JP6398736B2 - エンジン作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、小型のエンジンが用いられるエンジン作業機に関し、特に風力ガバナーを用いたエンジンのスロットル機構の改良に関するものである。
刈払機、送風機、チェーンソー、パワーカッター等、作業者が携帯して使用する携帯用作業機や、発電機には、動力源として小型のエンジンが用いられる。図13は従来のエンジン作業機501の一例である刈払機の外観図である。図13に示すように、小型の2サイクルエンジンを搭載したエンジン作業機501は、パイプ上のメインパイプ504に図示しない駆動軸を通じ、この駆動軸をメインパイプの一端に設けられたエンジン510にて回転させることで、メインパイプ504の他端に設けた回転刃512を回転させる。回転刃512の近傍には、刈り取った草の飛散防止のための飛散防御カバー513が設けられる。エンジン作業機501は図示しない肩掛け用吊りベルト等で携帯されるものでメインパイプ504の長手中央部付近に作業者が操作するための正面視略U字状を呈するハンドル508が取り付けられる。エンジンの回転数は、グリップ部509に取り付けられたスロットルレバー507により作業者により制御される。スロットルレバー507の操作はスロットルワイヤ571によってエンジン510の気化器540に伝達される。エンジン作業機501で用いられるようなエンジン510は小型軽量で大きな出力を得ることができる汎用エンジンであって、燃料を補給することにより長時間の作業が可能となる。
エンジン作業機501による作業時には、作業状況に応じた最適な回転数(作業回転数)にエンジン回転数を一定に保つことが重要である。作業回転数としては、低い方が消費燃料、騒音、振動が少なくて済むため、必要最小限のエンジン回転数とするのが好適である。しかしながら、作業回転数が低いと出力が足りない上に、刈払機等のエンジン作業機では先端工具に掛かる負荷の状況などによって作業時のエンジンの回転数が変動しやすい。そこでエンジン作業機において、作業時のエンジン回転数を自動で一定に保つ速度維持装置が提案されている。例えば特許文献1では、エンジンの回転力を利用して生成される冷却風の強度をスロットル軸にフィードバックすることにより、単純な構成で気化器のスロットルの増減を行う風力ガバナーが提案されている。特許文献1では、気化器のスロットル弁の回転軸(スロットル軸)に接続された小型の風力ガバナーを用い、冷却風の流路内にガバナー板を配置するようにして、冷却風の強さによってガバナー板が受ける力が変化するため、スロットル軸のバネによる付勢力とガバナー板が受ける力との均衡点が移動してスロットル軸の開度が変化する。この方法は、小型のエンジン作業機で広く採用される強制空冷式のエンジンにおいて特に有効である。
特開平6−123243号公報
風力ガバナーを用いたエンジンにおいては、作業状態におけるエンジンの回転数は略一定となるように自動的に制御される。例えば、エンジンのアイドリング回転数が3000rpm、最高許容回転数が11000rpmの小型エンジンの場合には、作業時の作業回転数は負荷変動による増減を考慮して8000rpmとされる。しかしながら、発明者らの検討によるとエンジン作業機による作業の使用状況によっては、設定された回転数(8000rpm)では刈払い等の作業がしにくい場合もあり、設定された回転数をさらに上昇させて作業回転数を最高出力回転数付近(例えば9000rpm)とした方が良い場合があることがわかった。このような場合には、刈払い作業の作業中に作業回転数を変更できるように構成すると好ましい。
作業回転数を変更するには、風力ガバナーによるスロットル軸のバランス位置を変えれば良い。しかしながら、スロットル軸のバランス位置を変更できるように可変調整機構を設けると気化器周辺の構成が複雑になる。また、電気的にそのような制御を行うことも可能ではあるが、電気的な制御のための回路や、マイクロプロセッサ等の実装が必要になり、エンジン作業機の製造コストの上昇につながる。通常、刈払機等のエンジン作業機には小型軽量であること、安価であることが要求されるため、こうした複雑な機構を設けることは好ましくない。一方、風力ガバナーによるスロットル軸の維持角度を変更できるようにしても、その変更のために作業を一旦終了してから変更操作を行なうのであれば、操作性が良いとは言えない。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、作業を行う際のエンジン回転数(作業回転数)を容易に変更できるようにした風力ガバナー付きのエンジン作業機を提供することにある。
本発明の他の目的は、気化器のスロットル軸からファン室内への風力ガバナーの取り回し構造を改良して冷却効率を向上させたエンジン作業機を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、ピストンを往復移動させる空冷式のシリンダと、クランク軸の回転力を利用して回転する冷却ファンと、冷却ファンを収容するファン室とシリンダを収容するシリンダ室を画定するシリンダカバーと、シリンダカバーの外部に配置された気化器と、冷却ファンによって生成された冷却風からガバナー板が受ける力を用いて気化器のスロットル軸を操作する風力ガバナーと、を有するエンジン作業機であって、シリンダカバーに気化器側からシリンダ側に向かって開口する開口部を設け、風力ガバナーを開口部よりシリンダカバーの内部に案内することによりガバナー板をファン室内に配置した。風力ガバナーは、スロットル軸に対して直交する方向に延びるアーム部を有し、アーム部の一端側がスロットル軸に固定され、他端側が開口部を貫通し、開口部は、アーム部のスロットル軸を軸心とした回動を許容するようにスロットル軸を中心とした円の線方向に細長い形状とした。このように風力ガバナーをシリンダカバーの外部からシリンダ室に向かって案内したので、開口部の形状を細長いものとして空気漏れが少ない形状とすることができた。
