JP5072298B2 - 小型可搬式作業機械用の空冷エンジン - Google Patents

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本発明は主に小型可搬式作業機械に搭載される空冷エンジンに関し、詳しくは、空冷エンジンにおける冷却風の循環効率を上昇させる技術に関する。
空冷エンジンを搭載した小型可搬式作業機械は刈払機やチェーンソーを代表として屋外での草木の伐採等に用いられることが多く、その作業周辺は刈草、木屑に始まり土埃、枯葉等がエンジン周りに飛散する場合がある。このため、冷却空気の吸入口が該刈草、木屑、枯葉等によって塞がれた場合は、エンジン冷却性能の低下を招く虞がある。このような事態を防ぐためのフライホイールによるエンジン冷却の方法としては、以下の方法が公知となっている(例えば、「特許文献1」、「特許文献2」、「特許文献3」参照)。
(1)クランクケース又はファンカバーのいずれか一方に冷却風吸入口を設け、またフライホイールの該冷却風吸入口と同じ側の一面に冷却羽根を設け、該冷却風吸入口からの吸気を、該冷却羽根の回動によりシリンダへ送風し冷却する方法。
(2)クランクケースとファンカバーの両方に冷却風吸入口を設け、またフライホイールの両面に冷却羽根を設け、該冷却風吸入口からの吸気を、該冷却羽根の回動によりシリンダへ送風し冷却する方法。
特開2000−192815号公報 実開昭58−181985号公報 特開2001−355446号公報
しかし前記(1)の従来技術等では、例えばクランクケースに冷却風吸入口を設ける構成にすると、該冷却風吸入口は燃料タンクやエアクリーナ等のエンジン外装品に大部分を覆われる形態となる。そのため草木等による閉塞は比較的発生しにくい反面、作業者の視認性が悪く一度閉塞状態になった場合は気づかずに放置されやすい。また、詰まった草木等の除去に手間を要することもあり、吸入口閉塞状態での作業が継続されることがある。
一方ファンカバーに冷却風吸入口を設ける構成にすると、該冷却風吸入口はエンジン外装面に設けられているため作業者からの視認性は高く、詰まった草木等の除去は容易である反面、外装面に設けられているために草木等による閉塞を引き起こしやすいという問題がある。
即ち、特許文献1のようにフライホイールの片側で送風・冷却する構成の場合、上記のように冷却風吸入口が閉塞した時は著しくエンジン冷却性能の低下を引き起こす虞がある。
また前記(2)の従来技術である特許文献2、特許文献3のようにフライホイールの両側で送風する構成にした場合でも、クランクケース側あるいはファンカバー側のいずれか一方の冷却風吸入口が閉塞すると、閉塞した側の冷却羽根の送風能力は著しく減少してしまい、送風は主に閉塞の反対側で行われるのみとなる。フライホイールのクランクケース側とファンカバー側が、冷却羽根が配置される隔壁によって分断される構成であった場合、一方の冷却風吸入口が閉塞したときの送風量は閉塞前の50%となってしまう。
本発明は上記の課題を解決するために、上記のように冷却風吸入口の閉塞が発生しやすい状況下で作業した場合でも、冷却性能の著しい低下が発生しない空冷エンジンのフライホイールを提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、クランクケースに設けられた冷却風吸入口からの吸気をシリンダへ送風する遠心式のクランクケース側冷却羽根と、ファンカバーに設けられた冷却風吸入口からの吸気をシリンダへ送風する同遠心式のファンカバー側冷却羽根を、該クランクケースとファンカバーとに収納されているフライホイールに設けた小型可搬式作業機械用の空冷式エンジンにおいて、該クランクケース側冷却羽根とファンカバー側冷却羽根とをフライホイールの外縁部分の一部である略円盤形状の隔壁の表裏にそれぞれ該隔壁に対して立設させて、該クランクケース側冷却羽根を該クランクケースに近接させ、該隔壁の外径を該クランクケース側冷却羽根及びファンカバー側冷却羽根の外径よりも小さくし、該クランクケースに設けられた冷却風吸入口とファンカバーに設けられた冷却風吸入口とをそれぞれ該隔壁の外径の内側と外側を跨る位置に配置すると共に、それぞれの冷却風吸入口の少なくとも一部を対向する位置に形成したものである。
