JP6418489B2 - 車両の荷室構造 - Google Patents
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Description
後部座席の車両後方側に荷室が配置され、
前記後部座席の上部背後にパーセルシェルフが設けられ、
車両後面部にバックドアが設けられ、
前記パーセルシェルフの左右両側部の前端部が、前記荷室の左右両側壁に横軸芯周りに回転可能に支持されている車両の荷室構造に関する。
そして、前記リッドで前記凹部の開口の下半部等を覆って凹部をサイドポケットとして利用したり、リッドを側壁から取り外して荷室の室内幅を凹部の空間分だけ拡大したりしている。凹部をサイドポケットとして利用すると凹部に小物を収納できる。また、リッドを側壁から取り外して荷室の室内幅を凹部の空間分だけ拡大すると、ゴルフバッグ等の長尺物を荷室に収納することができる。このように、収納物の大きさや量に合わせて荷室スペースのアレンジを可能にしている。
荷室の側壁から取り外したリッドはリッド収納部に収納する。従来、 このリッド収納部をラゲッジボードの車両後方側の後半部の裏面に設けてあった(特許文献1参照)。すなわち、前記後半部を横軸芯周りに車両前方側に折り畳み、ラゲッジボードの車両前方側の前半部に上方から重ね合わせた状態で、リッド収納部にリッドを収納するよう構成してあった。
このように、上記従来の車両の荷室構造ではリッド収納部へのリッドの収納作業の作業性が低かった。
本発明の目的は、リッド収納部へのリッドの収納作業の作業性を向上させることができ、使い勝手を向上させることができる荷室の構造を提供する点にある。
後部座席の車両後方側に荷室が配置され、
前記後部座席の上部背後にパーセルシェルフが設けられ、
車両後面部にバックドアが設けられ、
前記パーセルシェルフの左右両側部の前端部が、前記荷室の左右両側壁に横軸芯周りに回転可能に支持されている車両の荷室構造であって、
前記荷室の左右両側壁に、車幅方向外側に凹む凹部が形成され、
前記左右両側壁の凹部を車幅方向内側から各別に覆う左右一対のリッドが前記側壁に着脱自在に設けられ、
前記側壁から取り外した前記リッドを収納するリッド収納部が前記パーセルシェルフの裏面に設けられ、
前記リッド収納部は、前記左右一対のリッドをパーセルシェルフ本体の裏面に左右に並べて保持する前後一対の保持部材を備え、
前側の前記保持部材は、前記左右一対のリッドの車両前方側の端部を各別に保持する左右一対の前側保持部を備え、
後側の前記保持部材は、前記左右一対のリッドの車両後方側の端部を各別に保持する左右一対の後側保持部を備えている点にある。(請求項1)
また、パーセルシェルフは荷室を上方から覆い隠す部品であり、パーセルシェルフの上に荷物を置くことは考えられないので、リッド収納部にリッドを収納する際に、荷物の移動が必要になることがない。その結果、リッド収納部へのリッドの収納作業の作業性を向上させることができ、使い勝手を向上させることができる。(請求項1)
バックドアを開いてパーセルシェルフを後ろ上がり傾斜姿勢に設定した状態では、前側保持部は後側保持部よりも下方に位置している。この状態で、リッドの車両前方側の端部を前記前側保持部に保持させた場合、リッドの重心が前記前側保持部に近くなるので、リッドの車両後方側の端部を前記後側保持部に保持させる作業中にリッドの保持状態を維持しやすい。その結果、リッドの収納作業の作業性を向上させることができる。
例えば、左側のリッドを保持する前後一対の保持部材と、右側のリッドを保持する前後一対の保持部材とをパーセルシェルフの裏面に別々に固定する比較例の構造に比べると、保持部材の部品点数を少なくすることができ、構造を簡素化することができる。また、前記保持部材をパーセルシェルフに固定する作業を効率化することができる。
また、前記比較例の構造と比べると、1つあたりの保持部材とパーセルシェルフとの接地面積を増やせるため、1つあたりの保持部材の固定箇所を増やすことができ、より強固に保持部材をパーセルシェルフに固定することができる。結果的に走行時のリッドのガタツキによる異音の発生を抑えることができる。
前記パーセルシェルフは前記凹部の上方に配置されていると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
前記バックドアの開閉に連動して前記パーセルシェルフが前記横軸芯周りに揺動開閉可能に構成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
本発明の構成によれば、リッドをパーセルシェルフの裏面のリッド収納部に収納する場合、バックドアは開いており、パーセルシェルフは後ろ上がり傾斜姿勢になっている。従って、乗員がパーセルシェルフを持ち上げて後ろ上がり傾斜姿勢に設定する必要はない。そして、乗員は、屈むことなく立った状態でリッドをリッド収納部に収納することができる。その結果、収納作業の作業性をより向上させることができ、荷室の使い勝手をより向上させることができる。(請求項3)
前記リッドは、車両前方側の前側爪部と車両後方側の後側爪部を備え、
