JP6428796B2 - 単結晶引き上げ装置のクリーニング方法及びこれに用いるクリーニング用具並びに単結晶の製造方法 - Google Patents

単結晶引き上げ装置のクリーニング方法及びこれに用いるクリーニング用具並びに単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、CZ法という)による単結晶の製造に用いる単結晶引き上げ装置のクリーニング方法に関し、特に、通常の解体清掃では除去しきれないチャンバー内に残留する小さなゴミ、チリ等の異物をクリーニングする方法に関する。また、本発明は、上記クリーニング方法で用いられるクリーニング用具、並びに上記クリーニング方法を採用する単結晶の製造方法に関する。
CZ法によるシリコン単結晶の製造において、引き上げ工程終了後の単結晶引き上げ装置内の各所には、引き上げ時のベーパー、ワイヤーの摩耗粉、カーボン部品の劣化によるカーボンダスト、結晶冷却時の石英ルツボの割れによる石英の欠片及びシリコン残の欠片など、様々な異物が付着している。これらの掃除をせずに次の引き上げ工程に移ると、上記異物が離脱して育成中の単結晶に付着し、有転位化が起こるため、ふき取り、バキューム、エアブロー等によるチャンバー及びチャンバー内の部品の解体清掃が引き上げ工程の終了毎に行われている。
しかし、単結晶引き上げ装置の構造は複雑であるため、単結晶引き上げ装置の隅々まで完全な掃除を行うことは難しい。そのため、解体清掃だけでは単結晶の有転位化の発生率を低減することはできない。
上記問題を解決するため、特許文献1では、人手による掃除が難しいプルチャンバーの内面及びプルチャンバー内に垂下されたワイヤーを掃除するためのクリーニング装置が提案されている。また特許文献2では、単結晶引き上げ装置を解体清掃し、チャンバー内に部品をセットした後であって石英ルツボ内に原料を仕込む前に、チャンバー内を真空引きする方法が提案されている。
特開2001−348293号公報 特開2013−147406号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載されたクリーニング方法でも、チャンバーの内壁やチャンバー内の部品に付着する細かな異物を十分に除去することができず、クリーニング方法のさらなる改善が望まれている。
したがって、本発明の目的の一つは、チャンバー内の異物を除去して単結晶の有転位化を抑制することが可能な単結晶引き上げ装置のクリーニング方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そのようなクリーニング方法に用いられるクリーニング用具を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、そのようなクリーニング方法を含む単結晶の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の第1の側面による単結晶引き上げ装置のクリーニング方法は、ルツボ内の原料融液の液面を模したダミー液面と、前記原料融液の液面から上方に引き上げ途中の単結晶インゴットを模した第1のダミーインゴットとを含む前記ルツボを模したダミールツボを用意し、単結晶引き上げ装置の減圧されたチャンバー内に前記ダミールツボを設置した状態でガスを供給し、前記ダミールツボの影響を受けた前記ガスの流れを発生させて、前記チャンバーの壁面又は前記チャンバー内の部品に付着した異物を脱落させるクリーニング工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、単結晶引き上げ中のチャンバー内の構造を模擬的に再現し、ガスの強い流れや乱流を意図的に発生させて、チャンバーの壁面又はチャンバー内の部品に付着した異物を離脱させることができ、通常の解体清掃では除去しきれなかったチャンバー内に残留する小さなゴミ、チリ等の異物を事前に除去することができる。したがって、その後の引き上げ工程での異物の離脱を低減することができ、異物の付着に起因する単結晶の有転位化の発生率を低減することができる。
本発明において、前記単結晶引き上げ装置は、前記チャンバー内において前記ルツボ又は前記ダミールツボを昇降可能に支持する回転支持軸と、前記回転支持軸の上方に配置された熱遮蔽体とを有し、前記ダミー液面と前記熱遮蔽体の下端との間の第1のギャップ幅が、実際の単結晶引き上げ工程における前記原料融液の液面と前記熱遮蔽体の下端との間の第2のギャップ幅と実質的に等しくなるように、すなわち、実際の単結晶引き上げにおいて取り得るギャップ幅になるように、前記ダミールツボの高さを調整して前記クリーニング工程を実施することが好ましい。このように、熱遮蔽体と原料融液の液面との間の狭いギャップ幅をクリーニング工程中において再現することにより、ガスの強い流れや乱流を再現することができる。したがって、実際の引き上げ時に離脱する異物を事前に除去することができ、異物の付着に起因する単結晶の有転位化の発生率を低減することができる。
本発明によるクリーニング方法は、前記クリーニング工程において前記ダミールツボを上下に揺動させることが好ましい。このように、ダミールツボを上下に揺動させることにより、チャンバー内のガスの流れを意図的に変化させることができる。したがって、実際の引き上げ中の発塵を防止することができ、異物の付着に起因する単結晶の有転位化の発生率を低減することができる。
前記第1のダミーインゴットは、直径が徐々に大きくなるショルダー部と、直径が一定に維持されたボディー部とを有し、前記ダミールツボを上昇させる際、前記熱遮蔽体の下端よりも下方の第1の高さ位置から前記熱遮蔽体の前記下端よりも上方の第2の高さ位置まで前記ショルダー部の下端が移動するように前記第1のダミーインゴットを前記ダミールツボと共に上昇させることが好ましい。ショルダー部の下端(ボディー部の上端)が熱遮蔽体の下端と同じ高さになったときにガスの流れが急激に強くなるので、チャンバー内の異物を除去することができる。
本発明において、前記ダミールツボは樹脂製であることが好ましい。ダミー液面及び第1のダミーインゴットを含むダミールツボ全体が樹脂からなる場合には、非常に低コストで作製でき、取り扱いも容易である。またダミールツボが白い素材である場合には、カーボン屑などの黒い異物が落下してダミールツボに付着したときにそれを目視で捉えることができ、異物の回収・確認装置として機能させることもできる。
本発明によるクリーニング方法は、単結晶インゴットを模した第2のダミーインゴットを用意し、前記クリーニング工程において、前記チャンバー内に前記第2のダミーインゴットを吊設した状態でガスを供給し、前記第2のダミーインゴットの影響を受けた前記ガスの流れを発生させて前記チャンバーの壁面又は前記チャンバー内の部品に付着した異物を脱落させることが好ましい。本発明によれば、単結晶引き上げ中のチャンバー内の構造をさらに再現し、ガスの強い流れや乱流を意図的に発生させて、チャンバーの壁面又はチャンバー内の部品に付着した異物を離脱させることができ、通常の解体清掃では除去しきれなかったチャンバー内に残留する小さなゴミ、チリ等の異物を事前に除去することができる。したがって、その後の引き上げ工程での異物の離脱を低減することができ、異物の付着に起因する単結晶の有転位化の発生率を低減することができる。
