JP7186967B2 - 根菜収穫機 - Google Patents
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Description
この構造では、カッターの上下両側で作物の葉部を挟持した状態で葉部が切断されるものであるため、カッターの下側に位置する根部搬送体の上下方向幅よりも、切断後の葉部長さを短くすることはできないものであった。
また、葉部を挟持した状態で葉部が切断されるものであるため、作物主部を切断対象とすることはできないものであった。
つまり、姿勢保持ベルトを用いて作物主部を把持した状態で作物の切断が行われるので、切断時における作物の姿勢を安定させて、作物主部を所定切断位置で安定良く切断し易い。そして、葉部を切断対象とした場合にも、切断位置よりも下方で葉部を把持する必要がないので、葉部を極力短く、もしくは全くない状態に切断することも可能である。
このように、切断形態を多様化し得る等の利点もある。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用した根菜収穫機の作業走行時における前進側の進行方向(図1及び図2における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図1及び2における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図2における矢印L参照)が「左」である。図1における矢印Uは根菜収穫機の「上」、矢印Dは「下」を示している。
図1及び図2に本発明に係る根菜収穫機の一例として大根収穫機が示されている。大根収穫機は、右及び左のクローラ型式の走行装置2により、機体1が支持されており、機体1の右前部に運転部3が支持され、機体1の左部に、収穫対象の作物を抜き取って搬送する作物搬送装置4が前後方向に沿って支持されている。作物搬送装置4の前部に、抜き取り対象の作物の茎葉を条列に沿って左右に分離させるための分離装置5が支持されている。作物搬送装置4の前端下部に、圃場に接地して作物搬送装置4や分離装置5の対地高さを所定高さに保つための補助車輪6と、地中に突入して作物の抜き取りを行い易くするためのサブソイラ17と、が支持されている。
収穫対象の大根A(作物に相当する)は、葉A1(葉部に相当する)と、茎及び根で構成される身A2(作物主部に相当する)と、を備える。
運転部3の下方側にエンジン(図外)が備えられている。エンジンの動力が、走行装置2、作物搬送装置4、分離装置5、搬送コンベア7等に伝達されて、走行しながら収穫作業を行うように構成されている。従って、作物搬送装置4、分離装置5、搬送コンベア7等により作業装置Sが構成されている。
図1,3に示すように、作物搬送装置4は、前部が圃場の近傍の低位置で、後部が搬送コンベア7の上側の高位置に位置するように、全体が後上がり状(前下がり状)に支持された挟持搬送ベルト41(抜き取り搬送装置に相当する)を備えて、抜き取った作物を斜め後方上方へ搬送するように構成されている。挟持搬送ベルト41は、機体1に支持された左右一対の支持フレーム40によって支持されている。
そして、作物搬送装置4は、挟持搬送ベルト41の後部で、かつ下方に離れた位置で作物を切断するカッター43、カッター43に作物を送り込む位置決め用のガイドベルト42、及び、カッター43での切断位置よりも下方で、かつ切断対象の作物の葉部よりも下方の作物主部を把持して搬送する姿勢保持ベルト44を備えている。
支持フレーム40の前端部及び後端部に、右及び左の回転体15が支持され、前及び後の回転体15に亘って挟持搬送ベルト41が巻回されて、挟持搬送ベルト41の全体が後上がり状(前下がり状)に支持されている。
このガイドベルト42も、前端側よりも後端側が上位となる後上がり状に設けられているが、挟持搬送ベルト41の後上がり傾斜角度よりも緩やかな傾斜角度となるように設けられている。
