JP7085346B2 - タワークレーンのクライミング工法 - Google Patents

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本発明は、タワークレーンのクライミング工法に関する。
従来から、建築物に取り付けられるタワークレーンを上昇させるための工法が提案されている(例えば、特許文献1)。このような工法は、マストと、マストの下端部を剛接合で固定する下側ベース台と、下側ベース台よりも上方に位置する上側ベース台と、上側ベース台に設けられた昇降架台と、マストの上端に設けられたクレーン本体とを備えたタワークレーンを対象としており、以下に示す通りに行われる。すなわち、まず、上側ベース台及び下側ベース台が建築物の柱に対して固定されている状態において、上側ベース台を建築物の柱から取り外して昇降架台と共に上側ベース台を上昇させた後に、上側ベース台を建築物の柱に固定する。次に、下側ベース台を建築物の柱から取り外して下側ベース台を上昇させた後に、下側ベース台を建築物の柱に固定する。そして、これらの工程を繰り返すことで、所望の位置までタワークレーンを上昇させる。
特開平6-156982号公報
しかしながら、上記従来の工法においては、上述したように、マストの下端部が下側ベース台に対して剛接合で固定されているので、下側ベース台でモーメントが発生してしまう。このため、例えば、上記発生したモーメントが過大である場合には、下側ベース台や建築物の基礎部や柱等の補強を要することから、施工に要する手間やコストが増大するおそれがあった。したがって、施工性やコスト性の観点からは改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、施工に要する手間やコストを低減することが可能となる、タワークレーンのクライミング工法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のタワークレーンのクライミング工法は、建築物の外部又は内部に鉛直方向に沿って設けられた複数のマストと、前記複数のマストの下端側にて前記複数のマストを支持するためのクレーン下部ベースと、前記複数のマストに取り付けられた昇降フレームであって、前記複数のマストをクライミングするための昇降フレームと、を備えるタワークレーンのクライミング工法であって、前記クレーン下部ベースを第1の初期位置に設置する第1のベース設置工程と、前記クレーン下部ベースにより前記複数のマストを支持する支持工程と、前記第1の初期位置よりも上方の位置で、前記複数のマストと前記建築物とを相互に接続する壁つなぎを設置する壁つなぎ設置工程と、前記昇降フレーム又は/及び前記複数のマストをクライミングさせるクライミング工程と、前記クライミング工程において前記昇降フレーム及び前記複数のマストをクライミングさせた後に、第1の初期位置よりも上方に位置する第2の初期位置に前記クレーン下部ベースを設置する第2のベース設置工程と、前記クレーン下部ベースと前記壁つなぎとの第1接合部、又は前記複数のマストのうち最下方に位置する第1マストと当該第1マストに隣接する第2マストとの第2接合部をピン接合で支持するピン支持工程と、を含み、前記ピン支持工程において、前記第1接合部をピン接合で支持する。
請求項2に記載のタワークレーンのクライミング工法は、建築物の外部又は内部に鉛直方向に沿って設けられた複数のマストと、前記複数のマストの下端側にて前記複数のマストを支持するためのクレーン下部ベースと、前記複数のマストに取り付けられた昇降フレームであって、前記複数のマストをクライミングするための昇降フレームと、を備えるタワークレーンのクライミング工法であって、前記クレーン下部ベースを第1の初期位置に設置する第1のベース設置工程と、前記クレーン下部ベースにより前記複数のマストを支持する支持工程と、前記第1の初期位置よりも上方の位置で、前記複数のマストと前記建築物とを相互に接続する壁つなぎを設置する壁つなぎ設置工程と、前記昇降フレーム又は/及び前記複数のマストをクライミングさせるクライミング工程と、前記クライミング工程において前記昇降フレーム及び前記複数のマストをクライミングさせた後に、第1の初期位置よりも上方に位置する第2の初期位置に前記クレーン下部ベースを設置する第2のベース設置工程と、前記クレーン下部ベースと前記壁つなぎとの第1接合部、又は前記複数のマストのうち最下方に位置する第1マストと当該第1マストに隣接する第2マストとの第2接合部をピン接合で支持するピン支持工程と、を含み、前記第1接合部又は記第2接合部を、ピン接合と剛接合とに切り替え可能に形成し、前記壁つなぎ設置工程の前に前記第1接合部又は前記第2接合部を剛接合とし、前記壁つなぎ設置工程の後に前記第1接合部又は前記第2接合部をピン接合に切り替える。
請求項3に記載のタワークレーンのクライミング工法は、建築物の外部又は内部に鉛直方向に沿って設けられた複数のマストと、前記複数のマストの下端側にて前記複数のマストを支持するためのクレーン下部ベースと、前記複数のマストに取り付けられた昇降フレームであって、前記複数のマストをクライミングするための昇降フレームと、を備えるタワークレーンのクライミング工法であって、前記クレーン下部ベースを第1の初期位置に設置する第1のベース設置工程と、前記クレーン下部ベースにより前記複数のマストを支持する支持工程と、前記第1の初期位置よりも上方の位置で、前記複数のマストと前記建築物とを相互に接続する壁つなぎを設置する壁つなぎ設置工程と、前記昇降フレーム又は/及び前記複数のマストをクライミングさせるクライミング工程と、前記クライミング工程において前記昇降フレーム及び前記複数のマストをクライミングさせた後に、第1の初期位置よりも上方に位置する第2の初期位置に前記クレーン下部ベースを設置する第2のベース設置工程と、前記クレーン下部ベースと前記壁つなぎとの第1接合部、又は前記複数のマストのうち最下方に位置する第1マストと当該第1マストに隣接する第2マストとの第2接合部をピン接合で支持するピン支持工程と、を含み、前記壁つなぎ設置工程において、前記複数のマストが前記壁つなぎに対して水平方向にスライド移動可能となるように、前記複数のマストと前記壁つなぎとを接続した。
請求項1に記載のタワークレーンのクライミング工法によれば、クレーン下部ベースと壁つなぎとの第1接合部、第1マストと第2マストとの第2接合部、又は第1マストとクレーン下部ベースとの第3接合部をピン接合で支持するピン支持工程を含むので、建築物の外部又は内部に設けられたタワークレーンを建築物に対して上昇させる際に、第1接合部、第2接合部、又は第3接合部をピン接合することでクレーン下部ベース又はその近傍にモーメントが発生することを抑制できることから、タワークレーンの構成要素(一例として、クレーン下部ベースや基礎部等)や建築物の構成要素(一例として、基礎部、柱部、床部等)の補強を抑制(スペックダウン)することができ、施工に要する手間やコストを低減することが可能となる。
請求項2に記載のタワークレーンのクライミング工法によれば、クレーン下部ベースと壁つなぎとの第1接合部、第1マストと第2マストとの第2接合部、又は第1マストとクレーン下部ベースとの第3接合部をピン接合で支持するピン支持工程を含むので、建築物の外部又は内部に設けられたタワークレーンを建築物に対して上昇させる際に、第1接合部、第2接合部、又は第3接合部をピン接合することでクレーン下部ベース又はその近傍にモーメントが発生することを抑制できることから、タワークレーンの構成要素(一例として、クレーン下部ベースや基礎部等)や建築物の構成要素(一例として、基礎部、柱部、床部等)の補強を抑制(スペックダウン)することができ、施工に要する手間やコストを低減することが可能となる。
