JP2009121019A - 搬送台車 - Google Patents

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Abstract

【課題】PC柱の角部が欠けたり、搬送台車が跳ね上がったりすることなく、荷取りヤードに搬送したPC柱を直ちに立て起こすことができる搬送台車を提供すること。
【解決手段】台上にPC柱100を積載可能な搬送台車本体2と、搬送台車本体2に固定され、搬送台車本体2に積載されたPC柱100の一端を支持するとともに、積載されたPC柱100の他端を揚重した場合に、PC柱100の一端を支持した状態でPC柱100を立て起こすように支持部5が回動する反転装置3とを備えたので、PC柱100の立て起こし時にPC柱100の角部にPC柱100の重量が集中して作用することがない。このため、PC柱100の角部が欠けたり、搬送台車1が跳ね上がったりすることがない。また、荷取りヤードに反転装置を固定する必要がないので、荷取りヤードに搬送したPC柱100を直ちに立て起こすことができる。
【選択図】 図8−9

Description

本発明は、プレキャストコンクリート(Precast Concrete)柱(以下、「PC柱」と称する)を搬送する搬送台車に関するものであって、より詳細には、揚重機と協働してPC柱を立て起こす搬送台車に関するものである。
PC柱は、施工現場に設けられたPC製作ヤードにおいて製作される場合がある。PC製作ヤードで製作されるPC柱は、PC製作ヤードの階高、コンクリートの流し込み易さを考慮して、横に寝かせた状態で製作される。そして、製作されたPC柱は、搬送台車によって荷取りヤードまで搬送され、その後、タワークレーン等の揚重機によって立て起こされることになる。
図9に基づいて、PC柱の立て起こし作業を具体的に説明する。なお、図9は、PC柱の立て起こし作業の一例を示す概念図である。
PC製作ヤードにおいて製作されたPC柱100は、図9−1に示すように、チェーンスリング101を用いて玉掛けされ、マット102を敷いた搬送台車103に積載された後、図9−2に示すように、荷取りヤードまで搬送される(水平移動)。荷取りヤードまで搬送されたPC柱100は、図9−3に示すように、鉄筋露出側が玉掛けされ、図9−4に示すように、立て起こされる。そして、立て起こされたPC柱100は、図9−5に示すように、目的地(設置場所)まで揚重される。
ところで、このように、搬送台車103の上でPC柱100を立て起こすこととすると、PC柱100の角部にPC柱100の重量が集中して作用することになり、PC柱100の角部が欠けたり、搬送台車103が跳ね上がったりする事態が生じるので、好ましくない。
このような事態を回避する他の例にかかるPC柱100の立て起こし作業を図10に基づいて説明する。なお、図10は、他の例にかかるPC柱の立て起こし作業を示す概念図である。
他の例にかかるPC柱100の立て起こし作業は、反転装置200を用いてPC柱を立て起こすものであって、PC柱作成ヤードで作成されたPC柱は、図10−1に示すように、チェーンスリング101を用いて玉掛けされ、コマ材104とマット102を敷いた搬送台車103に積載される。そして、搬送台車103に積載されたPC柱100は、図10−2に示すように、荷取りヤードまで搬送され(水平移動)、図10−3に示すように、反転装置200がセットされる。
反転装置200は、図10−3〜図10−6に示すように、PC柱100の底面と底面から延在する側面とを支持することにより、揚重機と協働してPC柱100を立て起こすものであって、荷取りヤードにセットされる土台部210と、土台部210に回動可能に取り付けられ、PC柱100の底面と底面から延在する側面とを支持する支持部220とを備えている。
そして、PC柱100は、図10−4に示すように、鉄筋露出側が玉掛けされ、図10−5に示すように、立て起こされる。そして、立て起こされたPC100柱は、図10−6に示すように、目的地(設置場所)まで揚重される。
このように、反転装置200を用いてPC柱100を立て起こすこととすると、PC柱100の角部にPC柱100の重量が集中して作用することがないので、PC柱100の角部が欠けたり、搬送台車103が跳ね上がったりする事態を回避することができる。
なお、PC柱を立て起こすものではないが、長尺な被加工物の端部に着脱可能に取り付けた円筒状の治具部材を回転可能に支承することにより、被加工物を長手方向(軸方向)周りに反転可能とする支持部を有した搬送台車が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−232534号公報
