JP3747626B2 - 野菜収穫機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、野菜収穫機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の野菜収穫機は、走行装置を備えた車体上に、左右一対の挾持ベルトによって、圃場に植っている根菜類、例えば、人参や大根を挾持し、走行している車体と回転駆動されている挾持ベルトとの共同作用によって圃場から強制的に引き抜いて収穫する構成の引き抜き式の根菜収穫機や、補助作業者が、圃場から手作業によって収穫した野菜を収穫コンベヤ装置上に載置して車体側に搬送して収集する方式の野菜収穫機や、また、玉ねぎや馬鈴薯等のように土中に成育している野菜は、適宜深さの土中を進行する掘取機によって掘り取りながら収穫する構成の収穫機等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来型の引き抜き式根菜収穫機は、挟持ベルトの始端部前方位置に、ナロ−ガイドの機能を有する部材が存在しないために、隣接する植付条列の野菜の茎葉が収穫条列まで倒れ込んで乱れ、接地センサの検出機能を乱したり、挟持ベルトの始端部のキャッチング機能を阻害する等の課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講ずるものである。すなわち、走行車体1は、走行ミッション装置2から伝動される走行装置3、3’を有し、その前方から後方に向けて収穫搬送装置4が設けられ、該収穫搬送装置4は、左右一対の挟持ベルト4a、4bからなり、圃場に植っている野菜を挟持して強制的に引き抜いて搬送する構成とされ、該挟持ベルト4a、4bの始端部の前方には、接地センサSが配置して設けられ、更に、前記挟持ベルト4a、4bの始端部の前方には、倒伏した茎葉を引起す引起しラグ5aが突出するように配置された茎葉引起し装置5が設けられ、該茎葉引起し装置5は、基部が前記収穫搬送装置4の支持機枠6に固着されて側方に張り出した状態で前方、上方に延長した支持ア−ム7に取付け支持する構成とし、該支持ア−ム7を側方に張り出させるにあたり、支持ア−ム7は左右の分草杆12、12’よりも側方に張り出す構成とし、前記挟持ベルト4a、4bの中間部分下側にはカッター装置14を前後2箇 所に配置して設け、該カッター装置14は、挟持ベルト4a、4bで搬送途中の野菜の根の一部を切断する構成とし、さらに、後方上方に向って移動する挟持ベルト4a、4bの移動速度Vの水平分速V2は、走行装置3、3’の前進走行速度V1よりも速くなるように構成したことを特徴とする野菜収穫機である。
【0005】
【発明の効果】
本発明は、上述のように構成されているから、支持ア−ムは、茎葉引起し装置の支持機能を有するものでありながら、挟持ベルトの始端部の前方において、ナロ−ガイドとして働き、隣接する植付条列の野菜の茎葉が収穫条列まで倒れ込むのを未然に防止して、接地センサの検出機能を正常に保ち、挟持ベルトの始端部のキャッチング機能を確実に行なわせることができる効果を有する。また、野菜は、挟持ベルト4a、4bの始端部に挟持されると、後方に移動しながら上方に引き抜かれるため、小さい力で引き抜くことができるようになる。
【0006】
【発明の実施の形態】
まず、その構成について説明する。
走行車体1は、前部の低位置に設けた走行ミッション装置2から両側に延長して設けているホィ−ルシャフトの駆動スプロケット8に、左右一対の走行装置3、3’を設けて構成している。そして、走行装置3、3’は、ゴムを素材として成型したクロ−ラから構成している。
【0007】
そして、前記走行ミッション装置2は、走行車体1に搭載している図外のエンジンから回転動力が伝動されるように連結し、図示しない走行クラッチを内装して前記走行装置3、3’のクラッチ操作を可能に構成している。そして、走行車体1は、前部右側に運転席9を設けて運転可能とし、その左側から後部のスペ−スに後述する収穫搬送装置4等の一連の搬送装置や収穫した野菜の収納スペ−スを配置して構成している。
【0008】
そこで、まず、収穫搬送装置4は、図1および図2に示すように、左右一対の挟持ベルト4a、4bからなり、始端部を前方低部の地面近くに臨ませて、順次、後部上方に向けて傾斜させて延長し、終端部分を走行車体1の後方上部に位置させて人参を挟持して搬送する構成としている。この場合、挟持ベルト4a、4bは、その始端部分で圃場に植っている人参の首部分を左右両側から挟持して移動に伴って地面から引き抜きながら堀取って後方上方に搬送する構成としている。そして、挟持ベルト4a、4bは、図2に表示したように、後方上方に向かって移動する移動速度(V)の水平分速(V2)が、走行装置3、3’の前進走行速度(V1)より、若干速くなる関係(V1<V2)に設定して構成している。
