JP2011184227A - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコン単結晶育成時に、大量の不活性ガスを使用することなく、テール部の有転位化を防止する方法を提供する。
【解決手段】チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法において、テール部育成工程における引き上げ装置の炉内圧を直胴部育成工程終了時の0.5から0.8倍の範囲に下げてシリコン単結晶の引き上げを行う。これにより、不活性ガスの流量を増やさなくても、SiOガスの滞留防止に必要十分な不活性ガスの流速が得られる。更に前記テール部育成工程において、不活性ガスの流量を、直胴部育成終了時の1.0から1.5倍の範囲に増やすことにより、炉内圧を下げることとの相乗効果で、必要最低限の不活性ガス流量でテール育成中のSiOガスの滞留を十分に防止することが可能となる。
【選択図】なし

Description

本発明はシリコン単結晶の製造方法に関し、さらに詳しくは、シリコン単結晶引き上げ中のテール部育成工程での有転位化を防止し、テール部の有転位化に起因する直胴部へのスリップバックを防止し、単結晶歩留まりと生産性を向上させることができるシリコン単結晶の製造方法に関するものである。
半導体基板に用いられるシリコン単結晶を製造する方法には種々の方法があるが、そのなかでも回転引き上げ法として広く採用されているものにチョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)がある。
図1は、CZ法によるシリコン単結晶の引き上げ方法を実施するのに適した引き上げ装置の要部構成を模式的に示す図である。
前記引き上げ装置は、メインチャンバー9aとそれに連通するプルチャンバー9bで構成され、プルチャンバーにはガス供給バルブ13に連通する不活性ガスの給気口12が設けられ、メインチャンバーの底部には真空ポンプとつながった排気口14が設けられ、その間に引き上げ装置のメインチャンバー及びプルチャンバー内の圧力(以下、「炉内圧」という)を制御する為のバルブユニット15が設けられている。
そして、前記メインチャンバーの中心部にはルツボ1が配設されている。このルツボは二重構造であり、有底円筒状をなす石英製の内層保持容器(以下、単に「石英ルツボ」1aという)と、その石英ルツボの外側を保持すべく適合された同じく有底円筒状の黒鉛製の外層保持容器(以下、単に「黒鉛ルツボ」1bという)とから構成されている。
これらのルツボは、回転及び昇降が可能になるように支持軸6の上端部に固定されている。そして、ルツボの外側には抵抗加熱式ヒーター2が概ね同心円状に配設されており、前記ルツボ内に投入された所定重量のシリコン原料を溶融し、溶融液3が形成される。
溶融液を充填した前記ルツボの中心軸上には、支持軸と同一軸上で逆方向又は同方向に所定の速度で回転する引き上げワイヤー(又は引き上げシャフト、以下両者を合わせて「引き上げ軸」5という)が配設されており、引き上げ軸の下端には種結晶7が保持されている。
このような引き上げ装置にあっては、給気口12より不活性ガスを供給しながら真空ポンプ16により炉内圧を減圧とした雰囲気中で、石英ルツボ1a内に投入したシリコン原料をルツボの周囲に配設したヒーター2にて溶融した後、形成された溶融液3の表面に引き上げ軸5の下端に保持された種結晶7を浸漬し、ルツボ1及び引き上げ軸5を回転させつつ、引き上げ軸を上方に引き上げて種結晶の下端面に単結晶4を育成させる。
このように不活性ガスを引き上げ装置の炉内へ導入したり、引き上げ装置の炉内圧を減圧とする目的は、溶融液から蒸発するSiOガスが単結晶の表面に付着すると単結晶を有転位化させる原因となるので、SiOガスが炉内、特には単結晶の表面に滞留しないようにする為である。
前記単結晶育成中に給気口12から導入された不活性ガスは、育成されたシリコン単結晶4の周囲とパージチューブ10の間から溶融液の融液表面に沿い石英ルツボ1とカラー11の間を抜け、ヒーター2と保温筒8aの間を通り排気口14から真空ポンプ16を介して引き上げ装置の炉外へと排出される。
また、前記単結晶育成中の炉内圧は図示しない圧力センサーによって常時計測され、予めレシピによって設定された炉内圧で一定となるようバルブユニット15を制御している。
CZ法では、種結晶7に元から含まれる転位や、着液時の熱ショックで導入される転位を除去する為に、種結晶の下端面に育成する結晶を直径3mm程度まで細く絞るネック工程を経て、所定の直径を有する直胴部(定径部)にする為のコーン形状の拡径部を育成した後、所定の直径でシリコン単結晶の直胴部を育成させる。
この間、石英ルツボを種結晶と同方向又は逆方向に回転させる。