請求項2においては、前記フライホイールで、クランクケース側冷却羽根とファンカバー側冷却羽根を、少なくとも隔壁より外側へ突出する部分において、同位相(重ね合わせの配置)としたものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、クランクケース側冷却羽根とファンカバー側冷却羽根が配置される略円盤形状の隔壁の外径を、少なくともクランクケース側冷却羽根の外端径もしくはファンカバー側冷却羽根の外端径いずれかよりも小さく、冷却羽根外端よりフライホイール軸心側で冷却風が流通可能に構成されている。これによりクランクケース側あるいはファンカバー側いずれか一方の冷却風吸入口が閉塞した場合でも、閉塞した側の冷却羽根が負圧を発生させ、閉塞の反対側からフライホイール隔壁の外側を通じて冷却風を吸入させ、該冷却風を閉塞した側の冷却羽根を経由してシリンダへ送風することが可能となる。
本実施例の形態において、同一エンジン速度における片側の冷却風吸入口閉塞状態での冷却風量は閉塞前の75%を確保している。これは、前記の従来技術(2)で示したようにフライホイールのクランクケース側とファンカバー側が、冷却羽根が配置される隔壁によって分断される構成において、冷却風吸入口のいずれか一方が閉塞した場合の送風量が閉塞前の50%であることと比較しても冷却性能の低下は抑えられているといえる。つまり、作業環境外乱によって冷却風吸入口の片側が閉塞した場合にあっても、エンジン冷却性能の著しい低下を防ぐことが可能となるのである。
また隔壁が冷却羽根外端径より小さいので、従来技術に比較して材料使用量の削減、軽量化が図れ、製造コストを抑えることができる。
請求項2においては、クランクケース側冷却羽根とファンカバー側冷却羽根を同位相(重ね合わせの配置)とすることにより、冷却風が流通できる面積を最大に構成し、片側の冷却風吸入口が閉塞した場合に閉塞側冷却羽根の送風量の低下を最小限に抑えることが可能となる。また、冷却羽根に生じた遠心力による曲げモーメントが隔壁の両側で概ね釣り合うので、隔壁を薄く構成でき、軽量化を図ることができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の技術的範囲は実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
図1は定常時での冷却風の流れを示した空冷エンジンの縦断側面図である。
図2はクランクケース側冷却風吸入口が閉塞した状態の冷却風の流れを示した空冷エンジンの縦断側面図である。
図3はフライホイールのクランクケース側斜視図である。
図4はフライホイールのファンカバー側斜視図である。
図5は冷却風の吸入・排出状態を示した空冷エンジンの外観側面図である。
図6はクランクケースの立体斜視図である。
[全体構成]
まず本発明の一実施例における小型可搬式の空冷エンジン10の全体構成について、図1の空冷エンジンの縦断側面図により説明する。図1においては左側を前方とする。
本実施例では空冷エンジン10とフライホイール31と遠心クラッチ42の全体をカバー(シリンダケース24とファンカバー41と下部カバー等)で覆い、作業者が直接エンジンの高熱部分に触れることができない構造としている。そして、空冷エンジン10のクランク軸13の一側(前側)にフライホイール31を配置し、他側(後側)にリコイルスタータを配置し、前記フライホイール31に遠心クラッチ42等の動力断接手段を介して動力伝達軸と連結し、該動力伝達軸の他端に、本実施例では回転刃が取り付けられて、刈払機を構成している。この刈払機は空冷エンジン10前方の動力伝達軸を覆う支持パイプ、または、支持パイプより延設したハンドルを作業者が握って作業するようにしている。
前記空冷エンジン10の駆動部はシリンダケース24内に配置されるシリンダ11と、該シリンダ11内で上下摺動可能に配置されたピストン12と、該ピストン12の下方に配置されたクランク軸13と、該ピストン12とクランク軸13とを連結するコンロッド14等で構成される。シリンダ11外周には冷却フィン11a・11a・・・が設けられており、シリンダ11の表面積を大きくすることで冷却を促進させる構成となっている。クランク軸13はクランクケース21内に、ピストン12の上下摺動方向と直交する方向に軸線を向けて回動可能に軸止される。シリンダケース24の一側面には冷却風排出口24a、24a・・としてスリットが開口されている。
