JP2014060958A - エンジンおよびそれを動力源とする携帯作業機 - Google Patents

エンジンおよびそれを動力源とする携帯作業機 Download PDF

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Abstract

【課題】 始動操作と給油作業の双方の作業性を大幅に向上させ、しかも、エンジンの冷却性能を向上させ易い小型空冷エンジンおよびそれを動力源とする携帯作業機業機を提供することを目的とする。
【解決手段】 駆動軸X1の一端に始動装置3を有し、始動装置3を手動にて駆動させるための始動把持部4を有し、気化器7およびエアクリーナ8からなる吸気部とマフラー10からなる排気部が駆動軸X1を介在させるよう配置され、燃料タンク6の少なくとも一部が気化器7の下方に配置される小型空冷エンジンにおいて、燃料タンク6の給油口22に取り付けられるタンクキャップを少なくとも始動把持部4より上方に配置し、かつ、始動把持部4およびタンクキャップを駆動軸X1の吸気側に配置した。
【選択図】 図1

Description

本発明は主に刈払機、送風機、チェンソー、パワーカッタなどの携帯型作業機の動力源として用いられる小型空冷エンジンおよびそれを動力源とする携帯作業機に関する。
刈払機、送風機、チェンソー、パワーカッタなどの携帯型エンジン作業機においては、好適な動力源として小型空冷エンジンが用いられている。図7は、エンジン作業機の一例である刈払機1001の外観図である。図1に示すように、小型空冷エンジンをエンジンカバー1002で覆うように構成した刈払機1001は、操作桿1005の先端に回転刃1003が取り付けられ、操作桿1005の後端にエンジンとそれを覆うエンジンカバー1002が取り付けられる。エンジンの出力は、操作桿1005内に挿通させた図示しないドライブシャフトを介して回転刃1003に伝達される。作業者は操作桿1005に取り付けられたハンドル1004を把持して、スロットルレバー1007を操作することによりケーブル1006に挿通させた図示しないワイヤーによってエンジンに供給される吸入空気量を調整して、出力およびエンジン回転数を調整することにより、刈払機1001を操作する。
特開2006−288395号公報
この種の小型空冷エンジンにおいては、特許文献1に開示されるようにエンジンの駆動軸の一端にエンジンを始動させるための始動装置と、始動操作を行うための始動把持部が設けられ、作業者は始動把持部を引っ張ることで始動装置を介してエンジンの駆動軸を回転させ、エンジンを始動させる構造が一般的である。また、駆動軸の一端に冷却ファンが取り付けられており、エンジンを覆うエンジンカバー内において冷却風を発生させることによってエンジンの冷却を行う。また、エンジンには吸入空気に燃料を供給して混合気を生成する気化器および吸入空気に含まれる粉塵等を浄化するエアクリーナからなる吸気部と、排気音を低減するマフラーからなる排気部が駆動軸を介在させるよう取り付けられている。また、燃料タンクはエンジンないし気化器およびエアクリーナの下方に配置されていて、燃料タンクには開閉可能なタンクキャップが取り付けられている。
このような携帯作業機においては小型化の要望が強いため、前述の各部品は高密度に集約されて配置される。前述の始動把持部およびタンクキャップもその例外ではないが、始動操作および給油作業は作業者が日常的に行う頻度が高い作業であるため、同時にこれらの作業性を高めることが製品として重要な課題となる。
特許文献1による従来技術においては、タンクキャップは特に高温になり易いマフラーからできるだけ距離を取るため、駆動軸に関して吸気側に片寄せして配置されている。また、給油口が上方に向かって開口するよう構成されているので、作業者は携帯作業機本体を傾けるなどの操作が不要で、タンクキャップを外せば直ちに給油できるようになっており、給油作業性を高める配慮がなされている。しかしながら、始動把持部がエンジンの後方に配置されているため、エンジンから熱を奪った高温の冷却排風によって始動把持部が温度上昇するという問題があった。対策としてはエンジンカバーの後方風窓を塞ぐことも考えられるが、そうすると冷却風の通路に必要な風窓面積を確保することができず、エンジンの冷却性能が低下し易いという問題がある。さらに、コンパクトな構成とするためにタンクキャップと始動把持部は隣接して配置されているが、タンクキャップと始動把持部が略同じ高さに配置されているので、タンクキャップの開閉操作や給油作業の際、始動把持部が干渉し易く、作業性の低下を招いていた。