JP7135377B2 - 希土類磁石の製造方法 - Google Patents

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本発明は、希土類磁石の製造方法に関する。
希土類磁石は、モータ又はアクチュエーター等の部品であり、例えば、ハードディスクドライブ、ハイブリッド自動車、電気自動車、磁気共鳴画像装置(MRI)、スマートフォン、デジタルカメラ、薄型TV、スキャナー、エアコン、ヒートポンプ、冷蔵庫、掃除機、洗濯乾燥機、エレベーター及び風力発電機等の様々な分野で利用されている。これらの多様な用途に応じて、希土類磁石に要求される寸法及び形状は異なる。したがって、多品種の希土類磁石を効率的に製造するためには、希土類磁石の寸法及び形状を容易に変更することが可能な成形方法が望まれる。
従来の希土類磁石の製造では、希土類元素を含む金属粉末(例えば合金粉末)を高圧(例えば、50MPa以上200MPa以下)で加圧しながら、磁場を金属粉末へ印加する。その結果、磁場に沿って配向した金属粉末から成形体が形成される。このような成形方法を、以下では「高圧磁場プレス法」と記す。高圧磁場プレス法によれば、金属粉末が配向し易く、高い残留磁束密度Brと優れた保形性とを有する成形体を得ることが可能である。この成形体の焼結によって焼結体を得て、焼結体を所望の形状に加工することにより、磁石製品が完成する。
しかし、高圧磁場プレス法では、磁場中で高い圧力を金属粉末へ及ぼす必要があるため、大規模で複雑な成形装置が必要であり、成形用の金型の寸法及び形状が制限される。この制限のために、高圧磁場プレス法によって得られる一般的な成形体の形状は、粗大なブロックに限られる。したがって、従来の方法によって多品種の磁石製品を製造する場合、ブロック状の成形体を焼結させて焼結体を得た後、磁石製品に要求される寸法及び形状に応じて焼結体を加工する必要がある。焼結体の加工では、焼結体を切削したり、研磨したりするため、高価な希土類元素を含む屑が生じてしまう。その結果、磁石製品の歩留まり率(yield rate)が低下する。また、高圧磁場プレス法では、金型同士のカジリ(galling)、又は金型と成形体との間におけるカジリによって、金型又は成形体が破損し易い。例えば、高圧磁場プレス法で得られた成形体には亀裂(crack)が発生することがある。
上記のような理由のため、従来の高圧磁場プレス法を用いた製造方法は、多品種又は少量の磁石製品の製造に適していない。高圧磁場プレス法に代わる成形方法として、下記特許文献1には、低圧(0.98MPa以上2.0MPa以下)で金属粉末を成形する方法が開示されている。この希土類磁石の製造方法は、金属粉末をモールド内に充填して、金属粉末を低圧で加圧することにより、成形体を作製する工程(充填工程)と、モールド中の成形体に磁場を印加して、成形体中の金属粉末を配向させる工程(配向工程)と、モールドから取り出した成形体を焼結する工程(焼結工程)と、を備える。そして、下記特許文献1に記載の製造方法では、充填工程と、配向工程とが、別の場所で行われる。
国際公開第2016/047593号パンフレット
上記特許文献1に記載の成形方法のように、低圧で金属粉末を成形する場合、高圧に対する耐久性が金型に要求されず、大規模で複雑な成形装置も不要である。したがって、低圧で金属粉末を成形する場合、金型の材質、寸法及び形状が制限されず、多様な寸法及び形状を有する型を用いて、多品種の希土類磁石を比較的容易に製造することができる。また、高圧磁場プレス法では、金属粉末の成形及び配向に長時間を要するが、低圧で金属粉末を成形することにより、成形及び配向に要する時間が大幅に短縮され、希土類磁石の生産性が向上する。
しかしながら、上記特許文献1に記載の成形方法では、金属粉末を低圧で成形するため、金属粉末が押し固まり難く、得られる成形体が崩れ易い。したがって、成形体を型から取り出して後工程(例えば焼結工程)の設備へ搬送する際に、成形体が破損し易い。成形体の密度を高めることにより、成形体の機械的強度が向上し、成形体の破損は抑制される。しかし、成形体の密度が高いほど、成形体を構成する金属粉末は磁場に沿って配向し難いため、希土類磁石の残留磁束密度Brが低下し易い。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、希土類元素を含む金属粉末から形成される成形体の密度を高めることが可能であり、且つ成形体の密度の増加に伴う希土類磁石の残留磁束密度の低下を抑制することが可能である希土類磁石の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る希土類磁石の製造方法は、希土類元素を含む原料合金から金属粉末を調製する粉末調製工程と、金属粉末を型内へ供給して、成形体を形成する成形工程と、型内に保持された成形体に磁場を印加して、成形体に含まれる金属粉末を配向させる配向工程と、成形体を焼結させる焼結工程と、を備え、金属粉末の応力緩和率が、7%以上35%以下である。
金属粉末の動摩擦係数が、0.200以上0.450以下であってよい。
金属粉末が潤滑剤を含んでよい。
粉末調製工程では、原料合金の粉砕、粉砕された原料合金の攪拌(stirring又はagitation)、及び、粉砕された原料合金の混合(mixing)のうち少なくともいずれかが行われてよい。
型が金属粉末に及ぼす圧力が、0.049MPa以上20MPa以下であってよい。
本発明によれば、希土類元素を含む金属粉末から形成される成形体の密度を高めることが可能であり、且つ成形体の密度の増加に伴う希土類磁石の残留磁束密度の低下を抑制することが可能である希土類磁石の製造方法が提供される。
図1は、金属粉末の応力緩和率及び動摩擦係数の測定装置の模式的な斜視図である。 図2中の(a)及び図2中の(b)は、図1に示される測定装置を用いた応力緩和率の測定の手順を示す模式図であって、測定装置及び金属粉末の断面図である。 図3は、図1に示される測定装置のパンチによって圧縮された金属粉末がパンチへ及ぼす力の経時的なプロファイルと、各時点におけるパンチの位置と、を示す。 図4は、図1に示される測定装置を用いた動摩擦係数の測定の手順を示す模式図であって、測定装置及び金属粉末の断面図である。 図5は、図1に示される測定装置によって測定される金属粉末のせん断力及び下部垂直応力の経時的なプロファイルを示す。
以下、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
(実施形態の概要)
