JP5508695B2 - 建材の建て起こし装置、建材の建て起こし方法 - Google Patents

建材の建て起こし装置、建材の建て起こし方法 Download PDF

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本発明は、鉄筋かごなどの建材を建て起こすための装置及び方法に関する。
従来より、地盤を掘削し、掘削して形成した掘削孔内に鉄筋かごを建て込み、掘削孔内にコンクリートを打設することにより、場所打ちコンクリート杭や、地中壁などの地中コンクリート構造物を構築することが行われている。ここで、地中コンクリート構造物に用いられる鉄筋かごは、現場の地上において鉄筋を格子状に組む、或いは、水平に寝かした状態で現場に搬入されるため、建て込みの際に建て起こし作業を行う必要がある。このような建て起こしを行う際には、鉄筋に自重により大きな応力が作用するため、鉄筋かごが変形してしまう虞がある。
そこで、例えば特許文献1には、場所打ちコンクリート杭に埋設される鉄筋かごが、建て起こしの際に変形することを防止するべく、一端を中心に回動可能に構成された建て起こしフレーム上に鉄筋かごを載置するとともに、鉄筋かごを吊りロープにより建て起こしフレームに接続し、鉄筋かごが鉛直になるまで建て起こしフレームをクレーン等で回動させて、鉄筋かごを建て起こす方法が記載されている。
また、本願出願人らは、図5に示すように、一端320Aを中心に回動可能に構成された建て起こしフレーム320上に鉄筋かご1を載置し、建て起こしフレーム320及び鉄筋かご1をクレーンにより引き上げ、鉄筋かご1を建て起こす方法を提案している。
特開2006―249742号公報
しかしながら、上記の何れの方法でも、鉄筋かごを建て起こす際に、クレーンを鉄筋かごの先端部に合わせて水平移動させなければならない。このため、深度が大きい地中壁などに用いられる大型の鉄筋かごを建て起こす際には、クレーンの水平移動距離も大きくなってしまうという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、鉄筋かごの建て起こし作業における、クレーンの水平移動距離を小さくすることである。
本発明の建材の建て起こし装置は、一端が鉛直面内を回動可能に支持された第1の支持部材と、一端が前記第1の支持部材の他端に前記鉛直面内を回動可能に接続され、他端が鉛直面内を回動可能に支持され、この回動可能に支持された部位が前記第1の支持部材を回動可能に支持する部位に対して水平方向に相対的に移動可能第2の支持部材と、を備え、前記第2の支持部材に沿うように、建て起こされるべき前記建材が載置されることを備えることを特徴とする。
上記の建て起こし装置において、前記第2の支持部材の他端は水平方向に移動可能であるとともに、その水平方向の移動を拘束可能であってもよい。
また、前記第2の支持部材の他端に、前記第2の支持部材に回動可能に接続され、前記載置される建材の前記第2の支持部材の他端側の端部に当接するベース部材を備ええてもよい。
また、前記建材は鉄筋かごであってもよい。
また、本発明の建材の建て起こし方法は、一端が鉛直面内を回動可能に支持された第1の支持部材と、一端が前記第1の支持部材の他端に前記鉛直面内を回動可能に接続され、他端が鉛直面内を回動可能に支持され、この支持部が前記第1の支持部材の支持部に対して水平方向に相対的に移動可能第2の支持部材と、を備えた建て起こし装置の前記第2の支持部材に沿うように前記建材を載置し、前記第2の支持部材を、当該第2の支持部材の前記他端を中心に回動させつつ、当該第2の支持部材の前記一端を前記第1の支持部材の前記一端に向けて移動させることにより前記建材を建て起こすことを特徴とする。
上記の方法において、前記第1及び第2の支持部材の一部又は前記第1及び第2の支持部材の接続部を揚重装置により揚重することにより、前記第2の支持部材を、前記他端を中心に回動させてもよい。
また、前記第2の支持部材の他端が前記第1の支持部材に向かって移動することにより、前記第2の支持部材を、前記他端を中心に回動させてもよい。
また、前記第2の支持部材を、前記他端を中心に回動させた後、前記第2の支持部材の他端の水平移動を拘束し、この状態で前記建材を揚重してもよい。
本実施形態によれば、第2の支持部材が他端を中心に回動することにより、載置架台に載置された建材が起立するとともに、第2の支持部材の他端が第1の支持部材に向かって移動するため、これらの部材を吊り上げるクレーンの水平方向の移動が小さくなる。