前記クランク軸13の一端には本発明であり後述するフライホイール31が結合され、該フライホイール31には該クランク軸13の反対側に遠心クラッチ42が結合され、該遠心クラッチ42を覆うようにクラッチドラム43が配置される。ここで、遠心クラッチ42はフライホイール31に固定される本体と、該本体に枢支される遠心体42aと、該遠心体42aと本体の間に介装して、該遠心体42aを中心側に引っ張るバネ42bより構成している。該遠心体42aは本体の外周部分に適宜間隔をあけて複数配設される。そして該クラッチドラム43には、クラッチドラム43の回動軸と同軸上で回動可能に駆動軸44が結合され、該駆動軸44の回動基部にはベアリング45が配置されてファンカバー41に回転自在に支持される。なお図1及び図2においては、駆動軸44の回動基部のみ表示し、中途部は省略している。
前記シリンダ11内での燃料の燃焼によるエネルギーはピストン12の上下往復運動となり、コンロッド14を介してクランク軸13に伝えられ、クランク軸13の回転運動へと変換される。該クランク軸13の回動はフライホイール31を介して遠心クラッチ42へと伝えられる。ここで該遠心クラッチ42の回転数が大きくなると遠心体42aの遠心力によってバネ42bを引き伸ばし、該遠心クラッチ42の一端である遠心体42aがクラッチドラム43と接合される。これによりクラッチドラム43が回動し、該クラッチドラム43の回動は駆動軸44へと伝えられ、図示しない作業部へと伝えられるのである。
[定常時の冷却構造]
次に、定常時のフライホイール31による空冷エンジン10の冷却構造について説明する。図1中の矢印は定常時での冷却風の流れを示している。図3はフライホイール31のクランクケース21側斜視図、図4はフライホイール31のファンカバー41側斜視図、図5は空冷エンジン10の外観側面図、図6はクランクケース21の立体斜視図である。図3、図4中の矢印αはフライホイール31の運転時回動方向を示す。
空冷エンジン10の運転時は、該空冷エンジン10内は前記フライホイール31によって吸入される冷却空気で冷却される。該フライホイール31は上述したとおりクランク軸13の一端に結合され、クランクケース21とファンカバー41の間に配置される。図3及び図4に示すように、該フライホイール31の外縁でクランクケース21側の一面には遠心式のクランクケース側冷却羽根31a・31a・・・が回動軸方向に立設して複数枚設けられ、フライホイール31の外縁でファンカバー41側の一面にはファンカバー側冷却羽根31b・31b・・・が回動軸方向に立設して複数枚設けられ、フライホイール31の外縁部分の一部は当該冷却羽根31a・31bの間で隔壁31cとして略円盤形状に構成される。つまり、円盤状に構成したフライホイール31の表裏の外周縁に適宜間隔をあけて冷却羽根31a・31bが設けられている。
ここで、該隔壁31cの外径は、少なくともクランクケース側冷却羽根31aの外端径(図3中のA)もしくはファンカバー側冷却羽根31bの外端径(図4中のB)いずれかよりも小さく構成されている。本実施例では、クランクケース側冷却羽根31aの外端径とファンカバー側冷却羽根31bの外端径は略同一の大きさとし、隔壁31cの外径は、クランクケース側冷却羽根31aの外端径及びファンカバー側冷却羽根31bの外端径の双方より小さい構成としている。なお本実施例においてクランクケース側冷却羽根31a・ファンカバー側冷却羽根31bはともに14枚で構成されており、回動方向に向かって湾曲した形状となっているが、該冷却羽根31a・31bについては該フライホイール31の回動によって冷却風を発生させる構造であればよく、その枚数・形状等は本実施例に限定されるものではない。
ここで冷却空気は、クランクケース21に開口されたクランクケース側冷却風吸入口21a及びファンカバー41に開口されたファンカバー側冷却風吸入口41aの二箇所から吸入される。
