JP4789164B2 - 根菜作物収穫機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、玉葱等の根菜作物を収穫する根菜収穫機及びこの収穫機による根菜作物の収穫方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圃場に育成された玉葱等の根菜作物を引き抜いて後上方に搬送する引抜搬送装置と、引抜搬送装置で引き抜かれた根菜作物の茎葉部を上下に通し、根菜部を上から押え付けながら後方への搬送を誘導する誘導装置と、誘導装置で誘導された根菜作物の茎葉部を切断する切断装置とを有する根菜作物収穫機は知られている(例えば、特願平10−219734号)。
【0003】
根菜作物を収穫する際には、根菜部の上に茎葉部を残したものにしていることから、切断装置による茎葉部の切断前にこの形態がとれるようにしている。このために誘導装置が存在しており、この誘導装置は、根菜部を上から押え付ける誘導板に茎葉部を上下に通す誘導路を形成したもので構成しており、これによって茎葉部を直立に近い形で保持するとともに、根菜部を所定高さに維持して特定位置に設けられる切断装置に誘導させていた。
【0004】
これにおいて、根菜部が誘導板に当たると、その高さは一定に維持されることから、切断装置は、根菜部がこの状態になる後上方位置に誘導装置と重合して設け、迅速な切断を図っていた。茎葉部が切断装置によって切断されると、根菜部はその自重によって下方に落下し、茎葉部のみが引抜搬送装置で後上方に搬送されるため、茎葉部を上下に挿通する誘導路はこの切断以後は必ずしも必要ではなかった。そこで、従来は、誘導路のこの部分を閉塞したものにしていた。こうすると、誘導板は一枚物でよくなるから、機体等に対して取付けが容易になるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、切断された茎葉部には切断屑等も存在しており、このような切断屑が誘導路の行き止まり個所まで搬送されてそこで引っ掛かって詰まりを生じ、後の根菜作物のスムーズな搬送と切断を阻害することがあった。又、根菜部は切断と同時に下方に落下するが、その搬送の慣性によって閉塞された行き止まり個所まで送られてそこで残りの茎葉部が引っ掛かったりして落下が阻害されるようなこともあった。本発明は、この誘導路の形成に工夫を施すことで、これらの現象を解消したものである。
【0006】
一方、この種の根菜作物は、好収穫性を期してマルチ育成されることが多い。マルチ育成された根菜作物を収穫するには、マルチフィルム(以下、マルチ)の処理が重要である。この種の収穫機では、根菜部の引抜や落下に際しては、常に上方にマルチを被せたままで行っていることから、切断後の根菜部が誘導路に引っ掛かったりすると、マルチも引っ掛かり、大きなトラブルの因となる。本発明は、このマルチによるトラブルの解消も可能にしたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題の下、本発明は、圃場を走行しながら、圃場にマルチ育成された根菜作物を二条同時に引き抜いて後上方に搬送する引抜搬送装置と、引抜搬送装置で引き抜かれた根菜作物の茎葉部の上部を一束に挟持して上下に通し、根菜部をほぼ条間間隔で上から押え付けながら後方への搬送を誘導する誘導装置と、誘導装置で誘導された根菜作物の茎葉部を切断する切断装置と、を有する根菜作物収穫機において、前記誘導装置を左右の誘導板及びこの左右の誘導板の中央に位置する分離板により構成し、上記誘導板と分離板との間を根菜部の直上が後方に通り抜けることが可能な誘導路とするとともに、茎葉部が誘導路を通り抜けると、切断装置によって茎葉部を切断して根菜部を引抜搬送装置から開放してマルチフィルム下で圃場上に落下させ、このとき、収穫機の前進速度と引抜搬送装置の後方移動速度成分とを均衡したものにし、根菜作物が引抜搬送装置、誘導装置及び切断装置の作用を受ける間、地上に対してほとんど前後移動せず、その場で上下させることを特徴とする根菜作物収穫機を提供する。
【0008】
誘導路が誘導板に対して後方に抜けた態様、即ち、誘導路が通り抜けになっていると、切断屑等もそのまま後方に抜けて行き、堆積する事態にはならない。従って、詰まり等は生ぜず、スムーズな搬送と切断が確保される。又、切断個所以下の根菜部を付けた茎葉部もスムーズに誘導路から抜け出るから、引っ掛かって落下が阻害されるといったこともない。
