JP2740569B2 - 単結晶の製造方法および装置 - Google Patents

単結晶の製造方法および装置

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JP2740569B2 JP2151483A JP15148390A JP2740569B2 JP 2740569 B2 JP2740569 B2 JP 2740569B2 JP 2151483 A JP2151483 A JP 2151483A JP 15148390 A JP15148390 A JP 15148390A JP 2740569 B2 JP2740569 B2 JP 2740569B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、単結晶の製造方法および装置に関するもの
である。詳しく述べると本発明は安定した単結晶育成を
行なうことのできる単結晶の製造方法および装置に関す
るものである。
[従来の技術] シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素などのの単結
晶体の製造方法として、坩堝内の融液から結晶を成長さ
せつつ引上げるチョクラルスキー法(CZ法)が広く行な
われている。
従来、このCZ法によりシリコン単結晶を得ようとする
場合、例えば第5図に模式的に示すような構成の単結晶
製造装置が用いられている。
単結晶製造装置1は、第5図に示すように加熱チャン
バ部2aと引上げチャンバ部2bとからなるチャンバ2を有
している。加熱チャンバ部2a内には、チャンバ2外に位
置する駆動装置3よりチャンバ底部を貫通して延長され
る回転軸4に支持され、引上げ操作時において回転可能
とされるとともに単結晶引上げ量に応じて軸方向に上昇
可能とされた石英製坩堝5、および該石英製坩堝5を所
定の間隔を有して囲繞する筒状の加熱ヒータ6が備えら
れている。なお、この例においては石英製坩堝5の外周
は黒鉛製坩堝7により保護されており、さらにこの黒鉛
製坩堝7は黒鉛製受け皿8を介して回転軸4へ支持され
ている。
引上げチャンバ部2bは、前記石英製坩堝5内に形成さ
れるシリコン融液9から引上げられ育成されるシリコン
単結晶体10の引上げ軸に沿って前記加熱チャンバ部2aよ
りも上方へ延長された、前記加熱チャンバ部2aよりも内
径の小さな部位である。
またチャンバ2内にはチャンバ上部壁面を挿通して上
方より垂下された先端部に種結晶12を保持するためのチ
ャック13を有する引上げワイヤ14が配してあり、この引
上げワイヤ14は、前記引上げチャンバ部2bの上部に設け
られたワイヤ引上げ装置11によって、回転しながら昇降
することを可能とされている。
このような構成を有する製造装置1において、単結晶
の育成を行なうにはまず、石英製坩堝5内に多結晶シリ
コンおよび必要に応じて添加されるドーパントなどの原
料を所定量装填し、加熱ヒータ6によって加熱して原料
を溶融して融液9を形成する。そして、該融液9に引上
げワイヤ14先端に取付けられた種結晶12を浸漬し、石英
製坩堝5および種結晶12を回転させながら引上げ、種結
晶12の下端に単結晶体10を成長させるものである。
ところで、このような単結晶引上げにおいて、石英製
坩堝5内に形成された高温の融液9からはシリコンモノ
オキサイド(SiO)などが蒸発している。このような蒸
発物が、チャンバ2壁面あるいは既に引上げた単結晶体
10の表面において凝縮し、そして何らかの作用によって
落下して単結晶の成長界面に到達すると結晶が有転位化
してしまう虞れが大きいものとなる。結晶が有転位化し
て多結晶化してしまうともはや製品とはならず、歩留り
の著しい低下を引起こしてしまう。もし引上げ初期に多
結晶化が起った場合には、再度溶解を実施し、結晶引上
げを再開することは可能ではあるものの、時間的なロス
は大きく、また引上げの中期ないし末期に多結晶化が起
れば坩堝等の寿命の問題もあり、再溶解を行なうことが
できず、そのまま結晶を引上げることになる。さらに一
旦多結晶化が起こればすでに引上げた結晶の部位にまで
転位等が導入されてしまうので、これらの部位も品質上
問題となり実質的に製品化することができず、生産性、
歩留り等の全てを著しく低下させることとなる。
このため、従来上記のような単結晶引上げ操作時にお
いては、不活性ガスとしてのアルゴンガスGを引上げチ
ャンバ部2b側から加熱チャンバ部2aへと流下させ、この
アルゴンガスGに伴送させて蒸発物を系外に排出するこ
とにより上記のような有転位化の発生を抑制しようとす
