JP5915485B2 - エンジン作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、チェンソーやパワーカッタ等の携帯型のエンジン作業機に関する。
エンジンを駆動源とした手持ち式つまり携帯型のエンジン作業機には、チェンソーやパワーカッタ等がある。チェンソーは木材などの作業対象物を切断するためのチェーン形の鋸刃であるソーチェーンが作業機本体に設けられている。パワーカッタは、石材やコンクリートの筋付けや切断のためのディスクカッタが作業機本体に設けられている。このようなエンジン作業機に搭載されるエンジンは、クランク軸が回転自在に装着されたクランクケースと、ピストンが直線往復動自在に組み込まれたシリンダとからなるエンジン本体を有しており、クランク軸の一方の突出端部には冷却ファンが装着され、強制空冷エンジンとなっている。冷却ファンにより生成される冷却風は、冷却ファンに対してエンジンの反対側に向けてエンジンに沿って吹き付けられてエンジンが強制冷却される。エンジン停止時には冷却ファンの回転が停止するので、エンジン停止後には自然空冷によってエンジンの冷却が行われる。
燃料と空気の混合気をエンジンに供給するために、エンジンにはインシュレータを介して気化器が装着されており、エンジンが停止すると気化器およびインシュレータの内部における混合気の流動も停止する。このため、混合気による気化器およびインシュレータの冷却効果がなくなるので、シリンダからインシュレータを介して気化器に熱伝導が発生し、気化器の温度が上昇する。気化器の温度上昇が大きくなり過ぎると、ガソリンつまり燃料の多くが蒸発することになるため、気化器からエンジンに充分な燃料を供給することができなくなり、エンジンの再始動が困難になる。特に、携帯型のエンジン作業機に用いられるエンジンは、小型化の要求が強く、インシュレータをできるだけ短くすることが求められている。このため、携帯型のエンジン作業機においては、エンジン運転時の強制空冷を効率良く行う必要があるだけでなく、インシュレータを長くすることなく気化器の温度上昇を抑えるべく、シリンダやインシュレータの自然空冷を促進して気化器の温度上昇を低減することが重要な技術課題となっている。
特許文献1には、導風リブを点火プラグの上流側にシリンダに向けて垂設し、シリンダと導風リブとの間に小隙間を形成し、点火プラグに抜ける冷却風を規制するようにしたエンジンが記載されている。
実開平6−18622号公報
しかしながら、導風リブにより点火プラグに抜ける冷却風を規制すると、点火プラグよりも下流側のシリンダにおける放熱フィンには殆ど冷却風が案内されずに、点火プラグカバーに形成された開口部から冷却風が外部に排出され、強制空冷を効果的に行うことができない。一方、エンジン停止時においては、シリンダの放熱フィンから重力方向の上方に向かう自然対流の気流が発生し、エンジンの自然空冷が行われることになる。しかしながら、強制空冷を効果的に行うために、導風リブをトップフィンにほぼ密着させるように隣接させると、自然空冷の効率の悪化を招くという悪循環が生じることになる。さらに、導風リブにより点火プラグに抜ける冷却風を規制するようにすると、自然対流の気流も導風リブにより規制されることになるので、点火プラグを露出させるために比較的大きな面積の開口部をカバーに形成しても、この開口部は自然空冷を行うことができない。しかも、自然空冷が有効となる開口部の面積は平面視における投影面積となるので、傾斜した点火プラグカバーに形成された開口部を自然空冷に有効に活用することはできない。
チェンソーやパワーカッタ等のエンジン作業機においては、一般的に、シリンダ上方に作業者が把持するためのハンドルが設けられている。このため、開口部の位置によっては、エンジン停止時において自然対流の高温の上昇気流がハンドルないしハンドルを把持する作業者の手に触れることになり、作業性を損なう恐れがある。さらに、チェンソーにおいては、そのコンパクト化のために燃料タンクキャップが冷却ファン側に設けられているのが一般的である。このため、チェンソーの使用後のエンジン停止時に給油のためにエンジン本体が横倒しつまり横置き姿勢とされることが多い。したがって、給油時等の横置き姿勢においても、効果的に自然空冷を行う必要がある。従来のエンジン作業機においては、このような横置き姿勢における冷却効率が不十分である。
このように、従来のエンジン作業機のエンジンにおいては、エンジン運転時の強制空冷とエンジン停止時のエンジン残留熱の自然空冷とを両立させて、エンジン冷却効率を高めることができない。
本発明の目的は、エンジンの冷却効率を向上することにある。
本発明のエンジンは、クランク軸が回転自在に組み込まれるクランクケース、および前記クランク軸を回転するピストンが往復動自在に組み込まれるシリンダからなるエンジン本体と、前記クランク軸により回転駆動される回転工具が装着される作業機本体とを有するエンジン作業機であって、前記クランク軸の一方の突出端部に取り付けられ、強制冷却風を生成する冷却ファンと、前記強制冷却風の排出口が前記クランク軸の他方の突出端側に設けられ、前記エンジン本体の頂部を覆うエンジンカバーと、前記エンジンカバーの内面に突出して設けられ、前記シリンダに沿って前記クランク軸の前記突出端部側から反対側に向けて流れる強制冷却風を横切る方向に伸びる導風リブとを有し、前記エンジンカバーに前記導風リブに対して強制冷却風の下流側を外部に開口させる開口部を、前記導風リブの前記エンジンカバー側の基端部に近接して設けることを特徴とする。