本実施形態に係る希土類磁石の製造方法は、希土類元素を含む原料合金から金属粉末を調製する粉末調製工程と、金属粉末を型内へ供給して、成形体を形成する成形工程と、型内に保持された成形体に磁場を印加して、成形体に含まれる金属粉末を配向させる配向工程と、成形体を焼結させる焼結工程と、を備える。型によって成形される前の金属粉末の応力緩和率は、7%以上35%以下である。型によって成形される前の金属粉末の動摩擦係数は、0.200以上0.450以下であってよい。
以下では、製造方法の各工程の詳細を説明する前に、金属粉末の応力緩和率及び動摩擦係数の測定方法について説明する。
図1は、応力緩和率及び動摩擦係数の測定装置10を示す。測定装置10は、セル8、基板12、下部圧力計5、パンチ6、垂直サーボシリンダ4(サーボモータ)、及び水平サーボシリンダ14を備える。セル8は円筒であり、セル8の端面が基板12の表面に接するように、セル8が基板12の表面に設置される。セル8は基板12の表面に固定されておらず、基板12から分離可能である。セル8の内側の空間と連通する凹部が基板12の表面に形成されている。パンチ6の少なくとも一部は円柱であり、セル8の内側に嵌合される。パンチ6は、セル8と垂直サーボシリンダ4の間に配置され、パンチ6の端面が垂直サーボシリンダ4の先端で押されることにより、パンチ6がセル8の内側へ挿入される。垂直サーボシリンダ4は、垂直方向(鉛直方向)におけるパンチ6の位置及び移動速度を自在に制御する。垂直方向とは、セル8が設置される基板12の表面に対して垂直な方向と言い換えられる。水平サーボシリンダ14は、基板12の側面を押して、水平方向において、基板12を移動させる。水平サーボシリンダ14は、水平における基板12の位置及び移動速度を自在に制御する。水平方向とは、セル8が設置される基板12の表面に対して平行な方向と言い換えられる。下部圧力計5は、基板12の下に設置される。
以下に説明されるように、金属粉末の応力緩和率は、金属粉末の体積が所定の体積に達するまで金属粉末をパンチ6で圧縮した直後にパンチ6に作用する力と、金属粉末の体積が所定の体積に達してから一定時間経過した後にパンチ6に作用する力から算出される値である。換言すれば、金属粉末の応力緩和率は、金属粉末の上部垂直応力Fの最大値Faと、金属粉末の緩和後の上部垂直応力Fbとから算出される。
図2中の(a)に示されるように、金属粉末3は、セル8の内側及び基板12の凹部へ設置される。セル8と基板12との間には、金属粉末3がセル8内から漏れ出ない程度に小さい隙間が設けられている。続いて、図2中の(b)に示されるように、パンチ6がセル8の内側へ挿入され、パンチ6の端面が金属粉末3を圧縮する。パンチ6の端面が金属粉末3へ及ぼす力F(単位:N)は、金属粉末3がパンチ6の端面へ及ぼす力(上部垂直応力F)に等しい。パンチ6が一定の速度(押し込み速度)で基板12に向かって移動するにつれて、上部垂直応力Fは変化する。上部垂直応力Fの変化は、図3に示される。図3の左側の縦軸は、上部垂直応力F、つまり圧縮された金属粉末3がパンチ6の端面に及ぼす力である。上部垂直応力Fは、垂直サーボシリンダ4の先端に設置されたロードセルによって測定される。図3の右側の縦軸は、垂直方向におけるパンチ6の端面(金属粉末3を加圧する端面)の移動距離D(単位:cm)である。移動距離Dの原点(ゼロ)は、パンチ6の端面が金属粉末3に接触した瞬間におけるパンチ6の端面の位置である。図3の横軸は、パンチ6の端面が金属粉末3に接触した瞬間から経過した時間T(単位:秒)である。
金属粉末3の圧縮に伴い、金属粉末3を構成する個々の金属粒子が移動及び回転するため、金属粒子間に摩擦力が作用して、金属粉末3内で生じる応力が増加する。つまり、図3に示されるように、パンチ6の移動距離Dの増加に伴って、金属粉末3がより圧縮され、上部垂直応力Fが増加する。移動距離Dがさらに増加し、金属粉末3がより密(dense)になると、金属粒子同士の接触点数が増加する。そして、金属粒子間に働く摩擦力が増大し、上部垂直応力Fがさらに増大する。その結果、上部垂直応力Fは最大値Faに至る。この時、金属粉末3全体にかかる応力が最も低くなるように、金属粉末3を構成する個々の金属粒子が移動及び回転して、再配列する。そのため、上部垂直応力Fが最大値Faに達した時点でパンチ6の位置を固定し、金属粉末3の体積を一定にすることにより、上部垂直応力Fは時間の経過に伴って減少し徐々に略一定の値(緩和後の上部垂直応力Fb)に至る。上部垂直応力FがFaからFbへ減少するまでの時間は、緩和時間と呼ばれる。
以上の上部垂直応力Fの測定方法に基づき、金属粉末3の応力緩和率(Stress Relaxation Ratio)SRR(単位:%)は、下記数式1によって定義される。
SRR=100×(Fa-Fb)/Fa (1)
上述の通り、上部垂直応力Fは、金属粉末を構成する個々の金属粒子が圧力下で移動及び回転することによって、急激に減少する。換言すれば、金属粉末の応力緩和率が高いほど、圧縮された金属粉末中の金属粒子は動き易い。したがって、応力緩和率が高い金属粉末から成形体を形成することによって、成形体の密度が高い場合であっても、成形体中の各金属粒子が容易に移動及び回転して、磁場に沿って配向し易い。その結果、配向工程において金属粉末の配向度が高まり易く、高い残留磁束密度を有する希土類磁石を製造することができる。つまり、金属粉末の応力緩和率が高いことにより、成形体の密度の増加に伴う希土類磁石の残留磁束密度の低下が抑制される。本発明者らによる研究の結果、金属粉末に及ぶ圧力が一定である条件下では、金属粉末の応力緩和率が7%以上になることにより、成形体の密度が高まり易く、且つ希土類磁石の残留磁束密度が増加し易いことが明らかになった。金属粉末の応力緩和率を高めるためには、原料合金の粉砕、攪拌及び混合等の複雑な諸工程を要し、また金属粉末への潤滑剤の添加量が増加する。つまり、応力緩和率の増加のために製造コストが増加してしまう。しかし、応力緩和率が35%を超える場合、応力緩和率の増加量に対する残留磁束密度の増加量の比率が減少する傾向がある。つまり、残留磁束密度が頭打ちになる。したがって、応力緩和率が35%を超える場合、応力緩和率の増加に要するコストに見合った効果が得られ難い。また潤滑剤の添加量の増加に伴って、潤滑剤に由来する炭素が希土類磁石中に残存し易いため、希土類磁石の保磁力が低下し易い。成形体の密度及び希土類磁石の残留磁束密度を高め易いことから、金属粉末の応力緩和率は、7.2%以上30.3%以下、好ましくは10%以上28%以下であってもよい。
