JP6406497B2 - 根菜類収穫機 - Google Patents

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Description

本発明は、引抜搬送装置と作物搬送装置とを備えて圃場から引き抜いた大根等の根菜作物を残葉処理して収穫するための根菜類収穫機に関するものである。
先行特許文献1に記載の根菜類収穫機は、搬送されてきた大根等の作物の茎葉部を切断する際の姿勢を一定の方向に揃えるために、切断刃の下部に、作物の根部に接触すると屈曲し、茎葉が切断されると同時に根部を弾き出す機構を備えている。これにより、根菜類の本体部である根部に残る残葉が、搬送途中で残葉処理装置に接触して除去されやすくなる。
特開2010−273621号公報 特許第3669108号公報
しかしながら、茎葉部が切断された後、根部は下方の搬送経路まで落下するため、落下中や着地時に姿勢が変わり、根部に残る残葉が残葉処理装置に接触しない姿勢で搬送されることがある。これにより、手作業で残葉を根部から除去する作業が必要となり、作業能率が低下する問題がある。
また、上記文献に記載の根菜類収穫機は、作物の茎葉部を引抜搬送装置に掴ませるために引き起こす、引起し装置を備えている。
しかしながら、茎葉部が倒れていて、その方向が機体の進行方向の場合は、引起し装置に引き起こされた茎葉部が挟持前に落下移動してしまい、引抜搬送装置が作物を圃場から引き抜けず、抜き残された作物を作業者が引き抜く必要が生じることがある。これにより、作業者の労力が増加する問題がある。
また、先行特許文献2に記載の収穫補助作業機は、圃場から引き抜いた作物を搬送コンベア上に載置し、搬送中に茎葉部を切断し、機体上の収容部に作物を貯留するものである。
しかしながら、作物の引き抜きや搬送コンベアへの設置は手作業で行なう必要があるので、作業者の労力が増大すると共に、作業に要する時間が長くなる問題がある。
本発明は、圃場から引抜いた作物を選別収容するための作物搬送過程における確実な残葉処理等により、根菜類の収穫処理の効率化および選別作業の精度向上を可能とし、さらに、確実な引抜きを可能とする根菜類収穫機を提供することにある。
請求項1に係る発明は、圃場から作物を引き抜きつつ搬送する引抜搬送装置(24)と、この作物を引き継いで選別作業可能に搬送する作物搬送装置(41)と、この作物搬送装置(41)による搬送過程で作物の茎葉部を除去する残葉切断装置(44)とを備える根菜類収穫機において、 上記引抜搬送装置(24)から作物搬送装置(41)に作物が引き継がれる際に、上記残葉切断装置(44)が作用するように作物の姿勢を揃える姿勢調節部(42a)を設け、前記引抜搬送装置(24)を機体の車幅方向にスライド移動可能とするスライド機構を設け、前記作物搬送装置(41)を挟んでその前側位置に前記姿勢調節部(42a)を配置し、同後側位置に前記残葉切断装置(44)を配置し、前記引抜搬送装置(24)の搬送下手側で上記姿勢調節部(42a)よりも機体後側に引抜搬送中の作物の茎葉部を切断する茎葉切断部(D)を設け、前記作物搬送装置(41)は、作物を前記引抜搬送装置(24)の下方から車幅方向に横断搬送する搬送無端帯を備えるとともに、前記作物搬送装置(41)の両側縁に沿って前後の作物搬送カバー(42,43)を設け、前側の作物搬送カバー(42)の引抜搬送装置(24)の下方位置に、引抜き搬送中の作物の下部と干渉するU字型切欠によって前記姿勢調節部(42a)を形成し、前記茎葉切断部(D)は、前記引抜搬送装置(24)の搬送終端から前記姿勢調節部(42a)と干渉状態にある作物の茎葉部を受け、これを挟持搬送機構(31)によって、前記姿勢調節部(42a)と作物の干渉状態を維持しながら機体後側に搬送して作物を傾斜姿勢とし、傾斜姿勢となった作物の茎葉部を切断手段(32)によって切断して、作物を前記搬送無端帯上に載置する構成としたことを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項に係る発明において、前記姿勢調節部(42a)を回転支持体(42d)によって形成したことを特徴とする