【0009】
この手段は、以上の引抜搬送装置と誘導装置と切断装置を備えている収穫機を前提としたものであるが、このような収穫機であっても、誘導装置の誘導路が誘導板に対して後方に抜けた態様、即ち、誘導路が通り抜けになっていると、前記と同様の効果が期待できる。尚、切断装置による茎葉部の切断高さは特に限定されず、比較的高い個所を切断する場合もあれば、僅か残して切断する場合もある。但し、これは露地育成された根菜作物の場合であり、マルチ育成された根菜作物では、茎葉部の切断個所は根菜部の多少上方である。これは、この種の収穫機では、マルチを被せたままで引き抜くからであり、茎葉部をあまり長く残しておくと、マルチの引き剥がし及び根菜部の拾い集めに支障を来すからである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、玉葱を収穫する収穫機の場合について図面を参照して説明する。尚、実施例の収穫機は、一畝に四条でマルチ育成された玉葱を二条同時に収穫するものである。図1はこの収穫機の側面図、図2は平面図、図3、図4は正面図であるが、この収穫機は、前部から、分草装置1、縦回し分草装置2、掻込装置3、引抜搬送装置4、誘導装置5、マルチ切断装置6、マルチ押え装置7、引抜助成装置8、切断装置9、茎葉部後方送り装置10等を有す。
【0011】
以上の各装置1〜10は、機体11のそれぞれ該当する位置に取り付けられており、機体11は、左右両側の車輪12で懸架されている。機体11の後部寄りには駆動源であるエンジン13が搭載されており、その動力をミッション14で減変速して車輪12や各装置1〜10に伝達するようにしている。又、機体11の後部は、各種レバー等が設けられる操縦部15に構成されている。更に、機体11の前部左側にはゲージホイル16も設けられており、操縦部15に設けられる調整具17によってその高さが遠隔で調整できるようになっている。
【0012】
分草装置1は、畝18に被せられるマルチ19の上を滑動する分草杆20からなるもので、根菜作物21の絡み合った茎葉部21aを分草するものである。本例の分草杆20は、二条を収穫することから、都合、三本設けられており、それぞれ収穫する条の左右両側に分け入っている。加えて、本例の分草杆20は、後部の杆基体22に対して上下に回動可能に枢着されており、畝18が凹凸するものであってもそれに追従できるようになっている。
【0013】
縦回し分草装置2は、同じく絡み合った茎葉部21aを分草するものである。本例では、突起付きベルト23がケース24に対して垂直面内で回動する構成にしてある。この場合、突起付きベルト23も分草杆21に後続して三基設けられている。尚、ケース24の下部には前記した杆基体22が取り付けられており、これから分草杆20が前延している。又、本例では、中央の杆基体22の基部からマルチ押え棒25が後述する誘導装置5付近まで後延しており(進行方向に見るとケース24の右側)、これでマルチ19を押えている。
【0014】
掻込装置3は、縦回し分草装置1等で分草された茎葉部21aを中央側に掻い込むものである。本例では、一対の突起付きベルト26が後上がりの傾斜水平面内で対向面を共に後方に向けて回動する構成である。これにより、二条の分草された茎葉部21aは、中央に一つに集められることになる。
【0015】
引抜搬送装置4は、縦回し分草装置1等で分草され、掻込装置3で中央一つに集められた茎葉部21aを挟持して後上方に搬送するものである。本例では、一対の弾性体ベルト27が後上がりの傾斜水平面内で対向面を互いに押圧して共に後方に向けて回動する構成である。茎葉部21aは、このベルト27の対向面で挟持されて後上方に搬送されるから、根菜部21bは地中から引き抜かれることになる。
【0016】
誘導装置5は、引抜搬送装置4で搬送される茎葉部21aを後述する切断装置9に誘導するものである。図5は誘導装置5を示す要部の側面図、図6は平面図であるが、本例における誘導装置5は、引抜搬送装置4の下方に設けられており、ほぼ水平に設置された誘導板28に誘導路29が二本形成されたもので構成されている。この誘導路29は、誘導板28を切り欠いた溝であり、この溝が誘導板28に対して後方まで通り抜けに形成されているのが特徴である。従って、誘導板28は中央部28aと左右部28b、28cの三つに分割されたものとなり、各々は機体11に対して適当に止め付けられている。
