JP5292272B2 - 風圧式エンジン制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、掃気通路から燃焼室へ混合気に先立って空気を導入する2サイクルエンジンに設けられる風圧式エンジン制御装置に関するものである。
例えば、ヘッジトリマや刈払機のような作業機に用いられる層状掃気2サイクルエンジンでは、空気で先導掃気するから、未燃ガスの吹き抜けが抑制され、高速回転となり易い。そこで、空冷用のファンが発生する風圧により吸気通路内に設けられた蝶型弁の開度を制御することで、吸入混合気量を調整してエンジンが許容最高回転数を超えないようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
実開昭55−25654号公報
しかしながら、特許文献1では、吸入される混合気量のみを調整し、空気量は調整されないので、空気先導掃気エンジンにそのまま適用してエンジン回転数の制御を行うのは難しい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、空気先導掃気2サイクルエンジンにおいて吸入混合気量と吸入空気量の両方を調整することで、エンジン回転数を精度よく制御できる風圧式エンジン制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る風圧式エンジン制御装置は、エンジンを空気冷却するための冷却風を生成するファンを有し、掃気通路から燃焼室へ混合気に先立って空気を導入する2サイクルエンジンに設けられる風圧式エンジン制御装置であって、前記掃気通路に前記空気および混合気をそれぞれ供給する空気通路および混合気通路と、前記ファンの生成する風圧を受けて作動し前記空気通路および混合気通路の開度をそれぞれ調整する空気制御弁および混合気制御弁と、前記空気制御弁および混合気制御弁の両方を駆動する風圧レバーとを備えている。
この構成によれば、ファンが生成する冷却風の風圧により、吸入混合気量と吸入空気量の両方が調整されるので、空燃費が適切に設定されてエンジン回転数が精度よく制御される。特に、ヘッジトリマでは枝葉の切断作業中エンジンの負荷が小さくなってエンジン速度が許容最高回転数を超えるオーバーランが生じ、例えば、回転数が10000rpmを超える場合があり、その場合、エンジンの騒音・振動が大きくなったり、切刃の動作速度が過大となって枝葉が刃に食い込まなくなり作業性を低下させたりすることがあった。他方、電子ガバナを設け、エンジン回転数が所定値を超えた場合に点火時期を遅らせて出力を低くし、エンジン回転数を強制的に下げるようにしたものもあるが、不完全燃焼によりHCおよびCOの発生量が増大する場合がある。本発明の前記構成によれば、不完全燃焼によるHC,COの発生を増大させることなく、エンジン回転数が精度よく制御され、オーバーランを防止できる。
本発明において、前記風圧レバーと、前記空気制御弁および混合気制御弁の一方とが連結され、前記一方の制御弁と他方の制御弁とがリンクにより連結されていることが好ましい。この構成によれば、簡単な構造で、空気制御弁および混合気制御弁、すなわち吸入空気量と吸入混合気量の両方を調整できる。
本発明において、前記風圧レバーの駆動により、エンジンの最高回転数で前記空気制御弁が全閉位置となるように設定されていることが好ましい。オーバーランでは負荷が小さいので、混合気制御弁の開度も小さくなるが、このとき空気制御弁が開いていると、燃料が希薄となり、許容最高回転数の設定が困難になり易い。これに対し、上記構成によれば、例えば、エンジン回転数が最高となる位置で空気制御弁が全閉となるから、混合気制御弁の開度のみでエンジン回転数の許容最高値を正確に設定できる結果、エンジンのオーバーランを効果的に防止できる。また、作業時のエンジンの姿勢により気化器の燃料ヘッドが変化することで、回転数が変動することがあったが、これに対しても、各姿勢で一定した許容最高回転数に制御でき、姿勢による回転変動を効果的に防止できる。