しかしながら、反転装置は、荷取りヤードに強固に固定する必要があるために、セットに手間がかかり、また、台車が移動等する動線に固定することはできない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、PC柱の角部が欠けたり、搬送台車が跳ね上がったりすることなく、荷取りヤードに搬送したPC柱を直ちに立て起こすことができる搬送台車を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、台上にプレキャストコンクリート柱を積載可能な搬送台車本体と、搬送台車本体の台上に固定され、搬送台車本体に積載されたプレキャストコンクリート柱の一端を支持するとともに、積載されたプレキャストコンクリート柱の他端を揚重した場合に、プレキャストコンクリート柱の一端を支持した状態でプレキャストコンクリート柱を立て起こすように一部が回動する反転装置とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記反転装置は、搬送台車本体の台上に固定された土台部と、土台部に回動可能に取り付けられ、前記一部を構成する支持部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、積載されたプレキャストコンクリート柱が搬送台車本体の台上を容易に移動するように、搬送台車本体に回転自在に支承されたコロを備えたことを特徴とする。
本発明にかかる搬送台車は、プレキャストコンクリート柱の立て起こし時にプレキャストコンクリート柱の角部にプレキャストコンクリート柱の重量が集中して作用することがないので、プレキャストコンクリート柱の角部が欠けたり、搬送台車が跳ね上がったりすることがない。また、荷取りヤードに反転装置を固定する必要がないので、荷取りヤードに搬送したプレキャストコンクリート柱を直ちに立て起こすことができる。
以下に、本発明にかかる搬送台車の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
まず、図1及び図2に基づいて、本実施の形態である搬送台車の構成を説明する。なお、図1は、本発明の実施の形態である搬送台車を示す図であり、図2は、図1に示した反転装置を示す図である。
本発明の実施の形態である搬送台車1は、PC柱100を搬送するとともに、PC柱100を揚重機(図示せず)と協働して立て起こすものであって、搬送台車本体2と反転装置3とを備えている。
PC柱100は、図7に示すように、建物の施工現場に設けられたPC製作ヤードにおいて作成された鉄筋コンクリート製の柱であって、一方(図7−1において左方)の端部において鉄筋100aが露出し(図7−2参照)、他方(図7−1において右方)の端部において、鉄筋100aが挿入されるようにグラウト穴100bが形成してある(図7−3参照)。したがって、同一形状を有したPC柱100を順次接続することにより、建物の柱を構成できるようになっている。
搬送台車本体2は、台上にPC柱100が積載可能であって、図1に示すように、その下面には、搬送台車本体2を移動させるための車輪21が取り付けてある。図1に示す搬送台車1は、左右で一対となる車輪21を三対有しており、図1−2において右側に位置する一対の車輪21は、PC柱100の立て起こし時における搬送台車の跳ね上がりを防止するものとして機能する。また、これらの車輪21のうち少なくとも一対は、車輪止め用ストッパ(図示せず)を備えており、PC柱100の積載時及びPC柱100の立て起こし時に搬送台車1が動く事態を防止できるようになっている。
図1−2及び図1−3において搬送台車本体2の台上左側となる部位には、複数のコロ22が整列した状態で取り付けてある。コロ22は、積載されたPC柱を台車上で容易にずり動かすことができるように搬送台車本体2に回転可能に取り付けてあり、PC柱100を搬送等する場合には固定できるようになっている。
反転装置3は、図1に示すように、搬送台車本体2の台上(上面)に固定してある。反転装置3は、搬送台車本体2に積載されたPC柱100の一端を支持するとともに、積載されたPC柱100の他端を揚重した場合に、PC柱100の一端(グラウト側)を支持した状態でPC柱100を立て起こすように一部(支持部5)が回動するものであって、搬送台車本体2の台上に固定された土台部4と、土台部4に回動可能に取り付けられた支持部5とを備えている。
土台部4は、山形鋼(アングル)又は溝形鋼(チャンネル)を適宜溶接することにより構成したもので、図2−2に示すように、側面視二等辺三角形を呈するように構成してある。そして、その頂部には、支持部5を支承するシャフト6がベアリングによって回動可能に取り付けてある。
支持部5は、土台部4と同様に、山形鋼又は溝形鋼を溶接することにより構成したもので、図2−2に示すように、側面視二等辺三角形を呈するように構成してある。そして、その頂部には、シャフト6を支承するベアリングが取り付けてある。