以下、本発明の鉄筋かごの建て起こし装置を図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本実施形態の鉄筋かご1の建て起こし装置10を示す側面図である。同図に示すように、建て起こし装置10は、鉄筋かご1が載置される載置架台20と、載置架台20を支持する支持架構40とにより構成される。
支持架構40は、例えば、3次元トラス架構などの剛性の高い部材により構成される第1及び第2の支持部材30、31により構成される。
第1の支持部材30の一端30Aは、地上に固定された固定部材34に、鉛直面内(すなわち、紙面に対して平行な面内)を回動可能に接続されている。また、第1の支持部材30の他端30Bは、第2の支持部材31の一端31Aと鉛直面内(すなわち、紙面に対して平行な面内)を回動可能に接続されている。
第2の支持部材31の他端31Bは、鉛直面内(すなわち、紙面に対して平行な面内)を回動可能に水平移動装置36に接続されている。水平移動装置36は、下部に車輪37を備え、地上に敷設されたレール(不図示)に沿って固定部材34に向かって(すなわち、図中、右向きに)移動可能であり、また、車輪37を固定することにより、水平方向の移動を拘束することができる。
載置架台20は、第2の支持部材31よりも長尺な載置架台本体22と、載置架台本体22の一方の端部に設けられたベース部材21とにより構成される。載置架台20も、例えば、トラス架構など剛性が高い部材により構成される。載置架台20は、ベース部材21側の端部が第2の支持部材31の他方の端部31Bの近傍に位置するように、第2の支持部材31に沿って取り付けられている。
以下、本実施形態の建て起こし装置10を用いて鉄筋かご1を建て起こす方法を図2A〜図2Eを参照しながら説明する。
まず、図2Aに示すように、建て起こし装置10の載置架台20上において、鉄筋かご1の下端にあたる部分が載置架台20のベース部材21に当接するように鉄筋かご1を組み立てる。次に、載置架台本体22のベース部材21と反対側の端部と、鉄筋かご1の同じ側の端部に夫々、吊りワイヤ41、42を夫々取り付ける。
そして、図2Bに示すように、クレーンにより、これら吊りワイヤ41、42を介して、載置架台20及び鉄筋かご1を上方に引き上げる。これにより、第1の支持部材30が一端30Aを中心に回動するとともに、第2の支持部材31が一端31Aを中心に回転するため、第2の支持部材31の他端31Bが固定部材に向かって水平移動することとなる。
なお、載置架台20が立ち上がると、鉄筋かご1には自重により載置架台20に沿って下方に向かって荷重が作用することとなるが、ベース部材21がこの荷重を支持するため、すべりを生じることはない。このように、載置架台20の回動の中心である第2の支持部材31の他端31Bが水平方向に固定部材34に向かって移動するため、鉄筋かご1及び載置架台20のクレーンによる吊り上げ位置の水平方向の移動が小さく、これらを吊り上げるクレーンの水平方向の移動が小さくてすむ。
次に、図2Cに示すように、載置架台20が所定の角度まで起立したら、水平移動装置36の車輪37を固定し、水平方向の移動を拘束する。これにより、クレーンにより鉄筋かご1及び載置架台20の荷重を支持しなくても、載置架台20が立ち上がった状態が保たれることとなる。そして、載置架台20を吊り上げていた吊りワイヤ42を取り外す。
次に、図2Dに示すように、鉄筋かご1をクレーンにより吊りワイヤ41を介して吊り上げ、鉄筋かご1の建て込み作業を行う。
なお、鉄筋かご1の建て込みが完了した後、建て起こし装置10を元の状態に戻すには、水平移動装置36の車輪37の固定を解除すればよい。車輪37の固定を解除することで、図2Eに示すように、載置架台20や第1及び第2の支持部材30,31の自重により、これら支持部材30,31が水平になるまで回動するとともに水平移動装置36が固定部材34から離間し、元の状態に戻る。
以上説明したように、本実施形態によれば、鉄筋かご1及び載置架台20をクレーンにより吊り上げ、第2の支持部材31を、他端31Bを中心に回動させることにより、鉄筋かご1及び鉄筋かご1を支持する載置架台20が起立するとともに、水平移動装置36が第1の支持部材30に向かって移動するため、鉄筋かご1及び載置架台20を吊り上げるクレーンの水平方向の移動はわずかですむ。
