JP3717610B2 - 根菜収穫機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大根等の根菜類を掘取って収穫する自走式の根菜収穫機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、左右一対のクローラを有する自走式の根菜収穫機にあっては、掘取った根菜類を収納するコンテナの積換えを機体後方から行えるように、コンテナを機体の最後部に搭載しており、土中に侵入して植立する根菜類は、機体前部右側の運転操作部と反対側の機体左側前方で掘取られ、引抜搬送体によって機体左側で後方斜め上方に挾持搬送され、第2搬送体によってコンテナの前部上方で機体左側から右側に搬送され、第3搬送体によって機体右側で後方に搬送され、第3搬送体の搬送終端からコンテナに投入される。また第2搬送体の搬送終端部において茎葉部の切断が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の自走式の根菜収穫機は、重量変動の大きいコンテナが機体の最後部にあるため、コンテナが空の時と満杯の時とで、機体の重心移動が大きく、収穫走行に悪影響を与える。また根菜類の収穫は圃場の端でUターンして隣接上の収穫に移る場合もあるが、ほとんどの場合は圃場の端ではUターンせずそのまま後退して収穫開始地点に戻り隣接上の収穫を開始する、即ち片側からのみの収穫を行うため、コンテナを後方へ降ろすとそのコンテナが隣接上の収穫に移る際の後退の障害物となると共に、コンテナを後方へ降ろすとフォークリフトなどでコンテナを運び出す際、コンテナに対するフォークリフトのフォークの差込みなどが簡単に行い得ない。また運転操作部と反対側で根菜類の掘取りを行うため、条合わせが容易に行えない。またコンテナの上方に掘取った根菜類の搬送経路があるため、コンテナに茎葉等の異物が混入する。また掘取った根菜類の搬送経路が長く、且つ、受継ぎも2箇所あるため、根菜類の傷付きが多い等の問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解消するため、本発明は、請求項1に記載したように、左右一対の走行クローラをトラックフレームに装設し、トラックフレーム上に機台を架設し、運転席及び運転操作部を備える運転台を機台の右側前部に配設し、運転席の下側にエンジンを内設した自走式の根菜収穫機において、前記機台の右外側に、土中に侵入して植立する根菜類の茎葉部を挾持して後方斜め上方に引上げる引抜搬送体を前記機台の横一側で前部から後部に延設し、また掘取った根菜類を収納し且つ前記機台に対する積降し自在な構造となされたコンテナを前記運転台後方で且つ前記機台の前後方向及び左右方向の略中央部に搭載すると共に、該コンテナを前記機台上で位置保持するように機能する積降装置を設け、該積降装置は前記コンテナに抜き挿しされる前後向きのフォークを具備し、前記コンテナを前記機台から地面に降ろすときは前記コンテナを支持した前記フォークが油圧シリンダにより上昇され次に前記コンテナの左右方向幅よりも長く左側へ移動され次に降下されるように動作され、逆に前記コンテナを地面から前記機台に積むときは機台の左側の地面上に位置された前記コンテナを支持した状態となされた前記フォークが、油圧シリンダにより上昇され次に前記コンテナの左右方向幅よりも長く右側へ移動され次に降下されるように動作されるものとなされており、また前記引抜搬送体の挾持終端部の下方に搬送始端部を位置され掘取った根菜類を前記機台左側へ向けて搬送するものとした横搬送体を、前記コンテナより後方の前記機台後部に横設した構成となされているものである。
【0005】
