JP3724189B2

JP3724189B2 - 根菜類用収穫機

Info

Publication number: JP3724189B2
Application number: JP12709998A
Authority: JP
Inventors: 典弘矢野
Original assignee: Iseki and Co Ltd
Current assignee: Iseki and Co Ltd
Priority date: 1998-05-11
Filing date: 1998-05-11
Publication date: 2005-12-07
Anticipated expiration: 2018-05-11
Also published as: JPH11318153A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、根菜類用収穫機に関するものであって、根菜類の収穫機の技術分野に属する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の根菜類用収穫機は、走行装置を備えた車体上に、左右一対の挾持ベルトによって、圃場に植っている根菜類、例えば、人参や大根を挾持し、走行している車体と回転駆動されている挾持ベルトとの共同作用によって圃場から強制的に引き抜いて収穫する構成の引き抜き式の根菜収穫機や、補助作業者が、圃場から手作業によって収穫した根菜を収穫コンベヤ装置上に載置して車体側に搬送して収集する方式の根菜収穫機や、また、玉ねぎや馬鈴薯等のように土中に成育している根菜は、適宜深さの土中を進行する掘取機によって掘り取りながら収穫する構成の収穫機等がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来型の引き抜き式根菜収穫機は、挟持ベルトの搬送終端部分の下側に、該挟持ベルトから受け継いで果肉部と茎葉部とを切断分離しながら、果肉部を下方に落下させて収納箱に搬送し、茎葉部を排葉ベルトによって後方の圃場面に廃棄する首揃えベルト、切断装置、排葉ベルトから構成されていた。そして、これら首揃えベルト、切断装置、排葉ベルトは、カバ−が設けられておらず、安全性に欠けるとともに、防塵機能もなく、更に、枯れた茎葉が付着して停滞し、上側の挟持ベルトの終端部分まで溜って障害を起こす等の課題があった。また、挟持ベルトから首揃えベルトへの引継ぎが適確に行われないという課題があった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講ずるものである。すなわち、走行車体１は、走行ミッション装置２から伝動される走行装置３、３’を有し、その前方低位置から後方高位置に向けて収穫搬送装置４が設けられ、該収穫搬送装置４は、左右一対の挟持ベルト４ａ、４ｂからなり、圃場に植っている根菜を挟持して強制的に引き抜いて搬送する構成とされ、該挟持ベルト４ａ、４ｂの後方高位置部分の下側において、前記挟持ベルト４ａ、４ｂから収穫物を受け継いで後方に搬送する首揃えベルト５が設けられ、該首揃えベルト５の終端部の上方位置には、茎葉を受け継いで更に後方へ搬送する排葉ベルト６が配置され、前記首揃えベルト５の終端後方には切断装置７が設けられ、該切断装置７と、前記首揃えベルト５と排葉ベルト６とは、収穫物の移動通路８を前記排葉ベルト６の上方に沿って形成したカバ−９、９’によって、左右両側から被覆する構成とし、前記収穫搬送装置４の支持機枠１４の後部には、収穫搬送装置４を圃場面に支持すると共に、収穫搬送装置４で根菜類を適正な高さ位置で収穫することが可能となる接地転輪２２を設け、さらに、前記挟持ベルト４ａ、４ｂによって挟持されて搬送されている途中であって前記首揃えベルト５への引継ぎ位置の直前には、根菜類の肩部を案内する位置決め案内杆２３、２３’を設ける構成とし、該位置決め案内杆２３、２３’によって根菜類が案内されるときにおいては、根菜類は前記挟持ベルト４ａ、４ｂに緩く挟持されるように構成したことを特徴とする根菜類用収穫機である。
