JP6418489B2 - 車両の荷室構造 - Google Patents

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Description

本発明は、
後部座席の車両後方側に荷室が配置され、
前記後部座席の上部背後にパーセルシェルフが設けられ、
車両後面部にバックドアが設けられ、
前記パーセルシェルフの左右両側部の前端部が、前記荷室の左右両側壁に横軸芯周りに回転可能に支持されている車両の荷室構造に関する。
上記の車両の荷室構造においては、一般に、前記荷室の側壁に車幅方向外側に凹む凹部が形成され、前記凹部を車幅方向内側から覆うリッドが前記側壁に着脱自在に設けられている。
そして、前記リッドで前記凹部の開口の下半部等を覆って凹部をサイドポケットとして利用したり、リッドを側壁から取り外して荷室の室内幅を凹部の空間分だけ拡大したりしている。凹部をサイドポケットとして利用すると凹部に小物を収納できる。また、リッドを側壁から取り外して荷室の室内幅を凹部の空間分だけ拡大すると、ゴルフバッグ等の長尺物を荷室に収納することができる。このように、収納物の大きさや量に合わせて荷室スペースのアレンジを可能にしている。
荷室の側壁から取り外したリッドはリッド収納部に収納する。従来、 このリッド収納部をラゲッジボードの車両後方側の後半部の裏面に設けてあった(特許文献1参照)。すなわち、前記後半部を横軸芯周りに車両前方側に折り畳み、ラゲッジボードの車両前方側の前半部に上方から重ね合わせた状態で、リッド収納部にリッドを収納するよう構成してあった。
特開2010−228733号公報
上記従来の車両の荷室構造によれば、リッドをリッド収納部に収納する際は、ラゲッジボードを前記横軸芯周りに車両前方に折り畳むか、あるいは、ラゲッジボードを荷室の両側壁から取り外すかしないと、リッドをリッド収納部に収納することができなかった。そして、ラゲッジボードに荷物を載せている場合、リッドをリッド収納部から取り外すには、一旦荷物をラゲッジボードから下ろす必要があった。
このように、上記従来の車両の荷室構造ではリッド収納部へのリッドの収納作業の作業性が低かった。
本発明の目的は、リッド収納部へのリッドの収納作業の作業性を向上させることができ、使い勝手を向上させることができる荷室の構造を提供する点にある。
本発明の特徴は、
後部座席の車両後方側に荷室が配置され、
前記後部座席の上部背後にパーセルシェルフが設けられ、
車両後面部にバックドアが設けられ、
前記パーセルシェルフの左右両側部の前端部が、前記荷室の左右両側壁に横軸芯周りに回転可能に支持されている車両の荷室構造であって、
前記荷室の左右両側壁に、車幅方向外側に凹む凹部が形成され、
前記左右両側壁の凹部を車幅方向内側から各別に覆う左右一対のリッドが前記側壁に着脱自在に設けられ、
前記側壁から取り外した前記リッドを収納するリッド収納部が前記パーセルシェルフの裏面に設けられ
前記リッド収納部は、前記左右一対のリッドをパーセルシェルフ本体の裏面に左右に並べて保持する前後一対の保持部材を備え、
前側の前記保持部材は、前記左右一対のリッドの車両前方側の端部を各別に保持する左右一対の前側保持部を備え、
後側の前記保持部材は、前記左右一対のリッドの車両後方側の端部を各別に保持する左右一対の後側保持部を備えている点にある。(請求項1)
この構成によれば、荷室の側壁から取り外したリッドを収納するリッド収納部が、パーセルシェルフの裏面に設けられているから、デッドスペースであるパーセルシェルフの裏面を有効活用することができる。
また、パーセルシェルフは荷室を上方から覆い隠す部品であり、パーセルシェルフの上に荷物を置くことは考えられないので、リッド収納部にリッドを収納する際に、荷物の移動が必要になることがない。その結果、リッド収納部へのリッドの収納作業の作業性を向上させることができ、使い勝手を向上させることができる。(請求項1)