また、壁つなぎ設置工程の前に第1接合部、第2接合部、又は第3接合部を剛接合とし、壁つなぎ設置工程の後に第1接合部、第2接合部、又は第3接合部をピン接合に切り替えるので、壁つなぎ設置工程前に第1接合部、第2接合部、又は第3接合部を剛接合にすることで、壁つなぎ設置前における複数のマストの水平方向の揺動を好適に抑制でき、複数のマストの設置安定性を向上できる。
請求項3に記載のタワークレーンのクライミング工法によれば、クレーン下部ベースと壁つなぎとの第1接合部、第1マストと第2マストとの第2接合部、又は第1マストとクレーン下部ベースとの第3接合部をピン接合で支持するピン支持工程を含むので、建築物の外部又は内部に設けられたタワークレーンを建築物に対して上昇させる際に、第1接合部、第2接合部、又は第3接合部をピン接合することでクレーン下部ベース又はその近傍にモーメントが発生することを抑制できることから、タワークレーンの構成要素(一例として、クレーン下部ベースや基礎部等)や建築物の構成要素(一例として、基礎部、柱部、床部等)の補強を抑制(スペックダウン)することができ、施工に要する手間やコストを低減することが可能となる。
また、壁つなぎ設置工程において、複数のマストが壁つなぎに対して水平方向にスライド移動可能となるように、複数のマストと壁つなぎとを接続したので、複数のマストのクライミングの最中にも複数のマストを安定して支持でき、複数のマストの支持安定性を向上できる。
本発明の実施の形態1に係るタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。 図1に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。 図2に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。 図3に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。 図2(e)のクレーン下部ベースの周辺領域を示す拡大図であり(一部図示省略)、(a)は正面図、(b)は(a)の第1接合部の周辺領域の拡大図である。 実施の形態2に係るタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。 図6に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。 図7に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。 図8に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。 図9に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。 第2接合部を示す図であり(一部図示省略)、(a)は剛接合で支持した状態を示す図、(b)はピン接合で支持した状態を示す図である。 実施の形態3に係るタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。 図12に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係るタワークレーンのクライミング工法の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建築物の外部又は内部に鉛直方向に沿って設けられた複数のマストと、複数のマストの下端側に設けられたクレーン下部ベースと、複数のマストに取り付けられた昇降フレームと、を備えるタワークレーンのクライミング工法に関する。ここで、「建築物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、オフィスビル、商業施設、公共施設、及びアパートやマンションの如き集合住宅等を含む概念であるが、実施の形態では、複数階を有する施工中のオフィスビルとして説明する。また、「タワークレーン」とは、建設現場において重量物を吊り上げて、水平又は鉛直方向へ移動させるための重機である。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係るタワークレーンのクライミング工法について説明する。この実施の形態1は、建築物の外部にタワークレーンを設置し、複数のマスト自体をクライミングさせる形態である。
(構成)
最初に、実施の形態1に係るタワークレーンの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。図2は、図1に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。図3は、図2に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。図4は、図3に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。また、以下の説明では、図1のX方向をタワークレーンの左右方向(-X方向をタワークレーンの左方向、+X方向をタワークレーンの右方向)、図1のZ方向をタワークレーンの上下方向(+Z方向をタワークレーンの上方向、-Z方向をタワークレーンの下方向)と称し、図1のX方向及び図1のZ方向に直交する方向を前後方向(図1の紙面の手前側に至る方向をタワークレーンの前方向、図1の紙面の奥側に至る方向をタワークレーンの後方向)と称する。
このタワークレーン1は、図1に示すように、建築物2の外部に設けられており、クレーン本体10、マスト20a~20f、クレーン下部ベース30、昇降フレーム40、壁つなぎ50、及び昇降機構(図示省略)を備えている。なお、マスト20a~20fを特に区別する必要のないときは、単に「マスト20」と総称する。
(構成-クレーン本体)
クレーン本体10は、重量物を吊り上げと吊り上げを行う重機である。このクレーン本体10は、例えば公知のタワークレーン用のクレーン本体を用いて構成されており(一例として、旋回フレームと、旋回フレーム上に起伏可能に配置されたブームと、ブームの先端にワイヤーを介して取り付けられたブックとを備えて構成されており)、図1に示すように、マスト20a~20fに対して着脱自在に取り付けられている。
(構成-マスト)
マスト20a~20fは、クレーン本体10を支持する柱部である。これらマスト20a~20fは、例えば公知のタワークレーン用のマストを用いて構成され、図1に示すように、隣接するマスト20同士が相互に連結されており(具体的には、記載順序にしたがって下方から上方に向けて連結されており)、建築物2の外部に鉛直方向(上下方向)に沿って設けられている。
(構成-クレーン下部ベース)
クレーン下部ベース30は、マスト20a~20fを支持するための支持手段であり、図1に示すように、第1ベース部31及び一対の第2ベース部32を備えている。
(構成-クレーン下部ベース-第1ベース部)
第1ベース部31は、マスト20a~20fと連結する部材である。この第1ベース部31は、複数の鋼製の梁材(例えばH鋼材等)を組み合わせて形成されており、具体的には、マスト20の外周の少なくとも一部を囲繞するように形成されている。また、図1に示すように、第1ベース部31は、マスト20a~20fの下端側に設けられており、マスト20a~20fのうち最下方に位置するマスト20a(第1マスト)に対して固定具等によって接続されていると共に、一対の第2ベース部32に取り付けられた連結部材(図示省略)に対して固定具又は溶接等によって接続されている。
