので、磁場中で成形しても加熱による磁石粉末の磁力の低下がないため、磁石粉末を配向させ易く、配向度を高めることができる。
印加磁場を0.5T以上とすることで、磁石粉末を十分に配向させ易く、配向度(残留磁化)が高い磁石が得られる。印加磁場の上限は特に限定されないが、製造上の観点から、例えば10T以下とすることが挙げられる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るボンド磁石及びボンド磁石の製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<ボンド磁石>
図1に示すボンド磁石10は、磁石粉末11がバインダ樹脂12で結合されている。このボンド磁石10は、バインダ樹脂12がバロプラスチックであり、磁石粉末11とバロプラスチック12とを含有する。磁石粉末11は、複数の磁石粒子11pで構成されている。磁石粒子11p中の矢印は磁化容易軸(c軸)を表している。
(磁石粉末)
磁石粉末11は、フェライト磁石、Fe−Al−Ni−Co系磁石、Sm−Co系(SmCo、SmCo17など)磁石、Nd−Fe−B系(NdFe14B)磁石、Sm−Fe−N系(SmFe17)磁石などの磁石粉末である。中でも、Nd−Fe−B系磁石などの希土類磁石は、フェライト磁石などに比較して、磁気特性に優れることから、磁石粉末11に希土類磁石粉末を用いることで、磁石を高性能化できる。この例では、磁石粉末11が希土類磁石粉末であり、例えばNd−Fe−B系磁石粉末である。
また、磁石粉末(希土類磁石粉末)11は、異方性磁石粉末、等方性磁石粉末のいずれでもよいが、異方性磁石粉末であれば、磁化容易軸が揃うように配向させることによって磁石に異方性を付与して、磁気特性(特に、残留磁化)を高められる。希土類磁石粉末の場合、ストリップキャスト法やメルトスパン法などの急冷凝固法により製造されたものでも、HDDR(Hydrogenation Disproportionation Desorption Recombination;水素化・不均化・脱水素・再結合)法により製造されたもの(所謂、HDDR粉末)でもよい。
ボンド磁石10中に占める磁石粉末11の体積比率(磁粉比率)は、60体積%以上、更に70体積%以上が好ましく、80体積%以上がより好ましい。磁粉比率が高いほど、高い磁気特性が得られる。磁粉比率が高くなるに従い、樹脂比率が低減して、磁石の機械的強度や成形性の低下を招くことから、磁粉比率の上限は、例えば90体積%以下である。
磁石粉末11の平均粒度は、例えば、1μm以上700μm以下であることが挙げられる。磁石粉末11の平均粒度が1μm以上であることで、製造段階での磁石粉末11(磁石粒子11p)の酸化を抑制し易く、取り扱いが容易になる。磁石粉末11の平均粒度が700μm以下であることで、成形時に磁石粉末11の充填率を高め易く、磁石の密度(磁粉比率)を高め易い。磁石粉末11の平均粒度は、2μm以上500μm以下、更に300μm以下がより好ましい。ここでいう「平均粒度」は、レーザ回折法で測定された体積基準の粒度分布において、小径側から累積体積が50%になる粒子径(D50:50体積%粒径)のことである。
(バインダ樹脂)
バインダ樹脂12は、硬質から軟質への圧力誘起変態を有するバロプラスチックであり、加圧下で固相(相分離)状態から溶融(相溶)状態に転移する。バロプラスチック12は、硬質成分と軟質成分との重合体を含有する。重合体の硬質成分としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)及びポリ(ヘキシルメタクリレート)から選択される少なくとも1種が挙げられる。重合体の軟質成分としては、例えば、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(エチルアクリレート)、ポリ(エチルヘキシルアクリレート)及びポリ(カプロラクトン)から選択される少なくとも1種が挙げられる。硬質成分と軟質成分の組み合わせとしては、例えば、ポリスチレンとポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)とポリ(エチルアクリレート)、ポリスチレンとポリ(エチルヘキシルアクリレート)などの組み合わせが挙げられる。バロプラスチック12は、硬質成分と軟質成分とのブロック共重合体であることが好ましい。