対策としては、タンクキャップをより上方に配置することが考えられるが、その場合は吸気部から始動把持部にアクセスすることが困難となり、操作方向がエンジン上方ないし後方に限定されるため、作業性が低下するという問題がある。また、エンジンカバーはエンジン運転中に温度上昇する部品であるため、一度エンジンを運転させた後、エンジンカバーの温度が十分に下がりきらない内に再始動のため始動把持部にアクセスすると、高い温度のエンジンカバーと接触する可能性が高く、更に作業性を悪化させていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、始動操作と給油作業の双方の作業性を大幅に向上させ、しかも、エンジンの冷却性能を向上させ易い小型空冷エンジンおよびそれを備えた携帯作業機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明では、駆動軸の一端に始動装置を有し、始動装置を手動にて駆動させるための始動把持部を有し、気化器およびエアクリーナからなる吸気部とマフラからなる排気部が駆動軸を介在させるよう配置され、燃料タンクの少なくとも一部が気化器の下方に配置される小型空冷エンジンにおいて、燃料タンクの給油口に取り付けられるタンクキャップが少なくとも始動把持部より上方に配置し、かつ、始動把持部およびタンクキャップが駆動軸の吸気側に配置したことを特徴とする。
請求項1および請求項10の発明によれば、タンクキャップを始動把持部より上方に配置したので、タンクキャップの操作および給油作業の際に始動把持部が障害になることがなく、作業性を向上できる。さらに、始動把持部をエンジン運転中に温度上昇するエンジンカバーから遠ざけて配置したので、始動作業の際にエンジンカバーに接触することがなく、更に作業性を向上できる。さらに、タンクキャップと始動把持部を共に駆動軸より吸気側に配置したので、エンジンの冷却風を通過させるための風窓面積を増大させても始動把持部の温度上昇を招くことがなく、エンジンの冷却性能を向上させ易くなる。さらに、タンクキャップを上方に配置するために必然的に気化器下方から燃料タンクを上方に向かって延在させることになるため、燃料タンク容量をも大幅に増大させることができる。また、燃料タンクを内部の燃料の油面を視認できる透明度を有する材質にすれば、燃料タンク底部からタンクキャップまでの給油状況の視認性が極めて高くなるため、燃料を入れ過ぎて溢してしまうことを防止し易くなり、より一層給油の作業性を向上できる。
請求項2および請求項11の発明によれば、タンクキャップを始動把持部よりも気化器側に配置したので、携帯作業機の後方からも始動把持部にアクセスできるので、請求項1に記載の発明と合わせて始動把持部の操作範囲を従来技術より拡大できる。また、必然的にタンクキャップを始動装置よりも前方に配置することになるので、タンクキャップをコンパクトに配置できる。
請求項3および請求項12の発明によれば、気化器と始動装置の間に必要以上にデッドスペースが発生することを防止し、積極的にデッドスペースになり得る空間を活用でき、コンパクトにタンクキャップを配置することが可能となる。
請求項4および請求項13の発明によれば、気化器中心をエンジン中心よりも前方に片寄せて配置したので、タンクキャップを配置し易くなり、よりコンパクトな配置が可能となる。また、タンクキャップと始動把持部の隙間を確保し易くなるので、始動把持部を把持し易くなり、作業性を一層向上させることができる。
請求項5および請求項14の発明によれば、始動把持部を吸排気方向に関してタンクキャップと同じないしタンクキャップより気化器側に配置したので、始動把持部をより駆動軸線から遠ざけることができる。これにより、始動操作の際の作業者とエンジンカバーとの接触を防止する効果が高まるため、作業性を一層向上させることができる。また、エンジンカバーにおいては風窓をより増加させても冷却排風によって始動把持部を温度上昇させることがないので、エンジン冷却性能を一層向上させ易くなる。
請求項6および請求項15の発明によれば、タンクキャップを気化器よりも上方に配置したので、タンクキャップをより気化器に近づけた場合でもタンクキャップの開閉作業時に作業者と気化器が接触することがなく、一層作業性を向上させることができる。また、上方に配置する分、必然的に燃料タンク容量を増大させることができる。
