JP6401959B2 - コンクリート柱部材の型枠システム、および、コンクリート柱部材の製造方法 - Google Patents
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Description
また、柱主筋と回転支持装置の係合部材とは、突出部を介して接続されているので、型枠脱型後に柱部材を建て起こす際に、柱部材の一端側の移動を拘束でき、さらに、柱部材の一端側を回転支持装置で支持できる。
また、柱部材の一端側を回転支持装置で支持した状態で、柱部材の他端側のみを吊り上げることで柱部材を建て起こすので、柱部材にねじり応力や曲げ応力が発生するのを防止できる。
本実施形態では、柱部材の建て起しは、型枠システムの端側板を分離した後、柱部材の一方端側のみに係合部材と回転支持装置を備えた状態で行われる。
回転支持装置は、柱部材の一方端部のみを吊り上げて、柱部材を建て起こす際は、柱部材と接合しており、略柱部材を鉛直方向に吊り上げられた状態で分離されるものである。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る型枠システム1の側面図である。図2は、図1のA−A断面図である。
型枠システム1は、型枠ユニット3と、この型枠ユニット3の一端側の側面つまり端側面を回転可能に支持する回転支持装置4と、を備える。
型枠10は、矩形平板状の底板11と、この底板11の四辺に沿って立設された端側板12A、12B、12Cと、を備える。
側板ビーム22は、端側板12Bの高さ方向に所定間隔おきに設けられる。
底板フレーム23は、底板11の長さ方向の所定位置に設けられる。
側板フレーム24は、底板フレーム23に回転可能に支持されている。
支持フレーム25は、長さを調整可能であり、この支持フレーム25の長さを調整することで、側板フレーム24の底板フレーム23に対する角度を調整可能である。
補強ビーム26は、底板11の長さ方向に延びている。
回転支持装置4は、床面5に固定された台座30と、この台座30の設置面30Aに固定された山留部材である回転機構40と、この回転機構40の上面に取り付けられた係合部材50と、を備える。
よって、型枠システム1は、床面5上に載置された型枠ユニット3と、この型枠ユニット3の一端側に略45°傾斜した状態で取り付けられる回転支持装置4と、を備えている。
また、回転機構を蝶番形状とし、支持部41を、直接、型枠10の端側板12Aに回転可能に連結してもよい。このようにすれば、係合部材を用いることなく、簡単な構成で、型枠10を回転可能に支持できる。
なお、養生期間の間、型枠10を上からシートで覆うとともに、このシート内に蒸気配管を配置し、この蒸気配管からシート内に蒸気を放出して、コンクリートを湿潤養生してもよい。
このとき、PCa柱部材2は、型枠10から脱型されているが、PCa柱部材2の一端側が回転支持装置4の係合部材50に係合しており、回転支持装置4に支持されながら回転する。
その後、このPCa部材2の建方を行ってもよいし、このPCa柱部材2を建て起こした状態のまま別のストックヤードに一時的に保管してもよい。
(1)脱型後にPCa柱部材2を建て起こす際、1台の揚重機械により、PCa柱部材2の他端側つまり回転支持装置4が設けられていない側を吊り上げることで、PCa柱部材2の一端側が回転支持装置4で支持されることになり、所定の位置まで移動させることができる。したがって、従来のように揚重作業における施工手順が複雑にならないから、揚重作業が容易となり、施工費を抑制できる。
また、PCa柱部材2の一端側を回転支持装置4で支持した状態で、PCa柱部材2の他端側のみを吊り上げることでPCa柱部材2を建て起こすので、PCa柱部材2にねじり応力や曲げ応力が発生するのを防止できる。
本実施形態では、柱部材の建て起しは、柱部材の強度発現を確認した後であっても、柱部材と端側板を分離することなく、柱本体を端側板と回転支持装置が接合された型枠システムで覆った状態で、柱部材の一方端側のみを吊り上げていき、柱部材が略鉛直状態に近い状態に至った段階で、柱部材の型枠システムを分離させるものである。
ステップS11、S12については、第1実施形態のステップS1、S2と同様である。