ることが行なわれている。
しかしながら、前記したような単結晶引上げ操作にお
いて、その状況は単結晶引上げの進行と共に刻々と変化
するものである。すなわち、単結晶体10が上方へと成長
し、またそれに伴い融液9の液面を一定の高さとするた
めに石英製坩堝5が上昇する。さらに育成される単結晶
体10と坩堝5はそれぞれ逆方向が一般的であるが、回転
しており、これにより上方から導入した、すなわち引上
げチャンバ部2b側から加熱チャンバ部へと導入したガス
Gの流れが変化することもある。さらに前記したように
従来の単結晶製造装置1において、チャンバ2の加熱チ
ャンバ部2aは引上げ操作時にその内部において石英製坩
堝5が上方へ移動することもあって比較的軸方向に長
く、また引上げチャンバ部2bから加熱チャンバ部2aへは
かなり急激に拡径されていく形状である。このため、引
上げチャンバ部2b側から加熱チャンバ部2aへと導入され
たアルゴンガスGは、融液9の液面近傍においては十分
な強さの流れとはならず、融液9の液面より発生する蒸
発物を効果的に除去できないのみならず、該蒸発物が滞
留してしまうような渦流を加熱チャンバ部2内に形成し
てしまう虞れが大きい。このように従来のシリコン単結
晶の製造方法においては、融液9の液面より発生する蒸
発物を系外に排出するためにチャンバ2内に不活性ガス
を導入しているが、このガスの流れは蒸発物を系外に排
出するために常に適切な流動であるとは言難いものであ
った。
従って、本発明は単結晶引上げ時における単結晶の有
転位化の虞れなく、安定した単結晶育成を行なえる新規
な単結晶の製造方法および装置を提供することを目的と
するものである。本発明はさらに、単結晶引上げ時にお
ける有転位化を防止し、生産性、歩留りならびに製品品
質の向上を図る単結晶の製造方法および装置を提供する
ことを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 上記諸目的は、坩堝内に形成された融液に種結晶を接
触させ引上げて単結晶体を成長させる単結晶の製造方法
において、通気口を外周側全周にわたり離散的にあるい
は連続的に有する中空の環状体を、この環状体と内部に
おいて連通する管状の支持体により支持して、前記融液
の液面近傍でかつ引上げられる単結晶体の外周面近傍と
なる位置に前記単結晶体を囲繞するように配し、単結晶
引上げ操作時に、前記環状体の通気口を通じて不活性ガ
スを流出させて、融液の液面近傍に坩堝の中心部側から
外方側へと向う不活性ガスの流れを形成することを特徴
とする単結晶の製造方法により達成される。
上記諸目的はさらに、坩堝内に形成される融液に種結
晶を接触させ引上げて単結晶体を成長させる際に用いら
れる単結晶の製造装置であって、単結晶体の引上げ軸方
向に対し融液液面側より10〜120゜の範囲内にある角度
において開口された通気口を外周側全周にわたり離散的
にあるいは連続的に有する中空の環状体を、この環状体
と内部において連通する管状の支持体により支持して、
前記融液の液面近傍でかつ引上げられる単結晶体の外周
面近傍となる位置に前記単結晶体を囲繞するように配し
たことを特徴とする単結晶の製造装置によっても達成さ
れる。
[作用] このように本発明は、融液より発生する蒸発物を不活
性ガスに搬送させて系外へ排出するにおいて、不活性ガ
スの導入系として融液の液面近傍でかつ引上げられる単
結晶体の外周面近傍となる位置において前記単結晶体の
全周にわたり通気口を有する環状の送気管を設け、これ
に送気することによって、融液の液面近傍において坩堝
の中心部側から外方側へと向う均一なガス流れを確実に
形成し、単結晶引上げ時に原料融液から発生するSiOガ
ス等の蒸発物を融液の液面近傍から直ちに系外へ排出す
る。これにより、チャンバ内においてガスが滞留してい
る領域において前記蒸発物が凝縮結晶化しさらに粗大化
してチャンバ壁面あるいは既に引上げた結晶表面等に付
着することが未然に防止され、このような蒸発物に起因
する有転位化ないしは欠陥の発生がなくなるものであ
る。
以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説明す
る。
第1図は本発明の単結晶製造装置の一実施態様として
のシリコン単結晶製造装置の構成を模式的に示す断面図
であり、また第2図は同実施態様の要部構成を模式的に
示す斜視図である。。
第1図に示す単結晶製造装置1は、前述したような従
来の単結晶製造装置と同様に、加熱チャンバ部2aと引上
げチャンバ部2bとからなるチャンバ2を有している。こ
