JP6398277B2 - Ni基耐熱合金溶接継手の製造方法 - Google Patents

Ni基耐熱合金溶接継手の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、Ni基耐熱合金溶接継手の製造方法およびNi基耐熱合金溶接継手に関する。詳しくは、クリープ強度と使用時の溶接部の耐割れ性とに優れ、発電用ボイラの主蒸気管や高温再熱蒸気管などの高温部材として用いられるNi基耐熱合金溶接継手の製造方法と、該製造方法によって得られるNi基耐熱合金溶接継手に関する。
近年、環境負荷軽減の観点から発電用ボイラなどでは運転条件の高温・高圧化が世界的規模で進められており、過熱器管や再熱器管の材料として使用されるオーステナイト系耐熱合金には、より優れた高温強度および耐食性を有することが求められている。
さらに、従来、フェライト系耐熱鋼が使用されていた主蒸気管や高温再熱蒸気管などの厚肉の部材など種々の部材においても、高強度化が求められており、高強度オーステナイト系耐熱合金またはNi基耐熱合金の適用が検討されている。
このような技術的背景のもと、例えば、特許文献1には、Wを活用し高温強度を高めるとともに、有効B量を規定することにより、熱間加工性や耐溶接割れ感受性を改善したNi基合金が提案されている。
また、特許文献2には、Cr、TiとZrの活用によりα−Cr相を強化相としてクリープ強度を高めた、オーステナイト系耐熱合金が提案されている。
特許文献3には、多量のWを含有させるとともに、AlとTiを活用して、固溶強化とγ’相の析出強化により強度を高めた、Ni基耐熱合金が提案されている。
特許文献4には、AlやTi、Nbを活用し、クリープ強度を高めると同時に、PおよびBの含有量の管理ならびにNdの含有により耐液化割れ性を高めた、オーステナイト系耐熱合金が提案されている。
特許文献5には、MoとWを活用し、クリープ強度を高めるとともに、不純物元素およびTi、Alの含有量を規定し、溶接時の耐液化割れと使用時の耐応力緩和割れ性を改善した、オーステナイト系耐熱合金が提案されている。
:特開2011−63838号公報 :国際公開第2009/154161号 :国際公報第2010/038826号 :国際公報第2011/071054号 :特開2010−150593号公報
:接合・溶接技術Q&A1000編集委員会、接合・溶接技術Q&A1000(1999)、502−503、653−654 :内木ら、石川島播磨技報、第15巻(1975)、第2号、209−215
オーステナイト系耐熱合金またはNi基耐熱合金を構造物として使用する場合、一般には溶接により組み立てられる。従来、オーステナイト系耐熱合金やNi基耐熱合金を使用した溶接継手においては、主に冶金的要因に起因した様々な割れが発生しやすく、溶接中に生じる液化割れや、高温での長時間使用中に、溶接により生じた残留応力が緩和してゆく過程で生じる応力緩和割れが問題になることが知られていた。
一方、特許文献1〜5で開示されているオーステナイト系耐熱合金やNi基耐熱合金は、上述の割れに対する抵抗性を有し、これらの合金を主蒸気管や高温再熱蒸気管などの部材に使用した突き合わせ溶接継手では、確かに溶接中の液化割れや使用中の応力緩和割れを防止できることが確認できた。しかしながら、実際の構造物では様々な形状、寸法の溶接部が存在する。そのため、溶接部の残留応力の存在状態が異なり、溶接部の形状または寸法によっては、上記のオーステナイト系耐熱合金やNi基耐熱合金を用いてもなお、上述した割れを防止する効果が十分に得られない場合もあることが分かった。
ところで、非特許文献1に示されるように、オーステナイト系ステンレス鋼やNi基合金では溶接後に溶接後熱処理を行わないのが一般的である。しかしながら、オーステナイト系ステンレス鋼においては、靱性や耐食性の改善を目的に1000〜1150℃で、また、残留応力除去を目的に800〜900℃で、溶接後熱処理を行う場合もある。
例えば、非特許文献2には、18Cr−12Ni−Nb系オーステナイト系ステンレス鋼の長時間使用時に発生する割れの防止を目的とし、昇温時に600℃まで一旦加熱して保持し、その後、1050℃まで昇温させて保持した後、冷却し、900℃でさらに保持し、NbCを析出させた後で冷却するという、特殊な三段のステップからなる適正な溶接後熱処理の適用が割れの防止に有効であることが示されている。
しかしながら、本発明者らによる種々の検討の結果、Ni基耐熱合金においては、単純に溶接後熱処理を付与すれば、確かに残留応力が緩和されて、応力緩和割れの防止には有効であるものの、溶接後熱処理の条件によっては、溶接継手のクリープ強度が大きく低下する場合があることが新たに判明した。
上記現状に鑑みて、本発明は、火力発電用ボイラの主蒸気管や再熱蒸気管などの高温部材として使用される、クリープ強度と使用時の溶接部の耐応力緩和割れ性に優れたNi基耐熱合金溶接継手の製造方法と、それを用いて得られるNi基耐熱合金溶接継手を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記した課題を解決するために、まず、溶接後熱処理を付与したNi基耐熱合金溶接継手の詳細な調査を行った。その結果、下記の事項が確認された。
(1)クリープ試験前後の組織観察の結果、クリープ強度が大きく低下した溶接継手はクリープ強度の低下が小さかった溶接継手に比べて、クリープ試験前に粗大なM23炭化物が疎らに析出していた。さらに、クリープ試験中のM23の粗大化が顕著であった。
(2)クリープ試験前の組織観察の結果、クリープ強度が大きく低下した溶接継手に認められたM23炭化物は、クリープ強度の低下が小さかった溶接継手に認められたM23炭化物に比べて炭化物を主として構成するCr量が少なかった。
これらの結果から、本発明者らは、溶接後熱処理の適用によるクリープ強度の低下は、下記(a)〜(d)の機構により発生したものと推定した。
(a)M23炭化物は長時間使用中に粒内に微細に析出し、クリープ強度の確保に大きく寄与する。長時間使用中にM23炭化物は成長するが、それは界面エネルギーの差が駆動力となって、小さなM23粒子が消失し、近傍の大きなM23粒子がより成長するという過程を経る。
(b)クリープ強度が大きく低下した溶接継手では、溶接後熱処理により粗大なM23炭化物が粒内に存在する。そして、その後、長時間中に粒内には新たに微細なM23炭化物が析出する。そのため、溶接後熱処理を実施しない溶接継手や溶接後熱処理を実施してもクリープ強度の低下が小さい溶接継手に比べると、M23粒子の大きさの差が著しくなる。その結果、粒子間の界面エネルギー差が大きくなり、M23炭化物の成長が促進される。