本発明のエンジン作業機は前記導風リブと前記開口部とを前記シリンダカバーに複数設けることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記シリンダの吸気口に取り付けられるインシュレータに対向させて前記開口部と前記導風リブとを設けることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、点火プラグよりも強制冷却風の下流側に前記開口部と前記導風リブとを設けることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記シリンダの吸気口に取り付けられるインシュレータに対向させて上流側の開口部と導風リブとを設け、点火プラグよりも強制冷却風の下流側に下流側の開口部と導風リブとを設けることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記シリンダカバーの幅方向中心部を境界として前記冷却ファン側に設けられる開口部の面積を前記冷却ファンに対して反対側に設けられる開口部の面積よりも小さくすることを特徴とする。
本発明のエンジン作業機は、自然冷却風が通過する通気開口部を、前記エンジンカバーの前記冷却ファン側の側壁部に設け、当該通気開口部よりも前記冷却ファン側に強制冷却風を前記シリンダに向けて案内する導風ガイドを設けることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記導風ガイドの先端は、前記冷却ファンの羽根よりも前記シリンダ側にまで伸びていることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記導風ガイドと前記シリンダとの間に、前記作業機本体が正立状態のときに自然冷却風を前記通気開口部に案内する隙間を形成することを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記シリンダのフィンに切欠き部を設け、当該切欠き部により前記隙間に連通する自然冷却風の流路を形成することを特徴とする。
本発明のエンジン作業機は、前記通気開口部の内周面の少なくとも一部は、前記シリンダのトップフィンよりも上方に設けられていることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記冷却ファン側の前記側壁部は、下方に向けて広がる方向に傾斜しており、傾斜した前記側壁部に前記通気開口部を設けることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、前記クランク軸の前記冷却ファン側から前記エンジンカバーに対して隙間を介して当該エンジンカバーを横切って前記クランク軸の反対側にまで伸びる操作ハンドルを前記作業機本体に設け、それぞれの前記開口部を前記クランク軸を介して前記操作ハンドルの反対側に設けることを特徴とする。本発明のエンジン作業機は、それぞれの前記開口部を迂回させて前記作業機本体にハンドルを配置し、当該ハンドルと前記それぞれの開口部とが上下方向および幅方向に重ならないようにしたことを特徴とする。
エンジンにはシリンダに向けて冷却風を生成するためにクランク軸の突出端部に冷却ファンが設けられており、冷却風はクランク軸の他方の端部側に向けて供給される。シリンダの頂部を覆うエンジンカバーの内面には、冷却ファンから吐出された強制冷却風を横切る方向に伸びて導風リブが設けられ、導風リブの下流側には開口部が設けられている。これにより、強制冷却風は開口部から外部に排出されることなく、エンジンカバーの冷却ファンに対して反対側に向けて強制冷却風がシリンダに沿って案内され、エンジン駆動時には強制冷却風によりエンジンを効率的に冷却することができる。一方、エンジン停止時にはエンジンの残留熱による上昇気流はシリンダカバーに設けられた開口部から外部に排出されるので、エンジンの自然空冷が効率的に行われる。このように、エンジンの強制冷却と自然空冷とがともに達成され、エンジンの冷却効果を向上することができる。
一実施形態のエンジン作業機としてのチェンソーを示す平面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 エンジンを運転させた強制空冷時における冷却風の流れを示す図1におけるB−B線断面図である。 エンジンを停止させチェンソーが正立状態のもとにおける自然空冷時の冷却風の流れを示す図1におけるB−B線断面図である。 図1に示されたシリンダカバーの外面を示す斜視図である。 シリンダカバーの内面を示す斜視図である。 図6の平面図である。 他の実施形態のエンジン作業機としてのチェンソーを示す平面図である。 図8における矢印C方向から見たチェンソーの背面図である。 エンジンを運転させた強制空冷時における冷却風の流れを示す図8におけるD−D線断面図である。 エンジンを停止させチェンソーが正立状態のもとにおける自然空冷時の冷却風の流れを示す図8におけるD−D線断面図である。 エンジンを停止させチェンソーが横向き状態のもとにおける自然空冷時の冷却風の流れを示す図8におけるD−D線断面図である。 図8に示されたシリンダカバーの外面を示す斜視図である。 シリンダカバーの内面を示す斜視図である。 図14の平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。エンジン作業機としてのチェンソー10は、図2に示されるように、エンジン11が組み込まれる作業機本体12を有している。エンジン11は駆動軸つまりクランク軸13が回転自在に組み込まれるクランクケース14と、ピストン15が直線往復動自在に組み込まれるシリンダ16とからなるエンジン本体11aを有しており、クランクケース14とシリンダ16はそれぞれアルミ合金により製造される。ピストン15はコネクティングロッド17によりクランク軸13に連結されており、ピストン15の往復運動がコネクティングロッド17を介してクランク軸13の回転運動に変換される。