上記発明は次のように具体化するのがよいのであって、即ち、請求項2に記載したように、前記引抜搬送体の掘取った根菜類の茎葉部を前記横搬送体の搬送途中で切断する切断部を設け、さらに前記コンテナと前記横搬送体の間となる前記機台部分には作業者用ステップを設け、該作業者用ステップの上側を作業者の作業空間となした構成とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は根菜収穫機の全体平面図、図2は同側面図、図3は収穫作業の平面説明図、図4は同側面説明図であり、左右一対の走行クローラ(1)(1)をトラックフレーム(2)に装設し、トラックフレーム(2)上に機台(3)を架設させ、運転席(4)及び運転操作部(5)を備える運転台(6)を機台(3)の右側前部に配設させ、運転席(4)の下側にエンジン(7)を内設させると共に、機台(3)の後部を左右キャスター(8)(8)を介して接地支持させ、自走機体を構成し、機台(3)の右外側に、土中に侵入して植立する根菜類である大根(9)を浮上がらせる振動刃(10)と、振動刃(10)によって浮上がらせた大根(9)の茎葉部(9a)を挾持して後方斜め上方に引上げる引抜搬送体(11)とを設け、運転台(6)後方の機体略中央部の機台(3)上に掘取った大根(9)を収納するコンテナ(12)を搭載し、機台(3)の最後部上方に引抜搬送体(11)の挾持終端部の下方に搬送始端部を位置させ機体左側に向って掘取った大根(9)を搬送する横搬送体(13)を横設し、コンテナ(12)と横搬送体(13)の間の機台(3)上に作業者用ステップ(14)を張設し、コンテナ(12)と横搬送体(13)の間に作業空間(15)を形成し、運転台(6)に搭乗する運転者によって機体を前進走行させ乍ら大根(9)を連続的に掘取り、作業者用ステップ(14)上に搭乗する2人以上の数人の作業者によって横搬送体(13)の搬送途中で掘取った大根(9)の茎葉部(9a)を切断する葉切り作業と葉切り後の大根(9)を横搬送体(13)からコンテナ(12)に収納する積込み作業を行うように構成している。
【0007】
また、引抜搬送体(11)の挾持始端部の前側には、各左右一対の横回し型のタイン(16)付き引起ベルト(17)(17)と、縦回し型のタイン(18)付き分草ベルト(19)(19)が後傾状態にそれぞれ設けられ、これらの下方位置に振動刃(10)を位置させている。
【0008】
そして、引抜搬送体(11)は、並設する2本の下部杆体(20)(20)と1本の上部杆体(21)を屈曲形成した複数の連結杆(22)を介して一体連結して構成した長手の枠体(23)の下部杆体(20)(20)によって挾持ベルト(24)(24)を対設支持すると共に、挾持ベルト(24)(24)の対設側をバネ等により互に圧接させて挾持経路を形成し、上部杆体(21)の後部上側に強に次ベルト(24)(24)を駆動する油圧モータA(24a)を内装する駆動ケース(24b)を設け、掘取った大根(9)の茎葉部(9a)を挾持して矢印(イ)方向に搬送するようにしたもので、その引抜搬送体(11)は、上部杆体(21)の前側部と後側部を機台(3)の右側に立設固定する前後2本の支柱(25)にそれぞれ左右位置張設杆(26)及び上下位置張設杆(27)から成る連結杆(28)により連結して前部を低位に後部を高位にした傾斜状態に保持させ、引抜搬送体(11)の挾持始端部を運転席(4)の右横下方に位置させ、挾持終端部を機台(3)の後部右外側上方に位置させている。
【0009】
また、横回し型の引起ベルト(17)(17)は、引起ケース(29)にそれぞれ内装されて、この引起ケース(29)が対設する側でそれぞれのタイン(16)が起立突出して上昇し、掘取り前の大根(9)の茎葉部(9a)を引抜搬送体(11)の直前から挾持始端部に挾持するまで起立保持させ、縦回し型の分草ベルト(19)(19)は、引起ケース(29)の前側において互いに対向する分草ケース(30)にそれぞれ内装されて、この分草ケース(30)の前側でそれぞれのタイン(18)が起立突出して上昇し、引抜搬送体(11)の前方で掘取り前の大根(9)の茎葉部(9a)と隣接条の大根(9)の茎葉部(9a)との分草を行わせるもので、これら引起ベルト(17)(17)及び分草ベルト(19)はそれぞれ油圧モータ(31)(32)により同速度で駆動している。