【０００５】
【発明の効果】
本発明は、上述のように構成されているから、首揃えベルトと、切断装置と、排葉ベルトは、作業上安全性がきわめて高くなり、しかも、防塵機能が優れているから、切断装置の耐久性が増大して長時間の使用が可能となった効果を有するものである。しかも、本発明は、切断した茎葉および枯れた茎葉を、排葉ベルトの上面にある移動通路を経て後方から圃場面に廃棄、還元できるから、枯れた茎葉の滞留が少なくなって、従来型の課題を解消できた。
【００１３】
そして、首揃えベルト５は、図１に示すように、始端部を収穫搬送装置４の終端部分に臨ませ、ほぼ水平状態に後方に延長して設け、挟持ベルト４ａ、４ｂによって上方へ搬送されている人参を、首部を受け継ぎ挟持して搬送方向を変更する構成としている。そして、首揃えベルト５は、図１１に示すように、一対のベルト５ａ、５ｂからなり、始端部の一定部分をテンションプ−リ２５によって緩く支持し、終端部分を間隔を狭くして比較的強く挟持搬送ができるように構成している。
また、収穫搬送装置４の支持機枠１４の後部に接地転輪２２を設けたことで、収穫搬送装置４を下げたときに土中に潜り込む等の不具合が発生するのを防止できるようになる。そして、収穫搬送装置４を下げると、まず、接地転輪２２が接地するが、この位置は根菜類を適正な高さ位置で収穫可能な位置としているので、事後の挟持ベルト４ａ、４ｂによる挟持作用が良好に行われるようになる。
また、根菜類は、位置決め案内杆２３、２３’によって案内されるときには、挟持ベルト４ａ、４ｂに緩く挟持されるので、根菜類は位置決め案内杆２３、２３’によって案内されて果肉の縦方向に移動でき、適確に首揃えベルト５に受け継がれるようになる。
【０００６】
【発明の実施の形態】
まず、その構成について説明する。
走行車体１は、前部の低位置に設けた走行ミッション装置２から両側に延長して設けているホィ−ルシャフトの駆動スプロケット１０に、左右一対の走行装置３、３’を設けて構成している。そして、走行装置３、３’は、ゴムを素材として成型したクロ−ラから構成している。
【０００７】
そして、前記走行ミッション装置２は、走行車体１に搭載している図外のエンジンから回転動力が伝動されるように連結し、図示しない走行クラッチを内装して前記走行装置３、３’のクラッチ操作を可能に構成している。そして、走行車体１は、前部右側に運転席１１を設けて運転可能とし、その左側から後部のスペ−スに後述する収穫搬送装置４等の一連の搬送装置や収穫した野菜の収納スペ−スを配置して構成している。
【０００８】
そこで、まず、収穫搬送装置４は、図３、図４および図５に示すように、左右一対の挟持ベルト４ａ、４ｂからなり、始端部を前方低部の地面近くに臨ませて、順次、後部上方に向けて傾斜させて延長し、終端部分を走行車体１の後方上部に位置させて人参を挟持して搬送する構成としている。この場合、挟持ベルト４ａ、４ｂは、図４および図５に示すように、始端部プ−リ１２、１２’に巻回し、これに後続して内側に軸架している複数のテンションロ−ラ１３によって挟持状態を保持できるようにそれぞれ内側に向けて張圧して構成している。そして、前記始端部プ−リ１２、１２’は、支持機枠１４から前側に向けて突出させたスクレパ−１５を臨ませて、外周に付着する土壌を除去できる構成としている。
【０００９】
そして、茎葉引起し装置１６は、引起しラグ１６ａが進行方向（前方）に向かって突出するように配置して始端部を前記挟持ベルト４ａ、４ｂの始端部より前方の両側に位置させ、上方に引起し回動できるように構成している。なお、１７は支持フレ−ムである。
つぎに、サブソイラ１８は、前記収穫搬送装置４の支持機枠１４に取り付けて支持し、図示しない振動装置に連結して掘り取り直前の土壌を振動によって柔軟にできる構成としている。
【００１０】
