JP6418634B2 - 運転支援制御装置 - Google Patents
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自動運転の1つの要素として自動車線変更がある。例えば目的地までの経路に応じた右折、左折のための車線変更や、極端に速度が遅い先行車の追い越し、或いは障害物を避けるための車線変更などが想定される。
上記特許文献1には、自動車線変更の実行の際に、運転者による運転介入によって自動制御が解除されることが記載されている。
しかし、車線変更可能と判定した場合であっても、運転者が車線変更を望まない場合もある。また、走行中でもあるため、運転者が車線変更を望まないことを示す操作も咄嗟に可能なわかりやすいものであることが望まれる。また運転者に対して、車両走行中に通常の運転時の挙動とは異なる操作を要求することは適切ではない。
そこで本発明では、自動運転システムが自動車線変更を行おうとする場合に運転者の意思を反映させることを可能とすると共に、車線変更に運転者が同意しない場合に、運転者が操作を迷うことなく、容易かつ咄嗟にしたウインカーレバー操作を車線変更提案に対する非同意の操作として受け付けることを目的とする。
自動運転における自動車線変更制御では、車線変更が可能であると判定して車線変更提案を運転者に対して行った場合において、運転者が非同意の場合は、自動車線変更を行わないようにする。これにより運転者の意志を尊重した自動運転が可能となる。ここで、非同意の意思表示のための入力をウインカーレバー操作で行うようにすることで、運転者にとって、操作を迷うこともなく、容易かつ咄嗟に車線変更キャンセルの指示を行うことが可能になる。
例えば右側車線への自動車線変更が提案された場合に、運転者がこれを望まないときは、逆方向である左折時のウインカー操作を行うことで右車線への車線変更をキャンセルする指示ができる。ウインカーレバー操作は、運転者にとっては車線変更時の操作として通常身についているものであるため、自動車線変更の方向とは逆方向へのウインカーレバー操作は、運転者にとって操作を迷うことなく、容易かつ咄嗟に行うことができる車線変更キャンセルの操作となる。
自動車線変更の場合は、運転者の操作に関わらずウインカーランプの点滅を実行させることが適切であるが、運転者がウインカーレバー操作を、自動車線変更に対する非同意の操作として行った場合は、ウインカーランプの点滅を意図するものではないので、点滅を実行させないようにすることが好適となる。
自動車線変更動作が開始された後でも、運転者がキャンセル操作(自動車線変更の非同意)を行うことができることが好ましい。この場合に、車線変更の進捗の程度によって所定の制御動作を実行するようにし、運転者意志の尊重と安全性の維持を図る。
このため車線変更動作の進捗が、単に車線変更制御を中止すればいい状態(第1状態)を越えているが、まだ元の車線に安全に戻れる状態であれば(第2状態に達していない)、車線戻り方向のウインカーランプの点滅を実行させたうえで、車両を元の車線に戻す車線戻り制御を実行する。
上記第2状態を越えた場合は、一旦車線変更を完了させた方が安全性の面で好適であるため、そのような段階の場合はキャンセルのためのウインカーレバー操作は無効とする。
なお説明上、「車線」とは車両の走行路(レーン)を表す用語とし、車線を規定するために道路上に引かれた線は「白線」と呼ぶこととして区別する。
図1は、本発明に係る実施の形態としての運転支援制御部5を備えた車両制御システム1の構成を示している。なお図1では、車両制御システム1の構成のうち主に本発明に係る要部の構成のみを抽出して示している。
車両制御システム1は、自車両に設けられた撮像部2、画像処理部3、メモリ4、運転支援制御部5、センサ類10、ナビゲーションシステム11、操作部12、発音制御部21、表示制御部22、エンジン制御部23、トランスミッション制御部24、ブレーキ制御部25、ステアリング制御部26、ランプ制御部27、発音部31、表示部32、エンジン関連アクチュエータ33、トランスミッション関連アクチュエータ34、ブレーキ関連アクチュエータ35、ステアリングモータ36、ランプ部37及びバス15を備えている。
運転支援制御部5は、同じくマイクロコンピュータで構成された発音制御部21、表示制御部22、エンジン制御部23、トランスミッション制御部24、ブレーキ制御部25、ステアリング制御部26、ランプ制御部27とバス15を介して接続されており、これら各制御部との間で相互にデータ通信を行うことが可能とされる。運転支援制御部5は、上記の各制御部のうち必要な制御部に対して指示を行って運転支援に係る動作を実行させる。