(c)加えて、析出物の成長においては、析出物に含まれる主要構成元素量と平衡状態においてマトリックスに含まれるその元素量との差が小さい方が、成長しやすいと考えられている。上述の通り、クリープ強度が大きく低下した溶接継手では、M23炭化物を構成するCr量が少なかった。このことから、M23炭化物の構成比が異なることもM23炭化物の成長促進の要因となる。
(d)これらの理由により、微細なM23炭化物による分散強化効果が早期に消失する結果、クリープ強度が大きく低下する。
そして、本発明者らが鋭意検討を繰り返した結果、上記のクリープ強度の低下を防止するためには、下記(e)および(f)の方法が有効であることが明らかとなった。
(e)溶接後熱処理過程での粗大なM23炭化物の生成軽減の観点からは溶接後熱処理温度が低い方が好ましく、溶接後熱処理時間を短くすることが有効である。
(f)溶接後熱処理過程で生成するM23炭化物を構成するCr量を多くするとの観点からは、溶接後熱処理温度が低い方が好ましい。
ところが、溶接後熱処理温度を低く、また溶接後熱処理時間を短くしすぎると残留応力が十分に緩和せず、応力緩和割れを十分に防止できないことが分かり、このことから、下記の事項(g)が明らかになった。
(g)クリープ強度の低下防止と応力緩和割れの十分な防止に対しては、溶接後熱処理の温度および時間に適正な範囲が存在する。
しかしながら、本発明者らがさらに検討を重ねた結果、溶接後熱処理の温度と時間の管理だけでは、完全にクリープ強度の低下を抑制できない場合があることが分かり、下記の重要な事項(h)および(i)が明らかになった。
(h)溶接後熱処理の降温時にもM23炭化物が生成する。このため、溶接後熱処理する際の温度と時間を管理するだけでは、完全にクリープ強度の低下を抑制することができない。
(i)溶接後熱処理した場合のクリープ強度の低下を防止するためには、溶接後熱処理するに際して、M23炭化物が生成しやすい500℃までの降温速度を適切に管理することが重要である。
そこで次に、本発明者らは、NiとCrの含有量がそれぞれ、質量%で、46〜54%と27〜33%で、これにW、Ti、ZrおよびAlなどを含有させたNi基耐熱合金を母材として用い、この母材を、NiとCrの含有量がそれぞれ、質量%で、40〜60%と20〜33%で、これにMo、WおよびTiなどを含有させたNi基耐熱合金の溶接材料を用いて溶接して溶接継手を作製した場合に、溶接後熱処理条件がクリープ強度と応力緩和割れに及ぼす影響について詳細な検討を行った。その結果、下記(j)および(k)の知見を得た。
(j)溶接後熱処理の際の保持温度T1(℃)、保持時間t1(分)および上記温度T1℃から500℃までの平均降温速度RC(℃/時)が、特定の条件を満たすようにして製造されたNi基耐熱合金溶接継手は、その後の使用において、十分な耐応力緩和割れ性を有するとともに、クリープ強度の低下を軽減できる。
(k)上記の溶接後熱処理が施されたNi基耐熱合金溶接継手に、さらに保持温度T2(℃)という低温で、保持時間t2(分)の溶接後熱処理を施すことでクリープ強度の低下のさらなる軽減が可能である。これは、低温で溶接後熱処理を施すことで、Crを多く含有するM23炭化物が微細に析出して、平衡状態においてマトリックスに含まれるCr量との差が小さくなり、使用中のM23炭化物の成長を抑制できるからである。
本発明の要旨は、下記に示すNi基耐熱合金溶接継手の製造方法およびNi基耐熱合金溶接継手にある。なお、本発明は、上述した知見に基づいて完成されたものであるため、前記の非特許文献1および非特許文献2、ならびに特許文献1〜5とは対象とする材料および目的が異なり、これらから容易に想到し得るものではない。
(1)化学組成が、質量%で、
C:0.04〜0.12%、Si:0.5%以下、Mn:1.5%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Ni:46〜54%、Cr:27〜33%、W:3〜9%、Ti:0.05〜1.2%、Zr:0.005〜0.05%、Al:0.05〜0.3%、B:0.0001〜0.005%、N:0.02%以下、O:0.01%以下、Ca:0〜0.05%、Mg:0〜0.05%、REM:0〜0.5%、Co:0〜1%、Cu:0〜4%、Mo:0〜1%、V:0〜0.5%、Nb:0〜0.5%、残部:Feおよび不純物である合金母材を、
化学組成が、質量%で、
C:0.06〜0.18%、Si:1%以下、Mn:2%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Ni:40〜60%、Cr:20〜33%、MoおよびWの1種以上:合計で6〜13%、Ti:0.05〜1.5%、Co:0〜15%、Nb:0〜0.5%、Al:1.5%以下、B:0〜0.005%、N:0.18%以下、O:0.01%以下、残部:Feおよび不純物である溶接材料で溶接した後、
保持温度T1(℃)、保持時間t1(分)および保持温度T1(℃)から500℃までの平均降温速度RC(℃/時)が、下記の<1>〜<3>式を満たす溶接後熱処理を施す、Ni基耐熱合金溶接継手の製造方法。
900≦T1≦1275・・・<1>、
−0.2×T1+260≦t1≦−0.6×T1+870・・・<2>、
0.05×T1−10≦RC・・・<3>。
(2)上記(1)に記載の溶接後熱処理を施した後、さらに、保持温度T2(℃)および保持時間t2(分)が、下記の<4>式および<5>式を満たす溶接後熱処理を施す、Ni基耐熱合金溶接継手の製造方法。
500≦T2≦650・・・<4>、
5≦t2≦180・・・<5>。
(3)前記合金母材の化学組成が、質量%で、下記の[1]および[2]から選択される1種以上の元素を含有する、上記(1)または(2)に記載のNi基耐熱合金溶接継手の製造方法。
[1]:Ca:0.0001〜0.05%、Mg:0.0001〜0.05%、REM:0.001〜0.5%、
[2]:Co:0.01〜1%、Cu:0.01〜4%、Mo:0.01〜1%、V:0.01〜0.5%、Nb:0.01〜0.5%。
(4)前記溶接材料の化学組成が、質量%で、下記の[3]から選択される1種以上の元素を含有する、上記(1)から(3)までのいずれかに記載のNi基耐熱合金溶接継手の製造方法。
[3]:Co:0.01〜15%、Nb:0.01〜0.5%、B:0.0001〜0.005%。
(5)上記(1)から(4)までのいずれかに記載のNi基耐熱合金溶接継手の製造方法によって得られるNi基耐熱合金溶接継手。
