JP2013136486A - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】種結晶をシリコン融液に接触させた後、浸漬する際の熱ショック転位の発生を抑制し、ダッシュネッキング法を行わないで無転位のシリコン単結晶を得る確率を高くすることができるシリコン単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】円筒状の円筒部と前記円筒部の一端から延在し前記円筒部から径が小さくなると共に先端が尖った又は尖った先端を面取りした円錐部とを備える種結晶を用い、前記円錐部の先端をシリコン融液に接触させた後、前記種結晶の前記シリコン融液と接触した部分を前記シリコン融液に浸漬させないで融解させて、かつ、前記種結晶部分である固体相と前記シリコン融液との間に前記固体相の直径より径が小さい融解相を形成しながら前記種結晶を所定の位置まで浸漬し、その後、引上げに転じてダッシュネッキング法を行わないでシリコン単結晶を育成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法によりダッシュネッキング法を行わないでシリコン単結晶を育成するシリコン単結晶の製造方法に関する。
半導体デバイスを形成する基板材料であるシリコンウェーハは、チョクラルスキー法(以下、CZ法ともいう)によりシリコン単結晶を育成し、該シリコン単結晶をスライスして得られたシリコンウェーハを加工(研磨等)することで製造される。このCZ法によるシリコン単結晶の育成時には、種結晶を高温のシリコン融液に接触させた際に生じる熱衝撃で種結晶内に熱ショック転位が発生する。
従って、この発生した転位を除去するために、種結晶下方に成長させる結晶の直径を一旦、3〜5mm程度まで縮径させて長さ200mm程度のネック部を形成するダッシュネッキング法が一般的に知られている。
しかしながら、ダッシュネッキング法は生産性が低下すると共に、近年、半導体デバイスの高集積化、コスト削減、生産効率の向上に伴い、大直径のシリコンウェーハ(例えば、直径300mm以上)を得るための大直径の直胴部を有するシリコン単結晶の育成が求められており、従来のような径の小さいネック部では、シリコン単結晶の高重量に耐えられず破断し、シリコン単結晶がシリコン融液に落下し、湯漏れ等の大事故を生じる恐れがあった。
以上の問題を解決するために、特許文献1には、円柱形状の胴体部と円錐形状の先端部とを有する単結晶引き上げ用種結晶を用い、該単結晶引き上げ用種結晶の先端部を溶融液に浸漬して溶かし込んだ後、ネック部を形成せずに単結晶を引き上げる単結晶の引き上げ方法が開示されている。
また、特許文献2には、種結晶をシリコン融液に接触させた後、これを回転させながらゆっくりと引き上げることによって、シリコン単結晶棒を成長させるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法において、該種結晶のシリコン融液に接触させる先端部の形状が、尖った形状または尖った先端を切り取った形状である種結晶を使用し、まず該種結晶の先端をシリコン融液にしずかに接触させた後、該種結晶を低速度で下降させることによって種結晶の先端部が所望の太さとなるまで溶融し、その後、該種結晶をゆっくりと上昇させ、ネッキングを行うことなく、所望径のシリコン単結晶棒を育成させるシリコン単結晶の製造方法が開示されている。
更に、特許文献3には、先端部の角度が28゜以下である種結晶を用い、シリコン融液表面の温度変動を±5℃以下に保ち、かつ、ダッシュネッキング法を用いたシリコン単結晶の製造方法で種結晶をシリコン融液に接触するのに適温とされる温度よりも、10〜20℃高いシリコン融液温度として種結晶をシリコン融液に接触させ沈み込みを行い、少なくとも前記種結晶の降下を止め引上げに転じた直後から、種結晶下方に形成される結晶径の拡大が始まる間の減径部の形成では、引上速度を0.5mm/min以下とするシリコン単結晶の製造方法が開示されている。
特開平9−235186号公報 特開平10−203898号公報 国際公開第2003/91483号パンフレット