バックドアを開いてパーセルシェルフを後ろ上がり傾斜姿勢に設定した状態では、前側保持部は後側保持部よりも下方に位置している。この状態で、リッドの車両前方側の端部を前記前側保持部に保持させた場合、リッドの重心が前記前側保持部に近くなるので、リッドの車両後方側の端部を前記後側保持部に保持させる作業中にリッドの保持状態を維持しやすい。その結果、リッドの収納作業の作業性を向上させることができる。
例えば、左側のリッドを保持する前後一対の保持部材と、右側のリッドを保持する前後一対の保持部材とをパーセルシェルフの裏面に別々に固定する比較例の構造に比べると、保持部材の部品点数を少なくすることができ、構造を簡素化することができる。また、前記保持部材をパーセルシェルフに固定する作業を効率化することができる。
また、前記比較例の構造と比べると、1つあたりの保持部材とパーセルシェルフとの接地面積を増やせるため、1つあたりの保持部材の固定箇所を増やすことができ、より強固に保持部材をパーセルシェルフに固定することができる。結果的に走行時のリッドのガタツキによる異音の発生を抑えることができる。
本発明において、
前記パーセルシェルフは前記凹部の上方に配置されていると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
リッドを荷室の側壁に取り付けた状態では、凹部に入っている荷物にパーセルシェルフが干渉することがない。そして、リッドを側壁から取り外して荷室の室内幅を凹部の空間分だけ拡大した状態では、パーセルシェルフの裏面のリッド収納部にリッドを収納する時に、リッドが荷物に干渉することがない。その結果、荷室の収納性、リッドの収納作業の作業性を向上させることができる。(請求項2)
本発明において、
前記バックドアの開閉に連動して前記パーセルシェルフが前記横軸芯周りに揺動開閉可能に構成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
乗員がバックドアを上方に持ち上げて開放すると、それに伴ってパーセルシェルフが前側の横軸芯周りに上昇揺動して後ろ上がり傾斜姿勢になる。一方、乗員がバックドアを開放状態から下側に降ろして閉じると、それに伴ってパーセルシェルフが前側の横軸芯周りに下降揺動して例えば水平姿勢になる。
本発明の構成によれば、リッドをパーセルシェルフの裏面のリッド収納部に収納する場合、バックドアは開いており、パーセルシェルフは後ろ上がり傾斜姿勢になっている。従って、乗員がパーセルシェルフを持ち上げて後ろ上がり傾斜姿勢に設定する必要はない。そして、乗員は、屈むことなく立った状態でリッドをリッド収納部に収納することができる。その結果、収納作業の作業性をより向上させることができ、荷室の使い勝手をより向上させることができる。(請求項3)
本発明において、
前記リッドは、車両前方側の前側爪部と車両後方側の後側爪部を備え、
前記後側爪部は、リッド本体に対して車両前後方向にスライド移動自在に構成され、 前記リッド収納部の前側保持部は、前記前側爪部を挿入係合させる前側係合孔を備え、
前記リッド収納部の後側保持部は、前記後側爪部を挿入係合させる後側係合孔を備え、
前記前側爪部が前記前側係合孔に挿入係合された後、前記後側爪部が前記リッド本体に対して車両後方側にスライド移動して前記後側係合孔に挿入係合されると、次の作用を奏することができる。(請求項)
前側爪部を前側係合孔に係合させることで、リッドの前端部が位置決めされる。これにより、後側爪部を後側係合孔に簡単に位置決めすることができ、後側爪部を車両後方側にスライド移動させるだけで、後側爪部を後側係合孔に係合させることができる。
さらに、バックドアを開いてリッドをパーセルシェルフのリッド収納部に収納する時には、パーセルシェルフが後ろ上がり傾斜姿勢になって、パーセルシェルフの車両後方側の端部が上昇している。従って、後側爪部をスライド操作しやすくすることができ、リッドの収納作業の作業性を向上させることができる。(請求項)