【0010】
そして、引起ケース(29)(29)と分草ケース(30)(30)は連結板(33)によって一体連結され、枠体(23)の下部杆体(20)(20)前端に引起ケース(29)(29)の背面側下部を前後揺動自在に支持する支点軸(34)と、枠体(23)の上部杆体(21)前端に引起ケース(29)(29)の背面側上部を接離自在に連結する伸縮ロッド(35)とで、引起ケース(29)(29)と分草ケース(30)(30)を引抜搬送体(11)前側に傾斜角張設自在に一体的に支持している。
【0011】
また、振動刃(10)はL形に折曲形成したもので、機台(3)の前部右側に突出固定させる伸縮自在な支軸(36)に一端側上部を前後揺動自在に軸支すると共に、エンジン(7)の右側面カバー下部から右側に突出させるエンジン(7)駆動の伸縮自在な出力軸(37)に偏心カム(38)及びクランクロッドである油圧シリンダ(39)を介して振動刃(10)の一端側端部を連動連結し、油圧シリンダ(39)を縮小させることにより振動刃(10)の他端側を地面より上方に持上げ、油圧シリンダ(39)を伸長させることにより、振動刃(10)の他端側を土中に突入させ、引起ベルト(17)(17)と分草ベルト(19)(19)の下方に位置させ、この状態で振動刃(10)を前後に振動駆動させている。
【0012】
また、横搬送体(13)は平ベルト製で、後側には突起(40)付き係止ベルト(41)が並設され、油圧モータ(42)によって横搬送体(13)と係止ベルト(41)が同速度で同方向に駆動され、引抜搬送体(11)によって機体後部まで挾持搬送されてきた大根(9)を受継いで機体左側に搬送するもので、横搬送体(13)の搬送始端部前側には軸芯を機体左右方向にして挾持搬送されてきた大根(9)に当接し、姿勢変更させるローラ(43)が回動自在に設けられ、横搬送体(13)の中間部で係止ベルト(41)の間には茎葉部(9a)の長さを一定長に切断する電動モータ(44)駆動の丸鋸式のカッター(45)とカッター(45)の上部及び電動モータ(44)を覆う安全カバー(46)を設けている。
【0013】
横搬送体(13)と係止ベルト(41)を平行に張設する搬送フレーム(47)を4本の縦角筒(48)を介して機台(3)の後部左右にそれぞれ立設させる前後支柱(49)(50)に上下動自在に支持し、横搬送体(13)と係止ベルト(41)を機台(3)の最後部に作業者の身長に対応した高さに高さ調節自在に水平に張設すると共に、これらと一体的に上下動自在にローラ(43)及びカッター(45)等を搬送フレーム(47)に支持させている。
【0014】
機台(3)の略中央部に搭載するコンテナ(12)を機体左側から地面に降し、逆に機体左側の地面から機台(3)の略中央部にコンテナ(12)を積込む積降装置(51)を設けるもので、積降装置(51)は、コンテナ(12)の前側から底面に差込むフォーク(52)と、フォーク(52)の基端側を昇降自在に支持する左右のマスト(53)(53)と、フォーク(52)を左右のマスト(53)(53)に沿って昇降させる油圧シリンダ(54)と、左右のマスト(53)(53)を機台(3)上のコンテナ昇降位置と機台(3)の左外方の地面上でのコンテナ昇降位置との間で一体的にスライド移動案内する3重構造の伸縮自在な上下ガイドフレーム(55)(55)と、ガイドフレーム(55)(55)の外ガイドフレームを機台(3)上に平行に横架固定する左右の支柱(56)(56)と、上下ガイドフレーム(55)(55)の外ガイドフレーム上面にシリンダを固定してピストンロッド先端を上下ガイドフレーム(55)(55)の内ガイドフレームの左端部と一体に連結された左右マスト(53)(53)の左マスト(53)に連結して上下ガイドフレーム(55)(55)を伸縮させ乍ら左右のマスト(53)(53)を一体的にスライド移動させる油圧シリンダ(57)とで構成し、コンテナ(12)を機台(3)から地面に降ろす場合、フォーク(52)を上