しかしながら、種結晶をシリコン融液に浸漬する際の熱ショック転位の発生メカニズムは複雑であるため、特許文献1乃至3に開示された方法を用いた場合でも、ダッシュネッキング法を行わないで熱ショック転位を抑制するには限界があるものであった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、種結晶をシリコン融液に接触させた後、浸漬する際の熱ショック転位の発生を抑制し、ダッシュネッキング法を行わないで無転位のシリコン単結晶を得る確率を高くすることができるシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るシリコン単結晶の製造方法は、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成するシリコン単結晶の製造方法であって、円筒状の円筒部と前記円筒部の一端から延在し前記円筒部から径が小さくなると共に先端が尖った又は尖った先端を面取りした円錐部とを備える種結晶を用い、前記円錐部の先端をシリコン融液に接触させた後、前記種結晶の前記シリコン融液と接触した部分を前記シリコン融液に浸漬させないで融解させて、かつ、前記種結晶部分である固体相と前記シリコン融液との間に前記固体相の直径より径が小さい融解相を形成しながら前記種結晶を所定の位置まで浸漬し、その後、引上げに転じてダッシュネッキング法を行わないでシリコン単結晶を育成することを特徴とする。
前記融解相の形成は、少なくともシリコン融液の温度、前記円錐部の先端をシリコン融液に接触させる時の接触速度及び前記種結晶を所定の位置まで浸漬させる時の浸漬速度を各々制御して行うことが好ましい。
前記種結晶は、前記円錐部の先端をシリコン融液に接触させる前に、前記シリコン融液の液面から上方10mm以下の位置で予熱させることが好ましい。
本発明によれば、種結晶をシリコン融液に接触させた後、浸漬する際の熱ショック転位の発生を抑制し、ダッシュネッキング法を行わないで無転位のシリコン単結晶を得る確率を高くすることができるシリコン単結晶の製造方法が提供される。
本発明の実施形態に係わるシリコン単結晶の製造方法を具体的に説明するための各ステップにおけるシリコン融液近傍を示す拡大概念図である。 図1に示す種結晶50の具体的態様を示す概念斜視図である。 図1において、種結晶50の先端50bをシリコン融液16に接触させた後、所定の位置まで浸漬する際の種結晶50の近傍状態を示す拡大概念図である。 図1(a)に示すような円錐部50cを備えない種結晶を用いる場合のシリコン融液16との接触時の熱ショック転位の発生状況を示す拡大概念図である。 図3に示すような融解相Lpを形成しないで浸漬する場合の種結晶50の浸漬時の状態と熱ショック転位の発生状況を示す拡大概念図である。 本発明に係わるシリコン単結晶の製造方法が適用されるシリコン単結晶引上装置の一例を示す断面概念図である。 シリコン融液16の温度が高すぎる場合の種結晶50の浸漬時の状態を示す拡大概念図である。
本発明者らは、種結晶の熱ショック転位の発生メカニズムについて、鋭意検討した結果、種結晶をシリコン融液に接触させた際に生じる熱ショック転位に加え、種結晶をシリコン融液に浸漬する際の種結晶とシリコン融液との接触状態によっては新たに熱ショック転位が発生することを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明の実施形態について図面等を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わるシリコン単結晶の製造方法を具体的に説明するための各ステップにおけるシリコン融液近傍を示す拡大概念図である。図2は、図1に示す種結晶50の具体的態様を示す概念斜視図である。
本発明の実施形態に係るシリコン単結晶の製造方法は、CZ法によりシリコン単結晶を育成するシリコン単結晶の製造方法であって、円筒状の円筒部50aと前記円筒部50aの一端から延在し前記円筒部50aから径が小さくなると共に先端50bが尖った又は尖った先端50bを面取りした円錐部50cとを備える種結晶50を用い、シリコン融液16上に配置する(図1(a))。