バロプラスチック12は、常温・常圧において硬質成分と軟質成分とが相分離しており、硬質成分と軟質成分との相分離構造を有する。相分離構造としては、例えば、コアシェル構造、ラメラ構造、海島構造などが挙げられる。コアシェル構造の場合、硬質成分と軟質成分のうち、どちらがコア又はシェルであってもよいが、シェル側が硬質成分であることが好ましい。海島構造の場合も、どちらが海又は島であってもよいが、海側が硬質成分であることが好ましい。バロプラスチック12としては、10MPa以上50MPa以下の加圧下で相溶し軟化・流動するものが挙げられる。
バロプラスチック12の含有量は、0.5質量%超2.0質量%以下が好ましい。バロプラスチック12の含有量が0.5質量%超であることで、磁石粉末11(磁石粒子11p)同士を十分に結合して形状を保持し易く、磁石の成形が容易である。一方、バロプラスチック12の含有量が2.0質量%以下であることで、ボンド磁石10中に占めるバロプラスチック12の体積比率(樹脂比率)を低減し、磁粉比率を高めることができる。バロプラスチック12の含有量は、1.7質量%以下、更に1.5質量%以下がより好ましい。
(潤滑剤)
ボンド磁石10には、潤滑剤(図示せず)が添加されていてもよい。潤滑剤が添加されていることで、成形工程において磁石粉末11とバロプラスチック12間、及び磁石粉末11(磁石粒子11p)間の摩擦を低減でき、磁石の密度(磁粉比率)が向上する。また、潤滑剤によって、金型との焼き付きを低減したり、成形後に磁石を金型から取り出す際に金型との摩擦を低減でき、成形性が向上する。更に、潤滑剤が添加されていることで、製造過程で磁場を印加して磁石粉末11を配向させる際に、磁石粉末11(磁石粒子11p)が回転して配向し易く、配向度を高めることができる。
潤滑剤の添加量は、0.1質量%以下が好ましい。潤滑剤の添加量が0.1質量%以下であることで、磁粉比率の低減を抑制でき、磁気特性の向上を図ることができる。潤滑剤の添加量の下限は、潤滑剤としての機能を発揮できれば特に限定されないが、例えば0.01質量%以上である。潤滑剤の添加量は、0.02質量%以上0.08質量%以下がより好ましい。
潤滑剤としては、例えば、エステル系潤滑剤、アミド系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤、脂肪酸系潤滑剤、高級アルコール系潤滑剤、金属石鹸、及び複合系潤滑剤などの有機化合物が挙げられる。エステル系潤滑剤としては、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、硬化ヒマシ油、ステアリン酸ステアリルなどが挙げられる。アミド系潤滑剤としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレフィン酸アミドなどが挙げられる。炭化水素系潤滑剤としては、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックスなどが挙げられる。脂肪酸系潤滑剤としては、ステアリン酸、ベヘニン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。高級アルコール系潤滑剤としては、ステアリルアルコールなどが挙げられる。金属石鹸としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉛などが挙げられる。
<ボンド磁石の製造方法>
ボンド磁石の製造方法は、準備工程と、成形工程と、固化工程とを備える。以下、図2を参照して、ボンド磁石の製造方法の一例を説明する。
(準備工程)
準備工程は、磁石粉末11とバロプラスチック12とを含有する混合物を用意する工程である(図2の1段目、2段目参照)。図2に示す例では、磁石粉末11とバロプラスチック12とを所定の割合で配合し(図2の1段目)、これを混合機200で混合して、原料となる磁石粉末11とバロプラスチック12との混合物を作製する(図2の2段目)。図2に示す磁石粉末11は、異方性磁石粉末であり、磁石粒子11p中の矢印は磁化容易軸(c軸)を表している。混合機200には、例えばボールミル、V型混合機などの各種混合機・ミキサーなどを使用できる。
また、磁石粉末11とバロプラスチック12とを配合する際に、潤滑剤(図示せず)を所定量添加してもよい。バロプラスチック12の配合量(含有量)は0.5質量%超2.0質量%以下、潤滑剤の添加量は0.1質量%以下とすることが好ましい。磁石粉末11の平均粒度は、例えば、1μm以上700μm以下とすることが好ましい。
(成形工程)
成形工程は、混合物に圧力を印加して、バロプラスチック12を軟化させ、混合物を成形する工程である(図2の3段目、4段目参照)。図2に示す例では、圧縮成形機300によって混合物を加圧成形する場合を例に説明する。圧縮成形機300は、上パンチ31と下パンチ32及び筒状のダイ33を有する金型30を備える。そして、磁石粉末11とバロプラスチック12との混合物を金型30内に充填する。