金属粉末の動摩擦係数の測定過程は、図2中の(b)及び図4に示される。図2中の(b)に示されるように、動摩擦係数の測定の開始時点では、セル8内の金属粉末3をパンチ6で加圧した状態で、パンチ6及びセル8の位置が固定され、金属粉末3の体積(パンチ6、セル8及び基板12の凹部で囲まれた領域の容積)が一定に維持される。基板12の側面を水平サーボシリンダ14の先端で押すことにより、基板12を一定のせん断速度で水平方向に移動させる。その結果、せん断力fがセル8内の金属粉末3へ作用する。せん断力fは、水平サーボシリンダ14が基板12の側面に及ぼす力fと等しい。したがって、せん断力fは水平サーボシリンダ14の先端に設置されたロードセルによって測定される。一方、セル8内の金属粉末3がせん断面に及ぼす力F及び下部垂直応力FLNは、下部圧力計5によって測定される。Fの大きさはFLNの大きさと等しい。せん断力f及び下部垂直応力FLN其々の経時間的な変化は、図5に示される。図5の右側の縦軸は、せん断力f(単位:N)である。図5の左側の縦軸は、下部垂直応力FLN(単位:N)である。図5の横軸は、時間T(単位:秒)である。
金属粉末3のせん断に伴って、せん断面近傍に位置する金属粒子は移動及び回転して再配列する。そして、金属粒子の再配列が十分に進み、せん断面が定常状態になると、せん断力fは最大値fcに至る。一方、セル8内の金属粉末3がせん断面に及ぼす力F及び下部垂直応力FLNは、せん断面における金属粒子の再配列が進むにつれて減少する。せん断力fが最大値fcとなる時、下部垂直応力FLNはFdに至る。つまりFdとは、せん断力fが最大値fcであるときの下部垂直応力FLNと定義される。
以上のせん断力f(fc)及び下部垂直応力FLN(Fd)の測定方法に基づき、金属粉末3の動摩擦係数μは、下記数式2によって定義される。
μ=fc/Fd (2)
本発明者らによる研究の結果、金属粉末の動摩擦係数が小さいほど、金属粉末から形成される成形体の密度分布が均一になることが判明した。成形体の密度分布が均一であることにより、焼結過程における成形体の変形及び歪みが抑制され、成形体における金属粉末の配向が乱れ難い。その結果、高い残留磁束密度を有する希土類磁石が得られ易い。また本発明者らによる研究の結果、金属粉末に及ぶ圧力が一定である条件下では、金属粉末の動摩擦係数が0.450以下になることにより、金属粉末から形成される成形体の密度が急激に高まり、且つ希土類磁石の残留磁束密度が急激に増加する傾向があることが明らかになった。成形体の密度及び希土類磁石の残留磁束密度を高め易いことから、金属粉末の動摩擦係数は、0.326以上0.394以下、好ましくは0.326以上0.350以下であってもよい。
(実施形態の詳細)
<原料合金>
本実施形態において、希土類磁石とは焼結磁石を意味する。希土類磁石の製造方法では、まず原料合金を鋳造する。鋳造方法は、例えば、ストリップキャスト法であってよい。原料合金はフレーク状であってよく、インゴット状であってもよい。原料合金は、希土類元素Rを含む。希土類元素Rは、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種であればよい。原料合金は、希土類元素Rに加えて、B,Fe,Co,Cu,Ni,Mn,Al,Nb,Zr,Ti,W,Mo,V,Ga,Zn,Si及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素を含んでよい。原料合金の化学組成は、最終的に得たい希土類磁石の主相及び粒界相の化学組成に応じて調整すればよい。つまり、目的とする希土類磁石の組成に応じて上記元素を含む各出発原料を秤量・配合して、原料合金を調製すればよい。希土類磁石は、例えば、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石、サマリウム‐鉄‐窒素磁石、又はプラセオジム磁石であってよい。希土類磁石の主相は、例えば、NdFe14B,SmCo,SmCo17,SmFe17,SmFe,又はPrCoであってよい。粒界相は、例えば、主相に比べて希土類元素Rの含有量が大きい相(Rリッチ相)であってよい。粒界相は、遷移金属リッチ相、Bリッチ相、酸化物相又は炭化物相を含んでもよい。
<粉末調製工程>
粉末調製工程では、上記の原料合金から金属粉末(合金粉末)が調製される。金属粉末の応力緩和率及び動摩擦係数は、粉末調製工程において上記の範囲内に調整されてよい。後述されるように、粉末調製工程では、原料合金の粉砕、粉砕された原料合金の攪拌、及び、粉砕された原料合金の混合のうち少なくともいずれかが行われてよい。これらの工程により、所望の平均粒子径を有する金属粉末が調製される。金属粉末の応力緩和率及び動摩擦係数が上記の数値範囲内に制御され易いことから、金属粉末の平均粒子径は、0.5μm以上5μm以下であってよい。
原料合金の粉砕、攪拌及び合金のいずれかのステップにおいて、潤滑剤を原料合金へ添加してよい。つまり、粉末調製工程によって調製される金属粉末は、潤滑剤を含んでよい。金属粉末は、複数種の潤滑剤を含んでもよい。金属粉末が潤滑剤を含むことにより、金属粉末の応力緩和率及び動摩擦係数が上記の数値範囲内に制御され易い。また潤滑剤は、金属粉末の凝集を抑制する。更に潤滑剤は、成形工程における型と金属粉末との摩擦を抑制し、成形体の表面又は型の表面における傷を抑制する。
潤滑剤は、脂肪酸又は脂肪酸の誘導体であってよい。潤滑剤は粉末であってよい。潤滑剤は液体であってもよい。潤滑剤が溶解した有機溶媒が、粉砕された原料合金へ添加されてもよい。
応力緩和率及び動摩擦係数が上記の数値範囲内に制御され易いことから、潤滑剤は、例えば、脂肪酸エステル、アミンカルボン酸塩、脂肪族アミン、脂肪酸及び脂肪酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。応力緩和率及び動摩擦係数が上記の数値範囲内に制御され易いことから、具体的な潤滑剤は、例えば、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸メチル、オクタデシルアミン酢酸塩、オクチルアミン、カプリル酸、ラウリン酸アミド及びオレイン酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。エチレングリコールジステアレート及びステアリン酸メチルのいずれも、脂肪酸エステルである。オクタデシルアミン酢酸塩は、アミンカルボン酸塩の一種である。オクチルアミンは、脂肪族アミンの一種である。カプリル酸は、脂肪酸の一種である。ラウリン酸アミド及びオレイン酸アミドのいずれも、脂肪酸アミドである。