本発明において、
前記前側係合孔の縦・横の長さと、前記前側爪部の断面形状の縦・横の長さとが略同一であると、次の作用を奏することができる。(請求項)
リッドをパーセルシェルフに対して確実に位置決めすることができる。その結果、リッドのガタツキをより確実に抑えることができる。また、後側爪部を後側係合孔に向かってスライド移動させる際に、後側爪部を後側係合孔側に正確に向かわせることができ、リッドの収納作業の作業性を向上させることができる。(請求項)
本発明において、
前記前側保持部に、前記リッドの車両前方側の端部を前記パーセルシェルフの裏面側から受け止める前側弾性部が設けられ、
前記後側保持部に、前記リッドの車両後方側の端部を前記パーセルシェルフの裏面側から受け止める後側弾性部が設けられていると、次の作用を奏することができる。(請求項)
リッドをリッド収納部に収納している状態で、リッドの車両前方側の端部に前側弾性部から弾性力がパーセルシェルフとは反対側に加わる。また、リッドの車両後方側の端部に後側弾性部から弾性力がパーセルシェルフとは反対側に加わる。これにより、リッドを弾性保持することができ、走行時のリッドのガタツキによる異音の発生を抑えることができる。(請求項)
本発明において、
前記リッド収納部は、前記パーセルシェルフの裏面の左右中央部に設けられていると、次の作用を奏することができる。(請求項)
パーセルシェルフの裏面にリッド収納部を設けた構造では、パーセルシェルフの表面にリッド収納部を設けた場合に比べると、リッドの支持が不安定になりやすい。そのために、リッドが車両走行中に揺れ、パーセルシェルフに当たって異音が発生する可能性がある。
これに対して、本発明の上記の構成によれば、前記リッド収納部は、前記パーセルシェルフの裏面の左右中央部に設けられているから、パーセルシェルフの裏面にリッド収納部を設けた構造でありながら、車体からの揺れがリッド収納部のリッドに伝わりにくくすることができ、リッドの揺れを抑制して走行時のリッドのガタツキによる異音の発生を防止することができる。(請求項)
本発明によれば、
リッド収納部へのリッドの収納作業の作業性を向上させることができ、使い勝手を向上させることができる荷室の構造を提供することができた。
車両の荷室の斜視図 クオーターインナートリムとパーセルシェルフの分解斜視図 バックドアとパーセルシェルフの連動連結構造を示す斜視図 リッドの斜視図 図2のB−B断面図 リッドがリッド収納部に収納されたパーセルシェルフを裏側から見た図 (a)は、前側の保持部材の斜視図、(b)は、後側の保持部材の斜視図 前側爪部と前側係合孔の係合状態を示す図 図6のE−E断面図
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、車両の後部座席(図示せず)の車両後方側Rrに荷室60が配置されている。この荷室60の左右両側部には、内装材としての樹脂製のクオーターインナートリム1(荷室の側壁に相当)が組み付けられ、荷室60の後面部にはテールエンドトリム32が組み付けられている。
そして、車両後面部にバックドア15が設けられ、このバックドア15が上端部側の第1横軸芯周りに揺動開閉可能に構成されている。さらに、後部座席の上部背後に樹脂製のパーセルシェルフ6が設けられている。
[パーセルシェルフ6の構造]
図2,図6に示すように、前記パーセルシェルフ6は平面視横長の長方形状に成形され、左右一対のクオーターインナートリム1間に略水平姿勢に架け渡されている。そして、このパーセルシェルフ6は、車両前後方向で後部座席のシートバック(図示せず)の上端部近傍からバックドア15の近傍まで延びて、後部荷室60を上方から覆い隠している。
図2に示すように、パーセルシェルフ本体6Hはトレイ状に形成されて、周部以外が下方に凹んでいる。そして、パーセルシェルフ本体6Hの前端部から前側フランジ6Mが下方に延び、後端部から後ろ側フランジ6N(図6参照)が下方に延び、左右両端部から左側フランジ6S1と右側フランジ6S2が各別に下方に延びている。