また、図示は省略したが、他のセンサとして、例えばエンジン回転数センサ、吸入空気量を検出する吸入空気量センサ、吸気通路に介装されてエンジンの各気筒に供給する吸入空気量を調整するスロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ、エンジン温度を示す冷却水温を検出する水温センサ、車外の気温を検出する外気温センサ等も有する。
例えば操作子としては、エンジンの始動/停止を指示するためのイグニッションスイッチや、AT(オートマティックトランスミッション)車における自動変速モード/手動変速モードの選択や手動変速モード時におけるシフトアップ/ダウンの指示を行うためのセレクトレバーや、後述する表示部32に設けられたMFD(Multi Function Display)における表示情報の切り換えを行うための表示切換スイッチ、ウインカー点滅を指示するウインカーレバーなどがある。
なお本実施の形態の運転支援制御部5による車線変更制御に関しては、運転支援制御部5はウインカーレバー操作を監視することになる。
なお発音部31や発音制御部21は、ナビゲーションシステム11の機能による音声出力や、カーオーディオシステムの音声出力と兼用されるものでも良い。
本実施の形態の自動車線変更制御に関しては、車線変更提案の表示なども行われる。
表示制御部22は、センサ類10における所定のセンサからの検出信号や操作子による操作入力情報等に基づき、表示部32による表示動作を制御する。例えば、運転支援制御部5からの指示に基づき、運転支援の一環として表示部32(例えばMFDの所定領域)に所定の注意喚起メッセージ、自動運転状況、車線変更提案等を表示させることが可能とされている。
例えばエンジン制御部23は、前述したイグニッションスイッチの操作に応じてエンジンの始動/停止制御を行う。また、エンジン制御部23は、エンジン回転数センサやアクセル開度センサ10C等の所定のセンサからの検出信号に基づき、燃料噴射タイミング、燃料噴射パルス幅、スロットル開度等の制御も行う。
さらに自動運転制御の際には、エンジン制御部23は運転支援制御部5からの加速/減速指示に基づいて必要なエンジン関連アクチュエータ33の制御を行う。
例えばトランスミッション制御部24は、前述したセレクトレバーによって自動変速モードが選択されている際には、所定の変速パターンに従い変速信号をコントロールバルブに出力して変速制御を行う。
また、トランスミッション制御部24は、手動変速モードの設定時には、セレクトレバーによるシフトアップ/ダウン指示に従った変速信号をコントロールバルブに出力して変速制御を行う。
さらに自動運転制御の際には、トランスミッション制御部24は運転支援制御部5からのシフトアップ/ダウン指示に基づいて変速信号をコントロールバルブに出力して変速制御を行う。
ステアリング制御部26は、運転支援制御部5からの指示に基づいてステアリングモータ36を駆動し、自動操舵や運転者の操舵補助を実行する。例えば自動運転制御の際の自動操舵や、いわゆるレーンキープ走行のための自動操舵の実行制御を行う。
ランプ制御部27は、センサ類10における所定のセンサからの検出信号や操作部12の操作子による操作入力情報等に基づき、ランプ部37における必要な灯具の点灯(点滅)制御を行う。また運転支援制御部5からの指示によりランプ制御部27がランプ部37の点灯点滅制御を行う場合もある。
以上の図1の構成において、運転支援制御部5が各部に所要の指示を行うことで自動運転を実現することができる。例えば運転支援制御部5は、経路情報、道路情報、周囲状況等に応じて、エンジン制御部23への加減速指示、トランスミッション制御部24へのシフトチェンジ指示、ブレーキ制御部25へのブレーキ指示、ステアリング制御部26への操舵指示を複合的に行うことで、適切な自動運転を実現させる。
この自動運転制御中では、車線変更が必要(又は推奨)される場合がある。その場合に運転支援制御部5は、自動車線変更を実行することになるが、その自動車線変更のための機能構成を図2で説明する。
運転支援制御部5は、自動運転制御や各種運転支援制御のための各種の機能を備えるが、ここでは車線変更制御に関する機能のみを示している。
車線変更制御のための機能として、運転支援制御部5には、車線変更機会判定部5a、運転者意思判定部5b、車線変更制御部5cを備える。これらの各機能は例えば運転支援制御部5としてのマイクロコンピュータにおいて起動されるソフトウエアにより実現される。
車線変更提案とは、自動車線変更を実行しようとする際に、運転者にその旨を表示又は音声の両方又は一方で通知し、運転者に車線変更に同意するか否かの意思を示す(入力する)機会を与える処理である。
運転者意思判定部5bは、車線変更提案に対する運転者の意志判定の処理を行う。