潤滑剤は、上記の組成に限定されない。例えば、潤滑剤は、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ペンタデシル酸アミド、ミリスチン酸アミド、カプリン酸アミド、ペラルゴン酸アミド、カプリル酸アミド、エナント酸アミド、カプロン酸アミド、バレリアン酸アミド、ブチル酸アミド、ベヘン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスエルカ酸アミド、エチレングリコールジラウレート、エチレングリコールジアセテート、エタノールアミンジステアレート、エタノールアミンジラウレート、エタノールアミンジアセテート、ステアリン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、エナント酸、カプロン酸、バレリアン酸、ブチル酸、ステアリルアミン、パルミチルアミン、ペンタデシルアミン、ミリスチルアミン、ラウリルアミン、カプリルアミン、ペラルゴニルアミン、ヘプチルアミン、ヘキシルアミン、ペンチルアミン、ブチルアミン、パルミチルアミン酢酸塩、ミリスチルアミン酢酸塩、ラウリルアミン酢酸塩、カプリルアミン酢酸塩、ステアリン酸エチル、パルミチン酸メチル、ラウリン酸メチル、及びラウリン酸エチルからなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。
応力緩和率及び動摩擦係数が上記の数値範囲内に制御され易いことから、潤滑剤は、金属石鹸以外の潤滑剤であることが好ましい。金属石鹸とは、例えば、ステアリン酸亜鉛である。金属粉末が潤滑剤として金属石鹸を含む場合、金属粉末の応力緩和率が7%未満になり易く、成形体の密度の増加に伴う希土類磁石の残留磁束密度の低下が抑制され難い。ただし、7%以上の応力緩和率が達成される場合には、金属粉末が金属石鹸を含んでもよい。
応力緩和率及び動摩擦係数が上記の数値範囲内に制御され易いことから、金属粉末における潤滑剤の含有量は、0.05質量%以上0.25質量%以下、好ましくは0.07質量%以上0.20質量%以下であってよい。
粉末調製工程の詳細は、以下の通りである。
粗粉砕ステップでは、上記の原料合金を粉砕して、粗粉末を得る。粗粉砕ステップでは、例えば、水素を原料合金の粒界(例えばRリッチ相)に吸蔵させることより、原料合金を粉砕してよい。つまり、粗粉砕ステップとして水素吸蔵粉砕を行ってもよい。粗粉砕ステップでは、ディスクミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル又はスタンプミル等の機械的方法を用いてもよい。粗粉砕ステップによって得られた粗粉末の粒径は、例えば、10μm以上100μm以下であってよい。
微粉砕ステップでは、上記の粗粉末を更に粉砕して、微粉末(金属粉末)を得る。微粉砕ステップでは、粗粉末の粉砕、攪拌及び混合の手段として、V型混合機、攪拌羽式攪拌機、ジェットミル(気流粉砕機)、ボールミル、振動ミル、及び湿式アトライターからなる群より選ばれる少なくとも一種の方法を用いてよい。これらの方法の組合せ及び順序によって、金属粉末の応力緩和率及び動摩擦係数が調整されてよい。微粉砕ステップによって得られた微粉末(金属粉末)の粒径は、例えば、0.5μm以上5μm以下であってよい。複数の微粉砕ステップの手段の組合せ及びこれらの順序によって、金属粉末の応力緩和率及び動摩擦係数が調整されてよい。
潤滑剤は、上記の粗粉砕ステップで得られた粗粉末へ添加されてよく、粗粉砕ステップに続く微粉砕ステップにおいて粗粉末及び潤滑剤が攪拌及び混合されてよい。粗粉砕ステップの開始時点から微粉砕ステップの終了時点までの間に、複数回に分けて、潤滑剤が粗粉末及び微粉末のうち少なくともいずれかへ添加されてもよい。粉末調製工程における潤滑剤の添加のタイミング及び回数によって、金属粉末の応力緩和率及び動摩擦係数が調整されてよい。
<成形工程>
成形工程では、上記の手順で得られた金属粉末を、型内へ供給して、成形体を形成する。型は、例えば、下型と、下型の上に配置される筒状の側型と、側型の上に配置される上型(パンチ)と、を備える。希土類磁石の形状及び寸法に対応する空間が、側型を鉛直方向に貫通している。側型は、型の側壁と言い換えてよい。下型は板状であってよい。側型の下部が、下型の表面に形成された爪部(stops)に嵌合することにより、水平方向における側型の位置が固定されてよい。成形工程では、側型を下型の上に載置して、側型の下面側の開口部(穴)を下型で塞ぐ。このような配置により、側型及び下型がキャビティ(雌型)を構成する。続いて、金属粉末を、側型の上面側の開口部(穴)からキャビティ内へ導入する。その結果、金属粉末がキャビティ内において希土類磁石の形状及び寸法に対応するように成形される。金属粉末を、キャビティへ充填してよい。つまり、キャビティを金属粉末で満たしてよい。上型は、コア(雄型)と言い換えてよい。上型は、キャビティに嵌合する形状を有してよい。上型をキャビティへ挿入してよい。キャビティ内の成形体(金属粉末)を、上型の先端面で圧縮してよい。ただし、焼結工程における金属粉末同士の焼結だけにより、成形体の密度が十分に高まり、所望の密度を有する希土類磁石が得られるので、キャビティ内の金属粉末を圧縮しなくてもよい。
型の構造は上記の構造に限定されるものではない。型の組成は限定されない。型は、例えば、鉄、ケイ素鋼、ステンレス、パーマロイ、アルミニウム、モリブデン、タングステン、炭素質材料、セラミックス、及びシリコン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種から構成されていてよい。型は、合金(例えば、アルミニウム合金)から構成されていてもよい。
成形工程において、型が金属粉末に及ぼす圧力は、0.049MPa以上20MPa以下(0.5kgf/cm以上200kgf/cm以下)に調整されてよい。圧力とは、例えば、上型の先端面が金属粉末に及ぼす圧力であってよい。このように、従来の高圧磁場プレス法よりも低圧で、金属粉末から成形体を形成することにより、型と成形体との摩擦が抑制され易く、型又は成形体の破損(例えば成形体の亀裂)が抑制され易い。圧力が高過ぎる場合、型が撓んでしまい、目的のキャビティの容量を確保し難く、目的の成形体の密度が得られ難い。従来の高圧磁場プレス法では、高圧下で金属粉末の成形及び配向を同時に行う必要があった。一方、本実施形態では、成形及び配向を同時に行う必要がないので、成形工程後に、配向工程を行うことができる。成形工程と配向工程とを分けることにより、従来よりも小型で安価な装置(例えば、プレス成形装置、及び磁場印加装置)を各工程に用いることができる。成形工程及び配向工程を略同時に行ってもよい。
