JP2020020268A - 2サイクルエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、低回転域での出力向上を図ることができる2サイクルエンジンを提供する。【解決手段】2サイクルエンジンEは、吸気通路44の開度を制御する吸気弁50、排気ポート23aの開口タイミングを制御する排気弁52、およびこれら吸気弁50と排気弁52とを連結する連結機構54を備えている。連結機構54は、吸気弁50の開度が低いほど排気ポート23aの開口タイミングが遅れるように構成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、チェーンソーや刈払機のような携帯型の作業機に用いられる小形の2サイクルエンジンに関するものである。
2サイクルエンジンにおいて、排気ポートのシリンダ側に排気弁を設け、排気ポートの開口タイミングを調整できるようにしたものがある(例えば、特許文献1)。このようなエンジンでは、高回転域で排気タイミングを早めて出力の向上を図るとともに、低回転域で排気タイミングを遅らせてトルクを大きくするようにしている。
特開昭63−309719号公報
しかしながら、特許文献1では、サーボモータ、回転センサ、制御手段(マイクロコンピュータ)等の高価な装置が必要となる。そのため、小形の2サイクルエンジンに適用するのは難しい。
本発明は、簡単な構成で、低回転域での出力向上を図ることができる2サイクルエンジンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の2サイクルエンジンは、吸気通路の開度を制御する吸気弁と、シリンダボアに開口する排気ポートの開口タイミングを制御する排気弁と、前記吸気弁の開度が低いほど前記排気ポートの開口タイミングが遅れるように前記吸気弁と前記排気弁を連結する連結機構とを備えている。
この構成によれば、連結機構により、吸気弁の開度が低いほど排気ポートの開口タイミングが遅れるように設定されているので、低回転域で圧縮比が大きくなって出力が向上する。また、連結機構は、吸気弁と排気弁を連結するだけで、サーボモータ、回転センサ等の装置が不要であり、構成も簡単である。
本発明において、前記排気弁は、ロータリー弁であってもよい。この場合、前記排気弁は、一端部の支点回りに回動する板状の弁体を有していてもよい。さらに、前記排気弁は、前記排気ポートの上縁の、前記シリンダボアの軸心方向位置を変化させてもよい。この構成によれば、既存の排気弁に、本発明の連結機構を適用できる。
本発明において、前記連結機構は、前記吸気弁の弁軸と前記排気弁の弁軸とを連結する連結ワイヤを含んでもよい。この構成によれば、連結ワイヤにより吸気弁と排気弁を連結するという簡単な構成で、低回転域での出力向上を図ることができる。
前記連結ワイヤを含む場合、前記吸気弁は、スロットルレバーとの第1連結部と前記排気弁に連結された前記連結ワイヤとの第2連結部とを有する吸気レバーを含むロータリー弁であってもよい。この構成によれば、既存の吸気レバーを利用して、連結機構を構成することができる。
この場合、前記第1連結部と前記第2連結部とは、前記吸気弁の弁軸心からの距離が異なっていてもよい。この構成によれば、第1連結部と第2連結部とでレバー比が異なる。これにより、吸気弁と排気弁とで移動量が異なる場合でも、簡単な構成の連結機構により、容易に低回転域での出力向上を図ることができる。
前記連結ワイヤを含む場合、前記排気弁は、前記連結ワイヤに連結されて回転する第1歯車と、前記第1歯車に噛合して弁体を回動させる第2歯車とを有していてもよい。この構成によれば、前記レバー比に加えて、または前記レバー比に代えて、第1歯車と第2歯車のギヤ比を変えることでも、吸気弁の回動量と排気弁との回動量を異ならせることができる。これにより、吸気弁と排気弁とで移動量が異なる場合でも、簡単な構成の連結機構により、低回転域での出力向上を図ることができる。
前記排気弁が前記第1歯車および前記第2歯車を有する場合、前記第1歯車および前記第2歯車は減速歯車列を形成しており、前記第2歯車に、前記排気弁を進出位置に回動させるばね力が付加されていてもよい。この構成によれば、連結機構の長さ調整が容易になる。直径の大きい第2歯車に巻きばねを装着することで実現できるので、組立も容易である。吸気弁が全閉すると、戻りばねにより、排気弁が低回転用の進出位置に戻る。