本発明の風圧式エンジン制御装置は、例えば、前記空気通路および混合気通路の一部分が形成されたボディと、前記風圧レバーの回動軸心まわりに回動自在な調整部材と、前記風圧レバーに一端部が、前記調整部材に他端部がそれぞれ係止され、風圧に抗して風圧レバーに閉止方向へのばね力を付加する復帰用ばね体と、前記調整部材に挿通されて調整部材を前記ボディに固定する固定部材とを備え、前記調整部材は、前記固定部材が挿通された状態で調整部材の前記回動を許す調整溝を有するものとすることができる。この構成によれば、前記調整部材の回動により、復帰用ばね体のばね力を調整して、風圧レバーの作動特性を調整し、エンジン回転数に対する空気制御弁および混合気制御弁の開度を適宜変更できる。
本発明において、前記空気制御弁および混合気制御弁を気化器と別個に設けるのが好ましい。この構成によれば、既存の気化器をそのまま利用し、これに本発明の風圧式エンジン制御装置を追加できるので、既存のエンジンの改良が容易になる。
本発明において、さらに、前記ファンを覆って前記冷却風の導風通路を形成するファンケースを備え、前記風圧レバーが、このファンケースを貫通して設けられていることが好ましい。この構成によれば、既存のファンケースに貫通孔を設けるだけで、風圧レバーを容易に装着できる。
本発明に係る風圧式エンジン制御装置によれば、ファンが生成する冷却風の風圧により、吸入混合気量と吸入空気量の両方が調整されるので、空燃比が適切に設定されてエンジン回転数が精度よく制御される。特に、ヘッジトリマでは、作業中に本機の負荷が小さくなってエンジンがオーバーランし、騒音・振動が大きくなったり、切刃の動作速度が過大となって作業性を低下させたりする場合があるのに対し、本発明によれば、エンジンの点火時期の遅延に起因した不完全燃焼によるHC,COの発生を増大させることなく、エンジン回転数が精度よく制御され、オーバーランを防止できる。
本発明の一実施形態に係る風圧式エンジン制御装置を備えたエンジンを示す一部断面した正面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 同エンジンの要部を示す一部断面した拡大側面図である。 同エンジンの要部の拡大背面図である。 同風圧式エンジン制御装置の風圧レバーの斜視図である。 同風圧式エンジン制御装置の調整部材の正面図である。 同風圧式エンジン制御装置の背面図である。 図3のVIII−VIII線に沿った断面図であり、エンジンのエンジンスタート時の空気制御弁および混合気制御弁の開度を示す。 図8に対応した断面図であり、エンジンの最高許容回転数時の空気制御弁および混合気制御弁の開度を示す。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る風圧式エンジン制御装置を備えた2サイクルエンジンを示す正面図である。この2サイクルエンジンEは、内部に燃焼室1aを形成したシリンダブロック1がクランクケース2の上部に連結されてエンジン本体EBが構成されている。シリンダブロック1の一側部(左側)には、吸気系を構成するエアクリーナ4、気化器5および調速用弁ユニット6が接続され、他側部(右側)には、排気系を構成するマフラー8が接続されており、クランクケース2の下部には燃料タンク10が取り付けられている。シリンダブロック1の内部のシリンダボア1bには、その軸心Cの方向(この例では上下方向)に往復動するピストン12が挿入されている。クランクケース2には、図2に示す軸受14を介してクランク軸16が支持されており、前記ピストン12がコンロッド18を介してクランク軸16に連結されている。シリンダブロック1の上部には図1に示す点火プラグ30が設けられている。
シリンダブロック1と調速用弁ユニット6の間には、温度の高いシリンダブロック1からの断熱を目的として、スペーサとなるインシュレータ32が設けられている。エアクリーナ4、気化器5、調速用弁ユニット6およびインシュレータ32のそれぞれの内部には、上部側に空気通路34が形成され、下部側に空気通路34とほぼ平行に混合気通路36が形成されている。両通路34,36には、エアクリーナ4からの清浄空気が供給される。気化器5は、空気通路34と混合気通路36の両方の通路面積を、円柱状の単一の回動弁38によって調節し、調速用弁ユニット6は、後述する方法で、空気通路34および混合気通路36を流れる空気Aおよび混合気Mの流量を調整する。さらに、シリンダブロック1の周壁には、その内周面に開口する排気口40aを有する排気通路40が形成され、この排気通路40からの排気ガスは、マフラー8を経て排気口8aから外部に排出される。シリンダブロック1およびマフラー8は、樹脂製のシュラウド27によってほぼ全体が覆われている。