本発明によるクリーニング方法は、前記第2のダミーインゴットを前記第1のダミーインゴットに連結させた状態で前記クリーニング工程を実施することが好ましい。このようにすることでチャンバー内に長尺な単結晶インゴットを再現することができ、実際の引き上げ工程中に発生するガスの強い流れや乱流を再現することができる。したがって、チャンバー内に残留する異物を事前に除去することができ、異物の付着に起因する単結晶の有転位化の発生率を低減することができる。
本発明において、前記チャンバーは、メインチャンバーと、前記メインチャンバーの上部開口に連結されたプルチャンバーとを有し、前記第2のダミーインゴットを前記プルチャンバー内に配置した状態で前記クリーニング工程を実施することが好ましい。これによれば、プルチャンバーと単結晶インゴットとの間の狭いギャップ幅を再現することができ、プルチャンバー内にガスの強い流れを発生させることができる。したがって、実際の引き上げ時にプルチャンバーから離脱する異物を事前に除去することができ、異物の付着に起因する単結晶の有転位化の発生率を低減することができる。
本発明によるクリーニング方法は、前記ダミールツボとは独立に前記第2のダミーインゴットを上下に揺動させた状態で前記クリーニング工程を実施することが好ましい。第2のダミーインゴットを上下に揺動させることにより、ガスの流れを意図的に変化させることができる。したがって、実際の引き上げ時の発塵量を低減することができ、異物の付着に起因する単結晶の有転位化の発生率を低減することができる。
本発明において、前記単結晶引き上げ装置は、前記ダミールツボの回転中心軸と同軸上であって前記ダミールツボの上方に配置され、先端部にフックが取り付けられたワイヤーをさらに有し、前記第2のダミーインゴットの先端部にはリング金具が取り付けられており、前記フックを前記リング金具に係合させると共に前記係合に遊びを持たせることにより、前記第2のダミーインゴットを前記ワイヤーの下端部に連結することが好ましい。これによれば、第2のダミーインゴットを第1のダミーインゴット上に搭載して連結させたときに、ワイヤーの撓みの発生を回避することができ、第2のダミーインゴットを第1のダミーインゴットと一緒に昇降させることができる。


本発明において、前記第2のダミーインゴットは樹脂製であることが好ましい。これによれば、第2のダミーインゴットを低コストで作製でき、設置時の取り扱いも容易である。また第2のダミーインゴットが白い素材である場合には、カーボン屑などの黒い異物が付着したときにそれを目視で捉えることができ、異物の回収・確認装置として機能させることもできる。
本発明の第2の側面による単結晶引き上げ装置のクリーニング方法は、単結晶インゴットを模したダミーインゴットを用意し、単結晶引き上げ装置の減圧されたチャンバー内に前記ダミーインゴットを吊設した状態でガスを供給し、前記ダミーインゴットの影響を受けた前記ガスの流れを発生させて、前記チャンバーの壁面又は前記チャンバー内の部品に付着した異物を脱落させるクリーニング工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、単結晶引き上げ中のチャンバー内の構造を模擬的に再現し、ガスの強い流れや乱流を意図的に発生させて、チャンバーの壁面又はチャンバー内の部品に付着した異物を離脱させることができ、通常の解体清掃では除去しきれなかったチャンバー内に残留する小さなゴミ、チリ等の異物を事前に除去することができる。したがって、その後の引き上げ工程での異物の離脱を低減することができ、異物の付着に起因する単結晶の有転位化の発生率を低減することができる。
本発明の第2の側面によるクリーニング方法において、前記ダミーインゴットは樹脂製であり、前記チャンバー内の温度を常温に設定して前記クリーニング工程を実施することが好ましい。
本発明において、前記ダミーインゴットは、直径が徐々に大きくなるショルダー部と、前記ショルダー部の下方において直径が一定に維持されたボディー部とを有し、前記クリーニング工程では、前記ショルダー部の下端が前記ルツボの上方に設置された熱遮蔽体の下端の開口を通過するように前記ダミーインゴットを引き上げることが好ましい。単結晶を引き上げるための引き上げ軸の下端にダミーインゴットを接続し、熱遮蔽体の下端よりも下方の高さ位置から熱遮蔽体の下端よりも上方の高さ位置までショルダー部の下端(ボディー部の上端)を移動させた場合、ショルダー部の下端が熱遮蔽体の下端と同じ高さになったときにガスの流れが急激に強くなるので、チャンバー内の異物を除去することができる。
本発明の第2の側面によるクリーニング方法はまた、原料融液を支持するルツボを前記チャンバー内に設置し、前記ルツボ内に前記原料融液が実際に溜められた高温下の前記チャンバー内で前記クリーニング工程を実施してもよい。この場合、前記ルツボは石英からなり、前記ダミーインゴットは、シリコン、石英、カーボン、炭化ケイ素及びモリブデンから選ばれた少なくとも一つの材料からなることが好ましい。このように、単結晶引き上げ工程を開始する直前の高温下でクリーニングを行うことにより、チャンバー内の異物を十分に除去することができる。
本発明おいて、前記ダミーインゴットは、直径が徐々に大きくなるショルダー部と、前記ショルダー部の下方において直径が一定に維持されたボディー部とを有し、前記クリーニング工程では、前記ショルダー部の下端が前記ルツボの上方に設置された熱遮蔽体の下端の開口を通過するように前記ダミーインゴットを引き上げることが好ましい。単結晶を引き上げるための引き上げ軸の下端にダミーインゴットを接続し、熱遮蔽体の下端よりも下方の高さ位置から熱遮蔽体の下端よりも上方の高さ位置までショルダー部の下端(ボディー部の上端)を移動させた場合、ショルダー部の下端が熱遮蔽体の下端と同じ高さになったときにガスの流れが急激に強くなるので、チャンバー内の異物を除去することができる。
本発明において、前記ルツボの高さは、前記クリーニング工程を開始するときの前記ルツボの高さ位置が、前記単結晶引き上げ工程を開始するときの前記ルツボの高さ位置よりも低くなるように調整されることが好ましい。さらに、前記ルツボの高さは、前記クリーニング工程において前記ショルダー部の前記下端が前記熱遮蔽体の前記下端と同じ高さのときに、前記原料融液の液面と前記熱遮蔽体の下端との間の第1のギャップ幅が、実際の単結晶引き上げ工程における前記原料融液の液面と前記熱遮蔽体の下端との間の第2のギャップ幅と実質的に等しくなるように、すなわち、実際の単結晶引き上げにおいて取り得るギャップ幅になるように調整されることが好ましい。このようにすることで、チャンバー内に導入されるガスの流速をさらに早めることができる。特に、実際の単結晶引き上げ工程にできるだけ近い条件を再現することで、チャンバー内の異物を確実に除去することができる。