本発明の2サイクルエンジンによれば、簡単な構成で、低回転域での出力向上を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係る2サイクルエンジンを搭載した刈払機を示す斜視図である。 同エンジンを示す正面断面図である。 同エンジンのシリンダと気化器を示す正面断面図である。 同エンジンのシリンダと気化器を示す水平断面図である。 同エンジンの連結機構を示す底面図である。 同エンジンのシリンダを示す水平断面図である。 同シリンダの排気ポートの開口タイミングを示す縦断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本明細書において、「前後方向」とはエンジンのクランク軸の軸心方向をいい、「上下方向」とはシリンダボアの軸心方向をいい、「左右方向」とは前後方向と上下方向の両方に直交する方向をいう。
図1は、本発明の第1実施形態に係る2サイクルエンジンEを搭載した携帯型作業機の一種である刈払機101を示す。刈払機101は、アルミニウム合金のような金属製の長いメインパイプ102を有し、その基端部にエンジンEが取り付けられている。メインパイプ102の先端部に作業工具としての回転式刈刃103が取り付けられている。メインパイプ102の内部に、鉄系のドライブシャフト(図示せず)が挿通され、ドライブシャフトの基端がエンジンEに連結され、先端部が回転式刈刃103に連結されている。
メインパイプ102には、エンジンEの近傍箇所に肩掛け用ベルト104とU字状のハンドル107とが取り付けられている。作業者はベルト104を肩に掛けることによって刈払機101を保持し、ハンドル107の両端部のグリップ108を握って操作することで刈刃103により雑草などを刈り取る。刈刃103の回転数は、ハンドル10の一端部近傍に設けられたスロットルレバー109の操作により調節される。
図2に示すように、2サイクルエンジンEは、内部に燃焼室1aを形成したシリンダ1が、クランク室2aを形成するクランクケース2の上部に連結されている。このシリンダ1は、シリンダボア1cの外周を形成するシリンダ部分と、その上方のシリンダヘッド部分とを一体形成したものである。シリンダ1およびクランクケース2はそれぞれ、アルミニウム合金のような金属製であり、成形型(鋳型)により成形される。シリンダ1の外周には冷却フィン1bが形成されている。
シリンダ1の左右の一側部(図2の左側)には、吸気系を構成する気化器3とエアクリーナ4が接続され、左右の他側部(図2の右側)には排気系を構成するマフラ7が接続されている。シリンダ1の前方(図2の手前)とマフラ7のシリンダ1側を除く外周囲は、シュラウド5により覆われている。クランクケース2の下部には燃料タンク8が取り付けられている。
シリンダ1の内側に前記シリンダボア1cが形成されて、このシリンダボア1c内に軸心方向C1(上下方向)に往復動するピストン9が挿入されている。クランクケース2に前後一対のクランク軸受10,10を介して、クランク軸11が回転自在に支持されている。このクランク軸11の軸心から変位した位置に、中空状のクランクピン12が設けられている。
クランクピン12とピストン9に設けた中空状のピストンピン13との間が、大端部軸受14および小端部軸受17を介してコンロッド18により連結されている。クランク軸11にはクランクウェブ19が設けられ、シリンダ1の上部には点火プラグPが設けられている。シリンダ1と気化器3の間には、高温のシリンダ1からの断熱を目的として、樹脂のような遮熱材料からなるインシュレータ20が設けられている。
図3に示すように、インシュレータ20内には、下部側にシリンダ1に連通する空気通路21の一部が形成され、上部側にシリンダ1に連通して空気通路21に平行に配設された混合気通路22の一部が形成されている。空気通路21と混合気通路22が吸気通路44を形成する。シリンダ1の周壁には、混合気通路22からの混合気Mをシリンダボア1cに導入する吸気ポート22aが形成され、さらに、シリンダ1の内周面、すなわちシリンダボア1cに開口する排気ポート23aを有する排気通路23が形成されている。この排気通路23からの排気ガスは、図2に示すマフラ7を経て外部に排出される。
図2のシリンダ1とクランクケース2の内部には、燃焼室1aとクランク室2aとを連通させる掃気通路25が設けられている。掃気通路25は、混合気と空気の両方が導入される第1掃気通路部分26および第2掃気通路部分27を含む。
