JP5169814B2 - シリコン単結晶の育成方法及びその方法で育成されたシリコン単結晶 - Google Patents

シリコン単結晶の育成方法及びその方法で育成されたシリコン単結晶 Download PDF

Info

Publication number
JP5169814B2
JP5169814B2 JP2008333290A JP2008333290A JP5169814B2 JP 5169814 B2 JP5169814 B2 JP 5169814B2 JP 2008333290 A JP2008333290 A JP 2008333290A JP 2008333290 A JP2008333290 A JP 2008333290A JP 5169814 B2 JP5169814 B2 JP 5169814B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
silicon single
gap
growing
silicon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008333290A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010155726A (ja
Inventor
純 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumco Corp
Original Assignee
Sumco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumco Corp filed Critical Sumco Corp
Priority to JP2008333290A priority Critical patent/JP5169814B2/ja
Publication of JP2010155726A publication Critical patent/JP2010155726A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5169814B2 publication Critical patent/JP5169814B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、CZ法という。)によりグローイン欠陥(Grown-in欠陥)の無いシリコン単結晶を育成する方法と、その方法で育成されたシリコン単結晶に関するものである。
近年の半導体デバイスの高集積化に伴い、デザインルールがより微細化され、材料であるシリコンウェーハ上の微細な欠陥がデバイス収率に大きな影響を及ぼしている。そこで引上げた単結晶をその軸に直交する面でスライスしてウェーハを作製したときに、このウェーハの全面にわたってグローイン欠陥の無いウェーハを製造する必要がある。このため単結晶の引上げ時における固液界面近傍の軸方向の温度勾配をG(℃/mm)とし、その引上げ速度をV(mm/分)とするとき、V/Gが一定になるように引上げ速度を全長にわたって設定し、この設定された引上げ速度になるように制御することが重要になってくる。またグローイン欠陥の無いシリコン単結晶であると同時に、単結晶内に所定濃度の酸素を含有するという仕様を満たす必要もある。
一方、CZ法によりチャンバ内で原料融液から引上げて単結晶を育成する際に、単結晶の直胴部を成長させるときの引上げ速度をV(mm/分)で表し、固液界面近傍の引上げ軸方向の結晶温度勾配をG(℃/mm)で表したとき、原料融液の融液面とチャンバ内で原料融液面に対向配置された遮蔽部材との距離を変更することにより結晶温度勾配Gを制御して、所望の欠陥領域を有する単結晶を育成できるようにV/Gを制御する単結晶の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この単結晶の製造方法では、CZ法により単結晶を育成する際に、原料融液面と遮熱部材間の距離を変更することによって、結晶温度勾配Gを制御できるので、引上げ速度Vを低速化させずにV/Gを制御することが可能となり、所望の欠陥領域を有する単結晶を短時間で効率的に製造できる。また、このように単結晶を効率的に製造できれば、単結晶の製造における生産性を向上させて、製造コストを低減できる。更にこのように融液面と遮熱部材間の距離を変更することにより、V/Gを制御すれば、V/Gの制御を高精度で行うと同時に引上げ速度による単結晶の直径制御も高精度に安定して行うことができるので、所望の結晶品質及び結晶直径を有する高品質の単結晶を高い歩留まりで安定して製造できる。
