JP6402721B2 - ガラス板の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、帯状のガラスリボンを加工するガラス板の製造方法及び製造装置に関する。
フロート法やフュージョン法などの一般的な製造方法で製造されるガラスリボン(帯状のガラス板)は、その幅方向の両縁に厚さが不均一な領域を有する。このような厚さが不均一な領域は、一般に耳部と称され、ガラスリボンから除去された後に粉砕されて原料カレットとして再利用される。
特許文献1には、ガラスリボンから耳部を除去する方法として、レーザー加工により耳部を切断して除去する方法が記載されている。この方法では、長手方向に搬送中のガラスリボンの両縁部にレーザーを照射してガラスリボンを製品部と耳部との境界で切断し、耳部を除去する。このように除去された耳部は、帯状に連なった状態でガラスリボンの製品部から分離される。そして、そのまま端縁破断装置に搬送されて端縁片に破断される。
また、特許文献2には、耳部(端縁部)の取り扱いには大きな注意を払う必要があり、耳部の取扱いによっては、端縁部の破損を惹起させる原因となり、端縁部の破損が切断起点に作用して、帯状の板状ガラス全体を破損に至らしめるおそれがあることが記載されている。また、切断前における帯状の板状ガラスの軌道に対する切断後の製品部(有効ガラス部)の軌道及び耳部(端縁ガラス部)の軌道を適切化して、切断起点からのクラックの進展を好適な状態にすることができると記載されている。
特開2000−335928号公報 特開2011−144093号公報
しかしながら、従来のように、分離した耳部をそのまま破砕機に搬送して破砕したり、破断機に搬送して破断したりする加工を施すと、加工中の振動がガラスリボンの製品部と耳部の切断部位に伝わり、製品部に割れや欠けを生じさせるという欠点がある。すなわち、耳部は、厚く剛性が高いため、破砕時の振動や応力が、そのまま上流側に伝達されてしまい、加工中の切断部位において、製品部に割れや欠けを生じさせるという欠点がある。特に、製品部の板厚が薄いガラスリボンは、加工中の切断部位に振動や応力の影響を受けると、容易に製品部が割れてしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、製品部に割れや欠けを生じさせることなくガラスリボンを製品部と耳部とに分離することができるガラス板の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段は、次のとおりである。
第1の態様は、幅方向の中央に製品部、および両縁に耳部を有する帯状のガラスリボンを長手方向に連続的に搬送し、搬送中のガラスリボンを加工するガラス板の製造方法において、ガラスリボンの両縁部を長手方向に連続的に切断し、ガラスリボンを製品部と耳部とに分離する耳部分離工程と、耳部に耳部の長手方向と交差する破断予定線を耳部の長手方向に間隔をあけて加工する破断予定線加工工程と、分離された耳部を破断予定線に沿って破断する耳部破断工程と、を有するガラス板の製造方法である。
前記した耳部分離工程と破断予定線加工工程と耳部破断工程とは、この順に従って行われてもよいし、また破断予定線加工工程と耳部分離工程と耳部破断工程とは、この順に従って行われてもよい。
本態様によれば、耳部に対して、長手方向に一定の間隔で破断予定線が加工される。耳部は、分離後、破断予定線に沿って順次折られ、短冊状に破断される(いわゆるラフカット)。これにより、耳部の処理に伴う振動や応力が、耳部の切断部位に伝わるのを防止でき、製品部に割れや欠けが生じるのを防止できる。すなわち、分離した耳部を上流のガラスリボンと分離されていない状態で破砕するのではなく、ラフカットすることにより、その処理に伴う振動や応力が耳部の切断部位に伝わるのを防止でき、製品部に割れや欠けが生じるのを防止できる。
なお、破断予定線は、少なくとも耳部を破断する前に加工されていればよい。したがって、前述したように、耳部を切断した後に加工してもよいし、また、耳部を切断する前に加工してもよい。
また、耳部は、破断予定線で折ることにより破断するが、全ての破断予定線の箇所で折る必要はない。また、破断された耳部は、その後、粉砕等のカレット化処理が施される。
第2の態様は、第1の態様のガラス板の製造方法において、耳部破断工程は、耳部と製品部とが同じ方向に搬送されている間に耳部を破断予定線に沿って破断する態様である。
本態様によれば、耳部は、製品部と分離された後、製品部と同じ方向に搬送されている間に破断される。すなわち、分離後、短い距離の間で耳部が破断される。これにより、加工に要するスペースを小さくできる。
第3の態様は、第1の態様のガラス板の製造方法において、耳部破断工程は、耳部と製品部とのいずれか一方の搬送方向を切り換えた後に前記耳部を前記破断予定線に沿って破断する態様である。
本態様によれば、耳部は、製品部と分離された後、製品部と異なる搬送方向に切り替えた後に破断される。すなわち、耳部を製品部と独立して搬送することが可能になり、耳部破断工程のレイアウトや、耳部と製品部との分離後の破断タイミングの自由度が高まる。
第4の態様は、第1から3の態様のガラス板の製造方法において、耳部破断工程は、耳部に気体を吹き付けて、耳部を破断予定線に沿って破断する態様である。
本態様によれば、耳部に気体が吹き付けられることにより、耳部が破断予定線に沿って折られて破断される。耳部に気体を吹き付けて破断するため、非接触で耳部を破断できる。これにより、ガラスリボンへ伝わる破断時の振動の影響を小さくすることができるとともに、破断速度やガラスに加える応力の調整が容易なため効率的で自由度の高い破断が可能になる。また、気体を吹き付けることによりガラスを切断した際に発生するカレットの除去効果も期待できる。