昇させてコンテナ(12)を機台(3)から持上げ支持した状態で、最縮小状態の上下ガイドフレーム(55)(55)を左側に伸長させ乍ら左右のマスト(53)と一体的にフォーク(52)及びコンテナ(12)を機台(3)の左外方のコンテナ昇降位置にスライド移動させ、そのコンテナ昇降位置で左右のマスト(53)(53)に沿ってフォーク(52)を下降させ、コンテナ(12)を地面に接地させるもので、接地後機体を前進させてコンテナ(12)底面からフォーク(52)を引抜く、逆に地面から機台(3)にコンテナ(12)を積込む場合、前記と逆の動作で行うものである。
【0015】
本実施例は上記のように構成するもので、大根(9)列と引抜搬送体(11)の荷挾持搬送経路が一致するように、運転台(6)に搭乗した運転者が機体を大根(9)列に沿って前進させると、前後に振動する振動刃(10)によって大根(9)が浮上がり、分草ベルト(19)と引起ベルト(17)によって茎葉部(9a)が分草・起立され、その起立された茎葉部(9a)が引抜搬送体(11)によって挾持されて大根(9)が土中から引抜かれ吊持状態で矢印(イ)方向に搬送され、引抜搬送体(11)の挾持終端部に至った大根(9)はローラ(43)に当接した後に引抜搬送体(11)による茎葉部(9a)の挾持が解除され、大根(9)が横搬送体(13)上に横倒状態で載置されると共に、茎葉部(9a)は係止ベルト(41)の突起(40)の間に嵌込み、機体左側に向って横搬送される。
【0016】
そして、横搬送途中において、茎葉部(9a)はカッター(45)により一定長残して切断され、その時作業者用ステップ(14)に搭乗した作業者が大根(9)を保持して切断を助け、切断された茎葉部(9a)はそのまま圃場に落下排出され、茎葉部(9a)が一定長残して切断された大根(9)は切断部を通過した後作業者用ステップ(14)に搭乗した他の作業者によってコンテナ(12)に順次収納されていくものである。
【0017】
また、コンテナ(12)が大根(9)で満杯になると、積降装置(51)によって機体左側から地面に降し、空の他のコンテナ(12)を機体左側から機台(3)に積込み、大根(9)の収穫を再開するものである。
【0018】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明によれば、次のような効果が得られるのである。
即ち、請求項1記載の発明によれば、次のa〜dの効果が同時に得られるものとなる。
【0019】
a.左右一対の走行クローラをトラックフレームに装設し、トラックフレーム上に機台を架設し、運転席及び運転操作部を備える運転台を機台の右側前部に配設し、運転席の下側にエンジンを内設した自走式の根菜収穫機において、前記機台の右外側に、土中に侵入して植立する根菜類の茎葉部を挾持して後方斜め上方に引上げる引抜搬送体を前記機台の横一側で前部から後部に延設し、また掘取った根菜類を収納し且つ前記機台に対する積降し自在な構造となされたコンテナを前記運転台後方で且つ前記機台の前後方向及び左右方向の略中央部に搭載し、また前記引抜搬送体の挾持終端部の下方に搬送始端部を位置され掘取った根菜類を前記機台左側へ向けて搬送するものとした横搬送体を、前記コンテナより後方の前記機台後部に横設した構成となされていることから、コンテナが空の時と満杯の時とで機体の重心移動が小さく、収穫走行に悪影響を与えるのを防止し得るものである。
【0020】
