JP6395814B2 - 自動車の車体に回動可能に取り付けるための改良したアバットメントを有するテールゲート - Google Patents

Description

本発明は、自動車の開口の技術分野に、そして特にこの種の自動車のテールゲートに関する。

自動車のテールゲートは、通常、第１に、この車両の車体に開位置と閉位置との間を回動可能に取り付けられ、第２に、テールゲートの開放を支援するための軸スラストを発生する手段によって、この車体に接続される。

閉位置において、テールゲートは、通常、車体の固定した後部開口を塞ぐことを意図する。

車体にテールゲートをヒンジ結合するための手段は、通常、第１に、開口の上部エッジを、そして第２に、テールゲートの上部エッジを接続して、水平ヒンジ軸を形成する一対のヒンジを含む。

テールゲートの開放を支援するための（そして、テールゲートの閉運動を保護するのも助ける）手段は、一般に、少なくとも１つのガス・シリンダを、通常、１つは左で１つは右の２つのガス・シリンダを含む。各ガス・シリンダは、車体との、特に後部開口の横エッジとの接続のための第１の端部、および、テールゲートとの、特にテールゲートの横エッジとの接続のための第２の端部を備える。そして、これらの２つの接続端部間に軸スラストを働かせる。

テールゲートは、このテールゲートおよび車体上に配置されてロックを形成している追加手段によって閉位置にロック状態に保持される。

車体またはテールゲートによって担持されたシールは、通常、閉位置のテールゲートと車体との間に挿入されて、圧縮される。

先行技術においてすでに公知の「全てプラスチック」タイプの自動車のテールゲートは、（テールゲートが閉位置にあるときに、車両の内側に配置される）プラスチック箱、および、（テールゲートが閉位置にあるときに、車両の外側に配置される）プラスチック・パネルを備える。必要に応じて、リア・ウインドウを形成しているガラスは、パネルによって担持される。

箱およびパネルは、特に熱可塑性プラスチック材料で造られることができる。それらは、接着することによって、特に一緒に組み立てられる。

熱可塑性プラスチック材料で造られた構成要素から成るテールゲートの場合、さまざまな機械的および熱的応力の影響下で、我々は、（テールゲートが閉位置にあるときに）テールゲートのパネルの変形の出現を観察する。

より詳しくは、支援ガス・シリンダの端部をテールゲートおよび車体と接続している若干の構成において、我々は、車体の後部開口の相補的な輪郭とのテールゲートの配列誤りの出現を観察する。これらの配列誤りは、閉位置のテールゲートを考慮すると、その上部エッジの横（左右）の端部近くのテールゲートの領域に位置している。テールゲートの上部エッジの横（左右）の端部における配列誤りの出現は、第１に、ヒンジ間に延びているテールゲートの上部エッジの一部の頂部の方へ膨張することに、そして第２に、テールゲートの下部エッジと車体の後部開口の相補的な輪郭との間のクリアランス誤りの出現に、つながる。

これらの誤りを生じる傾向がある機械的応力は、車体上でのテールゲートのヒンジおよびアンカーポイント、（テールゲートが閉位置にあるときに）車体とテールゲートとの間で圧縮されるシール、および、テールゲートが閉位置にあるときに、それらの軸スラストを働かせ続けるテールゲートの開放を支援するガス・シリンダ、によって特に発生する。テールゲートが閉位置にあるときに、ガス・シリンダの軸スラストがテールゲートのパネルの配列誤りの主に原因となると、我々は、観察する。

本発明の主たる目的は、自動車のテールゲートの変形、特に、若干の構成において、テールゲートの配列誤りの出現を制限するかまたは除去さえすることである。そしてこのテールゲートは、プラスチック、特に熱可塑性プラスチック材料、または鋼製車体（例えばアルミニウム）の膨張特性から全く異なる膨張特性の材料で少なくとも部分的にできた箱を含む。

この目的で、本発明は、開位置と閉位置との間を回動可能なように自動車の車体に取り付けられることを意図する、そして、テールゲートの開放を支援するための軸スラストを発生する支援手段によってこの車体に接続されることを意図する、テールゲートであって、テールゲートが閉位置にあるときに、相補的な支持面が反変形アバットメントに対して反力を働かせるように、車体の前記相補的な支持面と係合するためのテールゲート上に配置される反変形アバットメントと呼ばれるアバットメントを含むことを特徴として、反力は、
−支援手段のスラストの方向と平行な方向、またはこのスラストの方向に対して多くても４５°角度付けられた方向を有し、および、
−支援手段のスラストの方向と反対の方向の少なくとも１つの成分を有する、
テールゲートに関する。