また、鉄筋かご1の建て起こし中は、載置架台20のクレーンによる吊り上げ位置と、鉄筋かご1のクレーンによる吊り上げ位置とが水平方向において近傍に位置しているため、一台のクレーンで吊り上げ可能であり、また、建て起こし完了後は、水平移動装置36の水平方向の移動を拘束することにより、載置架台20が起立した状態で建て起こし装置10が固定されるため、クレーンにより載置架台20を吊り上げる必要がなくなり、一台のクレーンにより鉄筋かご1の建て込み作業を行うことができる。
なお、本実施形態では、載置架台20をクレーンにより吊り上げることにより載置架台20を起立させることとしたが、これに限らず、載置架台20のみを鉄筋かご1が起立するまで吊り上げ、水平移動装置36の水平移動を拘束し、クレーンを盛り替えて鉄筋かご1を揚重することとしてもよい。
また、第1の支持部材30の一端30Aと第2の支持部材31の他端31Bとを近接させることによっても、第2の支持部材31が他端31Bを中心に回動するため、載置架台20を起立させることができる。この場合には、例えば、水平移動装置36に車輪37を駆動する機構を設けておけばよい。
また、第1及び第2の支持部材30,31の一部や、第1及び第2の支持部材30,31の接合端部30B、31Aを上方に吊り上げることによっても、第2の支持部材31が他端31Bを中心に回動するため、載置架台20を起立させることができる。
また、本実施形態では、第1及び第2の支持部材30、31の接続部及び載置架台20の先端をクレーン50により吊り上げることとしたが、これに限らず、第1及び第2の支持部材30、31の接続部のみ、または、載置架台20の先端のみを吊り上げることとしてもよい。
また、本実施形態では、第1の支持部材30の端部30Bを第2の支持部材31に接続するものとしたが、これに限らず、載置架台の中間部に第1の支持部材を回動可能に接続し、第2の支持部材を省略することも可能である。図3Aは、かかる場合の建て起こし装置110を示す図である。同図に示すように、載置架台120は、載置架台本体122と、載置架台本体122の端部に設けられたベース部材121とにより構成される。また、載置架台本体122の中間部の下部には、接続プレート124が取り付けられており、この接続プレート124は第1の支持部材30の他端30Bと鉛直面内を回動可能に接続されている。また、載置架台本体122のベース部材121が取り付けられた側の端部の下部にも接続プレート123が取り付けられており、この接続プレート123は水平移動装置36に鉛直面内を回動可能に接続されている。
かかる構成によっても、載置架台本体122の中間部及び先端を揚重装置50により吊り上げることにより、図3Bに示すように、載置架台120を起立させることができる。
また、本実施形態では、載置架台20を構成するベース部材21が載置架台本体22に対して垂直に固定されているものとしたが、これに限らず、ベース部材21を載置架台本体22に対して回動可能な構成とすることもできる。
図4はかかる場合の載置架台220の水平移動装置36に接続された側の端部の構成を示す図である。同図(A)に示すように、載置架台220は、載置架台本体222と、ベース部材225と、ベース部材225に取り付けられたクッション材226とから構成される。載置架台本体222の端部は接続プレート223を介して水平移動装置36に回動可能に接続されている。また、載置架台本体222の端部近傍には上方に向かって接続プレート221が設けられている。ベース部材225は接続プレート224を備え、これら接続プレート224、221を介して、ベース部材225は載置架台本体222に回動可能に接続されている。
かかる構成の載置架台220によれば、図4(B)に示すように、載置架台220が起立すると、鉄筋かご1のベース部材225と当接する部分に、鉄筋かご1の自重の一部が作用することとなるが、ベース部材225にクッション材226が取り付けられているため、鉄筋かご1の変形を防止できる。
また、図4(C)に示すように、水平移動部材36の水平移動を固定し、鉄筋かご1を吊り上げる際には、ベース部材225が鉄筋かご1とともに回動する。これにより、鉄筋かご1を吊り上げる際に、鉄筋かご1の載置架台側の下端が鉄筋かご1の自重により変形するのを防止できる。