ステップS13では、図9に示すように、クレーンによりワイヤ7を介してPCa柱部材2の他端側および型枠ユニット3を吊り上げることで、型枠ユニット3の一端側を回転支持装置4でピン支持しながら、PCa柱部材2をある程度建て起こす。
このように型枠ユニット3の一端側が回転しても、この型枠ユニット3の剛性は、補強ビーム26により確保されている。
ステップS15では、ステップS3と同様に、型枠10からPCa柱部材2を脱型する。
ステップS16では、図10に示すように、クレーンによりPCa柱部材2の他端側を上方に吊り上げて、PCa柱部材2を完全に建て起こし、PCa柱部材2を略鉛直とする。続いて、PCa柱部材2の他端側をさらに上方に吊り上げると、PCa柱部材2が型枠10から離れる。
(4)型枠10を吊り上げてPCa柱部材2を建て起こすので、PCa柱部材2を型枠10から分離させてPCa柱部材2のみを吊り上げる場合に比べて、さらに、PCa柱部材2にねじり応力や曲げ応力が発生するのを防止できる。
例えば、上述の各実施形態では、ステップS1、S11において、型枠10内に配筋したが、これに限らず、工場にて鉄筋籠を予め製作しておき、この鉄筋籠を現場にて型枠10内に落とし込んでもよい。
また、上述の各実施形態では、PCa柱部材2を鉄筋コンクリート造の部材としたが、これに限らず、型枠内に鉄骨を配置して、鉄骨鉄筋コンクリート造の部材としてもよい。
2…PCa柱部材(コンクリート柱部材)
3…型枠ユニット
4…回転支持装置
5…床面
6…機械式継手部
7…ワイヤ
8…大型サポート
9…柱主筋
10…型枠
11…底板
12A、12B、12C…端側板
20…フレーム
21…底板ビーム 22…側板ビーム 23…底板フレーム
24…側板フレーム 25…支持フレーム 26…補強ビーム
30…台座
30A…設置面
40…回転機構
41…支持部 42…回転軸 43…回転部
50…係合部材
51…本体 52…突出部 53…支持部
60…仮受け架台
70…突起物(鉄骨梁受け用金物または仮設足場)
Claims (3)
- コンクリート柱部材を製造するための型枠システムであって、
上面が開放された箱状の型枠と、
床面に固定されて前記型枠の一端側の端側面を回転可能に支持する回転支持装置と、を備え、
前記回転支持装置は、床面に固定された台座と、当該台座に回転可能に設けられた係合部材と、を有しており、
当該係合部材は、板状の本体と、当該本体から略垂直に延びる棒状の突出部と、前記本体の下端縁から当該本体に略垂直に延びる板状の支持部と、を備え、
前記本体は、前記型枠の端側板であり、
前記支持部は、前記型枠の底板の一部であり、
前記突出部は、前記コンクリート柱部材に打ち込まれる機械式継手の位置に配置されることを特徴とするコンクリート柱部材の型枠システム。 - 上面が開放された箱状の型枠と、床面に固定されて前記型枠の一端側の端側面を回転可能に支持する回転支持装置と、を備えるコンクリート柱部材の型枠システムを用いて、
前記型枠内に配筋してコンクリートを打設して、前記コンクリート柱部材を製造成型する工程と、
当該コンクリート柱部材の一端側に前記回転支持装置を取り付けたまま、当該コンクリート柱部材を前記箱状の型枠から脱型する工程と、
前記回転支持装置が取り付けられていない前記コンクリート柱部材の他端側を吊り上げて、当該コンクリート柱部材を建て起こす工程と、
当該コンクリート柱部材を仮受け架台で仮支持する工程と、
前記コンクリート柱部材の他端側をさらに吊り上げて、当該コンクリート柱部材を前記回転支持装置から取り外す工程と、を備えることを特徴とするコンクリート柱部材の製造方法。 - 上面が開放された箱状の型枠と、床面に固定されて前記型枠の一端側の端側面を回転可能に支持する回転支持装置と、を備えるコンクリート柱部材の型枠システムを用いて、
前記型枠内に配筋してコンクリートを打設して、前記コンクリート柱部材を製造成型する工程と、
前記回転支持装置が取り付けられていない前記コンクリート柱部材の他端側を吊り上げて、前記型枠とともに当該コンクリート柱部材を建て起こす工程と、
前記型枠を大型サポートで支持する工程と、
前記コンクリート柱部材の他端側をさらに吊り上げて、当該コンクリート柱部材を前記箱状の型枠から脱型するとともに前記回転支持装置から取り外す工程と、を備えることを特徴とするコンクリート柱部材の製造方法。
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