つまり、挟持搬送ベルト41よりも下方に離れて位置するカッター43での切断位置に作物の切断予定箇所を合致させるように、ガイドベルト42を後方側ほど挟持搬送ベルト41から離れるように位置させてある。カッター43の切断位置は、作物の葉部と作物主部の境界よりも作物主部側を切断する位置に設定されている。
このカッター43、及びガイド駆動プーリ42aは、図5に示されるように、左側(図中下側)のガイド駆動プーリ42aが時計回りに回転し、右側(図中上側)のガイド駆動プーリ42aが反時計回りに回転している。したがって、搬送経路r2内に挟持されて搬送される作物を後方(矢印B方向)側へ引き込む方向に回転しながら切断する。
左右一対の姿勢保持ベルト44のそれぞれは、図6に示すように、前側の駆動プーリ44aと後側の従動プーリ44bに巻回され、左右の姿勢保持ベルト44,44の外周面同士の間に搬送経路r3が形成されている。
そして、姿勢保持ベルト44,44の各駆動プーリ44aと、ガイドベルト42,42の内周側に接触するように設けた各出力プーリ42dと、が伝動軸45で一体回転可能に連結されている。これにより、出力プーリ42dの回転に伴って駆動プーリ44aが回転駆動される。つまり、姿勢保持ベルト44の搬送経路r3とガイドベルト42の搬送経路r2とが、側面視でほぼ平行であり、かつ、出力プーリ42dの回転軸心と駆動プーリ44aが回転軸心とが同一軸心線上に並ぶ状態で配設されているので、一本の伝動軸45で出力プーリ42dから駆動プーリ44aへ動力を伝達することができる。
このように姿勢保持ベルト44,44の搬送速度をガイドベルト42の搬送速度よりも少し速くしているのは、図4に示すように、カッター43で切断される時点の作物主部が、カッター43の回転面にほぼ直交する姿勢で切断されるようにするためである。
つまり、姿勢保持ベルト44,44の搬送速度と、ガイドベルト42の搬送速度と、の速度差は、自重による垂れ下がり姿勢で搬送される作物の作物主部の軸線を、カッター43の回転面にほぼ直交する前倒れ姿勢に近づけるのに適した速度であるのが望ましい。
したがって、搬送経路r3内を移動する作物主部は、第一テンション輪44cの弾性付勢力から、逆向きの第二テンション輪44dの弾性付勢力を差し引いた弾性付勢力が作用する姿勢保持ベルト44で、弾性的に挟持されながらカッター43による切断位置へ搬送される。
搬送経路r3内を移動する作物主部との当接によって搬送経路r3から遠ざかる側へ第一テンション輪44cが後退したことによる姿勢保持ベルト44の緩みは、搬送経路r3とは反対側へ弾性付勢された第二テンション輪44dの、搬送経路r3とは反対側への移動によって吸収される。
図1,2に示すように、分離装置5は、多数の係止爪18a,19aが間隔を置いて並ぶように一体的に形成された4組の分離ベルト18,19と、上下方向に配置された縦フレーム20とを備えており、縦フレーム20が支持フレーム40の前部に支持されている。
図1,2に示すように、機体1の左前部に、上リンク22及び下リンク23が上下に揺動自在に支持され、上リンク22及び下リンク23の前部に縦リンク24が接続されて、四連リンクが構成されている。
図1,2に示すように、屋根10において、作物搬送装置4の後部の上側に位置する屋根10の左後部10aは、屋根10の本体部分とは分離されている。
図1,2に示すように、支持フレーム40の前部に、支持リンク32が上下に揺動自在に支持されており、支持リンク32の前部が、縦フレーム20の下部に揺動自在に接続されている。
以上の構造により、油圧シリンダ34により操作アーム33を上下に揺動駆動することによって、分離装置5の圃場からの高さを変更することができる。
図1,2に示すように、機体1が前進するのに伴って、右及び左の分離ベルト18の間に、収穫予定の列の大根Aが入る。
したがって、大根Aの後方搬送中に、大根Aの身A2の上端部がガイドベルト42の下縁に当接した状態となり、ガイドベルト42に対する大根Aの相対位置が位置決めされた状態となる。この状態で後方搬送された大根Aは、ガイドベルト42の後端部でガイドベルト42よりも下側に備えたカッター43により、大根Aの葉A1と身A2の境界よりも身A2側を切断される。