図2に示すように、クランク軸16の一端部(前端部)に、エンジンEの出力をヘッジトリマのような作業機のドライブシャフトに伝達するための遠心クラッチ23が取り付けられており、他端部(後端部)に、フライホイ−ルを兼ねるファン20が取り付けられている。ファン20はクランクケース2に取り付けられたファンケース25により全体が覆われており、このファンケース25が冷却風Wのシリンダ等への導風通路26の一部を形成している。ファンケース25の前部には、空気吸込口25aが形成され、後部に手動式のリコイルスタータ28が取り付けられている。
前記シュラウド27は、シリンダブロック1およびクランクケース2に取り付けられて、導風通路26の他部を形成している。ファン20により生成された冷却風Wは、導風通路26を通って、図1のシリンダブロック1およびマフラー8を冷却したのち、シュラウド27に形成された通気孔27aを通って外部に排出される。その際、冷却風Wがシリンダブロック1の冷却フィン1dの間を通るように導かれてシリンダブロック1を効果的に冷却する。
シリンダブロック1およびクランクケース2には、ピストン12を挟んだ上方の燃焼室1aと下方のクランク室2aとを連通させる空気掃気通路42および混合気掃気通路44が設けられている。空気掃気通路42および混合気掃気通路44は排気通路40の軸心ECを挟んで図1の紙面に直交する前後方向に各1対設けられている。空気掃気通路42は、混合気掃気通路44よりも排気口40a寄りに形成されている。また、空気掃気通路42および混合気通路44の各々の上端の空気掃気口42aおよび混合気掃気口44aは、空気掃気口42aの上端が混合気掃気口44aの上端よりも高い位置で、かつ、排気口40aの上端よりも低い位置に設定されている。これにより、掃気行程において混合気Mよりも空気Aによる掃気が先行する、いわゆる空気先導型となっている。ただし、空気先導型ではなく、空気掃気口42aの上端を混合気掃気口44aの上端と同一またはこれよりも若干低い位置に設定してもよい。
インシュレータ32における空気通路34は、シリンダブロック1内に形成された空気導入通路43を介して空気掃気通路42の上部に連通しており、空気通路34の下流側出口に、空気導入通路43の圧力が所定値以上に上昇したときに空気通路34を閉じるリードバルブ46と、その開度(角度)を規制するストッパ45とが取り付けられている。混合気通路36は混合気口36aにおいてクランク室2aに開口している。
図3に示すように、調速用弁ユニット6のボディ47には、空気通路34および混合気通路36の開度、すなわち燃焼室1a(図1)に流入する空気Aおよび混合気Mの量をそれぞれ調整する空気制御弁48および混合気制御弁50が設けられている。
空気制御弁48および混合気制御弁50は、本実施形態ではバタフライ弁であり、それぞれ空気Aおよび混合気Mの流れに直交する方向に延びる弁軸52,54と、各弁軸52,54に設けられ、両通路34,36を開閉する弁体53,55とを有している。弁軸52,54の両端部52a,52b,54a,54bはボディ47に回動自在に支持されている。混合気制御弁50の弁軸54の一端部54aには、ファン20(図2)からの風圧を受けて、弁軸54の軸心である回動軸心C1を中心に回動する風圧レバー58が連結され、各弁軸52、54の他端部52b,54bがリンク機構59により連結されている。このように、調速用弁ユニット6、風圧レバー58およびリンク機構59により、風圧式エンジン制御装置60が構成されている。
図4に示すように、風圧レバー58は、基部56が弁軸54の一端部54a(図3)にねじ体のような取付部材104によって固定されており、この基部56から延びたレバー部57が、ファンケース25に設けた貫通孔であるスリット29を貫通してファンケース25の内側の導風通路26に臨んでいる。レバー部57には、冷却風Wの風圧(動圧)を受けるほぼ矩形の受圧片57aが形成されている。
図5に示すように、風圧レバー58は、1枚の金属板材の折り曲げ加工により作製されている。レバー部57は、回動軸心C1と直交する表裏面を有する支持片57bを有し、この支持片57bからほぼ90°折り曲げられて、冷却風Wとほぼ直交する受圧面(風受け面)68を有する前記受圧片57aが形成されている。支持片57bにおける基部56の近傍には凹所からなる第1係止片75が形成されている。基部56には、ねじ体のような取付部材104(図3)の挿通孔56aが形成され、さらに下限ストッパ56bと上限ストッパ56cとが形成されている。下限ストッパ56bおよび上限ストッパ56cは、図4に示すボディ47に固定されたピンからなる下限規制部80および上限規制部82にそれぞれ当接して、風圧レバー58の下限位置と上限位置を規制する。
