JP6412639B2 - アンモニア性窒素含有排水の処理方法およびアンモニア性窒素分解剤 - Google Patents

アンモニア性窒素含有排水の処理方法およびアンモニア性窒素分解剤 Download PDF

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Description

本発明は、アンモニア性窒素を含む下水等の排水を処理するためのアンモニア性窒素含有排水の処理方法およびアンモニア性窒素分解剤に関する。
工場排水を含む事業場排水や下水処理水等を公共用水域に放流する場合、これら放流水は、水質汚濁防止法により排水基準の適用を受ける。また、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の3海域については、COD、窒素、りんによる総量規制の対象となる。
排水のうち、例えば下水や水産加工工場の排水等については、排水基準と総量規制に対応するため、放流前に大腸菌群数が3000個/mL以下になるように消毒する必要があるほか、アンモニア性窒素等の排水規制の対象となる成分の含有量をできるだけ低減させるのが望ましい。
下水等の消毒剤として、一般的に次亜塩素酸塩等の塩素系酸化剤が用いられるが、被処理水にアンモニア性窒素が含まれる場合、塩素系酸化剤は、アンモニア性窒素と反応してクロラミンを生成してしまうため、消毒効果が不十分となるという課題がある。そこで、最近は臭素系酸化剤を消毒剤成分として用いることが提案されている。消毒剤成分として、排水に含まれるアンモニア性窒素を分解する効果を有する成分を用いれば、後段の硝化脱窒等生物処理の負荷低減につながり、排水処理の観点からも有利な処理を行うことができる。
特許文献1には、下水等の排水用消毒剤として、次亜臭素酸またはその塩を含む消毒剤について示されている。また、特許文献2には、アンモニアまたはアンモニウムイオンを含む放流下水の消毒方法として、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントインからなる固体消毒剤を用いた消毒方法について示されており、この方法では雨天時下水の処理にも対応しうる。
しかし、特許文献1に記載の方法では、次亜臭素酸またはその塩を得るための臭化物塩と次亜塩素酸塩の2種類の薬剤の貯留設備およびこれらを反応させる反応装置が必要となり、設備が膨大になってしまう。特許文献2に記載の方法では、消毒剤が固体であるため、溶解装置が必要となり、同様に設備が膨大となってしまう。また、特許文献1,2に記載の方法では、排水や下水等に含まれるアンモニア性窒素の低減効果については一切記載がない。
特開2003−012425号公報 特許第4628132号公報
本発明の目的は、アンモニア性窒素含有排水を簡易な方法で処理することができるアンモニア性窒素含有排水の処理方法およびアンモニア性窒素分解剤を提供することにある。
本発明は、アンモニア性窒素を含有するアンモニア性窒素含有排水中に、臭素系酸化剤、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、を存在させ、臭素の当量に対するスルファミン酸化合物の当量の比が、0.5〜1.5の範囲であり、前記アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素のモル濃度に対する、有効塩素濃度換算の有効ハロゲンのモル濃度の比が、1.6以上であアンモニア性窒素含有排水の処理方法である。
本発明は、アンモニア性窒素を含有するアンモニア性窒素含有排水中に、臭素系酸化剤、もしくは臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、の混合物または反応生成物を存在させ、臭素の当量に対するスルファミン酸化合物の当量の比が、0.5〜1.5の範囲であり、前記アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素のモル濃度に対する、有効塩素濃度換算の有効ハロゲンのモル濃度の比が、1.6以上であアンモニア性窒素含有排水の処理方法である。
本発明は、アンモニア性窒素を含有するアンモニア性窒素含有排水中に、臭素とスルファミン酸化合物との混合物を存在させる、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を存在させ、臭素の当量に対するスルファミン酸化合物の当量の比が、0.5〜1.5の範囲であり、前記アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素のモル濃度に対する、有効塩素濃度換算の有効ハロゲンのモル濃度の比が、1.6以上であアンモニア性窒素含有排水の処理方法である。
前記アンモニア性窒素含有排水の処理方法において、前記アンモニア性窒素含有排水中に、前記臭素系酸化剤、または前記臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、前記スルファミン酸化合物と、を存在させた後に、アンモニア性窒素が低減された処理水をさらに逆浸透膜で処理することが好ましい。
前記アンモニア性窒素含有排水の処理方法において、前記アンモニア性窒素含有排水中に、前記臭素系酸化剤、もしくは前記臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、前記スルファミン酸化合物と、の混合物または反応生成物を存在させた後に、アンモニア性窒素が低減された処理水をさらに逆浸透膜で処理することが好ましい。