そして、上述した茎葉引起し装置１６と前記挟持ベルト４ａ、４ｂの始端部との間、更に、この挟持ベルト４ａ、４ｂの始端部と前記サブソイラ１８との間には、それぞれ充分な広さのスペ−スを形成している。これらの広い空間部分は、その部分に溜ろうとする分離された根部や枯れ落ちた茎葉を外側に排除できるから、挟持ベルト４ａ、４ｂは、収穫作用に際してこれらの余分な根部や枯れた茎葉を人参とともに挟持して上方側に搬送することがなく、余分なものまで収穫することがなくなる。
【００１１】
つぎに、接地板２０は、図６および図７に示すように、収穫搬送装置４の支持機枠１４の後部に固定し、収穫搬送装置４を圃場面に支持する構成としている。
すなわち、収穫搬送装置４は、茎葉引起し装置１６と一体に構成され、後部の回動支点２１を中心にして上下昇降可能に構成しているが、接地するときに、土中に潜り込む等の障害を未然に防止するために接地板２０を設けて安全を図っている。なお、図８に示す実施例は、上記接地板２０に代えて接地転輪２２を設けた構成例である。
【００１２】
このように構成することによって、収穫搬送装置４は、作業の開始にあたって作業位置に降下したとき、接地板２０（接地転輪２２）が、まず、先に接地して、キャッチングに適する高さに支えることができるから、事後の挟持作用が確実にできる。
つぎに、位置決め案内杆２３、２３’は、図９および図１０に示すように、挟持ベルト４ａ、４ｂによって挟持されて搬送されている途中において、首揃えベルト５への引継ぎ位置の直前に人参の肩部を案内するように構成している。この場合、挟持ベルト４ａ、４ｂは、位置決め案内杆２３、２３’によって案内され易いように、人参の通過位置では、複数のテンションロ−ラ２４によって緩く挟持できるように構成している。したがって、人参は、位置決め案内杆２３、２３’によって案内されるときには、挟持ベルト４ａ、４ｂに緩く挟持されているから、案内されて果肉の縦方向に移動でき、適確に首揃えベルト５に受け継がれる。
【００１３】
そして、首揃えベルト５は、図１に示すように、始端部を収穫搬送装置４の終端部分に臨ませ、ほぼ水平状態に後方に延長して設け、挟持ベルト４ａ、４ｂによって上方へ搬送されている人参を、首部を受け継ぎ挟持して搬送方向を変更する構成としている。そして、首揃えベルト５は、図１１に示すように、一対のベルト５ａ、５ｂからなり、始端部の一定部分をテンションプ−リ２５によって緩く支持し、終端部分を間隔を狭くして比較的強く挟持搬送ができるように構成している。
【００１４】
つぎに、切断装置７は、図１に示すように、一対の円板カッタ−２６、２６’を上記した首揃えベルト５の後方に軸架して設け、首揃えベルト５の終端部からタッピングベルト２７に受け継がれて搬送されている人参の果肉部と茎葉とを切断する構成としている。そして、排葉ベルト６は、円板カッタ−２６、２６’およびタッピングベルト２７の上方に巻回して設け、切断後の茎葉を後方から圃場面に廃棄する構成としている。
【００１５】
なお、２８はコンベヤベルトであって、切断されて落下してきた人参の果肉部を側方に収納箱に搬送する構成としている。
以上のように構成されている首揃えベルト５と切断装置７とタッピングベルト２７と排葉ベルト６とは、図１および図２に示すように、左右両側からカバ−９、９’を合わせた状態に接近して設け、排葉ベルト６の上側に搬送方向に沿わせて茎葉を移送する移送通路８を開口して覆った構成としている。
【００１６】
２９は分草杆である。
つぎにその作用について述べる。
まず、野菜収穫機は、エンジンを始動して機体の回転各部を駆動しながら、圃場内を前進させて人参の収穫作業を開始する。
すると、圃場の人参は、前部の低い位置にある分草杆２９に係合されて引き起こされ、続いて、前部で地面に接するような低い位置から上方へ回転している引起しラグ１６ａに達して更に、引き起こされる。そのとき、サブソイラ１８は、土中で振動しながら前進し、人参の成育している土壌を柔軟にしている。
【００１７】