第1および第2掃気通路部分26,27の上端の第1および第2掃気口26a,27aは、排気ポート23aの上端よりも若干低い位置に設定されている。また、第2掃気口27aの上縁が第1掃気口26aの上縁よりも高い位置に設定されている。これにより、ピストン7が下降する掃気行程において、混合気Mよりも空気Aによる掃気が優先されるようになっている。図2に示すように、第1および第2掃気通路部分26,27の2つの下端は軸受10の付近でシリンダ内周面に開口している。第1および第2掃気通路部分26,27の第1および第2掃気口26a,27aはシリンダ1の内面に開口している。
図4に示すように、吸気通路44および排気通路23の軸心C2,C3は、シリンダ軸心(シリンダボア軸心)C1方向から見て略同一線上にある。第1および第2掃気通路部分26,27は、吸気通路44の軸心C2、または、排気通路23の軸心C3を中心にして対称に前後に各一対設けられている。第2掃気通路部分27は、第1掃気通路部分26よりも排気ポート23a寄りに形成されている。
図3に示すシリンダ1の内部には、インシュレータ20の空気通路21からの空気Aをシリンダ1内の単一のバルブ室35を経たのち第1および第2掃気通路部分26,27に連通させる空気分岐通路30が形成されている。詳細には、第1および第2掃気口26a,27aを含む掃気通路上部26b,27bと空気通路21とが、空気分岐通路30を介して連通されている。
インシュレータ20における空気通路21の下流側出口には、バルブ室35が形成されている。このバルブ室35に単一のリードバルブ36が収納され、その基端部がねじ体37によりインシュレータ20に取り付けられている。リードバルブ36は、空気通路21に連なる空気分岐通路30の圧力が所定値以上に上昇したときに、空気通路21を閉じる。換言すれば、リードバルブ36は、気化器3とシリンダボア1cとの間の中間部における空気通路21に配置され、空気の逆流を阻止する。空気通路21からの空気Aは、リードバルブ36の開放によって、図4の空気分岐通路30を経て、第1および第2掃気通路部分26,27の掃気通路上部26b,27bに導入される。
混合気通路22は、図3に示すインシュレータ20の混合気通路22の出口から斜め下方に直線状に延びて吸気ポート22aに連通する傾斜通路部40を有している。傾斜通路部40は、インシュレータ20からシリンダボア1cに向かって下方に傾斜して延びる。図4に示すように、傾斜通路部40は、空気分岐通路30,30の間を通ってシリンダボア1cに延びている。
図3に示すように、エンジンEは、吸気通路44の開度を制御する吸気弁50と、排気ポート23aの開口タイミングを制御する排気弁52と、これら吸気弁50と排気弁52を連結する連結機構54とを備えている。連結機構54は、吸気弁50の弁軸50aと排気弁52の弁軸52bとを連結する連結ワイヤ56を有している。吸気弁50および排気弁52は、ロータリー弁の一種である。
連結機構54は、吸気弁50の開度が低いほど排気ポート23aの開口タイミングが遅れるように構成されている。つまり、吸気弁50の開度が大きな高回転域では、排気弁52は、二点鎖線で示すように、上方に回動して、その先端面52aが上方に位置するように制御される。一方、吸気弁50の開度が小さな低回転域では、排気弁52は、実線で示すように、下方に回動し、その先端面52aが下方に位置するように制御される。
吸気弁50は気化器3に設けられている。詳細には、気化器3における上方に混合気通路22の一部が形成され、下方に空気通路21の一部が形成されている。気化器3内の混合気通路22の上部に、燃料を混合気通路22に供給する燃料供給機構55が配置されている。燃料供給機構55の構成は公知である。気化器3内の吸気通路44に、吸気弁50が設けられている。
吸気弁50は、混合気通路22と空気通路21を径方向(上下方向)に貫通した円柱状の単一の弁体58を有する。弁体58には、空気通路21の一部を形成する円形の貫通孔58aと、混合気通路22の一部を形成する円形の貫通孔58bが設けられている。気化器3の下端に、弁駆動機構60が設けられている。弁駆動機構60は、吸気弁50の弁体58を回動させる。この弁体58の回動によって、混合気と空気の両方が制御される。
本実施形態では、気化器3の上部に燃料供給機構55が配置され、気化器3の下端に弁駆動機構60が設けられているが、気化器3の上端に弁駆動機構60が配置され、気化器3の下部に燃料供給機構55が設けられていてもよい。この場合、気化器3の上方に空気通路21の一部が形成され、下方に混合気通路22の一部が形成される。