前記アンモニア性窒素含有排水の処理方法において、前記アンモニア性窒素含有排水中に、前記臭素とスルファミン酸化合物との混合物を存在させた後に、または、前記臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を存在させた後に、アンモニア性窒素が低減された処理水をさらに逆浸透膜で処理することが好ましい。
前記アンモニア性窒素含有排水の処理方法において、前記アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素の濃度が、5mg/L以上であることが好ましい。
本発明は、アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素を分解するためのアンモニア性窒素分解剤であって、臭素系酸化剤、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、を含み、臭素の当量に対するスルファミン酸化合物の当量の比が、0.5〜1.5の範囲である、アンモニア性窒素分解剤である。
本発明は、アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素を分解するためのアンモニア性窒素分解剤であって、臭素系酸化剤、もしくは臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、の混合物または反応生成物を含み、臭素の当量に対するスルファミン酸化合物の当量の比が、0.5〜1.5の範囲である、アンモニア性窒素分解剤である。
本発明は、アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素を分解するためのアンモニア性窒素分解剤であって、臭素とスルファミン酸化合物との混合物、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を含み、臭素の当量に対するスルファミン酸化合物の当量の比が、0.5〜1.5の範囲である、アンモニア性窒素分解剤である。
前記アンモニア性窒素分解剤において、前記アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素の濃度が、5mg/L以上であることが好ましい。
本発明では、アンモニア性窒素含有排水を簡易な方法で処理することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<アンモニア性窒素含有排水の処理方法>
本発明の実施形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法は、アンモニア性窒素を含有するアンモニア性窒素含有排水中に、「臭素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」とを存在させる方法、または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と「スルファミン酸化合物」とを存在させる方法である。これにより、アンモニア性窒素含有排水中で、安定化次亜臭素酸組成物が生成すると考えられる。
本発明の実施形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法は、アンモニア性窒素を含有するアンモニア性窒素含有排水中に、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との混合物」もしくは「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」である安定化次亜臭素酸組成物を存在させる方法、または、「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、の混合物」もしくは「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」である安定化次亜臭素酸組成物を存在させる方法である。
具体的には本実施形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法は、アンモニア性窒素含有排水中に、例えば、「臭素」、「塩化臭素」、「次亜臭素酸」または「臭化ナトリウムと次亜塩素酸との反応物」と、「スルファミン酸化合物」と、を存在させる方法である。
また、本実施形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法は、アンモニア性窒素含有排水中に、例えば、「臭素とスルファミン酸化合物との混合物」、「塩化臭素とスルファミン酸化合物との混合物」、または「臭化ナトリウムと次亜塩素酸との反応物と、スルファミン酸化合物と、の混合物」である安定化次亜臭素酸組成物を存在させる方法である。また、本実施形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法は、アンモニア性窒素含有排水中に、例えば、「臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」、「塩化臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」、または「臭化ナトリウムと次亜塩素酸との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」である安定化次亜臭素酸組成物を存在させる方法である。