前記後側爪部は、リッド本体に対して車両前後方向にスライド移動自在に構成され、 前記リッド収納部の前側保持部は、前記前側爪部を挿入係合させる前側係合孔を備え、
前記リッド収納部の後側保持部は、前記後側爪部を挿入係合させる後側係合孔を備え、
前記前側爪部が前記前側係合孔に挿入係合された後、前記後側爪部が前記リッド本体に対して車両後方側にスライド移動して前記後側係合孔に挿入係合されると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
さらに、バックドアを開いてリッドをパーセルシェルフのリッド収納部に収納する時には、パーセルシェルフが後ろ上がり傾斜姿勢になって、パーセルシェルフの車両後方側の端部が上昇している。従って、後側爪部をスライド操作しやすくすることができ、リッドの収納作業の作業性を向上させることができる。(請求項4)
前記前側係合孔の縦・横の長さと、前記前側爪部の断面形状の縦・横の長さとが略同一であると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
前記前側保持部に、前記リッドの車両前方側の端部を前記パーセルシェルフの裏面側から受け止める前側弾性部が設けられ、
前記後側保持部に、前記リッドの車両後方側の端部を前記パーセルシェルフの裏面側から受け止める後側弾性部が設けられていると、次の作用を奏することができる。(請求項6)
前記リッド収納部は、前記パーセルシェルフの裏面の左右中央部に設けられていると、次の作用を奏することができる。(請求項7)
これに対して、本発明の上記の構成によれば、前記リッド収納部は、前記パーセルシェルフの裏面の左右中央部に設けられているから、パーセルシェルフの裏面にリッド収納部を設けた構造でありながら、車体からの揺れがリッド収納部のリッドに伝わりにくくすることができ、リッドの揺れを抑制して走行時のリッドのガタツキによる異音の発生を防止することができる。(請求項7)
リッド収納部へのリッドの収納作業の作業性を向上させることができ、使い勝手を向上させることができる荷室の構造を提供することができた。
図1に示すように、車両の後部座席(図示せず)の車両後方側Rrに荷室60が配置されている。この荷室60の左右両側部には、内装材としての樹脂製のクオーターインナートリム1(荷室の側壁に相当)が組み付けられ、荷室60の後面部にはテールエンドトリム32が組み付けられている。
図2,図6に示すように、前記パーセルシェルフ6は平面視横長の長方形状に成形され、左右一対のクオーターインナートリム1間に略水平姿勢に架け渡されている。そして、このパーセルシェルフ6は、車両前後方向で後部座席のシートバック(図示せず)の上端部近傍からバックドア15の近傍まで延びて、後部荷室60を上方から覆い隠している。
図1,図2に示すように、前記左右一対のクオーターインナートリム1の後部に、車幅方向外側W2に凹む凹部48が形成されている。前記パーセルシェルフ6は凹部48の上方に位置する。そして、左右一対の前記凹部48の下部を車幅方向内側W1から各別に覆う左右一対の樹脂製のリッド2が、クオーターインナートリム1に着脱自在に設けられている。
図2,図4,図5に示すように、クオーターインナートリム1の上下一対の第1前側係合孔29(図5参照)に各別に係合及び係合解除自在な上下一対の舌片状の前側爪部31が、リッド2の車両前方側Frの端部に車両前方側Frに向かって突設されている。また、クオーターインナートリム1の上下一対の第1後側係合孔3に各別に係合及び係合解除自在な上下一対の舌片状の後側爪部11が、リッド2の車両後方側Rrの端部に車両後方側Rrに向かって突設されている。
図6に示すように、クオーターインナートリム1から取り外したリッド2を収納するリッド収納部50が、パーセルシェルフ本体6Hの裏面の左右中央部に設けられている。リッド収納部50は、リッド2の車両前方側Frの端部を保持する前側保持部90(図7(a)参照)と、リッド2の車両後方側Rrの端部を保持する後側保持部91(図7(b)参照)とを備えている。
図7(a)に示すように、前記前側保持部90は、リッド2の左右一対の前側爪部31を各別に挿入係合させる左右一対の第2前側係合孔71M1を第1前壁71Mに備えている。第2前側係合孔71M1の縦・横の長さと、前側爪部31の断面形状の縦・横の長さとは略同一である(図8参照)。また、図7(a),図9に示すように、前記前側保持部90は、リッド2の車両前方側Frの端部をパーセルシェルフ6の裏面側から受け止める複数の第1板ばね73(前側弾性部に相当)を第1固定壁71Kに備えている。複数の第1板ばね73は、第1固定壁71Kの長手方向(車幅方向)に間隔を空けて並んでいる。
図7(b)に示すように、前記後側保持部91は、リッド2の左右一対の後側爪部11を各別に挿入係合させる左右一対の第2後側係合孔81N1を第2後壁81Nに備えている。また、図7(b),図9に示すように、後側保持部91は、リッド2の車両後方側Rrの端部をパーセルシェルフ6の裏面側から受け止める複数の第2板ばね83(後側弾性部に相当)を第2固定壁81Kに備えている。複数の第2板ばね83は第2固定壁81Kの長手方向(車幅方向)に間隔を空けて並んでいる。