第5の態様は、第1から4のいずれか1の態様のガラス板の製造方法において、破断予定線加工工程は、耳部の一部に破断予定線を加工する態様である。
本態様によれば、耳部の一部に破断予定線が加工される。耳部は、一部に破断予定線が加工されてさえいれば、その破断予定線を契機として容易に折ることができる。したがって、破断予定線は、必ずしも幅方向の全域に加工する必要はなく、一部に加工されていればよい。これにより、破断予定線の加工を容易に行うことができる。
第6の態様は、第1から4のいずれか1の態様のガラス板の製造方法において、破断予定線加工工程は、耳部の全幅に破断予定線を加工する態様である。
本態様によれば、耳部の全幅に破断予定線が加工される。これにより、耳部を容易に破断できる。
第7の態様は、第5の態様のガラス板の製造方法において、破断予定線加工工程は、耳部の最も板厚が厚い部分に破断予定線を加工する態様である。
本態様によれば、耳部の最も板厚が厚い部分に破断予定線が加工される。これにより、耳部を折る際、耳部を簡単かつ確実に折ることができ、耳部を折る処理を安定して行うことができる。
第8の態様は、第1から7のいずれか1の態様のガラス板の製造方法において、耳部分離工程は、ガラスリボンの両縁部にレーザーを照射してガラスリボンを切断し、製品部と耳部とに分離する態様である。
本態様によれば、レーザーを用いてガラスリボンが切断され、製品部と耳部とに分離される。これにより、加工中の切断部位に振動が伝達されたときに生じる製品部の割れや欠けを更に低減できる。すなわち、製品部と耳部との分離は、レーザーによる切断の他、たとえば、カッターを用いた割断でも行うことができるが、カッターを用いた割断の場合、カッターの当接位置に振動や応力が伝達されると、ガラスリボンに無理な応力が働き、割れや欠けが生じる危険性が高くなる。レーザーで切断することにより、振動や応力が伝達されたときに製品部に割れや欠けが生じる危険性をより低減できる。
第9の態様は、第1から8のいずれか1の態様のガラス板の製造方法において、溶融ガラスをガラスリボンに成形する成形部から連続的に搬送されるガラスリボンに対し前記した加工を施す態様である。
本態様によれば、成形部で成形されたガラスリボンが連続的に搬送されて処理される。これにより、ガラスリボンを効率よく加工処理できる。
第10の態様は、第1から9のいずれか1の態様のガラス板の製造方法において、ガラスリボンは、製品部の板厚が0.01mm〜3.00mmである態様である。
本態様によれば、製品部の板厚が0.01mm〜3.00mmのガラスリボンが加工対象とされる。ガラスリボンの製品部は、板厚が薄くなるほど割れや欠けが生じやすくなる。しかしながら、このような製品部の板厚が薄いガラスリボンを加工対象とする場合であっても、上記各態様による加工方法を採用することにより、製品部に割れや欠けを生じさせることなく、ガラスリボンを加工処理できる。
第11の態様は、第1から10のいずれか1の態様のガラスリボンの加工方法において、分離された製品部の両縁部を長手方向に連続的に切断し、得られた製品部(第1の製品部)を第2の製品部と第2の耳部とに分離する第2の耳部分離工程を更に有する態様である。
本態様によれば、製品部から更に耳部(第2の耳部)が分離される。すなわち、二段階に分けてガラスリボンから耳部が除去される。これにより、より精度よく安定して耳部を除去できる。すなわち、厚い耳部があると、安定して精度よく切断することが難しくなるが、あらかじめ厚い耳部を切断し除去した後、改めて耳部を切断し除去することにより、精度よく安定して耳部を除去できる。
第12の態様は、第1から10のいずれか1の態様のガラス板の製造方法において、製品部に製品部の長手方向と直交する横切り予定線を製品部の長手方向に間隔をあけて加工する横切り予定線加工工程と、を更に有する態様である。
本態様によれば、耳部を分離後、製品部に長手方向と直交する横切り予定線が加工され、その横切り予定線に沿って製品部が切断される。これにより、ガラス板が切り出される。これにより、精度よく所望のサイズのガラス板を切り出すことができる。
第13の態様は、幅方向の中央に製品部、および両縁に耳部を有するガラスリボンを長手方向に連続的に搬送する搬送手段と、ガラスリボンの両縁部を長手方向に連続的に切断し、ガラスリボンを製品部と耳部とに分離する耳部分離部と、耳部に耳部の長手方向と交差する破断予定線を耳部の長手方向に間隔をあけて加工する破断予定線加工部と、分離された耳部を破断予定線に沿って破断する耳部破断部と、を有するガラス板の製造装置である。
本態様によれば、ガラスリボンは、搬送手段によって長手方向に連続的に搬送され、その搬送過程で耳部分離部によって耳部が連続的に分離される。また、その搬送過程で破断予定線加工部によって耳部に一定の間隔で破断予定線が加工される。分離された耳部は、耳部破断部によって破断予定線に沿って破断される。これにより、耳部の切断部位に悪影響を与えずに、分離した耳部を処理できる。
第14の態様は、第13の態様のガラス板の製造装置において、耳部破断部は、耳部に気体を吹き付けて耳部を破断する気体吹付手段を備える態様である。
本態様によれば、耳部破断手段は、耳部に気体を吹き付けて耳部を折る。これにより、破断予定線の位置が安定しない場合であっても、曲げ応力が破断予定線の位置に有効に作用するので、確実にガラス板を折ることができる。さらに、非接触で処理できるため、処理速度を向上させることができる。