また、本実施形態では、本発明を鉄筋かご1の建て起こしに適用した場合について説明したが、これに限らず、鉄骨やPC部材などの建て起こしの際に変形を生じる可能性のある部材や、自立できない部材の建て起こしに適用することも可能である。
本実施形態の鉄筋かごの建て起こし装置を示す側面図である。 建て起こし装置を用いて鉄筋かごを建て起こす方法を説明するための図(その1)である。 建て起こし装置を用いて鉄筋かごを建て起こす方法を説明するための図(その2)である。 建て起こし装置を用いて鉄筋かごを建て起こす方法を説明するための図(その3)である。 建て起こし装置を用いて鉄筋かごを建て起こす方法を説明するための図(その4)である。 建て起こし装置を用いて鉄筋かごを建て起こす方法を説明するための図(その5)である。 載置架台の中間部に第1の支持部材を回動可能に接続した場合の建て起こし装置を示す図である。 載置架台の中間部に第1の支持部材を回動可能に接続した場合の建て起こし装置により鉄筋かごを建て起こす様子を示す図である。 ベース部材を載置架台に対して回動可能とした建て起こし装置の端部を示す図であり、(A)は建て起こし前の状態、(B)は載置架台を建て起こした状態、(C)は鉄筋かごを吊り上げた状態を示す。 本願出願人らが提案していた従来の鉄筋かごを建て起こす方法を示す図である。
符号の説明
10 建て起こし装置
20 載置架台
21 ベース部材
22 載置架台本体
30 第1の支持部材
31 第2の支持部材
34 固定部材
36 水平移動装置
37 車輪
40 支持架構
41 吊りワイヤ
42 吊りワイヤ

Claims (8)

  1. 建材を建て起こす装置であって、
    一端が鉛直面内を回動可能に支持された第1の支持部材と、
    一端が前記第1の支持部材の他端に前記鉛直面内を回動可能に接続され、他端が鉛直面内を回動可能に支持され、この回動可能に支持された部位が前記第1の支持部材を回動可能に支持する部位に対して水平方向に相対的に移動可能第2の支持部材と、を備え、
    前記第2の支持部材に沿うように、建て起こされるべき前記建材が載置されることを備えることを特徴とする建材の建て起こし装置。
  2. 請求項1記載の建て起こし装置であって、
    前記第2の支持部材の他端は水平方向に移動可能であるとともに、その水平方向の移動を拘束可能であることを特徴とする建材の建て起こし装置。
  3. 請求項1又は2記載の建て起こし装置であって、
    前記第2の支持部材の他端に、前記第2の支持部材に回動可能に接続され、前記載置される建材の前記第2の支持部材の他端側の端部に当接するベース部材を備えることを特徴とする建て起こし装置。
  4. 前記建材は鉄筋かごであることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載の建て起こし装置。
  5. 建材を建て起こす方法であって、
    一端が鉛直面内を回動可能に支持された第1の支持部材と、
    一端が前記第1の支持部材の他端に前記鉛直面内を回動可能に接続され、他端が鉛直面内を回動可能に支持され、この支持部が前記第1の支持部材の支持部に対して水平方向に相対的に移動可能第2の支持部材と、を備えた建て起こし装置の前記第2の支持部材に沿うように前記建材を載置し、
    前記第2の支持部材を、当該第2の支持部材の前記他端を中心に回動させつつ、当該第2の支持部材の前記一端を前記第1の支持部材の前記一端に向けて移動させることにより前記建材を建て起こすことを特徴とする建材の建て起こし方法。
  6. 請求項5記載の建材の建て起こし方法であって、
    前記第1及び第2の支持部材の一部又は前記第1及び第2の支持部材の接続部を揚重装置により揚重することにより、前記第2の支持部材を、前記他端を中心に回動させることを特徴とする建材の建て起こし方法。
  7. 請求項5記載の建材の建て起こし方法であって、
    前記第2の支持部材の他端が前記第1の支持部材に向かって移動することにより、前記第2の支持部材を、前記他端を中心に回動させることを特徴とする建材の建て起こし方法。
  8. 請求項5から7のうち何れか1項に記載の建材の建て起こし方法であって、
    前記第2の支持部材を、前記他端を中心に回動させた後、前記第2の支持部材の他端の水平移動を拘束し、この状態で前記建材を揚重することを特徴とする建材の建て起こし方法。
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