<配向工程>
配向工程では、型内に保持された成形体に磁場を印加する。つまり、型内の成形体に磁場を印加して、成形体を構成する金属粉末を型内で磁場に沿って配向させる。磁場は、パルス磁場又は静磁場であってよい。例えば、型内に保持された成形体を、型と共に、空芯コイル(ソレノイドコイル)の内側に配置して、空芯コイルに電流を流すことにより、型内の成形体に磁場を印加してよい。ダブルコイル又はヘルムホルツコイルに電流を流すことにより、型内の成形体に磁場を印加してよい。ダブルコイルとは、二つのコイルが同一の中心軸を持つように配置された磁場発生装置である。ダブルコイル又はヘルムホルツコイルを用いることにより、空芯コイルを用いる場合に比べて、より均質な磁場を成形体に印加することができる。その結果、成形体における金属粉末の配向性が向上し易く、最終的に得られる希土類磁石の磁気特性が向上し易い。着磁ヨークを用いて、型内の成形体に磁場を印加してもよい。型内の成形体に印加する磁場の強度は、例えば、796kA/m以上5173kA/m以下(10kOe以上65kOe以下)であってよい。配向工程後、成形体を脱磁してもよい。型内の成形体に印加する磁場の強度は、必ずしも上記の範囲に限定されない。
型内の金属粉末を加圧しながら、金属粉末を磁場で配向させてもよい。つまり、配向工程においても、型内の成形体を圧縮してよい。型が成形体に及ぼす圧力は、上記の理由により、0.049MPa以上20MPa以下に調整してよい。
<分離工程>
分離工程では、型の少なくとも一部を、成形体から分離する。例えば、分離工程では、上型及び側型を成形体から分離・除去することにより、成形体を下型の上に載置してよい。成形体を保持した側型及び上型を下型から分離して、成形体を保持した側型及び上型を加熱工程用トレイの上に載置してもよい。そして、側型及び上型を成形体から分離して、成形体を加熱工程用トレイに載置してもよい。上型及び側型のうち一方又は両方は、分解及び組立てが可能であってよい。分離工程において、上型及び側型のうち一方又は両方を分解することにより、上型及び側型のうち一方又は両方を成形体から外してよい。
成形工程又は配向工程を経た成形体(加熱される前の成形体)の密度は、例えば、3.0g/cm以上4.4g/cm以下、3.2g/cm以上4.2g/cm以下、3.4g/cm以上4.0g/cm以下、又は3.7g/cm以上4.1g/cm以下に調整されていてよい。成形体の密度が3.6g/cmよりも高い場合、成形体の搬送に伴う成形体の破損(割れ、又は欠け)が抑制され易い。
<加熱工程>
分離工程に続いて、以下の加熱工程を行ってよい。ただし、加熱工程は必須ではない。
加熱工程では、成形体を加熱して、成形体の温度を200℃以上450℃以下に調整してよい。加熱工程では、成形体の温度を200℃以上400℃以下、又は200℃以上350℃以下に調整してもよい。成形工程では、金属粉末にかかる圧力が、従来の高圧磁場プレス法よりも低いため、金属粉末が押し固まり難く、得られる成形体が崩れ易い。しかし、加熱工程によって、成形体の機械的強度及び保形性が向上し易い。
加熱工程では、成形体の温度が200℃以上になると、成形体が固まり始めて、成形体の保形性が向上する。換言すると、成形体の温度が200℃以上になると、成形体の機械的強度が向上する。成形体の保形性が向上するため、成形体の搬送、又は後工程における成形体のハンドリングの際に、成形体が破損し難い。例えば、成形体を搬送用チャック(chuck)等により掴んで焼結用トレイ上に並べる際に、成形体が崩れ難い。その結果、最終的に得られる希土類磁石の欠陥が抑制される。
仮に加熱工程において成形体の温度が450℃を超えた場合、加熱工程後に実施される焼結工程において、成形体に亀裂が形成され易い。亀裂が形成される原因は定かでない。例えば、加熱工程における成形体の急激な温度上昇により、成形体中に残存する水素が、ガスとして成形体外へ吹き出すことで、成形体に亀裂が形成される可能性がある。しかし、加熱工程において成形体の温度を450℃以下に調整することにより、焼結工程における成形体の亀裂が抑制される。その結果、最終的に得られる希土類磁石における亀裂も抑制され易い。また、加熱工程において成形体の温度を450℃以下に調整するため、成形体の昇温又は冷却に要する時間が抑制され、希土類磁石の生産性が向上する。また、加熱工程における成形体の温度が450℃以下であり、一般的な焼結温度よりも低いため、型の一部(例えば下型)とともに成形体を加熱したとしても、型の劣化又は成形体と型との化学反応が起き難い。したがって、必ずしも耐熱性が高くない組成物(樹脂)から構成される型であっても利用することができる。
成形体の温度を200℃以上450℃以下に調整することにより、成形体の保形性が向上するメカニズムは明らかではない。例えば、金属粉末に添加されている潤滑剤が、加熱工程において炭素になり、金属粉末を構成する金属粒子同士が炭素を介して結着される可能性がある。その結果、成形体の保形性が向上するのかもしれない。仮に加熱工程において成形体の温度が450℃を超えた場合、金属粉末を構成する金属の炭化物が生成したり、金属粒子同士が直接焼結したりする可能性がある。一方、成形体の温度が200℃以上450℃以下に調整される場合、金属の炭化物は必ずしも生成せず、金属粒子同士は必ずしも直接焼結しない。
加熱工程において成形体の温度を200℃以上450℃以下に維持する時間は、特に限定されず、成形体の寸法及び形状に応じて適宜調整すればよい。
加熱工程では、赤外線を成形体へ照射することにより、成形体を加熱してよい。赤外線の照射(つまり輻射熱)によって成形体を直接加熱することにより、伝導又は対流による加熱の場合に比べて、成形体の昇温に要する時間が短縮され、生産効率及びエネルギー効率が高まる。ただし、加熱工程では、加熱炉内の熱伝導又は対流により、成形体を加熱してもよい。赤外線の波長は、例えば、0.75μm以上1000μm以下、好ましくは0.75μm以上30μm以下であってよい。赤外線は、近赤外線、短波長赤外線、中波長赤外線、長波長赤外線(熱赤外線)、及び遠赤外線からなる群より選ばれる少なくとも一つであってよい。上記の赤外線のうち近赤外線は比較的金属に吸収され易い。したがって、近赤外線を成形体へ照射する場合、短時間で金属(金属粉末)を昇温し易い。一方、上記の赤外線のうち遠赤外線は比較的有機物に吸収され易く、金属(金属粉末)によって反射され易い。したがって、遠赤外線を成形体へ照射する場合、上述した潤滑剤が選択的に加熱され易く、潤滑剤に起因する上記のメカニズムによって成形体が硬化し易い。赤外線を成形体へ照射する場合、例えば、赤外線ヒーター(セラミックヒーター等)又は赤外線ランプを用いてよい。