本発明の第2の側面によるクリーニング方法は、前記ルツボ内に原料を追加チャージした後、前記クリーニング工程を行うことが好ましい。この場合、単結晶を引き上げるための引き上げ軸の下端に接続されたチャージ管を用いて前記原料を追加チャージした後、前記チャージ管から前記ダミーインゴットに付け替えて前記クリーニング工程を行うことが好ましい。原料を追加補充する場合やリチャージや新たな単結晶引き上げ工程で使用する原料を追加チャージする場合、原料の微粉がチャンバー内で拡散して付着し、引き上げ工程中に脱落することにより、単結晶の有転位化の原因となるおそれがある。しかし、追加チャージ後であって引き上げ工程前に仕上げクリーニングを実施することにより、単結晶の有転位化の発生率をより一層低減することができる。
本発明において、前記ダミーインゴットは中空構造を有することが好ましい。ダミーインゴットが塊状である場合には、高温のチャンバー内で熱膨張することによって亀裂や破裂が生じやすい。しかし、ダミーインゴットが中空構造の場合には蓄熱を抑えて亀裂や破裂の発生を防止することができる。
本発明の第3の側面によるシリコン単結晶引き上げ装置のクリーニング用具は、単結晶の引き上げに用いるルツボを模したダミールツボと、前記ルツボ内の原料融液の液面を模したダミー液面と、前記原料融液の液面から上方に引き上げ途中の単結晶インゴットを模した第1のダミーインゴットとを備えることを特徴とする。
本発明によるクリーニング用具は、単結晶インゴットを模した第2のダミーインゴットをさらに備え、前記第1のダミーインゴットの上端部は円錐形状の凸部を有し、前記第2のダミーインゴットの下端部は前記第1のダミーインゴットの前記上端部に嵌合可能な円錐形状の凹部を有することが好ましい。この構成によれば、第2のダミーインゴットを第1のダミーインゴット上に連結させることができ、チャンバー内に長尺な単結晶インゴットを再現することができる。
本発明の第4の側面による単結晶引き上げ装置のクリーニング用具は、単結晶インゴットを模したダミーインゴットからなり、前記ダミーインゴットの下端部は円錐形状の凹部を有することを特徴とする。本発明によれば、ダミーインゴットを用いて実際の引き上げ時と同様の環境を再現することができ、チャンバー内にガスの強い流れや乱流を発生させて実際の引き上げ時に離脱する異物を事前に除去することができ、異物の付着に起因する単結晶の有転位化の発生率を低減させることができる。また、ダミーインゴットを連結させることでチャンバー内に長尺な単結晶インゴットを再現することができる。
本発明の第5の側面による単結晶の製造方法は、単結晶引き上げ装置のチャンバー及び前記チャンバー内の部品を解体清掃する工程と、前記解体清掃後、上述のクリーニング方法で前記単結晶引き上げ装置の仕上げクリーニングを実施する工程と、前記仕上げクリーニングの完了後、前記単結晶引き上げ装置を用いて単結晶を引き上げる工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、単結晶引き上げ中のチャンバー内の構造を模擬的に再現し、ガスの強い流れや乱流を意図的に発生させて、チャンバーの壁面又はチャンバー内の部品に付着した異物を離脱させることができ、通常の解体清掃では除去しきれなかったチャンバー内に残留する小さなゴミ、チリ等の異物を事前に除去することができる。したがって、その後の引き上げ工程での異物の離脱を低減することができ、異物の付着に起因する単結晶の有転位化の発生率を低減することができる。
本発明によれば、通常の解体清掃では除去しきれなかったチャンバー内の異物を除去して単結晶の有転位化を抑制することが可能な単結晶引き上げ装置のクリーニング方法を提供することができる。また本発明によれば、そのようなクリーニング方法において用いられるクリーニング用具を提供することができる。さらに、本発明によれば、そのようなクリーニング方法を採用することで単結晶収率が高められた単結晶の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明によるクリーニングの対象となる単結晶引き上げ装置1の構造を示す略断面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態による単結晶引き上げ装置1のクリーニング方法(仕上げクリーニング工程)を説明するための断面図である。 図3は、ダミールツボ30及びダミーインゴット40の構造を示す略斜視図である。 図4は、ダミールツボ30の作用を説明するための断面図である。 図5は、クリーニング中におけるダミールツボ30及び第2のダミーインゴット40の配置の一例を説明するための図である。 図6は、クリーニング中におけるダミールツボ30及び第2のダミーインゴット40の配置の他の例を説明するための図である。 図7は、本発明の第2の実施の形態による単結晶引き上げ装置1のクリーニング方法を説明するための断面図である。 図8は、図7と共に単結晶引き上げ装置1のクリーニング方法を説明するため断面図である。 図9は、図7及び図8と共に単結晶引き上げ装置1のクリーニング方法を説明するため断面図である。 図10は、図7乃至図9と共に単結晶引き上げ装置1のクリーニング方法を説明するための断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明によるクリーニングの対象となる単結晶引き上げ装置1の構造を示す略断面図である。
図1に示すように、この単結晶引き上げ装置1は半導体用シリコン単結晶をCZ法により製造するための装置であって、チャンバー10と、チャンバー10の内側に配置された断熱材11と、チャンバー10内に収容される石英ルツボ12を支持するサセプタ13と、サセプタ13を昇降可能に支持する回転支持軸14と、サセプタ13の周囲を取り囲むように配置されたヒーター15と、サセプタ13の上方に配置された熱遮蔽体16と、サセプタ13の上方であって回転支持軸14と同軸上に配置された単結晶引き上げ用ワイヤー17と、チャンバー10の上方に配置されたワイヤー巻き取り機構18とを備えている。
チャンバー10は、メインチャンバー10Aと、メインチャンバー10Aの上部開口に連結されたプルチャンバー10Bとで構成されており、上述の石英ルツボ12、サセプタ13、回転支持軸14、ヒーター15及び熱遮蔽体16はメインチャンバー10A内に設けられている。巻き取り機構18はプルチャンバー10Bの上方に配置されており、ワイヤー17は巻き取り機構18からプルチャンバー10B内を通って下方に延びており、ワイヤー17の先端部はメインチャンバー10Aの内部空間まで達している。図1には、ワイヤー17の先端部にシリコン単結晶2が吊設された状態が示されている。
熱遮蔽体16は、シリコン融液3の温度変動を抑制して結晶成長界面近傍に適切なホットゾーンを形成するとともに、ヒーター15及び石英ルツボ12からの輻射熱によるシリコン単結晶2の加熱を防止するために設けられている。熱遮蔽体16は、シリコン単結晶2の引き上げ経路を除いたシリコン融液3の上方の領域を覆うカーボン製の部材であり、特に下端から上端に向かって開口サイズが大きくなる逆円錐台形状を有している。熱遮蔽体16の下端の開口の直径はシリコン単結晶2の直径よりも大きく、これによりシリコン単結晶2の引き上げ経路が確保されている。また熱遮蔽体16の下端の開口の直径は石英ルツボ12の口径よりも小さく、熱遮蔽体16の下端部は石英ルツボ12の内側に位置するので、石英ルツボ12のリム上端を熱遮蔽体16の下端よりも上方まで上昇させても熱遮蔽体16が石英ルツボ12と干渉することはない。