次に、前記種結晶50を降下させて、所定の接触速度で前記円錐部50cの先端50bをシリコン融液16の液面に接触させる(図1(b))。その後、所定の浸漬速度で所定の位置まで種結晶50をシリコン融液16内に浸漬させる。なお、前記所定の位置は、種結晶50の浸漬後、引上げに転じた位置において、高重量のシリコン単結晶(例えば、直径が300mm以上の直胴部を有するシリコン単結晶)を保持する際に破断しない程度の強度を有する直径(好ましくは6mm以上)を備えていればよい。すなわち、前記所定の位置は、前記強度を有する直径を備えていれば、円錐部50cであってもよく(図1(c))、円筒部50aであってもよい(図1(d))。以下、本実施形態では、円筒部50aまで浸漬する態様(図1(d)まで行う態様)で説明する。
図3は、図1において、種結晶50の先端50bをシリコン融液16に接触させた後、所定の位置まで浸漬する際の種結晶50の近傍状態を示す拡大概念図である。
前記種結晶50の円錐部50cの先端50bをシリコン融液16に接触させた後、前記種結晶50を所定の位置まで浸漬するまでの間は、図3に示すように、前記種結晶50の前記シリコン融液16と接触した部分を前記シリコン融液16に浸漬させないで融解させて、かつ、前記種結晶50部分である固体相Sp1と前記シリコン融液16との間に前記固体相Sp1の直径H1より径が小さい最小直径H2を有する融解相Lpを形成しながら行う。
最後に、前記種結晶50を所定の位置まで浸漬後、引上げに転じてダッシュネッキング法を行わないで所望の直径(例えば、直径310mm)まで拡径する拡径部、前記所望の直径を維持する直胴部及び前記所望の直径から縮径する縮径部を有するシリコン単結晶Ig(拡径部以外は不図示)を育成する(図1(e))。この時には、前記種結晶50の下端には、前記浸漬時に形成していた融解相Lpが固化した前記固体相Sp1の直径H1より径が小さい最小直径H2を有する固体相Sp2が形成される。
本発明に係るシリコン単結晶の製造方法は、前述したように、融解相Lpを形成しながら前記種結晶50を所定の位置まで浸漬させるため、種結晶をシリコン融液に接触させた後、浸漬する際の熱ショック転位の発生を抑制することができる。従って、ダッシュネッキング法を行わないで無転位のシリコン単結晶を得る確率を高くすることができる。
図4は、図1(a)に示すような円錐部50cを備えない種結晶を用いる場合のシリコン融液16との接触時の熱ショック転位の発生状況を示す拡大概念図である。
図4に示すように、図1(a)に示すような円錐部50cを備えない種結晶50A(例えば、前記円筒部50aのみの種結晶や前記円筒部50aから径が小さくなるが前記先端50cが尖った又は尖った先端を面取りした形状を有しない円錐部(図4に示すような50Ac)を備える種結晶:図4では後者)を用いる場合は、種結晶50Aのシリコン融液16との接触面積が増加するため、種結晶50Aに熱ショック転位30が発生しやすくなる。
図5は、図3に示すような融解相Lpを形成しないで浸漬する場合の種結晶50の浸漬時の状態と熱ショック転位の発生状況を示す拡大概念図である。
図5に示すように、図3に示すような融解相Lpを形成しないで浸漬する場合は、種結晶50をシリコン融液16に押し込む力PPにより、シリコン融液16が種結晶50の側面αに這い上がってくるものと考えられる(図5(a))。その結果、シリコン融液16が這い上がった種結晶50の側面α部分における径方向の温度分布が不均一となるため、種結晶50の浸漬時において特にその側面α側から熱ショック転位30が発生しやすくなると考えられる(図5(b))。
図6は、本発明に係わるシリコン単結晶の製造方法が適用されるシリコン単結晶引上装置の一例を示す断面概念図である。
本発明に係わるシリコン単結晶の製造方法が適用されるシリコン単結晶引上装置10は、図6に示すように、炉体12と、炉体12内に配置され、シリコン原料(主に、ポリシリコン)を保持するルツボ14と、ルツボ14の外周囲に設けられ、ルツボ14を加熱し、ルツボ14内に保持されたシリコン原料を溶融してシリコン融液16とするヒータ18と、シリコン融液16の上方に配置され、CZ法によりシリコン融液16から引上げたシリコン単結晶Ig(不図示)への輻射熱を遮断する円筒形状の熱遮蔽体20を備える。
ルツボ14は、シリコン融液16を保持する石英ルツボ14aと、石英ルツボ14aを収容するカーボンルツボ14bとを備える。
ヒータ18の外周囲には第1保温部材22が設けられ、第1保温部材22の上部には、ヒータ18と一定の間隔を有して第2保温部材24が設けられている。
熱遮蔽体20の上方には、熱遮蔽体20の内周側、熱遮蔽体20とシリコン融液16との間を通って、ルツボ14の下方に位置する排出口26から炉体12外に排出されるキャリアガスG1を供給するキャリアガス供給口28が設けられている。