また、二等辺三角形の底辺を成す部分には、二枚で一対をなす配筋パターンプレート51(図3参照)、配筋パターンプレート51に挿通した状態で取り付けられるPC固定棒52(図4参照)、及び配筋パターンプレート51からPC固定棒52の脱落を防止するPC固定棒抜け落ち防止プレート53(図5参照)が、プレート固定アングル54(図6参照)をボルトによって固定することにより取り付けられるようになっている。
図3に示すように、配筋パターンプレート51は、矩形の板状体であって、立て起こし対象となるPC柱100ごとに用意されている。配筋パターンプレート51には、立て起こし対象となるPC柱100の鉄筋100aの配筋パターンと同一のパターンで挿通穴51aが形成されており、図4に示すPC固定棒52が挿通するようになっている。PC固定棒52は、頭部52aが大径である棒状体であって、頭部52aが配筋パターンプレート51の挿通穴51aに係止するようになっている。そして、配筋パターンプレート51に挿通したPC固定棒52は、図5に示すPC固定棒抜け落ち防止プレート53で押さえられるようになっている。プレート固定アングル54は、図6に示すように、山形鋼(アングル)を適宜の長さに切断したものであって、配筋パターンプレート51とPC固定棒抜け落ち防止プレート53とを支持部5に固定するようになっている。
支持部5に取り付けられたPC固定棒52は、PC柱100の底面に形成された鉄筋挿入用のグラウト穴100bに挿入可能であって、反転装置3は、挿入したPC固定棒52を介してPC柱100の一端を支持することになる。
次に、図8に基づいて、本実施の形態である搬送台車を用いたPC柱の搬送及び立て起こし作業を説明する。なお、図8は、搬送台車を用いたPC柱の立て起こし作業を示す概念図である。
PC製作ヤードにおいて製作されたPC柱100は、図8−1に示すように、チェーンスリングを用いて玉掛けされ、反転装置3から離れた状態で、車輪止めが施された搬送台車本体2の台上に積載される。なお、PC柱100は、搬送台車本体2の台上に直接積載されるのではなく、PC柱100の大きさに合わせて用意されたコマ材300を介して積載される。
次に、図8−2に示すように、PC柱100に適合した配筋パターンプレート51を反転装置3に装着し、その後、図8−3に示すように、台車上のPC柱100を反転装置3に接するまでずり動かす。
そして、図8−4に示すように、PC柱100が台上を動かないようにコロ22を固定するとともに、PC固定棒52を配筋パターンプレート51、PC柱100の順に挿入する。その後、図8−5に示すように、PC固定棒抜け落ち防止プレート53をセットするとともに、玉掛けを外す。
そして、図8−6に示すように、プレート固定アングル54をボルト(図示せず)で固定することにより、配筋パターンプレート51とPC固定棒抜け落ち防止プレート53とが支持部5に取り付けられ、PC柱100は反転装置3に支持されることになる。
このように、反転装置3にPC柱100を支持した搬送台車は、図8−7に示すように、車輪止めが外され、荷取りヤードまで搬送される(水平移動)。そして、荷取りヤードまで搬送されたPC柱100は、図8−8に示すように、鉄筋100aの露出側が玉掛けされ、図8−9に示すように立て起こされる。そして、立て起こされたPC100柱は、図8−10に示すように、目的地(設置場所)まで揚重される。
上述した実施の形態である搬送台車1によれば、PC柱100の立て起こし時にPC柱100の角部にPC柱100の重量が集中して作用することがないので、PC柱100の角部が欠けたり、搬送台車1が跳ね上がったりすることがない。また、荷取りヤードに反転装置を固定する必要がないので、荷取りヤードに搬送したPC柱100を直ちに立て起こすことができる。
上述した実施の形態である搬送台車1の反転装置3は、配筋パターンプレート51とPC固定棒52、PC固定棒52とPC固定棒抜け落ち防止プレート53とが別体となるように構成したが、配筋パターンプレート51とPC固定棒52、またはPC固定棒52とPC固定棒抜け落ち防止プレート53とを一体に構成してもよい。
本発明の実施の形態である搬送台車を示す正面図である。 図1−1に示した搬送台車の側面図である。 図1−1に示した搬送台車の平面図である。 図1−1に示した搬送台車の背面図である。 図1に示した反転装置の正面図である。 図2−1に示した反転装置の側面図である。 図2−1に示した反転装置の平面図である。 図2−1に示した反転装置の背面図である。 図2に示した配筋パターンプレートを示す図である。 図2に示したPC固定棒を示す図である。 図2に示したPC固定棒抜け落ち防止プレートを示す図である。 図2に示したプレート固定アングルを示す図である。 立て起こし対象となるPC柱を示す図である。 図7−1に示したPC柱の上面を示す図である。 図7−1に示したPC柱の底面を示す図である。 図1に示した搬送台車を用いたPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、搬送台車への積載工程を示したものである。 