(6)合金母材の厚さが30mmを超える上記(5)に記載のNi基耐熱合金溶接継手。
本発明によれば、高温でのクリープ強度と使用時の溶接部の耐応力緩和割れ性を安定して備えるNi基耐熱合金溶接継手を得ることができる。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、合金母材および溶接材料の化学組成における各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
(A)合金母材の化学組成:
C:0.04〜0.12%
Cは、組織を安定にするとともに微細な炭化物を形成し、高温使用中のクリープ強度を向上させる。この効果を十分に得るためには、0.04%以上のC含有量が必要である。しかしながら、Cが過剰に含有された場合には、炭化物が粗大となり、かつ多量に析出するので、却ってクリープ強度の低下が生じる。特に、溶接継手に溶接後熱処理を施した場合には、炭化物の成長を促進し、クリープ強度の大きな低下を招く。したがって、上限を設け、Cの含有量を0.04〜0.12%とする。C含有量の望ましい下限は0.05%、さらに望ましい下限は0.06%である。また、C含有量の望ましい上限は0.11%、さらに望ましい上限は0.08%である。
Si:0.5%以下
Siは、脱酸作用を有するとともに、高温での耐食性および耐酸化性の向上に有効な元素である。しかしながら、Siが過剰に含有された場合には、組織の安定性が低下して、靱性およびクリープ強度の低下を招く。そのため、Siの含有量に上限を設けて0.5%以下とする。Siの含有量は望ましくは0.4%以下、さらに望ましくは0.3%以下である。
なお、Siの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は脱酸効果が十分に得られず合金の清浄度が大きくなって清浄性が劣化するとともに、高温での耐食性および耐酸化性の向上効果も得難くなるし、製造コストも大きく上昇する。そのため、Si含有量の望ましい下限は0.02%、さらに望ましい下限は0.05%である。
Mn:1.5%以下
Mnは、Siと同様、脱酸作用を有する。Mnは組織の安定化にも寄与する。しかしながら、Mnの含有量が過剰になると脆化を招き、さらに、靱性およびクリープ延性の低下も生じる。そのため、Mnの含有量に上限を設けて1.5%以下とする。Mnの含有量は望ましくは1.3%以下、さらに望ましくは1.1%以下である。
なお、Mnの含有量についても特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は脱酸効果が十分に得られず合金の清浄性を劣化させるとともに、オーステナイト安定化効果が得難くなるし、製造コストも大きく上昇する。そのため、Mn含有量の望ましい下限は0.02%、さらに望ましい下限は0.05%である。
P:0.03%以下
Pは、不純物として合金中に含まれ、溶接中に溶接熱影響部の結晶粒界に偏析して液化割れ感受性を高める元素である。さらに、Pは、長時間使用後のクリープ延性も低下させる。そのため、Pの含有量に上限を設けて0.03%以下とする。Pの含有量は、望ましくは0.025%以下、さらに望ましくは0.02%以下である。
なお、Pの含有量は可能な限り低減することが好ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招く。そのため、P含有量の望ましい下限は0.0005%、さらに望ましい下限は0.0008%である。
S:0.01%以下
Sは、Pと同様に不純物として合金中に含まれ、溶接中に溶接熱影響部の結晶粒界に偏析して液化割れ感受性を高める元素である。さらに、Sは、長時間使用中にも結晶粒界に偏析して脆化を招き、応力緩和割れ感受性をも高める元素である。そのため、Sの含有量に上限を設けて0.01%以下とする。Sの含有量は、望ましくは0.008%以下、さらに望ましくは0.005%以下である。
なお、Sの含有量は可能な限り低減することが好ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招く。そのため、S含有量の望ましい下限は0.0001%、さらに望ましい下限は0.0002%である。
Ni:46〜54%
Niは、長時間使用時の組織安定性を確保するために必須の元素である。本発明におけるCrとWの含有量の範囲で十分な効果を得るためには、46%以上のNi含有量が必要である。しかしながら、Niは高価な元素であり、多量の含有はコストの増大を招く。そのため、上限を設けてNiの含有量を46〜54%とする。Ni含有量の望ましい下限は47%、さらに望ましい下限は48%である。また、Ni含有量の望ましい上限は53%、さらに望ましい上限は52%である。
Cr:27〜33%
Crは、高温での耐酸化性および耐食性の確保のために必須の元素である。また、Crは、微細な炭化物やCr富化相を形成してクリープ強度の確保にも寄与する。本発明のNi含有量の範囲で上記の効果を得るためには、27%以上のCr含有量が必要である。しかしながら、Crの含有量が33%を超えると、高温での組織安定性が劣化してクリープ強度の低下を招くとともに、溶接継手に溶接後熱処理を施した場合には、炭化物の成長を促進し、クリープ強度の大きな低下を招く。したがって、Crの含有量を27〜33%とする。Cr含有量の望ましい下限は27.5%、さらに望ましい下限は28%である。また、Cr含有量の望ましい上限は32.5%、さらに望ましい上限は32%である。
W:3〜9%
Wは、マトリックスに固溶してまたは微細な金属間化合物相を形成して、高温でのクリープ強度や引張強さの向上に大きく寄与する元素である。その効果を十分に発揮させるためには少なくとも3%以上のW含有量が必要である。しかしながら、Wを過剰に含有させても効果は飽和し、却ってクリープ強度を低下させる場合もある。さらに、Wは高価な元素であるため、過剰のW含有はコストの増大を招く。そのため上限を設けて、Wの含有量を3〜9%とする。W含有量の望ましい下限は3.5%、さらに望ましい下限は4%である。また、W含有量の望ましい上限は8.5%、さらに望ましい上限は8%である。
Ti:0.05〜1.2%
Tiは、微細な炭窒化物または金属間化合物として粒内に析出し、高温でのクリープ強度や引張強さの向上に寄与する。その効果を十分に得るためには、0.05%以上のTi含有量が必要である。しかしながら、Tiの含有量が過剰になると炭窒化物として多量に析出して、クリープ延性および靱性の低下を招く。このため、上限を設けて、Tiの含有量を0.05〜1.2%とする。Ti含有量の望ましい下限は0.2%、さらに望ましい下限は0.4%である。また、Ti含有量の望ましい上限は1.1%、さらに望ましい上限は1.0%である。