b.また、左右一対の走行クローラをトラックフレームに装設し、トラックフレーム上に機台を架設し、運転席及び運転操作部を備える運転台を機台の右側前部に配設し、運転席の下側にエンジンを内設した自走式の根菜収穫機において、前記機台の右外側に、土中に侵入して植立する根菜類の茎葉部を挾持して後方斜め上方に引上げる引抜搬送体を前記機台の横一側で前部から後部に延設し、また掘取った根菜類を収納し且つ前記機台に対する積降し自在な構造となされたコンテナを前記運転台後方で且つ前記機台の前後方向及び左右方向の略中央部に搭載すると共に、該コンテナを前記機台上で位置保持するように機能する積降装置を設け、該積降装置は前記コンテナに抜き挿しされる前後向きのフォークを具備し、前記コンテナを前記機台から地面に降ろすときは前記コンテナを支持した前記フォークが油圧シリンダにより上昇され次に前記コンテナの左右方向幅よりも長く左側へ移動され次に降下されるように動作され、逆に前記コンテナを地面から前記機台に積むときは機台の左側の地面上に位置された前記コンテナを支持した状態となされた前記フォークが、油圧シリンダにより上昇され次に前記コンテナの左右方向幅よりも長く右側へ移動され次に降下されるように動作されるものとなされており、また前記引抜搬送体の挾持終 端部の下方に搬送始端部を位置され掘取った根菜類を前記機台左側へ向けて搬送するものとした横搬送体を、前記コンテナより後方の前記機台後部に横設した構成となされている根菜収穫機であることから、
圃場の端でUターンせずそのまま後退して収穫開始地点に戻り隣接上の収穫を開始するような、片側からのみの収穫を実施する際に、大根などの収穫中に機台から地面にコンテナを降ろしてもこのコンテナは機台の横側に位置するのであり、したがってこのコンテナが上記のような根菜収穫機であり乍らその後退の障害物とならないものとなり、この根菜収穫機はコンテナを降ろしたときの走行方向のまま真後ろへ後退可能となって、隣接上の収穫にすぐに移ることができ、またコンテナを機台上に積み上げるときにこのコンテナに対する収穫機のフォークの差し込みが機台の横側で行われるものとなるのであり、また機台から地面に降ろされたコンテナをフォークリフトで運び出すとき、このコンテナに対するフォークリフトのフォークの差込み作業が容易に行えるようになる。
【0021】
c.また、左右一対の走行クローラをトラックフレームに装設し、トラックフレーム上に機台を架設し、運転席及び運転操作部を備える運転台を機台の右側前部に配設し、運転席の下側にエンジンを内設した自走式の根菜収穫機において、前記機台の右外側に、土中に侵入して植立する根菜類の茎葉部を挾持して後方斜め上方に引上げる引抜搬送体を前記機台の横一側で前部から後部に延設したことから、運転操作部の真横又は斜め後方で根菜類の掘取りを行うようになるため、条合わせを容易に行い得るものである。
【0022】
d.また、左右一対の走行クローラをトラックフレームに装設し、トラックフレーム上に機台を架設し、運転席及び運転操作部を備える運転台を機台の右側前部に配設し、運転席の下側にエンジンを内設した自走式の根菜収穫機において、前記機台の右外側に、土中に侵入して植立する根菜類の茎葉部を挾持して後方斜め上方に引上げる引抜搬送体を前記機台の横一側で前部から後部に延設し、また掘取った根菜類を収納し且つ前記機台に対する積降し自在な構造となされたコンテナを前記運転台後方で且つ前記機台の前後方向及び左右方向の略中央部に搭載すると共に、前記引抜搬送体の挾持終端部の下方に搬送始端部を位置され掘取った根菜類を前記機台左側へ向けて搬送するものとした横搬送体を、前記コンテナより後方の前記機台後部に横設したことから、コンテナを機台の前後方向及び左右方向の略中央部に搭載し乍ら、そのコンテナの上方に掘取った根菜類の搬送経路がないため、コンテナへの茎葉等の異物の混入をなくし得、また掘取った根菜類の搬送経路が短くなり、且つ、受継ぎも1箇所で済むため、根菜類の傷付きを少なくし得るものである。
【0023】
そして、請求項2記載の発明によれば、次のe〜gの効果が同時に得られるようになる。
【0024】