弁駆動機構60とスロットルレバー109とが、スロットルワイヤ62で接続されている。作業者が、スロットルレバー109(図1)を操作すると、スロットルワイヤ62を介して、弁駆動機構60により吸気弁50の弁体58が回動される。つまり、作業者がスロットルレバー109を操作しない状態(停止状態)では、下側の貫通孔58aは、二点鎖線で示すように、吸気通路44とは連通しておらず、空気Aは吸気通路44を流れない。一方、上側の貫通孔58bは、アイドルセットスクリュー63(図5)により、所定のアイドリング回転数に設定される。つまり、貫通孔58bが吸気通路44と僅かに連通する程度に、弁体58の開度が設定される。
作業者がスロットルレバー109を操作すると(運転状態)、弁体58が弁軸50a回りに回動し、貫通孔58a,58bが吸気通路44に連通する。図3の実線で示す弁体58の貫通孔58a,58bは、全閉状態(二点鎖線で示す状態)から弁軸50a回りに90°回動した全開状態を示している。
図5は、図3の気化器3の弁駆動機構60を矢印Vから見た底面図である。図5の吸気弁50の弁駆動機構60に、吸気レバー64が回動自在に取り付けられている。吸気レバー64に吸気弁50の弁軸50aの下端が固定されており、吸気レバー64が回動すると、弁体58(図3)が回動する。
吸気レバー64は、スロットルワイヤ62が連結される第1連結部66と、連結ワイヤ56が連結される第2連結部68とを有している。つまり、作業者がスロットルレバー109(図1)を操作すると、スロットルワイヤ62を介して吸気レバー64が回動し、さらに、連結ワイヤ56を介して排気弁52(図3)が回動する。本実施形態では、第1連結部66と第2連結部68とは、吸気弁の弁軸心(回動軸心)A1からの距離が異なっている。
詳細には、図6に示すように、本実施形態の排気弁52は、一端部69aの支点回りに回動する板状の弁体69を有している。つまり、弁体69は、その一端部69aで、前後方向に延びる弁軸52bに固定され、弁軸52b回りに回動する。ただし、排気弁52の構成はこれに限定されない。図3に示したように、弁体69は上下方向に回動し、排気弁52は排気ポート23aの上縁の位置を変化させる。
図6に示すように、排気弁52は、連結ワイヤ56に連結されて回転する第1歯車70と、第1歯車70に噛合して弁体69を開動させる第2歯車72とを有している。詳細には、第1歯車70と一体に形成されたリンク部材74が、軸体75によりシリンダ1に回動自在に支持されている。このリンク部材74に、連結ワイヤ56が連結されている。つまり、連結ワイヤ56からの駆動力により、リンク部材74および第1歯車70が、軸体75回りに回動する。軸体75は、例えば、ボルトである。
第2歯車72には巻きばね78が装着されている。この巻きばね78により、排気弁52を下方への進出位置に戻す方向に回動させるようにばね力が付加されている。排気通路23の通路壁23bに、通路の外側に突出する筒状のボス80が形成されている。ボス80の内部に、排気弁52の弁軸52aが挿通されている。巻きばね78は、ボス80の外周に嵌合され、その一端部が第2歯車72に係止され、他端部が通路壁23bまたはボス80に係止されている。
第1歯車70に噛み合う第2歯車72が、弁軸52bの一端に固定されている。したがって、第1歯車70が回動すると、これに連動して第2歯車72も回動する。つまり、排気弁52の弁体69が回動する。本実施形態では、第2歯車72が第1歯車70に比べて大径に形成されている。すなわち、第1歯車70の回転が減速されて(回動量を減少させて)、排気弁52の弁軸52bに伝達される。このように、第1歯車70と第2歯車72とで、減速機構である減速歯車列が構成されている。
ただし、回転速度(回動量)を変化させる必要がない場合、このような減速機構は省略できる。この場合、排気弁52の弁軸52bの一端にリンク部材74が固定され、リンク部材74に連結ワイヤ56が連結される。
つぎに、エンジンの動作について説明する。吸気行程において、図2のピストン9が上昇すると、シリンダ1やクランク室2aの内部が負圧状態となる。このとき、混合気Mが混合気通路22からシリンダ1の内周面に開口する吸気ポート22aを通ってクランク室2a内へ直接導入される。この導入された混合気Mにより、大端部軸受14や小端部軸受17が潤滑される。