車線変更制御部5cは、運転者意志判定部5bにより運転者が車線変更提案に同意したと判定されたことに応じて、車両の加減速及び操舵を制御して自動車線変更を実行させる制御処理を行う。
この際に運転者意思判定部5bが、運転者の意思、つまり車線変更提案に対する同意/非同意(車線変更キャンセル)を判定する。
例えば運転者意思判定部5bは、運転者が車線変更提案に対して特に何も操作を行わずに所定時間経過したら、車線変更に同意したものと判定する。もちろん運転者に積極的な同意の操作を求めるようにし、運転者意思判定部5bはその操作により運転者が同意したと判定してもよい。
そして同意と判定した場合に、車線変更制御部5cは、実際の車線変更制御を開始する。即ちステアリング制御部26、エンジン制御部23、ブレーキ制御部25、トランスミッション制御部24等へ必要な指示を出して、車線変更を実行させる。
例えば右車線への車線変更提案が提示された際、運転者は左方向へのウインカーレバー操作を行うことで、車線変更をキャンセルできる。
また左車線への車線変更提案が提示された際、運転者は右方向へのウインカーレバー操作を行うことで、車線変更をキャンセルできる。
即ち運転者意思判定部5bは、車線変更提案における車線変更方向とは逆方向へのウインカーレバー操作が検知された場合、それを運転者の非同意の意思の入力として処理する。このような非同意の意思の操作が行われた場合、車線変更制御部5cによる車線変更制御は開始されない。
なお、車線変更制御部5cによる車線変更制御が開始された後においても、ウインカーレバー操作による非同意(車線変更の中止)を受け付け、車線変更動作をキャンセルさせる場合もある。
車線変更機会の判定条件は多様であるが、例えば以下のような条件がある。
例えば走行経路や道路状態による条件として、右左折が近く適切な車線(右折車線など)に移動すべき場合、現車線の前方に障害物が存在する場合、現在の道路が前方で車線数が変わっている場合、先行車が著しく低速で追い越しを行うことが適切と判断される場合などがある。
また現在走行中の場所が車線変更禁止区間であるか否か等の交通法規遵守のための条件もある。
また安全確保のための条件として、直線がしばらく続くか否か、道幅が所定以上であるか否か、前後が見渡せる状態であるか否か、周囲の車両の走行状況が車線変更に適しているか、などがある。
車線変更機会判定の条件は上掲以外にも各種考えられる。条件の組み合わせも多様である。
例えば車線変更機会判定部5aは、撮像部2で撮像された画像を画像処理部3で解析して得た情報を得る。撮像部2には、第1カメラ部20−1、第2カメラ部20−2、A/D変換器21−1、A/D変換器21−2、及び画像補正部22が設けられている。
第1カメラ部20−1、第2カメラ部20−2は、それぞれカメラ光学系とCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子とを備えて構成され、前記カメラ光学系により前記撮像素子の撮像面に被写体像が結像され、該撮像素子にて受光光量に応じた電気信号が画素単位で得られる。
第1カメラ部20−1、第2カメラ部20−2は、いわゆるステレオ撮像法による測距が可能となるように設置される。そして第1、第2カメラ部20−1、20−2で得られた電気信号はA/D変換器21−1、21−2に供給され、それぞれA/D変換が行われる。これにより、画素単位で所定階調による輝度値を表すデジタル画像信号(撮像画像データ)が得られる。
画像補正部22には、A/D変換器21−1、21−2を介して得られる各撮像画像データが入力される。画像補正部22は、各撮像画像データのそれぞれに対し、第1、第2カメラ部20−1、20−2の取り付け位置の誤差に起因するずれの補正を例えばアフィン変換等を用いて行ったり、ノイズの除去等を含む輝度値の補正等を行う。
そして画像処理部3は、ステレオ撮像により得られた各撮像画像データに基づく各種の画像処理を実行する。これにより、車線検出、先行車両検出、障害物検出、交通信号機等を行うことができる。
車線変更機会判定部5aは、このような画像処理部3で得られる検出情報を、自車両の前方に関しての道路状態、車線状態、障害物、他の車両の走行状態などの判定に用いることができる。
また車線変更機会判定部5aは、ナビゲーションシステム11からの情報、例えば進行する経路情報、各道路の車線数の情報、右左折箇所への接近、現在位置の交通法規情報なども、車線変更機会判定に用いることができる。
以下、運転支援制御部5による車線変更制御について第1の実施の形態の処理例を図3で説明する。なお、図3及び後述する第2の実施の形態の図4の処理は、車線変更機会判定部5a、運転者意思判定部5b、車線変更制御部5cとしての各機能が連携して運転支援制御部5で実行される車線変更制御処理である。