本発明の他の特徴によれば、風力ガバナーは、アーム部から直交する方向に延びる片持ち式のビーム部を有し、スロットル軸及びビーム部はエンジンのクランク軸と平行に延びるように配置され、ガバナー板はこのビーム部に設けられるように構成した。この構成によりビーム部は冷却風の強さにより良好に回動することができる。また、アーム部とビーム部を接続する直交部は、シリンダカバーの内側に配置されるようにした。このように冷却風の抵抗を受けやすい直交部をファン室内に配置せずにシリンダ室内に配置したので、風力ガバナーを配置したことによる冷却効率の低下を抑制することができた。さらに、風力ガバナーは、アーム部が開口部を介してシリンダ室に延び、シリンダ室内で直交部にてアーム部にビーム部が接続され、ビーム部がシリンダ室からファン室に延びるようにしたので、ファン室から外部(気化器側)には開口部を有しない。
本発明のさらに他の特徴によれば、風力ガバナーは金属の板材をプレス加工することにより製造され、アーム部の一部にスロットル軸にネジ止めをするためのネジ穴を設けた。シリンダカバーは合成樹脂製の成形によって製造され、アーム部とガバナー板の間にファン室を画定する壁面が位置する。これによりガバナー板から気化器側に直接冷却風が漏れることはない。また、ガバナー板は、ビーム部からスロットル軸の軸線に近づく方向、つまり揺動空間の内側に延びるように設けられるので、冷却ファンによって生成された冷却風の流速が高い部分にビーム部を配置しなくてすむので、冷却風の流れを阻害することを抑制できた。
本発明によれば、冷却風を生成するボリュート形状のファン室に、気化器側につながる開口を設けないように構成できたので、ファン室から外部への空気漏れを防ぐことができた。また、シリンダカバーに形成する風力ガバナーの案内用の開口部の位置を変更したので、開口部の幅を十分細くする事ができた。さらに、ファン室への風力ガバナーの取り回しは、シリンダ室から行うようにしたので、取り回し用の開口から空気が漏れたとしてもシリンダ側に流れるだけなので、エンジンの冷却効果を高めることができた。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
本発明の実施例におけるエンジン作業機のエンジン部分の縦断面図である。 図1のA−A部の断面図である。 エンジン作業機の操作部100を示す図であり、(1)は上面図であり、(2)は側面図である。 本発明の実施例におけるエンジンのアイドリング時の状態を示す図であって、(1)は気化器40の後方側から見た背面図であり、(2)は気化器40の前方側から見た正面図であり、(3)はその際の操作部100の操作状況を示す縦断面図である。 スロットルレバーの操作状況を説明するための模式図であり、(1)は従来の構造を示す図であり、(2)は本実施例に係る構造を示す図である。 本発明の実施例における開度規制材44に対するスロットルレバー43の収容状況を示す説明図であって、(1)は開度規制材44の断面形状を示す図であり、(2)は開度規制材44単体の斜視図である。 図2の風力ガバナー50の単体形状を示す斜視図である。 図1のシリンダカバー11単体の外観形状を示す斜視図である。 風力ガバナー50のファン室24内への配置状況を説明するための図である。 本発明の実施例におけるエンジンの作業時(第1の作業回転時)の状態を示す図であって、(1)は気化器40の後方側から見た背面図であり、(2)は気化器40の前方側から見た正面図であり、(3)はその際の操作部100の操作状況を示す縦断面図である。 本発明の実施例におけるエンジンの作業時(第2の作業回転時)の状態を示す図であって、(1)は気化器40の後方側から見た背面図であり、(2)は気化器40の前方側から見た正面図であり、(3)はその際の操作部100の操作状況を示す縦断面図である。 本発明の実施例におけるエンジンの作業時(最大出力時)の状態を示す図であって、(1)は気化器40の後方側から見た背面図であり、(2)は気化器40の前方側から見た正面図である。 従来のエンジン作業機の一例(刈払機)を示す斜視図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。また、本明細書においては、前後、上下の方向は図中に示す方向であるとして説明する。
図1は、本発明の実施例におけるエンジン作業機のエンジン部分の縦断面図である。ここでは、図13にて説明したような刈払機に適用された際のエンジン部分であって、刈払機に最適なハウジングやファンケースの形状とされている。エンジン10は、2サイクルの小型エンジンであって、クランク軸14がメインパイプ504(図13参照)と同軸上に配置され、シリンダ13がクランクケース15から略垂直方向上側に伸びるように配置され、ピストン26(図2で後述)がシリンダ13内を上下方向に往復運動可能とされる。吸気口に気化器40とエアクリーナが接続され、排気口にマフラー25が接続される。クランク軸14の前側(出力側)には、遠心クラッチ29を介して図示しない駆動軸の一端部が連結される。遠心クラッチ29が取り付けられるマグネトロータ17には、エンジン冷却用のファンが一体に形成される。点火コイル20で発生された高圧電流は、図示しない高圧コードとプラグキャップ19を介して点火プラグ(図示せず)に伝達される。クランクケース15の下側には、燃料タンク21が設けられる。燃料タンク21には、ガソリンとオイルの混合油が入れられ、燃料タンク21の開口部には燃料キャップ21aが設けられる。