風圧レバー58の基部56の内側には、調整部材74が配置されている。この調整部材74は板金からなり、図6に示すように、弁軸54に挿通される挿通孔74aおよび、この挿通孔74aと同心、つまり風圧レバー58(図4)の回動軸心C1と同心の、円弧状に延びる調整溝76が形成されている。調整部材74にはさらに、凹所からなる第2係止部77が形成されている。挿通孔74aを弁軸54に挿通し、調整溝76にボルトのような固定部材78を挿通して、図4に示すように、ボディ47に締め付けることで、調整部材74をボディ47に固定している。
調整部材74と風圧レバー58の基部56との間に、図3に示すように、風圧に抗して風圧レバー58にばね力を付加する復帰用ばね体72が介装されている。復帰用ばね体72はコイルばねからなり、コイルばねの一端部72aが、図4の風圧レバー58の前記第1係止部75に係止され、他端部72bが、調整部材74の前記第2係止部77に係止されている。図6に示すように、調整部材74は、固定部材78を緩めることで、固定部材78が調整溝76に挿通された状態で、調整溝76にガイドされて回動軸心C1まわりに回動する。これにより調整部材74を任意の周方向位置に設定することができる。
図3に示すリンク機構59は、基端部が空気制御弁48の弁軸52の他端部52bにボルトのような締結部材100で固定された空気制御弁レバー61と、基端部が混合気制御弁50の弁軸54の他端部54bにボルトのような締結部材102で固定された混合気制御弁レバー62とを有し、さらに、図7に示すように、空気制御弁レバー61と混合気制御弁レバー62の先端部同士を連結するリンク棒64を有している。リンク棒64は、空気制御弁レバー61および混合気制御弁レバー62に設けた係止孔61a,62aに遊びを持って係止されている。これにより、図3の風圧レバー58の回動と一体的に混合気制御弁50の弁軸54が回動し、この弁軸54の回動に伴って空気制御弁48の弁軸52が回動して、空気制御弁48および混合気制御弁50が開閉動作し、空気通路34と混合気通路36の開度が調整される。空気制御弁レバー61および混合気制御弁レバー62とボディ47との間に、弁軸52,54の軸方向へのがた付きを防止するための圧縮ばね63,65がそれぞれ介装されている。
図7に示すように、空気制御弁レバー61と混合気制御弁レバー62とは、レバー長が異なっている。つまり、弁軸52の軸心C2と係止孔61aとの間隔が、弁軸54の軸心C1と係止孔62aとの間隔と異なっており、これにより、空気制御弁レバー61と混合気制御弁レバー62の回動する位相が異なっている。本実施形態では、空気制御弁レバー61が混合気制御弁レバー62よりも短くなっており、これにより、図3の弁体53,55が全開状態から、リンク機構59により連動して閉動作に入った場合、図7に示すように、両レバー61,62が矢印R1,R2で示す方向に回動して、空気制御弁レバー61の回動する位相が混合気制御弁レバー62よりも進んで早く全閉になるように設定されている。
復帰用ばね体72の復元力は、図4の調整部材74の周方向の位置を調整することにより調節され、エンジンの許容最高回転数で空気制御弁48(図3)が全閉位置となるように設定されている。具体的には、図8に示すように、アイドリング回転数で、空気制御弁48と混合気制御弁50の両方が全開位置にあり、エンジンの許容最高回転数で、図9に示すように、空気制御弁48の弁体53と空気Aの流れ方向とのなす傾斜角θ1が約75°のほぼ全閉状態となり、混合気制御弁50の弁体55と混合気Mの流れ方向とのなす傾斜角θ2が約46°の中間開度となるように設定されている。ヘッジトリマでのエンジンの許容最高回転数は、例えば9000〜10000rpmである。