運転支援制御部5は、自動運転制御として実行する各種の処理の1つとして、図3の車線変更制御を行う。この図3の車線変更制御は、自動運転制御中に、例えば所定タイミング毎に繰り返し実行される。
ステップS102で運転支援制御部5は、取得した情報を用いて車線変更可否判定を行う。これは上述した各種条件を満たしているか否かを判定し、車線変更機会であるか否か、つまり車線変更が推奨されるタイミングであって、かつ安全に車線変更が実行できる機会であるか否かを判断する処理である。そして現在が、車線変更機会ではないと判断した場合、ステップS103から処理を終える。
その後、運転支援制御部5は車線変更制御を実行しながら、例えば画像処理部3からの情報等を監視して車線変更が完了したか否かをステップS111で判断する。車線変更が完了したら運転支援制御部5はステップS112で車線変更制御を終了し、またステップS113でランプ制御部27にウインカーランプの点滅の停止を指示する。以上で1回の車線変更制御を終える。
そして運転支援制御部5はステップS108で、車線変更提案をキャンセルし、特に車線変更制御を実行させないで1回の車線変更制御処理を終える。
運転支援制御部5の車線変更制御処理としての第2の実施の形態を図4で説明する。なおステップS101〜S110は図3と同一であるため説明を省略する。従ってこの場合も、運転者が車線変更提案に非同意である場合はウインカーレバー操作を行えばよい。
この図4の処理例は、運転支援制御部5は、車線変更制御を開始した後もウインカーレバー操作による運転者のキャンセルを受け付ける場合を設けたものである。
特にキャンセル操作が行われずに車線変更を完了した場合は、運転支援制御部5はステップS121からS129に進んで車線変更制御を終了し、またステップS130でランプ制御部27にウインカーランプの点滅の停止を指示して1回の車線変更制御を終える。
例えば車線変更の進捗状態を3段階に分ける。第1状態到達前、第1状態到達後で第2状態到達前、第2状態到達後のいずれであるかを判断する。第1状態、第2状態の設定例は多様であり、あくまで一例としては、
・第1状態:自車両の車体側面が変更先の車線との間の白線上に至った状態
・第2状態:自車両の車幅方向の中央が上記白線を越えた状態
とすることが考えられる。
運転支援制御部5は例えばこの第1状態と第2状態を基準として車線変更動作の進捗状態を判断する。この場合、画像処理部3からの自車体の位置状態と白線位置の情報に基づいて判断することができる。
即ち運転支援制御部5はステップS125からS126に進み、まずランプ制御部27にウインカーランプの点滅を逆方向に変更するように指示する。これにより例えば右車線への車線変更で右のウインカーランプを点滅させていた場合は、左のウインカーランプの点滅に変更される。
そして運転支援制御部5はステップS126で車線戻り制御を開始する。即ち運転支援制御部5はステアリング制御部26、エンジン制御部23、ブレーキ制御部25、トランスミッション制御部24等へ必要な指示を出して、元の車線へ復帰させるようにする処理を開始する。
そしてステップS128で画像処理部3からの情報等に基づいて元の車線への復帰完了を確認したら、ステップS129で車線変更制御(この場合は車線戻り制御)を終了させ、またステップS130でウインカーランプの点滅を停止させて処理を終える。
以上の実施の形態によれば以下の効果が得られる。
実施の形態の運転支援制御部5では、車線変更機会判定部5aの機能として、自動運転動作状態において所定条件判断を行って走行車線の変更が可能な機会であるか否かの判定を行うとともに、車線変更可能と判定された際に車線変更提案を運転者に提示する制御を行う。また運転者意思判定部5bの機能として、車線変更提案に対する運転者の意志(同意/非同意)の判定を行う。そして車線変更制御部5cの機能として、運転者意志判定部5bにより運転者が車線変更提案に同意したと判定されたことに応じて、車両の加減速及び操舵を制御して自動車線変更を実行させる。そして運転者意志判定部5bは、運転者によるウインカーレバー操作を、車線変更提案に対する非同意の操作として受け付ける(S105)。
車線変更が可能であると判定した場合に車線変更提案(車線変更実施の提示)が行われることで運転者の意思を反映させる機会が得られ、運転者が非同意の場合は、自動車線変更を行わないようにする。これにより運転者の意志を尊重した自動運転が可能となる。そして非同意の意思表示のための入力をウインカーレバー操作で行うようにすることで、運転者にとって、操作を迷うこともなく、容易かつ咄嗟に車線変更キャンセルの指示を行うことが可能になる。従って運転者が容易に意思を反映させることができる自動車線変更制御が実現できる。