e.左右一対の走行クローラをトラックフレームに装設し、トラックフレーム上に機台を架設し、運転席及び運転操作部を備える運転台を機台の右側前部に配設し、運転席の下側にエンジンを内設した自走式の根菜収穫機において、前記機台の右外側に、土中に侵入して植立する根菜類の茎葉部を挾持して後方斜め上方に引上げる引抜搬送体を前記機台の横一側で前部から後部に延設し、また掘取った根菜類を収納し且つ前記機台に対する積降し自在な構造となされたコンテナを前記運転台後方で且つ前記機台の前後方向及び左右方向の略中央部に搭載し、また前記引抜搬送体の挾持終端部の下方に搬送始端部を位置され前記引抜搬送体の掘取った根菜類を前記機台左側へ向けて搬送するものとした横搬送体を、前記コンテナより後方の前記機台後部に横設すると共に、前記引抜搬送体の掘取った根菜類の茎葉部を前記横搬送体の搬送途中で切断する切断部を設け、さらに前記コンテナと前記横搬送体の間となる前記機台部分に作業者用ステップを設け、該作業者用ステップの上側を作業者の作業空間となしてあることから、コンテナを機台の前後方向及び左右方向の略中央部に搭載し乍ら、作業空間において数人の作業者で根菜類の葉切り作業とコンテナへの積込み作業を能率的に行い得るものである。
【0025】
f.そして、左右一対の走行クローラをトラックフレームに装設し、トラックフレーム上に機台を架設し、運転席及び運転操作部を備える運転台を機台の右側前部に配設し、運転席の下側にエンジンを内設した自走式の根菜収穫機において、前記機台の右外側に、土中に侵入して植立する根菜類の茎葉部を挾持して後方斜め上方に引上げる引抜搬送体を前記機台の横一側で前部から後部に延設し、また掘取った根菜類を収納し且つ前記機台に対する積降し自在な構造となされたコンテナを前記運転台後方で且つ前記機台の前後方向及び左右方向の略中央部に搭載し、また前記引抜搬送体の挾持終端部の下方に搬送始端部を位置され前記引抜搬送体の掘取った根菜類を前記機台左側へ向けて搬送するものとした横搬送体を、前記コンテナより後方の前記機台後部に横設すると共に、前記引抜搬送体の掘取った根菜類の茎葉部を前記横搬送体の搬送途中で切断する切断部を設けたことから、掘取った根菜類の切断された茎葉部を機体後方の収穫済み圃場へ落下排出させることができるため、切断された茎葉部の後処理を不要にし得るものである。
【0026】
g.さらには、左右一対の走行クローラをトラックフレームに装設し、トラックフレーム上に機台を架設し、運転席及び運転操作部を備える運転台を機台の右側前部に配設し、運転席の下側にエンジンを内設した自走式の根菜収穫機において、前記機台の右外側に、土中に侵入して植立する根菜類の茎葉部を挾持して後方斜め上方に引上げる引抜搬送体を前記機台の横一側で前部から後部に延設し、また掘取った根菜類を収納し且つ前記機台に対する積降し自在な構造となされたコンテナを前記運転台後方で且つ前記機台の前後方向及び左右方向の略中央部に搭載すると共に、該コンテナを前記機台上で位置保持するように機能するコンテナ積降装置を設け、該積降装置は前記コンテナに抜き挿しされる前後向きのフォークを具備し、前記コンテナを前記機台から地面に降ろすときは前記コンテナを支持した前記フォークが油圧シリンダにより上昇され次に前記コンテナの左右方向幅よりも長く左側へ移動され次に降下されるように動作され、逆に前記コンテナを地面から前記機台に積むときは機台の左側の地面上に位置された前記コンテナを支持した状態となされた前記フォークが、油圧シリンダにより上昇され次に前記コンテナの左右方向幅よりも長く右側へ移動され次に降下されるように動作されるものとなされており、また前記引抜搬送体の挾持終端部の下方に搬送始端部を位置され前記引抜搬送体の掘取った根菜類を前記機台左側へ向けて搬送するものとした横搬送体を、前記コンテナより後方の前記機台後部に横設すると共に、前記引抜搬送体の掘取った根菜類の茎葉部を前記横搬送体の搬送途中で切断する切断部を設け、さらに前記コンテナと前記横搬送体の間となる前記機台部分に作業者用ステップを設け、該作業者用ステップの上側を作業者の作業空間となしてあることから、前記コンテナ積降装置や、前記引抜搬送体の掘取った根菜類の茎葉部を切断する切断部を設けてあり乍ら、コンテナが空の時と満杯の時とで機体の重心移動が小さく、収穫走行に悪影響を与えるのを防止し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 根菜収穫機の全体平面図。