(1) クオーターインナートリム1から取り外したリッド2を収納するリッド収納部50が、パーセルシェルフ6の裏面に設けられているから、デッドスペースであるパーセルシェルフ6の裏面を有効活用することができる。また、パーセルシェルフ6は荷室60を上方から覆い隠す部品であり、パーセルシェルフ6の上に荷物を置くことは考えられないので、リッド収納部50にリッド2を収納する際に、荷物の移動が必要になることがない。その結果、リッド収納部50へのリッド2の収納作業の作業性を向上させることができ、使い勝手を向上させることができる。
さらに、バックドア15を開いてリッド2をパーセルシェルフ6のリッド収納部50に収納する時には、パーセルシェルフ6が後ろ上がり傾斜姿勢になって、パーセルシェルフ6の車両後方側Rrの端部が上昇している。従って、可動プレート5をスライド操作しやすくすることができ、リッド2の収納作業の作業性を向上させることができる。
さらに、前記比較例の構造と比べると、保持部材とパーセルシェルフ6との固定面積を増やせるため、1つあたりの保持部材の固定箇所を増やすことができ、より強固に保持部材をパーセルシェルフ6に固定することができる。結果的に走行時のリッドのガタツキによる異音の発生を抑えることができる。
これに対して、本発明の上記の構成によれば、前記リッド収納部50は、前記パーセルシェルフ6の裏面の左右中央部に設けられているから、パーセルシェルフ6の裏面にリッド収納部50を設けた構造でありながら、車体からの揺れがリッド収納部50のリッド2に伝わりにくくすることができ、リッド2の揺れを抑制して前記異音の発生を防止することができる。
前記前側の保持部材71と後側の保持部材81が前記パーセルシェルフ本体6Hと一体成形されていてもよい。
2 リッド
2H リッド本体
6 パーセルシェルフ
6H パーセルシェルフ本体
11 後側爪部
15 バックドア
31 前側爪部
48 凹部
50 リッド収納部
60 荷室
71 前側の保持部材
71M1 前側係合孔(第2前側係合孔)
73 前側弾性部(第1板ばね)
81 後側の保持部材
81N1 後側係合孔(第2後側係合孔)
83 後側弾性部(第2板ばね)
90 前側保持部
91 後側保持部
Fr 車両前方側
O 横軸芯(第2横軸芯)
Rr 車両後方側
W1 車幅方向内側
W2 車幅方向外側
Claims (7)
- 後部座席の車両後方側に荷室が配置され、
前記後部座席の上部背後にパーセルシェルフが設けられ、
車両後面部にバックドアが設けられ、
前記パーセルシェルフの左右両側部の前端部が、前記荷室の左右両側壁に横軸芯周りに回転可能に支持されている車両の荷室構造であって、
前記荷室の左右両側壁に、車幅方向外側に凹む凹部が形成され、
前記左右両側壁の凹部を車幅方向内側から各別に覆う左右一対のリッドが前記側壁に着脱自在に設けられ、
前記側壁から取り外した前記リッドを収納するリッド収納部が前記パーセルシェルフの裏面に設けられ、
前記リッド収納部は、前記左右一対のリッドをパーセルシェルフ本体の裏面に左右に並べて保持する前後一対の保持部材を備え、
前側の前記保持部材は、前記左右一対のリッドの車両前方側の端部を各別に保持する左右一対の前側保持部を備え、
後側の前記保持部材は、前記左右一対のリッドの車両後方側の端部を各別に保持する左右一対の後側保持部を備えている車両の荷室構造。 - 前記パーセルシェルフは前記凹部の上方に配置されている請求項1記載の車両の荷室構造。
- 前記バックドアの開閉に連動して前記パーセルシェルフが前記横軸芯周りに揺動開閉可能に構成されている請求項1又は2記載の車両の荷室構造。
- 前記リッドは、車両前方側の前側爪部と車両後方側の後側爪部を備え、
前記後側爪部は、リッド本体に対して車両前後方向にスライド移動自在に構成され、
前記リッド収納部の前側保持部は、前記前側爪部を挿入係合させる前側係合孔を備え、
前記リッド収納部の後側保持部は、前記後側爪部を挿入係合させる後側係合孔を備え、
前記前側爪部が前記前側係合孔に挿入係合された後、前記後側爪部が前記リッド本体に対して車両後方側にスライド移動して前記後側係合孔に挿入係合される請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両の荷室構造。 - 前記前側係合孔の縦・横の長さと、前記前側爪部の断面形状の縦・横の長さとが略同一である請求項4に記載の車両の荷室構造。
- 前記前側保持部に、前記リッドの車両前方側の端部を前記パーセルシェルフの裏面側から受け止める前側弾性部が設けられ、
前記後側保持部に、前記リッドの車両後方側の端部を前記パーセルシェルフの裏面側から受け止める後側弾性部が設けられている請求項1〜5のいずれか一つに記載の車両の荷室構造。 - 前記リッド収納部は、前記パーセルシェルフの裏面の左右中央部に設けられている請求項1〜6のいずれか一つに記載の車両の荷室構造。
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