請求項に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明において、前記作物搬送装置(41)の搬送無端帯に周回方向に等ピッチで複数の搬送突起(41a…)を設け、この作物搬送装置(41)と後側の前記作物搬送カバー(43)との間の間隔部(L)に対向回転刃を配置して前記残葉切断装置(44)を構成したことを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1から請求項のいずれかに係る発明において、前記引抜搬送装置(24)の前側に圃場面から茎葉部を引起こす引起し装置(25,26)と、引起こされた茎葉部を受けて前記引抜搬送装置(24)に引き継ぐ茎葉案内部材(27,28)とを設け、前記茎葉案内部材(27,28)は、左右のガイド構成体により、前部を左右に開いて後部を前記引抜搬送装置(24)の搬送始端部の前方で閉じ、その間を次第に近接して構成するとともに、前記引起し装置(25,26)の下部に取付られる下固定部(27b,28b)と、前記引起し装置(25,26)の下部から前記引抜搬送装置(24)の搬送始端部上に至る搬送傾斜部(27a,28a)と、前記搬送傾斜部(27a,28a)の上端を互いに隙間なく上下に重ね合わせて後方へ延長するようにして形成され、前記引抜搬送装置(24)の搬送始端部に取付けられる上固定部(27c,28c)とを設けたことを特徴とする。
請求項1に係る発明により、引抜搬送装置(24)から作物搬送装置(41)に作物が引き継がれる際に、姿勢調節部(42a)が作物の姿勢を一定に揃えて残葉切断装置(44)が作用可能となり、また、作物搬送装置(41)で搬送中の作物が一定姿勢で見やすくなるので、作物の傷や形状を目視しやすくなり、選別精度が向上する。また、搬送中に残葉切断装置(44)によって残葉除去できるので、収穫後に手作業で茎葉部を除去する作業に要する時間と労力が軽減される。
また、前記引抜搬送装置(24)を機体の車幅方向にスライド移動可能とするスライド機構を設けたことにより、ステアリング操作によって機体位置を移動して条合わせする場合の収穫速度の制限を受けることなく、高速収穫に対応した引抜き条合わせが可能となる。
また、引抜搬送装置(24)によって圃場から作物が引抜き搬送されると、その下部側が姿勢調節部(42a)に干渉して傾斜姿勢となり、その後方で茎葉部を切断する茎葉切断部(D)に達すると引抜き搬送が終了する。これにより、茎葉部が茎葉切断部(D)で切断されたときに、作物がその上部側を先に傾斜移動した状態で作物搬送装置(41)に載置されるので、作物が一定姿勢で作物搬送装置(41)によって車幅方向に搬送され、作物に残る茎葉部を搬送中に残葉切断装置44で確実に切断することができ、残された茎葉部を手作業で除去する作業が不要になる。
請求項に係る発明により、請求項に係る発明の効果に加え、姿勢調節部(42a)を回転支持体(42d)とすることにより、作物が接触する際の衝撃や擦過を抑えることができるので、姿勢を揃える際に作物が傷付くことが防止され、作物の商品価値が向上する。
また、作物が姿勢調節部(42a)に接触しても搬送抵抗になりにくいので、引抜搬送装置(24)に負荷がかかりにくく、耐久性が向上する。
請求項に係る発明により、請求項1または請求項2に係る発明の効果に加え、作物搬送装置(41)の搬送無端帯の周回方向に所定間隔毎に搬送突起(41a…)を形成したことにより、作物を一本ずつ搬送突起(41a…)で挟んで搬送することができるので、機体が傾斜した際に作物が転がることが防止され、茎葉部の切断精度が向上すると共に、作物の機外への落下が防止される。
また、作物搬送装置(41)と機体後側の作物搬送カバー(43)との間の間隔部(L)に一対の対向回転刃による残葉切断装置(44)を設けることにより、切断された茎葉部が間隔部(L)から圃場に落下し、作物回収部(G)への搬送が抑えられるので、切断茎葉部の混入収容による作物回収部(G)の作物収容効率の低下が防止される。
請求項に係る発明により、請求項1から請求項のいずれかに係る発明の効果に加え、引起し装置(25,26)が引き起こした茎葉部を、茎葉案内部材(27,28)で前記引抜搬送装置(24)に案内することにより、引抜搬送装置(24)が茎葉部を掴み損なうことを防止できるので、圃場に残された作物を手作業で引き抜く作業が不要になる。
茎葉案内部材(27,28)の搬送傾斜部(27a,28a)により、引起し装置(25,26)の下部から引抜搬送装置(24)の搬送始端部上まで、後ろ上がりに傾斜して茎葉部が案内されるので、機体の進行方向に沿って倒れている葉を容易に引起すことができ、作物の抜き残しが防止される。