上記構成の2サイクルエンジンは次のように動作する。吸気行程において、図1のシリンダブロック1内のピストン12が上死点付近に至る前より、クランク室2aの内部が負圧状態となったときに、混合気Mがシリンダブロック1の内周面に開口する混合気口36aからクランク室2a内へ直接導入される。このとき、クランク室2aに連通している空気掃気通路42も負圧になるので、この空気掃気通路42に連らなる空気導入通路43が負圧になって、インシュレータ32の空気通路34の出口に取り付けたリードバルブ46が開放され、空気通路34からの空気Aが空気導入通路43を通って一旦、空気掃気通路42の上部に導入される。このように、吸気行程において、クランク室2aの負圧を受けてリードバルブ46が開放しているときは、空気掃気通路42の上部に常に空気Aが導入される。
つづいて、掃気行程では、まず、シリンダブロック1の内周面における開口位置が若干高い空気掃気口42aから、空気Aが燃焼室2a内に先に導入され、若干遅れて混合気掃気口44aから混合気Mが燃焼室2a内に導入され、しかも、空気Aの方が混合気Mよりも排気口40a寄りから燃焼室1aに導入されるので、先に導入された空気Aが混合気Mをブロックする形となって、混合気Mが排気通路40から外部へ漏出する吹き抜けが効果的に抑制される。
エンジンEのスタート前、つまりエンジン停止中には、図4の風圧レバー58の下限ストッパ56bがボディ47の下限規制部80に当接して、図8に示すように、空気制御弁48および混合気制御弁50がほぼ全開状態となるように初期設定されている。エンジン停止中は、冷却風Wがないので、風圧レバー58に復帰用ばね体72の復元力のみが作用している。
エンジンEが始動すると、ファン20が回転して冷却風Wを生成し、この冷却風Wが風圧レバー58の受圧片57aの風受け面68に作用する。このとき、図1の気化器5の回動弁38は最も低い開度状態にある。図示しないスロットルの操作により、回動弁38の開度を大きくすると、空気Aと混合気Mの供給量が増大してエンジン回転数が上昇する。これにより、図4の冷却風Wが受圧片57aの風受け面68に作用する冷却風Wの風圧が、復帰用ばね体72の復元力よりも大きくなると、風圧レバー58が回動軸心C1を中心に時計回りに回動する。これに伴い、風圧レバー58に連結された図3の混合気制御弁50と、リンク機構59を介して混合気制御弁50に連結された空気制御弁48とが駆動して、空気通路34と混合気通路36をそれぞれ閉じ始める。
エンジン回転数がさらに上昇して許容最高回転数に達すると、図9に示すように、空気制御弁48が傾斜角θ1=75°のほぼ全閉状態となり、燃焼室1aへ空気Aが供給されなくなる。他方、混合気制御弁50は、上述のように、空気制御弁48よりも回動動作の位相が大きいから、空気制御弁48が全閉しても全閉とはならないで、傾斜角θ2=46°の中間開度状態である。これにより、混合気制御弁50の開度のみでエンジン回転数の許容最高値を調節できることとなる結果、許容最高値を正確に設定できるので、エンジンのオーバーランを効果的に防止できる。つまり、エンジン回転数が許容最高回転数を超えようとしても、空気の供給量は殆どなくなり、混合気Mの供給量も増えないから、許容最高回転数を超えるのが効果的に防止される。また、図4の上限規制部82により、風圧レバー58の回動範囲が規制されているので、エンジンが許容最高回転数を超えて回転した場合でも、図9の空気制御弁48の弁体53が、75°以上回動して空気通路34の内面に噛み込むことはない。
上述のとおり、図4の空冷ファン20が生成する冷却風Wにより、吸入混合気量と吸入空気量の両方が調整されるので、例えば、エンジン回転数の増加に伴って、図3の空気制御弁48の方を混合気制御弁50よりも早く閉じることにより、空燃比が適切に設定されて、エンジン回転数が精度よく制御され、その結果、オーバーランを防止できる。また、エンジンの点火時期の遅延に起因して、不完全燃焼によるHC,COの発生が増大することもない。
また、風圧レバー58と混合気制御弁50とが締結部材104により連結され、さらに、混合気制御弁50と空気制御弁48とがリンク機構59により連結されているので、簡単な構造で、空気制御弁48および混合気制御弁50の両方が制御され、その結果、吸入空気量と吸入混合気量の両方をエンジン回転数に応じて調整できる。
風圧レバー58の駆動により、図9に示すように、エンジン最高回転数で空気制御弁48が全閉位置となるように設定されているので、希薄により許容回転数の設定が困難になるのが解消され、作業時の姿勢によって気化器5(図1)の燃料ヘッドが変化した場合でも、エンジン回転数が最高となる位置で空気制御弁48が全閉となるから、混合気制御弁50の開度のみでエンジン回転数の許容最高値を正確に設定できる結果、エンジンのオーバーランを効果的に防止できる。