特開特開2005−15290号公報(請求項1、段落[0016])
しかし、上記従来の特許文献1に示された単結晶の製造方法では、この特許文献1の図2に示すように、単結晶直胴部の前半の引上げ時に、融液面と遮蔽部材との距離を次第に小さくした後に次第に大きくし、単結晶直胴部の後半の引上げ時に、融液面と遮蔽部材との距離を次第に小さくすることにより、結晶温度勾配Gを制御して、引上げ速度Vを低速化させずにV/Gを制御しているけれども、融液面と遮蔽部材との距離を上記のように変化させると、単結晶中の酸素濃度が引上げ方向の位置によって大きく変わってしまい、引上げ方向に均一な酸素濃度を有する単結晶を得られない問題点があった。
本発明の目的は、シリコン単結晶の全長にわたって均一で最適な酸素濃度に制御できるとともに、グローイン欠陥の無いシリコン単結晶を育成できる、シリコン単結晶の育成方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、全長にわたって均一で最適な酸素濃度分布であって、しかもグローイン欠陥の無いシリコン単結晶を提供することにある。
シリコン単結晶内の酸素濃度の制御に関しては、様々な制御因子が存在する。例えば、シリコン単結晶の回転速度、るつぼの回転速度、チャンバ内の不活性ガス(アルゴンガス等)の流量、チャンバ内の圧力、チャンバ内のシリコン融液の位置などが挙げられる。しかし、グローイン欠陥の無いシリコン単結晶を引上げるための条件が限られることから、酸素濃度の制御には限界があった。そのため、シリコン単結晶中の酸素濃度を制御しつつ、グローイン欠陥の無いシリコン単結晶を育成するためにシリコン単結晶の引上げ部位によって、最適なギャップに変更しながら育成することで、酸素濃度についても最適化したグローイン欠陥の無いシリコン単結晶を育成できるという本発明をなすに至った。
請求項1に係る発明は、チャンバに収容されたるつぼにシリコン融液を貯留し、このシリコン融液に種結晶を浸漬して引上げることによりシリコン単結晶を成長させ、更にシリコン融液表面より上方に設けられた熱遮蔽体が成長中のシリコン単結晶外周面を包囲してヒータによるシリコン単結晶外周面への輻射熱の照射を遮るシリコン単結晶の育成方法の改良である。その特徴ある構成は、シリコン単結晶のトップ部の育成時におけるシリコン融液表面と熱遮蔽体下端とのギャップを25〜60mmに調整し、シリコン単結晶のボトム部の育成時におけるギャップをシリコン単結晶のトップ部の育成時におけるギャップより10〜55mmだけ大きい40〜80mmに調整し、シリコン単結晶のトップ部の育成時にギャップを流れる不活性ガスの流速を1.0〜4.3mm/秒に調整し、シリコン単結晶のボトム部の育成時にギャップを流れる不活性ガスの流速をシリコン単結晶のトップ部の育成時にギャップを流れる不活性ガスの流速より0.7〜4.3mm/秒だけ遅い0.3〜1.7mm/秒に調整し、シリコン単結晶のトップ部の育成時におけるチャンバ内の圧力を2500〜4500Paに調整し、シリコン単結晶のボトム部の育成時におけるチャンバ内の圧力をシリコン単結晶のトップ部の育成時におけるチャンバ内の圧力より1500〜4500Paだけ高い4000〜7000Paに調整し、シリコ単結晶の引上げ速度を0.3〜5.0mm/分に調整し、シリコン単結晶中のトップ部とボトム部との酸素濃度の差を±1.0ppma以下とするところにある。
請求項に係る発明は、請求項1に係る方法で育成されトップ部とボトム部との酸素濃度の差が±1.0ppma以下であるシリコン単結晶である。
請求項1に係る発明では、トップ部育成時のギャップを25〜60mmに調整し、ボトム部育成時のギャップをトップ部育成時のギャップより大きい40〜80mmに調整し、シリコン単結晶中のトップ部とボトム部との酸素濃度の差を±1.0ppma以下としたので、シリコン単結晶の直胴部のうち酸素濃度の差が±1.0ppmaである部分が80%以上に高めることができる。この結果、シリコン単結晶の全長にわたって均一で最適な酸素濃度に制御できるとともに、グローイン欠陥の無いシリコン単結晶を育成できる。