こで引上げチャンバ部2bは、育成されるシリコン単結晶
体10の引上げ軸に沿って前記加熱チャンバ部2aよりも上
方へ延長された、前記加熱チャンバ部2aよりも内径の小
さな部位である。
また、この単結晶製造装置1において、加熱チャンバ
部2a内には、従来の単結晶製造装置と同様に、チャンバ
2外に位置する駆動装置3よりチャンバ底部を貫通して
延長される回転軸4に支持された石英製坩堝5、および
該石英製坩堝5を所定の間隔を有して囲繞する筒状の加
熱ヒータ6が備えられている。前記駆動装置3は、回転
軸4を介して石英製坩堝5に回転力を与えるとともに、
石英製坩堝5を軸方向に移動させる機構を有している。
なお、上記石英製坩堝5の外周は黒鉛製坩堝7により保
護されており、この黒鉛製坩堝7は黒鉛製受け皿8を介
して回転軸4へ支持されている。
またチャンバ2内には、引上げチャンバ部2bの上部壁
面を挿通して上方より垂下された先端部に種結晶12を保
持するためのチャック13を有する引上げワイヤ14が配し
てあり、この引上げワイヤ14は、前記引上げチャンバ部
2bの上部に設けられたワイヤ引上げ装置11によって、回
転しながら昇降することを可能とされている。
しかして、この単結晶製造装置1においては、第1図
および第2図に示すように、石英製坩堝5内に形成され
るシリコン融液9の液面近傍、例えば融液9の液面上0.
5〜50mmでかつ引上げられる単結晶体10の外周面近傍、
例えば単結晶体10の外周面より2〜50mmとなる位置に、
通気口16を有する中空の環状体17を、この環状体17と内
部において連通する管状支持体18により支持して、単結
晶体10を囲繞するように配してある。
本発明において、この環状体17に設けられる通気口16
は、該通気口16より導出された不活性ガスが、融液9の
液面近傍に石英製坩堝5の中心部側から外方側へと向う
不活性ガスの流れを形成することができるように、環状
体17の外周側に設けられ、この通気口16の単結晶体10の
引上げ軸方向に対する融液9液面側よりの開き角θ(第
4図参照)が、通常10〜120゜の範囲、より好ましくは3
0〜90゜の範囲にあるものとされる。さらにこの通気口1
6は、上記不活性ガスの流れを石英製坩堝5の全周方向
に均一に形成できるように、上記環状体17の全周にわた
り設けられるが、その形状としては特に限定されるもの
ではなく、第3a図に示すごとくスリットとして連続的に
設けることも、あるいは第3b図に示すごとく小孔として
離散的に設けることも可能である。なお、通気口16の大
きさとしては、環状体17および管状支持体18の直径など
にも左右されるが、通気口16をスリットとする場合に
は、そのギャップ幅は例えば0.1〜1.5mm程度であり、ま
た通気口16を小孔とする場合には、その直径は例えば0.
1〜1.5mm程度とされる。
管状支持体18は、このような通気口16を有する環状体
17を支持するのみならず、この環状体17内部に連通する
不活性ガス流路となる部位であるので、この管状支持体
18は望ましくは2本以上存在することが望ましい。すな
わち、この管状支持体18の一本より不活性ガスを送気
し、環状体17内部を通し、その一部を通気口16より導出
し、残りを他の管状支持体18より返送するものである。
なお、この環状体17および管状支持体18を構成する材
質としては、特に限定されるものではないが、通常石英
により構成される。一般に、単結晶引上げ操作時におい
て、所望の直径の単結晶体10を得るために、チャンバ2
外部に設けられたモニターカメラ(図示せず)によっ
て、加熱チャンバ部2a上部壁面に設けられた窓(図示せ
ず)を通して単結晶体10の成長界面を観察することが行
なわれるが、前記環状体17が透明な石英より構成される
ものであると、このような直径制御の実施に関しても何
ら問題とならないこととなる。
さらに、この単結晶製造装置1において、引上げチャ
ンバ部2bの途中には不活性ガス供給ダクト15が別途連結
されている。また加熱チャンバ部2aの下方部位にはガス
排出ダクト(図示せず)が設けてある。
なお、本発明の単結晶製造装置1において、上記した
ような石英製坩堝5、加熱ヒータ6および駆動装置3な
どの形状、種類等は特に限定されるものではない。例え
ば、石英製坩堝5を、連続的な単結晶引上げを行なう装
置において見られるように、一部に貫通孔を有する内坩
堝とこれを囲繞する外坩堝とからなり内坩堝と外坩堝と
の相対的位置関係を変化させることのできる2重構造、
あるいは一部に貫通孔を有する環状隔壁を坩堝内に配し