請求項7および請求項16の発明によれば、タンクキャップをエアクリーナよりも上方に配置したので、タンクキャップをよりエアクリーナに近づけた場合でもタンクキャップの開閉作業時に作業者とエアクリーナが接触することがなく、一層作業性を向上させることができる。また、上方に配置する分、必然的に燃料タンク容量を増大させることができる。また、エアクリーナのメンテナンス作業を行うような場合も、作業者がタンクキャップと接触することがないので、高い作業性を得ることができる。
請求項8および請求項17の発明によれば、燃料タンクにおいて始動把持部との隙間を増大させる切欠き部を設けたので、燃料タンクと始動把持部との隙間を増大させることができ、始動把持部を把持し易くなるので、作業性をより一層高めることができる。
請求項9および請求項18の発明によれば、エアクリーナを吸気側方向視において始動把持部と交差しないように形成したので、始動把持部の操作範囲をより一層拡大させることができる。
本発明の第1の実施例による小型空冷エンジンの上方視図 本発明の第1の実施例による小型空冷エンジンの吸気側方向視図 本発明の第1の実施例による小型空冷エンジンの後方視図 本発明の第1の実施例による小型空冷エンジンのA−A断面図 本発明の第2の実施例による小型空冷エンジンの上方視図 本発明の第2の実施例による小型空冷エンジンの前方視図 小型空冷エンジンを動力源とする携帯作業機の一例である刈払機の外観図
図1〜図4を用いて本発明の実施例による小型空冷エンジンを説明する。
小型空冷エンジン1において、エンジン20はエンジンカバー2に収容されている。エンジン20の図示しない駆動軸の一端には冷却ファン15が取り付けられ、他端には始動装置3が取り付けられている。始動装置3には更に作業者が始動装置3を操作するための始動把持部4が設けられている。また、駆動軸線X1に関して片側にエンジン20には吸入空気を導入するための通路を内部に形成するインシュレータ12が取り付けられる。インシュレータ12には更に吸入空気に燃料を供給して混合気を生成する気化器7と、吸入空気に含まれる粉塵等を浄化するエアクリーナ8がネジ材18によって取り付けられている。エアクリーナ8は、クリーナボデー19にクリーナカバー13をクリーナノブ9によって取り付けることで構成され、内部にフィルタエレメント14が配置されている。エアクリーナ8は吸気側方向視において、始動把持部4と交差しないよう形成されている。また、気化器7はインシュレータ12によって気化器中心線X2がエンジン吸排気方向中心線X3に関して前方に片寄せて配置されている。なお、エンジン吸排気方向中心線X3はエンジン20内に収容されるピストン21の中心を通る吸排気方向の線である。前方とは、図示しない回転刃などの先端具が配置される方向であり、反対方向を後方としている。また、駆動軸線X1に関して、気化器7およびエアクリーナ8によって構成される吸気部の反対側には、エンジン20の排気騒音を低減するためのマフラー10がエンジン20の図示しない排気口に取り付けられている。また、マフラー10の外側にはマフラーカバー11が設けられている。ここで、インシュレータ12はガスケット17と、マフラー10はガスケットと兼用の遮熱板27を介在させてエンジン20に取り付けられている。ガスケット17と遮熱板27により、エンジンカバー2の内部にはエンジン20の冷却風路が形成される。エンジン20の下方には、内部の燃料の油面が視認できる半透明の樹脂にて製造される燃料タンク6が配置されている。燃料タンク6は気化器7ないしエアクリーナ8の下方からマフラーカバー11の下方にかけて位置するよう形成される。更に、燃料タンク6には駆動軸線X1に関して吸気側において上方に延びる延在部23が形成されている。延在部23の上端は給油口22となっており、タンクキャップ5が開閉可能に取り付けられている。タンクキャップ5は始動把持部4より上方に配置されており、タンクキャップ5と始動把持部4は共に駆動軸線X1に関して吸気側に配置されている。さらに、タンクキャップ5は始動把持部4より気化器7側で、かつ、気化器7よりも始動装置3側に配置され、すなわち始動把持部4と気化器7の間に位置している。また、タンクキャップ5は気化器7よりも上方であって、更にエアクリーナ8よりも上方に配置されている。さらに、始動把持部4は左右方向に関してタンクキャップ5と略同じ位置に配置されていて、燃料タンク6の延在部23には始動把持部4と対向する部分に切欠き部24が設けられている。