圧縮成形機300は、磁場印加装置34を備えており、金型30内の混合物に対して、圧縮成形機300の圧縮方向と直角(垂直)方向に磁場を印加することが可能である。図2に示す例では、成形前に、混合物に磁場を印加して磁場配向処理を行う(図2の3段目)。これにより、磁石粉末11(磁石粒子11p)の磁化容易軸が磁場の印加方向に揃うように磁石粒子11pが回転し、磁石粉末11を配向させる。この例では、磁場の印加方向が圧縮方向と直角(垂直)方向であるが、磁場の印加方向は圧縮方向と平行方向であってもよい。
印加磁場は、0.5T以上とすることが挙げられる。印加磁場を0.5T以上とすることで、磁石粉末を十分に配向させ易く、配向度(残留磁化)を高めることができる。印加磁場の上限は特に限定されないが、例えば10T以下とすることが挙げられる。印加磁場は、1T以上7T以下がより好ましい。
磁場配向処理を施した後、混合物に圧力を印加して、混合物を成形する(図2の4段目)。成形は、混合物を加熱せずに、常温で加圧のみで行う。混合物に圧力を加えることで、バロプラスチック12が相溶し、軟化して溶融状態となり、加熱しなくても常温での成形が可能である。
成形圧力は、10MPa以上100MPa以下とすることが挙げられる。成形圧力を10MPa以上とすることで、バロプラスチック12が相転移して相溶状態となり、常温での成形が容易である。また、磁石の密度(磁粉比率)を高めることができ、磁気特性の向上を図ることができる。成形圧力を100MPa以下とすることで、成形後の除圧による体積膨張によって磁石にクラックが発生することを抑制したり、成形後に磁石を金型30から取り出す際の引抜抵抗を小さくでき、型抜きが容易となる。成形圧力は、15MPa以上、更に20MPa以上がより好ましい。
図2に示す例では、成形前に磁場配向処理を施す場合を説明したが、磁場配向処理は、成形中に行うことも可能である。磁場配向処理は、成形前又は成形中のうち、いずれか一方において行えばよく、成形前及び成形中の両方において行ってもよい。
混合物に潤滑剤を添加しておくことで、加圧成形時における磁石粉末11(磁石粒子11p)とバロプラスチック12間、及び磁石粉末11(磁石粒子11p)間の摩擦を低減でき、磁石の密度(磁粉比率)を高めることができる。また、潤滑剤によって、金型30との焼き付きを低減したり、成形後に磁石を金型30から取り出す際に金型との摩擦を低減でき、成形性が向上する。更に、磁場配向処理した際に、潤滑剤によって磁石粒子11pが回転し易くなるため、磁石粉末11の配向度を高め易い。潤滑剤は、成形工程や後の固化工程によっても除去されず、磁石中に残存する。
(固化工程)
固化工程は、成形後、圧力を常圧に戻して、バロプラスチック12を硬化させ、混合物を固化する工程である。除圧することで、バロプラスチック12が相分離し、加熱しなくても常温で硬化して固化する。固化後、金型30から取り出すことで、磁石粉末11とバロプラスチック12とを含有するボンド磁石10が完成する(図2の5段目参照)。
次に、図3を参照して、ボンド磁石の製造方法の別の一例を説明する。図3に示す例は、図2に示す製造方法で一度製造したボンド磁石10を再度原料として使用する場合である。以下、図2に示す製造方法との相違点を中心に説明し、同様の点については説明を省略する。
(準備工程)
図3に示す例では、原料となる磁石粉末11とバロプラスチック12との混合物として、ボンド磁石10を粉砕した粉砕粉15を用意する(図3の1段目、2段目参照)。粉砕は、例えばジョークラッシャー、ブラウンミル、ピンミル、ディスクミル、ジェットミル、ボールミル、などの公知の粉砕機を使用できる。
粉砕粉15は、図3に示すように、磁石粉末11(磁石粒子11p)にバロプラスチック12が付着した状態でもよく、複数の磁石粒子11pがバロプラスチック12によって結合した状態でもよい。粉砕前のボンド磁石10において、磁石粉末11が配向しているため、複数の磁石粒子11pが結合した粉砕粉15においても、個々の磁石粒子11pの磁化容易軸が揃った状態になっている。粉砕粉15の平均粒度は、例えば、3μm以上700μm以下とすることが挙げられる。
(成形工程)
図2に示す製造方法と同様に、粉砕粉15を金型30内に充填し、成形前に、粉砕粉15に磁場を印加して磁場配向処理を行う(図3の3段目参照)。これにより、粉砕粉15中の磁石粒子11pの磁化容易軸が磁場の印加方向に揃うように粉砕粉15が回転し、磁石粉末11を配向させる。複数の磁石粒子11pが結合した状態の粉砕粉15の場合、個々の磁石粒子11pの磁化容易軸が揃っているため、磁場の影響を受け易く、粉砕粉15中の磁石粒子11pの磁化容易軸が磁場の印加方向に揃うように粉砕粉15が回転し易い。