加えて、茎葉案内部材の左右のガイド構成体(27,28)の前部を左右に開いたことにより、茎葉部の位置にかかわらず茎葉部を受けることができるので、引起し装置から引抜搬送装置(24)への茎葉部の引継ぎが確実になり、作業能率が向上する。
また、左右のガイド構成体(27,28)の後部を、引抜搬送装置(24)の搬送始端部の前方で閉じることにより、茎葉部を引抜搬送装置(24)が挟持しやすい場所に案内することができるので、作物の抜き残しの発生が防止される。
また、左右のガイド構成体(27,28)の左右間隔が機体後側ほど狭くなることにより、引抜搬送装置(24)の搬送始端部に茎葉部を確実に案内することができるので、作物の抜き残しの発生が防止される。
さらに、左右の茎葉案内部材(27,28)は、機体の進行方向に沿って倒れている葉を容易に引起すことができ、また、搬送傾斜部(27a,28a)の傾斜上端を隙間なく構成することにより、倒れている葉を拾い易くすることができる。
根菜類収穫機の平面図(a)および側面図(b) コンベヤの搬送終端側の要部斜視図 コンベヤ始端部の斜視図(a)および別構成例の要部斜視図(b) 別構成の根菜類収穫機の側面図 図4のJ矢視図 茎葉案内部材の平面図(a)および側面図(b) 別構成の茎葉案内部材の平面図(a)および背面図(b) 引起し装置の別構成例の要部側面図 別構成の根菜類収穫機要部の平面図(a)、側面図(b)およびスライド構成図(c) スライド操作部の斜視図(a)および操作態様の斜視図(b) 計器パネルの見取図
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。なお、説明においては、根菜類収穫機の前進方向に向かって前後、左右という。
本発明にかかる実施形態のダイコン収穫用の根菜類収穫機1は、その平面図(a)および側面図(b)を図1に示すように、機体を圃場走行可能に支持する走行部Aと、操縦者が運転操作する操縦部Bと、機体の片側部で圃場から大根等の作物を引き抜いて機体後部に搬送する収穫部Cと、この収穫部Cから作物を引き継いで茎葉部を切断する茎葉切断部Dと、茎葉切断部Dから落下する作物を受けて選別操作可能に他側部方向に搬送する作物搬送部Eと、その終端部で作物を収容部材に収容するための作物回収部Gと、作物を収容した収容部材を載置する収穫物載置部Hとから構成される。
また、操縦座席11の下に配置したエンジン2から走行部Aのクローラや搬送コンベヤに伝動する下側伝動機構3および、引抜搬送装置24や肩揃え装置に伝動する上側伝動機構4を備えて上記各装置に伝動する。
走行部Aは、機体フレーム1aを支持する左右のクローラによって圃場走行可能に構成する。
操縦部Bは、操縦座席11と、機体前側の操縦パネル12に機体の左右旋回操作及び収穫部Cの引抜き高さを操作する昇降操作レバー14を備えるほか、機体の前後進及び走行速度を調節するための変速操作レバー等を配置する。
収穫部Cは、左右一側に配置の引抜搬送装置24と引起こし装置等の周辺部材により構成する。引抜搬送装置24は、左右対向動作する挟持搬送ベルトを後ろ上がりに傾斜支持して構成し、その前端部にダイコン等の根菜作物の茎葉部を引き起こす縦引起し装置25と、該縦引起し装置25が引起した茎葉部を掬い上げる横引起し装置26を備えるほか、不図示の分草杆、支持高さを定めるゲージ輪、振動ソイラ等を備える。
茎葉切断部Dは、収穫部Cの引抜搬送装置24から作物を引き継いで機体後方に移送する挟持搬送機構31とカッター32とからなる茎葉切断装置によって構成し、茎葉部を切断するとともに本体部である根側を下方の作物搬送部Eに落下させる。
作物搬送部Eは、作物を車幅方向に展開搬送するベルトコンベヤによる作物搬送装置41によって構成し、操縦座席11を後方回動して作物の選別作業を可能に構成する。詳細は後述する。
作物回収部Gは、作物搬送部Eの搬送端に臨む収容部材の載置スペースであり、排出される作物を収容部材に収容可能に構成する。
収穫物載置部Hは、機体の側端部に沿って形成した載置スペースであり、作物回収部Gで作物を収容した収容部材を直列状に配列可能に構成する。
(作物搬送装置)