後ろ側フランジ6Nの左右両端部の後面、及び、左側フランジ6S1と右側フランジ6S2の後端部の外面には、断面リング状のEPDMゴムから成るクッション材52が設けられている。これにより、パーセルシェルフ6とバックドア15、パーセルシェルフ6とクオーターインナートリム1とが、それぞれ直接接触することを回避するとともに、パーセルシェルフ6のがたつきを防止している。
前記左側フランジ6S1と右側フランジ6S2は、左右一対のクオーターインナートリム1の上部意匠面に突設された車両前後方向に沿う棚部40(図2参照)に載置支持されている。
また、前記左側フランジ6S1の前端部と右側フランジ6S2の前端部に、下側が開放した切り欠き状の軸受け部51が形成されている。そして、左右一対のクオーターインナートリム1の棚部40の前上方の意匠面側に突設された横軸部65(図2参照)に、前記軸受け部51が上方から相対回転自在に嵌合している。これにより、パーセルシェルフ6が前記横軸部65の軸芯(以下、「第2横軸芯O」)周りに揺動回転自在に構成されている。このように、パーセルシェルフ6の左右両側部の前端部が、左右一対のクオーターインナートリム1に第2横軸芯O周りに回転可能に支持されている。
図3に示すように、バックドア15の左右両側部の上下方向中間部とパーセルシェルフ6の後ろ側フランジ6Nの左右両端部とがワイヤー61で接続され、バックドア15の揺動開閉に連動してパーセルシェルフ6が前記第2横軸芯O周りに揺動開閉可能に構成されている。ワイヤー61のバックドア15側の一端部にはフックが設けられ、このフックがバックドア15側の被係止部(図示せず)に係止されている。この構造に換えて、例えば、ワイヤー61の一端部にリングを接続し、このリングをバックドア15にリベットで固定することもできる。
上記の構成により、乗員がバックドア15を上方に持ち上げて揺動開放すると、それに伴ってパーセルシェルフ6が第2横軸芯O周りに上昇揺動して後ろ上がり傾斜姿勢になる。すなわち、図3に示すように、水平方向に対して角度θだけ傾斜する。また、乗員がバックドア15を開放状態から下側に揺動下降させて閉じると、それに伴ってパーセルシェルフ6が第2横軸芯O周りに下降揺動し、パーセルシェルフ6の左側フランジ6Sと右側フランジ6Sが、前記左右一対の棚部40に各別に載置して、パーセルシェルフ6が略水平姿勢になる。
[サイドポケット構造]
図1,図2に示すように、前記左右一対のクオーターインナートリム1の後部に、車幅方向外側W2に凹む凹部48が形成されている。前記パーセルシェルフ6は凹部48の上方に位置する。そして、左右一対の前記凹部48の下部を車幅方向内側W1から各別に覆う左右一対の樹脂製のリッド2が、クオーターインナートリム1に着脱自在に設けられている。
これにより、リッド2で前記凹部48の開口の下部を荷室内側から覆って凹部48をサイドポケットとして利用する状態と、リッド2をクオーターインナートリム1から取り外して荷室60の室内幅を凹部48の空間分だけ拡大する状態とのいずれか一方を乗員が選択可能に構成されている。
前記凹部48をサイドポケットとして利用することで凹部48に小物を収納できる。また、リッド2をクオーターインナートリム1から取り外し、荷室60の室内幅を凹部48の空間分だけ拡大することで、ゴルフバッグ等の長尺物を荷室60に収納することができる。前記凹部48はゴルフバッグなどの長尺物の端部を収納できる大きさに設定されており、車幅方向内側W1から見てほぼ四角形状に形成されている。このように、収納物の大きさや量に合わせて荷室スペースのアレンジを可能にしている。
[リッド2の構造]