そして、単結晶の直胴部が目標の長さに達すると終端部である逆円錐形状のテール部の育成を行い、単結晶の育成を終了する。
テール部育成の目的は、単結晶を溶融液から切り離した時に発生する熱ショックで導入される転位が、単結晶の直胴部にまで到達することを防止する為である。
しかし、テール部育成時は単結晶の直径が縮径していく為、単結晶4とパージチューブ10との間隔が拡大していき、不活性ガスが流れる面積が大きくなっていく。その為、テール部の育成が進むにつれて単結晶とパージチューブ間を流れる不活性ガスの流速が低下する。
その結果、単結晶表面へのSiOガスの滞留防止効果が弱まってしまう為、SiOガスがテール表面に付着しテールが有転位化し、その転位が直胴部にまで達してしまうことがしばしばあり、シリコン単結晶の歩留と生産性を低下させていた。
この解決策として、例えば特許文献1では、シリコン単結晶のテール部育成中にテールの重量を重量検出装置で検出して直径に換算し、その直径に応じて引き上げ装置炉内への不活性ガスの流入量を増加させる方法が開示されている。
しかしこの方法では、テール部育成の最後まで充分な単結晶表面へのSiOガスの滞留防止効果を保つには、大量の不活性ガスが必要となり、シリコン単結晶の製造コストが高くなってしまうという問題があった。
特に近年の直径300mmなどの大口径の結晶引き上げ時においては、直胴部育成終了時とテール部育成終了直前では、単結晶とパージチューブの間の不活性ガスが流れる面積の差が大きく、テール部育成終了直前の不活性ガスの流速を直胴部育成時の不活性ガスの流速と同等にするのには、非常に大量の不活性ガスが必要になってしまうという問題がある。
また、テール部育成中の直径を測定しながら、その直径に応じて不活性ガスの流入量を制御するには、引き上げ装置に別途上記のようなテール部の重量検出装置が必要となる為、装置コストが高くなるという問題がある。
特許第3670504号
本発明は、上述したテール部育成中のテール部の有転位化を防止する方法の問題点に鑑みてなされたものであり、従来の引き上げ装置で、大量の不活性ガスを使用することなく、テール部の有転位化を防止する方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決する為、本発明では、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法において、テール部育成工程における引き上げ装置の炉内圧を直胴部育成工程終了時よりも下げてシリコン単結晶の引き上げを行うことを特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する。
このような本発明の製造方法であれば、より少ない不活性ガスの流量で、かつテール部育成中の直径による不活性ガスの流量制御を必要とせずに、不活性ガスを大量に導入しながらテール部を育成したときと同等のテール部の有転位化防止効果を得ることができる。
ここで、前記テール部育成工程において、更に不活性ガスの流量を前記直胴部育成工程終了時よりも増やして、シリコン単結晶の引き上げを行うことができる。
このように、テール部育成工程において、炉内圧を下げるだけでなく、更に不活性ガスの流量を直胴部育成工程終了時よりも増やしてシリコン単結晶の引き上げを行うことにより、より確実にテール部の有転位化を防止できる。ただし、増やすガス流量は、炉内圧を下げているので、それ程多くせずとも十分に効果がある。
また、前記テール部育成工程における引き上げ装置の炉内圧を、直胴部育成終了時の0.5から0.8倍の範囲とすることが好ましい。
このように、テール部育成工程における引き上げ装置の炉内圧を、直胴部育成終了時の0.5から0.8倍の範囲とすれば、装置コストをかけることなくテール部育成時の有転位化を防止することができる。
この場合、更に、前記テール部育成工程における不活性ガスの流量を、直胴部育成終了時の1.0から1.5倍の範囲とすることが好ましい。
このように、不活性ガスの流量を直胴部育成終了時の1.0から1.5倍の範囲とすれば、炉内圧を下げることとの相乗効果により、必要最低限の不活性ガス流量でテール育成中のSiOガスの滞留を十分に防止できる。
また、前記テール部育成工程における引き上げ装置の炉内圧及び/又は不活性ガスの流量を、予め設定されたレシピに従い制御することが好ましい。
このように、予め設定されたレシピに従い、引き上げ装置の炉内圧や不活性ガスの流量を制御すれば、不活性ガスの流量を制御する為の直径測定装置が不要となる上、容易にテール部の有転位化を防止できる。