以上の構成において、シリコン単結晶の引き上げ工程では、まずサセプタ13内に石英ルツボ12をセットし、石英ルツボ12内にシリコン原料を充填し、ワイヤー17の先端部に種結晶を取り付ける。次にシリコン原料をヒーター15で加熱してシリコン融液3を生成し、種結晶を降下させてシリコン融液3に着液させる。その後、石英ルツボ12を回転させながら種結晶をゆっくりと上昇させることにより、略円柱状のシリコン単結晶2を成長させる。
単結晶引き上げ中、チャンバー10内は一定の減圧状態に保たれている。プルチャンバー10Bの上部に設けられたガス吸気口19Aからアルゴンガスが供給され、メインチャンバー10Aの下部に設けられたガス排気口19Bからアルゴンガスが排気されることで、チャンバー10内には破線矢印のようなアルゴンガスの流れが発生しており、この流れ(ガスフロー)は単結晶の成長状態により常に変化している。なおチャンバー10内の雰囲気ガスはアルゴンガスに限定されず、他の不活性ガスを用いてもよい。
シリコン単結晶2の直径は、その引き上げ速度やヒーター15の温度を制御することにより制御される。シリコン単結晶2の育成では、結晶径が細く絞られたネック部を形成した後、結晶径を円錐状に広げてショルダー部を形成する。規定の直径まで単結晶が成長した時点で一定の直径で引き上げを継続してボディー部を形成し、引き上げ終了時には直径を細く絞ってテール部を形成し、最終的に液面から切り離す。以上により、ショルダー部及びボディー部を有するシリコン単結晶インゴットが完成する。
以上が単結晶引き上げ装置1の構成及び動作についての説明である。次に、このような単結晶引き上げ装置1のクリーニング方法について説明する。単結晶引き上げ装置1のクリーニングとしては、解体清掃と解体清掃後の仕上げクリーニングがある。解体清掃は、バッチ終了後に装置を解体し、各部の清掃を行い、チャンバー10の内壁やチャンバー10内の部品に付着した粉体や堆積物の除去などを行う工程である。
一方、仕上げクリーニングは、このような解体清掃後であって、次のシリコン単結晶の引き上げ工程を開始する前に行われるクリーニング工程である。この仕上げクリーニングにより、解体清掃では除去しきれなかったチャンバー10内の異物を除去することが可能となる。
図2は、本発明の第1の実施の形態による単結晶引き上げ装置1のクリーニング方法(仕上げクリーニング工程)を説明するための断面図である。
図2に示すように、仕上げクリーニングでは、単結晶引き上げ中のチャンバー10内の環境を再現するため、2種類のクリーニング用具が用いられる。一つは実際の石英ルツボ12の形状を模したダミールツボ30であり、もう一つは単結晶インゴットの形状を模したダミーインゴット40である。
図3は、ダミールツボ30及びダミーインゴット40の構造を示す略斜視図である。
図3に示すように、ダミールツボ30は、実際に使用される石英ルツボ12と実質的に同一のサイズ(口径)を有する樹脂製の部材である。ダミールツボ30の形状は、実際に使用される石英ルツボ12と類似していればよく、厳密な同一性は要求されない。ダミールツボ30内にはシリコン融液3の液面を模したダミー液面31がダミールツボ30と一体的に形成されており、さらにシリコン融液3の液面から上方に引き上げられたシリコン単結晶の形状を模したダミーインゴット32(第1のダミーインゴット)がダミー液面31と一体的に形成されている。すなわち、ダミールツボ30はダミー液面31及びダミーインゴット32を含む単一の構造体である。
ダミールツボ30は回転支持軸14の上端部に直接設置される。すなわち、サセプタ13は使用されない。これは、実際の引き上げ工程では高温下で軟化した石英ルツボ12をサセプタ13で支持する必要があるが、クリーニング工程は常温で行われ、ダミールツボ30の変形を考慮する必要がないことによるものである。また、サセプタ13の設置を省略することでクリーニング工程の準備を簡素化することができる。なお、ダミールツボ30の底部は、回転支持軸14に設置可能な形状であることが必要である。
ダミーインゴット40(第2のダミーインゴット)は、実際に引き上げられるシリコン単結晶インゴットと実質的に同じ直径を有する樹脂製の部材であり、下方に向かって直径が徐々に大きくなるショルダー部40aと、直径が一定のボディー部40bとを有している。ショルダー部40aの上端部にはリング金具40dが設けられており、ワイヤー17の先端部に設けられたフック17aはこのリング金具40dに係合され、これによりダミーインゴット40は昇降自在に吊設される。さらに、フック17aとリング金具40dとの係合に遊びを持たせているので、後述するダミーインゴット40がダミーインゴット32上に搭載された状態においてワイヤー17の大きな撓みを回避することができる。
ダミーインゴット40はダミールツボ30と一体化されたダミーインゴット32に嵌合可能である。ダミーインゴット32の上端部は円錐形状の凸部32a(ショルダー部)を有しており、ダミーインゴット40の下端部は円錐形状の凹部40cを有しているので、ダミーインゴット40を降下させるだけでダミーインゴット32に嵌合させることができる。ダミーインゴット40がアルゴンガスの風圧を受けて揺れ動いた場合でもその中心軸の位置ずれを自己整合的に修正しながらダミーインゴット32と連結させることができる。そして、ダミーインゴット40をダミーインゴット32に連結させることで長尺な単結晶(図5参照)を再現することができる。
本実施形態においては2つダミーインゴットが用いられている。ダミーインゴット32はダミールツボ30と一体化されたものであり、熱遮蔽体16よりも下方におけるアルゴンガスの流れに変化を与える役割を果たすものである。また、ダミーインゴット40は、熱遮蔽体16よりも上方のアルゴンガスの流れに変化を与える役割を果たし、単結晶を実際に引き上げている状態でチャンバー10内の色々な部分の開口面積を狭くしてアルゴンガスの流れを変化させる。
ダミールツボ30及びダミーインゴット40の材料は特に限定されないが、ポリプロピレン等の樹脂を用いることが好ましい。樹脂を用いた場合には加工が容易であり、安価に作製できる。また、白い素材である場合には、例えばカーボン屑などの黒い異物が落下してダミーインゴット40やダミールツボ30に付着したときにそれを目視で捉えることができ、異物の回収・確認装置として機能させることもできる。
仕上げクリーニング工程では、ダミールツボ30及びダミーインゴット40をチャンバー10内にセットした後、チャンバー10内に所定流量のアルゴンガスを供給し、チャンバー10内を常温・減圧下のアルゴン雰囲気にする。アルゴンガスはプルチャンバー10Bの上部に設けられたガス吸気口19Aから供給され、プルチャンバー10B及びメインチャンバー10Aを通ってメインチャンバー10Aの下部に設けられたガス排気口19Bから排気される。チャンバー10内の気圧は20〜30Torrとすることが好ましく、またアルゴンガスの供給量は例えば130L/minとすることができる。チャンバー10内の気圧は圧力計によって測定され、ガス排気口19Bからのアルゴンガスの排気量はチャンバー10内の気圧が一定となるように制御される。