このような小型空冷エンジン1において、作業者はまずタンクキャップ5を取り外して、給油口22から燃料を燃料タンク6内部に供給する。このとき、タンクキャップ5を始動把持部4より上方に配置したことで、始動把持部4が給油作業の邪魔になることがなく、高い作業性を得ることができる。さらに、タンクキャップ5を始動把持部4より上方に配置するための延在部23が必然的に形成されることにより、燃料タンク6の容量を増加させることができる。また、延在部23において現在の給油状況および後どの程度の燃料を供給可能か容易に把握することができるので、燃料を入れ過ぎて給油口22から溢してしまうことを防止し易くなる。一般的に携帯作業機は主に屋外で使用されるため、作業者は小型空冷エンジン1を作業台などではなく地面に置いた状態で給油作業を行うことが多い。従って、作業者は小型空冷エンジン1を上方から見下ろす姿勢となる。従って、従来技術において燃料タンク6の給油状況を詳細に確認するためには、作業者は顔を燃料タンク6の給油状況を確認できる程度まで地面に近づけなくてはならず、給油状況の確認は作業者にとって極めて辛い姿勢を要求するものであった。従って、容易に燃料タンク6内の給油状況が確認可能であることは、携帯作業機においては特に有利となる。また、タンクキャップ5を気化器7およびエアクリーナ8よりも上方に配置したので、延在部23によって必然的に燃料タンク6の容量がさらに増加する。また、タンクキャップ5の開閉操作時に気化器7およびエアクリーナ8と干渉することがなく、高い作業性を得ることができる。また、タンクキャップ5を始動装置3よりも前方で、気化器7と始動把持部4の間に位置するよう配置したので、従来デッドスペースとなり易かった空間を有効に活用して燃料タンク6をコンパクトに配置できる。
給油作業を終えた後、作業者は始動把持部4を手で引くことで始動装置3を介してエンジン20の図示しない駆動軸を回転させることにより、エンジン20に吸入空気および燃料が供給し、エンジン20を始動させる。このとき、駆動軸線X1に関してマフラーカバー11が位置する排気側は、マフラー10が高温になり、排気出口25から高温の排気ガスが放出されるため、作業者は吸気側に身体を配置して始動把持部4にアクセスするのが一般的である。従って、タンクキャップ5を始動把持部4より気化器7側に配置することで、作業者は操作方向Y1、Y2、Y3およびそれらの間の空間において容易に始動把持部4を操作することが可能となり、極めて高い作業性を得ることができる。また、延在部23に設けられた切欠き部24と、気化器7を気化器中心線X2がエンジン吸排気方向中心線X3に関して前方に片寄せして配置したことで、燃料タンク6と始動把持部4の隙間を十分に確保することができるため、一層作業性を高めることができる。気化器7を気化器中心線X2がエンジン吸排気方向中心線X3に関して前方に片寄せして配置するで、タンクキャップ5を始動把持部4より気化器側に配置し易くなり、よりコンパクトな配置が可能となる。また、始動把持部4を駆動軸線X1より吸気側で、さらにエンジン吸排気方向に関して始動把持部4をタンクキャップ5と略同じ位置に配置したので、始動把持部4を操作する際にエンジンカバー2と接触することがない。エンジンカバー2はエンジン運転中に温度上昇する部品であるため、一度エンジン20を運転させた後、エンジンカバー2の温度が十分に下がりきらない内に再始動のため始動把持部4にアクセスした場合、高い温度のエンジンカバー2と接触する可能性が高く、更に作業性を悪化させる。従って、始動把持部4を操作する際にエンジンカバー2と接触することを防止することにより、作業性を高めることができる。このことは、エンジンカバー2はエンジン運転中に温度上昇するため、より一層有利な効果となる。また、吸気側方向視において、エアクリーナ8を始動把持部4と交差しないよう形成したので、始動把持部4を操作方向Y1から操作する際に障害とならず、操作範囲を拡大させることができる。
エンジン20が始動すると、図示しない駆動軸の回転によって冷却ファン15が回転する。これにより、冷却風CAが発生し、エンジンカバー2に収容されるエンジン20の冷却が行われる。冷却風CAがエンジン20を冷却して高温になった後、エンジンカバー2の外部に排出される。このとき、エンジンカバー20の風窓16をエンジカバー20の後壁26の外縁に沿って一面に大きく設けても、冷却風CAは始動把持部4に当たることがなく、始動把持部4が温度上昇することがない。これによりデメリットなく冷却風CAを排出に不可欠な風窓16の面積を大きくできることは、エンジン20の冷却性能を向上させ易いことを意味するので、有利である。
次に図5と図6を用いて、第2の実施例について第1の実施例と異なる部分を説明する。