以上説明したように、本発明によれば、シリコン単結晶引き上げ時のテール部育成工程において、炉内圧を直胴部育成終了時の炉内圧よりも下げることで、不活性ガスを大量に導入しながらテール部を育成したときと同等のテール部の有転位化防止効果を、より少ない不活性ガスの流量で、かつテール部育成中の直径による不活性ガスの流量制御を必要とせずに得ることができる。
CZ法によるシリコン単結晶の引き上げ方法を実施するのに適した引き上げ装置の断面構成例を模式的に示す図である。 実施例1〜5におけるシリコン単結晶のテール部育成時の最終炉内圧を示す図である。 実施例6〜10におけるシリコン単結晶のテール部育成時の不活性ガスの流量を示す図である。 比較例1〜6におけるシリコン単結晶のテール部育成時の不活性ガスの流量を示す図である。 実施例1〜5、比較例1におけるシリコン単結晶のテール部の育成時の有転位化率を示す図である。 実施例4、6〜10におけるシリコン単結晶のテール部の育成時の有転位化率を示す図である。 比較例1〜6におけるシリコン単結晶のテール部の育成時の有転位化率を示す図である。
以下、本発明についてより具体的に説明する。
前述のように、従来のシリコン単結晶のテール部育成中にテールの重量を重量検出装置で検出して直径に換算し、その直径に応じて引き上げ装置炉内への不活性ガスの流入量を増加させる方法では、テール部育成の最後まで充分な単結晶表面へのSiOガスの滞留防止効果を保つには、大量の不活性ガスが必要となり、シリコン単結晶の製造コストが高くなってしまうという問題があった。
特に近年の直径300mmなどの大口径の結晶引き上げ時においては、直胴部育成終了時とテール部育成終了直前では、単結晶とパージチューブの間の不活性ガスが流れる面積の差が大きく、テール部育成終了直前の不活性ガスの流速を直胴部育成時の不活性ガスの流速と同等にするのには、非常に大量の不活性ガスが必要になってしまうという問題があり、また、テール部育成中の直径を測定しながら、その直径に応じて不活性ガスの流入量を制御するには、引き上げ装置に別途重量検出装置が必要となる為、装置コストが高くなるという問題がある。
そこで、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、テール部育成時の有転位化を防止するには、縮径していくテール部育成中でもSiOガスの滞留防止に十分な不活性ガスの流速を確保できれば良く、不活性ガスを大量に増やさなくても、SiOガスの滞留防止に必要十分な不活性ガスの流速が得られる炉内圧にすれば良いことを見出した。
そして、更なる検討により、テール部育成工程における引き上げ装置の炉内圧を直胴部育成終了時より下げることで、上記問題を解決できることを知見し、本発明を完成させた。
即ち、本発明のシリコン単結晶の製造方法は、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法において、テール部育成工程における引き上げ装置の炉内圧を直胴部育成工程終了時よりも下げてシリコン単結晶の引き上げを行うことを特徴とする。
以下、本発明について図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明のシリコン単結晶の製造方法を実施するのに適した引き上げ装置の断面構成例を模式的に示す図である。
この引き上げ装置は、中空円筒状のチャンバー9で外観を構成し、そのチャンバーは下部円筒をなすメインチャンバー9aと、メインチャンバー9aに連接固定された上部円筒をなすプルチャンバー9bとから構成される。
メインチャンバー9a内には、原料シリコンを溶融しシリコン単結晶4を育成するホットゾーン(炉内部品)を有している。このホットゾーンは、支持軸6の上に二重構造からなるルツボ1が配設され、ルツボ1の外側にはヒーター2が同心円状に配設されている。そして、ヒーター2の周辺には保温材8が施されており、ヒーター2の外側には保温筒8aが同心円状に配設され、またその下方で装置底部には保温板8bが配設されている。また、前記ホットゾーンの上方には、育成されるシリコン単結晶4と同心円状にパージチューブ10が配設され、その下端にはカラー11が設けられている。
さらに、前記ホットゾーンの上部には、シリコン単結晶4を引き上げる為の種結晶7が保持された引き上げ軸5が設置されている。
プルチャンバー9bには不活性ガスの給気口12が設けられており、ガス供給バルブ13により不活性ガスの流量を制御できるようになっている。またメインチャンバー9aの底部には、真空ポンプ16とつながった排気口14が設けられ、その間に引き上げ装置のメインチャンバー9a及びプルチャンバー9bの炉圧力を制御する為のバルブユニット15が設けられている。