気化器40にはスロットル軸41が配置され、バタフライ式のスロットル弁(図示せず)の揺動中心となるスロットル軸41と連動して図示しない吸気通路内でスロットル弁(図示せず)が開閉することでエンジン10への吸気量を調整し、回転速度ないし出力が調整される。作業状態においてエンジン10の回転数を略一定に保つ制御には、風力ガバナー50が使用される。スロットル軸41は、気化器40の後側面から前側面まで貫通して外部に露出し、前側には風力ガバナー50がネジ58によって取り付けられる。風力ガバナー50はガバナー板51を有し、シリンダカバー11に形成された開口部12を介して気化器40側から冷却風の風路内に挿入され、クランクケース15、ファンケース16、シリンダカバー11によって形成されるファン室24内に収容される。エンジン10のクランク軸14には冷却ファンが形成されたマグネトロータ17が取り付けられる。マグネトロータ17には冷却用のフィン17aが一体的に形成され、マグネトロータ17が回転することで冷却風CAをシリンダ13に供給するので、シリンダ13を空気にて冷却することができる。
ガバナー板51は、冷却風CAを受けることでスロットル軸41に所定方向(図1では時計回り)の回動トルクを伝達させることができ、スロットル軸41が回動することでエンジン10の回転速度が調整される。エンジン作業機による作業中に、先端工具から受ける負荷によってエンジン10の回転数が低下すると、冷却風CAが減少するため風力ガバナー50はスロットル軸41を中心に反時計回りに回転させる。図1の方向から見たスロットル軸41の反時計回りは、スロットルを開く方向に作用するので、エンジン10の回転速度が上昇して作業回転数に復帰するように作用する。一方、先端工具から受ける負荷の減少又は消失によってエンジン10の回転数が上昇すると、冷却風CAが増加するため風力ガバナー50はスロットル軸41を中心に時計回りに回転する。図1の方向から見たスロットル軸41の時計回りは、スロットルを閉じる方向に作用するので、エンジン10の回転速度を下げて作業回転数を維持するように作用する。
図2は図1のA−A部の断面図である。シリンダ13の左側には気化器40等の吸気機器が配置され、右側の排気口13bには、マフラー25等の排気機器が配置される。シリンダ13の吸気口13aには図中点線で示す吸気通路39の一部を形成するインシュレータ38が設けられ、インシュレータ38には気化器40が設けられる。インシュレータ38は樹脂又は軽金属製の一体成形にて製造することができ、二本のネジにてシリンダ13に固定できる。気化器40はネジ31にてインシュレータ38に固定される。気化器40としては、例えばエンジン10の傾きに関係なく一定油面を保つことができ、安定して使用できるダイヤフラム式のものを使用できる。気化器40の吸気通路39内には、スロットル軸41に固定されるスロットル弁(図示せず)が設けられる。気化器40への吸気の上流側には、空気中の塵埃を取り除くためのエアフィルタ48が設けられ、エアフィルタ48を収容するエアクリーナ室はエアクリーナカバー18にて覆われる。スロットル軸41は気化器40の前側側面から後側側面まで貫通する。スロットル軸41の後側の端部にはスロットルレバー43が設けられる。スロットルレバー43は、開度規制材44(詳細は後述)を介して操作されるものであり、スロットル軸41の前端側には、風力ガバナー50がネジ58によって固定される。
クランク軸14(図1参照)の前側端部にはマグネトロータ17が設けられる。マグネトロータ17は、エンジン10の回転変動を抑制するためのフライホイールとしての機能と、点火用の高圧電流を発生させるための機能の一部と、エンジン10を冷却するために冷却風を生成するための冷却ファンの機能を果たす。マグネトロータ17は例えばアルミニウム合金の一体成形によって製造され、円周方向に複数のフィンが形成され、マグネトロータ17の回転によって複数のフィンにより外気が吸引され、ファンケース16の内部のファン室24において所定方向に冷却風を流してシリンダ13の放熱フィンに向けて送風される。マグネトロータ17の外周の一部には図示しないマグネットが設けられ、マグネットと点火コイル20により発生された高圧電流は、図示しないイグニッションコードとプラグキャップ19(図1参照)を介して図示しない点火プラグに伝達される。マグネトロータ17の前方側には遠心クラッチ29が設けられ、遠心クラッチ29と図示しない駆動力伝達機構を介して作業機器(ここでは図13の回転刃512)を駆動する。遠心クラッチ29はエンジン10の回転数が上がれば回転刃512を回転させ、エンジン10の回転数が所定回転数(クラッチ接続回転数)未満に下がれば回転刃512への動力伝達を遮断する。エンジン10の後方側であってクランク軸14の後端側にはエンジン10の始動用のリコイルスタータ22が設けられる。リコイルスタータ22にはスタータハンドル23が設けられる。リコイルスタータ22としては公知のものを用いれば良いので、ここでの詳細な説明は省略する。