【0017】
引抜搬送装置4で引き抜かれた二条の茎葉部21aは、それぞれの誘導路29に上下に挿通する形態で導かれる。このため、誘導板28の中央部28aの前部には分離30を引抜搬送装置4の前方辺りまで前延させてそれぞれの茎葉部21aを分離させるようにしている。尚、分離板30は、この二条の間に在って前記したマルチ押え棒25と共にマルチ19を押える作用も果たしているが、先端を上方に上げてマルチ19を引っ掛けないようにしてある。誘導路29の幅は、茎葉部21aの太さと同じかそれよりはやや大きく設定されているが、前部ほど幅広にしてある。茎葉部21aを入り込み易くするためである。
【0018】
ところで、このときの二条の茎葉部21aは、誘導路29の上方を弾性体ベルト27で一束に挟持される関係で正面視で斜めになっている。このため、誘導路29の入口の間隔は条間間隔よりも狭いそれに対応したものに設定してあるが、後方に行くほど間隔を広くするのが適する。これは、間隔を狭いままにしておくと、茎葉部21aが切断されて落下する根菜部21bが接近してくっついたりして傷が付くからであり、これを避けるためである。
【0019】
引抜搬送装置4で引き抜かれた茎葉部21aは、この誘導路29に上下に挿通する形態で導かれるが、引抜搬送装置4の移動で根菜部21bは地中から引き抜かれる。根菜部21bがある高さまで引き上げられると、根菜部21bは誘導板28の裏面に当たり、以後はそれに擦り付けられながらその高さを保って後方に搬送される。このとき、茎葉部21aは、引抜搬送装置4の弾性体ベルト27に対して下方にずり下がらなければならないから、これが可能なようにその挟持力が調整されている。
【0020】
以上の間も、マルチ19は持ち上げられて根菜部21bの上方を覆っており、根菜部21bはマルチ19を介して誘導板28に接当する。従って、誘導板28の高さをあまり高くするのは好ましくなく、せいぜい根菜部21bが地上から出る程度でよい。根菜部21bが誘導板28に擦り付けられて送られるときの摩擦抵抗を減じてその傷付きを防止するため、誘導板28の裏面の相当個所に低摩擦係数の擦らせ板31を貼設している。
【0021】
マルチ切断装置6は、根菜作物21の引抜きと同時にマルチ19を切断して行くものであり、本例では、引抜搬送装置4の始端部の側方辺りに設けられるフリー回転する円盤刃32で構成している。畝18は、その端側に法面18aを有しているから、円盤刃32はこの法面18aに被さっているマルチ19を切断するように設定されている。この切断を確実にするため、円盤刃32は法面18aに直角に近い形で傾いて取り付けられている。マルチ19を切断するのは、根菜部21bの引抜きに際してこれを持ち上げ易くするためであり、かつ、後続して行われる根菜部21bの拾集を容易にするためでもある。
【0022】
マルチ押え装置7は、マルチ19を押えてこれが引抜搬送装置4や誘導装置5に噛み込まないようにするためのものであり、本例では、前記した円盤刃32の左右反対側で、畝18の畝面18b中央に設けられるスポンジ等の軟質弾性体のローラ33で構成している。マルチ19をソフトに押えて破ったりしないためである。ローラ33は、機体11に固定されるローラ取付板34に取り付けられてフリー回転するものであり、第二条と第三条の間を転動する比較的幅広のもので構成されている。
【0023】
引抜助成装置8は、根菜部21bの引抜きを容易にするためのものであり、本例では、縦部35aの下端に根菜部21bの下方に潜り込む横部35bが形成された正面視でL形の振動刃35で構成されている。即ち、振動刃35の途中を支持軸36で支持するとともに、その上端にクランク37で押し引きされるロッド38を連結したものである。これにより、振動刃35は、比較的低周波数で前後振動させられるものとなり、根菜部21bの下方の根を切断するとともに、その周囲の土を緩め、引抜きが助成される。
【0024】