また、姿勢保持ベルト44の搬送速度はガイドベルト42の搬送速度よりも少し速く設定されているので、大根Aの身A2部分が、カッター43の回転面にほぼ直交する姿勢で見映え良く切断され、商品価値を向上させ易い。
(1)上記実施形態では、抜き取り搬送装置として、一本の無端回動体からなる挟持搬送ベルト41を示したが、必ずしもこの構造に限られるものではない。
例えば、抜き取り搬送装置として、前端から後端に至る範囲のうちの、前部側と後部側とで別々の搬送ベルトを用いて構成された構造のものであっても良いし、三箇所以上の複数箇所で別々の搬送ベルトを用いて構成された構造のものであっても良い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
例えば、カッター43が、大根Aの葉A1を切断する構造のものであったり、大根Aの葉A1と身A2の境界部分を切断する構造のものであってもよい。この場合にも、姿勢保持ベルト44が大根Aの身A2を把持した状態で切断することで安定良く大根Aの切断を行うことができる。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
42 ガイドベルト
43 カッター
44 姿勢保持ベルト
A 大根(作物)
A1 葉(葉部)
A2 身(作物主部)
Claims (4)
- 圃場の作物の葉部を把持して抜き取り、かつ斜め後方上方へ向けて作物を搬送する抜き取り搬送装置と、
前記抜き取り搬送装置によって搬送されてきた作物を、前記抜き取り搬送装置の下方位置で切断するカッターと、
前記抜き取り搬送装置の搬送経路の下側で作物の葉部を把持し、前記カッターでの切断位置に作物の切断予定箇所を合致させるように、前記抜き取り搬送装置より緩やかな傾斜で、上下方向における作物の高さ位置を調節しながら後方搬送して前記カッターに作物を送り込む位置決め用のガイドベルトと、
前記切断位置よりも下方で、かつ切断対象の作物の葉部よりも下方の作物主部を把持して搬送する姿勢保持ベルトと、前記ガイドベルトから送り出された作物を搬送する搬送コンベアと、が備えられ、
前記ガイドベルトの後端が、前記抜き取り搬送装置の後端より前側であり、
前記カッターが、平面視で前記ガイドベルトの後端に重複する位置に配置され、
前記姿勢保持ベルトの後端が、前記カッターの切断位置の近傍であり、
前記ガイドベルトが、搬送方向の下流側に配置され伝動軸から駆動力が伝えられるガイド駆動プーリと、搬送方向の上流側のガイド従動プーリと、搬送方向で中間の出力プーリとに巻回され、
前記姿勢保持ベルトが、搬送方向の上流側の駆動プーリと、搬送方向の下流側の従動プーリとに巻回され、前記出力プーリと前記駆動プーリとが伝動軸によって一体回転可能に連結され、
作物の収穫時に、前記抜き取り搬送装置と前記ガイドベルトとで葉部を把持し、且つ前記姿勢保持ベルトで作物主部を把持する状態で、前記カッターが作物の切断を行い、
この切断の後に、前記姿勢保持ベルトの後端から作物主部を含む作物を前記搬送コンベアに落下させ、前記抜き取り搬送装置の後端から作物の葉部を排出する根菜収穫機。 - 前記姿勢保持ベルトは、作物を把持して搬送する際の搬送速度が、前記ガイドベルトによる搬送速度よりも速く設定されている請求項1記載の根菜収穫機。
- 前記姿勢保持ベルトは、側面視で前記ガイドベルトとほぼ平行な搬送経路を備えて配設され、前記ガイドベルトに接触する前記出力プーリからの動力が前記姿勢保持ベルトに伝達されるように構成されている請求項1又は2記載の根菜収穫機。
- 前記カッターは、作物の葉部と作物主部との境界よりも作物主部側を切断する位置に設けられている請求項1~3のいずれか一項記載の根菜収穫機。
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