風力ガバナー50のガバナー板51はファン室24の内部に配置される。風力ガバナー50をファン室24に取り回すためにシリンダカバー11には開口部12が形成され、開口部12を介して風力ガバナー50がシリンダカバー11の外部から内部空間に位置づけられ、その状態にて揺動可能なように配置される。ここで開口部12は、ファン室24の壁面に直接面するのでなくシリンダ13の側面に配置するようにした。これにより、冷却ファンによって放射状に生じる冷却風CA(図1参照)が直接開口部12から外部に流れることがないため、開口部12からの冷却風のシリンダカバー11の外部への漏れを効果的に防止できる。また、開口部12がクランク軸14方向に関してファン室24よりも気化器40に近い位置に配置されているので、スロットル軸41をファン室24の近傍又は内部まで伸ばす必要が無い。それゆえに、エアクリーナカバー18にスロットル軸41および風力ガバナー50に対して外部からの接触を防止する機能を持たせる上で、エアクリーナカバー18を小型化することができる。従って、風力ガバナー機構をコンパクトに構成できる。
図3はエンジン作業機の操作部100を示す図であり、(1)は上面図であり、(2)は側面図である。操作部100は、図13におけるハンドル508の右手側に設けられるものであって、図13のグリップ部509及びスロットルレバー507に替えて設けられる。操作部100は作業者が片手(右手)で把持するために把持部101が形成され、把持部101の先端には把持しながら人差し指で引くための操作レバー103が設けられる。操作レバー103の反対側には操作レバーロック材102が設けられ、作業者が把持部101を把持することによって操作レバーロック材102が押し込まれた状態とされ、この押し込まれた状態の時だけ操作レバー103の引き操作が許容される。操作レバーロック材102の先端側には運転中のエンジン10を停止させるためのキルスイッチ105が設けられる。
操作部100には、操作レバー103の操作を気化器40に伝達する連結部材たるスロットルワイヤ71が収容されたアウターチューブ70が接続され、スロットルワイヤ71を操作するための操作レバー103が設けられる。アウターチューブ70にはキルスイッチ105の配線も併設される。操作部100には、さらに操作レバー103の回動量を切り替えるための切替操作部104が設けられ、切替操作部104を点線の位置まで押し込む場合と、そうでない場合とで操作レバー103の回動量を切り替えることができる。本実施例のエンジン10においては、通常は操作レバー103を一杯に引いた状態にて作業を行う。操作レバー103の回動量は、スロットル開度に連動するので、回動量を増やすことによって作業を行う際の作業回転数を更に高回転に設定することが可能となる。ここでは連結部材を一本のワイヤーにて実現しているが、細棒状の連結部材であっても良いし、その他のリンクするための部材であっても良い。
次に図4を用いて、操作レバー103を用いたスロットル操作に応じた気化器40のスロットル動作について説明する。図4は本発明の実施例におけるエンジン10のアイドリング時の状態を示す図であって、(1)は気化器40の後方側から見た背面図であり、(2)は気化器40の前方側から見た正面図(図2のB−B部の部分断面図)であり、(3)はその際の操作部100の操作状況を示す縦断面図である。気化器40にはスロットル軸41と連動するスロットルレバー43が配置され、スロットルレバー43は操作レバー103の引き量に連動して操作される。(3)において操作レバー103は揺動軸106によって所定角の回動が可能なように軸支され、捻りバネ107にて操作レバー103が戻るように付勢される。操作レバー103の一部にはロック爪103aが形成され、操作レバーロック材102のロック爪102aと係合することにより、操作レバーロック材102を押し込まない状態では操作レバー103を引く動作ができない。この状態では、図4(1)に示すように開度規制部80がリターンスプリング75によって上方向に付勢され、それによってスロットルレバー43の下側接触点43aがタイコ73の上面73aに接触し、スロットルレバー43の上端位置がアイドリング位置Iになるように規制している。スロットル軸41には図示しないねじりバネが取り付けられており、常時、スロットル軸41を回転速度ないし出力を増大させる方向(図4(1)ではスロットル軸41の時計回り)に回動させるよう付勢している。一方、図4(2)にて示すようにガバナー板51は冷却風CAを受けることでスロットル軸41を回転速度ないし出力を低下させる方向(図4(1)に当てはめるとスロットル軸41の時計回り)に回動させるトルクを発生させる。図4の状況においては、スロットルレバー43と閉鎖面44bとの間は距離が開いているが、スロットルレバー43はアイドリング位置においてスロットルストッパ60がアジャストスクリュー62に当接して、スロットルレバー43のエンジン回転数が低下する方向の回転(図4(1)では反時計回り)が阻止されため、スロットル軸41はガバナー板51から受ける力によらずスロットルレバー43はアイドリング位置Iの位置に固定される。
ここで、図5を用いて開度規制材44を用いたスロットルレバー43の操作について説明する。従来の気化器においては、図5(1)にて示すようにスロットルワイヤ571によってスロットルロッド572が引かれ矢印549の方向に移動する。スロットルロッド572の末端には、タイコ573が設けられ、スロットルレバー543の下側接触点543aがタイコ573の上面に当接する。スロットルレバー543はバネ545によってスロットルが開く方向(スロットル軸541を矢印547に回る方向)に付勢される。この状態において、スロットル軸541の他方側の端部には風力ガバナーが設けられ、冷却風によって矢印548又はその反対方向のいずれかにスロットル軸541を回転させる力が作用される。従って、矢印547と矢印548の力の大きさと、タイコ573の位置関係に応じてそれらによる回動バランス点にスロットル軸541の位置が定まる。尚、スロットルレバー543の下側接触点543aとタイコ573は固定されているわけではないので、接触又は離合が可能である。