これらの方法により、アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素を効率よく分解することができ、アンモニア性窒素含有排水を簡易な方法で処理することができる。これらの方法では、アンモニア性窒素含有排水を、一種類の処理剤を用いて処理することができる。また、消毒剤成分として、大腸菌群数の低減効果(消毒効果)に加えて、アンモニア性窒素を分解する効果を有する成分を用いるので、後段の硝化脱窒等生物処理等の負荷低減につながり、排水処理の観点からも有利な処理を行うことができる。
塩素系酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムは、アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素と反応して結合ハロゲン(クロラミン)を生成してしまい、アンモニア性窒素の分解性能が大きく低下してしまうが、上記安定化次亜臭素酸組成物は、結合ハロゲンの生成を経ずに直接アンモニア性窒素を分解することができるため、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系酸化剤に比べてアンモニア性窒素の分解効果が高く、より効率的な処理を行うことができると考えられる。また、上記安定化次亜臭素酸組成物は、スルファミン酸化合物を含むため、次亜臭素酸またはその塩に比べると、アンモニア性窒素の分解効果が高いと考えられる。
本実施形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法では、例えば、アンモニア性窒素含有排水中に、「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と、「スルファミン酸化合物」とを薬注ポンプ等により注入すればよい。「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と、「スルファミン酸化合物」とは別々にアンモニア性窒素含有排水に添加してもよく、または、原液同士で混合させて混合物としてからアンモニア性窒素含有排水に添加してもよい。
また、例えば、アンモニア性窒素含有排水中に、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」、または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」を薬注ポンプ等により注入してもよい。
「臭素系酸化剤」もしくは「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」における「臭素」の当量に対する「スルファミン酸化合物」の当量の比、または「臭素」の当量に対する「スルファミン酸化合物」の当量の比は、0.1以上であることが好ましく、0.5〜1.5の範囲であることがより好ましく、1〜1.5の範囲であることがさらに好ましい。ここで、「臭素」の当量に対する「スルファミン酸化合物」の当量の比とは、安定化次亜臭素酸組成物中の臭素含有率[重量%]を臭素(Br)の分子量(159.8)で割った値に対する、安定化次亜臭素酸組成物中のスルファミン酸化合物含有率[重量%]をスルファミン酸化合物の分子量(スルファミン酸化合物がスルファミン酸である場合は97.1)で割った値の比を表す。「臭素」の当量に対する「スルファミン酸化合物」の当量の比が0.1未満であると、十分なアンモニア性窒素の分解効果が得られない場合があり、1.5を超えると、製造コストが増加する場合がある。この当量の比が0.5〜1.5の範囲、より好ましくは0.7〜1.5の範囲であれば、効率よくアンモニア性窒素を分解することができる。また、この当量の比が1以上であれば、製剤の安定性が良好となる。
アンモニア性窒素含有排水中の有効ハロゲン濃度は有効塩素濃度換算で、1〜50mg/Lであることが好ましい。1mg/L未満であると、十分なアンモニア性窒素の分解効果が得られない場合があり、50mg/Lより多いと、配管等の腐食を引き起こす可能性がある。
アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素(NH−N)のモル濃度に対する、有効塩素濃度換算の有効ハロゲンのモル濃度(安定化次亜臭素酸組成物の添加モル濃度)の比が、1.6以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましい。この比が大きくなればなるほど、アンモニア性窒素の低減効果が高くなる。
臭素系酸化剤としては、臭素(液体臭素)、塩化臭素、臭素酸、臭素酸塩、次亜臭素酸等が挙げられる。
これらのうち、臭素を用いた「臭素とスルファミン酸化合物(臭素とスルファミン酸化合物の混合物)」または「臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物」の製剤は、「次亜塩素酸と臭素化合物とスルファミン酸」の製剤および「塩化臭素とスルファミン酸」の製剤等に比べて、臭素酸の副生が少なく、配管等の金属材料の腐食を引き起こす可能性が低いため、より好ましい。
すなわち、本実施形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法は、アンモニア性窒素含有排水中に、臭素と、スルファミン酸化合物とを存在させる(臭素とスルファミン酸化合物の混合物を存在させる)ことが好ましい。また、アンモニア性窒素含有排水中に、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を存在させることが好ましい。