第15の態様は、第13又は14の態様のガラス板の製造装置において、耳部分離部は、ガラスリボンにレーザーを照射してガラスリボンを切断するレーザー切断機である態様である。
本態様によれば、ガラスリボンは、両縁部にレーザーが照射されて切断され、製品部と耳部とに分離される。これにより、耳部の処理によるレーザ照射位置へ振動、不要な応力やガラスリボンの位置変動などの悪影響が抑制され、レーザによる切断を安定して行うことができる。
本発明によれば、製品部に割れや欠けを生じさせることなくガラスリボンを製品部と耳部とに分離することができる。
ガラス板の製造装置の一実施形態を示す平面図 ガラス板の製造装置の一実施形態を示す側面図 破断予定線加工部の正面図 ガラスリボンの耳部の断面図 ガラス板の製造装置の第2の実施の形態の概略構成を示す平面図 ガラス板の製造装置の第3の実施の形態の概略構成を示す平面図 ガラス板の製造装置の第4の実施の形態の概略構成を示す平面図
以下、添付図面に従って本発明を実施するための好ましい形態について詳説する。
《ガラス板の製造装置の構成》
図1、図2は、それぞれガラス板の製造装置の一実施形態を示す平面図、側面図である。
同図に示すガラス板の製造装置1は、幅方向の中央に製品部G1(第1の製品部)、両縁に耳部G2(第1の耳部)を有するガラスリボンGを長手方向に連続的に搬送し、搬送中に耳部G2を連続的に切断し除去する装置として構成される。
ガラス板の製造装置1は、主として、ローラーコンベア10と、破断予定線加工部30と、耳部分離部46と、耳部破断部50と、制御部(不図示)と、を備えて構成される。
ローラーコンベア10は、ガラスリボンGを搬送する。
破断予定線加工部30は、耳部G2に所定の間隔をあけてスクライブ線(破断予定線)Cを加工する。即ち、耳部G2の表面に、破断予定線を刻みつける。
スクライブ線耳部分離部46は、搬送中のガラスリボンGの両縁部を長手方向に連続的に切断し、ガラスリボンGを製品部G1と耳部G2とに分離する。
耳部破断部50は、分離された耳部G2をスクライブ線Cに沿って順次破断し、耳部G2をラフに破断(ラフカット)する。
制御部は、全体の動作を統括制御する。
〈ローラーコンベア〉
搬送手段の一例としてのローラーコンベア10は、搬送路に沿って一定ピッチで配置された複数のローラー12を有する。各ローラー12は、図示しないフレームに回転自在に支持される。また、各ローラー12は、図示しない回転駆動手段に駆動されて回転する。ガラスリボンGは、このローラー12の上に載置されて、図1及び図2に矢印A1で示す搬送方向に沿って、長手方向に一定の速度で連続的に搬送される。
〈破断予定線加工部〉
図3は、破断予定線加工部の正面図である。
破断予定線加工部30は、左右一対のスクライブ線加工装置32を備え、この左右一対のスクライブ線加工装置32によって、ガラスリボンGの左右両縁部の耳部G2にスクライブ線Cを加工する。このとき、スクライブ線Cは、カッター42により耳部G2の長手方向と交差する方向、好ましくは、長手方向と直交する方向に長手方向に所定の間隔をあけて加工される。
スクライブ線加工装置32は、主として、回転フレーム40と、回転フレーム40に備えられる一対のカッター42と、を備えて構成される。スクライブ線加工装置32は、図示しないフレームに設置される。このフレームには、スクライブ線加工装置32の設置位置を調整する調整機構が備えられる。
回転フレーム40は、図示しないモーターに駆動されて、回転軸40Aを中心に回転する。
カッター42は、伸縮可能なショックアブソーバー44を介して回転フレーム40に取り付けられてもよい。
ショックアブソーバー44は、カッター42をスクライブ線Cが加工可能な応力を維持しながら進退自在に保持する。これにより、カッター42の設置高さ(最下点に位置したときのローラー12からの高さ)を自律的に調整できる。
カッター42は、その設置高さを調整することにより、ガラスリボンGに加工するスクライブ線Cの長さを調整でき、設置高さを低くするほど、加工するスクライブ線Cの長さを長くできる。すなわち、カッター42の設置高さを低くするほど、ガラスリボンGに当接する距離を長くできるので、加工されるスクライブ線Cの長さが長くできる。
以上のように構成されるスクライブ線加工装置32は、モーターを駆動することにより、カッター42が一定の周期で回転する。図3において、一点鎖線で示す円Bは、カッター42の移動軌跡である。同図に示すように、カッター42は、モーターを駆動することにより、回転軸40Aを中心とする円軌道上を回転する。この回転するカッター42が、ガラスリボンGの耳部G2に当接することにより、耳部G2の長手方向と直交するスクライブ線Cが、耳部G2の長手方向に一定の間隔で加工される。
このように加工されるスクライブ線Cは、耳部G2の一部に加工されるが、その加工位置、長さは、次のように設定することが好ましい。
図4は、ガラスリボンの耳部の断面図である。同図に示すように、耳部G2は、板厚Tが不均一である。スクライブ線Cは、この板厚Tが不均一な耳部G2に対して、板厚Tが最も厚い位置Pに加工されるように、その加工位置、長さを設定する。
スクライブ線加工装置32の設置位置及びカッター42の設置高さを調整することにより、耳部G2の板厚Tが少なくとも最も厚い位置にスクライブ線Cが加工されるように調整することが好ましい。