て該坩堝内を該環状隔壁より内方部位と外方部位とに区
画した構造等にすることもできる。また、加熱ヒータ6
としては、抵抗加熱法によるものあるいは誘導加熱法に
よるものなどを用いることができる。さらにこの実施例
においては、石英製坩堝5を外部の駆動装置3により回
転させる構成としているが、このような回転手段を何ら
設けない態様や、あるいはさらに上記のような回転手段
に代えて石英製坩堝5内に形成される融液9に回転磁界
を与えて融液9を回転させるような態様などを取ること
も可能である。さらにまた、単結晶引上げ操作を通じ
て、融液9量を一定に保つために、坩堝5内に原料を補
充するための原料供給管を配したような態様を取ること
も可能である。
第1図に示すような構成を有する本発明の単結晶製造
装置1を用いてのシリコン単結晶の育成は、次のように
して行なわれる。
すなわちまず、石英製坩堝5内に多結晶シリコンおよ
び必要に応じて添加されるドーパントなどの原料を所定
量装填し、加熱ヒータ6によって加熱して原料を溶融し
て融液9を形成する。
引上げ操作を開始する際には、加熱チャンバ部2aの下
方部位に連結されたガス排出ダクト(図示せず)より、
チャンバ2内のガスを系外へ吸引排出するとともに、不
活性ガス供給ダクト15よりチャンバ2内にアルゴンガス
Gを導入し、チャンバ2内全体を減圧アルゴン雰囲気あ
るいは常圧アルゴン雰囲気にする。なお、この不活性ガ
ス供給ダクト15、すなわち引上げチャンバ部2a側より供
給されるアルゴンガスGの加熱チャンバ部2aにおける流
れは、単結晶体10の引上げ軸にほぼ沿って下降するが、
石英製坩堝5の近傍に至るまでに側方へと漸次広がるも
のである。さらに本発明においては、管状支持体18を通
じて送られてきたアルゴンガスGを前記環状体17の通気
口16からチャンバ2内に導出する。この通気口16から導
出されたアルゴンガスGは、石英製坩堝5内に形成され
るシリコン融液9の近傍において、この通気口16の配し
てある坩堝5の中心部側から外方側へと半径方向に広が
る流れを全周において均一に形成する。
そして、融液9に引上げワイヤ14先端に取付けられた
種結晶12を浸漬し、石英製坩堝5および種結晶12を回転
させながら引上げ、種結晶12の下端に単結晶体10を成長
させる。
引上げ操作中に融液9の液面からはSiOなどの蒸発物
が発生するが、前記したように融液9の液面近傍には、
坩堝5の中心部側から外方側へと半径方向に広がる流れ
が形成されており、蒸発物はこの流れに搬送されて融液
9の液面近傍から直ちに除去され系外へと排出される。
このため蒸発物がチャンバ2内に滞留したり、チャンバ
2ないしは既に成長した単結晶体10表面に凝縮したりす
ることがなくなるものである。
また、このように融液9の液面近傍にはアルゴンガス
Gの流れが形成されているが、中心部側から外方側へと
向う流れであるために、単結晶体10の成長界面となる融
液9の液面が乱れて多結晶化をもたらすということもな
い。
なお、単結晶体10の成長に伴ない融液量が減少する
が、引上げ操作の進行に伴ない、石英製坩堝5は上方へ
と押し上げられ、融液9の液面の高さは一定とされるの
で、通気口16を有する環状体17は引上げ操作時に特に位
置を変更させなくとも常に融液9の液面近傍に存在する
こととなる。
なお、以上は本発明の単結晶製造装置を、シリコン単
結晶引上げの場合を例にとり説明したが、本発明は、シ
リコン以外のもの、例えばゲルマニウムなどの単結晶体
を育成するものにおいても同様に適用可能である。
[実施例] 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。
融液9の液面近傍に通気口16を有する環状体17を備え
た第1図に示すような単結晶製造装置を用い、直径16イ
ンチの石英製坩堝5から直径5インチのp型シリコン単
結晶を育成した。この環状体17に形成された通気口16
は、ギャップ幅0.8mmの連続的なスリットで、開き角θ
が約60゜とされたものであった。なお、引上げ操作時に
おいて、チャンバ2内は圧力20mbに調整され、引上げチ
ャンバ2b側からは15/分の量でアルゴンガスGを流
し、また上記環状体17の通気口からは2/分でアルゴ
ンガスを流した。また引上げ速度は約1mm/分程度であっ
た。
一方、比較のために上記のごとき環状体17を有しない
以外は上記と同様の構成を有する第5図に示すような単
結晶製造装置を用い、上記と同様に直径16インチの石英
製坩堝5から直径5インチのp型シリコン単結晶を育成
した。なお引上げ操作時において、チャンバ2内は圧力