図2,図4,図5に示すように、クオーターインナートリム1の上下一対の第1前側係合孔29(図5参照)に各別に係合及び係合解除自在な上下一対の舌片状の前側爪部31が、リッド2の車両前方側Frの端部に車両前方側Frに向かって突設されている。また、クオーターインナートリム1の上下一対の第1後側係合孔3に各別に係合及び係合解除自在な上下一対の舌片状の後側爪部11が、リッド2の車両後方側Rrの端部に車両後方側Rrに向かって突設されている。
リッド本体2Hの車両後方側Rrの端部の上下方向中央部には、リッド本体2Hに対して車両前後方向にスライド移動する可動プレート5が設けられ、前記上下一対の後側爪部11は、前記可動プレート5の車両後方側Rrの端部から車両後方側Rrに向かって突出している。また、可動プレート5の中央部に、車幅方向内側W1(荷室内側)に突出する操作レバー4が設けられている。
これにより、操作レバー4が車両後方側Rrに操作されて、前記可動プレート5が車両後方側Rrにスライド移動すると、上下一対の後側爪部11が上下一対の第1後側係合孔3に各別に係合したロック状態になる。一方、操作レバー4が車両前方側Frに操作されて、可動プレート5が車両前方側Frにスライド移動すると、上下一対の後側爪部11が上下一対の第1後側係合孔3との係合を各別に解除したロック解除状態になる。
詳しくは、リッド本体2Hの車両後方側Rrの後半部に裏面側に凹む操作レバー収容凹部33が形成されている。そして、操作レバー収容凹部33の裏面側の周部に、リッド2の裏面の外方側に立ち上がる四角形の環状リブ8が設けられている。操作レバー収容凹部33以外のリッド本体2Hの裏面には格子状のリブ7が形成されている。また、操作レバー収容凹部33の底面に、車両前後方向に長い長孔9が形成され、この長孔9に、リッド2の裏側から操作レバー4が挿通されている。
前記操作レバー4は可動プレート5のスライド移動方向と直交する車両上下方向に長くなるように形成されている。操作レバー4の長さは長孔9の幅よりも長く設定され、操作レバー4の幅は長孔9の幅よりも短く設定されている。操作レバー4は、長手方向が長孔9の長手方向に沿うように姿勢を設定されて長孔9に挿通され、90度回転されて操作レバー収容凹部33に組み付けられる。
図5に示すように、リッド2をクオーターインナートリム1から取り外す場合は、前記ロック解除状態で、リッド2を、第1前側係合孔29を中心として車幅方向内側W1(荷室内側)に揺動させる。そして、前記リッド2の車両前方側Frの端部の前側爪部31を、前記第1前側係合孔29から係合解除して、リッド2をクオーターインナートリム1から取り外す。
[リッド収納部50の構造]
図6に示すように、クオーターインナートリム1から取り外したリッド2を収納するリッド収納部50が、パーセルシェルフ本体6Hの裏面の左右中央部に設けられている。リッド収納部50は、リッド2の車両前方側Frの端部を保持する前側保持部90(図7(a)参照)と、リッド2の車両後方側Rrの端部を保持する後側保持部91(図7(b)参照)とを備えている。
詳述すると、クオーターインナートリム1から取り外した左右一対のリッド2をパーセルシェルフ本体6Hの裏面に左右に並べて保持する前後一対の保持部材71,81が、パーセルシェルフ本体6Hの裏面に固定されている。図7(a)に示すように、前側の保持部材71は前記前側保持部90を左右に一対備え、図7(b)に示すように、後側の保持部材81は前記後側保持部91を左右に一対備えている。
図7(a)に示すように、前側の保持部材71は、車幅方向に長い断面L字の板状に形成され、パーセルシェルフ本体6Hの裏面に熱融着された第1固定壁71Kと、第1固定壁71Kの車両前方側Frの端部から立ち上がる第1前壁71Mと、第1固定壁71Kの車幅方向の端部から立ち上がり、前記第1前壁71Mに連なる第1側壁71Sとから成る。
図7(b)に示すように、後側の保持部材81は、車幅方向に長い断面L字の板状に形成され、パーセルシェルフ本体6Hの裏面に熱融着される第2固定壁81Kと、第2固定壁81Kの車両後方側Rrの端部から立ち上がる第2後壁81Nと、第2固定壁81Kの車幅方向の端部から立ち上がり、前記第2後壁81Nに連なる第2側壁81Sとから成る。