図3および図4に示されるように、クランク軸13の一方の突出端部13aには冷却ファン18が取り付けられている。冷却ファン18は作業機本体12に取り付けられるエンジンケース11b内に収容されている。冷却ファン18はエンジンケース11bに取り付けられるファンカバー19aにより覆われており、ファンカバー19aの外側にはファンケース19bが取り付けられている。ファンケース19bの内部には始動装置つまりリコイルスタータ20が設けられており、始動用グリップ20aを操作することによりエンジン11が始動される。クランク軸13の他方の突出端部13bには、遠心クラッチ21を介してスプロケット22が連結されており、スプロケット22はクランク軸13に対して回転自在に装着されている。作業機本体12には、図1に二点鎖線で示されるようにガイドバー23が取り付けられている。ガイドバー23の周囲には回転工具としてのソーチェーン24が装着され、ソーチェーン24はスプロケット22に掛け渡されており、ソーチェーン24はエンジン11により遠心クラッチ21を介して回転駆動される。このように、クランク軸13の一方の突出端部13a側はファン駆動側端部となっており、反対側の突出端部13bは工具駆動側端部つまり出力側端部となっている。
エンジン本体11aはクランク軸13が作業機本体12に対して横方向となって作業機本体12に取り付けられている。作業機本体12の後部には後ハンドル25が後方に突出して設けられ、作業機本体12にはクランク軸13の一方の突出端部13a側から他方の突出端部13b側にエンジン11を跨ぐように操作ハンドルとしての前ハンドル26が配置されている。前ハンドル26の一端部つまりファン側の脚部26aは作業機本体12の一方側の前端部に固定され、他端部つまり工具駆動側の脚部26bは後ハンドル25に固定されている。前ハンドル26の工具駆動側の脚部26bとシリンダ16の距離は、ファン側の脚部26aとシリンダ16の距離よりも短く設定されており、作業者は右手で後ハンドル25を把持し、左手で前ハンドル26の側部を把持した状態のもとで、チェンソー10により木材等の作業対象物の切断作業を行う。作業機本体12の工具駆動側には遠心クラッチ21とスプロケット22を覆うサイドカバー27が取り付けられている。作業者は高速回転する回転工具としてのソーチェーン24が配置される回転工具側の脚部26bを把持することなく、前ハンドル26の側部つまり冷却ファン18側を把持して作業を行う。作業機本体12には前ハンドル26よりも前方側に迫り出してハンドガード28が設けられている。
図2に示されるように、シリンダ16には作業機本体12の後方側に向けてクランク軸13に対して直角方向に吸気口31が開口し、吸気口31の反対側には排気口32が作業機本体12の前方に向けて開口している。シリンダ16には吸気口31に連通する流路が設けられたインシュレータ33が取り付けられ、インシュレータ33には気化器34が取り付けられている。インシュレータ33は耐熱性を有し、シリンダ16よりも熱伝導率が極めて小さい高分子樹脂により製造されており、シリンダ16の熱が気化器34に伝わることを防止している。気化器34の入口側にはクリーナ支持部35が設けられており、このクリーナ支持部35にはフィルタエレメント36が取り付けられる。気化器34にはフィルタにより清浄化された外部空気と、図示しない燃料タンクからの燃料が供給され、気化器34により空気と燃料の混合気が生成され、混合気は吸気口31からエンジン本体11a内に供給される。供給された混合気は点火プラグ37により点火される。シリンダ16には排気口32に連通させてマフラ38がボルト39により取り付けられており、排気口32から排出される燃焼ガスはマフラ38を介して外部に排出される。
エンジンケース11bにはエンジンカバー40が取り付けられており、エンジン本体11aはエンジンカバー40により覆われている。エンジンカバー40と前ハンドル26との間には隙間が設けられており、前ハンドル26は隙間を介してエンジンカバー40を横切るように設けられている。エンジンカバー40はカバー基部41とこれに取り付けられるシリンダカバー42とを備えており、シリンダカバー42はシリンダ16の頂部を覆っている。シリンダカバー42の先端には、図5および図6に示されるように、カバー基部41に係合する係合突起43が設けられている。シリンダカバー42によりフィルタエレメント36が覆われており、インシュレータ33と気化器34の間には遮熱板44が設けられている。遮熱板44とシリンダカバー42とにより気化器室45が形成されており、気化器34は気化器室45内に収容される。気化器34を気化器室45内に組み込むことにより、木屑や粉塵等が気化器34内に流入することが防止され、気化器34やフィルタエレメント36が汚損することが抑制される。シリンダカバー42は止めねじ46によりエンジン11に取り付けられる。