本実施形態において、仕上げクリーニングは常温下で行われる。チャンバー10内の温度を実際の単結晶引き上げ工程と同じ温度まで上昇させて高温下でクリーニングを行うことも可能であるが、チャンバー10内の温度を高くしたりクリーニング後に冷却したりするための時間がかかるため効率的ではない。また、ダミーインゴット40やダミールツボ30として樹脂製のものを用いることができない。このような理由から、仕上げクリーニングは常温下で行われることが好ましい。
仕上げクリーニングでは、上述したチャンバー内の常温・減圧状態が一定時間保持される。クリーニング時間は特に限定されないが、2〜8時間程度が好ましい。
図4は、ダミールツボ30の作用を説明するための断面図である。
仕上げクリーニングでは、ダミールツボ30を上昇させて熱遮蔽体16に近づけ、ダミーインゴット32を熱遮蔽体16の開口部16aに挿入する。その際、ダミールツボ30を回転させながら上昇させてもよく、回転させずに上昇させてもよい。
単結晶の乱れは、単結晶のショルダー部が熱遮蔽体16の開口部に入ったところで多発することが知られている。これは、今まで広かった熱遮蔽体16の開口部16aに単結晶のショルダー部が入ってくることで開口面積が狭くなり、単結晶がアルゴンガスの流れを妨げる抵抗となることでアルゴンガスの流速が強まり、いままでチャンバー10の壁体又は部品に付着していた異物が離脱して単結晶に付着するからであると考えられる。そこで、仕上げクリーニングでは、ダミーインゴット32のショルダー部を熱遮蔽体16の開口部に意図的に挿入することで異物が離脱しやすい環境を再現する。
熱遮蔽体16の開口部16aの直径は、単結晶の直径よりも少し大きい程度である。初めは開口面積が広いためアルゴンガスもスムーズに流れるが、ダミールツボ30の上昇によってダミーインゴット32のショルダー部が開口部16aに進入すると開口面積が急激に狭くなり、ダミールツボ30と熱遮蔽体16との間の狭い隙間を通過しようとするアルゴンガスの流速が強まる。これにより、チャンバー10内のガスフローが変化し、乱流が発生しやすくなるので、チャンバー10内の隅や凹部に付着する微細な異物を脱落させて舞い上がらせることができ、ガスフローと共にこれらの異物を排気除去することができる。
ダミールツボ30を上昇させると、熱遮蔽体16とダミーインゴット32との間の隙間が狭くなるだけでなく、熱遮蔽体16とダミールツボ30のリム上端との間の隙間も狭くなる。そのため、熱遮蔽体16とダミールツボ30との間の狭い隙間を通過しようとするアルゴンガスの流速がさらに強まり、チャンバー10内のガスフローが変化して乱流が発生しやすくなる。
ダミールツボ30を上昇させて熱遮蔽体16に近づける場合、ダミー液面31と熱遮蔽体16の下端との間のギャップ幅(第1のギャップ幅)Gが、実際の単結晶引き上げ工程における石英ルツボ12内のシリコン融液3の液面と熱遮蔽体16の下端との間のギャップ幅(第2のギャップ幅)と実質的に等しくなるようにすることが好ましく、すなわち、実際の単結晶引き上げにおいて取り得るギャップ幅になるように調整されることが好ましく、この状態を一定時間保持することがより好ましい。このようにすることで、熱遮蔽体16とダミー液面31との間の狭い隙間を通過しようとするアルゴンガスの流速がさらに強まるので、チャンバー10内のガスフローが変化して乱流が発生しやすくなる。したがって、チャンバー10内に付着する異物を脱落させて舞い上がらせることができ、ガスフローと共にこれらの異物を排気除去することができる。
図5は、クリーニング中におけるダミールツボ30及びダミーインゴット40の配置の一例を説明するための図である。
図5に示すように、ダミーインゴット40はダミールツボ30に連結されてもよい。ダミールツボ30及びダミーインゴット40の設置当初、両者は連結されていないが、ダミーインゴット40を降下させることで両者を連結させることができ、チャンバー10内でより長尺な単結晶を再現することができる。そしてクリーニング中において、ダミーインゴット40がダミールツボ30に連結された状態を一定時間保持することが好ましい。このようにすることで、実際の引き上げにより近い状態を再現でき、アルゴンガスの流れ及び流速をさらに変化させることができる。
さらに、本実施形態においては、フック17aとリング金具40dとの係合に遊びを持たせているので、ダミーインゴット40をダミーインゴット32上に搭載して連結させたときにワイヤー17の大きな撓みを回避することができ、ダミーインゴット40をダミーインゴット32と一緒に昇降させることができる。
仕上げクリーニング中は、ダミールツボ30を上下に揺動させることもまた好ましい。このとき、ダミーインゴット40はダミールツボ30に連結していてもよく、ダミールツボ30から分離していてもよい。いずれにしても、ダミールツボ30を上下動させることでチャンバー10内のガスフローがさらに変化するので、チャンバー10内にアルゴンガスの乱流を発生させることができ、チャンバー10内の異物を除去することができる。
仕上げクリーニングでは、ダミーインゴット40をダミールツボ30から分離し、ダミールツボ30とは独立にダミーインゴット40を上下に揺動させることもまた好ましい。この場合、ダミールツボ30の高さ方向の位置を固定し、ダミーインゴット40だけを上下に動かしても良く、ダミーインゴット40を固定してダミールツボ30を上下に動かしても良く、両方をそれぞれ上下に動かしても良い。ダミールツボ30からダミーインゴット40を分離する場合、ダミーインゴット40の高さ方向の位置を大きく変えることでチャンバー10内のガスフローを変化させることができ、ダミーインゴット40が一定位置に留まっているだけでは舞い上がらせることができなかった異物を舞い上がらせることができる。
図6は、クリーニング中におけるダミールツボ30及びダミーインゴット40の配置の他の例を説明するための図である。
図6に示すように、ダミーインゴット40はプルチャンバー10B内に配置されてもよい。ダミーインゴット40がプルチャンバー10B内にあるとき、ダミーインゴット40とプルチャンバー10Bの内壁面との間の狭い隙間をアルゴンガスが通過することでガスフローの風速が強くなる。プルチャンバー10Bの上部にはゲート弁やセンサなどの凹凸面をなす部材があり、異物が付着しやすいが、プルチャンバー10B内のガスフローが強くなるので、プルチャンバー10B内の異物を除去することができる。また、ガスフローの風速が強くなることでメインチャンバー10A内のガスフローの風速も強くなり、乱流が発生しやすくなるので、メインチャンバー10A内の異物の除去も可能となる。
