JP6865550B2 - サイロ屋根部の構築方法およびサイロ屋根構造 - Google Patents
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Description
本体部の上端に屋根部を形成する際には、屋根部を支持するための仮設支保工や仮設足場等の仮設部材を設ける必要がある。ところが、仮設足場等の設置および撤去には手間と費用がかかる。また、屋根部の施工には、資材運搬および施工中の屋根部を支持するための大型のクレーンを複数配置する必要があるため、費用がかかるとともに、クレーンを配置するための十分なスペースを確保する必要があった。
このような観点から、本発明は、工期短縮と工費削減を目的として合理的にサイロの屋根部を構築することを可能としたサイロ屋根部の構築方法およびサイロ屋根構造を提案することを課題とする。
かかるサイロ屋根部の構築方法によれば、本設部材である鉄骨ブラケットを揚重手段の架台として使用しているため、別途仮設架台を設ける従来の施工方法に比べて施工の手間および費用の低減化を図ることができる。
かかるサイロ屋根部の構築方法によれば、揚重手段の載置するために必要なスペースを本体部の上端部に確保することができる。また、延伸部材には、屋根鉄骨の端部を挿通可能な凹部が形成されているため、必要以上に揚重手段を張り出させる必要がなく、その結果、揚重手段の架台の規模を必要最小限に抑えることができる。
サイロ本体12は、円筒状に形成されている。なお、サイロ本体12の形状は限定されるものではなく、例えば、角筒状であってもよい。サイロ本体12の内部には、サイロホッパ部14が形成されている。また、サイロ本体12の下部には内周面に沿って内壁15が形成されている。内壁15は、下側に向うに従って縮径する円錐台状を呈している。
屋根部13は、上端に向うに従って縮径する円錐台状を呈している。なお、屋根部13の形状は限定されるものではない。
屋根部13には、石炭を投入するための開口部(図示せず)が形成されている。開口部には、受入コンベアが挿入される。屋根鉄骨2は、屋根板3を支持するとともに、受入コンベアの支持架台としても機能する。本実施形態の屋根板3は、鋼板により構成されている。屋根板3は、屋根鉄骨2にボルト接合されている。なお、屋根板3を固定方法は限定されるものではない。また、屋根板3を構成する材料も限定されるものではない。
架構部材21は、下弦材22、上弦材23、複数段の横材24,24,…、複数の斜材25,25,…、梁26、縦材27およびベースプレート28を備えている。本実施形態では、H形鋼を組み合わせることにより架構部材21を形成している。なお、架構部材21の構成は限定されるものではなく、適宜形成すればよい。また、架構部材21を構成する鋼材はH形鋼に限定されるものではなく、例えばL形鋼や溝形鋼等を使用してもよい。
梁26は、受入コンベアを支持する水平部材であって、一端が下弦材22の上端に固定されていて、他端が上弦材23の中間部に固定されている。なお、梁26は、必ずしも水平である必要はない。梁26の下面には、桁(図示せず)が固定されている。桁は、円形状に形成された鋼材であって、架構部材21,21,…の梁同士を連結している。本実施形態では、内径が異なる複数の桁が間隔をあけて配設されている。
図1に示すように、横材24は下弦材22と上弦材23とを連結している。本実施形態では、横材24の配設ピッチ等は限定されるものではなく、適宜決定すればよい。本実施形態では、横材24が略水平になるように配置するが、横材24は傾斜していてもよい。
縦材27は、梁26の中央部と、上弦材23の上端とを連結している。縦材27と上弦材23との間には、横材24と斜材25とが配設されている。
屋根組立工程では、図3に示すように、サイロ本体12の内空底部において、屋根鉄骨2の一部を組み立てて、地組鉄骨体2aを形成する。地組鉄骨体2aの組み立ては、必要に応じて配設された仮設支保工Sにより支持した状態で行う。本実施形態では、屋根鉄骨2の脚部2b(図4(a)参照)以外の部分を組み立てて地組鉄骨体2aを形成する。