型の一部又は全部と分離された成形体を加熱工程において加熱する場合、加熱による型の劣化(例えば、型の変形、硬化又は摩耗)が抑制され易く、成形体と型との焼き付きも抑制され易い。また型の一部又は全部と分離された成形体を加熱する場合、型が熱を断熱し難く、成形体が加熱され易い。その結果、成形体の保形性が向上する。型の一部又は全部と分離された成形体を加熱する場合、型が成形体と化学的に反応する可能性が低い。そのため、必ずしも型に耐熱性が要求されるわけではなく、型の材質が制限され難い。したがって、型の原料として、所望の寸法及び形状に加工し易く、且つ安価な材料を選定し易い。仮に、加熱工程において成形体と型の全部とを一括して加熱した場合、成形体と型との間の熱膨張率の差に起因して、成形体に応力が作用し易く、成形体が変形したり、破損したりする。また、加熱工程において成形体と型の全部とを一括して加熱した場合、加熱対象全体の体積・熱容量が大きい。その結果、一括して加熱される成形体の数量が制限され、加熱工程に要する時間が長くなり、エネルギーが浪費され、希土類磁石の生産性が低下する。
加熱工程では、例えば、下型の上に載置された成形体を加熱してよい。加熱工程では、加熱工程用トレイに載置された成形体を加熱してもよい。加熱工程では、成形体の酸化を抑制するために、不活性ガス又は真空中で成形体を加熱してよい。不活性ガスは、アルゴン等の希ガスであってよい。
加熱工程において、成形体の温度を200℃以上450℃以下に調整した後、成形体を100℃以下に冷却してよい。加熱工程後の成形体の搬送に用いるチャックの表面が樹脂から構成されている場合、成形体の冷却により、チャックの表面と成形体との化学反応が抑制され、チャックの劣化、及び成形体表面の汚染が抑制される。冷却方法は、例えば、自然冷却であってよい。
<焼結工程>
配向工程後、焼結工程を行う。配向工程後、上記の加熱工程を経ることなく、焼結工程を行ってよい。配向工程後、上記の加熱工程を経て、焼結工程を行ってよい。焼結工程では、型の全部から分離された成形体を焼結させる。焼結工程では、成形体中の金属粉末同士が焼結して、焼結体(希土類磁石)が得られる。
焼結工程において焼結させる成形体の密度(焼結工程直前の成形体の密度)は、例えば、3.0g/cm以上4.4g/cm以下、3.2g/cm以上4.2g/cm以下、3.4g/cm以上4.0g/cm以下、又は3.7g/cm以上4.1g/cm以下に調整されていてよい。成形工程及び配向工程において型が成形体(金属粉末)に及ぼす圧力が低いほど、焼結工程直前の成形体の密度が低い傾向がある。また、成形工程及び配向工程において型が成形体(金属粉末)に及ぼす圧力が低いほど、成形体を構成する金属粉末が自由に回転し易く、磁場に沿って配向し易い。その結果、最終的に得られる希土類磁石の残留磁束密度が高まり易い。したがって、焼結工程直前の成形体の密度が低いほど、希土類磁石の残留磁束密度が高まり易い、といえる。ただし、成形工程及び配向工程において型が成形体(金属粉末)に及ぼす圧力が低過ぎる場合、成形体の保形性(機械的強度)が不十分であり、分離工程に伴う成形体と型との摩擦により、成形体の表面に位置する金属粉末の配向性が乱れる。その結果、最終的に得られる希土類磁石の残留磁束密度が低下する。したがって、焼結工程直前の成形体の密度が低過ぎる場合、希土類磁石の残留磁束密度が低い、といえる。一方、成形工程から焼結工程に至るまでの間に成形体(金属粉末)に及ぶ圧力が高いほど、焼結工程直前の成形体の密度が高く、成形体の保形性(機械的強度)が高い。その結果、最終的に得られる希土類磁石における亀裂が抑制され易い。したがって、焼結工程直前の成形体の密度が高いほど、希土類磁石における亀裂が抑制され易い、といえる。ただし、成形工程及び配向工程において型が成形体(金属粉末)に及ぼす圧力が高過ぎる場合、スプリングバックに因り、成形体に亀裂が形成され易く、成形体から得られる希土類磁石に亀裂が残ってしまう。なお、スプリングバックとは、金属粉末を加圧して成形した後、圧力を解除した時に、成形体が膨張する現象である。以上の通り、焼結工程直前の成形体の密度は、希土類磁石の残留磁束密度及び亀裂に相関している。焼結工程直前の成形体の密度が上記の範囲内に調整されることにより、希土類磁石の残留磁束密度が高まり易く、且つ希土類磁石における亀裂が抑制され易い。
焼結工程では、下型に載置された成形体を、焼結用トレイの上に移してよい。焼結工程では、加熱工程用に載置された成形体を、焼結用トレイの上に移してもよい。加熱工程において成形体の保形性が向上しているため、成形体を搬送用チャックで掴んで焼結用トレイ上に並べる際に、成形体の破損が抑制される。
焼結工程では、複数の成形体を焼結用トレイ上に載置してよく、焼結用トレイ上に載置された複数の成形体を一括して加熱してよい。多数の成形体を狭い間隔で焼結用トレイ上に並べて、多数の成形体を一括して加熱することにより、希土類磁石の生産性が向上する。
焼結用トレイの組成は、焼結時に成形体と反応し難く、且つ成形体を汚染する物質を生成し難い組成物であればよい。例えば、焼結用トレイは、モリブデン又はモリブデン合金から構成されていてよい。
焼結温度は、例えば900℃以上1200℃以下であればよい。焼結時間は、例えば0.1時間以上100時間以下であればよい。焼結工程を繰り返してもよい。焼結工程では、不活性ガス又は真空中で成形体を加熱してよい。不活性ガスは、アルゴン等の希ガスであってよい。
焼結体に対して時効処理を施してよい。時効処理では、焼結体を例えば450℃以上950℃以下で熱処理してよい。時効処理では、焼結体を例えば0.1時間以上100時間以下の間、熱処理してよい。時効処理は不活性ガス又は真空中で行えばよい。時効処理は、温度の異なる多段階の熱処理から構成されてもよい。
焼結体を切削又は研磨してもよい。焼結体の表面に保護層を形成してもよい。保護層は、例えば、樹脂層、又は無機物層(例えば、金属層若しくは酸化物層)であってよい。保護層の形成方法は、例えば、めっき法、塗布法、蒸着重合法、気相法、又は化成処理法であってよい。