[前側保持部90の構造]
図7(a)に示すように、前記前側保持部90は、リッド2の左右一対の前側爪部31を各別に挿入係合させる左右一対の第2前側係合孔71M1を第1前壁71Mに備えている。第2前側係合孔71M1の縦・横の長さと、前側爪部31の断面形状の縦・横の長さとは略同一である(図8参照)。また、図7(a),図9に示すように、前記前側保持部90は、リッド2の車両前方側Frの端部をパーセルシェルフ6の裏面側から受け止める複数の第1板ばね73(前側弾性部に相当)を第1固定壁71Kに備えている。複数の第1板ばね73は、第1固定壁71Kの長手方向(車幅方向)に間隔を空けて並んでいる。
前記第1板ばね73は、第1固定壁71Kからパーセルシェルフ6の裏面とは反対側に膨出する第1基部73Aと、第1基部73Aの車両後方側Rrの端部から立ち上がる第1立ち上がり部73Bと、第1立ち上がり部73Bの頂部から車両前方側Frに延びて、リッド2の車両前方側Frの端部を受け止め支持する第1ばね片73Cとから成る。第1ばね片73Cは、先端側ほど前記第1基部73Aから離間する状態に傾斜している。一つの前側保持部90(左側又は右側の前側保持部90)における複数の第1板ばね73のうち、左右両側の第1板ばね73は、それらの間の第1板ばね73よりも幅狭に形成されている。また、前記左右両側の第1板ばね73の第1ばね片73Cの先端部は、左右両側の第2前側係合孔71M1に各別に挿入されている。
[後側保持部91の構造]
図7(b)に示すように、前記後側保持部91は、リッド2の左右一対の後側爪部11を各別に挿入係合させる左右一対の第2後側係合孔81N1を第2後壁81Nに備えている。また、図7(b),図9に示すように、後側保持部91は、リッド2の車両後方側Rrの端部をパーセルシェルフ6の裏面側から受け止める複数の第2板ばね83(後側弾性部に相当)を第2固定壁81Kに備えている。複数の第2板ばね83は第2固定壁81Kの長手方向(車幅方向)に間隔を空けて並んでいる。
前記第2板ばね83は、第2固定壁81Kからパーセルシェルフ6の裏面とは反対側に膨出する第2基部83Aと、第2基部83Aの車両前方側Frの端部から立ち上がる第2立ち上がり部83Bと、第2立ち上がり部83Bの頂部から車両後方側Rrに延びて、リッド2の車両後方側Rrの端部を受け止め支持する第2ばね片83Cとから成る。第2ばね片83Cは、先端側ほど前記第2基部83Aから離間する状態に傾斜している。一つの後側保持部91(左側又は右側の後側保持部91)における複数の第2板ばね83は、左右一対の第2後側係合孔81N1の両側に位置する。
前記リッド2をリッド収納部50に収納する場合、前記前側爪部31を第2前側係合孔71M1に挿入係合させた後、可動プレート5を前記リッド本体2Hに対して車両後方側Rrにスライド移動させて、後側爪部11を前記第2後側係合孔81N1に挿入係合させる。
上記の構成によれば、
(1) クオーターインナートリム1から取り外したリッド2を収納するリッド収納部50が、パーセルシェルフ6の裏面に設けられているから、デッドスペースであるパーセルシェルフ6の裏面を有効活用することができる。また、パーセルシェルフ6は荷室60を上方から覆い隠す部品であり、パーセルシェルフ6の上に荷物を置くことは考えられないので、リッド収納部50にリッド2を収納する際に、荷物の移動が必要になることがない。その結果、リッド収納部50へのリッド2の収納作業の作業性を向上させることができ、使い勝手を向上させることができる。