このようにして、人参は、挟持ベルト４ａ、４ｂの始端部に達して首部分が左右両側から挟持され、順次、上方への引き抜き作用を受け、そのままの状態で、更に、上方に搬送される。そして、人参は、位置決め案内杆２３、２３’に達すると、肩の部分が誘導案内されながら、所定位置に揃えられて、首揃えベルト５に持ち換えられて後方に搬送方向が変更され、タッピングベルト２７に達して受け継ぎ搬送されながら、円板カッタ−２６、２６’によって茎葉が切り落とされる。
【００１８】
そして、人参は、果肉部分の商品となる部位が、下側のコンベヤベルト２８上に落下して受け継がれ、走行車体１の側方に搬送されて収納箱に連続的に収穫される。
以上のような作業中において、本発明は、円板カッタ−２６、２６’からなる切断装置７と、一対のベルト５ａ、５ｂから構成されている首揃えベルト５と切断後の茎葉類を後部機外に搬送して廃棄する排葉ベルト６とを、収穫物の移動通路８を前記排葉ベルト６の上方に沿って形成したカバ−９、９’によって、左右両側から被覆して構成しているから、全体としてきわめて安全に作業が行なえるものとなった。更に、一連の装置は、充分な防塵機能が働いて円板カッタ−２６、２６’の耐久性を増すことができた。その上に加えて、実施例の構成によれば、切断された茎葉や枯れて付着しようとする茎葉等は、カバ−９、９’の間に排葉ベルト６の上方に沿って形成した移動通路８を通して後部まで搬送して、圃場面に廃棄できるから、滞留茎葉がほとんど発生せず、ほとんど収穫後の圃場に還元できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例であって、側面図である。
【図２】本発明の一実施例であって、切断背面図である。
【図３】本発明の一実施例であって、側面図である。
【図４】本発明の一実施例であって、平面図である。
【図５】本発明の一実施例であって、切断側面図である。
【図６】本発明の一実施例であって、側面図である。
【図７】本発明の一実施例であって、平面図である。
【図８】本発明の一実施例であって、側面図である。
【図９】本発明の一実施例であって、底面図である。
【図１０】本発明の一実施例であって、側面図である。
【図１１】本発明の一実施例であって、平面図である。
【符号の説明】
１走行車体２走行ミッション装置３、３’ 走行装置
４収穫搬送装置４ａ、４ｂ挟持ベルト５首揃えベルト
６排葉ベルト７切断装置８移動通路
９、９’ カバ− １４支持機枠２２接地転輪
２３、２３’ 位置決め案内杆。

Claims

走行車体（１）は、走行ミッション装置（２）から伝動される走行装置（３）、（３’）を有し、その前方低位置から後方高位置に向けて収穫搬送装置（４）が設けられ、該収穫搬送装置（４）は、左右一対の挟持ベルト（４ａ）、（４ｂ）からなり、圃場に植っている根菜を挟持して強制的に引き抜いて搬送する構成とされ、該挟持ベルト（４ａ）、（４ｂ）の後方高位置部分の下側において、前記挟持ベルト（４ａ）、（４ｂ）から収穫物を受け継いで後方に搬送する首揃えベルト（５）が設けられ、該首揃えベルト（５）の終端部の上方位置には、茎葉を受け継いで更に後方へ搬送する排葉ベルト（６）が配置され、前記首揃えベルト（５）の終端後方には切断装置（７）が設けられ、該切断装置（７）と、前記首揃えベルト（５）と排葉ベルト（６）とは、収穫物の移動通路（８）を前記排葉ベルト（６）の上方に沿って形成したカバ−（９）、（９’）によって、左右両側から被覆する構成とし、前記収穫搬送装置（４）の支持機枠（１４）の後部には、収穫搬送装置（４）を圃場面に支持すると共に、収穫搬送装置（４）で根菜類を適正な高さ位置で収穫することが可能となる接地転輪（２２）を設け、さらに、前記挟持ベルト（４ａ）、（４ｂ）によって挟持されて搬送されている途中であって前記首揃えベルト（５）への引継ぎ位置の直前には、根菜類の肩部を案内する位置決め案内杆（２３）、（２３’）を設ける構成とし、該位置決め案内杆（２３）、（２３’）によって根菜類が案内されるときにおいては、根菜類は前記挟持ベルト（４ａ）、（４ｂ）に緩く挟持されるように構成したことを特徴とする根菜類用収穫機。