20mbに調整され、引上げチャンバ側からは20/分の量
でアルゴンガスGを流した。また引上げ速度は約1mm/分
程度であり、この点において上記実施例との差異は認め
られなかった。
その結果、従来例に係わる比較例においては育成され
る結晶の多結晶化率が14.6%(n=253)であるのに対
して、本発明方法に係わる実施例においては多結晶化率
がわずか3.7%(n=189)であり、本発明方法において
は多結晶化率が激減した。なお、従来法に係わる比較例
では単結晶引上げに成功したチャージであっても8.7%
は再溶解を行なったが、本発明に係わる実施例ではわず
か0.5%のみ再溶解を実施した。
このように本発明方法により、生産性が向上し、また
歩留りも向上した。さらに、アルゴンの消費量も1分当
り3少なくてすみ、引上げ工程の変動費の中でかなり
の割合を占めるアルゴンの原単位を減少することも可能
であった。
[発明の効果] 以上述べたように本発明は、単結晶引上げ操作におい
て、外周側全周にわたり通気口を有する中空の環状体
を、前記融液の液面近傍でかつ引上げられる単結晶体の
外周面近傍となる位置に配し、該通気口より不活性ガス
を流出させて、融液の液面近傍に坩堝の中心部側から外
方側へと向う不活性ガスの流れを形成するものであるか
ら、融液の液面より発生するSiOなどの蒸発物を効率よ
く系外に排除し、該蒸発物に起因する結晶の有転位化を
防止するため、生産性ならびに歩留りの向上が望めるも
のとなる。さらにシリコン単結晶を引上げる場合におい
ては、SiOガスを効率的に系外に排出することが可能で
あることから、引上げ結晶内の酸素レベルが均一化でき
るという副次的な効果も認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の単結晶製造装置の一実施態様の構成を
模式的に示す断面図、第2図は同実施態様の要部構成を
模式的に示す斜視図、第3a,b図はそれぞれ本発明の単結
晶製造装置において用いられる環状体の一例を示す立面
図、第4図は本発明の単結晶製造装置において用いられ
る環状体に設けられる通気口の開き角θを示す断面図で
あり、また第5図は従来の単結晶製造装置の一例の構成
を模式的に示す断面図である。 1……単結晶製造装置、2……チャンバ、 2a……加熱チャンバ部、2b……引上げチャンバ部、 3……駆動装置、4……回転軸、5……石英製坩堝、 6……加熱ヒータ、7……黒鉛製坩堝、 8……黒鉛製受皿、9……融液、10……単結晶体、 11……ワイヤ引上げ装置、12……種結晶、 13……チャック、14……引上げワイヤ、 15……不活性ガス供給ダクト、 16……通気口、17……環状体、18……管状支持体、 G……アルゴンガス、θ……開き角。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】坩堝内に形成された融液に種結晶を接触さ
    せて引上げて単結晶を成長させる単結晶の製造方法にお
    いて、通気口を外周側全周にわたり離散的にあるいは連
    続的に有する中空の環状体を、この環状体と内部におい
    て連通する管状の支持体により支持して、前記融液の液
    面近傍でかつ引上げられる単結晶体の外周面近傍となる
    位置に前記単結晶を囲繞するように配し、単結晶引上げ
    操作時に、前記環状体の通気口を通じて不活性ガスを流
    出させて、融液の液面近傍に坩堝の中心部側から外方側
    へと向う不活性ガスの流れを形成することを特徴とする
    単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】坩堝内に形成される融液に種結晶を接触さ
    せ引上げて単結晶体を成長させる際に用いられる単結晶
    の製造装置であって、単結晶体の引上げ軸方向に対し融
    液液面側より10〜120゜の範囲内にある角度において開
    口された通気口を外周側全周にわたり離散的にあるいは
    連続的に有する中空の環状体を、この環状体と内部にお
    いて連通する管状の支持体により支持して、前記融液の
    液面近傍でかつ引上げられる単結晶体の外周面近傍とな
    る位置に前記単結晶体を囲繞するように配したことを特
    徴とする単結晶の製造装置。
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JPH0446088A (ja) 1992-02-17

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