(2) パーセルシェルフ6は前記凹部48の上方に配置されているから、リッド2をクオーターインナートリム1に取り付けた状態では、凹部48に入っている荷物にパーセルシェルフ6が干渉することがない。そして、リッド2をクオーターインナートリム1から取り外して荷室60の室内幅を凹部48の空間分だけ拡大した状態では、パーセルシェルフ6の裏面のリッド収納部50にリッド2を収納する時に、リッド2が荷物に干渉することがない。その結果、荷室60の収納性、リッド2の収納作業の作業性を向上させることができる。
(3) リッド2をパーセルシェルフ6の裏面のリッド収納部50に収納する場合、バックドア15は開いており、パーセルシェルフ6は後ろ上がり傾斜姿勢になっている。従って、乗員がパーセルシェルフ6を持ち上げて後ろ上がり傾斜姿勢に設定する必要はない。そして、乗員は、屈むことなく立った状態でリッド2をリッド収納部50に収納することができる。その結果、収納作業の作業性をより向上させることができ、荷室60の使い勝手をより向上させることができる。
(4) バックドア15を開いてパーセルシェルフ6を後ろ上がり傾斜姿勢に設定した状態では、前側保持部90は後側保持部91よりも下方に位置している。この状態で、リッド2の車両前方側Frの端部を前記前側保持部90に保持させた場合、リッド2の重心が前側保持部90に近くなるので、リッド2の車両後方側Rrの端部を前記後側保持部91に保持させる作業中にリッド2の保持状態を維持しやすい。その結果、リッド2の収納作業の作業性を向上させることができる。
(5) 前側爪部31を第2前側係合孔71M1に係合させることで、リッド2の前端部が位置決めされる。これにより、後側爪部11を第2後側係合孔81N1に簡単に位置決めすることができ、可動プレート5を車両後方側Rrにスライド移動させるだけで、後側爪部11を第2後側係合孔81N1に係合させることができる。
さらに、バックドア15を開いてリッド2をパーセルシェルフ6のリッド収納部50に収納する時には、パーセルシェルフ6が後ろ上がり傾斜姿勢になって、パーセルシェルフ6の車両後方側Rrの端部が上昇している。従って、可動プレート5をスライド操作しやすくすることができ、リッド2の収納作業の作業性を向上させることができる。
(6) 第2前側係合孔71M1の縦・横の長さと、前側爪部31の断面形状の縦・横の長さとは略同一であるから、リッド2をパーセルシェルフ6に対して確実に位置決めすることができる。その結果、リッド2のガタツキをより確実に抑えることができる。また、後側爪部11を第2後側係合孔81N1に向かってスライド移動させる際に、後側爪部11を第2後側係合孔81N1側に正確に向かわせることができ、リッド2の収納作業の作業性を向上させることができる。
(7) 例えば、左側のリッド2を保持する前後一対の保持部材と、右側のリッド2を保持する前後一対の保持部材とをパーセルシェルフ6の裏面に別々に固定する比較例の構造に比べると、保持部材の部品点数を少なくすることができ、構造を簡素化することができる。また、前記保持部材をパーセルシェルフ6に固定する作業を効率化することができる。
さらに、前記比較例の構造と比べると、保持部材とパーセルシェルフ6との固定面積を増やせるため、1つあたりの保持部材の固定箇所を増やすことができ、より強固に保持部材をパーセルシェルフ6に固定することができる。結果的に走行時のリッドのガタツキによる異音の発生を抑えることができる。
(8) リッド2をリッド収納部50に収納している状態で、リッド2の車両前方側Frの端部に第1板ばね73から弾性力がパーセルシェルフ6とは反対側に加わる。また、リッド2の車両後方側Rrの端部に第2板ばね83から弾性力がパーセルシェルフ6とは反対側に加わる。これにより、前記リッド2を弾性保持することができて、前記異音の発生を抑えることができる。
(9) パーセルシェルフ6の裏面にリッド収納部50を設けた構造では、パーセルシェルフ6の表面にリッド収納部50を設けた場合に比べると、リッド2の支持が不安定になりやすい。そのために、リッド2が車両走行中に揺れ、パーセルシェルフ6に当たって異音が発生する可能性がある。