前記不活性ガスの給気口12からプルチャンバー9bに導入された不活性ガスは、育成中のシリコン単結晶4の周囲とパージチューブ10の間を通り、溶融液3の融液表面に沿い石英ルツボ1aとカラー11の間を抜け、ヒーター2と保温筒8aの間を通り排気口14からバルブユニット15、真空ポンプ16を介して引き上げ装置の炉外へと排出されるようになっている。
また、不活性ガスの流量と引き上げ装置の炉内圧は、シリコン単結晶の絞り、コーン、肩、直胴、テールの各部育成工程毎に、引き上げ長さ又は引き上げ時間によって、予め設定されたレシピに従いコンピューターで制御されるようになっている。
上述したように、CZ法によるシリコン単結晶が融液から切り離される時の熱ショックによる転位の導入を防止する為、製品となる直胴部の育成終了後に、逆円錐形状のテール部の育成を行う。
このテールは、育成が進むにつれて縮径していき、融液近傍でのシリコン単結晶とパージチューブとの間隔が広がり、不活性ガスの流れる面積が増大していく。
その為、不活性ガスの流量が直胴部育成時と同じままでは、不活性ガスの単位面積当たりの流速が小さくなっていき、シリコン単結晶表面へのSiOガスの滞留防止効果が弱まり、その結果滞留したSiOガスがシリコン単結晶(この場合育成中のテール部)に付着し、シリコン単結晶が有転位化することがある。
この解決策の一つとして、上述したように、テール部育成中の不活性ガスの流量を増加させる方法がある。しかし、昨今の直径300mmのような大口径結晶を引き上げる大型の引き上げ装置では、テール部育成時の不活性ガスが流れるシリコン単結晶とパージチューブとの間の面積の変化が非常に大きくなり、テール部育成の終了直前では大量の不活性ガスを流さないとシリコン単結晶表面へのSiOガスの滞留を防止するのに十分な不活性ガスの流速が得られなくなってきた。
その結果、この方法では大量の不活性ガスを消費することになり、シリコン単結晶の製造コストが上昇してしまうという問題が生じていた。
しかし、上述したように、テール部育成時の有転位化を防止するには、縮径していくテール部育成中でもSiOガスの滞留防止に十分な不活性ガスの流速を確保できれば良く、不活性ガスを大量に増やさなくても、SiOガスの滞留防止に必要十分な不活性ガスの流速が得られる炉内圧にすれば良いことが、本発明者らの検討により判明した。
不活性ガスの流速Vは、
V=a×L/(P×S) ・・・ (式1)
※a:定数、L:不活性ガスの流量、P:炉内圧、
S:シリコン単結晶とパージチューブ間の不活性ガスが流れる断面積
で表される。
式1より、テール部育成中の不活性ガスの流速Vを大きくするには、必ずしも不活性ガスの流量Lを増やさなくても、炉内圧Pを小さくすれば良いことが分かる。
この場合、炉内圧Pを限りなく下げるには、真空ポンプに大きな真空排気能力が要求され装置コストが高くなるという可能性があり、また炉内圧を下げすぎると石英ルツボのシリコン融液への溶解が促進され、石英ルツボが減肉し、石英ルツボの劣化速度が早まってしまう為、炉内圧Pは直胴部育成終了時の0.5から0.8倍の範囲が望ましい。
また、炉内圧Pを下げる、特には前記範囲にすると共に、不活性ガスの流量Lを増やすようにすれば、それ程大量に増加させずに、少ない不活性ガスの消費量でも、テール部育成中のSiOガスの滞留防止に必要な不活性ガスの流速Vを得られる為、確実にテール部育成中のSiOガスの滞留を防止できる。
尚、この時の不活性ガスの流量Lは、直胴部育成終了時の1.0から1.5倍の範囲が望ましい。
また、テールの直径に関わらず、テール育成中のSiOガスの滞留防止に必要な不活性ガスの流速Vが予め必要十分以上となるように、炉内圧Pとその時に最低限必要な不活性ガスの流量Lを設定すれば、テールの直径に応じた不活性ガスの流量を制御する為の直径測定装置が不要となる。
したがって、本発明の製造方法では、テール部育成中に大量の不活性ガスの増量及びテール部育成中の直径測定装置を必要とせずに、テール部の有転位化を防止して単結晶歩留まりの向上が図れる為、低コストでシリコン単結晶を製造できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の製造方法による効果を確認する為、図1に示す引き上げ装置を用いて、以下のように種々の条件による単結晶のテール部の有転位化率を確認した。
[実施例1〜5]
図1に示す引き上げ装置を用いて、内径800mmの石英ルツボ1aにシリコン原料を充填し、溶融液3を形成した後に、直径300mmの単結晶を引き上げた。直胴部育成工程終了時のテール部育成工程移行直前の炉内圧は100hPa、不活性ガスの流量は200L/minで、テール部育成工程移行後の不活性ガスの流量を200L/min一定とし、テール部の最終炉内圧を表1に示す種々の条件としてテール部の育成を行った。
Figure 2011184227