図1に示されるように、冷却ファン18の冷却風吐出口18aはシリンダカバー42に向けて開口している。冷却ファン18が駆動されると、ファンケース19bの通気口29bからファンカバー19aの流入口29aに外気が流入し、冷却ファン18により強制冷却風Fが生成される。生成された強制冷却風Fはシリンダカバー42に向けて吐出される。シリンダ16の排気口32側には図2に示されるように放熱板47が取り付けられており、冷却ファン18により生成されて冷却風吐出口18aから吐出した強制冷却風Fは、図1において矢印で示すように、遮熱板44と放熱板47とシリンダ16とにより形成されるエンジン冷却室50を通って、エンジンカバー40の工具駆動端部側に設けられた排出口51から外部に排出される。シリンダカバー42の内面に沿って流れる強制冷却風Fの流れ方向を示すと、図7に矢印で示す方向となる。
シリンダカバー42の幅方向中央部は、図2および図5に示されるように、エンジン11の前方に向けて下向きに傾斜した前側傾斜壁部48aと、エンジン11の後方に向けて下向きに傾斜した後側傾斜壁部48bとを有している。シリンダカバー42のファン側にはエンジン11に向けて広がるように傾斜した傾斜側壁部49aが設けられている。シリンダカバー42の出力側には、図7および図6に示されるように、切欠き部49bが設けられており、切欠き部49bとエンジンケース11bとの間に、排出口51が形成されている。
図6および図7に示されるように、シリンダカバー42の内面にはシリンダカバー42の幅方向つまりクランク軸13に沿う方向に仕切り板52が設けられており、この仕切り板52は図2に示した遮熱板44に突き当てられる。シリンダカバー42の内面の幅方向中央部には導風板53が仕切り板52に平行に伸びてシリンダカバー42の内面から突出して設けられている。この導風板53の強制冷却風の最上流側には、導風リブ54が一体に設けられており、導風リブ54は仕切り板52と導風板53との間に連なって、強制冷却風等のように、エンジンカバー40の幅方向に流れる空気を横切る方向に伸びている。導風リブ54は、図7においてクランク軸13に対して直角方向の長手方向線をSとすると、この長手方向線Sに対して傾斜している。この傾斜方向は、導風リブ54のエンジンカバー40の先端部側が強制冷却風Fの下流側となる方向となっている。
導風リブ54の強制冷却風の下流側には、間隔を隔て4つの開口部55が設けられており、それぞれの開口部55によりシリンダカバー42の内部は前側傾斜壁部48aの部分で外部に連通している。開口部55は、導風リブ54の下流側に導風板53の伸びる方向に沿って並べて設けられており、それぞれの開口部55は導風板53の基端部の近傍に開口している。このように、開口部55は導風リブ54の下流側に設けられているので、強制冷却風が開口部55から外部に排出することが導風リブ54により阻止されることになる。導風リブ54に衝突した強制冷却風は導風リブ54によりシリンダ16の上面の前側に案内される。導風リブ54とそれぞれの開口部55は、図2に示されるように、吸気口31に取り付けられるインシュレータ33に対向しており、エンジン停止時におけるシリンダ16の残留熱により発生する自然対流の上昇気流である自然冷却風CA1が開口部55から外部に排出される。これにより、自然空冷によって素早く残留熱が外部に排出される。
シリンダカバー42の内面には、図3および図7に示されるように、点火プラグ37よりも強制冷却風Fの下流側に位置させて4つの導風リブ56a〜56dが突出しており、それぞれの導風リブ56a〜56dは強制冷却風Fを横切る方向に伸びている。それぞれの導風リブ56a〜56dは、図7に示されるように、長手方向線Sにほぼ平行となるとともに間隔を隔てて並列配置されている。4つの導風リブ56a〜56dのうち最上流側から3つの導風リブ56a〜56cは、図7に示されるように、仕切り板52側の側面が導風板53のほぼ延長上に位置しており、反対側の側面は上流側から下流側に向けて段階的にエンジン11の前方に向けて突出している。最下流側の導風リブ56dの前側面はこれに隣り合う導風リブ56cの側面とほぼ一致している。それぞれの導風リブ56a〜56dの下流側に位置させてシリンダカバー42の前側傾斜壁部48aには、開口部57a〜57dが形成されている。開口部57a〜57dは、導風リブ56a〜56dの下流側であって、導風リブ56a〜56dのシリンダカバー42の基端部の近傍に設けられており、それぞれの導風リブ56a〜56dの長手方向の寸法幅に対応する長さの長穴である。
このように、開口部57a〜57dは導風リブ56a〜56dの下流側に設けられているので、強制冷却風が開口部57a〜57dから外部に排出することが導風リブ56a〜56dにより阻止されることになる。導風リブ56a〜56dに衝突した強制冷却風の一部は、それぞれの導風リブ56a〜56dの先端面とシリンダ16の上面との間に形成される流路58を介して排出口51に流れるとともに、他の一部は導風リブ56a〜56dによりシリンダ16の上面の前側に案内される。導風リブ56a〜56dとそれぞれの開口部57a〜57dは、図3および図4に示されるように、シリンダ16のうち冷却ファン18に対して反対側の上面に対向しており、エンジン停止時におけるシリンダ16の残留熱により発生する自然対流の上昇気流である自然冷却風CA2が開口部57a〜57dから外部に排出される。これにより、自然空冷によって素早く残留熱が外部に排出される。
図示するように、シリンダカバー42には、インシュレータ33に対向する導風リブ54および開口部55が設けられるとともに、点火プラグ37よりも強制冷却風の下流側に導風リブ56a〜56dおよび開口部57a〜57dが設けられており、導風リブ54および開口部55はそれぞれ上流側の導風リブおよび開口部となっている。これに対し、導風リブ56a〜56dおよび開口部57a〜57dは下流側の導風リブおよび開口部となっている。