Zr:0.005〜0.05%
Zrは、マトリックスに固溶して高温でのクリープ強度を向上させる。また、Zrは、Sとの親和力が強く、Sの固定によりクリープ延性も向上させる。これらの効果を得るためには、Zrを0.005%以上含有させる必要がある。しかしながら、Zrの含有量が過剰になるとクリープ延性の低下を招く。そのため、Zrの含有量に上限を設けて0.0005〜0.05%とする。Zr含有量の望ましい下限は0.008%、さらに望ましい下限は0.01%である。また、Zr含有量の望ましい上限は0.04%、さらに望ましい上限は0.03%である。
Al:0.05〜0.3%
Alは、脱酸作用を有するとともに、使用中に金属間化合物として析出し、クリープ強度の向上にも寄与する。これらの効果を得るためには、Alを0.05%以上含有させる必要がある。しかしながら、Alの含有量が過剰になると多量に金属間化合物を生成し、延性が低下するとともに応力緩和割れ感受性をも高める。そのため、Alの含有量に上限を設けて0.05〜0.3%とする。Al含有量の望ましい下限は0.06%、さらに望ましい下限は0.07%である。また、Al含有量の望ましい上限は0.2%、さらに望ましい上限は0.15%である。
B:0.0001〜0.005%
Bは、粒界炭化物を微細分散させることによりクリープ強度を向上させるとともに、粒界に偏析して粒界を強化するのに有効な元素である。これらの効果を得るためには0.0001%以上のB含有量が必要である。しかしながら、Bの含有量が過剰になると、溶接中の溶接熱サイクルにより溶融境界近傍の熱影響部にBが多量に偏析して粒界の融点を低下させ、液化割れ感受性を高める。そのため、上限を設けて、Bの含有量を0.0001〜0.005%とする。B含有量の望ましい下限は0.0005%、さらに望ましい下限は0.001%である。また、B含有量の望ましい上限は0.004%、さらに望ましい上限は0.003%である。
N:0.02%以下
Nは、組織安定性の向上に寄与するものの、過剰に含有されると、高温での使用中に多量の微細窒化物が粒内に析出してクリープ延性および靱性の低下を招く。そのため、Nの含有量に上限を設けて0.02%以下とする。Nの含有量は望ましくは0.018%以下、さらに望ましくは0.015%以下である。
なお、Nの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は組織を安定にする効果が得難くなるし、製造コストも大きく上昇する。そのため、N含有量の望ましい下限は0.0005%、さらに望ましい下限は0.0008%である。
O:0.01%以下
O(酸素)は、不純物として合金中に含まれ、その含有量が過剰になると熱間加工性が低下し、さらに靱性および延性の劣化を招く。このため、Oの含有量に上限を設けて0.01%以下とする。Oの含有量は望ましくは0.008%以下、さらに望ましくは0.005%以下である。
なお、Oの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は製造コストの上昇を招く。そのため、O含有量の望ましい下限は0.0005%、さらに望ましい下限は0.0008%である。
Ca:0〜0.05%
Caは、熱間加工性を改善する作用を有する。このため、Caを含有させても良い。しかしながら、Caの含有量が過剰になるとOと結合して、清浄性を著しく低下させ、却って熱間加工性を劣化させる。このため、含有させる場合のCa量の上限を0.05%とする。Ca含有量の上限は、望ましくは0.03%である。
一方、前記したCaの効果を安定して得るためには、Caの含有量は0.0001%以上であることが望ましく、0.0005%以上であればさらに望ましい。
Mg:0〜0.05%
Mgは、Caと同様、熱間加工性を改善する作用を有する。このため、Mgを含有させても良い。しかしながら、Mgの含有量が過剰になるとOと結合して、清浄性を著しく低下させ、却って熱間加工性を劣化させる。このため、含有させる場合のMg量の上限を0.05%とする。Mg含有量の上限は、望ましくは0.03%である。
一方、前記したMgの効果を安定して得るためには、Mgの含有量は0.0001%以上であることが望ましく、0.0005%以上であればさらに望ましい。
REM:0〜0.5%
REMは、熱間加工性を改善する作用を有する。すなわち、REMはSとの親和力が強く、熱間加工性の向上に寄与する。このため、REMを含有させても良い。しかしながら、REMの含有量が過剰になると、Oと結合して、清浄性を著しく低下させ、却って熱間加工性を劣化させる。このため、含有させる場合のREM量の上限を0.5%とする。REM含有量の上限は、望ましくは0.2%である。
一方、前記したREMの効果を安定して得るためには、REMの含有量は0.001%以上であることが望ましく、0.005%以上であればさらに望ましい。
なお、「REM」とは、Sc、Yおよびランタノイドの合計17元素の総称であり、REMの含有量はREMのうちの1種または2種以上の元素の合計含有量を指す。また、REMについては一般的にミッシュメタルに含有される。このため、例えば、ミッシュメタルの形で添加して、REMの量が上記の範囲となるように含有させても良い。
上記のCa、MgおよびREMは、そのうちのいずれか1種のみ、または、2種以上の複合で含有させることができる。これらの元素から選択される2種以上を複合して含有させる場合には、その合計含有量は0.2%以下であることが望ましい。
Co:0〜1%
Coは、クリープ強度を向上させる作用を有する。すなわち、Coは、Niと同様、高温での組織安定性を高めてクリープ強度の向上に寄与する。したがって、Coを含有させても良い。しかしながら、Coは極めて高価な元素であるため、Coの過剰の含有は大幅なコストの増加を招く。このため、含有させる場合のCo量の上限を1%とする。Co含有量の上限は、望ましくは0.8%である。
一方、前記したCoの効果を安定して得るためには、Coの含有量は0.01%以上であることが望ましく、0.03%以上であればさらに望ましい。
Cu:0〜4%
Cuは、クリープ強度を向上させる作用を有する。すなわち、Cuは、NiおよびCoと同様、相安定性を高めてクリープ強度の向上に寄与する。したがって、Cuを含有させても良い。しかしながら、Cuが過剰に含有された場合には熱間加工性の低下を招く。このため、含有させる場合のCu量の上限を4%とする。Cu含有量の上限は、望ましくは3%である。