磁場配向処理を施した後、粉砕粉15に圧力を印加して、粉砕粉15を成形する(図3の4段目参照)。粉砕粉15に圧力を加えることで、バロプラスチック12が相溶し、軟化して溶融状態となり、再成形が可能である。
(固化工程)
成形後、固化工程を行う(図3の5段目参照)。固化工程は、図2に示す製造方法と同様であり、説明を省略する。
図3に示す例では、ボンド磁石10を粉砕した粉砕粉15を原料として用いる場合は説明したが、粉砕粉15は、ボンド磁石10を製造する際に発生した製品屑や不良品を粉砕したものでもよい。また、粉砕粉15を原料に使用する場合、磁石粉末やバロプラスチックを必要に応じて配合したり、更に潤滑剤を必要に応じて加えてもよい。
[実施例1]
製造条件を変更してボンド磁石の試料を製造し、そのボンド磁石について評価した。
磁石粉末として、NdFe14B合金を主相とするNd−Fe−B系希土類磁石粉末を用意した。この磁石粉末は、HDDR処理を施した異方性磁石粉末である。磁石粉末の平均粒度(D50)は、100μmである。また、バインダ樹脂として、バロプラスチック、フェノール樹脂、及びナイロン12(ポリアミド12)を用意した。用意したバロプラスチックは、ポリスチレンとポリ(エチルヘキシルアクリレート)とのブロック共重合体である。このバロプラスチックは、常温・常圧において固体であり、ポリスチレンとポリ(エチルヘキシルアクリレート)とが相分離したラメラ構造を有する。潤滑剤には、ステアリン酸アミドを使用した。
(試料No.1−1)
上記した磁石粉末と、バロプラスチック粉末と、潤滑剤とを混合して、原料となる混合物を作製した。バロプラスチック粉末の配合量は混合物全体の1.5質量%、潤滑剤の添加量は混合物全体の0.05質量%とした。バロプラスチック粉末の平均粒度(D50)は、15μmである。
作製した混合物を圧縮成形機の金型に充填し、磁場発生装置から1.6Tの磁場を印加しながら、80MPaの成形圧力で混合物を圧縮して、11mm×11mm×10mmに成形した。成形は常温(25℃)で行った。成形後、常温下で常圧に戻して金型から取り出し、試料No.1−1のボンド磁石を製造した。
(試料No.1−2〜1−5)
バロプラスチック粉末の配合量(含有量)を表1に示すように変更した以外は、試料No.1−1のボンド磁石と同様にして、試料No.1−2〜1−5のボンド磁石を製造した。
(試料No.2−1〜2−4)
加圧成形時の成形圧力を表1に示すように変更した以外は、試料No.1−1のボンド磁石と同様にして、試料No.2−1〜2−4のボンド磁石を製造した。
(試料No.3−1〜3−4)
潤滑剤の添加量を表1に示すように変更した以外は、試料No.1−1のボンド磁石と同様にして、試料No.3−1〜3−4のボンド磁石を製造した。
(試料No.4)
試料No.4では、試料No.1−1と同じ条件で製造したボンド磁石を粉砕して粉砕粉を用意した。そして、この粉砕粉を原料として用いた以外は、試料No.1−1と同様に磁場中成形して、試料No.4のボンド磁石を製造した。
(試料No.5)
試料No.5では、上記した磁石粉末と、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂とを混合して、原料となる混合物を作製した。試料No.5では、フェノール樹脂の配合量を1.5質量%とし、潤滑剤を添加していない。そして、この混合物を試料No.1−1と同じ条件で磁場中成形した後、Arガス雰囲気中で160℃×3時間のキュア処理を行って、試料No.5のボンド磁石を製造した。
(試料No.6−1,6−2)
試料No.6−1,6−2では、上記した磁石粉末と、熱可塑性樹脂であるナイロン12とを混合して、原料となる混合物を作製した。試料No.6−1,6−2では、ナイロン12の配合量を1.5質量%とし、潤滑剤を添加していない。そして、試料No.6−1では、この混合物をArガス雰囲気中で試料No.1−1と同じ条件で磁場中成形して、ボンド磁石を製造した。他方、試料No.6−2では、加圧成形時の成形温度を200℃に変更した以外は、試料No.6−1と同様にして、ボンド磁石を製造した。
製造した各試料のボンド磁石について、磁石密度と残留磁化とを評価した。
(磁石密度)
磁石密度(体積%)は、下記式により算出して求めた。
式:[(A−B)/(C−B)]×100
A:ボンド磁石の密度。ボンド磁石の実際の寸法及び重量を測定し、重量/体積で算出した値。
B:バインダ樹脂の真密度。樹脂のみ固化し、重量/体積で算出した値。
C:磁石粉末の真密度。磁石粉末の組成より算出した値。