(構成-クレーン下部ベース-第2ベース部)
一対の第2ベース部32は、第1ベース部31を支持する部材である。これら一対の第2ベース部32は、長尺な鋼製の管状体にて形成され、第2ベース部32の長手方向が左右方向に沿って設けられ、且つ相互に間隔を隔てて前後方向に略沿って並設されており、各第2ベース部32に挿入されたガイド部33を介して地表面S又は壁つなぎ50に対して支持される。
ここで、クレーン下部ベース30(第2ベース部32)を地表面S又は壁つなぎ50に対して支持する方法については任意であるが、実施の形態1では、以下に示す通りとなる。すなわち、クレーン下部ベース30を地表面Sに対して剛接合で支持する場合には、図1(a)に示すように、ガイド部33に形成された取付孔(図示省略)を介して、地表面Sに設けられた基礎部3(例えば、アンカーボルト、杭等)によって取り付けることにより支持する。図5は、図2(e)のクレーン下部ベース30の周辺領域を示す拡大図であり、(a)は正面図、(b)は(a)の後述する第1接合部の周辺領域の拡大図である。また、クレーン下部ベース30を壁つなぎ50に対して剛接合で支持する場合には、クレーン下部ベース30(ガイド部33)と壁つなぎ50との相互間に図5に示す第1接合機構61を取り付けることにより支持する。さらに、ガイド部33及び壁つなぎ50に形成された取付孔を介して、壁つなぎ50に対して図示しない固定具(例えば、ボルト等)によって取り付けることにより支持する。ここで、第1接合機構61は、クレーン下部ベース30と壁つなぎ50とをピン接合するためのピン接合手段である。この第1接合機構61は、例えば公知の回転機構(一例として、ピボット支承構造等)を用いて構成されており、具体的には、図5に示すように、ガイド部33に設けられた回転部61aと、壁つなぎ50に設けられた受け部61bであって回転部61aを回転可能に支持する受け部61bとを備えて構成されている。また、クレーン下部ベース30を壁つなぎ50に対してピン接合で支持する場合には、図5に示すように、上記固定具を取り外して、上記第1接合機構61のみにより支持する。このような方法により、クレーン下部ベース30(第2ベース部32)を地表面S又は壁つなぎ50に対して剛接合又はピン接合で支持することができる。また、上述したクレーン下部ベース30と壁つなぎ50との接合部(具体的には、クレーン下部ベース30及び壁つなぎ50の各々における固定具又は第1接合機構61によって接合される部分。以下、「第1接合部」と称する)が、ピン接合と剛接合とに切り替え可能に形成されているので、状況に応じて第1接合部をピン接合と剛接合とに切り替えることが可能となる。
(構成-昇降フレーム)
図1に戻り、昇降フレーム40は、マスト20a~20fをクライミングするためのフレームである。この昇降フレーム40は、例えば公知のタワークレーン用の昇降フレームを用いて構成されており、図1に示すように、マスト20a~20fに対して着脱自在に取り付けられている。
(構成-壁つなぎ)
壁つなぎ50は、マスト20a~20fと建築物2とを相互に接続するための接続手段であり、図1(b)に示すように、壁つなぎ本体51及び支持部52を備えている。
壁つなぎ本体51は、壁つなぎ50の基本構造体である。この壁つなぎ本体51は、複数の鋼製の梁材を組み合わせて形成されており(具体的には、マスト20の外周を囲繞するように形成されており)、図1(b)に示すように、建築物2(具体的には、建築物2の外側に位置する柱部、床部、若しくは壁部、又は建築物2の内側に位置するコア部(例えば、先行施工されたRC造のコア部)等)又はマスト20a~20fに対して着脱自在に取り付けられる。
支持部52は、壁つなぎ本体51を支持するためのものである。この支持部52は、複数の鋼製の梁材を組み合わせて形成されており(具体的には、マスト20の外周を囲繞するように形成されており)、図1(b)に示すように、壁つなぎ本体51よりも下方に設けられ、壁つなぎ本体51の先端部に対して溶接等により接続されていると共に、建築物2に対して固定具等により着脱自在に取り付けられる。
また、この壁つなぎ50の具体的な構成については任意であるが、例えば、クレーン下部ベース30に取り付けられる壁つなぎ50(一例として、後述する第1壁つなぎ50a等)の形状及び大きさを、クレーン下部ベース30以外の構成要素(一例として、昇降フレーム40)に取り付けられる壁つなぎ50(一例として、後述する第2壁つなぎ50b、後述する第3壁つなぎ50c等)の形状及び大きさと異なるように設定してもよい。これにより、壁つなぎ50を取付対象に応じた形状や大きさに設定でき、状況に応じた壁つなぎ50を設置することが可能となる。あるいは、クレーン下部ベース30に取り付けられる壁つなぎ50の形状及び大きさを、クレーン下部ベース30以外の構成要素に取り付けられる壁つなぎ50の形状及び大きさと略同一に設定してもよい。これにより、部材の共通化を図ることができ、壁つなぎ50の製造性を高めることができる。
(構成-昇降機構)
昇降機構は、昇降フレーム40又はマスト20a~20fを昇降させるための昇降手段であり、操作部、駆動部、及び制御部を備えている(いずれも図示省略)。
このうち、操作部は、昇降機構に対する操作入力を受け付ける操作手段である。この操作部は、例えば有線式の操作スイッチや無線式のリモコン装置を用いて構成されており、制御部と直接的又は間接的に通信可能に接続されている。また、駆動部は、昇降フレーム40又はマスト20a~20fが昇降するように、昇降フレーム40又はマスト20a~20fを電動で駆動させるための駆動手段である。この駆動部は、例えば公知の駆動手段(一例として、電動モータ等)を用いて構成されており、昇降フレーム40又はマスト20a~20fの近傍に設けられている。また、制御部は、昇降機構の各部を制御する制御手段であり、例えば公知の制御手段(一例として、CPU、内部メモリ等)を用いて構成されている。
(クライミング工法)
次に、このように構成されたタワークレーン1を用いて行われるクライミング工法について説明する。実施の形態1に係るタワークレーン1のクライミング工法は、第1ベース設置工程、支持工程、第1壁つなぎ設置工程、第1クライミング工程、第2ベース設置工程、ピン支持工程、第2クライミング工程、第2壁つなぎ設置工程、第3クライミング工程、第3ベース設置工程、及び第4クライミング工程を含んでいる。なお、このタワークレーン1のクライミング工法では、第1ベース設置工程から第2クライミング工程を行うことにより1回目のタワークレーン1のクライミングターンが終了し、第2壁つなぎ設置工程から第4クライミング工程を行うことにより2回目のタワークレーン1のクライミングターンが終了する。
このうち、「第1ベース設置工程」、「第2ベース設置工程」、及び「第3ベース設置工程」とは、クレーン下部ベース30を初期位置に設置するベース設置工程である。ここで、「初期位置」とは、ベース設置工程においてクレーン下部ベース30が取り付けられる高さ位置を意味し、実施の形態1では、地表面S上の位置、2回目以降のクライミングターンでクレーン下部ベース30が取り付けられる壁つなぎ50上の位置等を含む概念である。また、「支持工程」は、クレーン下部ベース30によりマスト20a~20fを支持する工程である。また、「第1壁つなぎ設置工程」及び「第2壁つなぎ設置工程」は、初期位置よりも上方の位置で壁つなぎ50を設置する壁つなぎ設置工程である。また、「第1クライミング工程」、「第2クライミング工程」、「第3クライミング工程」、及び「第4クライミング工程」は、昇降フレーム40又はマスト20a~20fをクライミングさせるクライミング工程である。また、「ピン支持工程」は、第1接合部をピン接合で支持する工程である。