臭素化合物としては、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、臭化アンモニウムおよび臭化水素酸等が挙げられる。これらのうち、製剤コスト等の点から、臭化ナトリウムが好ましい。
塩素系酸化剤としては、例えば、塩素ガス、二酸化塩素、次亜塩素酸またはその塩、亜塩素酸またはその塩、塩素酸またはその塩、過塩素酸またはその塩、塩素化イソシアヌル酸またはその塩等が挙げられる。これらのうち、塩としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸アルカリ金属塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウム等の次亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム等の亜塩素酸アルカリ金属塩、亜塩素酸バリウム等の亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ニッケル等の他の亜塩素酸金属塩、塩素酸アンモニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム等の塩素酸アルカリ金属塩、塩素酸カルシウム、塩素酸バリウム等の塩素酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらの塩素系酸化剤は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩素系酸化剤としては、取り扱い性等の点から、次亜塩素酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
スルファミン酸化合物は、以下の一般式(1)で示される化合物である。
NSOH (1)
(式中、Rは独立して水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。)
スルファミン酸化合物としては、例えば、2個のR基の両方が水素原子であるスルファミン酸(アミド硫酸)の他に、N−メチルスルファミン酸、N−エチルスルファミン酸、N−プロピルスルファミン酸、N−イソプロピルスルファミン酸、N−ブチルスルファミン酸等の2個のR基の一方が水素原子であり、他方が炭素数1〜8のアルキル基であるスルファミン酸化合物、N,N−ジメチルスルファミン酸、N,N−ジエチルスルファミン酸、N,N−ジプロピルスルファミン酸、N,N−ジブチルスルファミン酸、N−メチル−N−エチルスルファミン酸、N−メチル−N−プロピルスルファミン酸等の2個のR基の両方が炭素数1〜8のアルキル基であるスルファミン酸化合物、N−フェニルスルファミン酸等の2個のR基の一方が水素原子であり、他方が炭素数6〜10のアリール基であるスルファミン酸化合物、またはこれらの塩等が挙げられる。スルファミン酸塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩、マンガン塩、銅塩、亜鉛塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩等の他の金属塩、アンモニウム塩およびグアニジン塩等が挙げられる。スルファミン酸化合物およびこれらの塩は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。スルファミン酸化合物としては、環境負荷等の点から、スルファミン酸(アミド硫酸)を用いるのが好ましい。
本実施形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法において、さらにアルカリを存在させてもよい。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ等が挙げられる。低温時の製品安定性等の点から、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムとを併用してもよい。また、アルカリは、固形でなく、水溶液として用いてもよい。
本実施形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法において、処理対象のアンモニア性窒素含有排水のpHが3〜10の範囲であることが好ましく、4〜9の範囲であることがより好ましい。処理対象のアンモニア性窒素含有排水のpHが3未満であると、次亜臭素酸が臭素ガスとして揮発しやすくなりアンモニア性窒素の分解効果が低下する場合があり、10を超えると、アンモニア性窒素がアンモニアガスとして揮発して除去されやすくなり、本発明による処理の有効性が低下してしまう場合がある。
本実施形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法の処理対象とするアンモニア性窒素含有排水は、例えば、水産加工工場等の工場排水を含む事業場排水、下水等である。処理対象とするアンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素の濃度は、例えば、5mg/L以上であることが好ましく、5mg/L〜500mg/Lの範囲であることがより好ましい。本実施形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法によれば、5mg/L以上というアンモニア性窒素を比較的多く含む下水等の処理に好適に適用される。5mg/L以上というアンモニア性窒素を比較的多く含む下水等に対しても、大腸菌群数の低減効果に加えて、アンモニア性窒素含有排水に含まれるアンモニア性窒素を分解する効果を発揮することができる。特に、アンモニア性窒素を含有する排水を逆浸透膜で処理するような場合、排水のpHが高いと、遊離のアンモニアが逆浸透膜を透過してしまい、透過水中にリークしてしまう問題がある。この点、本実施形態に係るアンモニア性窒素含有排水の処理方法のように、アンモニア性窒素含有排水中に安定化次亜臭素酸組成物を添加し、アンモニア性窒素を分解した後に、アンモニア性窒素が低減された処理水を逆浸透膜で処理すれば、透過水中に遊離のアンモニアがリークしてしまうという問題を抑制することができるので好ましい。