また、請求項に係る発明では、トップ部育成時のギャップを流れる不活性ガスの流速を1.0〜4.3mm/秒に調整し、ボトム部育成時のギャップを流れる不活性ガスの流速をトップ部育成時のギャップを流れる不活性ガスの流速より遅い0.3〜1.7mm/秒に調整したので、更にシリコン単結晶の全長にわたって酸素濃度分布を均一にすることができるという効果が得られる。
更に、請求項に係る発明では、トップ部育成時のチャンバ内圧力を2500〜4500Paに調整し、ボトム部育成時のチャンバ内圧力をトップ部育成時のチャンバ内圧力より高い4000〜7000Paに調整したので、更にシリコン単結晶の全長にわたって酸素濃度分布を均一にすることができるという効果が得られる。
請求項に係る発明では、シリコン単結晶のトップ部とボトム部との酸素濃度の差が±1.0ppma以下であるので、シリコン単結晶の直胴部のうち酸素濃度の差が±1.0ppmaである部分が80%以上に高めることができる。この結果、シリコン単結晶の全長にわたって均一で最適な酸素濃度分布であって、しかもグローイン欠陥の無いシリコン単結晶を得ることができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、シリコン単結晶11を育成する装置は、内部を真空可能に構成されたメインチャンバ12と、このチャンバ12内の中央に設けられたるつぼ13とを備える。メインチャンバ12は円筒状の真空容器である。またるつぼ13は、石英により形成されシリコン融液15が貯留される有底円筒状の内層容器13aと、黒鉛により形成され上記内層容器13aの外側に嵌合された有底円筒状の外層容器13bとからなる。外層容器13bの底部にはシャフト14の上端が接続され、このシャフト14の下端にはシャフト14を介してるつぼ13を回転させかつ昇降させるるつぼ駆動手段16が設けられる。更にるつぼ13の外周面は円筒状のヒータ17によりるつぼ13の外周面から所定の間隔をあけて包囲され、このヒータ17の外周面は円筒状の保温筒18によりヒータ17の外周面から所定の間隔をあけて包囲される。
一方、メインチャンバ12の上端には、内部が連通するようにメインチャンバ12より小径の円筒状のプルチャンバ19が接続される。またメインチャンバ12にはプルチャンバ19を通して引上げ軸21が回転可能かつ昇降可能に垂設され、この引上げ紬21の下端には種結晶22がシードチャック23に着脱可能に装着される。この種結晶22の下端をシリコン融液15中に浸漬した後、種結晶22及びるつぼ13をそれぞれ回転させかつ上昇させることにより、種結晶22の下端からシリコン単結晶11を引上げて成長させるように構成される。
メインチャンバ12内にはアルゴンガスのみからなる不活性ガスが流通するように構成される。不活性ガスはプルチャンバ19の側壁に接続されたガス供給パイプ26を通ってプルチャンバ19内に導入され、メインチャンバ12の下壁に接続されたガス排出パイプ27を通ってメインチャンバ12外に排出されるように構成される。ガス供給パイプ26には第1流量調整弁26aが設けられ、ガス排出パイプ27には第2流量調整弁27aが設けられる。またメインチャンバ12内には、シリコン単結晶11外周面へのヒータ17の輻射熱の照射を遮るとともに、上記不活性ガスを整流するための熱遮蔽体28が設けられる。この熱遮蔽体28は、下方に向うに従って直径が次第に小さくなりかつシリコン融液15から引上げられるシリコン単結晶11の外周面をこの外周面から所定の間隔をあけて包囲する円錐台状の筒体28aと、この筒体28aの上縁に連設され外方に略水平方向に張り出すフランジ部28bとを有する。筒部28aとフランジ部28bの各内部には断熱材が設けられ、その周囲はカーボンで被覆される。また熱遮蔽体28は、フランジ部28bを保温筒18上にリング板28cを介して載置することにより、筒体28aの下縁がシリコン融液15表面から所定のギャップGPをあけて上方に位置するようにメインチャンバ12内に固定される。上記第1及び第2流量調整弁26a,27aを調整することにより、チャンバ(メインチャンバ12及びプルチャンバ19)内の圧力と、シリコン融液15表面と熱遮蔽体28の下端とのギャップGPを流れる不活性ガスの流速を調整できるようになっている。