ルツボ14の上方には、シリコン単結晶Ig(不図示)を育成するために用いられる種結晶50を保持するシードチャック32が取り付けられた引上用ワイヤ34が設けられている。引上用ワイヤ34は、炉体12外に設けられた回転昇降自在なワイヤ回転昇降機構36に取り付けられている。
ルツボ14は、炉体12の底部を貫通し、炉体12外に設けられたルツボ回転昇降機構38によって回転昇降可能なルツボ回転軸40に取付けられている。
熱遮蔽体20は、第2保温部材24の上面に取付けられた熱遮蔽体支持部材42を介してルツボ14の上方に保持されている。
キャリアガス供給口28には、マスフローコントローラー43を介して、炉体12内にキャリアガスG1を供給するキャリアガス供給部44が接続されている。排出口26には、バタフライ弁46を介して、熱遮蔽体20の内周側、熱遮蔽体20とシリコン融液16との間を通ったキャリアガスG1を排出するキャリアガス排出部48が接続されている。マスフローコントローラー43を調整することで炉体12内に供給するキャリアガスG1の供給量を、バタフライ弁46を調整することで炉体12内から排出する排出ガス(キャリアガスG1及びシリコン融液16から発生したSiOxガス等も含む)の排出量をそれぞれ制御する。
前記種結晶50の浸漬時の融解相Lpの形成は、炉体12に設けられた監視窓12AからCCDカメラ等による撮像手段60を用いることにより種結晶50とシリコン融液16との接触界面をモニタリングしながら行うことが好ましい。これにより種結晶50の浸漬時において常に融解相Lpの形成の有無を確認することができるため好ましい。
続いて、図6に示すようなシリコン単結晶引上装置10を用いたシリコン単結晶の製造方法の一例について説明する。
最初にルツボ14にシリコン原料(例えば、350kg)を装填し、キャリアガス供給部44から炉体12内にキャリアガスG1(好ましくは、アルゴンガス)を供給し、更に、ヒータ18による加熱により、ルツボ14内に保持されたシリコン原料を溶融してシリコン融液16とする。
次いで、ワイヤ回転昇降機構36とルツボ回転昇降機構38を作動させて、ルツボ14を回転させると共に、シードチャック32に保持された種結晶50を前記ルツボ14と逆方向に回転させながら下降させる。
次に、前記種結晶50を回転させながら、前記シリコン融液16にその先端50bを接触させた後、前述したように、融解相Lpを形成しながら所定の位置まで種結晶50を浸漬し、その後、引上げに転じてダッシュネッキング法を行わないでシリコン単結晶Igを育成する。
前記融解相Lpの形成は、少なくともシリコン融液16の温度、前記円錐部50cの先端50bをシリコン融液16に接触させる時の接触速度及び前記種結晶50を所定の位置まで浸漬させる時の浸漬速度を各々制御して行うことが好ましい。
すなわち、シリコン融液16の温度を制御することにより、図3に示すような融解相Lpを形成することが可能となる。また、前記接触速度を制御することにより、シリコン融液16に対する種結晶50の接触時における熱ショック転位の発生を抑制することができる。更に、前記浸漬速度を制御することにより、図5に示すような種結晶50の側面αへのシリコン融液16の這い上がりを抑制することができる。
なお、ここでいう「シリコン融液の温度」とは、シリコン融液16の液面をサーモグラフィー(図6では不図示)で測定した場合における種結晶50とシリコン融液16との接触界面から外周方向に10mm以内のシリコン融液16の液面の最大温度である。
前記シリコン融液16の温度の制御は、ヒータ18の出力を制御することにより行う事ができる。前記接触速度及び前記浸漬速度の制御は、ワイヤ回転昇降機構36による引上用ワイヤ34の下降速度を制御することにより行うことができる。
前記シリコン融液16の温度が低すぎる場合には、シリコン融液16の粘性が高くなる(固化しやすくなる)ため、図5(a)に示すように、シリコン融液16が種結晶50の側面αに這い上がりやすくなり、熱ショック転位が発生しやすくなる場合がある。
図7は、シリコン融液16の温度が高すぎる場合の種結晶50の浸漬時の状態を示す拡大概念図である。