また、カッター42は、ガラスリボンGの内側から外側に向かってスクライブ線Cを加工するように、その回転方向が設定されるのが好ましい。すなわち、図3に矢印A2,A3で示す回転方向に回転する。このように、ガラスリボンGの内側から外側に向かってスクライブ線Cを加工することにより、カッター42がガラスリボンGの外縁端Geにあたって停止したり、ガラスリボンGがずれたりすることを防止できる。また、カッター42が耳部G2に当たらず空振りしたり、耳部G2に深く入り過ぎてカッター42が停止したり、回転速度が変化したり、耳部G2が割れてしまうなどのトラブルを防止でき、スクライブ線Cの加工に伴うガラスリボンGの割れや欠けを防止できる。
〈耳部分離部〉
耳部分離部46は、ガラスリボンGの搬送方向の両側の所定個所に左右一対のレーザー縦切り機(レーザー切断機)48を備える。耳部分離部46は、この左右一対のレーザー縦切り機48から出射されるレーザーLを搬送中のガラスリボンGの両縁部に照射して、ガラスリボンGを切断し、ガラスリボンGを製品部G1と耳部G2とに分離する。
レーザー縦切り機48は、ガラスリボンGに対して略垂直にレーザーLを照射することが好ましい。
レーザーLの照射位置は、ガラスリボンGの製品部G1と耳部G2との境界に設定される。レーザー縦切り機48の位置を調整することにより、レーザーLの照射位置を調整できる。
レーザーLが照射されたガラスリボンGは、そのレーザーLの照射位置で切断される。搬送中のガラスリボンGにレーザーLを照射することにより、ガラスリボンGの両縁部が長手方向に連続的に切断される。これにより、ガラスリボンGが製品部G1と耳部G2とに分離される。このとき、耳部G2は、帯状に連なった状態で連続的に分離される。
〈耳部破断部〉
耳部破断部50は、製品部G1から分離されて帯状に連なった耳部G2を、耳部G2の長手方向と交差する方向に形成されたスクライブ線Cに沿って破断し、耳部G2を短冊状に破断する。
耳部破断部50は、主として、分離された左右の耳部G2を搬送する左右一対の耳部搬送用ローラーコンベア52と、左右の耳部G2をスクライブ線Cに沿って折る左右一対の耳部破断機54と、を備えて構成される。
なお、この耳部破断部50において、ローラーコンベア10は、その幅員が減少して設定される(すなわち、製品部G1の幅よりも若干狭い幅に設定される。)。
また、ローラーコンベア10は、耳部破断部50において、搬送レベル(搬送面(ガラスリボンGが載置されて搬送される面)の高さ)が若干引き上げられる。このため、耳部破断部50では、ガラスリボンGは、若干上方に持ち上げられて搬送される。この搬送レベルが引き上げられるのは、耳部破断部50だけであり、耳部破断部50の下流側では、元の搬送レベルに戻される。なお、ここでは、耳部破断部50の搬送レベルが若干引き上げられる例を示したが、切断後のガラスリボンの製品部と耳部が接触しなければよく、搬送レベルを引き下げても左右方向に離間してもよく、ガラスを湾曲させて離間することもできる。
〔耳部搬送用ローラーコンベア〕
耳部搬送用ローラーコンベア52は、耳部搬送手段の一例として構成され、ガラスリボンGから分離された耳部G2をガラスリボンGと同じ方向に搬送する。ガラスリボンGから分離された耳部G2は、この耳部搬送用ローラー56の上に載置されて、長手方向に連続的に搬送される。
ここで、耳部搬送用ローラーコンベア52は、ローラーコンベア10の幅員が減少して設定された空間の途中まで耳部G2を搬送する。この耳部搬送用ローラーコンベア52の終端位置には、耳部G2をスクライブ線Cに沿って折るための加工空間Sが備えられる。耳部搬送用ローラーコンベア52によって搬送された耳部G2は、この加工空間Sに繰り出される。
〔耳部破断機〕
耳部破断手段の一例としての左右一対の耳部破断機54は、耳部G2を押える押圧ローラー62と、耳部G2にエアー(気体)を吹き付けるエアーノズル(気体吹付手段)64と、折られた耳部を回収するホッパー66と、を備えて構成される。
耳部破断機54は、図示しないフレームに設置される。このフレームには、耳部破断機54をガラスリボンGの搬送方向と直交する方向に移動する設置位置を調整する機構が備えられる。
押圧ローラー62は、耳部搬送用ローラーコンベア52によって搬送される耳部G2の搬送経路上に配置され、耳部G2を耳部搬送用ローラー56に向けて押圧して、耳部G2の浮き上がりを防止する。押圧ローラー62は、回転自在に支持されて、耳部搬送用ローラー56と平行に配置される。また、押圧ローラー62は、耳部搬送用ローラー56の直上に配置される。すなわち、押圧ローラー62は、耳部搬送用ローラー56との間で耳部G2をニップするように配置される。
エアーノズル64は、加工空間Sに並列して配置される。また、エアーノズル64は、押圧ローラー62の後段、すなわちガラスリボンの搬送方向の下流側に設けるのが好ましい。各エアーノズル64は、スリット状のエアー噴射口を有する。各エアーノズル64は、耳部搬送用ローラーコンベア52から加工空間Sに繰り出される耳部G2に向けてエアーを噴射する。ノズル取付部には、エアーノズル64の設置方向、設置角度を調整する調整機構が備えられる。エアーノズル64は、この調整機構を利用して、耳部G2にエアーが吹き付けられるように、設置方向、設置角度が調整される。
なお、エアーは、耳部G2の幅方向の全域に吹き付けられるように設定される。したがって、耳部G2の幅に応じて、使用するエアーノズル64の数が増減される。あるいは、エアー噴射口の幅が拡縮される。
また、エアーは、間欠的に噴射される。このエアーの噴射制御は、電磁弁を用いて行われる。すなわち、エアーノズル64とエアー源(不図示)とを繋ぐ配管(不図示)に電磁弁(不図示)を設置し、この電磁弁の開閉を制御することにより、エアーの噴射が制御される。