このとき、クランク室2aに連通している第1掃気通路部分26および第2掃気通路部分27も負圧になる。したがって、図4の第1および第2掃気通路部分26,27に連なる空気分岐通路30も負圧になる。これにより、インシュレータ20の空気通路21の出口に取り付けたリードバルブ36(図3)が開放され、空気通路21からの空気Aが空気分岐通路30を通って、一旦、第1および第2掃気通路部分26,27の上端部26b、27b内に導入される。
このように、ピストン9が上昇する吸気行程においてクランク室2aの負圧を受けてリードブルブ36が開放しているときは、第1および第2掃気通路部分26,27の上端部26b、27b内に常に空気Aが導入される。このため、両掃気通路部分26,27内に先導空気掃気用の十分な空気量が確保される。
つづいて、爆発行程を経て、図2のピストン9が下降する掃気行程では、第1掃気通路部分26の第1掃気口26aおよび第2掃気通路部分27の第2掃気口27aから空気Aと混合気Mとが燃焼室1a内に向かって斜め上方に噴出される。このとき、まず、上死点に近い高い位置にある第2掃気口27aから空気Aが導入され、少し遅れて第1掃気口26aから空気Aが導入され、つづいて両掃気口26a,27aから混合気Mが導入される。第2掃気口27aからの空気Aの方が排気ポート23a寄りから燃焼室1aに導入されるので、先に導入された第2掃気口27aからの空気Aにより燃焼ガスを排気ポート23aから円滑に排出する。したがって、排気ポート23aからの混合気Mの吹き抜けを防止できる。
つづいて、連結機構54の動作について図7を用いて説明する。ピストン9が下降する掃気行程では、連結機構54は、吸気弁50の開度が低いほど、すなわち低回転域では、排気ポート23aの開口タイミングが遅れるように排気弁52を進出動作させる。つまり、排気弁52は、実線で示すように、その先端面52aの下半部が排気ポート23aの上縁よりも若干下方に位置する。これにより、実質的に排気ポート23aの上縁の位置が低くなるように設定される。
一方、高回転域では、連結機構54は、排気ポート23aの開口タイミングが早くなるように排気弁52を後退動作させる。つまり、排気弁52は、二点鎖線で示す位置に移動し、その先端面52aの下縁が排気ポート23aの上縁と同一またはこれよりも上方に位置する。これにより、排気ポート23aの上縁の位置が、実質的に、シリンダ1の内周面に切り欠かれた排気ポート23aの形状で決まる高い位置に設定される。
上記構成によれば、連結機構54により、吸気弁50の開度が低いほど排気ポート23aの開口タイミングが遅れるように設定されている。詳細には、ピストン9の上面9aが、下方に進出した排気弁23の先端面52aの下縁に合致したL1の位置まで下がったときに排気が開始される。これにより燃焼室1a内の混合気の圧縮開始が早まり、燃焼室からの燃焼ガスの排出開始が遅れるので、低回転域において圧縮比が上がる。その結果、低回転域での出力が向上する。本実施形態では、吸気弁50が全閉時(ピストン9の上面9aがL1の位置)の圧縮比が8.4で、全開時(ピストン9の上面9aが、排気ポート23aの上縁に合致したL2の位置)の圧縮比が7.7である。
また、排気ポート23aの開口タイミングを遅らせることで、低回転域での燃焼温度も維持し易い。その結果、着火性が向上し、THC(全炭化水素)濃度を低減させることができる。さらに、連結機構54は、吸気弁50と排気弁52を連結するだけで、サーボモータ、回転センサ等の装置が不要であり、構成も簡単である。
排気弁52は、一端部69aの支点回りに回動する板状の弁体69を有するロータリー弁である。したがって、排気弁52の構造が簡単である。
図3に示す連結機構54は、吸気弁50の弁軸50aと排気弁52の弁軸52bとを連結する連結ワイヤ56を有している。したがって、連結ワイヤ56により吸気弁50と排気弁52を連結するという簡単な構成で、低回転域での出力向上を図ることができる。
吸気弁50の弁体58は、図5に示す吸気レバー64により回動され、吸気レバー64は、スロットルレバー109との第1連結部66と、連結ワイヤ56との第2連結部68とを有している。これにより、既存の吸気レバー64を利用し、これを長くして第2連結部68を設ける改良を加えることにより、連結機構54を構成することができる。
