JP6527074B2 - 橋梁の施工方法 - Google Patents
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Description
下弦材と、上弦材と、複数の斜材・鉛直材を含む複数の部材で構成される施工対象の橋体を橋軸方向に並ぶように区分する領域毎に、前記橋体の完成状態の前記複数の部材の相互の位置関係をもとに、前記下弦材を構成する複数の下床版セグメントと内部支保工とを備えた複数の支保工ユニットを組み立て、
一組の橋台間に一次ケーブルを張設し、
前記複数の支保工ユニットを前記一次ケーブルに前記橋軸方向に並べて架設し、
前記一次ケーブルに架設された前記複数の支保工ユニットの前記内部支保工を支持体として前記複数の斜材・鉛直材を仮止めし、
前記一次ケーブルに架設された前記複数の支保工ユニットの前記内部支保工上に前記上弦材を構成する複数の上床版セグメントを各々の高さを調整しつつ前記橋軸方向に並べて架設し、
前記下弦材の間詰めコンクリート、前記上弦材の間詰めコンクリートおよび前記橋体の前記橋軸方向両側部のコンクリートを各々打設し、
前記複数の支保工ユニットから前記内部支保工を解体撤去する。
また、本発明に係る橋梁の施工方法によれば、領域毎の支保工ユニットの単位で、一次ケーブルに複数の下床版セグメントと内部支保工が架設される。このため、下弦材を構成する複数の下床版セグメントを架設してからその上に内部支保工を組み立てる在来工法に比べ、工期の短縮および施工精度の向上を図ることができる。
図1から図10は、本実施形態の橋梁の施工方法を、吊床版架設工法による上路式吊床版橋を施工する場合を例に工程順に示す側面図である。
本実施形態の橋梁の施工方法は、主に以下の工程からなる。
1.準備作業
2.橋台等の施工
3.一次ケーブルの張設
4.支保工ユニットの組み立て
5.支保工ユニットの架設
6.斜材の仮止め
7.上弦材の架設
8.床版セグメント間の間詰め
9.橋台付近のコンクリート打設、橋面工
[1.準備作業]
施工開始前の準備作業として、施工対象の橋体を橋軸方向に並ぶ複数の領域に分けて考え、各々の領域毎に、橋体を構成する上弦材、複数の斜材および下弦材などの各部材の橋体完成状態での相互の位置関係を算出する。
図1に示すように、実際の施工において、橋台A、B用の基礎杭A1、B1の打ち込み、グラウンドアンカーA2、B2の地山への打ち込み、鉄筋コンクリート構造による両橋台A、Bのコンクリートの打設を行う。
次に、図2に示すように、橋台A、B間に複数本の一次ケーブル1を張り渡し、張力の調整を行う。一次ケーブル1のPC鋼材としては、例えば防錆のためにポリエチレン樹脂製の被覆材によって被覆されたものなどが用いられる。一次ケーブル1の両端部には、一次ケーブル1を橋台A、Bのコンクリートにアンカープレートを介して固定するためのマンションが備わっている。
次に、上記の準備作業で得られた橋体完成状態での領域毎の各部材の相互の位置関係に合せて、領域毎の支保工ユニット10の組み立てを行う。ここで、支保工ユニット10の組み立ては、橋台Aの近傍に設けられた作業場所で行われる。以下に支保工ユニット10の構成の詳細を説明する。
これらの図に示すように、支保工ユニット10は、橋体の下弦材を構成するプレキャスト・コンクリート(PCa)製の複数の下床版セグメント11と、これらの下床版セグメント11の上に組み立てられた内部支保工20とで構成される。本実施形態では、1つの支保工ユニット10に例えば3つもしくは4つの下床版セグメント11が用いられる。これら複数の下床版セグメント11は、橋軸方向において隣接するもの同士の間に空間を挟んで配置され、橋体完成状態の該当領域の下弦材の反り形状に合せて各々の位置が決められる。そして複数の下床版セグメント11は、内部支保工20の土台材21に固定ボルト22によって着脱可能に固定される。
次に、図3に示すように、橋台Aの近傍の作業場所で組み立てられた支保工ユニット10を一体ずつクレーンCを使って一次ケーブル1上に載せる。本例では、クレーンCの作業半径の制約から、支保工ユニット10は橋台Aの近傍の作業場所から吊り上げられ、一次ケーブル1上の橋台A寄りの位置に吊り下ろされる場合を想定する。支保工ユニット10の吊り下ろしの際、支保工ユニット10の複数の下床版セグメント11各々の下面に固定されたケーブル受け部材26の溝26a内に、一次ケーブル1がケーブル径方向に嵌め込まれる。ここで、一次ケーブル1は、ケーブル受け部材26の溝26aを介して支保工ユニット10を橋軸方向に案内するための軌道として働く。