また、エアーの圧力は、少なくとも耳部G2を折れる程度の圧力に設定される。したがって、エアーは、必ずしも圧縮エアーを用いる必要はなく、ブロアーで発生させたエアーを用いることもできる。
また、ここでは気体として圧縮空気を用いる例を示したが、本発明における気体は、これに限定されず、窒素、アルゴンなどの不活性ガスを用いてもよい。また、気体に若干量の液体を混合してもよく、粉末などの個体を混合して吹き付けることも可能である。
ホッパー66は、ローラーコンベア10の下方に配置され、折られた耳部G2の細片を回収する。このホッパー66で回収された耳部G2の細片は、その後、破砕機で更に細かく粉砕される。
〈制御部〉
制御部(不図示)は、ガラス板の製造装置1の全体の動作を統括制御する。制御部は、コンピュータで構成され、制御プログラムに従って各部を制御することにより、ガラス板の製造装置1の全体の動作を統括制御する。
《ガラス板の製造装置の作用(ガラスリボン加工方法)》
次に、ガラス板の製造装置1によるガラスリボンGの加工方法、すなわち、ガラスリボンリボンを第1の製品部と第2の耳部とに分離する耳部分離処理と、当該耳部に当該耳部の長手方向と交差する破断予定線を加工する破断予定線加工処理と、分離された耳部を破断予定線に沿って破断する耳部破断処理を有する加工方法について、説明する。
ガラスリボンGは、成形部で溶融ガラスから成形されたガラスリボンGが、直接、本発明のガラス板の製造装置1に送られる。ガラスリボンGの製造方法については、特に限定されるものではなく、一般的なガラスリボンの製造方法により製造できる。ガラスリボンGの製造方法の例として、ダウンドロー法、フュージョン法、スロットダウン法、リドロー法、ロール成形法、ロールアウト法や引き上げ法等が挙げられる。
たとえば、フロート法で製造されるガラスリボンGの場合、フロートバスから引き上げられ、徐冷部で徐冷されたガラスリボンGが、ガラス板の製造装置1に送られる。
ガラス板の製造装置1に送られたガラスリボンGは、ローラーコンベア10によって長手方向に搬送される(一例として、400m/hの速度で搬送する。)。
ガラスリボンGは、まず、破断予定線加工部30において、長手方向に一定の間隔でスクライブ線Cが加工される(破断予定線加工工程)。
スクライブ線Cは、回転するカッター42によって長手方向と交差する方向に、好ましくは長手方向と直交する方向に加工され、かつ、最も板厚Tが厚い位置に加工される。
ガラスリボンGは、次に、耳部分離部46において、その幅方向の両縁部の切断しようとするラインに沿ってレーザーLを照射することによって切断されて、製品部G1と耳部G2とに分離される(耳部分離工程)。
レーザーLは、製品部G1と耳部G2との境界に照射される。このレーザーLが、搬送中のガラスリボンGに連続的に照射されることにより、ガラスリボンGが長手方向に連続的に切断され、ガラスリボンGが製品部G1と耳部G2とに分離される。
製品部G1は、そのままローラーコンベア10によって長手方向に搬送される。また、分離された耳部G2も、ローラーコンベア10によって長手方向に搬送される。すなわち、分離された耳部G2は、分離後もローラーコンベア10によって搬送され、製品部G1と並走してローラーコンベア10上を長手方向に搬送される。
製品部G1から分離された耳部G2は、その後、耳部破断部50に送られ、耳部破断部50でスクライブ線Cに沿って折られて、短冊状にラフに破断される(耳部破断工程)。
ここで、耳部破断部50では、長手方向に連続的に搬送される耳部G2を耳部搬送用ローラーコンベア52で受け、上部を押圧ローラー62で押えながら長手方向に連続的に搬送する。そして、その耳部搬送用ローラーコンベア52から加工空間Sに繰り出される耳部G2に対して、エアーノズル64から間欠的にエアーを吹き付けることにより、耳部G2に曲げモーメントを作用させ、耳部G2をスクライブ線Cに沿って折って破断される。破断された耳部G2の細片G2Aは、自重で落下し、ホッパー66で回収される。
このように、本実施の形態のガラス板の製造装置1によれば、耳部G2にスクライブ線Cが加工され、分離後、そのスクライブ線Cに沿って耳部G2が折られて破断される。これにより、直接粉砕機で粉砕するときのような振動が、レーザーLによる加工部位に伝わらず、製品部G1に割れや欠けなどを生じさせることなく、ガラスリボンGを加工処理できる。
なお、ホッパー66で回収された耳部G2の細片G2Aは、その後、粉砕機で粉砕される。
また、分離後の製品部G1は、長手方向に搬送されて、次の工程が実施される。たとえば、ロール状に巻き取る工程や、ガラス板を切り出す工程が実施される。
《変形例》
〈耳部分離部の変形例〉
上記実施の形態では、レーザー加工によりガラスリボンGを製品部G1と耳部G2とに分離する構成としているが、ガラスリボンGを製品部G1と耳部G2とに分離する方法は、これに限定されるものではない。ガラスリボンGの切断法は、本願の効果を損しない範囲で、公知の曲げ応力を用いた割断、熱を用いた割断、溶断やアブレーションなど公知の切断方法を用いることができる。
〈破断予定線加工部の変形例〉
上記実施の形態では、円軌道上を一定周期で回転するカッター42によってスクライブ線Cを耳部G2の長手方向に一定の間隔で加工する構成としているが、スクライブ線Cを加工する手段は、これに限定されるものではない。この他、たとえば、レーザー加工によりスクライブ線Cを加工する構成や、直線的に往復移動するカッターによってスクライブ線Cを加工する構成とすることもできる。