一方、前記したCuの効果を安定して得るためには、Cuの含有量は0.01%以上であることが望ましく、0.03%以上であればさらに望ましい。
Mo:0〜1%
Moは、クリープ強度を向上させる作用を有する。すなわち、Moは、マトリックスに固溶して高温でのクリープ強度を向上させる作用を有する。したがって、Moを含有させても良い。しかしながら、Moが過剰に含有された場合には組織安定性が低下して、却ってクリープ強度の低下を招く。そのため、含有させる場合のMo量の上限を1%とする。Mo含有量の上限は、望ましくは0.8%である。
一方、前記したMoの効果を安定して得るためには、Moの含有量は0.01%以上であることが望ましく、0.03%以上であればさらに望ましい。
V:0〜0.5%
Vはク、リープ強度を向上させる作用を有する。すなわち、Vは、CまたはNと結合して微細な炭化物または炭窒化物を形成し、クリープ強度を向上させる作用を有する。したがって、Vを含有させても良い。しかしながら、Vが過剰に含有された場合、炭化物または炭窒化物として多量に析出し、クリープ延性の低下を招く。そのため、含有させる場合のV量の上限を0.5%とする。V含有量の上限は、望ましくは0.4%である。
一方、前記したVの効果を安定して得るためには、Vの含有量は0.01%以上であることが望ましく、0.02%以上であればさらに望ましい。
Nb:0〜0.5%
Nbは、Vと同様にCやNと結合して微細な炭化物や炭窒化物として粒内に析出し、高温でのクリープ強度に寄与する。したがって、Nbを含有させても良い。しかしながら、Nbの含有量が過剰になると炭化物や炭窒化物として多量に析出し、逆にクリープ延性および靱性の低下を招く。このため、含有させる場合のNb量の上限を0.5%とする。Nb含有量の上限は、望ましくは0.4%であり、さらに望ましくは0.35%である。
一方、前記したNbの効果を安定して得るためには、Nbの含有量は0.01%以上であることが望ましく、0.02%以上であればさらに望ましい。なお、Nbの含有量は0.15%以上であればより一層望ましい。
上記のCo、Cu、Mo、VおよびNbはそのうちのいずれか1種のみ、または2種以上の複合で含有させることができる。これらの元素から選択される2種以上を複合して含有させる場合には、その合計含有量は4%以下であることが望ましい。
本発明で使用する合金母材の化学組成は、上述の元素と、残部がFeおよび不純物である。なお、「不純物」とは上記の合金母材を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップまたは製造環境などから混入するものを指す。
(B)溶接材料の化学組成:
C:0.06〜0.18%
Cは、溶接金属において組織を安定にするとともに微細な炭化物を形成し、高温使用中のクリープ強度を向上させる。さらに、Cは、溶接凝固中にCrと共晶炭化物を生成し、凝固割れ感受性の低減にも寄与する。これらの効果を十分に得るためには溶接材料には0.06%以上のC含有量が必要である。しかしながら、Cが過剰に含有された場合には、炭化物が多量となり、クリープ強度や延性の低下が生じる。したがって、Cの含有量に上限を設けて0.06〜0.18%とする。C含有量の好ましい下限は0.07%、さらに好ましい下限は0.08%である。また、C含有量の好ましい上限は0.16%、さらに好ましい上限は0.14%である。
Si:1%以下
Siは、溶接材料の製造時には脱酸に有効であるとともに、溶接金属において高温での耐食性および耐酸化性の向上に有効な元素である。しかしながら、Siが過剰に含有された場合には、相安定性が低下して、靱性およびクリープ強度の低下を招く。そのため、Siの含有量に上限を設けて1%以下とする。Siの含有量は望ましくは0.8%以下、さらに望ましくは0.6%以下である。
なお、Siの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は脱酸効果が十分に得られず合金の清浄度が大きくなって清浄性が劣化するとともに、高温での耐食性および耐酸化性の向上効果も得難くなるし、製造コストも大きく上昇する。そのため、Si含有量の望ましい下限は0.02%、さらに望ましい下限は0.05%である。
Mn:2%以下
Mnは、Siと同様、溶接材料の製造時の脱酸に有効である。また、Mnは溶接金属において高温での組織の安定化にも寄与する。しかしながら、Mnの含有量が過剰になると脆化を招き、さらに、靱性およびクリープ延性の低下も生じる。そのため、Mnの含有量に上限を設けて2%以下とする。Mnの含有量は望ましくは1.8%以下、さらに望ましくは1.5%以下である。
なお、Mnの含有量についても特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は脱酸効果が十分に得られず合金の清浄性を劣化させるとともに、相安定性向上効果が得難くなるし、製造コストも大きく上昇する。そのため、Mn含有量の望ましい下限は0.02%、さらに望ましい下限は0.05%である。
P:0.03%以下
Pは、不純物として溶接材料中に含まれ、溶接中に凝固割れ感受性を高める元素である。さらに、Pは、溶接金属において長時間使用後のクリープ延性も低下させる。そのため、Pの含有量に上限を設けて0.03%以下とする。Pの含有量は、望ましくは0.025%以下、さらに望ましくは0.02%以下である。
なお、Pの含有量は可能な限り低減することが好ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招く。そのため、P含有量の望ましい下限は0.0005%、さらに望ましい下限は0.0008%である。
S:0.01%以下
Sは、Pと同様に不純物として溶接材料中に含まれ、溶接中に凝固割れ感受性を高める元素である。さらに、溶接金属においてSは、長時間使用中に柱状晶粒界に偏析して脆化を招き、応力緩和割れ感受性をも高める。そのため、Sの含有量に上限を設けて0.01%以下とする。Sの含有量は、望ましくは0.008%以下、さらに望ましくは0.005%以下である。
なお、Sの含有量は可能な限り低減することが好ましいが、極度の低減は製造コストの増大を招く。そのため、S含有量の望ましい下限は0.0001%、さらに望ましい下限は0.0002%である。
Ni:40〜60%