次に、図7に示すように、複数の一次ケーブル1上に架設された支保工ユニット10を支持体として用いて、橋体のスパンドレル部分45の斜材40を架設する。ここで、支保工ユニット10の内部支保工20は十分な強度を備えるように鋼材を用いて組み立てられたものであるため、各斜材40を安定して仮止めすることができる。
次に、図8に示すように、複数の一次ケーブル1上に架設された各支保工ユニット10の上に、上弦材を構成する複数の上床版セグメント30を載荷する。以下に、この上床版セグメント30の載荷方法を説明する。
次に、図16に示すように、個々の支保工ユニット10における下床版セグメント11間の空間に間詰め用のコンクリート71を打設し、同様に個々の支保工ユニット10の上に載荷された上床版セグメント30間の空間に間詰め用のコンクリート72を打設する。続いて、図17に示すように、各支保工ユニット10間の空間に間詰め用のコンクリート73、74を打設する。これにより、図9に示すように、橋体の上弦材78および下弦材79が完成する。この時点で一次ケーブル1のサグ量は橋体完成状態のサグ量に近い値となる。
次に、図10に示すように、橋台A、B付近の横桁コンクリート75、76を打設し、養生期間を経て所要の強度が得られた後、下弦材79および上弦材78をPC鋼材81、82を用いて橋軸方向に緊張し、下弦材79および上弦材78にプレストレスを導入する。これにより橋体が完成する。
その後、支保工ユニット10から内部支保工20を撤去し、必要な橋面工を行って橋梁が完成する。
以上説明したように本実施形態の橋梁の施工方法によれば、橋体完成状態での各部材の相互の位置関係をもとに組み立てられた支保工ユニット10の3軸空間を基準に、斜材40の3軸方向の傾きを決めることができるので、斜材の位置決めや傾きを決める際の手間を軽減することができ、工期の短縮を図るとともに精度良く位置を決定することができる。
本発明は上記の実施形態に限らず、本発明の技術思想の範囲で様々な変形が可能である。
例えば、支保工ユニット10は、2つ以上の下床版セグメント11で構成されてもよい。
一次ケーブル1の定着点を橋台A、Bから橋体の桁端に移し替えて自碇式構造としてもよい。
また、支保工ユニット10を現場内で組み立てるのではなく、工場で組み立て、工場から現場に運搬するようにしてもよい。
支保工ユニット10における内部支保工20の構造は上記の実施形態に限定されず、様々な変形が可能である。
上記の実施形態では、スパンドレル部分に斜材のみを用いた場合について説明したが、鉛直材で構成された場合にも本発明は応用できる。勿論、斜材と鉛直材を組み合わせた場合にも本発明を採用することができる。
1…一次ケーブル
10…支保工ユニット
11…下床版セグメント
20…内部支保工
30…上床版セグメント
40…斜材
45…スパンドレル部分
71,72,73,74…間詰めコンクリート
75,76…横桁コンクリート
78…上弦材
79…下弦材
Claims (1)
- 下弦材と、上弦材と、複数の斜材・鉛直材とを含む複数の部材で構成される施工対象の橋体を橋軸方向に並ぶように区分する領域毎に、前記橋体の完成状態の前記複数の部材の相互の位置関係をもとに、前記下弦材を構成する複数の下床版セグメントと内部支保工とを備えた複数の支保工ユニットを組み立て、
一組の橋台間に一次ケーブルを張設し、
前記複数の支保工ユニットを前記一次ケーブルに前記橋軸方向に並べて架設し、
前記一次ケーブルに架設された前記複数の支保工ユニットの前記内部支保工を支持体として前記複数の斜材・鉛直材を仮止めし、
前記一次ケーブルに架設された前記複数の支保工ユニットの前記内部支保工上に前記上弦材を構成する複数の上床版セグメントを各々の高さを調整しつつ前記橋軸方向に並べて架設し、
前記下弦材の間詰めコンクリート、前記上弦材の間詰めコンクリートおよび前記橋体の前記橋軸方向両側部のコンクリートを各々打設し、
前記複数の支保工ユニットから前記内部支保工を解体撤去する
橋梁の施工方法。
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JP2015231969A JP6527074B2 (ja) | 2015-11-27 | 2015-11-27 | 橋梁の施工方法 |
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