<アンモニア性窒素分解剤>
本実施形態に係るアンモニア性窒素分解剤は、「臭素系酸化剤」または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物」と、「スルファミン酸化合物」とを含有するものであり、さらにアルカリを含有してもよい。
また、本実施形態に係るアンモニア性窒素分解剤は、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との混合物」、または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、の混合物」を含有するものであり、さらにアルカリを含有してもよい。また、本実施形態に係るアンモニア性窒素分解剤は、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」、または「臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物と、の反応生成物」を含有するものであり、さらにアルカリを含有してもよい。
臭素系酸化剤、臭素化合物、塩素系酸化剤およびスルファミン酸化合物については、上述した通りである。
本実施形態に係るアンモニア性窒素分解剤としては、配管等の金属材料に対する腐食性が低く、臭素酸の副生が少ない等の点から、臭素と、スルファミン酸化合物とを含有するもの(臭素とスルファミン酸化合物の混合物を含有するもの)、例えば、臭素とスルファミン酸化合物とアルカリと水との混合物、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を含有するもの、例えば、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物と、アルカリと、水との混合物が好ましい。
本実施形態に係るアンモニア性窒素分解剤は、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系酸化剤と比べると、結合ハロゲンの生成を経ずに直接アンモニア性窒素を分解することができるため、アンモニア性窒素の分解効果が高いと考えられる。また、本実施形態に係るアンモニア性窒素分解剤は、スルファミン酸化合物を含むため、次亜臭素酸またはその塩に比べると、アンモニア性窒素の分解効果が高いと考えられる。
アンモニア性窒素分解剤のpHは、例えば、13.0超であり、13.2超であることがより好ましい。アンモニア性窒素分解剤のpHが13.0以下であると分解剤中の有効ハロゲンが不安定になる場合がある。
アンモニア性窒素分解剤中の臭素酸濃度は、5mg/kg未満であることが好ましい。アンモニア性窒素分解剤中の臭素酸濃度が5mg/kg以上であると、処理水の臭素酸イオンの濃度が高くなる場合がある。
<アンモニア性窒素分解剤の製造方法>
本実施形態に係るアンモニア性窒素分解剤は、臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物とを混合する、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、スルファミン酸化合物とを混合することにより得られ、さらにアルカリを混合してもよい。
臭素と、スルファミン酸化合物とを含有するアンモニア性窒素分解剤、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を含有するアンモニア性窒素分解剤の製造方法としては、水、アルカリおよびスルファミン酸化合物を含む混合液に臭素を不活性ガス雰囲気下で添加して反応させる工程、または、水、アルカリおよびスルファミン酸化合物を含む混合液に臭素を不活性ガス雰囲気下で添加する工程を含むことが好ましい。不活性ガス雰囲気下で添加して反応させる、または、不活性ガス雰囲気下で添加することにより、分解剤中の臭素酸イオン濃度が低くなる。
用いる不活性ガスとしては限定されないが、製造等の面から素およびアルゴンのうち少なくとも1つが好ましく、特に製造コスト等の面から窒素が好ましい。
臭素の添加の際の反応器内の酸素濃度は6体積%以下が好ましいが、4体積%以下がより好ましく、2体積%以下がさらに好ましく、1体積%以下が特に好ましい。臭素の反応の際の反応器内の酸素濃度が6体積%を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合がある。
臭素の添加率は、分解剤全体の量に対して25重量%以下であることが好ましく、1重量%以上20重量%以下であることがより好ましい。臭素の添加率が分解剤全体の量に対して25重量%を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合がある。1重量%未満であると、アンモニア性窒素の分解効果が劣る場合がある。