Niは、溶接金属においても組織を安定にするのに有効な元素であり、長時間使用時のクリープ強度を確保するために必須の元素である。その効果を得るためには、溶接材料のNi含有量を40%以上とする必要がある。しかしながら、Niは高価な元素であり、小規模製造の溶接材料においても多量の含有はコストの増大を招く。そのため、上限を設けてNiの含有量を40〜60%とする。Ni含有量の望ましい下限は40.5%、さらに望ましい下限は41%である。また、Ni含有量の望ましい上限は59.5%、さらに望ましい上限は59%である。
Cr:20〜33%
Crは、溶接金属においても高温での耐酸化性および耐食性の確保に有効であり、また、微細な炭化物やCr富化相を形成してクリープ強度の確保にも寄与する。さらに、Crは溶接中にCと共晶炭化物を形成し、凝固割れ感受性の低減に少なからず寄与する。そのため、20%以上のCrを含有させる。しかしながら、Crの含有量が33%を超えると、上記40〜60%のNi量範囲において高温での相安定性が劣化してクリープ強度の低下を招く。したがって、溶接材料のCr含有量を20〜33%とする。Cr含有量の望ましい下限は20.5%、さらに望ましい下限は21%である。また、Cr含有量の望ましい上限は32.5%、さらに望ましい上限は32%である。
MoおよびWの1種以上:合計で6〜13%
MoおよびWは、いずれも溶接金属において、マトリックスに固溶または微細な金属間化合物相を形成して、高温でのクリープ強度や引張強さの向上に大きく寄与する元素である。その効果を十分に発揮させるためには、溶接材料にMoおよびWの1種以上を合計で6%以上含有させる必要がある。しかしながら、これらの元素を過剰に含有させても効果は飽和し、却ってクリープ強度を低下させる場合もある。さらに、MoおよびWはいずれも高価な元素であるため、過剰の含有はコストの増大を招く。そのため上限を設けて、MoおよびWの1種以上の合計含有量を6〜13%とする。溶接材料におけるMoおよびWの1種以上の合計含有量の望ましい下限は6.5%、さらに望ましい下限は6%である。また、MoおよびWの1種以上の合計含有量の望ましい上限は12.5%、さらに望ましい上限は12%である。
なお、MoとWは複合して含有させる必要はない。Moを単独で含有させる場合には、Moの含有量が6〜13%であればよく、Wを単独で含有させる場合には、Wの含有量が6〜13%であればよい。
Ti:0.05〜1.5%
Tiは、溶接金属において微細な炭窒化物として、さらに、Niとの金属間化合物として、粒内に析出し、高温でのクリープ強度や引張強さの向上に寄与する。その効果を十分に得るためには溶接材料に0.05%以上のTiを含有させる必要がある。しかしながら、Tiの含有量が過剰になると炭窒化物として多量に析出し、逆にクリープ延性および靱性の低下を招く。このため、溶接材料のTi含有量に上限を設けて0.05〜1.5%とする。Ti含有量の望ましい下限は0.06%、さらに望ましい下限は0.07%である。また、Ti含有量の望ましい上限は1.3%、さらに望ましい上限は1.1%である。
Co:0〜15%
Coは、Niと同様に溶接金属のオーステナイト組織を安定にし、クリープ強度の向上に寄与する。したがって、Coを含有させても良い。しかしながら、Coは極めて高価な元素であるため、溶接材料といえども過剰の含有は大幅なコストの増大を招く。したがって、含有させる場合のCo量の上限を15%とする。Co含有量の上限は、望ましくは14%であり、さらに望ましくは13%である。
一方、前記したCoの効果を安定して得るためには、Coの含有量は0.01%以上であることが望ましく、0.03%以上であればさらに望ましい。
Nb:0〜0.5%
Nbは、溶接金属において、CやNと結合して微細な炭化物や炭窒化物として粒内に析出し、高温でのクリープ強度に寄与する。したがって、Tiを含有させても良い。しかしながら、Nbの含有量が過剰になると炭化物や炭窒化物として多量に析出し、クリープ延性および靱性の低下を招く。このため、溶接材料に含有させる場合のNb量の上限を0.5%とする。Nb含有量の上限は、望ましくは0.48%であり、さらに望ましくは0.45%である。
一方、前記したNbの効果を安定して得るためには、Nbの含有量は0.01%以上であることが望ましく、0.03%以上であればさらに望ましい。
Al:1.5%以下
Alは、溶接材料製造時の脱酸に有効な元素である。さらに、Alは、溶接金属において微細な金属間化合物を形成してクリープ強度の向上にも寄与する。しかしながら、Alの含有量が過剰になると合金の清浄性が著しく劣化して、溶接材料の熱間加工性および延性が低下し、製造性が低下する。加えて、溶接金属において多量の金属間化合物相を生成し、長時間使用時の応力時緩和割れ感受性を著しく高める。そのため、Alの含有量に上限を設けて1.5%とする。Alの含有量は望ましくは1.4%以下、さらに望ましくは1.3%以下である。
なお、Alの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は脱酸効果が十分に得られず合金の清浄性を逆に劣化させるとともに、製造コストの上昇を招く。そのため、Al含有量は0.0005%以上とするのが好ましい。Alの脱酸効果を安定して得、合金に良好な清浄性を確保させるためにはAl含有量の下限は0.001%とすることがより望ましい。
B:0.005%以下
Bは、溶接金属においてもクリープ強度の向上に有効な元素である。しかしながら、Bの含有量が過剰になると、溶接中の凝固割れ感受性を著しく高める。そのため、Bの含有量に上限を設けて0.005%以下とする。B含有量の望ましい上限は0.004%であり、さらに望ましい上限は0.003%である。なお、B含有量の望ましい下限は0.0001%であり、0.0005%であればさらに望ましい。
N:0.18%以下
Nは、溶接金属において相安定性を高め、クリープ強度の向上に有効であるとともに、固溶して引張強さの確保にも寄与する。しかしながら、過剰に含有されると、高温での使用中に多量の微細窒化物が粒内に析出してクリープ延性および靱性の低下を招く。そのため、Nの含有量に上限を設けて0.18%以下とする。Nの含有量は望ましくは0.16%以下、さらに望ましくは0.14%以下である。
なお、Nの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は相安定性向上の効果が得難くなるし、製造コストも大きく上昇する。そのため、N含有量の望ましい下限は0.0005%、さらに望ましい下限は0.0008%である。
O:0.01%以下
O(酸素)は、溶接材料中に不純物として含まれ、その含有量が過剰になると熱間加工性が低下し、製造性の劣化を招く。このため、Oの含有量に上限を設けて0.01%以下とする。Oの含有量は望ましくは0.008%以下、さらに望ましくは0.005%以下である。