【図2】 根菜収穫機の全体側面図。
【図3】 収穫作業の平面説明図。
【図4】 収穫作業の側面説明図。
【符号の説明】
(5) 運転操作部
(9) 大根
(9a) 茎葉部
(11) 引抜搬送体
(12) コンテナ
(13) 横搬送体
(14) 作業者用ステップ
(15) 作業空間
(45) カッター
(51) 積降装置
Claims (2)
- 左右一対の走行クローラをトラックフレームに装設し、トラックフレーム上に機台を架設し、運転席及び運転操作部を備える運転台を機台の右側前部に配設し、運転席の下側にエンジンを内設した自走式の根菜収穫機において、前記機台の右外側に、土中に侵入して植立する根菜類の茎葉部を挾持して後方斜め上方に引上げる引抜搬送体を前記機台の横一側で前部から後部に延設し、また掘取った根菜類を収納し且つ前記機台に対する積降し自在な構造となされたコンテナを前記運転台後方で且つ前記機台の前後方向及び左右方向の略中央部に搭載すると共に、該コンテナを前記機台上で位置保持するように機能する積降装置を設け、該積降装置は前記コンテナに抜き挿しされる前後向きのフォークを具備し、前記コンテナを前記機台から地面に降ろすときは前記コンテナを支持した前記フォークが油圧シリンダにより上昇され次に前記コンテナの左右方向幅よりも長く左側へ移動され次に降下されるように動作され、逆に前記コンテナを地面から前記機台に積むときは機台の左側の地面上に位置された前記コンテナを支持した状態となされた前記フォークが、油圧シリンダにより上昇され次に前記コンテナの左右方向幅よりも長く右側へ移動され次に降下されるように動作されるものとなされており、また前記引抜搬送体の挾持終端部の下方に搬送始端部を位置され掘取った根菜類を前記機台左側へ向けて搬送するものとした横搬送体を、前記コンテナより後方の前記機台後部に横設した構成となされていることを特徴とする根菜収穫機。
- 左右一対の走行クローラをトラックフレームに装設し、トラックフレーム上に機台を架設し、運転席及び運転操作部を備える運転台を機台の右側前部に配設し、運転席の下側にエンジンを内設した自走式の根菜収穫機において、前記機台の右外側に、土中に侵入して植立する根菜類の茎葉部を挾持して後方斜め上方に引上げる引抜搬送体を前記機台の横一側で前部から後部に延設し、また掘取った根菜類を収納し且つ前記機台に対する積降し自在な構造となされたコンテナを前記運転台後方で且つ前記機台の前後方向及び左右方向の略中央部に搭載すると共に、該コンテナを前記機台上で位置保持するように機能するコンテナ積降装置を設け、該積降装置は前記コンテナに抜き挿しされる前後向きのフォークを具備し、前記コンテナを前記機台から地面に降ろすときは前記コンテナを支持した前記フォークが油圧シリンダにより上昇され次に前記コンテナの左右方向幅よりも長く左側へ移動され次に降下されるように動作され、逆に前記コンテナを地面から前記機台に積むときは機台の左側の地面上に位置された前記コンテナを支持した状態となされた前記フォークが、油圧シリンダにより上昇され次に前記コンテナの左右方向幅よりも長く右側へ移動され次に降下されるように動作されるものとなされており、また前記引抜搬送体の挾持終端部の下方に搬送始端部を位置され前記引抜搬送体の掘取った根菜類を前記機台左側へ向けて搬送するものとなされた横搬送体を、前記コンテナより後方の前記機台後部に横設すると共に、前記引抜搬送体の掘取った根菜類の茎葉部を前記横搬送体の搬送途中で切断する切断部を設け、さらに前記コンテナと前記横搬送体の間となる前記機台部分に作業者用ステップを設け、該作業者用ステップの上側を作業者の作業空間となしてあることを特徴とする根菜収穫機。
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-
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