希土類磁石の寸法及び形状は、希土類磁石の用途に応じて様々であり、特に限定されない。希土類磁石の形状は、例えば、直方体状、立方体状、多角柱状、セグメント状、扇状、矩形状、板状、球状、円板状、円柱状、リング状、又はカプセル状であってよい。希土類磁石の断面の形状は、例えば、多角形状、円弦状、弓状、又は円状であってよい。型又はキャビティの寸法及び形状は、希土類磁石の寸法及び形状に対応するものであり、限定されない。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例A1)
<粉末調製工程>
ストリップキャスト法により、主成分がNdFe14Bであるフレーク状の原料合金を作製した。粗粉砕ステップでは、原料合金を水素吸蔵法により粗粉砕して、粗粉末を得た。水素吸蔵法では、室温下で1時間にわたって水素を原料合金へ吸蔵させた後、500℃での1時間の加熱により原料合金を脱水素した。
微粉砕ステップでは、最初に、下記表1に示される潤滑剤を粗粉末へ添加した。粗粉末における潤滑剤の含有量は、0.1質量%に調整された。続いて、V型混合機を用いて、潤滑剤を含む粗粉末を室温で10分間混合した。V型混合機とは、攪拌羽を備えておらず、V字型の容器の回転によって、容器内の粗粉末を混合する装置である。V型混合機を用いた混合後、Nガスを用いたジェットミルにより粗粉末をさらに粉砕した。ジェットミルを経た粗粉末を更に攪拌及び混合することにより、実施例1の金属粉末(微粉末)を得た。
以上の粉末調製工程により、金属粉末の平均粒子径を4.0μmに調整した。以下では、上記のV型混合機を用いた混合法は、攪拌混合Aと表記される。
[応力緩和率及び動摩擦係数の測定]
上述の方法で、実施例1の金属粉末の応力緩和率SRR及び動摩擦係数μを測定した。測定装置としては、株式会社ナノシーズ製の粉体層せん断力測定装置NS‐S500を用いた。測定装置の概要は、図1,2及び4に示される通りであった。測定に用いた円筒状のセル8の内径φは、43mmであった。測定では、セル8の端面と基板12の表面との間に、0.3mmの隙間を設けた。測定では、70gの金属粉末3をセル8の内側及び基板12の凹部へ充填した。上部垂直応力Fの測定過程におけるパンチ6の押し込み速度は、0.2mm/秒に維持した。パンチ6がセル8内の金属粉末3へ及ぼす力Fの最大値(換言すれば、上部垂直応力Fの最大値Fa)は、300Nであった。上部垂直応力Fの緩和時間は、100秒であった。動摩擦係数μの測定におけるせん断速度は、10μm/秒に維持した。
実施例1の金属粉末の応力緩和率SRR及び動摩擦係数μは、下記表1に示される。
<成形工程>
成形工程では、上記の金属粉末を型内へ供給して、成形体を形成した。成形工程の詳細は以下の通りであった。
型は、矩形状の下型と、下型の上に配置される直方体状の側型と、側型の上に配置される上型と、を備えていた。側型の中央部には、直方体状の空間が鉛直方向に貫通していた。つまり、側型は筒状であった。上型は、側型内に嵌合する形状を有していた。成形工程では、側型を下型の上に載置して、側型の下面側の開口部を下型で塞いだ。続いて、上記の微粉末を、側型の上面側の開口部から側型内へ充填した。上型を側型内へ挿入して、側型内の微粉末を上型の先端面で圧縮した。
成形工程では、型内の金属粉末を1.0MPaで加圧した。成形工程では、成形体の密度を、下記表1に示される値に調整した。
<配向工程>
配向工程では、上記の型内に保持された成形体を、空芯コイル内に配置して、パルス磁場を型内の成形体へ印加した。パルス磁場の強度は、5Tであった。配向工程後、成形体を型から抜き出して、焼結用トレイへ移した。
<焼結工程>
焼結工程では、焼結用トレイに載置された成形体を、1070℃で4時間加熱した。
以上の方法により、実施例1の希土類磁石(焼結体)を得た。
[磁気特性の測定]
室温における実施例1の希土類磁石の残留磁束密度Brを測定した。測定には、B‐Hトレーサーを用いた。実施例1の希土類磁石の残留磁束密度Brは、下記表1に示される。
(実施例A2~A5)
実施例A2~A5其々の成形工程では、成形体の密度を下記表1に示される値に調整した。成形体の密度を除いて実施例1と同様の方法で、実施例A2~A5其々の希土類磁石を個別に作製した。実施例1と同様の方法で、実施例A2~A5其々のSRR、μ及びBrを測定した。測定結果は、下記表1に示される。
(比較例A1~A5)
比較例A1~A5では、下記表1に示される潤滑剤を用いた。比較例A1~A5其々の成形工程では、成形体の密度を下記表1に示される値に調整した。これらの事項を除いて実施例1と同様の方法で、比較例A1~A5其々の希土類磁石を個別に作製した。実施例1と同様の方法で、比較例A1~A5其々のSRR、μ及びBrを測定した。測定結果は、下記表1に示される。
(実施例A6)
実施例A6の微粉砕ステップでは、最初に、潤滑剤を粗粉末へ添加しなかった。実施例A6の場合、ジェットミルを経た粗粉末へ潤滑剤を添加した後、粗粉末を更に攪拌及び混合した。実施例A6の成形工程では、成形体の密度を下記表1に示される値に調整した。これらの事項を除いて実施例1と同様の方法で、実施例A6の希土類磁石を作製した。実施例1と同様の方法で、実施例A6のSRR、μ及びBrを測定した。測定結果は、下記表1に示される。
(比較例A6)
比較例A6では、下記表1に示される潤滑剤を用いた。比較例A6の微粉砕ステップでは、最初に、潤滑剤を粗粉末へ添加しなかった。比較例A6の場合、ジェットミルを経た粗粉末へ潤滑剤を添加した後、粗粉末を更に攪拌及び混合した。比較例A6の成形工程では、成形体の密度を下記表1に示される値に調整した。これらの事項を除いて実施例1と同様の方法で、比較例A6の希土類磁石を作製した。実施例1と同様の方法で、比較例A6のSRR、μ及びBrを測定した。測定結果は、下記表1に示される。
Figure 0007135377000001
(実施例B1~B5、比較例B1,B2)
実施例B1~B5及び比較例B1,B2では、下記表2に示される潤滑剤を用いた。
実施例B1~B5及び比較例B1,B2其々の微粉砕ステップでは、攪拌混合Aを実施しなかった。実施例B1~B5及び比較例B1,B2の場合、V型混合機の代わりに、攪拌羽を用いる方式の攪拌混合装置を用いて、金属粉末を60℃で加熱しながら15分間混合した。
以下では、上記の攪拌羽を用いる方式の混合法は、攪拌混合Bと表記される。
実施例B1~B5及び比較例B1,B2其々の成形工程では、成形体の密度を下記表2に示される値に調整した。
以上の事項を除いて実施例1と同様の方法で、実施例B1~B5及び比較例B1,B2其々の希土類磁石を個別に作製した。実施例1と同様の方法で、実施例B1~B5及び比較例B1,B2其々のSRR、μ及びBrを測定した。測定結果は、下記表2に示される。
Figure 0007135377000002