上で規定したように、テールゲート上の反変形アバットメントの配置は、テールゲートの、特に、関係する構成において、このテールゲートの局所的なたるみによる車体の相補的な輪郭をともなうテールゲートの配列誤りの変形の出現を防止するか、または少なくとも制限することが、事実、観察された。

特に、さまざまな機械的および熱的応力の影響下でこの領域のたるみによって、車体の後部開口の相補的な輪郭をともなう配列誤りを受けそうなテールゲートの領域の近くに反変形アバットメントを配置することによって、テールゲートの変形の出現、特にテールゲートの配列誤りは、効果的に制限される。

このテールゲートの他の付随的な特徴によれば：
−支援手段は、少なくとも１つのガス・シリンダを含む；
−テールゲートが閉位置にあるときに、反変形アバットメントは、ガス・シリンダをテールゲートと接続している端部よりもこのガス・シリンダを車体と接続している端部により近くに配置されることを意図する；
−反変形アバットメントは、車体の相補的な支持面と接触することを意図する弾性的に変形可能な材料、特にエラストマ、の質量を含む；
−テールゲートは、少なくとも部分的に熱可塑性プラスチック材料でできた箱を含む；
−テールゲートが閉位置にあるときに、反変形アバットメントは、テールゲートの上半分に配置される；
−テールゲートが閉位置にあるときに、反変形アバットメントは、テールゲートの上部エッジの横の端部近くに配置される。

本発明は、単に例として与えられる以下の説明を、添付図面を参照して読むことによって、よりよく理解される。

図１は、開位置における本発明によるテールゲートを示す、自動車の後部の概略的な側面図である。 図２は、図１に示すテールゲートによって担持された反変形アバットメントの軸平面を通る断面図であり、このテールゲートは、閉位置にある。

図１は、車体１４および、図１に示す開位置と図２に示す閉位置との間を回動可能であるようにこの車体に取り付けられたテールゲート１６を有するアセンブリ１２を含む自動車１０の後部を示す。

閉位置において、テールゲート１６は、車体の固定した後部開口１８を塞ぐ。

図２に示すように、記載される実施例では、テールゲートは、「全てプラスチック」タイプのものであり、（テールゲートが閉位置にあるときに、車両の内側に配置される）プラスチック箱２０、および、（テールゲートが閉位置にあるときに、車両の外側に配置される）プラスチック・パネル２２を含む。必要に応じて、リア・ウインドウを形成しているガラスは、パネル２２によって担持される。

より詳しくは、箱２０およびパネル２２は、熱可塑性プラスチック材料でできていて、公知の手段によって（例えば接着することによって）一緒に組み立てられる。

あるいは、テールゲート１６は、部分的にだけ熱可塑性プラスチック材料でできている箱２０を含んでもよい。

図において、車体１４またはテールゲート１６上に、特に車体１４のまたはテールゲート１６の左右の側に、対称的に配置される要素のペアが、これらの対称形の要素のうちの１つだけによって表される点に注意されたい。

図１に示すように、車体の後部開口１８は、特に、開口１８の横エッジを形成している、車体の一対の後部直立部分２４、および、この車体の屋根２８も定義していて、開口１８の上部エッジも形成している、車体の後部クロスメンバ２６、によって定義される。

記載される実施例では、第１に、後部クロスメンバ２６によって形成される開口１８の上部エッジを、そして第２に、テールゲート１６の上部エッジ１６Ｓを接続している一対のヒンジ２９を含む手段を用いて、テールゲート１６は、車体１４にヒンジ結合される。これらのヒンジ２９は、水平ヒンジ軸を形成する。

アセンブリ１２はまた、車体１４およびテールゲート１６を接続していて、テールゲート１６の開放を支援している軸スラストを生成している手段を含む。

テールゲート１６の開放を支援するための（そして、このテールゲート１６の閉運動を保護するのも助ける）手段は、１つは左で１つは右の一対の従来のガス・シリンダ３０を含む。

２つの接続端部３０Ａ、３０Ｂ間に軸スラストを働かせるように、各ガス・シリンダ３０は、車体との、特に直立部分２４によって形成される後部開口の横エッジとの接続のための第１の端部３０Ａ、および、テールゲート１６との、特にテールゲートの横エッジ１６Ｌとの接続のための第２の端部３０Ｂを備える。