(クライミング工法-第1ベース設置工程)
第1ベース設置工程においては、図1(a)に示すように、クレーン下部ベース30を第1初期位置に設置する。具体的には、上述したように、図1(a)の基礎部3を用いてクレーン下部ベース30のガイド部33を地表面Sに対して剛接合で支持する。ここで、「第1初期位置」とは、実施の形態1では、建築物2の外部における地表面S上の位置として説明する。このように第1壁つなぎ設置工程前にクレーン下部ベース30と地表面Sとを剛接合にすることで、第1壁つなぎ設置前におけるマスト20a~20fの水平方向の揺動を好適に抑制でき、マスト20a~20fの設置安定性を向上できる。
(クライミング工法-支持工程)
支持工程においては、図1(a)に示すように、第1ベース設置工程の後に、クレーン下部ベース30によりマスト20a~20fを支持する。具体的には、マスト20aをクレーン下部ベース30の第1ベース部31に対して固定具によって取り付ける。また、支持工程と略同一のタイミングで、クレーン本体10、昇降フレーム40、及び昇降機構をマスト20a~20fに設置する。具体的には、図1(a)に示すように、クレーン本体10及び昇降フレーム40をマスト20fに固定具等によって取り付けると共に、昇降機構をマスト20a~20fの近傍に配置する。
(クライミング工法-第1壁つなぎ設置工程)
第1壁つなぎ設置工程においては、図1(b)、図1(c)に示すように、支持工程の後に、第1初期位置よりも上方において壁つなぎ50を建築物2に設置する。具体的には、図1(b)に示すように、壁つなぎ50a(以下、「第1壁つなぎ50a」と称する)をマスト20a~20fのいずれかに対応する位置(図1(b)では、マスト20bに対応する位置)において建築物2の外側に張り出すように配置して、建築物2に対して固定具等によって固定する。また、図1(c)に示すように、壁つなぎ50b(以下、「第2壁つなぎ50b」と称する)を第1壁つなぎ50aよりも上方の位置(図1(c)では、マスト20eに対応する位置)において建築物2の外側に張り出すように配置して、建築物2に対して固定具等によって固定する。ただし、これら第1壁つなぎ50a及び第2壁つなぎ50bを、タワークレーン1の他の構成要素(例えば、マスト20等)に対して固定しないものとする(いわゆるフリーの状態とする)。
(クライミング工法-第1クライミング工程)
第1クライミング工程においては、図1(d)、図2(e)に示すように、第1壁つなぎ設置工程の後に、昇降機構の制御部によって駆動部を駆動させることにより、昇降フレーム40及びマスト20a~20fをクライミングさせる。具体的には、まず、昇降フレーム40をマスト20fに対して固定している状態を解除することでフリーの状態にする。次に、図1(d)に示すように、昇降フレーム40が第2壁つなぎ50bに載置されるまで昇降フレーム40を降下させ、その後昇降フレーム40を第2壁つなぎ50bに対して固定具等によって固定する。次いで、クレーン下部ベース30を地表面Sに対して固定している状態を解除することでフリーの状態にする。続いて、図2(e)に示すように、クレーン下部ベース30が後述する第2初期位置に到達するまで、マスト20a~20fを上昇させる。
(クライミング工法-第2ベース設置工程)
第2ベース設置工程においては、図2(e)に示すように、第1クライミング工程の後に、クレーン下部ベース30が第2初期位置に位置した状態で、第2壁つなぎ50bをマスト20cに対して固定具等によって固定する。ここで、「第2初期位置」とは、第1初期位置よりも上方に位置する初期位置であり、実施の形態1では、第1壁つなぎ50a上の位置として説明する。
(クライミング工法-ピン支持工程)
ピン支持工程においては、図2(f)に示すように、第2ベース設置工程と略同一のタイミングで、第1接合部をピン接合で支持する。具体的には、クレーン下部ベース30のガイド部33と第1壁つなぎ50aとの相互間に第1接合機構61を取り付けることにより支持する。
(クライミング工法-第2クライミング工程)
第2クライミング工程においては、図2(g)に示すように、ピン支持工程の後に、昇降機構の制御部によって駆動部を駆動させることにより、昇降フレーム40をクライミングさせる。具体的には、まず、昇降フレーム40を第2壁つなぎ50bに対して固定している状態を解除することでフリーの状態にする。次に、図2(g)に示すように、昇降フレーム40を所定の位置(図2(g)では、マスト20fに対応する位置)まで上昇させた後に、昇降フレーム40をマスト20(図2(g)では、マスト20f)に対して固定具等によって固定する。これにて1回目のタワークレーン1のクライミングターンが終了する。
(クライミング工法-第2壁つなぎ設置工程)
第2壁つなぎ設置工程においては、図3(h)に示すように、第2クライミング工程の後に、第2初期位置よりも上方において壁つなぎ50c(以下、「第3壁つなぎ50c」と称する)を建築物2に設置する。具体的には、第3壁つなぎ50cを第2壁つなぎ50bよりも上方の位置(図3(h)では、マスト20eに対応する位置)において建築物2の外側に張り出すように配置して、建築物2に対して固定具等によって固定する。なお、この第3壁つなぎ50cを、タワークレーン1の他の構成要素に対して固定しないものとする。また、この場合において、第2壁つなぎ50bをマスト20に対して固定する方法については任意であるが、例えば、マスト20a~20fが第2壁つなぎ50bに対して水平方向にスライド移動可能となるように、マスト20a~20fと第2壁つなぎ50bとを接続してもよい。一例として、公知のスライド機構(例えば、すべり支承構造、ローラ支承構造)を介して第2壁つなぎ50bと対応するマスト20(図3(h)では、マスト20c)とを接続してもよい。これにより、マスト20a~20fのクライミングの最中にもマスト20a~20fを安定して支持でき、マスト20a~20fの支持安定性を向上できる。
(クライミング工法-第3クライミング工程)
第3クライミング工程においては、図3(i)から図4(k)に示すように、第2壁つなぎ設置工程の後に、昇降機構の制御部によって駆動部を駆動させることにより、昇降フレーム40及びマスト20a~20fをクライミングさせる。具体的には、まず、昇降フレーム40をマスト20fに対して固定している状態を解除することでフリーの状態にする。次に、図3(i)に示すように、昇降フレーム40が第3壁つなぎ50cに載置されるまで昇降フレーム40を降下させ、その後昇降フレーム40を第3壁つなぎ50cに対して固定具等によって固定する。次いで、図3(j)に示すように、第2壁つなぎ50bをマスト20cに対して固定している状態を解除することでフリーの状態にすると共に、第1壁つなぎ50aを建築物2に対して固定している状態を解除することでフリーの状態にする。続いて、図4(k)に示すように、クレーン下部ベース30が所定の位置(図4(k)では、第2壁つなぎ50bよりも若干下方の位置)に達するまで、マスト20a~20fをクレーン下部ベース30と共に上昇させる。この場合において、第1接合部がピン接合された状態は維持されるので、クレーン下部ベース30の上昇に伴って第1壁つなぎ50aも上昇する(なお、これ以降のクレーン下部ベース30の上昇についても同様とする)。
(クライミング工法-第3ベース設置工程)