上流側の導風リブ54は1つのみとなっているが、4つの開口部55に対応させてそれぞれの強制冷却風の上流側に導風リブ54を設けるようにすると、上流側には4つの導風リブが設けられた形態となる。逆に、下流側には4つの導風リブ56a〜56dが設けられているが、最上流側に1つの導風リブを設けるようにすると、下流側の導風リブは1つとなる。さらに、開口部の数は上流側の開口部と下流側の開口部とを1つずつとした形態よりも、図示するように複数の開口部を上流側と下流側とに設けることにより、自然放熱効果をより高めることができる。上流側と下流側の開口部の数は上述した4つに限られることなく、任意の数に設定される。
エンジン11が駆動されると、冷却ファン18が回転することにより気流が発生する。気流はエンジンケース11bとファンカバー19aにより形成されるボリュート室59から冷却風吐出口18aにまで案内される。冷却風吐出口18aから吐出された強制冷却風Fは、点火コイル60に沿って流れた後、図1および図3において矢印で示すように、エンジンカバー40によってシリンダ16に案内され、シリンダ16を冷却した後に排出口51から外部へ排出される。このとき、強制冷却風Fは冷却風吐出口18aからまず上方に流れ、シリンダカバー42によってシリンダ16に向けて偏向される。その後、図1に示されるように、強制冷却風Fは導風リブ54によって気化器室45側からシリンダ16側に案内されてシリンダ16の前側部に向かう。これにより、強制冷却風Fがシリンダ16を冷却せずにシリンダ16と気化器室45の間を通り抜けて外部へ排出されることが防止され、強制冷却風は確実にシリンダ16に向けて案内され、エンジン11の強制冷却が効果的に行われる。
強制冷却風Fがシリンダ16に沿って流れているときには、開口部55、57a〜57dが冷却風吐出口18aよりも下流側に設けられるとともに開口部55、57a〜57dの上流側には導風リブ54,56a〜56dが設けられているので、強制冷却風Fがそれぞれの開口部から外部に排出されることがない。強制冷却風Fは点火プラグ37を通り過ぎると、導風リブ56a〜56dにより点火プラグ37の後方側に回り込む。これにより、点火プラグ37の冷却風下流側とシリンダ16の冷却風下流側を効果的に冷却することができる。また、複数の並列状態の導風リブ56a〜56dの先端面とシリンダ16との間には流路58が形成されているので、強制冷却風Fはシリンダ16の上面に沿って案内される。それぞれの開口部57a〜57dの上流側には導風リブ56a〜56dが設けられているので、強制冷却風が開口部57a〜57dから外部に漏出されることが阻止され、強制冷却風Fによるエンジン11の冷却効果が低下することはない。それぞれの導風リブ56a〜56dは全ての強制冷却風を横切る長さとはなっていないので、開口部57a〜57dから木屑等がシリンダカバー42内に侵入しても、導風リブ56a〜56dの前端側よりも前方を流れる強制冷却風によって直ちに外部に排出されることになる。これにより、木屑等の異物がシリンダカバー42内に留まることが防止される。
エンジン11の駆動が停止されると、冷却ファン18の回転が停止し、強制冷却風の流れが停止する。このときには、エンジン11の残留熱は自然対流による自然空冷により放熱される。自然空冷による上昇気流の自然冷却風CA1,CA2は、図2および図4において矢印で示すように、高温のシリンダ16ないしシリンダ16の残留熱を受けた付属部品の周囲から発生し、上方に向けて流れる。このときには、それぞれの開口部55、57a〜57dは上下方向に開口されているので、シリンダ16等の周囲から発生した気流は、その流れが妨げられることなく外部に排出される。これにより、シリンダカバー42の内部に熱が篭もらないので、シリンダ16およびインシュレータ33の自然空冷が効果的に行われる。また、インシュレータ33を介してシリンダ16の残留熱が気化器34に伝わり難くなり、気化器34の温度上昇を効果的に低減することができる。
さらに、それぞれの開口部はクランク軸13を中心として前ハンドル26に対して作業機本体12の後方側にずれて形成されており、前ハンドル26は開口部の前方側に迂回しているので、自然対流の気流が前ハンドル26および前ハンドル26を把持する作業者の手に触れることがなく、エンジン作業機の作業性を損なうことがない。また、開口部はシリンダカバー42の幅方向中心部を境界として冷却ファン側の開口面積の総和は、これと反対側つまり冷却ファン18に対して反対側の開口面積の総和よりも小さく設定されているので、自然対流の気流はクランク軸13の突出端部13b側に多く排出されることになり、冷却ファン18側に設けられたリコイルスタータ20の始動用グリップ20aを操作する作業者に手に自然対流の気流が触れることが極めて少なく、チェンソー10の再始動作業の妨げになることがない。
図8〜図15は、他の実施の形態であるエンジン作業機としてのチェンソーを示す。これらの図においては、図1〜図7に示されたチェンソーを構成する部材と共通する部材には、同一の符号が付されている。
図8〜図15に示されるチェンソー10は、エンジンカバー40の構造が図1〜図7に示されたエンジンカバー40と相違していることを除いて、上述したチェンソーと同一であり、重複した部分の説明を省略する。