これに対して、本発明の上記の構成によれば、前記リッド収納部50は、前記パーセルシェルフ6の裏面の左右中央部に設けられているから、パーセルシェルフ6の裏面にリッド収納部50を設けた構造でありながら、車体からの揺れがリッド収納部50のリッド2に伝わりにくくすることができ、リッド2の揺れを抑制して前記異音の発生を防止することができる。
[別実施形態]
前記前側の保持部材71と後側の保持部材81が前記パーセルシェルフ本体6Hと一体成形されていてもよい。
1 荷室の側壁(クオーターインナートリム)
2 リッド
2H リッド本体
6 パーセルシェルフ
6H パーセルシェルフ本体
11 後側爪部
15 バックドア
31 前側爪部
48 凹部
50 リッド収納部
60 荷室
71 前側の保持部材
71M1 前側係合孔(第2前側係合孔)
73 前側弾性部(第1板ばね)
81 後側の保持部材
81N1 後側係合孔(第2後側係合孔)
83 後側弾性部(第2板ばね)
90 前側保持部
91 後側保持部
Fr 車両前方側
O 横軸芯(第2横軸芯)
Rr 車両後方側
W1 車幅方向内側
W2 車幅方向外側

Claims (7)

  1. 後部座席の車両後方側に荷室が配置され、
    前記後部座席の上部背後にパーセルシェルフが設けられ、
    車両後面部にバックドアが設けられ、
    前記パーセルシェルフの左右両側部の前端部が、前記荷室の左右両側壁に横軸芯周りに回転可能に支持されている車両の荷室構造であって、
    前記荷室の左右両側壁に、車幅方向外側に凹む凹部が形成され、
    前記左右両側壁の凹部を車幅方向内側から各別に覆う左右一対のリッドが前記側壁に着脱自在に設けられ、
    前記側壁から取り外した前記リッドを収納するリッド収納部が前記パーセルシェルフの裏面に設けられ
    前記リッド収納部は、前記左右一対のリッドをパーセルシェルフ本体の裏面に左右に並べて保持する前後一対の保持部材を備え、
    前側の前記保持部材は、前記左右一対のリッドの車両前方側の端部を各別に保持する左右一対の前側保持部を備え、
    後側の前記保持部材は、前記左右一対のリッドの車両後方側の端部を各別に保持する左右一対の後側保持部を備えている車両の荷室構造。
  2. 前記パーセルシェルフは前記凹部の上方に配置されている請求項1記載の車両の荷室構造。
  3. 前記バックドアの開閉に連動して前記パーセルシェルフが前記横軸芯周りに揺動開閉可能に構成されている請求項1又は2記載の車両の荷室構造
  4. 前記リッドは、車両前方側の前側爪部と車両後方側の後側爪部を備え、
    前記後側爪部は、リッド本体に対して車両前後方向にスライド移動自在に構成され、
    前記リッド収納部の前側保持部は、前記前側爪部を挿入係合させる前側係合孔を備え、
    前記リッド収納部の後側保持部は、前記後側爪部を挿入係合させる後側係合孔を備え、
    前記前側爪部が前記前側係合孔に挿入係合された後、前記後側爪部が前記リッド本体に対して車両後方側にスライド移動して前記後側係合孔に挿入係合される請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両の荷室構造。
  5. 前記前側係合孔の縦・横の長さと、前記前側爪部の断面形状の縦・横の長さとが略同一である請求項に記載の車両の荷室構造。
  6. 前記前側保持部に、前記リッドの車両前方側の端部を前記パーセルシェルフの裏面側から受け止める前側弾性部が設けられ、
    前記後側保持部に、前記リッドの車両後方側の端部を前記パーセルシェルフの裏面側から受け止める後側弾性部が設けられている請求項1〜5のいずれか一つに記載の車両の荷室構造。
  7. 前記リッド収納部は、前記パーセルシェルフの裏面の左右中央部に設けられている請求項1〜6のいずれか一つに記載の車両の荷室構造。
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