第3ベース設置工程においては、図4(l)に示すように、第3クライミング工程の後に、クレーン下部ベース30が第3初期位置に位置した状態で、第1壁つなぎ50aを建築物2に対して固定具等によって固定する。その後、第3壁つなぎ50cをマスト20cに対して固定具等によって固定する。ここで、「第3初期位置」とは、第2初期位置よりも上方に位置する初期位置であり、実施の形態1では、第2壁つなぎ50bよりも若干下方の位置として説明する。
(クライミング工法-第4クライミング工程)
第4クライミング工程においては、図4(m)、図4(n)に示すように、第3ベース設置工程の後に、昇降機構の制御部によって駆動部を駆動させることにより、昇降フレーム40をクライミングさせる。具体的には、まず、昇降フレーム40を第3壁つなぎ50cに対して固定している状態を解除することでフリーの状態にする。次に、図4(m)に示すように、昇降フレーム40を所定の位置(図4(m)では、マスト20fに対応する位置)まで上昇させた後に、昇降フレーム40をマスト20(図4(m)では、マスト20f)に対して固定具等によって固定する。そして、図4(n)に示すように、第2壁つなぎ50bを撤去する。これにて2回目のタワークレーン1のクライミングターンが終了する。なお、3回目以降のタワークレーン1のクライミングターンについては、上述した第2壁つなぎ設置工程、第3クライミング工程、第3ベース設置工程、及び第4クライミング工程を繰り返すことにより行うことができる。
以上のようなクライミング工法により、建築物2の外部に設けられたマスト20を延設させずに、タワークレーン1(具体的には、マスト20a~20f)を建築物2に対して上昇させる際に、第1接合部をピン接合することでクレーン下部ベース30又はその近傍にモーメントが発生することを抑制できることから、タワークレーン1の構成要素(一例として、クレーン下部ベース30や基礎部3等)や建築物2の構成要素(一例として、基礎部、柱部、床部等)の補強を抑制(スペックダウン)することができ、施工に要する手間やコストを低減することが可能となる。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態1によれば、クレーン下部ベース30と壁つなぎ50との第1接合部をピン接合で支持するピン支持工程を含むので、建築物2の外部に設けられたマスト20を延設させずに、タワークレーン1を建築物2に対して上昇させる際に、第1接合部をピン接合することでクレーン下部ベース30又はその近傍にモーメントが発生することを抑制できることから、タワークレーン1の構成要素や建築物2の構成要素の補強を抑制(スペックダウン)することができ、施工に要する手間やコストを低減することが可能となる。
また、壁つなぎ設置工程において、複数のマスト20が第2壁つなぎ50bに対して水平方向にスライド移動可能となるように、複数のマスト20と第2壁つなぎ50bとを接続したので、複数のマスト20のクライミングの最中にも複数のマスト20を安定して支持でき、複数のマスト20の支持安定性を向上できる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係るタワークレーンのクライミング工法について説明する。この実施の形態2は、ピン支持工程において第1マストと第2マストとの接合部をピン接合で支持する形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
最初に、実施の形態2に係るタワークレーンの構成について説明する。図6は、実施の形態2に係るタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。図7は、図6に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。図8は、図7に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。図9は、図8に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。図10は、図9に続くタワークレーンのクライミング工法を概念的に示す図である。実施の形態2に係るタワークレーン1は、図6に示すように、建築物2の外部に設けられており、クレーン本体10、マスト20a~20g、クレーン下部ベース30、昇降フレーム40、壁つなぎ50、及び昇降機構(図示省略)を備えている。
(構成-マスト)
マスト20a~20gは、図6に示すように、隣接するマスト20同士が相互に連結されており、建築物2の外部に鉛直方向に沿って設けられている。
ここで、マスト20a(第1マスト)と、マスト20aに隣接するマスト20b(第2マスト)とを連結(支持)する方法について任意であるが、実施の形態2では、以下に示す通りとなる。図11は、後述する第2接合部を示す図であり、(a)は剛接合で支持した状態を示す図、(b)はピン接合で支持した状態を示す図である。すなわち、マスト20aとマスト20bとを剛接合で連結する場合には、図11(a)に示すように、マスト20aを構成するフレーム材21(図11(a)では、外縁側に位置するフレーム材21)とマスト20bを構成するフレーム材21(図11(a)では、外縁側に位置する各フレーム材21)との相互間に着脱自在なスペーサ22を設け、これらフレーム材21及びスペーサ22の各々に形成された取付孔(図示省略)を介して図示しない固定具(例えば、ボルト等)によって取り付けることにより連結する。さらに、マスト20aを構成する突起部23(図11(a)では、中央側に位置する突起部23)とマスト20bを構成する突起部23(図11(a)では、中央側に位置する突起部23)との相互間に第2接合機構62を取り付けることにより連結する。ここで、第2接合機構62は、マスト20aとマスト20bとをピン接合するためのピン接合手段である。この第2接合機構62は、例えば公知の回転機構(一例として、ピボット支承構造等)を用いて構成されており、具体的には、図11(a)に示すように、マスト20bに設けられた回転部62aと、マスト20aに設けられた受け部62bであって回転部62aを回転可能に支持する受け部62bとを備えて構成されている。また、マスト20aとマスト20bとをピン接合で連結する場合には、図11(b)に示すように、上記スペーサ22及び上記固定具を取り外して、上記第2接合機構62のみにより連結する。以上のように、マスト20aとマスト20bとの接合部(具体的には、マスト20a及びマスト20bの各々のフレーム材21又は突起部23。以下、「第2接合部」と称する)が、ピン接合と剛接合とに切り替え可能に形成されているので、状況に応じて第2接合部をピン接合と剛接合とに切り替えることが可能となる。
(クライミング工法)
図6に戻り、次に、このように構成されたタワークレーン1を用いて行われるクライミング工法について説明する。実施の形態2に係るタワークレーン1のクライミング工法は、第1ベース設置工程、支持工程、第1壁つなぎ設置工程、ピン支持工程、第1クライミング工程、第2壁つなぎ設置工程、第2クライミング工程、第2ベース設置工程、第3クライミング工程、第3壁つなぎ設置工程、第4クライミング工程、第4ベース設置工程、及び第5クライミング工程を含んでいる。なお、このタワークレーン1のクライミング工法では、第1ベース設置工程から第1クライミング工程を行うことにより1回目のタワークレーン1のクライミングターンが終了し、第2壁つなぎ設置工程から第3クライミング工程を行うことにより2回目のタワークレーン1のクライミングターンが終了し、第3壁つなぎ設置工程から第5クライミング工程を行うことにより3回目のタワークレーン1のクライミングターンが終了する。
(クライミング工法-第1ベース設置工程、支持工程)