表1及び表2の比較から明らかなように、実施例B1~B5其々のSRRは、実施例A1~A5其々のSRRよりも高い傾向があった。SRRに関する上記傾向は、潤滑剤の違いと攪拌混合A、B間の違いに起因している。攪拌混合Bの場合、粗粉末が高温(60℃)で攪拌されるため、粒子状の潤滑剤が軟化して粗粉末の各粒子の表面に付着し易くなることが推察される。また実施例B1~B5其々のBrは、実施例A1~A5其々のBrよりも高い傾向があった。Brに関するこの傾向は、SRRに関する上記傾向に起因する。
攪拌混合Bを行った点において共通する実施例B1~B5及び比較例B1,B2のうち、比較例B1,B2其々のSRRは、実施例B1~B5に比べて低かった。比較例B1,B2で用いられた潤滑剤は、いずれも脂肪酸アミドであった。脂肪酸アミドは、金属粉末の表面に対する親和性において、他の潤滑剤に劣っていることが推察される。脂肪酸アミドの劣った親和性は、脂肪酸アミドの低い極性に起因している可能性がある。
(実施例C1~C7)
実施例C1~C7では、下記表3に示される潤滑剤を用いた。
実施例C1~C7其々の微粉砕ステップでは、攪拌混合Aのみを実施する代わりに、攪拌混合Aに続いて攪拌混合Bも実施した。以下では、攪拌混合Aと、攪拌混合Aに続く攪拌混合Bとの組合せは、攪拌混合Cと表記される。
実施例C1~C7其々の成形工程では、成形体の密度を下記表3に示される値に調整した。
以上の事項を除いて実施例1と同様の方法で、実施例C1~C7其々の希土類磁石を個別に作製した。実施例1と同様の方法で、実施例C1~C7其々のSRR、μ及びBrを測定した。測定結果は、下記表3に示される。
Figure 0007135377000003
表1~3の比較から明らかなように、潤滑剤が共通している場合には、攪拌混合Cを経た金属粉末のSRRは、攪拌混合A又はBを経た金属粉末のSRRよりも高い傾向があった。実施例C1~C7に関する以下の考察は、仮説である。
実施例C1~C7では、室温での攪拌混合Aにより、粒子状の潤滑剤が金属粉末全体に均一に分散される。続く高温での攪拌混合Bにより、粒子状の潤滑剤が軟化して金属粉末の各粒子の表面に付着し易く、潤滑剤が金属粉末を構成する全粒子に均一に付着して、金属粒子間の摩擦が軽減される。このようなメカニズムに起因して、攪拌混合Cを経た金属粉末のSRRは高い。攪拌羽を用いる攪拌混合Bでは、攪拌羽と粗粉末との摩擦による温度上昇が不可避である。そのため、攪拌混合Aの前に攪拌混合Bが実施される場合、軟化する前の粒子状の潤滑剤を室温で金属粉末全体に均一に分散させることは困難である。
(実施例D1~D7)
実施例D1~D7では、下記表4に示される潤滑剤を用いた。
実施例D1~D7其々の微粉砕ステップでは、攪拌混合Aのみを実施する代わりに、攪拌混合Cと、攪拌混合Cに続く攪拌混合Aを実施した。以下では、攪拌混合Cと、攪拌混合Cに続く攪拌混合Aとの組合せは、攪拌混合Dと表記される。
実施例D1~D7其々の成形工程では、成形体の密度を下記表4に示される値に調整した。
以上の事項を除いて実施例1と同様の方法で、実施例D1~D7其々の希土類磁石を個別に作製した。実施例1と同様の方法で、実施例D1~D7其々のSRR、μ及びBrを測定した。測定結果は、下記表4に示される。
Figure 0007135377000004
表3及び表4の比較から明らかなように、潤滑剤が共通している場合には、攪拌混合Dを経た金属粉末のSRRは、攪拌混合Cを経た金属粉末のSRRとほぼ同じである傾向があった。一方、潤滑剤が共通している場合には、攪拌混合Dを経た金属粉末のμは、攪拌混合Cを経た金属粉末のμよりも低い傾向があった。つまり、攪拌混合Dにより、攪拌混合Cを経た金属粉末のSRRと同等のSRRを維持しつつ、金属粉末のμを低下させることができた。μに関する上記傾向は、攪拌混合C、D間の違いに起因している。実施例D1~D7に関する以下の考察は、仮説である。
攪拌混合Cでは、高温での攪拌される金属粒子の一部分の温度が潤滑剤の融点を超える場合があり、その部分の温度の低下に伴い、潤滑剤が金属粒子に固着し金属粒子が凝集してしまう。その凝集体の表面の凹凸が動摩擦係数を高める。しかし、攪拌混合Cの後に室温での攪拌混合Aを行うことにより、金属粒子の凝集が解消され、動摩擦係数が低減される。
本発明に係る希土類磁石の製造方法によれば、例えば、ハードディスクドライブ、ハイブリッド自動車又は電気自動車等の多様な用途に応じて、多品種の希土類磁石を生産することが可能であり、その生産量が少量であっても製造コストを抑制することが可能である。
3…金属粉末、4…垂直サーボシリンダ、5…下部圧力計、6…パンチ、8…セル、10…応力緩和率及び動摩擦係数の測定装置、12…基板、14…水平サーボシリンダ、D…垂直方向におけるパンチの端面の移動距離、F…上部垂直応力、Fa…垂直応力の最大値、Fb…緩和後の垂直応力、f…せん断力、fc…せん断力の最大値、F…パンチの端面が金属粉末へ及ぼす力、FLN…下部垂直応力、Fd…せん断力fが最大値fcであるときの下部垂直応力、T…時間。

Claims (4)

  1. 希土類元素を含む原料合金から金属粉末を調製する粉末調製工程と、
    前記金属粉末を型内へ供給して、成形体を形成する成形工程と、
    前記型内に保持された前記成形体に磁場を印加して、前記成形体に含まれる前記金属粉末を配向させる配向工程と、
    前記成形体を焼結させる焼結工程と、
    を備え、
    前記金属粉末が、脂肪酸エステル、アミンカルボン酸塩、脂肪族アミン、脂肪酸及び脂肪酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも一種の潤滑剤を含み、
    前記金属粉末の応力緩和率が、7.2%以上30.3%以下である、
    希土類磁石の製造方法。
  2. 前記金属粉末の動摩擦係数が、0.200以上0.450以下である、
    請求項1に記載の希土類磁石の製造方法。
  3. 前記粉末調製工程では、前記原料合金の粉砕、粉砕された前記原料合金の攪拌、及び、粉砕された前記原料合金の混合のうち少なくともいずれかが行われる、
    請求項1又は2に記載の希土類磁石の製造方法。
  4. 前記型が前記金属粉末に及ぼす圧力が、0.049MPa以上20MPa以下である、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の希土類磁石の製造方法。
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