図1に示した搬送台車を用いたPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、配筋パターンプレートの装着工程を示したものである。 図1に示した搬送台車を用いたPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、PC柱のセット工程を示したものである。 図1に示した搬送台車を用いたPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、PC固定棒の挿入工程を示したものである。 図1に示した搬送台車を用いたPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、PC固定棒抜け落ち防止プレートのセット工程を示したものである。 図1に示した搬送台車を用いたPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、配筋パターンプレート及びPC固定棒抜け落ち防止プレートの固定工程を示したものである。 図1に示した搬送台車を用いたPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、搬送台車による搬送工程を示したものである。 図1に示した搬送台車を用いたPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、玉掛け工程を示したものである。 図1に示した搬送台車を用いたPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、立て起こし工程を示したものである。 図1に示した搬送台車を用いたPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、揚重工程を示したものである。 PC柱の立て起こし作業の一例を示す概念図であって、搬送台車への積載工程を示したものである。 PC柱の立て起こし作業の一例を示す概念図であって、搬送台車による搬送工程を示したものである。 PC柱の立て起こし作業の一例を示す概念図であって、玉掛け工程を示したものである。 PC柱の立て起こし作業の一例を示す概念図であって、立て起こし工程を示したものである。 PC柱の立て起こし作業の一例を示す概念図であって、揚重工程を示したものである。 他の例にかかるPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、搬送台車への積載工程を示したものである。 他の例にかかるPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、搬送台車による搬送工程を示したものである。 他の例にかかるPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、反転装置のセット工程を示したものである。 他の例にかかるPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、玉掛け工程を示したものである。 他の例にかかるPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、立て起こし工程を示したものである。 他の例にかかるPC柱の立て起こし作業を示す概念図であって、揚重工程を示したものである。
符号の説明
1 搬送台車
2 搬送台車本体
3 反転装置
4 土台部
5 支持部
6 シャフト
21 車輪
22 コロ
51 配筋パターンプレート
51a 挿通穴
52 固定棒
52a 頭部
53 抜け落ち防止プレート
54 プレート固定アングル
100 プレキャストコンクリート柱(PC柱)
100b グラウト穴
100a 鉄筋
300 コマ材

Claims (3)

  1. 台上にプレキャストコンクリート柱を積載可能な搬送台車本体と、
    搬送台車本体の台上に固定され、搬送台車本体に積載されたプレキャストコンクリート柱の一端を支持するとともに、積載されたプレキャストコンクリート柱の他端を揚重した場合に、プレキャストコンクリート柱の一端を支持した状態でプレキャストコンクリート柱を立て起こすように一部が回動する反転装置と
    を備えたことを特徴とする搬送台車。
  2. 前記反転装置は、搬送台車本体の台上に固定された土台部と、土台部に回動可能に取り付けられ、前記一部を構成する支持部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の搬送台車。
  3. 積載されたプレキャストコンクリート柱が搬送台車本体の台上を容易に移動するように、搬送台車本体に回転自在に支承されたコロを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送台車。
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