本実施例では、スロットルロッド72の先端のタイコ73に開度規制材44を固定した。開度規制材44は、スロットルレバー43の回転速度低下方向(図では反時計回り)の移動範囲をも規制するための部材であり、スロットルレバー43のスロットルが開く方向(図中時計回り)はタイコ73の上面にて開度が規制され、スロットルが閉じる方向には開度規制材44の閉鎖面44bにて閉度が規制される。このように操作レバー103を引いた状態ではスロットルレバー43が閉鎖面44bとの接触により制限され、操作レバー103を引かない状態(アイドリング時)ではスロットルレバー43とタイコ73の上面との接触により制限されることにより、スロットルレバー43はタイコ73と閉鎖面44bで制限される範囲内において移動する。スロットルレバー43の回動バランス点がタイコ73と閉鎖面44bの間のいずれの位置になるかは、スロットル軸を付勢する弾性部材45による矢印47の力と、風力ガバナー50により作用する矢印48の力の強さと、閉鎖面44bとタイコ73との位置関係により決定される。尚、ここでは理解を助けるために弾性部材45をコイルバネであるかのように図示したが、弾性部材45の種類は任意であり、捻りバネやその他のバネ、又はその他の反発手段を用いてスロットル軸41に対する所定方向の回転力を付与するようにしても良い。開度規制材44はスロットルロッド72のタイコ73にネジ止めされ、スロットルワイヤ71に接続されるスロットルロッド72と連動して移動する。本実施例では開度規制材44とタイコ73によって開度規制部80が構成され、開度規制部80によってスロットルレバー43の設定最高開度位置と設定最低開度位置が制限されることになる。但し、操作レバー103を引いている際には、スロットルレバー43の最大出力側の移動制限を開度規制部80により規制する必要はほとんどない。
図6(1)は開度規制材44の断面形状及びスロットルレバー43周辺の断面図であり、(2)は開度規制材44単体の斜視図である。開度規制材44は合成樹脂又は軽金属製のコップ状の部材であって一方に底部となる閉鎖面44bを有し、開口側44aにスロットルロッド72の末端のタイコ73にて閉塞することにより筐体が構成される。開度規制材44とタイコ73の固定の仕方は任意であるが、本実施例ではネジ穴44d(図8(2)参照)を貫通させて軸方向と直交する方向にネジ74にて固定する。開度規制材44の断面形状は略円形であるが、円形だけで無く四角形状又はその他の形状であっても良い。開度規制材44はタイコ73を介してスロットルロッド72(図4(1)参照)に保持されるだけであり、気化器40やその他の部材とは非接触状態で保持されるか、又は摺動可能な状態で保持される。コップ状の開度規制材44の側面には、軸方向に細長い切り抜き部44cを有しており、切り抜き部44cを介してスロットルレバー43の一部が内部に収容される。スロットルレバー43と切り抜き部44cの間は小隙間となるように構成され、スロットルレバー43は開度規制材44の閉鎖面44bとタイコ73の上面(スロットルロッド72とは反対の面)73a以外は原則として接触しないように構成される。これにより、エンジン作業機の振動がスロットルレバー43ないし開度規制材44に作用した際も、スロットルレバー43が開度規制材44から脱落することがない。このようなスロットルレバー43の操作機構を改良したことにより、スロットルレバー43の開度規制材44に対する相対移動の範囲を所定の範囲内にとどめることができる上に、開度規制材44の動作の信頼性が高まり、エンジン10の作業回転速度維持の安定性を高めることができた。
図7は風力ガバナー50の単体形状を示す斜視図である。風力ガバナー50は、金属製の板材をプレス加工及び折り曲げ加工をして製造されるものであり、ネジ58を貫通させて固定するネジ穴52を含み、揺動軸に直交して延びるアーム53と、アーム53の揺動面に直交する方向に折り曲げられたビーム54により基本骨格が形成される。ビーム54には冷却風CAを受けるために所定の面積を有するガバナー板51が形成される。冷却風CAは矢印59の方向から流れるために、ガバナー板51をビーム54の下側に形成して冷却風CAを効果的に受風できるようにすると共に、冷却風の流れをできるだけ乱すことが無いようにした。アーム53は、その一端側がクランク軸14と平行に設けられるスロットル軸41にネジ止めによって固定されるため、ガバナー板51はスロットル軸41を中心にクランク軸14に対して略上下方向に揺動可能とされる。この揺動方向は冷却風CAの流れる方向とほぼ一致する。アーム53の長手方向に平行な辺の一方には、アーム53の剛性を上げるための折り曲げ部55が形成される。ここで、折り曲げ部55はネジ穴52付近から直交部56まで連続して形成されるのでは無く、直交部56から長手方向に所定の長さ部分(矢印53aの部分)には形成されない。これは矢印53aの部分にてシリンダカバー11の開口部12に貫通させるためであり、矢印53aの部分でシリンダカバー11の外側空間から内側空間に貫通される。よって直交部56、ビーム54及びガバナー板51はシリンダカバー11の内側に配置されることになる。