前記シリコン融液の温度が高すぎる場合には、シリコン融液16の粘性が小さくなるため、図7に示すように、前記融解相Lpの最小直径が小さくなり、種結晶50の浸漬時に結晶がちぎれやすくなる場合がある。
前記接触速度が遅すぎる場合には、生産性が低下する場合がある。前記接触速度が速すぎる場合には、前記種結晶50の接触時に熱ショック転位が発生する場合がある。
前記浸漬速度が遅すぎる場合には、生産性が低下する場合があると共に、図7に示すように融解相Lpの径が小さくなり、種結晶50の浸漬時に結晶がちぎれやすくなる場合がある。前記浸漬速度が速すぎる場合には、図5(a)に示すように、シリコン融液16が種結晶50の側面αに這い上がりやすくなり、熱ショック転位が発生しやすくなる場合がある。
従って、前記制御は、具体的には、前記シリコン融液の温度を1418℃以上1428℃以下、前記接触速度を1mm/min以上10mm/min以下、前記浸漬速度を2mm/min以上10mm/min以下とすることが好ましい。
前記種結晶50は、前記円錐部50cの先端50bをシリコン融液16に接触させる前に、前記シリコン融液16の液面から上方10mm以下の位置(好ましくは3mm以上10mm以下の位置)で予熱させることが好ましい。
このようにすることで、前記種結晶50の先端50bを接触させた際に発生する熱ショック転位の発生をより抑制することができる。
前記種結晶50を予熱する時間は、特に限定されるものではないが、生産性の関係上、3分以上1時間以下であることが好ましい。
前記種結晶50をシリコン融液16に接触及び所定の位置まで浸漬させる際の種結晶50の回転数、ルツボ14の回転数、前記炉体12内に供給するキャリアガスG1の供給量及び炉内圧は、特に限定されるものではないが、少なくとも融解相Lpの形成を妨げない条件にて各々設定して行うことが好ましい。
これら条件は、例えば、前記種結晶50の回転数は、5rpm以上30rpm以下であり、前記ルツボ14の回転数は0.5rpm以上15rpm以下であり、前記キャリアガスG1の供給量は、30L/min以上150L/min以下であり、前記炉内圧は、20mbar以上100mbar以下である。
前記融解相Lpの最小直径(図3でいうH2)は、6mm以上に制御することが好ましい。
このような直径とすることで、高重量のシリコン単結晶(例えば、直径が300mm以上の直胴部を有するシリコン単結晶)を保持する場合であっても、破断しない程度の強度を得ることができる。
前記最小直径H2は、8mm以上であることが更に好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は、下記実施例により限定解釈されるものではない。
(実施例1)
図6に示すようなシリコン単結晶引上装置10を用いて、直径32インチの石英ガラスルツボ14aにシリコン原料を充填し、ヒータ18により溶解させてシリコン融液16とした。次に、円筒部50aの直径(図2でいうH1)が12.5mm、長さ(図2でいうD1)が100mm、円錐部50cの長さ(図2でいうD2)が51mm、円錐部50cの尖った先端50bの角度(図2でいうθ)が14°である種結晶50を用いて、図1(a)に示すように、シリコン融液16の液面から高さ5mmの位置で30分間保持して前記種結晶50を予熱させた後、図1(b)に示すように、種結晶50の先端50bをシリコン融液16に接触させた。次に、種結晶50を円筒部50aの位置(図1(d)に示す位置)まで浸漬させて、その後、引上げに転じてダッシュネッキング法を行わないで、直径が310mmまで拡径する拡径部(クラウン部)を形成し、更に、直径を310mmで維持しながら、長さが1800mmの直胴部を有するシリコン単結晶を育成した。
なお、種結晶50をシリコン融液16への接触させる際には、シリコン融液16の温度及び接触速度を調整し、種結晶50をシリコン融液16へ浸漬させる際には、撮像手段60により種結晶50とシリコン融液16との接触界面をモニタリングしつつ、シリコン融液16の温度及び浸漬速度を調整しながら、種結晶50の前記シリコン融液16と接触した部分を前記シリコン融液16に浸漬させないで融解させて、かつ、図3に示すように、前記種結晶50部分である固体相Sp1とシリコン融液16との間に前記固体相Sp1の直径より径が小さい融解相Lpを形成しながら行った。なお、この時の融解相Lpの最小直径(図3でいうH2)は8mmとなるように浸漬速度を制御した。