尚、振動刃35は、マルチ切断装置6の円盤刃32の部分に設けられ、円盤刃32で切断された破断個所39からその縦部35aが地中に潜っている。又、前記した円盤刃32を保持する保持体40はこの振動刃35に取り付けられており、円盤刃32も前後に振動することになって切断性が高められている。加えて、円盤刃32とその保持体40との間には、円盤刃32が前方回転するときのみ、その回転が許容される一方向クラッチ41が介装されており、一層の切断性向上が図られている。
【0025】
切断装置9は、誘導装置5で誘導される茎葉部21aを切断するものであり、本例では、円盤カッター42で構成されている。この円盤カッター42は、誘導装置5の誘導路29と重合してその上方に設けられるものであり、誘導板28の中央部28aの後部で円盤カッター42の上方に設けられる駆動ケース43に収容される駆動機構で駆動されるようになっている。
【0026】
茎葉部後方送り装置10は、切断装置9で切断された茎葉部21aを更に後方に送るもので、一対の突起付きベルト44が略水平面内で対向面を共に後方に向けて回動するもので構成されている。これにより、切断後の茎葉部21aは、効率良く誘導装置5や切断装置9から抜けて行き、絡み付きが防止される。
【0027】
尚、以上の各装置1〜10の要素のうち、強制駆動されなければならないものにはエンジン13の動力が伝達されるが、この伝達機構については従来構造と同じである。即ち、ロッド、チェン、ベルト等で適宜伝達され、その向きが変更されるものはベベルギアやウォーム等で変更している。但し、本発明では、誘導路29が後方まで通り抜けになっていることから、従来のようにこれを遮る形態で伝動構造を設けることができない。
【0028】
このため、誘導板28の中央部28aを後方に延長し、その後部にロッドやベベルギアで動力が導かれる伝動軸45を設け、この伝動軸45と円盤カッター42の取付軸46とをチェン等の駆動機構47で連結している。そして、この駆動機構47を円盤カッター42の上方に設けられる駆動ケース43に収容している。尚、この駆動ケース43も、誘導路29を遮らないようにしている。
【0029】
次に、以上の構成の収穫機で根菜作物21を収穫する場合について説明する。この収穫機は、一つの畝18に四条育成された根菜作物21を往行と復行とでそれぞれ二条ずつ収穫する。この場合、往行では、左側二条を収穫するが、この収穫に際して根菜部21bをマルチ19から引き抜くのではなく、マルチ19ごと持ち上げて畝面18b上に引き上げる。このとき、畝端の法面18aに存在するマルチ19は、マルチ切断装置6で切断されるから、マルチ19の持ち上げが容易になる。
【0030】
加えて、その破断個所39から振動刃35が根菜部21bの下方まで挿入されて根を切断するとともに、周囲の土を緩めるから、根菜部21bの引抜きは助成される。更に、第一条目と第二条目の間のマルチ19はマルチ押え棒25が、第二条目と第三条目の間のマルチ19はマルチ押え装置7のローラ33が押えており、マルチ19の捲れ等が防止される。
【0031】
ところで、以上の収穫作業において、機体11の前進速度と引抜搬送装置4の弾性体ベルト27の後方速度成分とはほぼ均衡したものに設定されている。従って、根菜作物21は弾性体ベルト27で挟持搬送されるものの、地上との相対的な位置関係でいえば、前方へも後方へも移動されないものとなる。即ち、根菜作物21(マルチ19も)は、その場で上昇(引抜き)、下降(落下)させられるだけであり、あたかも、波の伝播のような運動をする。
【0032】
左側二条の収穫が終了すると、収穫機は回行し、今度は右側二条を収穫する。この場合も進行方向から見れば、左側二条を収穫することになり、往行の場合と同じである(違うのは、右側二条には収穫された根菜部21bが存在していることである)。又、畝端の法面18aのマルチ19も切断されるのは前記と同じである。従って、復行が終了すると、マルチ19は、畝面18bと両側の法面18aとの部分で三分割されたものとなる。
【0033】
このようにして収穫する畝18を走行し終わると、根菜部21bは茎葉部21aと分断されて畝面18b上に浮き上がった状態でころがっている。そこで、マルチ19を剥がしながら、根菜部21bを拾い集めることになる。この場合、マルチ19は、畝面18bと両側の法面18aとで三分割されているから、中央の畝面18上の部分の剥がしが容易になり、茎葉部21bの拾い集めが楽になる。
【0034】