なお、Oの含有量について特に下限を設ける必要はないが、極端な低減は製造コストの上昇を招く。そのため、O含有量の望ましい下限は0.0005%、さらに望ましい下限は0.0008%である。
本発明で使用する溶接材料の化学組成は、上述の元素と、残部がFeおよび不純物である。なお、「不純物」とは上記の溶接材料を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップまたは製造環境などから混入するものを指す。
(C)溶接後熱処理条件:
本発明に係るNi基耐熱合金溶接継手を得るには、化学組成が(A)項で述べた合金母材を、化学組成が(B)項で述べた溶接材料で溶接した後、
保持温度T1(℃)、保持時間t1(分)および保持温度T1(℃)から500℃までの平均降温速度RC(℃/時)が、下記の<1>〜<3>式を満たす溶接後熱処理を施す必要がある。
900≦T1≦1275・・・<1>、
−0.2×T1+260≦t1≦−0.6×T1+870・・・<2>、
0.05×T1−10≦RC・・・<3>。
以下、このことについて詳しく説明する。
(C−1)保持温度T1(℃):
前述の(A)項に記載の化学組成を有するNi基耐熱合金母材を、(B)に記載の化学組成を有する溶接材料を用いて溶接した後、溶接後熱処理して得られる溶接継手の長時間使用中のクリープ強度低下を軽減するためには、
(a)溶接後熱処理過程での粗大なM23炭化物の生成の抑制、および
(b)M23炭化物中のCr含有量を高めること、
が重要である。
上記の(a)と(b)を達成するためには、先ず、溶接後熱処理の保持温度T1(℃)が上記<1>式を満たす必要がある。
すなわち、溶接後熱処理温度を低めにする必要があり、加えて、実施工における溶接後熱処理では、設備の制約上、種々の溶接部に高温の後熱処理を実施することは困難であることから、溶接後熱処理の保持温度T1(℃)に上限を設け1275℃以下とする。しかしながら、上記溶接後熱処理の保持温度T1(℃)が低すぎると溶接残留応力が十分に緩和せず、長時間使用中の応力緩和割れ感受性の増大を招く。そのため、溶接後熱処理の保持温度T1(℃)は900℃以上とする。溶接後熱処理の保持温度T1(℃)の望ましい下限は1050℃、さらに望ましい下限は1100℃である。また、上記保持温度T1(℃)の望ましい上限は1250℃、さらに望ましい上限は1200℃である。
なお、溶接後熱処理の保持温度T1(℃)は、上記の<2>式および<3>式を併せて満足する必要がある。
(C−2)保持時間t1(分):
溶接後熱処理の保持温度T1(℃)と保持時間t1(分)は上記の<2>式を満たすようにする必要がある。
前述の通り、溶接後熱処理して得られた溶接継手の長時間使用中のクリープ強度低下を軽減するためには、溶接後熱処理過程での粗大なM23炭化物の生成を抑制することが重要である。このためには、保持温度T1(℃)に応じて保持時間t1(分)の上限を管理する必要がある。すなわち、溶接後熱処理の保持温度T1(℃)が上記<1>式を満たしても、保持時間t1(分)が長い場合には粗大なM23炭化物の生成を抑制できないことがあるので、溶接後熱処理過程での粗大なM23炭化物生成の抑制のために、保持温度T1(℃)に応じて保持時間t1(分)に上限を設け、〔−0.6×T1+870〕以下とする。
しかしながら、溶接後熱処理の保持時間t1(分)が短すぎると、溶接残留応力が十分に緩和せず、長時間使用中の応力緩和割れ感受性の増大を招くことがある。そのため、保持温度T1(℃)に応じて保持時間t1(分)に下限を設け、〔−0.2×T1+260〕以上とする。
(C−3)保持温度T1(℃)から500℃までの平均降温速度RC(℃/時):
溶接後熱処理の保持温度T1(℃)と該保持温度T1(℃)から500℃までの平均降温速度RC(℃/時)は上記の<3>式を満たすようにする必要がある。
前述の通り、溶接後熱処理して得られた溶接継手の長時間使用中のクリープ強度低下を軽減するためには、溶接後熱処理過程での粗大なM23炭化物の生成を抑制することが重要である。しかしながら、保持温度T1(℃)に応じて保持時間t1(分)に上限を設け、〔−0.6×T1+870〕以下としても、溶接後熱処理における平均降温速度が遅い場合には、M23炭化物の生成・成長を抑制できないことがある。このため、M23炭化物が生成・成長しやすい温度域、つまり、溶接後熱処理の保持温度T1(℃)から500℃までの温度域、における平均降温速度RC(℃/時)に上限を設け、〔0.05×T1−10〕以下とする。
上記の平均降温速度RC(℃/時)に上限を設ける必要はなく、実施工における溶接後熱処理環境における最高の平均降温速度であっても構わない。
なお、上述の(C−1)〜(C−3)を満たす溶接後熱処理を施した後、さらに、保持温度T2(℃)および保持時間t2(分)が、下記の<4>式および<5>式を満たす溶接後熱処理を施せば、Cr含有量の高いM23炭化物が微細に析出するので、上記処理によって、一層安定して溶接継手の長時間使用中のクリープ強度低下を軽減することができる。
500≦T2≦650・・・<4>、
5≦t2≦180・・・<5>。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学組成を有する符号A〜Dの合金を実験室溶解して鋳込んだインゴットから、熱間鍛造および溶体化熱処理により、厚さ15mm、幅50mm、長さ100mmおよび厚さ32mm、幅150mm、長さ200mmのNi基耐熱合金板を溶接母材用として作製した。
さらに、表2に示す化学組成を有する符号X〜Zの合金を実験室溶解して鋳込んだインゴットから、熱間鍛造、熱間圧延および機械加工により、外径1.2mmの溶接材料(溶接ワイヤ)を作製した。
Figure 0006398277
Figure 0006398277
上記厚さ15mmの溶接母材用合金板には、その長手方向に角度30°、ルート厚さ1mmのV開先を加工した後、上述した符号X〜Zの溶接材料を用いてTIG溶接により開先内に多層溶接を行い、溶接継手を作製した。
次いで、得られた溶接継手に表3に示す種々の条件で溶接後熱処理を施した。その後、各溶接継手から溶接金属が平行部の中央となるように丸棒クリープ破断試験片を採取し、母材合金板の目標破断時間が1000時間となる700℃、167MPaの条件でクリープ破断試験を行い、その破断時間が上記母材合金板の目標破断時間(1000時間)を超えるものを「優」、母材合金板の目標破断時間の85%を超えて100%以下(850時間超〜1000時間)のものを「良」、母材合金板の目標破断時間の70%を超えて85%以下(700時間超〜850時間)のものを「可」として「合格」とし、また、700時間以下であるものを「不可」として「不合格」とした。なお、表3の「2回目の溶接後熱処理」欄における「−」は処理していないことを示す。