図9に示されるように、エンジン11のファン側の側面には、燃料タンクキャップ61が配置されている。図2に示されるように、気化器34の下方には燃料タンク62が設けられており、燃料タンク62内への燃料供給は、エンジン11のファン側の側面が上方を向くように作業機本体12を横向き状態のもとで行われる。この横向き状態のもとでは、クランク軸13は上下方向を向くことになる。エンジン11のファン側の側面には、さらに、オイルタンクキャップ63が配置されている。マフラ38の下方には、図2に示されるように、潤滑油を収容するオイルタンク64が設けられており、図示しないオイルポンプにより潤滑油が駆動装置に供給されるようになっている。
エンジンカバー40を構成するシリンダカバー42は、上述のように、下方に向けて広がる方向に傾斜した傾斜側壁部49aを有している。冷却ファン側の側壁部である傾斜側壁部49aには、通気開口部65が設けられており、通気開口部65は、図13に示されるように、上下方向に伸びる長孔により形成されている。通気開口部65は、シリンダカバー42の前後方向に所定の隙間を隔てて複数設けられている。図12に示されるように、クランク軸13が上下方向を向くように作業機本体12が横倒し状態つまり横向き姿勢となったときには、自然冷却風が矢印CA5で示されるように通気開口部65を通過する。通気開口部65は、傾斜側壁部49aに設けられていので、エンジン本体11aが正立状態となると、斜め上方を向く。
エンジンカバー40を構成するカバー基部41には、図10〜図12に示されるように、冷却ファン18により生成された強制冷却風をシリンダ16に向けて案内する導風ガイド66が設けられている。この導風ガイド66は、強制冷却風の上流側であって、シリンダ16のシリンダフィン67のうち最上部に設けられたトップフィン67aよりもクランク軸13側に配置されている。強制冷却風は、図10において矢印Fで示されるように、トップフィン67aよりも下側に部分に沿って流れて排出口51から外部に流出するようになっている。導風ガイド66の先端68は、冷却ファン18の羽根の根元69よりもシリンダ16側にまで伸びており、強制冷却風は導風ガイド66に案内されて、確実にシリンダ16に向けて案内される。
この導風ガイド66を、図10に二点鎖線で示されるように、先端部が上向きとなるように傾斜させると、強制冷却風の一部は、図3に示されるように、トップフィン67aとシリンダカバー42との間に沿って流れることになる。導風ガイド66の傾斜角度を変化させると、トップフィン67aの上側を流れる強制冷却風と、下側を流れる強制冷却風との割合を変化させることができる。
導風ガイド66の先端68とトップフィン67aとの間に隙間71が形成されている。この隙間71は、図11に示されるように、作業機本体12が正立状態のもとで、シリンダ16に沿って上方に流れる自然冷却風をトップフィン67aよりも上方に案内する。隙間71を通過した自然冷却風は、図11に示されるように、通気開口部65から外部に排出される。この隙間71に対応させて、シリンダ16のフィンには、切欠き部72が設けられており、切欠き部72により隙間71に連通する自然冷却風の通路が形成される。これにより、隙間71を通過して通気開口部65に流れる自然冷却風が形成される。
図10に示されるように、通気開口部65の内周面全体は、トップフィン67aよりも上方となっている。しかし、内周面の少なくとも一部がトップフィン67aよりも上方となっていれば、自然冷却風を外部に排出することができる。
エンジン運転時におけるエンジン冷却の動作について説明する。クランク軸13が回転しているので、図10に示されるように、冷却ファン18により強制冷却風の気流Fが発生し、この気流によってエンジン11の強制空冷が行われる。気流Fは、ボリュート室59および冷却風吐出口18aからエンジン冷却室50に供給される。強制冷却風は、点火プラグ37に向かって上方に流れ、導風ガイド66によりシリンダ16に向けて案内されてシリンダ16に沿って流れてシリンダ16を冷却する。シリンダ16を冷却した後の強制冷却風は、サイドカバー27側の排出口51から外部に排出される。このとき、導風ガイド66が通気開口部65と冷却ファン18との間を横切るようにシリンダ16に向けて突出しているので、通気開口部65は導風ガイド66により完全に覆われることになり、強制冷却風が通気開口部65から洩れ出すことがなく、通気開口部65がエンジン冷却に悪影響を与えることが防止される。導風ガイド66の先端68は、冷却ファン18の羽根の根元69よりもシリンダ16に延在しているので、隙間71から上方に強制冷却風が洩れることが防止される。さらに、導風ガイド66により強制冷却風をトップフィン67aの下側に案内すると、開口部55、57a〜57dから気流が外部に漏れ出すことがない。一部の強制冷却風をトップフィン67aの上側に案内しても、導風リブにより開口部55、57a〜57dから気流が外部に漏れ出すことが防止される。
このように、エンジン運転時においては、エンジン11が効果的に冷却される。また、シリンダ16のシリンダフィン67は、切欠き部72以外の部分が導風ガイド66の先端68よりもエンジンカバー40の側壁に向けて延在しているので、その分の放熱面積が増大し、さらに冷却効果を高めることができる。
次に、チェンソー10が通常の操作状態である正立姿勢となっている状態におけるエンジン停止時のエンジン冷却の動作について説明する。エンジン停止時においては、クランク軸13は回転しないため、冷却ファン18も回転せず、冷却ファン18による気流は発生しない。そのため、運転中に温度上昇したエンジン11の残留熱により、エンジン表面から高温の上昇気流が発生し、自然冷却風によりエンジン冷却が行われる。このとき、吸気口31からインシュレータ33を介して気化器34へ熱伝導が起こり、気化器34の温度が上昇する。燃料がガソリンの場合には、55〜60℃でガソリン成分の多くが蒸発する。そのため、気化器34が55〜60℃に達すると、燃料タンク62から気化器34に燃料が供給されても、燃料はエンジン11に供給される前に直ちに蒸発してしまい、十分に燃料をエンジン11に供給することが困難となる。