仕上げクリーニングの完了後は、チャンバー10を大気開放し、ダミールツボ30及びダミーインゴット40を取り出し、回転支持軸14上にサセプタ13及び石英ルツボ12をセットし、石英ルツボ12内にシリコン原料を充填する。その後、上述した通常の単結晶引き上げ工程を行う。以上のように、本実施形態においては、仕上げクリーニングを行っているので、単結晶引き上げ工程においてチャンバー10内に残存する異物の影響による有転位化の発生確率を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態による単結晶引き上げ装置1のクリーニング方法は、単結晶引き上げ時のチャンバー内の構造を再現し、石英ルツボや単結晶インゴットがあることによってチャンバー内に発生するアルゴンガスの強い流れや乱流を人為的に作り出して、これにより不活性ガスの流量を意図的に変化させて、チャンバー内の隅や凹部に付着した異物を離脱させて事前に除去するので、その後の引き上げ工程での発塵量を低減することができ、異物の付着に起因する単結晶の有転位化の発生率を低減することができる。
図7〜図10は、本発明の第2の実施の形態による単結晶引き上げ装置のクリーニング方法を説明するための断面図である。
図7に示すように、このクリーニング方法の特徴は、単結晶引き上げ工程を開始する直前の石英ルツボ12内にシリコン融液3が溜められた状態でダミーインゴット50を用いたクリーニングを実施する点にある。そのため、第1の実施の形態と異なり、チャンバー10内にはダミールツボではなく単結晶引き上げ工程で実際に用いる石英ルツボ12が設置され、石英ルツボ12はヒーター15によって加熱され、チャンバー10内は高温に保たれている。
第1の実施の形態によるクリーニング方法は単結晶育成工程を開始する前のクリーニング方法として一定の効果が認められる。しかし、例えば図8に示すようにチャージ管60を用いて石英ルツボ12内にシリコン原料5を追加チャージするような場合には、チャージ管60の表面に付着しているシリコン微粉がチャンバー10内で離脱して舞い上がったり、チャージ管60内のシリコン原料を落下させて石英ルツボ12内に投入するときにチャージ管60の内面やシリコン原料5に付着しているシリコン微紛が舞い上がったりして、熱遮蔽体16などの炉内構造物に付着し、単結晶の有転位化の原因となってしまう。そのため、本実施形態においては、単結晶引き上げ工程を開始する直前の高温下のチャンバー10内においてダミーインゴットを用いたクリーニングを実施してチャンバー10内のさらなる清浄化を図るものである。
チャンバー10内は高温であり、石英ルツボ12はシリコン融液3を保持しているため、クリーニングで使用されるダミーインゴット50は耐熱性を有し、シリコン融液3を汚染しないことが必要である。そのため、ダミーインゴット50の素材は、シリコン、石英、カーボン、炭化ケイ素(SiC)、表面がSiCで被覆されたカーボン、モリブデンなどが好ましい。ダミーインゴット50としては、例えば、クリーニング対象と同種の単結晶引き上げ装置を用いて引き上げられた後、ウェーハ製品として加工されなかったシリコン単結晶インゴットを所定の形状に加工したものを用いることができる。このように、製品化されなかったシリコン単結晶インゴットをダミーインゴット50として使用することにより、ダミーインゴットを最初から作製する手間を省略し、資源の有効活用を図ることができる。
ダミーインゴット50の形状は、CZ法により実際に育成されるシリコン単結晶インゴットのトップ側の形状と同様、上から下に向かって直径が徐々に大きくなるショルダー部50aと、ショルダー部50aの下方において直径が一定に維持されたボディー部50bとを有していればよい。またダミーインゴット50はその内部に空洞を有する中空構造であってもよく、空洞がないブロックであってもよい。中空構造のダミーインゴット50の場合、その底部に開口が形成されていてもよい。ダミーインゴットが中空構造の場合には蓄熱を抑えて亀裂や破裂の発生を防止することができる。クリーニング工程中、ダミーインゴット50がシリコン融液3に接触してはいけないので、ダミーインゴット50のボディー部50bの長さは、石英ルツボ12内のシリコン融液の液面の高さを考慮して設定する必要がある。
次に、図7〜図10を参照しながらクリーニング工程について説明する。
始めに、図8に示すように、チャージ管60を用いてシリコン原料5の追加チャージを行う。追加チャージは、いわゆるマルチプリング法における二本目以降のシリコン単結晶インゴットを引き上げるために行われるものであってもよい。マルチプリング法では、シリコン単結晶を引き上げた後、同一の石英ルツボ内にシリコン原料を追加供給して融解し、得られたシリコン融液からシリコン単結晶の引き上げを行い、このような原料供給工程と単結晶引き上げ工程を繰り返すことにより、一つの石英ルツボから複数本のシリコン単結晶を製造する。マルチプリング法によれば、シリコン単結晶一本当たりの石英ルツボの原価コストを低減することできる。またチャンバーを解体して石英ルツボを交換する頻度を低減できるため、操業効率を向上させることが可能である。
追加チャージはまた、いわゆるシングルプリング法において石英ルツボ内にシリコン原料を補充するために行われるものであってもよい。この場合、常温下で石英ルツボ12内に予め仕込んでおいた多結晶シリコンをチャンバー10内で加熱してシリコン融液3を生成した後、シリコン原料が追加供給される。この方法によれば長尺なシリコン単結晶を引き上げることができ、操業効率を向上させることができる。
チャージ管60は開閉可能な底蓋61を有する円筒状の石英ガラス製の容器である。チャージ管60はワイヤー17の下端に吊設されており、プルチャンバー10Bの位置からチャージ管60を降下させて融液面付近まで近づけられる。その後、底蓋61を開くことにより、チャージ管60内の追加のシリコン原料5が落下して石英ルツボ12内に投入される。
上記のように、チャージ管60を用いたシリコン原料の追加工程では、チャンバー10の壁面や熱遮蔽体16などの炉内構造物にシリコン微粉が付着しやすく、これが単結晶の有転位化の原因となるおそれがある。そこで、本実施形態ではシリコン原料の追加工程後にダミーインゴット50を用いたチャンバー10内のクリーニング工程を実施する。
クリーニング工程では、ワイヤー17の下端に取り付けられた空のチャージ管60を取り外し、ダミーインゴット50に付け替えた後、図9に示すようにダミーインゴット50を融液面の近くまで降下させる。このとき、石英ルツボ12もできるだけ下方に降下させることが好ましい。すなわち、クリーニング工程を開始するときの石英ルツボ12の高さ位置が単結晶引き上げ工程を開始するときの石英ルツボ12の高さ位置よりも低くなるように、石英ルツボ12の高さが調整される。
図9は、石英ルツボ12及びダミーインゴット50を十分に降下させたクリーニング工程の開始時の状態を示している。なおクリーニング工程の途中の状態がこのような状態であってもかまわない。このように、ダミーインゴット50の降下位置では、ダミーインゴット50のショルダー部50aの下端(ボディー部50bの上端)が、熱遮蔽体16の下端よりも下方に配置されることが好ましい。この位置にあるダミーインゴット50を上昇させることにより、シリコン単結晶2がシリコン融液3から徐々に引き上げられたときと同じ状況を再現することができる。