ガバナー板51は、ビーム54からスロットル軸41の軸線に近づく方向に延びるように配置される。この構造はビーム54が揺動部分の外周縁となり、ガバナー板51が外周側にて固定され内周側に延びる形状である。このような形状の風力ガバナー50が揺動軸(スロットル軸41の軸線)を中心に揺動する。矢印53aの部分は平板状であって軸方向の厚さが十分薄いため、シリンダカバー11に形成される開口部12の幅(スロットル軸41の回転軸と平行方向の幅d)は細めですむ上に、ガバナー板51の大きさや形状の設計の自由度を十分確保することができる。ここで、ビーム54のうち直交部56に近い付近の矢印54aの部分にはガバナー板51が形成されない。これはこの矢印54aの部分にてシリンダ室28からファン室24に配置されるからである。尚、本実施例では風力ガバナー50の形状は上述のものだけに限られずに、明確なビーム部分とガバナー板を分けて形成せずに、これらを一体に構成し、直交部56に近い矢印54a部分の細い径方向幅の部分を形成しさえすれば良い。その場合であっても、ガバナー板51の大部分とアーム53との間に、ファン室側壁11bが位置するように構成できるので本実施例の効果を同様に得ることができる。さらに、風力ガバナーは金属製だけで無く、合成樹脂製の成形品にて製造するようにしても良い。
図8はシリンダカバー11単体の外観形状を示す斜視図である。シリンダカバー11は、例えばプラスチック等の合成樹脂の一体成形によって製造されるものであり、シリンダ13に形成される冷却フィンの周囲には、空気を内部から外部に通過させるためのスリット状の風窓が多数形成される。シリンダカバー11の左側には、マグネトロータ17が回転することで冷却風をシリンダ13に供給するためのファン室24(図2参照)を形成するために、シリンダ13のすぐ左側の側壁11aよりも外側に突出するファン室側壁11bが形成される。ファン室側壁11bと側壁11aは、左側位置が異なる段差状になっており、段差状部分にファン室後壁11cが形成される。従来の風力ガバナーにおいては、ファン室後壁11c部分を利用して風力ガバナー50をシリンダカバー11の外側から内側に貫通させていたが、本実施例では開口部12を、側壁11aとファン室後壁11cの角部の近傍であって、シリンダ13に面した側壁11a側に形成して、ファン室を画定する壁面を形成するようにした。さらに、風力ガバナー50の形状を工夫して、開口部12を通過するのはスロットル軸41と直交する板状部材とした。開口部12は、アーム53のスロットル軸41を軸心とした回動を許容するようにスロットル軸41を中心とした円の線方向に延びる細長い形状とする。これにより開口部12の前後方向の幅dを薄くすることができた。このように開口部12には風力ガバナー50のアーム53の細長い部分(図7の矢印53aの部分)を貫通させるようにしたので、ファン室24に発生する冷却風が、風力ガバナー50を貫通させるための開口部分を介して漏れることを大幅に低減することができ、風力ガバナー50を設けたことによる冷却効果の低下を抑制することができた。また、開口部12はシリンダカバー11の下端部から上方向に細長く切り欠くような形状なので、合成樹脂製のシリンダカバー11の成形加工時に開口部12を形成することができるので、製造原価の上昇を抑制することができた。
図9は風力ガバナー50のファン室24内への配置状況を説明するための図である。シリンダカバー11は主にシリンダ13の周囲とマグネトロータ17の風路の一部を形成するものであり、横断面図でみるとシリンダ室28とファン室24を覆うものである。風力ガバナー50はシリンダカバー11に対して、外部に位置する気化器40から、クランク軸14と直交する方向に延びてシリンダカバー11の内部空間たるシリンダ室28に入る。開口部12は、図6にて示したようにシリンダカバー11の外側からシリンダ室28に貫通するように形成されるものであって、スロットル軸41を中心とした仮想円の線方向に細長い形状とされる。インシュレータ38と気化器40との間には金属製の遮熱板37が設けられ、シリンダ13側からの熱が気化器40側に直接伝わらないように構成される。遮熱板37の前方側は風力ガバナー50の直交部56付近までに延びるように形成される。シリンダ室28内に延びた風力ガバナー50のアーム53の先端の直交部56はシリンダ室28内に位置し、直交部56からビーム54がファン室24内に延びて、ファン室24の内部空間にガバナー板51が位置する。ここで、クランク軸14の軸方向であって図中のC方向にファン室24の内部から見ると、アーム53がファン室24の壁部分(図6に示すファン室側壁11b)によって覆われることになる。つまり、マグネトロータ17によって生成されて流速が一番高くなる外周面や側壁部分(図6に示すファン室側壁11b)に開口部が無いということになる。よって、ファン室24の内部の空気が外部に漏れなくなる上に、風力ガバナー50の動作を良くし、シリンダ13の冷却効果を向上させる。尚、ビーム54が通過する開口部分を介してファン室24からシリンダ室28に空気が漏れたとしても、冷却対象がシリンダ13であるため冷却効果を損なうことはない。
以上のように、風力ガバナー50の形状を変更した上に、ファン室24への流入経路をシリンダカバー11の外部から直接ファン室24に延在させるのでは無くて、シリンダカバー11の外部からシリンダ室28を介してファン室24に延在させるようにしたので、ボリュート形状のファン室24からシリンダカバー11の外部に漏れる空気を減らすことができ、風力ガバナー50を用いたエンジン作業機における冷却効果の向上を図ることができた。また、ファン室側壁11b(図6参照)に風力ガバナー50を貫通させるための穴を開ける場合は、円弧状の大きめの開口部を設ける必要があるのに対し、本願はアーム53が揺動するための狭い幅dの開口部12を設けるだけですむので空気の漏れる量を大幅に低減できる。