各ガス・シリンダ３０は、ロッド３４がガス・シリンダ３０の最小長さ位置と最大長さ位置との間を摺動可能に取り付けられる本体３２を備える。テールゲート１６の開運動を支援するために、ロッド３４は、軸スラストの効果の下で、ガス・シリンダ３０の最大長さ位置の方へ押される。

車体１４に対して固定されるガス・シリンダ３０のヒンジ点を形成する本体３２の自由端によって、ガス・シリンダの第１の端部３０Ａは、形成される。車体１４に対して可動なガス・シリンダ３０のヒンジ点を形成するロッド３４の自由端によって、ガス・シリンダの第２の端部３０Ｂは、形成される。

あるいは、テールゲート１６の開放を支援するための手段は、ただ１つのガス・シリンダ３０を有することができる。

図２に示すように、車体１４によって担持されるシール３６は、閉位置のテールゲート１６と車体１４との間に挿入されて、圧縮される。

図１および図２において、１点鎖線および矢印Ｆは、テールゲート１６が閉位置にあるときにガス・シリンダ３０のスラストの方向Ｄをそれぞれ示し、このスラストの方向は、テールゲート１６が閉位置にあるときである点に注意されたい。

図１および図２に示すように、テールゲート１６は、テールゲート１６が閉位置にあるときに、車体のアバットメントまたは対応する相補的な支持面４０と各々係合することを意図する一対の反変形アバットメント３８を含む。

図示の実施例では、反変形アバットメント３８は、車体の相補的な支持面４０と接触することを意図する弾性的に変形可能な材料、特に記載される実施例のようなエラストマの質量３８Ｍを含む。このエラストマ質量３８Ｍは、公知の方法で（例えば箱２０において形成される穴４２のクリッピングによって、または他のフック手段によって）、直接または間接的にテールゲートの箱２０に掛けられる。質量３８Ｍを掛けるための穴または手段が造られるかまたは配置される箱の部分は、必要に応じて補強されてもよい。

車体１４上に配置される支持面４０は、開口１８を定義している車体１４の部分のような金属シートで好ましくはできている。この金属シートは、必要に応じて支持面４０で補強されてもよい。

特に図２に示すように、テールゲート１６が閉位置にあるときに、テールゲート１６上の反変形アバットメント３８の位置取りは、このテールゲート１６が車体の相補的な支持面４０と係合することを許容する。そうすると、この相補的な支持面４０は、反変形アバットメント３８に対して反力を働かせる。

この反力は、以下を有する：
−各ガス・シリンダ３０のスラストの方向Ｄと平行な方向ＤＲ、またはこのスラストの方向Ｄに対して多くても４５°角度付けられた方向ＤＲ、および、
−各ガス・シリンダ３０のスラストの方向Ｆと反対の方向の少なくとも１つの成分Ｒ。

図２において、１点鎖線は方向ＤＲを示し、矢印Ｒは、テールゲート１６が閉位置にあるときに各ガス・シリンダ３０のスラストの方向Ｆと反対方向の反力の成分を示す点に注意されたい。

好ましくは、反変形アバットメント３８は、２００〜５００Ｎのモデュラスの相補的な支持面４０から反力を受けるために大きさを設定されなければならない。

図示の実施例では、閉位置のテールゲート１６を考慮して、ガス・シリンダ３０の第１の端部３０Ａは、後部開口１８の横エッジの上部に接続していて、ガス・シリンダ３０の第２の端部３０Ｂは、テールゲート１６の横エッジ１６Ｌの下部に接続している。

ガス・シリンダ３０の両端部を記載される実施例のテールゲート１６および車体１４と接続している構成において、アバットメント３８が制限するかまたは除去さえする変形は、閉位置のテールゲート１６を考慮して、その上部エッジ１６Ｓの横（左右）の端部近くのテールゲート１６の領域に位置するテールゲート１６の配列誤りである。

したがって、好ましくは、すでに規定したように、そしてテールゲートの上部エッジ１６Ｓの２つの横（左右）の端部近くで、２つの反変形アバットメント３８をテールゲートに配置することによって、テールゲートの配列誤りの出現は、効果的に制限される。事実、テールゲートの上部エッジ１６Ｓのこれらの左右の端部は、さまざまな機械的および熱的応力の影響下でこれらの端部のたるみによって、車体の相補的な輪郭（すなわち開口１８を定義する車体の輪郭）をともなう配列誤りをより受けそうであることが観察された。