(残留磁化)
残留磁化(T)は、BHトレーサ(理研電子株式会社製DCBHトレーサ)を用いてB−H曲線を測定し、このB−H曲線から求めた。
Figure 0006439974
表1に示す試料No.1−1〜1−5の比較結果から、バロプラスチックの配合量(含有量)が0.5質量%超2.0質量%以下の範囲の試料No.1−1,1−3,1−4は、この範囲外の試料No.1−5に比較して、磁石密度及び残留磁化の点で優れ、磁気特性が高い。また、試料No.1−5との比較から、工業的生産性を考慮すると、バロプラスチックの配合量は0.5質量%超が好ましいと考えられる。
表1に示す試料No.1−1並びに試料No.2−1〜2−4の比較結果から、加圧成形時の成形圧力が10MPa以上100MPa以下の範囲の試料No.1−1,2−2,2−3は、この範囲外の試料No.2−1,2−4に比較して、工業的な生産が十分可能であり、磁気特性も高い。また、この結果から、工業的生産性を考慮すると、成形圧力は10MPa以上100MPa以下が好ましいと考えられる。
表1に示す試料No.1−1並びに試料No.3−1〜3−4の比較結果から、潤滑剤を添加することで、磁石密度及び残留磁化のうち、特に残留磁化を高められることが分かる。また、潤滑剤の添加量が0.1質量%以下の範囲の試料No.1−1,3−2,3−3は、この範囲外の試料No.3−4に比較して、磁石密度及び残留磁化の点で優れ、磁気特性が高い。
表1に示す試料No.1−1と試料No.4との比較結果から、ボンド磁石を粉砕した粉砕粉を再度原料として用いた試料No.4は、磁石密度及び残留磁化が試料No.1−1と同等である。したがって、バロプラスチックを使用したボンド磁石は、一度製造したボンド磁石を粉砕して再度原料として再利用することが可能であり、磁気特性の低下はあまり見られないことから、再利用性に優れるといえる。
フェノール樹脂を使用した試料No.5は、製造工程においてキュア処理が必要であるため、リードタイムが長く、生産性が低い。
ナイロンを使用した試料No.6−1,6−2のうち、成形温度を常温(25℃)とした試料No.6−1は、樹脂が軟化せず、成形できなかった。他方、成形温度を200℃とした試料No.6−2は、成形が可能であったが、磁石密度及び残留磁化が低く、十分な磁気特性が得られていない。
本発明のボンド磁石は、モータや発電機などに使用される永久磁石に利用可能である。本発明のボンド磁石の製造方法は、ボンド磁石の製造に利用可能である。
10 ボンド磁石
11 磁石粉末(希土類磁石粉末)
11p 磁石粒子
12 バインダ樹脂(バロプラスチック)
15 粉砕粉
200 混合機
300 圧縮成形機
30 金型
31 上パンチ 32 下パンチ 33 ダイ
34 磁場印加装置

Claims (6)

  1. 磁石粉末がバインダ樹脂で結合されたボンド磁石であって、
    前記バインダ樹脂がバロプラスチックであるボンド磁石。
  2. 前記バロプラスチックは、硬質成分と軟質成分との重合体を含有し、
    前記重合体の硬質成分として、ポリスチレン、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)及びポリ(ヘキシルメタクリレート)から選択される少なくとも1種を含有し、
    前記重合体の軟質成分として、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(エチルアクリレート)、ポリ(エチルヘキシルアクリレート)及びポリ(カプロラクトン)から選択される少なくとも1種を含有する請求項1に記載のボンド磁石。
  3. 前記バロプラスチックの含有量が、0.5質量%超2.0質量%以下である請求項1又は請求項2に記載のボンド磁石。
  4. 潤滑剤が添加されており、
    前記潤滑剤の添加量が、0.1質量%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のボンド磁石。
  5. 磁石粉末とバロプラスチックとを含有する混合物を用意する準備工程と、
    前記混合物に10MPa以上100MPa以下の圧力を印加して、前記バロプラスチックを軟化させ、前記混合物を成形する成形工程と、
    成形後、圧力を常圧に戻して、前記バロプラスチックを硬化させ、前記混合物を固化する固化工程と、を備えるボンド磁石の製造方法。
  6. 成形前及び成形中の少なくとも一方において、前記混合物に0.5T以上の磁場を印加する磁場配向処理を施す請求項5に記載のボンド磁石の製造方法。
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