このように構成された装置を用いてシリコン単結晶11を育成する方法を説明する。先ずチャンバ(メインチャンバ12及びプルチャンバ19)内を減圧した後、チャンバ内に不活性ガス(アルゴンガス)を導入して、チャンバ内の圧力、即ちシリコン単結晶11の後述するトップ部の育成時におけるチャンバ内の圧力を2500〜4500Pa、好ましくは2500〜4000Paに減圧した不活性ガス雰囲気とし、るつぼ13内の結晶用原料をヒータ17により溶解した。次いで引上げ軸21をシャフト14の軸線と同一軸線上であってシャフト14の回転方向とは逆方向に所定の速度で回転させながら、シードチャック23に取付けられた種結晶22を下降させてその先端部をシリコン融液15表面の直上に位置させる。この状態でシリコン融液15表面と熱遮蔽体28下端とのギャップGP、即ちシリコン単結晶11の後述するトップ部の育成時におけるシリコン融液15表面と熱遮蔽体28下端とのギャップGPが25〜60mm、好ましくは25〜50mmになるようにるつぼ13をるつぼ駆動手段16により下降させた後に、このギャップGPを流れる不活性ガスの流速、即ちシリコン単結晶11の後述するトップ部の育成時にギャップを流れる不活性ガスの流速を1.0〜4.3mm/秒、好ましくは2.0〜4.3mm/秒に設定する。上記ギャップGPを流れる不活性ガスの流速は熱遮蔽部材28の筒体28a下端のうち内周部分で測定した値である。
なお、育成されたシリコン単結晶11はトップ部とミドル部とボトム部とを有する。引上げられたシリコン単結晶11の直胴部の長さを100%とするとき、シリコン単結晶11のトップ部とは、種結晶22をシリコン融液15から引上げて直径が次第に大きくなる円錐部と、円錐部に連続する直胴部の引上げ開始時から直胴部の0%引上げ時から33.3%引上げ時までの間のアッパ直胴部とからなる部分をいい、ボトム部とは、直胴部の66.7%引上げ時から直胴部の100%引上げ時までの間のロア直胴部と、このロア直胴部に連続し直径が次第に小さくなる逆円錐部とからなる部分をいう。またミドル部とは、アッパ直胴部とロア直胴部との間の直胴部をいう。
ここで、シリコン単結晶11のトップ部の育成時におけるチャンバ内の圧力を2500〜4500Paの範囲に限定したのは、2500Pa未満では通常用いられる真空能力の真空ポンプで達成できず、4500Paを超えるとシリコン単結晶11内の酸素濃度が高くなるからである。またシリコン単結晶11のトップ部の育成時のギャップGPを25〜80mmの範囲に限定したのは、25mm未満では熱遮蔽体28がシリコン融液15表面に近すぎることからギャップGP設定時に熱遮蔽体28下端がシリコン融液15に接触するおそれがあり、80mmを超えると固液界面近傍のシリコン単結晶11の軸方向の温度勾配が低下してしまうからである。更にシリコン単結晶11のトップ部の育成時にギャップGPを流れる不活性ガスの流速を1.0〜4.3mm/秒の範囲に限定したのは、1.0mm/秒未満ではシリコン単結晶11内の酸素濃度が高くなり、4.3mm/秒を超えると流速が速すぎてシリコン単結晶11が有転位化し易いからである。
この状態でるつぼ13を所定の回転速度で回転させ、種結晶22をるつぼ13とは逆方向に所定の回転速度で回転させながら、シリコン融液15に浸した種結晶22を引上げることにより、シリコン単結晶11をシリコン融液15から育成し、ネック部を介して円錐部及びアッパ直胴部を育成する。このときのシリコン単結晶11の引上げ速度は0.3〜5.0mm/分、好ましくは0.3〜2.0mm/分に設定される。ここで、シリコン単結晶11の引上げ速度を0.3〜5.0mm/分の範囲に限定したのは、0.3mm/分未満では引上げ速度が低すぎてシリコン単結晶11の生産性が悪くなり、5.0mm/分を超えると引上げ速度が速すぎてシリコン単結晶11が有転位化し易いからである。
次にシリコン単結晶11のミドル部を育成しているときに、上記ギャップGPを徐々に大きくして40〜80mm、好ましくは40〜70mmに調整し、ギャップGPを流れる不活性ガスの流速を徐々に遅くして0.3〜1.7mm/秒、好ましくは0.3〜1.5mm/秒に調整し、更にチャンバ内圧力を徐々に高くして4000〜7000Pa、好ましくは4000〜6500Paに調整し、上記変更されたギャップGP、不活性ガスの流速及びチャンバ内圧力でシリコン単結晶11のボトム部(ロア直胴部及び逆円錐部)を育成する。これにより、シリコン単結晶11のボトム部の育成時におけるギャップGPは、シリコン単結晶11のトップ部の育成時におけるギャップGPより、10〜55mm、好ましくは10〜40mmだけ大きくなる。