図7は、図9に示す位置よりも石英ルツボ12及びダミーインゴット50を上昇させた状態を示している。ダミーインゴット50のショルダー部50aの下端は、熱遮蔽体16の下端とちょうど同じ高さ位置となっている。これは図4(b)に示した状態と同じである。実際の単結晶引き上げ工程では、シリコン単結晶のショルダー部の位置が熱遮蔽体16の下端にさしかかったときにガスの流れが急激に強くなり、結晶の乱れが生じやすい。本実施形態もこのような状況を再現することができるので、チャンバー10内に乱流を発生させてシリコン微粉等の異物を離脱させることができる。
図示のようにダミーインゴット50のショルダー部50aの下端が熱遮蔽体16の下端と同じ高さのとき、シリコン融液3の液面と熱遮蔽体の下端との間のギャップ幅(第1のギャップ幅)は、実際の単結晶引き上げ工程における前記原料融液の液面と前記熱遮蔽体の下端との間のギャップ幅(第2のギャップ幅)と実質的に等しくなるように、すなわち、実際の単結晶引き上げにおいて取り得るギャップ幅になるように調整することが好ましい。このようにすることで、実際の単結晶引き上げ工程と同様の状況を再現することができる。すなわち、熱遮蔽体16とダミーインゴット50との間の横方向の隙間が狭くなるだけでなく、熱遮蔽体16と融液面との間の縦方向の隙間も狭くなるため、熱遮蔽体16とダミーインゴット50との間の狭い隙間を通過しようとするアルゴンガスの流速がさらに強まり、チャンバー10内のガスフローが変化して乱流が発生しやすくなる。
図10は、ダミーインゴット50をさらに上昇させた状態を示している。この場合、図6と同様、プルチャンバー10B内の異物を除去することができ、異物の付着に起因する単結晶の有転位化の発生率を低減することができる。
ダミーインゴット50の昇降動作中には石英ルツボ12も一緒に昇降させてもよい。ダミーインゴット50が熱遮蔽体16の下端よりも下方で昇降動作を行うときには、その昇降動作に合わせて石英ルツボ12を昇降させることで、ダミーインゴット50をシリコン融液3に接触させることなくダミーインゴット50を適切な位置に配置することができ、また熱遮蔽体16の下端とシリコン融液3とのギャップ幅(第1のギャップ幅)を実際の引き上げ工程中のギャップ幅(第2のギャップ幅)に近づけることができる。
以上説明したように、本実施形態による単結晶引き上げ装置1のクリーニング方法も、単結晶引き上げ時のチャンバー内の構造を再現し、石英ルツボや単結晶インゴットがあることによってチャンバー内に発生するアルゴンガスの強い流れや乱流を人為的に作り出して、これにより不活性ガスの流量を意図的に変化させて、チャンバー内に付着したシリコン微粉等の異物を離脱させて事前に除去するので、その後の引き上げ工程での発塵量を低減することができ、異物の付着に起因する単結晶の有転位化の発生率を低減することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、ダミールツボ30及びダミーインゴット40を同時に使用してクリーニングを行っているが、ダミールツボ30のみを使用してクリーニングを行っても良く、ダミーインゴット40のみを使用してクリーニングを行ってもよい。
また、上記実施形態においては、ダミールツボ30及びダミーインゴット40の材料として樹脂を挙げたが、本発明においてダミールツボ30及びダミーインゴット40の材料は樹脂に限定されず、例えばカーボン材料を用いることも可能である。
また上述したように、ダミールツボ30及びダミーインゴット40及び50の形状は実際のものと類似していればよく、類似の程度も発明の効果を発揮できる限りにおいて特に限定されない。したがって、例えばダミールツボ30に切り欠きをつけてもよく、偏芯させてもよい。またダミーインゴット40及び50の形状を正円柱ではなく楕円柱にしてもよく、円柱の外周面に凹凸を形成してもよく、晶癖線を持ついびつな形状にしてもよい。このようにダミールツボ30やダミーインゴット40、50の形状が実際のものとは大きく異なる場合でも、ガスの流れによりチャンバー内をクリーニングすることができ、むしろ乱流の増加によりクリーニング効果を促進させることが可能である。
また、上記実施形態においては、チャンバー内に供給する気体としてアルゴンガスを挙げたが、アルゴンガスの代わりに他の不活性ガスを用いてもよく、あるいは空気を用いることも可能である。
また、上記実施形態においては、シリコン単結晶の引き上げ装置を例に挙げたが、本発明はこれに限定されず、SiC、サファイヤ等の種々の単結晶の引き上げ装置を対象とすることができる。ただし、CZ法による半導体用シリコン単結晶の製造ではシリコン融液から蒸発したSiOがチャンバー内に付着しやすい反面、装置が大型でチャンバー内の隅々まで解体清掃することが難しいことから、本発明はCZ法による半導体用シリコン単結晶の製造に用いる引き上げ装置のクリーニングに好ましく適用することができる。
1 単結晶引き上げ装置
2 シリコン単結晶
3 シリコン融液
5 追加のシリコン原料
10 チャンバー
10A メインチャンバー
10B プルチャンバー
11 断熱材
12 石英ルツボ
13 サセプタ
14 回転支持軸
15 ヒーター
16 熱遮蔽体
16a 開口部
17 ワイヤー
17a フック
18 巻き取り機構
19A ガス吸気口
19B ガス排気口
30 ダミールツボ
31 ダミー液面
32 ダミーインゴット(第1のダミーインゴット)
32a ダミーインゴットの凸部
40 ダミーインゴット(第2のダミーインゴット)
40a ダミーインゴットのショルダー部
40b ダミーインゴットのボディー部
40c ダミーインゴットの凹部
40d リング金具
50 ダミーインゴット
60 チャージ管


Claims (29)

  1. ルツボ内の原料融液の液面を模したダミー液面と、前記原料融液の液面から上方に引き上げ途中の単結晶インゴットを模した第1のダミーインゴットとを含む前記ルツボを模したダミールツボを用意し、単結晶引き上げ装置の減圧されたチャンバー内に前記ダミールツボを設置した状態でガスを供給し、前記ダミールツボの影響を受けた前記ガスの流れを発生させて、前記チャンバーの壁面又は前記チャンバー内の部品に付着した異物を脱落させるクリーニング工程を有することを特徴とする単結晶引き上げ装置のクリーニング方法。
  2. 前記単結晶引き上げ装置は、
    前記チャンバー内において前記ルツボ又は前記ダミールツボを昇降可能に支持する回転支持軸と、
    前記回転支持軸の上方に配置された熱遮蔽体とを有し、
    前記ダミー液面と前記熱遮蔽体の下端との間の第1のギャップ幅が、実際の単結晶引き上げ工程における前記原料融液の液面と前記熱遮蔽体の下端との間の第2のギャップ幅と実質的に等しくなるように前記ダミールツボの高さを調整して前記クリーニング工程を実施する、請求項1に記載のクリーニング方法。
  3. 前記クリーニング工程において前記ダミールツボを上下に揺動させる、請求項1又は2に記載のクリーニング方法。
  4. 前記ダミールツボは樹脂製である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のクリーニング方法。