また、所望の間隔でスクライブ線Cの間隔を設定することができる。例えば、不均一な間隔のパターンを繰り返してもよく、スクライブ線Cの間隔の上限や下限を定めて不規則に加工してもよく、完全に不規則に加工してもよい。
また、上記実施の形態のように円軌道上を回転するカッター42で加工する場合、そのカッター42の設置数や回転数などは、加工対象や加工速度、加工間隔などに応じて適宜調整できる。
また、スクライブ線Cの長さや加工間隔についても、加工対象等に応じて適宜調整できる。
また、上記実施の形態では、耳部G2の長手方向と直交する方向(搬送方向と直交する方向)にスクライブ線Cを加工しているが、必ずしも長手方向に直交している必要はない。スクライブ線Cは、帯状の耳部G2を長手方向に交差する方向に形成され、このスクライブ線Cに沿って折れるように加工されていればよい。
また、上記実施の形態では、耳部G2の板厚Tが最も厚い位置にスクライブ線Cを加工しているが、加工位置は、これに限定されるものではない。耳部の最も板厚が厚い部分を含んだ一部にスクライブ線Cを加工してもよく、耳部の全幅にわたりスクライブ線Cを加工してもよい。ただし、上記のように、耳部G2の板厚Tが最も厚い位置にスクライブ線Cを加工することにより、耳部破断部50で耳部G2を折る際、容易に折ることができ、安定した処理を行うことができる。
なお、上記実施の形態のように、円軌道上を回転するカッター42でスクライブ線Cを加工する際、スクライブ線Cは、端部から所定距離離れた地点に加工することが好ましい。端部を狙って加工すると、カッター42がガラスリボンGの外縁端Geにあたって停止したり、カッター42が外れたり、また、ガラスリボンGがずれたり、ガラスリボンGに接触せずに空振りしたりする場合があるからである。
スクライブ線Cは、特に制約がない場合、たとえば、5〜50mmの長さで加工し(狙いは15mm程度)、端部から10〜50mmの位置に加工する。また、加工間隔は、100〜300mmとする(たとえば、200mm)。この加工間隔は、加工空間Sの大きさ、スクライブ線加工装置32の能力、破断する耳部の長さ(細片G2Aの長さ)などに応じて設定される。
ここで、破断する耳部G2の長さは、最短でスクライブ線Cの加工間隔と同じになる。破断する耳部G2の長さが長くなると、耳部破断部50の設置に要するスペースが大きくなる。したがって、スクライブ線Cの加工間隔は、耳部破断部50の設置に要するスペースも考慮して設定することが好ましい。これにより、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
〈耳部破断部の変形例〉
上記実施の形態では、スクライブ線Cが加工された耳部G2幅方向の全域にエアー吹き付けられるように設定されたが、耳部G2が破断可能であれば必ずしも全域にエアーが吹きつけられる必要はなく、耳部G2の一部に選択的または集中的にエアーを吹き付けて破断することもできる。
また、上記実施の形態では、スクライブ線Cが加工された耳部G2にエアーを吹き付けることにより、耳部G2をスクライブ線Cに沿って折る構成としているが、耳部G2を折る方法は、これに限定されるものではない。耳部G2に曲げモーメントを付与できればよい。したがって、たとえば、シリンダで耳部G2を押圧して折る構成や、耳部G2にコロを当接させて折る構成、振動を与えて折る構成なども採用できる。また、自重で折る構成とすることもできる。なお、気体を吹き付けることで破断することにより非接触で破断が可能になり、ガラスリボンへの振動の影響を小さくすることができるとともに、破断速度やガラスに加える応力の調整が容易なため効率的で自由度の高い破断が可能になる。また、気体を吹き付けることによりガラスを切断した際に発生するカレットの除去効果も期待できる。
エアーなどの気体を用いる場合、耳部G2の幅に合わせて使用するノズルのサイズ、数、噴射方向、噴射角度等を適宜選択する。
また、上記実施の形態では、エアーを間欠的に噴射して、耳部G2を折る構成としているが、連続的に噴射して、耳部G2を折る構成とすることもでき、耳部の搬送に合わせて圧力を変化させることもできる。なお、本発明において「間欠的」とは、強弱の概念を含むものであり、圧縮気体が完全に噴出を停止しない状態も含み得る。すなわち、一定の周期でON、OFFを繰り返す態様の他、一定の周期で強、弱を繰り返す態様が含まれる。
また、耳部G2を破断する処理は、必ずしもスクライブ線Cと同じ間隔で実施する必要はない。すなわち、加工した全てのスクライブ線Cに沿って破断する必要はなく、たとえば、スクライブ線Cの近傍で破断したり、スクライブ線Cの複数本おきに破断したりする構成とすることもできる。
また、上記実施の形態では、分離した耳部G2を製品部G1と同じ方向に搬送して耳部G2を破断処理する構成としているが、耳部G2の搬送方向を切り換えて、破断処理する構成とすることもできる。また、耳部G2の搬送方向を切り換えずに、製品部G1の搬送方向を切り換えて耳部G2と分離してから破断処理してもよい。例えば、ダウンドロー法の様にガラスリボンGが垂直方向に搬送される場合、分離した耳部G2の搬送方向は変えずに、製品部G1を水平方向へ搬送するように切り替えてもよい。製品部G1と耳部G2のいずれかの搬送方向を切り換えた場合、耳部を製品部と独立して搬送することが可能になり耳部破断工程のレイアウトや製品部との分離後の破断タイミングの自由度が高まる。例えば、重力を利用して耳部G2を垂直に搬送しながら製品部G1を所望の搬送方向に切り替えて分離してもよい。