図7は本発明の他の例を示す収穫機の要部側面図、図8は要部平面図であるが茎葉部21aの上部は、掻込装置3の突起付きベルト26で搬送され、その終端で解放されなければならない。これを、その上方を覆うカバー48の終端を突起付きベルト26の回動軌跡外に張り出すようにして確保しているが、中には、カバー48の下に潜り込んで突起付きベルト26に連れ回りさせられ、再度下方に下がって来るものもある。
【0035】
突起付きベルト26の外方側下降の側方にはフレーム49が接近して設けられているから、連れ回りさせられた茎葉部21aはこのフレーム49との間に堆積してスムーズな作動を阻害することがある。そこで、突起付きベルト26の下方に存在するその駆動ケース50の後端に後方に張り出す規制板51を設けるとすれば、このような連れ回りが防止できる。尚、この規制板51は、突起付きベルト26の両側方に設けられるのが通常であるが、ガイド体(図示省略)で一方に導かれるものにあってはその誘導側に設ければよい。
【0036】
【発明の効果】
以上、本発明は、前記したものであるから、即ち、誘導路が誘導板に対して後方に抜けた態様、即ち、誘導路が通り抜けになっているものであるから、切断屑等もそのまま後方に抜けて行き、堆積する事態にはならない。従って、詰まり等は生ぜず、スムーズな搬送と切断が確保される。又、切断個所以下の根菜部を付けた茎葉部もスムーズに誘導溝から抜け出るから、引っ掛かって落下が阻害されるといったこともない。又、二条収穫であるから、効率的であるし、根菜部を各条に分けるのは板状の分離板であるから、簡単な構成で確実に分けられる。
【0037】
又、誘導装置が茎葉部を後方に通り抜けさせるものであれば、引抜装置、誘導装置作用を受ける間、根菜部の上には常にマルチフィルムが存在しているような収穫方法に依ったとしても、マルチが誘導路で行き詰まって引っ掛かったりする事態は生じ難い。加えて、機体の前進速度と引抜搬送装置の弾性体ベルトの後方速度成分とはほぼ均衡したものに設定されている。従って、根菜作物は弾性体ベルトで挟持搬送されるものの、地上との相対的な位置関係でいえば、前方へも後方へも移動されないものとなる。即ち、根菜作物(マルチも)は、その場で上昇(引抜き)、下降(落下)させられるだけであり、あたかも、波の伝播のような運動をし、根菜作物とマルチは相対的な摺動をしない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す根菜作物収穫の側面図である。
【図2】本発明の一例を示す根菜作物収穫の平面図である。
【図3】本発明の一例を示す根菜作物収穫の正面図である。
【図4】本発明の一例を示す根菜作物収穫の正面図である。
【図5】本発明の一例を示す根菜作物収穫の要部側面図である。
【図6】本発明の一例を示す根菜作物収穫の要部平面図である。
【図7】本発明の他の一例を示す根菜作物収穫の要部側面図である。
【図8】本発明の他の一例を示す根菜作物収穫の要部平面図である。
【符号の説明】
4 引抜搬送装置
5 誘導装置
9 切断装置
19 マルチフィルム
21 根菜作物
21a 根菜作物の茎葉部
21b 根菜作物の根菜部
28 誘導板
29 誘導路
30 分離板

Claims (2)

  1. 圃場を走行しながら、圃場にマルチ育成された根菜作物を二条同時に引き抜いて後上方に搬送する引抜搬送装置と、引抜搬送装置で引き抜かれた根菜作物の茎葉部の上部を一束に挟持して上下に通し、根菜部をほぼ条間間隔で上から押え付けながら後方への搬送を誘導する誘導装置と、誘導装置で誘導された根菜作物の茎葉部を切断する切断装置と、を有する根菜作物収穫機において、前記誘導装置を左右の誘導板及びこの左右の誘導板の中央に位置する分離板により構成し、上記誘導板と分離板との間を根菜部の直上が後方に通り抜けることが可能な誘導路とするとともに、茎葉部が誘導路を通り抜けると、切断装置によって茎葉部を切断して根菜部を引抜搬送装置から開放してマルチフィルム下で圃場上に落下させ、このとき、収穫機の前進速度と引抜搬送装置の後方移動速度成分とを均衡したものにし、根菜作物が引抜搬送装置、誘導装置及び切断装置の作用を受ける間、地上に対してほとんど前後移動せず、その場で上下させることを特徴とする根菜作物収穫機。
  2. 分離板の先端は細く、後方に行くほど幅広になっている請求項1の根菜作物収穫機。
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