第2の実施例における小型空冷エンジン50では、タンクキャップ62と始動把持部51が共に駆動軸線X1より吸気側に配置され、タンクキャップ62は気化器53よりも前方に配置されている。タンクキャップ62は始動把持部51、気化器53、エアクリーナ52のいずれの部品よりも上方に配置されている。気化器53とインシュレータ54の間にはブラケット55が介在しており、ブラケット55の前方端部にはケーブル固定部58が設けられている。ケーブル固定部58にはケーブル59が当接されており、ケーブル59に内包されるワイヤー57が気化器53の吸入空気量を調整するためのスロットル操作部56に取り付けられている。燃料タンク60の延在部61には、ケーブル59を前方に案内するための切欠き部63が設けられている。
このような小型空冷エンジン50において、作業者はまずタンクキャップ62を取り外して、給油口66から燃料タンク60に燃料を供給する給油作業を行う。このとき、タンクキャップ62は気化器53およびエアクリーナ52のいずれの部品よりも上方に配置されているので、作業者が気化器53およびエアクリーナ52に接触することがなく、給油作業における作業性を高めることができる。さらに、タンクキャップ62が気化器53よりも前方に配置されているので、気化器53と始動把持部51の間にある程度のデッドスペースは生じるものの、始動把持部51の操作範囲を大幅に拡大させることができるので、作業性を大幅に高めることができる。ここで、タンクキャップ62を気化器53の前方に配置するだけでは、給油作業の際に作業者が図示しない駆動部を収容するケース64やエンジンケース65、気化器53、エアクリーナ52などと接触する可能性が高く、作業性を高めることが困難である。また、延在部61に切欠き部63を形成することで、ケーブル59と干渉せず、容易にタンクキャップ62を気化器53の前方に配置できる点も有利である。また、その他に第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
以上の説明によって理解されるように、本発明により始動操作と給油作業の双方の作業性を大幅に向上させ、しかも、エンジンの冷却性能を向上させ易い小型空冷エンジンおよびそれを動力源とする携帯作業機業機を提供できる。また、実施例を用いて説明したように数多くの有利な副次効果をも得ることが可能となる。
なお、第1の実施例において、冷却ファンと始動装置3および始動把持部4をそれぞれ駆動軸の異なる端部に配置したが、双方を本実施例における後方、すなわち始動装置3側に配置しても良い。また、後方側から気化器7の操作部にアクセスする必要がある場合などは、燃料タンク6に更に切欠き部を設けても良く、必要に応じて燃料タンク6に切欠き部を複数設けても良い。また、気化器中心線X2はインシュレータ12によらず、エンジン吸気口を前方に片寄せして配置することによって、エンジン吸排気方向中心線X3からずらしても良い。
また、第2の実施例において、気化器中心線をエンジン吸排気方向中心線から後方にずらすと更に有利である。そのさい、インシュレータ54をエンジン吸排気方向中心線から後方に向かって偏向させても、エンジン吸気口をエンジン吸排気方向中心線から後方に向かって偏向させても良い。また、気化器53と始動把持部51の間のデッドスペースにエアクリーナ52を介在させるよう形成し、エアクリーナ52の容量を増大させることもエンジン性能にとって有利となる。また、前方側から気化器53の操作部56にアクセスする必要がある場合などは、燃料タンク60に更に切欠き部を設けても良く、必要に応じて燃料タンク60に切欠き部を複数設けても良い。
1:小型空冷エンジン
2:エンジンカバー
3:始動装置
4:始動把持部
5:タンクキャップ
6:燃料タンク
7:気化器
8:エアクリーナ
9:クリーナノブ
10:マフラー
11:マフラーカバー
12:インシュレータ
13:クリーナカバー
14:フィルタエレメント
15:冷却ファン
16:風窓
17:ガスケット
18:ネジ材
19:クリーナボデー
20:エンジン
21:ピストン
22:給油口
23:延在部
24:切欠き部
25:排気出口
26:後壁
27:遮熱板
50:小型空冷エンジン
51:始動把持部
52:エアクリーナ
53:気化器
54:インシュレータ
55:ブラケット
56:スロットル操作部
57:ワイヤー
58:ケーブル固定部
59:ケーブル
60:燃料タンク
61:延在部
62:タンクキャップ
63:切欠き部
64:ケース
65:エンジンケース
66:給油口
CA:冷却風の流れ
X1:駆動軸線、X2:気化器中心線、X3:エンジン吸排気向中心線
Y1、Y2、Y3:操作方向