ただし、耳部G2の搬送方向を切り換えると、耳部G2の搬送距離が延長し、耳部G2の破断処理に要するスペースが大きくなるので、上記実施の形態のように、ガラスリボンGと同じ方向に搬送している間に耳部G2を破断処理することが好ましい。すなわち、分離直後に破断処理することが好ましい。
〈加工順序の変形例〉
上記実施の形態では、耳部G2にスクライブ線Cを加工した後、耳部G2を分離しているが、耳部G2を分離した後にスクライブ線Cを加工するようにしてもよい。
〈その他の変形例〉
加工対象のガラスリボンGの構成については、特に限定されないが、製品部G1の板厚が薄いガラスリボンほど本実施の形態のガラス板の製造装置1は、有効に機能する。すなわち、ガラスリボンは、製品部の板厚が薄くなるほど、加工時の振動の影響で製品部が割れやすくなるが、本実施の形態のガラス板の製造装置1は、耳部G2の処理に伴う振動の影響を低減できるので、製品部の板厚が薄いガラスリボン(たとえば、製品部G1の板厚が、0.01mm〜3.00mmの薄いガラスリボンG)を加工処理(すなわち、耳部分離、破断予定線加工、および耳部破断の加工処理)する場合に特に有効に機能する。
一例として、ガラスリボンGは、製品部G1の板厚が0.1mmの場合、耳部G2の板厚は、おおよそ1.2mmとなる。また、製品部G1の板厚が0.2mmの場合、耳部G2の板厚は、おおよそ1.4mmとなる。また、製品部G1の板厚が0.5mmの場合、耳部G2の板厚は、おおよそ2.0mmとなる。
《第2の実施の形態》
図5は、ガラス板の製造装置の第2の実施の形態の概略構成を示す平面図である。
本実施の形態のガラス板の製造装置100は、耳部G2(第1の耳部)を分離した製品部G1(第1の製品部)から更に耳部を分離する構成としている。このため、耳部G2を分離した製品部G1から更に耳部を分離するための第2の耳部分離部110を備えている。すなわち、分離された製品部G1の両縁部を長手方向に連続的に切断し、製品部G1を第2の製品部G3と第2の耳部G4とに分離する第2の耳部分離工程を更に有する。なお、第2の耳部分離部110を有する点以外は、上述したガラス板の製造装置1の構成と同様の構成とすることができるので詳細の説明は省略する。
〈変形例〉
第1の製品部G1を第2の製品部G3と第2の耳部G4とに分離する場合、縦スクライブ線C1を加工するタイミングは、第1の耳部G2の破断後に限定されない。少なくとも縦切りする前に加工されていればよい。したがって、たとえば、第1の耳部G2の分離と同時に縦スクライブ線C1を加工するようにしてもよい。
また、分離した第2の耳部G4についても、第1の耳部G2と同様に破断処理するようにしてもよい。すなわち、ガラスリボンGから分離後、長手方向に一定の間隔で第2の耳部G4にスクライブ線Cを加工し、そのスクライブ線Cに沿って破断するようにしてもよい。
《第3の実施の形態》
図6は、ガラス板の製造装置の第3の実施の形態の概略構成を示す平面図である。
本実施の形態のガラス板の製造装置200は、耳部G2が分離されたガラスリボンGからガラス板gを切り出すガラス板加工部210を備えている。すなわち、製品部G1に製品部G1の長手方向と直交するスクライブ線Cを製品部の長手方向に所定の間隔をあけて加工するスクライブ線Cの加工工程と、製品部G1をスクライブ線Cに沿って切断し、ガラス板gを切り出す横切り工程と、ガラス板gを縦破断予定線に沿って破断して、ガラス板gから耳部を除去するガラス板縦切り工程と、を更に有する。
なお、ガラス板加工部210を有する点以外は、上述したガラス板の製造装置1の構成と同じである。また、ガラス板加工部210の横切り工程には公知の横切り装置、例えば、曲げ応力による割断やレーザー割断、レーザー溶断など、を用いることができる。したがって、詳細の説明は省略する。
このように、本実施の形態のガラス板の製造装置200では、耳部G2が分離された製品部G1からガラス板gが切り出される。これにより、ガラスリボンGから連続してガラス板gを加工できる。
《第4の実施の形態》
図7は、ガラス板の製造装置の第4の実施の形態の概略構成を示す平面図である。
本実施の形態のガラス板の製造装置300は、耳部G2を分離後、製品部G1からガラス板gを切り出し、切り出したガラス板gから耳部g2(以下、ガラス板耳部g2という)を除去するガラス板耳部分離部310を備えている。
なお、ガラス板耳部分離部310を有する点以外は、上述した第3の実施の形態のガラス板の製造装置200の構成と同じである。したがって、詳細の説明は省略する。
このように、本実施の形態のガラス板の製造装置300では、耳部G2が分離されたガラスリボンGからガラス板gが切り出され、更に、その切り出されたガラス板gからガラス板耳部g2が分離される。これにより、ガラス板から耳部を精度よく安定して除去できる。すなわち、本実施の形態のガラス板の製造装置300においても、耳部を二段階に分けて除去するので、耳部を精度よく安定して除去できる。
〈変形例〉
また、切り折りによりガラス板gをガラス板製品部g1とガラス板耳部g2とに分離する場合、縦スクライブ線C1を加工するタイミングは、ガラスリボンGの耳部G2の破断後に限定されない。少なくとも縦切りする前に加工されていればよい。したがって、たとえば、ガラスリボンGの耳部G2の分離と同時に縦スクライブ線C1を加工するようにしてもよい。
本発明によれば、製品部に割れや欠けを生じさせることなくガラスリボンを製品部と耳部とに分離することができ、特に、板厚の薄いガラスリボンに対し効果的に耳部の切断、分離、破断を施すことができる。
なお、2013年12月25日に出願された日本特許出願2013−266841号の明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