またシリコン単結晶11のボトム部の育成時においてギャップGPを流れる不活性ガスの流速は、シリコン単結晶11のトップ部の育成時においてギャップGPを流れる不活性ガスの流速より、0.7〜4.3mm/秒、好ましくは0.7〜4.0mm/秒だけ遅くなる。更にシリコン単結晶11のボトム部の育成時におけるチャンバ内圧力は、シリコン単結晶11のトップ部の育成時におけるチャンバ内圧力より、1500〜4500Pa、好ましくは1500〜4000Paだけ高くなる。ここで、シリコン単結晶11のボトム部の育成時のギャップGPを40〜80mmの範囲に限定したのは、40mm未満では不活性ガスの流速の制御範囲が狭くなって不活性ガスの流速を遅くすることができず、80mmを超えると固液界面近傍の単結晶11の軸方向の温度勾配が小さくなり過ぎてしまうからである。またシリコン単結晶11のボトム部の育成時においてギャップGPを流れる不活性ガスの流速を0.3〜1.7mm/秒の範囲に限定したのは、0.3mm/秒未満では不活性ガスの流量が少な過ぎてシリコン融液15からのベーパー(蒸気)が舞い上がるおそれがあり、1.7mm/秒を超えるとシリコン単結晶11内の酸素濃度を均一にすることに不利になるからである。更にシリコン単結晶11のボトム部の育成時におけるチャンバ内の圧力を4000〜7000Paの範囲に限定したのは、4000Pa未満ではシリコン単結晶11のトップ部の酸素濃度より低くなってしまい、7000Paを超えるとシリコン単結晶11内の酸素濃度が高くなるからである。なお、上記ギャップGPの変更速度は0.01〜0.1mm/分であり、シリコン単結晶11の引上げ長によりギャップGPが設定される。
このように育成されたシリコン単結晶11では、シリコン単結晶11中のトップ部とボトム部との酸素濃度の差を±1.0ppma以下となるので、シリコン単結晶11の直胴部のうち酸素濃度の差が±1.0ppmaである部分が80%以上に高めることができる。この結果、シリコン単結晶11の全長にわたって均一で最適な酸素濃度に制御できるとともに、グローイン欠陥の無いシリコン単結晶11を育成できる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
コンピュータを用いた伝熱解析シミュレーションにより、直径200mmのシリコン単結晶を図1に示す育成装置を用いて育成した。具体的には、先ずチャンバ(メインチャンバ12及びプルチャンバ19)内を減圧した後、アルゴンガス(不活性ガス)を導入してチャンバ内を2600Paに減圧した不活性ガス雰囲気とし、るつぼ13内の結晶用原料をヒータ17により溶解した。次いでるつぼ13を10rpmの速度で回転させ、引上げ軸21をるつぼ13の回転方向とは逆方向に10rpmの速度で回転させながら、シードチャック23に取付けられた種結晶22を下降させてその先端部をシリコン融液15表面の直上に位置させた。この状態でシリコン融液15と熱遮蔽体28下端とのギャップGPが50mmになるようにるつぼ13をるつぼ駆動手段16により下降させた後に、ギャップGPを流れる不活性ガスの流速が1.3mm/秒となるように第1及び第2流量調整弁26a,27aを調整した。この状態でシリコン融液15表面に種結晶22を浸漬してシリコン単結晶11のネック部を介してトップ部(円錐部及びアッパ直胴部)を成長させた。次にシリコン単結晶11のミドル部を育成しているときに、上記ギャップGPを徐々に大きくして70mmに調整し、ギャップGPを流れる不活性ガスの流速を徐々に遅くして0.5mm/秒に調整し、更にチャンバ内圧力を徐々に高くして7000Paに調整し、上記変更されたギャップGP、不活性ガスの流速及びチャンバ内圧力でシリコン単結晶11のボトム部(ロア直胴部及び逆円錐部)を育成した。これにより、シリコン単結晶11のボトム部の育成時における、ギャップGPは20mmだけ大きくなり、ギャップGPを流れる不活性ガスの流速は0.8mm/秒だけ遅くなり、チャンバ内圧力は4400Paだけ高くなった。また上記ギャップGPの変更速度は0.1mm/分であった。なお、シリコン単結晶11の引上げ長の変化に対するギャップGP、不活性ガスの流速及びチャンバ内圧力の変化を図2(a)〜(c)に示す。
<比較例1>