図4(b)および(c)に示すように、サイロ本体12の上端部において内空側に張り出した各鉄骨ブラケット4上には、ジャッキ(揚重手段)5を設ける。地組鉄骨体2aの吊上げはジャッキ5を利用して行う。本実施形態では、揚重手段として油圧ジャッキ(センターホールジャッキ)を利用するが、揚重手段は油圧ジャッキに限定されるものではない。また、本実施形態では、鉄骨ブラケット4と同数のジャッキ5により地組鉄骨体2aを吊り上げるものとするが、ジャッキ5の数および配置は、3つ以上のジャッキが均等に配設されていれば、限定されるものではない。
地組鉄骨体2aのサイロ本体12への固定は、鉄骨ブラケット4の上面に予め固定された屋根鉄骨2の脚部2b(図4(a)参照)に、地組鉄骨2aの端部を固定することにより行う。地組鉄骨2aと脚部2bとの接合方法は限定されるものではなく、例えば、溶接やガセットプレートを利用して接合すればよい。延伸部材52は、屋根固定工程後にジャッキ5とともに撤去してもよいし、残置してもよい。本実施形態では、鉄骨ブラケット4をサイロ本体12の上端部に形成した後、鉄骨ブラケット4上に脚部2bを固定する。なお、鉄骨ブラケット4は、上面に脚部2bが固定された鉄骨をサイロ本体12に固定することにより形成してもよい。また、脚部2bは屋根固定工程の際に鉄骨ブラケット4に固定されていればよく、脚部2bを鉄骨ブラケット4に固定するタイミングは限定されるものではない。例えば、地組鉄骨体2aの吊り上げと並行して鉄骨ブラケット4に脚部2bを固定してもよい。
また、屋根鉄骨2は、地組鉄骨体2aと脚部2bとに分割した状態で吊り上げるため、屋根鉄骨2の端部(脚部)が鉄骨ブラケット4に接触することを防止することができる。
ジャッキ5、支持フレーム51および延伸部材52等を、隣接する他の石炭サイロ1の施工に転用することでコストダウンを図ることができる。
また、ベースプレート28のボルト孔29をルーズホールにすることで、地震荷重や風荷重が屋根部13に作用した場合であっても、サイロ本体12への伝達を制限することが可能となり、ひいては、サイロ本体12の小断面化を図ることができる。
屋根鉄骨2をトラス架構にすることで、鉄骨量の縮小化を図るとともに、サイロ本体12への負担を軽減し、ひいては、石炭サイロ1全体のスリム化を図ることができる。
前記実施形態では、石炭貯蔵用のサイロについて説明したが、サイロに収容される内容物の種類は石炭に限定されるものではない。例えば、コンクリートやアスファルト等に使用する骨材、セメント等の粉体、穀物等であってもよい。
延伸部材52は、必要に応じて使用すればよく、省略してもよい。
11 基礎スラブ
12 サイロ本体(本体部)
13 屋根部
2 屋根鉄骨
2a 地組鉄骨体
2b 脚部
28 ベースプレート
29 ボルト孔(ルーズホール)
3 屋根板
4 鉄骨ブラケット
43 ボルト孔
5 ジャッキ(揚重手段)
51 支持フレーム(架台)
52 延伸部材
53 凹部
Claims (2)
- 筒状の本体部の内部において屋根鉄骨の少なくとも一部を組み立てて、地組鉄骨体を形成する屋根組立工程と、
前記本体部の上端部に前記地組鉄骨体を吊り上げる屋根吊上工程と、
前記地組鉄骨体の端部を前記本体部の上端部に形成された鉄骨ブラケットに固定する屋根固定工程と、を備えるサイロ屋根部の構築方法であって、
前記鉄骨ブラケットは、前記本体部の上端部において内空側に張り出した状態で前記本体部の壁面に固定されており、
前記鉄骨ブラケットの上面には、架台が上載されていて、
前記屋根吊上工程では、前記架台を介して前記鉄骨ブラケットに支持された揚重手段により前記地組鉄骨体を吊り上げ、
前記屋根固定工程では、前記鉄骨ブラケットの上面に予め固定された脚部に、吊上げた前記地組鉄骨体の端部を固定することを特徴とする、サイロ屋根部の構築方法。 - 前記鉄骨ブラケットの先端には、延伸部材が固定されており、
前記揚重手段は、前記本体部の上面、前記鉄骨ブラケットの上面および前記延伸部材の上面に上載された架台を介して設けられており、
前記延伸部材には、前記地組鉄骨体の端部を挿通可能な凹部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のサイロ屋根部の構築方法。
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