また、図4の調整部材74の回動により、復帰用ばね体72のばね力を調整して、風圧レバー58の作動特性を調整しているから、エンジン回転数に対する図3の空気制御弁48および混合気制御弁50の開度を、所望のエンジン出力特性に合わせて適宜変更することができる。
空気制御弁48および混合気制御弁50が気化器5(図1)と別個に設けられているので、既存の気化器をそのまま利用し、これに風圧式エンジン制御装置60を追加できるから、既存のエンジンの改良が容易になる。
さらに、図4の風圧レバー58が、ファンケース25のスリット29に挿通されることによって、ファンケース25を貫通して設けられているので、既存のファンケース25を有するエンジンEに風圧レバー58を容易に装着できる。
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、この実施形態では、図1の気化器5とインシュレータ32との間に調速用弁ユニット6を設け、この調速用弁ユニット6に空気制御弁48および混合気制御弁50を設けているが、両弁48,50を気化器5の開閉弁として共用してもよい。その場合、調速用弁ユニット6を省略することができる。また、本実施形態では、空気制御弁48および混合気制御弁50に蝶型弁が用いられているが、弁はエンジンの許容回転数を制御できればよく、円柱弁等でもよい。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1a 燃焼室
5 気化器
6 調速用弁ユニット
20 ファン
25 ファンケース
34 空気通路
36 混合気通路
42 空気掃気通路
44 混合気掃気通路
47 ボディ
48 空気制御弁
50 混合気制御弁
58 風圧レバー
59 リンク機構
60 風圧式エンジン制御装置
72 復帰用ばね体
72a ばね体の一端部
72b ばね体の他端部
74 調整部材
76 調整溝
78 固定部材(ねじ)
A 空気
C1 風圧レバーの回動軸心
E エンジン
M 混合気
W 冷却風

Claims (5)

  1. エンジンの冷却風を生成するファンを有し、掃気通路から燃焼室へ混合気に先立って空気を導入する2サイクルエンジンに設けられる風圧式エンジン制御装置であって、
    前記掃気通路に前記空気および混合気をそれぞれ供給する空気通路および混合気通路と、
    前記空気通路および混合気通路の開度をそれぞれ調整する空気制御弁および混合気制御弁と、
    前記冷却風の風圧を受けて作動し前記空気制御弁および混合気制御弁の両方を駆動する風圧レバーとを備え
    前記風圧レバーの駆動により、エンジンの許容最高回転数で前記空気制御弁が全閉位置となるように設定されている風圧式エンジン制御装置。
  2. 請求項1において、前記風圧レバーと、前記空気制御弁および混合気制御弁の一方とが連結され、前記一方の制御弁と他方の制御弁とがリンクにより連結されている風圧式エンジン制御装置。
  3. 請求項1または2おいて、前記空気通路および混合気通路の一部分が形成されたボディと、
    前記風圧レバーの回動軸心まわりに回動自在な調整部材と、
    前記風圧レバーに一端部が、前記調整部材に他端部がそれぞれ係止され、風圧に抗して風圧レバーに閉止方向へのばね力を付加する復帰用ばね体と、
    前記調整部材に挿通されて調整部材を前記ボディに固定する固定部材とを備え、
    前記調整部材は、前記固定部材が挿通された状態で調整部材の前記回動を許す調整溝を有する風圧式エンジン制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項において、前記空気制御弁および混合気制御弁が気化器と別個に設けられている風圧式エンジン制御装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項において、さらに、前記ファンを覆って前記冷却風の導風通路を形成するファンケースを備え、前記風圧レバーが、このファンケースを貫通して設けられている風圧式エンジン制御装置。
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