図示するチェンソー10においては、図11に示されるように、エンジン冷却室50内に自然対流が発生する。自然冷却風CA3は、シリンダ16の各フィンから発生する高温の上昇気流であり、シリンダカバー42のサイドカバー27側の排出口51から外部に排出される。自然冷却風CA2は、図4に記載された場合と同様に、主にトップフィン67aから発生する高温上昇気流であり、開口部55、57a〜57dから外部に排出される。自然冷却風CA4はトップフィン67a、シリンダフィン67から発生する上昇気流である。トップフィン67aと他のシリンダフィン67と導風ガイド66の間には、隙間71が設けられ、さらに切欠き部72により自然冷却風の通路が形成されているので、自然冷却風CA4はスムーズにエンジン冷却室50の上方へ移動する。エンジン冷却室50の上部のシリンダカバー42に達した自然冷却風CA4は、通気開口部65の内周面の少なくとも一部がトップフィン67aよりも上方となっているので、自然冷却風CA4がエンジン冷却室50の上部に篭もることなく、スムーズにエンジンカバー40の外部に排出される。
通気開口部65がシリンダカバー42に設けられていないと、シリンダ16の冷却ファン18側で発生した高温の上昇気流は、シリンダカバー42に沿ってサイドカバー27側まで移動し、自然冷却風CA2,CA3と合流した後にエンジンカバー40の外部に排出されることになる。これに対し、冷却ファン18側で発生した高温上昇気流の自然冷却風CA4は、冷却ファン18側の通気開口部65から直ちにエンジンカバー40の外部へ排出されるので、極めて冷却効果が高くなる。さらに、通気開口部65は、図8に示されるように、前ハンドル26とは上下方向に重なっておらず、エンジン本体11aの前方側に迂回しているので、自然冷却風CA4は前ハンドル26を加熱することがない。
以上のように、エンジン停止時における熱源であるシリンダ16の自然空冷を大幅に促進することができるので、インシュレータ33を介して気化器34に熱伝導される熱量を低減することができ、気化器34の温度上昇を抑制することができる。
次に、チェンソー10が横置き姿勢となっている状態におけるエンジン停止時のエンジン冷却の動作について説明する。チェンソー10においては、燃料タンクキャップ61とオイルタンクキャップ63は、冷却ファン18側に配置されるのが一般的である。したがって、例えば、燃料タンク62に燃料給油する際には、図12に示されるように、サイドカバー27が下向きとなるように、チェンソー10は横向き姿勢に横倒しされることが多い。この状態のときには、シリンダ16およびシリンダフィン67から発生した高温上昇気流による自然冷却風CA6は、エンジンカバー40の内面に沿って上昇した後、ファンケース19bの通気口29bから外部に排出される。この自然冷却風CA6は通気口29bに向けて大きく偏向することになり、その流れはスムーズではない。特に、エンジン11のコンパクト化のために、点火コイル60がシリンダ16に取り付けられると、自然冷却風CA6の流れはスムーズとならない。
一方、トップフィン67aから発生した高温上昇気流による自然冷却風CA5は、図12に示されるように、開口部55,57a〜57dから排出さることなく、真っ直ぐに上方に向かった後に、通気開口部65から外部に排出される。この自然冷却風CA5の流れは、傷害物に干渉されることなく、極めてスムーズである。しかも、シリンダ16は点火プラグ37の近傍が最も高温になるが、点火プラグ37とその近傍のトップフィン67aから発生する高温の上昇気流である自然冷却風CA5が通気開口部65からスムーズに排出されるので、エンジン冷却効率を大幅に向上させることができる。さらに、通気開口部65は、チェンソー10が横向き姿勢となっているときにも、前ハンドル26に対して上下方向に重なることがないので、エンジンカバー40から排出された自然冷却風CA5が前ハンドル26を熱することがない。
以上により、サイドカバー27を下側とした横向き姿勢においても、エンジン停止時における熱源であるシリンダ16の自然空冷を大幅に促進することができるので、インシュレータ33を介して気化器34に伝導する熱量を低減することができ、気化器34の温度上昇を抑制することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図示するエンジン11はエンジン作業機としてのチェンソー10に搭載されているが、パワーカッタのエンジンとしても図示するエンジンを適用することができ、さらには刈払機や刈込機等の他のエンジン作業機のエンジンとしても適用することができる。チェンソー10に搭載されるエンジン11は、チェンソー10が基盤の上に配置されるときにはクランク軸13が水平となり、エンジン本体11aは上下方向を向くことになる。これに対して、エンジン本体が作業機本体に傾斜して搭載されるエンジン作業機や、クランク軸が上下方向に向いて作業機本体に搭載されるエンジン作業機においては、シリンダの頂部を覆うシリンダカバーには、エンジン作業機が基盤に配置されたときに、シリンダの頂部よりも上側となる部位に開口部と導風リブが設けられることになる。