作物搬送装置41は、引抜搬送装置24の下方から作物回収部Gまで車幅方向に横断搬送する搬送無端帯によって構成し、作物搬送装置41の搬送始端側の斜視図を図2(a)に示すように、機体前後の側縁に搬送面より高い作物搬送カバー42,43を設け、機体前側配置の作物搬送カバー42には、引抜搬送装置24および茎葉切断部Dの挟持搬送機構31によって後送される作物の下部に干渉可能なストッパによる姿勢調節部42aを形成する。
上記構成の作物搬送装置41は、引抜搬送装置24によって作物が後方に搬送移動されるときにその下部に姿勢調節部42aが接触して作物を傾斜させ、後方配置の茎葉切断部Dのカッター32が作物の茎葉部を切断することにより、切り離された根側を作物搬送装置41上に寝かせるようにして作物の搬送姿勢を規定することができる。
このように、引抜搬送中の作物と接触する位置に姿勢調節部42aを配置したことにより、姿勢調節部42aに接触した作物の姿勢の変化する方向を搬送方向に固定することができるので、異なる姿勢で作物搬送装置41に載置される作物の発生が防止され、選別精度や茎葉の除去精度が向上する。
姿勢調節部42aは、前側の作物搬送カバー42の引抜搬送装置24の下方位置に作物搬送カバー42をU字状に切欠いて形成することにより、作物との接触圧力を緩和して接触部を保護することができ、必要により、ゴム等の弾性材によって被覆形成し、また、別例の要部斜視図を図3(b)に示すように、ローラ等の低摩擦の回転支持体42dにより構成する。
U字型切欠きによって形成した姿勢調節部42aは、尖った角部や大きな段差を作物の搬送経路から除外できるので、作物が傷付くことによる商品価値の低下や、作物の搬送が停滞して作業能率が低下することが防止される。
また、姿勢調節部42aを弾性材42cや回転自在に支持可能な回転支持体42dで構成することにより、作物が接触する際の衝撃や擦過を抑えることができるので、姿勢を揃える際に作物が傷付くことが防止され、作物の商品価値が向上する。また、回転支持体42dは、作物が接触しても搬送抵抗になりにくいので、引抜搬送装置24に負荷がかかりにくく、耐久性が向上する。
また、作物搬送装置41は、その搬送終端側の要部斜視図を図3に示すように、搬送無端帯から起立する搬送突起41a…を等ピッチに備え、さらに、作物搬送カバー42,43を両側縁に隙間L,Lを開けて配置し、これら前後配置の隙間L,Lに臨んで対向回転刃による残葉切断装置44を設ける。
作物搬送装置41の搬送突起41a…は、勾配搬送を可能に構成し、また、残葉切断装置44は、作物搬送装置41によって搬送移動される作物について、残留している茎葉を切り落とすために、作物搬送装置41の側縁の隙間Lの位置で作用させ、その切屑を隙間Lから圃場に落下可能に構成する。
上述のように、搬送無端帯41は、所定間隔毎に形成したことにより、作物を一本ずつ搬送突起41aで挟んで搬送することができるので、機体が傾斜した際に作物が転がることが防止され、茎葉部の切断精度が向上すると共に、作物の機外への落下が防止される。
また、作物搬送装置41と機体後側の作物搬送カバー43との間の隙間Lに臨んで回転刃による残葉切断装置44を設けることにより、切断された茎葉部が圃場に投下されるので、作物回収部Gに搬送されることを防止でき、茎葉部が作物回収部の容量を減らすことが防止される。
また、姿勢調節部42aを作物搬送装置41の前側に配置するとともに、引抜搬送装置24の搬送方向下手側で、且つ姿勢調節部42aよりも機体後側に茎葉切断装置Dのカッター32を設けたことにより、茎葉部がカッター32で切断されたときに、作物がその上部側を先に傾斜移動した状態で作物搬送装置41に載置されるので、作物に残る茎葉部を搬送中に残葉切断装置44で確実に切断することができ、残された茎葉部を手作業で除去する作業が不要になる。
上記作物搬送装置41は、左右一側の走行装置6側に配置した引抜搬送装置24の下方から、左右他側の走行装置6の上方に配置した作物回収部Gまでを搬送範囲とすることにより、収穫した作物の量が増えても左右他側にバランスが偏ることを防止できるので、機体の走行姿勢が安定し、作業能率や引抜精度の向上が図られる。
また、作物搬送装置41を操縦部Bの後方で、搬送方向を機体左右方向とすることにより、操縦部Bに搭乗する操縦者が後方を向くと、作物の選別作業を行えるので、商品に適さない作物を収穫作業中に除去することができる。