なお車線変更提案は、例えば表示部32での表示のみで行っても良いし、発音部31での音声出力のみで行っても良い。
なお、特に反対方向へのウインカーレバー操作とは規定せずに、いずれの方向であってもウインカーレバー操作が行われたら非同意の操作であると認識するようにしてもよい。例えば車線変更提案が、特に車線変更方向を示さない態様の場合は、左右どちらのウインカーレバー操作の場合も車線変更をキャンセルするようにしてもよい。
また、ウインカーレバー機構が、左右それぞれ浅い操作、深い操作を可能とする機構とされてもよい。その場合に、深い操作は通常のウインカー操作とし、浅い操作を非同意の操作として扱うことも考えられる。
自動車線変更の場合は、運転者の操作に関わらずウインカーランプの点滅を実行させることが適切であるが、運転者がウインカーレバー操作を、自動車線変更に対する非同意の操作として行った場合は、ウインカーランプの点滅を意図するものではないので、点滅を実行させない。これにより周囲に対して適切なウインカー発光を実現できる。
自動車線変更動作が開始された後でも、運転者がキャンセル操作(自動車線変更の非同意)を行うことができることで、運転者意思の十分な反映に望ましい。特に開始前の車線変更提案に対する運転者の非同意操作が遅れることも想定されるためである。
但し車線変更が開始された後は、車線変更の進捗の程度によって所定の制御動作を実行するようにし、運転者意志の尊重と安全性の維持を両立する。
もし、キャンセル操作のタイミングが、まだ車線変更が開始されたばかりで動作中止に特に問題無い場合は、そのまま中止(S124→S129→S130)とすればよい。
ところが単に車線変更制御を中止すればいい状態(第1状態)を越えているが、まだ元の車線に安全に戻れる状態であれば(第2状態に達していない)、車線戻り方向のウインカーランプの点滅を実行させたうえで、車両を元の車線に戻す車線戻り制御を実行することで、後続車等にも元車線復帰を表明し、安全な車線変更中止が実現できる。
一方、車線変更動作の進捗状態が第2状態に達していれば、車線変更方向とは逆方向へのウインカーレバー操作の検知に関わらず、車線変更制御を継続する(S125→S121)。第2状態を越えた場合は、一旦車線変更を完了させた方が安全性の面で好適であるためである。
また第1状態、第2状態の具体的な定義は各種考えられる。
但し、同意操作を求めるようにしてもよい。同意操作は所定のスイッチ操作等でもよいが、ウインカーレバーの車線変更方向への操作とすれば、これも運転者にとってわかりやすいものとできる。つまり、ウインカーレバーの車線変更方向への操作は「同意」、逆方向への操作は「非同意」としてもよい。
Claims (4)
- 車両の加減速及び操舵を自動制御可能な自動運転動作状態において、所定条件判断を行って走行車線の変更が可能な機会であるか否かの判定を行うとともに、車線変更可能と判定された際に車線変更提案を運転者に提示する制御を行う車線変更機会判定部と、
前記車線変更提案に対する運転者の意志の判定を行う運転者意志判定部と、
前記運転者意志判定部により運転者が前記車線変更提案に同意したと判定されたことに応じて、車両の加減速及び操舵を制御して自動車線変更を実行させる車線変更制御部と、 を備え、
前記運転者意志判定部は、運転者による前記車線変更提案による車線変更方向と同方向または逆方向へのウインカーレバー操作を、前記車線変更提案に対する非同意の操作として受け付ける
運転支援制御装置。 - 前記車線変更制御部は、
前記車線変更提案に対して運転者が同意したと判定されたことに応じて自動車線変更を実行させる際に、車両のウインカーランプの点滅を実行させる制御を行い、
前記車線変更提案に対する非同意の前記ウインカーレバー操作が行われた場合は、該ウインカーレバー操作に応じたウインカーランプの点滅を実行させない制御を行う
請求項1に記載の運転支援制御装置。 - 前記車線変更制御部による自動車線変更が開始された後において、前記運転者意志判定部が車線変更方向とは逆方向へのウインカーレバー操作を検知した場合、
前記車線変更制御部は、車線変更動作の進捗状態を判断し、進捗状態が第1状態に達しており、第2状態に達していなければ、車線戻り方向へのウインカーランプの点滅を実行させたうえで、車両を元の車線に戻す車線戻り制御を実行する
請求項1又は請求項2に記載の運転支援制御装置。 - 前記車線変更制御部は、車線変更動作の進捗状態が前記第2状態に達していれば、車線変更方向とは逆方向へのウインカーレバー操作の検知に関わらず、車線変更制御を継続する
請求項3に記載の運転支援制御装置。
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