図1、図5及び図6に示すように、クランクケースは前後に二分割され、前側のクランクケース21の前方にフライホイール31を収納し、後方にクランク軸のバランスウエイト部分を収納する構成としている。前側のクランクケース21のフライホイール31側(前側)はお碗状に広がり、周縁端部にフランジ部を形成してファンカバー41を固定できるようにし、該クランクケース21の略中心部分にはクランク軸13を貫通させる孔21bが開口されている。そして孔21bの周囲から側方及び下方の外周方向にクランクケース側冷却風吸入口21a・21a・・・が複数開口されている。図1の空冷エンジン10の縦断側面図では、該クランクケース側冷却風吸入口21aのうち、下方の一部分のみを表示して説明している。
定常時においては図1及び図5に示すように、前記フライホイール31の回動によって該クランクケース側冷却風吸入口21aから冷却空気が吸入され、図1中の矢印に示す経路C1〜C3を通って上方のシリンダ11へと送られる。この際、クランクケース側冷却風吸入口21aから吸気するときに、その送風は同時にクランク軸13、燃料タンク22等のクランクケース21側の部品を冷却している。該燃料タンク22は下部カバーにより覆われている。
一方ファンカバー41は漏斗状に拡がる壺形状に構成され、遠心クラッチ42、クラッチドラム43等を収納している。該ファンカバー41の尖った側(前側の軸心部)は図示しない操作杆と連結され、内部に駆動軸44の回動基部が配置される。そして、該ファンカバー41の拡がった側の側面には側方から下方にかけてファンカバー側冷却風吸入口41a・41a・・・としてスリットが開口されている。
定常時においては図1及び図5に示すように、前記フライホイール31の回動によって該ファンカバー側冷却風吸入口41aから冷却空気が吸入され、図1中の矢印に示す経路D1〜D3を通って上方のシリンダ11へと送られる。この際、ファンカバー側冷却風吸入口41aから吸気し、送風すると同時に遠心クラッチ42、クラッチドラム43及びベアリング45等のファンカバー41側の部品を冷却している。
こうして空冷エンジン10を駆動すると、フライホイール31に設けた冷却羽根31a・31bの回転により、フライホイール31の下方両側に配置したクランクケース側冷却風吸入口21a及びファンカバー側冷却風吸入口41aから外気が吸入され、冷却風は上方へ送られてシリンダ11の両側面を通過して冷却した後、後面に配置した冷却風排出口24aより図1中の矢印に示す経路Eを通って作業者と反対側の後方に排出される。
[クランクケース側冷却風吸入口閉塞時の冷却構造]
次に、クランクケース側冷却風吸入口21a又はファンカバー側冷却風吸入口41aのいずれか一方が草木等によって閉塞した場合のフライホイール31による空冷エンジン10の冷却構造について、図2を用いて説明する。ここでは一例としてクランクケース側冷却風吸入口21aが閉塞した場合を説明するが、ファンカバー側冷却風吸入口41aが閉塞した場合でも略同様の効果を奏する。図2中の矢印はクランクケース側冷却風吸入口21aが閉塞した場合の冷却風の流れを示している。なお、定常時の冷却構造の説明に用いたものと同一の部品、構成については同一符号を付して説明を省略している。
クランクケース側冷却風吸入口21aが閉塞すると、前記図1中C1で示した冷却空気の流れが遮断され、フライホイール31のクランクケース21側を流れる冷却風の風量が減少する。ここで、本発明に係るフライホイール31はクランクケース側冷却羽根31aとファンカバー側冷却羽根31bが配置される略円盤形状の隔壁31cの外径を、少なくともクランクケース側冷却羽根31aの外端径(図3中のA)もしくはファンカバー側冷却羽根31bの外端径(図4中のB)いずれかよりも小さく構成している。即ち、フライホイール31のクランクケース21側とファンカバー41側が冷却羽根31a・31bの外端より内側で連通されており、冷却風が容易に流通可能に構成されているのである。
これにより、クランクケース側冷却風吸入口21aが閉塞した場合には、フライホイール31の回動によってクランクケース側冷却羽根31aが負圧を発生させる。そしてファンカバー41側からフライホイール31の外側(図2中の矢印に示す経路F1)を通じてクランクケース21側に冷却風が流入し、経路F2・F3を経由して該冷却風をシリンダ11へ送風することが可能となるのである。即ち、クランクケース側冷却風吸入口21aが閉塞してもフライホイール31のクランクケース21側を経由して冷却風を流通させることができるのである。