1…ガラス板の製造装置、10…ローラーコンベア、12…ローラー、30…破断予定線加工部、32…スクライブ線加工装置、40…回転フレーム、42…カッター、44…ショックアブソーバー、46…耳部分離部、48…レーザー縦切り機、50…耳部破断部、52…耳部搬送用ローラーコンベア、54…耳部破断機、56…耳部搬送用ローラー、62…押圧ローラー、64…エアーノズル、66…ホッパー、100…ガラス板の製造装置、110…第2の耳部分離部、200…ガラス板の製造装置、210…ガラス板加工部、300…ガラス板の製造装置、310…ガラス板耳部分離部、C…スクライブ線(破断予定線)、C1…縦スクライブ線、G…ガラスリボン、Ge…ガラスリボンの外縁端、G1…ガラスリボンの製品部(第1の製品部)、G2…ガラスリボンの耳部(第1の耳部)、G2A…耳部の細片、G3…ガラスリボンの第2の製品部、G4…ガラスリボンの第2の耳部、L…レーザー、P…耳部の板厚が最も厚い位置、S…加工空間、g…ガラス板、g1…ガラス板の製品部(ガラス板製品部)、g2…ガラスの板耳部(ガラス板耳部)

Claims (15)

  1. 幅方向の中央に製品部、および両縁に耳部を有する帯状のガラスリボンを長手方向に連続的に搬送し、搬送中の前記ガラスリボンを加工するガラス板の製造方法において、
    前記ガラスリボンの両縁部を長手方向に連続的に切断し、前記ガラスリボンを前記製品部と前記耳部とに分離する耳部分離工程と、
    前記耳部に前記耳部の長手方向と交差する破断予定線を前記耳部の長手方向に間隔をあけて加工する破断予定線加工工程と、
    分離された前記耳部を前記破断予定線に沿って破断する耳部破断工程と、
    を有するガラス板の製造方法。
  2. 前記耳部破断工程は、前記耳部と前記製品部とが同じ方向に搬送されている間に前記耳部を前記破断予定線に沿って破断する請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記耳部破断工程は、前記耳部と前記製品部とのいずれか一方の搬送方向を切り換えた後に前記耳部を前記破断予定線に沿って破断する請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記耳部破断工程は、前記耳部に気体を吹き付けて、前記耳部を前記破断予定線に沿って破断する請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記破断予定線加工工程は、前記耳部の一部に前記破断予定線を加工する請求項1から4のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  6. 前記破断予定線加工工程は、前記耳部の全幅に前記破断予定線を加工する請求項1から4のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  7. 前記破断予定線加工工程は、前記耳部の最も板厚が厚い部分に前記破断予定線を加工する請求項5に記載のガラス板の製造方法。
  8. 前記耳部分離工程は、前記ガラスリボンの両縁部にレーザーを照射して前記ガラスリボンを切断し、前記製品部と前記耳部とに分離する請求項1から7のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  9. 溶融ガラスをガラスリボンに成形する成形部から連続的に搬送されるガラスリボンに対し前記した加工を施す請求項1から8のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  10. 前記ガラスリボンは、前記製品部の板厚が0.01mm〜3.00mmである請求項1から9のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  11. 分離された前記製品部の両縁部を長手方向に連続的に切断し、前記製品部を第2の製品部と第2の耳部とに分離する第2の耳部分離工程を更に有する請求項1から10のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  12. 前記製品部に前記製品部の長手方向と直交する横切り予定線を前記製品部の長手方向に間隔をあけて加工する横切り予定線加工工程と、
    前記製品部を前記横切り予定線に沿って切断しガラス板を切り出す横切り工程と、
    を更に有する請求項1から10のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  13. 幅方向の中央に製品部、および両縁に耳部を有するガラスリボンを長手方向に連続的に搬送する搬送手段と、
    前記ガラスリボンの両縁部を長手方向に連続的に切断し、前記ガラスリボンを前記製品部と前記耳部とに分離する耳部分離部と、
    前記耳部に前記耳部の長手方向と交差する破断予定線を前記耳部の長手方向に間隔をあけて加工する破断予定線加工部と、
    分離された前記耳部を前記破断予定線に沿って破断する耳部破断部と、
    を有するガラス板の製造装置。
  14. 前記耳部破断部は、前記耳部に気体を吹き付けて耳部を破断する気体吹付手段を備える請求項13に記載のガラス板の製造装置。
  15. 前記耳部分離部は、前記ガラスリボンにレーザーを照射して前記ガラスリボンを切断するレーザー切断機である請求項13又は14に記載のガラス板の製造装置。
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