また、作物搬送装置41は、引抜搬送装置24から作物搬送装置41に作物が引き継がれる際に、姿勢調節部42aが作物の姿勢を一定に揃えることにより、作物搬送装置41で搬送中の作物が見やすくなるので、作物の傷や形状を目視しやすくなり、選別精度が向上する。
また、搬送中に作物の茎葉部を残葉切断装置44で除去することができるので、収穫後に手作業で茎葉部を除去する作業に要する時間と労力が軽減される。
また、操縦部Bの後方で作物搬送装置41の後側に開放空間部Fを形成することにより、残葉切断装置44に切断された茎葉部を圃場に落下させることができるので、茎葉部が機体上に溜まることが防止され、除去作業に要する時間や労力が軽減される。
(引起し装置)
次に、引起し装置について説明すると、別構成の根菜類収穫機の側面図を図4に、およびそのJ矢視図を図5に示すように、引抜搬送装置24の前方に圃場面近くの茎葉部を引起こす外側配置の縦引起し装置25と内側配置の横引起し装置26とを所定の傾斜姿勢で備えており、これら引起し装置25,26によって引起こされた茎葉部を受けて引抜搬送装置24に引き継ぐ左右の弾性ガイドバーによる茎葉案内部材27,28を設ける。
左右の茎葉案内部材27,28は、両引起し装置25,26の傾斜角度に沿ってそれぞれの下部から、引抜搬送装置24の始端上面に至る傾斜部27a,28aを形成し、両引起し装置25,26それぞれの下部に取付ける下固定部27b,28bと引抜搬送装置24の始端上面に取付ける上固定部27c,28cを備える。
両傾斜部27a,28aは、茎葉案内部材の平面図(a)および側面図(b)を図6に示すように、傾斜下端を開き、この傾斜下端から次第に近接して傾斜上端を閉じて隙間なく構成する。また、別の茎葉案内部材の構成例の平面図(a)およびそのK矢視図(b)を図7に示すように、傾斜上端で両上固定部27c,28cを互いにオーバーラップして隙間なく構成する。
上記構成の左右の茎葉案内部材27,28は、機体の進行方向に沿って倒れている葉を容易に引起すことができ、また、両傾斜部27a,28aの傾斜上端を隙間なく構成することにより、倒れている葉を拾い易くすることができる。
また、引起し装置の別構成例の要部側面図を図8に示すように、引抜搬送装置24の始端部まで茎葉案内部材29を後ろ上がりに構成することにより、上記同様に、機体の進行方向に沿って倒れている葉を容易に引起すことができる。
(スライド支持)
次に、収穫部Cを機体側方にスライド移動可能に設けた別構成の根菜類収穫機について説明する。以下において、前記同様の部材は、その符号を付して説明を省略する。
収穫部Cは、別構成の根菜類収穫機の要部の平面図(a)および側面図(b)を図9に示すように、片側の車側部に2つのスライドフレーム51,51を設けてベースフレーム52の前後端を支持し、このベースフレーム52上に引抜搬送装置24を取付ける。
両スライドフレーム51,51は、その拡大断面図を図9(c)に示すように、機体フレーム1aに取付けた支持レール51aと、この支持レール51aに沿ってスライド移動可能なガイドフレーム51bとによってベースフレーム52を機体側方にスライド移動可能に支持し、このベースフレーム52に電動スクリュー軸53を取付けて進退可能にスライド駆動し、この電動スクリュー軸53のインバータ制御によってベースフレーム52のスライド移動を可変速操作可能に構成する。
ベースフレーム52のスライド操作は、スライド操作部の斜視図を図10(a)に示すように、操縦部Bに配置されているHSTレバーと称する車速を無段変速するための変速レバー61のグリップ61aに左右回動操作が可能なダイヤル62と増減スイッチ63とを設ける。
これらダイヤル62と増減スイッチ63の位置は、操作態様の斜視図を図10(b)に示すように、グリップ61aの側面部について、グリップ61aを手で握った状態で親指64等による手指操作に適する位置に配置して、変速操作中を含め、常時操作可能に構成する。
ダイヤル62は、左右の回動角度と対応してベースフレーム52のスライド位置を左右に変更可能に構成し、また、増減スイッチ63は、事前登録したダイヤル62の回動角に対する複数のスライドスケールをワンタッチで順次切換可能に構成する。また、計器パネル63には、その見取図を図11に示すように、切換可能な複数のスライドスケールの表示64とともに、切換えたスライドスケール64aを点灯表示等によってモニター確認可能に構成する。