次に、図10を用いてエンジン10の作業時(第1の作業回転時)の状態を説明する。図10においては、作業者が把持部101を把持しながら操作レバー103を一杯に引いた状態であり、このときエンジンは設定された作業回転数(例えば8000rpm)で回転する。ここでは操作部100の切替操作部104により円柱状のストッパー104aを操作レバー103の回動軌道上に挿入することで、操作レバー103を操作した際の回動量が第1の状態(回動角θ)に規制される。操作レバー103の動作によるスロットルワイヤ71の引き量に応じて、タイコ73はリターンスプリング75に抗して移動してスロットルレバー43との物理的接触が解除される。それと共に、閉鎖面44bの位置が変化するが、スロットルワイヤ71を引いた直後はエンジン10の回転数が低いため、風力ガバナー50から受ける力が小さいので、スロットルレバー43の上側接触点43bが閉鎖面44bと接触する。この時に、閉鎖面44bの位置がアイドリング位置Iよりも回転速度ないし出力を増大させるスロットル開度位置に位置するため、エンジン10の回転速度はアイドリング時よりも高い位置に保たれ、作業が可能な状態まで回転速度が上昇する。この際の回転速度、すなわち作業回転にまでエンジン回転数(第1の回転数N)が加速すると、冷却風CAの風量が増大してガバナー板51に風力を与えることでスロットル軸41に回転速度を低下させる方向、すなわちスロットルレバー43をアイドリング位置Iに戻す方向に回動させることになるが、スロットルレバー43が閉鎖面44bと物理的に接触しているので、ガバナー板51の作用による回転速度の所定回転数以下への低下が抑止され、第1の回転数を維持させることができる。他方、冷却風CAの風量が低下してガバナー板51に与える風力が弱まるとスロットル軸41に回転速度を増大させる方向、すなわちスロットルレバー43を最大出力位置Wの方向に回動させることになるが、スロットルレバー43はタイコ73と所定の距離を隔てているので、ガバナー板51の作用による回転速度の増大が許容される。尚、作業時においては、スロットルを開けて最大出力位置Wとしても、エンジン10の回転数が操作レバー103を操作した状態である第1、第2の作業回転数の無負荷時又は軽負荷時よりも低くなることがあることに注意されたい。
次に、図11を用いてエンジン10の作業時(第2の作業回転時)の状態を説明する。図11において、切替操作部104によりストッパー104aを操作レバー103の回動軌道上から離脱させることで、操作レバー103を操作した際の回動量を増やして回動角θ(但しθ<θ)の第2の状態となる。この際の操作レバー103の動作によるスロットルワイヤ71の引き量に応じて、閉鎖面44bの位置が変化する。従って、スロットルレバー43と閉鎖面44bが物理的接触する位置が変化するため、それに応じてエンジンの回転数を第2の回転数N(但しN>N)に固定することができる。なお、図10に対して図11はアイドリング位置Iから遠い位置、すなわち最大出力位置Wに近いため、図11の方が高い作業回転速度の状態となる。この際の回転速度、すなわち作業回転数(第2の回転数N)までエンジン10が加速すると、冷却風CAの風量が増大してガバナー板51に風力を与えることでスロットル軸41に回転速度を低下させる方向、すなわちスロットルレバー43をアイドリング位置Iに戻す方向に作用させることになるが、スロットルレバー43が閉鎖面44bと物理的に接触しているので、ガバナー板51の作用による回転速度の所定回転数以下への低下が抑止され、第2の回転数を維持させることができる。他方、冷却風CAの風量が低下してガバナー板51に与える風力が弱まるとスロットル軸41に回転速度を増大させる方向、すなわちスロットルレバー43を最大出力位置Wの方向に回動させることになる。この状態を示すのが図12である。
図12は、作業機器からエンジン10に加わる負荷により、エンジン10の回転速度が低下して冷却風CAの風量が低下した状態を示す図である。エンジン10の回転速度が低下して冷却風CAの風量が低下すると、ガバナー板51に作用する風力が低下するため、スロットル軸41に作用する回転速度を低下させる方向の回動トルクが減少する。スロットル軸41は図示しないねじりバネによって常時スロットル軸41を回転速度が増加する方向に付勢しているため、風力ガバナー50によるトルクに対してねじりバネのトルクが相対的に大きくなるため、スロットル軸41はエンジン10の回転を増大させる方向(スロットル開度を大きくする方向)に回転する。この際の最終的な位置は、スロットルレバー43の上側接触点43bが最大出力位置Wと一致する位置となる。この上側接触点43bが最大出力位置Wにある時には、スロットルレバー43の下側接触点43aとタイコ73は非接触状態にあるが、スロットル軸41が回転速度を増大させる方向、すなわちスロットルレバー43を最大出力位置Wにしようとする方向において、スロットルストッパ60が突き当て部61と接触するので、これ以上のスロットル軸41の回転はできない。このようにスロットルレバー43を開度規制材44とタイコ73にて構成される開度規制部80にて操作するようにしたので、スロットルレバー43は確実に最大出力位置Wに保持されてエンジン10の回転を加速させて最大出力を得ることができる。なお、スロットルストッパ60の形状を変更して、気化器40に形成された突き当て部61との当接位置を替えることでスロットル軸41の最大出力位置Wを変更することができる。