一方、厚さ32mmの溶接母材用合金板には、複雑な溶接部形状における厳しい応力状態を再現するため、JIS Z 3158(1993)に記載のy型溶接割れ試験片に準拠した試験片を機械加工により作製し、TIG溶接により開先に単層溶接を行い、溶接継手を作製した。
上記のようにして得られた溶接継手にも上述の表3に示す条件で溶接後熱処理を施した。その後、700℃×500時間の時効熱処理を行い、次の試験に供した。
すなわち、上記溶接継手の各5か所から採取した試料の横断面を鏡面研磨、腐食した後、光学顕微鏡により検鏡し、溶接熱影響部における割れの有無を調査した。そして、5個の全ての試料で割れのない溶接継手を「合格」とした。
表3に上記各試験の結果を併せて示す。なお、「クリープ破断試験」欄における「◎」、「○」および「△」はそれぞれ、クリープ破断試験結果が「優」、「良」および「可」であった「合格」の溶接継手であることを示す。一方、「×」は、クリープ破断試験結果が「不可」であった「不合格」の溶接継手であることを示す。また、「割れ観察試験」欄における「○」は、5個の全ての試料で割れがない「合格」の溶接継手であることを示す。一方、「×」は5個の試料のうち少なくとも1個の試料に割れが認められたことを示す。
Figure 0006398277
表3から、本発明の要件を満たす「本発明例」の溶接継手符号の場合、いずれもクリープ破断試験結果は合格(「◎」、「○」または「△」)であって高いクリープ強度を有し、かつ断面の割れ観察試験結果も合格(「○」)であって厳しい溶接部形状においても優れた溶接熱影響部の耐応力緩和割れ性を有することが明らかである。
上記「本発明例」のうちで、特に、本発明の要件を満たす2回の後熱処理を実施した溶接継手符号AX3〜AX5、AY3〜AY5、AZ10〜AZ14、BZ2、CZ2およびDZ2は、クリープ破断試験結果がいずれも「◎」であり、クリープ強度の低下が著しく低減されていることが分かる。
これに対して、本発明の要件から外れる溶接後熱処理を施した「比較例」の溶接継手符号の場合、クリープ破断試験結果または割れ観察試験結果が「不合格」である。
溶接継手符号AZ1は、溶接後熱処理の保持温度T1(℃)が<1>式の下限を下回って低かったため、溶接部の残留応力除去が十分ではなく、本実施例で適用したような厳しい溶接部形状では長時間時効により応力除去緩和割れが発生した。
溶接継手符号AZ4は、溶接後熱処理における保持時間t1(分)が<2>式の下限を下回って短かったため、同様に溶接部の残留応力除去が十分ではなく、応力除去緩和割れが発生した。
溶接継手符号AZ6は、溶接後熱処理における保持温度T1(℃)から500℃までの平均降温速度RC(℃/時)が、<3>式を満たさず遅かったため、溶接後熱処理過程で粗大なM23炭化物が生成したことにより、クリープ強度の低下が大きく、クリープ破断試験結果は不合格であった。
溶接継手符号AZ16は、溶接後熱処理における保持時間t1(分)が<2>式の上限を超えて長かったため、同様に溶接後熱処理過程で粗大なM23炭化物が生成したことにより、クリープ強度の低下が大きく、クリープ破断試験結果は不合格であった。
本発明によれば、高温でのクリープ強度と使用時の溶接部の耐応力緩和割れ性を安定して備えるNi基耐熱合金溶接継手を得ることができる。

Claims (4)

  1. 化学組成が、質量%で、
    C:0.04〜0.12%、Si:0.5%以下、Mn:1.5%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Ni:46〜54%、Cr:27〜33%、W:3〜9%、Ti:0.05〜1.2%、Zr:0.005〜0.05%、Al:0.05〜0.3%、B:0.0001〜0.005%、N:0.02%以下、O:0.01%以下、Ca:0〜0.05%、Mg:0〜0.05%、REM:0〜0.5%、Co:0〜1%、Cu:0〜4%、Mo:0〜1%、V:0〜0.5%、Nb:0〜0.5%、残部:Feおよび不純物である合金母材を、
    化学組成が、質量%で、
    C:0.06〜0.18%、Si:1%以下、Mn:2%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Ni:40〜60%、Cr:20〜33%、MoおよびWの1種以上:合計で6〜13%、Ti:0.05〜1.5%、Co:0〜15%、Nb:0〜0.5%、Al:1.5%以下、B:0〜0.005%、N:0.18%以下、O:0.01%以下、残部:Feおよび不純物である溶接材料で溶接した後、
    保持温度T1(℃)、保持時間t1(分)および保持温度T1(℃)から500℃までの平均降温速度RC(℃/時)が下記の<1>〜<3>式を満たし、RC(℃/時)が150以上である溶接後熱処理を施す、Ni基耐熱合金溶接継手の製造方法。
    900≦T1≦1275・・・<1>、
    −0.2×T1+260≦t1≦−0.6×T1+870・・・<2>、
    0.05×T1−10≦RC・・・<3>。
  2. 請求項1に記載の溶接後熱処理を施した後、さらに、保持温度T2(℃)および保持時間t2(分)が、下記の<4>式および<5>式を満たす溶接後熱処理を施す、Ni基耐熱合金溶接継手の製造方法。
    500≦T2≦650・・・<4>、
    5≦t2≦180・・・<5>。
  3. 前記合金母材の化学組成が、質量%で、下記の[1]および[2]から選択される1種以上の元素を含有する、請求項1または2に記載のNi基耐熱合金溶接継手の製造方法。
    [1]:Ca:0.0001〜0.05%、Mg:0.0001〜0.05%、REM:0.001〜0.5%、
    [2]:Co:0.01〜1%、Cu:0.01〜4%、Mo:0.01〜1%、V:0.01〜0.5%、Nb:0.01〜0.5%。
  4. 前記溶接材料の化学組成が、質量%で、下記の[3]から選択される1種以上の元素を含有する、請求項1から3までのいずれかに記載のNi基耐熱合金溶接継手の製造方法。
    [3]:Co:0.01〜15%、Nb:0.01〜0.5%、B:0.0001〜0.005%。
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