1001:刈払機
1002:エンジンカバー
1003:回転刃
1004:ハンドル
1005:操作桿
1006:ケーブル
1007:スロットルレバー

Claims (18)

  1. 駆動軸の一端に始動装置を有し、前記始動装置を手動にて駆動させるための始動把持部を有し、気化器およびエアクリーナからなる吸気部とマフラーからなる排気部が駆動軸を介在させるよう配置され、燃料タンクの少なくとも一部が前記気化器の下方に配置されるエンジンにおいて、前記燃料タンクの給油口に取り付けられるタンクキャップが少なくとも前記始動把持部より上方に配置され、かつ、前記始動把持部および前記タンクキャップが前記駆動軸の前記吸気部側に配置されたことを特徴とする携帯作業機。
  2. 前記タンクキャップが前記始動把持部より前記気化器側に配置されたこと特徴とする請求項1に記載の携帯作業機。
  3. 前記タンクキャップが前記気化器よりも前記始動装置側に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯作業機。
  4. 前記気化器が前記吸気部と前記排気部とを結ぶ中心線よりも前方に片寄せて配置されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の携帯作業機。
  5. 前記始動把持部がエンジンの吸排気方向に関して前記タンクキャップと同じないし前記タンクキャップより前記気化器側に配置されたことを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載のいずれかに記載の携帯作業機。
  6. 前記タンクキャップを前記気化器よりも上方に配置したことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の携帯作業機。
  7. 前記タンクキャップを前記エアクリーナより上方に配置したことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の携帯作業機。
  8. 前記燃料タンクにおいて、前記始動把持部との隙間を増大させる切欠き部を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の携帯作業機。
  9. 吸気側方向視において、前記エアクリーナが前記始動把持部と交差しないよう形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の携帯作業機。
  10. 駆動軸の一端に始動装置を有し、前記始動装置を手動にて駆動させるための始動把持部を有し、気化器およびエアクリーナからなる吸気部とマフラーからなる排気部が前記駆動軸を介在させるよう配置され、燃料タンクの少なくとも一部が気化器の下方に配置されるエンジンにおいて、前記燃料タンクの給油口に取り付けられるタンクキャップが少なくとも前記始動把持部より上方に配置され、かつ、前記始動把持部および前記タンクキャップが前記駆動軸の前記吸気部側に配置されたことを特徴とするエンジン。
  11. 前記タンクキャップが前記始動把持部より前記気化器側に配置されたこと特徴とする請求項10に記載のエンジン。
  12. 前記タンクキャップが前記気化器よりも前記始動装置側に配置されたことを特徴とする請求項10または請求項11に記載のエンジン。
  13. 前記気化器が吸気部と排気部とを結ぶ中心線よりも前方に片寄せて配置されたことを特徴とする税急行10ないし請求項12のいずれかに記載のエンジン。
  14. 前記始動把持部が吸排気方向に関して前記タンクキャップと同じないし前記タンクキャップより前記気化器側に配置されたことを特徴とする請求項10ないし請求項13のいずれかに記載のエンジン。
  15. 前記タンクキャップを前記気化器よりも上方に配置したことを特徴とする請求項10ないし請求項14のいずれかに記載のエンジン。
  16. 前記タンクキャップを前記エアクリーナより上方に配置したことを特徴とする請求項10ないし請求項15のいずれかに記載のエンジン。
  17. 前記燃料タンクにおいて、前記始動把持部との隙間を増大させる切欠き部を設けたことを特徴とする請求項10ないし請求項16のいずれかに記載のエンジン。
  18. 吸気側方向視において、前記エアクリーナが前記始動把持部と交差しないよう形成されたことを特徴とする請求項10ないし請求項17のいずれかに記載のエンジン。
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