図2は、実施例におけるテール部育成時間と炉内圧の関係を示す図である。また、図5は、実施例1〜5、比較例1におけるシリコン単結晶のテール部の有転位化率の関係を示す図である。
その結果、図5に示すように、実施例1〜5のいずれもが、後述する炉内圧を下げずにテール部を育成した場合(比較例1)に比べて、テール部の有転位化率を低くできた。
特に、テール部の最終の炉内圧を直胴部育成終了時の0.5から0.8倍の範囲に下げてテール部を育成した場合(実施例1〜4)には、より顕著に有転位化防止効果が得られた。
[実施例6〜10]
図1に示す引き上げ装置を用いて、内径800mmの石英ルツボ1aにシリコン原料を充填し、溶融液3を形成した後に、直径300mmの単結晶を引き上げた。直胴部育成工程のテール部育成工程移行直前の炉内圧は100hPa、不活性ガスの流量は200L/minで、テール部育成工程移行後に炉内圧を80hPa一定として最後までテール部を育成し、不活性ガスの流量を表2に示す種々の条件としてテール部の育成を行った。
Figure 2011184227
図3は、実施例6〜10におけるテール部育成時間と不活性ガスの流量の関係を示す図である。また、図6は、実施例4、6〜10におけるシリコン単結晶のテール部の有転位化率の関係を示す図である。
その結果、図6に示すように、不活性ガスの流量が直胴部育成終了時の1.0から1.5倍の範囲では、不活性ガスの流量の増加とともにテール部の有転位化率が低くなるが、不活性ガスの流量を直胴部育成終了時の1.5倍以上に増やしても、テール部の有転位化率は変わらなかった。
[比較例1〜6]
図1に示す引き上げ装置を用いて、内径800mmの石英ルツボ1aにシリコン原料を充填し、溶融液3を形成した後に、直径300mmの単結晶を引き上げた。直胴部育成工程のテール部育成工程移行直前の炉内圧は100hPa、不活性ガスの流量は200L/minで、テール部育成工程移行後に炉内圧を100hPa一定として最後までテール部を育成し、不活性ガスの流量を表3に示す種々の条件としてテール部の育成を行った。
Figure 2011184227
図4は、比較例1〜6におけるテール部育成時間と不活性ガスの流量及び炉内圧の関係を示す図である。また、図7は、比較例1〜6におけるシリコン単結晶のテール部の有転位化率の関係を示す図である。
その結果、図7に示すように、テール部の有転位化率を低くするには、不活性ガスの流量が直胴部育成終了時の2.0倍以上も必要であった。
以上より、本発明のシリコン単結晶の製造方法であれば、従来の引き上げ装置を用いた場合であっても、大量の不活性ガスを使用することなく、テール部の有転位化を防止できることが実証されたといえる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…ルツボ、 1a…石英ルツボ、 1b…黒鉛ルツボ、 2…ヒーター、
3…溶融液、 4…シリコン単結晶、 5…引き上げ軸、 6…支持軸、 7…種結晶、
8…保温材、 8a…保温筒、 8b…保温板、 9…チャンバー、
9a…メインチャンバー、 9b…プルチャンバー、 10…パージチューブ、
11…カラー、 12…不活性ガス給気口、 13…ガス供給バルブ、 14…排気口、
15…バルブユニット、 16…真空ポンプ。

Claims (5)

  1. チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法において、テール部育成工程における引き上げ装置の炉内圧を直胴部育成工程終了時よりも下げてシリコン単結晶の引き上げを行うことを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記テール部育成工程において、更に不活性ガスの流量を前記直胴部育成工程終了時よりも増やして、シリコン単結晶の引き上げを行うことを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記テール部育成工程における引き上げ装置の炉内圧を、直胴部育成終了時の0.5から0.8倍の範囲とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記テール部育成工程における不活性ガスの流量を、直胴部育成終了時の1.0から1.5倍の範囲とすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  5. 前記テール部育成工程における引き上げ装置の炉内圧及び/又は不活性ガスの流量を、予め設定されたレシピに従い制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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