第1ベース設置工程及び支持工程においては、図6(a)に示すように、実施の形態1と略同様に、クレーン下部ベース30を第1初期位置である地表面S上に設置した後に、クレーン下部ベース30によりマスト20a~20gを支持する。また、この支持工程においては、クレーン本体10及び昇降フレーム40をマスト20gに固定具等によって取り付けると共に、昇降機構をマスト20a~20gの近傍に配置する。さらに、第2接合部を剛接合で連結する。具体的には、マスト20aとマスト20bとの相互間に第2接合機構62を取り付けると共に、マスト20a及びマスト20bの各々のフレーム材21及びスペーサ22の各々に形成された取付孔を介して固定具によって取り付けることにより連結する。このように第1壁つなぎ設置工程前に第2接合部を剛接合にすることで、第1壁つなぎ設置前におけるマスト20a~20gの水平方向の揺動を好適に抑制でき、マスト20a~20gの設置安定性を向上できる。
(クライミング工法-第1壁つなぎ設置工程)
第1壁つなぎ設置工程においては、図6(b)、図6(c)に示すように、支持工程の後に、第1初期位置よりも上方において第1壁つなぎ50aを建築物2に設置する。具体的には、図6(b)に示すように、第1壁つなぎ50aをマスト20a~20gのいずれかに対応する位置(図では、マスト20eに対応する位置)において建築物2の外側に張り出すように配置して、建築物2に対して固定具等によって固定する。その後、図6(c)に示すように、第1壁つなぎ50aに対応するマスト20(図6(c)では、マスト20e)に対して固定具等によって固定する。
(クライミング工法-ピン支持工程)
ピン支持工程においては、図6(c)に示すように、第1壁つなぎ設置工程の後に、第2接合部の接合方法を剛接合からピン接合に切り替えることで、第2接合部をピン接合で支持する。具体的には、マスト20a及びマスト20bに取り付けられている図11のスペーサ22及び固定具を取り外すことにより、マスト20aとマスト20bとの相互間に取り付けられている第2接合機構62によって支持する。
(クライミング工法-第1クライミング工程)
第1クライミング工程においては、図6(d)、図7(e)に示すように、ピン支持工程の後に、昇降機構の制御部によって駆動部を駆動させることにより、昇降フレーム40をクライミングさせる。具体的には、まず、図6(d)に示すように、マスト20a~20gのうち最上方に位置するマスト20gの上端にマスト20hを設置する。次に、昇降フレーム40をマスト20gに対して固定している状態を解除することでフリーの状態にする。次いで、図7(e)に示すように、クレーン本体10が所定の位置(図7(e)では、マスト20hに対応する位置)に到達するまで、昇降フレーム40をクレーン本体10と共に上昇させる。その後、クレーン本体10をマスト20hに対して固定具等によって固定すると共に、昇降フレーム40をマスト20hに対して固定具等によって固定する。これにて1回目のタワークレーン1のクライミングターンが終了する。
(クライミング工法-第2壁つなぎ設置工程)
第2壁つなぎ設置工程においては、図7(f)に示すように、第1クライミング工程の後に、第1初期位置よりも上方において第2壁つなぎ50bを建築物2に設置する。具体的には、第2壁つなぎ50bを第1壁つなぎ50aよりも下方の位置(図7(f)では、マスト20cに対応する位置)において建築物2の外側に張り出すように配置して、建築物2に対して固定具等によって固定する。なお、この第2壁つなぎ50bを、タワークレーン1の他の構成要素に対して固定しないものとする。
(クライミング工法-第2クライミング工程)
第2クライミング工程においては、図7(g)から図8(i)に示すように、第2壁つなぎ設置工程の後に、昇降機構の制御部によって駆動部を駆動させることにより、昇降フレーム40及びマスト20a~20hをクライミングさせる。具体的には、まず、昇降フレーム40をマスト20hに対して固定している状態を解除することでフリーの状態にする。次に、図7(g)に示すように、昇降フレーム40が第1壁つなぎ50aに載置されるまで昇降フレーム40を降下させ、その後昇降フレーム40を第1壁つなぎ50aに対して固定具等によって固定する。次いで、図7(h)に示すように、第1壁つなぎ50aをマスト20eに対して固定している状態を解除することでフリーの状態にする。次に、クレーン下部ベース30を地表面Sに対して固定している状態を解除することでフリーの状態にする。続いて、図8(i)に示すように、クレーン下部ベース30が第2初期位置に到達するまで、マスト20a~20hを上昇させる。
(クライミング工法-第2ベース設置工程)
第2ベース設置工程においては、図8(j)に示すように、第2クライミング工程の後に、クレーン下部ベース30を第2初期位置である第1壁つなぎ50a上に載置した後に、第1壁つなぎ50aに対して固定具等によって固定する。その後、第1壁つなぎ50aをマスト20dに対して固定具等によって固定する。
(クライミング工法-第3クライミング工程)
第3クライミング工程は、図8(k)に示すように、昇降機構の制御部によって駆動部を駆動させることにより、昇降フレーム40をクライミングさせる。具体的には、まず、昇降フレーム40を第1壁つなぎ50aに対して固定している状態を解除することでフリーの状態にする。次に、図8(k)に示すように、昇降フレーム40を所定の位置(図8(k)では、マスト20hに対応する位置)まで上昇させた後に、昇降フレーム40をマスト20(図8(k)では、マスト20h)に対して固定具等によって固定する。これにて2回目のタワークレーン1のクライミングターンが終了する。
(クライミング工法-第3壁つなぎ設置工程、第4クライミング工程、第4ベース設置工程、及び第5クライミング工程)
第3壁つなぎ設置工程、第4クライミング工程、第4ベース設置工程、及び第5クライミング工程については、図9(l)から図10(r)に示すように、実施の形態1に係る第2壁つなぎ設置工程、第3クライミング工程、第3ベース設置工程、及び第4クライミング工程と略同様に行う。これにて3回目のタワークレーン1のクライミングターンが終了する。また、4回目以降のタワークレーン1のクライミングターンについては、上述した第3壁つなぎ設置工程、第4クライミング工程、第4ベース設置工程、及び第5クライミング工程を繰り返すことにより行うことができる。
以上のようなクライミング工法により、タワークレーン1(具体的には、マスト20a~20f)を建築物2に対して上昇させる際に、第2接合部をピン接合することでクレーン下部ベース30又はその近傍にモーメントが発生することを抑制できることから、タワークレーン1の構成要素や建築物2の構成要素の補強を抑制(スペックダウン)することができ、施工に要する手間やコストを低減することが可能となる。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態2によれば、マスト20aとマスト20bとの第2接合部をピン接合で支持するピン支持工程を含むので、タワークレーン1を建築物2に対して上昇させる際に、第2接合部をピン接合することでクレーン下部ベース30又はその近傍にモーメントが発生することを抑制できることから、タワークレーン1の構成要素や建築物2の構成要素の補強を抑制(スペックダウン)することができ、施工に要する手間やコストを低減することが可能となる。
また、壁つなぎ設置工程の前に第2接合部を剛接合とし、壁つなぎ設置工程の後に第2接合部をピン接合に切り替えるので、壁つなぎ設置工程前に第2接合部を剛接合にすることで、壁つなぎ設置前における複数のマスト20の水平方向の揺動を好適に抑制でき、複数のマスト20の設置安定性を向上できる。