10…チェンソー、11…エンジン、11a…エンジン本体、11b…エンジンケース、12…作業機本体、13…クランク軸、13a,13b…突出端部、14…クランクケース、15…ピストン、16…シリンダ、17…コネクティングロッド、18…冷却ファン、18a…冷却風吐出口、19a…ファンカバー、19b…ファンケース、20…リコイルスタータ、20a…始動用グリップ、21…遠心クラッチ、22…スプロケット、23…ガイドバー、24…ソーチェーン、25…後ハンドル、26…前ハンドル、27…サイドカバー、28…ハンドガード、31…吸気口、32…排気口、33…インシュレータ、34…気化器、35…クリーナ支持部、36…フィルタエレメント、37…点火プラグ、38…マフラ、39…ボルト、40…エンジンカバー、41…カバー基部、42…シリンダカバー、43…係合突起、44…遮熱板、45…気化器室、46…止めねじ、47…放熱板、48a…前側傾斜壁部、48b…後側傾斜壁部、49a…傾斜側壁部、49b…切欠き部、50…エンジン冷却室、51…排出口、52…仕切り板、53…導風板、54…導風リブ、55…開口部、56a〜56d…導風リブ、57a〜57d…開口部、58…流路、59…ボリュート室、60…点火コイル、61…燃料タンクキャップ、62…燃料タンク、63…オイルタンクキャップ、64…オイルタンク、65…通気開口部、66…導風ガイド、67…シリンダフィン、67a…トップフィン、68…先端、69…羽根の根元、71…隙間、72…切欠き部。

Claims (14)

  1. クランク軸が回転自在に組み込まれるクランクケース、および前記クランク軸を回転するピストンが往復動自在に組み込まれるシリンダからなるエンジン本体と、前記クランク軸により回転駆動される回転工具が装着される作業機本体とを有するエンジン作業機であって、
    前記クランク軸の一方の突出端部に取り付けられ、強制冷却風を生成する冷却ファンと、
    前記強制冷却風の排出口が前記クランク軸の他方の突出端側に設けられ、前記エンジン本体の頂部を覆うエンジンカバーと、
    前記エンジンカバーの内面に突出して設けられ、前記シリンダに沿って前記クランク軸の前記突出端部側から反対側に向けて流れる強制冷却風を横切る方向に伸びる導風リブとを有し、
    前記エンジンカバーに前記導風リブに対して強制冷却風の下流側を外部に開口させる開口部を、前記導風リブの前記エンジンカバー側の基端部に近接して設けることを特徴とするエンジン作業機。
  2. 前記導風リブと前記開口部とを前記エンジンカバーに複数設けることを特徴とする請求項記載のエンジン作業機。
  3. 前記シリンダの吸気口に取り付けられるインシュレータに対向させて前記開口部と前記導風リブとを設けることを特徴とする請求項1または2記載のエンジン作業機。
  4. 点火プラグよりも強制冷却風の下流側に前記開口部と前記導風リブとを設けることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
  5. 前記シリンダの吸気口に取り付けられるインシュレータに対向させて上流側の開口部と導風リブとを設け、点火プラグよりも強制冷却風の下流側に下流側の開口部と導風リブとを設けることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
  6. 前記エンジンカバーの幅方向中心部を境界として前記冷却ファン側に設けられる開口部の面積を前記冷却ファンに対して反対側に設けられる開口部の面積よりも小さくすることを特徴とする請求項記載のエンジン作業機。
  7. 自然冷却風が通過する通気開口部を、前記エンジンカバーの前記冷却ファン側の側壁部に設け、当該通気開口部よりも前記冷却ファン側に強制冷却風を前記シリンダに向けて案内する導風ガイドを設けることを特徴とする請求項1記載のエンジン作業機。
  8. 前記導風ガイドの先端は、前記冷却ファンの羽根よりも前記シリンダ側にまで伸びていることを特徴とする請求項記載のエンジン作業機。
  9. 前記導風ガイドと前記シリンダとの間に、自然冷却風を前記通気開口部に案内する隙間を形成することを特徴とする請求項または記載のエンジン作業機。
  10. 前記シリンダのフィンに切欠き部を設け、当該切欠き部により前記隙間に連通する自然冷却風の流路を形成することを特徴とする請求項記載のエンジン作業機。
  11. 前記通気開口部の内周面の少なくとも一部は、前記シリンダのトップフィンよりも上方に設けられていることを特徴とする請求項10のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
  12. 前記冷却ファン側の前記側壁部は、下方に向けて広がる方向に傾斜しており、傾斜した前記側壁部に前記通気開口部を設けることを特徴とする請求項11のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
  13. 前記クランク軸の前記冷却ファン側から前記エンジンカバーに対して隙間を介して当該エンジンカバーを横切って前記クランク軸の反対側にまで伸びる操作ハンドルを前記作業機本体に設け、それぞれの前記開口部を前記クランク軸を介して前記操作ハンドルの反対側に設けることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
  14. それぞれの前記開口部を迂回させて前記作業機本体にハンドルを配置し、当該ハンドルと前記それぞれの開口部とが上下方向および幅方向に重ならないようにしたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のエンジン作業機。
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