以上のように本実施例によれば、スロットルワイヤとスロットルレバーの接続機構を変更して、スロットルレバー43を開度規制材44によって操作するように構成したので、複数の作業回転数を設定しても、その作業回転数から所定の回転範囲内においてエンジン10を作動させることができる。また、本実施例の機構は、気化器40近傍に開度規制材44を設けるだけで別途のワイヤーケーブルを設ける必要が無いので、操作部100から気化器40へのワイヤーケーブルの本数を増やすこと無く、風力ガバナー50における作業回転数を変更できるエンジン作業機を実現できた。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施例ではエンジン10とは離れたハンドルに操作部100を有する刈払機の例で説明したが、操作部100の位置は任意であり、エンジン10のハウジングに操作部が形成されるようなエンジン作業機においても同様に適用することができる。
10 エンジン 11 シリンダカバー
11a 側壁 11b ファン室側壁
11c ファン室後壁 12 開口部
13 シリンダ 13a 吸気口
13b 排気口 14 クランク軸
15 クランクケース 16 ファンケース
17 マグネトロータ 17a フィン
18 エアクリーナカバー 19 プラグキャップ
20 点火コイル 21 燃料タンク
21a 燃料キャップ 22 リコイルスタータ
23 スタータハンドル 24 ファン室
25 マフラー 26 ピストン
28 シリンダ室 29 遠心クラッチ
31 ネジ 37 遮熱板
38 インシュレータ 39 吸気通路
40 気化器 41 スロットル軸
42 流量調整ネジ 43 スロットルレバー
43a 下側接触点 43b 上側接触点
44 開度規制材 44a 開口側
44b 閉鎖面 44c 切り抜き部
44d ネジ穴 45 弾性部材
46 燃料流入口 48 エアフィルタ
50 風力ガバナー 51 ガバナー板
52 ネジ穴 53 アーム
54 ビーム 55 折り曲げ部
56 直交部 58 ネジ
59 冷却風の方向 60 スロットルストッパ
61 突き当て部 62 アジャストスクリュー
70 アウターチューブ 71 スロットルワイヤ
72 スロットルロッド 73 タイコ
74 ネジ 75 リターンスプリング
80 開度規制部 100 操作部
101 把持部 102 操作レバーロック材
102a ロック爪 103 操作レバー
103a ロック爪 104 切替操作部
104a ストッパー 105 キルスイッチ
106 揺動軸 107 捻りバネ
501 エンジン作業機 504 メインパイプ
507 スロットルレバー 508 ハンドル
509 グリップ部 510 エンジン
512 回転刃 513 飛散防御カバー
540 気化器 541 スロットル軸
543 スロットルレバー 543a 下側接触点
545 バネ 571 スロットルワイヤ
572 スロットルロッド 573 タイコ
CA 冷却風(の流れ)
I (スロットルレバーの)アイドリング位置
W (スロットルレバーの)最大出力位置

Claims (8)

  1. ピストンを往復移動させる空冷式のシリンダと、クランク軸の回転力を利用して回転する冷却ファンと、前記冷却ファンを収容するファン室と前記シリンダを収容するシリンダ室を画定するシリンダカバーと、前記シリンダカバーの外部に配置された気化器と、前記冷却ファンによって生成された冷却風からガバナー板が受ける力を用いて前記気化器のスロットル軸を操作する風力ガバナーと、を有するエンジンを用いて作業機器を駆動するエンジン作業機において、
    前記シリンダカバーに前記気化器側から前記シリンダ側に向かって開口する開口部を設け、前記風力ガバナーを前記開口部より前記シリンダカバーの内部に案内することにより前記ガバナー板を前記ファン室内に配置したことを特徴とするエンジン作業機。
  2. 前記風力ガバナーは、前記スロットル軸に対して直交する方向に延びるアーム部を有し、前記アーム部の一端側が前記スロットル軸に固定され、他端側が前記開口部を貫通し、
    前記開口部は、前記アーム部の前記スロットル軸を軸心とした回動を許容するように前記スロットル軸を中心とした円の線方向に細長い形状とされることを特徴とする請求項1に記載のエンジン作業機。
  3. 前記風力ガバナーは、前記アーム部から直交する方向に延びるビーム部を有し、
    前記スロットル軸及びビーム部は前記エンジンのクランク軸と平行に延びるように配置され、
    前記ガバナー板はビーム部に設けられることを特徴とする請求項2に記載のエンジン作業機。
  4. 前記アーム部と前記ビーム部を接続する直交部が、前記シリンダカバーの内側に配置されることを特徴とする請求項3に記載のエンジン作業機。
  5. 前記風力ガバナーは、前記アーム部が前記開口部を介して前記シリンダ室に延び、
    前記シリンダ室内で前記直交部にて前記アーム部に前記ビーム部が接続され、
    前記ビーム部が前記シリンダ室から前記ファン室に延びることを特徴とする請求項4に記載のエンジン作業機。
  6. 前記風力ガバナーは金属の板材をプレス加工することにより製造され、前記アーム部の一部に前記スロットル軸にネジ止めをするためのネジ穴を有することを特徴とする請求項5に記載のエンジン作業機。
  7. 前記シリンダカバーは合成樹脂製の成形によって製造され、
    前記アーム部と前記ガバナー板の間に前記ファン室を画定する壁面が位置することを特徴とする請求項6に記載のエンジン作業機。
  8. 前記ガバナー板は、前記ビーム部から前記スロットル軸の軸線に近づく方向に延びるように設けられることを特徴とする請求項7に記載のエンジン作業機。
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