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3に係るタワークレーンのクライミング工法について説明する。この実施の形態3は、昇降フレームをクライミングさせる形態である。ただし、この実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態2の構成と略同一であり、実施の形態2の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態2で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
最初に、実施の形態3に係るタワークレーンの構成について説明する。図12は、実施の形態3に係るタワークレーン1のクライミング工法を概念的に示す図である。図13は、図12に続くタワークレーン1のクライミング工法を概念的に示す図である。実施の形態3に係るタワークレーン1は、図12に示すように、建築物2の外部に設けられており、クレーン本体10、マスト20a~20g、クレーン下部ベース30、昇降フレーム40、壁つなぎ50(ただし、支持部52を省略)、及び昇降機構(図示省略)を備えている。
(クライミング工法)
次に、このように構成されたタワークレーン1を用いて行われるクライミング工法について説明する。実施の形態3に係るタワークレーン1のクライミング工法は、第1ベース設置工程、支持工程、第1壁つなぎ設置工程、ピン支持工程、第1クライミング工程、及び第2クライミング工程を含んでいる。なお、このタワークレーン1のクライミング工法では、第1ベース設置工程から第1クライミング工程を行うことにより1回目のタワークレーン1のクライミングターンが終了し、第2クライミング工程を行うことにより2回目のタワークレーン1のクライミングターンが終了する。
(クライミング工法-第1ベース設置工程、支持工程、第1壁つなぎ設置工程、ピン支持工程、第1クライミング工程)
第1ベース設置工程、支持工程、第1壁つなぎ設置工程、ピン支持工程、第1クライミング工程においては、図12(a)から図13(e)に示すように、実施の形態2に係る第1ベース設置工程、支持工程、第1壁つなぎ設置工程、ピン支持工程、及び第1クライミング工程と略同様に行う。これにて1回目のタワークレーン1のクライミングターンが終了する。
(クライミング工法-第2クライミング工程)
第2クライミング工程においては、図13(f)、図13(g)に示すように、昇降機構の制御部によって駆動部を駆動させることにより、昇降フレーム40をクライミングさせる。具体的には、まず、図13(f)に示すように、マスト20a~20hのうち最上方に位置するマスト20hの上端にマスト20iを設置する。次に、昇降フレーム40をマスト20hに対して固定している状態を解除することでフリーの状態にする。次いで、図13(g)に示すように、クレーン本体10が所定の位置(図13(g)では、マスト20iに対応する位置)に到達するまで、昇降フレーム40をクレーン本体10と共に上昇させる。その後、クレーン本体10をマスト20iに対して固定具等によって固定すると共に、昇降フレーム40をマスト20iに対して固定具等によって固定する。これにて2回目のタワークレーン1のクライミングターンが終了する。また、3回目以降のタワークレーン1のクライミングターンについては、上述した第2クライミング工程を繰り返すことにより行うことができる。この場合には、必要に応じて、壁つなぎ50を上昇させたり、又は壁つなぎ50を追加して設置してもよい。
以上のようなクライミング工法により、建築物2の外部に設けられたマスト20を延設させながら、タワークレーン1(具体的には、昇降フレーム40及びクレーン本体10)を建築物2に対して上昇させる際に、第2接合部をピン接合することでクレーン下部ベース30又はその近傍にモーメントが発生することを抑制できることから、タワークレーン1の構成要素や建築物2の構成要素の補強を抑制(スペックダウン)することができ、施工に要する手間やコストを低減することが可能となる。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態3によれば、マスト20aとマスト20bとの第2接合部をピン接合で支持するピン支持工程を含むので、建築物2の外部に設けられたマスト20を延設させながら、タワークレーン1を建築物2に対して上昇させる際に、第2接合部をピン接合することでクレーン下部ベース30又はその近傍にモーメントが発生することを抑制できることから、タワークレーン1の構成要素や建築物2の構成要素の補強を抑制(スペックダウン)することができ、施工に要する手間やコストを低減することが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(タワークレーンについて)
上記実施の形態1から3では、複数のマスト20が建築物2の外部に設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、複数のマスト20が建築物2の内部に設けられてもよい。この場合のクライミング工法は、上記実施の形態1から3に係るクライミング工法と略同様に行われる。ただし、クライミング工法の壁つなぎ設置工程においては、壁つなぎ50を複数のマスト20のいずれかに対応する位置において建築物2の内部に配置して、建築物2(具体的には、建築物2の内側に位置する柱部、床部、壁部、コア部等)に対して固定具等によって固定する。
(クライミング工法について)
上記実施の形態1では、第1ベース設置工程、支持工程、及び第1壁つなぎ設置工程においてタワークレーン1が設置された後に、ピン支持工程を行うと説明したが、これに限らない。例えば、これらの工程の順序を相互に入れ替えてもよい。一例として、ピン支持工程を、第1ベース設置工程、支持工程、及び第1壁つなぎ設置工程においてタワークレーン1が設置されているタイミングで行ってもよい(なお、上記実施の形態2に係るクライミング工法、上記実施の形態3に係るクライミング工法についても略同様とする)。この場合には、例えば、第1接合部をピン接合のみで接合可能に形成してもよい。
また、上記実施の形態1では、第2壁つなぎ設置工程においては、マスト20a~20fが第2壁つなぎ50bに対して水平方向にスライド移動可能となるように、マスト20a~20fと第2壁つなぎ50bとを接続すると説明したが、これに限らない。例えば、マスト20a~20fが第2壁つなぎ50bに対して水平方向にスライド移動しないように、マスト20a~20fと第2壁つなぎ50bとを固定具等によって接続してもよい。
(付記)
付記1のタワークレーンのクライミング工法は、建築物の外部又は内部に鉛直方向に沿って設けられた複数のマストと、前記複数のマストの下端側にて前記複数のマストを支持するためのクレーン下部ベースと、前記複数のマストに取り付けられた昇降フレームであって、前記複数のマストをクライミングするための昇降フレームと、を備えるタワークレーンのクライミング工法であって、前記クレーン下部ベースを初期位置に設置するベース設置工程と、前記クレーン下部ベースにより前記複数のマストを支持する支持工程と、前記初期位置よりも上方の位置で、前記複数のマストと前記建築物とを相互に接続する壁つなぎを設置する壁つなぎ設置工程と、前記昇降フレーム又は前記複数のマストをクライミングさせるクライミング工程と、前記クレーン下部ベースと前記壁つなぎとの第1接合部、前記複数のマストのうち最下方に位置する第1マストと当該第1マストに隣接する第2マストとの第2接合部、又は前記第1マストと前記クレーン下部ベースとの第3接合部をピン接合で支持するピン支持工程と、を含む。