臭素添加の際の反応温度は、0℃以上25℃以下の範囲に制御することが好ましいが、製造コスト等の面から、0℃以上15℃以下の範囲に制御することがより好ましい。臭素添加の際の反応温度が25℃を超えると、反応系内の臭素酸の生成量が増加する場合があり、0℃未満であると、凍結する場合がある。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<組成物の調製>
実施例で用いた安定化次亜臭素酸組成物A,B,C−1,C−2,C−3,C−4および次亜臭素酸塩組成物Dは下記のとおりである。
[安定化次亜臭素酸組成物Aの調製]
窒素雰囲気下で、液体臭素:16.9重量%(wt%)、スルファミン酸:10.7重量%、水酸化ナトリウム:12.9重量%、水酸化カリウム:3.94重量%、水:残分を混合して、組成物を調製した。組成物のpHは14、臭素含有率は16.9重量%であった。安定化次亜臭素酸組成物Aの詳細な調製方法は以下の通りである。
反応容器内の酸素濃度が1体積%に維持されるように、窒素ガスの流量をマスフローコントローラでコントロールしながら連続注入で封入した2Lの4つ口フラスコに1436gの水、361gの水酸化ナトリウムを加え混合し、次いで300gのスルファミン酸を加え混合した後、反応液の温度が0〜15℃になるように冷却を維持しながら、473gの液体臭素を加え、さらに48重量%水酸化カリウム溶液230gを加え、組成物全体の量に対する重量比でスルファミン酸10.7%、臭素16.9%、臭素の当量に対するスルファミン酸の当量の比が1.04である、目的の安定化次亜臭素酸組成物Aを得た。生じた溶液のpHは、ガラス電極法にて測定したところ、14であった。生じた溶液の臭素含有率は、臭素をヨウ化カリウムによりヨウ素に転換後、チオ硫酸ナトリウムを用いて酸化還元滴定する方法により測定したところ16.9重量%であり、理論含有率(16.9重量%)の100.0%であった。また、臭素反応の際の反応容器内の酸素濃度は、株式会社ジコー製の「酸素モニタJKO−02 LJDII」を用いて測定した。なお、臭素酸濃度は5mg/kg未満であった。
なお、pHの測定は、以下の条件で行った。
電極タイプ:ガラス電極式
pH測定計:東亜ディーケーケー社製、IOL−30型
電極の校正:関東化学社製中性リン酸塩pH(6.86)標準液(第2種)、同社製ホウ酸塩pH(9.18)標準液(第2種)の2点校正で行った
測定温度:25℃
測定値:測定液に電極を浸漬し、安定後の値を測定値とし、3回測定の平均値
[安定化次亜臭素酸組成物Bの調製]
国際特許出願公開第03/093171号の記載内容に基づき安定化次亜臭素酸組成物Bを調製した。安定化次亜臭素酸組成物Bは、液体臭素、スルファミン酸塩、水酸化ナトリウムを含有する組成物である。安定化次亜臭素酸組成物BのpHは14、臭素含有率は16.1重量%、臭素の当量に対するスルファミン酸の当量の比は1.45であった。
[安定化次亜臭素酸組成物C−1,C−2,C−3,C−4の調製]
特表平11−506139号公報の記載内容に基づき、下記手順で作製した組成物である。組成物のpHは14、臭素含有率は11.3重量%であった。
(1)表1に示す重量分の純水に、40重量%臭化ナトリウム水溶液の混合液を27.0グラム加え、撹拌した。
(2)(1)の溶液に、12重量%次亜塩素酸ナトリウム溶液を41.7g加え、撹拌した。
(3)56.0gの純水、26.0gのスルファミン酸、18.0gの水酸化ナトリウムから組成された安定化水溶液を作製した。
(4)(2)の溶液に、(3)の安定化溶液を表1に示す重量分だけ撹拌させながら加え、目的の安定化次亜臭素酸組成物C−1,C−2,C−3,C−4を得た。
Figure 0006412639
なお、例えば安定化次亜臭素酸組成物C−1の、臭素の当量に対するスルファミン酸の当量の比は、下式により算出される。
臭素の当量に対するスルファミン酸の当量の比=(2.6×0.26/97.1)/(11.3/159.8)=0.1
[次亜臭素酸塩組成物Dの調製]
下記手順で作製した組成物である。次亜臭素酸塩組成物DのpHは12、臭素含有率は11.3重量%であった。
(1)31.3gの純水に、40重量%臭化ナトリウム水溶液の混合液を27.0g加え、撹拌した。
(2)(1)の溶液に、12重量%次亜塩素酸ナトリウム溶液を41.7g加え、撹拌して目的の次亜臭素酸塩組成物Dを得た。
<実施例1〜3、比較例1,2>
模擬排水として、活性炭で残留塩素を除去した相模原市水に、アンモニア性窒素(NH−N)の濃度が7.8mg−N/L(0.56mmol/L)になるように塩化アンモニウムを溶解させた水溶液を調製した。調製した模擬排水のpHは7.2であった。調製した模擬排水に、安定化次亜臭素酸組成物A(実施例1−1)、安定化次亜臭素酸組成物B(実施例2)、安定化次亜臭素酸組成物C−1,C−2,C−3,C−4(参考例3−1,3−2,実施例3−3,3−4)、次亜臭素酸塩組成物D(比較例1)、または次亜塩素酸ナトリウム(比較例2)を、有効ハロゲンとして10mg/L asClになるように、または安定化次亜臭素酸組成物Aを1mg/L asClになるように(実施例1−2)添加した。試験液をデジタルスターラにより500rpmで撹拌しながら、アンモニア性窒素(NH−N)濃度の経時変化(10分後、30分後)を測定した。30分後に、試験水の全ハロゲン濃度を測定した。結果を表2に示す。
なお、全ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)は、下記の手順にしたがって測定した。