  5. 単結晶インゴットを模した第2のダミーインゴットを用意し、前記クリーニング工程において、前記チャンバー内に前記第2のダミーインゴットを吊設した状態で前記ガスを供給し、前記第2のダミーインゴットの影響を受けた前記ガスの流れを発生させて前記チャンバーの壁面又は前記チャンバー内の部品に付着した異物を脱落させる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のクリーニング方法。
  6. 前記第2のダミーインゴットを前記第1のダミーインゴットに連結させた状態で前記クリーニング工程を実施する、請求項5に記載のクリーニング方法。
  7. 前記チャンバーは、
    メインチャンバーと、
    前記メインチャンバーの上部開口に連結されたプルチャンバーとを有し、
    前記第2のダミーインゴットを前記プルチャンバー内に配置した状態で前記クリーニング工程を実施する、請求項5に記載のクリーニング方法。
  8. 前記ダミールツボとは独立に前記第2のダミーインゴットを上下に揺動させた状態で前記クリーニング工程を実施する、請求項7に記載のクリーニング方法。
  9. 前記単結晶引き上げ装置は、
    前記ダミールツボの回転中心軸と同軸上であって前記ダミールツボの上方に配置され、先端部にフックが取り付けられたワイヤーをさらに有し、
    前記第2のダミーインゴットの先端部にはリング金具が取り付けられており、
    前記フックを前記リング金具に係合させると共に前記係合に遊びを持たせることにより、前記第2のダミーインゴットを前記ワイヤーの下端部に連結する、請求項5に記載のクリーニング方法。
  10. 前記第2のダミーインゴットは樹脂製である、請求項5乃至9のいずれか一項に記載のクリーニング方法。
  11. 単結晶インゴットを模したダミーインゴットを用意し、単結晶引き上げ装置の減圧されたチャンバー内に前記ダミーインゴットを吊設した状態でガスを供給し、前記ダミーインゴットの影響を受けた前記ガスの流れを発生させて、前記チャンバーの壁面又は前記チャンバー内の部品に付着した異物を脱落させるクリーニング工程を有することを特徴とする単結晶引き上げ装置のクリーニング方法。
  12. 前記ダミーインゴットを上下に揺動させた状態で前記クリーニング工程を実施する、請求項11に記載のクリーニング方法。
  13. 前記ダミーインゴットは樹脂製である、請求項11又は12に記載のクリーニング方法。
  14. 前記チャンバー内の温度を常温に設定して前記クリーニング工程を実施する、請求項11乃至13のいずれか一項に記載のクリーニング方法。
  15. 前記ダミーインゴットは、
    直径が徐々に大きくなるショルダー部と、
    前記ショルダー部の下方において直径が一定に維持されたボディー部とを有し、
    前記クリーニング工程では、前記ショルダー部の下端が前記チャンバー内に設置された熱遮蔽体の下端の開口を通過するように前記ダミーインゴットを引き上げる、請求項11乃至14のいずれか一項に記載のクリーニング方法。
  16. 前記チャンバーは、
    メインチャンバーと、
    前記メインチャンバーの上部開口に連結されたプルチャンバーとを有し、
    前記ダミーインゴットを前記プルチャンバー内に配置した状態で前記クリーニング工程を実施する、請求項11乃至15のいずれか一項に記載のクリーニング方法。
  17. 原料融液を支持するルツボを前記チャンバー内に設置し、前記ルツボ内に前記原料融液が実際に溜められた高温下の前記チャンバー内で前記クリーニング工程を実施する、請求項11に記載のクリーニング方法。
  18. 前記ダミーインゴットを上下に揺動させた状態で前記クリーニング工程を実施する、請求項17に記載のクリーニング方法。
  19. 前記ダミーインゴットは、
    直径が徐々に大きくなるショルダー部と、
    前記ショルダー部の下方において直径が一定に維持されたボディー部とを有し、
    前記クリーニング工程では、前記ショルダー部の下端が前記ルツボの上方に設置された熱遮蔽体の下端の開口を通過するように前記ダミーインゴットを引き上げる、請求項17又は18に記載のクリーニング方法。
  20. 前記クリーニング工程を開始するときの前記ルツボの高さ位置が、前記単結晶引き上げ工程を開始するときの前記ルツボの高さ位置よりも低くなるように、前記ルツボの高さを調整する、請求項19に記載のクリーニング方法。
  21. 前記クリーニング工程において前記ショルダー部の前記下端が前記熱遮蔽体の前記下端と同じ高さのときに、前記原料融液の液面と前記熱遮蔽体の下端との間の第1のギャップ幅が、実際の単結晶引き上げ工程における前記原料融液の液面と前記熱遮蔽体の下端との間の第2のギャップ幅と実質的に等しくなるように、前記ルツボの高さを調整する、請求項19又は20に記載のクリーニング方法。
  22. 前記ルツボ内に原料を追加チャージした後、前記クリーニング工程を行う、請求項17乃至21のいずれか一項に記載のクリーニング方法。
  23. 単結晶を引き上げるための引き上げ軸の下端に接続されたチャージ管を用いて前記原料を追加チャージした後、前記チャージ管から前記ダミーインゴットに付け替えて前記クリーニング工程を行う、請求項22に記載のクリーニング方法。
  24. 前記ルツボは石英からなり、
    前記ダミーインゴットは、シリコン、石英、カーボン、炭化ケイ素及びモリブデンから選ばれた少なくとも一つの材料からなる、請求項17乃至23のいずれか一項に記載のクリーニング方法。
  25. 前記ダミーインゴットは中空構造を有する、請求項17乃至24のいずれか一項に記載のクリーニング方法。
  26. 単結晶の引き上げに用いるルツボを模したダミールツボと、
    前記ルツボ内の原料融液の液面を模したダミー液面と、
    前記原料融液の液面から上方に引き上げ途中の単結晶インゴットを模した第1のダミーインゴットとを備えることを特徴とする単結晶引き上げ装置のクリーニング用具。
  27. 単結晶インゴットを模した第2のダミーインゴットをさらに備え、
    前記第1のダミーインゴットの上端部は円錐形状の凸部を有し、
    前記第2のダミーインゴットの下端部は前記第1のダミーインゴットの前記上端部に嵌合可能な円錐形状の凹部を有する、請求項26に記載のクリーニング用具。
  28. 単結晶インゴットを模したダミーインゴットからなり、
    前記ダミーインゴットの下端部は円錐形状の凹部を有することを特徴とするシリコン単結晶引き上げ装置のクリーニング用具。
  29. 単結晶引き上げ装置のチャンバー及び前記チャンバー内の部品を解体清掃する工程と、
    前記解体清掃後、請求項1乃至25のいずれか一項に記載のクリーニング方法で前記単結晶引き上げ装置の仕上げクリーニングを実施する工程と、
    前記仕上げクリーニングの完了後、前記単結晶引き上げ装置を用いて単結晶を引き上げる工程とを備えることを特徴とする単結晶の製造方法。
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