本実施例の形態において、同一エンジンでの回転速度における片側の冷却風吸入口閉塞状態での冷却風量は閉塞前の75%を確保している。フライホイール31のクランクケース21側とファンカバー41側が、冷却羽根31a・31bが配置される隔壁31cによって分断される構成においては、冷却風吸入口21a・41aのいずれか一方が閉塞した場合の送風量が閉塞前の50%であることと比較すると、冷却性能の低下は抑えられているといえる。つまり、作業環境外乱によって冷却風吸入口21a、41aのいずれか片側が閉塞した場合にあっても、エンジン冷却性能の著しい低下を防ぐことが可能となるのである。
また隔壁31cが冷却羽根外端径(図3中のA、図4中のB)より小さいので、従来技術に比較して材料使用量の削減、軽量化が図れ、製造コストを抑えることができる。
さらに、クランクケース側冷却羽根31aとファンカバー側冷却羽根31bは同位相(重ね合わせの配置)に構成されており、冷却風が流通できる面積が最大になるように構成されているので、クランクケース側冷却風吸入口21aが閉塞した場合でもクランクケース側冷却羽根31aの送風量の低下を最小限に抑えることが可能となるのである。また、冷却羽根31a、31bに生じた遠心力による曲げモーメントが隔壁31cの両側で概ね釣り合うので、隔壁31cを薄く構成でき、軽量化を図ることができる。
上記のような構成により、クランクケース側冷却風吸入口21a又はファンカバー側冷却風吸入口41aの閉塞が発生しやすい状況下で作業した場合でも、冷却性能の著しい低下を発生させずに作業を継続できるのである。
なお、本実施例では隔壁31cの外径を、クランクケース側冷却羽根31a及びファンカバー側冷却羽根31bの外端径よりも小さく構成したが、要はフライホイール31のクランクケース21側とファンカバー41側が、冷却風が流通可能に連通されている構成であれば同様の効果を奏する。即ち、隔壁31cの外径を冷却羽根31a・31bの外端径と同一にし、隔壁31cに連通孔または切欠を設けて冷却風を流通可能にする等の構成としても良い。
定常時での冷却風の流れを示した空冷エンジンの縦断側面図。 クランクケース側冷却風吸入口が閉塞した状態の冷却風の流れを示した空冷エンジンの縦断側面図。 フライホイールのクランクケース側斜視図。 フライホイールのファンカバー側斜視図。 冷却風の吸入・排出状態を示した空冷エンジンの外観側面図。 クランクケースの立体斜視図。
符号の説明
10 空冷エンジン
11 シリンダ
12 ピストン
13 クランク軸
21 クランクケース
21a クランクケース側冷却風吸入口
31 フライホイール
31a クランクケース側冷却羽根
31b ファンカバー側冷却羽根
31c 隔壁
41 ファンカバー
41a ファンカバー側冷却風吸入口
42 遠心クラッチ
44 駆動軸

Claims (2)

  1. クランクケースに設けられた冷却風吸入口からの吸気をシリンダへ送風する遠心式のクランクケース側冷却羽根と、
    ファンカバーに設けられた冷却風吸入口からの吸気をシリンダへ送風する同遠心式のファンカバー側冷却羽根を、
    該クランクケースとファンカバーとに収納されているフライホイールに設けた小型可搬式作業機械用の空冷式エンジンにおいて、
    該クランクケース側冷却羽根とファンカバー側冷却羽根とをフライホイールの外縁部分の一部である略円盤形状の隔壁の表裏にそれぞれ該隔壁に対して立設させて、該クランクケース側冷却羽根を該クランクケースに近接させ、
    該隔壁の外径を該クランクケース側冷却羽根及びファンカバー側冷却羽根の外径よりも小さくし、
    該クランクケースに設けられた冷却風吸入口とファンカバーに設けられた冷却風吸入口とをそれぞれ該隔壁の外径の内側と外側を跨る位置に配置すると共に、それぞれの冷却風吸入口の少なくとも一部を対向する位置に形成したことを特徴とする、
    小型可搬式作業機械用の空冷エンジン。
  2. 前記フライホイールで、クランクケース側冷却羽根とファンカバー側冷却羽根を、
    少なくとも隔壁より外側へ突出する部分において、
    同位相(重ね合わせの配置)としたことを特徴とする、請求項1に記載の小型可搬式作業機械用の空冷エンジン。
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