シリコン単結晶のミドル部の育成時に、上記実施例1のようなギャップ、不活性ガスの流速、及びチャンバ内圧力の変更を行わずに、ボトム部(ロア直胴部及び逆円錐部)を育成したこと以外は、実施例1と同様にシリコン単結晶を育成した。
<比較例2>
シリコン単結晶のミドル部の育成時に、上記実施例1のようなギャップ及び不活性ガスの流速の変更を行わなかったけれども、チャンバ内圧力のみを7000Paまで高くする変更を行って、ボトム部(ロア直胴部及び逆円錐部)を育成したこと以外は、実施例1と同様にシリコン単結晶を育成した。
<比較例3>
シリコン単結晶を育成する前に、ギャップを50mm(実施例1のトップ部育成時と同一のギャップ)に設定し、不活性ガスの流速を0.5mm/秒(実施例1のボトム部育成時と同一の流速)に設定し、チャンバ内圧力を7000Pa(実施例1のボトム部育成時と同一の圧力)に設定して、シリコン単結晶のトップ部、ミドル部及びボトム部を育成したこと以外は、実施例1と同様にシリコン単結晶を育成した。
<比較例4>
シリコン単結晶を育成する前に、ギャップを70mm(実施例1のボトム部育成時と同一のギャップ)に設定し、不活性ガスの流速を0.5mm/秒(実施例1のボトム部育成時と同一の流速)に設定し、チャンバ内圧力を7000Pa(実施例1のボトム部育成時と同一の圧力)に設定して、シリコン単結晶のトップ部、ミドル部及びボトム部を育成したこと以外は、実施例1と同様にシリコン単結晶を育成した。
<比較試験1及び評価>
実施例1及び比較例1〜4のシリコン単結晶の引上げ長の変化に対する引上げ速度の変化と、シリコン単結晶の引上げ長の変化に対するシリコン単結晶の引上げ方向及び半径方向にわたってグローイン欠陥の無い領域とするためのインゴットの引上げ速度の幅(無欠陥マージン)の変化と、シリコン単結晶の引上げ長の変化に対するシリコン単結晶中の酸素濃度の変化を測定した。その結果を図3〜図7に示す。
比較例1では、引上げ速度は0.7mm/分と比較的速く無欠陥マージンも広く確保できたけれども、シリコン単結晶中の酸素濃度は13ppmaから8ppmaまで次第に低下し(図4)、比較例2では、シリコン単結晶中の酸素濃度は13〜10ppmaと全長にわたってほぼ一定になったけれども、ボトム部の育成時に引上げ速度は0.7mm/分から0.65mm/分へと次第に遅くなり無欠陥マージンは次第に小さくなった(図5)。また比較例3では、引上げ速度が0.65mm/分と比較的遅く無欠陥マージンも狭く、更にシリコン単結晶中の酸素濃度もシリコン単結晶の引上げ方向にバラツキが生じ(図6)、比較例4では、引上げ速度は0.7mm/分と比較的速く無欠陥マージンも広く確保できたけれども、シリコン単結晶中の酸素濃度はシリコン単結晶の引上げ方向にバラツキが生じた(図7)。これらに対し、実施例1では、引上げ速度は0.7mm/分と比較的速く無欠陥マージンも広く確保でき、更にシリコン単結晶中の酸素濃度は12〜10ppmaと全長にわたってほぼ一定になった(図3)。
本発明実施形態のシリコン単結晶を育成する装置の縦断面構成図である。 (a)は実施例1のシリコン単結晶の引上げ長に対するギャップの変化を示す図であり、(b)は実施例1のシリコン単結晶の引上げ長の変化に対するアルゴンガス流量の変化を示す図であり、(c)は実施例1のシリコン単結晶の引上げ長の変化に対するチャンバ内圧力の変化を示す図である。 (a)は実施例1のシリコン単結晶の引上げ長に対する引上げ速度の変化を示す図であり、(b)は実施例1のシリコン単結晶の引上げ長の変化に対するシリコン単結晶中の酸素濃度の変化を示す図である。 (a)は比較例1のシリコン単結晶の引上げ長に対する引上げ速度の変化を示す図であり、(b)は比較例1のシリコン単結晶の引上げ長の変化に対するシリコン単結晶中の酸素濃度の変化を示す図である。 (a)は比較例2のシリコン単結晶の引上げ長に対する引上げ速度の変化を示す図であり、(b)は比較例2のシリコン単結晶の引上げ長の変化に対するシリコン単結晶中の酸素濃度の変化を示す図である。 (a)は比較例3のシリコン単結晶の引上げ長に対する引上げ速度の変化を示す図であり、(b)は比較例3のシリコン単結晶の引上げ長の変化に対するシリコン単結晶中の酸素濃度の変化を示す図である。 (a)は比較例4のシリコン単結晶の引上げ長に対する引上げ速度の変化を示す図であり、(b)は比較例4のシリコン単結晶の引上げ長の変化に対するシリコン単結晶中の酸素濃度の変化を示す図である。
符号の説明
11 シリコン単結晶