上記構成の根菜類収穫機は、変速レバー61のダイヤル62の操作に応じて引抜搬送装置24を横移動させることにより、ステアリング操作によって機体位置を移動して条合わせする場合の収穫速度の制限を受けることなく、高速収穫に対応した引抜き条合わせが可能となる。
1 根菜類収穫機
24 引抜搬送装置(収穫部)
25 縦引起し装置(引起し装置)
26 横引起し装置(引起し装置)
27 ガイド構成体(茎葉案内部材)
27a 搬送傾斜部
28 ガイド構成体(茎葉案内部材)
28a 搬送傾斜部
32 カッター
41 搬送無端帯(作物搬送装置)
41a 搬送突起
42 作物搬送カバー
42a 姿勢調節部
42c 弾性材
42d 回転支持体
43 作物搬送カバー
44 対向回転刃(残葉切断装置)
A 走行装置
B 操縦部
F 開放空間部
L 間隔部

Claims (4)

  1. 圃場から作物を引き抜きつつ搬送する引抜搬送装置(24)と、この作物を引き継いで選別作業可能に搬送する作物搬送装置(41)と、この作物搬送装置(41)による搬送過程で作物の茎葉部を除去する残葉切断装置(44)とを備える根菜類収穫機において、
    上記引抜搬送装置(24)から作物搬送装置(41)に作物が引き継がれる際に、上記残葉切断装置(44)が作用するように作物の姿勢を揃える姿勢調節部(42a)を設け、
    前記引抜搬送装置(24)を機体の車幅方向にスライド移動可能とするスライド機構を設け
    前記作物搬送装置(41)を挟んでその前側位置に前記姿勢調節部(42a)を配置し、同後側位置に前記残葉切断装置(44)を配置し、前記引抜搬送装置(24)の搬送下手側で上記姿勢調節部(42a)よりも機体後側に引抜搬送中の作物の茎葉部を切断する茎葉切断部(D)を設け、
    前記作物搬送装置(41)は、作物を前記引抜搬送装置(24)の下方から車幅方向に横断搬送する搬送無端帯を備えるとともに、前記作物搬送装置(41)の両側縁に沿って前後の作物搬送カバー(42,43)を設け、前側の作物搬送カバー(42)の引抜搬送装置(24)の下方位置に、引抜き搬送中の作物の下部と干渉するU字型切欠によって前記姿勢調節部(42a)を形成し、
    前記茎葉切断部(D)は、前記引抜搬送装置(24)の搬送終端から前記姿勢調節部(42a)と干渉状態にある作物の茎葉部を受け、これを挟持搬送機構(31)によって、前記姿勢調節部(42a)と作物の干渉状態を維持しながら機体後側に搬送して作物を傾斜姿勢とし、傾斜姿勢となった作物の茎葉部を切断手段(32)によって切断して、作物を前記搬送無端帯上に載置する構成としたことを特徴とする根菜類収穫機。
  2. 前記姿勢調節部(42a)を回転支持体(42d)によって形成したことを特徴とする請求項1に記載の根菜類収穫機。
  3. 前記作物搬送装置(41)の搬送無端帯に周回方向に等ピッチで複数の搬送突起(41a…)を設け、この作物搬送装置(41)と後側の前記作物搬送カバー(43)との間の間隔部(L)に対向回転刃を配置して前記残葉切断装置(44)を構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の根菜類収穫機。
  4. 前記引抜搬送装置(24)の前側に圃場面から茎葉部を引起こす引起し装置(25,26)と、引起こされた茎葉部を受けて前記引抜搬送装置(24)に引き継ぐ茎葉案内部材(27,28)とを設け、
    前記茎葉案内部材(27,28)は、左右のガイド構成体により、前部を左右に開いて後部を前記引抜搬送装置(24)の搬送始端部の前方で閉じ、その間を次第に近接して構成するとともに、
    前記引起し装置(25,26)の下部に取付られる下固定部(27b,28b)と、
    前記引起し装置(25,26)の下部から前記引抜搬送装置(24)の搬送始端部上に至る搬送傾斜部(27a,28a)と、
    前記搬送傾斜部(27a,28a)の上端を互いに隙間なく上下に重ね合わせて後方へ延長するようにして形成され、前記引抜搬送装置(24)の搬送始端部に取付けられる上固定部(27c,28c)とを設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の根菜類収穫機。
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