【0009】
したがって、収穫物は、挟持ベルト4a、4bの始端部に挟持されると、若干ではあるが、後方に移動されながら上方に引き抜かれるため、比較的小さい力で引き抜き収穫されることができる。
そして、茎葉引起し装置5は、引起しラグ5aが進行方向(前方)に向かって突出するように配置して始端部を前記挟持ベルト4a、4bの始端部より前方の両側に位置させ、上方に引起し回動できるように構成している。そして、支持ア−ム7は、図2に示すように、基部を前記収穫搬送装置4の支持機枠6に固着して、側方に張り出した状態で上方に延長してその上部に茎葉引起し装置5を取付け支持している。この場合、支持ア−ム7は、図1に示すように、側方側に張り出した部分がナロ−ガイドとしての機能を発揮できる構成となっている。
【0010】
つぎに、接地センサSは、前記茎葉引起し装置5の下部にセットし、挟持ベルト4a、4bの始端部側に延長して接地高さを検出する構成としている。なお、10は揺動連杆を示し、接地センサSの検出情報をポテンショメ−タ11に伝達できる構成としている。
なお、高さ制御は、公知の機構であるから具体的な構成の説明は省略するが、収穫搬送装置4は、接地センサSの検出情報に基づいて、挟持ベルト4a、4bの始端部分の高さを制御し、野菜のキヤッチングの高さを保持する構成としている。
【0011】
つぎに、分草杆12、12’は、図2および図3に示すように、基部を前記茎葉引起し装置5の下部に取り付けて前方側に延長し、先端部分で茎葉をすくうように狭くして後方を比較的広い形状にして誘導する構成としている。
つぎに、押圧ロ−ラ13、13’は、図4および図5に示すように、挟持ベルト4a、4bの始端部分の前方位置に、平面視においてジグザグ状態にして縦軸を中心に回転するロ−ラを軸架して構成している。この構成によって、圃場に植っている野菜は、右から左から交互に押し圧されて抜けやすくなった状態で挟持ベルト4a、4bに挟持されて引き抜かれる。
【0012】
つぎに、カッタ−装置14は、図2に示すように、前記収穫搬送装置4の中間部分下側に装置し、挟持ベルト4a、4bによって首部を挟持されて上方へ搬送されている途中の人参の根(毛根)部を切断する構成としている。なお、カッタ−装置14は、具体的には図示していないが、搬送方向に配列した線杆の下側に2器の切断装置を内装して、その線杆の間から下側に出た根の部分を切断する構成としている。
【0013】
そして、首揃えベルト15は、始端部を収穫搬送装置4の終端部分に臨ませ、ほぼ水平状態に後方に延長して設け、挟持ベルト4a、4bによって上方へ搬送されている人参を、首部を受け継ぎ挟持して搬送方向を変更する構成としている。そして、首揃えベルト15は、左右ベルト15a、15bからなり、人参の首部分を左右から挟持して搬送する構成(図1参照)としている。
【0014】
つぎに、円板カッタ−16、16’は、一対のものを上記した首揃えベルト15の後方に軸架して設け、首揃えベルト15の終端部からタッピングベルト17に受け継がれて搬送されている人参の茎葉を切断する構成としている。なお、18は排葉ベルトである。
そして、コンベヤベルト19は、図5、図6および図7に示すように、上記円板カッタ−16、16’の下方から走行車体1の右側(運転席9の後方位置)に向けて延長し、収納箱(コンテナ)20まで人参を搬送する構成としている。そして、案内受台21は、図6および図7に示すように、多条の土抜き孔22を配列して設け、コンベヤベルト19と収納箱20との間に介装し、収穫した野菜に付着している土壌を圃場に還元する構成としている。
【0015】
そして、コンベヤベルト19は、図8および図9に示す実施例の場合は、後側を高くして前側を低く傾斜状に位置させて卷回して構成し、しかも、所定間隔ごとにスポンジ部材でラグ形状の隆起部分23を形成した構成としている。
実施例に係るコンベヤベルト19は、円板カッタ−16、16’から切断されて落下するとき、人参が首部を上側にしているから、丁度、スポンジ部材でラグ形状にした隆起部分23に柔らかく受けとめられる状態になって、損傷を受けることなく収納箱20側に搬送することができる。
【0016】
つぎにその作用について述べる。
まず、野菜収穫機は、エンジンを始動して機体の回転各部を駆動しながら、圃場内を前進させて人参の収穫作業を開始する。