有効ハロゲン濃度は、試料を希釈し、HACH社の多項目水質分析計DR/4000を用いて(測定項目は「全塩素」)、有効塩素測定法(DPD(ジエチル−p−フェニレンジアミン)法)により測定した値(mg/L asCl)である。なお、ここで言う有効ハロゲンとは有効塩素測定法(DPD法)により測定した値とする。また有効塩素濃度より、塩素換算の有効ハロゲン濃度である有効臭素濃度(mg/L asCl)を算出することができ、有効塩素測定法(DPD法)による測定値に2.25(159.8(g/mol)/70.9(g/mol))を掛けた値で計算することができる(塩素(Cl)の分子量は70.9(g/mol)、臭素(Br)の分子量は159.8(g/mol)とする。)。
アンモニア性窒素(NH−N)濃度(mg/L asN)は、株式会社共立理化学研究所のパックテスト(アンモニウム態窒素、型式WAK−NH)により、JIS K 0102 42.2のインドフェノール青吸光光度法の発色原理を用いて測定した。
Figure 0006412639
表2において、比較例2より、次亜塩素酸ナトリウムでは、アンモニア性窒素をほとんど分解できないことがわかる。この理由として、次亜塩素酸ナトリウムは排水中のアンモニア性窒素と反応して結合ハロゲン(クロラミン)を生成してしまい、アンモニア性窒素の分解性能が大きく低下してしまうためと考えられる。また、比較例1より、次亜臭素酸塩を用いても十分にアンモニア性窒素を分解できないことがわかる。実施例1〜3に示すように、スルファミン酸を含有する安定化次亜臭素酸組成物を用いると、より効果的にアンモニア性窒素を分解できるようになり、臭素当量に対するスルファミン酸の当量の比が大きいほど、アンモニア性窒素の低減効果も高くなることが明らかになった。特に、安定化次亜臭素酸組成物における臭素の当量に対するスルファミン酸化合物の当量の比が、0.50(実施例3−3)または0.70(実施例3−4)以上の場合、アンモニア性窒素の低減効果が高くなることが明らかになった。また、実施例1−2と比較例1,2との比較により、安定化次亜臭素酸組成物Aは、より少ない添加濃度でもアンモニア性窒素の分解効果が高いことが明らかとなった。
参考例1−3〜1−4、実施例1−5〜1−7
模擬排水として、活性炭で残留塩素を除去した相模原市水に、アンモニア性窒素(NH−N)の濃度が7.8mg−N/L(0.56mmol/L)になるように塩化アンモニウムを溶解させた水溶液を調製した。調製した模擬排水のpHは7.2であった。調製した模擬排水に、安定化次亜臭素酸組成物A(参考例1−3〜1−4、実施例1−5〜1−7)を、有効ハロゲンとして15mg/L asCl(0.21mmol/L)(参考例1−3)、40mg/L asCl(0.56mmol/L)(参考例1−4)、61mg/L asCl(0.87mmol/L)(実施例1−5)、79mg/L asCl(1.11mmol/L)(実施例1−6)、99mg/L asCl(1.40mmol/L)(実施例1−7)になるように、添加した。試験液をデジタルスターラにより500rpmで撹拌しながら、アンモニア性窒素(NH−N)濃度の経時変化(10分後、30分後)を測定した。30分後に、試験水の全ハロゲン濃度を測定した。結果を表3に示す。なお、全ハロゲン濃度(有効塩素換算濃度)、アンモニア性窒素(NH−N)濃度(mg/L asN)は前述の方法で測定した。
表3において、処理前の模擬排水中のアンモニア性窒素(NH−N)のモル濃度(0.56mmol/L)に対する、有効塩素濃度換算の有効ハロゲンのモル濃度(安定化次亜臭素酸組成物の添加モル濃度)の比が大きくなればなるほど、アンモニア性窒素の低減効果も高くなることが明らかになった。特に、模擬排水中のアンモニア性窒素(NH−N)のモル濃度に対する、有効塩素濃度換算の有効ハロゲンのモル濃度(安定化次亜臭素酸組成物の添加モル濃度)の比が1.6(実施例1−5)以上の場合に、アンモニア性窒素をほぼ完全に分解できることが明らかとなった。
Figure 0006412639
<実施例4>
表4に記載されている水質である、アンモニア性窒素を含有する下水を用いて、安定化次亜臭素酸組成物のアンモニア性窒素分解性能および消毒性能の評価試験を実施した。300mLビーカに、有効ハロゲンとして5mg/L asClになるように薬剤(安定化次亜臭素酸組成物A)を添加し、デジタルスターラにより250rpmで撹拌した。薬剤を添加してから3分後に、処理した水を所定量採取し、アンモニア性窒素(NH−N)濃度を測定するとともに、有効塩素を失活させるためチオ硫酸ナトリウムを添加後、ペトリフィルムCCプレートにより大腸菌群数の測定を行った。
Figure 0006412639
表4より、安定化次亜臭素酸組成物は、アンモニア性窒素を比較的多く含む下水等に対しても、大腸菌群数の低減効果に加えて、アンモニア性窒素を分解する効果を発揮することが確認された。

Claims (11)

  1. アンモニア性窒素を含有するアンモニア性窒素含有排水中に、
    臭素系酸化剤、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、
    スルファミン酸化合物と、
    を存在させ
    臭素の当量に対するスルファミン酸化合物の当量の比が、0.5〜1.5の範囲であり、
    前記アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素のモル濃度に対する、有効塩素濃度換算の有効ハロゲンのモル濃度の比が、1.6以上であることを特徴とするアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  2. アンモニア性窒素を含有するアンモニア性窒素含有排水中に、