この実施例1の具体的な製造条件は下記の通りである。
・シリコン融液の温度:1418℃
・接触速度:6mm/min
・浸漬速度:6mm/minから2mm/min以上3mm/min以下の範囲まで漸減させた後、当該範囲内で調整
・キャリアガスG1:アルゴンガス・キャリアガスG1の供給量:50L/min
・炉内圧:90〜100mbar
・種結晶の回転数:10rpm
・ルツボの回転数:5rpm
・種結晶及びルツボの回転方向:逆方向
・拡径部(クラウン部)での種結晶50の引上速度:1.0mm/min〜1.5mm/min
(実施例2)
前記シリコン融液16の温度を1420℃として、その他は、実施例1と同様な条件にて、シリコン単結晶を育成した。
(実施例3)
前記シリコン融液16の温度を1422℃として、その他は、実施例1と同様な条件にて、シリコン単結晶を育成した。
(実施例4)
前記シリコン融液16の温度を1424℃として、その他は、実施例1と同様な条件にて、シリコン単結晶を育成した。
(実施例5)
前記シリコン融液16の温度を1426℃として、その他は、実施例1と同様な条件にて、シリコン単結晶を育成した。
(実施例6)
前記シリコン融液16の温度を1428℃として、その他は、実施例1と同様な条件にて、シリコン単結晶を育成した。
(比較例1)
前記浸漬速度を高くすることで(接触速度と同じ6mm/minとすることで)、種結晶50の浸漬時の状態を図5(a)に示すような状態として、その他は、実施例1と同様な条件にて、シリコン単結晶を育成した。
(比較例2)
前記シリコン融液16の温度を1414℃とすることで、種結晶50の浸漬時の状態を図5(a)に示すような状態として、その他は、実施例1と同様な条件にて、シリコン単結晶を育成した。
次に、実施例1から6及び比較例1、2で育成された各々のシリコン単結晶の直胴部を成長方向(長軸方向)に平行してスライスし、スライスされた切断面に対して、X線トポグラフを用いてスリップ転位の発生の有無を評価した。
その結果、実施例1から6で得られたすべてのシリコン単結晶において転位の発生は認められなかった。これに対し、比較例1及び2で得られたシリコン単結晶においては、スライスされた切断面のほぼ全体にスリップ転位の発生が認められた。
(比較例3)
前記シリコン融液16の温度を1430℃として、その他は、実施例1と同様な条件にて、シリコン単結晶を育成した。
その結果、種結晶50の浸漬時において、融解層Lpが、図7に示すような状態(最小直径H2が2mm未満)となり、浸漬途中で種結晶50とシリコン融液16とがちぎれてしまうことが確認された。
16 シリコン融液
50 種結晶
50a 円筒部
50b 円錐部
50c 先端
Sp1 固体相
Sp2 固体相
Lp 液体相

Claims (3)

  1. チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を育成するシリコン単結晶の製造方法であって、
    円筒状の円筒部と前記円筒部の一端から延在し前記円筒部から径が小さくなると共に先端が尖った又は尖った先端を面取りした円錐部とを備える種結晶を用い、前記円錐部の先端をシリコン融液に接触させた後、前記種結晶の前記シリコン融液と接触した部分を前記シリコン融液に浸漬させないで融解させて、かつ、前記種結晶部分である固体相と前記シリコン融液との間に前記固体相の直径より径が小さい融解相を形成しながら前記種結晶を所定の位置まで浸漬し、その後、引上げに転じてダッシュネッキング法を行わないでシリコン単結晶を育成することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記融解相の形成は、少なくともシリコン融液の温度、前記円錐部の先端をシリコン融液に接触させる時の接触速度及び前記種結晶を所定の位置まで浸漬させる時の浸漬速度を各々制御して行うことを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記種結晶は、前記円錐部の先端をシリコン融液に接触させる前に、前記シリコン融液の液面から上方10mm以下の位置で予熱させることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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