すると、圃場の人参は、その茎葉が前部低い位置にある分草杆12、12’に係合されて引き起こされ、後方に誘導され、続いて、前部で地面に接するような低い位置から上方へ回転している引起しラグ5aに達して上方に引き起こされる。 このようにして、人参は、首の部分が挟持ベルト4a、4bの始端部に達して左右一対の挟持ベルト4a、4bによって挟持され、順次、上方へ引き抜き作用を受ける。そして、人参は、上方に搬送される過程で、途中でカッタ−装置11によって、根(毛根)が切断され、更に上方に搬送される。そして、人参は、首揃ベルト15に持ち換えられて後方に搬送方向が変更され、タッピングベルト17に達して受け継ぎ搬送されながら、円板カッタ−16、16’によって茎葉が切り落とされる。
【0017】
そして、人参は、コンベヤベルト19上に受け継がれて走行車体1の側方に搬送されて収納箱20に連続的に収穫される。
上述のような作業中において、本発明は、基部を収穫搬送装置4の支持機枠6に固着して側方に張り出しながら前方側から上方に延長して茎葉引起し装置5を取り付け支持している支持ア−ム7が、ナロ−ガイドの機能を発揮するから、収穫中の野菜の条列に隣接する野菜の植え付け条列の茎葉が排除されながら前進するから、絡みつくことがなく、接地センサSに検出機能の障害もなく、挟持ベルト4a、4bのキャッチングを阻害することもなく、確実に収穫作業ができる特徴を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であって、平面図である。
【図2】 本発明の一実施例であって、側面図である。
【図3】 本発明の一実施例であって、平面図である。
【図4】 本発明の一実施例であって、平面図である。
【図5】 本発明の一実施例であって、側面図である。
【図6】 本発明の一実施例であって、平面図である。
【図7】 本発明の一実施例であって、背面図である。
【図8】 本発明の一実施例であって、平面図である。
【図9】 本発明の一実施例であって、斜面図である。
【符号の説明】
1 走行車体 2 走行ミッション装置 3、3’ 走行装置、
4 収穫搬送装置 4a、4b 挟持ベルト 5 茎葉引起し装置、
5a 引起しラグ 6 支持機枠 7 支持ア−ム、
12、12’ 左右の分草杆 14 カッター装置。
Claims (1)
- 走行車体(1)は、走行ミッション装置(2)から伝動される走行装置(3、3’)を有し、その前方から後方に向けて収穫搬送装置(4)が設けられ、該収穫搬送装置(4)は、左右一対の挟持ベルト(4a、4b)からなり、圃場に植っている野菜を挟持して強制的に引き抜いて搬送する構成とされ、該挟持ベルト(4a、4b)の始端部の前方には、接地センサ(S)が配置して設けられ、更に、前記挟持ベルト(4a、4b)の始端部の前方には、倒伏した茎葉を引起す引起しラグ(5a)が突出するように配置された茎葉引起し装置(5)が設けられ、該茎葉引起し装置(5)は、基部が前記収穫搬送装置(4)の支持機枠(6)に固着されて側方に張り出した状態で前方、上方に延長した支持ア−ム(7)に取付け支持する構成とし、該支持ア−ム(7)を側方に張り出させるにあたり、支持ア−ム(7)は左右の分草杆(12、12’)よりも側方に張り出す構成とし、前記挟持ベルト(4a、4b)の中間部分下側にはカッター装置(14)を前後2箇所に配置して設け、該カッター装置(14)は、挟持ベルト(4a、4b)で搬送途中の野菜の根の一部を切断する構成とし、さらに、後方上方に向って移動する挟持ベルト(4a、4b)の移動速度(V)の水平分速(V2)は、走行装置3、3’の前進走行速度(V1)よりも速くなるように構成したことを特徴とする野菜収穫機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12610698A JP3747626B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 野菜収穫機 |
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JP12610698A JP3747626B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 野菜収穫機 |
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JPH11318156A JPH11318156A (ja) | 1999-11-24 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3747626B2 (ja) |
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1998
- 1998-05-08 JP JP12610698A patent/JP3747626B2/ja not_active Expired - Fee Related
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