    臭素系酸化剤、もしくは臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、
    スルファミン酸化合物と、
    の混合物または反応生成物を存在させ
    臭素の当量に対するスルファミン酸化合物の当量の比が、0.5〜1.5の範囲であり、
    前記アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素のモル濃度に対する、有効塩素濃度換算の有効ハロゲンのモル濃度の比が、1.6以上であることを特徴とするアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  3. アンモニア性窒素を含有するアンモニア性窒素含有排水中に、
    臭素とスルファミン酸化合物との混合物を存在させる、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を存在させ
    臭素の当量に対するスルファミン酸化合物の当量の比が、0.5〜1.5の範囲であり、
    前記アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素のモル濃度に対する、有効塩素濃度換算の有効ハロゲンのモル濃度の比が、1.6以上であることを特徴とするアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  4. 請求項1に記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法であって、
    前記アンモニア性窒素含有排水中に、前記臭素系酸化剤、または前記臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、前記スルファミン酸化合物と、を存在させた後に、アンモニア性窒素が低減された処理水をさらに逆浸透膜で処理することを特徴とするアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  5. 請求項2に記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法であって、
    前記アンモニア性窒素含有排水中に、前記臭素系酸化剤、もしくは前記臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、前記スルファミン酸化合物と、の混合物または反応生成物を存在させた後に、アンモニア性窒素が低減された処理水をさらに逆浸透膜で処理することを特徴とするアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  6. 請求項3に記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法であって、
    前記アンモニア性窒素含有排水中に、前記臭素とスルファミン酸化合物との混合物を存在させた後に、または、前記臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を存在させた後に、アンモニア性窒素が低減された処理水をさらに逆浸透膜で処理することを特徴とするアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のアンモニア性窒素含有排水の処理方法であって、
    前記アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素の濃度が、5mg/L以上であることを特徴とするアンモニア性窒素含有排水の処理方法。
  8. アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素を分解するためのアンモニア性窒素分解剤であって、
    臭素系酸化剤、または臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、
    スルファミン酸化合物と、
    を含み、
    臭素の当量に対するスルファミン酸化合物の当量の比が、0.5〜1.5の範囲であることを特徴とするアンモニア性窒素分解剤。
  9. アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素を分解するためのアンモニア性窒素分解剤であって、
    臭素系酸化剤、もしくは臭素化合物と塩素系酸化剤との反応物と、
    スルファミン酸化合物と、
    の混合物または反応生成物を含み、
    臭素の当量に対するスルファミン酸化合物の当量の比が、0.5〜1.5の範囲であることを特徴とするアンモニア性窒素分解剤。
  10. アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素を分解するためのアンモニア性窒素分解剤であって、
    臭素とスルファミン酸化合物との混合物、または、臭素とスルファミン酸化合物との反応生成物を含み、
    臭素の当量に対するスルファミン酸化合物の当量の比が、0.5〜1.5の範囲であることを特徴とするアンモニア性窒素分解剤。
  11. 請求項10のいずれか1項に記載のアンモニア性窒素分解剤であって、
    前記アンモニア性窒素含有排水中のアンモニア性窒素の濃度が、5mg/L以上であることを特徴とするアンモニア性窒素分解剤。
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