本実施形態では、吸気弁50の弁体58を移動させる移動量が約9mmであるのに対し、排気弁52の弁体69を移動させる移動量は約2.5mmである。第1連結部66と第2連結部68は、吸気弁50の弁軸心A1からの距離が異なっている。つまり、第1連結部66と第2連結部68とでレバー比が異なる。これにより、吸気弁50の弁体58と排気弁52の弁体69とで移動量が異なる場合でも、円滑に低回転域での出力向上を図ることができる。
図6に示す排気弁52は、小径の第1歯車70と大径の第2歯車72とからなる減速機構を有している。これにより、第1歯車70と第2歯車72のギヤ比を変えることでも、吸気弁の回動量と排気弁との回動量を異ならせることができる。これにより、吸気弁50の弁体58と排気弁52の弁体69とで移動量が異なる場合でも、低回転域での出力向上を容易に図ることができる。
上記実施形態では、図5の吸気レバー64のレバー比と、図6の減速機構のギヤ比の両方を調節することで、吸気弁50の弁体58の移動量と排気弁52の弁体69の移動量の差を吸収している。ただし、レバー比とギヤ比のいずれか一方で、移動量の差を吸収するようにしてもよい。
図6に示す第1歯車70と第2歯車72とが減速歯車列を形成し、第2歯車72に、排気弁52を進出位置に回動させるばね力78が付加されている。これにより、連結機構の長さ調整が容易になる。また、直径の大きい第2歯車72に巻きばね78を装着することで実現できるので、組立も容易である。さらに、スロットルレバー109(図1)を手離すと、戻りばね78により、排気弁52が低回転用の進出位置に戻る。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明の2サイクルエンジンEを刈払機101に適用した例を説明したが、本発明の2サイクルエンジンEを刈払機101以外の作業機にも適用できる。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 シリンダ
1c シリンダボア
23a 排気ポート
44 吸気通路
50 吸気弁
50a 吸気弁の弁軸
52 排気弁
52b 排気弁の弁軸
54 連結機構
56 連結ワイヤ
64 吸気レバー
66 第1連結部
68 第2連結部
69 板状の弁体
69a 排気弁の支点
70 第1歯車
72 第2歯車
109 スロットルレバー
A1 吸気弁の弁軸心
C1 軸心方向
E 2サイクルエンジン

Claims (9)

  1. 吸気通路の開度を制御する吸気弁と、
    シリンダボアに開口する排気ポートの開口タイミングを制御する排気弁と、
    前記吸気弁の開度が低いほど前記排気ポートの開口タイミングが遅れるように、前記吸気弁と前記排気弁を連結する連結機構と、を備えた2サイクルエンジン。
  2. 請求項1に記載の2サイクルエンジンにおいて、前記排気弁は、ロータリー弁である2サイクルエンジン。
  3. 請求項2に記載の2サイクルエンジンにおいて、前記排気弁は、一端部の支点回りに回動する板状の弁体を有する2サイクルエンジン。
  4. 請求項3に記載の2サイクルエンジンにおいて、前記排気弁は、前記排気ポートの上縁の、前記シリンダボアの軸心方向位置を変化させる2サイクルエンジン。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の2サイクルエンジンにおいて、前記連結機構は、前記吸気弁の弁軸と前記排気弁の弁軸とを連結する連結ワイヤを含む2サイクルエンジン。
  6. 請求項5に記載の2サイクルエンジンにおいて、前記吸気弁は、スロットルレバーとの第1連結部と前記排気弁に連結された前記連結ワイヤとの第2連結部とを有する吸気レバーを含むロータリー弁である2サイクルエンジン。
  7. 請求項6に記載の2サイクルエンジンにおいて、前記第1連結部と前記第2連結部とは、前記吸気弁の弁軸心からの距離が異なる2サイクルエンジン。
  8. 請求項5から7のいずれか一項に記載の2サイクルエンジンにおいて、前記排気弁は、前記連結ワイヤに連結されて回転する第1歯車と、前記第1歯車に噛合して弁体を回動させる第2歯車とを有する2サイクルエンジン。
  9. 請求項8に記載の2サイクルエンジンにおいて、前記第1歯車および前記第2歯車は減速歯車列を形成しており、
    前記第2歯車に、前記排気弁を進出位置に回動させるばね力が付加されている2サイクルエンジン。
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