付記2のタワークレーンのクライミング工法は、付記1に記載のタワークレーンのクライミング工法において、前記第1接合部、前記第2接合部、又は前記第3接合部を、ピン接合と剛接合とに切り替え可能に形成し、前記壁つなぎ設置工程の前に前記第1接合部、前記第2接合部、又は前記第3接合部を剛接合とし、前記壁つなぎ設置工程の後に前記第1接合部、前記第2接合部、又は前記第3接合部をピン接合に切り替える。
付記3のタワークレーンのクライミング工法、付記1又は2に記載のタワークレーンのクライミング工法において、前記壁つなぎ設置工程において、前記複数のマストが前記壁つなぎに対して水平方向にスライド移動可能となるように、前記複数のマストと前記壁つなぎとを接続した。
(付記の効果)
付記1に記載のタワークレーンのクライミング工法によれば、クレーン下部ベースと壁つなぎとの第1接合部、第1マストと第2マストとの第2接合部、又は第1マストとクレーン下部ベースとの第3接合部をピン接合で支持するピン支持工程を含むので、建築物の外部又は内部に設けられたタワークレーンを建築物に対して上昇させる際に、第1接合部、第2接合部、又は第3接合部をピン接合することでクレーン下部ベース又はその近傍にモーメントが発生することを抑制できることから、タワークレーンの構成要素(一例として、クレーン下部ベースや基礎部等)や建築物の構成要素(一例として、基礎部、柱部、床部等)の補強を抑制(スペックダウン)することができ、施工に要する手間やコストを低減することが可能となる。
付記2に記載のタワークレーンのクライミング工法によれば、壁つなぎ設置工程の前に第1接合部、第2接合部、又は第3接合部を剛接合とし、壁つなぎ設置工程の後に第1接合部、第2接合部、又は第3接合部をピン接合に切り替えるので、壁つなぎ設置工程前に第1接合部、第2接合部、又は第3接合部を剛接合にすることで、壁つなぎ設置前における複数のマストの水平方向の揺動を好適に抑制でき、複数のマストの設置安定性を向上できる。
付記3に記載のタワークレーンのクライミング工法によれば、壁つなぎ設置工程において、複数のマストが壁つなぎに対して水平方向にスライド移動可能となるように、複数のマストと壁つなぎとを接続したので、複数のマストのクライミングの最中にも複数のマストを安定して支持でき、複数のマストの支持安定性を向上できる。
1 タワークレーン
2 建築物
3 基礎部
10 クレーン本体
20、20a~20h マスト
21 フレーム材
22 スペーサ
23 突起部
30 クレーン下部ベース
31 第1ベース部
32 第2ベース部
33 ガイド部
40 昇降フレーム
50 壁つなぎ
50a 第1壁つなぎ
50b 第2壁つなぎ
50c 第3壁つなぎ
51 壁つなぎ本体
52 支持部
61 第1接合機構
61a 回転部
61b 受け部
62 第2接合機構
62a 回転部
62b 受け部
S 地表面

Claims (3)

  1. 建築物の外部又は内部に鉛直方向に沿って設けられた複数のマストと、前記複数のマストの下端側にて前記複数のマストを支持するためのクレーン下部ベースと、前記複数のマストに取り付けられた昇降フレームであって、前記複数のマストをクライミングするための昇降フレームと、を備えるタワークレーンのクライミング工法であって、
    前記クレーン下部ベースを第1の初期位置に設置する第1のベース設置工程と、
    前記クレーン下部ベースにより前記複数のマストを支持する支持工程と、
    前記第1の初期位置よりも上方の位置で、前記複数のマストと前記建築物とを相互に接続する壁つなぎを設置する壁つなぎ設置工程と、
    前記昇降フレーム又は/及び前記複数のマストをクライミングさせるクライミング工程と、
    前記クライミング工程において前記昇降フレーム及び前記複数のマストをクライミングさせた後に、第1の初期位置よりも上方に位置する第2の初期位置に前記クレーン下部ベースを設置する第2のベース設置工程と、
    前記クレーン下部ベースと前記壁つなぎとの第1接合部、又は前記複数のマストのうち最下方に位置する第1マストと当該第1マストに隣接する第2マストとの第2接合部をピン接合で支持するピン支持工程と、を含み、
    前記ピン支持工程において、前記第1接合部をピン接合で支持する、
    タワークレーンのクライミング工法。
  2. 建築物の外部又は内部に鉛直方向に沿って設けられた複数のマストと、前記複数のマストの下端側にて前記複数のマストを支持するためのクレーン下部ベースと、前記複数のマストに取り付けられた昇降フレームであって、前記複数のマストをクライミングするための昇降フレームと、を備えるタワークレーンのクライミング工法であって、
    前記クレーン下部ベースを第1の初期位置に設置する第1のベース設置工程と、
    前記クレーン下部ベースにより前記複数のマストを支持する支持工程と、
    前記第1の初期位置よりも上方の位置で、前記複数のマストと前記建築物とを相互に接続する壁つなぎを設置する壁つなぎ設置工程と、
    前記昇降フレーム又は/及び前記複数のマストをクライミングさせるクライミング工程と、
    前記クライミング工程において前記昇降フレーム及び前記複数のマストをクライミングさせた後に、第1の初期位置よりも上方に位置する第2の初期位置に前記クレーン下部ベースを設置する第2のベース設置工程と、
    前記クレーン下部ベースと前記壁つなぎとの第1接合部、又は前記複数のマストのうち最下方に位置する第1マストと当該第1マストに隣接する第2マストとの第2接合部をピン接合で支持するピン支持工程と、を含み、
    前記第1接合部又は記第2接合部を、ピン接合と剛接合とに切り替え可能に形成し、
    前記壁つなぎ設置工程の前に前記第1接合部又は前記第2接合部を剛接合とし、前記壁つなぎ設置工程の後に前記第1接合部又は前記第2接合部をピン接合に切り替える、
    タワークレーンのクライミング工法。
  3. 建築物の外部又は内部に鉛直方向に沿って設けられた複数のマストと、前記複数のマストの下端側にて前記複数のマストを支持するためのクレーン下部ベースと、前記複数のマストに取り付けられた昇降フレームであって、前記複数のマストをクライミングするための昇降フレームと、を備えるタワークレーンのクライミング工法であって、
    前記クレーン下部ベースを第1の初期位置に設置する第1のベース設置工程と、
    前記クレーン下部ベースにより前記複数のマストを支持する支持工程と、
    前記第1の初期位置よりも上方の位置で、前記複数のマストと前記建築物とを相互に接続する壁つなぎを設置する壁つなぎ設置工程と、
    前記昇降フレーム又は/及び前記複数のマストをクライミングさせるクライミング工程と、
    前記クライミング工程において前記昇降フレーム及び前記複数のマストをクライミングさせた後に、第1の初期位置よりも上方に位置する第2の初期位置に前記クレーン下部ベースを設置する第2のベース設置工程と、
    前記クレーン下部ベースと前記壁つなぎとの第1接合部、又は前記複数のマストのうち最下方に位置する第1マストと当該第1マストに隣接する第2マストとの第2接合部をピン接合で支持するピン支持工程と、を含み、
    前記壁つなぎ設置工程において、前記複数のマストが前記壁つなぎに対して水平方向にスライド移動可能となるように、前記複数のマストと前記壁つなぎとを接続した、
    タワークレーンのクライミング工法。
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