12 メインチャンバ(チャンバ)
13 るつぼ
15 シリコン融液
17 ヒータ
19 プルチャンバ(チャンバ)
22 種結晶
28 熱遮蔽体
GP ギャップ

Claims (2)

  1. チャンバに収容されたるつぼにシリコン融液を貯留し、このシリコン融液に種結晶を浸漬して引上げることによりシリコン単結晶を成長させ、更に前記シリコン融液表面より上方に設けられた熱遮蔽体が前記成長中のシリコン単結晶外周面を包囲してヒータによる前記シリコン単結晶外周面への輻射熱の照射を遮るシリコン単結晶の育成方法において、
    前記シリコン単結晶のトップ部の育成時における前記シリコン融液表面と前記熱遮蔽体下端とのギャップを25〜60mmに調整し、前記シリコン単結晶のボトム部の育成時における前記ギャップを前記シリコン単結晶のトップ部の育成時における前記ギャップより10〜55mmだけ大きい40〜80mmに調整し、
    前記シリコン単結晶のトップ部の育成時に前記ギャップを流れる不活性ガスの流速を1.0〜4.3mm/秒に調整し、前記シリコン単結晶のボトム部の育成時に前記ギャップを流れる不活性ガスの流速を前記シリコン単結晶のトップ部の育成時に前記ギャップを流れる不活性ガスの流速より0.7〜4.3mm/秒だけ遅い0.3〜1.7mm/秒に調整し、
    前記シリコン単結晶のトップ部の育成時における前記チャンバ内の圧力を2500〜4500Paに調整し、前記シリコン単結晶のボトム部の育成時における前記チャンバ内の圧力を前記シリコン単結晶のトップ部の育成時における前記チャンバ内の圧力より1500〜4500Paだけ高い4000〜7000Paに調整し、
    前記シリコン単結晶の引上げ速度を0.3〜5.0mm/分に調整し、
    前記シリコン単結晶中の前記トップ部と前記ボトム部との酸素濃度の差を±1.0ppma以下とする
    ことを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
  2. 請求項1に係る方法で育成されトップ部とボトム部との酸素濃度の差が±1.0ppma以下であるシリコン単結晶。
JP2008333290A 2008-12-26 2008-12-26 シリコン単結晶の育成方法及びその方法で育成されたシリコン単結晶 Active JP5169814B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008333290A JP5169814B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 シリコン単結晶の育成方法及びその方法で育成されたシリコン単結晶

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008333290A JP5169814B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 シリコン単結晶の育成方法及びその方法で育成されたシリコン単結晶

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010155726A JP2010155726A (ja) 2010-07-15
JP5169814B2 true JP5169814B2 (ja) 2013-03-27

Family

ID=42573941

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008333290A Active JP5169814B2 (ja) 2008-12-26 2008-12-26 シリコン単結晶の育成方法及びその方法で育成されたシリコン単結晶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5169814B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011184213A (ja) * 2010-03-04 2011-09-22 Covalent Materials Corp シリコン単結晶の製造方法
KR101343505B1 (ko) * 2011-09-16 2013-12-20 주식회사 엘지실트론 단결정 잉곳 제조 방법 및 장치