したがって、図示の実施例では、テールゲート１６が閉位置にあるときに、各反変形アバットメント３８は、このテールゲート１６の上半分において配置される。

また、図示の実施例では、テールゲート１６が閉位置にあるときに、各反変形アバットメント３８は、ガス・シリンダ３０をテールゲート１６と接続している端部３０Ｂよりもこのガス・シリンダ３０を車体１４と接続している端部３０Ａにより近くに配置される点に注意されたい。

本発明は、図示した実施例に制限されない。そして、他の実施例は、当業者にとって明らかに明白である。

特に、示す以外に、各ガス・シリンダ３０は、車体にそしてテールゲートに接続していることができる。特に、閉位置のテールゲート１６を考慮して、ガス・シリンダ３０の第１の端部３０Ａは、後部開口１８の横エッジの下部に接続していることができる、そして、ガス・シリンダ３０の第２の端部３０Ｂは、テールゲート１６の横エッジ１６Ｌの上部に接続していることができる。

各反変形アバットメント３８は、テールゲート１６が閉位置にあるときに、このテールゲート１６の下半分において配置されることもできる。

さらに、支援手段が単一のガス・シリンダを含む場合、この単一のガス・シリンダ・アバットメント３０を伴う単一の反変形アバットメント３８は、設けられることができる。

加えて、車体１４の支持面４０は、テールゲートの反変形アバットメント３８と接触することを意図するエラストマ質量を含むことができる。そして、このアバットメント３８は、テールゲート１６のおそらく補強された部分（例えばテールゲートの箱２０の一部）によって形成される。

最後に、テールゲートは、鋼製車体（例えばアルミニウム）の膨張特性から全く異なる膨張特性の材料で少なくとも部分的にできた箱、テールゲートの変形を制限するかまたは除去さえするアバットメント３８、を含んでもよい。

Claims (7)

1. テールゲート（１６）であり、開位置と閉位置との間を回動可能なように自動車の車体（１４）に取り付けられることを意図する、そして、前記テールゲート（１６）の開放を支援するための軸スラストを発生する支援手段（３０）によってこの車体（１４）に接続されることを意図する、テールゲート（１６）であって、前記テールゲート（１６）が閉位置にあるときに、相補的な支持面（４０）が反変形アバットメント（３８）に対して反力を働かせるように、前記車体（１４）の前記相補的な支持面（４０）と係合するための前記テールゲート上に配置される反変形アバットメント（３８）と呼ばれるアバットメントを含むことを特徴として、前記反力は、
   −前記支援手段（３０）のスラストの方向（Ｄ）と平行な方向（ＤＲ）、またはこのスラストの方向（Ｄ）に対して多くても４５°角度付けられた方向（ＤＲ）を有し、および、
   −前記支援手段（３０）のスラストの方向（Ｆ）と反対の方向の少なくとも１つの成分（Ｒ）を有し、
   前記テールゲート（１６）が閉位置にあるときに、前記反変形アバットメント（３８）は、前記テールゲートの上部エッジ（１６Ｓ）の横の端部近くに配置される、
   テールゲート（１６）。
2. 前記反変形アバットメント（３８）は、前記車体（１４）の前記相補的な支持面（４０）と接触することを意図する弾性的に変形可能な材料でできた要素（３８Ｍ）を含む、請求項１に記載のテールゲート（１６）。
3. 少なくとも部分的に熱可塑性プラスチック材料でできた要素（２０）を含む、請求項１または２に記載のテールゲート（１６）。
4. 前記テールゲート（１６）が閉位置にあるときに、前記反変形アバットメント（３８）は、前記テールゲート（１６）の上半分に配置される、請求項１〜３のいずれか１項に記載のテールゲート（１６）。
5. 請求項１〜４のいずれか１項に記載のテールゲート（１６）および、前記テールゲート（１６）の開放を支援するための軸スラストを発生する支援手段（３０）のアセンブリ。
6. 前記支援手段は、少なくとも１つのガス・シリンダ（３０）を含む、請求項５に記載のアセンブリ。
7. 前記テールゲート（１６）が閉位置にあるときに、前記反変形アバットメント（３８）は、前記ガス・シリンダ（３０）を前記テールゲート（１６）と接続している端部（３０Ｂ）よりもこのガス・シリンダ（３０）を車体（１４）と接続している端部（３０Ａ）により近くに配置されることを意図する、請求項６に記載のアセンブリ。

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