JP5974974B2 (ja) * 2013-05-23 2016-08-23 信越半導体株式会社 シリコン単結晶の製造方法
KR102461073B1 (ko) * 2018-08-23 2022-10-28 가부시키가이샤 사무코 실리콘 단결정의 육성 방법
US11618971B2 (en) * 2020-09-29 2023-04-04 Sumco Corporation Method and apparatus for manufacturing defect-free monocrystalline silicon crystal
KR102603323B1 (ko) * 2021-10-19 2023-11-17 한국전자기술연구원 그래핀 제조 방법 및 이에 의하여 제조된 그래핀

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3085568B2 (ja) * 1993-11-01 2000-09-11 コマツ電子金属株式会社 シリコン単結晶の製造装置および製造方法
JPH09132496A (ja) * 1995-11-07 1997-05-20 Mitsubishi Materials Corp シリコン単結晶中の酸素濃度の調整方法及びその装置
KR100735902B1 (ko) * 2000-02-28 2007-07-04 신에쯔 한도타이 가부시키가이샤 실리콘 단결정의 제조방법 및 실리콘 단결정

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010155726A (ja) 2010-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6606638B2 (ja) Fe−Ga基合金単結晶の育成方法及び育成装置
JP5169814B2 (ja) シリコン単結晶の育成方法及びその方法で育成されたシリコン単結晶
JP5413354B2 (ja) シリコン単結晶引き上げ装置及びシリコン単結晶の製造方法
CN108779577B (zh) 单晶硅的制造方法
JP5240191B2 (ja) シリコン単結晶引上装置
JP6118425B2 (ja) 単結晶インゴット製造装置及び方法
JP5482643B2 (ja) 炭化珪素単結晶インゴットの製造装置
US20180187330A1 (en) Method for producing silicon single crystals
CN101040068A (zh) 单结晶制造装置
KR101563221B1 (ko) 단결정 제조장치 및 단결정의 제조방법
KR20100056640A (ko) 단결정 성장장치
JP4457584B2 (ja) 単結晶の製造方法及び単結晶
US20090293802A1 (en) Method of growing silicon single crystals
JP2011079693A (ja) 半導体単結晶の製造装置
JP2009001489A (ja) 単結晶の製造装置及び製造方法
JP2011184227A (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP6485286B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP4314974B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶
JP6597857B1 (ja) 熱遮蔽部材、単結晶引き上げ装置及び単結晶の製造方法
JPH09202686A (ja) 単結晶の製造装置および製造方法
JP2006151745A (ja) 単結晶の製造方法及びそれらを用いた酸化物単結晶
JP6777739B2 (ja) 単結晶インゴット成長装置
JP2007284323A (ja) 半導体単結晶の製造装置及び製造方法
JP2003221296A (ja) 単結晶の製造装置及び製造方法
JP2006290641A (ja) 化合物単結晶の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5169814

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250